JP7064245B2 - ガスバリアフィルム - Google Patents

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本発明は、ガスバリアフィルムに関する。より詳細には、本発明は、種々の用途に適し、蒸着加工適性が優れ、かつ、ガスバリア層の密着性が優れたガスバリアフィルムに関する。
従来、包装用途向けの蒸着フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のプラスチックフィルムが使用されている(たとえば特許文献1)。PETフィルムは、加工適性やガスバリア性、密着強度が優れており、各用途で広く使用されている。
特開2013-249070号公報
しかしながら、近年の「海洋プラごみ問題」や「化石燃料の枯渇」等の環境問題により、プラスチックフィルムの使用を制限し、環境負荷の低減を図る取り組みが行われている。そのため、特許文献1に記載されているようなPETフィルム等を基材とするガスバリアフィルム(包装材料)に替えて、従来のPETフィルムと同様に優れた加工適性を示しつつ、ガスバリア性や密着強度が優れたガスバリアフィルムが求められている。
本発明は、このような従来の発明に鑑みてなされたものであり、優れた加工適性を示しつつ、ガスバリア性や密着強度が優れたガスバリアフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、PETフィルムの代替として、パルプ由来の生分解性を有するセロファンフィルムに着目した。しかしながら、セロファンフィルムは、湿度によって脆弱化する等、フィルムの水分率が強度に影響しやすい。そのため、蒸着加工用のセロファンフィルムは、カールやシワを生じやすい。そこで、セロファンフィルムは、加工特性を維持するために、両面に防湿コートを設けることが望ましい。
しかしながら、従来の防湿コート(たとえば塩酢ビ系防湿コート、アクリル系防湿コート、PVDC系防湿コート等)は、ガスバリア層(たとえばアルミニウムなどの金属蒸着層)との密着性が悪い。そこで、本発明者らは、さらに鋭意検討した結果、未処理のセロファンフィルムの一方の面に、直接、ガスバリア層(金属蒸着層)を形成する検討を行った。しかしながら、この場合、得られたフィルムは、真空槽内において、脱水による脆弱化が起こり、シート切れなどが生じた。また、このようなフィルムは、一般環境下では、作業中に吸水し、シワ等を発生しやすいという問題があった。そこで、本発明者は、次に、セロファンフィルムの一方の面に直接ガスバリア層を形成することに代えて、易接着性を有する高分子樹脂層を設け、その上にガスバリア層を設ける検討を行った。その結果、本発明者は、ガスバリア層とセロファンフィルムとの密着性を改善させることに成功した。しかしながら、得られたセロファンフィルムは、依然として、製造過程において、吸湿してシワを生じたり、蒸着加工中に脱水して脆くなるなどの問題が充分に改善されなかった。そこで、本発明者らは、一方の面に防湿性を有する高分子樹脂層(第1の高分子樹脂層)を残し、他方の面に易接着性を有する高分子樹脂層(第2の高分子樹脂層)を設け、さらに、第2の高分子樹脂層にガスバリア性物質を含むガスバリア層を設けることにより、PETフィルム等の同様の優れた加工適性を維持しつつ、優れたガスバリア性および密着強度を示し、各用途で幅広く使用し得るガスバリアフィルムが得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、上記課題を解決する本発明のガスバリアフィルムには、以下の構成が主に含まれる。
(1)セロファンフィルムと、前記セロファンフィルムの一方の面に形成され、防湿性を有する第1の高分子樹脂層と、前記セロファンフィルムの他方の面に形成され、易接着性を有する第2の高分子樹脂層と、前記第2の高分子樹脂層上に形成され、ガスバリア性物質を含むガスバリア層と、を有する、ガスバリアフィルム。
このような構成によれば、ガスバリアフィルムは、セロファンフィルムの一方の面に、防湿性を有する第1の高分子樹脂層が形成されている。また、ガスバリアフィルムは、セロファンフィルムの他方の面に、易接着性を有する第2の高分子樹脂層が形成され、第2の高分子樹脂層の上に、ガスバリア性物質を含むガスバリア層が形成されている。このようなガスバリアフィルムは、セロファンフィルムが用いられていることにより、生分解性を示し、環境負荷が小さい。また、ガスバリアフィルムは、一般的なPETフィルムと同様に、優れた加工適性を示す。さらに、ガスバリアフィルムは、第2の高分子樹脂層を介してガスバリア層が設けられていることにより、このようなガスバリア層の密着性が優れる。また、ガスバリアフィルムは、優れたガスバリア性を示す。
(2)前記第2の高分子樹脂層は、ポリエステル樹脂を主成分とするアンカーコート剤を含む、(1)記載のガスバリアフィルム。
このような構成によれば、アンカーコート剤を含む第2の高分子樹脂層が形成されていることにより、セロファンフィルムと第2の高分子樹脂層との密着性、および、第2の高分子樹脂層とガスバリア層との密着性の両方がより優れる。
(3)前記ガスバリア性物質は、ケイ素、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム、インジウムおよびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む、(1)または(2)記載のガスバリアフィルム。
このような構成によれば、ガスバリアフィルムは、種々の金属を含む金属蒸着層からなるガスバリア層が形成される。これにより、ガスバリアフィルムは、たとえば、菓子類などの食品包装用途や、シャンプーや洗剤等の液体詰替え包装用途や、スポーツ用品や化粧品等の紙貼合用途等の種々の用途に適用し得る。
本発明によれば、優れた加工適性を示しつつ、ガスバリア性や密着強度が優れたガスバリアフィルムを提供することができる。
<ガスバリアフィルム>
本発明の一実施形態のガスバリアフィルムは、セロファンフィルムと、セロファンフィルムの一方の面に形成され、防湿性を有する第1の高分子樹脂層と、セロファンフィルムの他方の面に形成され、易接着性を有する第2の高分子樹脂層と、第2の高分子樹脂層上に形成され、ガスバリア性物質を含むガスバリア層とを有する。本実施形態のガスバリアフィルムによれば、セロファンフィルムが用いられていることにより、生分解性を示し、環境負荷が小さい。また、ガスバリアフィルムは、一般的なPETフィルムと同様に、優れた加工適性を示す。さらに、ガスバリアフィルムは、第2の高分子樹脂層を介してガスバリア層が設けられていることにより、このようなガスバリア層の密着性が優れる。以下、それぞれの構成について説明する。
(セロファンフィルム)
セロファンフィルムは、ガスバリアフィルムの基材として用いられる。セロファンフィルムは、たとえば、綿花、パルプなどから得られる繊維質を、アルカリ存在下、二硫化炭素と反応させることによりスラリー状のビスコースを得て、そのビスコースを、硫酸などの酸で中和しながらスリットから放出して製膜することによりセルロースに転化させた後、水洗、脱硫、漂白などを行うことによって、得ることができる。
セロファンフィルムは、通常、無色透明であってもよく、有色透明に着色されていてもよい。なお、本実施形態において、透明(無色透明または有色透明)は、表面側から裏面側を透視できる程度の透明性を有することをいう。
セロファンフィルムの厚みは特に限定されない。一例を挙げると、セロファンフィルムの厚みは、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。また、セロファンフィルムの厚みは、50μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましい。セロファンフィルムの厚みが上記範囲内であることにより、得られるガスバリアフィルムは、適度な剛性や強度を示し得る。
(第1の高分子樹脂層)
第1の高分子樹脂層は、セロファンフィルムの一方の面に形成される高分子樹脂層であり、防湿性を有する。なお、本実施形態において、「防湿性」は、たとえば、真空槽内が5.0×10-2Pa以下という条件下において真空蒸着を行った場合にシワやカールを生じない程度の防湿性をいう。
第1の高分子樹脂層は、ガスバリアフィルムの製造時において、セロファンフィルムが吸湿してシワを生じたり、真空蒸着が行われる場合において脱水されて脆くなったりすることを防ぐために、セロファンフィルムの一方の面に設けられている。このような第1の高分子樹脂層が設けられていることにより、ガスバリアフィルムは、後述する第2の高分子樹脂層を介するセロファンフィルムとガスバリア層との密着性を向上させつつ、セロファンフィルムに発生するシワや脱水が防がれ、加工適性が低下しにくい。
第1の高分子樹脂層を構成する第1の高分子樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、第1の高分子樹脂は、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニルの部分あるいは完全けん化物、各種ワックス等である。第1の高分子樹脂は、併用されてもよい。これらの中でも、本実施形態のガスバリアフィルムは、ガスや水蒸気をより透過しにくい点から、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、PVDC樹脂を含むことが好ましい。
第1の高分子樹脂層の厚みは特に限定されない。一例を挙げると、第1の高分子樹脂層の厚みは、0.01μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましい。また、第1の高分子樹脂層の厚みは、5μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。第1の高分子樹脂層の厚みが上記範囲内であることにより、得られるガスバリアフィルムは、加工適性が低下しにくい。
第1の高分子樹脂層を形成する方法は特に限定されない。一例を挙げると、第1の高分子樹脂層は、グラビア法、リバース法、ダイコーター法、バーコーター法、スプレーコーター法、スピンコーター法等により形成することができる。得られた第1の高分子樹脂層は、必要に応じて、溶剤を揮発させるために一定の温度をかけた後、活性エネルギー線等を照射して硬化してもよい。なお、本実施形態のガスバリアフィルムは、上記したセロファンフィルムに第1の高分子樹脂層が形成される場合のほか、たとえば、上記したセロファンフィルムの一方の面に防湿コートが施された市販品が用いられてもよい。このような市販品であるセロファンフィルムは、本実施形態におけるセロファンフィルムおよび第1の高分子樹脂層を備えるものとして取り扱われる。
(第2の高分子樹脂層)
第2の高分子樹脂層は、セロファンフィルムの他方の面に形成される高分子樹脂層であり、易接着性を有する。なお、本実施形態において、「易接着性」は、第2の高分子樹脂層が、包装等の形態において、デラミネーション等の不具合を生じさせない程度の接着性を有する、ことを意味する。即ち、「易接着性」は、T型剥離試験等、一般的な密着強度測定で評価することが可能である。
第2の高分子樹脂層は、ガスバリア層をセロファンフィルムと高密着させるために設けられる。第2の高分子樹脂層を構成する第2の高分子樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、第2の高分子樹脂は、溶剤性または水性のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、イソシアネート基含有樹脂、アルコキシル基含有樹脂、変性スチレン樹脂および変性シリコーン樹脂等である。第2の高分子樹脂は併用されてもよい。これらの中でも、第2の高分子樹脂は、ポリエステル樹脂を含むアンカーコート剤を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂を含むアンカーコート剤を含むことにより、ガスバリアフィルムは、セロファンフィルムと第2の高分子樹脂層との密着性、および、第2の高分子樹脂層とガスバリア層との密着性の両方がより優れる。
第2の高分子樹脂層の厚みは特に限定されない。一例を挙げると、第2の高分子樹脂層の厚みは、0.01μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましい。また、第2の高分子樹脂層の厚みは、5μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。第2の高分子樹脂層の厚みが上記範囲内であることにより、得られるガスバリアフィルムは、セロファンフィルムと第2の高分子樹脂層との密着性、および、第2の高分子樹脂層とガスバリア層との密着性の両方がより優れる。
第2の高分子樹脂層を形成する方法は特に限定されない。一例を挙げると、第2の高分子樹脂層は、グラビア法、リバース法、ダイコーター法、バーコーター法、スプレーコーター法、スピンコーター法等により形成することができる。得られた第2の高分子樹脂層は、必要に応じて、溶剤を揮発させるために一定の温度をかけた後、活性エネルギー線等を照射して硬化してもよい。
(ガスバリア層)
ガスバリア層は、第2の高分子樹脂層上に形成され、ガスバリア性物質を含む。本実施形態のガスバリア層に含まれるガスバリア性物質は特に限定されない。一例を挙げると、ガスバリア性物質は、従来ガスバリアフィルムにおいて周知に用いられるガスバリア性物質であればよく、ケイ素、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム、インジウムおよびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。また、ガスバリア性物質は、これら一群の金属の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物などの化合物であってもよい。ガスバリア性物質は、併用されてもよい。より具体的には、ガスバリア性物質は、ケイ素を用いても良く、また酸化ケイ素、窒化ケイ素、ケイ素化合物でもよく、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの混合物であってもよい。また、ガスバリア性物質は、スズとインジウムとの合金の酸化物や窒化物であってもよい。すなわち、ガスバリア性物質は、これら一群の金属を原材料とした物質を含むことが好ましい。また、本実施形態のガスバリアフィルムは、ガスバリア性物質としてケイ素、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム、インジウムおよびマグネシウムおよびこれらの酸化物等の化合物が用いられることにより、種々の金属を含む金属蒸着層からなるガスバリア層が形成される。これにより、ガスバリアフィルムは、アルミ蒸着フィルムを用いたガスバリアフィルムの用途以外に、上記他の金属を用いたガスバリアフィルムの用途にも好適に適用され得る。
本実施形態のガスバリアフィルムは、ガスバリア層を構成するガスバリア性物質として、透明なもの(たとえば酸化ケイ素など)を用い、他の構成に関しても透過性を示す原材料を用いることによって、ガスバリアフィルム全体を透明にすることができる。このようなガスバリアフィルムは、包装材料として使用されることにより、内容物を容易に視認し得る。その結果、本実施形態のガスバリアフィルムは、単にガスから内容物を保護するだけでなく、内容物の状態を視認できるという利点がある。
ガスバリア層を形成する方法は特に限定されない。一例を挙げると、ガスバリア層は、ガスバリア性物質を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法や化学的蒸着法など、従来公知の技術を適宜用いることにより、形成し得る。これらの中でも、本実施形態のガスバリアフィルムは、真空蒸着法によりガスバリア層を形成することが好ましい。
ガスバリア層の厚みは特に限定されない。一例を挙げると、ガスバリア層の厚みは、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。また、ガスバリア層の厚みは、400nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。ガスバリア層の厚みが上記範囲内であることにより、得られるガスバリアフィルムは、充分なガスバリア性が得られやすく、かつ、適度な可撓性を維持することができる。
ガスバリアフィルム全体の説明に戻り、本実施形態のガスバリアフィルムは、セロファンフィルムの一方の面に、防湿性を有する第1の高分子樹脂層が形成されている。また、ガスバリアフィルムは、セロファンフィルムの他方の面に、易接着性を有する第2の高分子樹脂層が形成され、第2の高分子樹脂層の上に、ガスバリア性物質を含むガスバリア層が形成されている。このようなガスバリアフィルムは、セロファンフィルムが用いられていることにより、生分解性を示し、環境負荷が小さい。また、ガスバリアフィルムは、一般的なPETフィルムと同様に、優れた加工適性を示す。さらに、ガスバリアフィルムは、第2の高分子樹脂層を介してガスバリア層が設けられていることにより、このようなガスバリア層の密着性が優れる。また、ガスバリアフィルムは、優れたガスバリア性を示す。
たとえば、本実施形態のガスバリアフィルムは、水蒸気透過率(WVTR)が2(g/m2/日)以下であることが好ましく、1.5(g/m2/日)以下であることがより好ましい。本実施形態のガスバリアフィルムは、第2の高分子樹脂層によって、ガスバリア層がセロファンフィルムに対して高密着している。その結果、ガスバリアフィルムは、水蒸気透過率(WVTR)が低減されている。なお、本実施形態において、水蒸気透過率は、「MOCON法(JIS K 7129(B))」により測定し得る。
本実施形態のガスバリアフィルムは、酸素透過率(OTR)が2(cc/m2/日/atm)以下であることが好ましく、1.5(cc/m2/日/atm)以下であることがより好ましい。本実施形態のガスバリアフィルムは、第2の高分子樹脂層によって、ガスバリア層がセロファンフィルムに対して高密着している。その結果、ガスバリアフィルムは、酸素透過率(OTR)が低減されている。なお、本実施形態において、酸素透過率は、「MOCON法(JIS K 7126-2(A))」により測定し得る。
本実施形態のガスバリアフィルムは、優れた加工適性およびガスバリア層の密着性を示すため、たとえば、菓子類などの食品包装用途や、シャンプーや洗剤等の液体詰替え包装用途や、スポーツ用品や化粧品等の紙貼合用途等の種々の用途に適用し得る。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。なお、特に制限のない限り、「%」は「質量%」を意味する。
(実施例1)
セロファンフィルム(PL、フタムラ化学(株)製、厚み:21μm)を基材とし、基材の一方の面に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物(サランラテックスL232A、旭化成(株)製)を、バーコーター法により塗工した。得られた第1の高分子樹脂層の厚みは、0.1μmであった。次いで、基材の他方の面に、アンカーコート剤(アンカーコート剤a)としてポリエステルポリオール(アドコートAD76H5、東洋インキ(株)製)とポリイソシアネート(タケネートD110N、三井化学(株)製)をポリエステルポリオール/ポリイソシアネート=84/16の比率で混合・撹拌して得た高分子樹脂を、バーコーター法により塗工した。得られた第2の高分子樹脂層の厚みは、0.1μmであった。さらに、第2の高分子樹脂層の上に、真空槽内が5.0×10-2Pa以下という条件下において真空蒸着を行い、Al(ガスバリア性物質)を含むガスバリア層(金属蒸着層)を形成し、ガスバリアフィルムを作製した。得られたガスバリア層の厚みは、45nmであった。
(実施例2~4、参考例)
表1に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、ガスバリアフィルムを作製した。なお、表1中、「塩酢ビ系」は、一方の面に第1の高分子樹脂層が設けられた片面防湿セロファンフィルム(MOT、フタムラ化学(株)製、厚み:21μm)を示し、「アンカーコート剤b」は、バイロン20SS(ポリエステル系樹脂組成物、東洋紡(株)製)とポリイソシアネート(タケネートD165N、三井化学(株)製)をポリエステルポリオール/ポリイソシアネート=87/13の比率で混合・撹拌して得た高分子樹脂を示し、「PET」はPETフィルム(E5100、東洋紡(株)製、厚み:12μm)を示す。
Figure 0007064245000001
得られたガスバリアフィルムに関して、以下の評価方法により、水蒸気透過率(WVTR)、酸素透過率(OTR)、ラミネート強度、生分解性、蒸着加工適性、物性を測定し、総合評価を行った。結果を表1に示す。
<水蒸気透過率(WVTR)>
水蒸気透過率(%)は、「MOCON法(JIS K 7129(B))」により測定した。
<酸素透過率(OTR)>
酸素透過率(%)は、「MOCON法(JIS K 7126-2(A))」により測定した。
<ラミネート強度(T型剥離)>
ガスバリアフィルムのガスバリア層側に、LLDPE(T.U.X FC-S、直鎖状低密度ポリエチレン、厚み:50μm、三井化学東セロ(株)製)を、厚み4.0g/m2のドライラミネート用接着剤を介してドライラミネートした。オートグラフ(AGS-100A、(株)島津製作所製)を使用し、LLDPEを引張速度300mm/分で引っ張り、ガスバリアフィルムからLLDPEが剥離した際の荷重(gf/15mm)を測定した。なお、剥離に際し、基材と第1の高分子樹脂層との間や、基材と第2の高分子樹脂層との間に生じないかどうかも確認した。
<蒸着加工適性>
ガスバリア層を形成する際の蒸着加工において、作業に問題が生じないか、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
◎:ガスバリア層の蒸着加工は、問題無く作業可能であった。
〇:ガスバリア層の蒸着加工により、ややカール、シワが発生したが、問題無く作業可能であった。
△:ガスバリア層の蒸着加工は、カール、シワの発生が多かったが、作業は可能であった。
×:ガスバリア層の蒸着加工は、困難であった。また、真空引きによるフィルムの脱水の影響でシート切れが発生した。
<物性>
得られたガスバリアフィルムの物性を、参考例と比較するとともに、蒸着フィルムとしての最低限の物性(OTR:2.0cc/m2/日/atm、WVTR:2.0g/m2/日、ラミネート強度:200gf/15mm)を満たすかどうか、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
◎:ガスバリアフィルムは、PETフィルムを用いた参考例と同程度の物性を示した。
〇:ガスバリアフィルムは、いずれかの物性がPETフィルムを用いた参考例よりも劣ったが、そのほかは上記最低限の物性を満たした。
△:ガスバリアフィルムは、PETフィルムを用いた参考例よりも物性が劣ったが、上記最低限の物性を満たした。
×:ガスバリアフィルムは、いずれかの物性が、上記最低限の物性よりも劣った。
<総合評価>
上記評価結果に基づいて、ガスバリアフィルムの総合評価を行った。上記評価結果を◎:3点、○:2点、△:1点、×:0点とし、全項目を加算した総合評価点を算出し、以下の評価基準にしたがった。
◎:総合評価点が8点以上であった。
〇:総合評価点が7点であった。
△:総合評価点が6~5点であった。
×:総合評価点が4点以下であった。
表1に示されるように、本発明の実施例1~4のガスバリアフィルムは、いずれも生分解性を示し、優れた加工適性を示しつつ、ガスバリア性や密着強度(ラミネート強度)が優れた。

Claims (3)

  1. セロファンフィルムと、
    前記セロファンフィルムの一方の面に形成され、防湿性を有する第1の高分子樹脂層と、
    前記セロファンフィルムの他方の面に形成され、易接着性を有する第2の高分子樹脂層と、
    前記第2の高分子樹脂層上に形成され、ガスバリア性物質を含むガスバリア層と、
    を有する、ガスバリアフィルム。
  2. 前記第2の高分子樹脂層は、ポリエステル樹脂を主成分とするアンカーコート剤を含む、請求項1記載のガスバリアフィルム。
  3. 前記ガスバリア性物質は、ケイ素、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム、インジウムおよびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1または2記載のガスバリアフィルム。
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