JP3412690B2 - 加工性および耐熱性に優れた樹脂被覆金属板 - Google Patents
加工性および耐熱性に優れた樹脂被覆金属板Info
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Description
優れた樹脂被覆金属板に関するものである。
途に使用される金属板、特に亜鉛系めっき鋼板には、耐
食性、塗装性、耐指紋性、シルク印刷性といった特性が
求められると共に、加工に供されることから、加工性、
耐疵付き性にも優れていなければならない。このため、
亜鉛めっき後にクロメート処理を行って、さらに樹脂被
覆層を設けた樹脂被覆鋼板が用いられている。
官能基を有するマトリックスとなる有機樹脂と架橋剤が
配合され、架橋によって被覆層の高硬度化・緻密化を図
り、さらには、シリカ等を添加して、耐食性、耐疵付き
性を付与している。また、別途、有機潤滑剤等を添加し
て、加工性、潤滑性を高めている。なお、有機潤滑剤
(ワックス)としては、加工時の金型温度にあわせ、8
0〜140℃の軟化点を有する化合物が使用される。
印刷による塗膜との密着性)は、上記樹脂被覆層に上記
架橋剤と未反応の官能基が多いほど良好となる。これ
は、後塗装用の塗料中に含まれる架橋剤と樹脂被覆層中
の未反応の官能基が反応することによる。また、有機潤
滑剤(ワックス)が含まれている樹脂被覆層の場合、有
機潤滑剤は官能基をほとんど有していないため、含有量
が少ないほど塗装性が良好となる。従って、従来は、樹
脂被覆層中の架橋剤量を調整してマトリックス樹脂中に
未反応の官能基を残存させながら有機潤滑剤の量とのバ
ランスを採って、加工性・潤滑性と塗装性という相反す
る性能を満足させていた。
おいて、従来は、130〜160℃、20〜30分程度
の焼き付け時間で最終硬化塗膜を得ていたが、最近は、
高効率化のため、高温短時間焼き付け(200℃前後、
1〜5分程度)工程によって最終硬化塗膜を得ようとす
る場合が見受けられるようになってきた。しかし、20
0℃以上の高温に曝されると、従来の樹脂被覆鋼板にお
いて、樹脂被覆層中のマトリックス樹脂が架橋していて
もその度合いが低いと、ワックスの軟化・融解作用も加
わって、樹脂被覆層自体が軟化してしまうことがわかっ
た。樹脂被覆層が軟化すると、条件によっては、最終硬
化塗膜の仕上がり外観に不都合が生じたり、樹脂被覆層
と金属板との密着力、あるいは、樹脂被覆層内部の凝集
力が低下して、厳しい性能評価試験を行った際に、最終
硬化塗膜が樹脂被覆層ごと金属板から剥離してしまう不
都合が起こることがあると考えられる。すなわち、最終
硬化塗膜形成工程において、仕上がり外観が良好で、か
つ密着性が良好な硬化塗膜を得ようとすると、樹脂被覆
層の耐熱性を向上させるべきであることが考えられた。
クス樹脂に添加する架橋剤の量を増大させ、被覆層をよ
り高硬度化・緻密化し、さらに、高温時の塗膜強度低下
の一因となる有機潤滑剤の量を極力減少させることも考
えられるが、加工性に不都合が起こる可能性がある。有
機潤滑剤(ワックス)の量を保ちながら架橋剤の量を増
やして被覆層を高度に架橋させてしまうと、耐熱性はあ
る程度向上するものの、架橋剤と潤滑剤の量のバランス
を保つことが難しく、最終塗膜形成時に最終塗膜用の塗
料中の架橋剤と反応することのできる未反応の官能基が
樹脂被覆層中に不足して、塗装性が低下する恐れがあ
る。このように、加工性(潤滑性)と耐熱性は、おおむ
ね、相反する特性であり、これらの両立が望まれてい
た。
事情に着目してなされたものであって、従来の樹脂被覆
鋼板が有する耐食性、塗装性、耐疵付き性、加工性を満
足すると共に、最終塗膜形成やシルク印刷層の硬化を高
温焼き付け条件で行う場合に良好な塗装性等の性能を発
揮することのできる耐熱性に優れた樹脂被覆金属板、そ
の製造方法および使用方法を提供することを課題として
掲げた。
熱性に優れた樹脂被覆金属板は、金属板表面上に有機潤
滑剤が含まれた樹脂被覆層が形成された樹脂被覆金属板
であって、樹脂被覆層の形成のために、分子内に活性水
素および/または官能基を有するマトリックス樹脂と、
このマトリックス樹脂と架橋反応し得る2種類以上の架
橋剤とが用いられていると共に、樹脂被覆層には、前記
有機潤滑剤の他に、少なくとも、前記マトリックス樹脂
と、未反応の架橋剤と、この未反応の架橋剤とは異なる
種類の架橋剤と前記マトリックス樹脂との反応物とが含
まれているところに要旨を有する。加工工程で充分な耐
疵付き性が得られるように、マトリックス樹脂をある程
度架橋させておき、後の高温短時間での焼き付け工程で
は、未反応で残存していた架橋剤を用いて、樹脂被覆層
のマトリックス樹脂を緻密に架橋させ、熱による軟化を
防ぐものである。これにより、加工性と耐熱性の両立を
図ることができた。
樹脂との架橋反応開始温度が異なる2種類以上の架橋剤
が用いられると共に、架橋反応開始温度が最も高い架橋
剤を架橋剤A、架橋反応開始温度が最も低い架橋剤を架
橋剤Bとするときに、樹脂被覆層中に、マトリックス樹
脂と架橋剤Bとの反応物および未反応の架橋剤Aが含ま
れているが、マトリックス樹脂と架橋剤Aとの反応物お
よび未反応の架橋剤Bは実質的に含まれていない構成
は、本発明の好ましい実施態様である。高温の焼き付け
工程で、架橋剤Aによる架橋反応を進行させ、樹脂の軟
化を効果的に防ぐものである。
脂と未反応の状態で樹脂被覆層中に1〜20質量%含ま
れていることが好ましい。また、架橋剤Aがメラミン系
樹脂であり、架橋剤Bが低温架橋型エポキシ系樹脂であ
ると、両者の架橋反応開始温度に有意に差を付けること
ができるため、好ましい。
製造方法は、分子内に活性水素および/または官能基を
有するマトリックス樹脂と、このマトリックス樹脂と架
橋反応し得る2種類以上の架橋剤と有機潤滑剤とを含有
する樹脂被覆層形成用組成物を金属板上に塗布した後、
該組成物中に含まれる架橋剤のうちの最も架橋反応開始
温度が高い架橋剤の架橋反応開始温度よりも低く、最も
架橋反応開始温度が低い架橋剤の架橋反応開始温度より
も高い温度で加熱乾燥を行い、この加熱乾燥工程におい
ては、最も架橋反応開始温度が高い架橋剤とマトリック
ス樹脂との架橋反応を実質的に起こさないようにすると
ころに要旨を有する。
あって、樹脂被覆層の表面にさらに塗膜(シルク印刷に
よる塗膜も含まれる)を形成する際に、樹脂被覆層中に
残存する未反応の架橋剤とマトリックス樹脂との反応が
起こり得る温度で加熱することを特徴とする樹脂被覆金
属板の使用方法も含まれる。
板の少なくとも片面上に、樹脂被覆層が形成されている
ものである。この樹脂被覆層では、マトリックス樹脂が
既に一の架橋剤と架橋しているので、切り板製品やコイ
ル製品ままの状態として保存しておいても、被覆層(被
膜)表面のべたつきやブロッキング性がない。また、第
一の架橋システムによって適度な硬度を有し、かつ有機
潤滑剤が含まれているため、耐食性や耐疵付き性にも優
れており、スリット加工や打抜き加工等の成形加工時に
被膜表面に加工疵を生じることもない。さらには、樹脂
被覆層中のマトリックス樹脂に適度な量の未反応の官能
基が残されているために、従来条件で後塗装(130〜
160℃、20〜30分程度)される場合の塗装性も良
好である。
膜(シルク印刷による塗膜も含まれる)の硬化を高温短
時間で行う場合においても、焼き付けを行う前には未反
応で樹脂被覆層中に残存している他の架橋剤を、焼き付
けの際にマトリックス樹脂と反応させて第二の架橋シス
テムを速やかに進行させるので、樹脂被覆層の軟化を防
止して耐熱性を向上させ、樹脂被覆層と金属板および樹
脂被覆層と焼き付け塗膜との密着性をそれぞれ優れたも
のにすることができた。また、焼き付け塗膜の外観を良
好に仕上げることも可能になった。以下、本発明を詳細
に説明する。
し得る活性水素および/または官能基を持っている樹脂
であれば特に限定されないが、変性ポリオレフィン系樹
脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂等が好ましいものとして例示さ
れ、これらは単独で、または相溶性がよければ2種以上
を組み合わせて使用することができる。これらは、環境
保護のため、水分散体または水溶性のものを用いること
が好ましい。加工性や耐疵付き性および塗装性の点か
ら、変性ポリオレフィン系樹脂とポリウレタン樹脂が好
ましく、耐食性を考慮すると変性ポリオレフィン系樹脂
が最も好ましいものとして挙げられる。
持たせるために変性を行ったもので、中でもアイオノマ
ー化が可能な点で、官能基としてカルボキシル基を有す
るポリオレフィン系樹脂が好ましく利用できる。この樹
脂は、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン
と、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸、および必要に
応じてこれらと共重合可能なその他のモノマーを重合す
ることにより得ることができる。官能基であるカルボキ
シル基の量を調整するために、モノマー100質量%
中、1〜40質量%はエチレン性不飽和カルボン酸とす
ることが好ましい。1質量%よりもカルボン酸が少ない
と、官能基が少な過ぎて、本発明の目的を達成すること
ができず、また、環境保護のための水分散体化が困難と
なり好ましくない。一方、40質量%を超えると、樹脂
被覆層の耐食性や耐水性が劣るため好ましくない。な
お、オレフィンとしてはエチレンが、不飽和カルボン酸
としては(メタ)アクリル酸が最も好ましい。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル等の(メタ)アクリル
酸アルキルエステル類;スチレン、α−メチルスチレ
ン、クロロスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系モノ
マー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有
(メタ)アクリル酸エステル類;N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド等のアミド系モノマー;(メタ)ア
クリル酸グリシジル等のエポキシ基含有(メタ)アクリ
ル酸エステル類;(メタ)アクリロニトリル;等の1種
または2種以上を用いることができる。ヒドロキシル
基、アミド基、エポキシ基等は、架橋剤と反応し得る官
能基であるので、これらの官能基と反応する官能基を有
する架橋剤を用いることもできる。
ン系樹脂は、アンモニア水等のアルカリと陽イオンを用
いて、水分散体化(乳化)およびアイオノマー化して用
いることが好ましい。陽イオンとしては金属イオンが好
ましく、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、鉄、アルミニウム等を挙げることがで
きるが、特にナトリウムイオンが好ましい。イオン架橋
によって、樹脂の耐食性、耐疵付き性を向上させること
ができる。
ミノ基由来の活性水素を有している。ポリウレタン樹脂
としては、「スーパーフレックス」(第一工業製薬社
製)のような市販の水分散体を利用してもよく、また、
以下の種々の公知の方法で得られる水分散体化物を利用
することもできる。
ゆるウレタンプレポリマーを、アミノ基またはヒドロキ
シル基と、スルホン酸基またはカルボキシル基を持つ化
合物、例えば、ジアミノカルボン酸のアルカリまたはア
ンモニウム塩の水溶液と反応させて、鎖延長と同時に乳
化を行う方法。
モニウム基とヒドロキシル基を有する化合物、分子内に
エポキシ基とヒドロキシル基とを有する化合物等を、ポ
リイソシアネートと反応させ、水に分散させる方法。
ドおよびプロピレンオキサイド等の(コ)ポリマーであ
るポリエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ブタンジオールおよびヘキサンジオー
ル等のポリオール化合物と、マレイン酸、コハク酸およ
びアジピン酸等のジカルボン酸との脱水縮合反応で得ら
れるポリエステルポリオールや、環状エステルの開環重
合で得られるポリエステル、ポリアセタール、ポリエス
テルアミド、ポリチオエーテルで代表されるポリオール
と、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)、フェニレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートおよ
びトルエンジイソシアネート(TDI)等の芳香族ポリ
イソシアネートあるいはヘキサメチレンジイソシアネー
トおよびジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の
脂肪族ジイソシアネートを主原料とし、上記ポリオール
化合物や、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミンおよびキ
シリレンジアミン等の低分子量ジアミン類で代表される
鎖延長剤を添加して、テトラヒドロフラン、アセトン、
メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン等の不活性
有機溶剤中で反応させてウレタンを合成し、適量の乳化
剤を含む水を加えて機械的に撹拌した後、溶剤を留去す
る方法。
ンプレポリマーにジエチレントリアミン等のポリアルキ
レンポリアミンを反応させてポリウレタン尿素ポリアミ
ンを得て、これに酸の水溶液を加えるか、またはこのポ
リウレタン尿素ポリアミンにエピクロロヒドリンを付加
させた後、これに酸の水溶液を加える方法。
のアルキルイソシアネート付加物またはエピハロヒドリ
ン付加物に、環状ジカルボン酸無水物を反応させた後、
塩基性の水溶液を混合する方法。
そのエピハロヒドリン付加物に、スルトン酸、ラクトン
酸またはモノハロゲン化カルボン酸ナトリウムを反応さ
せるか、または(メタ)アクリル酸エステルアクリロニ
トリル等と反応させた後、加水分解し、次いで、水と混
合する方法。
から得られる末端ヒドロキシル基またはイソシアネート
基を有するウレタンプレポリマーにジアミン類を反応さ
せて得られた末端アミノ基の化合物を、乳化剤を使用し
て水分散体化した後に、さらにポリイソシアネートを加
えて高分子量化する方法。
有(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;N
−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド系モノ
マー;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含
有(メタ)アクリル酸エステル類を適宜1種または2種
以上選択し、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル等の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル類;スチレン、α−メ
チルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等の芳
香族系モノマー;(メタ)アクリロニトリル等の1種ま
たは2種以上を必要に応じて用いて重合することによ
り、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミド基または
エポキシ基を官能基として含有するアクリル樹脂が得ら
れる。
基として有する公知のエポキシ樹脂が利用可能である。
ポリエステル系樹脂としては、カルボキシル基やヒドロ
キシル基等の官能基を有するものが好ましく、グリプタ
ル樹脂、テレフタル酸系樹脂、イソフタル酸系樹脂、マ
レイン酸樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、オキシ酸樹脂
等が利用可能である。
に、2種類以上の架橋剤を使用しなければならない。そ
して、本発明の樹脂被覆金属板の樹脂被覆層には、後述
する必須成分である有機潤滑剤の他に、少なくとも、前
記マトリックス樹脂と、未反応の架橋剤と、この未反応
の架橋剤とは異なる種類の架橋剤と前記マトリックス樹
脂との反応物とが含まれている必要がある。すなわち、
既に第一の架橋システムでマトリックス樹脂を架橋反応
させたために生成した「架橋剤とマトリックス樹脂との
反応物」が存在していると共に、後の高温短時間焼き付
け工程で第二の架橋システムを進行させるための「未反
応の架橋剤」が存在していなければならないのである。
なお、マトリックス樹脂は、全てが架橋剤(第一の架橋
システムで用いられる架橋剤)との反応物(マトリック
ス樹脂の官能基の一部が架橋剤と反応したもの)となっ
ていてもよいが、通常、マトリックス樹脂に対して架橋
剤を大過剰に添加することはないため、架橋剤と全く反
応していないマトリックス樹脂そのままのものが樹脂被
覆層に含まれていてもよい。
は、第一の架橋システムで適度に架橋され、かつ、有機
潤滑剤を含有する樹脂被覆層が、良好な加工性、耐食
性、耐疵付き性および塗装性を発揮する。また、高温短
時間焼き付け工程での加熱によって、第二の架橋システ
ムが樹脂被覆層内で進行し、樹脂被覆層自体の軟化が抑
制されるので、樹脂被覆層表面に均一な最終硬化塗膜が
形成され、良好な仕上がりの塗膜面が得られる。さら
に、樹脂被覆層内では、マトリックス樹脂の緻密な架橋
反応が進行するため、溶融した有機潤滑剤の移動も妨害
され、金属板表面と樹脂被覆層の界面密着性、あるい
は、樹脂被覆層内の凝集力を低下させるようなこともな
くなる。
架橋システムを別々に反応させるには、架橋反応の開始
方法を熱と電子線とに分けるなどの方法も考えられる
が、最終の高温短時間焼き付けの場合に、200℃程度
の熱が加えられることを利用して、第二の架橋システム
を高温反応型架橋剤で行い、第一の架橋システムでは、
第二の架橋システムで反応する架橋剤が反応することの
できない低温で架橋反応を起こすことが、最も好ましい
方法である。
のために、マトリックス樹脂との架橋反応開始温度が異
なる2種類以上の架橋剤が用いられると共に、架橋反応
開始温度が最も高い架橋剤を架橋剤A、架橋反応開始温
度が最も低い架橋剤を架橋剤Bとするときに、樹脂被覆
層中に、マトリックス樹脂と架橋剤Bとの反応物および
未反応の架橋剤Aが含まれているが、マトリックス樹脂
と架橋剤Aとの反応物および未反応の架橋剤Bは実質的
に含まれていないことを好ましい実施態様とする。
橋反応開始温度の低い架橋剤Bで行い、第二の架橋シス
テムを、最も架橋反応開始温度の高い架橋剤Aで行うの
である。従って、本発明の樹脂被覆金属板(最終の高温
短時間焼き付け前)の樹脂被覆層は、架橋剤Bとマトリ
ックス樹脂との反応物と、未反応の架橋剤Aとが必須的
に含まれていることとなる。そして理想的には、マトリ
ックス樹脂と架橋剤Aとの反応物および未反応の架橋剤
Bは含まれていない。しかし、化学反応の常で、第一の
低温架橋システムにおいて架橋剤Aがマトリックス樹脂
と反応してしまったり、架橋剤Bが未反応で残存してし
まうことも考えられる。本発明の技術思想はこれらが含
まれていることを排除するものではなく、それが「実質
的に含まれていない」の意味である。また、前記したよ
うに、いずれの架橋剤とも反応していないマトリックス
樹脂そのままのもの、あるいは、マトリックス樹脂、架
橋剤AおよびBとの反応物、架橋剤AとBとの反応物等
も含まれていることが考えられるが、これらも排除する
ものではない。
クス樹脂と架橋剤とを混合して、常温で被膜化し、得ら
れたフィルムについて、示差熱分析(DTA)装置を用
いて熱を加えていき、マトリックス樹脂と架橋剤とが反
応を開始して発熱反応を示し始めたときの温度のことで
ある。図1に、示差熱分析装置により得られるDTAチ
ャートのモデル図および架橋反応開始温度を示した。
は、架橋剤Bの架橋反応開始温度や最終塗膜形成工程の
温度にもよるが、135℃以上の架橋反応開始温度を有
するものが好ましく、メラミン系樹脂や、ブロック化イ
ソシアネートが使用可能である。メラミン樹脂は、ヒド
ロキシル基、カルボキシル基、ウレタン中のヒドロキシ
ル基や活性水素、エポキシ基等と反応する。例えば、
「スミマールM40W」、「スミマールM50W」(い
ずれも住友化学工業社製)や、「サイメル303」(三
井サイテック社製)等が入手可能である。
化合物(ブロック剤)で活性イソシアネートをブロック
し、加温によってブロック剤を揮散させて活性化させる
ものである。このブロックイソシアネートは、架橋反応
開始温度の低い架橋剤Bとしても利用可能である。すな
わち、TDI、MDI等のポリイソシアネート化合物の
活性イソシアネート基をブロックするブロック剤の種類
を適宜選定することにより、ブロック剤の熱解離温度を
制御することができるからである。メタノール、エタノ
ール、ブチルセロソルブ等の脂肪族アルコール系ブロッ
ク剤を用いると熱解離温度が高く(180℃を超えるも
のもある)、高温焼き付け工程が行われる場合の架橋剤
Aとして好ましく用いられる。アルコール系ブロック剤
に続いて、ε−カプロラクタム等のラクタム系;フェノ
ール、クレゾール等のフェノール系;メチルエチルケト
オキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系;
マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル等の活性メチレン
系;の各ブロック剤は、この順で熱解離温度が低下して
いく(110℃程度まで低下する)ので、適宜、架橋反
応時の温度を考慮して、架橋剤Aと架橋剤Bを選択すれ
ばよい。
は、130℃以下の架橋反応開始温度を有する架橋剤が
好ましい。この点で、低温架橋型エポキシ樹脂も好まし
く用いることができる。エポキシ基は、ヒドロキシル
基、カルボキシル基、アミン等の活性水素等と反応す
る。具体的には、「デナコール」シリーズ(ナガセ化成
社製)の「EX−313」、「EX−314」、「EX
−321」、「EX−421」、「EX−512」、
「EX−521」、「EX−147」、「EX−81
0」、「EX−313」等や、「リカボンドEX−8
S」、「リカボンドAP−355B」(いずれも中央理
化工業社製)等が入手可能である。
橋剤AとBとの間の架橋反応開始温度を有する他の架橋
剤を併用してもよく、適宜、第一の架橋を行うときある
いは第二の架橋を行うときに反応させるよう選択すると
よい。このような他の架橋剤としては、メチロール系化
合物、アミン化合物、高温架橋型エポキシ樹脂、アジリ
ジニル基含有化合物等が挙げられる。
々1〜20質量%(固形分)含まれていることが好まし
い。ただし、合計では30質量%以下が好ましい。その
存在状態としては、架橋剤Aは、実質的にマトリックス
樹脂と未反応の状態で、また、架橋剤Bは、マトリック
ス樹脂と反応した状態で樹脂被覆層中に含まれているこ
とが理想である。
覆層が耐熱性に劣るものとなり、高温焼き付け時の樹脂
被覆層の軟化を抑えられないため、好ましくない。より
好ましくは2質量%以上とする。しかし、架橋剤Aが2
0質量%を超えると、高温焼き付け前の架橋剤Aの量が
多くなり過ぎて、耐食性が低下するため好ましくない。
一方、架橋剤Bが1質量%より少ないと、耐食性、耐疵
付き性に劣るものとなり好ましくない。しかし、20質
量%を超えると、第一の架橋システムにおける架橋反応
が進み過ぎて被膜が硬くなり、加工時に被膜が割れて耐
食性が低下するため好ましくない。より好ましい上限値
は10質量%である。
ときは全ての架橋剤の合計)が30質量%を超えると、
架橋剤の残存による耐食性の低下が起こるため好ましく
ない。
須的に含まれる。加工工程において、樹脂被覆層の潤滑
性を確保して、疵付きを防ぐために必要だからである。
樹脂被覆層中、0.5〜20質量%含まれていることが
好ましい。0.5質量%より少ないと、加工性、耐疵付
き性の向上効果が発現せず、20質量%を超えると、こ
の効果が飽和すると共に、後の塗装・シルク印刷におけ
る焼き付け工程での耐熱性が低下するため好ましくな
い。
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ワ
ックス;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニ
ル、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチレン等のフッ
素系樹脂;パラフィンワックス等が使用可能である。潤
滑性の点で、ポリエチレンワックスが好ましい。特に、
平均粒子径が0.1〜3μmの球形のものが好ましい。
0.1μm未満では、耐疵付き性の向上効果が低く、3
μmを超えると樹脂被覆層中に均一に分散させることが
難しいからである。軟化点は80〜140℃の範囲にあ
るものが好ましく、80℃未満では、加工時にワックス
が液化してしまい、加工性に劣ることがある。また、1
40℃を超えると、潤滑性が悪くなる。
「ダイジェットE−17」(互応化学社製)、「KUE
−1」、「KUE−5」、「KUE−8」(三洋化成工
業社製)、「ケミパール」シリーズ(三井化学社製)の
「W−100」、「W−200」、「W−300」、
「W−400」、「W−500」、「W−640」、
「W−700」等や、「エレポンE−20」(日華化学
社製)等が入手可能である。
質量%のシリカを含有させてもよく、耐食性、耐疵付き
性の向上に効果的である。5質量%より少ないと、この
効果が発現しにくいが、30質量%を超えると、樹脂被
覆層形成時の乾燥工程の際に被膜にクラックが入ること
があり、耐食性低下につながるため好ましくない。
ものであっても良い。粒径の場合、平均粒径は1〜20
0nmの範囲が好ましい。粒径が小さいとクラックが入
ることがないため耐食性が向上するが、小さすぎると、
樹脂被覆形成用組成物の安定性が劣る傾向にある。大き
すぎると樹脂被覆層の造膜性が悪くなることがある。よ
り好ましい範囲は、4〜20nmである。このようなシ
リカ粒子としては、コロイダルシリカやヒュームドシリ
カが好ましく、例えば、「スノーテックス」シリーズ
(日産化学工業社製のコロイダルシリカ)の「XS」、
「SS」、「40」、「N」、「UP」等を好適に用い
ることができる。
適宜混合して樹脂被覆層形成用組成物を調製し、金属板
上に塗布し、乾燥させることにより得ることができる。
樹脂被覆層形成用組成物は、前記したように、水分散体
(または水溶性)のマトリックス樹脂を用いることが環
境保護の点から好ましいので、マトリックス樹脂の水分
散体中へ、架橋剤、有機潤滑剤、必要に応じてシリカを
配合して混合することによって調製できる。このとき、
本発明の目的を阻害しない範囲で、希釈溶媒、皮張り防
止剤、レベリング剤、消泡剤、浸透剤、乳化剤、造膜助
剤、着色顔料、増粘剤、シランカップリング剤、官能基
や活性水素を持たない他の樹脂等を適宜添加してもよ
い。
たは亜鉛系めっき鋼板、アルミニウム板、アルミニウム
合金板、チタン板等が挙げられる。樹脂被覆層を設ける
に当たっては、クロメート処理やリン酸塩処理を、めっ
き膜上あるいは金属板表面へ行っておくと、耐食性およ
び密着性向上に効果的である。なお、クロメート処理
は、反応型、塗布型、電解型、いずれの処理方法でもよ
い。
記樹脂被覆層形成用組成物を、公知の塗布方法、すなわ
ち、ロールコーター法、スプレー法、カーテンフローコ
ーター法等を用いて、金属板表面の片面または両面に塗
布して加熱乾燥すればよい。加熱乾燥温度は、第一の架
橋システムが進行する温度、すなわち架橋剤Bの架橋反
応開始温度より高い温度で行う必要がある。ただし、こ
れまで説明したように塗装性、加工性を維持しながら耐
熱性を発現させるためには、第二の架橋システムの進行
を最終工程での高温短時間焼き付けで行うべきであるの
で、樹脂被覆層形成時の加熱乾燥工程では、架橋剤Aの
架橋反応開始温度より低い温度で乾燥して、第二の架橋
システムが進行しないようにすることが好ましい。ただ
し、化学反応の常として、架橋剤Aが一部反応してしま
う可能性があるが、未反応の架橋剤Aが残存している限
り、本発明の樹脂被覆金属板から排除されるものではな
い。
びBの架橋反応開始温度を勘案して決定すればよいが、
有機潤滑剤として、球形のポリエチレンワックスを用い
る場合は、球形を維持しておく方が後の加工工程での加
工性が良好となるので、70〜130℃の範囲で乾燥を
行うことが望ましい。従って、架橋剤Bもこの温度範囲
で架橋反応を行い得るものを選択することが好ましく、
この意味で、低温架橋型エポキシ樹脂の使用が推奨され
る。なお、樹脂被覆形成用組成物が水媒体であることを
考慮すれば、より好ましい加熱乾燥温度は80〜120
℃である。
おいて、0.2〜2.5g/m2が好ましい。薄すぎる
と、耐食性、耐疵付き性が充分発揮できず、2.5g/
m2を超えると、加工の際に樹脂被覆層が剥がれてしま
うことがある。なお、導電性、溶接性の観点から、0.
4〜1.5g/m2がより好ましい。
の樹脂被覆金属板が得られる。この樹脂被覆金属板は、
用途に応じて加工工程を経た後このまま用いたり、ある
いは従来条件による塗装・シルク印刷(130〜160
℃、20〜30分程度)を施して用いてもよい。従来条
件による塗装・シルク印刷工程においても第二の架橋シ
ステムが幾分かは進行するため、これらの工程によって
得られる塗膜の耐食性は良好である。もちろん最終の高
温短時間焼き付け(200℃前後、1〜5分程度)を用
いた塗装および/またはシルク印刷工程によって、第二
の架橋システムを進行させてから、最終製品として用い
ることが、最も好ましい使用態様である。本発明の樹脂
被覆金属板の優れた耐熱性を発揮させることができる上
に、短時間で外観の良好な最終塗膜を得ることができる
からである。最終の高温短時間焼き付け工程では200
℃前後の加熱温度が設定されるため、架橋剤Aとして
は、この加熱温度で架橋反応が速やかに進行するものを
選択する必要があるが、135℃以上の架橋反応開始温
度を有するものであれば、充分架橋反応が進行する。特
に、メラミン系樹脂や高温解離型ブロックイソシアネー
トが好ましいものとして挙げられる。
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは、全て
本発明に含まれる。
は下記の通りである。
オロエチレン板の上に塗布し常温で被膜化させて、乾燥
塗膜を得た。得られたフィルムについて、DTA装置を
用いて加熱していき、得られたチャートから、図1に示
したようにして架橋反応開始温度(℃)を求めた。
に、高温短時間焼き付け(230℃で50秒)した樹脂
被覆金属板について、JIS K5400に準拠した鉛
筆引っかき試験を行い、疵付きをルーペで確認すること
により、被覆層の硬度を評価した。
置を用いて、単発のプレス試験を施し、プレス成形後の
摺動面の被膜の表面状態を、次の基準で目視評価した。
5:ほとんど疵なし、4:若干疵あり、3:明らかに疵
あり、2:かじり大、1:割れ発生。
1に規定された塩水噴霧試験を実施し、白錆が1%発生
するまでの時間で耐食性を評価した。
法で乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布し、23
0℃で50秒焼き付けて、焼き付け塗膜を形成した。こ
の試料を沸騰水に1時間浸漬した後、取り出して、カッ
ターナイフで1mm角の碁盤目を100升目(10×1
0)刻んでからテープ剥離試験を実施して、焼き付け塗
膜と樹脂被覆層の両方が残存している升目を数えた。
0g/m2、板厚0.8mm)にクロメート処理(Cr
付着量15mg/m2)を施したものを用いた。
樹脂として、エチレン−アクリル酸コポリマー(アクリ
ル酸20質量%)エマルジョンを用いた。コポリマーの
カルボキシル基の一部を水酸化ナトリウムでアイオノマ
ー化して、イオン架橋させておいた。軟化点100℃、
平均粒径0.6μmの球形ポリエチレンワックスを組成
物中の固形分中5質量%となるように、また、粒径10
〜20nmのコロイダルシリカ(「スノーテックス4
0」;日産化学工業社製)を組成物中の固形分中で20
質量%となるように、エマルジョンに配合した。
コールEX−313」:ナガセ化成工業社製:架橋反応
開始温度50℃)およびメラミン樹脂(「スミマールM
40W」:住友化学工業社製:架橋反応開始温度140
℃)を、表1に示した量(組成物中の固形分中の質量で
ある)配合し、よく撹拌した。
塗布し、板温80℃で1分、加熱乾燥させて、厚み(付
着量)1g/m2の樹脂被覆金属板を得た。各評価結果
を表1に示した。
ス樹脂として、ポリウレタン樹脂の水分散体(「スーパ
ーフレックス」:第一工業製薬社製)を用いた以外は、
実験例1と同様にして樹脂被覆金属板を得て、特性評価
した。結果を表2に示した。
なくとも片面上に、樹脂被覆層が形成されているもので
ある。この樹脂被覆層は、マトリックス樹脂が既に一の
架橋剤と架橋しているので、この第一の架橋システムに
よって適度な硬度を有し、かつ有機潤滑剤が含まれてい
るため、耐食性や耐疵付き性にも優れており、スリット
加工や打抜き加工等の成形加工時に被膜表面に加工疵を
生じることがない。さらには、樹脂被覆層中のマトリッ
クス樹脂に適量の官能基が残されているために、従来条
件で後塗装(130〜160℃、20〜30分程度)さ
れる場合の塗装性も良好である。
温短時間の焼き付け工程において、最終塗膜を形成した
り、シルク印刷層を形成する場合においても、焼き付け
塗装を行う前には未反応で樹脂被覆層中に残存している
他の架橋剤を、焼き付けの際にマトリックス樹脂と反応
させて第二の架橋システムが進行するように構成してい
るので、樹脂被覆層の軟化を防止して耐熱性を向上さ
せ、樹脂被覆層と金属板および樹脂被覆層と焼き付け塗
膜との密着性をそれぞれ優れたものにすることができ
た。また、焼き付け塗膜の外観を良好に仕上げることも
可能になった。
ートのモデル図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 金属板表面上に有機潤滑剤が含まれた樹
脂被覆層が形成された樹脂被覆金属板であって、樹脂被
覆層の形成のために、分子内に活性水素および/または
官能基を有するマトリックス樹脂と、このマトリックス
樹脂と架橋反応し得る2種類以上の架橋剤とが用いられ
ていると共に、樹脂被覆層には、前記有機潤滑剤の他
に、少なくとも、前記マトリックス樹脂と、未反応の架
橋剤と、この未反応の架橋剤とは異なる種類の架橋剤と
前記マトリックス樹脂との反応物とが含まれていること
を特徴とする加工性および耐熱性に優れた樹脂被覆金属
板。 - 【請求項2】 樹脂被覆層の形成のために、マトリック
ス樹脂との架橋反応開始温度が異なる2種類以上の架橋
剤が用いられると共に、架橋反応開始温度が最も高い架
橋剤を架橋剤A、架橋反応開始温度が最も低い架橋剤を
架橋剤Bとするときに、樹脂被覆層中に、マトリックス
樹脂と架橋剤Bとの反応物および未反応の架橋剤Aが含
まれているが、マトリックス樹脂と架橋剤Aとの反応物
および未反応の架橋剤Bは実質的に含まれていない請求
項1に記載の加工性および耐熱性に優れた樹脂被覆金属
板。 - 【請求項3】 上記架橋剤Aは、実質的にマトリックス
樹脂と未反応の状態で樹脂被覆層中に1〜20質量%含
まれているものである請求項2に記載の加工性および耐
熱性に優れた樹脂被覆金属板。 - 【請求項4】 架橋剤Aがメラミン系樹脂であり、架橋
剤Bが低温架橋型エポキシ系樹脂である請求項2または
3に記載の加工性および耐熱性に優れた樹脂被覆金属
板。 - 【請求項5】 分子内に活性水素および/または官能基
を有するマトリックス樹脂と、このマトリックス樹脂と
架橋反応し得る2種類以上の架橋剤と有機潤滑剤とを含
有する樹脂被覆層形成用組成物を金属板上に塗布した
後、該組成物中に含まれる架橋剤のうちの最も架橋反応
開始温度が高い架橋剤の架橋反応開始温度よりも低く、
最も架橋反応開始温度が低い架橋剤の架橋反応開始温度
よりも高い温度で加熱乾燥を行い、この加熱乾燥工程に
おいては、最も架橋反応開始温度が高い架橋剤とマトリ
ックス樹脂との架橋反応を実質的に起こさないようにす
ることを特徴とする加工性および耐熱性に優れた樹脂被
覆金属板の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂被
覆金属板の使用方法であって、樹脂被覆層の表面にさら
に塗膜を形成する際に、樹脂被覆層中に残存する未反応
の架橋剤とマトリックス樹脂との反応が起こり得る温度
で加熱することを特徴とする加工性および耐熱性に優れ
た樹脂被覆金属板の使用方法。
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