JP5084151B2 - 水性中塗り塗料組成物及びこれを用いる複層塗膜形成方法 - Google Patents

水性中塗り塗料組成物及びこれを用いる複層塗膜形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、水性中塗り塗料組成物及びこれを用いる複層塗膜形成方法に関する。
自動車車体特にその外板部は、防食及び美感の付与を目的として、通常、電着塗料による下塗り塗料、中塗り塗料、及び上塗り塗料から形成される複層塗膜により被覆されている。
自動車の走行中に路面上の小石、砂利、凍結防止剤、氷塊などを巻き上げ、これらが車体外板部に衝突して複層塗膜にキズを付けたり、はなはだしくはその複層塗膜を局所的に破損・脱落せしめるというチッピング現象が起こる。この現象のため、外観を損なったり、金属素地面を露出させ、発錆、腐食するという欠陥を生じる。この欠陥を防止すべく、下塗り塗料と中塗り塗料の間にチッピングプライマーを塗装することが多いが、塗装工程が増加するという問題を生ずる。そのため、このようなチッピングプライマーの塗装が不要で、省工程を図ることができる、耐チッピング性に優れた複層塗膜を形成できる中塗り塗料が要望されている。
また、従来の中塗り塗料は、有機溶剤型塗料が主流であったが、健康や環境への影響を軽減して、揮発性有機化合物の減量化(低VOC化)及び塗装効率の向上を図るため、中塗り塗料の水性化及び高固形分化が要望されている。
ポリエステル樹脂を幹重合体とし、アクリル樹脂を枝重合体とするグラフトポリマーを樹脂成分として含有する水性中塗り塗料が公知である(特許文献1参照)。
しかし、上記中塗り塗料は、高固形分の状態でも塗料粘度が低いため、該状態で塗装を行うことができるという利点を有するものの、中塗り塗料として必要な耐チッピング性が不十分であり、チッピングプライマーを省いた場合には、耐チッピング性の低下が著しいという欠点を有する。
また、電着塗膜を形成した被塗物上に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、酸基含有エチレン性不飽和モノマー及び水酸基含有エチレン性不飽和モノマーを乳化重合して得られる、ガラス転移温度−50〜20℃、酸価2〜60mgKOH/g及び水酸基価10〜120mgKOH/gのアクリル樹脂エマルジョン、硬化剤等を含有する水性中塗り塗料、水性ベース塗料及びクリヤ塗料を塗装後、これらの三層塗膜を同時に加熱硬化する塗膜形成方法が公知である(特許文献2参照)。
しかし、この方法で得られる複層塗膜は、耐水性等が不十分であり、又この方法において先に中塗り塗膜を加熱硬化させた場合には、中塗り塗膜とベース塗膜との間の付着性の低下に伴って耐チッピング性が低下してしまう。
特開2004−43524号公報 特開2004−298836号公報
本発明の目的は、チッピングプライマーを使用することなく、耐チッピング性、耐水性、塗膜外観等に優れる複層塗膜を形成できる高固形分型の水性中塗り塗料組成物及びこれを用いる複層塗膜形成方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究した。その結果、特定量以上のエチルアクリレート、水酸基含有ラジカル重合性不飽和モノマー及びカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを含有するモノマー混合物を乳化重合して得られる80mgKOH/g以下の水酸基価等を有するアクリル系エマルション樹脂、並びに水酸基価80mgKOH/gを超える水酸基含有樹脂を樹脂成分とし、固形分含量が60重量%以上の水性中塗り塗料組成物によれば、チッピングプライマーを使用することなく、耐チッピング性、耐水性、塗膜外観等に優れる複層塗膜を形成できることを見出した。本発明は、かかる新たな知見に基づいて、完成されたものである。
本発明は、以下の水性中塗り塗料組成物及びこれを用いる複層塗膜形成方法を提供するものである。
1.(A)エチルアクリレート、水酸基含有ラジカル重合性不飽和モノマー及びカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを含有し、且つエチルアクリレートの含有量が60重量%以上であるモノマー混合物(a)を乳化重合して得られる、水酸基価5〜80mgKOH/g及び酸価1〜15mgKOH/gであるアクリル系エマルション樹脂、
(B)水酸基価が80mgKOH/gを超え200mgKOH/g以下である水酸基含有樹脂、
(C)硬化剤、並びに
(D)着色顔料を含有し、且つ固形分含量が60重量%以上であることを特徴とする水性中塗り塗料組成物。
2.アクリル系エマルション樹脂(A)が、水酸基含有樹脂を乳化剤として用いて、モノマー混合物(a)を乳化重合して得られたものである上記項1に記載の水性中塗り塗料組成物。
3.水酸基含有樹脂(B)が、酸基を有しており、樹脂の酸価が1〜70mgKOH/gである上記項1に記載の水性中塗り塗料組成物。
4.アクリル系エマルション樹脂(A)及び水酸基含有樹脂(B)の配合比率が、両者の合計に基づいて、前者が30〜99重量%で後者が1〜70重量%である上記項1に記載の水性中塗り塗料組成物。
5.硬化剤(C)の配合割合が、アクリル系エマルション樹脂(A)及び水酸基含有樹脂(B)の合計100重量部に対して、1〜150重量部である上記項1に記載の水性中塗り塗料組成物。
6.着色顔料(D)の配合割合が、アクリル系エマルション樹脂(A)及び水酸基含有樹脂(B)の合計100重量部に対して、1〜400重量部である上記項1に記載の水性中塗り塗料組成物。
7.フォードカップNo.4(20℃)で測定した塗料粘度が、15〜60秒である上記項1に記載の水性中塗り塗料組成物。
8.被塗物に、電着塗膜、中塗り塗膜、次いで上塗り塗膜を形成して、複層塗膜を形成する方法であって、中塗り塗膜を上記項1に記載の水性中塗り塗料組成物を用いて形成することを特徴とする複層塗膜形成方法。
9.被塗物が、自動車車体である上記項8に記載の複層塗膜形成方法。
水性中塗り塗料組成物
本発明の水性中塗り塗料組成物は、アクリル系エマルション樹脂(A)、水酸基含有樹脂(B)、硬化剤(C)及び着色顔料(D)を含有し、且つ固形分含量が60重量%以上の組成物である。
アクリル系エマルション樹脂(A)
アクリル系エマルション樹脂(A)は、エチルアクリレート、水酸基含有ラジカル重合性不飽和モノマー及びカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを含有し、且つエチルアクリレートの含有量が60重量%以上であるモノマー混合物(a)を、乳化重合して、得られる樹脂であり、その水酸基価が5〜80mgKOH/g及び酸価が1〜15mgKOH/gの樹脂である。
上記乳化重合は、モノマー混合物(a)を、乳化剤、重合開始剤及び水の存在下で、ラジカル重合することによって行うことができる。
モノマー混合物(a)の中に、該混合物の合計重量を基準にして、エチルアクリレートを60重量%、好ましくは70重量%以上含有することによって、固形分含量60重量%以上の高固形分型水性塗料組成物にできる。また、これを下塗り塗膜、中塗り塗膜及び上塗り塗膜からなる複層塗膜を形成する場合の中塗り塗料組成物として用いることによって、耐チッピング性等に優れる複層塗膜を形成できる。エチルアクリレートの含有量が60重量%未満では、複層塗膜の耐水性が劣り、又耐チッピング性に満足のいく結果が得られない。モノマー混合物(a)中におけるエチルアクリレートの含有量は、80〜95重量%程度であることがより好ましい。
モノマー混合物(a)における水酸基含有ラジカル重合性不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの炭素数2〜20のグリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物等を挙げることができる。水酸基含有ラジカル重合性不飽和モノマーの使用量は、得られるアクリル系エマルション樹脂の水酸基価が、5〜80mgKOH/gの範囲内となる様に適宜決定することができる。
また、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができる。カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーの使用量は、得られるアクリル系エマルション樹脂の酸価が、1〜15mgKOH/gの範囲内となる様に適宜決定することができる。
モノマー混合物(a)には、更に他のモノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、エチルメタクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のエチルアクリレート以外の(メタ)アクリル酸と炭素数1〜22の1価アルコールとのモノエステル化物;メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアルキルアミノアクリル系単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミドなどのアクリルアミド系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、「べオバ9」(商品名、炭素数9のバーサティック酸ビニルエステル、ジャパンエポキシレジン社製)、「べオバ10」(商品名、炭素数10のバーサティック酸ビニルエステル、ジャパンエポキシレジン社製)、塩化ビニルなどを含有させることができる。更に、分子中に少なくとも2個の重合性不飽和結合を有する多ビニル化合物を用いることによってエマルション樹脂粒子内の架橋を行うこともできる。
このような多ビニル化合物としては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
上記のモノマー混合物(a)を用いて乳化重合する際に用いる乳化剤としては、乳化重合反応に使用される通常の乳化剤が使用できる。
かかる乳化剤としては、例えば、ノニオン系乳化剤、アニオン系乳化剤などが挙げられる。
ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、tert−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール等が挙げられる。
アニオン系乳化剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、tert−オクチルフェノキシエトキシポリエトキシエチル硫酸ナトリウム等のナトリウム塩;オレイン酸カリウム等のカリウム塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩等が挙げられる。
これらの乳化剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて、使用することができる。
乳化剤の使用量は、特に制限されないが、耐水性などの塗膜性能を低下させない為、モノマー混合物(a)の重量に対して、3重量%以下程度であることが望ましい。
乳化重合に用いる重合開始剤としては、一般に乳化重合に使用されるものであれば全て使用することができ、例えば、過酸化水素;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;4、4'−アゾビス(4−シアノブタン酸)、2,2'−アゾビス{2−メチル−N−[−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピルアミド}等のアゾ化合物;あるいはこれらの過酸化物とナトリウムスルホキシレート、ホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、ロンガリット等の還元剤との組み合わせによるレドックス開始剤等が挙げられる。これらの重合開始剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて、使用することができる。
上記の重合開始剤の使用量としては、モノマー混合物(a)の重量に対して、0.01〜5重量%程度、好ましくは0.03〜3重量%程度添加するのが適当である。
乳化重合反応の温度及び時間としては、重合開始剤の種類によって異なるが、通常、30〜150℃程度の間で、反応時間は30分〜10時間程度の範囲とするのが適当である。
上記乳化重合反応は、通常1段階で行われ、これにより、アクリル系エマルション樹脂(A)が得られる。
また、必要に応じて、上記乳化重合を多段階で行うことにより、コア/シェル型、又はコア/シェル/シェル型の構造を有するアクリル系エマルション樹脂(A)とすることができる。
また、アクリル系エマルション樹脂(A)は、水酸基含有樹脂を乳化剤として用いて、モノマー混合物(a)を乳化重合して得られたものであってもよい。これにより得られる樹脂は、モノマー混合物(a)の乳化重合体と乳化剤として用いた水酸基含有樹脂との混成樹脂であるが、この混成樹脂が水酸基価5〜80mgKOH/g及び酸価1〜15mgKOH/gの樹脂である限りにおいて、アクリル系エマルション樹脂(A)として使用することができる。
上記乳化剤として用いる水酸基含有樹脂は、通常、塩基性化合物で中和することで樹脂を水溶性化又は水分散化するために、酸基を分子内に有しかつ水酸基を有する。酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等が挙げられる。樹脂の種類としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。また、この水酸基含有樹脂は、酸価が10〜70mgKOH/g程度、好ましくは20〜50mgKOH/g程度、水酸基価が20〜200mgKOH/g程度、好ましくは50〜170mgKOH/g程度、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法による数平均分子量が1,000〜50,000程度、好ましくは2,000〜20,000程度であるのが、適切である。
上記水酸基含有樹脂は、例えば、後記する水酸基含有樹脂(B)の製造法と同様にして、製造することができる。
乳化剤として水酸基含有樹脂を用いて、アクリル系エマルション樹脂(A)を製造する場合において、モノマー混合物(a)及び水酸基含有樹脂の混合割合は、両者の固形分合計を基準にして、モノマー混合物(a)を50〜80重量%程度、水酸基含有樹脂を20〜50重量%程度の割合で混合して用いることが好ましい。乳化重合に用いる重合開始剤、反応温度及び反応時間は、いずれも、前記した通常の乳化剤を用いる場合と同様でよい。また、乳化剤として、水酸基含有樹脂に、前記の通常の乳化剤を少量併用してもよい。
乳化剤として、前記通常の乳化剤又は上記水酸基含有樹脂を用いて、乳化重合反応して得られたアクリル系エマルション樹脂(A)の樹脂粒子の平均粒子径は、通常、0.1〜1.0μm程度、好ましくは0.12〜0.3μm程度である。樹脂(A)を含有した高固形分型水性塗料組成物の安定性、塗膜外観等に優れる塗膜を得るには、樹脂粒子の平均粒子径をこの範囲とすることが好ましい。
本明細書において、樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、常温(20℃程度)で測定したときの値である。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、市販品、例えば、「COULTER N4型サブミクロン粒子分析装置」(商品名、(株)日科機社製)を用いることができる。
また、アクリル系エマルション樹脂(A)は、水酸基価が5〜80mgKOH/g程度、酸価が1〜15mgKOH/g程度の範囲である。水酸基価が5mgKOH/g未満では塗料安定性が劣り、水酸基価が80mgKOH/gを越えると高固形分型の水性塗料を得ることができない。酸価が1mgKOH/g未満では塗料安定性が劣り、15mgKOH/gを越えると高固形分型の水性塗料を得ることができない。
また、アクリル系エマルション樹脂(A)は、DSC(示査走査熱量計)によって求めたガラス転移温度が−50〜+20℃程度であるのが好ましく、−30〜+10℃程度であるのがより好ましい。ガラス転移温度が+20℃をこえると、前記複層塗膜の耐チッピング性が低下する傾向にある。
水酸基含有樹脂(B)
本発明の水性中塗り塗料組成物には、当該組成物の硬化性等を向上させる点から、水酸基価が80mgKOH/gを超え200mgKOH/g以下である水酸基含有樹脂(B)を含有させる。
水酸基含有樹脂(B)は、通常、塩基性化合物で中和することで樹脂を水溶性化又は水分散化するために、酸基を分子内に有しかつ水酸基を有する。酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等が挙げられる。樹脂(B)の種類としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
水酸基含有樹脂(B)は、上記酸基を有し、樹脂の酸価が1〜70mgKOH/gであることが高固形分型の水性塗料組成物を得るために望ましい。
上記ポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとのエステル化反応により調製することができる。 多塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸及びその無水物;ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などの脂環族ジカルボン酸及びその無水物;アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、クロロマレイン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ピメリン酸、アゼライン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸及びその無水物;これらのジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステルなどの低級アルキルエステル;トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメット酸、トリメシン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、テトラクロロヘキセントリカルボン酸及びその無水物などの3価以上の多塩基酸などが挙げられる。
多価アルコールは、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸、ネオペンチルグリコールエステルなどの2価アルコール;これらの2価アルコールにε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加したポリラクトンジオール;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートなどのエステルジオール類;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテルジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニットなどの3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加させたポリラクトンポリオール類;1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の脂環族多価アルコールなどが挙げられる。また、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドなどのα−オレフィンエポキシド、「カージュラE10」(商品名、ジャパンエポキシレジン社製、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)などのモノエポキシ化合物などを酸と反応させて得られたアルコール化合物を、ポリエステル樹脂に導入しても良い。
上記アクリル樹脂は、ラジカル重合性不飽和単量体混合物100重量部に、重合開始剤0.5〜10重量部程度を添加し、有機溶剤の存在下、ラジカル重合反応させることにより得られる。ラジカル重合性不飽和単量体混合物としては、アクリル系エマルション樹脂(A)におけるモノマー混合物(a)を用いるのが好ましい。ラジカル重合反応の温度は、重合開始剤の種類によって異なるが、通常、30〜150℃程度の範囲であり、反応時間は温度によって適宜選ばれるが30分間〜10時間程度の範囲である。重合開始剤としては、一般に、ラジカル発生剤として知られているものであればよく、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジt−ブチルパーオキサイド、ジt−アミルパーオキサイド等のパーオキサイド類、及びアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤があげられる。
上記ウレタン樹脂は、水分散性付与のため、分子内にカルボキシル基を有しており、ウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入する方法としては、カルボキシル基を含有しないポリオールにカルボキシル基含有ポリオールを併用して、ジイソシアネートと反応させることにより、ウレタン骨格中にカルボキシル基を導入する方法が一般的である。
カルボキシル基を含有しないポリオールとして、例えば、低分子のポリオールでは、上記、ポリエステル合成時に使用する多価アルコールが使用できる。また、高分子のポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオールなどがある。ポリエーテルポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。その他、ポリカプロラクトンなどのラクトン系開環重合体ポリオール、ポリカーボネートジオールなどがある。
カルボキシル基含有のポリオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸などが挙げられるが、特に2,2−ジメチロールプロピオン酸が好ましい。これらを使用する際に、反応を速やかに進行させるためにN−メチルピロリドンのような溶媒を少量使用することもできる。このようなカルボキシル基含有ポリオールの使用量は、カルボキシル基を含有しないポリオール100重量部に対して、5〜30重量部とするのが水分散性や塗膜の耐水性の面から好ましい。
また、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体をポリオール(上記のカルボキシル基を含有しないポリオール及び/又はカルボキシル基含有のポリオール)と、ポリイソシアネート化合物と反応させることで、ウレタン樹脂にラジカル重合性不飽和基を導入することができる。上記の水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記のポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−トルイジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオールなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;等が挙げられる。
水酸基含有樹脂(B)は、該樹脂分子内のカルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等の酸基を塩基性化合物で中和することにより水溶化又は水分散化することができる。
塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノールなどの第1級モノアミン;ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−プロパノールアミン、ジ−iso −プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどの第3級モノアミン;ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミンなどのポリアミンを挙げることができる。塩基性化合物の使用量としては、水酸基含有樹脂の酸基に対して0.1〜1.5当量、好ましくは0.2〜1.2当量の範囲がよい。
水酸基含有樹脂(B)の酸価が10mgKOH/g以下の場合には、塩基性化合物を用いて中和することに代えて、水酸基含有樹脂(B)と乳化剤とを混合し、機械的なせん断力を加えて攪拌して水中に強制的に分散させる水分散体として使用することもできる。
硬化剤(C)
硬化剤(C)としては、メラミン樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物などが挙げられる。
メラミン樹脂としては、メラミンをホルムアルデヒドでメチロール化してなるメチロール化メラミン樹脂;このメチロール基をモノアルコールでエーテル化したアルキル化メラミン樹脂;イミノ基を有するメチロール化メラミン樹脂又はアルキル化メラミン樹脂等を挙げることができる。また、メチロール基のエーテル化において、二種以上のモノアルコールを用いて混合アルキル化をしたものであってもよい。モノアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。
具体的には、メチル化メラミン樹脂、イミノ基含有メチル化メラミン樹脂、メチル化・ブチル化メラミン樹脂、イミノ基含有メチル化・ブチル化メラミン樹脂等が好ましく、イミノ基含有メチル化メラミン樹脂がより好ましい。
このような好ましいメラミン樹脂の市販品としては、例えば、「サイメル202」、「サイメル232」、「サイメル235」、「サイメル238」、「サイメル254」、「サイメル266」、「サイメル267」、「サイメル272」、「サイメル285」、「サイメル301」、「サイメル303」、「サイメル325」、「サイメル327」、「サイメル350」、「サイメル370」、「サイメル701」、「サイメル703」、「サイメル736」、「サイメル738」、「サイメル771」、「サイメル1141」、「サイメル1156」、「サイメル1158」等(以上、日本サイテック社製)、「ユーバン120」、「ユーバン20HS」、「ユーバン2021」、「ユーバン2028」、「ユーバン2061」等(以上、三井化学社製)、および「メラン522」等(日立化成社製)の商品名で市販されている。
ブロック化ポリイソシアネート化合物は、1分子中に2個以上の遊離のイソシアネート基を有するポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック剤でブロックして得られる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−トルイジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;等が挙げられる。
上記ブロック剤は、遊離のイソシアネート基を封鎖するものであり、例えば100℃以上、好ましくは130℃以上に加熱すると、水酸基と容易に反応することができる。
ブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、ブチルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸メチルなどのフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ラウリルアルコールなどの脂肪族アルコール系;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノールなどのエーテル系;ベンジルアルコール;グリコール酸;グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチルなどのグリコール酸エステル;乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどの乳酸エステル;メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール系;
ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系;
マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系;ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノールなどのメルカプタン系;アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミドなどの酸アミド系;コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミンなどアミン系;イミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、ジフェニル尿素などの尿素系;N−フェニルカルバミン酸フェニルなどのカルバミン酸エステル系;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのイミン系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリなどの亜硫酸塩系;
3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ニトロ−3,5−ジメチルピラゾール、4−ブロモ−3,5−ジメチルピラゾール等を例示できる。この中でも好ましいブロック剤は、メチルエチルケトオキシム、又は、3,5−ジメチルピラゾールである。
更に、ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロックするブロック剤として、1個以上のヒドロキシル基と1個以上のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸、例えば、ヒドロキシピバリン酸、ジメチロールプロピオン酸なども使用できる。ブロック後に、ヒドロキシカルボン酸のカルボキシル基を中和することによって水分散性を付与したブロック化ポリイソシアネート化合物も硬化剤として、好適である。このような硬化剤の市販品としては、「バイヒジュールBL5140」(住化バイエルウレタン社製、商品名)が挙げられる。
着色顔料(D)
本発明の水性中塗り塗料組成物には、着色顔料(D)を配合する。着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、プルシアンブルー、コバルトブルー、などの無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料等の有機顔料が挙げられる。
中塗り塗料組成物の配合組成、調製法、特性及び塗装方法
本発明の水性中塗り塗料組成物において、必須成分であるアクリル系エマルション樹脂(A)、水酸基含有樹脂(B)、硬化剤(C)及び着色顔料(D)の配合割合は、固形分含量60重量%以上の高固形分でかつ塗料安定性に優れ、しかも耐チッピング性等の塗膜性能に優れる塗料組成物を得る観点から、次のような割合であるのが、好ましい。
アクリル系エマルション樹脂(A)及び水酸基含有樹脂(B)の配合比率が、両者の合計に基づいて、前者が30〜99重量%程度で後者が1〜70重量%程度であるのが好ましく、前者が35〜80重量%程度で後者が20〜65重量%程度であるのがより好ましい。
硬化剤(C)の配合割合は、アクリル系エマルション樹脂(A)及び水酸基含有樹脂(B)の合計100重量部に対して、1〜150重量部程度であるのが好ましく、5〜100重量部程度であるのがより好ましい。
着色顔料(D)の配合割合は、アクリル系エマルション樹脂(A)及び水酸基含有樹脂(B)の合計100重量部に対して、1〜400重量部程度であるのが好ましく、50〜300重量部程度であるのがより好ましい。
本発明の水性中塗り塗料組成物には、必要に応じて、体質顔料、メタリック顔料、分散剤、沈降防止剤、有機溶剤、ウレタン化反応促進用触媒(例えば、有機錫化合物など)、水酸基とメラミン樹脂との架橋反応促進用触媒(例えば、酸触媒)、消泡剤、増粘剤、防錆剤、紫外線吸収剤、表面調整剤、ワキ防止剤、ポリウレタンエマルション、ポリオレフィンエマルション、自己架橋性樹脂などを適宜に配合することができる。
上記体質顔料としては、例えば、クレー、バリタ、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、ホワイトカーボン、珪藻土、炭酸マグネシウム、タルク、アルミニウムフレーク、雲母フレークなどをあげることができる。また、上記メタリック顔料としては、例えば、りん片状アルミニウム、雲母、金属酸化物で表面被覆した雲母、雲母状酸化鉄などを挙げることができる。
自己架橋性樹脂としては、1分子中に水酸基及びブロックイソシアネート基を併有するウレタン変性ポリエステル樹脂等を用いるのが好ましい。
本発明の水性中塗り塗料組成物は、以上に述べた各成分を、公知の方法に従って、必要に応じて水又は水と有機溶剤との混合物を用いて、固形分含量が60重量%以上となるように、混合することにより、調製することができる。固形分含量は、62重量%以上であることが好ましく、65重量%以上であることがより好ましい。
本明細書において、塗料固形分含量は、塗料組成物約1gを、直径約5cmのアルミニウム箔カップに正確にはかりとり、その後、110℃で1時間乾燥し、重量を測定し、固形分重量濃度(%)を算出した値である。
本発明の水性中塗り塗料組成物は、上記の如き高固形分であるにも拘わらず、フォードカップNo.4(20℃)で測定した塗料粘度が、塗料固形分60〜75重量%で、通常、15〜60秒程度、好ましくは15〜30秒程度と低粘度であり、通常の塗装方法により、高い塗装効率で、好適に塗装することができる。
本発明の水性中塗り塗料組成物は、公知の方法、例えば、刷け塗り、エアースプレー、エアレススプレー、静電塗装などにより、各種被塗物の中塗り塗膜形成用として、塗装することができる。その膜厚は、通常、硬化塗膜で3〜100μm程度、特に5〜60μm程度の範囲内とするのが好ましく、その塗膜は120〜170℃程度、特に130〜150℃程度で、10〜40分間程度加熱することにより架橋硬化させることができる。
これにより得られた上記水性塗料組成物単独の硬化塗膜は、−20℃で引張り試験における破断伸び率(%)が、通常、3%以上、好ましくは3.5%以上であり、このことから、この塗膜を中塗り塗膜とした複層塗膜の耐チッピング性に優れることになる。この引張り試験は、恒温槽付万能引張試験機を用いて、長さ20mm、幅5mm、厚さ30μmの塗膜試料を用いて測定したときの値である。恒温槽付万能引張試験機としては、例えば、「オートグラフS−D型」(商品名、島津製作所(株)製)を使用することができる。
複層塗膜形成方法
本発明の複層塗膜形成方法は、被塗物に、電着塗膜、中塗り塗膜、次いで上塗り塗膜を形成して、複層塗膜を形成する方法であって、中塗り塗膜を本発明の水性中塗り塗料組成物を用いて形成することを特徴とするものである。
被塗物としては、例えば、自動車、二輪車等の各種車体であるのが好ましく、自動車車体であるのがより好ましい。また、これら車体を形成する冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、ステンレス鋼板、錫メッキ鋼板等の鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等の金属基材等であってもよい。また、被塗物としては、上記車体や金属基材の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理等の表面処理が施されたものであってもよい。
本発明の複層塗膜形成方法においては、先ず、被塗物に、各種電着塗料組成物の下塗り塗膜を形成する。電着塗料組成物としては、特に限定されず、公知のカチオン電着塗料組成物やアニオン電着塗料組成物を使用することができる。但し、防食性に優れるカチオン電着塗料組成物を用いることが好ましい。また、電着塗装及び加熱硬化は、自動車車体等を電着塗装するのに通常用いられる方法及び条件で行なえばよい。
次いで、チッピングプライマーを塗装することなく、本発明の水性中塗り塗料組成物を、通常、硬化塗膜で厚さ5〜60μm程度となるように塗装する。
ここで、各種電着塗料の下塗り塗膜を形成した金属部材と、パンパー等のプラスチック部材とを、一体化した被塗物上に、当該中塗り塗料組成物を塗装することもできる。この場合には、金属部材とプラスチック部材の塗色が一致し、かつ両部材上に耐チッピング性に優れる複層塗膜が得られるという利点が得られる。
更に、上記中塗り塗膜上を、未硬化のまま又は120〜170℃程度で10〜40分間程度加熱して硬化した後に、上塗り塗膜を形成する。
この上塗り塗膜は、公知の種々の上塗り塗料組成物を用いて、公知の種々の塗装工程及び硬化工程に従って、形成することができる。即ち、上塗り塗料組成物として、ソリッドカラー塗料組成物、メタリック塗料組成物、光干渉性塗料組成物及びクリヤ塗料組成物などから選ばれた1種又は2種以上を用いて、単層、2層以上の複層上塗り塗膜を形成することができる。
上塗り塗料組成物を用いて得られた1層以上の未硬化上塗り塗膜は、中塗り塗膜が未硬化の場合は該中塗り塗膜と共に、例えば、約60〜180℃で約10〜90分間加熱して硬化することにより、下塗り塗膜、中塗り塗膜及び上塗り塗膜からなる複層塗膜を形成することができる。上塗り塗膜が2層以上の複層である場合には、加熱硬化を1回で行ってもよく、又2回以上行ってもよい。
かくして、本発明の複層塗膜形成方法により、自動車車体等の被塗物上に、チッピングプライマーを全く塗装することなく、耐チッピング性等に優れた複層塗膜を、好適に形成することができる。
本発明の水性中塗り塗料組成物及び及びこれを用いる複層塗膜形成方法によれば、以下のような顕著な効果が得られる。
(1)自動車車体等の被塗物上に、チッピングプライマーを使用することなく、耐チッピング性、耐水性、塗膜外観等に優れる、下塗り塗膜、中塗り塗膜及び上塗り塗膜からなる複層塗膜を形成できる。
(2)揮発性有機化合物の低減(低VOC化)や、チッピングプライマーの塗布を省略することによる省工程化により、エネルギーを削減できる。
上記のような顕著な効果が得られる理由としては、乳化重合法によって得られた特定のエマルション樹脂を含有する水性中塗り塗料組成物であることによって、揮発性有機化合物の低減ができたこと、上記乳化重合するモノマーとしてエチルアクリレートを多用することによって、石跳ねなどの外力に対する緩衝効果が増し、耐チッピング性に優れる複層塗膜を形成することが可能となったこと等によるものと考えられる。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明はこれらによって限定されるものではない。尚、「部」及び「%」は、「重量部」及び「重量%」を示す。
製造例1 アクリル系エマルション樹脂A1の製造
(1)脱イオン水54 部、アニオン界面活性剤(商品名「Newcol 707SF」、日本乳化剤社製、不揮発分30%)0.5部、エチルアクリレート93部、ヒドロキシエチルアクリレート5部、アクリル酸1部、及びアリルメタクリレート1部を、撹拌し、乳化して、「モノマー混合物」を得た。
(2)攪拌機、温度計、還流管、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、脱イオン水40部、「Newcol 707SF」0.8部を加え、窒素置換後攪拌しながら82℃に保った。この中にまず、上記(1)で得た「モノマー混合物」5部と、過硫酸アンモニウム0.3部を脱イオン水3部で溶解したものとの混合物を添加し、20分後、残りの「モノマー混合物」と過硫酸アンモニウム0.3部を脱イオン水3部に溶解したものとの混合物を4時間かけて滴下して、乳化重合を行った。
滴下終了時から2時間、82℃に保持して、乳化重合を続けた後、40℃にフラスコ内の温度を下げた。アンモニア水でpH8.5に調整し固形分50重量%のアクリル系エマルション樹脂A1を得た。エマルション樹脂粒子の平均粒子径は0.15μmであった。また、樹脂の酸価は7.8mgKOH/gで、ガラス転移温度は23℃であった。
製造例2〜6 アクリル系エマルション樹脂A2〜A6の製造
表1の配合内容とする以外は製造例1と同様にして、アクリル系エマルション樹脂A2〜A6を得た。
Figure 0005084151
製造例7 ポリエステル樹脂B1の製造
加熱装置、攪拌装置、温度計、還流冷却器、水分離器を備えた4つ口フラスコに、イソフタル酸33.0部、アジピン酸16.7部、1,4−シクロヘキサンジメタノール16.5部、トリメチロールプロパン20.9部、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール18.4部を配合し加熱した。次に、内容物を160℃から230℃まで3時間かけて昇温させた後、230℃で保持し、生成した縮合水を精留塔により留去させながら、酸価が3mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次に、生成物に無水トリメリット酸5.7部を付加した後、ジメチルエタノールアミンを5.3部加え中和してから、水を144.7部加え、固形分40%のポリエステル樹脂B1の溶液を得た。ポリエステル樹脂B1の水酸基価は150mgKOH/g、酸価は35mgKOH/g、数平均分子量は2,000であった。
製造例8 自己架橋性樹脂S1の製造
トリメチロールプロパン0.2モル、1,6−ヘキサンジオール0.8モル、ヘキサヒドロフタル酸0.4モル及びアジピン酸0.3モルを反応させた後、さらに無水トリメリット酸0.05モルを付加してなるポリエステル樹脂(100部)に、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)2モルとジメチロールプロピオン酸1モルとを反応させてなるポリウレタン(30部)を、メチルエチルケトン中で反応させてなる生成物(130部)に含まれる水酸基の一部に、メチルエチルケトンオキシムと4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)とを等モル比で反応させてなる半ブロックポリイソシアネート化合物(10部)を反応せしめ、ついで脱溶剤し、ジメチルエタノールアミンを加えて中和し、水に混合して、1分子中に水酸基及びブロックイソシアネート基を併有するウレタン変性ポリエステル樹脂である自己架橋性樹脂S1の水分散液を得た。自己架橋性樹脂S1の水酸基価は90mgKOH/g、酸価は38mgKOH/g、NCO価は10、数平均分子量は2,000であった。
実施例1 水性中塗り塗料No.1の製造
製造例7で得たポリエステル樹脂B1の29部(固形分)に、カーボンブラック(注1)1部、チタン白顔料(注2)130部を配合し、ペイントシェーカーにて1時間混合して、顔料分散ペーストを得た。得られた顔料分散ペーストに、アクリル系エマルション樹脂A1を71部(固形分)、ブロック化ポリイソシアネート(注3)を28部(固形分)、イミノ基含有メチル化メラミン樹脂(注4)を14部、ディスパーにて攪拌しながら加えていき、さらに脱イオン水、ジメチルエタノールアミンを加えて、pHを8.5に、粘度をフォードカップNo.4で測定して25秒(20℃)になるように、調整して、水性中塗り塗料No.1を得た。水性中塗り塗料No.1の塗料固形分含量は、62重量%であった。
実施例2〜5及び比較例1〜4
表2の配合で実施例1と同様にして、水性中塗り塗料No.2〜No.9を得た。表2に、各塗料の粘度、固形分、VOC及び破断伸び率を併記した。
Figure 0005084151
表2における(注1)〜(注4)は、下記のものを示す。
(注1)カーボンブラック:商品名「カーボンMA100」、三菱化学社製。
(注2)チタン白顔料:商品名「JR−806」、テイカ社製。
(注3)ブロック化ポリイソシアネート:商品名「バイヒジュールBL5140」:住化バイエルウレタン社製。
(注4)イミノ基含有メチル化メラミン樹脂:商品名「サイメル325」、日本サイテック社製。
表2において、塗料粘度はフォードカップNo.4で20℃において測定した値である。また、VOCは、塗料固形分、塗料比重(JIS K−5400 4.6.2による比重カップ法によって測定)、水分量(自動水分測定装置KF−100、三菱化学社製による)をあらかじめ測定し、下記式によって塗料中の水を除いたVOC量を算出した値である。式中、塗料固形分は水を除いた塗料固形分であり、比重Aは水を除いた塗料の比重である。
VOC(g/l)=1000×比重A×[(100−塗料固形分)/100]
また、表2において、破断伸び率は、塗料組成物の単独膜(150℃30分加熱硬化;膜厚30μm)を短冊状(0.5×2cm)に切って、恒温槽付万能引張試験機(島津製作所製、商品名「オートグラフS−D型」)を用い、−20℃において引張り速度20mm/分で、塗膜の破断伸び(%)を測定した値である。
実施例6 複層塗膜の形成
リン酸亜鉛処理剤(商品名「パルボンド#3020」、日本パーカライジング株式会社製)で表面処理を施した亜鉛メッキ鋼板に、カチオン電着塗料(商品名「エレクロンGT−10LF」、関西ペイント(株)製)を電着塗装し、170℃で20分加熱して、硬化膜厚で20μmの電着塗膜の塗装板を得た。
この電着塗装板に、水性中塗り塗料No.1を、硬化膜厚で30μmとなるようにスプレー塗装して、室温で3分間放置しその後80℃10分予備乾燥した。ついで150℃で30分間焼き付けた。さらにその上に、アクリル樹脂/メラミン樹脂系ベース塗料(商品名「水性メタリックベースコートWBC710T」、関西ペイント(株)製)を硬化膜厚で15μmとなるようにスプレー塗装し、室温で3分間放置しその後80℃10分予備乾燥した。ついで、その未硬化塗面に酸・エポキシ硬化型アクリル樹脂系クリヤ塗料(商品名「KINO#1200TWクリヤ」、関西ペイント(株)製)を硬化膜厚で35μmとなるようにスプレー塗装し、室温で5分間放置した後140℃で30分加熱して硬化して複層塗膜No.1を形成した。
実施例7〜10 複層塗膜の形成
実施例6と同様にして、表3の組み合わせにて複層塗膜No.2〜No.5を形成した。
比較例5〜8 複層塗膜の形成
実施例6と同様にして、表3の組み合わせにて複層塗膜No.6〜No.9を形成した。
上記のようにして形成された実施例の複層塗膜No.1〜No.5、及び比較例の複層塗膜No.6〜No.9について、下記方法により、塗膜外観、耐水性及び耐チッピング性の塗膜性能を、調べた。
塗膜外観:複層塗膜の外観を、塗膜面の平滑性、ツヤ及び鮮映性について、目視にて、下記基準により評価した。
○:良好、△:やや劣る、×:顕著に劣る。
耐水性:複層塗膜を形成した試験板を、40℃の温水に10日間浸漬した後、2mm角の碁盤目100個を切り粘着テープにて剥離し、塗面を観察した。耐水性は、以下の基準で評価した。
○:碁盤目が100個残存している、
△:碁盤目が90〜99個残存している、
×:碁盤目が90個未満残存している。
耐チッピング性:複層塗膜を形成した試験板を、チッピング試験装置(スガ試験機社製、飛石試験機「JA−400型」)の試片保持台に、石の吹き出し口に対して塗面が直角になるように固定し、−20℃において、0.294MPa(3kgf/cm)の圧縮空気により粒度7号の花崗岩砕石50gを塗面に吹き付けた後、塗面に布粘着テープ(富士工業社製)を貼着し、それを急激に剥離後、塗膜のキズの発生程度等を、目視で観察し、下記基準により評価した。
◎:キズの大きさは直径1.0mm以下であり、上塗り塗膜の一部に傷が付いている程度である、
○:キズの大きさは直径1.0mmを超えて1.5mm以下であり、中塗り塗膜が一部露出している、
△:キズの大きさは直径1.5mmを超えて2.0mm以下であり、中塗り塗膜の一部が欠損し、電着塗膜又は鋼板が露出している、
×:キズの大きさは直径2.0mmを超えており、中塗り塗膜が大きく露出し、又は中塗り塗膜が欠損して電着塗膜又は鋼板が露出し、外観を著しく損なっている。
各複層塗膜について、複層塗膜の層構成及び各性能試験の試験結果を表3に示す。表3において、中塗り塗膜のNo.は、使用した水性中塗り塗料No.を示す。
Figure 0005084151

Claims (9)

  1. (A)エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びアクリル酸を含有し、且つエチルアクリレートの含有量が70重量%以上であるモノマー混合物(a)を乳化重合して得られる、水酸基価5〜80mgKOH/g及び酸価1〜15mgKOH/gであるアクリル系エマルション樹脂、
    (B)水酸基価が80mgKOH/gを超え200mgKOH/g以下である水酸基含有ポリエステル樹脂、
    (C)硬化剤、並びに
    (D)着色顔料を含有し、且つ固形分含量が60重量%以上であることを特徴とする水性中塗り塗料組成物。
  2. アクリル系エマルション樹脂(A)が、水酸基含有樹脂を乳化剤として用いて、モノマー混合物(a)を乳化重合して得られたものである請求項1に記載の水性中塗り塗料組成物。
  3. 水酸基含有ポリエステル樹脂(B)が、酸基を有しており、樹脂の酸価が1〜70mgKOH/gである請求項1又は2に記載の水性中塗り塗料組成物。
  4. アクリル系エマルション樹脂(A)及び水酸基含有ポリエステル樹脂(B)の配合比率が、両者の合計に基づいて、前者が30〜99重量%で後者が1〜70重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性中塗り塗料組成物。
  5. 硬化剤(C)の配合割合が、アクリル系エマルション樹脂(A)及び水酸基含有ポリエステル樹脂(B)の合計100重量部に対して、1〜150重量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性中塗り塗料組成物。
  6. 着色顔料(D)の配合割合が、アクリル系エマルション樹脂(A)及び水酸基含有ポリエステル樹脂(B)の合計100重量部に対して、1〜400重量部である請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性中塗り塗料組成物。
  7. フォードカップNo.4(20℃)で測定した塗料粘度が、15〜60秒である請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性中塗り塗料組成物。
  8. 被塗物に、電着塗膜、中塗り塗膜、次いで上塗り塗膜を形成して、複層塗膜を形成する方法であって、中塗り塗膜を請求項1〜7のいずれか1項に記載の水性中塗り塗料組成物を用いて形成することを特徴とする複層塗膜形成方法。
  9. 被塗物が、自動車車体である請求項8に記載の複層塗膜形成方法。
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