JPH05275276A - 金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ - Google Patents

金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ

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JPH05275276A
JPH05275276A JP6630892A JP6630892A JPH05275276A JP H05275276 A JPH05275276 A JP H05275276A JP 6630892 A JP6630892 A JP 6630892A JP 6630892 A JP6630892 A JP 6630892A JP H05275276 A JPH05275276 A JP H05275276A
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polyester film
metal
film
water
capacitor
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JP6630892A
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Shinichi Kinoshita
信一 木下
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Diafoil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐湿熱特性に優れるフィルムコンデンサを提
供する。 【構成】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、
水溶性または水分散性樹脂からなる塗布層を有し、塗布
層面に金属を蒸着してなる金属蒸着フィルムコンデンサ
であって、該塗布層中のアルカリ金属含有量が1000
ppm以下であることを特徴とする金属蒸着ポリエステ
ルフィルムコンデンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属蒸着ポリエステル
フィルムコンデンサに関する。詳しくは、本発明は、基
材フィルムと蒸着金属との間の接着性の改良されたフィ
ルムを用いた、耐湿熱特性に優れる金属蒸着ポリエステ
ルフィルムコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
エチレンテレフタレートに代表されるポリエステルフィ
ルムは、優れた機械的性質、耐熱性、電気的性質を有す
ることから、コンデンサの基材フィルムとして多用され
ており、近年の各種電子機器等の発達に伴い、ポリエス
テルフィルムの高特性化が図られている。その高特性化
の要求項目の一つとして、長期耐湿熱安定性の要求があ
る。すなわち、金属蒸着ポリエステルフィルムは、基材
フィルムと蒸着金属との接着性、特に、高温高湿環境下
での接着性、いわゆる耐湿熱接着性が悪いという欠点を
有しており、コンデンサを高温高湿化に置くと、基材フ
ィルムと蒸着金属との界面で透湿し、コンデンサの静電
容量が経時的に低下する等の問題があり、長期安定性の
点で、コンデンサの耐湿熱特性改良が求めれていた。
【0003】特開昭60−115214号公報には、塩
化ビニリデン塗布層を有するフィルムコンデンサが、ま
た、特開昭60−115214号公報には、メラミンお
よび/または尿素樹脂を必須成分として配合した塗布層
を有するフィルムコンデンサが、それぞれ、耐湿熱性に
優れるコンデンサとして開示されている。しかしなが
ら、上記の公報に記載された樹脂組成物を用いても、湿
熱環境下では必ずしも十分にコンデンサの性能が保持さ
れない。また、最近の各種電子機器の発達は顕著であ
り、これに伴って、コンデンサに求められる長期信頼
性、特にコンデンサ性能の長期耐湿熱安定性への要求
は、さらに増大している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、ある特定の塗布層を有するポ
リエステルフィルムが、金属蒸着薄膜との優れた耐湿熱
接着性を有しており、この金属蒸着ポリエステルフィル
ムを用いたコンデンサ素子が、優れた耐湿熱性を発揮し
得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、ポリエステル
フィルムの少なくとも片面に、水溶性または水分散性樹
脂からなる塗布層を有し、塗布層面に金属を蒸着してな
る金属蒸着フィルムコンデンサであって、該塗布層中の
アルカリ金属含有量が1000ppm以下であることを
特徴とする金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサに
存する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるポリエステルフィルムのポリエステルとは、その
構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレ−トで
あるポリエチレンテレフタレ−ト、あるいは、その構成
単位の80モル%以上がエチレンナフタレ−トであるポ
リエチレンナフタレ−ト、あるいは、その構成単位の8
0モル%が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタ
レ−トであるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレン
テレフタレ−トである。上記の優位構成成分以外の共重
合成分としては、例えば、ジエチレングリコ−ル、プロ
ピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ポリエチ
レングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ルなどの
ジオ−ル成分、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸およびそのエステル形成
性誘導体などのジカルボン酸成分、オキシ安息香酸およ
びそのエステル形成性誘導体などのオキシモノカルボン
酸などを用いることができる。
【0007】本発明のポリエステルフィルムは、フィル
ム表面の突起を形成する添加粒子、析出粒子、その他の
触媒残渣を、後述するコンデンサの特性を悪化させない
範囲内で含有していてもよい。また、上記の突起形成剤
以外の添加剤として、必要に応じて、帯電防止剤、安定
剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止
剤、着色剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤などを、コンデ
ンサ特性を悪化させない範囲内で含有していてもよい。
本発明のコンデンサを構成する塗布層は、ポリエステル
系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系樹脂、エ−
テル系樹脂、ブタジエン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレ
タン系樹脂、セルロ−ス系樹脂などから選ばれた少なく
とも一種の樹脂を含有する塗布液を塗布後、乾燥して得
られる。これらの樹脂のうち特に好ましい樹脂はウレタ
ン系樹脂およびポリエステル系樹脂である。
【0008】上記のウレタン系樹脂を構成する成分とし
て以下のようなポリオ−ル、ポリイソシアネ−ト、鎖長
延長剤、架橋剤などを例示できる。ポリオ−ルの例とし
ては、ポリオキシエチレングリコ−ル、ポリオキシプロ
ピレングリコ−ル、ポリオキシテトラメチレングリコ−
ル、のようなポリエ−テル類、ポリエチレンアジペ−
ト、ポリエチレン−ブチレンアジペ−ト、ポリカプロラ
クトンのようなポリエステル類、アクリル系ポリオ−
ル、ひまし油などが挙げられる。
【0009】ポリイソシアネ−トの例としては、トリレ
ンジイソシアネ−ト、フェニレンジイソシアネ−ト、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ヘキサ
メチレンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−
ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−
ト、イソホロンジイソシアネ−トなどが挙げられる。鎖
延長剤あるいは架橋剤の例としては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ト
リメチロ−ルプロパン、ヒドラジン、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、水などが挙げられる。
【0010】前記ポリエステル系樹脂を構成する成分と
して以下のような多価カルボン酸および多価ヒドロキシ
化合物を例示できる。すなわち、多価カルボン酸として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フ
タル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5−
ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−カリ
ウムスルホテレフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタ
ル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ
ンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリット
酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、無水フタル
酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリ
ウム塩およびそれらのエステル形成性誘導体などを用い
ることができ、多価ヒドロキシ化合物としては、エチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3
−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ−ル、
1,4−ブタンジオール、1,6、−ヘキサンジオ−
ル、2−メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−
ル、p−キシリレングリコ−ル、ビスフェノ−ルA−エ
チレングリコ−ル付加物、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、、ポリエチレングリコ−ル、ポリ
プロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−
ル、ポリテトラメチレンオキシドグリコ−ル、ジメチロ
−ルプロピオン酸、グリセリン、トリメチロ−ルプロパ
ン、ジメチロ−ルエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチ
ロ−ルプロピオン酸カリウムなどを用いることができ
る。これらの化合物のなかから、それぞれ適宜1つ以上
選択して、常法の重縮合反応によりポリエステル系樹脂
を合成する。
【0011】なお、上記のポリエステル系樹脂のほか、
特開昭1−165633号公報に記載されている、いわ
ゆるアクリルグラフトポリエステルや、ポリエステルポ
リオ−ルをイソシアネ−トで鎖延長したポリエステルポ
リウレタンなどのポリエステル成分を有する複合高分子
も本発明で用いるポリエステル系樹脂の中にに含まれ
る。本発明で用いる樹脂は、安全衛生上、水を媒体とす
る塗布剤であることが望ましいが、本発明の要旨を越え
ない範囲内で、水溶性または水分散性樹脂の助剤として
有機溶剤を含有していてもよい。水を媒体とする場合
は、界面活性剤などによって強制分散化した塗布剤であ
ってもよいが、好ましくは、ポリエ−テル類のような親
水性のノニオン成分や、四級アンモニウム塩のようなカ
チオン性基を有する自己分散型塗布剤であり、さらに好
ましくは、アニオン性基を有する水溶性または水分散性
の塗布剤である。
【0012】アニオン性基を有する水溶性または水分散
性の塗布剤とは、アニオン性基を有する化合物を共重合
やグラフトなどにより樹脂に結合させたものであり、ス
ルホン酸、カルボン酸、リン酸およびそれらの塩等か
ら、適宜選択される。樹脂に水溶性を付与するためには
アニオン性基の対イオンはアルカリ金属イオンとするの
がよいが、後述するコンデンサの耐湿熱性の観点からア
ニオン性基の対イオンはアンモニウムイオンを含むアミ
ン系オニウムイオンから選択するのが好ましい。アニオ
ン性基を有する水溶性または水分散性の塗布剤のアニオ
ン性基の量は、0.05重量%〜8重量%が好ましい。
アニオン性基量が0.05重量%未満では、樹脂の水溶
性あるいは水分散性が悪くなることがあり、アニオン性
基量が8重量%を越えると、塗布後の下塗り層の耐水性
が劣ったり、吸湿してフィルムが相互に固着したり、耐
湿熱接着性を低下させたりするるので好ましくない。
【0013】本発明で用いる塗布液には、塗布層の固着
性(ブロッキング性)、耐水性、耐溶剤性、機械的強度
の改良のために架橋剤としてイソシアネ−ト系化合物、
エポシ系化合物、アミン系化合物、アジリジン化合物、
シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコ
−アルミネ−ト系カップリング剤、過酸化物、熱および
光り反応性のビニル化合物や感光性樹脂などを含有して
もよい。また、固着性や滑り性改良のために、塗布液中
に無機系微粒子としてシリカ、シリカゾル、アルミナ、
アルミナゾル、ジルコニウムゾル、カオリン、タルク、
炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化チタン、硫酸
バリウム、カ−ボンブラック、硫化モリブデン、酸化ア
ンチモンゾルなどを、有機系微粒子としてポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリア
クリル酸エステル、エポキシ樹脂、シリコ−ン樹脂、フ
ッ素樹脂などを、後述する表面粗さの範囲内となるよう
に含有していてもよい。さらに、必要に応じて消泡剤、
塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤滑剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含
有していてもよい。
【0014】本発明の特徴は、塗布層中のアルカリ金属
含有量を1000ppm以下とすることにある。アルカ
リ金属含有量はコンデンサ特性に著しく影響を与え、特
にコンデンサに直流電圧を印加しつつ高温高湿下に置い
た場合にコンデンサの静電容量の低下が激しい。アルカ
リ金属含有量は、好ましくは500ppm以下、さらに
好ましくは200ppm以下である。工業的実生産の原
料合成から調液工程において塗布液中のアルカリ金属の
不純物としての混入は避けられない。また、商業的に入
手可能な塗布剤に水道水や、地下水が用いられることも
しばしばである。さらには、本発明に好ましく用いられ
るアニオン系樹脂の親水性官能基の対イオンとして、ア
ルカリ金属が用いられることは樹脂の水溶化のために一
般的である。従って、必要に応じて脱イオン処理を施す
ことで所望の塗布液を得る場合もある。
【0015】上述の塗布液をポリエステルフィルムに塗
布する方法としては原崎勇次著、槙書店、1979年発
行、「コ−ティング方式」に示されるリバ−スロ−ルコ
−タ−、グラビアコ−タ−、ロッドコ−タ−、エアドク
ターコ−タ−あるいはこれら以外の塗布装置を用いて、
二軸延伸ポリエステルフィルム製造工程外で塗布液を塗
布する方法、さらに好ましくは、フィルム製造工程内で
塗布する方法が挙げられる。フィルム製造工程内で塗布
する方法としては、ポリエステル未延伸フィルムに塗布
液を塗布し、逐次あるいは、同時に二軸延伸する方法、
一軸延伸されたポリエステルフィルムに塗布し、さらに
先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法、あるい
は二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布し、さらに横お
よび/または縦方向に延伸する方法などがある。
【0016】上述の延伸工程は、好ましくは60〜13
0℃で行われ、延伸倍率は、面積倍率で少なくとも4倍
以上、好ましくは6〜20倍である。延伸されたフィル
ムは150〜250℃で熱処理される。さらに、熱処理
の最高温度ゾ−ンおよび/または熱処理出口のク−リン
グゾ−ンにて縦方向および横方向に0.2〜20%弛緩
することが好ましい。特に、60〜130℃でロ−ル延
伸法により2〜6倍延伸された一軸延伸ポリエステルフ
ィルムに塗布液を塗布し、適当な乾燥を施し、あるいは
乾燥を施さずに、ポリエステル一軸延伸フィルムを直ち
に先の延伸方向とは直角方向に80〜130℃で2〜6
倍に延伸し、150〜250℃で1〜600秒間熱処理
を行う方法が好ましい。
【0017】本方法によるならば、延伸と同時に塗布層
の乾燥が可能になると共に塗布層の厚さを延伸倍率に応
じて薄くすることができ、ポリエステルフィルム基材と
して好適なフィルムを比較的安価に製造できる。本発明
で用いる塗布液は、ポリエステルフィルムの片面だけに
塗布してもよいし、両面に塗布してもよい。片面にのみ
塗布した場合、その反対面には本発明で用いる塗布液以
外の塗布層を必要に応じて形成し、本発明のポリエステ
ルフィルムに他の特性を付与することもできる。
【0018】なお、塗布剤のフィルムへの塗布性、接着
性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電
処理を施してもよい。また、本発明の二軸延伸ポリエス
テルフィルムの塗布層の接着性、塗布性などを改良する
ために、塗布層形成後に塗布層に放電処理を施してもよ
い。塗布層の厚さは、0.01〜3μmの範囲が好まし
く、さらに好ましくは0.02〜1μmの範囲である。
塗布層の厚さは、コンデンサ小型化の要請からも薄くす
るのが好ましい。しかしながら塗布層の厚さが0.01
μm未満の場合には、均一な塗布層が得がたいために製
品に塗布むらが生じやすく不適当である。
【0019】上記のようにして形成された塗布層の水滴
接触角は60°以上であることが好ましい。水滴接触角
が60°未満であると、金属蒸着膜との耐水接着性が悪
化し、本発明のコンデンサに耐湿熱特性を付与すること
が困難となる場合がある。従って、塗布剤の親水基量、
乳化剤量、親水性化合物量には注意を要する。また、上
記のように形成された塗布層表面の中心線平均粗さ(R
a)は好ましくは0.005〜0.5μmの範囲であ
り、さらに好ましくは0.02〜0.3μm、特に好ま
しくは0.05〜0.1μmの範囲である。Raが0.
005μm未満ではフィルムの滑り性が不十分で作業性
が悪化する。一方、Raが0.5μmを越えると、表面
が粗れすぎて耐電圧特性が悪化するようになる傾向があ
る。
【0020】本発明のコンデンサにおいて、蒸着する金
属としては、アルミニウム、パラジウム、亜鉛、ニッケ
ル、金、銀、銅、インジウム、錫、クロム、チタン等が
挙げられるが、最も好ましい金属はアルミニウムであ
る。なお、上記の金属には金属の酸化物も含まれる。金
属蒸着膜の厚さは10〜5000Åの範囲が好ましい。
蒸着の方法は、一般的には真空蒸着法によるが、エレク
トロプレ−ティング法、スパッタリング法等の方法によ
ってもよい。なお、金属蒸着層はポリエステルフィルム
の両面に設けてもよい。また、金属蒸着後に蒸着金属層
の表面処理や他の樹脂による被覆処理を行ってもよい。
【0021】このようにして得られた金属蒸着ポリエス
テルフィルムを2枚重ね合わせて巻回(両面金属蒸着ポ
リエステルフィルムと本発明で使用できるポリエステル
フィルムを含む他のフィルムとの巻回も含む)、または
多数枚積層してコンデンサ素子を作り、常法にしたがっ
て、例えば、熱プレス、テ−ピング、メタリコン、電圧
処理、両端面封止、リ−ド線取り付けなどを行ってコン
デンサとすることができるが、これらに限定されるわけ
ではない。コンデンサの長期信頼性の点から、本発明に
おけるコンデンサは、その電極間に60V/μmの直流
電圧を印加しながら温度60℃、湿度95%RH雰囲気
下に1000時間放置した後の静電容量変化率を−10
〜10%とすることが好ましい。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下
の実施例によって限定されるものではない。なお、実施
例中の評価方法は下記のとおりである。実施例および比
較例中、「部」とあるのは「重量部」を示す。
【0023】(1)アルカリ金属イオンの分析 バリアン社製原子吸光分析計(スペクトロAA)を用い
て、Li,Na,K,Rb,Cs,Frについて検量線
法により定量した。 (2)中心線平均粗さ(Ra) (株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を
用いて次のようにして求めた。ただし、触針の先端半径
は2μm、荷重は30mmgとし,カットオフ値は0.
8mmとした。 (3)水滴接触角 温度23℃、湿度50%RH雰囲気下での試料フィルム
と蒸留水との接触角を接触角計(協和界面化(株)社
製、CA−DT−A型)を用いて測定した。接触角は、
左右2点、試料数3点で計6点測定し、平均値を求め接
触角とした。なお、水滴の直径は2mmとし、滴下後1
分後の数値を読み取った。
【0024】(4)接着性評価 金属蒸着フィルムの蒸着層表面に、東洋モ−トン(株)
社製AD−502;100部、CAT−10;10部か
らなるポリウレタン系二液硬化型接着剤を乾燥重量が5
g/m2 となるように塗布し、基材ポリエステルフィル
ムと同一厚さのポリエステルフィルムを通常のドライラ
ミネ−ト法により積層した後、40℃で48時間エ−ジ
ング処理を行った。得られた積層体を幅15mmの短冊
状にし、50〜55℃の温水中に浸漬した(温水処
理)。上記温水処理試料の端部を一部剥離し、剥離試験
機により100mm/分の速度でT型剥離を行った。接
着性の評価基準は下記のとおりである。 ○:100g<剥離荷重 △:10g<剥離荷重≦100g ×:剥離荷重≦ 10g
【0025】(5)耐電圧特性 JIS C−2319に準じて測定を行った。すなわ
ち、10kV直流耐電圧試験機を用い、23℃、50%
RHの雰囲気下にて、100V/秒の昇圧速度で上昇さ
せ、フィルムが破壊し短絡した時の電圧を読み取った。
【0026】(6)静電容量の変化 無負荷試験 コンデンサを60℃、95%RHの雰囲気下に1000
時間放置し、初期静電容量を基準値とする静電容量変化
率として求めた。すなわち、1000時間後の静電容量
から初期静電容量を差し引いた値を、初期静電容量で除
して百分率で表記した。 負荷試験 コンデンサの電極間に60V/μmの直流電圧を印加し
つつ温度60℃、湿度95%RHの雰囲気下に1000
時間放置し、初期静電容量を基準値とする静電容量変化
率として求めた。すなわち、1000時間後の静電容量
から初期静電容量を差し引いた値を、初期静電容量で除
して百分率で表記した。
【0027】実施例1 常法に従い、平均粒径1.2μmのシリカ粒子を0.3
%含有する固有粘度0.66のポリエチレンテレフタレ
−トを290℃で溶融押出し無定形シートとした後、縦
方向に90℃で4.2倍延伸した後、官能基としてカル
ボン酸アンモニウム塩を有する水分散型ポリウレタン
(大日本インキ化学工業社製、商品名ハイドランAP4
0)90部(固形分重量、以下同様)、トリエチレング
リコ−ルジグリシジルエ−テル10部からなり、水を媒
体とする塗布液をフィルムの両面に塗布し、次いで、横
方向に110℃で3.9倍延伸し、230℃で熱処理を
行い、塗布層の厚さ0.04μm 、基材ポリエステルフ
ィルムの厚さ5μm の二軸延伸ポリエステルフィルムを
得た。塗布液中のアルカリ金属含有量は塗布液の固形分
換算値で、Naが44ppm、Kが5.8ppmであ
り、その他のアルカリ金属は検出限界以下であった。ま
た、塗布層の水滴接触角は63°、中心線平均粗さ(R
a)は0.020μm であった。
【0028】得られたフィルムの塗布面上に、抵抗加熱
型金属蒸着装置を用い、真空室の圧力を10-4Torr
以下としてアルミニウムを450Åの厚みに蒸着した。
その際、ポリエステルフィルムの長手方向にマ−ジン部
を有するストライプ状に蒸着した(蒸着部の幅8mm、
マ−ジン部の幅1mmの繰り返し)。得られた蒸着ポリ
エステルフィルムを、左または右に幅1mmのマ−ジン
部を有する4.5mm幅のテ−プ状にスリットした。得
られた、左マ−ジンおよび右マ−ジンの蒸着ポリエステ
ルフィルム各1枚ずつを併せて巻回し、巻回体を得た。
この時、幅方向に蒸着部分が、0.5mmずつはみだす
ように2枚のフィルムをずらして巻回した。この巻回体
を温度150℃、圧力50kg/cm2 、で5分間プレ
スした。これに両端面にメタリコンを溶射後リ−ド線を
付して、静電容量0.1μFのフィルムコンデンサとし
た。得られた金属蒸着フィルムコンデンサは、表1に示
すとおり、耐電圧特性に優れ、静電容量の変化の少な
い、耐湿熱特性に優れる金属蒸着ポリエステルフィルム
コンデンサであった。なお、後述の実施例および比較例
の結果についても表1、表2にまとめて示す。
【0029】比較例1 実施例1において塗布液を塗布しないこと以外は実施例
1と同様にして金属蒸着ポリエステルフィルムコンデン
サを得た。得られたコンデンサは、実施例1と比較し
て、耐湿熱特性に劣っていた。 比較例2 実施例1の塗布剤に塩化ナトリウムを添加して塗布液の
固形分換算値で、Naを2000ppm、Kを5.8p
pm、その他のアルカリ金属は検出限界以下であり、水
を媒体とする塗布液を塗布すること以外は、実施例1と
同様にして、金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ
を得た。得られたコンデンサは、実施例1と比較して、
耐湿熱特性に劣っていた。
【0030】実施例2 実施例1の塗布剤に塩化ナトリウムを添加して塗布液の
固形分換算値で、Naを1000ppm、Kを5.8p
pm、その他のアルカリ金属は検出限界以下であり、水
を媒体とする塗布液を塗布すること以外は、実施例1と
同様にして、金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ
を得た。 実施例3 実施例1の塗布剤に塩化ナトリウムを添加して塗布液の
固形分換算値で、Naを500ppm、Kを5.8pp
m、その他のアルカリ金属は検出限界以下であり、水を
媒体とする塗布液を塗布すること以外は、実施例1と同
様にして、金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサを
得た。
【0031】実施例4 実施例1の塗布剤に塩化ナトリウムを添加して塗布液の
固形分換算値で、Naを200ppm、Kを5.8pp
m、その他のアルカリ金属は検出限界以下であり、水を
媒体とする塗布液を塗布すること以外は、実施例1と同
様にして、金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサを
得た。 比較例3 実施例1の塗布剤の代わりに、官能基としてスルホン酸
ナトリウム塩を有する水分散型ポリエステル(互応化学
工業社製、商品名プラスコ−トRZ−124)100部
からなり、水を媒体とする塗布液を塗布すること以外
は、実施例1と同様にして、金属蒸着ポリエステルフィ
ルムコンデンサを得た。塗布液中のアルカリ金属含有量
は塗布液の固形分換算値で、Naが2900ppm、K
が15.6ppmであり、その他のアルカリ金属は検出
限界以下であった。得られたコンデンサは、実施例1と
比較して、耐湿熱特性に劣っていた。
【0032】実施例5 比較例3の塗布液をスルホン酸型イオン交換樹脂カラム
を通過させて、塗布液中のアルカリ金属含有量が塗布液
の固形分換算値で、Naが25ppm、Kが1.6pp
mであり、その他のアルカリ金属は検出限界以下である
塗布液を調整し、これを塗布する以外は、実施例1と同
様にして、金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサを
得た。得られた金属蒸着フィルムコンデンサは、耐電圧
特性に優れ、静電容量の変化の少ない、耐湿熱特性に優
れる金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサであっ
た。以上、得られた結果をまとめて下記表1および2に
示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明の金属蒸着フィルムコンデンサ
は、優れた耐湿熱特性を有しており、コンデンサの長期
信頼性向上に寄与することができ、その工業的価値は高
い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、水溶性または水分散性樹脂からなる塗布層を有し、
    塗布層面に金属を蒸着してなる金属蒸着フィルムコンデ
    ンサであって、該塗布層中のアルカリ金属含有量が10
    00ppm以下であることを特徴とする金属蒸着ポリエ
    ステルフィルムコンデンサ。
JP6630892A 1991-11-29 1992-03-24 金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ Pending JPH05275276A (ja)

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JP6630892A JPH05275276A (ja) 1992-03-24 1992-03-24 金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ
US07/978,959 US5738926A (en) 1991-11-29 1992-11-23 Metallized polyester film capacitor
EP92119994A EP0545227B1 (en) 1991-11-29 1992-11-24 Metallized polyester film capacitor
DE1992628294 DE69228294T2 (de) 1991-11-29 1992-11-24 Kondensator mit einem metallisierten Polyester-Film
MX9206782A MX9206782A (es) 1991-11-29 1992-11-25 Capacitor de pelicula de poliester metalizada.
CA 2083730 CA2083730A1 (en) 1991-11-29 1992-11-25 Metallized polyester film capacitor

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100458212B1 (ko) * 1995-12-22 2005-04-06 미쓰비시 가가꾸 폴리에스테르 필름 가부시키가이샤 폴리에스테르필름및그를사용한커패시터

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KR100458212B1 (ko) * 1995-12-22 2005-04-06 미쓰비시 가가꾸 폴리에스테르 필름 가부시키가이샤 폴리에스테르필름및그를사용한커패시터

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