JP7363923B2 - 水性樹脂組成物、水性表面処理剤、及び、物品 - Google Patents

水性樹脂組成物、水性表面処理剤、及び、物品 Download PDF

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Description

本発明は、水性樹脂組成物、水性表面処理剤、及び、物品に関する。
自動車内装熱可塑性オレフィン(Thermo Plastic Olefin;以下、「TPO」と略記する。)レザー用シートの製造工程においては、その表面の耐久性および意匠性付与の観点から、表面処理剤により仕上げがなされている。従来の表面処理剤に用いられる樹脂組成物は、有機溶剤を含んだ溶剤系が主流であったが、近年の環境規制の高まりにより、有機溶剤を実質的に含まない水性表面処理剤の開発が進められている(例えば、特許文献1を参照。)。
しかしながら、耐摩耗性や触感には改善の余地があり、これらの性能改善が強く求められている。
特開2010-121027号公報
本発明が解決しようとする課題は、耐摩耗性および触感に優れる水性樹脂組成物を提供することである。
本発明は、ピペラジン及び/又はヒドラジンを必須原料とする水性ポリウレタン(A)、酸変性非塩素化ポリオレフィン(B)、マット剤(C)及び架橋剤(D)を含有する水性樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記水性樹脂組成物を含有することを特徴とする水性表面処理剤、及び、その塗膜を有することを特徴とする物品を提供するものである。
本発明の水性樹脂組成物は、耐摩耗性および触感に優れるものである。また、各種物品の表面をマット調とし、より高級感のある意匠性を付与することのできるとともに、ポリオレフィン等の難密着性基材に対しても高い密着性を有し、延伸等の成形加工をしても、優れたマット感を有する塗膜が、1回の塗工で得られることから、各種物品の表面に処理剤として用いることができる。特に、プラスチック成形品に好適に用いることができ、プラスチック成形品の中でも熱可塑性オレフィン(Thermo Plastic Olefin;以下、「TPO」と略記する。)の成形品であるTPOレザーやTPOシートにより好適に用いることができる。
本発明の水性樹脂組成物は、ピペラジン及び/又はヒドラジンを必須原料とする水性ポリウレタン(A)、酸変性非塩素化ポリオレフィン(B)、マット剤(C)及び架橋剤(D)を含有する
前記水性ポリウレタン(A)は、優れた耐摩耗性および触感を得るうえで、ピペラジン及び/又はヒドラジンを原料とすることが必須である。前記ピペラジンとヒドラジンは、水性ポリウレタンの原料の中で、鎖伸長剤と呼ばれ、ウレア結合を生成するものである。係るウレア結合は、ウレタン樹脂の中で、ハードセグメントを構成するものである。前記ピペラジンとヒドラジンは、双方とも鎖長が非常に短く、ゆえに非常に凝集力の強いハードセグメントを構築することができる。以上の理由により、優れた耐摩耗性およびタック感のない触感を付与することができる。
前記水性ウレタン樹脂(A)における前記「水性」とは、前記水性ウレタン樹脂(A)が、水に分散し得ることを示し、例えば、アニオン性基、カチオン性基、ノニオン性基等の親水性基を有するウレタン樹脂;乳化剤で強制的に水中に分散したウレタン樹脂などを用いることができる。これらの水性ウレタン樹脂(A)は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記アニオン性基を有するウレタン樹脂を得る方法としては、例えば、カルボキシル基を有する化合物及びスルホニル基を有する化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物を原料として用いる方法が挙げられる。
前記カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-吉草酸等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記スルホニル基を有する化合物としては、例えば、3,4-ジアミノブタンスルホン酸、3,6-ジアミノ-2-トルエンスルホン酸、2,6-ジアミノベンゼンスルホン酸、N-(2-アミノエチル)-2-アミノエチルスルホン酸等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシル基及びスルホニル基は、樹脂組成物中で、一部又は全部が塩基性化合物に中和されていてもよい。前記塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミン;モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等のアルカノールアミン;ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム等を含む金属塩基化合物などを用いることができる。
前記カチオン性基を有するウレタン樹脂を得る方法としては、例えば、アミノ基を有する化合物の1種又は2種以上を原料として用いる方法が挙げられる。
前記アミノ基を有する化合物としては、例えば、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン等の1級及び2級アミノ基を有する化合物;N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン等のN-アルキルジアルカノールアミン、N-メチルジアミノエチルアミン、N-エチルジアミノエチルアミン等のN-アルキルジアミノアルキルアミンなどの3級アミノ基を有する化合物などを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ノニオン性基を有するウレタン樹脂を得る方法としては、例えば、オキシエチレン構造を有する化合物の1種又は2種以上を原料として用いる方法が挙げられる。
前記オキシエチレン構造を有する化合物としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリコール等のオキシエチレン構造を有するポリエーテルポリオールを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
以上の親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料の使用量としては、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、耐候性、触感、及び、耐加水分解性が得られる点から、水性ウレタン樹脂(A)の原料中0.1~15質量%の範囲であることが好ましく、1~10質量%の範囲がより好ましく、1.5~7質量%の範囲が更に好ましい。
前記強制的に水中に分散するウレタン樹脂を得る際に用いることができる乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体等のノニオン性乳化剤;オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルカンスルフォネートナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ナトリウム塩等のアニオン性乳化剤;アルキルアミン塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等のカチオン性乳化剤などを用いることができる。これらの乳化剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記水性ウレタン樹脂(A)としては、具体的には、例えば、前記した親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料、ポリイソシアネート(a1)、ポリオール(a2)、及び、ヒドラジン及び/又はピペラジンを含む鎖伸長剤(a3)の反応物を用いることができる。これらの反応は公知のウレタン化反応を用いることができる。
前記ポリイソシアネート(a1)としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(a1)としては、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、脂環式ポリイソシアネートを用いることが好ましく、少なくともイソシアネート基の窒素原子がシクロヘキサン環と直接連結した構造を1つ以上有するポリイソシアネートを用いることがより好ましく、イソホロンジイソシアネート及び/又はジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを用いることが更に好ましく、更に延伸時の加工性がより一層向上する点から、イソホロンジアミンがより好ましい。また、脂環式ポリイソシアネートの使用量としては、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、ポリイソシアネート(a1)中30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
また、本発明の水性樹脂組成物が表面処理剤として使用される際に、より一層の耐光性、及び、延伸時の加工性が求められる場合には、前記ポリイソシアネート(a1)として、前記脂環式ポリイソシアネートと脂肪族ポリイソシアネートとを併用することが好ましく、前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネートを用いることが好ましい。この際のポリイソシアネート(a1)中の前記脂環式ポリイソシアネートの含有量としては、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
前記ポリイソシアネート(a1)の使用量としては、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、ウレタン樹脂(A)の原料中5~50質量%の範囲であることが好ましく、15~40質量%の範囲がより好ましく、20~37質量%の範囲が更に好ましい。
前記ポリオール(a2)としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、ポリカーボネートポリオールを用いることが好ましい。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステル及び/又はホスゲンと、水酸基を2個以上有する化合物との反応物を用いることができる。
前記炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記水酸基を2個以上有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,8-ノナンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、3-メチルペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、グリセリン等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、3-メチルペンタンジオール、及び、1,10-デカンジオールからなる群から選ばれる1種以上の化合物を用いることが好ましく、1,6-ヘキサンジオールがより好ましい。
前記ポリカーボネートポリオールの使用量としては、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、ポリオール(a2)中85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましい。
前記ポリカーボネートポリオールの数平均分子量としては、より一層優れた耐薬品性、機械的強度、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、100~100,000の範囲であることが好ましく、150~10,000の範囲より好ましく、200~2,500の範囲が更に好ましい。なお、前記ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・カラムクロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
前記ポリカーボネートポリオール以外の前記ポリオール(a2)の数平均分子量としては、より一層優れた耐候性が得られる点から、500~100,000の範囲であることが好ましく、700~50,000の範囲より好ましく、800~10,000の範囲が更に好ましい。なお、前記ポリオール(a2)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・カラムクロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
前記ポリオール(a2)の使用量としては、ウレタン樹脂(A)の原料中30~80質量%の範囲であることが好ましく、40~75質量%の範囲がより好ましく、50~70質量%の範囲が更に好ましい。
前記鎖伸長剤(a3)としては、前述の通り、ヒドラジン及び/又はピペラジンを用いることが必須であり、その使用量は前記鎖伸長剤(a3)中50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましく、80質量%以上が特に好ましい。また、前記鎖伸長剤(a3)としては、平均官能基数が3未満であること好ましく、2.5未満がより好ましい。
前記ヒドラジン及び/又はピペラジン以外に用いることができる鎖伸長剤(a3)としては、例えば、数平均分子量が50~450の範囲のもの(前記ポリカーボネートポリオールを除く。)であり、具体的には、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,3-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン等のアミノ基を有する鎖伸長剤;エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ビスフェノールA、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリメチロールプロパン等の水酸基を有する鎖伸長剤などを用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記鎖伸長剤(a3)の使用量としては、より一層優れた耐薬品性、機械的強度、耐摩耗性、触感、及び、耐候性が得られる点から、ウレタン樹脂(A)の原料中0.5~10質量%の範囲であることが好ましく、0.7~5質量%の範囲がより好ましく、0.9~2.3の範囲が更に好ましい。
前記水性ウレタン樹脂(A)の製造方法としては、例えば、前記ポリイソシアネート(a1)と前記ポリオール(a2)と前記親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料を反応させることによって、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造し、次いで、前記ウレタンプレポリマーと、前記鎖伸長剤(a3)とを反応させることによって製造する方法;前記ポリイソシアネート(a1)、前記ポリオール(a2)、親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料、及び、前記鎖伸長剤(a3)を一括に仕込み反応させる方法等が挙げられる。これらの反応は、例えば50~100℃で3~10時間行うことが挙げられる。
前記親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料が有する水酸基、前記ポリオール(a2)が有する水酸基、及び、前記鎖伸長剤(a3)が有する水酸基及びアミノ基の合計と、前記ポリイソシアネート(a1)が有するイソシアネート基とのモル比[(イソシアネート基)/(水酸基及びアミノ基)]としては、0.8~1.2の範囲であることが好ましく、0.9~1.1の範囲であることがより好ましい。
前記水性ウレタン樹脂(A)を製造する際には、前記ウレタン樹脂(A)に残存するイソシアネート基を失活させることが好ましい。前記イソシアネート基を失活させる場合には、メタノール等の水酸基を1個有するアルコールを用いることが好ましい。前記アルコールの使用量としては、ウレタン樹脂(A)100質量部に対し、0.001~10質量部の範囲であることが好ましい。
また、前記水性ウレタン樹脂(A)を製造する際には、有機溶剤を用いてもよい。前記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル化合物;アセトニトリル等のニトリル化合物;ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド化合物などを用いることができる。これらの有機溶媒は単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、前記有機溶剤は、蒸留法等によって最終的には除去されることが好ましい。
前記水性ウレタン樹脂(A)のウレタン結合の含有量としては、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、触感、及び、耐候性が得られる点から、980~4,000mmol/kgの範囲が好ましく、1,000~3,500mmol/kgの範囲がより好ましく、1,100~3,000mmol/kgの範囲が更に好ましく、1,150~2,500mmol/kgの範囲が。なお、前記ウレタン樹脂(A)のウレタン結合の含有量は、前記ポリイソシアネート(a1)、ポリオール(a2)、親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料、および、鎖伸長剤(a3)の仕込み量から算出される値を示す。
前記水性ウレタン樹脂(A)のウレア結合の含有量としては、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、触感、及び、耐候性が得られる点から、315~850mmol/kgの範囲であることが好ましく、350~830mmol/kgの範囲がより好ましく、400~800mmol/kgの範囲が更に好ましく、410~770mmol/kgの範囲が更に好ましい。なお、なお、前記ウレタン樹脂(A)のウレア結合の含有量は、前記ポリイソシアネート(a1)、ポリオール(a2)、親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料、および、鎖伸長剤(a3)の仕込み量から算出される値を示す。
前記ウレタン樹脂(A)の脂環構造の含有量としては、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、触感、及び、耐候性が得られる点から、500~3,000mmol/kgの範囲であることが好ましく、600~2,900mmol/kgの範囲がより好ましく、700~2,700mmol/kgの範囲が更に好ましい。なお、なお、前記ウレタン樹脂(A)の脂環構造の含有量は、前記ポリイソシアネート(a1)、ポリオール(a2)、親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料、および、鎖伸長剤(a3)の仕込み量から算出される値を示す。
前記水性ウレタン樹脂(A)の含有率としては、塗工性、作業性および保存安定性の点から、ウレタン樹脂組成物中1~30質量%の範囲であることが好ましく、2~20質量%の範囲がより好ましい。
前記水性ウレタン樹脂(A)の含有率(固形分)としては、塗工性、作業性および保存安定性の点から、水性樹脂組成物中1~30質量%の範囲が好ましく、3~28質量%の範囲がより好ましい。
前記酸変性非塩素化ポリオレフィン(B)は、ポリオレフィンを塩素化せずに酸変性したものである。前記ポリオレフィンは、オレフィン化合物を重合したものであり、前記オレフィン化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン等のものを用いることができる。また、これらのオレフィン化合物は、単独で用いることも2種以上併用することもでき、前記ポリオレフィン(B)は、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。
前記ポリオレフィン(B)の原料となるポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン-プロピレン共重合体、天然ゴム、合成イソプロピレンゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。また、前記ポリオレフィン(B)がコポリマーである場合には、ランダムコポリマーであってもブロックコポリマーであってもよい。
また、前記ポリオレフィン(B)は、上記で例示したポリオレフィンを酸変性したものであるが、その酸変性は、不飽和カルボン酸又はその無水物を用いて、ポリオレフィンと反応させる方法が好ましい。前記不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、アコニット酸、クロトン酸等のものが挙げられ、これらの無水物も挙げられる。また、不飽和カルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。これらの不飽和カルボン酸の中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸を用いることが好ましい。
ポリオレフィンの酸変性は、例えば、有機溶剤に溶解したポリオレフィンと、不飽和カルボン酸とを混合し、ポリオレフィンの軟化温度又は融点以上の温度で加熱して反応させることにより行うことができる。
前記ポリオレフィン(B)の含有率(固形分)としては、塗工性、作業性および保存安定性の点から、水性樹脂組成物中0.5~30質量%の範囲が好ましく、0.6~25質量%の範囲がより好ましい。
上記の水性ポリウレタン(A)と酸変性非塩素化ポリオレフィン(B)との質量比率[(A)/(B)]としては、TPO等の基材との高い密着性が得られる点から、55/45~98/2の範囲が好ましく、60/40~98/2の範囲がより好ましく、70/30~97/3の範囲が更により好ましい。
前記マット剤(C)としては、例えば、シリカ粒子、有機ビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、タルク、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、カオリン、雲母、アスベスト、マイカ、ケイ酸カルシウム、アルミナシリケイト等が挙げられる。
前記シリカ粒子としては、乾式シリカ、湿式シリカ等が挙げられる。これらの中でも、散乱効果が高く光沢値の調整範囲が広くなることから、乾式シリカが好ましい。また、組成物中に分散しやすくなることから、有機化合物で表面修飾した乾式シリカがより好ましい。これらシリカ粒子の平均粒子径としては、2~14μmの範囲が好ましく、3~12μmの範囲がより好ましい。
前記シリカ粒子の使用量としては、所望のマット調の意匠が得られる光沢値が達成できることから、前記水性ポリウレタン(A)、及び、酸変性非塩素化ポリオレフィン(B)の合計樹脂分100質量部に対して、0.1~40質量部の範囲が好ましく、0.5~30質量部の範囲がより好ましい。
前記有機ビーズとしては、例えば、アクリルビーズ、ウレタンビーズ、シリコンビーズ、オレフィンビーズ等が挙げられる。
上記のマット剤(C)は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
前記架橋剤(D)としては、オキサゾリン、カルボジイミド、ポリイソシアネート、ブロックイソシアネート、エポキシ、ポリシロキサン、アジリジン、アルキル化メラミン等の尿素樹脂系架橋剤、ヒドラジド系架橋剤などが挙げられる。これらの中でも、架橋性能と安全性の面から、カルボジイミド、ポリイソシアネートが好ましい。また、これらの架橋剤(D)は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。前記架橋剤(D)の配合量としては、塗膜強度の観点から、前記水性ポリウレタン(A)、及び、酸変性非塩素化ポリオレフィン(B)の合計樹脂分100質量部に対して、0.5~50質量部の範囲が好ましく、1~40質量部の範囲がより好ましい。
本発明の水性樹脂組成物は、前記水性ポリウレタン(A)、前記酸変性非塩素化ポリオレフィン(B)、前記マット剤(C)及び前記架橋剤(D)を必須成分として含有するが、必要に応じてその他の添加剤を含有してもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、各種界面活性剤、ワックス、消泡剤、レベリング剤、粘弾性調整剤、湿潤剤、分散剤、防腐剤、膜形成剤、可塑剤、浸透剤、香料、殺菌剤、殺ダニ剤、防かび剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、染料、顔料(例えば、チタン白、ベンガラ、フタロシアニン、カーボンブラック、パーマネントイエロー等)、水、溶剤等の添加剤を配合してもよい。
本発明の物品は、本発明の水性樹脂組成物の塗膜を有するものである。また、物品としては、例えば、家電製品(冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ等)の筐体、電子機器(パソコン、携帯電話、スマートフォン等)の筐体、楽器(ピアノ、エレクトーン、電子楽器等)の材料;自動車又は鉄道車両の内装材(インスツルメントパネル、ドアトリム、ヘッドライニング、トノーカバー等)、建材又は家具材(壁紙、合板用化粧シート、鋼板用化粧シート、椅子貼り用レザー等)、包装材料(ラッピングフィルム等)などのプラスチック成形品;木質材料(合板、集成材、単層積層材等);セラミック材料(内装タイル、煉瓦等);が挙げられる。スポーツ(スキー、アーチェリー、ゴルフ、テニス等)用具材料;履物材料(靴の甲材、底、芯材、ヒール、トップリフト、中敷等);金属材料(鉄、銅、亜鉛、アルミニウム等)などが挙げられる。これらの物品の中でも、本発明の水性樹脂組成物は、プラスチック成形品に好適に用いることができ、そのプラスチック成形品の中でも、TPOレザー、TPOシートに用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[合成例1]水性ウレタン樹脂(A-1)組成物の調製
攪拌機、温度計、および窒素還流管を備えた四つ口フラスコに、メチルエチルケトン250質量部、及びオクチル酸第一錫0.001質量部を入れ、次いで、ポリカーボネートポリオール-1(1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールを原料とするもの、数平均分子量:1,000)200質量部、2,2-ジメチロールプロピオン酸15質量部、イソホロンジイソシアネート49質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート34質量部を入れ、70℃で1時間反応させ、ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
次いで、このウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液に、ヒドラジン6.8質量部、トリエチルアミン15質量部を混合させた後に、イオン交換水820質量部を加えてウレタン樹脂(A-1)が水に分散した乳化液を得た。
次いで、前記乳化液からメチルエチルケトンを留去し、更にイオン交換水を加えることで、不揮発分30質量%の水性ウレタン樹脂(A-1)組成物を得た。
得られた水性ウレタン樹脂(A-1)のウレタン結合の含有量は2,052mmol/kg、ウレア結合の含有量は698mmol/kg、脂環構造の含有量は715mmol/kgであった。
[合成例2]水性ウレタン樹脂(A-2)組成物の調製
攪拌機、温度計、および窒素還流管を備えた四つ口フラスコに、メチルエチルケトン250質量部、及びオクチル酸第一錫0.001質量部を入れ、次いで、ポリカーボネートポリオール-3(1,6-ヘキサンジオールを原料とするもの、数平均分子量:2,000)を220質量部、2,2-ジメチロールプロピオン酸12質量部、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート70質量部を入れ、70℃で1時間反応させ、ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
次いで、このウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液に、ピペラジン4.5質量部、トリエチルアミン9質量部を混合させた後に、イオン交換水880質量部を加えてウレタン樹脂(A-2)が水に分散した乳化液を得た。
次いで、前記乳化液からメチルエチルケトンを留去し、更にイオン交換水を加えることで、不揮発分32質量%の水性ウレタン樹脂(A-2)組成物を得た。
得られた水性ウレタン樹脂(A-2)のウレタン結合の含有量は1,278mmol/kg、ウレア結合の含有量は435mmol/kg、脂環構造の含有量は1,713mmol/kgであった。
[比較合成例1]水性ウレタン樹脂(AR-1)組成物の調製
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下、ポリカーボネートジオール(1,6-ヘキサンジオールを原料とするもの、数平均分子量:1,000)500質量部、2,2-ジメチロールプロピオン酸34質量部、メチルエチルケトン336質量部を加え、均一に混合した。その後、イソホロンジイソシアネート250質量部を加えた後、ジブチル錫ジラウレート0.1質量部を加え、70℃で約4時間反応させることによって、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(樹脂固形分中のNCO%:4.0質量%)のメチルエチルケトン溶液を得た。
次いで、上記で得られたウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液にトリエチルアミン25質量部を加え、前記ウレタンプレポリマー中のカルボキシル基を中和した。その後、イオン交換水1,471質量部を加えた後、エチレンジアミン23質量部を加えて反応させた。反応終了後、メチルエチルケトンを減圧下留去することによって、水性ウレタン樹脂(AR-1)組成物(固形分;35質量%)を得た。
[実施例1]
製造例1で得られた水性ウレタン樹脂(A-1)組成物40.5質量部、酸変性非塩素化ポリオレフィン(ユニチカ株式会社製「アローベース SD-1010」、不揮発分:20.5質量%)15.9質量部、架橋剤(日清紡ケミカル株式会社製「カルボジライト E-04」、カルボジイミド系架橋剤、不揮発分:40質量%)5.2質量部、マット剤(エボニックデグサ社製「ACEMATT 3300」、乾式法で製造され表面を有機処理されたシリカ粒子、平均粒子径:9.5μm)2.2質量部、ポリプロピレンワックス(Micro Powders社製「MICROMATTE 1213UVW」;溶融範囲150~156℃)1質量部、ノニオン系界面活性剤(第一工業製薬株式会社製「ノイゲン EA-157」)0.1質量部、フッ素系界面活性剤(DIC株式会社製「メガファック F-444」)0.1質量部、粘弾性調整剤(サンノプコ株式会社製「SNシックナー 612NC」)0.7質量部及びイオン交換水36.9質量部を均一に混合して、水性樹脂組成物(1)を得た。
[実施例2]
実施例1において、水性ウレタン樹脂(A-1)組成物に代えて、水性ウレタン樹脂(A-2)組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして水性樹脂組成物(2)を得た。
[実施例3]
製造例1で得られた水性ウレタン樹脂(A-1)組成物48質量部、酸変性非塩素化ポリオレフィン(ユニチカ株式会社製「アローベース SD-1010」、不揮発分:20.5質量%)4質量部、架橋剤(日清紡ケミカル株式会社製「カルボジライト E-04」、カルボジイミド系架橋剤、不揮発分:40質量%)5.2質量部、マット剤(エボニックデグサ社製「ACEMATT 3300」、乾式法で製造され表面を有機処理されたシリカ粒子、平均粒子径:9.5μm)2.2質量部、ポリプロピレンワックス(Micro Powders社製「MICROMATTE 1213UVW」;溶融範囲150~156℃)1質量部、ノニオン系界面活性剤(第一工業製薬株式会社製「ノイゲン EA-157」)0.1質量部、フッ素系界面活性剤(DIC株式会社製「メガファック F-444」)0.1質量部、粘弾性調整剤(サンノプコ株式会社製「SNシックナー 612NC」)0.7質量部及びイオン交換水41.3質量部を均一に混合して、水性樹脂組成物(3)を得た。
[実施例4]
実施例3において、水性ウレタン樹脂(A-1)組成物に代えて、水性ウレタン樹脂(A-2)組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして水性樹脂組成物(4)を得た。
[比較例1]
実施例1において、水性ウレタン樹脂(A-1)組成物に代えて、水性ウレタン樹脂(AR-1)組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして水性樹脂組成物(R)を得た。
[評価用サンプルの作製]
実施例及び比較例で得られた水性樹脂組成物をバーコーターNo.14を用いてTPOレザー(厚さ0.4mm)上に塗工した後、120℃で1分間乾燥して評価用サンプルを得た。
[耐摩耗性の評価方法]
評価用サンプルを、学振型摩擦試験機(株式会社大栄科学精器製作所製「RT-200」)を使用して、1kg荷重、6号帆布を使用して、摩耗状態を観察し、以下のように評価した。
「T」:100回の試験後にTPOレザーが露出していない。
「F」:100回の試験後に塗膜が破れてTPOレザーが露出している。
[触感の評価方法]
評価用サンプルを指触し、以下のように評価した。
「T」:タック感がない。
「F」:タック感がある。
Figure 0007363923000001
本発明の水性樹脂組成物である実施例1~4は、優れた耐摩耗性および触感を有することが分かった。
一方、比較例1は、水性ウレタン樹脂(A)の代わりに、エチレンジアミンを原料とした水性ウレタン樹脂を用いた態様であるが、耐摩耗性および触感が不良であった。

Claims (4)

  1. ピペラジン及び/又はヒドラジンを鎖伸長剤として用いる必須原料とする水性ポリウレタン(A)、酸変性非塩素化ポリオレフィン(B)、マット剤(C)及び架橋剤(D)を含有し、
    前記マット剤(C)は、シリカ粒子であって、前記シリカ粒子の使用量が、前記水性ポリウレタン(A)、及び、酸変性非塩素化ポリオレフィン(B)の合計樹脂分100質量部に対して、0.1~40質量部である水性樹脂組成物。
  2. 前記シリカ粒子は、乾式シリカである、請求項1記載の水性樹脂組成物。
  3. 請求項1記載の水性樹脂組成物を含有することを特徴とする水性表面処理剤。
  4. 請求項1記載の水性樹脂組成物の塗膜を有することを特徴とする物品。
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