JP5310974B2 - 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真用トナー、電子写真用現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の静電複写プロセスの画像形成に用いられるトナー、その製造方法、及び該トナーを用いた現像剤に関し、更に、該現像剤を使用する現像装置、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法に関する。
電子写真法による画像形成方法は、潜像担持体である感光体の表面に放電によって電荷を与える帯電工程と、帯電した感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、感光体表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する現像工程と、感光体表面のトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、被転写体表面のトナー像を定着する定着工程と、転写工程後に像担持体表面に残留するトナーを除去するクリーニング工程とからなる。
近年、電子写真方式を利用したカラー画像形成装置は広範に普及してきており、また、デジタル化された画像が容易に入手できることも関係して、プリントされる画像の更なる高精細化が要望されている。画像のより高い解像度や階調性が検討される中で、潜像を可視化するトナー側の改良としては、高精細画像を形成するために、更なる球形化、小粒径化の検討がなされている。粉砕法により製造されたトナーでは、これらの特性に限界があるため、球形化や小粒径化が可能な懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により製造されたいわゆる重合トナーが採用されつつある。
このような重合トナーは、特許文献1に記載のように、画像の高精彩性に対する優れた効果が望まれるものの、小粒径であることにより感光体表面への非静電的付着力が増し、転写時に感光体に残留するフィルミングが起こりやすく、また球形であることによりクリーニングブレードからのすり抜けが多くなるという問題があった。
なお、電子写真方式においては、熱ローラ等の加熱部材を使用して行われる接触加熱方式による定着工程において、加熱部材に対する離型性(以下、耐オフセット性という)が要求される。この耐オフセット性は、前記溶解樹脂懸濁法においては、特許文献2に見るように、ポリエステル樹脂前駆体を反応させたポリエステル変性樹脂を用いることによって解決が図られている。
ところで、近年では電子写真システムのさらなる省エネルギー化の試みとして、前記定着工程において、低い加熱温度下においても十分にトナーが溶融するいわゆる低温定着特性が要求されている。これに対しては、トナーの外層を耐熱性に優れたシェル層で覆い、コア部の低温定着性を損なうことなく、耐熱保存性を確保するといったいわゆるコア−シェル構造を有するトナーを用いることによる解決への試みが成されている。かかるコアシェル構造を有するトナーの製造方法としては、相分離法・塩析凝集法・in-situ重合法・スプレードライ法・界面重合法といった方法が知られている。
例えば特許文献3においては、第一の樹脂粒子と着色剤とを凝集及び融着して成るコア層表面に対し、水系媒体中で安定して分散している第二の樹脂粒子を凝集させて融着させることで、コアシェル構造を有するトナーを得る方法が開示されている。また、特許文献4ではコア粒子を含有する懸濁液中に、コア粒子よりも平均粒径よりも小さな液滴としてシェル部を形成する重合成単量体を添加し、超音波乳化機などを用いて微分散処理を行い、水溶性重合開始剤を添加して、該重合性単量体をコア粒子表面へ移行させて重合反応させることでコアシェル構造を得ている。さらに特許文献5においては、重合成単量体を重合させることで得た、着色剤を含む熱可塑性樹脂より成るコア部に対して、さらに第二番目の重合成単量体を添加し、seed重合を行うことでコアシェル構造を形成させている。特許文献6では懸濁重合により架橋トナー粒子を得た後、カプセル化用重合体の溶液に該粒子を添加し、次いでカプセル化用重合体に対して貧溶媒である溶媒を添加することで、カプセル化したトナーを得る方法が開示されている。しかしながら、これらの方法は一度コアである粒子を造粒した後にシェル相を形成する第二の工程をとることから、製造工程が複雑化したり、またはトナー造粒時にシェル相を形成するモノマーを重合させることで得ることから、製造前におけるシェル層の樹脂特性を把握することは困難であった。更に、シェル層を形成するモノマーがコア部内部に侵入/残存する可能性もあり、該モノマーがコア部内部で重合した場合においては、コア部の低温定着性を損なうこともあった。これは、特許文献7記載のような、前記溶解樹脂懸濁法における、ポリエステル樹脂前駆体を反応させたポリエステル変性樹脂をシェル層とするトナーにおいても同様であり、造粒前におけるシェル層の特性を把握できないとともに、選択しうる(変性)樹脂の範囲も限られたものであった。
また、一般に電子写真法を採用することで形成したフルカラー画像は、銀塩写真法や印刷法により形成したフルカラー画像と比較して色再現範囲が狭く、見慣れたユーザーの目で判断すると画質の点で十分なレベルに達していない。
電子写真法により形成したフルカラー画像を銀塩写真法や印刷法等で形成したフルカラー画像に匹敵する程度に高画質化させるためには、電子写真法に用いるトナー中に含まれる色材(着色剤)に、色再現範囲が広い色材、着色度の高い色材を用いる必要がある。しかし、従来色材として汎用されてきた顔料は、染料に比し耐光性及び耐熱性には優れるものの、トナー中での分散性が悪く均一に分散可能なものが少ないため、選択の幅が狭いという問題点を有する。従って、該顔料を含むトナーを用いてフルカラー画像を形成した場合、色再現範囲が狭く、着色度、透明性、精彩性、画像濃度等が十分ではない画像が形成されることになる。
この点に鑑み、トナー中での顔料の分散性を向上させることで前記課題を解決する試みが提案されており、例えば、トナーの着色度を向上させる方法として、トナー中の色剤量を増量する手法が提案されている。しかし、色剤量を増大させると、トナー表面に偏在する色剤が増加するため、トナー特性が色材の影響を大きく受け、同じく帯電特性や静電現像性、転写性を悪化させることが懸念される。
また、特許文献8では、高分子分散助剤と、該顔料と該高分子分散剤と強く相互作用する化合物(シナージスト)と、によって色材としての顔料の高分散化を図ることによって、前記課題を解決するトナーが提案されている。しかし、このようにシナージストを用いて顔料を高分散化させた場合、シナージストによってトナーの帯電特性や静電現像性、転写性を悪化させてしまうことがある。
このように、電子写真法においては、高精細画像・高色再現性・転写性・定着性・保存性・クリーニング性などといった様々な諸特性においてトレードオフの関係が存在し、これらの諸特性を両立させることは長年の課題となっていた。トレードオフの関係を満たすためには、トナーの内層に求められる機能(例えば着色、低温定着性等)と、外層に求められる機能(例えば転写性、流動性、クリーニング性、耐熱保存性、耐フィルミング性)をトナーの構造を制御することによって、外層と内層の機能を分離させることにより達成することが期待できる。
かかる問題に対して、トナーの外層を耐熱性に優れたシェル層で保護する、いわゆるコアシェル構造を有するトナーによって、耐熱保存性と定着性を両立しようとする試みがなされている。しかしながら、耐熱層であるシェル層の厚みによっては定着時にコア部の溶融を阻害したり、定着時の定着ローラに対する離型剤として含有するワックスの染み出しが不十分となり、定着性が悪化し、シェル層を薄くした場合には外層による十分な保護効果が得られないという問題がある。
一方、特許文献9にはミクロポーラスなセルロース誘導体を用いたコアシェル構造のトナーが開示されている。これは、定着時にガラス転移温度の低いコアが膨張し表面のシェルを押し広げようとするが、ミクロポーラス構造が存在することによりこの膨張力が穴の部分に応力集中してシェルが割れやすくなり、容易にトナーであるコアが露出することで耐熱保存性と定着性の両立を図るものである。しかし、均一に外層を覆うシェル層がコア部の融着を阻害することに変わり無く、優れた定着性の実現において未だ不十分なものであった。
なお、これらのコアシェル構造を有するトナーは、基本的にコア部の形状が最終的なトナー形状を成すものであり、シェル層を設けることによって転写性・クリーニング性に対して積極的に改善を図るものではなかった。本来真球に近い形状になる粒子を、適度に球形から異形化させることにより、クリーニング性、流動性、転写性を向上させることができ、トナーの形状を所望の形状に制御することも長年の課題となっていた。
この問題に対しては、例えば特許文献10〜12のようにシェル層に段差や凹凸を設けることによるクリーニング性向上の技術が開示されているが、これらの公報に記載の発明はシェル化や表面の凹凸化に必要な第二・第三の工程を踏むものであり、製造工程が増えてしまうことによる高コスト化の問題がある。
一方、特許文献13〜14には母体粒子に対して機械的に小粒径の樹脂粒子を埋没させる技術が開示されている。これらは樹脂粒子による母体粒子上に非連続で独立した樹脂相を形成することにより、母体粒子を構成する樹脂の優れた定着性を損なうことなく、突出した小粒径の樹脂粒子による優れた耐熱保存性を確保できる。しかしながら、該文献のように機械的・熱的な手法で表面の凹凸を設けた場合には、表面の凹凸部は機械的なストレスに対してはがれやすく、凹凸部の固定は未だ十分ではない。
また、特許文献15のように、官能基を有する母体粒子に対してカルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物などの反応可能な有機化合物を浸漬または混合させることによって粒子表面の突起部を母体粒子に対して化学的に結合させる造粒方法も開示されている。この方法によれば、突起は母体粒子と化学的に結合し、なおかつ内部に含浸した構造をとる上で強固な構造を保持できる。しかしながら、当該工程は一度母体粒子を製造した後に、母体粒子上の官能基と反応可能な反応基を有する有機化合物を溶解乃至分散させて混合し、母体粒子上で反応・突起形成を行う第二の工程を必要とするものであり、トナー製造における工程は煩雑なものとなる。また、該文献における該粒子の帯電性や熱特性といったトナーとしての機能については言及されておらず、該文献記載の突起部の大きさ乃至母体粒子の露出の度合いと、トナーとしての効果についても述べられていない。
特許第3486707号公報 特許第3640918号公報 特許第3786107号公報 特開2004−004506号公報 特許第3305998号公報 特開平2−259657号公報 特開2005−301261号公報 特開平11−231572号公報 特開2006−065001号公報 特開2005−274964号公報 特許第2844795号公報 特許第2762507号公報 特許第2750853号公報 特許第2838410号公報 特開2005−17773号公報
上述のように、従来では、耐凝集性、帯電性、流動性、転写性、定着性等の諸特性に優れ、着色剤の分散性が良好で、色再現範囲が広く、着色度、透明性及び精彩性を十分に改善でき、銀塩写真法や印刷法等で形成したフルカラー画像に匹敵する高画質が得られるトナー及びその効率的な製造方法、並びに、該トナーを用いた技術は、未だ提供されていないのが現状である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、色再現範囲が広く、着色度、透明性及び精彩性を十分に改善でき、かつ、耐凝集性、帯電性、流動性、転写性、定着性も確保され、高画質画像を得ることができる電子写真用トナーを提供することを目的とする。また、該電子写真用トナーの製造方法、該トナーを含む電子写真用現像剤、該電子写真用現像剤を用いて行う画像形成方法、該電子写真用現像剤を用いる画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
発明者等が前記課題について鋭意検討を行った結果、溶解懸濁法を用いたトナー母体粒子の製造方法において、互いに非相溶な第一の結着樹脂と第二の結着樹脂をトナーの結着樹脂として溶剤に溶解させ、造粒・脱溶剤・洗浄・乾燥の過程で前記2樹脂を相分離させて、第一の結着樹脂を含む第一の樹脂相の一部もしくは全部が前記第二の結着樹脂を含む第二の樹脂相に被覆されていることで前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、溶解懸濁法において、トナー組成物の溶解液又は分散液の段階では、前記2樹脂がトナー組成液の溶媒が媒介することによって、互いに完全に相溶、またはそれに近い状態を保っているため、トナー組成物の溶解液又は分散液は2樹脂が分離せずに、2つの樹脂は均一に近い状態を保っている。造粒後、溶剤が脱離した後には、2樹脂を相溶化させていた溶剤がなくなるため2樹脂が1粒子内で相分離し、1粒子内で第一の樹脂相と第二の樹脂相で相分離した状態を取り、第二の樹脂相が第一の樹脂相の表層を全て、もしくはその一部を被覆した構造を形成する。そのため、トナー内層に保持させたい機能を第一の樹脂相に含まれる樹脂、及びその他構成材料により発現させ、トナー外層に保持させたい機能を第二の樹脂相に含まれる樹脂及びその他構成材料により発現させることにより、内層と外層の機能分離を達成させ、これまでトレードオフとなってきたトナーに対して必要な特性を満たすことが可能となった。
第一の樹脂相を第二の樹脂相が完全に被覆する、いわゆるコアシェル構造に近い形態をとる場合には、例えばトナーの帯電保護層、耐熱保護層として第二の樹脂相を機能させることができる。
また、トナー母体粒子に対して、突起状に第二の樹脂相が被覆する場合には、完全に被覆されたコアシェル構造に比べて、母体粒子を構成する前記第一の樹脂相を適度に表面に露出させることで、定着時にシェル層に阻害されること無くコアであるトナー同士の融合を可能とする。また、前記第二の樹脂相はトナー表面において、非連続で独立した隆起部を構成することにより、隆起部がスペーサーの役割を為し、保存時の母体粒子同士の接触が抑えられることによる優れた耐熱保存性を確保することが出来る。なお、コアシェル構造に比べて表面は母体粒子を構成する前記第一の樹脂相が一部露出した形状であるため、真球状からの適度な異型化がなされており、感光体上において隆起部を介して接するため、トナーの接触面積が低減することで、優れた転写性、クリーニング性を有する。さらに表面に露出する前記第二の樹脂相は母体粒子と強固に結着しており、機械的なストレスに対しての耐久性も有する。
また、トナーに含まれるその他の構成材料も、その構成材料の2樹脂への親和性(濡れ性)の差を利用することで、各樹脂相に対して選択的に含有させることも出来る。
例えば、第一の樹脂相に着色剤を選択的に含有させることで、顔料がトナー表面に存在した場合に生じる帯電阻害、他の画像形成部材への顔料のフィルミングを防止することが出来る。また、その他帯電制御剤、離型剤といった構成材料も必要に応じてトナーの内層、外層に任意に配置させることができ、画像形成プロセスに応じた所望の特性を持たせることが出来る。
本発明は、前記知見に基づくものであり、前記課題は次の(1)から(18)によって解決される。
(1)少なくとも第一の結着樹脂と第二の結着樹脂を有機溶媒に溶解させたトナー組成物を、乳化ないし分散させて乳化液ないし分散液を調製し、造粒した後、乾燥粉体として得られたトナー母体粒子からなる電子写真用トナーであって、前記トナー母体粒子内において、前記結着樹脂が、第一の結着樹脂を含む第一の樹脂相と、第二の結着樹脂を含む第二の樹脂相とに相分離しており、前記トナー母体粒子表面は、少なくともトナー母体粒子を構成する前記第一の樹脂相と、前記母体粒子上に非連続で独立した突起部を構成する前記第二の樹脂相よりなることを特徴とする電子写真用トナー。
)前記トナー母体粒子のTEM割断面(透過電子顕微鏡による割断面)において、前記トナー母体粒子を構成する前記第一の樹脂相の露出比率である母体粒子露出比率が、下記式1を用いて算出する値が20〜70%の範囲となることを特徴とする前記()記載の電子写真用トナー。
母体粒子露出比率=(La/L)×100・・・(式1)
(上記(式1)中、Laは、第一の樹脂相の表面露出部の外周の合計La=Σla(Laはlaの合計:laは第一の樹脂相の露出部の周長であるペリフェリである。)であり、Lはトナーの外周である。)
)前記トナー母体粒子のTEM割断面において、前記トナー母体粒子を構成する前記第一の樹脂相の露出部の周長であるペリフェリlaと、前記第二の樹脂相の露出部の周長のペリフェリlbが、下記式2及び3を満たすことを特徴とする前記()または()に記載の電子写真用トナー。
0.01<(laの平均値)/L<0.3・・・(式2)
0.01<(lbの平均値)/L<0.5・・・(式3)
(上記(式2)および(式3)中、Lはトナーの外周である。)
(4)前記トナー母体粒子のTEM割断面において、前記第二の樹脂相の前記トナー母体粒子からの隆起高さが0.1μm以上2μm以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(5)隆起高さが0.2〜0.6μmである前記(4)記載の電子写真用トナー。
)前記第一の結着樹脂と前記第二の結着樹脂を等量混合して有機溶剤中に50質量%の濃度で溶解させた溶解液をペイントシェーカーを用いて10時間攪拌した時、前記溶解液の550nmにおける透過率が0〜70%の範囲であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の電子写真用トナー。
)前記トナー母体粒子内において、前記第一の樹脂相が着色剤を含有し、前記第二の樹脂相は着色剤を含有しないことを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の電子写真用トナー。
)前記第一の樹脂相がトナー全質量に対して占める割合が、50〜95%の範囲であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(9)前記電子写真用トナーの平均円形度が0.920以上0.970以下であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
10)前記第一の結着樹脂は、ポリエステル骨格を有することを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の電子写真用トナー。
11)前記第二の結着樹脂は、シリコーン骨格を有することを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の電子写真真用トナー。
12)前記第二の結着樹脂は、スチレン−アクリル骨格を有することを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
13少なくとも第一の結着樹脂と第二の結着樹脂を有機溶媒に溶解させたトナー組成物を、乳化ないし分散させて乳化液ないし分散液を調製し、造粒した後、乾燥粉体としてトナー母体粒子を得ることからなり、
前記トナー母体粒子内において、前記結着樹脂が、第一の結着樹脂を含む第一の樹脂相と、第二の結着樹脂を含む第二の樹脂相とに相分離しており、
前記第一の樹脂相の一部が前記第二の樹脂相に被覆されていることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
14)前記(1)〜(12)のいずれかに記載の電子写真用トナーとキャリアとを含有してなる電子写真用現像剤。
15)静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、現像剤を用いて前記静電潜像を現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、を少なくとも行うことで画像を形成する画像形成方法であって、
前記現像剤が前記(14)に記載の電子写真用現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
16)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、現像剤を用いて前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像し可視像を形成する現像手段と、前記静電潜像担持体上に形成された可視像を記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着手段と、を少なくとも有して構成される画像形成装置であって、
前記現像剤が前記(14)に記載の電子写真用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
17)静電潜像担持体と、現像剤を用いて該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を現像し可視像を形成する現像手段と、を少なくとも有し、画像形成装置に着脱可能に成型されたプロセスカートリッジであって、
前記現像剤が前記(14)に記載の電子写真用現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明の電子写真用トナーは、有機溶剤に溶解している2種以上の樹脂が脱溶剤時に第一の樹脂相と第二の樹脂相に分離され、該第一の樹脂相の一部もしくは全部が該第二の樹脂相に被覆されることから、第一の樹脂相が色再現範囲、高着色度、透明性及び精彩性を確保し、第二の樹脂相がトナーの帯電特性や静電現像性、転写性を確保することができる。そのため、色再現範囲、高着色度、透明性及び精彩性に優れ、かつ、帯電特性や静電現像性、転写性、耐熱保存性に優れたトナーを提供することができる。また、第一の樹脂相、第二の樹脂相に相分離することにより、トナーの形状を球形から適度に異形化することができるため、クリーニング性に対して優位な形状を有することができる。さらに、流動性、定着性等の諸特性が良好であり、優れた低温定着性と耐熱保存性とを両立する。
また、第二の樹脂相は、第一の樹脂相より大きい帯電付与性を持つことが好ましい。これにより、第一の樹脂相が第二の樹脂相に被覆されているという形状面と相俟って帯電性の得やすいトナーを実現することが可能となる。
また、第一の樹脂相がトナー全質量に対して占める割合が50〜95%の範囲とすることにより、トナーに十分な着色力、十分な低温定着性を与えることができる。また、第二の樹脂相がトナー全質量に対して占める割合が5〜50%の範囲とすることにより、トナーに十分な帯電能力を与えることができ、且つトナーの着色力を低下させるおそれがない。
また、第二の樹脂相のトナー母体粒子露出率を30%以上とすることにより、十分な帯電能力を有するトナーを得ることができる。また、トナーの平均円形度が0.920以上0.970以下とすることにより、ドット再現性、現像性、転写性に優れ、かつ、クリーニング性にも優れたトナーを実現することができる。
また、第一の樹脂相として、ポリエステル骨格を持つ樹脂を採用することにより、定着性及び可撓性に優れたトナーを得ることができる。また、第二の樹脂相として、シリコーン骨格を持つ樹脂、あるいは、スチレン−アクリル骨格を持つ樹脂を採用することにより、帯電付与性の優れたトナーを得ることができる。
また、トナー組成物として、少なくとも活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含み、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて、第一の樹脂相中に接着性基材を含む粒子を生成させることでトナー粒子を得ることにより、粒子を形成する過程において、1粒子内で相分離した形状を保持させる作用を接着基材が持つため、第一の樹脂相、第二の樹脂相に相分離し、該第一の樹脂相の一部もしくは全部が該第二の樹脂相に被覆されたトナー母体粒子を比較的容易に形成することができる。
(トナー)
本発明のトナーは、少なくとも第一の結着樹脂と第二の結着樹脂、および着色剤を含み、更に必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等のその他の成分を含んでなる。前記結着樹脂はトナー造粒の過程で相分離して、第一の結着樹脂を含む第一の樹脂相が第二の結着樹脂を含む第二の樹脂相に一部もしくは全部被覆される形態を有する。
第一の結着樹脂と第二の結着樹脂の相分離により、得られる形状は様様であり、トナーの形状は有機溶媒を介した際の2樹脂間の相溶性、また造粒後に有機溶媒を除去した際の2樹脂間の相溶性が大きく寄与する。また相溶性以外にも、第一の結着樹脂と第二の結着樹脂と有機溶媒の比率、造粒時に与えるせん断力、水相、油相の粘度等によって制御することが可能となる。また、本発明でトナーの形状を決める主要な因子である2樹脂間の相溶性は、第二の樹脂の分子量、モノマー組成、酸価、水酸基価、アミン価等を調整することで、任意に調整することが可能になる。
以下に本発明で得られる特徴的なトナーの形状と、その際の有機溶剤の有無での2樹脂間の相溶性について示す。
−コアシェル型−
結着樹脂が以下の関係を示す際には、第一の結着樹脂と第二の結着樹脂が1粒子内で相分離を生じ、いわゆるコアシェル型に近い構造を取ることが多い。
(i)第一の結着樹脂と第二の結着樹脂を上記造粒時と同等の比率で混合し、有機溶剤中に上記造粒時と同等の濃度で溶解させた溶解物が1相の状態を呈するもの
(ii)該(i)における溶解液において、有機溶剤除去後の第一の結着樹脂と第二の結着樹脂が少なくとも互いに非相溶であること
すなわち、溶剤非存在下に於いて互いに非相溶な第一の結着樹脂と第二の結着樹脂を、造粒時と同等の濃度で有機溶剤中に溶解させた際に、溶解物が1相の状態を呈するものは、溶液中における2樹脂間の化学的、構造的な相互作用が適度に存在することで、溶液中では明確な界面を形成しない。該2樹脂を溶解させた溶解物あるいは分散物(以下油相という)を用いて乳化乃至分散させたのち、該溶剤を除去することによって、前記第一の結着樹脂と前記第二の結着樹脂はトナー粒子上で明確な界面を持って相分離して、コアシェル構造を形成することができる(図1−A)。
しかし、前記2樹脂の溶解液が2相の状態を呈する関係にあるものは、2樹脂間の前記相互作用が弱いため、造粒・溶剤除去時の相分離過程において、該2樹脂間の接触面積を最小にするようなトナー形状に変化してしまう。すなわち、第一の樹脂相よりなるトナー粒子部の一部を被覆するような形状のトナーが得られやすく、第二の樹脂相で均一に被覆されたコアシェル構造を有するトナーを製造することが困難である(図1−B)。さらに顕著な場合においては、第二の結着樹脂よりなる相が造粒時にトナーより脱離して、該2樹脂相よりなる粒子が個別に形成されることがあり好ましくない(図1−C)。
一方、前記2樹脂の溶解液が1相の状態を呈したとしても、溶剤除去後でも2樹脂が互いに相溶するものでは、該2樹脂間の化学的・構造的な相互作用が非常に強いため、トナー造粒・溶剤除去時における該2樹脂の相分離が引き起こされず、コアシェル構造を有するトナーを得ることが出来ない(図1−D)。
このため、本発明においてコアシェル構造を有するトナーを製造するには、互いに非相溶でありながら、適度に該樹脂間で化学的・構造的な相互作用を有する2樹脂を使用して造粒・溶剤除去時にトナーコア部を形成する第一の結着樹脂相の外周を、該相互作用によって第二の結着樹脂を被覆させることで達成される。
なお、ここでいう「第一の結着樹脂と第二の結着樹脂の溶解液が1相の状態を呈する」とは、該2樹脂を溶解させた溶液を静置した際に、2樹脂の溶解相が相分離して明確な界面を有さないことを示す。具体的には、まず該2樹脂を上記造粒時と同等の比率で混合し、乳鉢で均一になるように十分すりつぶした後、造粒時に使用する有機溶剤を用いて造粒時と同等の樹脂濃度となるように溶解させる。前記溶解液をペイントシェーカーを用いて10時間攪拌した後、12時間静置した状態でも溶解液に明確な界面が確認されないことが好ましい。また、該2樹脂の溶解液をペイントシェーカーで攪拌した直後の550nmにおける透過率が70%以上のものにおいては、有機溶剤の溶解性及び非相溶な該2樹脂の相互作用が良好であり更に好ましい。該測定においては、該波長における透過率が測定できる分光光度計であれば特に規定はないが、例えばUV−VIS分光光度計:UV−3100((株)島津製作所製)などが挙げられる。
前記第二の樹脂相のトナー質量に占める割合は5〜50質量%であることが好ましい。5質量%未満であると、形成されたシェル相の厚さが極薄化することで、耐熱保護層、帯電保持層等のシェル層に期待される効果が得られない場合がある。また50質量%を超えると互いに非相溶な2樹脂の相分離が促進され、造粒時に前記第二の結着樹脂が脱離して、望まれる構造が得られない場合がある。また、コア部の機能が充分発現されず、所望のトナー特性が得られない場合がある。
−突起型−
また、2樹脂間の相溶性を前述のコアシェル型より低下させることで、相分離構造はコアシェル型から粒子の一部を被覆した形状(図1B)、突起形状(図1E)になりやすい傾向がある。図2A〜Dに本発明で得られる代表的なトナーの電子顕微鏡像を示す。このように得られる突起の形態は種種多様であり、目的に応じて任意の形態に制御することが可能である。但し、粒子形状は相溶性以外の他の因子、造粒時の油相粘度、水相粘度、せん断力等によっても制御することが可能であるため、2樹脂間の相溶性のみで一義的に定義できるものではない。
トナー母体粒子を形成する第一の結着樹脂と、トナー表面に非連続で独立した突起部を構成する第二の結着樹脂とは互いに非相溶であることが望ましい。この非相溶性は、具体的に次のような手順で測定される。
まず第一の結着樹脂と第二の結着樹脂の2樹脂を等量混合し、乳鉢で均一になるようにすりつぶした後、この混合樹脂を酢酸エチルに対して50wt%の濃度となるように溶解させる。前記溶解液をペイントシェーカーで10時間攪拌した後、樹脂溶解液の550nmにおける透過率を測定する。測定には該波長における透過率が測定できる分光光度計であれば特に規定は無く、例えばUV−VIS分光光度計:UV−3100((株)島津製作所製)などが挙げられる。
2樹脂が互いに非相溶であれば、振とう攪拌した際に白濁を生じる。その際の透過率が0〜70%の範囲にあるものは目視での白濁も確認され、2樹脂が互いに非相溶であることが確認できる。
透過率が70%を超えると溶解液中での非相溶性は弱く、これら2樹脂を用いて、造粒すると、造粒の過程で第二の結着樹脂同士が表面で大きなドメインを形成し、トナー母体粒子である第一の結着樹脂の表面露出を低下させ、突起型により望まれるトナー機能(例えばクリーニング性、流動性)を付与できない場合がある。
(母体粒子露出比率の測定)
トナー母体粒子を形成する前記第一の樹脂相のトナー表層への露出比率の算出法としては特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば下記の方法が挙げられる。
図3aに本発明のトナー母体粒子の断面TEM観察像(透過電子顕微鏡を用いた割断面の観察像)の模式図を示す。
断面図において、トナー粒子による外周Lにおいて、トナー母体粒子を構成する前記第一の樹脂相が表面に露出した部位の周長(ペリフェリ)をla、前記第二の樹脂相の露出部の周長(ペリフェリ)をlbとする。このとき、前記第一の樹脂相の露出比率は下記式で算出される。
(母体粒子露出比率)=(前記第一の樹脂相の表面露出部位の外周の合計La/トナー母体粒子の外周L)×100
ここでLa=Σla(laの合計)である。
(隆起高さdの測定)
前記第二の樹脂相のトナー母体粒子からの隆起高さの算出法としては、下記の方法が挙げられる。
図3bに本発明のトナーの隆起部のTEM割断面の模式図を示す。第二の樹脂相の再外周点を点Aとし、点Aに接線Laを引く。前記接線Laの垂線をLbとする。第一の樹脂相の再外周部と第二の樹脂相の接点をそれぞれ点B,Cとし、線BCを引く。線BCと、垂線Lbの交点を点Dとし、(点AD間の距離)=d1とする。同様に各突起の隆起高さを算出し、その平均値を、隆起高さdとする。
TEM観察の方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー母体粒子を十分分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させて得られた硬化物を、四三酸化ルテニウムを用いて染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い、薄片状のサンプルを切り出し透過電子顕微鏡(TEM)を用いてトナー母体粒子の断層形態を観察した。上記式により、50点以上のTEM像から算出した平均値を母体粒子露出比率とする。
本発明では突起型の場合、前記第一の樹脂相のトナー表面露出比率が20〜70%であることが好ましい。20%未満であると、第二の樹脂相で覆われた部位が多くなり、トナー母体粒子である第一の樹脂相の定着時の融合が阻害される場合がある。また、70%を超えると第二の樹脂相の表面露出が少なくなり、保存時に第一の樹脂相によるトナー母体粒子同士の接触が増えて、十分な保存安定性が得られない場合がある。
上記したlaとlbとは、以下の式を満たすことが更に好ましい。
0.01<(laの平均値)/L<0.3
0.01<(lbの平均値)/L<0.5
この時、(laの平均値)/Lの値が0.3以上であったり、(lbの平均値)/Lの値が0.01以下だと、第一の樹脂相が広範囲にわたって表面に露出することから、保存時にトナー母体粒子同士の接触面積が増えて、十分な保存安定性が得られない。また、(laの平均値)/Lの値が0.01以下であったり(lbの平均値)/Lの値が0.5以上だと、表面に非連続で独立した隆起部を構成する第二の樹脂相の表面露出率が増えることにより、定着時に第一の樹脂相の溶融を阻害する場合がある。
前記第二の樹脂相よりなる隆起部は母体粒子表面から少なくとも0.1μm以上2μm以下の高さを有することが好ましい。0.1μm以下であると第二の樹脂相の十分なスペーサーとしての効果が得られず、望まれる保存安定性やクリーニング性が得られない場合がある。また、2μmを越すと、定着性が悪化する場合があり、隆起部の機械的ストレスに対する十分な強度が得られない場合がある。
また、突起型における第二の結着樹脂においては、特にジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを第4級化して得られる4級アンモニウム塩単位を有するスチレン−アクリル共重合体が好ましく、このような樹脂を第二の結着樹脂として用いることにより、第二の結着樹脂を含む第二の樹脂相は、母体粒子表面上に適度に偏在するとともに、母体粒子を構成する前記第一の樹脂相を表面に露出させることができる。
突起型においても、前記第二の樹脂相のトナー質量に占める割合は5〜50質量%であることが好ましい。5質量%未満であると、前記第二の樹脂相の表面露出や隆起が抑えられ、期待される転写性・クリーニング性・保存性が得られない場合がある。また50質量%を超えると互いに非相溶な2樹脂の相分離が促進され、造粒時に前記第二の樹脂相が脱離して、望まれる構造が得られない場合がある。
(結着樹脂)
本発明の結着樹脂としては、少なくとも2種類以上の樹脂を含む以外には特に制限はなく、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミド樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等、公知の結着樹脂を用いることができる。
―第一の結着樹脂―
この中でも前記第一の結着樹脂には、定着時にシャープにメルトし、画像表面を平滑化できる点で、低分子量化しても十分な可とう性を有しているポリエステル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂に更に他の樹脂を組み合せて用いても良い。
本発明で用いるポリエステル樹脂とは、一般式(1)
A−(OH)m (1)
[式中、Aは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。mは2〜4の整数を表す。]
で表される1種若しくは2種以上のポリオールと一般式(2)
B−(COOH)n (2)
[式中、Bは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。nは2〜4の整数を表す。]
で表される1種若しくは2種以上のポリカルボン酸とをポリエステル化したものである。
一般式(1)で表される具体的なポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールA酸化エチレン付加物、ビスフェノールA酸化プロピレン付加物、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA酸化エチレン付加物、水素化ビスフェノールA酸化プロピレン付加物等が挙げられる。
一般式(2)で表される具体的なポリカルボン酸としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(トリメリット酸)等が挙げられる。
第一の樹脂相はトナー全質量に対して50〜95%の範囲であることが好ましい。第一の樹脂相が50%以下であると、顔料分散相のトナーに占める割合が低いため、トナーが充分な着色力を得にくい場合がある。また充分な低温定着性が得られない場合がある。
―第二の結着樹脂―
第二の結着樹脂としては特に制限はないが、第一の結着樹脂に比べて、高い帯電付与性を持つことが好ましい。トナーに帯電性を付与するという観点から、シリコーン樹脂、スチレン―アクリル樹脂が好ましい。前記樹脂を用いる場合、トナーの帯電性を向上させることが比較的容易で、帯電特性や静電現像性・転写性を向上させることができる。
シリコーン樹脂としては、シロキサン結合を有する構造単位として、RkSiO−を組み合せてできる三次元網状構造を有する樹脂を挙げることができる。この構造単位中、例えば、Rがメチル、エチルなどのアルキル基やフェニル基等の芳香族基よりなるストレートシリコーンレジンや、Rの一部をアルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性した樹脂等が挙げられるが、これに限るものでなく、母体粒子を構成する樹脂との相溶性に応じて適宜選択される。またkは1〜3の整数である。たとえばMe3SiO−(Me2SiO)s−SiOMe3などが挙げられるが、骨格(または繰り返し単位)としてジメチルシリコーン(−(Me2SiO)s−)、ジフェニルシリコーン(−(φ2SiO)s−:φはフェニル基)、フェニルメチルシリコーン(−(MeφSiO)s−)を有するシリコーン樹脂のMe基、フェニル基は前記したR基と同様、その一部をアルキド、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂等が挙げられる。なお式中sは繰り返しの数(繰り返し単位数)である。
スチレン-アクリル樹脂としては、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体が挙げられ、またスチレン−その他の樹脂との共重合体としては、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
また、これらは必要に応じてカルボン酸、水酸基、4級アンモニウム塩などの官能基を含有するモノマーまたはオリゴマーを共重合させたものであっても良い。これら官能基を有するモノマーの比率や、分子量を調整することにより前記第一の樹脂との相溶性を調整することが可能となる。
―第一の樹脂相・第二の樹脂相の判別法―
トナー1粒子内における第一の樹脂相、第二の樹脂相の判別法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば下記の方法が挙げられる。簡易的には光学顕微鏡により直接観察を行い、トナー粒子内で着色剤含有相と未含有相に分離する構造を持つかどうか判断できる。第二の樹脂相のドメイン径が比較的大きい場合(1um以上程度)、光学顕微鏡により粒子内の相分離構造を直接観察できる。第二の樹脂相のドメイン径が微小で光学顕微鏡での判別が困難である場合、トナーをエポキシ樹脂に包埋して約100μmに超薄切片化し、四酸化ルテニウム等の重金属酸化物により染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率10,000倍で観察を行い、写真撮影する。樹脂組成により重金属酸化物による染色のされやすさが異なるため、異なる樹脂に対してコントラストを得ることができる。この写真を用いて、第一の樹脂相と第二の樹脂相の相分離を有するか画像評価することにより判別可能である。
本発明の電子写真トナーにおいては、トナー組成物中に活性水素基含有化合物と該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を含有させ、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて、第一の樹脂相中に接着性基材を含むトナー粒子を得ることにより、粒子を形成する過程において、1粒子内で相分離した形状を保持させる作用を接着基材が持つため、第一の樹脂相、第二の樹脂相に相分離し、該第一の樹脂相の一部もしくは全部が該第二の樹脂相に被覆されたトナー母体粒子を比較的容易に形成することができ、好ましい。
(活性水素基含有化合物)
活性水素基含有化合物は、水系媒体中で、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体がイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、該イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、アミン類(B)が好適である。
アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)、などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が特に好ましい。
ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、等が挙げられる。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4'−ジアミノ−3,3'ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、等が挙げられる。また、アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。また、アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。また、アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、等が挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、B1からB5のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
なお、活性水素基含有化合物と活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いる。反応停止剤を用いると、接着性基材の分子量等を所望の範囲に制御することができる点で好ましい。該反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)、などを用いることができる。
アミン類(B)と、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3〜3/1であるのが好ましく、1/2〜2/1であるのがより好ましく、1/1.5〜1.5/1であるのが特に好ましい。何故なら、混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
(活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等を用いることができる。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。なお、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
プレポリマーにおける活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)が特に好ましい。
ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、等が挙げられる。ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)における該ウレア結合生成基が該イソシアネート基である場合、該ポリエステル樹脂(RMPE)としては、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)等が特に好適である。
イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの、等が挙げられる。
ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジオール(DIO)単独、又はジオール(DIO)と少量の3価以上のポリオール(TO)との混合物、が好ましい。
ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。また、脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。また、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。また、ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。また、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。また、3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。また、3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノール体(本州化学工業株式会社製のトリスフェノールPAなど)、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。また、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物におけるジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はジカルボン酸(DIC)と少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
ジカルボン酸としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、等が挙げられる。また、アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。また、アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。また、芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
ポリカルボン酸(PC)としては、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物におけるジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])が、通常、2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのが特に好ましい。
ポリオール(PO)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。何故なら、含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがあるからである。
ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。また、脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジイソシアナト−3,3'−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。また、イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。これらは、1種単独でも使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
活性水素基含有ポリエスエルの活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
ポリイソシアネート(PIC)と、活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1でるのがより好ましく、3/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。何故なら、イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがあるからである。
ポリイソシアネート(PIC)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。何故なら、含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがあるからである。
イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4がより好ましい。何故なら、イソシアネート基の平均数が1未満であると、ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、3,000〜40,000が好ましく、4,000〜30,000がより好ましい。何故なら、重量平均分子量(Mw)が、3,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、40,000を超えると、低温定着性が悪化することがあるからである。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×102、4×102、1.75×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、及び4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、着色剤を含有すること以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
前記着色剤は2樹脂に対する親和性の差を利用することで、第一の樹脂相、第二の樹脂相いずれにも任意に含有させることが出来る。着色剤はトナー表面に存在した際にトナーの帯電性能を悪化させることが良く知られている。そのため内層に存在する第一の樹脂相に選択的に着色剤を含有させることで、トナーの帯電性能(環境安定性、電荷保持能、帯電量等)を向上させることが出来る。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が50〜120℃の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、前記樹脂と分散されることにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好である。
前記離型剤としては、例えば、ロウ類、ワックス類、等が好適に挙げられる。
前記ロウ類及びワックス類としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜120℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。
前記融点が、50℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、120℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
前記離型剤は2樹脂に対する親和性の差を利用することで、第一の樹脂相、第二の樹脂相いずれにも任意に含有させることが出来る。トナー外層に存在する第二の樹脂相に選択的に含有させることで、離型剤の染み出しが定着時の短い加熱時間でも充分生じるため、充分な離型性を得ることができる。また、離型剤を内層に存在する第一の樹脂相に選択的に含有させることで、感光体、キャリア等の他の部材への離型剤のスペントを抑制させることができる。本発明では、離型剤の配置を比較的自由に設計することがあり、各々の画像形成プロセスに応じて任意の配置を取ることが出来る。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、等が挙げられる。
前記帯電制御剤は2樹脂に対する親和性の差を利用することで、第一の樹脂相、第二の樹脂相いずれにも任意に含有させることが出来る。トナー外層に存在する第二の樹脂相に選択的に含有させることで、より少量の帯電制御剤によって停電に対する効果を得やすくなる。また、帯電制御剤を内層に存在する第一の樹脂相に選択的に含有させることで、感光体、キャリア等の他の部材への帯電制御剤のスペントを抑制させることができる。本発明では、帯電制御剤の配置を比較的自由に設計することがあり、各々の画像形成プロセスに応じて任意の配置を取ることが出来る。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。該含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
(無機微粒子)
無機微粒子は、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用する。この無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5〜500nmがより好ましい。また、無機微粒子のトナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
(流動性向上剤)
流動性向上剤とは、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止する剤のことであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。シリカ、酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
(クリーニング性向上剤)
クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加される剤のことであり、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
(磁性材料)
磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等を用いることができる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
(平均円形度)
トナーの平均円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長を、実在粒子の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定を行う。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100〜150mLを入れ、分散剤として界面活性剤0.1〜0.5mLを加え、さらに、測定試料0.1〜9.5g程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000〜10,000個/μLにしてトナーの形状及び分布を測定する。
本発明のトナーは平均円形度が0.920以上0.970以下であることが好ましい。平均円形度が前記範囲内にある場合、平均円形度が前記範囲内にあることで、ドット再現性、現像性、転写性に優れ、かつ、クリーニング性にも優れた形状を得ることができる。
<トナーの製造方法>
本発明のトナー製造方法としては、トナー組成物を有機溶媒中に溶解又は分散させて形成した溶解物又は分散物を、乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後トナーを造粒することによるものであり、以下の工程1)〜6)より成る。
1)トナー組成物の溶解乃至分散液の調製
前記トナー組成物の溶解乃至分散液は前記組成物を有機溶剤に溶解乃至分散させてなる。
前記トナー組成物としては、トナーを形成可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、第一の結着樹脂と、第二の結着樹脂と、着色剤と、必要に応じて活性水素基含有化合物、及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)を少なくとも含み、更に必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等の前記その他の成分を含んでなる。
前記トナー組成物の溶解乃至分散液は、前記トナー組成物を前記有機溶剤に溶解乃至分散させて調製することで得られる。なお、前記有機溶剤は、トナーの造粒時乃至造粒後に除去される。
前記有機溶剤としては、前記トナー組成物を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、等が挙げられるが、エステル系溶剤であるのが好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー組成物100質量部に対し、40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部が更に好ましい。
なお、前記トナー組成物の中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、後述する水系媒体の調製において、該水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、前記トナー組成物の溶解乃至分散液を前記水系媒体に添加する際に、該溶解乃至分散液と共に前記水系媒体に添加してもよい。
2)水系媒体の調製
前記溶解物乃至分散物は水系媒体中で乳化乃至分散させることが好ましい。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、前記水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水系媒体の調製は、例えば、樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させることにより行うことができる。該樹脂微粒子の該水系媒体中の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10質量%が好ましい。
前記樹脂微粒子としては、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
なお、前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
また、前記樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を含んでなる共重合体を用いることもできる。
前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどが挙げられる。
前記樹脂微粒子は、目的に応じて適宜選択した公知の方法に従って重合させることにより得ることができるが、該樹脂微粒子の水性分散液として得るのが好ましい。該樹脂微粒子の水性分散液の調製方法としては、例えば、
(i)前記ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法、
(ii)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法、
(iii)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、
(iv)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、
(v)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、
(vi)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次に溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、
(vii)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法、
(viii)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、
などが好適な調製方法として挙げられる。
また、前記水系媒体においては、必要に応じて、後述の乳化乃至分散時における、前記溶解乃至分散液の油滴を安定化させ、所望の形状を得つつ粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、等が挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。該陽イオン界面活性剤の中でも、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。該カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子社製);フロラードFC−135(住友3M社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。
前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。
前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。
前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。
前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。
前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
前記分散液の調製においては、必要に応じて分散安定剤を用いることができる。
該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。
また、前記溶解乃至分散液の第一の結着樹脂として活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)を含む場合においては、前記水系媒体中に例えばジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどの該反応における触媒を用いることも出来る。
3)乳化乃至分散
前記トナー組成物の溶解乃至分散液の前記水系媒体中への乳化乃至分散は、前記トナー組成物の溶解乃至分散液を前記水系媒体中で攪拌しながら分散させるのが好ましい。該分散の方法としては、特に限定されるものではないが、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(在原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。中でも、粒径の均一化の観点から、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーを用いることが好ましい。
なお、前記溶解乃至分散液が活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)を含む場合においては、該乳化乃至分散時に該反応が進行し、接着性基材が生成する。反応条件としては特に制限はなく、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と前記活性水素基含有化合物との組合せに応じて適宜選択することができるが、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
(接着性基材)
接着性基材は、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを少なくとも含む。なお、さらに公知の結着樹脂から適宜選択した結着樹脂を含んでいてもよい。
接着性基材の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3,000以上が好ましく、5,000〜1,000,000がより好ましく、7,000〜500,000が特に好ましい。何故なら、重量平均分子量が、3,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
接着性基材のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、30〜70℃が好ましく、40〜65℃がより好ましい。何故なら、ガラス転移温度(Tg)が30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがあるからである。本発明の電子写真用トナーでは、架橋反応、伸長反応したポリエステル樹脂が共存することにより、従来のポリエステル系トナーと比較してガラス転移温度が低くても良好な保存性を示す。
ガラス転移温度(Tg)は、例えば、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、以下の方法により測定する。
まず、トナー約10mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットにのせ、電気炉中にセットする。室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置し、室温まで試料を冷却して10min放置する。その後、窒素雰囲気下、150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して示差走査熱量計(DSC)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、TG−DSCシステムTAS−100システム中の解析システムを用いて、ガラス転移温度(Tg)近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点からガラス転移温度(Tg)を算出する。
接着性基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエステル系樹脂、などが特に好適である。
ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレア変性ポリエステル系樹脂、などが特に好適なものとして挙げられる。
ウレア変性ポリエステル系樹脂は、活性水素基含有化合物としてのアミン類(B)と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としてのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)とを水系媒体中で反応させて得られる。
ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよい。この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。何故なら、ウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
ウレア変性ポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、以下のものが挙げられる。
(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
接着性基材(例えば、ウレア変性ポリエステル樹脂)は、例えば、(1)活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含むトナー組成物の溶解ないし分散液を、活性水素基含有化合物(例えば、アミン類(B))と共に、水系媒体中に乳化ないし分散させ、油滴を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応ないし架橋反応させることにより生成させてもよく、(2)トナー組成物の溶解ないし分散液を、予め活性水素基含有化合物を添加した水系媒体中に乳化ないし分散させ、油滴を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応ないし架橋反応させることにより生成させてもよい。あるいは(3)トナー組成物の溶解ないし分散液を、水系媒体中に添加混合させた後で、活性水素基含有化合物を添加し、油滴を形成し、該水系媒体中で粒子界面から両者を伸長反応ないし架橋反応させることにより生成させてもよい。
なお、(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子に濃度勾配を設けることが可能となる。
乳化ないし分散により、接着性基材を生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と活性水素基含有化合物との組み合わせに応じて適宜選択することができる。なお、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
水系媒体中において、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む分散体を安定に形成する方法としては、例えば、水系媒体中に、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))、第一の結着樹脂、第二の結着樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤等のトナー組成物を有機溶剤に溶解ないし分散させて調製したトナー組成物の溶解ないし分散液を添加し、せん断力により分散させる方法、等が挙げられる。
乳化ないし分散において、水系媒体の使用量としては、トナー組成物100質量部に対し、50〜2,000質量部が好ましく、100〜1,000質量部がより好ましい。何故なら、使用量が50質量部未満であると、トナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなるからである。
4)溶剤の除去
前記乳化乃至分散により得られた乳化スラリーから、前記有機溶剤を除去する。
前記有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、前記油滴中の前記有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。
5)洗浄・乾燥分級等
前記有機溶剤の除去が行われると、トナー粒子が形成される。該トナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
なお、分散安定剤として前記水系媒体にリン酸カルシウム塩などの酸・アルカリに溶解可能なものを用いた場合には、塩酸などの酸によって該分散安定剤を溶解し、水洗いするなどの方法によりトナー粒子から除去することが出来る。
6)荷電制御剤・離型剤等の外添
こうして、得られたトナー粒子を、必要に応じて、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子等の無機微粒子である離型剤、帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、更に機械的衝撃力を印加することにより、該トナー粒子の表面から該離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所株式会社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢、等が挙げられる。
<トナー形状>
本実施形態の電子写真用トナーは、その形状、大きさ等の諸物性については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、体積平均粒径(Dv)、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)、針入度、低温定着性、オフセット未発生温度、等を有していることが好ましい。
トナーの体積平均粒径(Dv)としては、例えば、3〜8μmが好ましい。何故なら、体積平均粒径が3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、一成分現像剤では現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあるからである。また、8μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがあるからである。
トナーにおける体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、例えば、1.30以下が好ましく、1.00〜1.30がより好ましい。何故なら、体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.00未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力の低下や、クリーニング性の悪化につながり、一成分現像剤では現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあるからである。また、1.30を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがあるからである。
体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.00〜1.30であると、保存安定性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、特に、フルカラー複写機に使用した場合に画像の光沢性に優れる。また、二成分現像剤では長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の攪拌においても良好で安定した現像性が得られ、一成分現像剤ではトナーの収支が行われてもトナーの粒子径の変動が少なくなるとともに、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するブレード等への部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期使用(攪拌)においても良好で安定した現像性が得られ、高画質の画像を得ることが可能となる。
体積平均粒径、体積平均粒径と個数平均粒子径との比(Dv/Dn)は、例えば、ベックマン・コールター社製の粒度測定器「マルチサイザーII」を用いて測定することができる。
針入度としては、例えば、針入度試験(JIS K2235−1991)で測定した針入度が、15mm以上であることが好ましく、20〜30mmがより好ましい。何故なら、針入度が15mm未満であると、耐熱保存性が悪化することがあるからである。
針入度は、JIS K2235−1991に従って測定する。具体的には、50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に20時間放置する。このトナーを室温まで冷却し、針入度試験を行うことにより針入度を測定する。なお、針入度の値が大きいほど、耐熱保存性が優れることを示している。
低温定着性としては、定着温度低下とオフセット未発生とを両立させる観点からは、定着下限温度が低くなるほど好ましく、また、オフセット未発生温度が高くなるほど好ましい。定着温度低下とオフセット未発生とを両立させ得る温度領域としては、定着下限温度が150℃未満であり、オフセット未発生温度が200℃以上である。
なお、ここでいう定着下限温度とは、画像形成装置を用いて複写テストを行い、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロールの温度のことをいう。
また、オフセット未発生温度は、例えば、画像形成装置を用いて、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各単色、及び中間色としてレッド、ブルー、及びグリーンのベタ画像を各単色で現像されるように調整し、定着ベルトの温度が可変となるように調整して、オフセットの発生しない温度を測定することにより測定する。
本発明のトナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができる。
<他の実施形態>
上述した本発明の電子写真用トナーは、流動性、定着性等の諸特性が良好であり、優れた低温定着性と耐熱保存性とを両立する。よって、上述の電子写真用トナーは、各種分野において好適に使用することができ、特に電子写真法による画像形成に好適に使用することができる。また、後述する現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に使用することができる。
以下、現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
<現像剤>
本発明の現像剤(電子写真用現像剤)は、少なくとも上述した電子写真用トナーを含有してなる。また、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で二成分現像剤が好ましい。
上述の電子写真用トナーを用いた一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われてもトナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像を得ることができる。
また、上述の電子写真用トナーを用いた二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性を実現することができる。
キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料等を用いることができる。画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき、高画質化に有利である点では、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
芯材の粒径としては、体積平均粒径で、10〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。何故なら、平均粒径(体積平均粒径(D50))が10μm未満であると、キャリア粒子の分布において微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると比表面積が低下しトナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは特にベタ部の再現性が悪くなることがあるからである。
樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。また、ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等が挙げられる。ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。また、ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよい。導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、等が挙げられる。なお、導電粉の平均粒子径は、1μm以下が好ましい。何故なら、平均粒子径が1μmを超えると電気抵抗の制御が困難になることがあるからである。
樹脂層は、例えば、シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、等が挙げられる。
溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、等を用いることができる。
焼付手法としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などの手法を採用することができる。
樹脂層のキャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。何故なら、量が0.01質量%未満であると、芯材の表面に均一な樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがあるからである。
現像剤が二成分現像剤である場合、キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
本発明の現像剤は、上述の電子写真用トナーを含有しているので、耐凝集性、帯電性、流動性、転写性、定着性、耐熱保存性、等の諸特性に優れ、着色剤の分散性が良好で、色再現範囲が広く、着色度、透明性及び精彩性を十分に改善でき、銀塩写真法や印刷法等で形成したフルカラー画像に匹敵する高画質な画像を形成することができる。
該現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、特に、以下で説明するトナー収容容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に好適に用いることができる。
<トナー収容容器>
上述の電子写真用トナー(現像剤)を収容する容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、トナー収容容器本体とキャップとを有してなるもの、等が一例として挙げられる。
トナー収容容器本体の大きさ、形状、構造、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、形状としては円筒状等が好ましく、特に、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、が特に好ましい。
トナー収容容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましい。一例を挙げれば樹脂材料が好適であり、その中でも、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、等が好適である。
トナー収容容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述するプロセスカートリッジ、画像形成装置等に着脱可能に取り付け、トナーの補給に使用することができる。
<プロセスカートリッジ>
本発明のプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱可能に成型されており、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、現像剤を用いて該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなる。なお、必要に応じて適宜選択したその他の手段を有していてもよい。
現像手段としては、上述の電子写真用トナーあるいは上述の現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー又は現像剤を担持し且つ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなる。なお、さらに、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
上述のプロセスカートリッジは、上述の電子写真用トナー、電子写真用現像剤を用いるので、耐凝集性、帯電性、流動性、転写性、定着性、耐熱保存性、等の諸特性に優れ、着色剤の分散性が良好で、色再現範囲が広く、着色度、透明性及び精彩性を十分に改善でき、銀塩写真法や印刷法等で形成したフルカラー画像に匹敵する高画質な画像を形成することができる。
<画像形成方法および画像形成装置>
画像形成の工程(画像形成方法)は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、好ましくはクリーニング工程を含み、さらに必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
また、画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有し、好ましくはクリーニング手段を有し、さらに必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
上述の画像形成方法は、上述の画像形成装置により好適に実施することができ、静電潜像形成工程は静電潜像形成手段により、現像工程は現像手段により、転写工程は転写手段により、定着工程は定着手段により、その他の工程はその他の手段により行う。
(静電潜像形成工程/静電潜像形成手段)
静電潜像形成工程は、感光体などの静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その形状としてはドラム状が好適に挙げられる、また、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
静電潜像の形成は、例えば、静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行う。この静電潜像の形成は、静電潜像形成手段により行う。
静電潜像形成手段は、例えば、静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器と、を少なくとも有して構成される。
帯電は、例えば、帯電器を用いて静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行う。帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等を用いることができる。
露光は、例えば、露光器を用いて静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行う。露光器としては、帯電器により帯電された静電潜像担持体の表面に形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器を用いることができる。
なお、静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
(現像工程/現像手段)
現像工程は、静電潜像を、上述した電子写真用トナーまたは上述の電子写真用現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。可視像の形成は、現像手段により行う。
現像手段は、例えば、上述の電子写真用トナー又は上述の電子写真用現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、上述の電子写真用トナー又は電子写真用現像剤を収容し、静電潜像に該トナー/該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、上述のトナー収容容器を備えた現像器等がより好適である。
現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよい。例えば、上述の電子写真用トナー又は電子写真尿現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、等が好適な一例である。
現像器内では、電子写真用トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、静電潜像担持体近傍に配置されており、該マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
現像器に収容させる現像剤は、上述の電子写真用トナーを含む現像剤であるが、該現像剤は一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
(転写工程/転写手段)
転写工程は、可視像を記録媒体に転写する工程である。中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、可視像を記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。また、トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
転写は、例えば、可視像を転写帯電器を用いて静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行う。転写は、転写手段により行う。
転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、無端状の転写ベルト等が好適に挙げられる。
転写手段(第一次転写手段、第二次転写手段)は、静電潜像担持体上に形成された可視像を記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
(定着工程/定着手段)
定着工程は、定着手段を用いて記録媒体に転写された可視像を定着させる工程である。各色のトナーに対し記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、等が挙げられる。
加熱加圧手段における加熱温度は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、目的に応じて、上述の定着手段と共に、あるいはこれに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
(その他の工程/その他の手段)
除電工程は、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により行う。除電手段としては、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等を用いることができる。
クリーニング工程は、静電潜像担持体上に残留する残留トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。クリーニング手段としては、特に制限はなく、静電潜像担持体上に残留する残留トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ、等を用いることができる。
リサイクル工程は、クリーニング工程により除去した残留トナーを現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
制御工程は、上述の各工程を制御する工程であり、制御手段により行う。制御手段としては、各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器がを用いることができる。
(画像形成装置)
図4を参照して、上述の画像形成方法を実施する画像形成装置の一態様について説明する。
画像形成装置100は、静電潜像担持体としての感光体ドラム10と、帯電手段としての帯電ローラ20と、露光手段としての露光装置30と、現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有するクリーニング手段としてのクリーニング装置60と、除電手段としての除電ランプ70と、を有して構成される。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置され中間転写体50を張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。
中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されている。また、最終転写材としての転写紙95に現像像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。
また、中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器52が、感光体ドラム10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部と、の間に配置されている。
現像装置40は、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cと、を有して構成される。なお、各色現像ユニット45は、現像剤収容部42と、現像剤供給ローラ43と現像ローラ44と、を備える。
図4に示す画像形成装置100では、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。
該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、さらに転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体ドラム10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体ドラム10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
図5を参照して、上述の画像形成方法を実施する画像形成装置の他の態様について説明する。図5に示す画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置であり、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400と、を有して構成される。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。該中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架されており、時計回り(図中矢印方向)に回転する。
支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。また、支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。
図6に示すように、タンデム型現像器120は各色画像形成手段18からなる。各色画像形成手段18は、感光体ドラム10と、感光体ドラム10を一様に帯電させる帯電器60と、各感光体ドラム10に形成された静電潜像を各色カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー)を用いて現像し、各色トナー像を形成する現像器61と、各色トナー像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体ドラムクリーニング装置63と、除電器64とを備えている。
タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。露光装置21は、タンデム型現像器120を露光し、感光体ドラム10上に静電潜像を形成する。図6中、Lは、露光装置21からの露光を示す。
中間転写体50のタンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能となっている。
二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27と、を有して構成される。
また、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成するために該転写紙を反転させるシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を備えた画像形成装置100におけるフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。
先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちにスキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読み取りセンサ36で受光されることで、カラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報が得られる。
ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報に基づいて、露光装置21は、各色に対応する静電潜像を、タンデム型現像器120の感光体ドラム10に形成する。各色静電潜像は、タンデム型現像器120の各色現像器61により現像され、各色トナー像となる。
形成されたブラックトナー像、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動する中間転写体50上に、順次重ねて転写(一次転写)され、中間転写体50上に合成カラー像(カラー転写像)が形成される。
給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ58で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。
合成カラー像が転写されシート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出される。そして、定着装置25により、熱と圧力とにより合成カラー像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
上述の画像形成装置及び画像形成方法では、上述の電子写真用トナー、電子写真用現像剤を用いるので、耐凝集性、帯電性、流動性、転写性、定着性等の諸特性に優れ、着色剤の分散性が良好で、色再現範囲が広く、着色度、透明性及び精彩性を十分に改善でき、銀塩写真法や印刷法等で形成したフルカラー画像に匹敵する高画質な画像を出力することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−トナー組成物の溶解乃至分散液の調製−
−−未変性ポリエステル(低分子ポリエステル)の合成−−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が5,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃であった。
−−マスターバッチ(MB)の調製−−
水1000質量部、及びカーボンブラック「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
−−プレポリマーの合成−−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
−−ケチミン(前記活性水素基含有化合物)の合成−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30質量部及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物(前記活性水素機含有化合物)のアミン価は423であった。
ビーカー内に、前記プレポリマー10質量部、前記未変性ポリエステル60質量部、酢酸エチル130質量部、シリコーン樹脂(1)(東レダウコーニング株式会社製220FLAKE)30質量部を、攪拌し溶解させた。次いで、カルナウバワックス(分子量=1,800、酸価=2.5、針入度=1.5mm(40℃))10質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、前記ケチミン2.7質量部を加えて溶解させ、トナー組成物の溶解乃至分散液を調製した。
−水系媒体相の調製−
イオン交換水306質量部、リン酸三カルシウム10質量%懸濁液265質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を混合撹拌し、均一に溶解させて水系媒体相を調製した。
−乳化乃至分散液の調製−
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー組成物の溶解乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
−有機溶剤の除去−
攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間脱溶剤した。
−洗浄・乾燥−
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。更に得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、実施例1のトナー母体粒子を得た。
(実施例2)
実施例1において、前記シリコーン樹脂(1)(東レダウコーニング株式会社製220FLAKE)を30質量部から15質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナー母体粒子を製造した。
(実施例3)
実施例1において、前記シリコーン樹脂(1)(東レダウコーニング株式会社製220FLAKE)30質量部をスチレンアクリル共重合体(1)(藤倉化成株式会社製 電子写真トナー用樹脂系電荷制御剤アクリベースFCA−1001−NS)30質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例3のトナー母体粒子を製造した。
(実施例4)
実施例1において、前記シリコーン樹脂(1)(東レダウコーニング株式会社製220FLAKE)30質量部をスチレンアクリル共重合体(1)(藤倉化成株式会社製 電子写真トナー用樹脂系電荷制御剤アクリベースFCA−1001−NS)15質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例4のトナー母体粒子を製造した。
(実施例5)
実施例1において、前記シリコーン樹脂(1)(東レダウコーニング株式会社製220FLAKE)30質量部をスチレンアクリル共重合体(2)(藤倉化成株式会社製 電子写真トナー用樹脂系電荷制御剤アクリベースFCA−207P)30質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例5のトナー母体粒子を製造した。
(実施例6)
実施例1の『マスターバッチの調整』において、前記未変性ポリエステル1200質量部を未変性ポリエステル1000質量部とシリコーン樹脂(1)200質量部の混合物に変えた以外は同様にして、実施例6のトナー母体粒子を得た。このとき、マスターバッチの調整においてカーボンブラックは未変性ポリエステル、シリコーン樹脂(1)いずれにも含有されるため、得られたトナー母体粒子中の未変性ポリエステル相、シリコーン樹脂(1)相いずれにもカーボンブラックが含有される構成となる。
(実施例7)
実施例1中におけるトナー組成物の溶解乃至分散液を調合する際の、『ビーカー内に、前記プレポリマー10質量部、前記未変性ポリエステル60質量部、酢酸エチル130質量部、シリコーン樹脂(1)(東レダウコーニング株式会社製220FLAKE)30質量部を、攪拌し溶解させた。次いで、カルナウバワックス(分子量=1,800、酸価=2.5、針入度=1.5mm(40℃))10質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、前記ケチミン2.7質量部を加えて溶解させ、トナー組成物の溶解乃至分散液を調製した。』の工程を、『ビーカー内に酢酸エチル130質量部、シリコーン樹脂(1)(東レダウコーニング株式会社製220FLAKE)30質量部を、攪拌し溶解させた。次いで、カルナウバワックス(分子量=1,800、酸価=2.5、針入度=1.5mm(40℃))10質量部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスしてワックス分散液(1)を調製した。得られたワックス分散液(1)に、前記プレポリマー10質量部、前記未変性ポリエステル60質量部、前記マスターバッチ10質量部、及び前記ケチミン2.7質量部を加えて溶解させ、トナー組成物の溶解乃至分散液を調製した。』との工程に変更した以外は同様にして実施例7のトナー母体粒子を製造した。
このとき、実施例7のトナー母体粒子中のシリコーン樹脂相に対してワックスが選択的に含有される構成となる。
(実施例8)
以下の方法によりスチレン-アクリル共重合体樹脂の合成を行なった。
−−スチレン−アクリル共重合体樹脂の合成−−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル300質量部を仕込み、さらに表1に示す比率のスチレン−アクリルモノマー混合物300質量部、およびアゾビスイソブチルニトリル5gを投入して、常圧窒素雰囲気下60℃で6時間反応させた。次いで反応液にメタノール200質量部を加え、1時間の攪拌後上澄みを除去し、減圧乾燥させて前記スチレン−アクリル共重合体樹脂(3)〜(5)を合成した。
上記表のようにスチレンとアクリル酸の比率を任意に変えることで、未変性ポリエステルとの相溶性を調整することが可能となり、トナーの形状を任意に制御することが可能となる。
実施例1において、前記シリコーン樹脂(1)(東レダウコーニング株式会社製220FLAKE)30質量部をスチレンアクリル共重合体(3)30質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例5のトナー母体粒子を製造した。
(実施例9)
実施例1において、前記シリコーン樹脂(1)(東レダウコーニング株式会社製220FLAKE)30質量部をスチレンアクリル共重合体(4)30質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例5のトナー母体粒子を製造した。
(比較例1)
実施例1において、前記シリコーン樹脂(1)(東レダウコーニング株式会社製220FLAKE)30質量部を0質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナー母体粒子を製造した。
(比較例2)
比較例1と同様にして得られたトナー粒子の水分散液に、ブチルアクリレート3.1質量部、メチルメタクリレート6.9質量部からなる単量体混合液、4質量%濃度の過硫酸アンモニウム(APS)水溶液1.4部、並びに4質量%濃度のメタ重亜硫酸ナトリウム(SMBS)をそれぞれ逐次添加して、80℃で約5時間で反応させて重合反応を完結させた。上記懸濁液を固液分離し、希塩酸による洗浄、蒸留水による水洗を行い、充分に乾燥させることにより、コアシェル構造を有するトナーを製造した。
(比較例3)
実施例1において、前記シリコーン樹脂(1)(東レダウコーニング株式会社製220FLAKE)30質量部をシリコーン樹脂(2)(朝日化成ワッカーシリコーン株式会社製SIlRES604)30質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして比較例3のトナー母体粒子を製造した。
(比較例4)
実施例1において、前記シリコーン樹脂(1)(東レダウコーニング株式会社製220FLAKE)30質量部をシリコーン樹脂(3)(朝日化成ワッカーシリコーン株式会社製SIlRES610)30質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして比較例4のトナー母体粒子を製造した。
(比較例5)
実施例1において、前記シリコーン樹脂(1)(東レダウコーニング株式会社製220FLAKE)30質量部を実施例8において合成されたスチレンアクリル共重合体(5)に変えた以外は、実施例1と同様にして比較例5のトナー母体粒子を製造した。
−外添剤処理−
得られた実施例1〜9及び比較例1〜5のトナー母体粒子100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ(「H2000」;クラリアントジャパン社製)1.0質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用い、周速30m/sとして30秒間混合し1分間休止する処理を5サイクル行い、目開き35μmメッシュで篩い、実施例1〜9及び比較例1〜5のトナーを製造した。
次に、以下のようにして、キャリアを作製した。
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(「オルガノストレートシリコーン」100質量部、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、コート層形成液を調製した。該コート層形成液を流動床型コーティング装置を用い、粒径50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面にコーティングして磁性キャリアを作製した。
外添剤処理済の実施例1〜9及び比較例1〜5の各トナー5質量部と前記キャリア95質量部とをボールミル混合し、実施例1〜9及び比較例1〜5の各二成分現像剤を製造した。
<2樹脂の非相溶性の測定とトナー形状>
第一の結着樹脂である前記未変性ポリエステル50質量部と、第二の樹脂相として添加している各添加樹脂50質量部を混合し、乳鉢で均一にすりつぶした後、ガラス容器中で酢酸エチル50%溶液を調整した。この溶解液にジルコニアビーズを適量添加し、ペイントシェーカーにて10時間振とう攪拌をした後、該溶解液を石英セルに投入し、550nmにおける透過率を測定した。
また、未変性ポリエステル樹脂と、第二の樹脂として添加している各樹脂の酢酸エチル50%溶解液を各樹脂の比率が造粒時と同等の比率になるように作製した。各樹脂の溶解液が入ったガラス容器を15時間静置し、経時での樹脂相の分離状態を確認した。
〔溶解液相分離状態評価基準〕
相溶:静置後も溶解液が均一であり、明確な界面が形成されない
分離:静置後に2樹脂の溶解液が分離し、溶解液の上層と下層で界面が形成される
次いで、前記樹脂溶解液をOHPシート上に0.05mmのワイヤーバーを用いて塗布し、溶剤を乾燥させた後、光学顕微鏡を用いて該2樹脂の相分離状態を以下の基準で確認した。
〔脱溶剤後相分離状態評価基準〕
相溶:溶剤除去後の2樹脂において明確な海島構造が確認されない
分離:溶剤除去後の2樹脂が海島構造を形成する
また、得られた各トナー母体粒子を光学顕微鏡による観察、TEMによる断面像の観察を行い、図1のトナー断面図に最も近いものにそれぞれ分類を行った。また、それぞれのTEM断面像より、第二の樹脂相の表面露出比率の算出、隆起高さdの算出を行った。加えて、前記未変性ポリエステルと添加樹脂溶解液の透過率と相分離状態を表2に示した。
以下、実施例1〜9及び比較例1〜5の各二成分現像剤を用いて各評価を行った。結果はそれぞれ表3に示す。
<着色度>
前記タンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE 6000<70W>、株式会社リコー製)に各現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成した。得られたベタ画像における任意の6箇所の画像濃度を、分光計(938 スペクトロデンシトメータ、X−Rite社製)を用いて測定し、下記評価基準に基づいて、評価を行った。なお、この画像濃度値は、6箇所の画像濃度の平均値で示した。複写紙上で付着量が少ない場合においても充分な画像濃度が得られる場合、トナー相の厚さを減らせることができ、凸凹間の少ない、高品位な画像を得ることが出来る。
〔評価基準〕
○・・・2.0以上
△・・・1.70以上2.0未満
×・・・1.70未満
<かぶり評価>
感光体に当接するクリーニングブレードおよび帯電ローラを有する前記タンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、現像スリーブの回転方向に対して垂直な方向に1cm間隔で黒ベタと白ベタを繰り返したA4横チャート(画像パターンA)を1万枚出力したのち、白紙画像を出力し、かぶりの有無を目視評価した。
〔評価基準〕
○・・・かぶり有り
×・・・かぶり無し
<耐熱保存性(針入度)>
50mlのガラス容器に各トナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により針入度(mm)を測定し、下記基準に基づいて評価した。なお、前記針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示し、5mm未満の場合には、使用上問題が発生する可能性が高い。
〔評価基準〕
◎:針入度25mm以上
○:針入度15mm以上25mm未満
×:針入度5mm以上15mm未満
×:針入度5mm未満
<定着下限温度>
定着ローラーとしてテフロン(登録商標)ローラーを使用した(株)リコー製複写機MF−200の定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行った。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とし、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:120℃未満
○:140℃未満120℃以上
△:160℃未満140℃以上
×:160℃以上
<転写率(%)>
画像形成装置(MF2800、株式会社リコー製)を用い、各現像剤について、15cm×15cmの黒ベタ画像(マクベス反射濃度計で平均画像濃度1.38以上)を形成し、下記式4により求めた。
(式4)
転写率(%)=(記録媒体上に転写されたトナー量/静電潜像担持体上に現像されたトナー量)×100
〔評価基準〕
◎・・・90%以上
○・・・80%以上90%未満
△・・・70%以上80%未満
×・・・70%未満
<転写ムラ>
画像形成装置(MF2800、株式会社リコー製)を用い、各現像剤について、黒ベタ画像を形成し、得られた画像の転写ムラの有無を目視観察し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:転写ムラがなく、非常に良好なレベルである。
○:転写ムラがなく、良好であり、実使用上は問題がないレベルである。
△:転写ムラが少しあるが、実使用可能なレベルである。
×:転写ムラがあり、実用上問題のあるレベルである。
<ホットオフセット発生温度>
画像形成は、タンデム型カラー電子写真装置(「Imagio Neo C350」;株式会社リコー製)の定着ユニットから、シリコーンオイル塗布機構を取り去り、オイルレス定着方式に改造して、温度及び線速を調整可能にチューニングした装置前記タンデム型カラー電子写真装置を用いて、前記普通紙に、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各単色のベタ画像を各単色で、0.85±0.3mg/cmのトナーが現像されるように調整した。得られた画像を加熱ローラの温度を変えて定着し、ホットオフセットの発生する定着温度(オフセット発生温度)を測定し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:210℃以上
○:210℃未満190℃以上
△:190℃未満170℃以上
×:170℃未満
<クリーニング性評価>
前記タンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて画像面積率95%チャートを1,000枚出力後、クリーニング工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、下記評価基準に基づいて、評価を行った。
〔評価基準〕
○・・・0.010未満
△・・・0.011以上0.020未満
×・・・0.020以上
表3を見て分かるとおり、実施例1〜9で得られた本発明のトナーは、転写性、定着性、着色度、画質、耐熱保存性、クリーニング性に優れる結果となった。
実施例1〜4ではトナーの内部で着色剤含有樹脂相と着色剤を含まない樹脂相に相分離させることができ、記録紙上のトナー付着量が小量であっても、画像濃度が充分に得られるため高画質な画像が得られ、着色剤が高濃度化した際においても、帯電性能も安定しているために画像のかぶりも生じず高品位な画像が得られる。かつ、異形化が良好に行われており、クリーニング性に優れるという良好な結果が得られた。
実施例2、4、5の形態ではトナーの突起構造がスペーサーの役割を果たし、転写性、耐熱保存性が特に優れる結果が得られた。
実施例7では、第二の樹脂相に選択的にワックスが含有されているため、ホットオフセット性が特に優れる結果が得られた。
実施例8、9では第二の樹脂相が第一の樹脂相を被覆するコアシェル構造が得られた。形状が球形に近いため、クリーニング性がやや劣るが、その他は優れた特性を持つという結果が得られた。
一方、比較例1のトナーは第二の樹脂相を含まずトナーは第一の樹脂相のみにより形成されており、この場合着色度は充分であるものの、着色剤による帯電特性の悪化から画像かぶりが認められた。また、形状も新球形に近く、転写性、クリーニング性に劣るものであった。
比較例2のトナーは画質は優れているものの、トナーが母体粒子を形成した後に微粒子により皮膜化した構造を取り、形状が新球形に近く、クリーニング性に劣るものであった。またシェルを形成した微粒子の熱特性が高く、低温定着性が悪化する結果となった。
比較例4のトナーは、第一の樹脂相と第二の樹脂相がそれぞれ別々の粒子として分離した。そのため、帯電特性が不均一であり、画像かぶりが生じた。また、転写性、クリーニング性、耐熱保存性、着色度に劣るものであった。
比較例3,5は第一の樹脂、第二の樹脂が相溶化しておりトナー粒子内での相分離構造が得られていない。そのため、第一の樹脂相、第二の樹脂相のそれぞれが発揮するトナーの機能分離が発現できておらず、トレードオフとなるトナー特性を充分満たすことが出来ていない。
図1は、本発明のトナーの形状の例を示す概略説明図である。 図2は、本発明の形状の一形態の例を示す電子顕微鏡での観察像である。 図3は、本発明のトナー母体粒子の断面像の例を示す概略説明図である。 図4は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する例を示す概略説明図である。 図5は、本発明の画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。 図6は、図5に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。
符号の説明
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 コロナ帯電器
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 分離ローラ
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (17)

  1. 少なくとも第一の結着樹脂と第二の結着樹脂を有機溶媒に溶解させたトナー組成物を、乳化ないし分散させて乳化液ないし分散液を調製し、造粒した後、乾燥粉体として得られたトナー母体粒子からなる電子写真用トナーであって、前記トナー母体粒子内において、前記結着樹脂が、第一の結着樹脂を含む第一の樹脂相と、第二の結着樹脂を含む第二の樹脂相とに相分離しており、前記トナー母体粒子表面は、少なくともトナー母体粒子を構成する前記第一の樹脂相と、前記母体粒子上に非連続で独立した突起部を構成する前記第二の樹脂相よりなることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記トナー母体粒子のTEM割断面(透過電子顕微鏡による割断面)において、前記トナー母体粒子を構成する前記第一の樹脂相の露出比率である母体粒子露出比率が、下記式1を用いて算出する値が20〜70%の範囲となることを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー。
    母体粒子露出比率=(La/L)×100・・・(式1)
    (上記(式1)中、Laは、第一の樹脂相の表面露出部の外周の合計La=Σla(Laはlaの合計:laは第一の樹脂相の露出部の周長であるペリフェリである。)であり、Lはトナーの外周である。)
  3. 前記トナー母体粒子のTEM割断面において、前記トナー母体粒子を構成する前記第一の樹脂相の露出部の周長であるペリフェリlaと、前記第二の樹脂相の露出部の周長のペリフェリlbが、下記式2及び3を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナー。
    0.01<(laの平均値)/L<0.3・・・(式2)
    0.01<(lbの平均値)/L<0.5・・・(式3)
    (上記(式2)および(式3)中、Lはトナーの外周である。)
  4. 前記トナー母体粒子のTEM割断面において、前記第二の樹脂相の前記トナー母体粒子からの隆起高さが0.1μm以上2μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  5. 隆起高さが0.2〜0.6μmである請求項4記載の電子写真用トナー。
  6. 前記第一の結着樹脂と前記第二の結着樹脂を等量混合して有機溶剤中に50質量%の濃度で溶解させた溶解液をペイントシェーカーを用いて10時間攪拌した時、前記溶解液の550nmにおける透過率が0〜70%の範囲であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  7. 前記トナー母体粒子内において、前記第一の樹脂相が着色剤を含有し、前記第二の樹脂相は着色剤を含有しないことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  8. 前記第一の樹脂相がトナー全質量に対して占める割合が、50〜95%の範囲であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  9. 前記電子写真用トナーの平均円形度が0.920以上0.970以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  10. 前記第一の結着樹脂は、ポリエステル骨格を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  11. 前記第二の結着樹脂は、シリコーン骨格を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真真用トナー。
  12. 前記第二の結着樹脂は、スチレン−アクリル骨格を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  13. 少なくとも第一の結着樹脂と第二の結着樹脂を有機溶媒に溶解させたトナー組成物を、乳化ないし分散させて乳化液ないし分散液を調製し、造粒した後、乾燥粉体としてトナー母体粒子を得ることからなり、
    前記トナー母体粒子内において、前記結着樹脂が、第一の結着樹脂を含む第一の樹脂相と、第二の結着樹脂を含む第二の樹脂相とに相分離しており、
    前記第一の樹脂相の一部が前記第二の樹脂相に被覆されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載の電子写真用トナーとキャリアとを含有してなる電子写真用現像剤。
  15. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、現像剤を用いて前記静電潜像を現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、を少なくとも行うことで画像を形成する画像形成方法であって、
    前記現像剤が請求項14に記載の電子写真用現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
  16. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、現像剤を用いて前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像し可視像を形成する現像手段と、前記静電潜像担持体上に形成された可視像を記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着手段と、を少なくとも有して構成される画像形成装置であって、
    前記現像剤が請求項14に記載の電子写真用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
  17. 静電潜像担持体と、現像剤を用いて該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を現像し可視像を形成する現像手段と、を少なくとも有し、画像形成装置に着脱可能に成型されたプロセスカートリッジであって、
    前記現像剤が請求項14に記載の電子写真用現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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