JP4604674B2 - ガスバリア性透明積層体 - Google Patents

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本発明は、食品、日用品および医薬品等の包装分野に用いられる包装用の積層体、または電子機器関連部材などに用いられる積層体に関するもので、特に高いガスバリア性が必要とされる包装分野または電子機器部材・包装分野等に関する。
食品や日用品及び医薬品等の包装に用いられる包装材料は、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これらを遮断するガスバリア性等を備えることが求められている。通常のガスバリアレベルのものについては、高分子の中では比較的にガスバリア性に優れる塩化ビニリデン樹脂のフィルムまたはそれらをコーティングしたフィルム等が良く用いられてきたが、これらは高度なガスバリア性が要求されるものについては使用不可である。そのため上記の様な要求があるものについては、アルミ等の金属からなる金属箔等をガスバリア層として用いた包装材料を用いざるを得なかった。ところが、アルミ等の金属からなる金属箔等を用いた包装材料は、温度・湿度の影響がなく高度なガスバリア性を持つが、包装材料を透視して内容物を確認することができないこと
、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならないこと、検査の際金属探知器が使用できないことなど数多くの欠点を有し問題があった。
そこで、これらの欠点を克服した包装材料として、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物をプラスチックフィルム上に、真空蒸着法やスパッタリング法等の形成手段により蒸着膜を成膜したフィルムが上市されている。これらの蒸着フィルムは透明性及び酸素、水蒸気等のガス遮断性を有していることが知られ、金属箔等では得ることのできない透明性、ガスバリア性を有する包装材料として好適とされている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、上述した包装用材料に適するフィルムであっても、包装容器または包装材として、蒸着フィルム単体で用いられることはほとんどなく、蒸着後の後加工として蒸着フィルム表面に文字・絵柄等を印刷加工またはヒートシールフィルム等との貼り合わせ、容器等の包装体への形状加工などさまざまな工程を経て包装体を完成させている。
そこで、上述した蒸着フィルム等を用いてヒートシールフィルムと貼り合わせ製袋後、酸素透過率や水蒸気透過率等のガスバリア性を測定したところ、高分子ガスバリア性フィルム並のガスバリア性は有するもの、後加工によるバリア性劣化により、金属箔並のガスバリア性を達成することはできなかった。すなわち、高度なガスバリア性を要求される包装材料として用いられる条件として、内容物を直接透視することが可能なだけの透明性、後加工に対するバリア耐性を備えた上での内容物に対して影響を与える気体等を遮断する金属箔並みの高いガスバリア性等を要求されている。
このような課題を解決する技術として、無機化合物からなる蒸着層を第1層とし、水溶性高分子と、1種類以上の金属アルコキシド或いは金属アルコキシド加水分解物又は、塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、あるいは水アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性皮膜を第2層として順次積層したガスバリア包材が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。このガスバリア包材は、高いガスバリア性を示し、かつ耐水性、耐湿性を有するとともにある程度の変形に耐えられる。しかし、該ガスバリア包材のガスバリア性皮膜は、無機化合物からなる蒸着層からなるため、包装容器または包装材料とする際の後加工条件によっては、透明積層体が応力により劣化するため、積層界面の強度低下し、バリア性が若干低下することがある。
以下に公知文献を記す。
米国特許第3442686明細書 特公昭63−28017号公報 特開平07−164591号公報
本発明は以上のような従来技術の課題を解決しようとするものであり、幅広い後加工条件で後加工でき、透明性に優れるため内容物が透視可能で且つ金属探知器が使用でき、屈曲耐性に優れ、さらに高温高湿下での高いガスバリア性を持つ包装材料として最適なガスバリア包材を提供することを目的とする。
本発明はこのような目的を達成するためになされたものであり、 本発明の請求項1に係る発明は、透明プラスチック材料からなるプラスチック基材の少なくとも片面に、厚さ5nm以上300nm以下の無機酸化物からなるガスバリア性蒸着薄膜層(A層)、続いてその上に重合しうるアクリル系のモノマー、またはモノマーとオリゴマーの混合物を厚
さ0.02μm以上0.2μm以下となるようにフラッシュ蒸着法にて硬化させてなるガスバリア性被膜層(B層)を順次積層し、さらに前記被膜層(B層)表面をプラズマ処理してなる積層体を少なくとも含むことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の透明積層体において、重合しうるアクリル系のモノマー、またはモノマーとオリゴマーの混合物が少なくともモノアクリレートおよび/またはジアクリレートを配合してなることを特徴とする。
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1から2いずれか記載の透明積層体において、B層表面を少なくとも不活性ガス1種類および25℃/1気圧の環境下において気体状態である不活性ガス以外のガス1種類を含む混合ガスを導入してプラズマ処理したことを特徴とする。
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1から3いずれか記載の透明積層体において、B層の硬化方法として、電子線および/または紫外線照射によるものであることを特徴とするガスバリア性を有する。
さらにまた、請求項5に記載の発明は、請求項1から4いずれか記載の透明積層体において、A層が酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムあるいはそれらの混合物であることを特徴とする。
さらにまた、請求項6に記載の発明は、請求項1から5いずれか記載の透明積層体において、アクリル系のモノマー、もしくはモノマーとオリゴマーの混合物の粘度が200[mPa・s/25℃]以下、より好ましくは100[mPa・s/25℃]以下であることを特徴とする。
さらにまた、請求項7に記載の発明は、請求項1から6いずれか記載の透明積層体において、アクリル系のモノマー、もしくはモノマーとオリゴマーの混合物の皮膚刺激性(PII)が2.0以下であることを特徴とする。
本発明によれば、透明プラスチックプラスチック基材の少なくとも片面にガスバリア層として、無機酸化物層(A層)/ガスバリア性被膜層(B層)を少なくとも含む積層体を用いているので、透明性に優れ、包材を通しての内容物の確認が可能で、かつ高度なガスバリア性を持つ汎用性のある包装材料が得られ、包装分野および電子機器部材として、幅広い使用が可能である。
本発明について図面を用いて更に詳細に説明する。図1は本発明のバリア性を有する透明積層体の一例を示した断面図である。
まず、図1に一例として示した本発明のガスバリア性を有する透明積層体(1)は、プラスチック基材2がプラスチック材料からなるフィルムプラスチック基材であり、その少なくとも片面に無機酸化物からなる蒸着薄膜層(A層)(3)、ガスバリア性被膜層(B層)(4)を順次積層し、さらにB層表面にプラズマ処理層(5)を形成したものである。
上述したプラスチック基材(2)は透明プラスチック材料であり、蒸着薄膜層の透明性を生かすために透明なフィルムが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)およびポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ乳酸フィルムなどの生分解性プラスチックフィルム等が用いられ、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。これらをフィルム状に加工して用いられる。特に耐熱性等の面から二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。またこのプラスチック基材(2)の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良く、薄膜との密着性を良くするために、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理を施しておいても良く、さらに薬品処理、溶剤処理などを施しても構わない。
前記プラスチック基材(2)の厚さはとくに制限を受けるものではないが、包装材料としての適性、他の層を積層する場合もあること、無機酸化物からなる蒸着薄膜層(3)、ガスバリア性ガスバリア性被膜層(4)を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3μm以上200μm以下の範囲で、用途によって6μm以上30μm以下とすることが好ましい。また、量産性を考慮すれば、連続的に各層を形成できるように長尺フィルムとすることが望ましい。
無機酸化物からなる蒸着薄膜層(3)は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、或いはそれらの混合物などの無機酸化物の蒸着膜からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよい。その中でも、特に酸化アルミニウム及び酸化珪素、酸化マグネシウムが酸素透過率及び水蒸気透過率に優れるので好ましい。ただし本発明の薄膜層(3)は、上述した無機酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることができる。
前記蒸着薄膜層(3)の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5nm以上300nm以下の範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、5nm以上100nm以下の範囲内である。
無機酸化物の前記蒸着薄膜層(3)をプラスチック基材(2)上に形成する方法としては種々あり、通常の真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式等が好ましく、薄膜とプラスチック基材の密着成及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行っても一向に構わない。
ガスバリア性被膜層(4)は、高いガスバリア性を付与するために無機酸化物からなる蒸着薄膜層(3)上にフラッシュ蒸着法にて設けられるものである。このフラッシュ蒸着法とは蒸発原料を高温蒸発源の中に少量ずつ落下させ、蒸発源直上で瞬間的に蒸発させる方法である。具体的には、重合しうるアクリル系のモノマー、もしくはモノマーとオリゴマーの混合物からなる樹脂成分を、真空下において高温蒸発源直上で瞬間的に加熱気化させた後、無機酸化物層(3)上に噴霧コーティングし、電子線及び/または紫外線照射に
より硬化させて得られるものである。紫外線照射にて硬化させる場合には、第二の成分として光重合開始剤とを混合したアクリル樹脂コーティング剤を用いる。また、上述したように無機酸化物からなる蒸着薄膜層(3)、およびガスバリア性被膜層4は共に真空下にて成膜するため、各層を連続的に積層することが可能であり、量産性に優れ、生産コストに関してもメリットが大きい。
上述したように透明積層体(1)が高いガスバリア性を付与するためには、前記ガスバリア性被膜層(4)は、重合しうるアクリル系のモノマー、もしくはモノマーとオリゴマーの混合物を、その被膜層厚みが0.02μm以上20μm以下となるように硬化させてなる被膜層を積層したことを特徴とする。これは膜厚が0.02μm未満であると均一な膜に形成することが困難となり、また、20μmを超えると硬化速度が低下し、十分に硬化させることが困難となるためである。
特に電子線硬化の場合は、ガスバリア性被膜層(4)の膜厚と電子線エネルギー条件、加工速度および除電とのバランスが重要となる。過度のエネルギー供給は帯電を引き起こし、その結果として起こる放電によりバリア性が損なわれる場合があるため注意を要する。
重合しうるアクリル系のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アクリルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、シリコーンアクリレート、ポリアセタールアクリレート、ポリブタジエン系アクリレート、メラミンアクリレートなどの重合性二重結合を有するモノマーあるいはオリゴマーをあげることができる。また、モノマーあるいはオリゴマーとしては、その反応性官能基の保有数に応じて一官能、二官能、三官能、及びそれ以上の多官能のものを適宜選定して用いることができる。これらモノマーあるいはオリゴマーは、二種類以上を混合して用いることができるが、少なくともモノアクリレートおよび/またはジアクリレートを混合して用いることが望ましい。まず、モノアクリレートは水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の官能基を付与したタイプを用いることが好ましく、これは無機酸化物からなる蒸着薄膜層(3)との密着性を向上させるためである。また、ジアクリレートはガスバリア性被膜層4の基本構成物となる。さらに、ガスバリア性被膜層4の硬化度が不十分な場合には、架橋度を向上させる働きがあるトリアクリレートを混合させることが好ましい。
上述したように、フラッシュ蒸着法を用いてガスバリア性被膜層4を形成する場合には、蒸発原料であるモノマー、もしくはモノマーとオリゴマーの混合物を真空下において高温蒸発源の中に少量ずつ落下させ蒸発源直上で瞬間的に蒸発させる必要があり、モノマー、もしくはモノマーとオリゴマーの混合物の粘度が高すぎると蒸発源の中に少量ずつ一定速度で落下させることが困難となるため、その粘度を200[mPa・s/25℃]以下、より好ましくは100[mPa・s/25℃]以下とすることが望ましい。このように、モノマー、もしくはモノマーとオリゴマーの混合物の粘度を低くするためには、上述したモノアクリレートおよびジアクリレートは一般的に3官能以上の多官能アクリレートと比較して粘度が低いため、ガスバリア性被膜層(4)を形成するモノマー、もしくはモノマーとオリゴマーの混合物として用いることが好ましい。
さらにまた、請求項1から請求項7に記載した透明積層体は、食品、日用品および医薬品等の包装分野にも用いられるため、上述したアクリル系のモノマー、オリゴマーは皮膚刺激性(PII)が2.0以下であることが望ましい。
紫外線硬化を行う場合に添加する光重合開始剤としては、例えばベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、キサントン類、アセトフェノン誘導体等を、上記モノマー、もしくはモノマーとオリゴマーの混合物に対して0.01重量%以上10重量%以下、好ましくは0.1重量%以上2重量%以下を用いる。
本発明のガスバリア性を有する透明積層体1は、ガスバリア性被膜層(B層)(4)の表面にプラズマ処理層(5)を形成したものである。
ガスバリア性被膜層(4)表面のプラズマ処理は、ガスバリア性被膜層(4)中の未硬化アクリルモノマーを除去して硬化度を向上し、さらに、後述するようなガスバリア性被膜層(4)上に印刷層、外側プラスチック基材層、中間層、ヒートシール層等を積層する際に、両層間の密着性を向上させるために行う。
プラズマ処理の方法としては種々あるが、プラズマ処理用のガスをDC電源もしくはRF電源を用いてプラズマ化することが、安価に上述した処理効果を発現することができるため望ましい。また、プラズマ処理用のガスとして特に制限はないが、未硬化アクリルモノマーを効率良く除去するため、少なくとも水素、酸素、窒素、フッ素、二酸化炭素のうちの1種類と、プラズマを連続的に安定して発生させるために、少なくとも不活性ガス1種類とを含む混合ガスを使用することが望ましい。
また、上述したようにガスバリア性被膜層(4)を形成するアクリル系のモノマー、オリゴマーとしてはモノアクリレートおよび/またはジアクリレートを混合して用いることが望ましいが、これらモノアクリレートおよびジアクリレートは3官能以上の多官能アクリレートと比較してフラッシュ蒸着後にその一部が未硬化モノマーとしてガスバリア性被膜層(4)中に残留してしまう可能性が高いため、この未硬化モノマーを除去する効果のある上記プラズマ処理はモノアクリレートおよび/またはジアクリレートを用いる際には特にその処理効果が発揮される。
さらにまた、本発明の積層体を含む包装材を食品用途に使用する場合には、残留アクリルモノマーが衛生性として問題となるため、未硬化アクリルモノマーを除去できる本発明記載のプラズマ処理が特に有効な手段となる。
さらに、プラズマ処理を施したガスバリア性被膜層(4)上に他の層を積層することも可能である。例えば印刷層、外側プラスチック基材層、中間層、ヒートシール層等である。
図2は、本発明の一実施例の層構成である。該層構成では、本発明のガスバリア性を有する透明積層体(1)のプラズマ処理層(5)面に、印刷層(11)と、外側プラスチック基材層(12)とを順次積層し、さらに、透明積層体(1)のプラスチック基材(2)面に、中間層(13)と、ヒートシール層(14)と順次積層したものである。
前記印刷層(11)は、包装袋などとして実用的に用いるために形成されるものであり、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層であり、文字、絵柄等が形成されている。インキタイプとしては、表刷りタイプ及び裏刷りタイプ等どちらでも構わない。印刷層の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアーコート等の周知の塗布方式を用いることができる。厚さは0.1μm以上2.0μm以下で良い。
また、前記外側プラスチック基材層(12)は、ガスバリア層が中間層として用いられ
る場合の印刷プラスチック基材等に用いられるもので、一般的に機械的強度の面からポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が好ましく用いられ、特に二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム等がより好ましい。
外側プラスチック基材層(12)の厚さは、材質や要求品質に応じて決められるが、一般的に5μm以上50μm以下の範囲内である。またその形成方法としては、2液硬化型ウレタン系樹脂等の接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、エキストルーションラミネート法等の公知の方法により積層できる。
前記中間層(13)は、袋状包装体とした場合の破袋強度や突き刺し強度を高めるために設けられるもので、一般的に機械強度及び熱安定性の面から二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの内から選ばれる一種である必要がある。
中間層(13)の厚さは、材質や要求品質に応じて決められるが、一般的に5μm以上50μm以下の範囲内である。またその形成方法としては、2液硬化型ウレタン系樹脂等の接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、エキストルーションラミネート法等の公知の方法により積層できる。
前記ヒートシール層(14)は、袋状包装体などを形成する際に接着層として設けられるものである。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15μm以上200μm以下の範囲である。形成方法としては、上記樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン樹脂などの接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法等を用いることが一般的であるがいずれも公知の方法により積層することができる。
以下、本発明のガスバリア透明積層体を具体的な実施例を挙げて更に説明する。
プラスチック基材(2)として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、電子線加熱方式による真空蒸着装置を用いて金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入して酸化アルミニウムを蒸着し、厚さ15nmの無機酸化物層(A層)(3)を形成した。次にガスバリア性被膜層4として、表1に示す配合条件No.1のコーティング剤を使用し、フラッシュ蒸着法を用いて厚さ0.2μmの被膜層(B層)を形成した。続いて、DC電源を用いて窒素/アルゴン=1/1の混合ガスをプラズマ化して被膜層(B層)表面をプラズマ処理し、本発明のガスバリア性透明積層体を得た。
プラズマ処理において、アルゴン単体のガスを使用したこと以外は、実施例1と同様の条件により、実施例2に係る本発明のガスバリア性透明積層体を得た。以下に、比較例として、比較例1〜3を実施した。
<比較例1>
プラズマ処理を施さなかったこと以外は、実施例1と同様の条件により、比較例1に係
る本発明のガスバリア性透明積層体を得た。
<比較例2>
表1に示す配合条件No.2のコーティング剤を使用したこと以外は、実施例1と同様
の条件により、比較例2に係る本発明のガスバリア性透明積層体を得た。
<比較例3>
被膜層(B)を形成せず、さらにプラズマ処理も施さなかったこと以外は、実施例1と
同様の条件により、比較例3に係る本発明のガスバリア性透明積層体を得た。
各透明積層体単体の被膜層(B)上に、裏刷り用ウレタン系インキを使用して、グラビア印刷法により印刷層を設け、後加工サンプルを得た。
各透明積層体単体と各後加工サンプルについて、酸素透過度[cc/m2・day・a
tm]をMOCON社製OXTRANにて測定した。それらの結果を表1に示した。
また、各透明積層体単体について、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)第3のDの2「合成樹脂製の器具又は容器包装の材質別規格」に準拠した一般規格の溶出試験(浸出条件:95℃/30分, 浸出溶液:水)を実施し、過マンガン酸カリウム消費量を測定した。それらの結果を同じく表1に示した。なお、本溶出試験における過マンガン酸カリウム消費量の規格は10ppm以下であり、検出限界は0.5ppmである。この過マンガン酸カリウムは被膜層(B)中もしくは層表面に残留しているアクリル系のモノマーおよびオリゴマーと反応して消費されるため、この消費量が大きいほどモノマーおよびオリゴマーが残留していることとなり、衛生性において問題となる。
各透明積層体単体および印刷後の後加工サンプルの酸素バリア性について良否判定を行い、総合評価をした。評価結果は下記の表1に記す。
Figure 0004604674
なお、総合評価の基準は下記に記す。
総合評価に当たっては、透明積層体単体のバリア性が良好で印刷後もそれほど大きなバリア劣化が起こらなかったものを○(良好)、○(良好)と比較すると透明積層体単体のバリア性は若干劣るが、印刷後のバリア性がそれほど大きく劣化しなかったものを△、印刷後のバリア性が大きく劣化したものを×(不良)とした。本発明の実施例1および2と比較例1は、すべての項目で良好な結果である。
本発明のガスバリア性透明積層体の部分側断面図である。 本発明のガスバリア性透明積層体の一実施例を示す部分側断面図である。
1…透明積層体
2…(プラスチック)基材
3…(無機酸化物からなる)蒸着薄膜層(A層)
4…(ガスバリア性)被膜層(B層)
5…プラズマ処理層
11…印刷層
12…外側プラスチック基材層
13…中間層
14…ヒートシール層

Claims (7)

  1. 透明なプラスチック材料からなるプラスチック基材の少なくとも片面に、厚さ5nm〜300nmの無機酸化物からなるガスバリア性蒸着薄膜層(A層)と、続いて、その上に重合しうるアクリル系のモノマー、又はモノマーとオリゴマーの混合物を厚さ0.02μm〜0.2μmとなるようにフラッシュ蒸着法にて硬化させてなるガスバリア性被膜層(B層)を順次積層し、さらに前記ガスバリア性被膜層(B層)表面をプラズマ処理してなる積層体を少なくとも含むことを特徴とするガスバリア性を有する透明積層体。
  2. 前記重合しうるアクリル系のモノマー、又はモノマーとオリゴマーの混合物が、少なくともモノアクリレート及び/又はジアクリレートを配合してなることを特徴とする請求項1記載のガスバリア性を有する透明積層体。
  3. 前記ガスバリア性被膜層(B層)表面を、少なくとも不活性ガス1種類及び25℃/1気圧の環境下において気体状態である不活性ガス以外のガス1種類を含む混合ガスを導入してプラズマ処理したことを特徴とする請求項1、又は2記載のガスバリア性を有する透明積層体。
  4. 前記ガスバリア性被膜層(B層)の硬化方法として、電子線及び/又は紫外線照射によるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のガスバリア性を有する透明積層体。
  5. 前記ガスバリア性蒸着薄膜層(A層)が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムあるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のガスバリア性を有する透明積層体。
  6. 前記重合しうるアクリル系のモノマー、又はモノマーとオリゴマーの混合物の粘度が、200mPa・s/25℃以下、より好ましくは100mPa・s/25℃以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のガスバリア性を有する透明積層体。
  7. 前記アクリル系のモノマー、又はモノマーとオリゴマーの混合物の皮膚刺激性(PII)が、2.0以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のガスバリア性を有する透明積層体。
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