JP4597821B2 - トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法 - Google Patents

トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4597821B2
JP4597821B2 JP2005262666A JP2005262666A JP4597821B2 JP 4597821 B2 JP4597821 B2 JP 4597821B2 JP 2005262666 A JP2005262666 A JP 2005262666A JP 2005262666 A JP2005262666 A JP 2005262666A JP 4597821 B2 JP4597821 B2 JP 4597821B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
dispersion
aqueous medium
image
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005262666A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006178407A (ja
Inventor
拓也 斉藤
園生 松岡
壽修 西崎
脩 神津
昇 黒田
寛 高橋
孝洋 門田
陽一郎 渡辺
裕士 山下
恒心 杉山
英利 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd, Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2005262666A priority Critical patent/JP4597821B2/ja
Publication of JP2006178407A publication Critical patent/JP2006178407A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4597821B2 publication Critical patent/JP4597821B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に好適に用いられるトナー及びその製造方法、トナー母体粒子及びその製造方法、並びに、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真法による画像形成は、一般に、感光体(静電荷像担持体)上に静電荷像を形成し、該静電荷像を現像剤で現像して可視像(トナー像)とした後、該可視像を紙等の記録媒体に転写し定着することにより定着像とする一連のプロセスにより行われる(特許文献1参照)。前記トナーは、バインダー(結着樹脂)中に着色剤、帯電制御剤等を含有してなる着色粒子である。前記トナーの製造方法としては、粉砕法のほか、懸濁重合法、乳化重合凝集法、乳化分散法などが知られている。
前記粉砕法は、結着樹脂中に着色剤、帯電制御剤等を溶融混合し均一に分散させて得られたトナー組成物を粉砕、分級等してトナーを製造する方法である。該粉砕法の場合、以下のような問題がある。即ち、トナー組成物の粉砕を行うための粉砕機等が必要であり、コスト高となり効率的ではない。また、前記粉砕の際に粒度分布の広いトナー粒子が形成され易く、高解像度・高階調性の画像を得るためには、例えば粒径が5μm以下の微粉と20μm以上の粗粉とを分級して除去する必要があり、収率が大幅に低下してしまうという問題がある。更に、結着樹脂中に着色剤、帯電制御剤等の添加剤を均一に分散させることが困難である。該添加剤が均一に分散されていないトナーを用いると、流動性、現像性、耐久性、画像品質等が低下してしまうという問題がある。
前記懸濁重合法は、水系媒体中に、モノマー、重合開始剤などを含むトナー材料を分散させて油滴を形成させ、その後、昇温して重合反応させることによりトナーを製造する方法である(特許文献2〜3参照)。
前記乳化重合凝集法は、モノマー、重合開始剤などを含むトナー材料を水系媒体に分散させて微少なポリマー粒子を形成させ、着色剤、凝集剤などを添加して前記ポリマー粒子を着色剤とともに凝集させることによりトナーを製造する方法である(特許文献4参照)。
前記乳化分散法は、ポリマーなどを含むトナー材料と水系媒体とを混合し、乳化乃至分散させることにより油滴を形成させてトナーを製造する方法である(特許文献5〜6参照)。
前記懸濁重合法、前記乳化重合凝集法、及び前記乳化分散法の場合、前記粉砕法における諸問題を解消し、比較的粒度分布がシャープな球形のトナーが得られる。
しかし、前記懸濁重合法で得られるトナーは、低温定着性が不十分であり、定着に大きなエネルギーを要する。特に、フルカラー用のトナーでは、この問題が顕著である。また、離型剤とモノマーとの粘度差が大きく、かつ相溶性を有しないため、離型剤を微分散させることが極めて困難であり、離型剤(ワックス)が樹脂中に存在しない粒子が多数発生し、トナー粒子間の偏在によるトナーの帯電性の不安定化を招くという問題がある。
また、前記乳化重合凝集法で得られるトナーは、水洗浄工程を経ても、界面活性剤が表面だけでなく粒子内部にも多量に残存し、トナーの環境安定性を低下させ、かつ帯電量分布を広げるため、得られる画像の地肌汚れが不良となるほか、残存する界面活性剤により、感光体や帯電ローラ、現像ローラ等を汚染し、本来の帯電能力を発揮させることができないという問題がある。
更に、前記懸濁重合法や前記乳化分散法では、前記分散において生成される油滴同士が、界面張力により会合し、粗大粒子が形成されるという問題がある。
近年、高画質化には、トナー粒子の小粒径化及び形状の均一化が重要であるとの認識が高まってきている。しかし、トナーを小粒径化すると、紙の繊維等に入り込みやすく、定着性が低下し、また、小粒径の粒子に均一に色材等を添加することは困難であるため、満足な色再現性を得ることができない。更に、単位重量当たりの粒子表面積が広くなり、単位重量当たりの帯電量が非常に増加するため、帯電制御も困難となり、同一潜在ポテンシャルにより、画像濃度を再現することができず、貧弱な画像になってしまうという問題がある。
したがって、定着性(耐ホットオフセット性及び低温定着性)、転写性、帯電性(帯電安定性)、クリーニング性等の諸特性に優れ、カブリやトナー飛散が少なく、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナー及びその効率的な製造方法、並びに、該トナーを用いた関連技術は、未だ提供されていないのが現状である。
米国特許第2297691号明細書 特開平8−44111号公報 特開平8−286416号公報 特許第2537503号公報 特開平5−66600号公報 特開平8−211655号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、耐ホットオフセット性が良好であり、低温定着性、転写性、帯電性(帯電安定性)、クリーニング性等の諸特性に優れ、カブリやトナー飛散が少なく、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナー及び該トナーの効率的な製造方法、並びに、該トナーを用い、高画質化が可能な、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した前記トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させて調製した乳化乃至分散液においては、前記溶解乃至分散液からなる油滴が形成されるが、該油滴は、前記水系媒体中に含まれる石鹸、ポリマー分散剤、無機微粒子、有機微粒子等の分散剤などにより安定化される。しかし、該分散剤の使用量は、極力少ない方がトナー特性には好ましく、前記油滴は、乳化乃至分散直後は安定しているものの、経時で不安定化し、合一、合着しやすくなってくる。また、前記油滴が有機溶剤を含む場合、前記トナー材料の溶解乃至分散液の水系媒体中での分散性は格段に良くなるが、経時では非常に不安定化し、剪断や分散の力が弱い場合は合一や合着が起こりやすくなる。そこで、前者については前記乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液に、水系媒体及び前記乳化液乃至分散液から前記溶媒を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかを添加することにより、後者については前記乳化乃至分散液を調製した後、水系媒体及び前記固形分含有分散液のいずれかに、前記乳化乃至分散液を添加することにより、それぞれ経時における油滴の安定性が向上し、合一あるいは凝集が抑えられ、転写性、帯電性(帯電安定性)、クリーニング性等の諸特性に優れ、カブリやトナー飛散が少なく、高画質を実現可能な、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナーが得られるという知見である。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した前記トナー材料の溶解乃至分散液を、水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記溶媒を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかと、を混合することを少なくとも含むことを特徴とするトナーの製造方法である。
<2> 混合が、乳化乃至分散液の中に、水系媒体及び固形分含有分散液のいずれかを添加することにより行われる前記<1>に記載のトナーの製造方法である。
<3> 混合が、乳化乃至分散液の全量に対して水系媒体及び固形分含有分散液のいずれかを5〜100体積%添加することにより行われる前記<2>に記載のトナーの製造方法である。
<4> 混合が、乳化乃至分散液を攪拌しながら水系媒体及び固形分含有分散液のいずれかを添加することにより行われる前記<2>から<3>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<5> 乳化乃至分散液の調製が、バッチ式で行われる前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<6> 乳化乃至分散液の調製と混合とが、同一槽内で行われる前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<7> 水系媒体が、乳化乃至分散液の調製直後に添加される前記<2>から<6>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<8> 混合が、水系媒体及び固形分含有分散液のいずれかの中に、乳化乃至分散液を添加することにより行われる前記<1>に記載のトナーの製造方法である。
<9> 乳化乃至分散液の添加前に、水系媒体及び固形分含有分散液のいずれかを、容器内に該容器の容積の0.1〜50%貯留させる前記<8>に記載のトナーの製造方法である。
<10> 混合が、水系媒体及び固形分含有分散液を攪拌しながら乳化乃至分散液を添加することにより行われる前記<8>から<9>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<11> 乳化乃至分散液の調製が、連続式で行われる前記<8>から<10>のいずれかに記載のトナーの製造方法。
<12> 水系媒体の主成分が水である前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<13> 水系媒体が無機塩を含む前記<1>から<12>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<14> 水系媒体が有機溶剤を飽和濃度以下含む前記<1>から<13>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<15> 溶媒が有機溶剤であり、混合後に乳化乃至分散液から前記有機溶剤を除去する前記<1>から<14>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<16> 有機溶剤がエステル系溶剤である前記<14>から<15>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<17> エステル系溶剤が酢酸エチルを含む前記<16>に記載のトナーの製造方法である。
<18> トナー材料が、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを少なくとも含み、前記活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を生成しつつ該接着性基材を少なくとも含む粒子を得ることによりトナーを造粒する前記<1>から<17>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<19> 前記<1>から<18>のいずれかに記載のトナーの製造方法により製造されること特徴とするトナーである。
<20> 活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を少なくとも含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記有機溶剤を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかとを混合し、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を少なくとも含む粒子を生成させて得られることを特徴とするトナーである。
<21> 活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の重量平均分子量(Mw)が、1,000〜30,000である前記<20>に記載のトナーである。
<22> トナーのガラス転移温度(Tg)が、40〜70℃である前記<19>から<21>のいずれかに記載のトナーである。
<23> トナーの体積平均粒径(Dv)が、3〜8μmである前記<19>から<22>のいずれかに記載のトナーである。
<24> トナーの体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)が、1.00〜1.15である前記<19>から<23>のいずれかに記載のトナーである。
<25> トナーの平均円形度が、0.900〜0.980である前記<19>から<24>のいずれかに記載のトナーである。
<26> トナーの酸価が、0.5〜40.0(KOHmg/g)である前記<19>から<25>に記載のトナーである。
<27> 結着樹脂を含み、該結着樹脂が少なくともポリエステル樹脂を含む前記<19>から<26>のいずれかに記載のトナーである。
<28> 結着樹脂におけるポリエステル樹脂の含有量が、50〜100質量%である前記<27>に記載のトナーである。
<29> ポリエステル樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布が、重量平均分子量(Mw)で1,000〜30,000である前記<27>から<28>のいずれかに記載のトナーである。
<30> ポリエステル樹脂の酸価が、1.0〜50.0(KOHmg/g)である前記<27>から<29>のいずれかに記載のトナーである。
<31> ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が、35〜70℃である前記<27>から<30>のいずれかに記載のトナーである。
<32> 結晶性ポリエステル樹脂を含む前記<19>から<31>に記載のトナーである。
<33> 結晶性ポリエステル樹脂のDSC吸熱ピーク温度が、50〜150℃である前記<32>に記載のトナーである。
<34> 結晶性ポリエステル樹脂のオルトジクロロベンゼン可溶分のGPCによる分子量分布が、重量平均分子量(Mw)で1,000〜30,000であり、数平均分子量(Mn)で500〜6,000であり、かつ(Mw/Mn)で2〜8である前記<32>から<33>のいずれかに記載のトナーである。
<35> 結晶性ポリエステル樹脂が、下記一般式(1)で表される前記<32>から<34>のいずれかに記載のトナーである。
Figure 0004597821
前記一般式(1)中、n及びmは、繰返単位数を表し、Lは1〜3の整数を表し、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又は炭化水素基を表す。
<36> 結晶性ポリエステル樹脂が、その赤外吸収スペクトルにおいて965±10cm−1及び990±10cm−1の少なくともいずれかにオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有する前記<32>から<35>のいずれかに記載のトナーである。
<37> 結晶性ポリエステル樹脂が、炭素数2〜6のジオール化合物及びフマル酸化合物をモノマーユニットとして有する前記<32>から<36>のいずれかに記載のトナーである。
<38> 炭素数2〜6のジオール化合物が、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びこれらの誘導体から選択される前記<37>に記載のトナーである。
<39> 前記<19>から<38>のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤である。
<40> 前記<19>から<38>のいずれかに記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器である。
<41> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記<19>から<38>のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
<42> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を前記<19>から<38>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<43> 静電潜像担持体が、アモルファスシリコン製の層を有する前記<42>に記載の画像形成装置である。
<44> 現像手段が、交互電界の印加により可視像を形成する前記<42>から<43>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<45> 定着手段が、加熱部材と、該加熱部材と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱部材と圧接配置される加圧部材とを少なくとも有し、前記フィルムと前記加圧部材との間に、転写像が形成された記録媒体を通過させて該転写像を定着させる前記<42>から<44>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<46> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記<19>から<38>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
<47> トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した前記トナー材料の溶解乃至分散液を、水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記溶媒を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかと、を混合することを少なくとも含むことを特徴とするトナー母体粒子の製造方法である。
<48> 前記<47>に記載のトナー母体粒子の製造方法により製造されることを特徴とするトナー母体粒子である。
<49> 活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を少なくとも含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記有機溶剤を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかとを混合し、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を少なくとも含む粒子を生成させて得られることを特徴とするトナー母体粒子である。
本発明のトナーの製造方法は、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した前記トナー材料の溶解乃至分散液を、水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記溶媒を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかと、を混合することを少なくとも含む。本発明のトナーの製造方法においては、前記トナー材料が前記溶媒に溶解乃至分散された前記トナー材料の溶解乃至分散液が、前記水系媒体中に乳化乃至分散されて前記乳化乃至分散液が調製される。該乳化乃至分散液が、更に水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記溶媒を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかと混合される。該混合により、前記乳化乃至分散液中に形成された分散体(前記トナー材料の溶解乃至分散液からなる油滴)の粗大化が抑制され、一定粒径に保持される。その結果、転写性、帯電性(帯電安定性)、クリーニング性等の諸特性に優れ、カブリやトナー飛散が少なく、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナーが効率的に製造される。
なお、前記混合が、乳化乃至分散液の中に、水系媒体及び固形分含有分散液のいずれかを添加することにより行われる態様、前記混合が、水系媒体及び固形分含有分散液のいずれかの中に、乳化乃至分散液を添加することにより行われる態様、などが好ましい。また、前者においては、前記混合が、乳化乃至分散液の全量に対して水系媒体及び固形分含有分散液のいずれかを5〜100体積%添加することにより行われる態様、前記乳化乃至分散液の調製が、バッチ式で行われる態様、前記乳化乃至分散液の調製と前記混合とが、同一槽内で行われる態様、等が好ましい。後者においては、乳化乃至分散液の添加前に、水系媒体及び固形分含有分散液のいずれかを、容器内に該容器の容積の0.1〜50%貯留させる態様、前記乳化乃至分散液の調製が、連続式で行われる態様、等が好ましい。
また、前記水系媒体の主成分が水である態様、前記水系媒体が無機塩を含む態様、前記水系媒体が有機溶剤を飽和濃度以下含む態様、前記溶媒が有機溶剤である態様、前記有機溶剤がエステル系溶剤である態様、該エステル系溶剤が酢酸エチルを含む態様、などが好ましい。
更に、本発明のトナーの製造方法において、前記トナーが活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを少なくとも含み、前記活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を生成しつつ該接着性基材を少なくとも含む粒子を得ることによりトナーが造粒される場合には、耐凝集性、帯電性、流動性、転写性、定着性等の諸特性に優れ、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナーが効率的に製造される。
本発明のトナーは、前記本発明のトナーの製造方法により製造される。このため、該トナーは、転写性、帯電性(帯電安定性)、クリーニング性等の諸特性に優れ、小粒径かつ粒度分布がシャープであり、カブリやトナー飛散が少なく、高画質が得られる。
また、本発明のトナーは、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を少なくとも含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記有機溶剤を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかと、を混合し、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を少なくとも含む粒子を生成させて得られる。該トナーにおいては、前記活性水素基含有化合物と該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて少なくとも接着性基材を含む粒子を含むので、耐凝集性、帯電性、流動性、転写性、定着性(耐ホットオフセット性及び低温定着性)等の諸特性に優れる。該トナーを用いて画像形成を行うと、低温定着条件下で高画質が得られる。
本発明の現像剤は、前記本発明のトナーを含む。このため、該現像剤を用いて電子写真法により画像形成を行うと、低温定着条件下でも高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が形成される。
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナーが充填されてなる。このため、該トナー入り容器に充填された本発明の前記トナーを用いて電子写真法により画像形成を行うと、低温定着条件下でも高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が形成される。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する。該プロセスカートリッジは、画像形成装置に着脱可能であり、利便性に優れ、また、前記本発明のトナーを用いるので、低温定着条件下でも高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が形成される。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する。該画像形成装置においては、前記静電潜像形成手段が、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する。前記現像手段が、該静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像して可視像を形成する。前記転写手段が、前記可視像を記録媒体に転写する。前記定着手段が、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる。その結果、低温定着条件下でも高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が形成される。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む。該画像形成装置においては、前記静電潜像形成工程において、静電潜像担持体上に静電潜像が形成される。前記現像工程において、前記静電潜像が前記本発明のトナーを用いて現像され、可視像が形成される。前記転写工程において、前記可視像が記録媒体に転写される。前記定着工程において、前記記録媒体に転写された転写像が定着される。その結果、低温定着条件下でも高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が形成される。
本発明のトナー母体粒子の製造方法は、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した前記トナー材料の溶解乃至分散液を、水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記溶媒を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかと、を混合することを少なくとも含む。本発明のトナー母体粒子の製造方法においては、前記トナー材料が前記溶媒に溶解乃至分散された前記トナー材料の溶解乃至分散液が、前記水系媒体中に乳化乃至分散されて前記乳化乃至分散液が調製される。該乳化乃至分散液が、更に水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記溶媒を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかと混合される。該混合により、前記乳化乃至分散液中に形成された分散体(前記トナー材料の溶解乃至分散液からなる油滴)の粗大化が抑制され、一定粒径に保持される。その結果、転写性、帯電性(帯電安定性)、クリーニング性等の諸特性に優れ、カブリやトナー飛散が少なく、高画質が得られるトナーを形成可能な、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナー母体粒子が効率的に製造される。
本発明のトナー母体粒子は、本発明の前記トナー母体粒子の製造方法により製造される。このため、該トナー母体粒子は、小粒径かつ粒度分布がシャープであり、転写性、帯電性(帯電安定性)、クリーニング性等の諸特性に優れ、カブリやトナー飛散が少なく、高画質が得られるトナーを形成可能である。
また、本発明のトナー母体粒子は、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を少なくとも含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記有機溶剤を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかと、を混合し、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を少なくとも含む粒子を生成させて得られる。該トナー母体粒子においては、前記活性水素基含有化合物と該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて少なくとも接着性基材を含む粒子を含むので、耐凝集性、帯電性、流動性、転写性、定着性(耐ホットオフセット性及び低温定着性)等の諸特性に優れるトナーを形成可能である。該トナー母体粒子を用いて製造したトナーを使用して画像形成を行うと、低温定着条件下で高画質が得られる。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、耐ホットオフセット性が良好であり、低温定着性、転写性、帯電性(帯電安定性)、クリーニング性等の諸特性に優れ、カブリやトナー飛散が少なく、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナー及び該トナーの効率的な製造方法、並びに、該トナーを用い、高画質化が可能な、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
(トナー母体粒子及びその製造方法、並びに、トナー及びその製造方法)
本発明のトナー母体粒子の製造方法は、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した前記トナー材料の溶解乃至分散液を、水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記溶媒を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかと、を混合することを少なくとも含む。
本発明のトナー母体粒子は、本発明のトナー母体粒子の製造方法により得られる。
本発明のトナー母体粒子の好ましい態様としては、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を少なくとも含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記有機溶剤を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかとを混合し、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を少なくとも含む粒子を生成させて得られるトナー母体粒子が挙げられる。
本発明のトナーの製造方法は、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した前記トナー材料の溶解乃至分散液を、水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記溶媒を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかと、を混合することを少なくとも含む。
本発明のトナーは、本発明のトナーの製造方法により得られる。
本発明のトナーの好ましい態様としては、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を少なくとも含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記有機溶剤を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかとを混合し、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を少なくとも含む粒子を生成させて得られるトナーが挙げられる。
以下、本発明のトナーの製造方法の説明を通じて、本発明のトナーの詳細も明らかにする。
本発明のトナー母体粒子の特に好適な製造方法は、本発明のトナーの製造方法であり、本発明の前記トナー母体粒子の特に好適な態様は、本発明のトナーある。
以下、本発明のトナー及びその製造方法の説明を通じて、本発明のトナー母体粒子及びその製造方法の詳細も明らかにする。
−トナー材料の溶解乃至分散液−
前記トナー材料の溶解乃至分散液は、前記トナー材料を溶媒中に溶解乃至分散させてなる。
前記トナー材料としては、トナーを形成可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単量体、重合体、活性水素基含有化合物、及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体のいずれかを少なくとも含み、好ましくは結晶性ポリエステル樹脂を含み、更に必要に応じて、着色剤、離型剤、帯電制御剤などのその他の成分を含んでなる。
前記溶媒が有機溶剤であり、該有機溶剤は前記混合後に前記乳化乃至分散液から除去するのが好ましい。
前記有機溶剤としては、前記トナー材料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、等が挙げられるが、エステル系溶剤であるのが好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー材料100質量部に対し、40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部が更に好ましい。
−水系媒体−
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、前記水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、前記有機溶剤を溶解度以下で用いることもできる。
前記水系媒体には、良好な帯電性及び粒度分布が揃ったトナー粒径のトナー粒子を得るため、微粒子を分散させてもよい。
前記微粒子としては、前記水系媒体中で水に難溶の固体状で存在するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、平均粒径が0.01〜1μmの微粒子が好ましい。
前記微粒子のうち、無機物の微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、などが挙げられる。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、コロイド状酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなどが好適に挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水中にてリン酸ナトリウムと塩化カルシウムとを塩基性下反応させて合成したヒドロキシアパタイトが特に好ましい。
前記微粒子のうち、有機物の微粒子としては、例えば、低分子有機化合物の微結晶などが挙げられる。
トナー粒子と、その表面に固着させる前記微粒子との大きさの関係としては、トナー粒子の粒径をRとし、前記微粒子の粒径をRsとしたとき、5≦R/Rs≦2,000を充たすことが必要であり、20≦R/Rs≦200を充たすのが好ましい。前記R及び前記Rsが、該数値範囲から外れると、前記微粒子によるトナーの粒径制御の効果が著しく低下することがある。
また、前記トナー粒子の表面に固着させる前記微粒子の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トナー粒子に対して0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
前記微粒子の体積平均粒径(Dv)としては、粒径制御の観点から、例えば、5μm≦Dv≦500μmを充たすのが好ましく、50μm≦Dv≦200μmを充たすのがより好ましい。
前記微粒子の粒度分布(体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn))としては、1.25未満が好ましく、このような粒度分布を充たす前記微粒子を用いると、粒度分布のシャープなトナーを得ることができ、該微粒子としては、後述する樹脂微粒子が好適に使用可能である。
−乳化乃至分散−
前記トナー材料の溶解乃至分散液を前記水系媒体中に乳化乃至分散させると、前記乳化乃至分散液が調製される。該乳化乃至分散液の調製により、前記水系媒体中に、前記トナー材料の溶解乃至分散液からなる分散体(油滴)が形成される。
前記トナー材料の溶解乃至分散液は、前記水系媒体中で攪拌しながら乳化乃至分散させるのが好ましい。
前記分散の方法としては特に制限はなく、公知の分散機等を用いて適宜選択することができ、バッチ式及び連続式のいずれの対応でもよく、該分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速剪断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。これらの中でも、生産性の向上の点で、連続式の分散機が好ましく、前記分散体(油滴)の粒径を2〜20μmに制御することができる点で、高速剪断式分散機が好ましい。
前記高速剪断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度などの条件については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記回転数としては、1,000〜30,000rpmが好ましく、5,000〜20,000rpmがより好ましく、前記分散時間としては、バッチ方式の場合は、0.1〜5分が好ましく、前記分散温度としては、加圧下において0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。なお、前記分散温度は高温である方が一般に分散が容易である。
前記乳化乃至分散においては、必要に応じて、粒度分布をシャープにし、安定に分散を行う観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、等が挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。該陽イオン界面活性剤の中でも、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。該カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子社製);フロラードFC−135(住友3M社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
−混合−
前記混合は、第1の態様として、前記乳化乃至分散液の中に、水系媒体及び固形分含有分散液のいずれかを添加することにより行われるのが好ましい。
前記混合は、第2の態様として、水系媒体及び固形分含有分散液のいずれかの中に、乳化乃至分散液を添加することにより行われるのが好ましい。
なお、前記混合に際して、前記乳化乃至分散液中の油滴(前記トナー材料の溶解乃至分散液からなる分散体)の合一、凝集を抑制することを主目的とした場合には、前記固形分含有分散液よりも、前記水系媒体を使用するのが好ましい。
また、混合を一定の割合で連続的に行う場合、例えば、前記乳化乃至分散液が流れる配管内に、前記水系媒体及び前記固形含有分散液のいずれかが流れる管を内装し、一定の割合にて連続して混合する方法が挙げられるが、このとき、これらの混合が不均一になることがあるほか、一方の配管内に他方の管を内装することにより前記配管内の流れに乱れが生じたり、混合する液量を経時で制御するのが困難であるなどの問題がある。このため、前記混合は、一方の液に他方の液を添加することにより行うのが好ましい。
−−混合に用いる水系媒体−−
前記混合に用いる水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、主成分として、水を含むのが好ましい。ここで、前記主成分は、重量比で75wt%以上であることを意味する。
前記混合に用いる水系媒体は、前記有機溶剤を飽和濃度以下含むのが好ましい。前記乳化乃至分散液における水系媒体中には、前記有機溶剤が飽和濃度以下で溶解しており、添加する水系媒体が前記有機溶剤を含まない場合には、前記油滴から前記水系媒体中へ前記有機溶剤が拡散し、油滴界面で樹脂が濃縮されたり、顔料、ワックスなどが凝集して、前記油滴の安定性を損なうことがある。したがって、前記水系媒体中に前記有機溶剤を含ませておくことにより、前記有機溶剤の拡散を抑制することができる。
前記混合に用いる水系媒体は、無機塩を含むのが好ましい。前記乳化乃至分散液に、前記無機塩を予め溶解させることにより、塩濃度を調節し、電気二重層の厚みを調節したり、前記分散剤の吸着濃度を調整して、前記油滴の安定性を高めることができる。その結果、粒子内部の構造が均一で、架橋乃至伸長反応が順調に進行する。
前記無機塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Na、K、Ca等の塩素、硝酸、硫酸、炭酸塩などが挙げられる。
前記混合に用いる水系媒体には、必要に応じて、前記分散体(前記トナー材料の溶解乃至分散液からなる油滴)を安定化させ、所望の形状を得つつ粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、有機樹脂微粒子、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記油滴の会合により形成された粒子が更に会合を生ずるのを抑制し、安定化した粒子が得られる点で、界面活性剤が好ましい。
前記分散剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記水系媒体に対して0.01〜10体積%が好ましく、0.1〜5体積%がより好ましく、0.5〜3体積%が更に好ましい。
−−固形分含有分散液−−
前記混合に用いる固形分含有分散液は、前記乳化乃至分散液から前記溶媒を除去して得られる。
前記固形分含有分散液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、該固形分含有分散液に含まれる粒子組成が、混合される前記乳化乃至分散液に含まれる粒子組成と同様であるのが好ましい。
前記固形分含有分散液の固形分(粒子)含有量としては、50質量%以下が好ましく、10質量%以上25質量%未満がより好ましい。前記固形分含有量が50質量%を超えると、前記固形分含有分散液に含まれる粒子同士が近接し、混合される前記乳化乃至分散液中に含まれる不安定な油滴と合一又は凝集することがある。前記油滴の合一又は凝集の抑制と、前記乳化乃至分散液の生産性とを鑑みると、10質量%以上25質量%未満が好適な範囲である。
前記混合の第1の態様においては、該混合が、前記乳化乃至分散液の全量に対して水系媒体及び固形分含有分散液のいずれかを5〜100体積%添加することにより行われるのが好ましく、5〜50体積%がより好ましく、10〜30%が更に好ましい。
前記水系媒体又は前記固形分含有分散液を添加することにより、前記トナー材料の溶解乃至分散液からなる分散体(油滴)を安定的に形成することができる。すなわち、前記乳化乃至分散後に、所望の粒径に形成された油滴同士が会合して大きな粒子を形成するのを抑制して、粒子の小粒径化を図り、かつ、所望の粒径に満たない微少な油滴同士を会合させて、所望の粒径の粒子を形成させることができ、粒度分布をシャープにすることができる。
前記水系媒体及び固形分含有分散液の添加量が、5体積%未満であると、前記油滴の粗大化を十分に抑制することができないことがあり、100体積%を超えると、前記油滴の粗大化抑制効果が十分であるにもかかわらず、混合液の総量が多くなり、前記混合後の工程が煩雑になることがある。
前記水系媒体及び前記固形分含有分散液のいずれかは、前記乳化乃至分散液の調製直後に添加されるのが好ましい。前記水系媒体が前記分散液の調製直後に添加されることにより、油滴の経時での不安定化による合一、合着を抑制し、粒度分布のシャープなトナーを得ることができる。
ここで、前記調製直後は、少なくとも油滴の粒子径が2.0μm以上になる前までの時間を意味する。前記乳化乃至分散液の調製直後の添加としては、例えば、前記乳化乃至分散液の調製において、剪断力又は分散力の付与を止めた後30分以内に行われるのが好ましく、10分以内に行われるのがより好ましい。
前記水系媒体の添加速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記水系媒体全量を、10〜200分で添加するのが好ましく、20〜60分で添加するのがより好ましい。
前記水系媒体及び前記固形分含有分散液のいずれかの添加は、前記乳化乃至分散液を攪拌しながら行うのが好ましい。前記攪拌により、前記水系媒体又は前記固形分含有分散液と、前記乳化乃至分散液とが素早く混合され、粒子の粗大化が抑制される。このとき、飛まつが上がらないように、前記水系媒体又は前記固形分含有分散液を壁面を伝わらせて添加するほか、前記添加速度を遅く調節するのが好ましい。
前記攪拌の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述の公知の分散機などを用いて行うことができる。
前記分散液の攪拌速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1,000〜30,000rpmが好ましく、5,000〜20,000rpmがより好ましい。
前記混合の第1の態様においては、乳化乃至分散液の調製と前記混合とが、同一槽内で行われるのが好ましい。したがって、前記乳化乃至分散液の調製は、バッチ式で行われるのが好ましい。該バッチ式であると、前記乳化乃至分散液を調製する容器又は槽内で、攪拌又は分散を行いながら、前記水系媒体又は前記固形分含有分散液を添加することができ、前記容器又は前記槽の共通化が可能となる。
なお、前記乳化乃至分散液の調製が連続して行われる場合には、該乳化乃至分散液に前記水系媒体又は前記固形分含有分散液を連続的に所定の比率で添加して混合する方法、タンクに前記乳化乃至分散液を満たしておき、その下部から前記乳化乃至分散液中に、前記水系媒体又は前記固形分含有分散液をフィードする方法、などを使用することができる。
前記混合の第2の態様においては、前記水系媒体及び前記固形分含有分散液のいずれかの中に、前記乳化乃至分散液を添加した後、前記有機溶剤を除去するのが好ましい。この場合、前記有機溶剤を除去するまでの間に油滴同士が会合して大きな粒子を形成するのを抑制し、粒子の小粒径化を図り、かつ粒度分布をシャープにすることができる。
また、前記混合は、前記水系媒体及び前記固形分含有分散液のいずれかを攪拌しながら前記乳化乃至分散液を添加することにより行われるのが好ましい。該攪拌により、容器の容積や混合の経時(特に混合初期)による混合溶液の不均一化を抑制し、油滴の粗大化を防止することができる。
前記攪拌の方法としては、前記混合の第1の態様と同様な方法により行うことができる。
前記有機溶剤を除去する際には、前記乳化乃至分散液を例えばタンク等の容器に貯留するが、該貯留を開始してから撹拌翼に接して攪拌が開始されるまでの間の前記乳化乃至分散液は、ほぼ静止した状態に置かれる。このため、前記油滴同士が会合しやすく、粗大な粒子が形成される。しかし、前記水系媒体及び前記固形分含有分散液のいずれかを予め容器の中に入れておき、これを攪拌しながら前記乳化乃至分散液を添加すると、該添加する乳化乃至分散液の攪拌開始までの時間が短縮化され、貯留開始直後から攪拌が行われるため、前記会合を抑制することができる。
上述の通り、前記水系媒体及び前記固形分含有分散液のいずれかを予め容器内に貯留させておき、該貯留された水系媒体又は固形分含有分散液に対して、前記乳化乃至分散液を添加するのが好ましい。
前記貯留は、前記乳化乃至分散液を添加する際に系の容器内(槽内、配管をも含む)から、予め添加しておいた液が排出されていないことが好ましいが、前記液が排出されている状態であっても、前記槽内に添加する前記乳化乃至分散液に対して、単位時間当たりの排出量が10質量%未満である場合には、ほぼ貯留された状態であると認めることできる。
前記水系媒体及び前記固形分含有分散液のいずれかの貯留量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記容器の容積の0.1〜50%が好ましく、1.0〜30%がより好ましく、5〜20%が更に好ましい。
前記貯留量が前記容器の容積の0.1%未満であると、貯留された前記水系媒体又は前記固形分含有分散液のいずれかが、撹拌翼による攪拌で前記容器内に飛散し、添加する前記乳化乃至分散液と混合させるには不十分な量となることがあり、50%を超えると、製造効率の点で、適切な量を超えることがある。
前記混合の第2の態様においては、前記乳化乃至分散液の調製が、連続式で行われるのが好ましい。該連続式であると、経時で不安定化する前記乳化乃至分散液が、一定の割合で生産されることとなる。ここで、その後の工程が連続式である場合には問題とならないが、前記溶媒の除去、洗浄、濾過などの後工程がバッチ式で行われる場合には、調製した乳化乃至分散液を安定な状態に保持することが必要であり、前記混合の第2の態様は、前記連続式に特に好適である。
前記容器内に予め貯留させておく前記固形分含有分散液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、別途製造した固形分含有分散液、同じ設備を使用して以前に製造した固形分含有分散液などが挙げられるが、前記容器内で処理を行い、前回以前に処理した一部の液を前記容器内に残しておき、ここに新たなバッチの乳化乃至分散液を添加する態様が好ましい。
前記容器内に貯留させておく前記固形分含有分散液の有機溶剤濃度は、その後に添加する前記乳化乃至分散液の有機溶剤濃度(対水質量)に対して200%以下であることが好ましい。
なお、前記容器内に貯留させておく前記水系媒体又は前記固形分含有分散液中には、例えば、酸、塩基、凝固剤、微粒子等や各種添加剤などが溶解乃至分散されていてもよい。
本発明のトナーの製造方法において、トナーを造粒する方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、溶解懸濁法等を用いてトナーを造粒する方法、後述する接着性基材を生成しつつトナーを造粒する方法などが挙げられるが、これらの中でも、前記接着性基材を生成しつつトナーを造粒する方法が好ましい。
前記公知の懸濁重合法、乳化重合法、溶解懸濁法等を用いて造粒することにより得られるトナーは、結着樹脂を含み、好ましくは結晶性ポリエステル樹脂を含み、更に必要に応じて適宜選択した、着色剤、離型剤、帯電制御剤等のその他の成分を含んでなる。
前記接着性基材を生成しつつトナーを造粒する方法は、前記トナー材料が活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを少なくとも含み、前記活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を生成しつつ該接着性基材を少なくとも含む粒子を得ることにより行われる。
このような造粒方法を用いて形成されるトナーは、好ましくは結晶性ポリエステル樹脂を含み、更に必要に応じて適宜選択した、着色剤、離型剤、帯電制御剤等のその他の成分を含んでなり、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を少なくとも含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記乳化乃至分散液から前記溶媒を除去して得られる固形分含有分散液のいずれかとを混合し、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を少なくとも含む粒子を生成させて得られる。
−接着性基材−
前記接着性基材は、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を前記水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを少なくとも含み、更に公知の結着樹脂から適宜選択した結着樹脂を含んでいてもよい。
前記接着性基材の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1,000以上が好ましく、2,000〜10,000,000がより好ましく、3,000〜1,000,000が特に好ましい。
前記重量平均分子量が、1,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記接着性基材のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、30〜70℃が好ましく、40〜65℃がより好ましい。本発明のトナーでは、架橋反応、伸長反応したポリエステル樹脂が共存していることにより、従来のポリエステル系トナーと比較してガラス転移温度が低くても良好な保存性を示すものである。
前記ガラス転移温度(Tg)が、30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
前記ガラス転移温度は、例えば、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、以下の方法により測定することができる。まず、トナー約10mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットにのせ、電気炉中にセットする。室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置し、室温まで試料を冷却して10min放置する。その後、窒素雰囲気下、150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して示差走査熱量計(DSC)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、TG−DSCシステムTAS−100システム中の解析システムを用いて、ガラス転移温度(Tg)近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点からガラス転移温度(Tg)を算出することができる。
前記接着性基材の貯蔵弾性率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、測定周波数20Hzにおいて10,000dyne/cmとなる温度(TG’)が、通常100℃以上であり、110〜200℃が好ましい。該(TG’)が100℃未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記接着性基材の粘性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、測定周波数20Hzにおいて1,000ポイズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下であり、90〜160℃が好ましい。該(Tη)が180℃を超えると、低温定着性が悪化することがある。
したがって、耐ホットオフセット性と低温定着性との両立を図る観点から、前記(TG’)は前記(Tη)よりも高いことが好ましい。すなわち、(TG’)と(Tη)との差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましい。該差は大きければ大きいほどよい。
また、低温定着性と耐熱保存性との両立を図る観点からは、前記(TG’−Tη)は0〜100℃が好ましく、10〜90℃がより好ましく、20〜80℃が更に好ましい。
前記接着性基材の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエステル系樹脂、などが特に好適に挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレア変性ポリエステル系樹脂、などが特に好適に挙げられる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、前記活性水素基含有化合物としてのアミン類(B)と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としてのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)とを前記水系媒体中で反応させて得られる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよく、この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。
前記ウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、以下(1)から(10)、即ち、(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、等が好適に挙げられる。
−−活性水素基含有化合物−−
前記活性水素基含有化合物は、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、該イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、前記アミン類(B)が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基、が特に好ましい。
前記アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)等、が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が特に好ましい。
前記ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、等が挙げられる。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、等が挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、等が挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記(B1)から(B5)のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
なお、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いることができる。該反応停止剤を用いると、前記接着性基材の分子量等を所望の範囲に制御することができる点で好ましい。該反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)、などが挙げられる。
前記アミン類(B)と、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、前記イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、前記アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3〜3/1であるのが好ましく、1/2〜2/1であるのがより好ましく、1/1.5〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、前記ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
−−活性水素基含有化合物と反応可能な重合体−−
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記プレポリマーにおける前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
前記プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)であるのが特に好ましい。
前記ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、等が挙げられる。前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)における該ウレア結合生成基が該イソシアネート基である場合、該ポリエステル樹脂(RMPE)としては、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)等が特に好適に挙げられる。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ前記活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの、等が挙げられる。
前記ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ジオール(DIO)単独、又は前記ジオール(DIO)と少量の前記3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が好ましい。
前記ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
前記アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。前記アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。前記脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。前記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
前記3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
前記3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合物における、前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はDICと少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、等が挙げられる。
前記アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。前記アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。
前記芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、前記ジカルボン酸(DIC)、前記3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。前記低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物における前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、前記ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])が、通常、2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのが特に好ましい。
前記ポリオール(PO)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。前記イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。
これらは、1種単独でも使用することができ、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(PIC)と、前記活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、該ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と、該水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1でるのがより好ましく、3/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4がより好ましい。
前記イソシアネート基の平均数が、1未満であると、前記ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜15,000がより好ましい。該重量平均分子量(Mw)が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、30,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。
すなわち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させる。この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。前記試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。前記検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、及び4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、前記検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂等が挙げられるが、特に、未変性ポリエステル樹脂(変性されていないポリエステル樹脂)が好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂を前記トナー中に含有させると、低温定着性及び光沢性を向上させることができる。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂と同様のもの、即ちポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物、等が挙げられる。該未変性ポリエステル樹脂は、その一部が前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と相溶していること、すなわち、互いに相溶可能な類似の構造であるのが、低温定着性、耐ホットオフセット性の点で好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜15,000がより好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあるので、上述したように前記重量平均分子量(Mw)が1,000未満である成分の含有量は、8〜28質量%であることが必要である。一方、前記重量平均分子量(Mw)が30,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記未変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度としては、通常30〜70℃であり、35〜70℃がより好ましく、35〜50℃が更に好ましく、35〜45℃が特に好ましい。前記ガラス転移温度が、30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が不十分となることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、5mgKOH/g以上が好ましく、10〜120mgKOH/gがより好ましく、20〜80mgKOH/gが更に好ましい。前記水酸基価が、5未満であると、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の酸価としては、1.0〜50.0mgKOH/gが好ましく、1.0〜30.0がより好ましく、5.0〜20.0mgKOH/gが更に好ましい。一般に前記トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
前記未変性ポリエステル樹脂を前記トナーに含有させる場合、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と該未変性ポリエステル樹脂(PE)との混合質量比(RMPE/PE)としては、5/95〜25/75が好ましく、10/90〜25/75がより好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂(PE)の混合質量比が、95を超えると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがあり、25未満であると、光沢性が悪化することがある。
−結晶性ポリエステル樹脂−
前記結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性を有し、定着開始温度付近において急激な粘度低下を生ずる熱溶融特性を示す。すなわち、溶融開始温度直前までは結晶性により耐熱保存性が良好で、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を生じて定着することから、優れた耐熱保存性と低温定着性とを両立するトナーを作製することができる。また、離型幅(低温定着下限温度とホットオフセット発生温度との差)にも優れる。
前記結晶性ポリエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコール成分としての炭素数2〜6のジオール化合物、特に1,4-ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及びこれらの誘導体を80モル%以上、好ましくは85〜100モル%含有したものと、少なくとも酸性分としてのマレイン酸、フマル酸、コハク酸、及びこれらの誘導体と、を用いて合成される下記一般式(1)で表される結晶性ポリエステル樹脂が好適に挙げられる。
Figure 0004597821
前記一般式(1)中、n及びmは、繰返単位数を表し、Lは1〜3の整数を表し、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又は炭化水素基を表す。
前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性及び軟化点を制御するため、前記結晶性ポリエステルの合成を行う際に、アルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールや、酸成分に無水トリメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行った非線状ポリエステルなどを使用してもよい。なお、前記結晶性ポリエステルの分子構造は、固体NMRなどにより確認することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、オルトジクロロベンゼン可溶分のGPCによる分子量分布で、1,000〜30,000が好ましく、1,000〜6,500がより好ましい。該重量平均分子量(Mw)が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、30,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記結晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)としては、オルトジクロロベンゼン可溶分のGPCによる分子量分布で、500〜6,000が好ましく、500〜2,000がより好ましい。また、(Mw/Mn)としては、2〜8が好ましく、2〜5がより好ましい。
なお、前記GPCによる分子量分布において、横軸をlog(M)、縦軸を質量%で表した分子量分布図のピーク位置が3.5〜4.0の範囲にあり、ピークの半値幅が1.5以下であるのが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の融解温度及びF1/2温度としては、耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが好ましく、例えば、DSC吸熱ピーク温度が50〜150℃であるのが好ましい。該融解温度及び該F1/2温度が50℃未満であると、耐熱保存性が悪化し、現像装置内部の温度でブロッキングが発生しやすくなり、150℃を超えると、定着下限温度が高くなるため低温定着性が悪化することがある。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、赤外吸収スペクトルにおいて965±10cm−1及び990±10cm−1の少なくともいずれかにオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するのが好ましい。該オレフィンのδCHに基づく吸収が前記位置に存在すると、低温定着性が向上する。
前記結晶性ポリエステルの酸価としては、紙と樹脂との親和性の観点から、低温定着性を実現するためには、8mgKOH/g以上が好ましく、20mgKOH/g以上がより好ましい。一方、ホットオフセット性を向上させるためには、45mgKOH/g以下が好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、低温定着性、帯電特性の向上の点で、0〜50mgKOH/gが好ましく、5〜50mgKOH/gがより好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂(b)及び前記結晶性ポリエステル樹脂(c)を前記トナーに含有させる場合、前記ウレア結合性生成基含有ポリエステル樹脂(a)と前記未変性ポリエステル樹脂(b)と前記結晶性ポリエステル樹脂(c)との混合質量比としては、通常(a)/(b)+(c)が5/95〜25/75であり、10/90〜25/75が好ましく、12/88〜25/75がより好ましく、12/88〜22/78が更に好ましく、かつ、(b)と(c)との質量比が、99/1〜50/50であり、95/5〜60/40が好ましく、90/10〜65/35がより好ましい。前記質量比が前記数値範囲を外れると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、金属酸化物、樹脂微粒子、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
前記マスターバッチにおける前記着色剤の含有量としては、通常、80質量%以下であり、30〜60質量%が好ましい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、等が好適に挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス等が挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が特に好ましい。
前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、等が挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、あるいは前記トナーの各成分と共に前記有機溶剤に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。該含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
前記金属酸化物は、該金属酸化物を溶媒に分散させた金属酸化物溶媒分散体として用いてもよく、該金属酸化物溶媒分散体としては、例えば、湿式法(水熱合成法、ゾルーゲル法等)により合成した線形・環形の金属酸化物ハイドロゲル分散液を、疎水化処理を施し、分散溶媒を任意の溶媒に置換させたものが挙げられる。
前記湿式法により合成される金属酸化物としては、例えば、二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、酸化アルミニウムが好ましく、シリカが特に好ましい。
前記疎水化処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多くは表面処理剤が用いられ、その際、金属酸化物表面の親水性と疎水性とのバランスを最適化することが必要である。
前記表面処理剤としては、例えば、次式、(Q)x−Si(P)y−(A)z、で表されるカップリング剤が挙げられる。ただし、前記式中Qはハロゲン原子、アミノ基又はアルコキシル基等の加水分解可能な基を表し、Aはアルキル基又はアリール基を表し、有機官能基Pは、−BOOC(R’)C=CH、−BNHR”、又は、−BNHを表し、R’はアルキル基、R”はアルキル基又はアリール基をそれぞれ表す。Bはアルキレン基、又は、−O−、−NH−、及び−CO−のいずれかを含むアルキレン基を表す。x及びyは1以上の整数であり、zは0以上の整数であり、x+y+z=4を充たす。
前記表面処理剤の具体例としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン[γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン]、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン[γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン]、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン[γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン]、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン[γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン]、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン[γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン]、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン[γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン]、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩]、オクタデシルジメチル(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アンモニウムクロライド、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、などが挙げられる。また、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイルを疎水化処理剤として使用したものを用いてもよい。
前記金属酸化物を分散させる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−ペンタノール、n−ブタノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール、イソブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ホルムアルデヒド、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属酸化物溶媒分散体における溶媒のSP値δMSと、前記金属酸化物溶媒分散体を除いた際の溶媒のSP値δPSは、可能な限り近い値を示すことが望ましく、δMS及びδPSは、−2.0<δMS−δPS<4.0、を充たすことが必要であり、−0.5<δMS−δPS<1.0、を充たすことが好ましく、−0.1<δMS−δPS<0.3、を充たすことがより好ましい。例えば、酢酸エチルに重合体、着色剤、離型剤などを溶解乃至分散させ、この酢酸エチル溶液乃至分散液に添加する金属酸化物を酢酸エチル、メチルエチルケトンなどの溶媒に分散させるのが好ましい。
溶媒中で一次粒子として存在すると、前記金属酸化物の分散性がトナー粒子の形成まで良好でトナー形状変更への効果がより大きくなることから、また、分散性と経時安定性、及び生産性の点から、前記金属酸化物溶媒分散体はオルガノシリカゾルを用いることが特に好ましい。該オルガノシリカゾルは、粒子表面のシラノール基の一部がシリル化処理されたコロイド状シリカが有機溶媒中に安定な状態で分散している、状態若しくはその溶液を指す。オルガノシリカゾルの詳細な説明及び製法などについては、例えば、特開平11−43319号公報などに記載されている。
水による希釈のpH測定は、次のように行う。まず前記金属酸化物溶媒分散体を均一になるよう分散させる。既にゾルである場合は分散が容易であるが、湿潤ゲルの場合は必要に応じてディスパーなどで解砕する。ここに等量のイオン交換水で希釈を行いホモミキサー2000回転で3分攪拌し、pHを測定する。
前記金属酸化物の前記トナーに対する添加量としては、0.05〜50質量%が好ましく、0.25〜10質量%がより好ましい。
前記添加量が0.05質量%未満であると、トナー粒子表面に対する前記金属酸化物の絶対量が不足し、トナー粒子形状変化に対する十分な改善効果が得られにくいことがあり、50質量%を超えると、トナー粒子表面に存在する前記金属酸化物量が過剰となり、前記金属酸化物が定着阻害因子として作用するため、定着下限温度が上昇し、低温定着性が損なわれることがある。
前記金属酸化物の一次粒子の平均粒径としては、5〜200nmが好ましく、10〜180nmがより好ましい。
前記平均粒径が5nm未満であると、前記有機溶剤から前記水系媒体への離脱が生じやすくなり、トナー粒子形状変化に対する十分な改善効果が得られにくいことがあり、200nmを超えると、前記金属酸化物の間に間隔が生じてしまい、トナー粒子形状変化に対する効果が低下することがある。
ここで、前記平均粒径は数平均の粒子径である。前記金属酸化物の粒子径は、動的光散乱を利用した粒径分布測定装置、例えば、(「DLS−700」;(株)大塚電子製)、(「コールターN4」;コールターエレクトロニクス社製)により測定することができるが、シリコーンオイル処理後の粒子の二次凝集を解離することは困難であるため、走査型電子顕微鏡(SEM)、あるいは、透過型電子顕微鏡(TEM)により得られる写真から直接粒径を求めることが好ましい。この場合、少なくとも100個以上の前記金属酸化物を観察し、その長径の平均値を求める。
また、前記金属酸化物の形状としては、球形粒子、不定形粒子、線状型、網目状型などを使用することができ、前記有機溶剤中での分散状態によって使い分けることができる。
前記樹脂微粒子としては、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ナイロン樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂微粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
なお、前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
また、前記樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を含んでなる共重合体を用いることもできる。
前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどが挙げられる。
前記樹脂微粒子は、目的に応じて適宜選択した公知の方法に従って重合させることにより得ることができるが、該樹脂微粒子の水性分散液として得るのが好ましい。該樹脂微粒子の水性分散液の調製方法としては、例えば、(1)前記ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法、(2)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法、(3)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次に溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法、(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、などが好適に挙げられる。
前記無機微粒子は、前記トナーの流動性、現像性、帯電性などを向上させるための外添剤として好適に使用することができる。該無機微粒子は、前記有機溶剤に分散可能な無機の前記微粒子と同種であるのが好ましい。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積としては、20〜500m/gが好ましい。
前記無機微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
本発明のトナーの製造方法の一例として、前記接着性基材を生成しつつトナーを造粒する方法を以下に示す。
前記接着性基材を生成しつつトナーを造粒する方法においては、例えば、水系媒体相の調製、前記トナー材料の溶解乃至分散液の調製、前記乳化乃至分散液の調製、前記混合、その他(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)の合成、前記活性水素基含有化合物の合成等)を行う。
前記水系媒体相の調製は、例えば、前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させることにより行うことができる。該樹脂微粒子の該水系媒体中の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10質量%が好ましい。
前記トナー材料の溶解乃至分散液の調製は、前記有機溶剤中に、前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、前記結晶性ポリエステル樹脂、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤、前記未変性ポリエステル樹脂等のトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。
なお、前記トナー材料の中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、前記水系媒体相調製において、前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させる際に該水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、前記トナー材料の溶解乃至分散液を前記水系媒体相に添加する際に、該トナー材料の溶解乃至分散液と共に前記水系媒体相に添加してもよい。
前記乳化乃至分散液の調製は、先に調製した前記トナー材料の溶解乃至分散液を、先に調製した前記水系媒体相中に乳化乃至分散させることにより行うことができる。そして、該乳化乃至分散の際、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを伸長反応乃至架橋反応させると、前記接着性基材が生成する。
前記接着性基材(例えば、前記ウレア変性ポリエステル樹脂)は、例えば、(1)前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記トナー材料の溶解乃至分散液を、前記活性水素基含有化合物(例えば、前記アミン類(B))と共に、前記水系媒体相中に乳化乃至分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、(2)前記トナー材料の溶解乃至分散液を、予め前記活性水素基含有化合物を添加した前記水系媒体中に乳化・分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、あるいは(3)前記トナー材料の溶解乃至分散液を、前記水系媒体中に添加混合させた後で、前記活性水素基含有化合物を添加し、分散体を形成し、該水系媒体相中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよい。なお、前記(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子において濃度勾配を設けることもできる。
前記乳化乃至分散により、前記接着性基材を生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と前記活性水素基含有化合物との組合せに応じて適宜選択することができ、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましく、反応温度としては、0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。
前記水系媒体相中において、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記分散体を安定に形成する方法としては、例えば、前記水系媒体相中に、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤、前記未変性ポリエステル樹脂等の前記トナー材料を前記有機溶剤に溶解乃至分散させて調製した前記溶解乃至分散液を添加し、剪断力により分散させる方法、等が挙げられる。なお、前記乳化乃至分散の方法の詳細は上述した通りである。
前記乳化乃至分散液の調製においては、必要に応じて分散安定剤を用いることができる。
該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。
該分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記乳化乃至分散液の調製においては、前記伸長反応乃至前記架橋反応の触媒を用いることができる。該触媒としては、例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、等が挙げられる。
前記乳化乃至分散液の調製直後に、前記混合の第1の態様として、得られた乳化乃至分散液(乳化スラリー)の全量に対して5〜100体積%の前記水系媒体を添加する。このとき、前記乳化乃至分散液を攪拌しながら前記水系媒体を添加する。
得られた乳化乃至分散液(乳化スラリー)から、有機溶剤を除去する。該有機溶剤の除去に際しては、前記混合の第2の態様として、容器(例えばタンク)内に、該容器の容積の0.1〜50%の量の前記水系媒体又は前記固形分含油分散液(脱溶剤スラリー)を予め貯留させておき、これを攪拌しながら乳化乃至分散液を添加する。
前記有機溶剤の除去としては、(1)反応系全体に対して徐々に減圧及び昇温のいずれかを行い、前記油滴中の前記有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。これらの中でも、減圧及び昇温のいずれかを行う前記(1)が好ましい。
また、必要に応じて、前記容器内の前記有機溶剤をある程度(例えば、対水6%未満)除去した後、薄膜蒸留法等を用いた、連続式の溶剤除去システムと組み合わせることもできる。
前記有機溶剤の除去が行われると、トナー粒子が形成される。該トナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
なお、得られた不要の微粒子又は粗粒子は、再び混練工程に戻してトナー粒子の形成に使用することができる。このとき、前記微粒子又は前記粗粒子はウェットの状態でも構わない。
こうして、得られたトナー粒子を、前記着色剤、離型剤、前記帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、更に機械的衝撃力を印加することにより、該トナー粒子の表面から該離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢、等が挙げられる。
本発明のトナーは、以下のような、体積平均粒径(Dv)、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)、平均円形度、針入度、低温定着性、オフセット未発生温度、熱特性、ガラス転移温度、画像濃度、BET比表面積などを有していることが好ましい。
前記トナーの体積平均粒径(Dv)としては、例えば、3〜8μmが好ましく、4〜7がより好ましく、4.5〜6.5が更に好ましい。
前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、8μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記トナーにおける体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、例えば、1.15以下が好ましく、1.00〜1.15がより好ましく、1.10〜1.15が更に好ましい。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.00未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、クリーニング性を悪化させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、1.15を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径、及び、前記体積平均粒径と個数平均粒子径との比(Dv/Dn)は、例えば、ベックマン・コールター社製の粒度測定器「マルチサイザーII」を用いて測定することができる。
前記平均円形度は、前記トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.900〜0.980が好ましく、0.950〜0.975がより好ましい。なお、前記平均円形度が0.940未満の粒子が15%以下であることが好ましい。
前記平均円形度が、0.900未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.980を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。なお、良好な転写性、画質、及びクリーニング性を充たす平均円形度としては、0.940〜0.970が好ましい。
前記平均円形度は、例えば、トナーを含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法などにより計測することができ、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス社製)等を用いて計測することができる。
また、前記トナーは、表面に複数のくぼみを有するのが好ましい。該くぼみの存在により、クリーニング性及び転写性が向上する。
前記くぼみは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)によるSEM画像を観察することにより測定することができる。
前記くぼみの長径としては、例えば、前記トナー粒子径の1/2以下であり、具体的には1.0〜5.0μmが好ましい。前記くぼみの深さとしては、例えば、長径の1/10以上が好ましく、1/8以上がより好ましい。一般的に、粉砕トナーや乳化重合法により形成される凹凸状粒子は、流動性向上を目的として添加するシリカ等の添加剤が、凹部に溜まりやすく、添加剤を高速の混合機で攪拌混合する場合、添加剤が固定されにくく、トナーから遊離し、感光体汚染やキャリアへの付着等の問題が発生することがある。しかし、前記くぼみの長径が1μm以上であり、深さも浅くなだらかであると、添加剤の蓄積や遊離等の前記問題の発生が抑制される。
前記針入度は、JIS K2235−1991に従って測定することができ、具体的には、50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に20時間放置する。このトナーを室温まで冷却し、針入度試験を行うことにより針入度を測定することができる。なお、前記針入度の値が大きい程、前記耐熱保存性が優れることを示している。
前記低温定着性としては、定着温度低下とオフセット未発生とを両立させる観点からは、定着下限温度が低くなるほど好ましく、また、オフセット未反応温度が高くなるほど好ましく、定着温度低下とオフセット未発生とを両立させ得る温度領域としては、前記定着下限温度が150℃未満であり、前記オフセット未発生温度が200℃以上である。
なお、前記定着下限温度は、例えば、画像形成装置を用い、転写紙をセットし、複写テストを行い、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度を定着下限温度としたものである。
前記オフセット未発生温度は、例えば、画像形成装置を用いて、転写紙をセットし、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各単色、及び中間色としてレッド、ブルー、及びグリーンのベタ画像を各単色で現像されるように調整し、定着ベルトの温度が可変となるように調整して、オフセットの発生しない温度を測定することによって求めることができる。
前記熱特性は、フローテスター特性とも言われ、例えば、軟化温度(Ts)、流出開始温度(Tfb)、1/2法軟化点(T1/2)などとして評価される。
これらの熱特性は、適宜選択した方法により測定することができ、例えば、高架式フローテスターCFT500型(島津製作所製)を用いて測定したフローカーブから求めることができる。
前記軟化温度(Ts)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30℃以上が好ましく、50〜120℃がより好ましい。前記軟化温度(Ts)が、30℃未満であると、耐熱保存性及び低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
前記流出開始温度(Tfb)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50℃以上が好ましく、60〜150℃がより好ましい。前記流出開始温度(Tfb)が、50℃未満であると、耐熱保存性及び低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
前記1/2法軟化点(T1/2)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、60℃以上が好ましく、80〜170℃がより好ましい。前記1/2法軟化点(T1/2)が、60℃未満であると、耐熱保存性及び低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
前記ガラス転移温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、40〜70℃が好ましく、45〜65℃がより好ましい。該ガラス転移温度(Tg)が、40℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
前記ガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計(「DSC−60」;島津製作所製など)を用いて測定することができる。
前記画像濃度は、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定した濃度値が、例えば、1.40以上が好ましく、1.45以上がより好ましく、1.50以上が特に好ましい。
前記画像濃度が、1.40未満であると、画像濃度が低く、高画質が得られないことがある。
前記画像濃度は、例えば、カラー複写機(「IPSIO Color 8100」;株式会社リコー製)を用いて、複写紙(「TYPE 6200」;株式会社リコー製)に現像剤の付着量が0.4±0.05mg/cmのベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成し、得られたベタ画像における任意の3箇所の画像濃度を、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定しその平均値を算出することにより、測定することができる。
前記トナーにおけるBET比表面積としては、例えば、0.5〜8.0m/gが好ましく、0.5〜7.5m/gがより好ましい。
前記BET比表面積が、0.5m/g未満であると、トナー表面上に残存する有機微粒子が皮膜化又はトナー表面全体を密に覆う状態となり、樹脂微粒子がトナー内部のバインダー樹脂成分と定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られることがある一方、8.0m/gを超えると、樹脂微粒子がワックスのしみ出しを阻害し、ワックスの離型性効果が得られず、オフセットの発生が見られることがある。
前記トナーの比表面積は、BET法に従って測定することができ、例えば、比表面積測定装置トライスター3000(島津製作所製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて測定することができる。
前記トナーの酸価としては、例えば、0.5〜40.0(KOHmg/g)が好ましく、3.0〜35.0がより好ましく、5.0〜30.0が更に好ましい。該トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
本発明のトナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができる。
本発明のトナー母体粒子の製造方法は、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した前記トナー材料の溶解乃至分散液を、水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記固形分含有分散液のいずれかと、を混合することを少なくとも含むので、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナー母体粒子を効率的に製造することができる。
本発明のトナー母体粒子は、小粒径で、粒度分布がシャープであるため、転写性、帯電性(帯電安定性)、クリーニング性等の諸特性に優れ、カブリやトナー飛散が少なく、高品質な画像を形成可能なトナーの母体粒子に好適であり、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を水系媒体中で反応させて粒子状に生成させて得られる前記接着性基材を含むと、耐凝集性、帯電性、流動性、転写性、定着性(耐ホットオフセット性及び低温定着性)等の諸特性に優れるトナーを形成することができ、本発明のトナーの母体粒子に特に好適である。
本発明のトナーの製造方法は、前記トナー材料の溶解乃至分散液を前記水系媒体に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、水系媒体及び前記固形分含有分散液のいずれかとを混合してトナーを造粒するので、小粒径で粒度分布がシャープなトナーを効率的に製造することができる。
本発明のトナーは、小粒径で、粒度分布がシャープであるため、転写性、帯電性(帯電安定性)、クリーニング性等の諸特性に優れ、カブリやトナー飛散が少なく、高品質な画像を形成することができる。また、本発明のトナーが、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を水系媒体中で反応させて粒子状に生成させて得られる前記接着性基材を含むと、耐凝集性、帯電性、流動性、転写性、定着性(耐ホットオフセット性及び低温定着性)等の諸特性に優れる。このため、本発明のトナーは、各種分野において好適に使用することができ、電子写真法による画像形成に、より好適に使用することができ、以下の本発明のトナー入り容器、現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に使用することができる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、前記キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料等が好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、体積平均粒径で、10〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、等が挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、等が挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、等が挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
本発明の現像剤は、前記トナーを含有しているので、低温定着性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
(トナー入り容器)
本発明のトナー入り容器は、本発明のトナー乃至前記現像剤を容器中に充填してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、等が好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状等が好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、等が特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、等が好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の電子写真装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、表面硬度が高く、半導体レーザー等の長波長光(770〜800nm)に高感度を示し、長寿命性の点で、前記静電潜像担持体はアモルファスシリコン製の層を有するのが好ましい。
アモルファスシリコン系感光体(「a−Si系感光体」と称することがある)は、例えば、導電性支持体を50〜400℃に加熱し、該支持体上に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の製膜法によりa−Siからなる光導電層を形成することにより製造することができる。前記製膜法の中でも、原料ガスを直流又は高周波若しくはマイクロ波グロー放電によって分解し、前記支持体上にa−Si堆積膜を形成するプラズマCVD法を用いてa−Si感光体を製造するのが好ましい。
前記静電潜像担持体(感光体)の一例として、前記アモルファスシリコン系感光体の層構成の概略説明図を図6に示す。
図6(a)に示す電子写真用感光体500は、支持体501上にa−Si(H、F、O)からなり光導電性を有する光導電層502を有する。
図6(b)に示す電子写真用感光体510は、支持体501上に、前記光導電層502と、アモルファスシリコン系表面層503とを有している。
図6(c)に示す電子写真用感光体520は、支持体501上に、前記光導電層502と、前記アモルファスシリコン系表面層503と、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層504とを有する。
図6(d)に示す電子写真用感光体530は、支持体501上に、前記光導電層502を有する。該光導電層502は、a−Si(H、F、O)からなる電荷発生層505と電荷輸送層506とからなり、その上に前記アモルファスシリコン系表面層503とを有している。
前記支持体501は、導電性でもよいし、電気絶縁性であってもよい。
導電性支持体としては、例えば、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属及びこれらの合金(例えばステンレス等)などにより形成されるものが挙げられる。
前記電気絶縁性支持体としては、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルム又はシート、ガラス、セラミック等により形成されるものが挙げられる。
また、前記電気絶縁性支持体の、少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体を使用してもよい。
前記支持体501の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平滑表面、凹凸表面、円筒状、板状、無端ベルト状などが挙げられる。
前記支持体501の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、画像形成用感光体としての可撓性が要求される場合には、支持体としての機能を充分に発揮することができる範囲内で可能な限り薄くすることが好ましい。なお、製造上及び取扱上、機械的強度等の面から、通常10μm以上である。
前記光導電層502は、必要に応じて下引き層上に形成される。
前記光導電層502の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子写真特性及び経済的効果等の点で1〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましく、23〜45μmが特に好ましい。
前記アモルファス系シリコン表面層503は、自由表面を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境性、耐久性などを発現する。
前記表面層503の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常、0.01〜3μmであり、0.05〜2μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。
前記厚みが0.01μm未満であると、感光体を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われることがあり、3μmを超えると、残留電位の増加等の電子写真特性の低下が生ずることがある。
前記電荷注入阻止層504は、導電性の前記支持体501側からの電荷の注入を阻止する目的で、必要に応じて、前記導電性支持体501と前記光導電層502との間に設けられる。すなわち、前記電荷注入阻止層504は、感光層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、前記支持体501側より光導電層502側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆極性の帯電処理を受けた際には、そのような機能が発揮されない、いわゆる極性依存性を有する。なお、このような機能を付与するために、前記電荷注入阻止層504には、伝導性を制御する原子を前記光導電層502に比べ比較的多く含有させることが必要である。
前記電荷注入阻止層504の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子写真特性及び経済的効果等の点で、0.1〜5μmが好ましく、0.3〜4μmがより好ましく、0.5〜3μmが特に好ましい。
前記電荷発生層505は、前記光導電層502を機能分離した場合、電荷を発生する機能を主に発現する層である。該電荷発生層505は、少なくともシリコン原子を含み、実質的に炭素原子を含まず、必要に応じて水素原子を含むa−Si(H)からなり、光導電特性、特に、電荷発生特性及び電荷輸送特性を示す。
前記電荷発生層505の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子写真特性及び経済的効果等の点で、0.5〜15μmが好ましく、1〜10μmがより好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
前記電荷輸送層506は、前記光導電層502を機能分離した場合、電荷を輸送する機能を主に発現する層である。該電荷輸送層506は、少なくともシリコン原子、炭素原子、及びフッ素原子を含み、必要に応じて水素原子及び酸素原子を含むa−SiC(H、F、O)からなり、光導電特性、特に、電荷保持特性、電荷発生特性及び電荷輸送特性を示す。なお、本発明の画像形成装置においては、酸素原子を含むのが特に好ましい。
前記電荷輸送層の506の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子写真特性及び経済的効果等の点で、5〜50μmが好ましく、10〜40μmがより好ましく、20〜30μmが特に好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明の前記トナー入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、交互電界を印加可能な電源を有してなるもの、等が好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記交互電界を印加可能な電源を有してなる現像器内では、例えば、前記電源により、現像スリーブに現像バイアスとして直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画像部電位とは、前記振動バイアスの電位の最大値と最小値との間に位置する。このため、現像部に、向きが交互に変化する交互電界が形成される。該交互電界中で前記現像剤の前記トナーと前記キャリアとが激しく振動し、前記トナーが前記現像スリーブ及び前記キャリアへの静電的拘束力を振り切り、静電潜像担持体(感光体)に飛翔し、該静電潜像担持体(感光体)上の静電潜像に対応して付着する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
ここで、前記振動バイアス電圧の最大値と最小値との差(ピーク間電圧)としては、例えば0.5〜5kVが好ましく、周波数としては、例えば1〜10kHzが好ましい。前記振動バイアスの波形としては、矩形波、サイン波、三角波などを使用することができる。
前記振動バイアス電圧の直流電圧成分は、上述の通り、背景部電位と画像部電位との間の値であるが、画像部電位よりも背景部電位に近い値である方が、背景部電位領域へのかぶりトナーの付着を防止することができる点で好ましい。
前記振動バイアス電圧の波形が矩形波である場合、デューティ比を50%以下にすることが好ましい。ここで、該デューティ比は、前記振動バイアスの1周期中で前記トナーが前記静電潜像担持体(感光体)に向かおうとする時間の割合である。前記デューティ比を50%以下にすることにより、前記トナーが前記感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を大きくすることができ、前記トナーの運動が更に活発化し、前記トナーが潜像面の電位分布に忠実に付着し、ざらつき感や解像度を向上させることができる。また、前記トナーと逆極性の電荷を有する前記キャリアが、前記感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を小さくすることができる。このため、前記キャリアの運動を沈静化させ、潜像の背景部への前記キャリアの付着を抑制することができる。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該現像剤に含まれるトナーは、本発明の前記トナーである。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の加熱加圧手段を使用することができるが、加熱部材と、該加熱部材と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱部材と圧接配置される加圧部材とを少なくとも有し、前記フィルムと前記加圧部材との間に、転写像が形成された記録媒体を通過させて該転写像を定着させるのが好ましい。
公知の前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記加熱部材と、該加熱部材と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱部材と圧接配置される加圧部材とを少なくとも有する定着手段としては、例えば、図7に示すように、定着フィルムを回転させて転写像を定着させる、いわゆるサーフ定着装置が挙げられる。
図7に示すサーフ定着装置600は、加熱体610と、加圧ローラ620と、定着フィルム630とを備える。
定着フィルム630はエンドレスベルト状耐熱フィルムであり、内部に回転可能に配置された駆動ローラ631と従動ローラ632とによって張架され、加熱体610により固定支持され、所定の温度に加熱されている。なお、定着フィルム630は、駆動ローラ631の駆動力により、図7中、時計回転方向に向かって回転駆動される。このとき、回転駆動速度は、定着フィルム630と加圧ローラ620とが接する定着ニップ領域Lにて、記録媒体Sと定着フィルム630とが等しい速度で移動するように調節される。
定着フィルム630は、耐熱性、離型性、耐久性等に優れることが好ましい。定着フィルム630は薄肉であることが好ましく、厚みとしては、総厚100μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましい。具体的には、例えば、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、PFA(4フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等の耐熱樹脂単層フィルム、あるいは複合層フィルム、例えば、20μm厚フィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)、PFA等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型性コート層を10μm厚に施したもの、フッ素ゴム、シリコンゴム等の弾性層を施したものなどが挙げられる。
加熱体610は、内部には平面基板611と定着ヒータ612と、平面基板611上の定着ヒータ612の反対側に取り付けられた定着温度センサ613とが内蔵されており、温度センサ613により温度調節自在に設計されている。平面基板611は、アルミナ等の高熱伝導度かつ高電気抵抗率を有する材料から形成されており、定着フィルム630と接触する表面には、定着ヒータ612が長手方向に設置されている。定着ヒータ612は、抵抗発熱体で構成されており、例えば、Ag/Pd、TaN等の電気抵抗材料がスクリーン印刷等により線状又は帯状に塗工されたものである。また、定着ヒータ612の両端部には、図示しない電極が形成されており、該電極間に通電することにより抵抗発熱体が発熱するようになっている。定着温度センサ613はサーミスタにより構成されており、この定着温度センサ613によって検出された平面基板611の温度情報は、図示しない制御手段に送られ、該制御手段により、定着ヒータ612に供給される電気量が制御され、加熱体610が所定の温度に保持されるようになっている。
加圧ローラ620は、定着フィルム630の外側に、かつ定着フィルム630の外面に、加熱体610内の平面基板611を圧接するようにして当接し、回転可能に配置されている。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用カラートナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図1を参照しながら説明する。図1に示す画像形成装置100は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下「感光体10」という)と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されており、また、最終転写材としての転写紙95に現像像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、前記現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体10と接触している。
図1に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図2を参照しながら説明する。図2に示す画像形成装置100は、図1に示す画像形成装置100において、現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図1に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図2においては、図1におけるものと同じものは同符号で示した。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図3を参照しながら説明する。図3に示すタンデム画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置である。タンデム画像形成装置100は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図3中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置100においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図4に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、該感光体を一様に帯電させる帯電器60と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図4中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー像を形成する現像器61と、該トナー像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ51上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法では、低温定着性等に優れ、小粒径かつ粒度分布がシャープな本発明の前記トナーを用いるので、高画質が効率よく得られる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例10は、参考例である。
(実施例1)
<接着性基材生成工程>
以下のようにしてトナー母体粒子を製造し、更にトナーを製造した。
−トナー材料の溶解乃至分散液の調製−
−−未変性ポリエステル(低分子ポリエステル)の合成−−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物220質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物561質量部、テレフタル酸218質量部、アジピン酸48質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸45質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,500、重量平均分子量(Mw)が6,700、ガラス転移温度(Tg)が43℃、酸価が25であった。
−−マスターバッチ(MB)の調製−−
着色剤としてのカーボンブラック(「リーガル400R」;キャボット社製)40質量部、ポリエステル樹脂(「RS801」;三洋化成工業製、酸価=10、重量平均分子量(Mw)=20,000、ガラス転移温度(Tg)=64℃)40質量部、及び水30質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した。該混合物を二本ロールで130℃にて45分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で直径1mmの大きさに粉砕して、マスターバッチを調製した。
−−有機溶剤相の調製−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、前記未変性ポリエステル378質量部、カルナバワックス110質量部、CCA(「サリチル酸金属錯体E−84」;オリエント化学工業製)22質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、カルナバワックスを溶解させた。80℃のまま5時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却し、カルナバワックスを析出させた。次いで、反応容器中に、前記マスターバッチ500質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、1時間混合して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1324質量部を反応容器に移し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして、前記カーボンブラック、及びカルナバワックスの分散を行った。次いで、該ワックス分散液に前記未変性ポリエステルの65質量%酢酸エチル溶液1324質量部を添加した。上記同様の条件のビーズミルで1パスし、分散させ、有機溶剤相を調製した。
得られた有機溶剤相の固形分濃度(測定条件:130℃、30分の加熱による)は、53質量%であった。
−−プレポリマーの合成−−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,500、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が51であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.53質量%であった。
−−ケチミン(前記活性水素基含有化合物)の合成−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン170質量部及びメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物(前記活性水素機含有化合物)のアミン価は418であった。
反応容器中に、前記有機溶剤相648質量部、前記プレポリマー154質量部、及び前記ケチミン化合物6.6質量部を仕込み、TK式ホモミキサー(特殊機化製)を用いて5,000rpmにて1分間混合して、トナー材料の溶解乃至分散液を調製した。
−水系媒体の調製−
−−微粒子分散液の調製−−
撹拌棒、攪拌羽根、及び温度計をセットした反応容器中に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業製)11質量部、スチレン83質量部、メタクリル酸83質量部、アクリル酸ブチル110質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌し、白色の乳濁液を得た。該乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温して5時間反応させた。次いで、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を添加し、75℃にて5時間熟成してビニル樹脂粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(微粒子分散液)を調製した。
得られた微粒子分散液に含まれる微粒子の体積平均粒径を、レーザー光散乱法を用いた粒径分布測定装置(「LA−920」;堀場製作所社製)により測定したところ、40nmであった。また、該微粒子分散液の一部を乾燥して樹脂分を単離し、該樹脂分のガラス転移温度(Tg)を測定したところ、59℃であり、重量平均分子量(Mw)を測定したところ150,000であった。
イオン交換水990質量部、前記微粒子分散液83質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を、混合撹拌し、乳白色の液体(水系媒体)を得た。
−乳化乃至分散液の調製−
前記トナー材料の溶解乃至分散液809質量部に、前記水系媒体1200質量部を加え、前記TK式ホモミキサーで、回転数13,000rpmにて20分間混合して、乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。なお、乳化乃至分散液の調製は、バッチ式で行った。
−水系媒体の添加−
攪拌機をセットした反応容器中に、調製直後の前記乳化乃至分散液100質量部を入れ、該乳化乃至分散液を攪拌しながら、イオン交換水20質量部(前記乳化乃至分散液の全量に対して20体積%)を添加し、乳化乃至分散させて乳化スラリーを調製した。
次に、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記乳化スラリーを仕込み、30℃にて8時間脱溶剤した後、45℃にて4時間熟成を行い、分散スラリーを得た。
−洗浄・乾燥−
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行い、最終濾過ケーキを得た。
ここで、得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、実施例1のトナー母体粒子を得た。
−外添剤処理−
得られた実施例1のトナー母体粒子100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ0.7質量部と、疎水化酸化チタン0.3質量部とをヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合処理し、実施例1のトナーを製造した。
得られたトナーについて、体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、粒度分布(体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn))、及び平均円形度を下記方法により測定した。
<トナー粒径>
トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーII」;ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定した。これらの結果から粒度分布(体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn))を算出した。その結果、体積平均粒径は5.74μm、個数平均粒径は4.95μm、粒度分布(Dv/Dn)は1.16であった。結果を表1に示す。
<平均円形度>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−1000」;東亜医用電子株式会社製)を用いて計測した。具体的には、容器中に、予め不純固形物を除去した水100〜150mlに分散剤としての界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩)を0.1〜0.5ml添加し、更に、各トナーを0.1〜0.5g添加して分散させた。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で約1〜3分間分散処理して、分散液の濃度を3000〜10,000個/μlとしてトナーの形状及び分布を測定した。これらの測定結果から平均円形度を算出した。その結果、平均円形度は0.965であった。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1の水系媒体の添加において、前記イオン交換水20質量部を、イオン交換水20質量部と酢酸エチル1質量部との混合溶媒に代えた以外は、実施例1と同様な方法により、実施例2のトナーを製造した。実施例2のトナーについて、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1の水系媒体の添加において、前記イオン交換水20質量部を、イオン交換水20質量部に塩化ナトリウム3質量部を溶解させた水系媒体に代えた以外は、実施例1と同様な方法により、実施例3のトナーを製造した。実施例3のトナーについて、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1の水系媒体の添加において、前記イオン交換水を、前記トナー材料の溶解乃至分散液を乳化乃至分散させるために調製した水系媒体に代えた以外は、実施例1と同様な方法により、実施例4のトナーを製造した。実施例4のトナーについて、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1の水系媒体の添加において、前記イオン交換水の添加量を、20質量部から7質量部に変えた以外は、実施例1と同様な方法により、実施例5のトナーを製造した。実施例5のトナーについて、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1の水系媒体の添加において、前記イオン交換水の添加量を、20質量部から85質量部に変えた以外は、実施例1と同様な方法により、実施例6のトナーを製造した。実施例6のトナーについて、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例7)
−トナー母体粒子の調製−
−−トナー材料の溶解乃至分散液の調製−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、エステルワックス(融点84℃)100質量部、スチレン300質量部、及びn−ブチルアクリレート100質量部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、溶解させた後、一気に4℃まで急冷した。これを、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で4パスして、体積平均粒径0.6μmのワックス分散液を得た。次いで、該ワックス分散液の入ったビーズミル中に、顔料としてのPY155(クラリアント製)100質量部を添加し、同一条件のビーズミルで5パスした。得られたワックス及び顔料のモノマー分散液を撹拌棒及び温度計をセットした別の反応容器に100質量部採り、更にスチレン40質量部、メタクリル酸15質量部、n−ブチルアクリレート15質量部、及びジアルキルサリチル酸金属化合物(前記帯電制御剤)5質量部を添加し、前記TK式ホモミキサーを用いて、10000rpmで均一に溶解及び分散させた。次いで、重合開始剤としての2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部を溶解し、トナー材料の溶解乃至分散液を調製した。
−−水系媒体の調製−−
イオン交換水350質量部、及び0.1MのNaPO水溶液230質量部を60℃に加温した後、前記TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌した。これに、1.0MのCaCl水溶液34質量部を徐々に添加し、Ca(POを含む水分散液としての水系媒体を調製した。
−−乳化乃至分散液の調製−−
前記トナー材料の溶解乃至分散液40質量部を前記水系媒体60質量部に投入し、窒素雰囲気下、60℃にて前記TK式ホモミキサーを用い、11,000rpmで10分間撹拌し、乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。なお、乳化乃至分散液の調製はバッチ式で行った。
−−水系媒体の添加−−
攪拌機をセットした反応容器中に、前記調製直後の乳化乃至分散液100質量部を入れ、該乳化乃至分散液を攪拌しながら、前記水系媒体20質量部(前記乳化乃至分散液の全量に対して20体積%)を2時間かけて徐々に添加し、乳化乃至分散させた。
次いで、パドル撹拌翼でゆっくり撹拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させて造粒した。重合反応終了後、減圧下にて残存した単量体を留去し、冷却後、塩酸を加えてCa(POを溶解した後、濾過、水洗、乾燥を経て、実施例7のトナー母体粒子を得た。
−外添剤処理−
得られた実施例7のトナー母体粒子につき、実施例1のトナー母体粒子と同様にして外添剤を添加し、実施例7のトナーを製造した。実施例7のトナーについて、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例8)
−トナー母体粒子の調製−
実施例1において、下記方法により合成した結晶性ポリエステル樹脂を添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例8のトナー母体粒子を得た。
−−結晶性ポリエステル樹脂の合成−−
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を備えた5リットルの四つ口フラスコに、1,4−ブタンジオール2070g、フマル酸2535g、無水トリメリット酸291g、及びハイドロキノン4.9gを入れ、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、更に8.3kPaにて1時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂を得た。DSCの吸熱ピーク温度は123℃、オルトジクロロベンゼン可溶分のGPCによる分子量分布は、重量平均分子量(Mw)で2,100、数平均分子量(Mn)で710、Mw/Mnで2.96あった。また、赤外吸収スペクトルにおいて、オレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を測定したところ、967cm−1であった。
−−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−−
金属製2L容器に、前記結晶性ポリエステル樹脂を100g、及び酢酸エチル400gを採り、79℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で冷却した。これに、ガラスビーズ(3mmφ)500mlを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行った後、酢酸エチルを一部留去し、体積平均粒径が0.4μm、固形分濃度50質量%の結晶性ポリエステル樹脂分散液を調製した。
実施例1のトナー材料の溶解乃至分散液の調製において、ワックス分散液に、未変性ポリエステル樹脂の65質量%酢酸エチル溶液1324質量部と共に、前記結晶性ポリエステル樹脂分散液200質量部を添加し、更に酢酸エチルの一部を蒸発させ、固形分濃度を50質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、実施例8のトナー母体粒子を得た。
−外添剤処理−
得られた実施例8のトナー母体粒子につき、実施例1のトナー母体粒子と同様にして外添剤を添加し、実施例8のトナーを製造した。実施例8のトナーについて、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
−トナー母体粒子の調製−
実施例1において、前記乳化乃至分散液を調製した後、前記水系媒体を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1のトナー母体粒子を得た。
−外添剤処理−
得られた比較例1のトナー母体粒子につき、実施例1のトナー母体粒子と同様にして外添剤を添加し、比較例1のトナーを製造した。比較例1のトナーについて、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1において、乳化乃至分散液の調製をバッチ式から連続式へ変更し、得られた乳化乃至分散液への水系媒体の添加を行わず、以下に示すように容器に貯留させた水系媒体に乳化乃至分散液を添加し、有機溶剤の除去後に下記方法により洗浄及び乾燥を行った以外は、実施例1と同様な方法により実施例9のトナーを製造した。また、実施例9のトナーについて、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
−水系媒体への乳化乃至分散液の添加−
攪拌、加熱、減圧、及び温度測定機能を有するSUS容器(容積:2000L)に、イオン交換水30Lを入れ貯留し、攪拌を行った。イオン交換水が撹拌翼に接触しており、イオン交換水が攪拌されているのを確認した後、該イオン交換水に、実施例1で得られた乳化乃至分散液(乳化スラリー)を一定流量(15kg/min)で投入した。
−有機溶剤の除去−
前記乳化乃至分散液(乳化スラリー)を前記SUS容器に全て移し終えた後、30℃にて8時間脱溶剤し、固形分含有分散液(脱溶剤スラリー、固形分18.2質量%)を得た。
次いで、脱溶剤スラリーを60℃にて10時間熟成を行い、分散スラリーを得た。
−洗浄・乾燥−
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。
更に得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後、減圧濾過した。
減圧濾過後の濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。
得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
更に得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキをほぐし、循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、実施例9のトナー母体粒子を得た。
(実施例10)
実施例9において、水系媒体へ乳化乃至分散液を添加した後有機溶剤の除去を行う代わりに、以下に示すように固形分含有分散液(脱溶剤スラリー)に、乳化乃至分散液を添加した後有機溶剤の除去を行った以外は、実施例9と同様な方法により実施例10のトナーを製造した。また、実施例10のトナーについて、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
−脱溶剤スラリーへの乳化乃至分散液の添加−
攪拌、加熱、減圧、及び温度測定機能を有するSUS容器(容積:2000L)に、実施例9で得られた固形分含有分散液(脱溶剤スラリー、固形分18.2質量%)36.6Lを入れて貯留し、攪拌を行った。脱溶剤スラリーが撹拌翼に接触しており、脱溶剤スラリーが攪拌されているのを確認した後、該脱溶剤スラリーに、実施例9で得られた乳化乃至分散液(乳化スラリー)を一定流量(15kg/min)で投入した。
(比較例2)
実施例9において、貯留させた水系媒体への乳化乃至分散液の添加を行わず、乳化乃至分散液の調製後続けて以下に示すように、有機溶剤の除去を行った以外は、実施例9と同様な方法により比較例2のトナーを製造した。また、比較例2のトナーについて、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表1に示す。
−有機溶剤の除去−
攪拌、加熱、減圧、及び温度測定機能を有するSUS容器(容積:2000L)の撹拌翼を回転させ、中が空の状態であることを確認した後、該SUS容器に実施例9で得られた乳化乃至分散液(乳化スラリー)を一定流量(15kg/min)で投入した。最初、乳化スラリーは殆ど動かなかったが、やがて乳化スラリーが撹拌翼に接触して攪拌が開始された。
乳化スラリーを前記SUS容器に全て移し終えた後、30℃にて8時間脱溶剤し、脱溶剤スラリーを得た。
次いで、脱溶剤スラリーを60℃にて10時間熟成を行い、分散スラリーを得た。その後、実施例9と同様な方法により比較例2のトナーを製造した。
Figure 0004597821
次に、実施例9〜10及び比較例2で得られたトナーについて、粗粉量、及び微粉量を下記方法により測定した。結果を表2に示す。
<粗粉量>
トナーの粗粉量は、粒度測定器(「コールターカウンターTAII」;コールターエレクトロニクス社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定した。なお、12ch以上のトナーの量を粗粉量とした。
<微粉量>
トナーの微粉量は、平均円形度として、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−1000」;東亜医用電子株式会社製)を用いて計測した。具体的には、容器中に、予め不純固形物を除去した水100〜150mlに分散剤としての界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩)を0.1〜0.5ml添加し、更に、各トナーを0.1〜0.5g添加して分散させた。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で約1〜3分間分散処理して、分散液の濃度を3000〜10,000個/μlとして、体積平均粒径(Dv)が2μm以下のトナーの量(微粉量)を測定した。
Figure 0004597821
次に、外添剤処理済の実施例1〜10及び比較例1〜2の各トナー5質量%と、シリコーン樹脂で被覆した平均粒径40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95質量%とから常法により実施例1〜10及び比較例1〜2の各現像剤を製造した。
得られた各現像剤を用いて、以下のようにして、(a)定着性(オフセット未発生温度及び定着下限温度)、(b)画像濃度、(c)耐熱保存性、(d)クリーニング性、(e)転写性、(f)画像粒状性及び鮮鋭性、(g)カブリ、(h)トナー飛散、及び(i)帯電安定性を評価した。結果を表3及び表4に示す。
(a)定着性(オフセット未発生温度及び定着下限温度)
図5に示すベルト定着装置110を備えた画像形成装置を用いて、定着性(オフセット未発生温度及び定着下限温度)を評価した。
ベルト式定着装置110は、加熱ローラ121と、定着ローラ122と、加圧ローラ124と、定着ベルト123とを備えている。
定着ベルト123は、内部に回転可能に配置された加熱ローラ121と定着ローラ122とによって張架され、加熱ローラ121により所定の温度に加熱されている。加熱ローラ121は、内部には加熱源125が内蔵されており、加熱ローラ121の近傍に取り付けられた温度センサ127により温度調節自在に設計されている。定着ローラ122は、定着ベルト123の内側に、かつ定着ベルト123の内面に当接しながら回転可能に配置されている。加圧ローラ124は、定着ベルト123の外側に、かつ定着ベルト123の外面に、定着ローラ122を圧接するようにして当接し、回転可能に配置されている。
定着ベルト装置110では、まず、定着処理すべきトナー像が形成された記録媒体(シート)Pが加熱ローラ121まで搬送される。そして、内蔵されている加熱源125の働きにより所定の温度に加熱された加熱ローラ121及び定着ベルト123によりシートP上のトナーTが加熱されて溶融状態となる。この状態において、該シートPが定着ローラ122及び加圧ローラ124間に形成されたニップ部に挿入される。該ニップ部に挿入されたシートPは、定着ローラ122及び加圧ローラ124の回転に連動して回転する定着ベルト123の表面に当接され、加圧ローラ124の押圧力により前記ニップ部を通過する際に押圧され、トナーTがシートP上に定着される。次いで、トナーTが定着されたシートPは、定着ローラ122及び加圧ローラ124間を通過し、定着ベルト123から剥離され、ガイドGを経てトレイ(不図示)に搬送される。なお、定着ベルト123はクリーニングローラ126で清浄化される。
図5に示すベルト式定着装置においては、定着ローラ122、加圧ローラ124、加熱ローラ121及び定着ベルト123により、ベルト張力1.5kg/片、ベルト速度170mm/sec及びニップ部幅10mmの定着条件にて定着が行われた。
定着ローラ122は、直径38mm、アスカーC硬度が約30度のシリコーン発砲体製のローラである。加圧ローラ124は、直径48mmの芯金(鉄製、肉厚1mm)上にPFAチューブを被覆し、該PFA層の表面に厚さ1mmのシリコーンゴム層を被覆した直径50mm、アスカーC硬度が約75度のローラである。加熱ローラ121は、直径30mm、肉厚2mmのアルミニウム製のローラである。定着ベルト123は、ベルト直径60mm及びベルト幅310mmであり、約40μm厚みのニッケル製ベルト基体表面に厚さ約150μmのシリコーンゴム製の離型層を有し、加熱ローラ121及び定着ローラ122に張架されている。
<オフセット未発生温度>
図5に示すベルト定着装置を備えた画像形成装置を用いてオフセット未発生温度を測定した。即ち、画像形成は、画像形成装置(「IPSIO Color 8100」;株式会社リコー製)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用い、普通紙(「タイプ 6200」;株式会社リコー製)に、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各単色、及び中間色としてレッド、ブルー、及びグリーンのベタ画像を各単色で、1.0±0.1mg/cmのトナーが現像されるように調整した。得られた画像を定着ベルト(加熱ローラ)の温度を変えて図5のベルト定着装置を用いて定着し、オフセットの発生しない定着温度(オフセット未発生温度)を測定した。
<定着下限温度>
図5に示すベルト定着装置を備えた画像形成装置を用いて、画像は、画像形成装置(「IPSIO Color 8100」;株式会社リコー製)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用いて、厚紙(「複写印刷用紙<135>」;NBSリコー製)をセットし、ベタ画像で1.0±0.1mg/cmのトナーが現像されるように調整した。得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
(b)画像濃度
図5に示すベルト定着装置を備えた画像形成装置を用いて、画像は、画像形成装置(「IPSIO Color 8100」;株式会社リコー製)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用いて、転写紙(「タイプ6200」;株式会社リコー製)に各現像剤の付着量が0.4±0.1mg/cmのベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成した。得られたベタ画像における任意の3箇所の画像濃度を、分光計(「938 スペクトロデンシトメータ、X−Rite社製」を用いて測定した。画像濃度値は、3箇所の画像濃度の平均値で示した。なお、得られた画像濃度値が高い程、画像濃度が高く、高濃度の画像が形成できることを意味する。
(c)耐熱保存性
トナーを10mgずつ計量し、20mlのガラス瓶に各トナーを充填し、100回ガラス瓶をタッピングした後、温度55℃、湿度80%にセットした恒温槽に24時間放置した。このトナーを、針入度試験(JIS K2235−1991)により針入度(%)を測定した。また、低温低湿度環境(10℃、15%)に保存したトナーも同様に針入度を評価し、高温高湿、低温低湿環境で、より針入度が小さい方の値を採用した。なお、前記針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示す。
(d)クリーニング性
画像面積率95%チャートを1,000枚出力後の清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、これをマクベス反射濃度計(RD514型)で測定し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:ブランクとの差が0.005未満
○:ブランクとの差が0.005〜0.010
△:ブランクとの差が0.011〜0.02
×:ブランクとの差が0.02を超える
(e)転写性
画像面積率20%チャートを感光体から紙に転写後、クリーニングの直前における感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、これをマクベス反射濃度計(RD514型)で測定し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:ブランクとの差が0.005未満
○:ブランクとの差が0.005〜0.010
△:ブランクとの差が0.011〜0.02
×:ブランクとの差が0.02を超える
(f)画像粒状性及び鮮鋭性
単色で写真画像の出力を行い、画像粒状性及び鮮鋭性の度合を目視にて観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:オフセット印刷並である
○:オフセット印刷よりわずかに悪い程度である
△:オフセット印刷よりかなり悪い
×:従来の電子写真画像程度で非常に悪い
(g)カブリ
画像形成装置(「IPSIO Color 8100」;株式会社リコー製)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用い、温度10℃、湿度15%の環境において、各トナーを用いて画像面積率5%チャート連続100,000枚出力耐久試験を実施後、転写紙上地肌部のトナー汚れ度合を目視(ルーペ)にて観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:トナー汚れがまったく観察されず良好な状態である
○:わずかに汚れが観察される程度で問題とはならない
△:少し汚れが観察される程度である
×:許容範囲外で非常に汚れがあり問題となる
(h)トナー飛散
画像形成装置(「IPSIO Color 8100」;株式会社リコー製)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用い、温度40℃、湿度90%の環境において、各トナーを用いて画像面積率5%チャート連続100,000枚出力耐久試験を実施後、複写機内のトナー汚染状態を目視にて観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:トナー汚れがまったく観察されず良好な状態である
○:わずかに汚れが観察される程度で問題とはならい
△:少し汚れが観察される程度である
×:許容範囲外で非常に汚れがあり問題となる
(i)帯電安定性
各トナーを用いて画像面積率12%の、文字画像パターンを用い、連続100,000枚出力耐久試験を実施した。現像スリーブ上から現像剤を少量採取し、ブローオフ法により帯電量変化を測定し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
○:帯電量の変化が5μC/g以下
△:帯電量の変化が10μC/g以下
×:帯電量の変化が10μC/gを超える
Figure 0004597821
Figure 0004597821
表3〜4の結果より、以下のことが明らかである。即ち、実施例1〜8では、前記水系媒体の添加により、粒度分布の維持を図ることができ、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナーが得られた。また、該トナーは、粒子界面でのワックス、顔料などの偏在がなく、粒子内部の分散性が良好であり、架橋乃至伸長反応が円滑に進んだ結果、均一な樹脂が得られ、耐ホットオフセット性及び低温定着性に優れ、耐熱保存性も良好であった。実施例9〜10では、有機溶剤の除去の前に、予め容器に貯留させた水系媒体又は固形分含有分散液に前記乳化乃至分散液を添加することにより、有機溶剤の除去の前における油滴の会合が抑制されるため、粗粉量あるいは微粉量が少なく、粒度分布の維持を図ることができた。また、前記トナーは小粒径かつ粒度分布がシャープであるため、転写性に優れ、画像粒状性及び鮮鋭性が良好で、カブリやトナー飛散がなく、しかも帯電安定性が良好であり、画像濃度の評価結果も良好で、高画質が得られることが判った。更に、急激な有機溶剤の除去や乳化乃至分散後における油滴の会合が抑制されるため、適度な歪みを有しつつ球形に近いトナーが得られ、クリーニング性にも優れることが判った。
本発明のトナーは、耐ホットオフセット性が良好であり、低温定着性、転写性、帯電性(帯電安定性)、クリーニング性等の諸特性に優れ、小粒径かつ粒度分布がシャープであるため、カブリやトナー飛散が少なく、高品質な画像形成に好適に使用される。本発明のトナー母体粒子は、本発明のトナーの母体粒子に特に好適である。本発明のトナーを用いた本発明の現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法は、高品質な画像形成に好適に使用される。
図1は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の例を示す概略説明図である。 図2は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の例を示す概略説明図である。 図3は、本発明の画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。 図4は、図3に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。 図5は、本発明の画像形成装置におけるベルト式定着装置の一例を示す概略説明図である。 図6は、本発明の画像形成装置における静電潜像担持体(感光体)の一例を示す概略説明図である。 図7は、本発明の画像形成装置における定着手段の一例(サーフ定着装置)を示す概略説明図である。
符号の説明
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
110 ベルト式定着装置
120 タンデム型現像器
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
500 電子写真用感光体
501 支持体
502 光導電層
503 アモルファスシリコン系表面層
504 アモルファスシリコン系電荷注入阻止層
505 電荷発生層
506 電荷輸送層
600 サーフ定着装置
610 加熱体
612 定着ヒータ
620 加圧ローラ
630 定着フィルム

Claims (31)

  1. トナー材料を有機に溶解乃至分散させて調製した前記トナー材料の溶解乃至分散液を、樹脂微粒子が分散している水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、前記乳化乃至分散液の全量に対して5体積%〜100体積%の水系媒体と、を混合することを少なくとも含むことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記混合が、前記乳化乃至分散液の中に、前記水系媒体を添加することにより行われる請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記混合が、前記乳化乃至分散液を攪拌しながら前記水系媒体を添加することにより行われる請求項1から2のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  4. 前記乳化乃至分散液の調製が、バッチ式で行われる請求項1から3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  5. 前記乳化乃至分散液の調製と混合とが、同一槽内で行われる請求項1から4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  6. 前記水系媒体が、前記乳化乃至分散液の調製直後に添加される請求項2から5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  7. 前記混合が、前記水系媒体の中に、前記乳化乃至分散液を添加することにより行われる請求項1に記載のトナーの製造方法。
  8. 前記乳化乃至分散液の添加前に、前記水系媒体を、容器内に該容器の容積の0.1〜50%貯留させる請求項7に記載のトナーの製造方法。
  9. 前記混合が、前記水系媒体を攪拌しながら前記乳化乃至分散液を添加することにより行われる請求項7から8のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  10. 前記乳化乃至分散液の調製が、連続式で行われる請求項7から9のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  11. 前記水系媒体の主成分が水である請求項1から10のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  12. 前記水系媒体が無機塩を含む請求項1から11のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  13. 前記水系媒体が有機溶剤を飽和濃度以下含む請求項1から12のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  14. 前記溶媒が有機溶剤であり、前記混合後に前記乳化乃至分散液から前記有機溶剤を除去することを含む請求項1から13のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  15. 前記有機溶剤がエステル系溶剤である請求項13から14のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  16. 前記エステル系溶剤が酢酸エチルを含む請求項15に記載のトナーの製造方法。
  17. 前記トナー材料が、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを少なくとも含み、前記活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を生成しつつ該接着性基材を少なくとも含む粒子を得ることによりトナーを造粒する請求項1から16のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  18. 請求項1から17のいずれかに記載のトナーの製造方法により製造されること特徴とするトナー。
  19. 活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を少なくとも含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を微粒子が分散している水系媒体相中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、前記乳化乃至分散液の全量に対して5体積%〜100体積%の水系媒体とを混合し、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を少なくとも含む粒子を生成させて得られることを特徴とするトナー。
  20. 結晶性ポリエステル樹脂を含む請求項18から19のいずれかに記載のトナー。
  21. 前記結晶性ポリエステル樹脂のDSC吸熱ピーク温度が、50〜150℃である請求項20に記載のトナー。
  22. 前記結晶性ポリエステル樹脂のオルトジクロロベンゼン可溶分のGPCによる分子量分布が、重量平均分子量(Mw)で1,000〜30,000であり、数平均分子量(Mn)で500〜6,000であり、かつ(Mw/Mn)で2〜8である請求項20から21のいずれかに記載のトナー。
  23. 前記結晶性ポリエステル樹脂が、下記一般式(1)で表される請求項20から22のいずれかに記載のトナー。
    Figure 0004597821
    前記一般式(1)中、n及びmは、繰返単位数を表し、Lは1〜3の整数を表し、R 及びR は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又は炭化水素基を表す。
  24. 前記結晶性ポリエステル樹脂が、その赤外吸収スペクトルにおいて965±10cm −1 及び990±10cm −1 の少なくともいずれかにオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有する請求項20から23のいずれかに記載のトナー。
  25. 前記トナーの体積平均粒径(Dv)が、3〜8μmである請求項18から24のいずれかに記載のトナー。
  26. 前記トナーの体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)が、1.00〜1.15である請求項18から25のいずれかに記載のトナー。
  27. 請求項18から26のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
  28. 請求項18から26のいずれかに記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器。
  29. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項18から26のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
  30. トナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて調製した前記トナー材料の溶解乃至分散液を、微粒子が分散している水系媒体相中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、前記乳化乃至分散液の全量に対して5体積%〜100体積%の水系媒体と、を混合することを少なくとも含むことを特徴とするトナー母体粒子の製造方法。
  31. 活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を少なくとも含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製し、該溶解乃至分散液を微粒子が分散している水系媒体相中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後、該乳化乃至分散液と、前記乳化乃至分散液の全量に対して5体積%〜100体積%の水系媒体とを混合し、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を少なくとも含む粒子を生成させて得られることを特徴とするトナー母体粒子。
JP2005262666A 2004-09-16 2005-09-09 トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法 Active JP4597821B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005262666A JP4597821B2 (ja) 2004-09-16 2005-09-09 トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004270588 2004-09-16
JP2004344024 2004-11-29
JP2005262666A JP4597821B2 (ja) 2004-09-16 2005-09-09 トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006178407A JP2006178407A (ja) 2006-07-06
JP4597821B2 true JP4597821B2 (ja) 2010-12-15

Family

ID=36732542

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005262666A Active JP4597821B2 (ja) 2004-09-16 2005-09-09 トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4597821B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4453043B2 (ja) * 2007-05-16 2010-04-21 ブラザー工業株式会社 トナーおよびその製造方法
JP2009175449A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Brother Ind Ltd トナーの製造方法
JP5387946B2 (ja) * 2008-12-15 2014-01-15 株式会社リコー 水系媒体中での表面平滑化トナーの製造方法
JP5545004B2 (ja) * 2009-12-10 2014-07-09 株式会社リコー トナー、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5748095B2 (ja) 2010-03-02 2015-07-15 株式会社リコー 静電荷現像用トナー
JP2011185973A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー、画像形成装置、プロセスカートリッジ、現像剤
JP5552927B2 (ja) * 2010-07-07 2014-07-16 株式会社リコー トナー、現像剤、現像剤入り容器、プロセスカートリッジ及び画像形成方法、画像形成装置
JP2012128404A (ja) * 2010-11-22 2012-07-05 Ricoh Co Ltd トナー、並びに現像剤、画像形成装置、及び画像形成方法
CN102834782B (zh) * 2011-01-27 2015-03-25 株式会社理光 静电荷显影用调色剂
JP2013137420A (ja) * 2011-12-28 2013-07-11 Ricoh Co Ltd トナー
JP6167557B2 (ja) * 2012-09-28 2017-07-26 株式会社リコー トナーの製造方法
JP2015079195A (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 株式会社リコー トナーの製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11327202A (ja) * 1998-03-13 1999-11-26 Dainippon Ink & Chem Inc 正帯電性トナ―及びその製造方法
JP2004085892A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Dainippon Ink & Chem Inc 静電荷像現像用トナー
JP2004109397A (ja) * 2002-09-17 2004-04-08 Ricoh Co Ltd 画像形成用トナー、現像装置、現像方法
JP2004206081A (ja) * 2002-11-14 2004-07-22 Ricoh Co Ltd 画像形成用トナーおよびその製造方法と現像剤並びにこれを用いた画像形成方法と画像形成装置
JP2004219488A (ja) * 2003-01-09 2004-08-05 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2004334157A (ja) * 2003-04-17 2004-11-25 Ricoh Co Ltd 電子写真用球形トナー及び製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11327202A (ja) * 1998-03-13 1999-11-26 Dainippon Ink & Chem Inc 正帯電性トナ―及びその製造方法
JP2004085892A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Dainippon Ink & Chem Inc 静電荷像現像用トナー
JP2004109397A (ja) * 2002-09-17 2004-04-08 Ricoh Co Ltd 画像形成用トナー、現像装置、現像方法
JP2004206081A (ja) * 2002-11-14 2004-07-22 Ricoh Co Ltd 画像形成用トナーおよびその製造方法と現像剤並びにこれを用いた画像形成方法と画像形成装置
JP2004219488A (ja) * 2003-01-09 2004-08-05 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2004334157A (ja) * 2003-04-17 2004-11-25 Ricoh Co Ltd 電子写真用球形トナー及び製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006178407A (ja) 2006-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4597821B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法
JP4347174B2 (ja) トナー及びそれを用いた画像形成方法
JP4541814B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法
JP4295034B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2006293317A (ja) トナー、並びに現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP2005115029A (ja) トナー及びその製造方法、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP4681309B2 (ja) トナー、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP4681445B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法
JP4494317B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法
JP2007079486A (ja) トナー、並びに現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP4777803B2 (ja) トナーの製造方法
JP2010054669A (ja) トナー、現像剤、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP4838570B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法
JP2005115347A (ja) トナー、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP4319634B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法
JP4295182B2 (ja) カラートナー、カラートナーセット及びそれを用いた画像形成方法、画像形成装置
JP4322801B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法
JP4233964B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP4313300B2 (ja) トナーの製造方法
JP4331662B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法
JP4327053B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法
JP4607228B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法
JP4316455B2 (ja) トナー及びそれを用いた画像形成方法
JP4806252B2 (ja) トナー、並びに現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP4401914B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070412

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070412

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070515

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080822

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100420

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100921

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100922

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4597821

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131001

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250