JP5776132B2 - 成膜装置 - Google Patents

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本発明は、基材上に薄膜積層体を製造する装置に関するものである。また、この装置を用いて作製された酸素、水蒸気バリア性積層体及びこれを用いたガスバリア性フィルタや、光学フィルタ、光学機能性フィルタ等の光学部材に関するものである。
近年、次世代のFPDとして期待される電子ペーパー、有機EL、また広範囲での普及が進んでいるLCDに関し、これらFPDのフレキシブル化を達成するため、もしくは軽量化、コストダウン、ガラス基板の割れ等製造時のスループット向上のため、ガラス基板をプラスチックフィルムに置き換えたいという要求が高まっている。また、有機ELでは、蛍光灯に替わる代替照明方法としても注目されており、この場合、軽量化、安全確保などの理由からプラスチックフィルムを用いることが求められている。
ガラス基板は環境由来の酸素や水蒸気による内部素子の劣化を抑制するため必要とされるガスバリア性が備わっている。しかし、軟包装材料用のガスバリアフィルムはそのバリアレベルには達しておらず、プラスチックフィルムが適用され得る太陽電池バックシートなどの産業資材は食品包材用ガスバリアフィルムの数倍以上、電子ペーパー、有機ELなどディスプレイ用封止フィルムでは10−2g/m/day以下のガスバリア性が必要とも言われている。
このような高いガスバリア性を有するプラスチックフィルムを実現するために、誘導加熱法、抵抗過熱法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの物理成膜法(PVD法)は、大面積化やロール・ツー・ロールへの展開が容易であることから、これらの方式を用いて、高いガスバリア性の発現が期待できるものとして検討されている。しかしながら、PVD法は、薄膜の成長過程において、柱状の成長や島状の成長をすることが一般的であるため、膜中にグレイン・バウンダリーが発生し、高いガスバリア性を発現することが困難である。このため、膜厚を厚くすることでガスバリア性を発現させることが考えられるが、膜厚が厚くなると、薄膜の内部応力が無視できなくなり、クラック等が発生し、逆にガスバリア性の低下を招くことが分っている。また、グレイン・バウンダリーが発生している状態では、膜厚を厚くしても、ある一定のガスバリア度で薄膜のバリア性能が止まってしまう。この対策として、例えばデュアル・マグネトロンカソードを用いたスパッタリング法と、同じくデュアル・マグネトロンカソードを用いたプラズマ化学気相成長法(PECVD法)とを交互に成膜し、セラミック層とハイブリッド層とを交互に積層することにより、ハイバリア化を達成する方法が考案されている(非特許文献1)。
一方、化学成膜に属する化学気相成長法(CVD法)、プラズマ化学気相成長法(プラズマCVD法)は、その膜成長過程において、柱状の成長や島状の成長をしにくく、このため膜中のグレイン・バウンダリー発生頻度が低いため、高いガスバリア性を発現することが期待されている。しかしながら、CVD法を用いる場合、アーキング等のロングランの安定性、大面積化、ロール・ツー・ロール化の困難さという大きな問題を抱えている。これらの諸問題を解消したプラズマCVD法として、フィルムが搬送されるローラー自体をカソードとしてLF周波数の電圧を印加するタイプのものが考案されている(非特許文献2)。しかしながら、この方法では、フィルムに対するプラズマダメージが大きいことからCVD法本来のグレイン・バウンダリー発生頻度を押さえる効果が減少してしまうことや、積極的にプラズマをフィルムにあてているため成膜速度を稼げる反面、逆にフィルム搬送速度を一定の速度より落とすとプラスチックフィルムが熱的な損傷を受けてしまう問題があり、例えば成膜ガスとしてHMDSO等の有機系シランガスを用いた場合などは薄膜中に炭素が残留し、膜密度が上がらないなどの問題から、軟包装材料用のガスバリアフィルムレベルの水蒸気透過度に限界がある。これに対し、特許文献1の真空成膜装置、特許文献2の真空成膜装置は、プラズマCVD法でウェブ上に薄膜を成膜することが出来る方式として提案されている。特許文献1及び特許文献2の方法は、基材上へのプラズマダメージを少なく成膜出来る方法である。
特開2003−155572号公報 特開2008−274385号公報
工業材料 2008年12月号 P54、(Vol.56 No.12) Society of Vacuum Coaters 2006年505/856−7188 P636−641
しかしながら、非特許文献1の方法では、PECVD法成膜中にカソード表面がモノマーガスで汚染され、長時間の放電を維持するためには、放電条件が限られるなどの問題があった。また、特許文献2の方式は基材の成膜面の裏側にアノードをとるため、プラズマ空間中の電子はチャンバー壁へと拡散し、成膜条件や成膜空間の広さによっては壁面の汚染が進み、条件や成膜長によってはアーキング等の問題が発生した。また、特許文献3の方法も、アノードをチャンバー壁にとっているため、同様のトラブルが条件や成膜長によってはアーキング等の問題が発生する問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑み、CVD法を用いる場合に問題となる、電極やチャンバー壁面の汚染によるアーキング等のロングランの安定性、大面積化、ロール・ツー・ロール化の困難さを解決し、酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れた、透明、もしくは半透明なガスバリア性積層体を生産することを可能とする成膜装置を提供する。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、板状又はフィルム状の基材を搬送する機構と、成膜ガスを前記成膜チャンバー内に導入するガス導入パイプと、電圧を印加することでプラズマ化した反応性ガスを基材表面に向けて成膜チャンバー内に噴出する電極からなる成膜手段を少なくとも具備する成膜装置において、電極には、反応性ガスをプラズマ化する内部空間と、内部空間へ反応性ガスを導入する導入手段と、反応ガスをプラズマ化するカソード、アノードとなる電極材と、電極の表面に内部空間から基材表面に向けて成膜チャンバー内にプラズマ化した反応性ガスを噴出する穴部と、磁石と、を少なくとも有し、電極は、一対の電極として前記成膜チャンバー内に設置され、一対の電極は、電気的に接続され、反応性ガスをプラズマ化する一方の電極の電極材がカソード又はアノードのとき、他方の電極の電極材がアノード又はカソードとなるように、プラズマ発生時に一対の電極の各電極材のカソードとアノードとを交互に切り替えることを特徴とする成膜装置である。
また、請求項2に記載の発明は、成膜手段と、物理成膜法による成膜手段、化学気相成長法による成膜手段、原子層堆積法による成膜手段から選択される1又は2以上の成膜手段とを、同一の成膜チャンバー内に具備することを特徴とする請求項1に記載の成膜装置である。
また、請求項3に記載の発明は、成膜手段と、物理成膜法による成膜手段、化学気相成長法による成膜手段、原子層堆積法による成膜手段から選択される1の成膜手段とを、同一の成膜チャンバー内に交互に具備することを特徴とする請求項1に記載の成膜装置である。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の前記成膜手段を有するロール・ツー・ロール型の成膜装置であって、減圧化の成膜チャンバー内に、板状又はフィルム状の基材を双方向が行き来可能に搬送する巻き出し・巻き取り軸と成膜ロールからなる搬送機構と、第1の成膜手段としてデュアル・マグネトロン電極と、第2の成膜手段として請求項1に記載の成膜手段と、第3の成膜手段としてデュアル・マグネトロン電極と、第1の成膜手段、第2の成膜手段及び第3の成膜手段のそれぞれの間に成膜時真空度、導入ガスを個別に設定するしきり板を具備することを特徴とする成膜装置である。
また、請求項5に記載の発明は、第1の成膜手段および第3の成膜手段がスパッタリング成膜手段であることを特徴とする請求項4に記載の成膜装置である。
また、請求項6に記載の発明は、第1の成膜手段、第2の成膜手段及び第3の成膜手段のそれぞれの間に2枚のしきり板の設置により中間室を具備してなることを特徴とする請求項4または5に記載の成膜装置である。
本発明によれば、CVD法を用いる場合に問題となる、電極やチャンバー壁面の汚染によるアーキング等のロングランの安定性、大面積化、ロール・ツー・ロール化の困難さを解決し、酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れた、透明、もしくは半透明なガスバリア性積層体を生産することを可能とする成膜装置の提供と、高ガスバリアフィルムおよびそれを用いた光学部材を提供することができる。
本発明の電極の一実施形態の断面模式図である。 本発明の電極の一実施形態の上部から見た模式図である。 本発明の電極の一実施形態の斜めから見た模式図である。 本発明の一対の電極の一実施形態の模式図である。 本発明の一対の電極を用いた成膜装置の一実施形態の模式図である。 本発明のガスバリア性積層体の一例である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の電極43、44の一実施形態の断面図である。電極材11の上に、金属または非金属製の蓋12があり、蓋12には、プラズマを噴出させる穴部15が開けられている。電極11と蓋12の間には内部空間18があり、ガス導入路17よりプラズマを発生させるガスを導入させる。電極材11の裏には、外周磁石13と内周磁石14があり、電極材11と反対の面にヨーク15があり、また磁石を保護する磁石カバー16が備えられている。外周磁石13と内周磁石14の間のスペースには冷却水などを流し、磁石の減磁を防げる構造となっている。
図2は、図1の電極43、44を上部から見た図となっており、プラズマを噴出させる穴部15と、外周磁石13、内周磁石14の位置関係が見て取れる図になっている。
図3は、図1の電極43、44を斜めから見た図となっており、プラズマを噴出させる穴部15と、内部空間18が見て取れる図になっている。
図4は、図1、図2、図3にて説明した電極43、44を一対の構造にして示した図である。ロール・ツー・ロールのプロセスとして成膜ロール41と防着板42があり、同じ構造をした電極43と電極44はバイポーラタイプの電源45に接続されている。図中の電源45は直流パルス波を用いたバイポーラタイプであるが、サイン波を用いたバイポーラ電源であっても良い。ガスの導入はガス導入路17から行うが、例えば酸素、窒素などの反応性ガスや、アルゴン、クリプトンなどの希ガスはガス導入路17から行い、HMDSOやTEOSなどのモノマーガスガスは別途に導入したい場合は、これが可能であるようにガス導入パイプ46が設置されている。ガス導入パイプ46の位置や本数は、所望の成膜において任意である。また、導入路外周磁石13と内周磁石14とによって発生する磁力線47を示す。
図5は、一対の電極43、44を用いたロール・ツー・ロール型の成膜装置について一例を示したものである。成膜チャンバー501があり、内部には巻き出し、巻き取り軸502、503があり、双方向が行き来可能であり、その途中に成膜ロール504がある。先ず、第1の成膜手段としてデュアル・マグネトロン電極505が装備され、電極間にはバイポーラタイプの直流パルス電源506が接続されている。第2の成膜手段として一対の電極43、44があり、電極間にバイポーラタイプの直流パルス電源45が接続されている。また、第1の成膜手段と第2の成膜手段とは成膜時真空度、導入ガス等を個別に設定できるように、しきり板507、508が設置されており、好ましくはしきり板507と508の間にある中間室を別途に排気すると良い。更に第3の成膜手段として、デュアル・マグネトロン電極509が装備され、電極間にはバイポーラタイプの直流パルス電源510が接続されている。また、各成膜手段の成膜室も個別に排気することが望ましい。ここでは、第1の成膜方法と第3の成膜方法をデュアル・マグネトロン・スパッタにしたが、これに限られるものではない。
図1に示す電極の特徴として、蓋12、外周磁石13、内周磁石14と内部空間18を用意し、またガス導入路よりプラズマ発生ガスを導入することにより、内部空間18においてE×Bドリフト効果を利用してプラズマを発生しやすく、かつ高密度化することが出来、プラズマの発生自体を電極内部の空間に閉じこめることが出来る。
図4において、もし蓋12が無かった場合、ガス導入パイプ46より例えばHMDSOのような有機系シランガスを、またガス導入路17より酸素ガスを流したとすると、電極材11表面にプラズマCVD効果によりHMDSOと酸素ガスが反応したシリカ系の膜が被膜してしまう。これは、長時間の放電において電極周りに絶縁物が被膜しているため、アーキングが発生しやすくなることを意味している。一方、蓋12があり、プラズマの発生自体を電極内部の空間に閉じこめれば、穴部15より常にプラズマが自由空間に向かい噴出するため、電極周りはシリカ系の薄膜が被膜することなく、ロングランの安定性において有利である。
図4において、これは電極43のみであり、アノードがチャンバーアースであった場合、チャンバー壁がプラズマCVD効果によりHMDSOと酸素ガスが反応したシリカ系の膜が被膜してしまうと、アースが徐々に狭くなり、最終的にはアーキングすることとなる。これに対し電極43、44を電源45と接続し、交互にアノード、カソードを入れ替えて放電させれば、アノードが消失する問題は解消される。また上述の通り、蓋12があるため電極周りはシリカ系の薄膜が被膜することなく、ロングランの安定性が高くなる。この点で、デュアル・マグネトロン・カソードを用いたCVD方式の問題点である、電極周りの汚染問題は解消できる。
図6は、本発明の成膜装置によって形成したガスバリア性積層体60の一例を示したものである。基材61から順に、アンカーコート層62、PVD法、CVD法、原子層堆積法(ALD法)のいずれかで得られた第1の層63、本発明の一対の電極を用いて成膜された第2の層64、PVD法、CVD法、ALD法のいずれかで得られた第3の層65、本発明の一対の電極を用いて成膜された第4の層66からなっている。これは、アンカー層は必要に応じて用いる層であることと、PVD法、CVD法、ALD法のいずれかで得られた層と、本発明の一対の電極を用いて成膜された層とは交互に成膜されていればよく、またどちらがより基材に近い層であってもよく、同時に最も基材から遠い層がどちらであっても良い。積層の総数も図6の積層体60は2層ずつであるが、これより少なくとも多くとも良い。
基材61としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサルフォン、ポリカーボネート又はトリアセチルセルロースなどが用いられる。
アンカーコート層62を形成するための材料としては、(メタ)アクリレートが挙げられる。(メタ)アクリレートとしては、反応性アクリル基が分子内に1個以上持つ化合物ならばどれを用いてもよい。
(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソボニルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジメタクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート又はジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることができる。
また、アンカーコート層の塗工処理に使用する多官能(メタ)アクリレートして、ウレタン(メタ)アクリレートも使用することができる。ウレタン(メタ)アクリレートとしては、分子内にウレタン結合と(メタ)アクリレート構造を持つものであればどれを用いてもよく、ジイソシアネートとジオールおよび水酸基含有(メタ)アクリレートから生成されるものを使用することができる。
ジイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3−ジメチル−4,4−ジフェニルジイソシアネート又はキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、ポリエチレンオキサイドジオール、ポリプロピレンオキサイドジオール、ポリテトラメチレンオキサイドジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ポリカプロラクトンジオール、ポリエステルジール又はポリカーボネートジオール等を挙げることができる。
また、水酸基を持ったアクリレートとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン変性物、2−ヒドロキシエチルアクリレートオリゴマー、2−ヒドロキシプロピルアクリレートオリゴマー又はペンタエリスリトールトリアクリレート等を例として挙げることができる。
多官能アクリレートとしては、ポリエステルアクリレートも用いることができる。ポリエステルアクリレートとしては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシアクリレート又は2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させ容易に形成されるものを挙げることができる。
またエポキシアクリレートも使用することができる。エポキシアクリレートとしては、エポキシ樹脂のエポキシ基を開環しアクリル酸でアクリル化することにより得られるアクリレートであり、芳香環、脂環式のエポキシを用いたものがより好ましく用いられる。
また、アンカーコート層の塗工処理にポリオールとイソシアネートの反応により得られるバインダーを使用してもよい。ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルウレタンポリオール、アクリルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。イソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート又はその水素添加体等を挙げることができる。
第1から4の層を形成するための材料としては、SiOx、SiO、SiNx、Si、ITO、ICO、IZO、IGZO、AlOx、Al、TiO、ZnO、ZnSnOx、SiOxCyHz、MgO、AlN、DLCなどが用いられる。
以下に、本発明の具体的な実施例を示す。
参考例1>
図5に示す成膜装置を用いて、本発明の一対の電極43、44のみを用いて成膜を行った。この際、用いた基材は、厚さ100μmのPETフィルム(A4100)であり、ガス導入路17から酸素ガスを100sccm、ガス導入パイプ46からHMDSOガス10sccmを流し、成膜気圧は1Paとした。また、電源45は周波数200kHzのバイポーラタイプの直流パルス波を用い、投入電力は3kWとし、フィルムの搬送速度は1m/minとした。以上の条件でサンプルを作成した。
<実施例2>
図5に示す成膜装置を用いて、本発明の一対の電極43、44とデュアル・マグネトロン・カソード505、509を用いて成膜を行った。この際、用いた基材は、厚さ100μmのPETフィルム(A4100)であり、先ず本発明の一対の電極43、44に関しては、ガス導入路17から酸素ガスを100sccm、ガス導入パイプ46からHMDSOガス10sccmずつを流し、成膜気圧は1Paとした。また、電源45は周波数200kHzのバイポーラタイプの直流パルス波を用い、投入電力は3kWとした。次にデュアル・マグネトロン・カソード505、509に関しては、それぞれスパッタターゲットとしてアルミニウムを用い、スパッタガスをアルゴンとして150sccmずつ流し、また反応性ガスを酸素ガスとして100sccmずつ流し、電源506、510は周波数40kHzのバイポーラタイプの直流パルス波を用い、投入電力は6kWとしてスパッタを行った。成膜は、インラインの同時成膜で行い、スパッタリング法/プラズマCVD法/スパッタリング法の3層構成で積層を行い、フィルムの搬送速度は0.6m/minとした。また、この際の成膜安定性をみるためロングランを行い、時間経過でサンプルを作成した。
<比較例1>
図5に示す成膜装置を用いて、本発明の一対の電極43、44の電極の蓋12を外し、成膜を行った。その際の条件として、用いた基材は厚さ100μmのPETフィルム(A4100)であり、先ず本発明の一対の電極43、44に関しては、ガス導入路17から酸素ガスを100sccm、ガス導入パイプ46からHMDSOガス10sccmずつを流し、成膜気圧は1Paとした。また、電源45は周波数200kHzのバイポーラタイプの直流パルス波を用い、投入電力は3kWとした。次にデュアルマグネトロン・カソード505、509に関しては、それぞれスパッタターゲットとしてアルミニウムを用い、スパッタガスをアルゴンとして150sccmずつ流し、また反応性ガスを酸素ガスとして100sccmずつ流し、電源506、510は周波数40kHzのバイポーラタイプの直流パルス波を用い、投入電力は6kWとしてスパッタを行った。成膜は、インラインの同時成膜で行い、スパッタリング法/プラズマCVD法/スパッタリング法の3層構成で積層を行い、フィルムの搬送速度は0.6m/minとした。また、この際の成膜安定性をみるためロングランを行い、時間経過でサンプルを作成した。
作成したサンプルについて、水蒸気透過度及び酸素透過度を以下の方法で測定した。
(評価方法)
水蒸気透過度をMOCON法により測定した。用いた測定器はMOCON AQUATRAN model1により測定し、酸素透過度はMOCON OX−TRAN 2/20により測定した。
表1に参考例1で作成したサンプルの水蒸気透過度と酸素透過度を示す。また、表2に実施例2、比較例1で作成したサンプルの経過時間による水蒸気透過度と酸素透過度の変化を示す。
Figure 0005776132
Figure 0005776132
表1、表2の結果より、本発明の一対の電極を用いた場合、高い水蒸気バリア性と酸素バリア性を示し、かつ時間の経過によって水蒸気透過度及び酸素透過度が上がらないため、ロングラン安定性が高いことが示された。一方、本発明の一対の電極の蓋を外した場合、時間の経過によって水蒸気透過度及び酸素透過度が上がってしまい、ロングラン安定性が低いことが示された。
本発明の成膜装置は、酸素水蒸気バリア性積層体を製造する装置であり、製造された酸素水蒸気バリア性積層体は、光学フィルム、光学機能性フィルタ等の光学部材等に利用される。
11・・・電極材
12・・・蓋
13・・・外周磁石
14・・・内周磁石
15・・・穴部
16・・・磁石カバー
17・・・ガス導入路
18・・・内部空間
41・・・成膜ロール
42・・・防着板
43・・・電極
44・・・電極
45・・・電源
46・・・ガス導入パイプ
47・・・磁力線
501・・・成膜チャンバー
502・・・巻き出し軸
503・・・巻き取り軸
504・・・成膜ロール
505・・・デュアル・マグネトロン電極
506・・・電源
507・・・しきり板
508・・・しきり板
509・・・デュアル・マグネトロン電極
510・・・電源
60・・・ガスバリア性積層体
61・・・基材
62・・・アンカーコート層
63・・・第1の層
64・・・第2の層
65・・・第3の層
66・・・第4の層

Claims (6)

  1. 減圧下の成膜チャンバー内に、
    板状又はフィルム状の基材を搬送する機構と、
    成膜ガスを前記成膜チャンバー内に導入するガス導入パイプと、
    電圧を印加することでプラズマ化した反応性ガスを前記基材表面に向けて前記成膜チャンバー内に噴出する電極からなる成膜手段を少なくとも具備する成膜装置において、
    前記電極には、
    反応性ガスをプラズマ化する内部空間と、
    該内部空間へ反応性ガスを導入する導入手段と、
    前記反応ガスをプラズマ化するカソード、アノードとなる電極材と、
    前記電極の表面に前記内部空間から前記基材表面に向けて前記成膜チャンバー内にプラズマ化した反応性ガスを噴出する穴部と、
    磁石と、を少なくとも有し、
    前記電極は、一対の電極として前記成膜チャンバー内に設置され、
    前記一対の電極は、電気的に接続され、前記反応性ガスをプラズマ化する一方の電極の電極材がカソード又はアノードのとき、他方の電極の電極材がアノード又はカソードとなるように、プラズマ発生時に前記一対の電極の各電極材のカソードとアノードとを交互に切り替えることを特徴とする成膜装置。
  2. 前記成膜手段と、物理成膜法による成膜手段、化学気相成長法による成膜手段、原子層堆積法による成膜手段から選択される1又は2以上の成膜手段とを、同一の成膜チャンバー内に具備することを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記成膜手段と、物理成膜法による成膜手段、化学気相成長法による成膜手段、原子層堆積法による成膜手段から選択される1の成膜手段とを、同一の成膜チャンバー内に交互に具備することを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  4. 請求項1に記載の前記成膜手段を有するロール・ツー・ロール型の成膜装置であって、
    減圧化の成膜チャンバー内に、板状又はフィルム状の基材を双方向が行き来可能に搬送する巻き出し・巻き取り軸と成膜ロールからなる搬送機構と、第1の成膜手段としてデュアル・マグネトロン電極と、第2の成膜手段として請求項1に記載の前記成膜手段と、第3の成膜手段としてデュアル・マグネトロン電極と、前記第1の成膜手段、前記第2の成膜手段及び前記第3の成膜手段のそれぞれの間に成膜時真空度、導入ガスを個別に設定するしきり板を具備することを特徴とする成膜装置。
  5. 前記第1の成膜手段および前記第3の成膜手段がスパッタリング成膜手段であることを特徴とする請求項4に記載の成膜装置。
  6. 記第1の成膜手段、前記第2の成膜手段及び前記第3の成膜手段のそれぞれの間に2枚のしきり板の設置により中間室を具備してなることを特徴とする請求項4または5に記載の成膜装置。
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