JP3211350B2 - ポリエステルフィルム - Google Patents

ポリエステルフィルム

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JP3211350B2
JP3211350B2 JP08562592A JP8562592A JP3211350B2 JP 3211350 B2 JP3211350 B2 JP 3211350B2 JP 08562592 A JP08562592 A JP 08562592A JP 8562592 A JP8562592 A JP 8562592A JP 3211350 B2 JP3211350 B2 JP 3211350B2
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俊文 滝澤
信一 木下
真人 藤田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度化されたポリエ
ステルフィルムの少なくとも片面に塗布層を有する、接
着性の改良された二軸延伸ポリエステルフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、特に磁気記録媒体のベースフィルム用途において、
磁気テープの記録時間の長時間化のために、より薄くか
つ高強度のフィルムが求められている。高強度化された
フィルムは、例えば、特公昭34−5887号公報に示
されるように二軸延伸後、再度延伸することにより得ら
れる。しかしながら、このように高強度化されたフィル
ムの表面は、高度に結晶配向しているので、表面の凝集
性が高く、磁性塗料、接着剤、インキ等の接着性に乏し
い。
【0003】これらの接着性を改良する方法として広く
行われている方法は、特公昭41−8470号公報に示
されているように、ポリエステルフィルム製造工程内に
おいて塗布を施して、接着性を有する塗布層を形成する
方法であり、具体的には、水または溶剤系の塗布液をポ
リエステルの未延伸フィルムあるいは一軸延伸フィルム
に塗布した後、一軸または二軸に延伸する方法である。
【0004】しかしながら、高強度化を目的として再延
伸を行う際、通常、ロール延伸が採用されているので、
このとき接着性の塗布層が存在すると、再延伸の加熱ロ
ールに塗布層が粘着しフィルムの破断が多発するので、
安定生産が困難であった。破断にいたらなくとも、ロー
ルに粘着気味にフィルムを走行させると、フィルム表層
の変形や削れ傷が発生し、このフィルム表層の変形や傷
あるいは削れ屑の付着は、磁気テープとして使用した場
合に、その電気的特性を著しく低下させる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み、鋭意検討を重ねた結果、ある特定の接着層を用い
ることにより、接着性を兼ね備えた高強度化フィルムが
得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、少なくとも片
面に塗布が施された二軸延伸ポリエステルフィルムを縦
方向に再延伸してなる塗布層を有するポリエステルフィ
ルムであって、該フィルムの塗布層が、0.5〜20重
量%の潤滑剤を含有する、水性ウレタン、水性アクリル
および水性ポリエステルから選ばれる少なくとも一種の
樹脂からなり、塗布層表面の水滴接触角が70〜85度
であることを特徴とするポリエステルフィルムに存す
る。
【0007】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明におけるポリエステルフィルムのポリエステルと
は、その構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタ
レ−トであるポリエチレンテレフタレ−ト、その構成単
位の80モル%以上がエチレンナフタレ−トであるポリ
エチレンナフタレ−ト、またはその構成単位の80モル
%が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレ−ト
であるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフ
タレ−トである。
【0008】上記の優位構成成分以外の共重合成分とし
ては、例えば、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリ
コ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ポリエチレングリコ
−ル、ポリテトラメチレングリコ−ルなどのジオ−ル成
分、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導体な
どのジカルボン酸成分、オキシ安息香酸およびそのエス
テル形成性誘導体などのオキシモノカルボン酸などを用
いることができる。
【0009】本発明のポリエステルフィルムは、フィル
ム表面の突起を形成する添加粒子、析出粒子、その他の
触媒残渣を、後述する電磁変換特性を悪化させない範囲
内で含有していてもよい。また、上記の突起形成剤以外
の添加剤として、必要に応じて、帯電防止剤、安定剤、
潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、着
色剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤などを含有していても
よい。本発明で用いる水性ウレタンとは、水溶性あるい
は水分散性のポリウレタン樹脂を指し、特公昭42−2
4194号公報、特公昭46−7720号公報、特公昭
46−10193号公報、特公昭49−37839号公
報、特開昭50−123197号公報、特開昭53−1
26058号公報、特開昭54−138098号公報な
どに記載されたポリウレタン系樹脂、あるいはそれらに
準じたポリウレタン系樹脂を用いることができる。
【0010】ポリウレタン形成成分の主要な構成成分
は、ポリイソシアネート、ポリオール、鎖長延長剤、架
橋剤などである。ポリイソシアネートの例としては、ト
リレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネートなどがある。ポリ
オールの例としては、ポリオキシエチレングリコール、
ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテテトラ
メチレングリコールのようなポリエーテル類、ポリエチ
レンアジペート、ポリエチレンーブチレンアジペート、
ポリカプロロラクトンのようなポリエステル類、アクリ
ル系ポリオール、ひまし油などがある。
【0011】鎖長延長剤、あるいは架橋剤の例として
は、エチレングリコール、ポロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリメチロールプロパン、ヒドラジ
ン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、4、
4’−ジアミノジフェニルメタン、4、4’−ジアミノ
ジシクロヘキシルメタン、水などがある。水溶性あるい
は水分散性とするために、界面活性剤などによって強制
分散化させてもよいが、好ましくは、ポリエ−テル類の
ような親水性のノニオン成分や、四級アンモニウム塩の
ようなカチオン性基を有する自己分散型塗布剤、さらに
好ましくは、アニオン性基を有する、水溶性または水分
散性ポリウレタン系樹脂塗布剤を用いる。
【0012】アニオン性基を有するポリウレタン系樹脂
は、ポリウレタン形成成分であるポリオール、ポリイソ
シアネート化合物、鎖長延長剤などにアニオン性基を有
する化合物を用いる方法、生成したポリウレタンの未反
応イソシアネート基とアニオン性基を有する化合物を反
応させる方法、ポリウレタンの活性水素を有する基と特
定の化合物を反応させる方法などを用いて製造できる。
ポリウレタン形成成分としてアニオン性基を有する化合
物を用いる場合は、例えば芳香族イソシアネート化合物
をスルホン化する方法で得られる化合物、ジアミノカル
ボン酸塩、アミノアルコール類の硫酸エステル塩などを
用いることができる。
【0013】ポリウレタンの未反応のイソシアネート基
とアニオン性基を有する化合物を反応させる方法は、例
えば重亜硫酸塩、アミノスルホン酸およびその塩類、ア
ミノカルボン酸およびその塩類、アミノアルコール類の
硫酸エステルおよびその塩類、ヒドロキシ酢酸およびそ
の塩類などを用いることができる。ポリウレタンの活性
水素を有する基と特定の化合物を反応させる方法は、例
えばジカルボン酸無水物、テトラカルボン酸無水物、サ
ルトン、ラクトン、エポキシカルボン酸、エポキシスル
ホン酸、2、4−ジオキソ−オキサゾリジン、イサト酸
無水物、ホストン、硫酸カルビン酸などの環式化合物を
用いることができる。
【0014】本発明で用いるポリウレタン系樹脂として
は、分子量300〜20000のポリオール、ポリイソ
シアネート、反応性水素原子を有する鎖長延長剤および
イソシアネート基と反応する基、およびアニオン性基を
少なくとも1個有する化合物から成る樹脂が好ましい。
ポリウレタン系樹脂中のアニオン性基は、−SO3 H、
−OSO3 H、−COOHなどのリチウム塩、ナトリウ
ム塩、カリウム塩あるいはマグネシウム塩として用いら
れ、これらの中でも、スルホン酸塩基およびカルボン酸
塩基が特に好ましい。ポリウレタン系樹脂中のアニオン
性基の量は、0.05〜8重量%の範囲が好ましい。ア
ニオン性基の量が少ないと、ポリウレタン系樹脂の水溶
性あるいは水分散性が悪く、逆にアニオン性基が多い
と、塗布後の塗布層の耐水性が劣ったり、吸湿してフィ
ルムが相互に固着しやすくなる傾向がある。
【0015】本発明で用いる水性アクリルとは、水溶性
あるいは水分散性アクリル系樹脂のことであり、アルキ
ルアクリレートあるいはアルキルメタクリレートを主要
な成分とするものが好ましく、通常、該成分が30〜9
0モル%であり共重合可能で、かつ官能基を有するビニ
ル単量体成分を70〜10モル%含有する水溶性あるい
は水分散性樹脂を用いる。アルキルアクリレートあるい
はアルキルメタクリレートと共重合可能でかつ官能基を
有するビニル単量体は、樹脂に親水性を付与して樹脂の
水分散性を良好にしたり、あるいは樹脂とポリエステル
フィルムや、塗布層上に設ける他の塗布層との接着性を
良好にしたり、あるいは塗布剤として配合するポリエス
テル系樹脂との親和性を良好にする官能基を有するもの
が好ましく、かかる官能基としては、カルボキシル基ま
たはその塩、酸無水物基、スルホン酸基またはその塩、
アミド基またはアルキロール化されたアミド基、アミノ
基(置換アミノ基を含む)またはアルキロール化された
アミノ基あるいはそれらの塩、水酸基、エポキシ基など
が挙げられ、特にカルボキシル基またはその塩、酸無水
物基、エポキシ基などが好ましい。これらの基は、樹脂
中に二種類以上含有されていてもよい。
【0016】アクリル系樹脂中のアルキルアクリレート
あるいはアルキルメタクリレートが30モル%以上のと
き、塗布形成性、塗膜の強度、耐ブロッキング性が良好
になる。アクリル系樹脂中のアルキルアクリレートある
いはアルキルメタクリレートが90モル%以下のとき、
共重合成分として特定の官能基を有する化合物を有する
化合物をアクリル系樹脂に導入することにより、水溶
化、水分散化しやすくするとともにその状態を長期にわ
たり安定にすることができ、さらに塗布層とポリエステ
ルフィルム層との接着性の改善、塗布層内での反応によ
る塗布層の強度、耐水性、耐薬品性の改善、さらに本発
明のフィルムと他の材料との接着性の改善などをはかる
ことができる。アルキルアクリレートおよびアルキルメ
タクリレートのアルキル基の例としては、メチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリ
ル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0017】アルキルアクリレートあるいはアルキルメ
タクリレートと共重合する官能基を有するビニル系単量
体は、反応性官能基、自己架橋性官能基、親水性基など
の官能基を有する化合物類が使用できる。具体的には、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸な
どのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、アンモ
ニウム塩あるいは無水マレイン酸などが挙げられる。ス
ルホン酸基またはその塩を有する化合物としては、ビニ
ルスルホン酸、スチレンスルホン酸、これらのスルホン
酸のナトリウムなどとの金属塩、アンモニウム塩などが
挙げられる。アミド基あるいはアルキロール化されたア
ミド基を有する化合物としては、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、メチロー
ル化アクリルアミド、メチロール化メタクリルアミド、
ウレイドビニルエーテル、β−ウレイドイソブチルビニ
ルエーテル、ウレイドエチルアクリレートなどが挙げら
れる。
【0018】アミノ基またはアルキロール化されたアミ
ノ基あるいはそれらの塩を有する化合物としては、ジエ
チルアミノエチルビニルエーテル、2−アミノエチルビ
ニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエーテル、2
−アミノブチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチル
メタクリレート、ジメチルアミノエチルビニルエーテ
ル、それらのアミノ基をメチロール化したもの、ハロゲ
ン化アルキル;ジメチル硫酸、サルトンなどにより4級
化したものなどが挙げられる。水酸基を有する化合物と
しては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、β−ヒドロキシプロピル
アクリレート、β−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、β−ヒドロキシビニルエーテル、5−ヒドロキシペ
ンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニル
エーテル、ポリエチレングリコールモノアクリレート、
ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロ
ピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレング
リコールモノメタクリレートなどが挙げられる。
【0019】エポキシ基を有する化合物としては、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどが
挙げられる。さらに上記以外に次に示すような化合物を
併用してもよい。すなわち、アクリロニトリル、スチレ
ン類、ブチルビニルエーテル、マレイン酸モノあるいは
ジアルキルエステル、フマル酸モノあるいはジアルキル
エステル、イタコン酸モノあるいはジアルキルエステ
ル、メチルビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、
ビニルトリメトキシシランなどが挙げられるがこれらに
限定されるものではない。
【0020】アクリル系樹脂は、界面活性剤を含有して
いてもよい。しかしながら、ポリエステル系樹脂やウレ
タン系樹脂に対してアクリル系樹脂の割合が多い場合に
は、アクリル系樹脂に含まれる低分子量体の界面活性剤
が、造膜過程で濃縮され、粒子と粒子の界面に蓄積され
たり、塗布層の界面に移行するなどして、塗布層の機械
的強度、耐水性、積層体との接着性に問題を生じる場合
がある。このような場合には、界面活性剤を含有しな
い、いわゆるソープフリー重合による重合物を利用でき
る。
【0021】界面活性剤を含有しないアクリル系樹脂の
製造方法は、経営開発センター出版部編集、経営開発セ
ンター出版部昭和56年1月発行、「水溶性高分子・水
分散型樹脂総合技術資料」第309頁あるいは産業技術
研究会主催「〜最新の研究成果から将来を展望する〜エ
マルジョンの新展開と今後の技術課題」講演会テキスト
(昭和56年12月)などに示された方法を用いること
ができる。例えば、低分子量体の界面活性剤の代わりに
オリゴマーあるいは高分子界面活性剤の利用、過硫酸カ
リウムや過硫酸アンモニウムなどの重合開始剤の利用に
よる親水基の重合体中への導入、親水基を有するモノマ
ーの共重合、反応性界面活性剤の利用、分散体粒子の内
部層と外部層の組織を変化させたいわゆるシェル−コア
型重合体などが、いわゆる界面活性剤を含有しない水分
散性アクリル系樹脂の製造技術として用いることができ
る。
【0022】本発明で用いる水性ポリエステルとは、水
溶性あるいは水分散性ポリエステル系樹脂のことであ
り、かかるポリエステル系樹脂を構成する成分として多
価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物を例示でき
る。すなわち、多価カルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,
4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5−ナフタレンジ
カルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、2−カリウムスルホテ
レフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシ
ン酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロ
キシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩およびそ
れらのエステル形成性誘導体などを用いることができ、
多価ヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタン
ジオール、1,6、−ヘキサンジオ−ル、2−メチル−
1,5−ペンタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、p−キシリレン
グリコ−ル、ビスフェノ−ルA−エチレングリコ−ル付
加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ
−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ポリテトラメチ
レンオキシドグリコ−ル、ジメチロ−ルプロピオン酸、
グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ジメチロ−ルエ
チルスルホン酸ナトリウム、ジメチロ−ルプロピオン酸
カリウムなどを用いることができる。
【0023】これらの化合物のなかから、それぞれ適宜
1つ以上選択して、ポリエステル系樹脂を常法の重縮合
反応によって合成する。なお、上記のほか、特開平1−
165633号公報に記載されている、いわゆるアクリ
ルグラフトポリエステルも使用することもできる。本発
明におけるポリエステル系樹脂は、水を媒体とする塗布
剤であることが望ましい。水を媒体とする場合は、界面
活性剤などによって強制分散化した塗布剤であってもよ
いが、好ましくはポリエ−テル類のような浸水性のノニ
オン成分や、四級アンモニウム塩のようなカチオン性基
を有する自己分散型塗布剤であり、さらに好ましくは、
アニオン性基を有する水溶性または水分散性ポリエステ
ル系樹脂塗布剤である。アニオン性基を有するポリエス
テルとは、アニオン性基を有する化合物を共重合やグラ
フトなどによりポリエステルに結合させたものであり、
スルホン酸、カルボン酸、リン酸およびそれらのリチウ
ム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等か
ら、適宜選択される。
【0024】ポリエステル系樹脂のアニオン性基の量
は、0.05〜8重量%の範囲が好ましい。アニオン性
基量が0.05重量%未満では、ポリエステル系樹脂の
水溶性あるいは水分散性が悪く、アニオン性基量が8重
量%を越えると、塗布層の耐水性が劣ったり、吸湿して
フィルムが相互に固着したり、耐湿熱接着性を低下させ
ることがある。水性ウレタン、水性アクリル、水性ポリ
エステルの混合比は特に規定しないが、水性ポリエステ
ルの比が5重量%以上がポリエステルフィルムとの接着
性の点から好ましい。
【0025】本発明で用いる潤滑剤とは、アニオン系界
面活性剤 カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、両
性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活
性剤、有機カルボン酸及びその誘導体、高級脂肪族アル
コール、パラフィン、ワックスなどが挙げられるが、特
に好ましいものは、ポリオレフィンまたはシリコン系潤
滑剤である。ポリオレフィン系潤滑剤としては、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン等の1−オレフィン系不飽和炭化水素の単独または共
重合体からなるワックス、樹脂、ゴム状物、例えばポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−
4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレン共重
合体、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボ
ン酸、オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸及びそれ
らのエステル形成性誘導体などを用いることができる。
【0026】シリコン系潤滑剤としては、ジメチルポリ
シロキサンのような未変成シリコーンの他、脂肪酸、ポ
リエーテル、アルコール、アルキル基などの極性基で変
性されたシリコーンがいずれも使用できる。極性基で変
成されたシリコーンは、結合剤樹脂との親和性がよくと
くに好適である。
【0027】また本発明に用いる潤滑剤は、主バインダ
ーである水性ウレタン、水性アクリルおよび水性ポリエ
ステルから選ばれる少なくとも一種の樹脂中に配合され
てポリエステルフィルムに塗布延伸される際に、塗膜表
層に適量湧き出して来るものが好ましい。湧き出した塗
膜表層の潤滑層がフィルムの高強度化を目的とした再延
伸を行う際に加熱ロールと塗布層が粘着するのを防止す
る働きをする。また、潤滑層による易滑の効果により搬
送ロール等との接触走行時に傷の入りにくい塗布層とな
る。潤滑剤の配合量は、主バインダーに対し0.5から
20重量%配合するのが好ましい。0.5重量%以下で
は、潤滑剤の塗膜表層への湧き出し量が少なすぎて十分
な粘着防止効果が発揮できないことがある。また、20
重量%を越えると湧き出し量が多すぎて主バインダーの
易接着効果を防害する場合がある。適度に湧き出した潤
滑剤が疎水基を外側にして配位した場合に最も粘着防止
効果が発揮される。この配位の状況の目安として水滴接
触角で表すと、塗膜表面の水滴接触角が70〜85度の
範囲以内の場合に粘着防止効果が発揮されることが分か
った。
【0028】粘着防止効果をさらに高めるために塗布層
中に粒子を配合させることが好ましい。粒子の種類とし
ては、無機粒子、有機粒子などが使用できる。無機粒子
としてはシリカ、シリカゾル、アルミナ、アルミナゾ
ル、ジルコニウムゾル、カオリン、タルク、炭酸カルシ
ウム、リン酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、
カ−ボンブラック、硫化モリブデン、酸化アンチモンゾ
ルなどが使用できる。有機粒子としてはポリスチレン、
ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリ
ル酸エステル、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニルまたはポ
リ塩化ビニル等の単独または共重合体などで、架橋剤を
含んでいてもよい微粒子、シリコーン樹脂、フッ素樹脂
などの微粒子が挙げられる。
【0029】本発明における接着層を得るための塗布液
には、接着層の固着性(ブロッキング性)、耐水性、耐
溶剤性、機械的強度の改良のために、また再延伸用の加
熱ロールに粘着しないようにするために、架橋剤として
メチロ−ル化あるいはアルキロ−ル化した尿素系、メラ
ミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド
系などの化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、
ブロックポリイソシアネ−ト、シランカップリング剤、
チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネ−ト系カップ
リング剤、過酸化物、熱または光反応性のビニル化合物
や感光性樹脂などを含有してもよい。さらに、必要に応
じて、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含
有していてもよい。また、本発明の塗布液には、本発明
におけるポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ア
クリル系樹脂以外のポリマ−として、別種のポリエステ
ル系樹脂やポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニ
ル系樹脂などを塗布液あるいは塗布層の特性改良のため
に含有していてもよい。
【0030】上述した塗布液をポリエステルフィルムに
塗布する方法としては原崎勇次著、槇書店、1979年
発行、「コ−ティング方式」に示されるリバ−スロ−ル
コ−タ−、グラビアコ−タ−、ロッドコ−タ−、エアド
クターコ−タ−あるいはこれら以外の塗布装置を用い
て、二軸延伸ポリエステルフィルム製造工程内で少なく
とも片面に塗布する。フィルム製造工程内で塗布する方
法としては、一軸延伸されたポリエステルフィルムに塗
布し、さらに先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸し、
さらに縦および/または横方向に延伸する方法などが好
ましい。
【0031】本発明におけるポリエステルフィルムは、
長手方向の5%伸びの強度F5 値が13kgf/mm2
以上のポリエチレンテレフタレート、さらに長手方向の
5値が18kgf/mm2 以上のポリエチレンナフタ
レートであることが好ましい。この数値未満では、使用
時にテンションがかかった際、フィルムの伸びが大きく
なる傾向があり、特に磁気記録媒体のベースフィルムと
して使用される場合は、伸びが大きいとスキューと呼ば
れる画面の歪みが生じたり音質が悪化したりするので注
意を要する。ポリエステルとしてポリエチレンナフタレ
ートを使用する場合は、ポリエチレンテレフタレートよ
り厚みのより薄いフィルムで高強度を達成できるのでビ
デオテープなどの長時間化には好ましく使用できる。
【0032】上述のフィルムを得るための延伸工程は、
好ましくは60〜180℃で行われ、延伸倍率は、面積
倍率で少なくとも4倍以上、好ましくは6〜20倍であ
る。延伸されたフィルムは150〜250℃で熱処理さ
れる。さらに、熱処理の最高ヒートセットゾ−ンおよび
/または熱処理出口のク−リングゾ−ンにて縦方向およ
び横方向に0.1〜20%弛緩することが好ましい。特
に、60〜180℃でロ−ル延伸法によりフィルム長手
方向に2〜6倍延伸された一軸延伸ポリエステルフィル
ムに塗布液を塗布し、適当な乾燥を施し、あるいは乾燥
を施さず、ポリエステル一軸延伸フィルムを直ちに先の
延伸方向とは直角方向に80〜180℃で2〜6倍に延
伸し、フィルム長手方向に85〜180℃で1.01〜
1.9倍に再延伸し、150〜250℃で1〜600秒
間熱処理を行う方法が好ましい。熱処理前にフィルム長
手方向と直角方向に85〜180℃で1.01〜1.9
倍に再延伸することにより横方向の強度を高めることも
好ましい。
【0033】本方法によるならば、延伸と同時に塗布層
の乾燥が可能になると共に塗布層の厚さを延伸倍率に応
じて薄くすることができ、ポリエステルフィルム基材と
して好適なフィルムを比較的安価に製造できる。本発明
における塗布液は、ポリエステルフィルムの片面だけに
塗布してもよいし、両面に塗布してもよい。片面にのみ
塗布した場合、その反対面には本発明の塗布液以外のも
のを用いた塗布層を必要に応じて形成し、本発明のポリ
エステルフィルムに他の特性を付与することもできる。
なお、塗布剤のフィルムへの塗布性、接着性を改良する
ため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施して
もよい。また、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルム
の塗布層の接着性、塗布性などを改良するために、塗布
層形成後に塗布層に放電処理を施してもよい。
【0034】また、上記のように形成された塗布層表面
の中心線平均粗さ(Ra)は、通常、0.002〜0.
020μmの範囲であり、好ましくは0.004〜0.
018μm、さらに好ましくは0.006〜0.015
μmの範囲である。Raが0.002μm未満ではフィ
ルムの滑り性が不十分で作業性が悪化することがある。
一方、Raが0.020μmを越えると表面が粗れす
ぎ、磁気記録媒体のベースフィルムとして使用された場
合、S/N比などの磁気変換特性が悪くなったり、ドロ
ップアウトが増えたりするなどの不具合がを生じること
がある。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例によって限定されるものではない。なお、本発明
における種々の物性および特性の測定方法、定義は下記
のとおりである。また、実施例および比較例中、「部」
とあるは「重量部」を示す。
【0036】(1)水滴接触角 協和界面科学製 接触角計CA−D・A型を用いて、液
滴法によって接触角を求めた。使用した水はミリポア社
製 MILLI−Q REAGENT−WATER−S
YSTEM装置にて精製した純水を用いた。液滴を滴下
してから測定までの時間は約30秒とした。6回測定し
その平均値を採用した。 (2)中心線平均粗さ(Ra) (株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を
用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面
曲線からその中心線方向に基準長さL(2.55mm) の部分
を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率
の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x) で表したとき、
次の式で与えられた値を[μm]で表す。中心線平均粗
さは、試料フィルム表面10本の断面曲線を求め、これ
らの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さ
の平均値で表した。なお、触針の先端半径は2μm、荷
重は30mmgとし,カットオフ値は0.08mmとし
た。
【0037】Ra=(1/L)∫0 L|f(x)|dx (3)引張強度(F5 値) (株)インテスコ製 引張試験機インテスコモデル20
01型を用いて、温度23度、湿度50%RHに調節さ
れた室内において長さ50mm,幅15mmの試料フィ
ルムを50mm/minの速度で引っ張り、5%伸張時
の強度をF5 値とした。 (4)再延伸加熱ロール粘着性 製膜時の安定性で評価した。すなわち、製膜中に再延伸
加熱ロールに粘着することによるフィルムの破断回数を
もって判断した。一時間あたりの破断回数で以下の基準
で評価した。 ○・・・0.1回/1hr未満 △・・・0.1〜1回/1hr ×・・・1回/1hr以上
【0038】(5)固着性 固着性(ブロッキング性)の試験は、恒温恒湿槽で熱プ
レスにより40℃、80%RH、10kgf/cm2 で
20時間重ねたフィルムをASTM−D−1893の方
法で剥離強度を測定した。判定基準は、以下のとおりで
ある。 ○・・・良好 △・・・やや劣る ×・・・不良 (6)白粉発生量 延伸フィルムの巻取機内のフィードロールに付着する白
粉を目視観察し、以下の○、△、×の3段階で評価し
た。観察はフィルム1000m巻取った時点で行なっ
た。 ○・・・白粉発生なし △・・・白粉発生量少 ×・・・白粉発生量大
【0039】(7)磁気テープ特性(磁気記録用媒体の
特性) まず、次に示す磁性塗料をポリエステルフィルムに塗布
し、乾燥後の膜厚を5μmとなるよう磁性層を形成し
た。すなわち、磁性微粉末200部、ポリウレタン樹脂
30部、ニトロセルロース10部、塩酢ビ共重合体10
部、レシチン5部、シクロヘキサノン100部およびメ
チルエチルケトン300部をボールミルにて48時間混
合分散後、ポリイソシアネート化合物5部を加えて磁性
塗料とし、これをポリエステルフィルムに塗布した後、
塗料が十分乾燥固化する前に磁気配向させ、次いで乾燥
した。さらに、この塗布フィルムをスーパーカレンダー
にて表面処理を施し、1/2インチ幅にスリットしてビ
デオテープとした。このビデオテープを松下電気(株)
製NV−3700型ビデオデッキにより常速にて下記の
磁気テープ特性を評価した。VTRヘッド出力はシンク
ロスコープにより測定周波数4メガヘルツにおけるVT
Rヘッド出力を測定し、基準テープを0.0デシベル
(dB)とし、その相対値を(dB)を以下の基準で判
定した。 ○・・・+2dB以上 △・・・+0dB〜+2dB ×・・・+0dB以下 スキュー量は、クロマのビデオ信号を記録したビデオテ
ープを再生し、シバソク社製カラーモニターCMM20
−11にて遅延掃引操作を行い、画面上の歪み量をメジ
ャーで読み取り、モニター画面全幅の比をもって1水平
走査時間に換算し、μsec で表した値を以下の基準で判
定した。 ○・・・2μsec以下 △・・・2μsec〜5μsec ×・・・5μsec以上
【0040】(8)磁性層接着力 磁性層接着力は、上記ビデオテープを(株)スコッチ製
両面テープNo.665に粘着させ、(株)インテスコ
製 引張試験機インテスコモデル2001型を用いて、
温度23度、湿度50%RHに調節された室内におい
て、500mm/minの速度で180度剥離し、以下
の基準で判定した。 ○・・・30grf以上 △・・・15〜30grf ×・・・15grf以下
【0041】実施例1 固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートを29
0℃の温度で押出機の口金より押し出し、静電密着法を
併用しながら冷却ドラム上にキャストし、厚さ100μ
mの無定形ポリエステルシートを得た。上記シートを、
95℃で縦方向に3.5倍延伸した後、ジカルボン酸成
分として、テレフタル酸92モル%、ソジウムスルホイ
ソフタル酸8モル%、グリコール成分として、エチレン
グリコール75モル%、ジエチレングリコール25モル
%の水性ポリエステル(詳細は下記のとおり)95部
と、潤滑剤としてポリオレフィンワックス(サンノプコ
製ノプコートPEM−17)5部および水1900部か
らなる水性の塗布剤を片面に塗布し、110℃で横方向
に3.5倍延伸し、さらに120℃で縦方向に1.1倍
延伸した後、230℃で熱処理を施して、塗布層の厚さ
0.06μm、基体のポリエステルフィルムの厚さ7.
5μm、F5値18.5Kgf/mm2 の二軸延伸ポリ
エステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は下
記表1に示すとおりであり、優れた接着性を示すととも
に工程安定性の優れたフィルムであった。このフィルム
をVTRテープとしたときのVTRヘッド出力およびス
キュー特性はともに良好であった。・水性ポリエステル テレフタル酸ジメチル80部、5−ソジウムスルホイソ
フタル酸ジメチル10部、エチレングリコール50部、
ジエチレングリコール10部及び酢酸カルシウム0.1
部、酢酸リチウム0.3部、三酸化アンチモン0.03
部、を加え、定法に従いエステル交換反応した後、リン
酸トリメチル0.05部を添加した。ついで徐々に昇
温、減圧にし、最終的に280℃1mmHg以下で重縮
合反応を行い、水分散性ポリエステルを得た。得たれ
た、ポリエステルの組成をH−NMRにより測定した結
果、酸性分として、テレフタル酸92モル%、5−ソジ
ウムスルホイソフタル酸8モル%、グリコール成分とし
て、エチレングリコール75モル%、ジエチレングリコ
ール25モル%であった。
【0042】実施例2 潤滑剤としてポリエチレン水分散体(東邦化学製ハイテ
ックE4B)を用いること以外は実施例1と同様にして
フィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示す
とおりであり、優れた接着性を示すとともに工程安定性
の優れたフィルムであった。 実施例3 潤滑剤として水溶性ポリアルキレングリコール(PA
G)変成シリコン(東芝シリコンYF3842)を用い
ること以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得
られたフィルムの特性は表1に示すとおりであり、優れ
た接着性を示すとともに工程安定性の優れたフィルムで
あった。 実施例4 水溶性ポリエステルの代わりに大日本インキ化学工業社
製ハイドラン(ジカルボン酸成分中、テレフタル酸が6
0モル%、イソフタル酸が40モル%であり、グリコー
ル成分中のエチレングリコールが61モル%、ジエチレ
ングリコールが39モル%であるポリエステル94部と
2,2−ジメチロールプロピオン酸6部からなる反応生
成物であるカルボキシル基変性ポリエステル90部とイ
ソホロンジイソシアネート10部からなる水溶性ポリウ
レタン)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルム
を得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりで
あり、優れた接着性を示すとともに工程安定性の優れた
フィルムであった。
【0043】実施例5 水溶性ポリエステルの代わりに水溶性ポリアクリレート
アクリル酸エチル51部、メタクリル酸メチル40
部、メタクリル酸9部のを蒸留水400部中に溶解し
て、約60℃に加熱拡販しながら重合開始剤として加硫
酸カリウムを添加することで乳化重合し、得られた水性
ポリアクリレートにアンモニア水を添加してpH7.5
に調整したポリアクリレートエマルジョン)を用いた以
外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフ
ィルムの特性は表1に示すとおりであり、優れた接着性
を示すとともに工程安定性の優れたフィルムであった。 比較例1 塗布層を設けないほかは実施例1と同様にしてフィルム
を得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおり
で、再延伸ロールに付着する摩耗粉のため、5〜8時間
毎に清掃を必要とし、甚だ生産効率の悪いフィルムであ
った。 比較例2 潤滑剤の配合量をゼロとし水溶性ポリアクリレートを1
00部とした以外は実施例5と同様にしてフィルムを得
た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりで、再
延伸ロールに付着する摩耗粉のため、5〜8時間毎に清
掃を必要とし、甚だ生産効率の悪いフィルムであった。
【0044】比較例3 潤滑剤の配合量を30部とし、水溶性ポリアクリレート
を70部とした以外は実施例5と同様にしてフィルムを
得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりで、
再延伸に問題はなかったが、潤滑剤のブルーミング量が
異常に多く、磁性層との接着性が著しく低下した。 比較例4 潤滑剤の配合量を0.2部とし水溶性ポリエステルを9
9.8部とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを
得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりで、
再延伸ロールへの粘着破断が頻発し、製品の安定生産は
不可能であった。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明のフィルムは優れた接着性および
機械的強度を有するものであり、その工業的価値は高
い。
フロントページの続き (72)発明者 木下 信一 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 ダイアホイルヘキスト株式会社中央研究 所内 (72)発明者 藤田 真人 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 ダイアホイルヘキスト株式会社中央研究 所内 (56)参考文献 特開 平2−229838(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 27/00 - 27/42 C08J 7/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面に塗布が施された二軸延
    伸ポリエステルフィルムを縦方向に再延伸してなる塗布
    層を有するポリエステルフィルムであって、該フィルム
    の塗布層が、0.5〜20重量%の潤滑剤を含有する、
    水性ウレタン、水性アクリルおよび水性ポリエステルか
    ら選ばれる少なくとも一種の樹脂からなり、塗布層表面
    の水滴接触角が70〜85度であることを特徴とするポ
    リエステルフィルム。
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