JPH0825244B2 - ガスバリヤ性の優れた透明プラスチックフィルム - Google Patents

ガスバリヤ性の優れた透明プラスチックフィルム

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JPH0825244B2
JPH0825244B2 JP63113160A JP11316088A JPH0825244B2 JP H0825244 B2 JPH0825244 B2 JP H0825244B2 JP 63113160 A JP63113160 A JP 63113160A JP 11316088 A JP11316088 A JP 11316088A JP H0825244 B2 JPH0825244 B2 JP H0825244B2
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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、ガスバリヤ性の優れた透明プラスチックフ
ィルムに関するものである。更に詳しくは、包装材料等
に好適に使用されるガスバリヤ性に優れた、しかも透明
なプラスチックフィルムに関するものである。
[従来の技術] 食品、医薬品、化学薬品等の包装材料に用いられる透
明なプラスチックフィルムは、包装された内容物の変質
を防ぐために、水蒸気や酸素などのガス透過率の小さい
材質のものが用いられている。そして、さらに高度のガ
スバリヤ性が必要な包装材料の場合は、フィルムにアル
ミニウム箔を貼り合せたものや、フィルムの表面にアル
ミニウムを蒸着させたものが用いられてきた。
しかしながら、このような金属箔等を用いた包装材料
は、水蒸気や酸素などに対するガスバリヤ性には優れて
いるものの、不透明であり、内容物を外から見ることが
できないという欠点があって、包装材料としては適当で
ない面があった。
一方、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデンを主成分
とし、これと共重合可能な他の化合物、たとえば塩化ビ
ニル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ア
クリロニトリルなどとの共重合体等の塩化ビニリデン系
樹脂よりなるフィルム、およびこれらの塩化ビニリデン
系樹脂をポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等
よりなるフィルムにコーテイングした塩化ビニリデン系
樹脂コートフィルムも、ガスバリヤ性を備えた包装材料
として用いられている。これらの塩化ビニリデン系樹脂
フィルムは、フィルム自体が水蒸気や酸素に対するガス
バリヤ性を備えているが、これらのガスバリヤ性は、充
分なものではなく、高度なガスバリヤ性を必要とする包
装材料には不適当であった。
さらに、ポリビニルアルコールフィルムや、エチレン
−ビニルアルコール共重合体フィルム等のポリビニルア
ルコール系フィルムは、酸素バリヤ性に優れているので
包装材料として広く用いられている。しかしながら、ポ
リビニルアルコール系フィルムは水蒸気バリヤ性におい
て劣り、さらに高湿度の条件下では酸素バリヤ性も低下
するという欠点を有する。そのためにポリビニルアルコ
ール系フィルムを包装材料として用いる場合は、ポリプ
ロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステ
ルフィルムなどの水蒸気バリヤ性を有するフィルムを、
ポリビニルアルコール系フィルムに積層した積層フィル
ムとして通常用いられている。しかしながら、このよう
な積層フィルムも、高度なガスバリヤ性を必要とする包
装材料としては、充分にその目的を果たすものとは云え
なかった。
従って、このような積層フィルムを、高度なガスバリ
ヤ性を必要とする包装材料として使用する場合には、積
層フィルムの厚さを厚くしなければならず、フィルムの
厚さを厚くすると、積層フィルムの透明性や柔軟性が損
われてしまい、包装材料として好ましい性質が失われて
しまうという欠点があった。
また、二軸延伸ナイロンフィルムや二軸延伸ポリエス
テルフィルムなどにケイ素酸化物を蒸着したフィルム
(特公昭53−12953)、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムや、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどにマグ
ネシウム酸化物を蒸着したフィルム(特開昭60−2753
2)なども提案されているが、これらのフィルムも高度
なガスバリヤ性を必要とされる用途には、不充分であ
る。
「発明が解決しようとする問題点」 本発明は、透明で、かつ高度のガスバリヤ性を有し、
包装材料として好ましい性能を有するフィルムを提供す
ることを目的とする。
「問題を解決するための手段」 しかして本発明の要旨は、延伸されたポリエステルフ
ィルムの少なくとも片面に、厚さ0.01〜5μmの、重合
性のある炭素−炭素不飽和結合を有する化合物とポリエ
ステルとの反応生成物層を有し、この反応生成物の少な
くとも片面に、厚さ5〜500nmの、ケイ素酸化物の透明
な薄膜層が形成されてなることを特徴とする、ガスバリ
ヤ性の優れた透明プラスチックフィルムに存する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明における延伸されたポリエステルフィルムのポ
リエステルとは、その構成単位の80モル%以上がエチレ
ンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート、
またはエチレンナフタレートであるポリエチレンナフタ
レートである。延伸は一軸延伸であってもよいし、二軸
延伸であってもよい。延伸倍率は、ガスバリヤ性の点か
ら、一軸延伸の場合は3倍以上、二軸延伸の場合は面積
倍率で4倍以上であることが好ましい。
本発明の延伸されたポリエステルフィルムは、必要に
応じて無機粒子、有機粒子、有機系潤滑剤、帯電防止
剤、安定剤、染料、、顔料、有機高分子を含有していて
もよい。
ポリエステルフィルムに滑り性を付与するために、フ
ィルム組成物として微粒子を含有させるが、この際使用
される突起形成剤の種類、大きさ、配合量などはフィル
ムに付与する製品の滑り性、透明性などの要求特性に応
じて適宜選択される。
本発明における重合性のある炭素−炭素不飽和結合を
有する化合物としては、下記のものが例示される。
(1) (メタ)アクリレートアルキルエステル類、 メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ
レート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロ
ピル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、ジプロモプロピル(メタ)アクリレート、トリプ
ロモフェニル(メタ)アクリレートまたはアルコキシア
ルキル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチ
ル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリ
レート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリ
レート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート (2) 水酸基を有するもの 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレー
ト、モノ−2−ヒドロキシエチル−モノブチルフマレー
トまたはポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ートのようなα、β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒ
ドロキシアルキルエステル類 (3) カルボキシル基を有するもの (メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸もしくはシトラコン酸のような不飽和
モノ−もしくはジカルボン酸をはじめ、これらのジカル
ボン酸と1価アルコールとのモノエステル類などのα、
β−エチレン性不飽和カルボン酸類や2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−
ヒドロキシエチル−モノブチルフマレートまたはポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレートの如きα、
β−不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステル酸と
マレイン酸、コハク類、フタル酸、ヘキサヒドロフタル
類、テトラヒドロフタル酸、ベンゼントリカルボン酸、
ベンゼンテトラカルボン酸、「ハイミック酸」[日立化
成工業(株)製品]、テトラクロルフタル酸、またはド
デシルコハク酸のようなポリカルボン酸の無水物との付
可物 (4) エポキシ基を有するもの グリシジル(メタ)アクリレート、(β−メチル)グ
リシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシ
ジルエーテル、または前記α、β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸類またはモノ−2−(メタ)アクリロイルオキ
シモノエチルフタレートのような水酸基含有ビニルモノ
マーと、前記ポリカルボン酸無水物との等モル付加物の
如き各種の不飽和カルボン酸に、「エピクロン200、40
0、441、850または1050」、[大日本インキ化学工業
(株)製エポキシ樹脂]、「エピコート828、1001また
は1004」(シェル社製エポキシ樹脂)、「アラルダイト
6071または6084」(スイス国チバ・ガイギー社製エポキ
シ樹脂)、「チッソノックス221」[チッソ(株)製エ
ポキシ化合物]または「デナコール−EX−611」(長瀬
産業(株)製エポキシ化合物)のような、1分子中に少
なくとも2ヶのエポキシ基を有する各種のポリエポキシ
化合物を、等モル比で付加反応させて得られるもの (5) アミド基を含有するもの (メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリル
アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジア
セトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリ
ルアミド、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリルアミドとグリオキザールとの反応
物、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、N,N−ビス(カルボキシメチル)アクリルアミド、
(アクリロイルアミノメチル)イミノジ酢酸、ジメチル
アミノプロピルメタクリルアミドおよびそのカチオン化
物、アクリルアミド−3−メチルブチルジメチルアミン
およびそのカチオン化物 (6) ハロゲン系ビニル化合物類 塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルまたはフ
ッ化ビニリデン (7) 不飽和ジカルボンのエステル類 ジブチルマレート、ジ−2−エチルヘキシルマレー
ト、ジブチルフマレート、ジ−2−エチルフマレート、
ジブチルイタコネート、ジ−2−エチルヘキシルイタコ
ネート 上記の(1)〜(7)に例示した化合物以外に、スチ
レン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、ビニルトルエンなどの芳香族系化合物、(メタ)ア
クリロニトリル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル
アセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルスク
シンイミド、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピ
リジン、または酢酸ビニル、安息香酸ビニル、「ベオ
バ」(シェル社製のビニルエステル)のようなビニルエ
ステル類、「ビスコート8F、8FM、3Fまたは3FM」[大阪
有機化学(株)製の含フッ素系アクリルモノマー]、パ
ーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジー
パーフルオロシクロヘキシルフマレートまたはN−1−
プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドエチル
(メタ)アクリレートのような(パー)フルオロアルキ
ル基を有する化合物、ビニルエトキシシラン、α−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシランなどのシリコン
系モノマー類、2−(メタ)アクリロイロキシエチルア
シッドホスフェート、ジブチル(2−(メタ)アクリロ
イロキシエチル)ホスフェートなど一般式 で示されるリン原子含有ビニル系モノマー類、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアル
キル(メタ)アクリレート類、エチレンスルホン酸およ
びそのナトリウム、カリウム等、アルカリ金属塩または
ビニルメチルスルホン、ビニルエチルスルホン、ビニル
ブチルスルホン等のビニルアルキルスルホン類、ビニル
スルホンアミド、ビニルスルホンアニリド、ビニルスル
ホンメチルアミリド等のビニルスルホンアミド類、スチ
レンスルホン酸およびそのナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属塩類、2−アクリロイルオキシエチルトリメ
チルアンモニウムクロリド、3−(2−アクリロイルオ
キシエチルジメチルジメチルアンモニオ)プロピオネー
トなどのカチオン性化合物、ダイセル化学工業社製のε
−カプロラクタム付加モノマーであるプラクセルFA、FM
(商品名)や、高分子でありながら重合性のモノマーと
しての機能を有するいわゆるマクロモノマーとしてスチ
レン系、スチレン−アクリロニトリル、メチルメタブチ
ルアクリレート、シリコーン、フッ素系重合物などの末
端基に反応性基を有するものや、ブタジエンなどの共役
ジエン系化合物などが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
本発明における重合性のある炭素−炭素不飽和結合を
有する化合物と反応するポリエステルとは、溶剤または
水に対して溶解性または分散性のあるものが好ましく、
要すれば炭素−炭素不飽和結合を有する化合物との反応
が均一系であってもよく、不均一系で行なわれてもよ
い。例えば、このポリエステルが分散体として媒体中に
存在している場合は、反応においてポリエステルが核と
なり、炭素−炭素不飽和結合を有する化合物が、外核を
形成するいわゆるシェル−コア構造となる。このポリエ
ステルは、飽和ポリエステルであってもよく、不飽和ポ
リエステルでもよく、イオン性であってもよく、非イオ
ン性であってもよい。
飽和かつ非イオン性のポリエステルは、ジカルボン酸
成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、2,5−ナフ
タレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボ
ン酸、オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸およびそ
れらのエステル形成性誘導体などを用いることができ、
グリコール成分としては、エチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコールなどの脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノールなどの脂環族グリコール、p−キシレ
ンジオールなどの芳香族ジオール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールなどのポリ(オキシアルキレン)グリコール
を用いることができる。これらのポリエステルは線状で
あるが、3価以上のエステル形成成分を用いて分岐状ポ
リエステルとすることもできる。
これらのポリエステルにイオン性基を導入することに
より、更に水分散性あるいは水溶性を高めることが好ま
しい。ここでイオン性基としては、アニオン性基が好ま
しく、このアニオン性基とは、スルホン酸基あるいはカ
ルボン酸基あるいはその塩類である。
このスルホン酸塩基、カルボン酸塩基の塩とは、アン
モニウム塩、メチルアミンやエタノールアミンなどのア
ミン塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウ
ムなどの金属塩である。スルホン酸塩基を有するポリエ
ステルとしては、特公昭47−40873号、特開昭50−83497
号、特開昭50−121336号、特開昭52−155640号各公報な
どに記載されている。
ポリエステル、またはそれらに準じたポリエステルを
用いることができる。スルホン酸塩基のポリエステルへ
の導入方法としては、スルホイソフタル酸、スルホテレ
フタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸
およびそのエステル形成性誘導体などの金属塩を、ポリ
エステルのエステル交換あるいは重合工程中に添加し、
共重合する方法、エステル形成性脂肪族不飽和化合物を
共重合したポリエステルの不飽和基を亜硫酸水素ナトリ
ウムあるいはメタ亜硫酸ナトリウムなどのスルホン化剤
でスルホン化する方法、スチレンスルホン酸塩、メタク
リルスルホン酸塩などをラジカル開始剤などを用いてポ
リエステルにグラフトする方法などがある。カルボン酸
塩基をポリエステルに導入する方法としては、特開昭61
−228030号公報に記載されているようなカルボン酸塩基
を有するジオキシ化合物をポリエステルと反応させる方
法、アクリル酸塩、メタクリル酸塩などをラジカル開始
剤を用いてポリエステルに導入する方法などがある。
不飽和ポリエステルとしては、特公昭45−2201号、46
−20502号、44−7134号、特開昭48−78233号、50−5812
3号公報などに記載されている様に、共重合性不飽和基
を有する原料成分を必須として、他の原料成分と反応さ
せて得られる樹脂骨格中に共重合性不飽和基を保有せし
めたもの、または、特公昭49−47916号、50−6223号公
報などに記載されている様に、まず共重合性不飽和基を
もたない飽和ポリエステルを得たのち、その飽和ポリエ
ステル中に存在する水酸基またはカルボキシル基などの
官能基と反応性を有する官能基とビニル基をもった、例
えば、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ
基とビニル基を有するもの、ビニルメトキシシラン、
(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシランなどの
アルコキシシラノール基とビニル基を有するもの、無水
マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの酸無水基
とビニル基を有するもの、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート−ヘキサメチレンジイソシアネート等
モル付加物などのイソシアネート基と、ビニル基を有す
るものなどのビニル系モノマーとを飽和ポリエステルに
付加させて得られるものなどがあるが、これらに限定さ
れるものではない。
本発明における炭素−炭素不飽和結合を有する化合物
とポリエステルとの反応は、ポリエステルを水または溶
媒に分散または溶解した状態で、炭素−炭素不飽和結合
を有する化合物と混合し、反応触媒として、過酸化水
素、ベンゾイルパーオキサイド、第3級ブチルパーオキ
サイド、ジ−第3級ブチルバーオキサイド、アセチルバ
ーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、クメンハ
イドロパーオキサイド、過硫酸アンモニウム、過硫酸カ
リウム、2,2−アゾビスアミジノメタン、2,2−アゾビス
アミノエタンまたはこれらの塩酸塩、硫酸塩、硝酸第2
セリウムアンモニウムなどの重合開始剤、または2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロパン−1−オンなどの光重合開始剤
を用いて、公知の方法で実施できるが、これらに限定さ
れるものではない。
本発明における重合性のある炭素−炭素不飽和結合を
有する化合物とポリエステルとの反応生成物中のポリエ
ステルの割合は、要求される特性に応じて異なるが、好
ましくは5重量%〜95重量%、更に好ましくは10重量%
〜80重量%である。ここでポリエステルが5重量%より
も少ない場合は、ポリエステルフィルムへの接着性や塗
膜強度が低下する場合があり、95重量%よりも多い場合
は、炭素−炭素不飽和結合を有する化合物の有用な特性
が、反応生成物に有効に導入されない場合があるからで
ある。
本発明に係る透明プラスチックフィルムは、前記の延
伸されたポリエステルフィルムの少なくとも片面に、上
記重合性のある炭素−炭素不飽和結合を有する化合物
と、ポリエステルとの反応生成物の層が形成されてい
る。
延伸されポリエステルフィルムに、重合性のある炭素
−炭素不飽和結合を有する化合物とポリエステルとの反
応生成物の層を形成させる方法としては、上記反応生成
物を含有する塗布液を、リバースロール、グラビアロー
ルなど公知の塗布装置を用いて、延伸されたポリエステ
ルフィルムに塗布して乾燥させる方法がある。この方法
のほか、ポリエステルフィルムに上記反応生成物を含有
する塗布液を公知の塗布装置を用いて塗布後延伸、熱処
理を行なう塗布延伸法もある。
後者の方法による場合は、延伸と同時に塗布層の乾燥
が可能になると共に、塗布層厚さを延伸倍率に応じて薄
くすることができ、本発明に係る透明プラスチックフィ
ルムの基材として好適なポリエステルフィルムを、比較
的に安価に製造できるので好ましい。
炭素−炭素不飽和結合を有する化合物とポリエステル
との反応生成物を含有する塗布液は、反応生成物を有機
溶剤に溶解したもの、反応生成物を水に溶解または分散
させたものであってもよい。この反応生成物を水溶性ま
たは水分散体とするには、公知の方法で、ポリエステル
にアニオン性基などの親水性基を結合したものを用いる
方法、または炭素−炭素不飽和結合化合物として親水性
化合物を併用する方法などにより、反応生成物を親水化
しておくことにより、可能となる。
塗布液の媒体は、好ましくは水であるが、塗布液の凝
集安定性、基体のポリエステルフィルムへの塗布性、塗
布液の造膜性などの改良のため、アルコール類、セルソ
ルブ類、N−メチルピロリドンなどの有機溶剤を塗布液
に配合してもよい。
塗布液には、塗布層の固着性(ブロッキング性)、耐
水性、耐溶剤性、機械的強度の改良のため架橋剤として
メチロール化またはアルキロール化した尿素系、メラミ
ン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリマミド系
などの化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ブ
ロックポリイソシアネート、シランカップリング剤、チ
タンカップリング剤、ジルコーアルミネートカップリン
グ剤、熱、過酸化物、光反応性のビニル化合物や感光性
樹脂などを含有していてもよい。また、固着性や滑り性
の改良のため無機系微粒子としてシリカ、シリカゾル、
アルミナ、アルミナゾル、ジルコニウムゾル、カオリ
ン、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウム
塩、カーボンブラック、硫化モリブデン、酸化アンチモ
ンゾルなどを含有していてもよい。更に必要に応じて、
消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤
滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
発泡剤、染料、顔料などを含有していてもよい。また、
本発明の塗布液には、塗布液または塗布層の特性改良の
ため、前記反応生成物以外のポリマーを含有していても
よい。
塗布延伸法でポリエステルフィルムに上記塗布液を、
塗布後延伸する方法としては、ポリエステル未延伸フィ
ルムに塗布液を塗布し、一軸延伸または、逐次あるいは
同時に二軸延伸する方法、一軸延伸されたポリエステル
フィルムに塗布し、さらに先の一軸延伸方向と同じ方
向、または直角の方向に延伸する方法、二軸延伸ポリエ
ステルフィルムに塗布し、さらに横および/または縦方
向に延伸する方法、などがある。
上述の延伸工程は、好ましくは60〜130℃でおこなわ
れ、延伸されたフィルムは150〜250℃で熱処理される。
塗布液は、基体のポリエステルフィルムの片面だけに
塗布してもよいし、画面に塗布してもよい。
なお、塗布液のポリエステルフィルムへの塗布性、接
着性を改良するため、塗布液塗布前にポリエステルフィ
ルム表面に化学処理や放電処理を施し、表面を改質して
おいてもよい。また、ポリエステルフィルム表面に形成
した塗布層に他の被膜を接着したり、塗布する場合の接
着性、塗布性などを改良するため、塗布層形成後に塗布
層に放電処理を施してもよい。
前記塗布液によって形成する塗布層の厚さは、0.01μ
mから5μmの範囲であり、好ましくは0.02μmから1
μmの範囲である。塗布層の厚さが0.01μm未満では、
塗布むらなどのためガスバリヤ性があまり向上しないの
で好ましくなく、5μmより厚い場合は、滑り性が低下
してフィルムの取り扱いが困難となるので好ましくな
い。
前記塗布液によって形成された塗布層を有する延伸さ
れたポリエステルフィルムの厚さは、5〜400μmの範
囲で選ぶことができる。
本発明における透明プラスチックフィルムは、上記塗
布層を有する延伸されたポリエステルフィルムの塗布層
上の少なくとも片面に、ケイ素酸化物の透明な薄膜層が
形成されている。
ケイ素酸化物の透明な薄膜層を形成させるには、一酸
化ケイ素または二酸化ケイ素等を蒸着原料とし、真空蒸
着法、スパッタリング法またはイオンプレーティング法
のいずれかの方法によればよい。
例えば、真空蒸着法の場合、基体のポリエステルフィ
ルムロールをフィルム用真空蒸着機に設置し、蒸着原料
として一酸化ケイ素または二酸化ケイ素を用い、10-3
10-5Torrの真空下で、電子ビーム、高周波誘導加熱抵抗
加熱方式で加熱蒸発させ、フィルムを一定の張力下、一
定の速度で捲きとりながら連続蒸着する。また蒸着原料
としてケイ素または一酸化ケイ素を用い、酸素ガスを供
給しながら行なう反応蒸着法も採用できる。
なお、ケイ素酸化物には、10重量%以下であればその
中に不純物としてカルシウム、マグネシウムまたはそれ
らの酸化物等が混入していても、透明プラスチックフィ
ルムのガスバリヤ性の極端な低下は認められない。
ケイ素酸化物の透明な薄膜層の厚さは、5〜500nmの
範囲で選ぶのがよい。透明な薄膜層の厚さが5nm未満で
あると、ガスバリヤ性が不充分であり、また500nmを越
えると、フィルムにカールが発生し問題となったり、透
明な薄膜層自体に亀裂や剥離が生じ易いので好ましくな
い。
本発明における透明プラスチックフィルムを包装材料
として使用する場合は、ケイ素酸化物の薄膜層を保護す
る目的で、ケイ素酸化物の薄膜層の上に、別の透明なプ
ラスチック薄膜を設ける。
別の透明なプラスチック薄膜として好適に用いること
ができる樹脂としては、ポリプロピレンおよびプロピレ
ン系共重合体、ポリ塩化ビニルおよびその共重合体等の
塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合
体などの塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレンテレフタ
レートなどのポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエ
チレンなどのふっ素樹脂などがあげられる。
ケイ素酸化物の薄膜層の上に別の透明なプラスチック
薄膜を設けるには、透明なプラスチックフィルムを積層
するか、または透明なプラスチックの塗布膜を形成させ
る方法によることができる。本発明における透明プラス
チックフィルムに別の透明なプラスチック薄膜を設けた
全体の厚さは、強度、柔軟性、経済性などの点から10〜
500μmの範囲とするのが好ましい。
「発明の効果」 本発明に係る透明プラスチックフィルムは、透明性に
優れ、かつ、極めて優れたガスバリヤ性を発揮するもの
であり、柔軟性があって、強度および経済性の面でもす
ぐれたものである。したがって食品、医薬品、化学薬品
等の包装材料をはじめとして、高度のガスバリヤ性が要
求される、包装材料として広範囲な用途で使用すること
ができ、その工業的利用価値は極めて大である。
「実施例」 以下、本発明を実施例にもとづいて、また比較例と対
照させながら詳細に説明するが、本発明はその要旨を超
えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の例において、得られた透明プラスチック
フィルムの透湿度、酸素透過度および透明性は、次の方
法によって測定または判定した。また、ケイ素酸化物の
透明な薄膜層の厚さは、水晶式膜厚計によって測定し
た。
透湿度: ASTM F−372に準拠し、温度40℃相対湿度90%の条件
において測定した。
酸素透過度: モダンコントロール社製のOX−TRAN100型酸素透過度
測定装置を使用し、温度25℃、相対湿度90%の条件にお
いて測定した。
透明性: 肉眼により評価し、良好の透明性を示したものを◎で
表示した。
実施例1 (反応生成物の調製) ジカルボン酸成分としてテレフタル酸53モル%、イソ
フタル酸35モル%、ソジウムスルホイルフタル酸12モル
%、グリコール成分としてエチレングリコール67モル
%、ジエチレングリコール33モル%のポリエステルの水
分散液と界面活性剤で乳化した過酸化ベンゾイルからな
る系を窒素で充分置換し、これにメタクリル酸メチルと
グリシジルメタクリレートを75〜85℃の温度下で滴下反
応させ、アクリル化合物とポリエステルの反応生成物の
水分散体を得た。
本生成物の構成成分の割合は、ポリエステル62部(重
量部)、メタクリル酸メチル33部、グリシジルメタクリ
レート5部であった。
(反応生成物の層を有する延伸されたポリエステルフィ
ルムの製造) 固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを280〜3
00℃の温度で溶融押出しし、静電密着法を併用しながら
冷却ドラム上にキャストし、厚さ130μmの無定形フィ
ルムを得た。このフィルムを95℃の温度で縦方向に3.3
倍延伸し、これに上記の方法で調製した反応生成物の水
分散液をフィルムの片面に塗布し、さらに110℃の温度
で横方向に3.3倍延伸し、210℃で熱処理して、塗布層の
厚さ0.04μm、基体のポリエステルフィルムの厚さ12μ
mの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
上記フィルムの塗布層を有する面に、5×10-5Torrの
真空下、電子ビーム加熱方式で、純度99.9%の一酸化ケ
イ素(SiO)を加熱蒸発させ、厚さ100nmのケイ素酸化物
の透明な薄膜層を形成させて、透明プラスチックフィル
ムを得た。
この透明プラスチックフィルムについて、前記方法で
透湿度および酸素透過度を測定し、透明性を肉眼で評価
した。
測定結果を、第1表に示す。
実施例2 固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを280〜3
00℃の温度で溶融押出しし、静電密着法を併用しなが
ら、冷却ドラム上にキャストし、厚さ270μmの無定形
フィルムを得た。このフィルムを95℃の温度で縦方向に
3.3倍延伸し、このフィルムの片面に、アルリル化合物
とポリエステルとの反応生成物でエポキシ基を有するポ
リマーである高松油脂社製ペスレジンA−517G(商品
名)90部(固形分重量部)と、アルキロールメラミン10
部とを配合した塗布剤を水に分散させた塗布液を塗布
し、さらに110℃の温度で横方向に3.3倍延伸し、210℃
の温度で熱処理して、塗布層の厚さ0.10μm、基体のポ
リエステルフィルムの厚さ25μmの二軸延伸ポリエステ
ルフィルムを得た。
上記フィルムの塗布液に由来する層を有する面に、1
×10-5Torrの高真空にした後酸素を導入して5×10-5To
rrの真空下、電子ビーム加熱方式で純度99.9%の一酸化
ケイ素(SiO)を加熱蒸発させ、厚さ100nmのケイ素酸化
物の透明な薄膜層を形成させて、透明プラスチックフィ
ルムを得た。
この透明プラスチックフィルムについて、前記方法で
透湿度および酸素透過度を測定し、透明性を肉眼で評価
した。測定結果を第1表に示す。
実施例3 固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを280〜3
00℃の温度で溶融押出しし、静電密着法を併用しなが
ら、冷却ドラム上にキャストし、厚さ545μmの無定形
フィルムを得た。このフィルムを95℃の温度で縦方向に
3.3倍延伸し、このフィルムの片面に、アルリル酸エス
テルとポリエステルとの反応生成物である高松油脂社製
ペスレジンA−517(商品名)90部と水性エポキシ化合
物であるナガセ化成社製デナコールEX−521(商品名)1
0部とを配合した塗布剤を水に分散させた塗布液を塗布
し、さらに110℃の温度で横方向に3.3倍延伸し、210℃
の温度で熱処理して、塗布層の厚さ0.07μm、基体のポ
リエステルフィルムの厚さ50μmの二軸延伸ポリエステ
ルフィルムを得た。上記フィルムの塗布層を有する面
に、5×10-5Torrの真空下、電子ビーム加熱方式で純度
99.9%の一酸化ケイ素(SiO)を加熱蒸発させ、厚さ100
nmのケイ素酸化物の透明な薄膜層を形成させて透明プラ
スチックフィルムを得た。
この透明プラスチックフィルムについて、前記方法で
透湿度および酸素透過度を測定し、透明性を肉眼で評価
した。
測定結果を第1表に示す。
実施例4 固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートを280〜3
00℃の温度で溶融押出しし、静電密着法を併用しなが
ら、冷却ドラム上にキャストし、厚さ185μmの無定形
フィルムを得た。このフィルムを95℃の温度で縦方向に
3.5倍延伸し、このフィルムの片面に、アクリル化合物
とポリエステルとの反応生成物でマミド基を有するポリ
マーである高松油脂社製ペスレジンNT−2(商品名)を
90部とアルキロールメラミン10部を配合した塗布剤を水
に分散させた塗布液を塗布し、さらに110℃で横方向に
3.5倍延伸し、225℃で熱処理して塗布層の厚さ0.18μ
m、基体のポリエステルフィルムの厚さ15μmの二軸延
伸ポリエステルフィルムを得た。
上記フィルムの塗布層を有する面に実施例1における
と同様にして厚さ100nmのケイ素酸化物の透明な薄膜層
を形成させて透明プラスチックフィルムを得た。
この透明プラスチックフィルムについて、前記方法で
透湿度および酸素透過度を測定し、透明性を肉眼で評価
した。測定結果を第1表に示す。
実施例5 実施例1に記載の例において、反応生成物の層の上に
形成するケイ素酸化物の透明な薄膜層を厚さ50nmとした
他は、同例におけると同様の手順で透明プラスチックフ
ィルムを得た。
この透明プラスチックフィルムについて、前記方法で
透湿度および酸素透過度を測定し、透明性を肉眼で評価
した。測定結果を第1表に示す。
実施例6 実施例1に記載の例において、反応生成物の層の上に
形成したケイ素酸化物の透明な薄膜層を厚さ200nmとし
た他は、同例におけると同様の手順で透明プラスチック
フィルムを得た。
この透明プラスチックフィルムについて前記方法で透
湿度および酸素透過度を測定し、透明性を肉眼で評価し
た。測定結果を第1表に示す。
比較例1 固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを280〜3
00℃の温度で溶融押出しし、静電密着法を併用しなが
ら、冷却ドラム上にキャストし、厚さ130μmの無定形
フィルムを得た。このフィルムを95℃の温度で縦方向に
3.3倍延伸し、さらに横方向に3.3倍延伸し、210℃の温
度で熱処理して厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを得た。上記フィルムの片面に5×10-5Torrの真空
下、電子ビーム加熱方式で、純度99.9%の一酸化ケイ素
(SiO)を加熱蒸発させ、厚さ100nmのケイ素酸化物の透
明な薄膜層を形成させて透明プラスチックフィルムを得
た。
この透明プラスチックフィルムについて、実施例1に
おけると同様にして透湿度および酸素透過度を測定し、
透明性を肉眼で評価した。
測定結果を第1表に示す。
比較例2 実施例1に記載の例において、反応生成物の層の上に
形成したケイ素酸化物の透明な薄膜層を厚さ3nmとした
他は、同例におけると同様の手順で透明プラスチックフ
ィルムを得た。
この透明プラスチックフィルムについて、実施例1に
おけると同様にして透湿度および酸素透過度を測定し、
透明性を肉眼で評価した。
測定結果を第1表に示す。
比較例3 実施例1に記載の例において、反応生成物の層の厚さ
を0.005μmとした他は、実施例1におけると同様の手
順で透明プラスチックフィルムを得た。この透明プラス
チックフィルムについて、実施例1におけると同様にし
て透湿度および酸素透過度を測定し、透明性を肉眼で評
価した。
測定結果を第1表に示す。
第1表より、次のことが明らかである。
(1) 基体の延伸されたポリエステルフィルムの少な
くとも片面に、0.01〜5μmの、重合性のある炭素−炭
素不飽和結合を有する化合物とポリエステルとの反応生
成物層(A)を有し、かつ、この反応生成物の上に、厚
さ5〜500nmのケイ素酸化物の薄膜層(B)が形成され
てなる本発明に係るプラスチックフィルムは、透湿度お
よび酸素透過率が低く、ガスバリヤ性に優れており、透
明性にも優れている(実施例1〜実施例6参照)。
(2) これに対して、反応生成物層(A)がないか
(比較例1)、あっても余りにも薄すぎる場合(比較例
3参照)、および反応生成物層(A)は適宜の厚さであ
ってもケイ素酸化物の薄膜層(B)が余りにも薄すぎる
場合(比較例2参照)は、透湿度および酸素透過率が高
く、ガスバリヤ性に劣る。
フロントページの続き (72)発明者 吉田 重信 茨城県牛久市東猯穴町1000番地 三菱モン サント化成株式会社筑波工場内 (72)発明者 武田 直弘 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 ダ イアホイル株式会社研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】延伸されたポリエステルフィルムの少なく
    とも片面に、ポリエステル5〜95重量%を水もしくは溶
    媒に分散または溶解した状態で、炭素一炭素不飽和結合
    を有する化合物95〜5重量%と混合し反応させた生成物
    を塗布、乾燥させて、厚さ0.01〜5μmの生成物層を形
    成し、この生成物層の少なくとも片面に、厚さ5〜500n
    mのケイ素酸化物の透明な薄膜層が形成されてなること
    を特徴とする、ガスバリヤ性の優れた透明プラスチック
    フィルム。
  2. 【請求項2】ケイ素酸化物の透明な薄膜層の上に、他の
    透明なプラスチックフィルムが形成されてなることを特
    徴とする、請求項1項記載のガスバリヤ性の優れた透明
    なプラスチックフィルム。
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