JPH0793242B2 - 金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ - Google Patents
金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサInfo
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- JPH0793242B2 JPH0793242B2 JP3111944A JP11194491A JPH0793242B2 JP H0793242 B2 JPH0793242 B2 JP H0793242B2 JP 3111944 A JP3111944 A JP 3111944A JP 11194491 A JP11194491 A JP 11194491A JP H0793242 B2 JPH0793242 B2 JP H0793242B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属蒸着ポリエステル
フィルムコンデンサに関する。詳しくは、本発明は、基
材フィルムと蒸着金属との間の接着性の改良されたフィ
ルムを用いた、耐湿熱特性の優れた金属蒸着ポリエステ
ルフィルムコンデンサに関する。
フィルムコンデンサに関する。詳しくは、本発明は、基
材フィルムと蒸着金属との間の接着性の改良されたフィ
ルムを用いた、耐湿熱特性の優れた金属蒸着ポリエステ
ルフィルムコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
エチレンテレフタレートに代表されるポリエステルフィ
ルムは、優れた機械的性質、耐熱性、電気的性質を有す
ることから、コンデンサの基材フィルムとして多用され
ている。しかしながら、近年の各種電子機器等の発達に
伴い、ポリエステルフィルムの高特性化が図られてい
る。その高特性化の要求項目のひとつとして、長期耐湿
熱安定性の要求がある。すなわち、金属蒸着ポリエステ
ルフィルムは、基材フィルムと蒸着金属との接着性、特
に、高温高湿環境下での接着性(いわゆる耐湿熱接着
性)が悪いという欠点を有しており、コンデンサを高温
高湿化に置くと、基材フィルムと蒸着金属との界面で透
湿し、コンデンサの静電容量が経時的に変化する等の問
題があり、長期安定性の点で、コンデンサの耐湿熱特性
改良が求められていた。
エチレンテレフタレートに代表されるポリエステルフィ
ルムは、優れた機械的性質、耐熱性、電気的性質を有す
ることから、コンデンサの基材フィルムとして多用され
ている。しかしながら、近年の各種電子機器等の発達に
伴い、ポリエステルフィルムの高特性化が図られてい
る。その高特性化の要求項目のひとつとして、長期耐湿
熱安定性の要求がある。すなわち、金属蒸着ポリエステ
ルフィルムは、基材フィルムと蒸着金属との接着性、特
に、高温高湿環境下での接着性(いわゆる耐湿熱接着
性)が悪いという欠点を有しており、コンデンサを高温
高湿化に置くと、基材フィルムと蒸着金属との界面で透
湿し、コンデンサの静電容量が経時的に変化する等の問
題があり、長期安定性の点で、コンデンサの耐湿熱特性
改良が求められていた。
【0003】特開昭60−115214号公報には、塩
化ビニリデン塗布層を有するフィルムコンデンサが、ま
た、特開昭60−115214号公報には、メラミンお
よび/または尿素樹脂を必須成分として配合した塗布層
を有するフィルムコンデンサが、それぞれ、耐湿熱性に
優れるコンデンサとして開示されている。
化ビニリデン塗布層を有するフィルムコンデンサが、ま
た、特開昭60−115214号公報には、メラミンお
よび/または尿素樹脂を必須成分として配合した塗布層
を有するフィルムコンデンサが、それぞれ、耐湿熱性に
優れるコンデンサとして開示されている。
【0004】しかしながら、上記の公報に記載された樹
脂組成物を用いても、湿熱環境下では必ずしも十分にコ
ンデンサの性能が保持されない。また、最近の各種電子
機器の発達は顕著であり、これに伴って、コンデンサに
求められる長期信頼性、特にコンデンサ性能の長期耐湿
熱安定性への要求は、さらに増大している。
脂組成物を用いても、湿熱環境下では必ずしも十分にコ
ンデンサの性能が保持されない。また、最近の各種電子
機器の発達は顕著であり、これに伴って、コンデンサに
求められる長期信頼性、特にコンデンサ性能の長期耐湿
熱安定性への要求は、さらに増大している。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み鋭意検討した結果、ある特定の塗布層を有するポリ
エステルフィルムが、金属蒸着薄膜との優れた耐湿熱接
着性を有しており、この金属蒸着ポリエステルフィルム
を用いたコンデンサ素子が、優れた耐湿熱性を有してい
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
鑑み鋭意検討した結果、ある特定の塗布層を有するポリ
エステルフィルムが、金属蒸着薄膜との優れた耐湿熱接
着性を有しており、この金属蒸着ポリエステルフィルム
を用いたコンデンサ素子が、優れた耐湿熱性を有してい
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、ポリエステル
フィルムの少なくとも片面に、ガラス転移点(Tg)が
70℃以下のポリエステル系樹脂を主成分とする塗布層
を有し、表面粗さ(Ra)が0.005〜0.5μmで
ある該塗布層面に金属を蒸着した後、積層または巻回し
てなる金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサに存す
る。
フィルムの少なくとも片面に、ガラス転移点(Tg)が
70℃以下のポリエステル系樹脂を主成分とする塗布層
を有し、表面粗さ(Ra)が0.005〜0.5μmで
ある該塗布層面に金属を蒸着した後、積層または巻回し
てなる金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサに存す
る。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるポリエステルフィルムのポリエステルとは、その
構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレ−トで
あるポリエチレンテレフタレ−ト、その構成単位の80
モル%以上がエチレンナフタレ−トであるポリエチレン
ナフタレ−ト、あるいは、その構成単位の80モル%が
1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレ−トであ
るポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレ
−トを指す。
おけるポリエステルフィルムのポリエステルとは、その
構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレ−トで
あるポリエチレンテレフタレ−ト、その構成単位の80
モル%以上がエチレンナフタレ−トであるポリエチレン
ナフタレ−ト、あるいは、その構成単位の80モル%が
1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレ−トであ
るポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレ
−トを指す。
【0008】上記の優位構成成分以外の共重合成分とし
ては、例えば、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリ
コ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ポリエチレングリコ
−ル、ポリテトラメチレングリコ−ルなどのジオ−ル成
分、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導体な
どのジカルボン酸成分、オキシ安息香酸およびそのエス
テル形成性誘導体などのオキシモノカルボン酸などを用
いることができる。
ては、例えば、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリ
コ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ポリエチレングリコ
−ル、ポリテトラメチレングリコ−ルなどのジオ−ル成
分、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導体な
どのジカルボン酸成分、オキシ安息香酸およびそのエス
テル形成性誘導体などのオキシモノカルボン酸などを用
いることができる。
【0009】本発明のポリエステルフィルムは、フィル
ム表面の突起を形成する添加粒子、析出粒子、その他の
触媒残渣を、後述するコンデンサの特性を悪化させない
範囲内で含有していてもよい。また、上記の突起形成剤
以外の添加剤として、必要に応じて、帯電防止剤、安定
剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止
剤、着色剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤などを、コンデ
ンサ特性を悪化させない範囲内で含有していてもよい。
ム表面の突起を形成する添加粒子、析出粒子、その他の
触媒残渣を、後述するコンデンサの特性を悪化させない
範囲内で含有していてもよい。また、上記の突起形成剤
以外の添加剤として、必要に応じて、帯電防止剤、安定
剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止
剤、着色剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤などを、コンデ
ンサ特性を悪化させない範囲内で含有していてもよい。
【0010】本発明における塗布層は、ガラス転移点
(Tg)が、70℃以下、好ましくは0〜60℃、さら
に好ましくは5〜50℃であるポリエステル系樹脂を含
有する塗布液を、後述の塗布方法により塗布後、乾燥し
て得られる。ポリエステル系樹脂のTgが70℃を超え
ると、蒸着金属との接着性が悪くなり不適当である。ま
た、ポリエステル系樹脂のTgが低すぎると、フィルム
が相互に固着し作業性を低下させるので好ましくない。
(Tg)が、70℃以下、好ましくは0〜60℃、さら
に好ましくは5〜50℃であるポリエステル系樹脂を含
有する塗布液を、後述の塗布方法により塗布後、乾燥し
て得られる。ポリエステル系樹脂のTgが70℃を超え
ると、蒸着金属との接着性が悪くなり不適当である。ま
た、ポリエステル系樹脂のTgが低すぎると、フィルム
が相互に固着し作業性を低下させるので好ましくない。
【0011】かかるポリエステル系樹脂を構成する成分
として以下のような多価カルボン酸および多価ヒドロキ
シ化合物を例示できる。すなわち、多価カルボン酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、
フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5
−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−カ
リウムスルホテレフタル酸、5−ソジウムスルホイソフ
タル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリッ
ト酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、無水フタル
酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリ
ウム塩およびそれらのエステル形成性誘導体などを用い
ることができ、多価ヒドロキシ化合物としては、エチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3
−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ−ル、
1,4−ブタンジオール、1,6、−ヘキサンジオ−
ル、2−メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−
ル、p−キシリレングリコ−ル、ビスフェノ−ルA−エ
チレングリコ−ル付加物、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、、ポリエチレングリコ−ル、ポリ
プロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−
ル、ポリテトラメチレンオキシドグリコ−ル、ジメチロ
−ルプロピオン酸、グリセリン、トリメチロ−ルプロパ
ン、ジメチロ−ルエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチ
ロ−ルプロピオン酸カリウムなどを用いることができ
る。
として以下のような多価カルボン酸および多価ヒドロキ
シ化合物を例示できる。すなわち、多価カルボン酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、
フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5
−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−カ
リウムスルホテレフタル酸、5−ソジウムスルホイソフ
タル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリッ
ト酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、無水フタル
酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリ
ウム塩およびそれらのエステル形成性誘導体などを用い
ることができ、多価ヒドロキシ化合物としては、エチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3
−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ−ル、
1,4−ブタンジオール、1,6、−ヘキサンジオ−
ル、2−メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−
ル、p−キシリレングリコ−ル、ビスフェノ−ルA−エ
チレングリコ−ル付加物、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、、ポリエチレングリコ−ル、ポリ
プロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−
ル、ポリテトラメチレンオキシドグリコ−ル、ジメチロ
−ルプロピオン酸、グリセリン、トリメチロ−ルプロパ
ン、ジメチロ−ルエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチ
ロ−ルプロピオン酸カリウムなどを用いることができ
る。
【0012】これらの化合物の中から、それぞれ適宜1
つ以上選択して、上述のガラス転移点の範囲内となるポ
リエステル系樹脂を常法の重縮合反応によって合成す
る。本発明におけるポリエステル系樹脂は、溶剤を媒体
とする塗布剤であってもよいが、安全衛生上、水を媒体
とする塗布剤であることが望ましく、水を媒体とする場
合は、界面活性剤などによって強制分散化した塗布剤で
あってもよいが、好ましくはポリエ−テル類のような親
水性のノニオン成分や、四級アンモニウム塩のようなカ
チオン性基を有する自己分散型塗布剤であり、さらに好
ましくは、アニオン性基を有する水溶性または水分散性
ポリエステル系樹脂塗布剤である。
つ以上選択して、上述のガラス転移点の範囲内となるポ
リエステル系樹脂を常法の重縮合反応によって合成す
る。本発明におけるポリエステル系樹脂は、溶剤を媒体
とする塗布剤であってもよいが、安全衛生上、水を媒体
とする塗布剤であることが望ましく、水を媒体とする場
合は、界面活性剤などによって強制分散化した塗布剤で
あってもよいが、好ましくはポリエ−テル類のような親
水性のノニオン成分や、四級アンモニウム塩のようなカ
チオン性基を有する自己分散型塗布剤であり、さらに好
ましくは、アニオン性基を有する水溶性または水分散性
ポリエステル系樹脂塗布剤である。
【0013】アニオン性基を有するポリエステルとは、
アニオン性基を有する化合物を共重合やグラフトなどに
よりポリエステルに結合させたものであり、スルホン
酸、カルボン酸、リン酸およびそれらのリチウム塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等から、適宜
選択される。
アニオン性基を有する化合物を共重合やグラフトなどに
よりポリエステルに結合させたものであり、スルホン
酸、カルボン酸、リン酸およびそれらのリチウム塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等から、適宜
選択される。
【0014】ポリエステル系樹脂のアニオン性基の量
は、0.05重量%〜8重量%が好ましい。アニオン性
基量が0.05重量%未満では、ポリエステル系樹脂の
水溶性あるいは水分散性が悪く、アニオン性基量が8重
量%を超えると、塗布後の下塗り層の耐水性が劣った
り、吸湿してフィルムが相互に固着したり、耐湿熱接着
性を低下させたりするので好ましくない。
は、0.05重量%〜8重量%が好ましい。アニオン性
基量が0.05重量%未満では、ポリエステル系樹脂の
水溶性あるいは水分散性が悪く、アニオン性基量が8重
量%を超えると、塗布後の下塗り層の耐水性が劣った
り、吸湿してフィルムが相互に固着したり、耐湿熱接着
性を低下させたりするので好ましくない。
【0015】本発明における塗布液には、塗布層の固着
性(ブロッキング性)、耐水性、耐溶剤性、機械的強度
の改良のために架橋剤としてメチロ−ル化あるいはアル
キロ−ル化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、ア
クリルアミド系、ポリアミド系などの化合物、エポキシ
化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネ−
ト、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジ
ルコ−アルミネ−ト系カップリング剤、過酸化物、熱お
よび光り反応性のビニル化合物や感光性樹脂などを含有
していてもよい。また、固着性や滑り性の改良のために
無機系微粒子としてシリカ、シリカゾル、アルミナ、ア
ルミナゾル、ジルコニウムゾル、カオリン、タルク、炭
酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バ
リウム、カ−ボンブラック、硫化モリブデン、酸化アン
チモンゾルなどを後述する表面粗さの範囲内となるよう
に含有していてもよい。
性(ブロッキング性)、耐水性、耐溶剤性、機械的強度
の改良のために架橋剤としてメチロ−ル化あるいはアル
キロ−ル化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、ア
クリルアミド系、ポリアミド系などの化合物、エポキシ
化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネ−
ト、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジ
ルコ−アルミネ−ト系カップリング剤、過酸化物、熱お
よび光り反応性のビニル化合物や感光性樹脂などを含有
していてもよい。また、固着性や滑り性の改良のために
無機系微粒子としてシリカ、シリカゾル、アルミナ、ア
ルミナゾル、ジルコニウムゾル、カオリン、タルク、炭
酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バ
リウム、カ−ボンブラック、硫化モリブデン、酸化アン
チモンゾルなどを後述する表面粗さの範囲内となるよう
に含有していてもよい。
【0016】さらに、必要に応じて、消泡剤、塗布性改
良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤滑剤、有機系高分
子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔
料などを含有していてもよい。また、本発明の塗布液に
は、本発明におけるポリエステル系樹脂以外のポリマ−
として、別種のポリエステル系樹脂やポリウレタン系樹
脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂などを塗布液あるい
は塗布層の特性改良のために含有していてもよい。
良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤滑剤、有機系高分
子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔
料などを含有していてもよい。また、本発明の塗布液に
は、本発明におけるポリエステル系樹脂以外のポリマ−
として、別種のポリエステル系樹脂やポリウレタン系樹
脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂などを塗布液あるい
は塗布層の特性改良のために含有していてもよい。
【0017】上述した塗布液をポリエステルフィルムに
塗布する方法としては、原崎勇次著、槇書店、1979
年発行、「コ−ティング方式」に示されるリバ−スロ−
ルコ−タ−、グラビアコ−タ−、ロッドコ−タ−、エア
ドクターコ−タ−あるいはこれら以外の塗布装置を用い
て、二軸延伸ポリエステルフィルム製造工程外で塗布液
を塗布する方法、さらに好ましくは、フィルム製造工程
内で塗布する方法が挙げられる。フィルム製造工程内で
塗布する方法としては、ポリエステル未延伸フィルムに
塗布液を塗布し、逐次あるいは、同時に二軸延伸する方
法、一軸延伸されたポリエステルフィルムに塗布し、さ
らに先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法、あ
るいは二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布し、さらに
横および/または縦方向に延伸する方法などがある。
塗布する方法としては、原崎勇次著、槇書店、1979
年発行、「コ−ティング方式」に示されるリバ−スロ−
ルコ−タ−、グラビアコ−タ−、ロッドコ−タ−、エア
ドクターコ−タ−あるいはこれら以外の塗布装置を用い
て、二軸延伸ポリエステルフィルム製造工程外で塗布液
を塗布する方法、さらに好ましくは、フィルム製造工程
内で塗布する方法が挙げられる。フィルム製造工程内で
塗布する方法としては、ポリエステル未延伸フィルムに
塗布液を塗布し、逐次あるいは、同時に二軸延伸する方
法、一軸延伸されたポリエステルフィルムに塗布し、さ
らに先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法、あ
るいは二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布し、さらに
横および/または縦方向に延伸する方法などがある。
【0018】上述の延伸工程は、好ましくは60〜13
0℃で行われ、延伸倍率は、面積倍率で少なくとも4倍
以上、好ましくは6〜20倍である。延伸されたフィル
ムは150〜250℃で熱処理される。さらに、熱処理
の最高温度ゾ−ンおよび/または熱処理出口のク−リン
グゾ−ンにて縦方向および横方向に0.2〜20%弛緩
することが好ましい。特に、60〜130℃でロ−ル延
伸法により2〜6倍延伸された一軸延伸ポリエステルフ
ィルムに塗布液を塗布し、必要に応じ乾燥を施し、ポリ
エステル一軸延伸フィルムを直ちに先の延伸方向とは直
角方向に80〜130℃で2〜6倍に延伸し、150〜
250℃で1〜600秒間熱処理を行う方法が好まし
い。本方法によるならば、延伸と同時に塗布層の乾燥が
可能になると共に塗布層の厚さを延伸倍率に応じて薄く
することができ、ポリエステルフィルム基材として好適
なフィルムを比較的安価に製造できる。
0℃で行われ、延伸倍率は、面積倍率で少なくとも4倍
以上、好ましくは6〜20倍である。延伸されたフィル
ムは150〜250℃で熱処理される。さらに、熱処理
の最高温度ゾ−ンおよび/または熱処理出口のク−リン
グゾ−ンにて縦方向および横方向に0.2〜20%弛緩
することが好ましい。特に、60〜130℃でロ−ル延
伸法により2〜6倍延伸された一軸延伸ポリエステルフ
ィルムに塗布液を塗布し、必要に応じ乾燥を施し、ポリ
エステル一軸延伸フィルムを直ちに先の延伸方向とは直
角方向に80〜130℃で2〜6倍に延伸し、150〜
250℃で1〜600秒間熱処理を行う方法が好まし
い。本方法によるならば、延伸と同時に塗布層の乾燥が
可能になると共に塗布層の厚さを延伸倍率に応じて薄く
することができ、ポリエステルフィルム基材として好適
なフィルムを比較的安価に製造できる。
【0019】本発明における塗布液は、ポリエステルフ
ィルムの片面だけに塗布してもよいし、両面に塗布して
もよい。片面にのみ塗布した場合、その反対面には本発
明における塗布液以外の塗布層を必要に応じて形成し、
本発明のポリエステルフィルムに他の特性を付与するこ
ともできる。なお、塗布剤のフィルムへの塗布性、接着
性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電
処理を施してもよい。また、本発明の二軸延伸ポリエス
テルフィルムの塗布層の接着性、塗布性などを改良する
ために、塗布層形成後に塗布層に放電処理を施してもよ
い。
ィルムの片面だけに塗布してもよいし、両面に塗布して
もよい。片面にのみ塗布した場合、その反対面には本発
明における塗布液以外の塗布層を必要に応じて形成し、
本発明のポリエステルフィルムに他の特性を付与するこ
ともできる。なお、塗布剤のフィルムへの塗布性、接着
性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電
処理を施してもよい。また、本発明の二軸延伸ポリエス
テルフィルムの塗布層の接着性、塗布性などを改良する
ために、塗布層形成後に塗布層に放電処理を施してもよ
い。
【0020】塗布層の厚さは、0.01〜5μmの範囲
が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1μmの範囲
である。塗布層の厚さは、コンデンサ小型化の要請から
も薄くするが好ましい。しかしながら、塗布層の厚さが
0.01μm未満の場合には、均一な塗布層が得難いた
めに製品に塗布むらが生じやすく不適当である。上記の
ようにして形成された塗布層の水滴接触角は60°以上
であることが好ましい。水滴接触角が60°未満である
と、金属蒸着膜との耐水接着性が悪化し、本発明のコン
デンサに耐湿熱特性を付与することが困難となる。従っ
て、塗布剤の親水基量、乳化剤量、親水性化合物量には
注意を要する。
が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1μmの範囲
である。塗布層の厚さは、コンデンサ小型化の要請から
も薄くするが好ましい。しかしながら、塗布層の厚さが
0.01μm未満の場合には、均一な塗布層が得難いた
めに製品に塗布むらが生じやすく不適当である。上記の
ようにして形成された塗布層の水滴接触角は60°以上
であることが好ましい。水滴接触角が60°未満である
と、金属蒸着膜との耐水接着性が悪化し、本発明のコン
デンサに耐湿熱特性を付与することが困難となる。従っ
て、塗布剤の親水基量、乳化剤量、親水性化合物量には
注意を要する。
【0021】また、上記のように形成された塗布層表面
の中心線平均粗さ(Ra)は0.005〜0.5μmの
範囲である必要があり、好ましくは0.02〜0.3μ
mの範囲であり、さらに好ましくは0.05〜0.1μ
mの範囲である。Raが0.005μm未満ではフィル
ムの滑り性が不十分で作業性が悪化する。一方、Raが
0.5μmを超えると表面が粗れすぎ、耐電圧特性が悪
化するようになる。また、コンデンサの大容量小型化の
要請からも好ましくない。
の中心線平均粗さ(Ra)は0.005〜0.5μmの
範囲である必要があり、好ましくは0.02〜0.3μ
mの範囲であり、さらに好ましくは0.05〜0.1μ
mの範囲である。Raが0.005μm未満ではフィル
ムの滑り性が不十分で作業性が悪化する。一方、Raが
0.5μmを超えると表面が粗れすぎ、耐電圧特性が悪
化するようになる。また、コンデンサの大容量小型化の
要請からも好ましくない。
【0022】本発明において、蒸着する金属としては、
アルミニウム、パラジウム、亜鉛、ニッケル、金、銀、
銅、インジウム、錫、クロム、チタン等が挙げられる
が、最も好ましい金属はアルミニウムである。なお、上
記の金属には金属の酸化物も含まれる。金属蒸着膜の厚
さは10〜5000オングストロームの範囲が好まし
い。蒸着の方法は、一般的には真空蒸着法によるが、エ
レクトロプレ−ティング法、スパッタリング法等の方法
によってもよい。なお、金属蒸着層はポリエステルフィ
ルムの両面に設けてもよい。また、金属蒸着後に蒸着金
属層の表面処理や他の樹脂による被覆処理を行ってもよ
い。このようにして得られた金属蒸着ポリエステルフィ
ルムを2枚重ね合わせて巻回、または多数枚積層してコ
ンデンサ素子を作り、常法に従って、例えば、熱プレ
ス、テ−ピング、メタリコン、電圧処理、両端面封止、
リ−ド線取り付けなどを行ってコンデンサとすることが
できる。
アルミニウム、パラジウム、亜鉛、ニッケル、金、銀、
銅、インジウム、錫、クロム、チタン等が挙げられる
が、最も好ましい金属はアルミニウムである。なお、上
記の金属には金属の酸化物も含まれる。金属蒸着膜の厚
さは10〜5000オングストロームの範囲が好まし
い。蒸着の方法は、一般的には真空蒸着法によるが、エ
レクトロプレ−ティング法、スパッタリング法等の方法
によってもよい。なお、金属蒸着層はポリエステルフィ
ルムの両面に設けてもよい。また、金属蒸着後に蒸着金
属層の表面処理や他の樹脂による被覆処理を行ってもよ
い。このようにして得られた金属蒸着ポリエステルフィ
ルムを2枚重ね合わせて巻回、または多数枚積層してコ
ンデンサ素子を作り、常法に従って、例えば、熱プレ
ス、テ−ピング、メタリコン、電圧処理、両端面封止、
リ−ド線取り付けなどを行ってコンデンサとすることが
できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の
実施例によって限定されるものではない。なお、実施例
中の評価方法は下記のとおりである。実施例および比較
例中、「部」とあるのは「重量部」を示す。
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の
実施例によって限定されるものではない。なお、実施例
中の評価方法は下記のとおりである。実施例および比較
例中、「部」とあるのは「重量部」を示す。
【0024】(1)ガラス転移点(Tg) セイコ−電子工業(株)製差動熱量計SSC580 D
SC20型を用いて測定した。DSC測定条件は以下の
とおりである。すなわち、あらかじめ凍結乾燥した試料
10mgをDSC装置にセットし、10℃/minの速
度で200℃まで昇温した後、液体窒素にて急冷し、再
び10℃/minの速度にて−50℃〜200℃の範囲
で昇温しガラス転移点を測定した。ガラス転移点は、比
熱の変化によりDSC曲線が屈曲し、ベ−スラインが平
行移動する形で感知される。かかる屈曲点以下の温度で
のベ−スラインの接線と屈曲した部分で傾きが最大とな
る点の接線との交点を屈曲の開始点とし、この温度をガ
ラス転移点とした。
SC20型を用いて測定した。DSC測定条件は以下の
とおりである。すなわち、あらかじめ凍結乾燥した試料
10mgをDSC装置にセットし、10℃/minの速
度で200℃まで昇温した後、液体窒素にて急冷し、再
び10℃/minの速度にて−50℃〜200℃の範囲
で昇温しガラス転移点を測定した。ガラス転移点は、比
熱の変化によりDSC曲線が屈曲し、ベ−スラインが平
行移動する形で感知される。かかる屈曲点以下の温度で
のベ−スラインの接線と屈曲した部分で傾きが最大とな
る点の接線との交点を屈曲の開始点とし、この温度をガ
ラス転移点とした。
【0025】(2)中心線平均粗さ(Ra) (株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を
用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面
曲線からその中心線方向に基準長さL(2.55mm) の部分
を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率
の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x) で表した時、次
の式で与えられた値を[μm]で表す。中心線平均粗さ
は、試料フィルム表面10本の断面曲線を求め、これら
の断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの
平均値で表した。なお、触針の先端半径は2μm、荷重
は30mmgとし,カットオフ値は0.8mmとした。
用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面
曲線からその中心線方向に基準長さL(2.55mm) の部分
を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率
の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x) で表した時、次
の式で与えられた値を[μm]で表す。中心線平均粗さ
は、試料フィルム表面10本の断面曲線を求め、これら
の断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの
平均値で表した。なお、触針の先端半径は2μm、荷重
は30mmgとし,カットオフ値は0.8mmとした。
【数1】
【0026】(3)水滴接触角 温度23℃、湿度50%RH雰囲気下での試料フィルム
と蒸留水との接触角を接触角計(協和界面化(株)社
製、CA−DT−A型)を用いて測定した。接触角は、
左右2点、試料数3点で計6点測定し、平均値を求め接
触角とした。なお、水滴の直径は2mmとし、滴下後1
分後の数値を読み取った。
と蒸留水との接触角を接触角計(協和界面化(株)社
製、CA−DT−A型)を用いて測定した。接触角は、
左右2点、試料数3点で計6点測定し、平均値を求め接
触角とした。なお、水滴の直径は2mmとし、滴下後1
分後の数値を読み取った。
【0027】(4)接着性評価 金属蒸着フィルムの蒸着層表面に基材ポリエステルフィ
ルムと同一厚さのポリエステルフィルムを通常のドライ
ラミネ−ト法により積層した後、エ−ジング処理を行っ
た。得られた積層体を幅15mmの短冊状にし、40〜
45℃の温水中に浸漬した(温水処理)。上記温水処理
試料の端部を一部剥離し、剥離試験機により100mm
/分の速度でT型剥離を行った。接着性の評価基準は下
記のとおりである。 ○: 100g<剥離荷重 △: 10g<剥離荷重≦100g ×: 剥離荷重≦ 10g
ルムと同一厚さのポリエステルフィルムを通常のドライ
ラミネ−ト法により積層した後、エ−ジング処理を行っ
た。得られた積層体を幅15mmの短冊状にし、40〜
45℃の温水中に浸漬した(温水処理)。上記温水処理
試料の端部を一部剥離し、剥離試験機により100mm
/分の速度でT型剥離を行った。接着性の評価基準は下
記のとおりである。 ○: 100g<剥離荷重 △: 10g<剥離荷重≦100g ×: 剥離荷重≦ 10g
【0028】(5)耐電圧特性 JIS C−2319に準じて測定を行った。すなわ
ち、10kV直流耐電圧試験機を用い、23℃、50%
RHの雰囲気下にて、100V/秒の昇圧速度で上昇さ
せ、フィルムが破壊し短絡した時の電圧を読み取った。
ち、10kV直流耐電圧試験機を用い、23℃、50%
RHの雰囲気下にて、100V/秒の昇圧速度で上昇さ
せ、フィルムが破壊し短絡した時の電圧を読み取った。
【0029】(6)静電容量の変化 コンデンサを60℃、95%RHの雰囲気下に1000
時間放置し、初期静電容量を基準値とする。静電容量変
化率として求めた。
時間放置し、初期静電容量を基準値とする。静電容量変
化率として求めた。
【0030】実施例1 ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
70部および酢酸カルシウム一水塩0.11部を加熱昇
温するとともにメタノールを留去してエステル交換反応
を行い、反応開始から4時間を要して230℃まで昇温
し、実質的にエステル交換反応を終了させた。次いで、
この反応混合物にトリエチルホスファイト0.065部
とトリエチルホスフェ−ト0.30部とを添加し、さら
に、三酸化アンチモン0.04部を加えて重縮合反応を
行い、4時間後に極限粘度0.66のポリエステル
(A)を得た。平均粒径1.6μmの炭酸カルシウムを
添加する以外は、ポリエステル(A)の製造と同様にし
て、平均粒径1.6μmの炭酸カルシウム1.0重量%
を含むポリエステル(B)を得た。一方、ジメチルイソ
フタレート100部、ジメチルセバケ−ト15部、ジメ
チル−5−スルホイソフタレ−トナトリウム塩6部、エ
チレングリコール80部および酢酸マンガン四水塩0.
041部を加熱昇温するとともにメタノールを留去して
エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して
230℃まで昇温し、実質的にエステル交換反応を終了
させた。次いで、この反応混合物にリン酸0.005部
を添加し、さらに、三酸化アンチモン0.04部を加え
て重縮合反応を行い、4時間後に極限粘度0.50の共
重合ポリエステル(C)を得た。得られた共重合ポリエ
ステル(C)のガラス転移点は38℃であった。この共
重合ポリエステル(C)20部をテトラヒドロフラン8
0部に溶解させた液に、高速撹拌下で水180部を加え
て、共重合ポリエステル(C)の水分散体を得た。次
に、ポリエステル(A)90部とポリエステル(B)1
0部とをブレンドした後、290℃で溶融押出し無定形
シートとした後、縦方向に90℃で4.2倍延伸した
後、共重合ポリエステル(C)の水分散体をフィルムの
片面に塗布し、次いで、横方向に110℃で3.9倍延
伸し、230℃で熱処理を行い、塗布層の厚さ0.04
μm 、基材ポリエステルフィルムの厚さ4μm の二軸延
伸ポリエステルフィルムを得た。塗布層の水滴接触角は
63°、中心線平均粗さ(Ra)は0.020μm であ
った。得られたフィルムの塗布面上に、抵抗加熱型金属
蒸着装置を用い、真空室の圧力を10-4Torr以下と
してアルミニウムを450オングストロームの厚みに蒸
着した。得られた蒸着フィルムは、接着性評価において
優れた接着性を有していた。蒸着フィルムを2枚併せて
巻回し、電極を付して0.1μFのフィルムコンデンサ
とした。得られた金属蒸着フィルムコンデンサは、表1
に示すとおり、耐電圧特性に優れ、静電容量の変化の少
ない、耐湿熱特性に優れる金属蒸着ポリエステルフィル
ムコンデンサであった。なお、後述の実施例および比較
例の結果についても下記表1にまとめて示す。
70部および酢酸カルシウム一水塩0.11部を加熱昇
温するとともにメタノールを留去してエステル交換反応
を行い、反応開始から4時間を要して230℃まで昇温
し、実質的にエステル交換反応を終了させた。次いで、
この反応混合物にトリエチルホスファイト0.065部
とトリエチルホスフェ−ト0.30部とを添加し、さら
に、三酸化アンチモン0.04部を加えて重縮合反応を
行い、4時間後に極限粘度0.66のポリエステル
(A)を得た。平均粒径1.6μmの炭酸カルシウムを
添加する以外は、ポリエステル(A)の製造と同様にし
て、平均粒径1.6μmの炭酸カルシウム1.0重量%
を含むポリエステル(B)を得た。一方、ジメチルイソ
フタレート100部、ジメチルセバケ−ト15部、ジメ
チル−5−スルホイソフタレ−トナトリウム塩6部、エ
チレングリコール80部および酢酸マンガン四水塩0.
041部を加熱昇温するとともにメタノールを留去して
エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して
230℃まで昇温し、実質的にエステル交換反応を終了
させた。次いで、この反応混合物にリン酸0.005部
を添加し、さらに、三酸化アンチモン0.04部を加え
て重縮合反応を行い、4時間後に極限粘度0.50の共
重合ポリエステル(C)を得た。得られた共重合ポリエ
ステル(C)のガラス転移点は38℃であった。この共
重合ポリエステル(C)20部をテトラヒドロフラン8
0部に溶解させた液に、高速撹拌下で水180部を加え
て、共重合ポリエステル(C)の水分散体を得た。次
に、ポリエステル(A)90部とポリエステル(B)1
0部とをブレンドした後、290℃で溶融押出し無定形
シートとした後、縦方向に90℃で4.2倍延伸した
後、共重合ポリエステル(C)の水分散体をフィルムの
片面に塗布し、次いで、横方向に110℃で3.9倍延
伸し、230℃で熱処理を行い、塗布層の厚さ0.04
μm 、基材ポリエステルフィルムの厚さ4μm の二軸延
伸ポリエステルフィルムを得た。塗布層の水滴接触角は
63°、中心線平均粗さ(Ra)は0.020μm であ
った。得られたフィルムの塗布面上に、抵抗加熱型金属
蒸着装置を用い、真空室の圧力を10-4Torr以下と
してアルミニウムを450オングストロームの厚みに蒸
着した。得られた蒸着フィルムは、接着性評価において
優れた接着性を有していた。蒸着フィルムを2枚併せて
巻回し、電極を付して0.1μFのフィルムコンデンサ
とした。得られた金属蒸着フィルムコンデンサは、表1
に示すとおり、耐電圧特性に優れ、静電容量の変化の少
ない、耐湿熱特性に優れる金属蒸着ポリエステルフィル
ムコンデンサであった。なお、後述の実施例および比較
例の結果についても下記表1にまとめて示す。
【0031】比較例1 実施例1において塗布液を塗布しない以外は実施例1と
同様にして金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサを
得た。得られたコンデンサは、実施例1と比較して、耐
湿熱特性に劣っていた。
同様にして金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサを
得た。得られたコンデンサは、実施例1と比較して、耐
湿熱特性に劣っていた。
【0032】実施例2 実施例1の共重合ポリエステル(C)の水分散体の代わ
りに、ジメチルテレフタレート100部、ジメチル−5
−スルホイソフタレ−トナトリウム塩20部、エチレン
グリコール80部からなる共重合ポリエステル(D)の
水分散体を塗布する以外は、実施例1と同様にして、金
属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサを得た。
りに、ジメチルテレフタレート100部、ジメチル−5
−スルホイソフタレ−トナトリウム塩20部、エチレン
グリコール80部からなる共重合ポリエステル(D)の
水分散体を塗布する以外は、実施例1と同様にして、金
属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサを得た。
【0033】比較例2 実施例1の共重合ポリエステル(C)の水分散体の代わ
りに、ジメチルテレフタレート100部、ジメチル−5
−スルホイソフタレ−トナトリウム塩20部、シクロヘ
キサンジメチタノ−ル80部からなる共重合ポリエステ
ル(E)の水分散体を塗布する以外は、実施例1と同様
にして、金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサを得
た。
りに、ジメチルテレフタレート100部、ジメチル−5
−スルホイソフタレ−トナトリウム塩20部、シクロヘ
キサンジメチタノ−ル80部からなる共重合ポリエステ
ル(E)の水分散体を塗布する以外は、実施例1と同様
にして、金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサを得
た。
【0034】実施例3 ポリエステル(A)90部とポリエステル(B)10部
とをブレンドした後、290℃で溶融押出し無定形シー
トとした後、縦方向に90℃で4.2倍延伸した後次い
で、横方向に110℃で3.9倍延伸し、230℃で熱
処理を行い、厚さ4μm の二軸延伸ポリエステルフィル
ムを得た。この基材ポリエステルフィルムに日本合成社
製共重合ポリエステルであるTP−236(Tg60
℃)を90部、日本ポリウレタン社製ポリイソシアネ−
トであるコロネ−トLを10部配合したメチルエチルケ
トンとトルエンとの混合溶剤溶液を乾燥塗布厚さ0.1
μmとなるように塗布した。得られたポリエステルフィ
ルムを実施例1と同様にして金属蒸着ポリエステルフィ
ルムコンデンサを得た。
とをブレンドした後、290℃で溶融押出し無定形シー
トとした後、縦方向に90℃で4.2倍延伸した後次い
で、横方向に110℃で3.9倍延伸し、230℃で熱
処理を行い、厚さ4μm の二軸延伸ポリエステルフィル
ムを得た。この基材ポリエステルフィルムに日本合成社
製共重合ポリエステルであるTP−236(Tg60
℃)を90部、日本ポリウレタン社製ポリイソシアネ−
トであるコロネ−トLを10部配合したメチルエチルケ
トンとトルエンとの混合溶剤溶液を乾燥塗布厚さ0.1
μmとなるように塗布した。得られたポリエステルフィ
ルムを実施例1と同様にして金属蒸着ポリエステルフィ
ルムコンデンサを得た。
【0035】実施例4 実施例3のTP−236の代わりに、日本合成社製共重
合ポリエステルであるSP−131(Tg−20℃)を
配合した塗布液を塗布する以外は、実施例3と同様にし
て金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサを得た。得
られた金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサは、耐
湿熱性良好であったが、この塗布層を有するポリエステ
ルフィルムは、滑り性が悪いため巻き作業性が悪く、取
扱いが非常に困難であった。
合ポリエステルであるSP−131(Tg−20℃)を
配合した塗布液を塗布する以外は、実施例3と同様にし
て金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサを得た。得
られた金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサは、耐
湿熱性良好であったが、この塗布層を有するポリエステ
ルフィルムは、滑り性が悪いため巻き作業性が悪く、取
扱いが非常に困難であった。
【0036】比較例3 平均粒径0.1μm のシリカを0.1部含有するポリエ
チレンテレフタレ−トを290℃で溶融押出し無定形シ
ートとした後、縦方向に90℃で4.2倍延伸した後、
共重合ポリエステル(C)の水分散体をフィルムの片面
に塗布し、次いで、実施例1と同様にしてポリエステル
フィルムを得た。 このフィルムの中心線平均粗さは
0.002μmであり、滑り性が悪いため巻き作業性が
悪く、実用に供し得なかった。
チレンテレフタレ−トを290℃で溶融押出し無定形シ
ートとした後、縦方向に90℃で4.2倍延伸した後、
共重合ポリエステル(C)の水分散体をフィルムの片面
に塗布し、次いで、実施例1と同様にしてポリエステル
フィルムを得た。 このフィルムの中心線平均粗さは
0.002μmであり、滑り性が悪いため巻き作業性が
悪く、実用に供し得なかった。
【0037】実施例5 比較例3において共重合ポリエステル(C)の水分散体
の代わりに、共重合ポリエステル(C)の水分散体95
部、平均粒径0.06μmのシリカゾルの水分散体5部
からなる塗布液を塗布する以外は、比較例3と同様にし
てポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステル
フィルムを実施例1と同様にして金属蒸着ポリエステル
フィルムコンデンサを得た。
の代わりに、共重合ポリエステル(C)の水分散体95
部、平均粒径0.06μmのシリカゾルの水分散体5部
からなる塗布液を塗布する以外は、比較例3と同様にし
てポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステル
フィルムを実施例1と同様にして金属蒸着ポリエステル
フィルムコンデンサを得た。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C23C 14/20 8414−4K
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、ガラス転移点(Tg)が70℃以下のポリエステル
系樹脂を主成分とする塗布層を有し、表面粗さ(Ra)
が0.005〜0.5μmである該塗布層面に金属を蒸
着した後、積層または巻回してなる金属蒸着ポリエステ
ルフィルムコンデンサ。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3111944A JPH0793242B2 (ja) | 1991-05-16 | 1991-05-16 | 金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ |
EP91119031A EP0484956B1 (en) | 1990-11-08 | 1991-11-07 | Polyester film capacitor element |
DE69127167T DE69127167T2 (de) | 1990-11-08 | 1991-11-07 | Polyesterfilm-Kondensatorelement |
US07/792,218 US5581435A (en) | 1990-11-08 | 1991-11-08 | Polyester film capacitor element |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3111944A JPH0793242B2 (ja) | 1991-05-16 | 1991-05-16 | 金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04338620A JPH04338620A (ja) | 1992-11-25 |
JPH0793242B2 true JPH0793242B2 (ja) | 1995-10-09 |
Family
ID=14574062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3111944A Expired - Fee Related JPH0793242B2 (ja) | 1990-11-08 | 1991-05-16 | 金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0793242B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP2000311829A (ja) * | 1999-04-26 | 2000-11-07 | Mitsubishi Polyester Film Copp | コンデンサー用積層フィルム |
JP6168313B2 (ja) * | 2014-03-31 | 2017-07-26 | 荒川化学工業株式会社 | 銅薄膜付基材用アンダーコート剤、銅薄膜付基材及びその製造方法、並びに導電性フィルム及び電極フィルム |
KR101866331B1 (ko) * | 2016-10-31 | 2018-06-12 | 주식회사 휴비스 | 공중합 폴리에스테르를 함유하는 발포 조성물 및 이를 이용한 폴리에스테르 발포체 |
Citations (10)
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JPS6063162A (ja) * | 1983-09-16 | 1985-04-11 | ダイアホイルヘキスト株式会社 | ポリエステルフイルム |
JPS6063151A (ja) * | 1983-09-16 | 1985-04-11 | 東レ株式会社 | 金属薄膜蒸着用ポリエステルフイルム |
JPS6063161A (ja) * | 1983-09-16 | 1985-04-11 | ダイアホイルヘキスト株式会社 | ポリエステルフイルム |
JPS60106838A (ja) * | 1983-11-15 | 1985-06-12 | Toyobo Co Ltd | 易接着性粗面化ポリエステルフイルムの製造法 |
JPS61255939A (ja) * | 1985-05-10 | 1986-11-13 | Diafoil Co Ltd | 塗布層を設けたポリエステルフイルム |
JPS63194318A (ja) * | 1987-02-09 | 1988-08-11 | 東レ株式会社 | 無外装ポリエステルフイルムコンデンサ |
JPS63209835A (ja) * | 1987-02-25 | 1988-08-31 | 東洋紡績株式会社 | ポリエステル系蒸着フイルム |
JPH02218726A (ja) * | 1989-02-20 | 1990-08-31 | Teijin Ltd | 極薄フイルム |
JPH0317135A (ja) * | 1989-06-15 | 1991-01-25 | Teijin Ltd | ポリエステルフイルム |
-
1991
- 1991-05-16 JP JP3111944A patent/JPH0793242B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPS63194318A (ja) * | 1987-02-09 | 1988-08-11 | 東レ株式会社 | 無外装ポリエステルフイルムコンデンサ |
JPS63209835A (ja) * | 1987-02-25 | 1988-08-31 | 東洋紡績株式会社 | ポリエステル系蒸着フイルム |
JPH02218726A (ja) * | 1989-02-20 | 1990-08-31 | Teijin Ltd | 極薄フイルム |
JPH0317135A (ja) * | 1989-06-15 | 1991-01-25 | Teijin Ltd | ポリエステルフイルム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH04338620A (ja) | 1992-11-25 |
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