JP3817129B2 - 帯電防止性ガスバリアフィルム - Google Patents

帯電防止性ガスバリアフィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電防止性を有する高ガスバリアフィルム、及びそれを用いた積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸着フイルムは、蒸着する金属、金属酸化物等の無機物を選択することにより、ガスバリアー性、水分不透過性、可視・紫外光の遮断性、熱線反射性、導電性、透明導電性、磁気記録性などの特性を種々に変更し得るため、各種の用途に利用されている。例えば、包装材料、装飾用材料、窓ガラスの遮断用材料、金・銀糸用材料、コンデンサー材料、表示材料、配線基板材料、磁気記録材料などに利用されている。かかる用途の一つとして、電子部品や粉体等の静電気を嫌う包装物の包装材料においては、通常、帯電防止剤が添加使用される。
【0003】
一方、従来、ガスバリア性や密着性の低下を防止するため、蒸着フイルムの基材フイルムと蒸着層との間に塗布層(アンカーコート層)を設ける方法が多数提案されている。かかるアンカーコート層として、重合性のある炭素−炭素不飽和結合を有する化合物とポリエステルとの反応生成物(特開平1−283136号公報)、特定のポリウレタン組成物(特開平2−50837号公報)、イソシアネート化合物と飽和ポリエステルの混合樹脂組成物(特開平3−86539号公報)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、帯電防止剤を含むフイルム表面に蒸着を行った場合、帯電防止剤の影響により蒸着膜としてガスバリア性、密着性等の特性が低下するという問題がある。吸湿や酸素の反応により劣化する粉体物などは、ガスバリア性と静電気により付着しない包装材料が求められる。また、電子部品では静電気により破壊される場合があるため、これらの包装行う上で信頼性の高いガスバリアー性を有する帯電防止性フイルムが求められる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、フィルム構成について鋭意検討を行った結果、帯電防止剤を含有するに基材フィルムに、異なる2つの特定アンカーコート層を設けて、その上に蒸着膜を形成させたものが良好な結果が得られることを見いだし、本発明に到達した。即ち、本発明は、帯電防止剤を含有する基材フィルムの少なくともに片面にアンカーコート層が形成され、該アンカーコート層が、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂の少なくとも一種類またはこれらの混合物からなる層(A)と、イソシアネート化合物及びポリエステル樹脂の混合物からなる層(B)の2層からなり、更に、該アンカーコート層上に無機物蒸着層を形成してなる帯電防止性ガスバリアフイルムに存する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の帯電防止性ガスバリアフイルムの基材フィルム原料としては、一般ににフィルム用として利用されるような樹脂原料であれば特に制限はないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル系樹脂、エチレン、プロピレン、ブテンなどの単重合体または共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニルアルコール系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂など、あるいはこれらの高分子共重合体や混合物が使用できる。
【0007】
また、本発明で使用される帯電防止剤としては、第一級アミン塩、第三級アミン、第四級アンモニウム化合物等のカチオン系のもの、硫化油、硫酸化アミド油、硫酸化エステル油、脂肪アルコール硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルフォン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン系のもの、多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪アミンまたは脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、アルキルジエタノールアミンの脂肪酸エステル等の非イオン系のもの、カルボン酸誘導体、イミダゾリン誘導体等の両性系のものがあげられる。基材フィルムに添加される上記帯電防止剤の配合量は、通常0.1〜5重量%である。帯電防止剤の量が少なすぎると充分な帯電防止機能が発揮されない。また、帯電防止剤が多すぎるとフィルムの光学物性が悪化する場合がある。
なお、本発明においては、その効果を損なわない限りにおいては、帯電防止剤以外の添加剤として、公知の安定剤、潤滑剤、架橋剤、着色剤、紫外線吸収剤、抗菌剤などを用いてもよい。
【0008】
本発明の基材フイルムはの製造方法は特に限定されないが、例えば、上記のような帯電防止剤を含有させた樹脂原料を押出機により溶融し、フラットダイ、または環状ダイから押出した後、急冷することによりフラット状、または環状の未延伸積層フイルムとする。次に、上記の未延伸積層フイルムは、必要に応じて、フイルムの流れ(縦軸)方向と、それに直角な(横軸)方向にテンター式逐次二軸延伸法、テンター式同時二軸延伸法、チューブラー式同時二軸延伸法等により二軸延伸する。延伸倍率は、機械的強度およびガスバリヤ性などの点から縦軸方向、および横軸方向に各々2.5〜10倍にするのがよい。本発明の基材フイルムの厚さは、強度、柔軟性、経済性等の点から基材フイルムの厚さは通常5〜500μm、好ましくは10〜100μmの範囲から選択される。なお、該基材フィルムには、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、薬品処理などの公知の方法による表面処理などを行うこともできる。以上の単層でも多層であってもよい、多層の場合は共押し出しでフィルム成形される。
【0009】
本発明の帯電防止性ガスバリアフィルムは、以上の帯電防止剤を含有する基材フィルムの少なくともに片面にアンカーコート層を形成し、更に、該アンカーコート層上に無機物蒸着層を形成してなるものであるが、該アンカーコート層が、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂の少なくとも一種類またはこれらの混合物からなる層(A)と、イソシアネート化合物及びポリエステル樹脂の混合物からなる層(B)の2層からなる。基材フィルム上にA層、B層の順、あるいは、B層、A層の順に積層する。
【0010】
アンカーコート層のA層はアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂の少なくとも一種類またはこれらの混合物よりなる。アクリル系樹脂は、アルキルアクリレート及び/又はアルキルメタクリレートを主要な成分とする樹脂であり、好ましくは水溶性または水分散性のものが好ましい。このような水溶性または水分散性のアクリル系樹脂としては、アルキルアクリレート及び/又はアルキルメタクリレート成分の含有割合が通常40〜95モル%、共重合可能で且つ官能基を有するビニル単量体成分の含有割合が通常5〜60モル%である。上記のビニル単量体における官能基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基またはその塩、アミド基またはアルキロール化されたアミド基、アミノ基(置換アミノ基を含む)、アルキロール化されたアミノ基またはそれらの塩、水酸基、エポキシ基などが挙げられ、特に、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基などが好ましい。
また、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートのアルキル基としては、例えば、メチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。カルボキシル基や酸無水物などを有する化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸など、これらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられ、さらに、無水マレイン酸が挙げられる。スルホン酸基またはその塩を有する化合物としては、例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、これらスルホン酸のナトリウム等の金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
【0011】
ポリエステル樹脂は、好ましくは水溶性または水分散性の飽和または不飽和ポリエステルである。飽和ポリエステルのジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、p−キシレンジオール等の芳香族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリ(オキシアルキレン)グリコール等が挙げられる。
また、上記の不飽和ポリエステルとしては、特公昭45−2201号公報、46−2050号公報、44−7134号公報、特開昭48−78233号公報、50−58123号公報などで知られているように、共重合性不飽和基を含有する原料成分と他の原料成分とを反応させて得られる樹脂骨格中に共重合性不飽和基を有する不飽和ポリエステル、あるいは、特公昭49−47916号公報、50−6223号公報などで知られている様に、共重合性不飽和基を持たない飽和ポリエステルを得た後、その飽和ポリエステル中に存在する水酸基またはカルボキシル基などの官能基と反応性を有する官能基とビニル基を有するビニル系モノマーを飽和ポリエステルに付加して得られる不飽和ポリエステル等が挙げられる。 水性ポリエステル系樹脂は、水媒体との親和性を高めるため、カルボキシル基を含有するものが好ましく、このカルボキシル基は対イオンを有していてもよい。
【0012】
次に、アンカーコート層のB層は、イソシアネート化合物及びポリエステル樹脂の混合物からなる層(B)の2層からなる。イソシアネート化合物とポリエステル樹脂の混合割合は、通常、イソシアネート化合物30〜80重量%、ポリエステル樹脂70〜20重量%である。かかる範囲外では密着性が不十分となる場合がある。ここでのイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシナネート、ヘキサメチレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの縮合物、トリフェニルメタントリイソシアネート、その他各種のイソシアネート化合物が使用できる。また、ポリエステル樹脂としては、前記A層で用いたものと同様なものが使用できる。
【0013】
以上のアンカーコート層の成分として、上記成分の他に、オキサゾリン基含有樹脂、ウレタン樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂及びアルキルチタネート等や他の硬化剤、カップリング剤を併用することができる。また、アンカーコート層の固着性(ブロッキング性)、耐水性、耐溶剤性、機械的強度の改良のため、架橋剤として、例えば、エポキシ系、メチロール化またはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系などの化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート化合物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコーアルミネートカップリング剤、過酸化物、光反応性のビニル化合物や感光性樹脂などを接着性を悪化させない範囲内で少量含有していてもよい。
更に、固着性や滑り性の改良のため、無機系微粒子として、例えば、シリカ、シリカゾル、アルミナ、アルミナゾル、ジルコニウムゾル、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウム塩、カーボンブラック、硫化モリブデン、酸化アンチモンゾル等を含有してもよいし、必要に応じて、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含有していてもよい。
【0014】
以上のアンカーコート層は、基材フィルムの製膜時に塗布する方法と、製膜後に塗布する方法があるが、いずれの方法も採用できる。基材フイルムにアンカーコート液(塗布液)を塗布する方法としては、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーター又はこれら以外の塗布装置を使用して塗布を行う。また、アンカーコート層を二軸延伸フイルムの製膜工程で設ける場合は、縦方向に一軸延伸したフイルムにアンカーコート液を塗布し、乾燥または未乾燥の状態で横方向に延伸し、次いで、熱処理を施すのが好ましい。かかる方法は、製膜、塗布および乾燥を同時に行えることから、製造コスト面においてメリットが大きい。塗布層は、片面または両面に設けることができ、また、両面に設ける場合、塗布層は同一でも異なっていてもよい。なお、フイルムへの塗布性、接着性を改良するため、塗布前にフイルムの表面に化学処理、放電処理などを施してもよい。
各アンカーコート層の厚さは、通常0.01〜5μm、好ましくは0.02〜1μmである。厚さが0.01μm未満の場合は、均一な樹脂層が得難い傾向にあり、また、5μmを超える場合は、滑り性が低下してフイルムの取扱いが困難となる傾向にある。
【0015】
本発明の帯電防止性ガスバリアフイルムにおいて、アンカーコート層に蒸着される無機物としては、アルミニウム、珪素、マグネシウム、パラジウム、亜鉛、錫、ニッケル、銀、銅、金、インジウム、ステンレス鋼、クロム、チタン等の金属類、及び、これら各金属の酸化物またはそれらの混合物が挙げられる。蒸着膜の厚さは、蒸着フイルムの最終用途によって適宜選択される。上記にように得られた基体フイルムの少なくとも片面に、通常50〜3000オングストロームの厚さの蒸着膜が形成されている。蒸着膜の厚さが薄すぎると防湿性が不充分であり、逆に厚すぎると蒸着膜に亀裂が起こり剥離が発生する恐れがある。
蒸着方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法またはプラズマCVD法等の従来から知られているいずれかの方法によることができる。例えば、真空蒸着法により基体フイルムに珪素酸化物薄膜層を形成させる場合には、蒸発物質として珪素、一酸化珪素、二酸化珪素、またはこれらの混合物を用い、通常10ー3〜10ー5Torrの真空下で、電子ビーム、抵抗加熱または高周波加熱方式で加熱蒸発させる。また、酸素ガスを供給しながら行う反応蒸着法も採用できる。
【0016】
以上の本発明の帯電防止性ガスバリアフィルムでは、その無機物蒸着層に、更にシーラント層を設けることで各種の包装材料としての応用範囲が拡大する。このシーラント層は、無機物蒸着層に直接積層する方法、あるいは、無機物蒸着層の上にコーテイング層を設けて間接的積層してもよい。コーテイング層を設ける場合は、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤等が挙げられる。また、シーラント層としては、ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン及びエチレン系共重合体等のオレフィン系樹脂フィルム、アイオノマー樹脂等のヒートシール性を有するフイルムなどが挙げられる。以上の積層は、ドライラミネート法、押出ラミネート法等の公知の方法により実施される。また、このシーラント層にも帯電防止剤を添加することにより帯電防止性を付与することができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。なお、以下の実施例におけるフィルムの評価方法は
次の通りである。
(1)酸素透過率(cc/m2・day・atm)
ASTM−D3985に準処して、酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN100)を使用し、温度25℃、相対湿度80%の条件下で測定した。
(2)透湿度(g/m2・day)
水蒸気透過率測定装置(モダンコントロール社製、Permatran−W1)を使用
して、温度40℃、相対湿度90%の条件下で測定した。
(3)ラミネート強度(g/15mm)
後述の実施例1にあるように、蒸着フイルムの蒸着面に接着剤を塗布し、未延伸ポリエチレンフィルムを積層して得た積層体を幅15mmの短冊状とし、その端部を一部剥離し、剥離試験機により100mm/分の速度でT型剥離を行いラミネート強度を求めた。
【0018】
実施例1
帯電防止剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量%を含有した固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレートを押出機により280〜300℃の温度でダイから押し出し、静電密着法を併用しつつ冷却ドラム上にキャストし、厚さ約150μmの無定形ポリエステルシートを得た。上記のシートを95℃で縦方向に3.5倍延伸した後、110℃で横方向に3.5倍延伸し、230℃で熱処理して、表面固有抵抗1010Ω/□(温度23℃、湿度50%の条件にて測定)、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフイルム(帯電防止−PETフィルム)を得た。
次いで、得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの片面にアクリル酸エチル40重量部、メタクリル酸メチル30重量部、メタクリル酸20重量部、グリシジルメタクリレート10重量部の混合物をエチルアルコール中で溶液重合して得た水性アクリル系樹脂60重量%と水性ポリエステル樹脂(日本合成化学工業社製ポリエスターWR−961)40重量%の混合樹脂をグラビアコートし、乾燥後の塗布厚みを0.1μmのアンカーコート層(A層)を形成した。
【0019】
この表面にイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製 コロネートL)と飽和ポリエステル(東洋紡社製 バイロン300)を1:1の割合にて混合した樹脂をグラビアコートし、乾燥後の塗布厚みを0.1μmのアンカーコート層(B層)を形成した。
更に、上記フィルムを真空蒸着装置に供給し、5×10-5Torrの真空下、10kwの電子ビーム加熱方式により、純度99.9%の一酸化珪素を加熱蒸着させて、アンカーコート層の上に厚さ200オングストロームの珪素酸化物薄膜層を形成させ、蒸着ポリエステルフィルムを得た。
次に、この蒸着ポリエステルフィルムの蒸着面にウレタン系接着剤(東洋モートン社製接着剤 AD−900とCAT−RT−85を10:1.5の割合で配合)を塗布後乾燥し、厚さ4μmの接着樹脂層を形成した。この接着樹脂層と厚さ50μmの未延伸ポリエチレンフィルム(東京セロファン製 TUX−TCS)を積層した。得られた積層フィルムを40℃、4日間のエージングを行った後、該積層フィルムのラミネート強度、酸素透過度、透湿度を測定評価した。この結果を表−1に示す。
【0020】
実施例2
実施例1に使用したA層のアンカーコート剤をアクリル樹脂のみに変えた以外は実施例1と同様の方法で得た積層フィルムの評価結果を表−1に示す。
実施例3
実施例1に使用したA層のアンカーコート剤をポリエステル樹脂のみに変えた以外は実施例1と同様の方法で得た積層フィルムの評価結果を表−1に示す。
実施例4
実施例1に使用した蒸着材料を純度99.99%のアルミニウムに変え、蒸着時に酸素ガスを導入し3×10-4Torrの真空下で酸化アルミニウムの薄膜形成を行った以外は実施例1と同様の方法で得た積層フィルムの評価結果を表−1に示す。
【0021】
実施例5
実施例1と同様の方法で得た無定形ポリエステルシートをを95℃で縦方向に3.5倍延伸した後、実施例1と同様のアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂の混合樹脂を塗布し、その後110℃で横方向に3.5倍延伸し、230℃で熱処理して、アンカーコート層(A層)の厚さ0.1μm、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフイルムを得た。次に、このフィルムのA層の上にイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製 コロネートL)と飽和ポリエステル(東洋紡社製バイロン300)を1:1の割合にて混合した樹脂をグラビアコートし、乾燥後の塗布厚みを0.1μmのアンカーコート層(B層)を形成した。かかるA,Bのアンカーコート層を形成したフィルムにつき、実施例1と同様に蒸着層とシーラント層を設けて得た積層フィルムの評価結果を表−1に示す。
【0022】
実施例6
実施例3に使用したA層のアンカーコート剤を、オキサゾリン基含有ポリマー(日本触媒社製 エポクロスWS−500)60重量%、同例の水性アクリル系樹脂20重量%、水性ポリエステル樹脂20重量%の混合樹脂に変えた以外は実施例3と同様の方法で得た積層フィルムの評価結果を表−1に示す。
実施例7
実施例3のポリエチレンテレフタレート樹脂をナイロン6樹脂に変え、280℃で押出機よりシート状に押出し、冷却ドラムで急冷、固定して無定型フィルムを得た。このフィルムを縦方向に50℃で3倍に延伸後、実施例3と同様にアンカーコートを行い、更に横方向に80℃で3倍(延伸倍率3×3倍)延伸し、130℃で2秒間熱固定をおこない厚さ15μm、表面固有抵抗が1010Ω/□(温度23℃、湿度50%)となる二軸延伸ナイロンフィルム(帯電防止−ONYフィルム)を得た。該フィルムに、実施例1と同様の方法で蒸着層、シーラント層を設けて得た積層フィルムの評価結果を表−1に示す。
実施例8
実施例3のポリエチレンテレフタレート樹脂をポリプロピレン樹脂(MFR2.3g/10分)に変え、未延伸のシートを得た。この未延伸シートを130℃の温度で5倍に延伸し、実施例3と同様にアンカーコートを行った。続いて、この縦延伸シートを165℃で横方向に10倍延伸し、160℃で熱固定し厚さ20μm、表面固有抵抗が1011Ω/□(気温23℃、湿度50%)となる二軸延伸ポリプロピレンフィルム(帯電防止−OPPフィルム)を得た。該フィルムに、実施例1と同様の方法で蒸着層、シーラント層を設けて得た積層フィルムの評価結果を表−1に示す。
【0023】
比較例1
実施例1に使用した帯電防止剤を含有するポリエチレンテレフタレートフィルムで、にアンカーコート層を設けなかった以外は、、実施例1と同様の方法で蒸着層、シーラント層を設けて得た積層フィルムの評価結果を表−1に示す。
比較例2
実施例4に使用した帯電防止剤を含有するナイロンフィルムで、にアンカーコート層を設けなかった以外は、実施例1と同様の方法で蒸着層、シーラント層を設けて得た積層フィルムの評価結果を表−1に示す。
【0024】
比較例3
実施例1においてアンカーコートA層を設けなかった以外は実施例1と同様の方法で得た積層フィルムの評価結果を表−1に示す。
比較例4
実施例3においてアンカーコートB層を設けなかった以外は実施例1と同様の方法で得た積層フィルムの評価結果を表−1に示す。
【0025】
参考例1
比較例1に使用したポリエチレンテレフタレートフィルムで帯電防止剤を添加しない原料を使用し、表面固有抵抗が1015Ω/□(気温23℃、湿度50%)の単層フィルムを形成し、それ以外は比較例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表−1に示す。帯電防止剤を含まないフィルムでは、アンカーコート層なしでも、ある程度のラミネート強度、酸素透過度及び透湿度が得られることがわかる。
参考例2
比較例4に使用したポリエチレンテレフタレートフィルムで帯電防止剤を添加しない原料を使用し、表面固有抵抗が1015Ω/□(気温23℃、湿度50%)の単層フィルムを形成し、それ以外は比較例4と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表−1に示す。帯電防止剤を含まないフィルムでは、比較例4と異なり、良好なラミネート強度、酸素透過度及び透湿度であることがわかる。
【0026】
【表1】
Figure 0003817129
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、各層間及びシーラント層との間の高い接着強度を有し、且つ、ガスバリア性に優れた帯電防止性フイルムが提供されるので、工業的価値は非常に大きい。

Claims (4)

  1. 帯電防止剤を含有する基材フィルムの少なくともに片面にアンカーコート層が形成され、該アンカーコート層が、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂の少なくとも一種類またはこれらの混合物からなる層(A)と、イソシアネート化合物及びポリエステル樹脂の混合物からなる層(B)の2層からなり、更に、該アンカーコート層上に無機物蒸着層を形成してなる帯電防止性ガスバリアフイルム。
  2. アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂の少なくとも一種類またはこれらの混合物からなるアンカーコート層が、アンカーコート液の塗布後に少なくとも1方向に延伸されたものである請求項1の帯電防止ガスバリアフイルム。
  3. 帯電防止剤を0.1〜5.0重量%含有する基材フィルムである請求項1又は2の帯電防止性ガスバリアフイルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかの帯電防止性ガスバリアフイルムの無機物蒸着層に、更にシーラント層を設けてなる帯電防止性ガスバリア積層体。
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