JP3842323B2 - 潤滑性皮膜を形成可能な組成物及びこれを使用した潤滑性の優れた金属板 - Google Patents

潤滑性皮膜を形成可能な組成物及びこれを使用した潤滑性の優れた金属板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は加工性、耐食性、上塗塗装適正に優れた潤滑性皮膜を形成可能な組成物及びこの組成物を塗布した、特に家電、建材、自動車製品等の分野に利用される潤滑性金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属板にプレス成型などの加工を施す際に、金属板のすべり不足による金属板の傷つきを防止するなどの目的で、金属板にプレス油などを塗布することが行なわれている。この場合には、プレス成型後の洗浄工程でフロン、1,1,1−トリクロロエタン、ジクロロメタンなどの健康上及び地球環境保全上好ましくない溶剤が多く用いられている。
【0003】
近年、成型性のさらなる向上、ならびに健康上及び地球環境上好ましくない溶剤を使用しないことなどを目的に潤滑性金属板が種々検討されている。潤滑性金属板に関する従来技術としては、
(1)亜鉛メッキ鋼板上にクロメート処理をして、その上に、水分散性潤滑剤を含有するアクリル樹脂系の水性有機複合シリケートを塗布し、皮膜を形成せしめてなる防錆潤滑鋼板(特開昭61−60886号公報参照)、
(2)亜鉛メッキ鋼板上にクロメート処理が形成され、該クロメート皮膜上にウレタン系樹脂とSiO2 の複合物質又は複合物質を主成分とする皮膜層が形成され、さらに該皮膜層上にシリカ粒子を1〜50%含有するワックス皮膜を形成させて得られる潤滑鋼板(特開平2−124997号公報参照)、
(3)水分散性ポリウレタン樹脂、コロイダルシリカ、潤滑機能付与剤からなる潤滑性皮膜を形成可能な組成物及びこの組成物を金属板上に皮膜形成してなる潤滑鋼板(特開平5−255587号公報参照)、
(4)水分散性ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、コロイダルシリカ、潤滑機能付与剤からなる潤滑性皮膜を形成可能な組成物であって、及びこの組成物を金属板上に皮膜形成してなる潤滑鋼板(特開平7−11089号公報参照)等が開示されている。
【0004】
しかしながら上記(1)によって得られる潤滑鋼板は、いずれも常温でのエリクセン深絞り加工のような低速加工に対して効果的であるが、例えば500mm/sec程度の高速プレス加工又は80〜100℃での加温加工に対しては、潤滑皮膜が粘着性を示し、皮膜が素材から削り取られ被加工材又は加工工具へ付着し、それによって被加工材の表面外観を損うという問題があった。
【0005】
また(2)については潤滑皮膜の層が2層であり、塗装工程が多くなるという問題点があった。また(3)及び(4)については500mm/sec程度の高速プレス加工又は80〜100℃での加温加工に対して効果的であるが、洗浄工程においてジクロロメタン、メタノール、エタノール、キシレン、灯油等の有機溶剤の液や蒸気に浸漬することなどによって接触した場合、潤滑皮膜が溶剤中に溶解するという問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した従来の技術の欠点を解消し、高速プレス加工時においても液体潤滑剤の塗布なしで連続成型性、耐食性に優れ、ハンドリング時に指紋等の汚れが付きにくく、さらに一般的な熱硬化型アルキド系塗料、熱硬化型アクリル系塗料を上塗塗装した時に付着性に優れ、かつ有機溶剤の液又は蒸気で洗浄しても溶解しにくい潤滑性皮膜を形成できる組成物を得るべく鋭意研究の結果、ポリウレタン樹脂と、エチレンと重合性不飽和カルボン酸との共重合体及び/又は該共重合体を用いた乳化重合体樹脂とからなる水分散性ないしは水溶性樹脂に、シリカ粒子及び潤滑機能付与剤を特定量配合した組成物であって、該組成物の乾燥皮膜が特定の粘弾性特性を示す組成物が上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
すなわち、本発明は、(A)〔a〕ポリウレタン樹脂と、〔b〕不飽和カルボン酸の含有量が5〜40重量%であるエチレンと重合性不飽和カルボン酸との共重合体、及び該共重合体の分散液に重合性不飽和化合物を加えて乳化重合し、さらに粒子内架橋してなる樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂、とからなり、該〔a〕/〔b〕が固形分重量比で、90/10〜50/50の範囲内にある水分散性ないしは水溶性樹脂100重量部に対して、(B)シリカ粒子を固形分量で、5〜50重量部及び(C)潤滑機能付与剤を固形分量で、3〜30重量部、を含有する組成物であって、該組成物から得られる乾燥皮膜の80℃での貯蔵弾性率E1 の値が1.0×109 dyn/cm2 以上であることを特徴とする潤滑性皮膜を形成可能な組成物を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、金属板上に上記の潤滑性皮膜を形成可能な組成物を乾燥皮膜重量で0.5〜5.0g/m2塗布し、皮膜形成してなる潤滑性の優れた金属板を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における(A)成分である水分散性ないしは水溶性樹脂は、水分散性ないしは水溶性ポリウレタン樹脂〔a〕と、エチレンと重合性不飽和カルボン酸との共重合体、及びこの共重合体を用いた乳化重合体樹脂〔b〕とからなる水分散性ないしは水溶液樹脂である。
【0010】
以下、「水分散性ないしは水溶性」を「水性」と略称することがある。
【0011】
本発明組成物の(A)成分の一つに用いられるポリウレタン樹脂〔a〕は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオールとポリイソシアネートからなるポリウレタンを、必要に応じてジオール、ジアミン等のような2個以上の活性水素をもつ低分子量化合物である鎖伸長剤の存在下で鎖伸長し、水中に安定に分散もしくは溶解させたものであり、公知のものを広く使用できる(例えば特公昭42−24192号公報、特公昭42−24194号公報、特公昭42−5118号公報、特公昭49−986号公報、特公昭49−33104号公報、特公昭50−15027号公報、特公昭53−29175号公報参照)。ポリウレタン樹脂を水中に安定に分散もしくは溶解させる方法としては、例えば下記の方法が利用できる。
【0012】
(1)ポリウレタンポリマーの側鎖又は末端に水酸基、アミノ基、カルボキシル基等のイオン性基を導入することにより親水性を付与し自己乳化により水中に分散又は溶解する方法。
【0013】
(2)反応の完結したポリマー又は末端イソシアネート基をオキシム、アルコール、フェノール、メルカプタン、アミン、重亜硫酸ソーダ等のブロック剤でブロックしたポリマーを乳化剤と機械的せん断力を用いて強制的に水中に分散する方法。さらに末端イソシアネート基を持つウレタンプレポリマーを水/乳化剤/鎖伸長剤と混合し機械的せん断力を用いて分散化と高分子量化を同時に行なう方法。
【0014】
(3)ポリウレタン主原料のポリオールとしてポリエチレングリコールのごとき水溶性ポリオールを使用し水に可溶なポリウレタンとし水中に分散又は溶解する方法。
【0015】
上記ポリウレタン樹脂〔a〕は、前述の分散又は溶解方法については単一方法に限定されるものでなく各々の方法によって得られた混合物も使用できる。
【0016】
上記ポリウレタン樹脂〔a〕の合成に使用できるポリイソシアネートとしては、芳香族、脂環族及び脂肪族のジイソシアネートが挙げられ、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、1,3−(ジイソシアナトメチル)シクロヘキサノン、1,4−(ジイソシアナトメチル)シクロヘキサノン、4,4´−ジイソシアナトシクロヘキサノン、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−ナフタレンジイソシアネート、3,3´−ジメチル−4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのうち2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが特に好ましい。
【0017】
上記ポリウレタン樹脂〔a〕の合成に使用できるポリオールとして好ましいものは、分子量が500〜8,000のポリエーテル、ポリアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルアミドのようなポリヒドロキシ化合物である。
ポリエーテルとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、ブチレンオキシドの重合生成物、ならびにそれらの共重合生成物又はグラフト重合生成物、ならびにそれらの共重合生成物、ならびに多価アルコール又はその混合物の縮合によって得られるポリエーテル、ならびに多価のアルコール及びアミノアルコールのアルコキシル化によって得られるポリエーテル、ならびにビスフェノールAなどのビスフェノール化合物とエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとの付加物などが挙げられる。ポリアセタールとしては、例えばヘキサンジオール及びホルムアルデヒドから合成されるものが挙げられる。
【0018】
ポリエステル、ポリエステルアミド、及びポリアミドとして多塩基性の飽和及び不飽和のカルボン酸及び多価の飽和及び不飽和のアルコール、アミノアルコール、ジアミン、ポリアミン及びそれらの混合物から得られる主として線状の縮合物が適用される。ポリエステルの代表例として、ビスフェノールAなどのビスフェノール化合物とエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとの付加物であるジオール化合物とフタル酸やイソフタル酸などの二塩基酸とのエステルを挙げることができる。
【0019】
上記ポリウレタン樹脂〔a〕の合成に必要に応じて使用できる、少なくとも2個の活性水素を有する鎖伸長剤には次のものが挙げられる。
【0020】
(1)飽和、不飽和のグリコール、例えばエチレングリコール、又はエチレングリコールの縮合物、ブタンジオール、プロパンジオール−1,3、プロパンジオール−1,2、ネオペンチルグリコールならびにビスヒドロキシアルキル化された脂肪族、脂環式、芳香族及び複素環式のモノアミン、例えばN−メチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−オレイルジエタノールアミン、N−シクロヘキシルジイソプロパノールアミン。
【0021】
(2)脂肪族、脂環式及び芳香族ポリアミン、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシレンジアミン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、2−メチルピペラジン、フェニレンジアミン、フェニレンジアミンの異性体。
【0022】
(3)アミノモノアルコール、例えばエタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン。
【0023】
(4)脂肪族、脂環式、芳香族のジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸。
【0024】
本発明において使用するポリウレタン樹脂〔a〕は、ガラス転移点が80℃以上(動的粘弾性測定装置による)であることが最終皮膜の貯蔵弾性率E1 の点から好ましい。
【0025】
上記ポリウレタン樹脂〔a〕の市販品としては、ハイドランHW−330、同HW−340、同HW−350〔いずれも大日本インキ化学工業(株)製〕、スーパーフレックス100、同150、同F−3438D〔いずれも第一工業製薬(株)製〕などを挙げることができる。
【0026】
本発明組成物の(A)成分の一つに用いられる〔b〕成分は、エチレンと重合性不飽和カルボン酸との共重合体(以下、「共重合体〔b−1〕」と略称することがある。)、及び該共重合体の分散液に重合性不飽和化合物を加えて乳化重合し、さらに粒子内架橋してなる樹脂(以下、架橋樹脂〔b−2〕」と略称することがある。)から選ばれる少なくとも1種の、水分散性ないしは水溶性樹脂である。
【0027】
〔b〕成分として用いることができる、共重合体〔b−1〕は、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸の1種又は2種以上との共重合体である。この共重合体においては、不飽和カルボン酸の含有量が5〜40重量%の範囲内にあることが適当である。不飽和カルボン酸の含有量が少なくなると、水分散性にすることが困難となり、一方、多くなると、得られる皮膜の潤滑性、耐食性、耐薬品性などが十分でなくなる。
【0028】
この共重合体〔b−1〕は、共重合体中の酸基を塩基性物質で中和することにより水に分散できる。中和に用いられる塩基性物質としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物;アンモニア、モルホリン、トリエチルアミン及びジメチルエタノールアミンなどが挙げられ、なかでもアンモニア、低級アミンが好適である。
【0029】
共重合体〔b−1〕の水分散液は、例えば、一般に60〜200℃程度の熱水中に、エチレン、重合性不飽和カルボン酸、重合開始剤及び中和に用いられる塩基性物質の混合物を配合して1〜8時間程度反応させることにより得ることができる。
【0030】
また〔b〕成分として用いることができる、もう一つの樹脂である、架橋樹脂〔b−2〕は、共重合体〔b−1〕の水分散液に、重合性不飽和化合物を加えて乳化重合し、さらに粒子内架橋してなる樹脂でもある。
【0031】
上記水分散液に加える重合性不飽和化合物としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル(n−,i−,t−)、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル(n−,i−,t−)、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18(1〜24)のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル:アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル:アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー:2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のC2 〜C8 ヒドロキシアルキルエステル:N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレート:アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド類:グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有不飽和モノマー:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能重合性不飽和化合物:酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、アクリロニトリル等を挙げることができ、これらは1種で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0032】
乳化重合は常法に従って、界面活性剤、重合開始剤、必要に応じてpH調整剤、保護コロイド類、溶剤類等を使用して行なうことができる。乳化重合に使用する共重合体〔b−1〕の水分散液の固形分と重合性不飽和化合物との重量比率は前者/後者の比で90/10〜10/90の範囲内であることが好ましい。
【0033】
この乳化重合の際に、分子のからみ合い、グラフトが起こり、さらに重合性不飽和化合物に、互いに反応する反応性基(例えばカルボキシル基−エポキシ基、アミノ基−エポキシ基など)やジ(メタ)アクリレート類、トリ(メタ)アクリレート類などの多官能重合性不飽和化合物が存在する場合には粒子内架橋等が進行することができる。
【0034】
また乳化重合後、このものにメチロールメラミン類、エポキシ化合物、イミン類、アジリジン類等の架橋剤を乳化重合体の樹脂固形分のカルボキシル基1当量に対して0.01〜1.4当量となる量加え、粒子内架橋反応させてもよい。上記のようにして架橋樹脂〔b−2〕を得ることができる。
【0035】
以下、共重合体〔b−1〕と架橋樹脂〔b−2〕とをまとめて樹脂〔b〕と総称することがある。
【0036】
本発明組成物における〔b〕成分である樹脂〔b〕の市販品としては、ハイテックS−3121、同S−3123、同S−3125、同S−3127、同S−8721〔いずれも東邦化学(株)製造〕、ニッポラン3202、同3203〔いずれも日本ポリウレタン(株)製造〕などを挙げることができる。
【0037】
本発明組成物における樹脂〔b〕はガラス転移点が40℃以上(動的粘弾性測定装置による)であることが最終皮膜の貯蔵弾性率E1 の点から好ましい。
【0038】
本発明組成物において使用される、水性樹脂(A)において、前記ポリウレタン樹脂〔a〕と上記樹脂〔b〕との配合割合は、固形分重量比で、通常、〔a〕/〔b〕は、90/10〜50/50、さらには85/15〜60/40の範囲にあることが、潤滑性皮膜形成組成物の樹脂成分として、常温及び高温領域で粘着性を示さず、深絞り加工性に優れ、かつ、良好な耐水性、上塗付着性を示す皮膜を形成できるように樹脂組成をバランス良く配合することができる点から好ましい。
【0039】
本発明組成物における(B)成分であるシリカ粒子は密着性及び耐食性の向上に寄与するものであり、粒径が5nm〜100nm、好ましくは5nm〜50nmのシリカ粒子であり、気相法シリカ、粉砕シリカ、水分散性コロイダルシリカなど、いずれのシリカ粒子であってもよい。水分散性コロイダルシリカの市販品としては、例えば、スノーテックスN、スノーテックスC、スノーテックスO(いずれも日産化学(株)製)等が挙げられ、その他のシリカ粒子の市販品としては、例えば、AEROSIL 200V、同R−811(日本アエロジル社製)等が挙げられる。
【0040】
本発明組成物における(C)成分である潤滑機能付与剤は得られる皮膜に潤滑性を付与するものであればよいが、特にポリオレフィン系ワックス及び/又はフッ素系樹脂微粉末から成るものが好ましい。ポリオレフィン系ワックスとしては、平均粒子径が3.0μm 以下、さらには0.6〜1.1μm の範囲が好ましく、粒径分布巾が小さいことがより適しており、軟化点が110℃以上のポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系炭化水素の重合体からなるものが好ましく、これらは単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。
【0041】
上記ポリオレフィン系ワックスにフッ素系樹脂粉末を併用、さらにはフッ素系樹脂粉末のみを使用することによって、ポリオレフィン系ワックス単独に比べ潤滑性をさらに向上させることができる。
【0042】
フッ素系樹脂微粉末としては、ポリ四フッ化エチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリフルオロエチレン樹脂等の微粉末が挙げられ、なかでも最大粒子径が15μm 以下のポリ四フッ化エチレン樹脂粉末が好ましい。
【0043】
潤滑性皮膜を有する金属板にプレス加工などの加工を行なうに際し、発熱を伴う連続高速加工においては摩擦熱によって表面温度が上昇するため低融点の潤滑機能付与剤では液状となり、潤滑性皮膜に固定されず金型に付着、堆積して被加工物表面を傷つけるため好ましくない。発熱を伴う高速加工においては融点110℃以上、好ましくは120〜150℃のポリオレフィン系ワックスの使用が適しており、かなりの高温においてもワックスが潤滑性皮膜に均一に固定され、被加工物の表面を傷つけることなく有効に潤滑機能を発揮することができる。さらに、潤滑機能付与剤として、前記ポリオレフィン系ワックスとフッ素系樹脂微粉末とを併用したもの、フッ素系樹脂微粉末単独のものは一般により優れた性能を示す。この理由は、フッ素系樹脂粉末の表面エネルギーが極めて低く、低い摩擦係数を与えるためと考えられる。
【0044】
本発明組成物における(B)及び(C)成分の配合割合は、固形分比で(A)成分100重量部に対して下記のとおりである。
【0045】
(B)成分:5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部
(C)成分:3〜30重量部、好ましくは5〜20重量部。
【0046】
(B)成分であるシリカは、密着性及び耐食性の向上に寄与するものであるが、シリカの配合量が5重量部未満では、十分な密着性が得られないとともに、得られる潤滑性皮膜による腐食電流の分散効果が小さく耐食性の向上効果が小さい。また50重量部を越えると、皮膜の光沢値が低下するとともに表面の平滑性が失われ、また皮膜の伸び率が急激に低下し、加工によって皮膜が剥離しやすくなり、プレス加工性を低下させ、型かじりを生じやすくなるため好ましくない。
【0047】
(C)成分である潤滑機能付与剤は、被加工材に潤滑性を付与、プレス加工など加工を問題なく行なうためのものであるが、潤滑機能付与剤量が3重量部未満では、潤滑性の向上効果が小さい。一方潤滑機能付与剤の量が30重量部を越えると皮膜の光沢値の低下とともに表面の平滑性が失われ、皮膜の伸び率、付着力が急激に低下し、皮膜が剥離しやすくなり、潤滑機能付与効果を十分生かすことができず、プレス加工性を低下させ、型かじりを生じやすくするだけでなく、この皮膜上に上塗塗料を塗装した際に、上塗塗膜の付着性が低下する。
【0048】
本発明組成物において、(A)、(B)、(C)3成分は単に混合したものであってもよいが、(A)成分中の樹脂〔b〕とシリカ粒子(B)とは、これらを反応させて有機複合シリケートとしたものであってもよい。有機複合シリケートとする場合には、該樹脂〔b〕と(B)成分である水分散型コロイダルシリカとを、水性媒体中にてジ又はトリアルコキシシラン化合物の存在下で混合し、必要に応じて加熱して、反応させることによって得ることができる(特開昭61−60886号公報参照)。
【0049】
本発明組成物においては、該組成物から得られる乾燥皮膜における80℃での貯蔵弾性率E1 値が1.0×109dyn/cm2以上の粘弾性特性を示すことが必要である。ここで、貯蔵弾性率E1 とは、強制振動非共振による縦型タイプの動的粘弾性測定装置DVE−V4型FTレオスペクトラー(レオロジー社製)を用いて、周波数110Hz、温度上昇速度4.0℃/分、静荷重一定10gの条件で測定した値である。
【0050】
乾燥皮膜の80℃での貯蔵弾性率E1 値が1.0×109 未満では、高速プレス加工時に被加工材表面の温度上昇により皮膜が軟化し、皮膜強度が低下するため、皮膜自体が剥離しやすくなると同時に、潤滑機能付与剤を均一に固定できなくなる。このため連続成型性を著しく低下させるため好ましくない。
【0051】
本発明組成物は、(A)、(B)、(C)成分及び水以外に、硬化剤、中和剤、反応促進剤、増粘剤、消泡剤、有機溶剤などを適宜含有しても良い。
【0052】
上記硬化剤としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタノール・トリス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジンなどのアジリジニル基含有化合物;N,N´−ジトルイルカルボジイミドなどの多価カルボジイミド化合物;オキサゾリン基を有する化合物又はポリマーなどを挙げることができる。硬化剤を配合することによって耐溶剤性、耐アルカリ性をさらに向上させることができる。
【0053】
本発明組成物は、金属板に塗布し、潤滑性皮膜を形成することによって、十分に機能を発揮するものである。
【0054】
上記金属板としては、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、鉄−亜鉛合金メッキ鋼板、ニッケル−亜鉛合金メッキ鋼板、亜鉛−アルミニウム合金メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ブリキ板及びアルミニウム板などが挙げられ、これらの金属板は、クロメート処理、リン酸亜鉛処理、リン酸鉄処理、リン酸−クロム処理などの公知の化成処理を施したものであってよい。耐食性の点から化成処理を施したものが好ましい。
【0055】
上記クロメート処理におけるクロメート皮膜量は、クロム元素量として10〜100mg/m2 となる量、またリン酸鉄処理又はリン酸亜鉛処理における処理皮膜量は0.2〜1.5g/m2であることが、耐食性、加工性の点から好ましい。なかでもクロメート処理が好ましい。
【0056】
本発明組成物は上記金属板に乾燥皮膜重量で0.5〜5.0g/m2、より好ましくは1.5〜3.5g/m2となるよう塗布し乾燥させて皮膜を形成させることが望ましい。乾燥皮膜重量が0.5g/m2未満では、耐食性の向上効果が小さく、さらに十分な潤滑機能が得られない。また5.0g/m2を越えると、耐食性は向上するが、プレス加工性が低下し、また、コストが高くつき経済的でない。
【0057】
また、本発明組成物による潤滑性皮膜を塗布した鋼板に溶接適性を付与するためには皮膜重量を2.2g/m2以下、さらに好ましくは1.8g/m2以下にすることが望ましい。皮膜重量が2.2g/m2を越えるとスポット溶接の際にチリを発生しやすくなり、また溶接強度も不十分となるため連続打点適性が急激に低下する。本発明組成物を金属板上に塗布し、皮膜形成するにあたり、本組成物を水などの希釈剤で粘度を塗布量などに応じ、例えば5〜50センチポイズの範囲に適宜調整後、ロールコーター塗装、スプレー塗装、ディッピング塗装、ハケ塗り塗装等の一般に公知の方法により所定の皮膜重量となるように塗装した後、通常、雰囲気温度が100〜300℃で10〜120秒間乾燥させる。この時の素材の最高板温(PMT)は80〜200℃の範囲であることが好ましい。このようにして潤滑機能を有する皮膜組成物を塗装、乾燥することにより、プレス加工に優れた潤滑性の優れた金属板が製造される。
【0058】
【発明の効果】
本発明組成物から得られる潤滑性皮膜は、樹脂成分としてポリウレタン樹脂〔a〕と、エチレンと重合性不飽和カルボン酸との共重合体〔b−1〕又は共重合体〔b−1〕の分散液中で乳化重合し粒子内架橋した樹脂〔b−2〕とを使用しており、高温領域(80℃)でも粘着性がないため高温領域においても金属板への密着性が良好であり、さらにプレス加工などの連続高速加工において皮膜の温度上昇があっても、皮膜強度の低下が起りにくい。またシリカ粒子を含有しているため、密着性を向上できるとともに、腐食電流を分散させ、耐食性を大きく向上させることができる。
【0059】
また潤滑機能付与剤が皮膜に均一に存在し、潤滑機能が良好であるため液体潤滑剤などを塗布せずに、そのままプレス加工が可能であるため、加工時における液体潤滑剤の塗布及び脱脂工程を省くことができ、作業環境、地球環境の改善とともにコストダウンが図られ、また軟化点が110℃以上のワックスを使用することによって連続高速加工においても潤滑機能付与剤が液状となって金型に付着、堆積して被加工物を傷つけることなく有効に潤滑機能を発揮することができる。また同時にハンドリング時に指紋等の汚れが付きにくい。さらにまた一般的な熱硬化型アクリル系塗料、熱硬化型アミノアルキド系塗料をこの皮膜上に塗装する時にも付着性に優れた潤滑性皮膜を提供することができる。
【0060】
さらにジクロロメタン、メタノール、エタノール、キシレン、灯油等の有機溶剤の液や蒸気に浸漬することなどによって接触した場合、潤滑皮膜が溶剤中に溶解しにくく、耐アルカリ性に優れている。
【0061】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」は、特にことわらない限り、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
【0062】
粒子内架橋した乳化重合体の製造
製造例1
反応容器に、プリマコール5983(ダウケミカル社製、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体)400gに、28%アンモニア水36g、水1,200gを仕込み、容器内を窒素置換の後、昇温し、140〜150℃で3時間保持した後、冷却してエチレン−アクリル酸共重合体分散液を得た。
【0063】
この分散液に、過硫酸カリウム4gを水420gに溶解した液を加え、80℃まで昇温した。この中に、メタクリル酸メチル40g、メタクリル酸ブチル36g、メタクリル酸8gの混合物、及び過硫酸カリウム4gを水100gに溶解した液をそれぞれ1時間かけて滴下した。滴下終了30分後、架橋剤エピコート256を40g添加し、80℃で3時間熟成を行なった。得られたエマルションは粒子内架橋しており、不揮発分22%、pH9.2であった。
【0064】
皮膜形成組成物の製造
実施例1 (固形分)
スーパーフレックスF−8438D(注1) 233.3部(70部)
製造例1で得たエマルション 136.4部(30部)
コロイダルシリカ(注6) 125 部(25部)
ワックスa(注7) 37.5部(15部)
上記組成配合にて均一に混合した後、脱イオン水にて固形分が20%となるように調整して潤滑性皮膜形成組成物を得た。
【0065】
実施例2〜12及び比較例1〜9
実施例1において、皮膜形成組成物の固形分組成(重量部)を後記表1に示す配合とする以外は実施例1と同様に行ない皮膜形成組成物を得た。
【0066】
塗膜性能試験
上記実施例、及び比較例で得た組成物液を用いて、被塗物への塗装試験を行なった。被塗物としては、下記の金属板に下記の化成処理を施したもの及び無処理のものを使用した。
【0067】
(1)金属板の種類
・電気亜鉛メッキ鋼板(EG)
板厚 0.6mm
亜鉛メッキ付着量 20g/m2
・冷延鋼板(CRS)JIS G−3141(SPCC−SD)
板厚 0.6mm
・電気亜鉛−ニッケルメッキ鋼板(Ni−Zn)
板厚 0.6mm
亜鉛−ニッケルメッキ付着量 20g/m2
ニッケル含有量 12%
・溶融亜鉛メッキ鋼板(HDG)
板厚 0.6mm
亜鉛メッキ付着量 120g/m2
(2)化成処理
・クロメート処理
Cr+6:Cr+3との比率が0.65:0.35のクロム水和物からなる塗布型クロメート処理液(関西ペイント社製コスマー#300)を電気亜鉛メッキ鋼板、冷延鋼板、電気亜鉛−ニッケルメッキ鋼板及び溶融亜鉛メッキ鋼板にゴムロールにて塗布した後、熱風乾燥炉で乾燥させた。クロメート皮膜の付着量は、クロム元素量で40mg/m2 とした。
【0068】
(3)被塗物への皮膜形成組成物の塗布方法
後記表1に示す組合せにて、被塗物に各塗布用組成物をバーコータにて乾燥皮膜重量が2.0g/m2となるように塗装し、260℃で15秒間(PMT100℃)乾燥させて皮膜を形成した。得られた皮膜形成した被塗物を試験片として各種試験を行なった。また、塗布用組成物の皮膜の弾性率E1 についても測定を行なった。これらの試験結果を後記表1に示す。
【0069】
(4)試験方法
▲1▼皮膜の弾性率E1 の測定:
塗布用組成物を乾燥皮膜厚さが50μm となるように塗り重ね、最終的に150℃で30秒間乾燥させて厚さ50μm のフリー塗膜を得た。このフリー塗膜について、動的粘弾性測定装置DVE−V4型FTレオスペクトラー(レオロジー社製)を用いて、周波数110Hz、温度上昇速度4.0℃/分、静荷重一定10gの条件で弾性率E1 を測定した。弾性率E1 は20℃及び100℃における値を記載する。
【0070】
▲2▼深絞り加工性:
試験片をエリクセン社製の金属薄板深絞り試験器142型を使用し、試験を行なった。
【0071】
a.20℃での加工試験の条件
・シートホルダー圧 1,500kg
・ポンチ径 50mm
・ブランク径 110mm
・絞り速度 10mm/sec
b.100℃での加工試験の条件
・シートホルダー圧 1,500kg
・ポンチ径 50mm
・ブランク径 110mm
・絞り速度 10mm/sec
c.評価基準
カップ深絞り試験によってダイスに付着する皮膜組成物の有無及び被加工物の表面状態より評価した。
【0072】
◎:ダイスに付着なし、被加工物の表面状態にすり傷が全く認められない。
○:ダイスに微量の付着があり、被加工物の表面に微小のすり傷が認められる。
【0073】
△:ダイスにやや多くの付着があり、被加工物の表面に多くのすり傷が認められる。
【0074】
×:ダイスに多量に付着があり、被加工物の表面が全面すり傷が認められる。
【0075】
▲3▼耐食性:
塩水噴霧試験(JIS−Z2371)を行ない、赤錆発生までの時間(hr)で評価した。試験は加工前の平板及び20℃深絞り加工を行なったものについての2種類とした。
【0076】
▲4▼上塗付着性:
試験片の乾燥皮膜上に熱硬化型アルキッド型塗料であるアミラック#1000及び熱硬化型アクリル系塗料であるマジクロン#1000(いずれも関西ペイント社製、色はホワイト)を乾燥膜厚が25μm となるように塗装し、下記の条件で焼付けた。
【0077】
アミラック#1000:130℃で20分間焼付
マジクロン#1000:150℃で20分間焼付
評価基準
上記の塗装板について、ゴバン目セロテープ試験を行ない塗膜の剥離の状態より、付着性を評価した。
【0078】
◎:ゴバン目セロテープ試験で、上塗塗膜の剥離が認められない。
【0079】
○:ゴバン目セロテープ試験で、1〜2個の上塗塗膜の剥離が認められる。
【0080】
△:ゴバン目セロテープ試験で、3〜10個の上塗塗膜の剥離が認められる。
×:ゴバン目セロテープ試験で10個以上の上塗塗膜の剥離が認められる。
【0081】
▲5▼耐トリクレン性:
トリクレンの飽和蒸気中に3分間浸漬後の皮膜の減量を測定する。
【0082】
▲6▼耐アルカリ性:
日本パーカー社製造のアルカリ脱脂剤PC−364Sを水道水にて2%に希釈し、60℃に調整してなる溶液中で5分間浸漬後の皮膜減量を調べる。
【0083】
【表1】
Figure 0003842323
【0084】
【表2】
Figure 0003842323
【0085】
表1中の(注)は以下のとおりである。
【0086】
(注1)スーパーフレックスF8438D:第一工業製薬(株)製、硬質タイプのポリエステル系ポリウレタンエマルション、固形分35%、樹脂のTg点は約120℃。
【0087】
(注2)スーパーフレックス150:第一工業製薬(株)製、HMDI型軟質タイプのポリエステル系ポリウレタンエマルション、固形分30%、樹脂のTg点は約50℃。
【0088】
(注3)ケミパールS−100:三井石油化学(株)製、エチレン−アクリル酸共重合体のナトリウム中和水分散化物、固形分30%。
【0089】
(注4)ヨドゾールGD−91:カネボールNSC社製、アクリル樹脂、Tg点40℃。
【0090】
(注5)ケミタイトPZ−33:日本触媒化学(株)製、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタノール・トリス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕。
【0091】
(注6)コロイダルシリカ:粒径10〜20nm、pH8.6のコロイダルシリカ水分散液、加熱残分20%。
【0092】
(注7)ワックスa:軟化点113℃、粒径2.5μm の低密度タイプのポリエチレンワックス。
【0093】
(注8)軟化点132℃、粒径3.0μm の高密度タイプのポリエチレンワックス。
【0094】
(注9)PTFE:粒径2〜3μm 、ポリ四フッ化エチレン樹脂粉末。

Claims (3)

  1. (A)〔a〕ポリウレタン樹脂と、〔b〕不飽和カルボン酸の含有量が5〜40重量%であるエチレンと重合性不飽和カルボン酸との共重合体、及び該共重合体の分散液に重合性不飽和化合物を加えて乳化重合し、さらに粒子内架橋してなる樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂、とからなり、該〔a〕/〔b〕が固形分重量比で、90/10〜50/50の範囲内にある水分散性ないしは水溶性樹脂100重量部に対して、(B)シリカ粒子を固形分量で、5〜50重量部及び(C)潤滑機能付与剤を固形分量で、3〜30重量部、を含有する組成物であって、該組成物から得られる乾燥皮膜の80℃での貯蔵弾性率E1 の値が1.0×109 dyn/cm2 以上であることを特徴とする潤滑性皮膜を形成可能な組成物。
  2. 潤滑機能付与剤(C)が、110℃以上の軟化点を有するポリオレフィン系ワックス及び/又はフッ素系樹脂微粉末からなる請求項1又は2記載の組成物。
  3. 金属板上に請求項1又は2記載の組成物を乾燥皮膜重量で0.5〜5.0g/m2塗布し、皮膜形成してなる潤滑性の優れた金属板。
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