JP4941149B2 - ガスバリア性積層フィルム - Google Patents

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本発明は、食品、日用品、医薬品などの包装分野、および電子機器関連部材などの分野において、特に高いガスバリア性が必要とされる場合に、好適に用いられる透明なガスバリア性積層フィルムに関する。
食品、日用品、医薬品などの包装に用いられる包装材料や電子機器関連部材などに用いられる包装材料は、収容物の変質を抑制して、その機能や性質を包装中においても保持できるようにするため、包装材料を透過する酸素、水蒸気など、収容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これらの気体を遮断するガスバリア性を備えていることが求められている。
通常のガスバリア性を有する包装材料としては、比較的ガスバリア性に優れている塩化ビニリデン樹脂フィルムまたは塩化ビニリデン樹脂をコーティングしたフィルムなどがよく用いられてきたが、これらの包装材料は、高度なガスバリア性が要求される包装に用いることはできない。従って高度なガスバリア性が要求される場合には、アルミニウムなどの金属箔をガスバリア層として積層した包装材料を用いざるを得なかった。
アルミニウムなどの金属箔を積層した包装材料は、温度や湿度の影響が殆どなく、高度なガスバリア性を有している。しかし、こうした包装材料では、それを透視して収容物を確認することができない、使用後に不燃物として廃棄処理しなければならない、収容物の検査に金属探知器が使用できない、などの多くの欠点を有していた。
これらの欠点を克服した包装材料として、特許文献1には、透明なプラスチックフィルムからなる基材層に、透明な酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの無機酸化物の蒸着薄膜層をガスバリア層とし、その上に適宜のガスバリア性被膜層を積層してなる積層フィルムが開示されている。
また近年、次世代のFPDとして期待される電子ペーパー、有機ELなどの開発が進むなかで、これらFPDのフレキシブル化を達成するため、ガラス基板をプラスチックフィルムに置き換えたいという要求が高まっている。ガラス基板は環境由来の酸素や水蒸気による内部素子の劣化を抑制するため必要とされるガスバリア性が備わっている。しかし、上述した包装材料用のガスバリアフィルムはそのバリアレベルには達しておらず、プラスチックフィルムが適用され得る電子ペーパー、有機ELなどでは、食品包材用バリアフィルムの100倍から1万倍のガスバリア性が必要とも言われている。
このような高いガスバリア性を有するプラスチックフィルムを実現するために、電子ビーム蒸着や誘導加熱蒸着を用いた反応性蒸着法、スパッタリング法、プラズマ化学蒸着(CVD)法などのドライコーティング法により成膜された無機酸化物薄膜は、高いガスバリア性の発現が期待できるものとして検討されている。
しかしながら、上記ドライコーティング法を用いたとしても、高いガスバリア性を目指すために緻密な膜を得ようとすると、高温プロセスが必要であったり、緻密であるために膜中の応力が大きくなる傾向がある。そのため、プラスチックフィルムの使用可能な温度範囲では緻密な膜を得ることが困難であったり、プラスチックフィルムと無機酸化物薄膜との熱膨張係数の差が大きいため密着不良やクラックが発生したりする問題が生じ、高いガスバリア性の発現は容易ではない。
その中で、有機シラン化合物を用いたプラズマCVD法による酸化珪素薄膜は、高いガスバリア性を発現するバリア層として検討されており、食品包装分野では実用化されている。特許文献2には炭素濃度および、酸化珪素薄膜の組成を制御することで、密着性と透明性が改善するとの報告があるが、水蒸気バリア性は若干劣ると記載されており、高いガスバリア性を必要とする電子ペーパーや有機ELなどのFPD向けとしては、ガスバリア性が不十分である。
特開平7−164591号公報 特開平11−322981号公報
特許文献1に記載された積層フィルムは、印刷、ラミネート、製袋などの、包装材料としての通常の加工を施したときに、酸素透過度や水蒸気透過度などのガスバリア性が劣化してしまうという欠点を有していた。そのため、本発明の目的は、食品、日用品、医薬品などの包装分野や電子機器関連部材などの分野において、包装材料としての通常の加工を施してもガスバリア性が劣化しない、特に高いガスバリア性が必要とされる場合に好適に用いることができる透明なガスバリア性積層フィルムを提供することにある。
特に本発明の目的は、上述した電子ペーパーや有機ELなどのFPD向けとして、ガスバリア性が不十分である問題を解決するものであり、酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れた、透明なガスバリア性積層フィルムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、透明なプラスチックフィルムからなる基材層の両面上に、ガスバリア層と被膜層を順次積層してなるガスバリア性積層フィルムにおいて、
前記基材層の両面上に積層した各々の前記ガスバリア層は酸化珪素からなり、かつ、各々の膜厚(厚さXaおよびXb)が0.01μm以上0.1μm以下であり、
前記基材層の両面上に積層した各々の前記被膜層は、フラッシュ蒸着法を用いて重合可能な2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートとプロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレートとエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートとの60/30/10(重量%)の混合物を成膜し、紫外線または電子線を照射して硬化させてなり
前記ガスバリア層の厚さXaおよびXbと前記被膜層の厚さYaおよびYbとの関係が、下記3つの式を満たすことを特徴とするガスバリア性積層フィルムである。
0.01≦XaYa≦0.1
0.01≦XbYb≦0.1
(Xa+Xb)(Ya+Yb)=0.04〜0.4
(式中、XaおよびYa、XbおよびYbは、各々前記基材層の同一面に積層したガスバリア層および被膜層の厚さを示し、単位はμmである)
請求項2に記載の発明は、前記基材層の両面上に積層した各々の前記ガスバリア層がプラズマ化学蒸着(CVD)法により形成されたことを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層フィルムである
請求項に記載の発明は、前記基材層の両面上に積層した各々、もしくは、どちらか一方の前記被膜層の表面がプラズマ処理されていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルムである。
本発明によれば、食品、日用品、医薬品などの包装分野や、電子機器関連部材などの分野において、包装材料としての通常の加工を施してもガスバリア性が劣化せず、また包装材料を透視して収容物を確認することができ、また、FPD向けとして特に高いガスバリア性が必要とされる場合に好適に用いることができる透明なガスバリア性積層フィルムを提供できる。さらにまた、本発明のガスバリア性積層フィルムは、被膜層を形成する際にフラッシュ蒸着法を用いた場合、透明蒸着装置内で基材層上にガスバリア層と被膜層とを連続して積層することにより効率的に作製できるので、生産コストを低減できる効果がある。
以下、本発明のガスバリア性積層フィルムを実施するための最良の形態を、図面に沿って説明する。図1は、本発明のガスバリア性積層フィルムの一例の断面図である。基材層1の両面上に、酸化珪素蒸着薄膜層からなるガスバリア層2と、重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物を硬化してなる被膜層3とが厚み方向に順次積層されている。
本発明のガスバリア性積層フィルムにおいて、基材層1は透明なプラスチックフィルムからなっている。透明なプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ乳酸などの生分解性プラスチックフィルム、などが用いられる。
これらの透明なプラスチックフィルムは、延伸、未延伸のどちらでもよいが、機械的強度や寸法安定性などが優れたものが好ましい。特に、耐熱性や寸法安定性などの面から、二軸方向に延伸したポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。また、透明なプラスチックフィルムは、帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤等などの添加剤を含有してもよい。さらに、透明なプラスチックフィルムにおいて、他の層を積層する側の表面には、密着性をよくするために、コロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などを施してもよい。
これらの透明なプラスチックフィルムからなる基材層1の厚さは、特に制限を受けるものではないが、包装材料としての適性や他の層を積層する場合の加工適性などを考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲、特に6〜30μmの範囲であることが好ましい。
本発明のガスバリア性積層フィルムにおいて、ガスバリア層2の形成方法は特に限定されるものではないが、基材層1の表面に、酸化珪素蒸着薄膜のガスバリア層2を真空中において成膜して、高いガスバリア性を発現させるためには、現時点ではプラズマCVD法が好ましい。また、プラスチック基材の特徴を活かした巻取式による連続蒸着を行うことができ、巻取式の真空蒸着成膜装置を用いることが好ましい。また、プラズマ発生装置としては、直流(DC)プラズマ、低周波プラズマ、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、3極構造プラズマ、マイクロ波プラズマなどの低温プラズマ発生装置が用いられる。
プラズマCVD法により積層される酸化珪素蒸着薄膜のガスバリア層2は、分子内に炭素を有するシラン化合物と酸素ガスを原料として成膜することができ、この原料に不活性ガスを加えて成膜することもできる。分子内に炭素を有するシラン化合物としては、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラメチルシラン(TMS)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テトラメチルジシロキサン、メチルトリメトキシシランなどの比較的低分子量のシラン化合物を選択し、これらシラン化合物の1つまたは、複数を選択しても良い。これらシラン化合物のうち、成膜圧力と蒸気圧を考えると、TEOS、TMOS、TMS、HMDSO、テトラメチルシランなどが好ましい。
プラズマCVD法による成膜では、上記シラン化合物を気化させ酸素ガスと混合したものを電極間に導入し、低温プラズマ発生装置にて電力を印加してプラズマ化し、上記基材層1の両面上に片面づつ積層することができる。また、プラズマCVD法では、上記酸化珪素蒸着薄膜層の膜質を様々な方法で変えることが可能であり、例えば、シラン化合物やガス種の変更、シラン化合物と酸素ガスの混合比や、印加電力の増減などが考えられる。
本発明のガスバリア性積層フィルムにおいて、基材層1の両面上に積層した各々のガスバリア層2は、透明であり、かつ酸素、水蒸気などの収容物を変質させる気体を遮断する優れたガスバリア性を有している。これらガスバリア層2の厚さは、各々が0.005μm以上0.2μm以下、より好ましくは0.005μm以上0.1μm以下である。ここで、膜厚が0.005μm未満であると、均一な蒸着薄膜層が得られないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない。一方、膜厚が0.2μmを越えると、蒸着薄膜層にフレキシビリティを保持させることが難しく、折り曲げや引っ張りなどの外部応力が加わると、蒸着薄膜層に亀裂を生じるおそれがある。
本発明のガスバリア性積層フィルムにおいて、被膜層3の形成方法は、基材層1の両面上に積層した各々のガスバリア層2の表面に重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物を硬化させて形成することができ、後述するように上記被膜層3各々がガスバリア性を向上する機能を発現し、さらにガスバリア層2との密着性を良好にするためには、上記ガスバリア層2の厚さXa[μm]およびXb[μm]、上記被膜層3の厚さYa[μm]およびYb[μm]が、下記式を満たすことが必要である。なお、式中、XaおよびYa、XbおよびYbは、各々が基材層1の同一面に積層したガスバリア層および被膜層の厚さを示し、各々の単位はμmである。
0.002≦XaYa
0.002≦XbYb
(Xa+Xb)(Ya+Yb)≦0.5
また、上記重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物が硬化させたときの収縮率が0.2%以上10%以下であればよく、ドライコーティングに限定するものではなく、ウェットコーティングでも構わない。ここで硬化収縮率は、下記式により硬化前後の密度の変化(%)を計算することにより設定された値である。
硬化収縮率 = (硬化後の密度−硬化前の密度)/硬化後の密度×100
また本発明では、フラッシュ蒸着法により重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物を未硬化のフラッシュ蒸着被膜層として基材層1両面上に積層した各々のガスバリア層2上に積層し、紫外線または電子線を照射して硬化することができ、真空蒸着装置内で真空中において、基材層1の片面上に連続して、酸化珪素蒸着薄膜層からなるガスバリア層2と被膜層3とを積層することができ、効率的で生産コストの低減が可能であるため、現時点では上記フラッシュ蒸着法を用いることが望ましい。
未硬化のフラッシュ蒸着被膜層は、真空蒸着装置内において、高温の蒸発源の中に挿入したノズルなどから、重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物を滴下して気化させ(フラッシュ蒸着)、ガスバリア層2上に連続して積層することができる。
未硬化のフラッシュ蒸着被膜層に紫外線を照射して硬化させる場合には、重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物に光重合開始剤を混合する。具体的な光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、キサントン類、アセトフェノン誘導体などを挙げることができる。これらの光重合開始剤を0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の割合で混合される。
未硬化のフラッシュ蒸着被膜層に電子線を照射して硬化させる場合には、フラッシュ蒸着被膜層の膜厚と、電子線のエネルギー条件、加工速度、除電とのバランスが重要になる。これは、過度の電子線エネルギーを供給すると、フラッシュ蒸着被膜層に帯電を引き起こし、その結果として、剥離放電によってガスバリア層2のガスバリア性が損なわれるおそれがあるためである。
本発明のガスバリア性積層フィルムにおける被膜層3の役割は、優れたガスバリア性を有するガスバリア層2に対して、印刷、ラミネート、製袋などの通常の加工を施した場合の保護機能、および折り曲げや引っ張りなどの外部応力が加わった場合の保護機能、さらには、被膜層3形成時の硬化収縮による内部応力によりガスバリア層を引き締めることで発現するガスバリア性向上機能である。
上記基材層1の両面上に積層した各々の上記被膜層3の厚さYaおよびYbは0.1μm以上20μm以下であることが好ましい。膜厚が0.1μm未満であると、均一な被膜層を形成することが難しく十分な保護機能が発揮できず、また、被膜層3形成時の硬化収縮による内部応力が僅かに生じるだけで、基材層1の同一面上に積層したガスバリア層2を十分に引き締めることができないため、上記ガスバリア性向上機能もあまり期待できない。また、膜厚が20μmを超えると被膜層3形成時の電子線照射もしくはUV照射による硬化が困難になり、さらに硬化収縮による内部応力が過度に働き、基材層1の同一面上に積層したガスバリア層2との密着性が低下する可能性が高くなる。
また、上記基材層1の両面に積層された上記被膜層3が上述したガスバリア性向上機能を発揮し、かつ密着性も低下させないためには、上記被膜層3の厚さと酸化珪素蒸着薄膜層からなる上記ガスバリア層2各々の厚さとのバランスも考慮する必要がある。すなわち、上述したように、被膜層3の役割の1つに、被膜層3形成時の硬化収縮による内部応力によりガスバリア層を引き締めることでガスバリア性を向上させる機能があるが、上記内部応力は被膜層3の厚さが厚くなるほどガスバリア層2に大きく働き、また、上記内部応力に対するガスバリア層2の抵抗力は、ガスバリア層2の厚さが厚くなるほど小さくなり、例えば、同程度の内部応力がガスバリア層2に働いたとしても、ガスバリア層2の厚さが厚くなるに伴い、内部応力に耐え切れず、密着性は低下する傾向がある。
また、上記被膜層3は、未硬化のフラッシュ蒸着被膜層に紫外線または電子線を照射することで硬化して形成することができるが、このときプラスチックフィルムからなる基材層1は照射熱により軟化する傾向があり、そこに上述した硬化収縮による内部応力がかかると密着性が低下する原因となる。すなわち、本発明のように、基材層1の両面にガスバリア層2と被膜層3とを積層する場合、基材層1の両面に紫外線または電子線を照射して被膜層3を硬化する必要があるため、照射熱による基材層1の軟化および上述した密着性の低下に起因する硬化収縮による内部応力の発生が2度起きることとなり、基材層1の片面のみにガスバリア層2と被膜層3とを積層する場合よりも、密着性が低下する可能性が高く、例えば、同じ厚さのガスバリア層2と同じ厚さの被膜層3とを、基材層1の両面もしくは片面のみに順次積層した場合には、基材層1の両面に積層した方が密着性は低下する。
つまり、密着性良好なガスバリア性積層フィルムを作製するためには、酸化珪素蒸着薄膜層からなるガスバリア層2の厚さXa[μm]とXb[μm]とを合わせた上限値と上記被膜層3の厚さYa[μm]とYb[μm]とを合わせた上限値とに反比例の関係が成り立ち、それぞれの厚さXa、Xb、YaおよびYbは不等式(Xa+Xb)(Ya+Yb)≦α(正数)を満たす必要がある。また、上記αの値は、酸化珪素蒸着薄膜層からなるガスバリア層2の形成方法、重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物の種類、未硬化のフラッシュ蒸着被膜層の硬化条件などにより異なるが、αは0.5以下で、ガスバリア性積層フィルムの密着性は概ね良好になる。従って、上記厚さXa、Xb、YaおよびYbは不等式(Xa+Xb)(Ya+Yb)≦0.5を満たすことが好ましい。
さらにまた、上述したように、被膜層3形成時の硬化収縮による内部応力は、被膜層3の厚さが厚くなるほど大きくなり、ガスバリア層2の抵抗力は、ガスバリア層2の厚さが厚くなるほど小さくなる。すなわち、上述したガスバリア層2の厚さXa[μm]およびXb[μm]は(0.005≦Xa(もしくはXb)≦0.2)、被膜層3の厚さYa[μm]およびYb[μm](0.1≦Ya(もしくはYb)≦20)の範囲において、ガスバリア層2の厚さXa(もしくはXb)が厚くなるに伴い、さらに被膜層3の厚さYa(もしくはYb)が厚くなるに伴い、上述したガスバリア層2を引き締めることにより発現するガスバリア性向上機能の効果は大きくなる。しかし、言い換えれば、ガスバリア層2の厚さXa(もしくはXb)が薄い場合には、被膜層3の厚さYa(もしくはYb)を厚く、被膜層3の厚さYa(もしくはYb)が薄い場合には、ガスバリア層2の厚さXa(もしくはXb)を厚くしなければ、上記ガスバリア性向上機能は十分には発現しないこととなる。つまり、上記ガスバリア性向上機能を十分に発現するためには、酸化珪素蒸着薄膜層からなる上記ガスバリア層2の厚さXa(もしくはXb)の下限値と上記被膜層3の厚さYa(もしくはYb)の下限値とに反比例の関係が成り立ち、それぞれの厚さXa、Ya(もしくはXb、Yb)は不等式XaYa(もしくはXbYb)≧β(正数)を満たす必要がある。また、上記βの値は、酸化珪素蒸着薄膜層からなるガスバリア層2の形成方法、重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物の種類、未硬化のフラッシュ蒸着被膜層の硬化条件などにより異なるが、βは0.002以上で、ガスバリア性向上機能が十分に働くようになる。従って、上記厚さXa、Yaは不等式XaYa≧0.002を満たし、上記厚さXb、Ybも不等式XbYb≧0.002を満たすことが好ましい。
すなわち、上記被膜層3が上述したガスバリア性向上機能を発揮し、かつ密着性も低下させないためには、酸化珪素蒸着薄膜層からなる上記ガスバリア層2の厚さXa[μm]およびXb[μm](0.005≦Xa(もしくはXb)≦0.2)と上記被膜層3の厚さYa[μm]およびYb[μm](0.1≦Ya(もしくはYb)≦20)とが、下記3つの不等式を満たすことが好ましい。
0.002≦XaYa
0.002≦XbYb
(Xa+Xb)(Ya+Yb)≦0.5
上記被膜層3を形成する重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物の硬化収縮率は0.2%以上10%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、5%以上10%以下である。
硬化収縮率が0.2%未満であると被膜層3形成時の硬化収縮による内部応力が僅かに生じるだけで、ガスバリア層2を十分に引き締めることができないため、上記ガスバリア性向上機能が期待できない。また、硬化収縮率が10%を超えると被膜層3形成時の硬化収縮による内部応力が過度に働き、ガスバリア層2との密着性が低下する可能性が高くなる。
本発明のガスバリア性積層フィルムにおいて、被膜層3の原材料である、重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物は、モノアクリレート、ジアクリレートのうちの少なくとも1つを含有し、上記モノアクリレートとジアクリレートを合わせた含有率が50重量%以上であることが好ましい。すなわち、3官能以上のアクリロイル基を有するアクリレートを合わせた含有率が50重量%を超えると、被膜層3形成時の硬化収縮率を10%以下に抑えることが難しく、硬化収縮による内部応力が過度に働き、ガスバリア層2と被膜層3との密着性が低下する可能性が高くなるためである。但し、3官能以上のアクリロイル基を有するアクリレートは架橋度を向上させる効果があるため、強固な被膜層を形成する際には少量使用することが好ましく、例えばトリアクリレートを混合する場合であれば10重量%程度が望ましい。
これらのアクリレートとしては、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アクリルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、シリコーンアクリレート、ポリアセタールアクリレート、ポリブタジエン系アクリレート、メラミンアクリレートなどの重合性が高いアクリル系のモノマーまたはオリゴマーを、適宜選定して用いることができる。
モノアクリレート、ジアクリレートおよびトリアクリレートには様々な種類があり、特に限定されないが、ガスバリア層との密着性が良好であって、効率良く未硬化のフラッシュ蒸着被膜層が形成でき、さらに衛生性に優れたものを選択することが好ましい。具体的には、モノアクリレートとしては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−コハク酸、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレートなどが挙げられる。ジアクリレートとしては、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレートなどが挙げられる。トリアクリレートとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートなどが挙げられる。これらの比率は、たとえば、モノアクリレート/ジアクリレート/トリアクリレート=60/30/10(重量%)に設定することが望ましい。
重合可能なアクリル系のモノマーまたはこのモノマーとオリゴマーとの混合物の粘度は、200mPa・s/25℃以下、より好ましくは100mPa・s/25℃以下であることが望ましい。これは、真空蒸着装置内で、高温の蒸発源の中に挿入したノズルなどから、重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物を滴下して、瞬間的に気化させて、ガスバリア層2の表面に未硬化のフラッシュ蒸着被膜層を連続して積層する際に、その粘度が高すぎると、高温の蒸発源の中に挿入したノズルなどから少量ずつ一定速度で滴下させることが困難になるためである。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、食品、日用品、医薬品などの包装分野および電子機器関連部材などの分野において包装材料として用いられるため、重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物は、そのPII(Primary Irritation Index)が2.0以下であることが望ましい。なお、PIIとは、化学品の皮膚障害の度合を示すものであって、値が小さいほど刺激性が低い。
本発明のガスバリア性積層フィルムにおいては、被膜層3の表面をプラズマ処理することが望ましい。これは、食品、日用品、医薬品などの包装分野において、包装材料として用いられる際に、被膜層3の原材料として使用した重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物の未硬化成分を除去して、その硬化度を向上して、食品衛生上などの問題に対処するためである。また、ガスバリア性積層フィルムの被膜層3に、他のフィルム層や印刷層などを積層する際に、被膜層3と他のフィルム層や印刷層などとの密着性を向上させるためである。
この被膜層3をプラズマ処理する際に、DC電源またはRF電源を用いて、プラズマを連続的に安定して発生させ、重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物の未硬化成分を効率よく除去するためには、水素、酸素、窒素、二酸化炭素などの通常のガスと、ヘリウム、アルゴンなどの少なくとも1種類の不活性ガスとを含むプラズマ処理用の混合ガスを使用することが望ましい。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、基材層1の両面上に、少なくとも酸化珪素蒸着薄膜層からなるガスバリア層2と、重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物からなる未硬化のフラッシュ蒸着被膜層を、紫外線または電子線を照射して硬化してなる被膜層3とを順次積層したものであればよく、さらに複雑な積層構造をとっていてもよい。たとえば、ガスバリア層2と被膜層3との積層体の上にガスバリア層2と被膜層3との積層体を二重に積層してもよい。さらに、被膜層3の表面に印刷層を積層してもよい。この場合、従来から用いられている通常の印刷インキを用い、周知の印刷方式や塗布方式などによって、厚さ0.1〜2.0μmの印刷層を特に制約なく積層することができる。
本発明のガスバリア性積層フィルムを他のフィルムと積層して、食品、日用品、医薬品などの包装分野や電子機器関連部材などの分野において、包装材料として用いることもできる。たとえば、本発明のガスバリア性積層フィルムを最外層として使用し、接着剤を介して中間フィルム層やヒートシール層などを積層した構成にしてもよい。また、本発明のガスバリア性積層フィルムを中間層として使用し、その片面側に接着剤を介して外側フィルム層などを積層し、そのもう一方の面側に接着剤を介してヒートシール層などを積層した構成にしてもよい。
上記の中間フィルム層または外側フィルム層としては透明なフィルム層が用いられる。こうした透明なフィルム層としては、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアクリルニトリル系フィルム、ポリイミド系フィルムなどが挙げられる。上記のヒートシール層としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、およびこれらの金属架橋物、などの合成樹脂が用いられる。中間フィルム層、外側フィルム層、ヒートシール層の厚さは、目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの範囲である。上記の接着剤としては、1液硬化型または2液硬化型のポリウレタン系接着剤などが用いられる。接着剤を介してこれらの層を積層するには、ドライラミネート法などが用いることができる。また、ヒートシール層の他の積層方法として、ヒートシール層の合成樹脂を、熱溶融押出する方法(エクストルージョンラミ)を用いることもできる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されない。
以下の実施例1、2、3においては、図1に示したように、基材層1の両面上に、ガスバリア層2と被膜層3とを順次積層したガスバリア性積層フィルムを作製した。
<実施例1>
基材層1として厚さ25μmのニ軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、巻取式真空蒸着装置内に設置した。ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)5sccm/酸素100sccmの混合ガスを電極間に導入し、13.56MHzの高周波を0.5kW印加してプラズマ化し、基材層1の片面上に厚さ0.02μmの酸化珪素蒸着薄膜層からなるガスバリア層2を積層した。連続して、フラッシュ蒸着法により、ガスバリア層2上に2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートとプロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレートとエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートとの60/30/10(重量%)の混合物(硬化収縮率:6.3%)からなる、厚さ1μmの未硬化のフラッシュ蒸着被膜層を積層した。フラッシュ蒸着被膜層に電子線を照射して硬化させ、被膜層3を形成した。
次に、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)5sccm/酸素100sccmの混合ガスを電極間に導入し、13.56MHzの高周波を0.5kW印加してプラズマ化し、基材層1のガスバリア層2と被膜層3とが積層されていないもう一方の面上に厚さ0.02μmの酸化珪素蒸着薄膜層からなるガスバリア層2を積層した。連続して、フラッシュ蒸着法により、ガスバリア層2上に2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートとプロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレートとエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートとの60/30/10(重量%)の混合物(硬化収縮率:6.3%)からなる、厚さ1μmの未硬化のフラッシュ蒸着被膜層を積層した。フラッシュ蒸着被膜層に電子線を照射して硬化させ、被膜層3を形成した。
こうして実施例1のガスバリア性積層フィルムを作製した。
<実施例2>
実施例1のガスバリア性積層フィルムにおいて、基材層1の両面に積層した酸化珪素蒸着薄膜層からなるガスバリア層2の厚さを両面とも0.1μmにした。その他の条件は実施例1と同様であった。こうして実施例2のガスバリア性積層フィルムを作製した。
<実施例3>
実施例1のガスバリア性積層フィルムにおいて、基材層1の両面に積層した酸化珪素蒸着薄膜層からなるガスバリア層2の厚さを両面とも0.01μmにした。その他の条件は実施例1と同様であった。こうして実施例3のガスバリア性積層フィルムを作製した。
<実施例4>
実施例1と同様にして、基材層1の両面上に酸化珪素蒸着薄膜からなるガスバリア層2と被膜層3とを順次積層した後、DC電源を用い窒素とアルゴンとの1/1混合ガスをプラズマ化して、基材層1の両面に積層した被膜層3の表面をプラズマ処理した。こうして実施例4のガスバリア性積層フィルムを作製した。
<比較例1>
実施例1のガスバリア性積層フィルムにおいて、基材層1の両面上に酸化珪素蒸着薄膜からなるガスバリア層2のみを積層し、被膜層3は基材層1の両面とも積層しなかった。こうして比較例1のガスバリア性積層フィルムを作製した。
<比較例2>
実施例1のガスバリア性積層フィルムにおいて、酸化珪素蒸着薄膜層からなるガスバリア層2の厚さを0.1μm、被膜層3の厚さを10μmにした。その他の条件は実施例1と同様であった。こうして比較例2のガスバリア性積層フィルムを作製した。
<比較例3>
実施例1のガスバリア性積層フィルムにおいて、基材層1の両面上に積層した酸化珪素蒸着薄膜層からなるガスバリア層2の厚さを0.01μm、基材層1の両面上に積層した被膜層3の厚さを0.1μmにした。その他の条件は実施例1と同様であった。こうして比較例3のガスバリア性積層フィルムを作製した。
以下、上記のようにして作製した実施例1、2、3、4および比較例1、2、3のそれぞれの単体フィルムのガスバリア性積層フィルムを単体フィルムという。
次に、実施例1、2、3、4および比較例2、3のそれぞれの単体フィルムの最初に積層した被膜層3の表面および比較例1の単体フィルムの最初に積層したガスバリア層2の表面に、厚さ1.2μmの印刷層を積層した。以下、これらを印刷フィルムという。
次に、実施例1、2、3、4および比較例1、2、3のそれぞれの印刷フィルムの印刷層の表面に、5g/mのポリウレタン系接着剤を介して厚さ50μmのポリプロピレンのヒートシール層を積層した。以下、これらを積層フィルムという。
<比較評価>
1.酸素透過度
実施例1、2、3、4および比較例1、2、3の単体フィルム、印刷フィルムおよび積層フィルムについて、モダンコントロール社製の酸素透過度計(MOCON OX-TRAN 2/21)により、30℃−70%RH雰囲気下での酸素透過度(cc/m・24h・MPa)を測定した。
2.水蒸気透過度
実施例1、2、3、4および比較例1、2、3の単体フィルムについて、モダンコントロール社製の水蒸気透過度計(MOCON PERMATRAN-W 3/31)により、40℃−90%RH雰囲気下での水蒸気透過度(g/m・24h)を測定した。
3.ラミネート強度
実施例1、2、3、4および比較例1、2、3の積層フィルムから15mm幅にスリットした試験片について、通常のテンシロン型万能試験機により、ラミネート強度(N/15mm)を測定した。
これらの測定結果を表1に示す。
Figure 0004941149
表1からわかるように、実施例1、実施例2、実施例3および実施例4のガスバリア性積層フィルム(単体フィルム、印刷フィルムおよび積層フィルム)は、低い酸素透過度および水蒸気透過度と、高いラミネート強度を兼ね備えている。特に、実施例2の酸素バリア性および水蒸気バリア性、実施例4の積層フィルムはラミネート強度が高かった。
一方、被膜層が積層されていない比較例1のガスバリア性積層フィルムからなる印刷フィルムおよび積層フィルムは、実施例1、実施例2、実施例3および実施例4のガスバリア性積層フィルムと比較して、酸素透過度が高くガスバリア性に劣っていた。
また、ガスバリア層2の厚さXa[μm]、Xb[μm]、被膜層3の厚さYa[μm]、Yb[μm]が(Xa+Xb)(Ya+Yb)≧0.5となる比較例2のガスバリア性積層フィルムは、実施例1、実施例2、実施例3および実施例4のガスバリア性積層フィルムと比較して、ガスバリア性はほぼ同等レベルであるが、積層フィルムのラミネート強度が著しく劣っていた。
さらにまた、ガスバリア層2の厚さXa[μm]、Xb[μm]、被膜層3の厚さYa[μm]、Yb[μm]がXaYa≦0.002かつXbYb≦0.002となる比較例3のガスバリア性積層フィルムは、実施例1、実施例2、実施例3および実施例4のガスバリア性積層フィルムと比較して、積層フィルムのラミネート強度は同等レベル以上であるが、単体フィルムの酸素透過度および水蒸気透過度、印刷フィルムおよび積層フィルムの酸素透過度が高く、ガスバリア性が著しく劣っていた。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、食品、日用品、医薬品などの包装分野、および電子機器関連部材などの分野において、特に高いガスバリア性が必要とされる場合に好適に用いられる。
本発明の実施例における、ガスバリア性積層フィルムの一例の断面図である。
符号の説明
1…基材層
2…ガスバリア層
3…被膜層

Claims (3)

  1. 透明なプラスチックフィルムからなる基材層の両面上に、ガスバリア層と被膜層を順次積層してなるガスバリア性積層フィルムにおいて、
    前記基材層の両面上に積層した各々の前記ガスバリア層は酸化珪素からなり、かつ、各々の膜厚(厚さXaおよびXb)が0.01μm以上0.1μm以下であり、
    前記基材層の両面上に積層した各々の前記被膜層は、フラッシュ蒸着法を用いて重合可能な2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートとプロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレートとエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートとの60/30/10(重量%)の混合物を成膜し、紫外線または電子線を照射して硬化させてなり
    前記ガスバリア層の厚さXaおよびXbと前記被膜層の厚さYaおよびYbとの関係が、下記3つの式を満たすことを特徴とするガスバリア性積層フィルム。
    0.01≦XaYa≦0.1
    0.01≦XbYb≦0.1
    (Xa+Xb)(Ya+Yb)=0.04〜0.4
    (式中、XaおよびYa、XbおよびYbは、各々前記基材層の同一面に積層したガスバリア層および被膜層の厚さを示し、単位はμmである)
  2. 前記基材層の両面上に積層した各々の前記ガスバリア層がプラズマ化学蒸着(CVD)法により形成されたことを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層フィルム。
  3. 前記基材層の両面上に積層した各々、もしくは、どちらか一方の前記被膜層の表面がプラズマ処理されていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルム。
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