JP3026385B2 - プレス加工性に優れた潤滑鋼板用皮膜組成物及びこれを使用した潤滑鋼板 - Google Patents
プレス加工性に優れた潤滑鋼板用皮膜組成物及びこれを使用した潤滑鋼板Info
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Description
装適性に優れた潤滑性皮膜を形成できる組成物およびこ
の組成物を塗布した、特に家電、建材、自動車製品等の
分野に利用される潤滑性金属板に関する。
工を施す際に、金属板のすべり不足による金属板の傷つ
きを防止するなどの目的で、金属板に液体潤滑剤を塗布
することが行なわれている。
(1)油性潤滑剤と防錆油による層との両層を形成する
ことを特徴とする高度の耐食性を付与する潤滑処理方法
(特公昭57−31471号公報参照)、(2)亜鉛系
メッキ鋼板上にクロメート皮膜処理をして、その上に、
水分散性潤滑剤を含有するアクリル樹脂系の水性有機複
合シリケートを塗布し、皮膜を形成せしめてなる防錆潤
滑鋼板(特開昭61−60886号公報参照)、(3)
亜鉛系メッキ鋼板上にクロメート皮膜処理をした後この
上に、ウレタン化エポキシエステル樹脂、シリカ粉末、
親水性ポリアミド樹脂および潤滑剤としてポリエチレン
ワックスを含有する溶剤型塗料組成物を0.3〜5μm
塗布したカチオン電着塗装性に優れた有機複合鋼板(特
開昭63−35798号公報参照)、(4)金属板上に
クロメート皮膜処理をした後ガラス転移点(Tg点)が
70℃以上で水酸基およびカルボキシル基を有する樹脂
と潤滑剤とから成る皮膜を形成させて得られる潤滑鋼板
(特開平2−43040号公報参照)等が開示されてい
る。
得られる潤滑鋼板は、いずれも常温でのエリクセン深絞
り加工のような低速加工に対しては効果的であるが、例
えば500mm/sec程度の高速プレス加工または8
0〜100℃での加温加工に対しては、皮膜層が剥離し
やすくなり、剥離粉が被加工材または加工工具へ付着
し、それによって被加工材が削られ、被加工材の表面外
観を損うという問題があった。また(3)においてはシ
リカ粉末の分散を十分に行なう必要があり、さらに
(4)については、樹脂のガラス状領域からゴム状領域
の中間点が70℃以上であることから、加工温度が70
℃以上に加温された場合には皮膜層が剥離しやすくな
り、剥離粉が被加工材または加工工具へ付着し、それに
よって被加工材が削られ、被加工材の表面外観を損うと
いう問題があった。
来の技術の欠点を解消し、高速プレス加工時においても
液体潤滑材の塗布なしで連続成型性、耐食性、ハンドリ
ング時に指紋等の汚れが着きにくく、さらに一般的な熱
硬化型アルキド系塗料、熱硬化型アクリル系塗料を上塗
塗装した時に付着性に優れた潤滑性皮膜を形成できる組
成物を得るべく鋭意研究の結果、100℃での弾性率E
1 の値が1.0×109 dyne/cm2 以上の粘弾性特性
を示す水分散型ポリウレタン樹脂とシリカを併用し、さ
らにポリオレフィン系ワックスまたはフッ素系樹脂微粉
末から成る潤滑機能付与剤を特定量配合した組成物が上
記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
性率E1 の値が1.0×109 以上の粘弾性特性を示す
水分散型ポリウレタン樹脂成分100重量部に対して、
(B)シリカ粒子をSiO2 として5〜50重量部、及
び(C)融点90℃以上のポリオレフィン系ワックス及
び/又はフッ素系樹脂微粉末からなる潤滑機能付与剤を
固形分量で0.5〜30重量部含有することを特徴とす
る潤滑性皮膜を形成できる組成物を提供するものであ
る。
膜を形成できる組成物を乾燥後の皮膜重量で0.5〜
5.0g/m2 塗布し、皮膜形成してなる潤滑性の優れ
た金属板を提供するものである。
ポリウレタン樹脂は、100℃での弾性率E1 値が1.
0×109 dyne/cm2 以上の粘弾性特性を示すことが
必要である。ここで、樹脂の弾性率E1 とは、強制振動
非共振による縦型タイプの動的粘弾性測定装置DVE−
V4型FTレオスペクトラー(レオロジー社製)を用い
て、周波数110Hz、温度上昇速度4.0℃/min.、
静荷重一定10gの条件で測定した値である。
9 未満では、高速プレス加工時に被加工材表面の温度上
昇により皮膜が軟化し、皮膜強度が低下するため、皮膜
自体が剥離しやすくなると同時に、潤滑機能付与剤を均
一に固定できなくなる。このため連続成型性を著しく低
下させるため好ましくない。
ウレタン樹脂(A)とは、ポリエステルポリオール、ポ
リエーテルポリオール等のポリオールと芳香族または脂
肪、脂環族ジイソシアネートからなるポリウレタンをジ
オール、ジアミン等のような2個以上の活性水素をもつ
低分子量化合物により鎖伸長したポリウレタン樹脂を水
中に安定に分散もしくは溶解させたものであり、公知の
ものを広く使用できる。例えば特公昭42−24192
号公報、特公昭42−24194号公報、特公昭42−
5118号公報、特公昭49−986号公報、特公昭4
9−33104号公報、特公昭50−15027号公
報、特公昭53−29175号公報で明らかなように下
記の方法が利用できる。
末端に水酸基、アミノ基、カルボキシル基等のイオン性
基を導入することにより親水性を付与し自己乳化により
水中に分散または溶解する方法。 (2)反応の完結したポリマーまたは末端イソシアネー
トをオキシム、アルコール、フェノール、メルカプタ
ン、アミン、重亜硫酸ソーダ等のブロック剤でブロック
したポリマーを乳化剤と機械的せん断力を用いて強制的
に水中に分散する方法。さらに末端イソシアネート基を
持つウレタンプレポリマーを水/乳化剤/鎖伸長剤と混
合し機械的せん断力を用いて分散化と高分子量化を同時
に行なう方法。 (3)ポリウレタン主原料のポリオールとしてポリエチ
レングリコールのごとき水溶性ポリオールを使用し水に
可溶なポリウレタンとし水中に分散または溶解する方
法。
ウレタン樹脂(A)は、前述の分散または溶解方法につ
いては単一方法に限定されるものでなく各々の方法によ
って得られた混合物も使用できる。
ウレタン樹脂(A)の合成に使用するジイソシアネート
としては、すべての芳香族および脂肪族のジイソシアネ
ートが適性であり、例えば次のものが挙げられる。ヘキ
サメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシ
アネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニ
レンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネー
ト、m−キシリレンジイソシアネート、1,3−ジイソ
シアネートメチルシクロヘキサノン、1,4−ジイソシ
アネートメチルシクロヘキサノン、4,4′−ジイソシ
アネートシクロヘキサノン、4,4′−ジイソシアネー
トシクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレ
ンジイソシアネート、2,4−ナフタレンジイソシアネ
ート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジ
イソシアネート、4,4′−ジフエニレンジイソシアネ
ート等が挙げられる。これらのうち好ましくは、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート等である。
ウレタン樹脂(A)の合成に使用するポリオールとして
好ましいものは、分子量が500〜8000のポリエー
テル、ポリアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リエステルアミドのようなポリヒドロキシ化合物であ
る。
キシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、ブ
チレンオキシドの重合生成物、ならびにそれらの共重合
生成物またはグラフト重合生成物、ならびにそれらの共
重合生成物、ならびに多価アルコールまたはその混合物
の縮合によって得られるポリエーテル、ならびに多価の
アルコール、アミンポリアミン、およびアミノアルコー
ルのアルコキシル化によって得られるポリエーテルが挙
げられる。ポリアセタールとしては、例えばヘキサンジ
オールおよびホルムアルデヒドから合成されるものが挙
げられる。
びポリアミドとして多塩基性の飽和および不飽和のカル
ボン酸および多価の飽和および不飽和のアルコール、ア
ミノアルコール、ジアミン、ポリアミンおよびそれらの
混合物から得られる主として線状の縮合物が適用され
る。
ウレタン樹脂(A)の合成に使用する、少なくとも2個
の活性水素を有する鎖伸長剤には次のものが挙げられ
る。
エチレングリコール、またはエチレングリコールの縮合
物、ブタンジオール、プロパンジオール−1,3、プロ
パンジオール−1,2、ネオペンチルグリコールならび
にモノ、ビスアルコキシ化された脂肪族、脂環式、芳香
族および複素環式の第1級アミン、例えばN−メチルジ
エタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N
−オレイルジエタノールアミン、N−シクロヘキシルジ
イソプロパノールアミン。 (2)脂肪族、脂環式および芳香族ジアミン、例えばエ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−シ
クロヘキシルジアミン、フェニレンジアミンの異性体。 (3)アミノアルコール、例えばエタノールアミン、プ
ロパノールアミン、ブタノールアミン。 (4)脂肪族、脂環式、芳香族のジカルボン酸、例えば
シュウ酸、マロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、コハク
酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタール酸、イソ
フタール酸、マレイン酸。
樹脂として、芳香族系テレフタル酸系のポリエステルと
トリレンジイソシアネートのような芳香族系イソシアネ
ートから成るポリウレタン樹脂の場合、常温および高温
領域(100℃)での弾性率は高いが伸びが悪く深絞り
加工性が劣る。一方芳香族系のテレフタル酸またはイソ
フタル酸系のポリエステルとヘキサメチレンジイソシア
ネートのような線状脂肪族系イソシアネートから成るポ
リウレタン樹脂の場合およびエチレングリコールとアジ
ピン酸から合成される脂肪族ポリエステルとトリレンジ
イソシアネートのような芳香族系イソシアネートから成
るポリウレタン樹脂の場合、皮膜の伸びは優れている
が、高温領域で皮膜の弾性率E1 の値が急速に低下し、
粘着性を示し、潤滑鋼板用樹脂としては好ましくはな
い。このような観点から潤滑鋼板用樹脂組成物として
は、常温および高温領域で粘着性を示さず、かつ、良好
な耐水性、上塗付着性を示すように樹脂組成をバランス
良く配合する必要がある。
リカ(SiO2 )は潤滑鋼板の耐食性を向上させるため
に配合するが、コロイダルシリカ、例えば、スノーテッ
クスCやスノーテックスN(いずれも日産化学社製)等
やシリカ粉末、たとえば、疎水性シリカAEROSIL
R−811、親水性シリカAEROSIL 200V
(いずれも日本アエロジル社製)等を用いるとよい。シ
リカ粉末の粒径は、シリカ粉末を均一に分散させるため
には、5〜100μm、好ましくは10〜50μmであ
ることが好ましい。
滑機能付与剤はポリオレフィン系ワックス及び/又はフ
ッ素系樹脂微粉末から成るものである。ポリオレフィン
系ワックスとしては、平均粒子径が好ましくは2〜5μ
m、最大粒子径が好ましくは5〜15μm、比重(25
℃)が0.94〜0.98、融点が90℃以上、好まし
くは100〜150℃の、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のオレフィン系炭化水素の重合体から成るものが上
げられ、これらのうちの1種を単独で、または2種以上
を併用して使用することができる。
ィン系ワックスのみから成っていてもよいが、ポリオレ
フィン系ワックスにフッ素系樹脂粉末を併用、さらには
フッ素系樹脂粉末のみを使用しても良く、これにより潤
滑性はさらに向上する。フッ素系樹脂微粉末としては、
ポリ四フッ化エチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹
脂、ポリフルオロエチレン樹脂等の微粉末が上げられ、
なかでも最大粒子径が15μm以下のポリ四フッ化エチ
レン樹脂粉末が好ましい。
どの加工を行なうに際し、発熱を伴う連続高速加工にお
いては摩擦熱によって表面温度が上昇するため低融点の
潤滑機能付与剤では液状となり、潤滑性皮膜に固定され
ず金型に付着、堆積して被加工物表面を傷つけるため好
ましくない。発熱を伴う高速加工においては融点90℃
以上、好ましくは110℃以上のポリオレフィン系ワッ
クスの使用が好ましく、かなりの高温においてもワック
スが潤滑性皮膜に均一に固定され、被加工物の表面を傷
つけることなく有効に潤滑機能を発揮することができ
る。さらに、潤滑機能付与剤として、前記ポリオレフィ
ン系ワックスとフッ素系樹脂微粉末とを併用したもの、
フッ素系樹脂微粉末単独のものはより優れた性能を示
す。この理由は、フッ素系樹脂粉末の表面エネルギーが
極めて低く、低い摩擦係数を与えるためと考えられる。
成分の配合割合は、(A)成分100重量部に対して下
記のとおりである。 (B)成分:5〜50重量部、好ましくは15〜25重
量部 (C)成分:0.5〜30重量部、好ましくは3〜20
重量部。 (B)成分であるシリカは、密着性および耐食性の向上
に寄与するものであるが、シリカの配合量が5重量部未
満では、十分な密着性が得られないとともに、得られる
潤滑性皮膜による腐食電流の分散効果が小さく耐食性の
向上効果が小さい。また50重量部を越えると、皮膚の
光沢値が低下するとともに表面の平滑性が失われ、また
皮膜の伸び率が急激に低下し、加工によって皮膜が剥離
しやすくなり、プレス加工性を低下させ、型かじりを生
じやすくするため好ましくない。
工材に潤滑性を付与、プレス加工など加工を問題なく行
なうためのものであるが、潤滑機能付与剤量が0.5重
量部未満では、潤滑性の向上効果が小さい。一方潤滑機
能付与剤の量が20重量部を越えると皮膜の光沢値の低
下とともに表面の平滑性が失われ、皮膜の伸び率、付着
力が急激に低下し、皮膜が剥離しやすくなり、潤滑機能
付与効果を十分生かすことができず、プレス加工性を低
下させ、型かじりを生じやすくする。
成分以外に反応促進剤、増粘、消泡剤、有機溶剤を適宜
含有しても良い。
皮膜を形成することによって、十分に機能を発揮するも
のである。上記金属板としては、冷延鋼板、亜鉛メッキ
鋼板、鉄−亜鉛メッキ鋼板、ニッケル−亜鉛合金メッキ
鋼板、アルミニューム合金、亜鉛−アルミニューム合金
メッキ鋼板、アルミニュームメッキ鋼板、ブリキ板およ
び鋼板などが挙げられ、これらの金属板は、クロメート
処理、リン酸亜鉛処理、リン酸鉄処理、リン酸−クロム
処理などの公知の化成処理を施したものであってよい。
耐食性の点から化成処理を施したものが好ましい。
膜量は、クロム元素量として10〜100mg/m2 と
成る量、またリン酸鉄処理またはリン酸亜鉛処理におけ
る処理皮膜量は0.3〜1.5g/m2 であることが、
耐食性、加工性の点から好ましい。
で0.5〜5.0g/m2 、より好ましくは1.5〜
3.0g/m2 となるよう塗布し乾燥させて皮膜を形成
させることが望ましい。付着量が0.3g/m2 未満で
は、耐食性の向上効果が小さく、さらに十分な潤滑機能
が得られない。また5g/m2 を越えると、耐食性は向
上するが、プレス加工性が低下し、また、コストが高く
つき経済的でない。
付与するためには皮膜重量を2.2g/m2 以下、さら
に好ましくは1.8g/m2 以下にすることが望まし
い。皮膜重量が2.2g/m2 を越えるとスポット溶接
の際にチリを発生しやすくなり、また溶接強度も不十分
となるため連続打点適性が急激に低下する。
成するにあたり、本組成物を水で粘度を5〜20センチ
ポイズの範囲で塗布量などに応じ適宜調整後、ロールコ
ーター塗装、スプレー塗装、デッピング塗装、ハケ塗り
塗装等の一般に公知の方法により所定の皮膜重量と成る
ように塗装した後、通常、雰囲気温度が100〜300
℃で10〜120秒間乾燥させる。この時の素材の最高
板温(PMT)は80〜220℃の範囲であることが好
ましい。このようにして潤滑機能を有する皮膜組成物を
塗装、乾燥することにより、プレス加工に優れた潤滑鋼
板が製造される。
は、樹脂成分として高温領域(100℃)でも粘着性が
ないウレタン系樹脂を使用しているため、金属板への密
着性が良好であり、さらにプレス加工などの連続高速加
工において皮膜の温度上昇があっても、皮膜強度の低下
が起りにくい。またシリカを含有しているため、密着性
を向上できるとともに、腐食電流を分散させ、耐食性を
大きく向上させることができる。
る潤滑機能付与剤が皮膜に均一に存在し、潤滑機能が良
好であるため液体潤滑剤などを塗布せずに、そのままプ
レス可能であるため、加工時における液体潤滑剤の塗布
および脱脂工程を省くことができ、作業環境の改善だけ
でなく、コストダウンが図られ、また連続高速加工にお
いても潤滑機能付与剤が液状となって金型に付着、堆積
して被加工物を傷つけることなく有効に潤滑機能を発揮
することができる。また同時にハンドリング時に指紋等
の汚れが着きにくい。さらにまた一般的な熱硬化型アク
リル系塗料、熱硬化型アミノアルキッド系塗料を塗装し
た時にも付着性に優れた潤滑性皮膜を提供することがで
きる。
具体的に説明する。なお以下の記載において、〔部〕お
よび〔%〕はことわらないかぎりそれぞれ〔重量部〕お
よび〔重量%〕を意味する。
を30分間80℃で脱水した後、トルイレンジイソシア
ネート389gと反応させる。30℃に冷却した後、強
く外部冷却しながらアセトン400g中にネオペンチル
グリコール125gおよびN−メチル−ジエタノールア
ミン75gを含む溶液を注ぎ込み1時間後この溶液に更
に665gのアセトンを加える。得られた高粘度の50
%ポリウレタン溶液の200gに氷酢酸5gを加え、続
いて水50g中に燐酸1.3gを含む溶液を加える。次
いでさらに200gの水および50gのエチレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテートを加えた後アセトン
を真空下で除く。かくして高粘度の水分散型ウレタン樹
脂溶液(I)が得られた。(特公昭42−5118号公
報 実施例20参照)
量620)1kgを60℃で脱水した後、トルイレンジ
イソシアネート(異性体混合物65:35)512gと
反応させる。温度は急速に上昇する。反応混合を30分
間80℃に保つ。この溶融物に30℃でアセトン2L中
にジエチレングリコール620gおよびN−メチル−ジ
エタノール−アミン120gを含む溶液を流し込む。そ
の際冷却することによって強い発熱反応を軽減させる。
次いで4時間50℃で攪拌し、高粘度の溶液をアセトン
2.8Lで希釈し、なお2時間50℃で放置する。かく
して高粘度の46%ポリウレタン溶液が得られる。この
溶液の400gを硫酸ジメチル1.1gとともに30分
間50℃に加熱し、続いて乳酸6gを加える。次いで水
300gを加えた後アセトンを真空下で取除く。かくし
て38%の水分散型のポリウレタン樹脂溶液(II)が得
られた。(特公昭42−5118号公報 実施例23参
照)
6)200部トルエン90部およびトルイレンジイソシ
アネート34.8部を加え80℃で1時間攪拌を行な
う。次いで室温まで冷却し、末端にイソシアネート基を
有するウレタンプレプライマーを得る。このもののイソ
シアネート基を測定すると2.5%であった。別の容器
にアセトン120部、ジエチレントリアミン2.52部
(0.024モル)を入れ、外部より水冷し10℃以下
に保ちながら攪拌しつつ前記プレポリマー溶液68部
(0.020モル)を徐々に2時間を要して滴下する。
つぎにエピクロルヒドリン2.20部(0.024モ
ル)を加え、50℃で30分間攪拌する。次いで室温に
冷却下後に2%酢酸水350部を攪拌しながら加えpH
5〜6に調整する。pH調整後、温度を50〜60℃に
上げ、減圧にて溶剤を除去した後水を加え、固形分30
%の安定な水分散樹脂溶液(III)が得られた。(特公昭
50−15027号公報 実施例3参照)
が表1に示す値になるように配合した上記混合物を水で
10cps(B型粘度計、20℃)に粘度調整し、組成
物液を作成した。
装乾燥後の皮膜組成が表1〜4に示す値になるようにし
て、組成物液を作成した。
スC(SiO2 20%)、日産化学(株) 商品名、粒
径10〜20μm。 注2).ワックス(a):重量平均分子量約9000、
融点90℃、粒径2〜5μmのポリエチレン粉末。 注3).ワックス(b):重量平均分子量約5000、
融点127℃、粒径2〜5μmのポリエチレン粉末。 注4).PTFE:粒径2〜5μmのポリ四フッ化エチ
レン樹脂粉末。
板への塗装試験を行なった。被塗物となる金属板として
は、下記の金属板に下記の化成処理を施したものおよび
無処理のものを使用した。 (1)金属板の種類 ・電気亜鉛メッキ鋼板(EG) 板厚 0.6mm 亜鉛メッキ付着量 20g/m2 ・冷延鋼板(CRS)JIS G−3141(SPCC−SD) 板厚 0.6mm ・電気亜鉛−ニッケルメッキ鋼板(Ni−Zn) 板厚 0.6mm 亜鉛−ニッケルメッキ付着量 20g/m2 ニッケル含有量 12% ・溶融亜鉛メッキ鋼板(HDG) 板厚 0.6mm 亜鉛メッキ付着量 120g/m2
ロム水和物からなる塗布型クロメート処理液(関西ペイ
ント社製コスマー#150)を電気亜鉛メッキ鋼板およ
び冷延鋼板にゴムロールにて塗布した後、熱風乾燥炉で
乾燥させた。クロメート皮膜の付着量は、クロム元素量
で50g/m2 とした。 ・リン酸鉄処理 前記の冷延鋼板を日本パーカライジング(株)製のリン
酸鉄処理剤であるパルホス1077でスプレー処理し
た。皮膜重量は500mg/m2 とした。
m2 )した電気亜鉛メッキ鋼板に、実施例1で得た組成
物液をバーコーターにて乾燥皮膜重量が1.8g/m2
となるように塗装し、150℃で30秒間(PMT10
0℃)乾燥させ潤滑性鋼板を得た。得られた潤滑鋼板に
ついての試験結果を表1に示す。
1と同様な方法で作成した潤滑鋼板についての試験結果
を同様に表1〜4に示す。
深絞り試験器142型を使用し、試験を行なった。 a.20℃での加工試験の条件 ・シートホルダー圧 1000kg ・ポンチ径 50mm ・ブランク径 110mm ・絞り速度 10mm/sec b.100℃での加工試験の条件 ・シートホルダー圧 3200kg ・ポンチ径 50mm ・ブランク径 110mm ・絞り速度 10mm/sec c.評価基準 カップ深絞り試験によってダイスに付着する潤滑皮膜組
成物の有無および被加工物の表面状態より評価した。 ◎:ダイスに付着なし、被加工物の表面状態にすり傷が
全く認められない。 ○:ダイスに微量の付着があり、被加工物の表面に微小
のすり傷が認められる。 △:ダイスにやや多くの付着があり、被加工物の表面に
多くのすり傷が認められる。 ×:ダイスに多量に付着があり、被加工物の表面が全面
すり傷が認められる。
生までの時間(hr)で評価した。試験は加工前の平板
および20℃深絞り加工を行なったものについての2種
類とした。
ミラック#1000熱硬化型塗料としてマジクロン#1
000(いずれも関西ペイント社製、色はホワイト)を
次の条件で塗装した。 アミラック#1000:130℃で20分間 25μm
(スプレー塗装) マジクロン#1000:150℃で20分間 25μm
(スプレー塗装) 評価基準 上記の塗装板について、ゴバン目セロテープ試験を行な
い塗膜の剥離の状態より、付着性を評価した。 ◎:ゴバン目セロテープ試験で、上塗塗膜の剥離が認め
られない。 ○:ゴバン目セロテープ試験で、1〜2個の上塗塗膜の
剥離が認められる。 △:ゴバン目セロテープ試験で、3〜10個の上塗塗膜
の剥離が認められる。 ×:ゴバン目セロテープ試験で10個以上の上塗塗膜の
剥離が認められる。
Claims (4)
- 【請求項1】 水分散型ポリウレタン樹脂(A)100
重量部に対して、シリカ粒子(B)をSiO2 として5
〜50重量部、及び潤滑機能付与剤(C)を固形分量で
0.5〜30重量部含有することを特徴とする潤滑性皮
膜を形成できる組成物。 - 【請求項2】 水分散型ポリウレタン樹脂(A)が、1
00℃での弾性率E1 の値が1.0×109 dyne/cm
2 以上の粘弾性特性を示すものである請求項1記載の組
成物。 - 【請求項3】 潤滑機能付与剤(C)が、90℃以上の
融点を有するポリオレフィン系ワックス及び/又はフッ
素系樹脂微粉末からなる請求項1又は2記載の組成物。 - 【請求項4】 金属板上に請求項1ないし3記載の組成
物を乾燥皮膜重量で0.5〜5.0g/m2 塗布し、皮
膜形成してなる潤滑性の優れた金属板。
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