JP2022124265A - 水性樹脂組成物、並びに該水性樹脂組成物を用いた水性表面処理剤及び物品 - Google Patents

水性樹脂組成物、並びに該水性樹脂組成物を用いた水性表面処理剤及び物品 Download PDF

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Abstract

【課題】塗工品質の評価を効率良く行って塗工の効率を高めることができ、塗工品質を向上することができる水性樹脂組成物を提供する。【解決手段】水性樹脂組成物は、水性ポリウレタン(A)、マット剤(B)及び添加剤(C)を含有する水性樹脂組成物であって、温度30℃、せん断速度1000s-1における前記水性樹脂組成物のせん断粘度が0.3Pa・s以上3.0Pa・s以下の範囲内であり、温度30℃で、せん断速度3000s-1におけるせん断粘度と伸長速度3000s-1における伸長粘度の比である前記水性樹脂組成物のトルートン比(=伸長速度/せん断粘度)が、3.0以上8.0以下の範囲内である。【選択図】なし

Description

本発明は、水性樹脂組成物、並びに該水性樹脂組成物を用いた水性表面処理剤及び物品に関する。
ポリウレタンレザーや塩ビレザー、TPO(サーモプラスチック・オレフィン;熱可塑性オレフィン樹脂)レザー等の合成皮革は、天然皮革の代替品として、あるいは、天然皮革以上に良好な耐久性を備えた皮革素材として、衣料、鞄、靴、産業資材など様々な分野で用いられている。特に、車両内装材やインテリア資材などの産業資材に採用される合成皮革は、耐久性、耐摩耗性に優れていることが要求される。このような要求を満たすために、様々な取り組みがなされている。
例えば、表皮層をシリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂により形成する方法や、水性ポリウレタン樹脂、架橋剤、シリコーン系化合物およびフィラーを含有する仕上げ剤を皮革の表面に付与する方法がある。上記のような方法では、合成皮革の表面となるポリウレタン樹脂層の摩擦係数を下げることで、耐摩耗性を向上させることができるとされている。
また近年、環境問題の観点から、工業製品のコーティング剤は、従来の溶剤系コーティング剤から水性系コーティング剤への代替が望まれている。しかし、水性系材料は、溶剤系材料に比べて濡れ性や粘性の影響により塗工品質が劣る傾向にあった。特に、グラビアコーティングにおいては、水性系材料と溶剤系材料とを比較すると表面平滑性に顕著な差がみられた。
従来の水性系材料としては、例えば、水系ポリウレタン樹脂の固形分100重量部に対して、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、フッ素樹脂から選ばれた少なくとも1種の架橋した真球状の有機系樹脂であって、その平均粒径が0.1~3.0μmの微粒子を50~300重量部配合した水系艶消しコーティング剤が開示されている(特許文献1)。
従来の他の水性系材料として、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させて得られた水性ポリウレタン(A)、酸変性非塩素化ポリオレフィン(B)、マット剤(C)及び架橋剤(D)を含有する水性樹脂組成物であって、前記水性ポリウレタン(A)と酸変性非塩素化ポリオレフィン(B)との質量比率[(A)/(B)]が、55/45~98/2の範囲である水性樹脂組成物が提案されている(特許文献2)。
また、塗工品質に影響を与える濡れ性を改善するために、合成皮革用水系表面処理剤の構成成分としてノニオン系界面活性剤を使用した例が提案されている(特許文献3)。
特開2007-262248号公報 特開2016-084400号公報 特許第6207304号公報
しかしながら、上記特許文献1~3のいずれも、水性樹脂組成物の粘性の調整についての開示はなく、水性樹脂組成物の塗工品質を向上するには限界がある。
水性樹脂組成物の適正な粘性を得るには、実際にグラビア塗工機を使用して、塗工後の表面状態を確認しながら、粘性調整剤(増粘剤)の種類や添加量を調整する必要があり、塗工性の最適化効率がわるい。具体的には、塗工性が確認されている塗料に近い粘度(B型粘度計もしくはザーンカップ粘度計による測定値)に合わせて塗料設計した水性樹脂組成物のサンプルにて塗工テストを繰返し、その結果に基づいて塗工品質が良好となる粘性に合わせる必要がある。この為、塗工メーカーである顧客に水性樹脂組成物を提供して、実機を用いて試作をしてもらい、その結果をフィードバックしてもらわなければならず、顧客の協力が不可欠である。また、実機試作テストでの粘度調整の作業が非常に煩雑であり、テスト時間が長くかかる為、非効率である。加えて、配合変更や塗工設備が変わる度に同様の検討が必要であり、改良に時間を要する。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、塗工品質の評価を効率良く行って塗工最適化の効率を高めることができ、塗工品質を向上することができる水性樹脂組成物、並びに該水性樹脂組成物を用いた水性表面処理剤及び物品を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、配合品としての水性樹脂組成物のせん断粘度及びトルートン比が所定範囲内になるように調整することにより、従来の粘度規格で設計していた配合品の様な塗工試作時の粘度調整が不要或いは殆ど不要となり、試作回数が削減し、効率良く塗工品質の評価ができると共に、塗工性最適化の効率向上により製品開発をスピードアップできることを見出した。また、従来の配合品では、塗工時に粘度調整をする為に粘性調整剤や水等により品質が変動する可能性があるところ、本発明では塗工時の粘度調整が不要である為、良好な塗工品質を安定して得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下の構成を提供する。
[1]水性ポリウレタン(A)、マット剤(B)及び添加剤(C)を含有する水性樹脂組成物であって、
温度30℃、せん断速度1000s-1における前記水性樹脂組成物のせん断粘度が、0.3Pa・s以上3.0Pa・s以下の範囲内であり、
温度30℃で、せん断速度3000s-1におけるせん断粘度と伸長速度3000s-1における伸長粘度の比である前記水性樹脂組成物のトルートン比(=伸長粘度/せん断粘度)が、3.0以上8.0以下の範囲内である、水性樹脂組成物。
[2]前記せん断粘度が、0.3Pa・s以上1.0Pa・s以下である、上記[1]に記載の水性樹脂組成物。
[3]前記伸長粘度が、1.0Pa・s以上10.0Pa・s以下である、上記[1]に記載の水性樹脂組成物。
[4]前記水性樹脂組成物の全量を100質量%としたときの前記水性ポリウレタン(A)の含有率が、3.0質量%以上50.0質量%以下である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の水性樹脂組成物。
[5]前記添加剤(C)が、ノニオン系界面活性剤の粘性調整剤を含む、上記[1]~[4]のいずれかに記載の水性樹脂組成物。
[6]上記[1]~[5]のいずれかに記載の水性樹脂組成物を含有する水性表面処理剤。
[7]上記[1]~[5]のいずれかに記載の水性樹脂組成物の塗膜を有する物品。
本発明によれば、塗工品質の評価を効率良く行って塗工適正化の効率を高めることができ、塗工品質を向上することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[水性樹脂組成物]
本発明の水性樹脂組成物は、水性ポリウレタン(A)、マット剤(B)及び添加剤(C)とを含有する水性樹脂組成物であって、温度30℃で、せん断速度1000s-1(1/sec)における水性樹脂組成物のせん断粘度が0.3Pa・s以上3.0Pa・s以下であり、温度30℃でせん断速度3000s-1におけるせん断粘度と伸長速度3000s-1における伸長粘度の比である水性樹脂組成物のトルートン比(=伸長粘度/せん断粘度)が3.0以上8.0以下の範囲内であるものである。
[水性樹脂組成物のせん断粘度]
本実施形態では、温度30℃、せん断速度1000s-1における水性樹脂組成物のせん断粘度が、0.3Pa・s以上3.0Pa・s以下であり、好ましくは0.3Pa・s以上1.0Pa・s以下、より好ましくは0.3Pa・s以上0.5Pa・s以下である。水性樹脂組成物のせん断粘度が、0.3Pa・s以上3.0Pa・s以下の範囲内の値であると、所定のせん断力が付与された際に水性樹脂組成物の粘性が適正になり易く、塗工時に粘度調整剤等による粘度調整を行わなくても良好な塗工品質が得られ易くなり、塗工の効率を向上させることができる。また、ロールやグラビアなどの高せん断速度での塗工時に低粘性を発現することができ、塗工品質が向上する。
[水性樹脂組成物のトルートン比]
本実施形態において「トルートン比」とは、温度30℃、せん断速度3000s-1におけるせん断粘度に対する、温度30℃、伸長速度3000s-1における伸長粘度の比(伸長粘度/せん断粘度)である。
本実施形態では、上記条件下での水性樹脂組成物のトルートン比が3.0以上8.0以下であり、好ましくは3.5以上7.5以下、より好ましくは3.5以上5.5以下である。水性樹脂組成物のトルートン比が3.0以上8.0以下の範囲内の値であると、水性樹脂組成物の流動性を維持することができ、水性樹脂組成物の伸びが良好となり、塗工の効率を向上させることができる。特に、水性樹脂組成物の塗工時に、ロールコーターもしくはグラビアロールコーターで塗布し易い粘性を発現することができる。
水性樹脂組成物のトルートン比は、水性樹脂組成物に含まれる低粘性材料と高粘性材料の比率を調整して、伸長粘度および/またはせん断粘度を調整することにより、制御できる。例えば、水性樹脂組成物のトルートン比は、水性樹脂組成物中の水性ポリウレタンの配合比を調整して、伸長粘度および/またはせん断粘度を調整することにより、制御することができる。また、水性ポリウレタン(A)に使用する材料(ポリオール(a1)やポリイソシアネート(a2))に含まれる低粘性材料と高粘性材料の比率を調整して、伸長粘度および/またはせん断粘度を調整することにより、制御することもできる。
なお、当業者であれば、水性樹脂組成物に用いられる水性ポリウレタン(A)の粘度を把握できる。また、当業者であれば、水性樹脂組成物中の水性ポリウレタン(A)の配合比を適宜調整することにより、通常の実験の範囲内で、公知の技術に基づいて、所望の範囲内のせん断粘度及びトルートン比を有する水性樹脂組成物を得ることができる。また、上記と同様にして、当業者であれば、ポリオール(a1)及びポリイソシアネート(a2)の種類、配合比等を調整することにより、上記ポリオール(a1)及びポリイソシアネート(a2)の反応物である水性ポリウレタン(A)のせん断粘度及びトルートン比を得ることができる。
(水性ポリウレタン(A))
水性ポリウレタン(A)は、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させることによって得られる化合物である。水性ポリウレタン(A)としては、活性水素基を有する化合物(a-1)、少なくとも1つの活性水素基と親水基とを有する化合物(a-2)及びイソシアネート基を有する化合物(a-3)を反応させることにより得られる化合物が好ましい。
水性樹脂組成物の全量を100質量%としたときの水性ポリウレタン(A)の含有率は、好ましくは3.0質量%以上50.0質量%以下であり、より好ましくは4.0質量%以上30.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以上20.0質量%以下である。水性ポリウレタン(A)の上記含有率は、水性樹脂組成物全体に対して固形分換算した値を示す。前記水性ポリウレタン(A)の含有率が3.0質量%以上50.0質量%以下であると、グラビアコーティング等で使用される水系コーティング剤として好適な水性樹脂組成物を得ることができる。
前記水性ポリウレタン(A)としては、活性水素基を有する化合物(a-1)、少なくとも1つの活性水素基と親水基とを有する化合物(a-2)及びイソシアネート基を有する化合物(a-3)を反応させることにより得られるものが好ましい。
前記化合物(a-1)が有する活性水素基としては、例えば、水酸基、フェノール性水酸基、アミノ基、メルカプト基等が挙げられる。これらの中でも、水酸基、カルボキシル基、アミノ基が好ましい。また、前記化合物(a-1)は、これらの活性水素基を1分子中に2個以上有しているものが好ましい。
前記化合物(a-1)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキレンオキシド付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ペンタエリスリトール等の比較的低分子量のポリオールが挙げられる。
また、上記以外の前記化合物(a-1)としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアミン等が挙げられる。これらの前記化合物(a-1)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記ポリエステルポリオールは、ジオール化合物、ジカルボン酸化合物、ヒドロキシカルボン酸化合物等の脱水縮合反応、ε-カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応、及びこれらの反応によって得られるポリエステルを共重合させることによって得られる。このポリエステルポリオールの原料となるジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン、及びこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また、前記ポリエステルポリオールの原料となるジカルボン酸化合物としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸等が挙げられる。
さらに、前記ポリエステルポリオールの原料となるヒドロキシカルボン酸化合物としては、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸等が挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ショ糖、アコニット糖、フェミメリット酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタール酸、1,2,3-プロパントリチオール等の活性水素基を2個以上有する化合物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロフェキシレン等の環状エーテル化合物を付加重合したもの、又は、前記環状エーテル化合物をカチオン触媒、プロトン酸、ルイス酸等を触媒として開環重合したものが挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールは、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のジオール化合物とジフェニルカーボネート、ホスゲンとを反応させることによって得られる。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、1,2-プロパンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヒドラジン等が挙げられる。
前記化合物(a-2)は、少なくとも1つの活性水素基と親水基とを有する化合物であるが、前述した活性水素基を少なくとも1つ有し、親水基として、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基及びその塩を有する化合物、アルキレンオキシドの繰り返し単位を有するノニオン性親水基等とを有する化合物が挙げられる。これらの前記化合物(a-2)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記の親水性基としてカルボキシル基を有する化合物としては、例えば、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-ジメチロール吉草酸、ジオキシマレイン酸、2,6-ジオキシ安息香酸、3,4-ジアミノ安息香酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸、アラニン、アミノ酪酸、アミノカプロン酸、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒスチジン等のカルボキシル基と、水酸基又はアミノ基とを有する化合物、もしくはジカルボン酸化合物が挙げられる。
また、前記の親水性基としてスルホン酸基を有する化合物としては、例えば、2-オキシエタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホコハク酸、5-スルホイソフタル酸、スルファニル酸、1,3-フェニレンジアミン-4,6-ジスルホン酸、2,4-ジアミノトルエン-5-スルホン酸等のスルホン酸基と、水酸基、カルボキシル基又はアミノ基とを有する化合物、もしくはジスルホン酸化合物が挙げられる。
さらに、前記の親水性基としてノニオン性親水基を有する化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体、エチレンオキサイドとポリブチレンオキサイドとの共重合体、エチレンオキサイドと他のアルキレンオキサイドとの共重合体等が挙げられる。
前記イソシアネート基を有する化合物(a-3)としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4‘-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2-ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3-ジメチル-4,4-ビフェニレンジイソシアネート、3,3-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3‘-ジクロロ-4,4-ビフェニレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1,5-テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサンメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-シクロフェキシレンジイソシアネート、1,4-シクロフェキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4-ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、3,3-ジメチル-4,4-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。これらのイソシアネート基を含有する化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
また、上記のイソシアネート基を有する化合物(a-3)の中でも、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネートは、原料コストを下げることができるので好ましく、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4-ジシクロへキシルメタンジイソシアネートは、耐光性および耐熱性が向上できるので好ましい。
ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させて水性ポリウレタン(A)を製造する方法としては、例えば、無溶剤下または有機溶剤の存在下で、活性水素基を有する化合物(a-1)と、少なくとも1つの活性水素基と親水基とを有する化合物(a-2)と、イソシアネート基を有する化合物(a-3)とを適切な順で添加、混合し、反応温度25℃~150℃程度の範囲で反応させる方法が挙げられる。
前記ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)との反応は、例えば、前記ポリオール(a1)の水酸基に対する、前記ポリイソシアネート(a2)のイソシアネート基の当量割合が、0.8~2.5の範囲で行うことが好ましく、0.9~1.5の範囲で行うことがより好ましい。
水性ポリウレタン(A)において、少なくとも1つの活性水素基と親水基とを有する化合物(a-2)が、親水性基としてカルボキシ基、スルホン酸基等の酸基を有する場合には、当該酸基は中和されることが好ましい。中和は、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)との反応の後に、塩基性化合物を反応駅に添加することにより行うことができる。中和塩基性化合物の代表的なものとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-ブチルアミン等の3級アミン類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩基性物質等が挙げられる。
また、水性ポリウレタン(A)を製造する際には、必要に応じて鎖伸長剤を用いることができる。
前記鎖伸長剤としては、例えば、ポリアミン、ヒドラジン化合物、その他活性水素原子を有する化合物が挙げられる。これらの鎖伸長剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
なかでも、ヒドラジン化合物を用いたヒドラジン伸長によって得られる水性ポリウレタン(A)は、プラスチック基材への密着性が向上することから特に好ましい。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン等のジアミン;N-ヒドロキシメチルアミノエチルアミン、N-ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、N-ヒドロキシプロピルアミノプロピルアミン、N-エチルアミノエチルアミン、N-メチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。これらの中でも、エチレンジアミンが好ましい。
前記ヒドラジン化合物としては、例えば、ヒドラジン、N,N’-ジメチルヒドラジン、1,6-ヘキサメチレンビスヒドラジン、コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、β-セミカルバジドプロピオン酸ヒドラジド、3-セミカルバジッド-プロピル-カルバジン酸エステル、セミカルバジッド-3-セミカルバジドメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。これらの中でも、ヒドラジンが好ましい。
前記その他活性水素を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のグリコール;ビスフェノールA、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、水添ビスフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール、水等が挙げられる。
前記鎖伸長剤として、ポリアミンを用いる場合、ポリアミンが有するアミノ基とイソシアネート基との当量比[アミノ基/イソシアネート基]は、1.2以下が好ましく、0.3~1の範囲がより好ましい。
水性ポリウレタン(A)を製造する際に使用可能な有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶剤;ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
また、前記有機溶剤は、安全性や環境に対する負荷低減を図るため、前記水性ポリウレタン(A)の製造途中または製造後に、例えば、減圧留去することによって前記有機溶剤の一部または全部を除去してもよい。
前記方法で得た水性ポリウレタン(A)は、耐久性を発現できることから、5,000~500,000の範囲の質量平均分子量を有するものを使用することが好ましく、5,000~200,000の範囲の質量平均分子量を有するものを使用することがより好ましく、20,000~100,000の範囲の質量平均分子量を使用することがさらに好ましい。
なお、本発明におけるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による質量平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は、東ソー社製HLC8220システムを用いて以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー社製TSKgelGMHHR-Nを4本使用
カラム温度:40℃
移動層:和光純薬工業社製テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
試料濃度:0.4質量%
試料注入量:100マイクロリットル
検出器:示差屈折計
質量平均分子量が5,000以上の場合には、耐久性が向上するだけでなく、乾燥不良による諸問題が発生しにくい傾向にあり、また分子量が500,000以下である場合には、塗布性の低下等の問題が発生にくいことから好ましい。
(マット剤(B))
前記マット剤(B)としては、例えば、シリカ粒子、有機ビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、タルク、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、カオリン、雲母、アスベスト、マイカ、ケイ酸カルシウム、アルミナシリケイト等が挙げられる。
前記シリカ粒子としては、乾式シリカ、湿式シリカ等が挙げられる。耐光性や耐摩耗性の観点からは、ゲルシリカなどの湿式シリカを用いることができる。散乱効果が高く光沢値の調整範囲が広くなる観点からは、乾式シリカを用いてもよい。また、組成物中に分散しやすくなる観点からは、有機化合物で表面修飾した乾式シリカを用いてもよい。これらシリカ粒子の平均粒子径としては、2μm以上14μm以下の範囲が好ましく、3μm以上12μm以下の範囲がより好ましい。
前記有機ビーズとしては、例えば、アクリルビーズ、ウレタンビーズ、シリコンビーズ、オレフィンビーズ等が挙げられる。
上記のマット剤(B)は、上記材料のうち1種又は2種以上を含んでいてもよい。例えば、マット剤(B)は、湿式シリカと有機ビーズを含んでもよい。
(添加剤(C))
本発明の水性樹脂組成物は、上述した成分以外に添加剤(C)を含有していてもよい。添加剤(C)は、水性ポリウレタン(A)に含まれていてもよいし、水性樹脂組成物に含まれていてもよい。
添加剤(C)としては、例えば、レベリング剤;コロイド状シリカ、アルミナゾルなどの無機微粒子;ポリメチルメタクリレート系の有機微粒子;消泡剤(破泡剤);タレ性防止剤;湿潤分散剤;粘性調整剤;紫外線吸収剤;金属不活性化剤;過酸化物分解剤;難燃剤;補強剤;可塑剤;潤滑剤;防錆剤;蛍光性増白剤;無機系熱線吸収剤;防炎剤;帯電防止剤;脱水剤などが挙げられる。添加剤(C)は、上記成分のうちの1種又は2種以上を含んでいてもよい。また、添加剤(C)を構成する上記の各成分が、1種又は2種以上の材料で構成されてもよい。
添加剤(C)が粘性調整剤を含む場合、水性樹脂組成物の全量を100質量%としたときの粘性調整剤の含有率は、0.3質量%以上3.5質量%以下の範囲が好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下の範囲がより好ましく、1.0質量%以上1.8質量%以下の範囲が更に好ましい。粘性調整剤の上記含有率は、水性樹脂組成物全体に対して固形分換算した値を示す。粘性調整剤の含有率が0.3質量%以下であると求める粘弾性特性が得られにくい。また、3.5質量%以上になると、塗料組成物としての耐水性や耐光性等の塗膜物性が低下する。
粘性調整剤としては、特に制限されないが、例えば高分子型特殊ノニオン系界面活性剤などのノニオン系界面活性剤が好ましい。粘性調整剤は、ノニオン系界面活性剤の1種又は2種以上を含んでいてもよい。
(架橋剤(D))
本発明の水性樹脂組成物は、架橋剤(D)を含有していてもよい。架橋剤(D)は、水性ポリウレタン(A)に含まれていてもよいし、水性樹脂組成物に含まれていてもよい。
架橋剤(D)としては、オキサゾリン、カルボジイミド、ポリイソシアネート、ブロックイソシアネート、エポキシ、ポリシロキサン、アジリジン、アルキル化メラミン等の尿素樹脂系架橋剤、ヒドラジド系架橋剤などが挙げられる。これらのうち、架橋性能と安全性の面から、カルボジイミドを用いることができる。また、架橋剤(D)は、上記成分のうちの1種又は2種以上を含んでいてもよい。
水性樹脂組成物の全量を100質量%としたときの架橋剤(D)の含有率は、塗膜強度の観点からは、0.2質量%以上12.0質量%以下の範囲が好ましく、0.4質量%以上8.0質量%以下の範囲がより好ましい。架橋剤(D)の上記含有率は、水性樹脂組成物全体に対して固形分換算した値を示す。
(ワックス(E))
本実施形態の水性樹脂組成物は、必要に応じて、ワックス(E)を含有していてもよい。
ワックス(E)としては、特に制限されないが、例えばポリオレフィンワックスが挙げられる。ポリオレフィンワックスのうち、塗膜にアルコール等の溶剤が接触してもその痕(溶剤痕)が残りにくく、耐溶剤性が向上することから、その溶融範囲が140~180℃であるものが好ましく、145~175℃であるものがより好ましく、150~170℃であるものがさらに好ましい。このようなポリオレフィンワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。ポリオレフィンワックスは、上記材料のうち1種又は2種以上を含んでいてもよい。なお、2種以上のポリオレフィンワックスを併用した場合、その溶融範囲は、混合物での溶融範囲とする。また、溶融範囲は、JIS試験方法K0064-1992に準拠して測定したものである。
上記のポリオレフィンワックスの中でも、ポリプロピレンワックスを主成分としたものが、溶剤痕を低減できることから好ましい。また、水性樹脂組成物の全量を100質量%としたときのポリオレフィンワックスの含有率は、溶剤痕の低減効果と塗膜強度を高めることができる観点からは、0.5質量%以上10質量%以下の範囲が好ましく、1.0質量%以上8.0質量%以下の範囲がより好ましい。ポリオレフィンワックスの上記含有率は、水性樹脂組成物全体に対して固形分換算した値を示す。
(顔料)
本実施形態の水性樹脂組成物は、必要に応じて、顔料を併用してもよい。顔料は、添加剤は、水性ポリウレタン(A)に含まれていてもよいし、水性樹脂組成物に含まれていてもよい。
顔料としては、特に限定されるものではなく、種々のものが掲げられる。顔料としては、例えば、塗料原料便覧1970年度版(日本塗料工業会編)に記載されている体質顔料、白顔料、黒顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、緑色顔料、青顔料、金属粉顔料、発光顔料、真珠色顔料等の有機顔料、無機顔料、プラスチック顔料などが挙げられる。
有機顔料としては、例えば、ベンチジンエロー、ハンザエロー、レーキッド4R等の各種の不溶性アゾ顔料;レーキッドC、カーミン6B、ボルドー10等の溶性アゾ顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の各種(銅)フタロシアニン系顔料;ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ等の各種の塩素性染め付けレーキ;キノリンレーキ、ファストスカイブルー等の各種の媒染染料系顔料;アンスラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料等の各種の建染染料系顔料;シンカシアレッドB等の各種のキナクリドン系顔料;ヂオキサジンバイオレット等の各種のヂオキサジン系顔料;クロモフタール等の各種の縮合アゾ顔料;アニリンブラックなどが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、黄鉛、ジンククロメート、モリブデートオレンジ等の如き、各種のクロム酸塩;紺青等の各種のフェロシアン化合物;酸化チタン、亜鉛華、マピコエロー、酸化鉄、ベンガラ、酸化クロームグリーン、酸化ジルコニウム等の各種の金属酸化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化水銀等の各種の硫化物ないしはセレン化物;硫酸バリウム、硫酸鉛等の各種の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、群青等の各種のケイ酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種の炭酸塩;コバルトバイオレット、マンガン紫等の各種の燐酸塩;アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、ブロンズ粉、真鍮粉等の各種の金属粉末顔料;これら金属のフレーク顔料、マイカ・フレーク顔料;金属酸化物を被覆した形のマイカ・フレーク顔料、雲母状酸化鉄顔料等のメタリック顔料やパール顔料;黒鉛、カーボンブラック等が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、沈降性硫酸バリウム、ご粉、沈降炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、寒水石、アルミナ白、シリカ、含水微粉シリカ(ホワイトカーボン)、超微粉無水シリカ(アエロジル)、珪砂(シリカサンド)、タルク、沈降性炭酸マグネシウム、ベントナイト、クレー、カオリン、黄土などが挙げられる。
プラスチック顔料としては、例えば、DIC社製の「グランドールPP-1000」、「PP-2000S」等が挙げられる。
顔料としては、耐久性、耐侯性、意匠性に優れることから、白色顔料としての酸化チタン、亜鉛華等の無機酸化物、黒色顔料としてのカーボンブラックを用いることがより好ましい。
本実施形態に係る水性表面処理剤は、上述の水性樹脂組成物を含有する。水性表面処理剤は、典型的には、後述する物品の表面に用いられる。
また、本実施形態に係る物品は、本発明の水性樹脂組成物の塗膜を有するものである。物品としては、例えば、家電製品(冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ等)の筐体、電子機器(パソコン、携帯電話、スマートフォン等)の筐体、楽器(ピアノ、エレクトーン、電子楽器等)の材料;自動車又は鉄道車両の内装材(インスツルメントパネル、ドアトリム、ヘッドライニング、トノーカバー等)、建材又は家具材(壁紙、合板用化粧シート、鋼板用化粧シート、椅子貼り用レザー等)、包装材料(ラッピングフィルム等)などのプラスチック成形品;木質材料(合板、集成材、単層積層材等);セラミック材料(内装タイル、煉瓦等);が挙げられる。スポーツ(スキー、アーチェリー、ゴルフ、テニス等)用具材料;履物材料(靴の甲材、底、芯材、ヒール、トップリフト、中敷等);金属材料(鉄、銅、亜鉛、アルミニウム等)などが挙げられる。これらの物品の中でも、本発明の水性樹脂組成物は、プラスチック成形品に好適に用いることができ、そのプラスチック成形品の中でも、TPOレザー、TPOシートに用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例のみに限定されない。以下の実施例において、断りのない限り、「部」「%」は質量基準である。
(製造例1)
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下、1,6-ヘキサンジオールベースのポリカーボネートジオール(重量平均分子量:1,000)500質量部、2,2-ジメチロールプロピオン酸34質量部及びメチルエチルケトン355質量部を加え、均一に混合した。次いで、4,4-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート295質量部を加えた後、ジブチル錫ジラウレート0.1質量部を加え、70℃で約4時間反応させることによって、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(固形分換算でのNCO%:3.8質量%)のメチルエチルケトン溶液を得た。
上記で得られたウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液にトリエチルアミン25質量部を加え、前記ウレタンプレポリマー中のカルボキシル基を中和した後、イオン交換水1,555質量部を加えた。次いで、エチレンジアミン23質量部を加えて反応させた。反応終了後、メチルエチルケトンを減圧下留去することによって、水性ポリウレタンPUD-1(不揮発分:35質量%)を得た。
(実施例1)
水性ポリウレタンPUD-1、プロピレングリコール、ポリシロキサンレベリング剤(BYK社製、BYK-342)、ゲルシリカ(東ソー社製、NIPGEL AZ-200)、架橋ウレタンビーズ(根上工業社製、アートパール C-800T)、高分子型特殊ノニオン系界面活性剤(ADEKA社製、アデカノール UH-420、有効成分30%)、破泡剤(サンノプコ社製、SNデフォーマー 777)及び水を、表1に示す割合で配合し、均一に混合して、水性樹脂組成物を得た。
(実施例2)
高分子型特殊ノニオン系界面活性剤の配合量を多くしたこと以外は、実施例1と同様にて水性樹脂組成物を得た。
(実施例3)
水溶性溶剤であるプロピレングリコールを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にて水性樹脂組成物を得た。
(実施例4)
異なる高分子型特殊ノニオン系界面活性剤(ADEKA社製、アデカノール UH-450VF、有効成分30%)を使用し且つその配合量を少なくしたこと以外は、実施例1と同様にて水性樹脂組成物を得た。
(実施例5)
高分子型特殊ノニオン系界面活性剤に代えてウレタン変性ポリエーテル粘性調整剤(サンノプコ社製、Snシックナー -612NC、有効成分45%)を使用したこと以外は、実施例4と同様にて水性樹脂組成物を得た。
(比較例1,比較例2)
高分子型特殊ノニオン系界面活性剤の配合量を少なくし、さらに50℃×30日間加熱して減粘させたこと以外は、実施例1と同様にて水性樹脂組成物を得た。
(比較例2)
高分子型特殊ノニオン系界面活性剤の配合量を少なくしたこと以外は、実施例1と同様にて水性樹脂組成物を得た。
(比較例3)
高分子型特殊ノニオン系界面活性剤に代えて層状ヘクトライト(BYK社製、LAPONITE(登録商標) RD、含水率10%未満)を使用し且つその配合量を少なくしたこと以外は、実施例1と同様にて水性樹脂組成物を得た。
(比較例4)
層状ヘクトライトの配合量を更に少なくしたこと以外は、比較例3と同様にて水性樹脂組成物を得た。
(比較例5)
層状ヘクトライトに代えてアルカリ可溶型増粘剤(DIC社製、ボンコートVE、有効成分29%)を使用したこと以外は、比較例4と同様にて水性樹脂組成物を得た。
実施例1~5及び比較例1~5で使用した水性ポリウレタン及び水性樹脂組成物を、以下の方法で測定、評価した。
(せん断粘度の測定及びトルートン比の算出)
実施例1~5及び比較例1~5について、それぞれ以下に示す方法により、30℃、せん断速度1000s-1における水性ポリウレタンのせん断粘度と、30℃、伸長速度3000s-1での水性ポリウレタンの伸長粘度とを測定し、その比(伸長粘度/せん断粘度)であるトルートン比を求めた。
伸長粘度は、JIS-7199(ISO 11443、ASTM D 3835)に記載されたキャピラリレオメータ評価方法に準拠して測定した。
具体的には、ツインキャピラリ型の装置(Gottfert社製、RHEOGRAPH20)を用いた。キャピラリダイとして長さ10mm、直径0.5mmのキャピラリダイと、長さ0.25mm、直径0.5mmを用い、測定温度30℃でポリウレタン分散剤(水性ポリウレタン)の測定を行った。
そして、せん断速度300~300000s-1で測定した見かけのせん断粘度(圧力)から、バーグレー補正を使用して圧力損失を除去し、ポリウレタン分散剤(水性ポリウレタン)の真のせん断粘度を得た。得られた真のせん断粘度と圧力損失から、コグスウェル式を用いて伸長速度と対応した伸長粘度を求めた。せん断速度3000s-1における真のせん断粘度と伸長速度3000s-1の伸長粘度からトルートン比(=伸長粘度/せん断速度)を求めた。
温度30℃、せん断速度1000s-1におけるせん断粘度、温度30℃、せん断速度3000s-1における伸長粘度、およびトルートン比の値を、表1に示す。
また、参考として、実施例1~5及び比較例1~5の水性樹脂組成物の粘度を、B型粘度計(東機産業社製、VISCOMETER TVB-22)を用いて回転速度30rpm No.2ローターを使用して、温度25℃に調整した試料を測定した値を表1~表2に示す。
(塗工性)
実施例1~5及び比較例1~5で得られた水性樹脂組成物をグラビアロールコーター(#100グラビア版、塗工スピード10m/分)を使用してTPOシート(厚さ0.4mm)上に塗工した後、120℃で1分間乾燥して評価用サンプルを得た。
外観の塗工品質として、塗膜に凹凸が無いか若しくは凹凸が少ない場合を良好「〇」、見る方向によって斜線やゆず肌等の凹凸が視認された場合をやや不良「△」、斜線やゆず肌等の凹凸がはっきりと視認された場合を不良「×」とした。
上記の方法で測定、評価結果を表1~表2に示す。
Figure 2022124265000001
Figure 2022124265000002
表1の結果から、実施例1では、温度30℃、せん断速度1000s-1におけるポリウレタン分散剤のせん断粘度が0.37Pa・s、トルートン比が3.5であると、塗工性が良好であることが分かった。
実施例2では、高分子型特殊ノニオン系界面活性剤の配合量を実施例1よりも多くした場合、温度30℃、せん断速度1000s-1におけるポリウレタン分散剤のせん断粘度が0.46Pa・s、トルートン比が5.3となり、塗工性が良好であることが分かった。
実施例3では、水溶性溶剤としてのプロピレングリコールを使用しない場合、温度30℃、せん断速度1000s-1におけるポリウレタン分散剤のせん断粘度が0.35Pa・s、トルートン比が5.5となり、塗工性が良好であることが分かった。
実施例4では、実施例1とは異なる高分子型特殊ノニオン系界面活性剤を使用してその配合量を少なくした場合、温度30℃、せん断速度1000s-1におけるポリウレタン分散剤のせん断粘度が0.37Pa・sトルートン比が7.3となり、塗工性が良好であることが分かった。
実施例5では、高分子型特殊ノニオン系界面活性剤に代えてウレタン変性ポリエーテル粘性調整剤を使用した場合、温度30℃、せん断速度1000s-1におけるポリウレタン分散剤のせん断粘度が0.35Pa・s、トルートン比が4.1となり、塗工性が良好であることが分かった。
一方、表2の結果から、比較例1では、高分子型特殊ノニオン系界面活性剤の配合量を少なくし、さらに50℃×30日間加熱して減粘させた場合、温度30℃、せん断速度1000s-1におけるポリウレタン分散剤のせん断粘度が0.24Pa・sとなり、塗工性が不良であることが分かった。
比較例2では、高分子型特殊ノニオン系界面活性剤の配合量を少なくした場合、温度30℃、せん断速度1000s-1におけるポリウレタン分散剤のせん断粘度が0.26Pa・sとなり、塗工性がやや不良であることが分かった。
比較例3では、高分子型特殊ノニオン系界面活性剤に代えて層状ヘクトライトを使用し且つその配合量を少なくした場合、温度30℃、せん断速度1000s-1におけるポリウレタン分散剤のせん断粘度が0.05Pa・sであり、塗工性が不良であることが分かった。また、伸長硬化が始まる伸長速度が低く、伸長硬化したために、伸長粘度及びトルートン比を測定することができなかった。
比較例4では、層状ヘクトライトの配合量を更に少なくした場合、温度30℃、せん断速度1000s-1におけるポリウレタン分散剤のせん断粘度が0.08Pa・sであり、塗工性が不良であることが分かった。また、伸長硬化が始まる伸長速度が低く、伸長硬化したために、伸長粘度及びトルートン比を測定することができなかった。
比較例5では、層状ヘクトライトに代えてアルカリ可溶型増粘剤を使用した場合、温度30℃、せん断速度1000s-1におけるポリウレタン分散剤のせん断粘度が0.17Pa・s、トルートン比が8.1となり、塗工性が不良であることが分かった。

Claims (7)

  1. 水性ポリウレタン(A)、マット剤(B)及び添加剤(C)を含有する水性樹脂組成物であって、
    温度30℃、せん断速度1000s-1における前記水性樹脂組成物のせん断粘度が、0.3Pa・s以上3.0Pa・s以下の範囲内であり、
    温度30℃で、せん断速度3000s-1におけるせん断粘度と伸長速度3000s-1における伸長粘度の比である前記水性樹脂組成物のトルートン比(=伸長粘度/せん断粘度)が、3.0以上8.0以下の範囲内である、水性樹脂組成物。
  2. 前記せん断粘度が、0.3Pa・s以上1.0Pa・s以下である、請求項1に記載の水性樹脂組成物。
  3. 前記伸長粘度が、1.0Pa・s以上10.0Pa・s以下である、請求項1に記載の水性樹脂組成物。
  4. 前記水性樹脂組成物の全量を100質量%としたときの前記水性ポリウレタン(A)の含有率が、3.0質量%以上50.0質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の水性樹脂組成物。
  5. 前記添加剤(C)が、ノニオン系界面活性剤の粘性調整剤を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の水性樹脂組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の水性樹脂組成物を含有する水性表面処理剤。
  7. 請求項1~5のいずれか1項に記載の水性樹脂組成物の塗膜を有する物品。
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