JP3869577B2 - 金属材料用水系表面処理剤および表面処理金属板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は金属材料の表面に、平面部耐食性、傷付き部耐食性および塗装密着性に優れた樹脂皮膜を形成するために用いられる金属材料用水系表面処理剤、およびかかる樹脂皮膜を形成させた表面処理金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、家庭電化製品や建材等には、亜鉛や亜鉛系メッキ鋼板が広く用いられている。これらの鋼板は、そのままでは、耐食性や塗装密着性(=上塗り塗装性)が不十分であるために、クロメート化成処理やリン酸塩化成処理が施され、その後、プレス加工や折曲げ加工等の成形加工や塗装等が施されることが多いが、使用される用途によっては、塗装を行わないでそのまま用いられる場合も少なくない。
塗装を行わないで用いる場合には、クロメート化成処理鋼板と呼ばれる表面処理剤鋼板が多く適用されてきたが、成形加工や組立ての際の指紋の付着、クロメート皮膜量の違いによる色調のバラツキなどの問題を有している。そこで、これらの問題点を解決するためにクロメート皮膜上に有機皮膜を形成させた耐指紋鋼板が用いられるようになってきた。この耐指紋鋼板は指紋の付着を防ぐ目的で、亜鉛系メッキ鋼板の表面にクロメート処理後厚さ1μm前後の有機樹脂層を形成させたものである。この耐指紋鋼板は、耐指紋性以外に、耐食性、耐溶剤性、塗装密着性、耐傷付き性などの種々の皮膜性能が要求される。
これらの性能のうち、近年、耐傷付き性に対する要求が強くなっている。耐傷付き性が要求される理由は、成形加工後の製品を運搬する際に生じる振動により、成形物同士あるいは成形物を納めている容器(段ボール箱など)と成形物とが擦れ合い、成形物の表面に傷が生じるためである。この傷付き部は、通常の有機被覆鋼板より耐食性が劣るため、品質の低下を免れない。
【0003】
このため、耐食性、塗装密着性の他に耐傷付き性も考慮した表面処理剤鋼板に関する技術がいくつか提案されている。このような技術としては、特開平3−17189号公報、特公平6−104799号公報、特開平6−292859号公報に記載されている方法がある。
【0004】
特開平3−17189号公報には、ウレタン変性ポリオレフィン樹脂にフッ素系樹脂粒子およびシリカ粒子を配合した樹脂皮膜に関する方法が開示されている。この方法の特徴は、フッ素系樹脂粒子を使用することで傷付き部を保護するところにあるが、フッ素系樹脂粒子を水溶液中で均一に分散させるためには、界面活性剤の使用が必要不可欠であり、この界面活性剤を使用しているために耐食性のレベルが全体的に低く、満足できる耐食性を得ることはできなかった。
【0005】
特公平6−104799号公報には、ポリエステル系樹脂と架橋剤と平均分子量2000〜8000のポリエチレン系ワックスを含有する皮膜に関する方法が開示されている。この方法では、ベース樹脂にポリエステル樹脂を使用しているため、皮膜自体の耐加水分解性が不十分であり、満足できる耐食性を得ることができなかった。
【0006】
特開平6−292859号公報には、分子内に活性水素を有するウレタン樹脂に常温架橋型エポキシ樹脂を含有させた樹脂に、球形ポリエチレンワックス粒子と鎖状コロイダルシリカを含有させた皮膜に関する方法が開示されている。コロイダルシリカは、固体表面に付着して摩擦係数を高くする増摩性と呼ばれる性質を有しており、この方法のような鎖状コロイダルシリカを使用した場合、コロイダルシリカ自体の構造性により耐傷付き性が低下する。このため、この方法では球状ポリエチレンワックスを配合しているが、乾燥温度が100℃よりも低い温度であるため、ポリエチレンワックスが樹脂皮膜中に埋没してしまい、潤滑性が不十分となり、満足できる耐傷付き部の耐食性を得ることができない。
【0007】
このように、現状では耐食性、塗装密着性に優れ、かつ、傷付き部の耐食性が良好な表面処理鋼板は得られていないのである。
【0008】
なお、冷延鋼板、亜鉛系メッキ鋼板またはアルミニウム系の金属板に樹脂皮膜を形成させる目的で使用される、ウレタン樹脂および/またはエポキシ樹脂、シリカもしくはシリカ粒子、およびポリエチレンワックスを含むワックスを含有する(水系)潤滑性塗料としては、特開平5−118550号公報、特許第2719571号または特許第2617838号に記載のものが知られているが、別の構成要件および発明の効果において、以下に述べる本発明はこれらの発明と異なっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術が抱える問題点を解決するためのものであり、耐食性、塗装密着性はもちろんのこと、特に、傷付き部の耐食性に優れた有機樹脂皮膜を形成するために用いられる金属材料用水系表面処理剤およびこれを用いて得られる表面処理金属板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術が抱える課題を解決するための手段について鋭意検討を重ねた結果、ウレタン樹脂および/またはアクリル系樹脂、硬化剤、シリカ粒子、特定粒径のポリエチレンワックス、および分散剤としての特定構造の化合物を含有する水系表面処理剤を用いることによって、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は(A)ウレタン樹脂および/またはアクリル系樹脂、(B)硬化剤、(C)シリカ粒子、(D)平均粒径0.01〜0.2μmのポリエチレンワックス、(E)分散剤としての下記式(I)で示される化合物、および水を含有し、成分(A)および(B)がそれぞれ水に溶解しているか分散しており、成分(C)および(D)が水に分散しており、成分(E)が水に溶解しており、成分(A)〜(E)の全固形分に対して、(A)+(B)の固形分の割合が50〜95重量%、(C)の固形分の割合が3〜40重量%、(D)+(E)の固形分の割合が2〜20重量%であり、(A)/(B)固形分重量比が4/1〜49/1であることを特徴とする金属材料用水系表面処理剤:
【0012】
【化2】
【0013】
[式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基を表し、R2は(EO)m−(PO)n(式中、Eはエチレン基を表し、Pはプロピレン基を表し、mは5〜20の整数を表し、nは0または1〜10の整数を表す)を表し、R3は水素原子またはSO3M(式中、Mは水素原子、アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンを表す)を表し、R4は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数2〜4のアルケニル基を表す]。
に関する。
【0014】
(D)+(E)の固形分に対する(E)の固形分の割合が10〜40重量%であることが好ましく、成分(A)のガラス転移温度が−40〜0℃の範囲内にあることが好ましく、成分(B)がエポキシ樹脂であることが好ましく、成分(B)が1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることがさらに好ましい。
【0015】
本発明は、また、金属材料の表面に、第1層として金属クロム換算で3〜100mg/m2のクロメート皮膜層を有し、第2層として、上記金属材料用水系表面処理剤を塗布、乾燥して形成された0.3〜3.0g/m2の樹脂皮膜層を有することを特徴とする表面処理金属板に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の構成を詳細に説明する。
本発明の第1の特徴は、ベース樹脂として、適切な種類の樹脂を一定重量比で配合することにある。樹脂としては、耐食性、耐摩耗性、耐薬品性のバランスの取れた構造とする必要がある。このため、本発明では、(A)ウレタン樹脂および/またはアクリル系樹脂を使用しており、この樹脂は本金属材料用水系表面処理剤中に溶解しているか分散している。
【0017】
本発明に使用されるウレタン樹脂は、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、カルボン酸成分および活性水素を3個以上有する化合物の4成分から構成される原料を用いて製造される。
【0018】
ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分子量のポリオールのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン/ポリプロピレングリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリブタジエンポリオールなどのポリエーテルポリオール、これらのポリオールとコハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の多塩基酸との反応によって得られ、末端にヒドロキシル基を有するポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0019】
ポリイソシアネート成分としては、脂肪族、脂環式および芳香族ポリイソシアネートが挙げられ、好ましくは、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族または脂環式のポリイソシアネートを用いた場合に、特に耐食性、耐薬品性に優れた皮膜が得られる。
【0020】
カルボン酸成分としては、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸等が挙げられる。
【0021】
活性水素を3個以上有する化合物としては、例えば、メラミン、ジエチレントリアミン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、およびこれらのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
【0022】
また、ウレタン樹脂製造時に、必要に応じて通常用いられている活性水素を2個有する化合物(鎖延長剤)をさらに添加することも当然可能である。このような鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、あるいはこれらのエチレンオキシドまたは/およびプロピレンオキシド付加物等のポリオール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等のアミン類等が挙げられる。
【0023】
本発明に使用されるウレタン樹脂の原料の使用量は、ウレタン樹脂100重量部について、ポリオール成分30〜70重量部、好ましくは35〜65重量部、ポリイソシアネート成分20〜50重量部、好ましくは25〜40重量部、カルボン酸成分0.5〜10重量部、好ましくは1〜8重量部、活性水素を3個以上有する化合物0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部である。また、使用する場合の鎖延長剤の使用量は、ウレタン樹脂100重量部について、1〜15重量部、好ましくは3〜10重量部である。
【0024】
本発明で使用されるウレタン樹脂の製造方法については特に制限はなく周知の方法を用いることができるが、工業的に広く用いられているプレポリマー法で製造するのが好ましい。プレポリマー法では、反応に不活性で水との親和力の大きい有機溶媒中でポリオール成分、ポリイソシアネート成分、カルボン酸成分および活性水素を3個以上有する化合物を反応させて得られる重合体を、中和剤と鎖延長剤を含有する水溶液中に分散させることによりウレタン樹脂を製造する。
上記有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル等が挙げられる。また、上記中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基が挙げられる。
得られるウレタン樹脂の分子量については特に制限はないが、5,000以上であることが好ましい。
【0025】
次に、本発明で使用されるアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸と、それとは異なるエチレン性二重結合を有する単量体とを共重合させて得られる共重合体を意味するものとする。
【0026】
かかる単量体としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、桂皮酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アリルエーテル、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエーテル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アリルエーテル、アリルアルコール、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(1−アジリジニル)エチルアクリレート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルグリシジルエーテル、イミノールメタクリレート、アクリロイルモルホリン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、酪酸ビニル、アクリル酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリロニトリル、ケイ皮酸ニトリル、(メタ)アクリロキシエチルホスフェート、ビス−(メタ)アクリロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロキシエチルフェニルアシッドホスフェート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸の使用量は、本発明で使用されるアクリル系樹脂100重量部について、1〜20重量部であるのが好ましく、2〜15重量部であるのがより好ましい。
【0027】
本発明で使用されるアクリル系樹脂の製造方法については特に制限はないが、乳化剤と呼ばれる界面活性剤と単量体を水中に均一に分散させて単量体を乳化状態にした後に重合反応を進行させる乳化重合法、単量体を全くあるいはほとんど溶解しない溶媒(例えば水)に単量体を分散させて溶媒に難溶で単量体に可溶性の重合開始剤を用い懸濁した単量体の小さい滴内で重合反応を進行させる懸濁重合法などの工業ベースで実績のある方法であることが好ましい。
また、本発明で使用されるアクリル系樹脂の分子量については特に制限はないが、ゲルパーミエーションクロマトクラフィーで測定した場合、1万〜100万程度であることが好ましい。
【0028】
本発明で使用される(A)樹脂は、ガラス転移温度が−40〜0℃であるものが好ましく、−40〜−5℃であるものがより好ましい。ガラス転移温度が−40℃より低い場合は、得られる皮膜の耐ブロッキング性が劣るので好ましくない。また、樹脂の皮膜物性はガラス転移温度を境に大きく変化する傾向にある。通常、成形加工後の製品が取り扱われる温度は、10〜50℃の範囲であるが、この温度範囲にガラス転移温度がある場合は、気温により樹脂の皮膜物性の変化が起こり、皮膜の耐傷付き性が劣る可能性が高い。さらに、ガラス転移温度が50℃を超える場合は、皮膜の造膜性が低下するため、処理剤の乾燥温度を高くする必要があり、経済的に無駄になる。したがって、樹脂のガラス転移温度は−40〜0℃の範囲にするのが好ましい。
【0029】
次に、樹脂のガラス転移温度の測定方法について説明する。ガラス転移温度の測定には、測定装置:(株)東洋精機製作所製レオログラフソリッドS−1、試験片:100℃で30分間乾燥させた膜厚100μm、幅8mm、長さ30mmのフィルムを用いて、周波数100Hzにて測定を行い、弾性損失率の変曲点から求めた。
【0030】
本発明では、(A)樹脂の特性をより引き出すために(B)硬化剤を配合している。本発明に使用される(B)硬化剤としては、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂がより好ましい。本発明に使用される樹脂はカルボキシル基を有しており、このカルボキシル基と硬化剤の官能基(イソシアナト基、アジリジニル基、エポキシ基等)との反応により得られる樹脂の構造が三次元の網目構造を形成するため、皮膜性能が飛躍的に向上する。かかるエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、3個以上のOH基を有する化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。また、本発明で使用される上記エポキシ樹脂の分子量については特に制限はないが、ゲルパーミエーションクロマトクラフィーで測定した場合、3,000以下であることが好ましい。
上記エポキシ樹脂は本発明の水系表面処理剤中で水に溶解しているか分散している。
【0031】
本発明で使用される(A)ウレタン樹脂および/またはアクリル系樹脂と(B)硬化剤との固形分重量比(A)/(B)は4/1〜49/1が好ましく、10/1〜40/1がより好ましい。(A)/(B)の比が4/1未満の場合は、(A)樹脂が特性を十分に発揮することができず、また、未反応の硬化剤が残存して可塑的役割を果たすため、耐食性が低下するので好ましくない。一方、(A)/(B)の比が49/1を超える場合は、硬化剤の配合効果が乏しく、満足できる耐食性を得ることができない。
【0032】
本発明の水系表面処理剤の成分(A)+(B)+(C)+(D)+(E)の固形分(以下、全固形分という)に対する(A)+(B)の固形分の割合は、50〜95重量%であることが必要であり、60〜85重量%であることが好ましい。この割合が50重量%未満である場合は、皮膜自体の耐水性が低下するため好ましくない。一方、この割合が95重量%を超える場合は、傷付き部の耐食性が低下するため好ましくない。
【0033】
本発明に使用される(C)シリカ粒子は、粒径、形状、種類について特に制限されるものではないが、粒径に関しては3〜30nmの範囲であることが好ましい。シリカ粒子は本発明の水系表面処理剤中で水に分散している。全固形分に対するシリカ粒子の割合は、3〜40重量%であることが必要であり、10〜30重量%であることが好ましい。この割合が3重量%未満である場合は、耐食性の向上効果が乏しく、一方、40重量%を超える場合は、樹脂成分(A)のバインダー効果が小さくなり耐食性が低下するので好ましくない。
【0034】
本発明で使用される(D)ポリエチレンワックスは、耐傷付き性のレベルを向上させるために配合されており、その平均粒径は0.01〜0.2μmであることが必要であり、0.05〜0.18μmであることが好ましい。一般的に、潤滑性の指標として用いられる摩擦係数は、ワックス粒径が大きくなると低くなる傾向がある。しかしながら、この摩擦係数と耐傷付き性とは必ずしも一致するものではなく、摺動回数(あるいは摺動距離)と摩擦係数との関係(耐かじり性)の方が重要である。本発明者らはワックスの平均粒径と摺動回数との関係を鋭意検討した結果、ワックスの平均粒径を0.01〜0.2μmとすることにより優れた耐傷付き性が得られることを見出した。ワックスの平均粒径は、ワックスの溶融粘度と分散させるために使用する機械の性能に左右される。このため、ワックスの平均粒径が0.01μm未満の場合は、より高性能の機械を使用する必要があるため経済的でない。一方、0.2μmを超える場合は、皮膜表面から突出したワックスが摺動時に取れやすくなり、結果として連続摺動性が低下するので好ましくない。
【0035】
なお、本発明では、(D)ポリエチレンワックスの分子量、融点については特に制限はないが、酸価は5〜50の範囲が好ましく、10〜30の範囲がより好ましい。酸価が5未満の場合は、ワックスと樹脂とがほとんど相溶しないため、皮膜形成時にワックスが皮膜表面に完全に配向し、耐傷付き性および塗装密着性の低下を引き起こすので好ましくない。一方、酸価が50を超える場合は、ワックスの親水性が強くなるため、ワックス自体が持つ滑性が低下し、耐傷付き性が低下するので好ましくない。
【0036】
本発明で使用する(E)分散剤は前記式(I)で示される化合物である。
上記で、R1としては炭素数5〜20のアルキル基または炭素数2〜5のアルケニル基であることが好ましく、mとしては8〜20の整数であることが好ましく、nとしては0または1〜5の整数であることが好ましく、R3としては水素原子またはSO3NH4であることが好ましく、R4としては水素原子または炭素数2〜4のアルケニル基であることが好ましい。
【0037】
本発明で使用する(D)ポリエチレンワックスは、通常、(E)分散剤を用いて調製した水分散体として使用する。ポリエチレンワックスの分散方法については特に制限はなく、工業的に用いられる方法によれば良い。
なお、前記した(D)ポリエチレンワックスの平均粒径はこの水分散体中での値である。
【0038】
上記水分散体の固形分(すなわち、(D)+(E)の固形分)に対する(E)の固形分の割合は5〜40重量%であることが好ましく、5〜30重量%であることがより好ましい。上記割合が10重量%未満では、ポリエチレンワックスの分散安定性が不十分である。一方、上記割合が40重量%を超える場合は、得られる水系表面処理剤を用いて得られる皮膜の耐水性が低下するので好ましくない。
【0039】
本発明の水系表面処理剤の全固形分(すなわち、成分(A)+(B)+(C)+(D)+(E)の固形分)に対する、上記水分散体の割合は、(D)+(E)固形分の割合として、2〜20重量%であることが必要であり、3〜15重量%であることが好ましく、3〜10重量%であることがさらに好ましい。この割合が2重量%未満では、耐傷付き性の改善効果が乏しく、一方、20重量%を超える場合は、上塗り塗装性が低下するため好ましくない。
【0040】
本発明の水系表面処理剤には、任意成分として、被塗面に均一な皮膜を形成させるための濡れ性向上剤と称せられる界面活性剤や、溶接性向上のための導電性物質、意匠性向上のための着色顔料、造膜性向上のための溶剤等を含有させても良い。
【0041】
上記成分(A)、(B)、(C)および水分散体(すなわち、(D)+(E))、および上記任意成分を水に混合して、溶解、分散させることにより、本発明の金属材料用水系表面処理剤を得ることができる。成分の添加順序に特に制限はないが、混合は、例えばプロペラ式撹拌機等を用いて、攪拌することにより行うのが適当である。
【0042】
得られる本発明の水系表面処理剤は、固形分濃度が5〜50重量%の範囲内であることが好ましく、5〜40重量%の範囲内であることがより好ましい。固形分濃度が5重量%未満の場合は、乾燥時間が長くなるため好ましくない。一方、固形分濃度が50重量%を超える場合は、処理剤自体の粘度が高く、取扱い上支障を来す恐れがある。
【0043】
本発明の水系表面処理剤を塗布する金属材料(素材)としては、冷延鋼板、亜鉛系メッキ鋼板、アルミニウム系メッキ鋼板、アルミニウム板等の金属板が挙げられる。
本発明の水系表面処理剤は、かかる金属材料に直接塗布することもできるが、本発明の効果を十分発揮させるためには、まず常法によるクロメート処理により、クロメート皮膜を形成し、その上に、本発明の水系表面処理剤を塗布して樹脂皮膜を形成させるのが良い。
【0044】
クロメート処理には、電解によってクロメート皮膜を形成する電解クロメート、素材との反応を利用して皮膜を形成させその後余分の処理液を洗い流す反応型クロメート、処理液を被処理物に塗布し水洗することなく乾燥して皮膜を形成させる塗布型クロメートがあり、本発明ではいずれの処理方法も採用することができる。
【0045】
上記クロメート処理によって形成された下地皮膜の上に本発明の水系表面処理剤を10〜50℃で塗布して、到達板温度60〜200℃で乾燥させることにより、樹脂皮膜を形成させる。塗布方法としては、常法、例えばロールコーター法、浸漬法、静電塗布法等を用いることができる。
【0046】
かかる2段階処理によって得られる本発明の表面処理金属板は、金属材料の表面に、第1層として金属クロム換算で3〜100mg/m2のクロメート皮膜層を有し、第2層として、本発明の金属材料用水系表面処理剤を塗布、乾燥して形成された0.3〜3.0g/m2の樹脂皮膜層を有することを特徴とする表面処理金属板である。クロメート皮膜層の重量は金属クロム換算で3〜50mg/m2であることが好ましく、5〜40mg/m2であることがさらに好ましい。
クロム付着量が3mg/m2未満では耐食性の向上が乏しく、一方、100mg/m2を超える場合は耐食性の向上効果が飽和しており経済的でない。また、乾燥樹脂皮膜量が0.3g/m2未満の場合は耐食性向上効果が不十分であり、3.0g/m2を越える場合は耐食性向上効果が飽和しており経済的でない。
【0047】
本発明の水系表面処理剤を塗布、乾燥して形成される樹脂皮膜ひいては表面処理金属板は、平面部耐食性、傷付き部耐食性および塗装密着性に優れている。樹脂皮膜上に塗布する上塗り塗料としては特に制限はないが、例えば常温乾燥型メラミンアルキッド系塗料、焼付け型メラミンアルキッド系塗料、アクリル樹脂系塗料、紫外線硬化型樹脂系塗料等が挙げられる。
【0048】
【実施例】
以下に本発明を、製造例、実施例および比較例を用いて、具体的に説明する。これらの実施例は本発明の説明のために記載するものであり、本発明を何ら限定するものではない。
[試験板の作製]
(1)供試材
下記に示した市販の素材を供試材として使用した。
・電気亜鉛メッキ鋼板(EG)
板厚0.8mm、目付量=20/20(g/m2)
・5%アルミニウム含有亜鉛メッキ鋼板(GF)
板厚0.8mm、目付量=90/90(g/m2)
・アルミニウム板(AL)
板厚1.0mm、5182系
【0049】
(2)脱脂処理
上記の各供試材シリケート系アルカリ脱脂剤のファインクリーナー4336(登録商標:日本パーカライジング(株)製)で脱脂処理した。なお、濃度20g/L、温度60℃で2分間スプレー処理した後、水道水で洗浄した。
【0050】
(3)下地処理
(3−1)反応型クロメート化成処理(素材:EG、GF)
ジンクロム357(登録商標:日本パーカライジング(株)製)を用い、液温度50℃で5秒間スプレー処理を行い、水道水で洗浄後風乾して試験板を作製した。
(3−2)塗布型クロメート化成処理(素材:EG、GF)
ジンクロム1300AN(登録商標:日本パーカライジング(株)製)を用い、ロールコーター法で塗布し、水洗することなく直ちに200℃の雰囲気温度で10秒間乾燥して試験板を作製した。なお、この際の到達板温度は100℃である。
(3−3)反応型クロメート処理(素材:AL)
アルクロム713(登録商標:日本パーカライジング(株)製)を用い、液温度50℃で5秒間スプレー処理を行い、水道水で洗浄後風乾して試験板を作製した。
【0051】
[水系表面処理剤の調製]
室温にて、表1の樹脂、表2の硬化剤、表3のシリカ粒子、表4のワックス水分散体をこの順にプロペラ攪拌機を用いて攪拌しながら混合し、蒸留水を加えて固形分濃度を調整して表5に示す実施例の水系表面処理剤および表6に示す比較例の水系表面処理剤を調製した。なお、ワックス水分散体は、表4に示すワックス、化合物(I)および水を全量オートクレーブに入れて、温度130〜140℃に加熱して攪拌することにより調製した。
【0052】
[水系表面処理剤の試験板への塗布方法]
上記にて調製した各水系表面処理剤をバーコーターを用いて、上記各試験板に塗布し、240℃の雰囲気温度で10秒間乾燥した。この際の到達板温度は100℃である。なお、付着量の調整は該組成物の固形分濃度およびバーコーターの種類を適宜変更することで行った。
【0053】
[塗装板性能試験]
(1)平面部耐食性
JIS−Z2371による塩水噴霧試験をEG材の場合は240時間、GF材の場合は480時間、AL材の場合は600時間行い、白錆発生状況を観察し、下記基準により評価を行った。
<評価基準>
◎:白錆発生面積率が全面積の 3%未満
○:白錆発生面積率が全面積の 3%以上10%未満
△:白錆発生面積率が全面積の10%以上30%未満
×:白錆発生面積率が全面積の30%以上
【0054】
(2)傷付き部耐食性
試験片を30mm×300mmのサイズに切断し、ドロービード試験(ビード先端1mmR、ビード高さ4mm、ダイス肩1mmR、圧着荷重500kg、温度30℃)を行う。この試験片の摺動部分について、JIS−Z2371による塩水噴霧試験をEG材の場合は120時間、GF材の場合は240時間、AL材の場合は360時間行い、白錆発生状況を観察し、下記基準により評価を行った。
<評価基準>
◎:白錆発生面積率が全面積の 3%未満
○:白錆発生面積率が全面積の 3%以上10%未満
△:白錆発生面積率が全面積の10%以上30%未満
×:白錆発生面積率が全面積の30%以上
【0055】
(3)塗装密着性
メラミンアルキッド系塗料(登録商標:アミラック#1000、関西ペイント(株)製)を焼付け乾燥後の膜厚が25μmになるように塗布して、125℃で20分間焼き付ける。焼付け後24時間経過した試験片を用い、JIS−Z5400により1mm碁盤目を100個描画した後、セロテープにより塗膜を剥離し、下記基準により評価を行った。
<評価基準>
◎:塗膜剥離なし、塗膜残個数100個
○:極僅かに塗膜剥離あり、塗膜残個数100個
△:塗膜残個数95〜99個
×:塗膜残個数94個以下
【0056】
試験結果を表7および表8に示す。本発明の水系表面処理剤を用いた実施例1〜21では、平面部耐食性、傷付き部耐食性および塗装密着性のいずれも良好であった。一方、本発明の範囲外の水系表面処理剤を用いた比較例1〜9では、平面部耐食性、傷付き部耐食性および塗装密着性の少なくとも2つの性能が劣っていた。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の水系表面処理剤を、クロメート処理を施した金属板の表面に塗布し、乾燥することにより、平面部耐食性、傷付き部耐食性および塗装密着性に優れた表面処理金属板を得ることができる。
Claims (10)
- (A)ウレタン樹脂および/またはアクリル系樹脂、(B)硬化剤、(C)シリカ粒子、(D)平均粒径0.01〜0.2μmのポリエチレンワックス、(E)分散剤としての下記式(I)で示される化合物、および水を含有し、成分(A)および(B)がそれぞれ水に溶解しているか分散しており、成分(C)および(D)が水に分散しており、成分(E)が水に溶解しており、成分(A)〜(E)の全固形分に対して、(A)+(B)の固形分の割合が50〜95重量%、(C)の固形分の割合が3〜40重量%、(D)+(E)の固形分の割合が2〜20重量%であり、(A)/(B)固形分重量比が4/1〜49/1であることを特徴とする金属材料用水系表面処理剤:
- (D)+(E)の固形分に対する(E)の固形分の割合が5〜40重量%である請求項1記載の金属材料用水系表面処理剤。
- 成分(A)のガラス転移温度が−40〜0℃の範囲内にある請求項1または2記載の金属材料用水系表面処理剤。
- アクリル系樹脂が(メタ)アクリル酸と、それとは異なるエチレン性二重結合を有する単量体とを、両者の合計100重量部に対して前者の使用量が1〜20重量部の割合で、共重合させて得られる共重合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属材料用水系表面処理剤。
- 成分(B)がイソシアネート化合物、アジリジン化合物またはエポキシ樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属材料用水系表面処理剤。
- 成分(B)が1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属材料用水系表面処理剤。
- 成分(D)の酸価が5〜50の範囲内にある請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属材料用水系表面処理剤。
- 固形分濃度が5〜50重量%の範囲内である請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料用水系表面処理剤。
- 金属材料が冷延鋼板、亜鉛系メッキ鋼板、アルミニウム系メッキ鋼板及びアルミニウム板から選ばれる請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属材料用水系表面処理剤。
- 金属材料の表面に、第1層として金属クロム換算で3〜100mg/m2のクロメート皮膜層を有し、第2層として、請求項1〜9のいずれか1項に記載の金属材料用水系表面処理剤を塗布、乾燥して形成された0.3〜3.0g/m2の樹脂皮膜層を有することを特徴とする表面処理金属板。
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