JP2000238183A - 金属蒸着フィルム - Google Patents
金属蒸着フィルムInfo
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Abstract
程おいてフィルムがロール等へ貼り付くという長年の課
題を解決し、基材フィルムと蒸着金属との間の接着性、
帯電防止性能および光沢性がともに優れた金属薄膜蒸着
フィルムを提供する。 【解決手段】 熱可塑性プラスチックの少なくとも片面
に形成された塗布層の表面に金属を蒸着してなる金属蒸
着フィルムであって、前記塗布層が、水性ポリウレタン
(A)、水性ポリエステル(B)および水性アクリル系
樹脂(C)から選ばれる少なくとも一種を主成分とする
樹脂に平均粒径0.05〜0.3μmの無機コロイド粒
子を1〜5重量%配合した塗布液を塗布した後、少なく
とも1方向に延伸して形成された塗布層であることを特
徴とする金属蒸着フィルム。
Description
に関するものであり、詳しくは、基材フィルムと蒸着金
属との間の接着性が良く、さらに、加工時に静電気の発
生が制御された金属薄膜蒸着フィルムに関するものであ
る。
ることにより、ガスバリアー性、水分不透過性、可視・
紫外光の遮蔽性、熱線反射性、導電性、透明導電性、磁
気記録性、美麗性などの特性を有するため、各種の用
途、例えば、包装材料、装飾用材料、窓ガラスの遮蔽用
材料、金・銀糸用材料、コンデンサー材料、表示材料、
配線基板材料、磁気記録材料などに利用されている。し
かしながら、金属蒸着フィルムは、基材フィルムと蒸着
金属との接着性、特に、水中へ浸漬された場合や高湿下
での接着性(いわゆる耐水接着性)が悪いという欠点が
ある。
ラスチックフィルムと蒸着金属との間に下塗り層を設け
るのが有効である。従来、下塗り層としては、各種ポリ
ウレタンや各種ポリエステルを用いてコーティングする
ことによって設けられたものが知られている(例えば、
特開平2−50837号公報、特開平7−81179号
公報)。
接着性に優れたフィルムが得られるが、表面の密着性が
改良されたフィルムは、フィルムをロールから巻き出す
際のフィルム同士の剥離による帯電(剥離帯電)や加工
工程において他の物質との接触による帯電が生じやすく
なる問題がある。フィルムが帯電するとロール等に密着
して皺が生じたり破断する等、加工工程での問題が生じ
たり、フィルム表面にゴミやほこりを吸着し、品質上の
トラブルが生じたり、フィルムの加工工程で有機溶剤を
用いる場合は、帯電したフィルムからの放電により引火
の危険が生じる等の問題がある。
鑑みなされたものであって、その解決課題は、帯電防止
性能の付与により、蒸着等の加工工程おいてフィルムが
ロール等へ貼り付くという長年の課題を解決し、基材フ
ィルムと蒸着金属との間の接着性、帯電防止性能および
光沢性がともに優れた金属薄膜蒸着フィルムを提供する
ことにある。
鑑み鋭意検討した結果、プラスチックフィルムに特定塗
布液を塗布した後、延伸して形成することにより、金属
蒸着面の鏡面性を損なうことなく、優れた帯電防止性を
付与することができることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明の要旨は、熱可塑性プラ
スチックの少なくとも片面に形成された塗布層の表面に
金属を蒸着してなる金属蒸着フィルムであって、前記塗
布層が、水性ポリウレタン(A)、水性ポリエステル
(B)および水性アクリル系樹脂(C)から選ばれる少
なくとも一種を主成分とする樹脂に平均粒径0.05〜
0.3μmの無機コロイド粒子を1〜5重量%配合した
塗布液を塗布した後、少なくとも1方向に延伸して形成
された塗布層であることを特徴とする金属蒸着フィルム
に存する。
本発明の金属蒸着フィルムの基材であるプラスチックフ
ィルムとしては、広く各種の合成樹脂からなるものを用
いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロ
ン12などのポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール
やエチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニルアル
コール系樹脂、さらにはポリイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルブチ
ラール、ポリアリレート、環状ポリオレフィンなどの合
成樹脂からなるフィルムが用いられる。これらの中で
も、ポリエステル系樹脂が機械的特性、平面性、延伸性
の点から、本発明に最も適する。また、本発明のプラス
チックフィルムは、2種以上の合成樹脂の混合物からな
るフィルムであっても、積層フィルムの形態であっても
よい。プラスチックフィルムには、公知の添加剤、例え
ば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤
などが添加されていてもよい。
厚さは、特に制限を受けるものではないが、3〜500
μmの範囲が望ましく、機械強度と可撓性の点で5〜2
00μmの範囲であることがさらに好ましい。本発明の
フィルムの塗布層は、水性ポリウレタン(A)、水性ポ
リエステル(B)および水性アクリル系樹脂(C)から
選ばれる少なくとも一種を主成分とする樹脂に平均粒径
0.05〜0.3μmの無機コロイド粒子を1〜5重量
%配合した塗布液を塗布した後、少なくとも1方向に延
伸して形成された塗布層である。金属蒸着フィルムは高
温高湿下等の厳しい条件下で使用されることがあり、水
性ポリウレタン、水性ポリエステルおよび水性アクリル
樹脂は、カルボキシル基またはその塩(以下、単にカル
ボキシル基と省略する)を有するタイプを使用し、さら
にメラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イソシアネー
ト系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤等の架橋剤を併用す
ることが好ましい。このカルボキシル基は、水への溶解
性または分散性を高める親水性官能基であり、かつ、架
橋剤官能基と反応し得る官能基である。
シル基の含有量は、1〜8重量%であることが好まし
い。カルボキシル基の含有量が上記範囲より少ない場合
は、ポリウレタンまたはポリエステルの水親和性が不足
する傾向があり、上記範囲より多い場合は、得られる塗
膜の耐水性が悪くなることがある。本発明で用いる水性
ポリウレタンは、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシア
ネート化合物とを常法に従って反応させることにより製
造される。
えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリエチレン・プロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、テ
トラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
カプロラクトン、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリ
ヘキサメチレンセバケート、ポリテトラメチレンアジペ
ート、ポリテトラメチレンセバケート、トリメチロール
プロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトー
ル、グリセリン等を挙げることができる。
は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチ
レンジイソシアネートとトリメチロールエタンの付加物
等を挙げることができる。ポリウレタンの側鎖へのカル
ボキシル基の導入は、例えば、ポリウレタン合成時、原
料ポリヒドロキシ化合物の1つとしてカルボキシル基含
有ポリヒドロキシ化合物を用いるか、未反応イソシアネ
ート基を有するポリウレタンの当該イソシアネート基に
水酸基含有カルボン酸やアミノ基含有カルボン酸を反応
させ、次いで、反応生成物を高速攪拌下でアルカリ水溶
液中に添加して中和するなどの方法によって容易に行う
ことができる。
化合物としては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、
ジメチロール酢酸、ジメチロール吉草酸、トリメリット
酸ビス(エチレングリコール)エステルを挙げることが
できる。また、水酸基含有カルボン酸としては、例え
ば、3−ヒドロキシプロピオン酸、γ−ヒドロキシ酪
酸、P−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸、リンゴ酸
等、アミノ基含有カルボン酸としては、例えば、β−ア
ミノプロピオン酸、γ−アミノ酪酸、P−アミノ安息香
酸等を挙げることができる。
は、飽和または不飽和ポリエステルのいずれも使用可能
である。飽和ポリエステルのジカルボン酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、2,5−ナフタレン
ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、
オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸およびそれらの
エステル形成性誘導体などを用いることができ、グリコ
ール成分としては、エチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コールなどの脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールなどの脂環族グリコール、p−キシレン
ジオールなどの芳香族ジオール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコールなどのポリ(オキシアルキレン)グリコールを
用いることができる。
あるが、3価以上のエステル形成成分を用いて分枝状ポ
リエステルとすることもできる。一方、本発明で使用で
きる不飽和ポリエステルとしては、例えば、次のものを
挙げることができる。 (1)特公昭45−2201号公報、特公昭46−20
50号公報、特公昭44−7134号公報、特開昭48
−78233号公報、特開昭50−58123号公報な
どに記載されているような、共重合性不飽和基を含有す
る原料成分と他の原料成分とを反応させて得られる、樹
脂骨格中に共重合性不飽和基を有する不飽和ポリエステ
ル
公昭50−6223号公報などに記載されているよう
な、共重合性不飽和基を持たない飽和ポリエステルを得
た後、その飽和ポリエステル中に存在する水酸基または
カルボキシル基などの官能基と反応性を有する官能基と
ビニル基を有する、例えば、下記a〜dのようなビニル
系モノマーを飽和ポリエステルに付加して得られる不飽
和ポリエステル (a)グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ
基とビニル基を有する化合物 (b)ビニルメトキシシラン、(メタ)アクリロキシエ
チルトリメトキシシランなどのアルコキシシラノール基
とビニル基を有する化合物 (c)無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸など
の酸無水基とビニル基を有する化合物 (d)2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート−
ヘキサメチレンジイソシアネート等モル付加物などのイ
ソシアネート基とビニル基を有する化合物
鎖へのカルボキシル基の導入は、特開昭61−2280
30号公報に示されているように、カルボン酸を有する
ジオキサン化合物をポリエステルと反応させる方法、特
開昭62−225510号公報に示されているように、
不飽和カルボン酸をポリエステルにラジカル的にグラフ
トする方法、特開昭62−225527号公報に示され
ているように、ポリエステルとハロゲノ酢酸を反応させ
て芳香族環に置換基を導入する方法、特開昭62−24
0318号公報に示されているように、ポリエステルと
多価無水カルボン酸化合物とを反応させる方法などによ
り容易に行うことができる。
のカルボキシル基の対イオンは、一価イオンが好まし
い。特に、水素イオンまたはアンモニウムイオンを含む
アミン系オニウムイオンが好ましい。本発明で用いる水
性アクリルとは、水溶性あるいは水分散性アクリル系樹
脂のことであり、アルキルアクリレートあるいはアルキ
ルメタクリレートを主要な成分とするものが好ましく、
当該成分が30〜90モル%程度であり、共重合可能
で、かつ官能基を有するビニル単量体成分を70〜10
モル%程度含有する水溶性あるいは水分散性樹脂であ
る。
タクリレートと共重合可能でかつ官能基を有するビニル
単量体は、樹脂に親水性を付与して樹脂の水分散性を良
好にしたり、あるいは樹脂とポリエステルフィルムや、
塗布層上に設ける他の塗布層との接着性を良好にした
り、あるいは塗布剤として配合するポリエステル系樹脂
との親和性を良好にする官能基を有するものが好まし
く、かかる官能基としては、カルボキシル基またはその
塩、酸無水物基、スルホン酸基またはその塩、アミド基
またはアルキロール化されたアミド基、アミノ基(置換
アミノ基を含む)またはアルキロール化されたアミノ基
あるいはそれらの塩、水酸基、エポキシ基などが挙げら
れ、特にカルボキシル基またはその塩、酸無水物基、エ
ポキシ基などが好ましい。これらの基は、樹脂中に二種
類以上含有されていてもよい。
いてもよい。しかしながら、ポリエステル系樹脂やウレ
タン系樹脂に対してアクリル系樹脂の割合が多い場合に
は、アクリル系樹脂に含まれる低分子量体の界面活性剤
が、造膜過程で濃縮され、粒子と粒子の界面に蓄積され
たり、塗布層の界面に移行するなどして、塗布層の機械
的強度、耐水性、積層体との接着性に問題を生じる場合
がある。このような場合には、界面活性剤を含有しな
い、いわゆるソープフリー重合による重合物を利用でき
る。
製造方法は、経営開発センター出版部編集、経営開発セ
ンター出版部昭和56年1月発行、「水溶性高分子・水
分散型樹脂総合技術資料」第309頁あるいは産業技術
研究会主催「〜最新の研究成果から将来を展望する〜エ
マルジョンの新展開と今後の技術課題」講演会テキスト
(昭和56年12月)などに示された方法を用いること
ができる。例えば、低分子量体の界面活性剤の代わりに
オリゴマーあるいは高分子界面活性剤の利用、過硫酸カ
リウムや過硫酸アンモニウムなどの重合開始剤の利用に
よる親水基の重合体中への導入、親水基を有するモノマ
ーの共重合、反応性界面活性剤の利用、分散体粒子の内
部層と外部層の組織を変化させたいわゆるシェル−コア
型重合体などが、いわゆる界面活性剤を含有しない水分
散性アクリル系樹脂の製造技術として用いることができ
る。
01〜0.3μmの無機コロイド粒子であればよいが、
その中でも、塗布後のフィルムの帯電性の改善効果を発
揮する点で、コロイダルシリカが好ましい。無機コロイ
ド粒子配合量は、前記のポリウレタン、ポリエステルお
よびアクリル樹脂から選ばれる主樹脂に対し、1重量%
を超えて5重量%以下であり、1.5〜3重量%が好ま
しい。粒子配合量が少なすぎる場合は、帯電防止効果が
得られず、また、粒子の配合量が多すぎると、金属蒸着
層表面の突起が大きくなり、包装用、装飾用としての美
麗性、コンデンサーや磁気記録材料としての特性を損な
う。
ないが、粒径比(粒子の長径/短径)が1.0〜1.3
の球形状の粒子の場合、相対標準偏差が0.6以下、さ
らには0.5以下の場合に本発明の帯電防止効果が得ら
れやすく望ましい。本発明の塗布層には、蒸着金属層の
耐水性等耐久性を高めるため、メラミン系架橋剤、エポ
キシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン
系架橋剤、から選ばれた架橋剤を配合することが好まし
い。架橋剤配合比は、前記のポリウレタン、ポリエステ
ルおよびアクリル樹脂から選ばれる主樹脂に対し、1〜
30重量%、特には、2〜20重量%であることが好ま
しい。架橋剤の割合が少なすぎる場合は、耐水接着性等
の改善効果が十分に発現されないことがあり、また、架
橋剤の割合が多すぎる場合は、未反応で残存する架橋剤
によると推定される耐水接着性の低下が起こる場合があ
る。
液を塗布する方法としては、原崎勇次著、槙書店、19
79年発行、「コーティング方式」に示されるリバース
ロールコータ、グラビアコーター、ロッドコーター、エ
アドクタコーターあるいはこれら以外の塗布装置を用い
てフィルム製造工程内で塗布を行う。例えば、二軸延伸
フィルムに塗布層を設ける場合は、縦方向に一軸延伸し
たフィルムに水溶液または水分散体とされた塗布液を塗
工し、乾燥または未乾燥の状態で横方向に延伸し、引続
き熱処理を施す。この方法は、製膜、塗布および乾燥を
同時に行えることから、製造コスト面を加味したメリッ
トが大きいために、特に好ましく採用される方法であ
る。
面に設けることができ、また、両面に設ける場合、塗布
層の種類は同一でも異なっていてもよい。なお、シート
またはフィルムへの塗布性、接着性を改良するため、塗
布前にシートまたはフィルムの表面に化学処理や放電処
理を施してもよい。塗布層の厚さは、通常0.01〜5
μmの範囲であるが、好ましくは0.02〜1μm、さ
らに好ましくは0.04〜0.02μmの範囲である。
塗布層の厚さが0.01μm未満の場合、均一な樹脂層
が得難い傾向があり、そのため製品に塗布むらが生じる
場合があり、また、塗布層が5μmより厚い場合は、フ
ィルムの滑り性が低下してフィルムの取扱いが困難とな
ることがある。
は、60゜以上であることが好ましい。上記の水滴接触
角を得るためには、エポキシ化合物の分子量や配合量を
適宜選択すればよい。また、乳化剤、親水性化合物、親
水性基を多く有する水溶性樹脂塗布層は、水滴接触角を
低下させ、金属蒸着薄膜との耐水接着性を悪化させるの
で注意を要する。
アルミニウム、パラジウム、亜鉛、ニッケル、銀、銅、
金、インジウム、錫、ステンレス鋼、クロム、チタン等
が挙げられるが、最も好ましい金属は、アルミニウムで
ある。なお、上記の金属には、金属の酸化物も含まれ
る。蒸着する金属膜の厚さは、金属被覆フィルムの最終
用途によって適宜選択される。蒸着の方法は、一般には
真空蒸着によるが、エレクトロプレーティング、スパッ
タリング等の方法によってもよい。なお、金属蒸着後に
接着性、特に、耐水接着性や耐擦傷性等を付与するため
に、蒸着金属面に樹脂保護層を設けてもよい。蒸着フィ
ルムは表裏の美麗さが要求されるので、表面が平坦で透
明なものであることが好ましい。具体的には、金属蒸着
層表面の粗さRaが0.001〜0.05μm、さらに
は0.001〜0.03μmであることが好ましい。ま
た、金属蒸着フィルムの一方の面に蒸着が施されいない
場合、その表面の光沢度が400以上、さらには600
以上であることが好ましい。
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
例に限定されるものではない。本発明で用いる評価方法
は次に示すとおりである。
同種で同一厚さのフィルムを通常のドライミネート法に
より積層した後、一昼夜、室温でエージング処理を行っ
た。得られた積層体を幅15mmの短冊状にし、90〜
95℃の熱水中に30分間浸漬した(ボイル処理)。上
記ボイル処理試料の端部を一部剥離し、剥離試験機によ
り100mm/分の速度でT型剥離を行った。また、同
様のT型剥離試験を剥離界面に水を付けながら行った
(水付剥離評価)。得られた剥離力から、接着性の評価
を下記基準で行った。 A:100g以上 B:30g以上、100g未満 C:30g未満
用い、23℃、50%RHの雰囲気下で試料上2cmの
高さにある放電電極に10kVの電圧をかけてフィルム
を帯電させ、帯電量が飽和した後に放電を中止する。次
いで、試料上2cmの位置にある電位計で試料の電荷減
衰性を測定し、その半減期から下記基準で判定した。 A:2秒以下 B:2秒を超え 5秒以下 C:5秒を超える
を用いて、JIS Z−8741の方法に準じて光沢度
を測定した。入射角、反射角60度における黒色標準板
の反射率を基準として、試料のフィルム面の反射率を求
め、それを光沢度とし、下記基準で判定した。 A:600以上 B:400以上600未満 C:400未満
(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を
用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面
曲線から、その中心線の方向に基準長さL(2.5m
m)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx
軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で
表したとき、次の式で与えられた値を〔μm〕で表す。
中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面
曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分
の中心線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端
半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は
0.08mmとした。
0〜300℃の温度で押出機の口金より押出し、静電密
着法を併用しながら冷却ドラム上にキャストし、厚さ約
150μmの無定形ポリエステルシートを得た。上記の
シートを95℃で縦方向に3.5倍延伸した後、カルボ
キシル基を有する水分散型ポリウレタン(大日本インキ
化学工業社製、商品名ハイドランAP−40)70部
(固形分として、以下同様)、カルボキシル基を有する
水分散型ポリエステル(日本合成化学工業社製、商品名
ポリエスターWR−961)18部、トリエチレングリ
コールジグリシジルエーテル10部、0.12μmのコ
ロイダルシリカ粒子(粒径比(粒子の長径/短径)が
1.2)2部からなる組成で水を媒体とする塗布液をフ
ィルムの片面に塗布し、さらに、110℃で横方向に
3.5倍延伸し、230℃で熱処理して、塗布層の厚さ
0.1μm、基体のポリエステルフィルムの厚さ12μ
mの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。上記フィル
ムの塗布面に、抵抗加熱型金属蒸着装置を用い、真空室
の圧力を10-4Torr以下としてアルミニウムを450Å
の厚みに蒸着した。得られた蒸着フィルムは、接着性評
価において、下記表1に示すとおりの優れた接着性、帯
電防止性および光沢性を有していた。なお、後述の実施
例および比較例の結果についても表1に示す。
ン(大日本インキ化学工業社製、商品名ハイドランAP
−40)40部、以下に示すアクリル樹脂Aを38部、
トリエチレングリコールジグリシジルエーテル20部、
粒子2部からなる塗布液を使用する以外は実施例1と同
様にして、金属薄膜蒸着ポリエステルフィルムを得た。 アクリル樹脂A塗布液の製法 アクリル酸エチル40重量部、メタクリル酸メチル30
重量部、メタクリル酸20重量部、グリシジルメタクリ
レート重量10部の混合物をエチルアルコール中で溶液
重合し、重合後水を加えつつ加熱しエチルアルコールを
除去する。アンモニア水でpH7.5に調節し、アクリ
ル樹脂Aの水を媒体とする塗布液を得た。
実施例1と同様にして、金属薄膜蒸着ポリエステルフィ
ルムを得た。 実施例4 0.2μmのコロイダルシリカ粒子を使用するほかは実
施例1と同様にして、金属薄膜蒸着ポリエステルフィル
ムを得た。 実施例5 コロイダルシリカ粒子の配合量を4%に増量し、その分
ポリウレタンを減量した以外は実施例1と同様にして、
金属薄膜蒸着ポリエステルフィルムを得た。
と同様にして、金属薄膜蒸着ポリエステルフィルムを得
た。 比較例2 実施例1において、塗布液中のコロイダルシリカ粒子を
省きその分ウレタン樹脂を増量したほかは実施例1と同
様にして、金属薄膜蒸着ポリエステルフィルムを得た。 比較例3 0.05μmのシリカ粒子を使用するほかは実施例1と
同様にして、金属薄膜蒸着ポリエステルフィルムを得
た。
ポリウレタンを増量したほかは実施例1と同様にして、
金属薄膜蒸着ポリエステルフィルムを得た。 比較例5 コロイダルシリカ粒子の配合量を8%に増量し、その分
ポリウレタンを減量したほかは実施例1と同様にして、
金属薄膜蒸着ポリエステルフィルムを得た。
ルムと蒸着金属との間の接着性、帯電防止性能および光
沢性がともに優れた金属薄膜蒸着ポリエステルフィルム
が提供できる。特に、帯電防止性能の付与により、蒸着
等の加工工程おいてフィルムがロール等へ貼り付くとい
う長年の問題点を解決することができ、本発明の工業的
価値は大である。
Claims (4)
- 【請求項1】 熱可塑性プラスチックの少なくとも片面
に形成された塗布層の表面に金属を蒸着してなる金属蒸
着フィルムであって、前記塗布層が、水性ポリウレタン
(A)、水性ポリエステル(B)および水性アクリル系
樹脂(C)から選ばれる少なくとも一種を主成分とする
樹脂に平均粒径0.05〜0.3μmの無機コロイド粒
子を1〜5重量%配合した塗布液を塗布した後、少なく
とも1方向に延伸して形成された塗布層であることを特
徴とする金属蒸着フィルム。 - 【請求項2】 塗布液が、メラミン系架橋剤、エポキシ
系架橋剤、イソシアネート系架橋剤およびオキサゾリン
系架橋剤から選ばれる少なくとも一種の架橋剤を1〜3
0重量%含有することを特徴とする請求項1記載の金属
蒸着フィルム。 - 【請求項3】 金属蒸着層表面の粗さRaが0.01〜
0.05μmであることを特徴とする請求項1または2
記載の金属蒸着プラスチックフィルム。 - 【請求項4】 熱可塑性プラスチックフィルムがポリエ
ステルを主体とする樹脂からなるフィルムであることを
特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属蒸着フ
ィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11047794A JP2000238183A (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | 金属蒸着フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11047794A JP2000238183A (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | 金属蒸着フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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