JP2013151133A - 熱成形用ハードコートフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、耐擦傷性、例えば、軍手等の擦れ傷が発生し難く、耐薬品性、例えば、日焼け防止に用いるローション、ハンドクリームが付着したまま高温下で長時間曝されてもフィルム表面が荒れることなく、また、深絞り形状の成形品に成形した場合フィルム表面に割れが発生することがなく、表面硬度を備えた熱成形用ハードコートフィルムを提供する。
【解決手段】 基材フィルムの表面に、下地用硬化性樹脂組成物(X)を硬化してなる第1ハードコート層を有し、さらにその上に上地用樹脂組成物(Y)からなる特定厚さの第2ハードコート層を有し、前記下地用硬化性樹脂組成物(X)が水酸基を有するビニル系重合体(A)とポリイソシアネート化合物(B)からなり、ポリイソシアネート化合物(B)がビニル系重合体(A)の特定固形分水酸価と反応し、前記上地用樹脂組成物(Y)が特定平均粒径以下の酸化アルミニウム粒子を特定P/B以下で含有するハードコートフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱成形用ハードコートフィルムに関するものであり、詳しくは、熱成形による二次加工ができ、鉛筆硬度が高く、耐薬品性、耐擦傷性に優れた熱成型用ハードコートフィルムに関する。
低コストで成形品に意匠性を付与する方法として、インサート成形法、インモールド成形法及び3次元被覆成形(TOM成形)といった熱成形方法がある。インサート成形法は、印刷等により加飾を施したポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂などのフィルム又はシートを、予め真空成形等によって三次元形状に成形し、不要なフィルム又はシート部分を除去した後、射出成形金型内に移し、基材となる樹脂を射出成形することにより一体化させた成形品を得るものである。一方、インモールド成形法は、印刷等の加飾を施したポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂などのフィルム又はシートを射出成形金型内に設置し、真空成形を施した後、同じ金型内で基材となる樹脂を射出成形することにより一体化させた成形品を得るものである。TOM成形は真空・圧空成形工法であり、裏面に接着剤層を有する熱成形フィルムを用いるため、製品の材質を問わず、真空孔無で、逆テーパ部、末端巻き込み部を被覆成形するものである。
インサート成形、インモールド成形又はTOM成形に用いることができる表面硬度、耐熱性に優れたアクリル樹脂フィルムを用いた成形品(以下、アクリル樹脂フィルム成形品という)として、特定の組成からなるゴム含有重合体と、特定の組成からなる熱可塑性重合体とを特定の割合で混合してなるアクリル樹脂フィルム成形品が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。このようなアクリル樹脂フィルム成形品は、成形品に加飾性を付与するばかりでなく、クリア塗装の代替材料としての機能を有する。
これらのアクリル樹脂フィルム成形品は、車輌内装用の表皮材として、優れた特性を有しているものの、液剤、例えば、日焼け止め用ローションに対する耐性が低いという問題があったため、硬化性樹脂組成物あるいは特殊モノマーを用いた熱可塑性樹脂を積層することを提案している(例えば、特許文献3、4、5、6参照)。しかし、光硬化性樹脂組成物では熱成形時の加工性を確保するため、光照射による硬化を熱成形後に行わなければならないため新たな工程が発生し、また、三次元成型品の均一光照射といった課題が存在する(特許文献3、7参照)。熱硬化性樹脂組成物では3次元架橋が形成されると熱可塑性が失われ、熱成形時に割れるといった課題がある(特許文献4参照)。また、特殊モノマーを用いた熱可塑性樹脂を積層した場合は3次元架橋が形成されていないため、薄膜部での耐薬品性に課題がある(特許文献5、6参照)。
耐擦傷性ではハードコート層が2層以上に形成されており、基材フィルムに最も近く形成されたハードコート層の弾性率σmが、表層のハードコート層の弾性率σsよりも高いことを特徴とするハードコートフィルムが開示されている(特許文献8)。しかし、上記ハードコートフィルムは、鉛筆硬度が十分に出ないという課題がある。
また基材と、基材表面に形成された第1被膜および該第1被膜上に形成された第2被膜を含むハードコート膜とからなり、第1被膜および/または第2被膜は、微粒子を含有する樹脂から形成され、かつ第1被膜を形成する樹脂相の硬度が第2被膜を形成する樹脂相の硬度よりも小さいことを特徴とするハードコート膜付基材が開示されている(特許文献9)。しかし、上記ハードコート膜は、ヘーズ値が大きく、加飾フィルムに適用した場合、透明性が悪く使用できないという課題がある。
特開平8−323934号公報 特開平11−147237号公報 特開2005−163003号公報 特開2008−265062号公報 特開2009−196151号公報 特開2009−248362号公報 特開2008−116596号公報 特開2000−214791号公報 特開平5−8350号公報
本発明は、耐擦傷性、例えば、軍手等の擦れ傷が発生し難く、耐薬品性、例えば、日焼け防止に用いるローション、ハンドクリームが付着したまま高温下で長時間曝されてもフィルム表面が荒れることなく、また、深絞り形状の成形品に成形した場合フィルム表面に割れが発生することがなく、透明性、表面硬度を備えた熱成形用ハードコートフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、基材フィルムの表面に下地用硬化性樹脂組成物(X)を硬化してなる第1ハードコート層を有し、さらにその上に上地用樹脂組成物(Y)からなる厚さ0.01〜0.8μmの第2ハードコート層を有し、
前記下地用硬化性樹脂組成物(X)が水酸基を有するビニル系重合体(A)とポリイソシアネート化合物(B)からなり、ポリイソシアネート化合物(B)がビニル系重合体(A)の固形分水酸価2〜110mgKOH/gと反応したものであり、
前記上地用樹脂組成物(Y)が平均粒径100nm以下の酸化アルミニウム粒子をP/B(顔料/樹脂)≧0.3で含有すると、耐擦傷性、耐薬品性、透明性および優れた熱成形性も奏するハードコートフィルムが形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、上記目的は、以下の本発明により達成される。
「1」基材フィルムの表面に、下地用硬化性樹脂組成物(X)を硬化してなる第1ハードコート層を有し、さらにその上に上地用樹脂組成物(Y)からなる厚さ0.01〜0.8μmの第2ハードコート層を有し、前記下地用硬化性樹脂組成物(X)が水酸基を有するビニル系重合体(A)とポリイソシアネート化合物(B)からなり、ポリイソシアネート化合物(B)がビニル系重合体(A)の固形分水酸価2〜110mgKOH/gと反応したものであり、前記上地用樹脂組成物(Y)が平均粒径100nm以下の酸化アルミニウム粒子をP/B≧0.3で含有することを特徴とするハードコートフィルム。
「2」前記ハードコートフィルムの120℃加熱の引張速度500mm/minの伸びが80%以上である請求項1に記載のハードコートフィルム。
「3」前記ハードコートフィルムのヘイズ値(JIS K 7136)が2%以下である請求項1〜2のいずれかに記載のハードコートフィルム。
「4」前記基材フィルムがアクリルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルムであることを特徴とする「1」〜「3」のいずれかに記載のハードコートフィルム。
「5」 前記ハードコートフィルムがインモールド成形用、インサート成形用またはTOM成形用である「1」〜「4」のいずれかに記載のハードコートフィルム。
「6」 前記ハードコートフィルムの製造方法であって、硬化性樹脂層、微粒子を有する層を印刷法又はコート法により形成する「1」〜「4」のいずれかに記載のハードコートフィルム。
「7」 前記「1」〜「4」のいずれかに記載の熱成形用フィルムをその微粒子を有する層とは反対側の面が接するように基材上に積層して成るハードコートフィルム。
「8」 前記「1」〜「4」のいずれかに記載の熱成形用フィルムを硬化性樹脂層とは反対側の面が接するようにインモールド成形法、インサート成形法又はTOM成形法により基材上に積層して成るハードコートフィルム。
本発明の熱成形用ハードコートフィルムは、熱成形による二次加工ができ、透明性、鉛筆硬度が高く、耐薬品性、耐擦傷性に優れた品質を達成できる。本発明の熱成形用ハードコートフィルムを自動車内装部材に使用すれば、既存工程で耐擦傷性、耐薬品性、透明性、表面硬度に優れたインモールド成形用、インサート成形用またはTOM成形用が可能である。
耐擦傷性、耐薬品性、熱成形性の観点から、耐薬品性、熱成形性の両立には硬化収縮が小さく、均一な架橋が可能な熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、不均一な硬化膜は、最も弱い箇所が薬品に侵され、加熱時の熱成形でも不均一な箇所に応力が集中し破断する。また、耐薬品性と熱成形性はトレードオフの関係にあり、硬化性樹脂が硬化すれば架橋密度アップにより耐薬品性は良くなるが、熱可塑性が失われるため熱成形性が低下する。そのため、自動車車内の最高温度80℃付近では硬質であり、熱成形温度の120℃付近では熱可塑性となる硬化膜にすることが望ましい。更なる耐擦傷性の付与には、表層のみで機能付与することが好ましい。
本発明では、無機微粒子である平均粒径100nm以下の酸化アルミニウム粒子をP/B≧0.3で含有する表層を厚さ0.01〜0.8μmで積層することにより、耐薬品性、熱成形性、透明性を維持したまま優れた耐擦傷性が発現することを見出した。耐薬品性、熱成形性においては、イソシアネート架橋に関する固形分水酸価が2〜110mgKOH/gで、ガラス転移温度が80℃以上であるビニル系重合体(A)であることを特徴とする硬化性樹脂組成物が優れた特性を実現した。
(上地用樹脂組成物(Y))
上地用樹脂組成物(Y)の無機微粒子としては、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒子が選定できるが、耐擦傷性の観点より10段階モース硬度が8以上の微粒子選定することが好ましい。透明性の観点より微粒子は透明系あるいは白色系が好ましく、平均粒子径は光波長の1/2未満が好ましく、微粒子ほどより好ましい。酸化物粒子の形状は球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、又は不定形状がある。これらは1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。さらには、このような元素の酸化物粒子は、粉体状又は溶剤分散ゾルであることが好ましい。耐擦傷性と透明性の両立の観点より、無機微粒子の含有率、P/B≧0.3かつ無機微粒子含有層の厚さを0.8μm以下にすることが好ましい。無機微粒子の含有率、P/Bは0.3以上より0.5以上がより好ましく、無機微粒子が効率的に表面配向し、大幅な耐擦傷性が期待できる。無機微粒子の分散性確保のためには、P/Bは100以下より50以下がより好ましい。
(下地用硬化性樹脂組成物(Y))
水酸基を含有する樹脂としては、ビニル系重合体等が挙げられ、アクリル系の場合は、下記、水酸基を含有する重合性ビニル系単量体をベースとして、その他の共重合可能な重合性ビニル系単量体を共重合することにより得られる。これらの樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせても良い。固形分水酸基価は2mgKOH/g樹脂以上が好ましいが、これに限定するものでなく、架橋に関与する固形分水酸基価が重要である。
ここで、固形分水酸基価とは下記で示した式から計算させた数値である。
固形分水酸基価=KOHmg/溶剤を含まない樹脂全量
KOHmg:水酸基含有ビニル系単量体および/またはその誘導体モル数×56100×N(N:水酸基含有ビニル系単量体および/またはその誘導体中の水酸基の個数)
また、該樹脂の水酸基価はJIS K 1557−1に記載の測定方法よって求めることもできる。
水酸基を含有する重合性ビニル系単量体としては、例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、1,4−ブタンジオールモノメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、1,4−ブタンジオールモノアクリレート等が挙げられる。また、アクリル系エステルを形成する炭素数1〜18のアルキルアルコールは、直鎖状、分岐鎖状、環状のアルキル基を有するアルコールのいずれであってもよい。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他共重合可能な重合性ビニル系単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、メタクリル酸フェニル、アクリル酸フェニル、α−メチルスチレン、p−ビニルトルエン、メタクリルアミド、アクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等の脂肪族ビニルエーテル化合物、さらには2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトン酸2−ヒドロキシエチル、クロトン酸2−ヒドロキシプロピル、クロトン酸3−ヒドロキシプロピル、クロトン酸3−ヒドロキシブチル、クロトン酸4−ヒドロキシブチル、クロトン酸5−ヒドロキシペンチル、クロトン酸6−ヒドロキシヘキシル、アリルアルコール、アリルグリシジルエーテル等のアリル基含有化合物、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル等のクロトン酸アルキルエステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の脂肪族カルボン酸ビニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルのような脂環式カルボン酸ビニルエステル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニルのような芳香族カルボン酸ビニルエステル等が挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の共重合性ビニル系単量体は、必須成分ではなく、硬化膜を設計する上で、基材や使用目的等に応じて必要に応じて、適宜選び用いられる。
重合性ビニル系単量体等を重合又は共重合させる方法については特に制限はなく、公知の方法、例えば、有機溶剤中における溶液重合等を用いることができる。また、その重合方式についても特に制限はなく、例えば、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれも用いることができるが、これらの中で、工業的な面からラジカル重合が好適である。ラジカル重合において用いられる重合開始剤としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、メチルエチルケトンパーオキシド等の有機過酸化物、あるいは2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系開始剤を好ましく挙げることができる。もちろん、これらに限定されるものではない。これらのラジカル重合開始剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合時の反応温度は、一般的に60〜150℃が好ましい。この温度が60℃未満であると、ラジカル重合開始剤が分解しにくく、反応が進行しにくいし、150℃を超えると、ラジカル重合開始剤が熱により分解してラジカルを生成しても、その寿命が短く、効果的に生長反応が進行しにくい。重合時間は、重合温度やその他の条件に左右され、一概に定めることはできないが、一般に2〜6時間程度で十分である。
水酸基含有樹脂は、水酸基に付加反応が可能な化合物を付加反応させて変性させたものも挙げられる。水酸基に付加反応が可能な化合物としては、例えば、ラクトン化合物、アルキレンオキシドなどが挙げられ、好ましくはラクトン化合物である。該ラクトン化合物としては、例えば、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−ノナノイックラクトン、δ−ドデカノラクトンなどが挙げられる。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどが挙げられる。これらの水酸基に付加反応が可能な化合物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水酸基を含有する樹脂のガラス転移温度は80℃以上が好ましく、より好ましくはガラス転移温度が90℃以上を有する樹脂が望ましい。該樹脂のガラス転移点が80℃未満であると、得られる硬化膜は高温下での耐薬品性が不十分となり、樹脂のガラス転移温度の上限は熱整形フィルムの熱成形温度付近が好ましい。
ガラス転移温度は、「ポリマー・ハンドブック〔Polymer Hand Book(J.Brandrup,Interscience,1989〕」に記載されている値(MMA;105℃、BA;−54℃、ST;100℃、HEMA;55℃、MAA;130℃、BMA;20℃、無水マレイン酸;130℃(マレイン酸値を使用))をフオックス(Fox)の式を用いて算出した。但し、開始剤等は含めずに算出した。
質量平均分子量は、2000〜30000が好ましく、3000〜20000が特に好ましい。質量平均分子量が2000未満であると樹脂の絡み合いが小さくなるため好ましくなく、30000以上である場合は、高粘度となるため好ましくない。
(ポリイソシアネート化合物(B))
ポリイソシアネート化合物(B)は、ビニル系重合体(A)の固形分水酸基価2〜110mgKOH/gと反応する比率で含有してなることを特徴とする。ここでの反応とは、樹脂の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基が当量で反応、架橋することを意味する。この架橋に関与する該固形水酸基価は2〜110mgKOH/g樹脂が好ましく、より好ましくは固形分水酸基価が10〜90mgKOH/g比率でポリイソシアネート化合物(B)を配合することが好ましい。
該ポリイソシアネート化合物(B)の含有量が、固形分水酸基価2mgKOH/gと反応する量未満である場合には、得られる硬化膜は耐薬品性が不十分になる傾向がある。一方、含有量が110mgKOH/gと反応する量を超えると、硬化膜の架橋が緻密になり過ぎて、熱成形性が低下する。
ポリイソシアナート化合物(B)が有するイソシアナート基量は製品によって差があり、重量部で一概に表現することはできないが、ビニル系重合体(A)100重量部に対して、ポリイソシアナート化合物(B)を5〜60重量部用いることが好ましく、10〜40重量部用いることがより好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、脂肪族系もしくは芳香族系のものが挙げられる。脂肪族系多官能性イソシアネートの具体的例として、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロへキシルメタン4,4’―イソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートがある。芳香族多官能性イソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6トリレンジイソシアネート、ジフィニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ポリメチレン−ポリフェニレル−ポリイソシアネートがある。好ましい化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートが挙げられる。
構造としてはともに単量体、ビュレット型、アダクト型、イソシアヌレート型がある。これらの中では、ビュレット型、アダクト型が好ましい。
ポリイソシアネート化合物(B)の使用量としては、イソシアネート基が前記(A)成分の水酸基に対して0.1等量以上2等量以下であることが好ましい。0.1倍未満では、残存する水酸基が過剰に存在するため、好ましくない。2倍を超えると、一部未反応で残存するイソシアネート基が存在するため、好ましくない。
(触媒)
本発明の硬化性樹脂組成物には、反応触媒を用いることができる。
反応触媒としては、例えば、スズ化合物や亜鉛化合物が挙げられる。スズ化合物としては、例えば、塩化スズ、臭化スズ等のハロゲン化スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート等の有機スズ化合物等が挙げられ、亜鉛化合物としては、例えば、塩化亜鉛、臭化亜鉛等のハロゲン化亜鉛、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛等の有機酸の亜鉛塩等が挙げられる。硬化反応触媒としてのスズ化合物や亜鉛化合物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また他の硬化反応触媒と併用してもよい。反応触媒の配合部数は、ビニル系重合体(A)100重量部に対して、触媒を0〜5重量部用いることが好ましい。
また、カルボン酸無水物基が開環する触媒も使用でき、イオン架橋あるいはカルボン酸の発生によって、80℃付近では架橋、熱成形温度の150℃付近では架橋が切断するような疑似架橋が利用できる。開環触媒の配合部数はビニル系重合体(A)100重量部に対して、触媒を0〜5重量部用いることが好ましい。
(下地硬化性樹脂層)
下地硬化性樹脂層は硬化樹脂を硬化したものである。
熱成形用フィルムの一方の面上に積層させた硬化性樹脂層の厚さは、1〜20μmであることが必要である。硬化性樹脂層の厚さが1μm以上であれば、積層体となった場合の耐薬品性を発現することができる。熱成形により、80%以上延伸された箇所の耐薬品性が求められる場合があるため、より好ましくは3μm以上である。硬化性樹脂層の厚さが20μm以下であれば、インサート成形又はインモールド成形を施し、深絞り形状に熱成形することが可能であるが、コスト面より、より好ましくは15μm以下である。なお、硬化性樹脂層の厚さはコーティング有無の厚み差より算出し、膜厚はJIS B 7503に準じて測定した。
(熱成形用ハードコートフィルム)
本発明の熱成形用ハードコートフィルムは、熱成形フィルム上に、下地硬化性樹脂層が1〜20μmの厚さで形成され、更に上地樹脂層を0.01μm〜0.8μmの厚さで積層され、且つ、鉛筆硬度(JIS K5400に基づく測定)がHB以上であることが好ましい。鉛筆硬度が高ければ、耐擦り傷性が向上するため、ドアウエストガーニッシュ、フロントコントロールパネル、パワーウィンドウスイッチパネル、エアバッグカバー等、各種車輌用部材に好適に使用することができる。用途拡大の観点から工業上非常に有用である。
熱成形用フィルム上の硬化性樹脂層が5μm厚の熱成形フィルムの溶融温度で 500mm/min引張条件での伸びが80%以上であることが好ましい。引張伸びが80%以上であれば、深絞りの熱成形加工が可能となる。引張条件としては、10×100mmサンプルをチャック間50mm、引っ張り速度500mm/min、各温度に設定した引張恒温層で、フィルムにクラックが発生するまでの伸びを目視で確認する。熱成形用フィルムとは、上記引張条件である10×100mmサンプルをチャック間50mm、引っ張り速度500mm/min、熱成形フィルムの溶融温度に設定した引張恒温層でフィルムにクラックが発生するまでの伸びは80%以上が好ましい。例えば、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂の熱可塑性樹脂フィルムが挙げられるが、メタクリレート樹脂が特に好ましい。熱成形用フィルムの厚さは、20〜300μmが好ましい。熱成形用フィルムの厚さを300μm以下とすることにより、紙管等に巻くことが可能となり、連続生産し易くなる。熱成形用フィルムの厚みを20μm以上とすることにより、フィルムの保護性とともに、得られる積層体に深み感をより十分に付与することができる。熱成形用フィルムの厚みは、25μm以上がより好ましく、50μm以上が特に好ましい。また、その上限は、200μm以下がより好ましく、150μm以下が特に好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて有機溶剤、着色顔料、及び/又は、各種添加剤、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、レベリング剤、抗発泡剤、さらにはポリエチレンワックス、ポリアマイドワックス、内部架橋型樹脂微粒子等のレオロジー調整剤等を配合することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物の有機溶剤としては、各成分を溶解することができるものであれば、特に限定されるものではないが、焼付後に有機溶剤が残存しないように選定することが好ましい。例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル等のエステル類等が挙げられる。また、これらの有機溶剤に可溶量の水を添加して混合したものを溶剤として用いてもよい。これらの溶剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。有機溶剤の配合部数は、適性なコーティング粘度に調整することが望ましい。例えば、グラビアコートであれば、20〜300mPa・s、ダイコートであれば、100〜3000mPa・sの粘度になる機溶剤の配合部数が好ましい。
コーティング後、硬化性樹脂層の架橋密度を十分なものとするために、30〜80℃の雰囲気下で、数時間から数日間静置することが好ましい。通常、成形品にスプレー塗装する場合は、大掛かりな塗装ブースが必要であり、また、塗着効率が悪いため生産性が悪い。それに対して、本発明の積層体は、フィルムに対するコーティング工程であるため塗着効率が良く、ライン速度も速く、また、インモールド成形、インサート成形あるいはTOM成形は射出成形と同レベルの設備サイズであるから、生産性、小スペースの点で工業的利用価値が高い。
(硬化性樹脂層の形成方法)
印刷法又はコート法によりコーティング層を形成することが好ましい。この場合、コーティング層となる原料を溶剤に溶解又は分散して塗料を調製し、これを熱成形フィルムの一方の面に塗布し、溶剤除去のための加熱乾燥を行うことによって、硬化性樹脂層が形成される。この方法は、硬化性樹脂層と熱成形フィルムとの密着性が良好となるため好ましい。
印刷法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等の公知の印刷方法が挙げられる。
コート法としては、フローコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、キスリバースコート法、マイクログラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ロッドコート法、ロールドクターコート法、エアナイフコート法、コンマロールコート法、リバースロールコート法、トランスファーロールコート法、キスロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、ディッピングコート法等の公知のコート方法が挙げられる。特に好ましくは、バキューム式ダイコーターである。バキューム式ダイコーターは、塗液滞留の少なく、エアギャップを大きくすることが可能である。
(2液混合供給システム)
主剤と硬化剤の2液を予め混合した塗工液をタンクに貯蔵し供給するシステムより、塗工直前に混合する2液混合供給システムが好ましい。塗工直前に2液を混合することにより、2液のポットライフが改善でき、さらに、滞留の少ないダイコーターと組み合わせることにより、フィルムコーティングにおけるゲル発生を改善することが可能となる。
<絵柄層>
本発明の熱成形用フィルムには、各種基材に意匠性を付与するために絵柄層を形成してもよい。この場合、硬化性樹脂層が設けられた面とは反対側の熱成形用フィルムの面上に絵柄層を形成することが好ましい。また、積層体の製造時には、絵柄層を基材との接着面に配することが加飾面の保護および高級感の付与の点から好ましい。絵柄層は印刷法或いは蒸着法で形成されたものが好ましい。
(印刷層)
印刷層は、インサート成形、インモールド成形又はTOM成形によって得られた積層体表面で模様又は文字等となる。印刷柄としては、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字、全面ベタ等からなる絵柄が挙げられる。
印刷層のバインダーとしては、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体等のポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキッド樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂等の樹脂が挙げられる。
印刷層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア輪転印刷法、スクリーン印刷法等の公知の印刷法;ロールコート法、スプレーコート法等の公知のコート法;フレキソグラフ印刷法等が挙げられる。印刷層の厚さは、必要に応じて適宜決めればよく、通常、0.5〜30μm程度である。
印刷層における印刷抜けの個数は、意匠性、加飾性の観点から、10個/m以下が好ましい。印刷抜けの個数を10個/m以下とすることにより、熱成形用アクリル樹脂フィルムを用いた積層体の外観がより良好となる。印刷層における印刷抜けの個数は、5個/m以下がより好ましく、1個/m以下が特に好ましい。
(蒸着層)
蒸着層は、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、インジウム、スズ、銀、チタニウム、鉛、亜鉛等からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属、又はこれらの合金、化合物で形成される。蒸着層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等の方法が挙げられる。
<他の層>
(接着層)
本発明の熱成形用アクリル樹脂フィルムには、必要に応じて接着層を設けてもよい。接着層は、硬化性樹脂層が設けられた面とは反対側の表面に形成することが好ましい。
(熱可塑性樹脂層)
熱成形用フィルムを熱可塑性樹脂層に積層する向きとしては、硬化性樹脂層が設けられた面とは反対側の表面が熱可塑性樹脂層に接するように積層することが好ましい。熱可塑性樹脂層は、基材との密着性を高める目的から、基材との相溶性を有する材料からなるものが好ましい。熱可塑性樹脂層は、基材と同じ材料からなるものがより好ましい。熱可塑性樹脂層としては、公知の熱可塑性樹脂フィルム又はシート用いることができ、例えば、アクリル樹脂;ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体);AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体);塩化ビニル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリオレフィン系共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂;6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド系樹脂;ポリスチレン樹脂;セルロースアセテート、ニトロセルロース等の繊維素誘導体;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂等;またはこれらから選ばれる2種又は3種以上の共重合体または混合物、複合体、積層体等が挙げられる。
熱可塑性樹脂層には、必要に応じて、一般の配合剤、例えば、安定剤、酸化防止剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃剤、発泡剤、充填剤、抗菌剤、防カビ剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、難燃剤等を配合してもよい。
積層フィルム又はシートを得る方法としては、熱ラミネーション、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、ホットメルトラミネーション等の公知の方法が挙げられる。また、押出しラミネーションにより熱成形用アクリル樹脂フィルムと熱可塑性樹脂層とを積層することもできる。
熱成形用フィルムの片面、積層フィルム又はシートの熱可塑性樹脂層の表面には、必要に応じて、例えばコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理、アンカー、プライマー処理等の表面処理を施してもよい。これらの処理は、熱成形用フィルムと硬化性樹脂層又は絵柄層との間、熱可塑性樹脂層と絵柄層との間、熱成形用フィルムと熱可塑性樹脂層との間等の密着性を向上させる。
<積層体>
本発明の積層体は、熱成形用フィルム、その積層フィルム又はシートを、基材に積層したものである。このとき、硬化性樹脂層が設けられている面とは反対側の面が基材に接するように積層して積層体とすることが好ましい。基材の材質としては、樹脂;木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木材板;木質繊維板等の水質板;鉄、アルミニウム等の金属等が挙げられる。
樹脂としては、特に種類を問わない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、アクリル樹脂、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の汎用の熱可塑性または熱硬化性樹脂;ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート等の汎用エンジニアリング樹脂;ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、液晶ポリエステル、ポリアリル系耐熱樹脂等のスーパーエンジニアリング樹脂等;ガラス繊維または無機フィラー(タルク、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ等)等の補強材、ゴム成分等の改質剤を添加した複合樹脂又は各種変性樹脂等が挙げられる。
これらのうち、基材の材料としては、熱成形用フィルム、その積層フィルム又はシートと溶融接着可能なものが好ましい。例えば、ABS樹脂、AS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂又はこれらを主成分とする樹脂が挙げられる。接着性の点でABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂又はこれらを主成分とする樹脂が好ましく、特にABS樹脂、ポリカーボネート樹脂又はこれらを主成分とする樹脂がより好ましい。ポリオレフィン系樹脂等の熱融着しない樹脂であっても、接着層を設けることで、熱成形用フィルム、その積層フィルム又はシートからなる群より選ばれる1つと基材とを成形時に接着させることは可能である。
本発明の積層体の製造方法としては、二次元形状の積層体の場合で、且つ、基材が熱融着できるものの場合は、熱ラミネーション等の公知の方法を用いることができる。例えば、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木材板、木質繊維板等の水質板、鉄、アルミニウム等の金属等、熱融着しない基材に対しては、接着層を介して貼り合わせることが可能である。
また、三次元形状の積層体の場合は、インサート成形法、インモールド成形法、TOM成形等の公知の方法を用いることができる。
インモールド成形法は、熱成形用アクリル樹脂フィルム、またはその積層フィルムまたはシートを加熱した後、真空引き機能を持つ金型内で真空成形を行い、ついで、同じ金型内において基材となる樹脂を射出成形することにより、熱成形用アクリル樹脂フィルム、又はその積層フィルム又はシートと基材とを一体化させた積層体を得る方法である。インモールド成形法は、フィルムの成形と射出成形を一工程で行えるため、作業性、経済性の点から好ましい。
インモールド成形時の加熱温度は、熱成形用アクリル樹フィルム又はシートが軟化する温度以上が好ましい。具体的には、フィルムの熱的性質又は積層体の形状によって適宜設定すればよく、通常70℃以上である。また、あまり温度が高いと、表面外観が悪化したり、離型性が悪くなる傾向がある。これもフィルムの熱的性質又は積層体の形状によって適宜設定すればよく、通常は200℃以下である。さらに、エネルギー効率の観点からは、真空成形時の予備加熱温度は低い方が好ましい。
真空成形によりフィルムに三次元形状を付与する場合、本発明の熱成形用フィルム向け硬化性樹脂組成物と、この組成物を積層した熱成形用フィルムは、高温時の伸度に富んでおり、非常に有利である。
本発明により得られる積層体としては、例えば、自動車用部品(例えば、ボディー、バンパー、スポイラー、ミラー、ホイール、内装材等の部品であって、各種材質のもの)、二輪車用部品、道路用資材(例えば、交通標識、防音壁等)、トンネル用資材(例えば、側壁板等)、鉄道車両、家具、楽器、家電製品、建築材料、容器、事務用品、スポーツ用品、玩具等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。尚、以下の記載において、「部」又は「%」は、特に断らない限り、それぞれ「重量部」、「重量%」を表す。
実施例及び比較例中の測定、評価は次の条件および方法を用いて行った。
(1)重合転化率
得られたアクリル系重合体(D)ラテックスを、熱風乾燥機内にて120℃で1時間乾燥して固形成分量を求め、100×固形成分量/仕込み単量体により重合転化率(%)を算出した。
(2)アクリル系樹脂組成物のゲル含有率
アクリル系樹脂組成物中のゲル含有率はアクリル系重合体(D)のゲル含有率(%)にアクリル系重合体(D)の配合比率を乗じて算出した。
アクリル系重合体(D)のゲル含有率は、アクリル系重合体(D)の乾燥樹脂粉末を100メッシュ金網上に所定量採取し、メチルエチルケトンに48時間浸漬し、減圧乾燥してメチルエチルケトンを除去した後、恒量になった重量を読み取り、次式(1)により算出した。
アクリル系重合体(D)のゲル含有率(%)
=(再乾燥後の重量/採取サンプルの重量)×100 (1)
アクリル系樹脂組成物中のゲル含有率(%)は、アクリル系重合体(D)のゲル含有率(%)にアクリル系重合体(D)の配合比率を乗じて、次式(2)より算出される。
アクリル系樹脂組成物中のゲル含有率(%)
=(アクリル系重合体(D)のゲル含有率(%)×(アクリル系重合体(D)の比率)) (2)。
(3)ガラス転移温度
「ポリマー・ハンドブック〔Polymer Hand Book(J.Brandrup,Interscience,1989〕」に記載されている値(MMA;105℃、BA;−54℃、ST;100℃、無水マレイン酸;130℃(マレイン酸値を使用))をフオックス(Fox)の式を用いて算出した。但し、多官能性単量体、開始剤、界面活性剤は含めずに算出した。
(4)グラフト率
アクリル系重合体(D)の乾燥樹脂粉末1gをメチルエチルケトン(MEK)50mlに分散溶解させ、遠心分離器(30,000rpm×2Hrs)で不溶分と可溶分とを分離し、不溶分を真空乾燥により充分に乾燥させたものをゴム・グラフト分として重量を測定し、次式により算出した。
グラフト率(%)
=((ゴム・グラフト分の重量−架橋アクリル系重合体(D−1)の重量)/架橋アクリル系重合体(D−1)の重量)×100。
(5)アクリル系重合体(A)の重量平均粒子径
得られたアクリル系重合体(A)ラテックスを固形分濃度0.02%に希釈したものを試料として、温度23℃±2℃、湿度50%±5%にて、分光光度計(HITACHI製、Spectrophotometer U−2000)を用いて546nmの波長での光線透過率より、重量平均粒子径を求めた。
(6)還元粘度
メチルエチルケトン(MEK)可溶分を0.3%N,N’−ジメチルホルムアミド溶液を30℃で測定した。単位はdl/gである。
(7)樹脂の固形分水酸基価
樹脂の単量体組成から、下記式により算出した。
固形分水酸基価=KOHmg/溶剤を含まない樹脂全量
KOHmg:水酸基含有ビニル系単量体および/またはその誘導体モル数×56100×N(N:水酸基含有ビニル系単量体および/またはその誘導体中の水酸基の個数)。
(8)樹脂の質量平均分子量
HLC8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、GPCカラムとしてTSKgel Super H5000、H4000、H3000(東ソー株式会社製)を3本連結したものを用い、溶媒としてTHF(安定剤入り)を用いて、ポリスチレン換算で測定した。その他の条件は、測定温度:INLET OVEN 40℃、サンプル量:10μl、液量:0.6ml/min、検出器:RI である。
(9)引張伸び%
オートグラフAGS10KNG((株)島津製作所製)、TERMOSTATIC CHAMBERはModel:TCRI−200SP((株)島津製作所製)を用いて、熱成形用ハードコートフィルムのサイズが10×100mmで、チャック間50mm、引っ張り速度500mm/min、引張恒温層温度の設定を120℃にし、サンプルセット後の120℃到達時に引張試験を行い、ハードコートフィルムにクラックが発生するまでの伸びを測定した。
易成形PETフィルムは、帝人デュポンフィルム株式会社製FT3−PE(25μm厚)を使用し、この易成形処理面に下地硬化性樹脂層と上地樹脂層地をコーティングしたものを使用した。
熱可塑性アクリルフィルム(P−1)の125μm厚に、下地硬化性樹脂層と上地樹脂層地をコーティングしたものを使用した。
(10)耐薬品性
ハードコート層に下記の各薬品を滴下し、80℃乾燥機に1時間放置した後に、表面の薬品をふき取り評価した。
評価
○:リフティング発生せず、光沢維持
×:リフティング発生し、光沢無
各薬品
(i)VW液:Octyl Methoxycinnamate/Octocrylene/Homosalate/DEETを等量混合溶剤
(ii)コパトーン:コパトーンSPF50
(iii)二べア:ニベアSPF47。
(11)硬化樹脂層の厚さ
下地硬化性樹脂層の厚さはコーティング有無の厚み差より算出し、膜厚はJIS B 7503に準じて測定した。上地樹脂層の厚さはSEM(走査型電子顕微鏡)による断面観察より測定した。
(12)鉛筆硬度
JIS K5400に従って、ハードコート層の表面の鉛筆硬度を測定した。
(13)ヘイズ値(擦傷試験前ヘイズ値%)
熱可塑性アクリルフィルム(P−1)と熱可塑性PETフィルムの片面に硬化性樹脂層を積層した熱成形用フィルムを色彩測定機器(NIPPON DENSHOKU 300A)にセットし、ヘイズ値を測定した。測定面積はФ1cmで、フィルムの無い状態を標準とした。
(14)耐擦傷性(擦傷試験後ヘイズ値%)
硬化性樹脂層を積層した熱成形用フィルムを用いて擦傷試験を行った。
具体的には、消しゴム磨耗試験機(SONY 機構部品標準技術部会 1982.4制定 製造 本光製作所)により、熱可塑性アクリルフィルム(P−1)と熱可塑性PETフィルムの片面に硬化性樹脂層を積層した熱成形用フィルムで擦傷試験を行った。
硬化性樹脂層が表層になるように樹脂プレートに両面テープでフィルム両端を固定し、上記の消しゴム磨耗試験機にセット・固定し、1cm2面積のスチールウールボンスター No.0000を荷重250gと荷重500gの2水準で10回往復擦傷試験を行った後、フィルムのみを取り外し、色彩測定機器(NIPPON DENSHOKU 300A)にセットし、ヘイズ値を測定した。測定面積はФ1cmで、擦傷試験前のフィルムを基準として使用した。
(15)P/B(顔料/樹脂比率)
P/B=顔料(無機粒子)/樹脂(重合体(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、分散剤)として算出した。
(架橋アクリル系重合体(F)の製造方法:P−1)
攪拌器、温度計、窒素ガス導入管、モノマー供給管、還流冷却器を備えた8リットル重合器に水 200重量部およびOSAを表1に示す配合量で仕込み、器内を窒素ガスで充分に置換して実質的に酸素のない状態とした後、内温を40℃にし、表1に示す混合物(d−1−1)を5重量部一括添加し、10分間攪拌後に、以下の物質
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.11重量部
硫酸第一鉄・2水塩 0.004重量部
エチレンジアミン四酢酸−2−ナトリウム 0.001重量部
を仕込み、表1に示す混合物(d−1−2)を10重量部/時間の割合で連続的に添加し、重合させた後、更に0.5時間重合を継続し、表1に示す混合物(d−1−3)を12.7重量部/時間の割合で連続的に添加し、重合させた後、更に1.0時間重合を継続後に重合転化率を98%以上にし、内温を60℃にし、表1に示す混合物(d−2−1)を16.7重量部/時間の割合で連続的に添加し重合させた後、更に1.0時間重合を継続後に重合転化率を98%以上にして重合を終了させ、アクリル系重合体(F)のラテックスを得た。得られたラテックスを塩化カルシウムで塩析し、水洗、乾燥を行い、アクリル系重合(F)の乾燥粉末(P−1)を得た。
Figure 2013151133
表1中の各略号は、それぞれ下記の物質を示す。
OSA;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム
BA;アクリル酸ブチル
MMA;メタクリル酸メチル
ST;スチレン
CHP;クメンハイドロパーオキサイド
AMA;メタクリル酸アリル
tDM;ターシャリードデシルメルカプタン。
(熱可塑性フィルムの製造方法)
アクリル系重合体(F)として得られたP−1の乾燥粉末とメタクリル系樹脂(商品名:住友化学社製スミペックスEX−A)を40重量部/60重量部の比率でブレンドした後に、さらに、P−1とメタクリル系樹脂の総和100重量部に対して紫外線吸収剤:TINUVIN234(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)を1部、酸化防止剤:AO60(株式会社ADEKA製)を0.4部の配合割合でブレンドした後に、ベント式押出機の240℃設定で押し出し、ペレット化し、更に、Tダイ押出成形機で押出し機230℃、ダイス240℃設定でフィルム化(厚さ 125μm)した。
(重合体(A)成分の製造方法:A−1〜A−3)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管及び滴下ロートを備えた反応器に表2の(イ)成分を仕込み、窒素ガスを導入しつつ105℃に昇温した後、表2の(ア)成分の混合物を滴下ロートから5時間かけて等速滴下した。次に、(ウ)成分の混合溶液を1時間かけて等速滴下した。その後、引き続き、105℃で2時間攪拌した後に、50℃まで冷却した。冷却後に表2の(エ)成分を加えて攪拌し、重合体(A)を合成した。得られた重合体(A−1〜3)の固形分濃度、GPCで測定した数平均分子量、計算により求めたガラス転移温度、及び計算により求めた固形分水酸基価を表2に示した。
Figure 2013151133
(表中、(ア)〜(エ)成分の量は重量部)
Figure 2013151133
FT3−PE
(帝人デュポンフィルム製PETフィルム 25μm厚)
タケネートD−110N
(三井化学株式会社製ポリイソシアネート NCO%=11.5% 固形分%=75%、NCO 0.00274モル/g)
NANOBYK−3610
(ビックケミー・ジャパン株式会社製アルミナディスパージョン アルミナ粒子30% 粒子径40nm 固形分%=37%)
MEK−ST−L
(日産化学株式会社製シリカディスパージョン シリカ粒子30% 粒子径40nm 固形分%=30%)
DPL200
(株式会社フジミインコーポレーテッド製研磨材 アルミナ粒子100% 粒径200nm 固形分%=100%)
DISPERBYK−180
(ビックケミー・ジャパン株式会社製湿潤分散剤 固形分%=81%)。
(実施例1〜11及び比較例1〜14)
熱成形用フィルムとして、得られた熱可塑性アクリルフィルム(P−1)の125μm厚と易成形PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製FT3-PE(25μm厚))の片面に表3の下地用硬化性樹脂組成物(X)と上地用樹脂組成物(Y)の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(E)成分、(F)成分を配合し、30%濃度になったコーティング剤をNo.8バーコーターを用いて塗工した。易成形PETフィルムは易接着面に塗工した。下地用硬化性樹脂組成物(X)塗工後、室温で1分間セッティングした後、80℃乾燥機で30秒間乾燥し、1分間セッティングで室温となった後に上地用樹脂組成物(Y)を塗工し、80℃乾燥機で60秒間乾燥し、その後50℃乾燥機で3日間養生した。下地硬化性樹脂層(X)が無い場合は、上記条件をスキップした条件で実施した。養生後、ハードコート層側で鉛筆硬度、耐薬品性の評価を行い、ハードコート層を最表面として耐擦り傷性、ヘイズ値を評価・測定し、10×100mm短冊に切断して引張試験を行った。その結果を表3に示した。
基材フィルムの表面に、下地用硬化性樹脂組成物(X)を硬化してなる第1ハードコート層を有し、さらにその上に上地用樹脂組成物(Y)からなる特定厚さの第2ハードコート層を有し、前記下地用硬化性樹脂組成物(X)が水酸基を有するビニル系重合体(A)とポリイソシアネート化合物(B)からなり、ポリイソシアネート化合物(B)がビニル系重合体(A)の特定固形分水酸価と反応し、前記上地用樹脂組成物(Y)が特定平均粒径以下の酸化アルミニウム粒子を特定P/B以下で含有するハードコートフィルムは、耐擦傷性、耐薬品性、透明性および熱成形に優れる。
比較例1では、上地用樹脂組成物(Y)の無機微粒子をシリカ粒子した実験であり、耐擦傷性が低くなった。
比較例2では、上地用樹脂組成物(Y)の膜厚が厚くなった実験であり、初期ヘイズ値が高くなり、透明性が悪くなった。
比較例3では、下地用硬化性樹脂組成物(X)の3次元架橋が密になったため、ハードコートフィルムの引張伸びが低く、熱成形時に割れが発生し易い。
比較例4では、上地用樹脂組成物(Y)の無機微粒子の粒子径が大きくなった実験であり、初期ヘイズ値が高くなり、透明性が悪くなった。
比較例5、6では、上地用樹脂組成物(Y)を無くした実験であり、無機粒子が無いため擦傷性が低くなった。
比較例7、8、9、11では、下地用硬化性樹脂組成物(X)を無くした実験であり、膜厚が薄いため耐薬品性が低くなった。
比較例10では、下地用硬化性樹脂組成物(X)及び無機粒子を無くした実験であり、耐薬品性及び耐擦傷性が低くなった。
比較例12では、下地用硬化性樹脂組成物(X)を無くし、上地用樹脂組成物(Y)の無機粒子配合量を少なくし、膜厚を5μmとした実験であり、無機粒子が表面に配向しないため擦傷性が低くなった。
比較例13、14では、基材フィルムのみを評価した実験であり、鉛筆硬度、耐薬品性、耐擦擦傷性が低くなった。

Claims (8)

  1. 基材フィルムの表面に、下地用硬化性樹脂組成物(X)を硬化してなる第1ハードコート層を有し、さらにその上に上地用樹脂組成物(Y)からなる厚さ0.01〜0.8μmの第2ハードコート層を有し、前記下地用硬化性樹脂組成物(X)が水酸基を有するビニル系重合体(A)とポリイソシアネート化合物(B)からなり、ポリイソシアネート化合物(B)がビニル系重合体(A)の固形分水酸価2〜110mgKOH/gと反応したものであり、前記上地用樹脂組成物(Y)が平均粒径100nm以下の酸化アルミニウム粒子をP/B(顔料/樹脂比率)≧0.3で含有することを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 前記ハードコートフィルムの120℃加熱の引張速度500mm/minの伸びが80%以上である請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 前記ハードコートフィルムのヘイズ値(JIS K 7136)が2%以下である請求項1〜2のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  4. 前記基材フィルムがアクリルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  5. 前記ハードコートフィルムがインモールド成形用、インサート成形用またはTOM成形用である請求項1〜4のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  6. 前記ハードコートフィルムの製造方法であって、硬化性樹脂層、微粒子を有する層を印刷法又はコート法により形成する請求項1〜4のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  7. 前記請求項1〜4のいずれかに記載の熱成形用フィルムをその微粒子を有する層とは反対側の面が接するように基材上に積層して成るハードコートフィルム。
  8. 前記請求項1〜4のいずれかに記載の熱成形用フィルムを硬化性樹脂層とは反対側の面が接するようにインモールド成形法、インサート成形法又はTOM成形法により基材上に積層して成るハードコートフィルム。
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