JP3044795B2 - 金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ - Google Patents

金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ

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JP3044795B2
JP3044795B2 JP1008791A JP1008791A JP3044795B2 JP 3044795 B2 JP3044795 B2 JP 3044795B2 JP 1008791 A JP1008791 A JP 1008791A JP 1008791 A JP1008791 A JP 1008791A JP 3044795 B2 JP3044795 B2 JP 3044795B2
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信一 木下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属蒸着ポリエステル
フィルムコンデンサに関する。詳しくは、本発明は、基
材フィルムと蒸着金属との間の接着性の改良されたフィ
ルムを用いた、耐湿熱特性に優れる金属蒸着ポリエステ
ルフィルムコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、機械的性質、
耐熱性、電気的性質などに優れていることから、Alや
Znなどの金属を蒸着したポリエステルフィルムを2枚
巻回して素子を製造したもの、多数枚積層した後チップ
状に裁断したもの等、多用されており、近年の各種電器
機器等の発達に伴い、ポリエステルフィルムコンデンサ
の高特性化が図られる。その高特性化の要求項目の一つ
として、長期耐湿熱安定性の要求がある。すなわち、金
属蒸着ポリエステルフィルムは、基材フィルムと蒸着金
属との接着性、特に、高温高湿環境下で接着性(いわゆ
る耐湿熱接着性)が悪いという欠点を有しており、コン
デンサを高温高湿下におくと、基材フィルムと蒸着金属
との界面で透湿し、コンデンサの静電容量が経時的に変
化するなどの問題があり、長期安定性の点で、コンデン
サの耐湿熱特性改良が求められていた。
【0003】特開昭60−115214号公報には、塩
化ビニリデン塗布層を有するフィルムコンデンサが、ま
た、特開昭60−120511号公報には、メラミンお
よび/または尿素樹脂を必須成分として配合した塗布層
を有するフィルムコンデンサが、各、耐湿熱性に優れる
コンデンサとして開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公報に記載された樹脂組成物を用いても、湿熱環境下で
は、必ずしも十分にコンデンサ性能が保持されない。ま
た、最近の各種電子機器の発達は顕著であり、これに伴
って、コンデンサに求められる長期信頼性、特にコンデ
ンサ性能の長期耐湿熱安定性への要求は、さらに増大し
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、ある特定の塗布層を有するポ
リエステルフィルムが、金属蒸着薄膜と優れた耐湿熱接
着性を有しており、かつ、この金属蒸着ポリエステルフ
ィルムを用いたコンデンサ素子が、優れた耐湿熱性を有
していることを見いだし、本発明に至った。すなわち、
本発明の要旨は、ポリエステルフィルムの少なくとも片
面に、芳香族ジイソシアネート化合物を用いて得られ
る、水溶性または水分散性ポリエステルポリウレタンを
塗布した後、少なくとも1方向に延伸、熱固定して得ら
れる、表面粗さ(Ra)が0.005〜0.5μmであ
り、かつ、水滴接触角が60°以上である塗布層を有す
るフィルムの塗布層表面に金属を蒸着した後、積層また
は巻回して成る金属蒸着ポリエステルフィルムコンデン
サに存する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるポリエステルフィルムのポリエステルとは、その
構成単位の80%以上がエチレンテレフタレートである
ポリエチレンテレフタレート、あるいは、その構成単位
の80モル%以上がエチレンナフタレートであるポリエ
チレンナフタレート、あるいは、その構成単位の80モ
ル%以上が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタ
レートであるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレン
テレフタレートである。
【0007】そして、上記の優位構成成分以外の共重合
成分としては、例えば、ジエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのジ
オール成分、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸およびそのエステル形成
性誘導体などのジカルボン酸成分、オキシ安息香酸およ
びそのエステル形成性誘導体などのオキシモノカルボン
酸などを用いることができる。
【0008】本発明におけるポリエステルフィルムは、
フィルム表面の突起を形成する添加粒子、析出粒子、そ
の他の触媒残渣を、後述するコンデンサ特性を悪化させ
ない範囲内で含有していてもよい。また、上記の突起形
成剤以外の添加剤として、必要に応じて、帯電防止剤、
安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防
止剤、着色剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤などを、コン
デンサ特性を悪化させない範囲内で含有していてもよ
い。
【0009】本発明における塗布層は、水溶性または水
分散性ポリエステルポリウレタンを塗布した後、少なく
とも1方向に延伸・熱固定して得られるものであり、用
いるポリエステルポリウレタンは、ポリエステルポリオ
ールとポリイソシアネートとを常法に従って反応させる
ことにより製造されるものである。上記ポリエステルポ
リオールは、ジカルボン酸とグリコールとを常法に従っ
て反応させることにより得られる。ジカルボン酸成分と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,5−ナフタ
レンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸およびそれ
らのエステル形成性誘導体などを用いることができ、グ
リコール成分としては、エチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコールなどの脂肪族グリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノールなどの脂環族グリコール、p−キシ
レンジオールなどの芳香族ジオール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコールなどのポリ(オキシアルキレン)グリコー
ルを用いることができる。上記の飽和ポリエステルは線
状構造であるが、3価以上のエステル形成成分を用いて
分枝状ポリエステルとすることもできる。
【0010】一方、ポリイソシアネート化合物として
、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート等の芳香族ジイソシアネートを用いる必要があ
る。芳香族ジイソシアネートを用いて得られるポリエス
テルポリウレタン塗布剤は、延伸追従性に優れ、かつ、
得られる塗膜が強固であり、さらに、金属蒸着薄膜との
接着性に優れるので特に好ましい。
【0011】本発明におけるポリエステルポリウレタン
は、安全衛生上、水を媒体とする塗布剤であることが好
ましいが、本発明の要旨を越えない範囲内で、ポリエス
テルポリウレタンの分散助剤として有機溶剤を含有して
いてもよい。水を媒体とする場合は、界面活性剤などに
よって強制分散化したものであってもよいが、好ましく
はポリエーテル類のような親水性のノニオン成分や特公
昭63−12890号公報に記載されているようなカチ
オン性成分をポリウレタンに結合させた自己分散型もの
であり、さらに好ましくはAngew.Makromo
l.Chem.,98 133〜165(1981).
などに記載されているようなアニオン性成分をポリウレ
タンに結合させた自己分散型のものである。
【0012】アニオン性成分を有するポリウレタンは、
ポリウレタン形成成分であるポリオール、ポリイソシア
ネート化合物、鎖長延長剤などにアニオン性基を有する
化合物を用いる方法、生成したポリウレタンの未反応イ
ソシアネート基とアニオン性基を有する化合物を反応さ
せる方法、ポリウレタンの活性水素を有する基と特定の
化合物を反応させる方法などを用いて製造できる。ポリ
ウレタン形成成分としてアニオン性基を有する化合物を
用いる方法では、例えば芳香族イソシアネート化合物を
スルホン化する方法で得られる化合物、ジアミノカルボ
ン酸塩、アミノアルコール類の硫酸エステル塩などを用
いることができる。
【0013】ポリウレタンの未反応のイソシアネート基
とアニオン性基を有する化合物を反応させる方法は、例
えば重亜硫酸塩、アミノスルホン酸およびその塩類、ア
ミノカルボン酸およびその塩類、アミノアルコール類の
硫酸エステルおよびその塩類、ヒドロキシ酢酸およびそ
の塩類などを用いることができる。
【0014】ポリウレタンの活性水素を有する基と特定
の化合物を反応させる方法は、例えばジカルボン酸無水
物、テトラカルボン酸無水物、サルトン、ラクトン、エ
ポキシカルボン酸、エポキシスルホン酸、2,4−ジオ
キソ−オキサゾリジン、イサト酸無水物、ホストン、硫
酸カルビルなどの塩型の基または開環後の塩を生成でき
る基を示す3員環から7員環の環式化合物を用いること
ができる。ポリエステルポリウレタンのポリエステルに
アニオン性基を有するものを用いることにより、ポリウ
レタンにアニオン性基を導入できる。アニオン性基を有
するポリエステルとは、スルホン酸塩基あるいはカルボ
ン酸塩基を有する化合物を共重合やグラフトなどにより
ポリエステルに結合させたものである。
【0015】ポリエステルポリウレタンのアニオン性基
は、スルホン酸、カルボン酸、リン酸およびそれらのリ
チウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩
等から適宜選択される。ポリエステルポリウレタン中の
アニオン性基の量は、0.05重量%〜8重量%が好ま
しい。アニオン性基量が0.05重量%未満では、ポリ
ウレタンの水溶性あるいは水分酸性が悪く、アニオン性
基量が8重量%を超えると、塗布後の下塗り層の耐水性
が劣ったり、吸湿してフィルムが相互に固着したり、耐
湿熱接着性を低下させるので好ましくない。
【0016】本発明における塗布液には、塗布層の固着
性(ブロッキング性)、耐水性、耐溶剤性、機械的強度
の改良のため架橋剤としてメチロール化あるいはアルキ
ロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アク
リルアミド系、ポリアミド系などの化合物、エポキシ化
合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネー
ト、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジ
ルコーアルミネートカップリング剤、熱、過酸化物、光
反応性のビニル化合物や感光性樹脂などを含有していて
もよい。また、固着性や滑り性の改良のため無機系微粒
子としてシリカ、シリカゾル、アルミナ、アルミナゾ
ル、ジルコニウムゾル、カオリン、タルク、炭酸カルシ
ウム、酸化チタン、バリウム塩、カーボンブラック、硫
化モリブデン、酸化アンチモンゾルなどを後述する表面
粗さの範囲内となるように含有していてもよい。
【0017】さらに、必要に応じて消泡剤、塗布性改良
剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤滑剤、有機系高分子
粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料
などを含有していてもよい。また、本発明の塗布後に
は、本発明におけるポリエステルポリウレタン以外のポ
リマーとして別種のポリウレタンやポリエステル、アク
リル系樹脂、ビニル系樹脂などを塗布液あるいは塗布層
の特性改良のため含有していてもよい。
【0018】上述した塗布液をポリエステルフィルムに
塗布する方法としては原崎勇次著、槇書店、1979年
発行、「コーティング方式」に示されるリバースロール
コーター、グラビアコーター、ロードコーター、エアド
クタコーターあるいはこれら以外の塗布装置を用いてポ
リエステル未延伸フィルムに塗布液を塗布し、逐次ある
いは同時に二軸延伸する方法、一軸延伸されたポリエス
テルフィルムに塗布し、さらに先の一軸延伸方向と直角
の方向に延伸する方法、またこれらの塗布層を有する二
軸延伸フィルムを再延伸する方法、あるいは二軸延伸ポ
リエステルフィルムに塗布し、さらに横および/または
縦方向に延伸する方法などがある。
【0019】上述の延伸工程は、好ましくは60〜13
0℃で行われ、延伸倍率は、面積倍率で少なくとも4倍
以上、好ましくは6〜20倍である。延伸されたフィル
ムは150〜250℃で熱処理される。さらに、熱処理
の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリン
グゾーンにて縦方向および横方向に0.2〜20%弛緩
することが好ましい。特に、60〜130℃でロール延
伸法により2〜6倍に延伸された1軸延伸ポリエステル
フィルムに塗布液を塗布し、適当な乾燥を施し、あるい
は乾燥を施さずポリエステル1軸延伸フィルムを直ちに
先の延伸方向とは直角方向に80〜130℃で2〜6倍
に延伸し、150〜250℃で1〜600秒間熱処理を
行う方法が好ましい。
【0020】本方法によるならば、延伸と同時に塗布層
の乾燥が可能になると共に塗布層の厚さを延伸倍率に応
じて薄くすることができ、ポリエステルフィルム基材と
して好適なフィルムを比較的、安価に製造できる。本発
明における塗布液は、ポリエステルフィルムの片面だけ
に塗布してもよいし、両面に塗布してもよい。片面にの
み塗布した場合、その反対面には本発明における塗布液
以外の塗布層を必要に応じて形成し、本発明のポリエス
テルフィルムに他の特性を付与することもできる。な
お、塗布剤のフィルムへの塗布性、接着性を改良するた
め、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施しても
よい。また、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの
塗布層への接着性、塗布性などを改良するため、塗布層
形成後に塗布層に放電処理を施してもよい。
【0021】塗布層の厚さは、0.01〜5μmの範囲
が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1μmの範囲
である。塗布層の厚さは、コンデンサー小型化の要請か
らも薄くするのが良い。しかしながら塗布層の厚さが
0.01μm未満の場合、均一な塗布層が得難いために
製品に塗布むらが生じやすく不適当である。上記のよう
にして形成された塗布層の水滴接触角は、60°以上で
る。水滴接触角が60°未満であると、金属蒸着膜と
の耐水接着性が悪化し、本発明のコンデンサに耐湿熱特
性を付与することが困難となる。従って、塗布剤の親水
基量、乳化剤量、親水性化合物量には注意を要する。
【0022】また、上記のようにして形成された塗布層
表面の中心線平均粗さ(Ra)は、0.005〜0.5
μmの範囲である必要があり、好ましくは、Raは0.
02〜0.3μmの範囲である。Raが0.005μm
未満ではフィルムの滑り性が不十分で作業性が悪化す
る。一方、Raが0.5μmを越えると表面が粗れ過
ぎ、耐電圧特性が悪化するようになる。また、コンデン
サ大容量小型化の要請からも好ましくない。
【0023】本発明において、蒸着する金属としては、
アルミニウム、パラジウム、亜鉛、ニッケル、銀、銅、
金、インジウム、錫、ステンレス鋼、クロム、チタン等
が挙げられるが、最も好ましい金属は、アルミニウムで
ある。なお、上記の金属には、金属の酸化物も含まれ
る。金属蒸着膜の厚さは、10〜5000Åの範囲が好
ましい。蒸着の方法は、一般には真空蒸着であるが、エ
レクトロプレーティング、スパッタリング等の方法によ
ってもよい。
【0024】なお、金属蒸着層はポリエステルフィルム
の両面に設けてもよく、また、金属蒸着後に蒸着金属層
の表面処理や他の樹脂による被膜処理を行ってもよい。
このようにして得られた金属蒸着ポリエステルフィルム
を2枚重ね合わせて巻回、または多数枚積層してコンデ
ンサ素子を作り、常法に従って、例えば、熱プレス、テ
ーピング、メタリコン、電圧処理、両端面封止、リード
線取付けなどをしてコンデンサとすることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
例に限定されるものではない。なお、実施例中の評価方
法を次に示す。
【0026】(1)中心線平均粗さ(Ra) (株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を
用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面
曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)
の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、
縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表し
たとき、次の式で与えられた値を〔μm〕で表す。中心
線平均粗度は、試料フィルム表面から10本の断面曲線
を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中
心線平均粗度の平均値で表した。なお、触針の先端半径
は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.8
mmとした。
【0027】
【数1】
【0028】(2)水滴接触角 温度23℃、湿度50%RH試料フィルムと蒸留水との
接触角を接触角計(協和界面化学(株)社製、CA−D
T−A型)を用いて測定した。接触角は、左右2点、試
料数3で計6点測定し、平均値を求め接触角とした。な
お、水滴の直径は2mmとし、滴下後1分後の数値を読
み取った。
【0029】(3)接着性評価 金属蒸着フィルムの蒸着薄膜層表面に基材ポリエステル
フィルムと同一厚さのポリエステルフィルムを通常のド
ライミネート法により積層した後、エージング処理を行
った。得られた積層体を幅15mmの短冊状にし、90
〜95℃の熱水中に30分間浸漬した(ボイル処理)。
上記ボイル処理試料の端部を一部剥離し、剥離試験機に
より100mm/分の速度でT型剥離を行った。接着性
の評価基準は下記の通りである。
【0030】 ○: 100g <剥離荷重 △: 10g <剥離荷重≦100g ×: 剥離荷重≦10g (4)耐電圧特性 JIS C−2319に準じて測定を行った。すなわ
ち、10kV直流耐電圧試験機を用い、23℃、50%
RHの雰囲気下にて、100V/秒の昇圧速度で上昇さ
せ、フィルムが破壊し短絡したときの電圧を読み取っ
た。
【0031】(5)静電容量の変化 コンデンサーを60℃95%RHの雰囲気下に1000
時間放置し、初期静電容量を基準値とする静電容量変化
率として求めた。
【0032】実施例1 ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
70部、酢酸カルシウム一水塩0.11部を反応器にと
り加熱昇温すると共にメタノールを留去させエステル交
換反応を行い、反応開始後、約4時間で230℃まで昇
温し、実質的にエステル交換反応を終了させた。次に、
この反応混合物にトリエチルホスファイト0.065部
とトリエチルホスフェート0.30部とをエチレングリ
コールに均一に溶解させた液を添加し、次いで三酸化ア
ンチモン0.04部を添加した後、10分間で238℃
まで昇温した。
【0033】次いで、常法により重縮合反応を行い、4
時間後に極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレー
ト(A)を得た。
【0034】上記ポリエステル中には、カルシウム元素
およびリン元素をそれぞれ6.4重量%、6.5重量%
含む析出粒子が0.23重量%含まれていた。また、そ
の平均粒径は1.2μmであった。一方、平均粒径1.
6μmの炭酸カルシウム1.0重量%を含むポリエチレ
ンテレフタレート(B)を製造した。すなわちポリエス
テル(A)の製造と同様にしてエステル交換反応を行っ
た後、リン酸0.036部、三酸化アンチモン0.04
部を添加し、所定の炭酸カルシウムを加え、常法により
重縮合反応を行った。4時間後に極限粘度0.65のポ
リエステル(B)を得た。
【0035】次に、ポリエステル(A)90部とポリエ
ステル(B)10部とをブレンドした後、290℃で押
出機よりシート状に押し出し急冷して無定形シートを得
た。得られたシートを95℃で縦方向に4.2倍延伸し
た後、イソホロンジイソシアネートを有するポリエステ
ルポリウレタン(大日本インキ化学工業社製、商品名ハ
イドランAP−40)80部(固型分重量、以下同
様)、水分散型ポリエステル(日本合成化学工業社製、
商品名ポリエスターWR−961)20部からなり、水
を媒体とする塗布液をフィルムの片面に塗布し、次い
で、110℃で横方向に3.9倍延伸し、230℃で熱
処理して、塗布層の厚さ0.04μm基体のポリエステ
ルフィルムの厚さ2.2μmの二軸延伸ポリエステルフ
ィルムを得た。塗布層の水滴接触角は63°、中心線平
均粗さ(Ra)は0.020μmであった。
【0036】得られたフィルムの塗布面上に、抵抗加熱
型金属蒸着装置を用い、真空室の圧力を10-4Torr
以下としてアルミニウムを450Åの厚みに蒸着した。
得られた蒸着フィルムは、接着性評価において優れた接
着性を有していた。蒸着フィルムを2枚併せて巻回し、
電極を付して0.1μFのフィルムコンデンサとした。
得られた金属蒸着フィルムコンデンサは、表1に示すと
おり、耐電圧特性に優れ、静電容量の変化の少ない、耐
湿熱特性に優れる金属蒸着ポリエステルフィルムコンデ
ンサであった。なお、後述の実施例および比較例の結果
についても表1にまとめて示す。
【0037】比較例1 実施例1において塗布液を塗布しない外は実施例1と同
様にして金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサを得
た。得られたコンデンサは、実施例1と比較して耐湿熱
特性に劣っていた。
【0038】実施例2 テレフタル酸664部、イソフタル酸631部、1,4
−ブタンジオール472部、ネオペンチルグリコール4
47部から成るポリエステルポリオールを得、これにア
ジピン酸321部、ジメチロールプロピオン酸268部
を加え、ペンダントカルボキシル基含有ポリエステルポ
リオール(C)を得た。ポリエステルポリオール(C)
1880部にトリレンジイソシアネート160部を加え
てポリエステルポリウレタン(D)を得た。
【0039】実施例1のハイドランAP40の代わり
に、上記のポリエステルポリウレタン(D)を80部配
合する以外は実施例1と同様にして金属薄膜蒸着ポリエ
ステルフィルムを得た。
【0040】比較例2 界面活性剤強制乳化型ポリウレタン水分散体(第一工業
製薬社製、商品名スーパーフレックス4000)70
部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル10
部、日本合成化学工業社の前記ポリエスターWR−96
1 20部から成り、水を媒体とする塗布液をフィルム
の片面に塗布する以外は、実施例1と同様にして金属蒸
着ポリエステルフィルムを得た。
【0041】比較例2の塗布層は、界面活性剤のため
に、塗布層の水滴接触角が57°と低く、金属蒸着膜と
の接着性も不良であった。この金属蒸着ポリエステルフ
ィルムを用い、実施例1と同様にして得たコンデンサ
は、耐湿熱特性が劣っていた。
【0042】実施例3 平均粒径0.1μmのシリカを0.1部含有するポリエ
チレンテレフタレートを290℃で押出機よりシート状
に押出し急冷して無定形シートを得た。得られたシート
を縦方向に4.2倍延伸した後、AP−40 80部、
WR−96115部平均粒径0.06μmのシリカゾル
5部から成り、水を媒体とする塗布液を塗布し、以下、
実施例1と同様にして金属蒸着ポリエステルフィルムコ
ンデンサを得た。
【0043】比較例3 実施例3において塗布液を塗布しない外は実施例3と同
様にしてポリエステルフィルムを得た。このフィルムの
中心線平均粗さは0.002μmであり、滑り性が悪い
ため巻き作業性が悪く、実用に供し得なかった。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の金属蒸着フィルムコンデンサ
は、優れた耐湿熱特性を有しており、コンデンサの長期
信頼性向上に寄与することができ、その工業的価値は高
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/18 B32B 7/04 B32B 15/08 B32B 27/40 C23C 14/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、芳香族ジイソシアネート化合物を用いて得られる、
    水溶性または水分散性ポリエステルポリウレタンを塗布
    した後、少なくとも1方向に延伸、熱固定して得られ
    る、表面粗さ(Ra)が0.005〜0.5μmであ
    り、かつ、水滴接触角が60°以上である塗布層を有す
    るフィルムの塗布層表面に金属を蒸着した後、積層また
    は巻回して成る金属蒸着ポリエステルフィルムコンデン
    サ。
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