JPH0925450A - 水分散型塗料用樹脂組成物 - Google Patents

水分散型塗料用樹脂組成物

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JPH0925450A
JPH0925450A JP7173674A JP17367495A JPH0925450A JP H0925450 A JPH0925450 A JP H0925450A JP 7173674 A JP7173674 A JP 7173674A JP 17367495 A JP17367495 A JP 17367495A JP H0925450 A JPH0925450 A JP H0925450A
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JP
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coating film
acid
water
resin
parts
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Application number
JP7173674A
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English (en)
Inventor
Hideki Tanaka
秀樹 田中
Masaya Higashiura
真哉 東浦
Toshiyuki Shimizu
敏之 清水
Yoshio Araki
良夫 荒木
Masakatsu Oguchi
正勝 大口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗膜の耐水性、硬度、可撓性に優れた水分散
型塗料用樹脂組成物を提供する。 【構成】 接触角が20〜50度を示す塗膜を形成し得
る共重合ポリエステル系水分散体と接触角が70〜90
度を示す塗膜を形成し得る硬化剤とを含む組成物であ
り、該組成物から形成した硬化塗膜の接触角が70〜9
0度を示す水分散型塗料用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水系で使用できる塗料
用樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、缶用水系塗料用
樹脂組成物に関し、特に缶外面用に好適な塗膜の耐水
性、硬度、可撓性に優れた缶用水系塗料用樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】清涼飲料水などを収容する飲料缶および
食品を包装する食缶の外面は、缶材の腐食を防止し、美
的商品価値を高め、食品殺菌処理時の熱処理工程に耐え
うる塗膜により被覆されている。従来これらの塗料はエ
ポキシ/アミノ樹脂、アクリル/アミノ樹脂、ポリエス
テル/アミノ樹脂などの有機溶剤溶液をロールコーター
にて塗装し、ガスオーブンにて焼き付け硬化する方法が
行われている。しかしこれらの塗料は焼き付け時に多量
の溶剤揮散をもたらし、大気汚染の原因となり、省資源
の点からも好ましくない。そこでこれらの問題点を解決
可能な水系塗料の出現が望まれている。公知の水系塗料
は水分散型と水溶性の2タイプがあり、水分散性樹脂は
通常、界面活性剤を用いて乳化重合法で合成されるもの
が多く、使用する界面活性剤が塗膜形成後も塗膜中に残
存し、耐水性を低下させる欠点があった。一方、界面活
性剤を使用しないで有機溶剤系で酸基成分(カルボキシ
ル基)を側鎖等含む樹脂を合成し、揮発性塩基で酸基を
中和し、分散体ないしは水溶性とする方法もあるが、こ
れらの水性塗料は、基本となる樹脂構造中に多量の酸基
が必要であり、耐水性、耐アルカリ性などの性能が劣る
欠点があった。これらの欠点を改善するためにヘキサメ
トキシメチルメラミン、メチル化ベンゾグアナミンなど
の水性アミノ樹脂を多量に混合する方法が行われてきた
が、塗膜の可撓性の低下が大きく、一方、可撓性を改善
するために水性アミノ樹脂を低減させると、塗膜硬度が
低下する傾向にあり、塗膜の耐水性、硬度および可撓性
のバランスを取るのが困難であった。特開平2-283774号
公報ではスピログアナミン系のアミノ樹脂による硬化が
提案されているが、アミノ樹脂が特殊であり、汎用の塗
料には展開できない。また、従来の水溶性塗料は、塗料
の貯蔵安定性および塗膜形成におけるレベリング性向上
のために有機溶剤を10重量%以上含んでおり、焼き付け
時における溶剤揮散による大気汚染および省資源の点で
まだ不充分であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記現状に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは水系
の塗料用樹脂組成物において、特に飲料缶、食缶等の殺
菌処理の熱処理工程にも耐えうる耐水性を有し、缶の搬
送過程で傷つきにくい硬度があり、しかも各種缶形態に
加工しうる可撓性に優れた塗膜を形成することができ、
かつ有機溶剤含有量が低い缶外面用に好適な水系塗料用
樹脂組成物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、接
触角が20〜50度を示す塗膜を形成し得る共重合ポリ
エステル系水分散体と、接触角が70〜90度を示す塗
膜を形成し得る硬化剤とを含み、焼き付け硬化により形
成した塗膜の接触角が70〜90度を示すことを特徴と
する水分散型塗料用樹脂組成物である。
【0005】本発明の水分散型塗料用樹脂組成物は、前
記の共重合ポリエステル系水分散体と前記の硬化剤とを
組合わせた組成物であり、かつ該組成物から形成した硬
化塗膜の接触角が70〜90度を示すことにより本発明
の効果が達成される。即ち、水系でありながら、缶用の
金属板上等に形成させた硬化塗膜は、飲料缶や食品缶等
の殺菌処理の熱処理工程にも耐えうる耐水性を有し、か
つ缶の搬送課程で傷つきにくい程の高い硬度を有し、し
かも各種形態の缶に加工しうる可撓性をも合わせ持つ特
性を有する。これらの特性が発現する理由は不明である
が、接触角が70〜90度を示す塗膜を形成しうる硬化
剤が金属板上に塗布後に、塗膜表層部に偏在化するため
に耐水性が発現し、接触角が20〜50度の塗膜を形成
しうる共重合ポリエステル水分散体は塗布後に主として
塗膜の下層部に存在するためにポリエステル系樹脂の可
撓性が発現され、高度耐水性、硬度、可撓性のバランス
の取れた塗膜になることが考えられる。塗膜における硬
化剤樹脂の表面偏在化は、水分散性ポリエステル系樹脂
の親水性をより高めることにより達成される。
【0006】(ポリエステル樹脂)本発明における共重
合ポリエステル樹脂は、本来それ自身で水に分散または
溶解しないものであり、好ましくはその分子量は500
0〜100000であり、その好ましい重合組成は、ジ
カルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸60〜99モル
%、脂肪族およびまたは脂環族ジカルボン酸0〜40モ
ル%、重合性不飽和二重結合を含有するジカルボン酸、
0.5〜10モル%である。芳香族ジカルボン酸として
はテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等を挙げ
ることができ、必要に応じて5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸も用いることができる。脂肪族ジカルボン酸と
しては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸等を挙げることが
でき、脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸とその酸無
水物等を挙げることができる。
【0007】ジカルボン酸成分の芳香族ジカルボン酸
は、より望ましくは70〜98モル%、脂肪族ジカルボ
ン酸および/または脂環族ジカルボン酸は、より望まし
くは0〜30モル%である。芳香族ジカルボン酸が60
モル%未満でである場合、塗膜の加工性及びレトルト処
理後の塗膜の耐ふくれ、耐ブリスタ−性が低下する傾向
がある。また脂肪族ジカルボン酸及び又は脂環族ジカル
ボン酸が40モル%を超えると硬度、耐汚染性、耐レト
ルト性が低下する傾向があり、脂肪族エステル結合が芳
香族エステル結合に比して耐加水分解性が低いために、
水分散体、或はその塗料組成物として保存する期間にポ
リエステルの重合度を低下させてしまうなどのトラブル
を招くことがある。
【0008】重合性不飽和二重結合を含有するジカルボ
ン酸としては、α,β−不飽和ジカルボン酸類としてフ
マール酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、
シトラコン酸、不飽和二重結合を含有する脂環族ジカル
ボン酸として2,5−ノルボルナンジカルボン酸無水
物、テトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることができ
る。この内最も好ましいものはフマール酸、マレイン酸
および2,5−ノルボルネンジカルボン酸(エンド- ビ
シクロ-(2,2,1)-5- ヘプテン-2,3- ジカルボン酸)であ
る。
【0009】重合性不飽和二重結合を含有するジカルボ
ン酸は全酸成分に対して0.5〜10モル%が好ましい
が、より望ましくは2〜7モル%であり、更に望ましく
は3〜6モル%である。重合性不飽和二重結合を含有す
るジカルボン酸が0.5モル%未満の場合、ポリエステ
ル樹脂に対するラジカル重合性単量体の効率的なグラフ
ト化が行なわれにくく、水系媒体中での分散粒子径が大
きくなる傾向があり、分散安定性が低下する傾向があ
る。重合性不飽和二重結合を含有するジカルボン酸が1
0モル%を超える場合、グラフト化反応の後期に余りに
も粘度が上昇し反応の均一な進行をさまたげるので望ま
しくない。
【0010】一方、グリコ−ル成分は炭素数2〜10の
脂肪族グリコ−ルおよびまたは炭素数が6〜12の脂環
族グリコ−ルおよびまたはエ−テル結合含有グリコ−ル
よりなるが、炭素数2〜10の脂肪族グリコ−ルとして
は、エチレングリコ−ル、1,2−プロピレングリコ−
ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−
ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、3−メチル−1,5−
ペンタンジオ−ル、1,9−ノナンジオ−ル、2−エチ
ル−2−ブチルプロパンジオール等を挙げることがで
き、炭素数6〜12の脂環族グリコ−ルとしては、1,
4−シクロヘキサンジメタノ−ル等を挙げることができ
る。
【0011】エ−テル結合含有グリコ−ルとしては、ジ
エチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ジプロ
ピレングリコ−ル、さらにビスフェノ−ル類の2つのフ
ェノ−ル性水酸基にエチレンオキサイド又はプロピレン
オキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリ
コ−ル類、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキ
シフェニル)プロパンなどを挙げることが出来る。ポリ
エチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリ
テトラメチレングリコ−ルも必要により使用しうる。
【0012】本発明で使用されるポリエステル樹脂中に
0〜5モル%の3官能以上のポリカルボン酸および/又
はポリオ−ルが共重合することができるが3官能以上の
ポリカルボン酸としては(無水)トリメリット酸、(無
水)ピロメリット酸、(無水)ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸、トリメシン酸、エチレングルコールビス(ア
ンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アン
ヒドロトリメリテート)等が使用される。一方3官能以
上のポリオ−ルとしてはグリセリン、トリメチロ−ルエ
タン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリト−ル
等が使用される。3官能以上のポリカルボン酸および/
またはポリオ−ルは、全酸成分あるいは全グリコ−ル成
分に対し0〜5モル%、望ましくは、0〜3モル%の範
囲で共重合されるが、5モル%を越えると充分な加工性
が付与できにくくなる。
【0013】(ラジカル重合性単量体)共重合ポリエス
テルにグラフト重合せしめられるラジカル重合性単量体
としては、親水性基を有するか、後で親水性基に変化さ
せることができる基を有するラジカル重合性単量体とそ
の他のラジカル重合性単量体である。親水性基として
は、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、アミド
基、第4級アンモニウム塩等を挙げることができ、親水
性基に変化させることのできる基としては、酸無水物
基、グリシジル基、クロル基などを挙げることができ
る。これらの親水性基の中で、酸価を変化させて水分散
性をコントロールし易いのでカルボキシル基が好まし
く、カルボキシル基を有するかカルボキシル基を発生す
る基を有するラジカル重合性単量体が好ましい。
【0014】共重合ポリエステルにグラフト重合し、酸
価を変化させることができるカルボキシル基含有ラジカ
ル重合性単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、等の
他に水/アミンに接して容易にカルボン酸を発生するマ
レイン酸無水物、イタコン酸無水物、メタクリル酸無水
物などを挙げることができ、これらの中から一種または
複数種を選んで用いることができる。最も望ましいカル
ボキシル基含有ラジカル重合性単量体はアクリル酸、メ
タアクリル酸およびマレイン酸無水物である。
【0015】本発明の実施においては これらカルボキ
シル基含有ラジカル重合性単量体の他にカルボキシル基
を含有しないラジカル重合性単量体を併せて使用するの
が通常である。これらカルボキシル基を含有しないラジ
カル重合性単量体としては広範囲なラジカル重合性単量
体を挙げることができる。即ち、アクリル酸、メタクリ
ル酸のエステル類としてアクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブ
チル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−
2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキプロピル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリ
ル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸ヒドロキシルプロピルなど、更には良
く知られた単量体としてはアクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アクリルアミド、N−メチロ−ルアクリル
アミド、ジアセトンアクリルアミド、酢酸ビニル、ビニ
ルエーテル類、N-ビニルピロリドン、スチレン、α−メ
チルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエンな
どを例示することができ、これらの中から一種または複
数種を選んで用いることができる。
【0016】さらに、ラジカル重合性単量体混合物の成
分数は2又は2以上であることが望ましい。成分数が1
でありカルボキシル基含有単量体のみの場合ポリエステ
ル鎖に対するグラフト化が円滑に起こらず、良好な水分
散体に導くことが難しい。第2成分であるアクリル酸、
メタクリル酸のエステル類などとの共重合によってはじ
めて効率の高いグラフト化が行なわれる。
【0017】カルボキシル基含有単量体とカルボキシル
基を含有しない単量体の使用比率は、好ましくは重量比
で95/5〜5/95の範囲であり、さらに望ましくは
90/10〜10/90であるが、グラフト化反応生成
物に対して付与する酸価を考慮して決定することが必要
である。
【0018】本発明におけるポリエステル系グラフト重
合反応生成物の中和される前の総酸価は、600〜40
00eq./106gであることが望ましく、更に望ましく
は700〜3000eq./106gであり、最も望ましく
は800〜2500eq./106gである。酸価が600
eq./106g以下の場合、水分散化を行なったとき粒子
径小さい分散体が得にくく、分散安定性が低下する傾向
がある。酸価が4000eq./106g以上の場合、水分
散体から形成される塗膜の耐水性が低くなる傾向があ
る。
【0019】(グラフト化反応)ポリエステル系グラフ
ト重合体は、前記共重合ポリエステル中の重合性不飽和
二重結合に、ラジカル重合性単量体をグラフト重合させ
ることにより効率的に得られる。本発明では一般にはポ
リエステルを有機溶剤中に溶解させた状態において、ラ
ジカル開始剤およびラジカル重合性単量体混合物を反応
せしめることにより実施される。グラフト化反応終了后
の反応生成物は、所望のポリエステル−ラジカル重合性
単量体混合物間のグラフト重合体の他にグラフトを受け
なかったポリエステルおよびポリエステルとグラフト化
しなかったラジカル重合体をも含有していると考えられ
るが、反応生成物中のグラフト重合体比率が低く、非グ
ラフトポリエステル及び非グラフトラジカル重合体の比
率が高い場合は、安定性良好な水分散体を得ることが出
来ない。
【0020】(グラフト化反応の様態)ポリエステル樹
脂に対するラジカル重合性単量体のグラフト化反応の実
施に際しては、溶媒に加温下溶解されているポリエステ
ル樹脂に対し、ラジカル重合性単量体混合物とラジカル
開始剤を一時に添加して行なってもよいし、別々に一定
時間を要して滴下した後、更に一定時間撹拌下に加温を
継続して反応を進行せしめてもよい。また、モノマーの
一部をさきに一時に添加しておいてから残りのモノマ
ー、開始剤を別々に一定時間を要して滴下した後、更に
一定時間撹拌下に加温を継続して反応を進行させること
も必要に応じて行なわれる。
【0021】反応に先立って、ポリエステル樹脂と溶剤
を反応機に投入し、撹拌下に昇温して樹脂を溶解させ
る。ポリエステル樹脂と溶媒の重量比率は70/30な
いし30/70の範囲であることが望ましい。この場
合、重量比率は後述する共重合ポリエステルとラジカル
重合性モノマーの反応性や溶剤溶解性を考慮して、重合
工程中均一に反応が行える重量比率に調節される。グラ
フト化反応温度は50℃ないし120℃の範囲で行なわ
れることが望ましい。本発明の目的に適合する望ましい
ポリエステル樹脂とラジカル重合性単量体の重量比率は
ポリエステル/ラジカル重合性単量体の表現で40/6
0〜95/5の範囲であり、更に望ましくは55/45
〜93/7、最も望ましくは60/40〜90/10の
範囲である。ポリエステルの重量比率が40重量%未満
であるとき、既に説明した母体ポリエステルの優れた性
能即ち高い加工性、優れた耐水性、各種基材への優れた
密着性を充分に発揮することが出来ず、逆にアクリル樹
脂の望ましくない性能即ち低い加工性、光沢、耐水性等
を付加してしまうことになる。ポリエステルの重量比率
が95重量%以上であるときは、親水性化を受け持つラ
ジカル重合性単量体グラフト枝鎖のカルボキシル基量が
不足し、良好な水分散体を得ることが出来ない。
【0022】(反応溶媒)本発明で使用されるグラフト
化反応溶媒は沸点が50〜250℃の水性有機溶媒から
構成されることが好ましい。ここで水性有機溶媒とは2
0℃における水に対する溶解性が少なくとも10g/l
以上、望ましくは20g/l以上であるものをいう。沸
点が250℃を超えるものは、余りに蒸発速度がおそ
く、塗膜の高温焼付によっても充分に取り除くことが出
来ないので不適当である。また沸点が50℃以下では、
それを溶媒としてグラフト化反応を実施する場合、50
℃以下の温度でラジカルに解裂する開始剤を用いねばな
らないので取扱上の危険が増大し、好ましくない。
【0023】(水分散化)本発明にかかわるグラフト化
反応生成物は塩基性化合物で中和することが好ましく、
中和することによって容易に平均粒子径500nm以下
の微粒子に水分散化することが出来る。塩基性化合物と
しては塗膜形成時、或は硬化剤配合による焼付硬化時に
揮散する化合物が望ましく、アンモニア、有機アミン類
などが好適である。望ましい化合物の例としては、トリ
エチルアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジ
メチルエタノ−ルアミン、アミノエタノールアミン、N-
メチル-N,N- ジエタノールアミン、イソプロピルアミ
ン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチ
ルアミン、3-エトキシプロピルアミン、3-ジエチルアミ
ノプロピルアミン、sec-ブチルアミン、プロピルアミ
ン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロ
ピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3-メト
キシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミンなどを挙げることが
出来る。塩基性化合物は、グラフト化反応生成物中に含
まれるカルボキシル基含有量に応じて、少くとも部分中
和、若しくは、完全中和によって水分散体のpH値が
5.0〜9.0の範囲であるように使用するのが望まし
い。
【0024】水分散化の実施に際してはグラフト化反応
生成物中に含有される溶媒をあらかじめ減圧下のエクス
トルダ−などにより除去してメルト状、若しくは固体状
(ペレット、粉末など)のグラフト化反応生成物を塩基
性化合物を含有する水中へ投じて加熱下撹拌して水分散
体を作成することも出来るが、最も好適には、グラフト
化反応を終了した時点で直ちに塩基性化合物を含有する
水を投入し、さらに加熱撹拌を継続して水分散体を得る
方法(ワン・ポット法)が望ましい。更に溶媒の沸点が
100℃以下の場合、グラフト化反応に用いた溶媒を蒸
留によって一部又は全部を容易に取り除くことが出来
る。本発明の水系分散体の好ましい固形分濃度は20〜
60重量%であり、必要に応じて水を添加し希釈して用
いることができる。
【0025】(水系分散体の特徴)また本発明の水系分
散体はそのものを塗膜化したとき、接触角が20〜50
度の範囲にあることが望ましい。20度未満では親水性
が強すぎるため,塗料化したときの塗膜に悪影響を及ぼ
す。また50度を超えると、後述するアミノ樹脂と相溶
化が進み、目的とする耐水性が発現しない。本発明の水
系分散体は、原料として重量平均分子量500〜500
00である共重合ポリエステルを用いることが好まし
い。重量平均分子量が5000未満であると乾燥塗膜の
後加工性などの樹脂物性が低下する傾向がある。さらに
重量平均分子量が更に低いと、共重合ポリエステルそれ
自身が水溶化しやすく、後述するコア・シェル構造を形
成しない。また、重量平均分子量50000を超える共
重合ポリエステルでは水分散化しにくくなる傾向があ
る。
【0026】本発明の水系分散体では、ラジカル重合性
単量体の重合物の重量平均分子量は500〜50000
であるのが好ましい。ラジカル重合性単量体の重合物の
重量平均分子量を500未満にコントロールすることは
一般に困難であり、グラフト効率が低下し、共重合ポリ
エステルへの親水性基の付与が十分に行なわれない傾向
がある。また、ラジカル重合性単量体のグラフト重合物
は分散粒子の親水層を形成するが、十分な厚みの親水層
をもたせ、安定な分散体を得るためにはラジカル重合性
単量体のグラフト重合物の重量平均分子量は500以上
であることが望ましい。またラジカル重合性単量体のグ
ラフト重合物の重量平均分子量の上限は溶液重合におけ
る重合性の点で50000が好ましい。この範囲内での
分子量のコントロールは開始剤量、モノマー滴下時間、
重合時間、反応溶媒、モノマー組成あるいは必要に応じ
て連鎖移動剤や重合禁止剤を適宜組み合わせることによ
り行なうことが出来る。
【0027】本発明にかかわる水系分散体は、レーザー
光散乱法により測定される平均粒子径は500nm以下
であり半透明ないし乳白色の外観を呈する。本発明で得
られる水系分散体は重合方法の調整により多様な粒子径
の水系分散体が得られるが、この粒子径は10nm〜5
00nmが適当である。500nmを超えると造膜時に
表面光沢の低下がみられることがある。
【0028】本発明の水系分散体の13C NMRの測定
を行なうと共重合ポリエステルのエステル部のカルボニ
ル基のシグナルの半値幅は300Hz以上と大きく、ま
た塩基性化合物により中和されたカルボキシル基含有ラ
ジカル重合性単量体を含有するラジカル重合性単量体の
重合体のカルボキシル基のシグナルの半値幅は150H
z以下と小さく観測される。一般にNMRでは測定溶媒
中に溶解している樹脂より観測されるシグナルの半値幅
は小さく、測定溶媒に不溶である樹脂より観測されるシ
グナルの半値幅は大きく観測される。このことから本発
明の水系分散体では本来水に分散または溶解しない共重
合ポリエステル樹脂が凝集状態でコア部として存在し、
その周りを水に溶解する塩基性化合物により中和された
カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体を含有するラ
ジカル重合性単量体の重合体がシェル部として包み込ん
だ構造になっており、微小な粒子状態でコア・シェル構
造を発現している。コア・シェル構造とは、分散媒に不
溶で凝集状態にある樹脂からなるコア部を分散媒に可溶
で溶解状態にある樹脂からなるシェル部で包み込んだ二
層の粒子構造をいう。この構造は分散媒への溶解性が異
なる樹脂がお互いに化学結合したものの分散体に対して
特徴的に現われる構造であり、単に分散媒への溶解性が
異なる樹脂の混合によっては発現し得ない構造である。
また単に分散媒への溶解性が異なる樹脂の混合物では、
500nm以下の粒子径をもつ水系分散体としては存在
しえない。
【0029】分散体粒子にこの様な構造をもたせること
により、様々な水分散体としての特徴が認められる。一
つは水分散体の安定性であり、高分子共重合ポリエステ
ルの水系分散化に際し、他の水系分散体に良く用いられ
る乳化剤や有機共溶媒を用いなくても安定な水系分散体
を与える。このことはシェル部の樹脂が十分な親水層を
形成し、分散粒子を保護するためである。またこの水系
分散体は十分に厚いシェル部をもつため再分散性に優れ
ている。ここで再分散性とは水系分散体より形成される
皮膜が、室温で水及び有機溶媒を失ったのち、再び水も
しくは水系分散体原液に分散しうる性質を意味し、塗料
用途の水系樹脂には非常に重視される特性である。再分
散性に欠けるものは、水分散体が塗料、コーティング材
などに利用される場合、コーティング作業中に一部形成
される乾燥部分が再び塗液に分散しないためにコーティ
ング皮膜に欠陥をもたらしたりローラーやスプレーガン
に詰まりを発生させることがある。そして、一旦加熱乾
燥により処理されると塗膜はこの構造を失い均一とな
り、コア部のポリエステルのもつ優れた加工性、付着性
と耐水性を発現する。
【0030】(硬化剤)本発明で使用する硬化剤として
は、そのものを塗膜化したときに測定される接触角が7
0〜90度を示すものである。70度未満では目的とす
る耐水性が発現しえない。硬化剤として好ましいのはベ
ンゾグアナミン系アミノ樹脂であり、具体的には、たと
えばメトキシ化ベンゾグアナミン、ブトキシ化ベンゾグ
アナミン、メトキシ化/ブトキシ化混合ベンゾグアナミ
ン等のアルコキシ化ベンゾグアナミン、メトキシ化メチ
ロールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールベンゾ
グアナミン等のアルコキシ化メチロールベンゾグアナミ
ン、メトキシ化メチロールイミノベンゾグアナミン、ブ
トキシ化メチロールイミノベンゾグアナミン等のアルコ
キシ化メチロールイミノベンゾグアナミン等が挙げられ
る。また必要に応じて尿素、メラミンなどのホルムアル
デヒド付加物、さらにこれらの炭素原子数が1〜6のア
ルコールによるアルキルエーテル化合物を挙げることが
できる。具体的にはメトキシ化メチロール尿素、メトキ
シ化メチロール−N,N-エチレン尿素、メトキシ化メチロ
ールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールメラミ
ン、ブトキシ化メチロールメラミンなどを併用して使用
することができる。
【0031】アミノ樹脂の配合量は、一般に本発明の水
系分散体100部(固形分)に対して硬化用樹脂5〜5
0部(固形分)、望ましくは10〜40部が配合され
る。5部未満であると塗膜強度が低下し、また50部を
超えると塗膜が硬くなり過ぎ好ましくない。硬化反応
は、硬化剤の種類に応じて60〜250℃の温度範囲で
1〜60分間程度加熱することにより行われる。必要の
場合、反応触媒や促進剤も併用される。本発明の水系分
散体には、顔料、染料、各種添加剤などを配合すること
が出来る。本発明の水系分散体は、他の水性樹脂、水系
分散体と混合使用することができ、その加工性を向上せ
しめることが出来る。さらに本発明にかかわる水系分散
体を基材とした塗料は、再分散性に優れているので、デ
ィップコート法、はけ塗り法、ロールコート法、スプレ
ー法のすべてに適用可能性を有している。
【0032】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらによって限定されるもので
はない。実施例中、単に部とあるのは重量部を表し、%
とあるのは重量%を示す。実施例1〜6および比較例1
〜4で得られた硬化塗膜について、以下の方法に従い、
塗膜物性試験を行ない表2に示した。
【0033】各試験方法は次の通りである。 (1) 硬化塗膜接触角 塗膜面の水の接触角は、接触角測定装置(協和界面科学
(株)Face)を用いて、水滴滴下後約30秒で測定し
た。また、水分散体B-1 〜B-3 とベンゾグアナミン樹脂
C-1 〜C-5 の接触角は、各々を20℃で加熱乾燥させて
生成した塗膜表面の測定値である。 (2) 硬化塗膜耐レトルト性 塗装板を130 ℃水蒸気下、30分処理した後、光沢保持
率(%)で評価した。光沢保持率は次式により算出し
た。 光沢保持率(%)=(処理後の光沢/処理前の光沢)×
100 (3) 硬化塗膜付着性 ASTMD-3359に準拠した。 (4) 硬化塗膜光沢 60度反射率を測定した。評価は目視にて判定した。
【0034】(5) 硬化塗膜耐マジック汚染性 エタノールを含浸させたガーゼで、黒、赤、青のマジッ
クで着色した硬化塗膜を拭き、マジックの残り具合か
ら、耐マジック汚染性を3段階評価で評価した。点数の
高い方が良好である。 (6) 硬化塗膜屈曲性 塗装鋼鈑を180度折り曲げ屈曲部に発生する割れを10倍
のルーペで観察し判定した。0Tとは、折り曲げ部に同じ
板厚のものを0枚挟んだ(即ち、何も挟まない)場合で
も屈曲部に割れを発生しない場合を示す。
【0035】ポリエステル樹脂の製造例 攪拌器、温度計および部分還流式冷却器を具備したステ
ンレススチール製オートクレーブにジメチルテレフタレ
ート 461部、ジメチルイソフタレート 461部、3-メチル
-1,5- ペンタンジオール 649部、エチレングリコール 3
41部、およびテトラ-n- ブチルチタネート 0.52 部を仕
込み、160 〜220 ℃まで4時間かけてエステル交換反応
を行なった。次いでフマル酸29部を加え、200 〜220 ℃
まで1時間かけて昇温し、反応系を徐々に減圧したのち
0.2mmHgの減圧下で1時間30分反応させ、ポリエステル
(A-1)を得た。得られたポリエステル(A-1)は淡黄
色透明であった。NMR 等により測定した組成は次の通り
であった。 ジカルボン酸成分 テレフタル酸 47モル% イソフタル酸 48モル% ジオール成分 3-メチルペンタンジオール 80モル% エチレングリコール 20モル% 同様の方法により表1に示した種々のポリエステル(A-
2)を製造した。各ポリエステルの分子量とNMR等によ
り測定した組成分析結果を表1に示す。表中各成分はモ
ル数を示す。
【0036】水分散体製造例 1 攪拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応
器にポリエステル樹脂(A-1)300 部、メチルエチルケ
トン360 部、イソプロピルアルコール120 部をいれ、加
熱、攪拌し還流状態で樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶
解した後、アクリル酸35部とアクリル酸エチル65部とオ
クチルメルカプタン1.5 部の混合物、アゾビスイソブチ
ロニトリル6部を、メチルエチルケトン90部、イソプロ
ピルアルコール30部の混合液に溶解した溶液とを、1.5
時間かけてポリエステル溶液中にそれぞれ滴下し、さら
に3時間反応させ、グラフト体溶液を得た。このグラフ
ト溶液を室温まで冷却した後、トリエチルアミン59部を
添加し中和した後にイオン交換水800 部を添加し30分間
攪拌した。その後、加熱により媒体中に残存する溶媒を
溜去し水分散体(B-1)とした。生成した水分散体は乳
白色で平均粒子径90nm、25℃におけるB型粘度は110cps
であった。
【0037】水分散体製造例 2 攪拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応
器にポリエステル樹脂(A-2)300 部、メチルエチルケ
トン360 部、イソプロピルアルコール120 部をいれ、加
熱、攪拌し還流状態で樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶
解した後、アクリル酸65部とアクリル酸エチル35部とオ
クチルメルカプタン1.5 部の混合物、アゾビスイソブチ
ロニトリル6部を、メチルエチルケトン90部、イソプロ
ピルアルコール30部の混合液に溶解した溶液とを、1.5
時間かけてポリエステル溶液中にそれぞれ滴下し、さら
に3時間反応させ、グラフト体溶液を得た。このグラフ
ト溶液を室温まで冷却した後、トリエチルアミン109 部
を添加し中和した後にイオン交換水800 部を添加し30分
間攪拌した。その後、加熱により媒体中に残存する溶媒
を溜去し水分散体(B-2)とした。生成した水分散体は
乳白色であった。
【0038】水分散体製造例 3 攪拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応
器にポリエステル樹脂(A-2)300 部、メチルエチルケ
トン360 部、イソプロピルアルコール90部、マレイン酸
無水物32部、フマル酸ジブチル40部をいれ加熱、攪拌し
還流状態で樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、
スチレン28部とオクチルメルカプタン5部の混合物、ア
ゾビスイソブチロニトリル6部を、メチルエチルケトン
120 部、イソプロピルアルコール30部の混合液に溶解し
た溶液とを、1.5 時間かけてポリエステル溶液中にそれ
ぞれ滴下し、さらに3時間反応させ、グラフト体溶液を
得た。このグラフト溶液にエタノール100 部を添加し、
30分間還流状態でグラフト体側鎖中のマレイン酸無水物
と反応させた後、室温まで冷却した。次いでこれにトリ
エチルアミン50部を添加し中和した後にイオン交換水80
0 部を添加し30分間攪拌した。その後、加熱により媒体
中に残存する溶媒を溜去し水分散体(B-3)とした。生
成した水分散体は乳白色であった。
【0039】実施例 1 水分散体(B-1)100 固形部に対して、イミノ基タイプ
ベンゾグアナミン樹脂(マイコート105 、三井サイアナ
ミッド(株)製)(C-1)を40固形部、パラトルエンス
ルフォン酸を0.4 部、イソプロピルアルコールを300 部
加え塗料化した。次いで、TFS 板上に乾燥後の膜厚が5
mmになるように塗布し、200 ℃で1分焼き付け、硬化塗
膜を得た。この塗膜特性を表2に示した。
【0040】実施例 2〜6 実施例1と同様の方法で、水分散体B-1〜B-2とイミノ
基タイプベンゾグアナミン樹脂(マイコート105 、三井
サイアナミッド(株)製)(C-1)、完全アルキル基タ
イプベンゾグアナミン樹脂(サイメル1123、三井サイア
ナミッド(株)製)(C-2)、メチロール基タイプベン
ゾグアナミン樹脂(マイコート102 、三井サイアナミッ
ド(株)製)(C-3)、イミノ基タイプベンゾグアナミ
ン/メラミン混合樹脂(マイコート101 、三井サイアナ
ミッド(株)製)(C-4)を各々表2のように組み合わ
せて塗料化し、硬化塗膜を得た。
【0041】比較例 1〜2 実施例1と同様の方法で、水分散体B-3とベンゾグアナ
ミン樹脂C-1〜C-2を各々表2のように組み合わせて塗
料化し、硬化塗膜を得た。
【0042】比較例 3〜4 実施例1と同様の方法で、水分散体B-1、B-3と水溶性
メチル化メチロールメラミン樹脂(スミマールM-40W 、
住友化学工業(株)製)(C-5)を各々表2のように組
み合わせて塗料化し、硬化塗膜を得た。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明の塗料用樹脂組成物は水分散化し
た共重合ポリエステル系水分散体と、特定のアミノ樹脂
硬化剤を含むため、 1)耐水性、硬度、可撓性のバランスの取れた塗膜を形成
する。 2)有機溶媒をほとんど含まない。 3)再分散性に優れ、塗装作業性に優れている。 4)塗膜の金属付着性に優れており、苛酷な飲料缶製造工
程や流通段階での衝撃にも耐え、塗膜剥離を生じない、
等の特徴を有している。さらに接触角が大きく異なる塗
膜を形成する親水性の異なる樹脂を配合するため、 5)塗膜の表層部分に特定のアミノ樹脂が偏在化し、硬度
と耐水性を大幅に向上させる、等の特徴を有している。 これは、飲料缶用水系外面塗料として最適である。この
ような特徴を活かして缶塗料用途に留まらず、金属、ガ
ラス、プラスチックのフイルムや成形品等の塗料、コー
ティング剤として使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒木 良夫 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 大口 正勝 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接触角が20〜50度を示す塗膜を形成
    し得る共重合ポリエステル系水分散体と、接触角が70
    〜90度を示す塗膜を形成し得る硬化剤とを含み、焼き
    付け硬化により形成した塗膜の接触角が70〜90度を
    示すことを特徴とする水分散型塗料用樹脂組成物。
JP7173674A 1995-07-10 1995-07-10 水分散型塗料用樹脂組成物 Pending JPH0925450A (ja)

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