JPWO2014162868A1 - 水性表面処理剤及びそれを用いた物品 - Google Patents
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Abstract
本発明は、各種物品の表面をマット調とし、より高級感のある意匠性を付与することのできるとともに、延伸等の成形加工をされてもマット感が低下しない塗膜が、1回の塗工で得られる水性表面処理剤及びそれを用いた物品を提供する。水性ポリウレタン(A)と、水性ポリエステル(B)又は水性アクリル樹脂(C)と、マット剤(D)と、架橋剤(E)とを含有することを特徴とする水性表面処理剤を用いる。特に、前記水性ポリエステル(B)がポリカーボネート系水性ポリウレタンであり、前記架橋剤(E)がカルボジイミドである水性表面処理剤を用いる。
Description
本発明は、各種物品の表面をマット(艶消し)調とし、より高級感のある意匠性を付与することのできる水性表面処理剤及びそれを用いた物品に関する。
各種物品は、意匠性の向上、高級感の付与を目的として、その表面に塗料が塗装されることが多い。例えば、家電製品の筐体、パソコン、携帯電話、スマートフォン等の電子機器の筐体、自動車内外装材などのプラスチック成形品の表面を艶消し処理して、高級感のある意匠性を付与するために、表面処理剤が用いられている。この表面処理剤として、従来は溶剤系のものが多かったが、揮発性有機化合物(以下、「VOC」と略記する。)を発生して環境負荷が大きいことから、VOCの排出量の削減が求められ、表面処理剤の水性化が進められている。
各種物品の表面をマット調とする水性表面処理剤としては、例えば、ポリオレフィンポリオールを含むポリオール成分を用いた水性ウレタン系樹脂とマット剤としてポリウレタン微粒子を含有する水性艶消表面処理剤が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。しかしながら、この水性艶消表面処理剤は、主にマット剤によってマット感を出す水性表面処理剤は、例えば、フィルム又はシート上に塗膜形成後、延伸等の成形加工を行った際にマット感が低下し、光沢が増すという問題があった。
延伸等の成形加工を行った際にマット感が低下しないものとして、マット剤を含有する2種のコーティング剤を重ね塗りする方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。しかしながら、この方法では、塗工工程と乾燥工程が複数回必要となり、生産性に問題があった。
そこで、延伸等の成形加工を行ってもマット感が低下せず、1回の塗工で十分なマット感が各種物品に付与できる水性表面処理剤が求められていた。
本発明が解決しようとする課題は、各種物品の表面をマット調とし、より高級感のある意匠性を付与することのできるとともに、延伸等の成形加工をされてもマット感が低下しない塗膜が、1回の塗工で得られる水性表面処理剤及びそれを用いた物品を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水性ポリウレタンと、他の樹脂として水性ポリエステル又は水性アクリル樹脂とを併用した水性表面処理剤は、各種物品の表面をマット調とし、より高級感のある意匠性を付与することのできるとともに、延伸等の成形加工をされてもマット感が低下しない塗膜が、1回の塗工で得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、水性ポリウレタン(A)と、水性ポリエステル(B)又は水性アクリル樹脂(C)と、マット剤(D)と、架橋剤(E)とを含有することを特徴とする水性表面処理剤及びそれを用いた物品に関する。
本発明の水性表面処理剤は、各種物品の表面をマット調とし、より高級感のある意匠性を付与することのできるとともに、延伸等の成形加工をされてもマット感が低下しない塗膜が、1回の塗工で得られることから、各種物品の表面に処理剤として用いることができる。特に、プラスチック成形品に好適に用いることができ、プラスチック成形品の中でも熱可塑性オレフィン(Thermo Plastic Olefin;以下、「TPO」と略記する。)の成形品であるTPOレザーやTPOシートにより好適に用いることができる。
本発明の水性表面処理剤は、水性ポリウレタン(A)と、水性ポリエステル(B)又は水性アクリル樹脂(C)と、マット剤(D)と、架橋剤(E)とを含有するものである。
前記水性ポリウレタン(A)は、水性媒体中に溶解又は分散するポリウレタンであればよく、中でもカルボキシル基及び/又は水酸基を有するポリウレタンが好ましい。この水性ポリウレタン(A)のうち、水酸基を有するポリウレタンの製造方法としては、例えば、過剰量のポリオール及び/又はグリコールとポリイソシアネートとを反応させて末端に水酸基を有するポリウレタンを得る方法、イソシアネート基末端のウレタンプレポリマーに2−アミノエタノール、2−アミノエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミノアルコール、アミノフェノール等を反応させて水酸基を有するポリウレタンを得る方法等が挙げられる。一方、カルボキシル基を有するポリウレタンの製造方法としては、例えば、カルボキシル基を有する化合物を原料としてウレタン化反応の際に使用する方法が挙げられる。
前記水性ポリウレタン(A)の原料として用いるポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリブタジエン系等のポリオレフィンポリオールなどが挙げられる。これらの中でも、耐久性が優れていることから、ポリカーボネートポリオールが好ましい。また、カルボキシル基を有するポリウレタンの原料として用いるカルボキシル基を有する化合物としては、例えば、2,2’−ジメチロールプロピオン酸、2,2’−ジメチロールブタン酸、2,2’−ジメチロール酪酸、2,2’−ジメチロール吉草酸等が挙げられる。これらの中でも、2,2’−ジメチロールプロピオン酸が好ましい。
上記の製造方法により得られる前記水性ポリウレタン(A)の中でも、ポリカーボネートポリオールを原料として用いたポリカーボネート系水性ポリウレタンは、塗膜強度が高いことから好ましい。また、前記水性ポリウレタン(A)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記水性ポリエステル(B)は、水性媒体中に溶解又は分散するポリエステルであればよく、水分散ポリエステル樹脂が好ましい。水分散ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂に親水性基を導入することで水分散性を付与したもので、市販品としては、例えば、東洋紡績株式会社の「バイロナール」シリーズ等が挙げられる。
前記水性ポリエステル(B)の数平均分子量(Mn)は、5,000〜500,000の範囲が好ましく、10,000〜300,000の範囲がより好ましく、150,000〜250,000の範囲がさらに好ましい。また、水性ポリエステルのガラス転移温度(以下、「Tg」と略記する。)は、−30〜130℃の範囲が好ましく、−20〜100℃の範囲がより好ましく、−10〜80℃の範囲がさらに好ましい。前記水性ポリエステル(B)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記水性アクリル樹脂(C)は、水性媒体中に溶解又は分散するアクリル樹脂であればよく、アクリル単量体を主原料として、乳化剤を用いて水性媒体中で重合を行う乳化重合で製造した水性アクリル樹脂エマルジョン、カルボキシル基を有するアクリル単量体を用いて、有機溶剤中で重合を行った後、カルボキシル基を塩基で中和し、水性媒体中に分散した自己乳化型水性アクリル樹脂などが挙げられる。
前記水性アクリル樹脂(C)として、水性ポリウレタンで変性されたウレタン変性水性アクリル樹脂、シラン化合物で変性された水性シリコンアクリル樹脂等の各種変性アクリル樹脂も用いることができる。前記水性アクリル樹脂(C)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
上記の水性ポリウレタン(A)、水性ポリエステル(B)及び水性アクリル樹脂(C)の配合量は、マット感を向上させ、塗膜強度を十分なものにできることから、水性ポリウレタン(A)100質量部に対して、水性ポリエステル(B)及び水性アクリル樹脂(C)の合計が5〜60質量部の範囲が好ましく、10〜50質量部の範囲がより好ましく、20〜45質量部の範囲がさらに好ましい。
前記マット剤(D)としては、例えば、シリカ粒子、有機ビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、タルク、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、カオリン、雲母、アスベスト、マイカ、ケイ酸カルシウム、アルミナシリケイト等が挙げられる。
前記シリカ粒子としては、乾式シリカ、湿式シリカ等が挙げられる。これらの中でも、散乱効果が高く光沢値の調整範囲が広くなることから、乾式シリカが好ましい。また、組成物中に分散しやすくなることから、有機化合物で表面修飾した乾式シリカがより好ましい。これらシリカ粒子の平均粒子径としては、2〜14μmの範囲が好ましく、3〜12μmの範囲がより好ましい。
前記シリカ粒子の使用量としては、所望のマット調の意匠が得られる光沢値が達成できることから、前記水性ポリウレタン(A)、水性ポリエステル(B)及び水性アクリル樹脂(C)の合計樹脂分100質量部に対して、0.1〜40質量部の範囲が好ましく、10〜30質量部の範囲がより好ましい。
前記有機ビーズとしては、例えば、アクリルビーズ、ウレタンビーズ、シリコンビーズ、オレフィンビーズ等が挙げられる。
上記のマット剤(D)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記架橋剤(E)としては、オキサゾリン、カルボジイミド、ポリイソシアネート、ブロックイソシアネート、エポキシ、ポリシロキサン、アジリジン、アルキル化メラミン等の尿素樹脂系架橋剤、ヒドラジド系架橋剤などが挙げられる。これらの中でも、架橋性能と安全性の面から、カルボジイミドが好ましい。また、これらの架橋剤(E)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。前記架橋剤(E)の使用量としては、塗膜強度の観点から、前記水性ポリウレタン(A)、水性ポリエステル(B)及び水性アクリル樹脂(C)の合計樹脂分100質量部に対して、0.5〜30質量部の範囲が好ましく、2〜25質量部の範囲がより好ましい。
本発明の水性表面処理剤には、上記の水性ポリウレタン(A)、水性ポリエステル(B)、水性アクリル樹脂(C)、マット剤(D)及び架橋剤(E)以外に、ポリオレフィンワックス(F)を配合することができる。
前記ポリオレフィンワックス(F)の中でも、塗膜にアルコール等の溶剤が接触してもその痕(溶剤痕)が残りにくく、耐溶剤性が向上することから、その溶融範囲が140〜180℃であるものが好ましく、145〜175℃であるものがより好ましく、150〜170℃であるものがさらに好ましい。このようなポリオレフィンワックス(F)としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。これらのポリオレフィンワックス(F)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。なお、本発明において、ポリオレフィンワックス(F)として、2種以上のものを併用した場合、その溶融範囲は、混合物での溶融範囲とする。また、溶融範囲は、JIS試験方法K0064−1992に準拠して測定したものである。
上記のポリオレフィンワックス(F)の中でも、ポリプロピレンワックスを主成分としたものが、溶剤痕を低減できることから好ましい。また、前記ポリオレフィンワックス(F)の使用量としては、溶剤痕の低減効果と塗膜強度を高めることができるから、前記水性ポリウレタン(A)、水性ポリエステル(B)及び水性アクリル樹脂(C)の合計樹脂分100質量部に対して、0.1〜20質量部の範囲が好ましく、3〜15質量部の範囲がより好ましい。
本発明の水性表面処理剤には、上記の成分(A)〜(F)以外に、各種界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、粘弾性調整剤、消泡剤、湿潤剤、分散剤、防腐剤、膜形成剤、可塑剤、浸透剤、香料、殺菌剤、殺ダニ剤、防かび剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、染料、顔料(例えば、チタン白、ベンガラ、フタロシアニン、カーボンブラック、パーマネントイエロー等)等の添加剤を配合しても構わない。
本発明の物品は、本発明の水性表面処理剤の塗膜を有するものである。また、物品としては、例えば、家電製品(冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ等)の筐体、電子機器(パソコン、携帯電話、スマートフォン等)の筐体、楽器(ピアノ、エレクトーン、電子楽器等)の材料;自動車又は鉄道車両の内装材(インスツルメントパネル、ドアトリム、ヘッドライニング、トノーカバー等)、建材又は家具材(壁紙、合板用化粧シート、鋼板用化粧シート、椅子貼り用レザー等)、包装材料(ラッピングフィルム等)などのプラスチック成形品;木質材料(合板、集成材、単層積層材等);セラミック材料(内装タイル、煉瓦等);が挙げられる。スポーツ(スキー、アーチェリー、ゴルフ、テニス等)用具材料;履物材料(靴の甲材、底、芯材、ヒール、トップリフト、中敷等);金属材料(鉄、銅、亜鉛、アルミニウム等)などが挙げられる。これらの物品の中でも、本発明の水性表面処理剤は、プラスチック成形品に好適に用いることができ、そのプラスチック成形品の中でも、TPOレザー、TPOシートに用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
水性ポリウレタン(DIC株式会社製「ハイドラン WLS−210」、ポリカーボネート系水性ポリウレタン、不揮発分:35質量%)49質量部(水性ポリウレタンとして17.15質量部)、水性ポリエステル(東洋紡績株式会社製「バイロナール MD−1100」、水分散ポリエステル樹脂、数平均分子量:2万、Tg:40℃、不揮発分:30質量%)15.3質量部(水性ポリエステルとして4.59質量部)、架橋剤(日清紡ケミカル株式会社製「カルボジライト E−04」、カルボジイミド系架橋剤)4.2質量部、マット剤(エボニックデグサ社製「ACEMATT 3300」、乾式法で製造され表面を有機処理されたシリカ粒子、平均粒子径:9.5μm)4質量部、ポリプロピレンワックス(Micro Powders社製「MICROMATTE 1213UVW」;溶融範囲150〜156℃)1.4質量部、ノニオン系界面活性剤(第一工業製薬株式会社製「ノイゲン EA−157」)0.1質量部、フッ素系界面活性剤(DIC株式会社製「メガファック F−444」)0.1質量部、粘弾性調整剤(サンノプコ株式会社製「SNシックナー 612NC」)0.9質量部及びイオン交換水25質量部を均一に混合して、水性表面処理剤(1)を得た。
水性ポリウレタン(DIC株式会社製「ハイドラン WLS−210」、ポリカーボネート系水性ポリウレタン、不揮発分:35質量%)49質量部(水性ポリウレタンとして17.15質量部)、水性ポリエステル(東洋紡績株式会社製「バイロナール MD−1100」、水分散ポリエステル樹脂、数平均分子量:2万、Tg:40℃、不揮発分:30質量%)15.3質量部(水性ポリエステルとして4.59質量部)、架橋剤(日清紡ケミカル株式会社製「カルボジライト E−04」、カルボジイミド系架橋剤)4.2質量部、マット剤(エボニックデグサ社製「ACEMATT 3300」、乾式法で製造され表面を有機処理されたシリカ粒子、平均粒子径:9.5μm)4質量部、ポリプロピレンワックス(Micro Powders社製「MICROMATTE 1213UVW」;溶融範囲150〜156℃)1.4質量部、ノニオン系界面活性剤(第一工業製薬株式会社製「ノイゲン EA−157」)0.1質量部、フッ素系界面活性剤(DIC株式会社製「メガファック F−444」)0.1質量部、粘弾性調整剤(サンノプコ株式会社製「SNシックナー 612NC」)0.9質量部及びイオン交換水25質量部を均一に混合して、水性表面処理剤(1)を得た。
[評価用サンプルの作製]
上記で得られた水性表面処理剤(1)をバーコーターNo.14を用いてTPOシート(厚さ0.4mm)上に塗工した後、120℃で1分間乾燥して評価用サンプルを得た。
上記で得られた水性表面処理剤(1)をバーコーターNo.14を用いてTPOシート(厚さ0.4mm)上に塗工した後、120℃で1分間乾燥して評価用サンプルを得た。
[真空成形品の作製]
上記で得られた評価用サンプルを真空成形機(成光産業株式会社製「真空成形機 フォーミング300X」)を用いて、面積比で350%になるように真空成形を行い、真空成形品を得た。
上記で得られた評価用サンプルを真空成形機(成光産業株式会社製「真空成形機 フォーミング300X」)を用いて、面積比で350%になるように真空成形を行い、真空成形品を得た。
[光沢値の測定]
上記で得られた評価用サンプルの水性表面処理剤の塗膜表面について、真空成形前及び真空成形後の60°光沢値を、それぞれ光沢計(コニカミノルタオプティクス株式会社製「GM−268Plus」)を用いて測定した。
上記で得られた評価用サンプルの水性表面処理剤の塗膜表面について、真空成形前及び真空成形後の60°光沢値を、それぞれ光沢計(コニカミノルタオプティクス株式会社製「GM−268Plus」)を用いて測定した。
[成形加工性の評価]
上記で測定した真空成形前後の水性表面処理剤の塗膜表面の60°光沢値の変化率を算出し、下記の基準にしたがって成形加工性を評価した。なお、60°光沢値の変化率は、下記式(1)により算出した。
A:変化率が50%未満である。
B:変化率が50%以上100%未満である。
C:変化率が100%以上である。
上記で測定した真空成形前後の水性表面処理剤の塗膜表面の60°光沢値の変化率を算出し、下記の基準にしたがって成形加工性を評価した。なお、60°光沢値の変化率は、下記式(1)により算出した。
A:変化率が50%未満である。
B:変化率が50%以上100%未満である。
C:変化率が100%以上である。
(実施例2)
実施例1で用いた水性ポリエステルを水性ポリエステル(東洋紡績株式会社製「バイロナール MD−1200」、水分散ポリエステル樹脂、数平均分子量:1.5万、Tg:67℃、不揮発分:34質量%)13.5質量部(水性ポリエステルとして4.59質量部)に、イオン交換水の配合量を26.8質量部に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性表面処理剤(2)を得た。
実施例1で用いた水性ポリエステルを水性ポリエステル(東洋紡績株式会社製「バイロナール MD−1200」、水分散ポリエステル樹脂、数平均分子量:1.5万、Tg:67℃、不揮発分:34質量%)13.5質量部(水性ポリエステルとして4.59質量部)に、イオン交換水の配合量を26.8質量部に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性表面処理剤(2)を得た。
(実施例3)
実施例1で用いた水性ポリエステルを水性ポリエステル(東洋紡績株式会社製「バイロナール MD−1480」、水分散ポリエステル樹脂、数平均分子量:1.5万、Tg:20℃、不揮発分:25質量%)18.4質量部(水性ポリエステルとして4.6質量部)に、イオン交換水の配合量を21.9質量部に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性表面処理剤(3)を得た。
実施例1で用いた水性ポリエステルを水性ポリエステル(東洋紡績株式会社製「バイロナール MD−1480」、水分散ポリエステル樹脂、数平均分子量:1.5万、Tg:20℃、不揮発分:25質量%)18.4質量部(水性ポリエステルとして4.6質量部)に、イオン交換水の配合量を21.9質量部に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性表面処理剤(3)を得た。
(実施例4)
実施例1で用いた水性ポリエステルを水性ポリエステル(東洋紡績株式会社製「バイロナール MD−1930」、水分散ポリエステル樹脂、数平均分子量:2万、Tg:−10℃、不揮発分:31質量%)14.8質量部(水性ポリエステルとして4.59質量部)に、イオン交換水の配合量を25.5質量部に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性表面処理剤(4)を得た。
実施例1で用いた水性ポリエステルを水性ポリエステル(東洋紡績株式会社製「バイロナール MD−1930」、水分散ポリエステル樹脂、数平均分子量:2万、Tg:−10℃、不揮発分:31質量%)14.8質量部(水性ポリエステルとして4.59質量部)に、イオン交換水の配合量を25.5質量部に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性表面処理剤(4)を得た。
(実施例5)
実施例1で用いた水性ポリエステルを水性アクリル樹脂(東亞合成株式会社製「シーラス PC−751」、水性シリコンアクリル樹脂、不揮発分:45質量%)15.3質量部(水性アクリル樹脂として7.02質量部)に、イオン交換水の配合量を25質量部に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性表面処理剤(5)を得た。
実施例1で用いた水性ポリエステルを水性アクリル樹脂(東亞合成株式会社製「シーラス PC−751」、水性シリコンアクリル樹脂、不揮発分:45質量%)15.3質量部(水性アクリル樹脂として7.02質量部)に、イオン交換水の配合量を25質量部に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性表面処理剤(5)を得た。
(実施例6)
実施例1で用いた水性ポリエステルを水性アクリル樹脂(DIC株式会社製「ボンコート HY−364」、ウレタン変性水性アクリル樹脂、不揮発分:45質量%)10.2質量部(水性アクリル樹脂として4.59質量部)に、イオン交換水の配合量を30.1質量部に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性表面処理剤(6)を得た。
実施例1で用いた水性ポリエステルを水性アクリル樹脂(DIC株式会社製「ボンコート HY−364」、ウレタン変性水性アクリル樹脂、不揮発分:45質量%)10.2質量部(水性アクリル樹脂として4.59質量部)に、イオン交換水の配合量を30.1質量部に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性表面処理剤(6)を得た。
(実施例7)
実施例1で用いた水性ポリエステルを水性アクリル樹脂(DIC株式会社製「ボンコート VF−1040」、水性アクリル樹脂エマルジョン、不揮発分:50質量%)9.2質量部(水性アクリル樹脂として4.6質量部)に、イオン交換水の配合量を31.1質量部に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性表面処理剤(7)を得た。
実施例1で用いた水性ポリエステルを水性アクリル樹脂(DIC株式会社製「ボンコート VF−1040」、水性アクリル樹脂エマルジョン、不揮発分:50質量%)9.2質量部(水性アクリル樹脂として4.6質量部)に、イオン交換水の配合量を31.1質量部に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性表面処理剤(7)を得た。
(比較例1)
水性ポリウレタン(DIC株式会社製「ハイドラン WLS−210」、ポリカーボネート系水性ポリウレタン、不揮発分:35質量%)60.9質量部(水性ポリウレタンとして21.3質量部)、架橋剤(日清紡ケミカル株式会社製「カルボジライト E−04」、カルボジイミド系架橋剤)4.2質量部、マット剤(エボニックデグサ社製「ACEMATT 3300」、乾式法で製造され表面を有機処理されたシリカ粒子、平均粒子径:9.5μm)4質量部、ポリプロピレンワックス(Micro Powders社製「MICROMATTE 1213UVW」;溶融範囲150〜156℃)1.4質量部、ノニオン系界面活性剤(第一工業製薬株式会社製「ノイゲン EA−157」)0.1質量部、フッ素系界面活性剤(DIC株式会社製「メガファック F−444」)0.1質量部、粘弾性調整剤(サンノプコ株式会社製「SNシックナー 612NC」)0.9質量部及びイオン交換水28.4質量部を均一に混合して、水性表面処理剤(R1)を得た。
水性ポリウレタン(DIC株式会社製「ハイドラン WLS−210」、ポリカーボネート系水性ポリウレタン、不揮発分:35質量%)60.9質量部(水性ポリウレタンとして21.3質量部)、架橋剤(日清紡ケミカル株式会社製「カルボジライト E−04」、カルボジイミド系架橋剤)4.2質量部、マット剤(エボニックデグサ社製「ACEMATT 3300」、乾式法で製造され表面を有機処理されたシリカ粒子、平均粒子径:9.5μm)4質量部、ポリプロピレンワックス(Micro Powders社製「MICROMATTE 1213UVW」;溶融範囲150〜156℃)1.4質量部、ノニオン系界面活性剤(第一工業製薬株式会社製「ノイゲン EA−157」)0.1質量部、フッ素系界面活性剤(DIC株式会社製「メガファック F−444」)0.1質量部、粘弾性調整剤(サンノプコ株式会社製「SNシックナー 612NC」)0.9質量部及びイオン交換水28.4質量部を均一に混合して、水性表面処理剤(R1)を得た。
上記の実施例2〜7及び比較例1で得られた水性表面処理剤(2)〜(7)及び(R1)について、実施例1と同様に行い、60°光沢値の測定及び成形性の評価を行った。
上記の実施例1〜7及び比較例1で得られた水性表面処理剤(1)〜(7)及び(R1)の配合組成、60°光沢値の測定及び成形性の評価結果を表1に示す。
表1に示した結果から、本発明の水性表面処理剤である実施例1〜7の水性表面処理剤(1)〜(7)は、60°光沢値の変化率が57%以下と変化が少なく、延伸を伴う成形加工を行っても、塗膜表面のマット感の変化が少なく成形加工性が良好であることが分かった。
一方、比較例1は、本発明では水性ポリウレタン(A)とともに併用する水性ポリエステル(B)又は水性アクリル樹脂(C)を配合しなかった例であるが、60°光沢値の変化率が711%と変化が非常に大きく、成形加工性が不十分であることが分かった。
すなわち、本発明は、水性ポリウレタン(A)と、水性ポリエステル(B)又は水性アクリル樹脂(C)と、マット剤(D)と、架橋剤(E)とを含有する水性表面処理剤であって、前記水性ポリウレタン(A)100質量部に対して、前記水性ポリエステル(B)及び前記水性アクリル樹脂(C)の合計で5〜60質量部含有することを特徴とする水性表面処理剤及びそれを用いた物品に関する。
上記の水性ポリウレタン(A)、水性ポリエステル(B)及び水性アクリル樹脂(C)の配合量は、マット感を向上させ、塗膜強度を十分なものにできることから、水性ポリウレタン(A)100質量部に対して、水性ポリエステル(B)及び水性アクリル樹脂(C)の合計が5〜60質量部の範囲であるが、10〜50質量部の範囲が好ましく、20〜45質量部の範囲がより好ましい。
Claims (5)
- 水性ポリウレタン(A)と、水性ポリエステル(B)又は水性アクリル樹脂(C)と、マット剤(D)と、架橋剤(E)とを含有することを特徴とする水性表面処理剤。
- 前記水性ポリウレタン(A)が、ポリカーボネート系水性ポリウレタンである請求項1記載の水性表面処理剤。
- 前記架橋剤(E)が、カルボジイミドである請求項1又は2記載の水性表面処理剤。
- さらに、ポリオレフィンワックス(F)を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の水性表面処理剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の水性表面処理剤の塗膜を有することを特徴とする物品。
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