JP3702193B2 - 加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプレス加工後に潤滑被膜を除去することなく使用する家電、建材、自動車等の部品に利用される表面処理鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、家電、建材、自動車等に使用される部品はプレス油を塗布し、プレス成形後に油を除去して製造されていた。しかし、脱脂溶剤の使用規制やコスト低減要求に伴い、プレス油を省略できる潤滑性能及びプレス後の被膜が優れた表面特性(外観、耐食性、塗料密着性等)を有する表面処理鋼板のニーズが強くなっている。特に強加工を行う部材では、有機被膜やめっき被膜が損傷し易く、この被膜損傷を原因とする加工後の耐食性劣化が起こり易いため、良好な潤滑性能と加工後の耐食性とを併せ持つ表面処理鋼板のニーズが強い。
【0003】
こうした問題を解決する技術として、特開平03−016726号公報に開示された技術がある。これは、亜鉛系或いはアルミニウム系の合金めっき鋼板の表面にCr付着量200mg/m2以下のクロメート被膜、その上に0.3〜3.0g/m2の樹脂被膜を有するもので樹脂被膜は水酸基及び/又はカルボキシル基を有する樹脂100重量部、シリカ10〜80重量部、平均粒径1〜7μmのポリオレフィンワックス20重量部以下であることが開示されており、この潤滑鋼板は幅広い種類の樹脂が適用できると記載されている。しかしながら、実際の高速連続クランクプレス加工性や、加工後の被膜劣化が少ないという観点からは満足できるレベルのものではなく、樹脂、シリカ及び潤滑剤で構成される被膜を最適化することによってはじめて安定操業可能な潤滑鋼板が得られる。特に非脱膜型の潤滑鋼板では加工後の外観と性能が重要であり、潤滑被膜の膜厚の均一性や延び、圧縮、摺動摩耗性を考慮しなければならない。
【0004】
このため、特開平06−173037号公報には、めっき鋼板表面に化成処理を行い、エーテル、エステル型ウレタン樹脂とエポキシ樹脂、ポリオレフィンワックス、シリカを最適化した塗料を被覆することにより、優れた潤滑性を有するプレス油を省略した非脱膜型潤滑めっき鋼板が得られることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような潤滑めっき鋼板では、厳しいプレス加工後の加工部の耐食性が十分に確保されていないという問題点を依然として有している。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは既に、特開2000−104154号公報に開示されているように、耐食性が通常の溶融亜鉛めっき鋼板よりも大幅に優れたZn−Mg−Alめっき鋼板を提案しているが、更に鋼板の表面にZn−Mg−Al合金めっき又はZn−Mg−Al−Si合金めっきを施し、その上に下地処理としてクロメート被膜若しくはりん酸塩被膜を施し、さらにその上にエーテル・エステル型ウレタン樹脂とエポキシ樹脂、ポリオレフィンワックス、シリカを最適化した塗料を被覆することにより優れた潤滑性と加工部の耐食性を有する非脱膜型潤滑めっき鋼板を製造し得ることを見出して本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
【0009】
(1)表面に下層として、Mg:1〜10質量%、Al:2〜19質量%を含有し、且つ、Mg質量%+Al質量%≦20質量%を満たし、残部がZn及び不可避的不純物よりなるZn合金めっき層を有し、その上にCr付着量5〜100mg/m2のクロメート被膜もしくは付着量0.2〜2.0g/m2のりん酸塩被膜の化成被膜を有し、更にその上にビスフェノール型骨格、エステル骨格及びカルボキシル基を有するエーテル・エステル型ウレタン樹脂(a)とエポキシ樹脂(b)の合計(a+b)が全固形分に対して50〜85質量%、ポリオレフィンワックス(c)を3〜30質量%、粒径3〜30nmのシリカ(d)を10〜40質量%含有する水性潤滑塗料を塗布して得られる膜厚0.2〜5μmの被膜を設けたことを特徴とする加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
【0010】
(2)鋼板の表面に下層として、Mg:1〜10質量%、Al:2〜19質量%、Si:0.01〜2質量%を含有し、且つ、Mg質量%+Al質量%≦20質量%を満たし、残部がZn及び不可避的不純物よりなるZn合金めっき層を有し、その上に付着量0.2〜2.0g/m2のりん酸塩被膜の化成被膜を有し、更にその上にビスフェノール型骨格、エステル骨格及びカルボキシル基を有するエーテル・エステル型ウレタン樹脂(a)とエポキシ樹脂(b)の合計(a+b)が全固形分に対して50〜85質量%、ポリオレフィンワックス(c)を3〜30質量%、粒径3〜30nmのシリカ(d)を10〜40質量%含有する水性潤滑塗料を塗布して得られる膜厚0.2〜5μmの被膜を設けたことを特徴とする加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
【0011】
(3)エーテル・エステル型ウレタン樹脂(a)のホリエステル骨格に対するポリエーテル骨格の重量比率が10:90〜70:30であり、且つ前記ウレタン樹脂の酸価が10〜50であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
【0012】
(4)エポキシ樹脂(b)がグリコール骨格又はビスフェノール型骨格を有し、エーテル・エステル型ウレタン樹脂(a)のカルボキシル基の20〜100質量%と反応する比率で配合されていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
【0013】
(5)ポリオレフィンワックス(c)の融点が70〜160℃、粒径が0.1〜7μmであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
【0014】
(6)ポリオレフィンワックス(c)のケン化価が30以下又は0であり、且つ分岐を有する構造であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
【0015】
(7)Zn合金めっき層が[Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織]の素地中に[Mg2Si相]と[Zn2Mg相]及び[Zn相]が混在した金属組織を有することを特徴とする上記(2)に記載の加工後の加工部耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
【0016】
(8)Zn合金めっき層が[Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織]の素地中に[Mg2Si相]と[Zn2Mg相]及び[Al相]が混在した金属組織を有することを特徴とする上記(2)に記載の加工後の加工部耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
【0017】
(9)Zn合金めっき層が[Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織]の素地中に[Mg2Si相]と[Zn2Mg相]及び[Zn相]、[Al相]が混在した金属組織を有することを特徴とする上記(2)に記載の加工後の加工部耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
【0018】
(10)Zn合金めっき層が[Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織]の素地中に[Mg2Si相]と[Zn相]及び[Al相]が混在した金属組織を有することを特徴とする上記(2)に記載の加工後の加工部耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板、である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明の潤滑めっき鋼板は鋼板上にZn−Mg−Al合金めっき、Zn−Mg−Al−Si合金めっきを施し、その上に下地処理としてクロメート被膜もしくはりん酸塩被膜を施し、更にその上にエーテル・エステル型ウレタン樹脂とエポキシ樹脂、ポリオレフィンワックス、シリカを最適化した塗料を付与したものである。
【0021】
本発明の下地鋼板としては、Alキルド鋼板、Ti、Nbなどを添加した極低炭素鋼板、及びこれらにP、Si、Mnなどの強化元素を添加した高強度鋼等種々のものが適用できる。
【0022】
Zn−Mg−Alめっき層は、Mg:1〜10質量%、Al:2〜19質量%で、且つMgとAlがMg(%)+Al(%)≦20(%)を満たし、残部がZn及び不可避的不純物よりなるZn合金めっき層である。
【0023】
Mgの含有量を1〜10質量%に規定した理由は、1質量%未満では加工性、加工後耐食性を向上させる効果が不十分であるためであり、10質量%を超えるとめっき層が脆くなって密着性が低下するためである。
【0024】
Alの含有量を2〜19質量%に規定した理由は、2質量%未満では加工後耐食性を向上させる効果が不十分であるためであり、19質量%を超えると加工後耐食性を向上させる効果が飽和するためである。
【0025】
MgとAlの含有量を式、Mg(%)+Al(%)≦20(%)に規定した理由は、めっき中のZn含有量が小さいと犠牲防食効果が小さくなり耐食性が低下するためである。
【0026】
本発明において、更に耐食性の良好なめっき鋼板を得るためには、さらにSiを添加すると共にMg、Alの添加量を多くして、めっき層の凝固組織中に〔Mg2Si相〕が混在した金属組織を有することが望ましい。
【0027】
Si添加の目的の1つは、めっき密着性の向上及び加工後の耐食性の向上である。Siの含有量を0.01〜2質量%に規定した理由は、0.01質量%未満では密着性を向上させる効果が不十分であるためであり、2質量%を超えると密着性を向上させる効果が飽和するためである。望ましくはAl含有量の3%以上添加する。
【0028】
また、Al、Mg、Siの添加量を多くし、めっき層凝固組織中に〔Mg2Si相〕が混在した金属組織を作製することにより、更に加工後耐食性を向上させることが可能となる。そのためにはMgの含有量を2質量%以上、Alの含有量を4質量%以上とすることが好ましい。
【0029】
本めっき組成はZn−Mg−Al−Siの四元系合金であるがAl、Mgの量が比較的少量である場合、凝固初期はZn−Siの二元系合金に類似した挙動を示しSi系の初晶が晶出する。その後、今度は残ったZn−Mg−Alの三元系合金に類似した凝固挙動を示す。即ち、初晶として〔Si相〕が晶出した後、〔Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織〕の素地中に〔Zn相〕、〔Al相〕、〔Zn2Mg相〕の1つ以上を含む金属組織ができる。また、Al、Mgの量がある程度増加すると、凝固初期はAl−Mg−Siの三元系合金に類似した挙動を示し、Mg2Si系の初晶が晶出し、その後、今度は残ったZn−Mg−Alの三元系合金に類似した凝固挙動を示す。即ち、初晶として〔Mg2Si相〕が晶出した後、〔Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織〕の素地中に〔Zn相〕、〔Al相〕、〔Zn2Mg相〕の1つ以上を含む金属組織ができる。
【0030】
ここで、〔Si相〕とは、めっき層の凝固組織中に明瞭な境界をもって島状に見える相であり、例えばZn−Siの二元系平衡状態図における初晶Siに相当する相である。実際には少量のAlが固溶していることもあり、状態図で見る限りZn、Mgは固溶していないか、固溶していても極微量であると考えられる。この〔Si相〕はめっき中では顕微鏡観察において明瞭に区別できる。
【0031】
また、〔Mg2Si相〕とは、めっき層の凝固組織中に明瞭な境界をもって島状に見える相であり、例えばAl−Mg−Siの三元系平衡状態図における初晶Mg2Siに相当する相である。状態図で見る限りZn、Alは固溶していないか、固溶していても極微量であると考えられる。この〔Mg2Si相〕はめっき中では顕微鏡観察において明瞭に区別できる。
【0032】
また、〔Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織〕とは、Al相とZn相と金属間化合物Zn2Mg相との三元共晶組織であり、この三元共晶組織を形成しているAl相は例えばAl−Zn−Mgの三元系平衡状態図における高温での「Al″相」(Znを固溶するAl固溶体であり、少量のMgを含む)に相当するものである。この高温でのAl″相は常温では通常は微細なAl相と微細なZn相に分離して現れる。また、この三元共晶組織中のZn相は少量のAlを固溶し、場合によっては更に少量のMgを固溶したZn固溶体である。この三元共晶組織中のZn2Mg相は、Zn−Mgの二元系平衡状態図のZn:約84質量%付近に存在する金属間化合物相である。状態図で見る限りそれぞれの相にはSiが固溶していないか、固溶していても極微量であると考えられるが、その量は通常の分析では明確に区別できないため、この3つの相からなる三元共晶組織を本明細書では〔Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織〕と称す。
【0033】
また、〔Al相〕とは、前記の三元共晶組織の素地中に明瞭な境界をもって島状に見える相であり、これは例えばAl−Zn−Mgの三元系平衡状態図における高温での「Al″相」(Znを固溶するAl固溶体であり、少量のMgを含む)に相当するものである。この高温でのAl″相はめっき浴のAlやMg濃度に応じて固溶するZn量やMg量が相違する。この高温でのAl″相は常温では通常は微細なAl相と微細なZn相に分離するが、常温で見られる縞状の形状は高温でのAl″相の形骸を留めたものであると見てよい。状態図で見る限りこの相にはSiが固溶していないか、固溶していても極微量であると考えられるが、通常の分析では明確に区別できないため、この高温でのAl″相(Al初晶と呼ばれる)に由来し、且つ形状的にはAl″相の形骸を留めている相を本明細書では〔Al相〕と称す。この〔Al相〕は前記の三元共晶組織を形成しているAl相とは顕微鏡観察において明瞭に区別できる。
【0034】
また、〔Zn相〕とは、前記の三元共晶組織の素地中に明瞭な境界をもって島状に見える相であり、実際には少量のAl、更には少量のMgを固溶していることもある。状態図で見る限り、この相にはSiが固溶していないか、固溶していても極微量であると考えられる。この〔Zn相〕は前記の三元共晶組織を形成しているZn相とは顕微鏡観察において明瞭に区別できる。
【0035】
また、〔Zn2Mg相〕とは、前記の三元共晶組織の素地中に明瞭な境界をもって島状に見える相であり、実際には少量のAlを固溶していることもある。状態図で見る限り、この相にはSiが固溶していないか、固溶していても極微量であると考えられる。この〔Zn2Mg相〕は前記の三元共晶組織を形成しているZn2Mg相とは顕微鏡観察において明瞭に区別できる。
【0036】
本発明において〔Si相〕の晶出は耐食性向上に特に影響を与えないが、〔初晶Mg2Si相〕の晶出は耐食性向上に大きく寄与する。これはMg2Siが非常に活性であることに由来し、腐食環境で水と反応して分解し、〔Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織〕の素地中に〔Zn相〕、〔Al相〕、〔Zn2Mg相〕の1つ以上を含む金属組織を犠牲防食すると共に、できたMg水酸化物が保護性の皮膜を形成し、それ以上の腐食の進行を抑制するためであると考えられ、特に加工部においてこの効果が顕著である。
【0037】
めっき層中には、これ以外にFe、Sb、Pbを単独或いは複合で0.5質量%以下含有してもよい。また、これらを主成分とするめっきにCa、Be、Ti、Cu、Ni、Co、Cr、Mn、P、B、Sn、REMを合計で1%以下含有しても本発明の効果を損なわず、その量によっては更に耐食性が改善される等好ましい場合もある。Zn−Mg−Al−Siめっきの付着量については特に定めないが、耐食性の観点から10g/m2以上、加工性の観点から350g/m2以下であることが望ましい。
【0038】
本発明において、めっき鋼板の製造方法については特に限定するところはなく、通常の無酸化炉方式の溶融めっき法が適用できる。下層としてNiプレめっきを施す場合も通常行われているプレめっき方法を適用するばよく、Niプレめっきを施した後、無酸化或いは還元雰囲気中で急速低温加熱を行い、その後に溶融めっきを行う方法等が好ましい。
【0039】
化成被膜としてはクロメート被膜もしくはりん酸塩被膜を用いる。化成被膜はめっき面と潤滑被膜との間に位置し加工時の密着性、耐食性向上に寄与する。クロメートは3価クロム水和酸化物を主成分とする後水洗型の電解還元クロメート、3価クロムと6価クロムの水和酸化物を主成分とする後水洗型のエッチングクロメート液を塗布し乾燥する無水洗型の塗布クロメート被膜を採用できる。
【0040】
付着量はCr換算で5〜100mg/m2である。5mg/m2未満では十分な耐食性が得られず、100mg/m2超ではクロメート自身の凝集破壊が生じ易く、密着性が得られない。クロメート被膜は3価クロム/6価クロム比率の高い、水系潤滑塗料に溶解し難いものが望ましい。
【0041】
りん酸塩被膜は亜鉛、ニッケル、マンガン、カルシウム等のりん酸塩で構成されるものである。付着量は0.2〜2.0g/m2の範囲が耐食性及びめっき密着性の理由で望ましい。0.2g/m2未満では十分な耐食性が得られない。2.0m/m2超ではりん酸塩被膜の凝集破壊により、厳しい加工で密着性が得られない。
【0042】
次に、本発明の潤滑被膜について以下に説明する。
【0043】
本発明の第一の特徴は、ベース樹脂として適切な種類の樹脂を一定質量比で配合させることにある。樹脂としては、密着性、伸び、せん断強度、耐食性、耐摩耗性、耐薬品性のバランスのとれた成分にする必要がある。これらの性能を満足するためには、本発明の樹脂の組み合せ使用が好ましい。本発明者らは、既にウレタン樹脂とエポキシ樹脂を配合し、且つ特定のポリオレフィンワックスを配合することにより高度の加工性と耐食性を得ることができるという知見を得ていたが、更に鋭意研究した結果、ウレタン樹脂の構造を特定することにより、特に優れた性能を発揮することを見出した。
【0044】
高加工性と高耐食性を達成するためには、塗膜が均一であり、且つ密着性が優れていることが前提であり、更に強度と伸びのバランスがとれていることが重要である。分子量の大きいウレタン樹脂とエポキシ樹脂とを併用することで、低分子量同士の樹脂の架橋によってできた膜よりも基本的な物性を制御し易く、且つ塗膜量で0.3〜6g/m2の薄膜でも、均一物性が得られ易いことを見出した。
【0045】
尚、低分子量のウレタン樹脂とは、各種イソシアネート系の架橋剤を含む種類のものである。樹脂として分子量3000以上の耐摩耗性に優れたウレタン樹脂と密着性又は膜強度の向上に優れたエポキシ樹脂を配合した樹脂系の組み合せが特に高加工性と高耐食性等の諸特性を発揮するのに適したベース樹脂である。
【0046】
本発明のウレタン樹脂は、分子量が3000以上でビスフェノール型骨格とエステル骨格を有し、且つカルボキシル基を有する水分散性のエーテル・エステル型ウレタン樹脂(a)で、エポキシ樹脂(b)はグリコール骨格又はビスフェノール骨格を有するタイプであって、(a)のカルボキシル基の20〜100%を反応させる比率で配合されたものである。本発明の高分子ウレタン樹脂を使用することで薄膜での均一な成膜性が得られ本発明の目的は達成されるが、より好ましくは塗膜の伸びが100%以上で、且つ抗張力が100kg/cm2以上になる樹脂を適用すれば最高の加工性が得られる。
【0047】
一般的にウレタン樹脂の物性の制御は、ハードセグメントとソフトセグメントのバランス及び架橋密度によって行われているため、構成される骨格及びイソシアネートの種類によって、広範な特性が制御できる。本発明に使用されるウレタン樹脂の伸びと抗張力の調整は、可とう性を示すエステル骨格と強靭性を示すエーテル骨格及びウレタン結合部の含有量で制御され、後者の含有量が増えれば、伸びは小さいが抗張力の高い強靭な特性が得られる。特に優れた潤滑特性を発揮させるためには、本発明の樹脂物性と同程度の数値を有するポリエステル骨格単独のウレタン樹脂より、ポリエステル骨格とエーテル成分がビスフェノール骨格を有するものが特に優れた性能を示す。同程度の樹脂物性でビスフェノール骨格を有するものが潤滑特性に優れることは、樹脂の伸び及び強度だけでなく素地との密着性が潤滑性の大きな要因であることから容易に推察される。ポリエーテル骨格とポリエステル骨格の重量比率は、10:90〜70:30の範囲が好ましい。ポリエーテルの比率が上記範囲より多い場合、強靭である伸びが小さいため高度の成形加工性に劣る。
【0048】
エーテル及びエステルのポリオールをイソシアネートで分子量3000以上に高分子化させたウレタン樹脂系は、加熱により自己成膜するが、塗膜性能として更に加工性、耐薬品性及び耐食性を向上させる方法として、反応性の官能基(水酸基、エポキシ基など)を有するエポキシ樹脂を配合して加熱架橋させて機能性を向上させる方法がある。この方法が、ウレタン樹脂のエポキシ変性を行った変性物単独の成膜方法より加工性、耐食性、耐薬品性の大幅な向上が図れることを新たに見出した。この架橋反応は組み合わされた樹脂系だけでも進行するが、必要に応じて硬化剤と呼ばれるイソシアネート化合物又はアミノ化合物などを配合してもよい。
【0049】
本発明に使用するウレタン樹脂骨格のポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールAなどの低分子グリコール類にエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等を付加したポリオール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどが挙げられるが、特にビスフェノールA骨格を有するポリエーテルポリオールが好適である。ポリエステルポリオールとしては、低分子グリコール類と2塩基酸との脱水縮合反応によって得られるポリエステル類及びε−カプロラクタムなどのラクタム類を低分子グリコールの存在下で開環重合したラクタムポリオール類が挙げられる。
【0050】
ウレタン樹脂のエステル骨格とエーテル骨格を結合させるイソシアネート基としてはトリレジイソシアネート、ジフェニルメタジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートの単量体、2量体、3量体、及び、それらとポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールなどとの反応物、及びそれらの水素添加誘導体である脂環族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂環族、及び脂肪族イソシアネートの単量体、2量体、3量体とポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールなどとの反応物、及びこれらの混合物も使用できる。配合量は、使用するポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、及び後述するカルボキシル基導入成分の分子量との比率になるが、NCO換算でウレタン樹脂の5〜20質量%が樹脂物性として最適な加工特性を得られる。
【0051】
カルボキシル基は、自己乳化するための官能基であると共に金属表面との密着性に大きく寄与する。カルボキシル基の導入成分としては、2個以上のヒドロキシル基、又はアミノ基と1個以上のカルボキシル基を含む化合物であり、2,2−ジメチロールプロピオン酢酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸などのジヒドロキシカルボン酸やリジン、アルギニンなどのジアミノカルボン酸類が挙げられる。これらから選ばれるカルボキシル基化合物は、前記ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールとの組み合せでイソシアネート化合物で高分子化される。この方法により、本発明で使用する分子量が3000以上のカルボキシル基を有するエーテル・エステル型ウレタン樹脂ができる。
【0052】
前記のウレタン樹脂を水に分散させる方法としては、カルボキシル基をアンモニア、トリメチルアミン等のアルカリで中和して自己乳化させる方法、又は乳化剤を用いてエマルジョン分散させる方法が挙げられる。作業環境対策としては、水系化以前のウレタン製造工程中に含有する溶剤を回収して、最終的に無溶剤タイプの水分散体を得ることが最も好ましい。カルボキシル基の量は、ウレタン固形分当りの酸価で10〜50であることが適切である。10未満の場合、密着性が不十分で加工性及び耐食性が劣る。50を超える場合、耐水性、耐アルカリ性が劣るため耐食性が低下する。
【0053】
反応性の官能基(水酸基、エポキシ基など)を有するエポキシ樹脂の配合量としては、好ましくはウレタン樹脂のカルボキシル基の20〜100%が反応する比率で配合するのが適切である。20%未満では配合効果が乏しく、100%を超える量ではエポキシ樹脂が可塑剤的役割となるため加工性が低下する。尚、エポキシ樹脂は、耐薬品性、耐食性向上効果が大きい。エポキシ樹脂にビスフェノールA型骨格を有する構造物を用いると、密着性及び耐食性向上効果が特に大きい。環境対策として無溶剤タイプ及び塗膜性能低下を防ぐため無乳化剤タイプが必要であるときは、グリコール骨格で親水性を付与することにより水溶性エポキシ樹脂を得ることができる。
【0054】
ウレタン樹脂の酸価に応じてエポキシ樹脂の配合量を決定する必要があり、その計算方法は、次のとおりである。ウレタン樹脂のカルボキシル基とエポキシ樹脂のエポキシ基が当量で反応するとして、所定の酸価(AV)を有するウレタン樹脂に対し、100%の反応をするためのエポキシ樹脂の必要量を求めたのが下記式(1)である。
エポキシ固形分質量(g)=ウレタン樹脂のAV値×(1/56)/1000×エポキシ当量×ウレタン樹脂配合質量(g) ・ ・ ・(1)
【0055】
本発明で配合されるエポキシ基はカルボキシル基と架橋するため、密着性に寄与するカルボキシル基は反応相当分なくなるが、エポキシ基の開環によりOH基が生ずるため密着性は確保される。また、エポキシ樹脂の配合により、耐食性も大きく向上する。分子量が3000未満のウレタン樹脂と上記エポキシ樹脂の組み合せでは、安定して高加工性が達成されない。また、分子量3000以上のウレタン樹脂単独の成膜では、高度の加工性及び耐食性が得られない。
【0056】
本発明の水系潤滑塗料組成物のウレタン樹脂(a)とエポキシ樹脂(b)の合計重量は、全固形分比で50〜85%が適切である。50%未満の場合及び85%を超える場合は耐食性と加工性が不十分である。しかし、これらの樹脂系被膜のみでは目的の加工性を達成することができないため、潤滑添加物の併用が必要となる。潤滑添加物としては、公知のフッ素系、炭化水素系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石鹸系及び無機系等の滑剤が挙げられる。加工性向上のための潤滑添加物の選択基準としては、添加した滑剤が成膜した樹脂膜に分散して存在するよりも樹脂膜表面に存在するような物質を選択するのが、成型加工物の表面と金型の摩擦を低減させ潤滑効果を最大限発揮させる点から必要である。即ち、滑剤が成膜した樹脂膜に分散して存在する場合、表面摩擦係数が高く樹脂膜が破壊され易く粉状物質が剥離体積してパウダリング現象といわれる外観不良及び加工性の低下を生じる。樹脂膜表面に存在するような物質としては、樹脂に相溶せず、且つ表面エネルギーの小さいものが選ばれる。
【0057】
本発明者らが検討した結果、ポリオレフィンワックスを使用すると、加工性が大きく向上し、加工後の耐食性及び耐薬品性等の性能も良好になることが判った。このワックスとしては、パラフィン、マイクロクリスタリン又はポリエチレン等の炭化水素系のワックスが挙げられる。加工時には、素材の変形熱と摩擦熱によって被膜温度が上昇するため、ワックスの融点は70〜160℃が適切であり、70℃未満では加工時に軟化溶融して固体潤滑添加物としての優れた特性が発揮されない。また、160℃を超える融点のものは、硬い粒子が表面に存在することとなり摩擦特性を低下させるので高度の成形加工成は得られない。好ましくは、ポリオレフィンワックスのケン化価としては30以下又は0であり、且つ分岐構造を有するものを使用することが好ましい。ケン化価が30を超えるものは、極性が大きく樹脂に相溶し易いため、成膜時に樹脂表面に存在しにくくなるため、高度な加工性能レベルが必要に場合には適切とは言えない。特に好ましいのは、樹脂との相溶性のより小さいエステル結合を持たないケン化価が0のワックスである。これらのワックスの粒径は0.1〜7.0μmが適切である。7.0μmを超えるものは、固体化したワックスの分布が不均一となるため好ましくない。また、0.1μm未満の場合は加工性が不十分である。潤滑添加物の量は、潤滑性塗料の全固形分重量に対して固形分比で3〜30%を添加する。3%未満の場合、加工性向上効果が小さく、30%を超える量では加工性及び耐食性が低下する。
【0058】
その他の添加物として、耐食性向上のためSiO2を全固形分に対して10〜40%を添加する。SiO2の添加により、耐食性の大幅な向上及び加工性の向上効果がある。10%未満の場合、耐食性及び加工性の向上効果が小さく、40%を超える量では樹脂のバインダー効果が小さくなり、耐食性が低下すると共に樹脂の伸びと強度が低下するため加工性が低下する。SiO2の粒径については3〜30μmが適切である。30μmを超える場合及び3μm未満の場合、より高度の加工性及び耐食性が得られない。シリカの種類としては、液相コロイダルシリカ及び気相シリカがあるが、本発明では特に限定するものではない。また、溶接性の向上のために導電性物又は意匠性向上のため着色顔料物を添加することもある。また、沈降防止剤、レベリング剤、増粘剤等の各種添加剤を添加しても本発明の効果は損なわれない。
【0059】
本発明は水系の塗料であるため、溶剤系に比較して表面張力が高く表面濡れ性が劣り、被塗面に所定量塗布を行う場合、均一な塗布性が得られないことがある。しかし、高度の加工性及び耐食性等の性能を確保するためには、被塗表面に均一な塗布が行われることが不可欠である。このため、濡れ剤又は増粘剤を配合添加することが公知である。濡れ剤としては、表面張力を低下させるフッ素系、シリコン系等の公知の表面張力を低下させる界面活性剤が挙げられる。特にこれらの化合物の中で付加エチレンオキサイドのモル数が0〜20のアセチレングリコール・アルコール型界面活性剤を水系潤滑塗料組成物に対し0.05〜0.5%含有させると好ましい。尚、アセチレングリコール・アルコール型界面活性剤は、濡れ速度が大きく且つ消泡効果を同時に有することが特徴である。一方、フッ素系及びシリコン系の界面活性剤は、表面張力低下能力は優れているが、濡れ速度は小さく、消泡性に劣り且つ上塗り塗装密着性も劣るため適切ではない。また、増粘剤は被塗面のはじき箇所に対して濡れ剤だけでは十分な表面被覆性が確保できない場合、又はロールコーターに代表される塗布方法で塗膜厚が確保されない場合の対策として添加することがある。本発明の塗料は、通常、高速で被塗物に塗装されるため、セルロース系に代表されるチクソタイプの増粘剤では、高速ずり応力を受ける塗工条件では効果が小さい。このような塗工条件では、ニュートニアタイプの増粘剤が適切であることは公知である。本発明に使用する増粘剤としては、分子量が1000〜20000のエーテル・ウレタン骨格を有する増粘剤が特に好ましい。
【0060】
この増粘剤は本発明で使用される塗料のベース樹脂であるウレタン樹脂骨格と相溶性があるため会合性のニュートニア増粘挙動を示し、少量の添加量で有効な効果を示す。通常、塗料に添加剤を配合する場合、本来の性能を低下させることが多いが、この増粘剤は加水分解が起こりにくい骨格のため塗膜中に残存した場合の影響が非常に小さいことが特徴である。添加量は、水系潤滑性塗料組成物の樹脂固形分に対し0.01〜0.2%であり、通常、塗工条件により決定される。0.01%未満では増粘効果が小さく、0.2%を超える量では粘度が大きくなりすぎるため塗工性に支障が生じること及び高度の加工性と優れた耐食性が低下するため好ましくない。
【0061】
以上述べた化合物で構成される本発明における塗料は用途、塗装条件によって異なるが、一般的には不揮発分濃度15〜30%、粘度10〜50cps、表面張力を80dyne/cm以下に調整することが望ましい。その理由は狙い膜厚を制御し易く、外観むらや塗料はじきのない均一な膜厚を得るためである。塗布の方法はロールコート法、浸漬法、エアーナイフしぼり、グルーブロール法、カーテン塗布法等の既存の方法を採用できるが、膜厚制御及び膜厚精度、むらのない外観が得られ易いリバースロールコート塗布が最も望ましい。塗布量は乾燥膜厚として0.2〜5μm塗布後、直ちに熱風、遠赤外線炉、電気炉、燃焼炉、誘導加熱炉等で板温80〜200℃、好ましくは120〜160℃に焼付けた後、水冷等の方法により強制冷却し乾燥して成膜させる。
【0062】
膜厚0.2〜5μmの範囲を限定した理由は、0.2μm未満では本発明が目的とする潤滑性、加工性、耐食性が不十分である。5μm超では溶接ができず、ブロッキング等の問題が生じ易くなる。焼付板温の限定理由は、80℃未満では樹脂のリフローと架橋反応が不十分のため粗面の欠陥の多い被膜となり、200℃超では樹脂、潤滑剤のポリオレフィンが熱分解、加熱酸化を受け性能が劣化する。最も望ましい樹脂の融解と架橋による均一で平滑な無欠陥被膜及び潤滑剤の適度な表面濃化と被膜中分散は120〜160℃の範囲で得られる。
【0063】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0064】
(実施例1)
まず、厚さ0.8mmの冷延鋼板を準備し、これに浴温400〜600℃で、それぞれMg量、Al量を変化させたZn−Mg−Alめっき浴、Mg量、Al量、Si量を変化させたZn−Mg−Al−Siめっき浴を使用して3秒溶融めっきを行い、N2ワイピングでめっき付着量を60g/m2に調整した。得られためっき鋼板のめっき層中の組成を表1に示す。次に、このめっき鋼板を脱脂した後、Cr付着量50mg/m2の塗布クロメート処理又は付着量1.5g/m2のりん酸亜鉛処理を行い、分子量5000のエーテルエステルウレタン樹脂(ビスフェノールAエーテル:酸価18、エーテル/エステル比=30/70、イソシアネート含有率8)とプロピレングリコールエポキシ樹脂(エポキシ当量220)に平均粒径8nmのシリカゾルを21%、粒径0.6μmのポリエチレンワックス(比重0.93、軟化点120℃)13%を配合した潤滑塗料を塗布し、板温130℃にて焼付けて膜厚3μmの潤滑鋼板を作製した。
【0065】
加工後耐食性の評価は、60mm深さの角筒高速クランクプレスを行ったサンプルのコーナー側面部について、CCT60サイクル後の白錆発生状況を以下に示す評点づけで判定した。CCTは、SST2hr→乾燥4hr→湿潤2hrを1サイクルとした。評点は3以上を合格とした。
5:5%未満
4:5%以上10%未満
3:10%以上20%未満
2:20%以上30%未満
1:30%以上
【0066】
評価結果を表1に示す。番号45、51はMg、Al含有量が本発明の範囲外であるため耐食性が不合格となった。番号46、52はMg含有量が本発明の範囲外であるため耐食性が不合格となった。番号47、50、53、56はAl含有量が本発明の範囲外であるため耐食性が不合格となった。番号48、54はMg+Al含有量が本発明の範囲外であるため耐食性が不合格となった。番号49、55はMg含有量が本発明の範囲外であるため、めっき密着性が劣化し耐食性が不合格となった。これら以外はいずれも加工後耐食性が良好な結果となった。
【0067】
【表1】
【0068】
(実施例2)
まず、厚さ0.8mmの冷延鋼板を準備し、これに浴温450℃のZn−Mg−Alめっき浴で3秒溶融めっきを行い、N2ワイピングでめっき付着量を60g/m2に調整した。得られためっき鋼板のめっき層中の組成はMg=3%、Al=5%であった。
【0069】
また、厚さ0.8mmの冷延鋼板を準備し、これに浴温450℃のZn−Mg−Al−Siめっき浴で3秒溶融めっきを行い、N2ワイピングでめっき付着量を60g/m2に調整した。得られためっき鋼板のめっき層中の組成はMg=3%、Al=10%、Si=0.15%であった。
【0070】
次に、このめっき鋼板を脱脂した後、表2に示す付着量の塗布クロメート処理又はりん酸亜鉛処理を行い、分子量5000のエーテルエステルウレタン樹脂(ビスフェノールAエーテル:酸価18、エーテル/エステル比=30/70、イソシアネート含有率8)とプロピレングリコールエポキシ樹脂(エポキシ当量220)に表2に示す平均粒径のシリカゾルを21%、粒径0.6μmのポリエチレンワックス(比重0.93、軟化点120℃)13%を配合した潤滑塗料を塗布し、板温130℃にて焼付けて膜厚3μmの潤滑鋼板を作製した。
【0071】
密着性の評価は、エリクセン試験機で9mm絞り、凸部をテープ剥離し、剥離しなかったものを合格、剥離したものを不合格とした。加工後耐食性の評価は、60mm深さの角筒高速クランクプレスを行ったサンプルのコーナー側面部について、CCT60サイクル後の白錆発生状況を以下に示す評点づけで判定した。CCTは、SST2hr→乾燥4hr→湿潤2hrを1サイクルとした。評点は3以上を合格とした。
5:5%未満
4:5%以上10%未満
3:10%以上20%未満
2:20%以上30%未満
1:30%以上
【0072】
評価結果を表2に示す。番号1、6、15、16、21、30は化成処理付着量が本発明の範囲外であるため密着性、耐食性が不合格となった。番号7、10、22、25はシリカゾルの平均粒径と付着量が本発明の範囲外であるため耐食性が不合格となった。これら以外はいずれも、密着性、耐食性が良好な結果となった。
【0073】
【表2】
【0074】
(実施例3)
まず、厚さ0.8mmの冷延鋼板を準備し、これに浴温450℃のZn−Mg−Alめっき浴で3秒溶融めっきを行い、N2ワイピングでめっき付着量を60g/m2に調整した。得られためっき鋼板のめっき層中の組成はMg=3%、Al=5%であった。
【0076】
次に、このめっき鋼板を脱脂した後、Cr付着量50mg/m2の塗布クロメート処理を行い、分子量5000のエーテルエステルウレタン樹脂(ビスフェノールAエーテル:酸価18、エーテル/エステル比=30/70、イソシアネート含有率8)とプロピレングリコールエポキシ樹脂(エポキシ当量220)、平均粒径8nmのシリカゾル、粒径0.6μmのポリエチレンワックス(比重0.93、軟化点120℃)を表3に示す配合比で作製した潤滑塗料を塗布し、板温130℃にて焼付けて膜厚3μmの潤滑鋼板を作製した。
【0077】
加工性の評価は、60mm深さの角筒高速クランクプレスを行い、サンプルとダイスの金属接触によるかじりの発生状況を以下に示す評点づけで判定した。
3:かじり発生無し
2:僅かにかじり発生が認められるが許容されるレベル
1:かじりの激しいもの
【0078】
加工後耐食性の評価は、60mm深さの角筒高速クランクプレスを行ったサンプルのコーナー側面部について、CCT60サイクル後の白錆発生状況を以下に示す評点づけで判定した。CCTは、SST2hr→乾燥4hr→湿潤2hrを1サイクルとした。評点は3以上を合格とした。
5:5%未満
4:5%以上10%未満
3:10%以上20%未満
2:20%以上30%未満
1:30%以上
【0079】
評価結果を表3に示す。番号1、6、15、20はワックス添加量が本発明の範囲外であるため加工性、耐食性が不合格となった。番号7、12、21、26はシリカゾル添加量が本発明の範囲外であるため加工性、耐食性が不合格となった。番号13、14、27、28は全塗料重量に対するウレタン樹脂とエポキシ樹脂合計重量の割合が本発明の範囲外であるため加工性、耐食性が不合格となった。これら以外はいずれも、加工性、耐食性が良好な結果となった。
【0080】
【表3】
【0081】
(実施例4)
まず、厚さ0.8mmの冷延鋼板を準備し、これに浴温450℃のZn−Mg−Alめっき浴で3秒溶融めっきを行い、N2ワイピングでめっき付着量を60g/m2に調整した。得られためっき鋼板のめっき層中の組成はMg=3%、Al=5%であった。
【0083】
次に、このめっき鋼板を脱脂した後、Cr付着量50mg/m2の塗布クロメート処理を行い、分子量5000のエーテルエステルウレタン樹脂(ビスフェノールAエーテル:酸価18、エーテル/エステル比=30/70、イソシアネート含有率8)とプロピレングリコールエポキシ樹脂(エポキシ当量220)に平均粒径3〜8nmのシリカゾルを21%、粒径0.6μmのポリエチレンワックス(比重0.93、軟化点120℃)13%を配合した潤滑塗料を塗布し、板温130℃にて焼付けて表4に示す膜厚の潤滑鋼板を作製した。
【0084】
加工性の評価は、60mm深さの角筒高速クランクプレスを行い、サンプルとダイスの金属接触によるかじりの発生状況を以下に示す評点づけで判定した。
3:かじり発生無し
2:僅かにかじり発生が認められるが許容されるレベル
1:かじりの激しいもの
【0085】
加工後耐食性の評価は、60mm深さの角筒高速クランクプレスを行ったサンプルのコーナー側面部について、CCT60サイクル後の白錆発生状況を以下に示す評点づけで判定した。CCTは、SST2hr→乾燥4hr→湿潤2hrを1サイクルとした。評点は3以上を合格とした。
5:5%未満
4:5%以上10%未満
3:10%以上20%未満
2:20%以上30%未満
1:30%以上
【0086】
溶接性の評価は、次に示すスポット溶接条件で行った。
加圧力:200kgf
電極:Cu−Cr系合金、CF型、先端6mmφ
通電時間:10サイクル
連続溶接条件:ナゲット形成電流I0(板厚をtとしたとき、ナゲット径が4√t以上になる最小電流値)の1.4倍の電流値(Ia)、1打点/3秒の速度、20打点毎に30秒休止の条件で連続溶接
連続溶接終了:100打点毎にナゲット径測定用のサンプルを0.85×Iaの電流値で溶接し、ナゲット径が4√tより小さくなった時点を終了と判定
【0087】
評価は、溶接点数500点以上を合格とした。評価結果を表4に示す。番号1、6は膜厚が本発明の範囲外であるため加工性、耐食性が不合格となった。番号5、10は膜厚が本発明の範囲外であるため溶接性が不合格となった。これら以外はいずれも、加工性、耐食性、溶接性が良好な結果となった。
【0088】
【表4】
【0089】
(実施例5)
まず、厚さ0.8mmの冷延鋼板を準備し、これに浴温450℃のZn−Mg−Alめっき浴で3秒溶融めっきを行い、N2ワイピングでめっき付着量を60g/m2に調整した。得られためっき鋼板のめっき層中の組成はMg=3%、Al=5%であった。
【0091】
次に、このめっき鋼板を脱脂した後、Cr付着量50mg/m2の塗布クロメート処理を行い、表5に示すエーテルエステルウレタン樹脂と表6に示すエポキシ樹脂に平均粒径8nmのシリカゾル、粒径0.6μmのポリエチレンワックス(比重0.93、軟化点120℃)を配合した潤滑塗料を表7に示す組成で塗布し、板温130℃にて焼付けて膜厚3μmの潤滑鋼板を作製した。
【0092】
加工性の評価は、60mm深さの角筒高速クランクプレスを行い、サンプルとダイスの金属接触によるかじりの発生状況を以下に示す評点づけで判定した。
3:かじり発生無し
2:僅かにかじり発生が認められるが許容されるレベル
1:かじりの激しいもの
【0093】
加工後耐食性の評価は、60mm深さの角筒高速クランクプレスを行ったサンプルのコーナー側面部について、CCT40サイクル後の白錆発生状況を以下に示す評点づけで判定した。CCTは、SST6hr→乾燥4hr→湿潤4hr→冷凍4hrを1サイクルとした。評点は3以上を合格とした。
5:5%未満
4:5%以上10%未満
3:10%以上20%未満
2:20%以上30%未満
1:30%以上
【0094】
評価結果を表7に示す。番号8、18はウレタン樹脂の分子量が小さいため加工性、耐食性が不合格となった。これら以外はいずれも、加工性、耐食性が良好な結果となった。特にエーテル・エステル型ウレタン樹脂のポリエステル骨格に対するポリエーテル骨格の重量比率が10:90〜70:30であり、且つ前記ウレタン樹脂の酸価が10〜50である塗料、エポキシ樹脂がグリコール骨格又はビスフェノール型骨格を有するタイプであって、ウレタン樹脂のカルボキシル基の20〜100質量%と反応する比率でエポキシ樹脂が配合された塗料は非常に良好な加工性、耐食性を示した。
【0095】
【表5】
【0096】
【表6】
【0097】
【表7】
【0098】
(実施例6)
まず、厚さ0.8mmの冷延鋼板を準備し、これに浴温450℃のZn−Mg−Alめっき浴で3秒溶融めっきを行い、N2ワイピングでめっき付着量を60g/m2に調整した。得られためっき鋼板のめっき層中の組成はMg=3%、Al=5%であった。
【0100】
次に、このめっき鋼板を脱脂した後、Cr付着量50mg/m2の塗布クロメート処理を行い、分子量5000のエーテルエステルウレタン樹脂(ビスフェノールAエーテル:酸価18、エーテル/エステル比=30/70、イソシアネート含有率8)とプロピレングリコールエポキシ樹脂(エポキシ当量220)に平均粒径8nmのシリカゾルを21%、表8に示すワックス13%を配合した潤滑塗料を塗布し、板温130℃にて焼付けて膜厚3μmの潤滑鋼板を作製した。
【0101】
加工性の評価は、60mm深さの角筒高速クランクプレスを行い、サンプルとダイスの金属接触によるかじりの発生状況を以下に示す評点づけで判定した。
3:かじり発生無し
2:僅かにかじり発生が認められるが許容されるレベル
1:かじりの激しいもの
【0102】
加工後耐食性の評価は、60mm深さの角筒高速クランクプレスを行ったサンプルのコーナー側面部について、CCT40サイクル後の白錆発生状況を以下に示す評点づけで判定した。CCTは、SST6hr→乾燥4hr→湿潤4hr→冷凍4hrを1サイクルとした。評点は3以上を合格とした。
5:5%未満
4:5%以上10%未満
3:10%以上20%未満
2:20%以上30%未満
1:30%以上
【0103】
評価結果を表8に示す。いずれも良好な加工性、耐食性を示した。特にケン化価が30以下又は0であるワックス、粒径が0.1〜7.0μmのワックスは良好な加工性、耐食性を示した。
【0104】
【表8】
【0105】
(実施例7)
まず、厚さ0.8mmの冷延鋼板を準備し、これに400〜600℃の浴中のMg量、Al量、Si量を変化させたZn−Mg−Al−Siめっき浴で3秒溶融めっきを行い、N2ワイピングでめっき付着量を60g/m2に調整した。得られためっき鋼板のめっき層中の組成を表9に示す。また、めっき鋼板を断面からSEMで観察し、めっき層の金属組織を観察した結果を同じく表9に示す。
【0106】
次に、このめっき鋼板を脱脂した後、付着量1.5g/m2のりん酸亜鉛処理を行い、分子量5000のエーテルエステルウレタン樹脂(ビスフェノールAエーテル:酸価18、エーテル/エステル比=30/70、イソシアネート含有率8)とプロピレングリコールエポキシ樹脂(エポキシ当量220)に平均粒径8nmのシリカゾルを21%、粒径0.6μmのポリエチレンワックス(比重0.93、軟化点120℃)13%を配合した潤滑塗料を塗布し、板温130℃にて焼付けて膜厚3μmの潤滑鋼板を作製した。
【0107】
耐食性の評価は、60mm深さの角筒高速クランクプレスを行ったサンプルのコーナー側面部について、CCT40サイクル後の白錆発生状況を以下に示す評点づけで判定した。CCTは、SST6hr→乾燥4hr→湿潤4hr→冷凍4hrを1サイクルとした。評点は3以上を合格とした。
5:5%未満
4:5%以上10%未満
3:10%以上20%未満
2:20%以上30%未満
1:30%以上
【0108】
評価結果は表9に示すとおりであり、本発明材はいずれもよい耐食性を示した。めっき層中にMg2Si相が観察されためっき鋼板は特に良好な耐食性を示した。
【0109】
【表9】
【0110】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明によりプレス油を塗布することなく厳しいプレス加工が可能で、加工部の耐食性も十分に確保された潤滑鋼板を製造することが可能となり、工業上極めて優れた効果を奏することができる。
Claims (10)
- 鋼板の表面に下層として、Mg:1〜10質量%、Al:2〜19質量%を含有し、且つ、Mg質量%+Al質量%≦20質量%を満たし、残部がZn及び不可避的不純物よりなるZn合金めっき層を有し、その上にCr付着量5〜100mg/m2のクロメート被膜もしくは付着量0.2〜2.0g/m2のりん酸塩被膜の化成被膜を有し、更にその上にビスフェノール型骨格、エステル骨格及びカルボキシル基を有するエーテル・エステル型ウレタン樹脂(a)とエポキシ樹脂(b)の合計(a+b)が全固形分に対して50〜85質量%、ポリオレフィンワックス(c)を3〜30質量%、粒径3〜30nmのシリカ(d)を10〜40質量%含有する水性潤滑塗料を塗布して得られる膜厚0.2〜5μmの被膜を設けたことを特徴とする加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
- 鋼板の表面に下層として、Mg:1〜10質量%、Al:2〜19質量%、Si:0.01〜2質量%を含有し、且つ、Mg質量%+Al質量%≦20質量%を満たし、残部がZn及び不可避的不純物よりなるZn合金めっき層を有し、その上に付着量0.2〜2.0g/m2のりん酸塩被膜の化成被膜を有し、更にその上にビスフェノール型骨格、エステル骨格及びカルボキシル基を有するエーテル・エステル型ウレタン樹脂(a)とエポキシ樹脂(b)の合計(a+b)が全固形分に対して50〜85質量%、ポリオレフィンワックス(c)を3〜30質量%、粒径3〜30nmのシリカ(d)を10〜40質量%含有する水性潤滑塗料を塗布して得られる膜厚0.2〜5μmの被膜を設けたことを特徴とする加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
- エーテル・エステル型ウレタン樹脂(a)のホリエステル骨格に対するポリエーテル骨格の重量比率が10:90〜70:30であり、且つ前記ウレタン樹脂の酸価が10〜50であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
- エポキシ樹脂(b)がグリコール骨格又はビスフェノール型骨格を有し、エーテル・エステル型ウレタン樹脂(a)のカルボキシル基の20〜100質量%と反応する比率で配合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
- ポリオレフィンワックス(c)の融点が70〜160℃、粒径が0.1〜7μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
- ポリオレフィンワックス(c)のケン化価が30以下又は0であり、且つ分岐を有する構造であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
- Zn合金めっき層が[Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織]の素地中に[Mg2Si相]と[Zn2Mg相]及び[Zn相]が混在した金属組織を有することを特徴とする請求項2に記載の加工後の加工部耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
- Zn合金めっき層が[Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織]の素地中に[Mg2Si相]と[Zn2Mg相]及び[Al相]が混在した金属組織を有することを特徴とする請求項2に記載の加工後の加工部耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
- Zn合金めっき層が[Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織]の素地中に[Mg2Si相]と[Zn2Mg相]及び[Zn相]、[Al相]が混在した金属組織を有することを特徴とする請求項2に記載の加工後の加工部耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
- Zn合金めっき層が[Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織]の素地中に[Mg2Si相]と[Zn相]及び[Al相]が混在した金属組織を有することを特徴とする請求項2に記載の加工後の加工部耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板。
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