JP2007148200A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分な透明性および彩度を有して高い色再現性が発揮されると共に、耐熱性および耐光性に優れて十分な画像の保存性が得られ、長期間にわたって良好な画像特性が維持される静電荷像現像用トナーの提供。
【解決手段】 静電荷像現像用トナーは、少なくともビニル系重合体を含有するビニル系樹脂微粒子と着色微粒子とを凝集、融着させてなる静電荷像現像用トナーにおいて、当該着色微粒子が、少なくとも染料と着色微粒子形成用樹脂とからなり、当該着色微粒子形成用樹脂が、前記ビニル系樹脂微粒子を構成するビニル系重合体と非相溶性の非相溶性重合体よりなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法に用いるための静電荷像現像用トナーに関する。
近年、複写機およびプリンターにおいて高画質化の要請が高く、この要請に応えるために、低コストで粒度分布がシャープな小粒径粒子が製造可能なことから、乳化重合法、懸濁重合法や分散重合法などを用いた重合トナーの製造方法が盛んに提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
一方、複写機およびプリンター用のカラートナーに要求される性能として、彩度とオーバーヘッドプロジェクターにおける画像(以下、「OHP画像」という。)の透明性のみでなく、さらにこのOHP画像を安定して維持するための耐光性などが挙げるられる。
カラートナーに用いる着色剤としては、従来、公知の有機顔料および染料が使用されているが、それぞれに種々の欠点を有している。
例えば有機顔料は、染料に比べて一般的に耐熱性や耐光性に優れているが、不溶性であるために結着樹脂中において粒径が数十〜数百nmの分散粒子として存在し、中でも例えば顔料としてキナクリドン系顔料キナクリドンレッドを用いたトナー(例えば、特許文献1参照。)や顔料としてC.I.Pigment Yellow12、13、14、16、17などのジスアゾ顔料を用いたトナー(例えば、特許文献5〜7参照。)、さらに顔料としてC.I.Pigment Yellow185を用いたトナー(例えば、特許文献8参照。)などにおいては、顔料が不溶性で凝集しやすく2次粒子や3次粒子の凝集粒子を形成した状態で結着樹脂中に存在し、しかも有機顔料の分散性は低いために、トナーが隠蔽力が強く透明性が低いものとなるので、形成された画像において重ね合わされた各色のカラートナーのうち最下層のものが、それより上層のものに隠蔽されてしまい、最下層のトナーの色彩を視認することが困難となって彩度が低下し、色再現性を阻害する、という欠点がある。そして、この色再現性の阻害は、OHP画像においては特に顕著に視認されてしまう。
一方、着色剤として染料を用いたトナー(例えば、特許文献9参照。)や、着色剤として染料と顔料とを混合して用いたトナー(例えば、特許文献10参照。)などが提案されている。一般に、染料は、トナー粒子を構成するトナー粒子形成用結着樹脂中に溶解された単分子分散状態で存在するために、形成される画像が透明性や彩度などに優れたものとなるが、その特性上、耐光性や耐熱性が顔料に比べて大きく劣るという欠点を有している。耐熱性に劣ったものであると、熱により染料が分解して画像濃度が低下してしまう。また、トナー像を接触加熱方式によって定着させる場合に、染料が熱により昇華して機内汚染を生じることもあり、さらに、重合法によって染料によるトナーを製造する場合には、トナーの製造工程において使用する水系媒体中に染料が溶出してしまい、所望の色調のカラートナーが得られない、という問題もある。
特開昭63−186253号公報 特開平6−329947号公報 特開平9−15904号公報 特開平8−320594号公報 特開平2−210363号公報 特開昭62−157051号公報 特開昭62−255956号公報 特開平6−118715号公報 特開平5−11504号公報 特開平5−34980号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、十分な透明性および彩度を有しているために高い色再現性が発揮されると共に、耐熱性および耐光性に優れているために十分な画像の保存性が得られ、従って、長期間にわたって良好な画像特性が維持される静電荷像現像用トナーを提供することにある。
上記のような課題を解決するために、本発明者らが検討を重ねた結果、着色剤である染料をビニル系重合体と非相溶性の非相溶性重合体中に含有させることにより、染料をトナー粒子中において適当な分散状態とすることができることを見出した。本発明は、この知見に基づいて完成されたものである。
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくともビニル系重合体を含有するビニル系樹脂微粒子と着色微粒子とを凝集、融着させてなる静電荷像現像用トナーにおいて、
当該着色微粒子が、少なくとも染料と着色微粒子形成用樹脂とからなり、
当該着色微粒子形成用樹脂が、前記ビニル系樹脂微粒子を構成するビニル系重合体と非相溶性の非相溶性重合体よりなることを特徴とする。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、着色微粒子が、染料およびコア粒子形成用樹脂を含有するコア粒子と、このコア粒子を被覆するシェル層形成用樹脂よりなるシェル層とからなり、
当該シェル層形成用樹脂が、前記ビニル系樹脂微粒子を構成するビニル系重合体と非相溶性の非相溶性重合体よりなる構成とすることができる。
このような静電荷像現像用トナーにおいては、着色微粒子を構成する非相溶性重合体が、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、着色微粒子を構成する染料が油溶性染料であることが好ましく、また、着色微粒子を構成する染料が金属キレート染料であることが好ましい。
また、本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、着色微粒子を構成する染料の含有割合が、着色微粒子における10〜70質量%であることが好ましい。
さらに、本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、着色微粒子の平均粒径が、体積基準のメディアン径で10〜300nmであることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーによれば、当該静電荷像現像用トナーはビニル系重合体よりなるビニル系樹脂微粒子と着色剤である染料を含有する着色微粒子とが凝集されてなるものであるところ、着色微粒子において染料がビニル系重合体と非相溶性の非相溶性重合体中に含有されているために、当該染料がトナー粒子中に所期の分散状態において分散した状態が達成され、静電荷像現像用トナーが十分な透明性および彩度を有して高い色再現性が発揮されると共に、耐熱性に優れて高い耐オフセット性が発揮され、さらに、耐光性に優れて十分な画像の保存性が得られるものとなり、その結果、この静電荷像現像用トナーにより形成された画像が、長期間にわたって良好な画像品質を維持することのできるものとなる。
また、静電荷像現像用トナーの製造過程において使用される水系媒体中への染料の溶出が抑止されて染料の分解が抑止されると共に染料の逸脱が抑止されるので、所望の色調が得られるものとなる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、少なくともビニル系重合体よりなるビニル系樹脂微粒子と着色微粒子とを凝集、融着させてなるトナー粒子により構成されるものであって、着色微粒子が、少なくとも染料と着色微粒子形成用樹脂(以下、「着色媒体樹脂」ともいう。)とからなり、当該着色媒体樹脂が、ビニル系樹脂微粒子を構成するビニル系重合体と非相溶性である非相溶性重合体よりなるものである。
また、本発明のトナーにおいては、着色微粒子が、染料とコア粒子形成用樹脂(以下、「コア樹脂」ともいう。)とよりなるコア粒子と、その外周面を被覆する実質的に染料を含まないシェル層形成用樹脂(以下、「シェル樹脂」ともいう。)よりなるシェル層とよりなる複合着色微粒子とされていてもよく、この場合、シェル樹脂が、ビニル系樹脂微粒子を構成するビニル系重合体と非相溶性の非相溶性重合体よりなるものとされる。
この複合着色微粒子とは、シェル層がコア粒子を完全に被覆している形態のみならず、コア粒子の一部を被覆しているものであってもよい。また、シェル層を構成するシェル樹脂の一部がコア粒子を構成するコア樹脂中にドメインなどを形成しているものであってもよい。さらに、シェル層は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよく、この場合、最も外側の相を構成する樹脂が非相溶性重合体よりなるものであればよい。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーを製造する方法は、少なくともビニル系樹脂微粒子と着色微粒子とを水系媒体中で凝集、融着させる方法が採られる。具体的な方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。すなわち、ビニル系樹脂微粒子と着色微粒子などを複数以上会合させる方法、特に水系媒体中にてこれらを乳化剤を用いて分散した凝集用分散液を調製し、この凝集用分散液に臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の大きさの粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、撹伴しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明のトナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
ここで、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
トナー粒子を得るために使用される凝集剤としては特に限定されるものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。
具体的には、例えばナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の塩などの一価の金属の塩、例えばカルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類の金属の塩などの二価の金属の塩、マンガン、銅などの二価の金属の塩、鉄、アルミニウムなどの三価の金属の塩などが挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガンなどを挙げることができる。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上である必要があるが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、更に好ましくは、1.5倍以上添加することが好ましい。
ここに、「臨界凝集濃度」とは、水性分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、分散された粒子成分などによって大きく変化するものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学17,601(1960)日本高分子学会編」などに記述されている手法により、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。また、別な手法として、目的とする凝集用分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その凝集用分散液のξ(ゼータ)電位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度として求めることもできる。
凝集剤と共に使用される水に対して無限溶解する有機溶媒としては、着色微粒子を構成する非相溶性重合体よりなる樹脂およびビニル系重合体よりなる樹脂を溶解させないものが選択される。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、ブトキシエタノールなどのアルコール類、アセトニトリルなどのニトリル類、ジオキサンなどのエーテル類を挙げることができ、特にエタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。
この水に対して無限溶解する有機溶媒の添加量は、凝集剤を添加した凝集用分散液に対して1〜100体積%が好ましい。
なお、トナー粒子の形状を均一性の高いものとするためには、トナー粒子を調製し、これを濾別した後にトナー粒子に対して10質量%以上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好ましいが、この場合、水に対して無限溶解する有機溶媒として、特に重合体中に極性基を有するものを使用することが好ましい。この理由としては、極性基が存在している重合体に対して、存在している水が多少膨潤する効果を発揮するために、形状の均一化が特に図られやすいからであると推定される。
<ビニル系樹脂微粒子>
ビニル系樹脂微粒子を製造する方法の一例を示せば、ビニル系樹脂微粒子を構成するビニル系重合体を形成するためのビニル系単量体中に、必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤などの各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などでビニル系単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させ、この各種構成材料が溶解あるいは分散されたビニル系単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用し、ビニル系樹脂微粒子としての所望の大きさの油滴に分散させ、その後、撹拌機構が後述の撹拌翼である反応装置(撹拌装置)へ移し、加熱することで重合反応させ、反応終了後、分散安定剤を除去することにより、本発明のトナーを構成するビニル系樹脂微粒子を得ることができる。
<ビニル系単量体>
トナー粒子を構成するビニル系樹脂微粒子を形成させるためのビニル系単量体としては、具体的には、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3, 4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2, 4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン系ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体を挙げることができる。
これらのビニル系単量体は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
ビニル系樹脂微粒子を形成させるためのビニル系単量体としては、イオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。イオン性解離基を有するビニル系単量体としては、例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基などの置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
また、ビニル系樹脂微粒子を形成させるためのビニル系単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの多官能性ビニル類を用い、ビニル系樹脂微粒子を架橋構造のビニル系重合体よりなるものとすることもできる。
〔重合開始剤〕
ビニル系樹脂微粒子を形成させるために使用される重合開始剤としては、適宜のラジカル重合開始剤を挙げることができ、例えばビニル系樹脂微粒子を懸濁重合法によって製造する場合には、油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶性重合開始剤としては、2, 2' −アゾビス−(2, 4−ジメチルバレロニトリル)、2,2' −アゾビスイソブチロニトリル、1,1' −アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2, 2' −アゾビス−4−メトキシ−2, 4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2, 4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4, 4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
また、水溶性ラジカル重合開始剤を用いることができる。この水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素などを挙げることができる。
〔分散安定剤〕
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナなどを挙げることができる。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウムなどの界面活性剤として一般的に使用されているものを使用することができる。
〔連鎖移動剤〕
ビニル系樹脂微粒子を製造する際に、当該ビニル系樹脂微粒子を構成するビニル系重合体の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
このようなビニル系重合体としては、ガラス転移点温度が20〜90℃、軟化点温度が80〜220℃であるものが好ましい。ガラス転移点温度は示差熱量分析方法によって測定されるものであり、軟化点温度は高化式フローテスターによって測定されるものである。
また、これらのビニル系重合体としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量が、数平均分子量(Mn)で1000〜100000、重量平均分子量(Mw)で2000〜1000000であるものが好ましい。さらに、分子量分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8〜70のものが好ましい。
以上のようにして得られるビニル系樹脂微粒子の平均粒径は、体積基準のメディアン径で例えば50〜300nmの範囲であることが好ましい。
<着色微粒子>
本発明のトナーを構成する着色微粒子は、例えば、着色媒体樹脂を構成する非相溶性重合体と染料とを有機溶剤中に溶解または分散させた着色微粒子形成用溶液を調製し、この着色微粒子形成用溶液を水系媒体中で乳化分散させ、その後、有機溶剤を除去することにより、得ることができる。
着色微粒子の形成に用いられる有機溶剤の具体例としては、例えば、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフランなどが挙げられ、この中では酢酸エチルを用いることが好ましい。
本発明において、「非相溶性重合体」とは、形成されるべき当該トナー粒子のビニル系樹脂微粒子を構成するビニル系重合体に対して非相溶性を示すものをいい、選択されるビニル系重合体の種類によって適宜に決定されるものである。
ここに、ビニル系重合体に対して非相溶性を示す非相溶性重合体とは、具体的には、ビニル系重合体が得られる付加重合反応によるもの以外の、例えばイソシアネート基を有する単量体を用いて重合される重付加反応によるもの、脱水を伴って重合される縮重合反応によるもの、または付加反応および縮合反応の繰り返しにより重合される付加縮合反応によるものである。
〔非相溶性重合体〕
着色媒体樹脂またはシェル樹脂を構成する非相溶性重合体としては、例えば重付加反応によるものとしてポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタン−ポリウレア樹脂、縮重合反応によるものとしてポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、付加縮合反応によるものとしてメラミン樹脂などを好適に使用することができる。
(ポリエステル樹脂)
ポリエステル樹脂としては、例えば、変性されていない未変性ポリエステル樹脂、ウレア結合によって変性されたウレア変性ポリエステル樹脂、またはウレア結合以外の化学結合によって変性された、例えばウレタン結合などによるウレタン変性ポリエステル樹脂などを単独で、あるいはこれらを混合して用いることができる。特に、ウレア変性ポリエステル樹脂と未変性ポリエステル樹脂とを混合して用いることが好ましく、このようにポリエステル樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂と未変性ポリエステル樹脂との混合物を用いることにより、得られるトナーにおいて十分な低温定着性が得られると共に、当該トナーを用いて形成したフルカラー画像における光沢性が十分なものとなる。
(ウレア変性ポリエステル樹脂)
ウレア変性ポリエステル樹脂は、例えば、ワンショット法、プレポリマー法などにより製造することができ、具体的には、例えば、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(以下、「イソシアネート基含有PEプレポリマー」ともいう。)とアミン化合物との反応により、得ることができる。
このようなイソシアネート基含有PEプレポリマーとしては、ポリオール化合物とポリカルボン酸化合物との重縮合物であり、かつ、活性水素を有するポリエステル化合物(以下、「活性水素含有ポリエステル化合物」ともいう。)に、ポリイソシアネート化合物を反応させたものなどを挙げることができる。
ポリオール化合物としては、ジオール化合物または3価以上のポリオール化合物が挙げられ、ジオール化合物単独でまたはジオール化合物と少量の3価以上のポリオール化合物との混合物として用いることが好ましい。
ジオール化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのアルキレンエーテルグリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなどの脂環式ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノール類;前記脂環式ジオールの、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド付加物;前記ビスフェノール類の、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとを併用することが、特に好ましい。
3価以上のポリオール化合物としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどなどの3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール;トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの3価以上のフェノール類;上記3価以上のフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、ジカルボン酸化合物および3価以上のポリカルボン酸化合物が挙げられ、ジカルボン酸化合物単独で、またはジカルボン酸化合物と少量の3価以上のポリカルボン酸化合物との混合物として用いることが好ましい。
ジカルボン酸化合物としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などのアルキレンジカルボン酸;マレイン酸、フマール酸などのアルケニレンジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸化合物としては、トリメリット酸、ピロメリット酸などの、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。
なお、3価以上のポリカルボン酸化合物としては、上記のジカルボン酸化合物および3価以上のポリカルボン酸化合物の酸無水物、または、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなどの低級アルキルエステルをを用いることもできる。
ウレア変性ポリエステル樹脂において、ポリオール化合物およびポリカルボン酸化合物の比率は、ポリオール化合物が含有する水酸基[OH]およびポリカルボン酸化合物が含有するカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]が、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート化合物としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなどの脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート;イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたものを挙げることができ、これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ウレア変性ポリエステル樹脂において、ポリイソシアネート化合物の比率は、当該イソシアネート化合物が含有するイソシアネート基[NCO]および活性水素含有ポリエステル化合物に由来する水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]が、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。このイソシアネート基[NCO]および活性水素含有ポリエステル化合物に由来する水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]が5を超える場合は、得られるトナーについて低温定着性が低下する。一方、このイソシアネート基[NCO]および活性水素含有ポリエステル化合物に由来する水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]が1未満である場合は、得られるウレア変性ポリエステル樹脂がウレア結合の含量が低いものとなり、得られるトナーについて耐高温オフセット性が低いものとなる。
ウレア変性ポリエステル樹脂において、イソシアネート基含有PEプレポリマーにおけるポリイソシアネ一ト化合物の含有割合は、通常0.5〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは2〜20質量%である。イソシアネート基含有PEプレポリマーにおけるポリイソシアネ一ト化合物の含有割合が0.5質量%未満である場合は、得られるトナーにおいて十分な耐高温オフセット性が得られず、また、耐熱保存性と低温定着性との両立の面において不利になる。一方、イソシアネート基含有PEプレポリマーにおけるポリイソシアネ一ト化合物の含有割合が40質量%を超える場合は、得られるトナーにおいて十分な低温定着性が得られない。
イソシアネート基含有PEプレポリマー中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基の平均個数は、通常1個以上、好ましくは1.5〜3個、さらに好ましくは1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満の場合は、得られるウレア変性ポリエステル樹脂が分子量の低いものとなり、得られるトナーにおいて十分な耐高温オフセット性が得られないおそれがある。
活性水素含有ポリエステル化合物における活性水素を含む基としては、アルコール性水酸基やフェノール性水酸基などの水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち、アルコール性水酸基が好ましい。
アミン化合物としては、ジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール化合物、アミノメルカプタン化合物、アミノ酸化合物、および、当該ジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール化合物、アミノメルカプタン化合物およびアミノ酸化合物のアミノ基をブロックしたもの(以下、「アミノ基ブロック化合物」ともいう。)などが挙げられる。
ジアミン化合物としては、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ジアミン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン;および、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミンなどが挙げられる。
3価以上のポリアミン化合物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール化合物としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン化合物としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸化合物としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などを挙げることができる。
アミノ基ブロック化合物としては、前記のジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール化合物、アミノメルカプタン化合物およびアミノ酸化合物のいずれかと、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類とから得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン化合物のうち好ましいものは、ジアミン化合物およびジアミン化合物と少量の3価以上のポリアミン化合物との混合物である。
ウレア変性ポリエステル樹脂におけるアミン化合物の比率は、イソシアネート基含有PEプレポリマーにおけるイソシアネート基[NCO]、およびアミン化合物におけるアミノ基[NHx ]の当量比[NCO]/[NHx ]が、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。イソシアネート基[NCO]およびアミノ基[NHx ]の当量比[NCO]/[NHx ]が2を超える場合や1/2未満である場合は、得られるウレア変性ポリエステル樹脂が分子量の小さいものとなり、得られるトナーにおいて十分な耐高温オフセット性が得られないおそれがある。
以上のようなウレア変性ポリエステル樹脂は、以下のように製造することができる。
例えば、まず、ポリオール化合物とポリカルボン酸化合物とを、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熟し、必要により減圧しながら生成される水を溜去して、活性水素含有ポリエステル化合物を得、次いで、40〜140℃にて、この活性水素含有ポリエステル化合物にポリイソシアネート化合物を反応させて、イソシアネート基含有PEプレポリマーを得、さらにこのイソシアネート基含有PEプレポリマーにアミン化合物を0〜140℃にて反応させることにより、ウレア変性ポリエステル樹脂が得られる。
活性水素含有ポリエステル化合物にポリイソシアネート化合物を反応させる工程、およびイソシアネート基含有PEプレポリマーとアミン化合物とを反応させる工程においては、必要に応じて溶剤を用いることもでき、このような溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;およびテトラヒドロフランなどのエーテル類などのイソシアネート化合物に対して不活性なものが挙げられる。
以上のようなウレア変性ポリエステル樹脂の製造においては、必要に応じて伸長停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステル樹脂の分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなどのモノアミンや、これらのモノアミンをブロックしたケチミン化合物などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。このウレア変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が1万未満である場合は、得られるトナーにおいて十分な耐高温オフセット性が得られないことがある。
また、ウレア変性ポリエステル樹脂の数平均分子量は、このウレア変性ポリエステル樹脂と共に未変性ポリエステル樹脂を用いる場合は、特に限定されるものではなく、前述の重量平均分子量が得られる数平均分子量とすることができる。ウレア変性ポリエステル樹脂を単独で用いる場合は、その数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。数平均分子量が20000を超える場合は、得られるトナーにおいて十分な低温定着性が得られず、また、当該トナーを用いて形成したフルカラー画像における光沢性が十分なものとならないおそれがある。
以上のウレア変性ポリエステル樹脂は、ウレア結合と共にウレタン結合を含有するものであってもよい。ウレア結合とウレタン結合との含有割合は、モル比で、通常100/0〜10/90、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合の含有割合が10%未満である場合は、得られるトナーにおいて十分な耐高温オフセット性が得られないおそれがある。
(未変性ポリエステル樹脂)
未変性ポリエステル樹脂としては、例えば、前述のウレア変性ポリエステル樹脂の活性水素含有ポリエステル化合物を得るためのポリオール化合物とポリカルボン酸化合物とを重縮合させた重縮合物などが挙げられ、前述の活性水素含有ポリエステル化合物の製造方法と同様の製造方法によって、得ることができる。
未変性ポリエステル樹脂のピークトップ分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。未変性ポリエステル樹脂のピークトップ分子量が1000未満である場合は、得られるトナーについて耐熱保存性が低いものとなり、一方、未変性ポリエステル樹脂のピークトップ分子量が30000を超える場合は、十分な低温定着性が得られないことがある。
未変性ポリエステル樹脂の水酸基価は、5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。未変性ポリエステル樹脂の水産基価が5未満である場合は、十分な耐熱保存性と十分な低温定着性とのいずれか一方しか得られないことがある。また、未変性ポリエステル樹脂の酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。未変性ポリエステル樹脂が酸価を有することにより、負帯電性のトナーを容易に得ることができる。
ポリエステル樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂および未変性ポリエステル樹脂の混合物を用いる場合は、ウレア変性ポリエステル樹脂および未変性ポリエステル樹脂について少なくとも一部が相溶していることが、十分な低温定着性および耐高温オフセット性が得られるという観点から、好ましい。従って、ウレア変性ポリエステル樹脂と未変性ポリエステル樹脂とは、類似の組成を有することが好ましい。また、ウレア変性ポリエステル樹脂および未変性ポリエステル樹脂の質量比(ウレア変性ポリエステル樹脂/未変性ポリエステル樹脂)は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。ウレア変性ポリエステル樹脂の質量比がポリエステル樹脂全体の5%未満である場合は、得られるトナーについて十分な耐高温オフセット性が得られず、また、耐熱保存性および低温定着性の両方の性質を具備することができないことがある。
本発明のトナーにおいて、着色媒体樹脂またはシェル樹脂を構成する非相溶性重合体のガラス転移点温度(Tg)は通常50〜70℃、好ましくは55〜65℃である。非相溶性重合体のガラス転移点温度が50℃未満である場合は、トナーについて十分な耐熱保存性が得られず、非相溶性重合体のガラス転移点温度が70℃を超える場合は、十分な低温定着性が得られない。
非相溶性重合体がポリエステル樹脂であって、このポリエステル樹脂がウレア変性ポリエステル樹脂と未変性ポリエステル樹脂との混合物である場合は、ウレア変性ポリエステル樹脂が含有されていることによって、得られるトナーが、公知のポリエステル系トナーと比して、低いガラス転移点温度であっても十分な耐熱保存性が得られる。
また、着色媒体樹脂またはシェル層を構成する非相溶性重合体の貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10000dyne/cm2 となる温度(TG’)が、通常100℃以上、好ましくは110〜200℃である。測定周波数20Hzにおいて10000dyne/cm2 となる温度(TG’)が100℃未満である場合は、得られるトナーについて十分な耐高温オフセット性が得られないおそれがある。また、非相溶性重合体の粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポアズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好ましくは90〜160℃である。測定周波数20Hzにおいて1000ポアズとなる温度(Tη)が180℃を超える場合は、得られるトナーが低温定着性の低下したものとなる。すなわち、低温定着性と耐高温オフセット性の両方の性質を具備する観点から、貯蔵弾性率に係る温度(TG’)は、粘性に係る温度(Tη)よりも高いことが好ましく、すなわち、貯蔵弾性率に係る温度(TG’)と粘性に係る温度(Tη)との差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましく、さらに好ましくは10℃以上、特に好ましくは20℃以上である。温度差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両方の性質を具備する観点から、粘性に係る温度(Tη)とガラス転移点温度(Tg)との差は、0〜100℃が好ましく、さらに好ましくは10〜90℃、特に好ましくは20〜80℃である。
(ポリウレタン樹脂)
非相溶性重合体としてポリウレタン樹脂を用いる場合には、例えば、界面重合法を利用して、モノマー状態またはプレポリマー状態のポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物などのポリウレタン樹脂を形成させるためのポリウレタン樹脂重合性成分を、後述するコア樹脂および着色剤である染料と共に非水性有機溶剤に含有させたポリウレタン樹脂被覆着色微粒子形成用溶液を調製し、この着色微粒子形成用溶液を水系媒体中に油滴状に分散させ、この油滴の内部または界面においてポリウレタン樹脂重合性成分を重合させることによりシェル樹脂を形成させ、これにより、複合着色微粒子を得ることができる。
ポリウレタン樹脂を形成するための第1のポリウレタン樹脂重合性成分であるポリイソシアネート化合物としては、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2, 4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4, 4' −ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、3, 3' −ジメトキシ−4, 4' −ビフェニル−ジイソシアネート、3, 3' −ジメチルフェニルメタン−4, 4' −ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4, 4' −ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネートなどのジイソシアネート、トルエン−2, 4, 6−トリイソシアネート、4, 4' −ジメチルジフェニルメタン−2,2' ,5−テトライソシアネートなどのポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、2, 4−トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物などのイソシアネートプレポリマーなどのプレポリマーを使用することができる。
ポリウレタン樹脂を形成するための第2のポリウレタン樹脂重合性成分であるポリオール化合物としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、プロピレングリコール、2, 3−ジヒドロキシブタン、1,2−ジヒドロキシブタン、2, 2−ジメチル−1,3−ジヒドロキシブタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2, 4−ペンタンジオール、2, 5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、1,2, 6−トリヒドロキシヘキサン、2−フェニルプロピレングリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、レゾルシノールジヒドロキシエチルエーテルなどの芳香族多価アルコールとアルキレンオキサイドとの縮合物、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
イソシアネート化合物のポリウレタン樹脂被覆着色微粒子形成用溶液に対する添加量は、コア粒子を構成するコア樹脂および染料の全質量に対して好ましくは0.005〜0.5質量%、より好ましくは0.01〜0.3質量%であり、ポリオール化合物のポリウレタン樹脂被覆着色微粒子形成用溶液に対する添加量は、添加するイソシアネート化合物のイソシアネート基1モルに対し、水酸基0.02〜2モルとなるように添加することが好ましい。
ポリウレタン樹脂被覆着色微粒子形成用溶液に使用される非水性有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの有機溶剤を使用することが好ましい。
また、ポリウレタン樹脂重合性成分であるポリイソシアネート化合物としてプレポリマー状態のものを使用する場合には、ポリオール化合物を併用しなくてもよい場合がある。
さらに、ポリウレタン樹脂重合性成分であるポリオール化合物は、水系媒体中に添加してもよい。この場合、ポリオール成分としては、水系媒体に溶解性の高い低級ポリオールを用いることや、あるいはポリオール化合物が水系媒体に溶解しやすいように当該水系媒体のpHをアルカリに調整しておくことが好ましい。
(ポリウレア樹脂)
シェル樹脂がポリウレア樹脂である場合には、前述のポリウレタン樹脂重合性成分のポリオール化合物に代えて、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2, 5−ジメチルピペラジンなどの芳香族ジアミン、2−ヒドロキシトリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミンなどのポリアミン化合物を使用することにより、複合着色微粒子を得ることができる。
また、シェル樹脂がポリウレタン−ポリウレア樹脂である場合には、前述のポリウレタン樹脂重合性成分のポリイソシアネート化合物に代えて、ポリアミン化合物を使用することにより、複合着色微粒子を得ることができる。
(メラミン樹脂)
シェル樹脂がメラミン樹脂である場合には、トリアジン骨格を有する化合物とアルデヒド類とを縮合させることにより、シェル層を形成させることができる。
トリアジン骨格を有する化合物としては、メラミン、ベンゾグアナミンなどが挙げられ、これらの中ではメラミンを用いることが好ましく、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、グリオキザールなどが挙げられ、これらの中ではホルムアルデヒドを用いることが好ましい。
(ポリアミド樹脂)
シェル樹脂がポリアミド樹脂である場合には、酸ハロゲン化物とポリアミン化合物を重合させることにより、シェル層を形成させることができる。
酸ハロゲン化物としては、サクシノイルクロライド、アジポイルクロライド、フマロイルクロライド、フタロイルクロライド、テレフタロイルクロライド、1,4−シクロヘキサンジカルボニルクロライドなどが挙げられ、ポリアミン化合物としては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジンなどのピペラジン系化合物などが挙げられる。
このような非相溶性重合体としては、ガラス転移点温度が20〜90℃、軟化点温度が80〜220℃であるものが好ましい。ガラス転移点温度は示差熱量分析方法によって測定されるものであり、軟化点温度は高化式フローテスターによって測定されるものである。
また、これらの非相溶性重合体としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量が、数平均分子量(Mn)で1000〜100000、重量平均分子量(Mw)で2000〜1000000であるものが好ましい。さらに、分子量分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8〜70のものが好ましい。
〔コア粒子形成用樹脂〕
本発明のトナーを構成する着色微粒子が複合着色微粒子である場合は、複合着色微粒子を構成するコア粒子を形成するためのコア粒子形成用樹脂(以下、「コア樹脂」ともいう。)としては特に限定はされず、例えば、(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ樹脂、アミノ系樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アラミド樹脂などが挙げられる。
このようなコア樹脂としては、ガラス転移点温度が20〜90℃、軟化点温度が80〜220℃であるものが好ましい。ガラス転移点温度は示差熱量分析方法によって測定されるものであり、軟化点温度は高化式フローテスターによって測定されるものである。
また、これらのコア樹脂としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量が、数平均分子量(Mn)で1000〜100000、重量平均分子量(Mw)で2000〜1000000であるものが好ましい。さらに、分子量分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8〜70のものが好ましい。
〔染料〕
本発明のトナーの着色微粒子を構成する染料としては、一般に知られている染料を用いることが出来るが、本発明のトナーの着色微粒子を構成する染料としては、油溶性染料を用いることが好ましく、金属キレート染料を用いることが特に好ましい。
染料として用いられる油溶性染料とは、水に対する溶解度が1質量%以下であって、トルエンに対する溶解度が0.01g/100ml以上であるものをいう。染料のトルエンに対する溶解度は、室温(25℃)にて、トルエン100mlに染料を加え、撹拌し、24時間放置後に濾過を行い、次いで、この溶液中に含有される染料の重量をトルエンを溜去し求めることにより、測定することができる。また、染料の水に対する溶解度も、トルエンを水に代えたことの他は同様にして測定することができる。
このような油溶性染料の具体例としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー2(2.4)、同3(3.6)、同5(5.7)、同7(1.6)、同8(2.0)、同16(7.1)、同17(1.0)、同24(0.4)、同30(3.0)、同31(2.0)、同35(5.0)、同44(0.01)、同88(0.8)、同89(5.0)、同98(2.0)、同102(0.7)、同103(1.3)、同104(0.11)、同105(0.18)、同111(0.23)、同114(0.09)、同162(40.0)、C.I.ディスパースイエロー160(0.02)などのイエロー染料;C.1.ソルベントレッド3(0.7)、同14(0.03)、同17(1.0)、同18(0.8)、同22(3.0)、同23(1.4)、同51(1.4)、同53(0.1)、同87(0.2)、同127(0.3)、同128(1.2)、同131(0.2)、同145(0.2)、同146(1.1)、同149(0.19)、同150(0.07)、同151(0.2)、同152(0.89)、同153(0.8)、同154(0.2)、同155(0.05)、同156(0.5)、同157(0.6)、同158(0.9)、同176(0.05)、同179(0.37)、C.1.ソルベントオレンジ63(0.02)、同68(0.70)、同71(0.11)、同72(4.9)、同78(0.33)などのマゼンタ染料;C.I.ソルベントブルー4(0.5)、同8(0.1)、同19(0.1)、同21(0.1)、同22(2.0)、同50(1.0)、同55(5.0)、同63(0.6)、同78(0.12)、同82(0.4)、同83(1.8)、同84(2.8)、同85(0.2)、同86(0.9)、同90(0.45)、同91(1.0)、同92(0.02)、同93(0.1)、同94(0.12)、同95(4.7)、同97(12.5)、同104(50)などのシアン染料などを挙げることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
なお、上記に例示した油溶性染料のトルエンに対する溶解度を、( )内に示した。ただし、溶解度の単位は、g/100mlである。
染料として用いられる金属キレート染料とは、金属イオンに色素原子団が2座以上で配位している化合物をいい、色素原子団以外の配位子を有してもよい。ここに、配位子とは、金属イオンに配位可能な原子団をいい、この原子団は電荷を有していても有していなくてもよい。
本発明の染料として用いられる金属キレート染料の具体例としては、例えば下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
一般式(1) M(Dye)l (A)m
上記一般式(1)において、Mは金属イオンを表し、Dyeは金属イオンと配位結合される色素を表す。Aは色素以外の配位子を表し、lは1〜3の整数、mは0〜3の整数を表す。mが0であるとき、lは2または3であり、この場合、Dyeで表される色素は、同種のものでも異種のものでもよい。
Mで表される金属イオンとしては、周期律表の第I〜VIII族に属する金属、例えば、Al、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、Pt、Pd、ZrおよびZnのイオンが挙げられる。色調および各種の耐久性からNi、Cu、Cr、Co、Zn、Feのイオンであることが好ましい。
金属キレート染料としては、Mで表される金属イオンと2座以上で配位可能な部位を有する芳香族炭化水素環または複素環からなるDyeおよびキレート剤で表される色素を有するものが好ましく、特に好ましくは特開平9−277693号公報、特開平10−20559号公報、特開平10−30061号公報に示されるような金属キレート染料である。
以上の染料は、所望に応じて、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
このような染料の含有割合は、着色微粒子全体における10〜70質量%であることが好ましく、さらに好ましくは20〜60質量%である。
染料の含有割合が着色微粒子全体における10質量%未満であると、得られるトナーにおいて十分な発色性が得られない。一方、染料の含有割合が着色微粒子全体における70質量%を超えると、得られるトナーにおいて十分な透明性が得られないことがあり、また、トナーの製造工程においてトナーからの染料逸脱の現象が発生し、機内汚染などが発生することがある。
〔着色微粒子の平均粒径〕
以上のように得られる着色微粒子の平均粒径は、体積基準のメディアン径で好ましくは10nm〜300nm、さらに好ましくは20〜200nmの範囲である。着色微粒子の平均粒径が体積基準のメディアン径で10nm未満であると、単位体積あたりの表面積が極めて大きくなるため、染料を着色微粒子の着色媒体樹脂中に封入することによる耐光性および耐熱性の効果が十分に得られず、また、着色微粒子の安定性が低く保存安定性が低いものとなるおそれがある。一方、着色微粒子の平均粒径が体積基準のメディアン径で300nmを超えると、着色微粒子の製造時に沈降が生じ易く停滞安定性が低いものとなるおそれがあり、また、得られるトナーが、十分な光沢性および透明性が得られないものとなってしまう。
〔離型剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、離型剤が含有されていてもよい。ここに、離型剤としては、種々の公知のものを挙げることができ、具体的には、例えば、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)、低分子量ポリエチレンなどの低分子量ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、エステルワックスなどが挙げられる。
このような離型剤としては、下記一般式(1)で示される結晶性のエステルワックス(以下、「特定のエステル化合物」ともいう。)からなるものを好適に用いることができる。
一般式(1):R1 −(OCO−R2 n
(式中、R1 およびR2 は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭素数が1〜40の炭化水素基を示し、nは1〜4の整数である。)
特定のエステル化合物を示す一般式(2)において、R1 およびR2 は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。炭化水素基R1 の炭素数は1〜40とされ、好ましくは1〜30、更に好ましくは16〜26とされる。炭化水素基R2 の炭素数は1〜40とされ、好ましくは14〜30、更に好ましくは16〜26とされる。また、一般式(2)において、nは1〜4の整数とされ、好ましくは1〜2とされる。特定のエステル化合物は、アルコールとカルボン酸との脱水縮合反応により好適に合成することができる。
以下に、上記一般式(2)で表されるエステル化合物の具体例を下記化学式1)〜22)に示すが、中でもベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、極性基で変性したパラフィンワックス、高級アルコールなどを好ましく用いることができる。
Figure 2007148200
Figure 2007148200
トナー粒子中に離型剤を含有させる方法としては、着色微粒子およびビニル系樹脂微粒子を凝集、融着させる工程において、離型剤粒子の分散液(ワックスエマルジョン)を添加し、ビニル系樹脂微粒子と着色微粒子と離型剤粒子とを塩析、凝集、融着させる方法や、着色微粒子およびビニル系樹脂微粒子を凝集、融着させる工程において、離型剤を含有するビニル系樹脂微粒子と着色微粒子とを塩析、凝集、融着させる方法を挙げることができ、これらの方法を組み合わせてもよい。
トナー粒子中における離型剤の含有割合としては、通常1〜30質量%とされ、好ましくは7〜27質量%、更に好ましくは10〜25質量%とされる。
〔帯電制御剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、帯電制御剤が含有されていてもよい。ここに、帯電制御剤としては、特に限定されず摩擦帯電により正または負の電荷を与える種々の物質を挙げることができる。
トナー粒子中に荷電制御剤などの内添剤を含有させる方法としては、上記に示した離型剤を含有させる方法と同様の方法を挙げることができる。
<トナー粒子の平均粒径>
本発明のトナーの平均粒径は、例えば体積平均粒径で3〜9μmであることが好ましく、更に好ましくは3〜8μmとされる。この平均粒径は、トナーの製造方法が例えば乳化重合凝集法などである場合には、使用する凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。体積平均粒径が上記の範囲にあることにより、定着工程において、飛翔して加熱部材に付着しオフセットを発生させる付着力の大きいトナー微粒子が少なくなり、また、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
トナーの体積平均粒径はコールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定されるものである。本発明においては、コールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにおけるアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上(例えば2〜40μm)のトナーの体積分布を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。
<外添剤>
上記のトナー粒子は、そのままで本発明のトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明のトナーを構成してもよい。
流動化剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、フェライト、ベンガラ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ジルコニウム、マグネタイト、ステアリン酸マグネシウムなどよりなる無機微粒子などが挙げられる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、トナー粒子表面への分散性向上、環境安定性向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
クリーニング助剤としては、例えば、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子などが挙げられる。
これらの流動化剤および/またはクリ−ニング助剤の添加量は、その合計がトナーにおいて好ましくは0.1〜20質量%とされる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリアなど用いてもよい。キャリアの体積平均粒径としては15〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは20〜80μmとされる。キャリアの体積平均粒径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
好ましいキャリアとしては、磁性粒子の表面が樹脂により被覆されている樹脂被覆キャリア、樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを挙げることができる。樹脂被覆キャリアを構成する樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
本発明のトナーによれば、当該トナーはビニル系重合体よりなるビニル系樹脂微粒子と着色剤である染料を含有する着色微粒子とが凝集されてなるものであるところ、着色微粒子において染料がビニル系重合体と非相溶性の非相溶性重合体中に含有されているために、当該染料がトナー粒子中に所期の分散状態において分散した状態が達成され、静電荷像現像用トナーが十分な透明性および彩度を有して高い色再現性が発揮されると共に、耐熱性に優れて高い耐オフセット性が発揮され、さらに、耐光性に優れて十分な画像の保存性が得られるものとなり、その結果、このトナーにより形成された画像が、長期間にわたって良好な画像品質を維持することのできるものとなる。
また、トナーの製造過程において使用される水系媒体中への染料の溶出が抑止されて染料の分解が抑止されると共に染料の逸脱が抑止されるので、所望の色調が得られるものとなる。
また、着色微粒子がシェル層が形成された複合着色微粒子として構成されている場合においては、シェル層によってコア粒子中の染料が着色微粒子外へ移行することが防止されるために、熱定着による定着工程において染料の昇華やオイル汚染などの問題が生じることがない。また、例えば4色のカラートナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)についてシェル層を構成する樹脂を同一のものとすることにより、4色のトナーの帯電性が実質上同等になるため、高い品質のカラー画像を容易に形成することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。なお、以下において「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
<ビニル系樹脂微粒子分散液の調製例1>
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けたセパラブルフラスコに予めアニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水2760gに溶解させた界面活性剤溶液を投入し、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しつつ、内温を80℃に昇温させた。一方で上記の化学式20)に示される例示化合物72.0g、スチレン115.lg、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gを混合し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を作製した。ここで循環経路を有する機械式分散機により上記2つの加熱溶液を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子を作製した。
次いで、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加し80℃にて3時間加熱、撹拌することで樹脂粒子を作製した。引き続いて、更に重合開始剤(KPS)8.00gおよび水溶性連鎖移動剤として2−クロロエタノール10.0gをイオン交換水240gに溶解させた溶液を添加し、15分後、スチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4gの混合液(第2の単量体溶液)を80℃で120分かけて滴下した。滴下終了後60分加熱撹拌させた後40℃まで冷却し樹脂粒子(A−1)の分散液を得た。この分散液を「ビニル系樹脂微粒子分散液(A1)」とする。
<非相溶性重合体の調製例1>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物450部、イソフタル酸107部、テレフタル酸108部を常圧下、200℃で3時間重縮合させて、酸価=3、水酸基価=25、ピークトップ分子量=46000、Mw/Mn=4.0、ガラス転移点温度(Tg)=60℃の非相溶性重合体(1)を得、この非相溶性重合体(1)200部を酢酸エチル400部に溶解、混合し、非相溶性重合体溶液(1)を得た。
<非相溶性重合体の調製例2>
多価カルボン酸として無水トリメリット酸52部、2価カルボン酸としてテレフタル酸156部、イソフタル酸58部、芳香族ジオールとしてポリオキシエチレン(2,4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン120部、脂肪族ジオールとしてエチレングリコール140部、重合触媒としてテトラブチルチタネートを全モノマー量に対し0.3質量%でセパラブルフレスコに仕込み、当該フラスコ上部に温度計、撹拌棒、コンデンサーおよび窒素導入管を取り付け電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下にて220℃で7時間反応させた後、順次減圧し、1.33×103 Paで2時間反応を続行し、酸価=8.9、水酸基価=29、ピークトップ分子量=8700、Mw/Mn=4.0、Tg=65℃の非相溶性重合体(2)を得、この非相溶性重合体(2)200部を酢酸エチル400部に溶解、混合し、非相溶性重合体溶液(2)を得た。
<非相溶性重合体の調製例3>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物343部、イソフタル酸166部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHg(1.33〜1.99Pa)の減圧下で5時間反応した後、110℃まで冷却し、トルエン中にてイソホロンジイソシアネート17部を入れて110℃で4時間反応させ、さらに、無水酢酸5部とN−メチルプロピルアミン10部を加えて反応を継続させた。次いで脱溶剤し、ピークトップ分子量=9500の非相溶性重合体(3)を得た。
一方、上記と同様に、冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物570部およびテレフタル酸217部を入れ、常圧で230℃で2時間反応し、さらに10〜15mmHg(1.33〜1.99Pa)の減圧下で5時間反応した後、110℃まで冷却し、トルエン中にてイソホロンジイソシアネート17部を入れて110℃で4時間反応させ、さらに、無水酢酸5部を加え、1時間反応させた後、N−メチルプロピルアミン10部を加えて、さらに1時間反応させ、次いで脱溶剤し、酸価=5、水酸基価=51、ピークトップ分子量=3, 400の非相溶性重合体(4)を得、この非相溶性重合体(3)40部と非相溶性重合体(4)160部を酢酸エチル400部に溶解、混合し、非相溶性重合体溶液(3)を得た。なお、この非相溶性重合体溶液(3)中における非相溶性重合体成分のTgは64℃であった。
<着色微粒子の合成例1>
非相溶性重合体溶液(1)90g、ソルベントブルー94(有本化学社製「Plast Blue 8520」)54g、酢酸エチル360g、イソホロンジイソシアネート0.3gをセパラブルフラスコに入れ、撹拌して上記樹脂と染料を完全溶解させた。ドデシル硫酸ナトリウム27gを純水780gに溶解した界面活性剤溶液に添加し、超音波分散機で分散を行った。この分散液を減圧下40℃で酢酸エチルを除去し着色微粒子(D−1)を得た。
この着色微粒子(D−1)の平均粒径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準のメディアン径で38nmであった。
<着色微粒子の合成例2>
非相溶性重合体溶液(1)の代わりに非相溶性重合体溶液(2)を用いたことの他は着色微粒子の合成例1と同様にして着色微粒子(D−2)を得た。この着色微粒子(D−2)の平均粒径は、体積基準のメディアン径で42nmであった。
<着色微粒子の合成例3>
非相溶性重合体溶液(1)の代わりに非相溶性重合体溶液(3)を用いたことの他は着色微粒子の合成例1と同様にして着色微粒子(D−3)を得た。この着色微粒子(D−3)の平均粒径は、体積基準のメディアン径で47nmであった。
<着色微粒子の合成例4>
非相溶性重合体溶液(1)90g、ソルベントブルー94(有本化学社製「Plast Blue 8520」)54g、酢酸エチル360g、イソホロンジイソシアネート0.3gをセパラブルフラスコに入れ、撹拌して上記樹脂と染料を完全溶解させた。ドデシル硫酸ナトリウム27gを純水780gに溶解した界面活性剤水溶液に添加し、超音波分散機で分散を行った。この分散液を減圧下40℃で酢酸エチルを除去した。
さらに、この分散液にエチレングリコール0.18gを加え撹拌しつつ60℃に加湿し反応を行い、ポリウレタン樹脂により被覆された着色微粒子(D−4)を得た。この着色微粒子(D−4)の平均粒径は、体積基準のメディアン径で45nmであった。
<着色微粒子の合成例5>
エチレングリコールの代わりにヘキサメチレンジアミンを用いたことの他は着色微粒子の合成例4と同様にしてポリウレア樹脂により被覆された着色微粒子(D−5)を得た。このこの着色微粒子(D−5)の平均粒径は、体積基準のメディアン径で52nmであった。
<着色微粒子の合成例6>
非相溶性重合体溶液(1)90g、ソルベントブルー94(有本化学社製「Plast Blue 8520」)54g、酢酸エチル360gをセパラブルフラスコに入れ、撹拌して上記樹脂と染料を完全溶解させた。ドデシル硫酸ナトリウム27gを純水780gに溶解した界面活性剤水溶液に添加し、超音波分散機で分散を行った。この分散液を減圧下40℃で酢酸エチルを除去した。
次に、10%炭酸ナトリウム水溶液でpH8〜pH9に調整した37%ホルムアルデヒド水溶液3モルに対してメラミン樹脂1モルを溶解したメラミン−ホルムアルデヒド樹脂初期重合物5gを、上記着色剤分散液に加えて80℃2時間撹拌し続けメラミン樹脂により被覆された着色微粒子(D−6)を得た。この着色微粒子D−6の平均粒径は、体積基準のメディアン径で48nmであった。
<着色微粒子の合成例7>
ソルベントブルー94の代わりに着色剤として下記式(A−1)に示される金属キレート染料(A−1)を用いたことの他は着色微粒子の合成例1と同様にして着色微粒子(D−7)を得た。この着色微粒子(D−7)の平均粒径は、体積基準のメディアン径で57nmであった。
Figure 2007148200
<着色微粒子の合成例8>
ソルベントブルー94の代わりに着色剤としてソルベントイエロー16(オリエント化学社製「Oil Yellow 3G」)を用いたことの他は着色微粒子の合成例1と同様にして着色微粒子(D−8)を得た。この着色微粒子(D−8)の平均粒径は、体積基準のメディアン径で63nmであった。
<着色微粒子の合成例9>
非相溶性重合体溶液(1)を168g、ソルベントブルー94(有本化学社製「Plast Blue 8520」)を15gとしたことの他は着色微粒子の合成例1と同様にして着色微粒子(D−9)を得た。この着色微粒子(D−9)の平均粒径は、体積基準のメディアン径で83nmであった。
<着色微粒子の合成例10>
非相溶性重合体溶液(1)を30g、ソルベントブルー94(有本化学社製「Plast Blue 8520」)を84gとしたことの他は着色微粒子の合成例1と同様にして着色微粒子(D−10)を得た。この着色微粒子(D−10)の平均粒径は、体積基準のメディアン径で53nmであった。
<着色微粒子の合成例11>
非相溶性重合体溶液(1)の代わりに、スチレン/ブチルアクリレート=80/20(質量%)、重量平均分子量20, 000である樹脂45gを用いたことの他は着色微粒子の合成例1と同様にして着色微粒子(D−11)を得た。この着色微粒子(D−11)の平均粒径は、体積基準のメディアン径で42nmであった。
<着色微粒子の合成例12>
ソルベントブルー94の代わりに着色剤として金属キレート染料(A−1)を用いたことの他は着色微粒子の合成例11と同様にして着色微粒子(D−12)を得た。この着色微粒子(D−12)の平均粒径は、体積基準のメディアン径で53nmであった。
<着色微粒子の合成例13>
ドデシル硫酸ナトリウムを4gとしたことの他は着色微粒子の合成例11と同様にして着色微粒子(D−13)を得た。この着色微粒子(D−13)の平均粒径は、体積基準のメディアン径で430nmであった。
<着色微粒子の合成例14>
n−ドデシル硫酸ナトリウム90gおよび純水1Lをセパラブルフラスコに入れ撹拌溶解した。この溶液に、C.I.ピグメントブルー15:3(大日本インキ社製)120gを徐々に加え、1時間よく撹拌した後に、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用い、20時間連続分散し着色微粒子(D−14)を得た。この着色微粒子(D−14)の平均粒径は、体積基準のメディアン径で120nmであった。
<トナー粒子の調製例1>
ビニル系樹脂微粒子分散液(A1)1150g、イオン交換水2000gおよび着色微粒子(D−1)165gを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を付けた5Lの四つ口フラスコに入れ撹拌し、30℃に調整した後、この溶液に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72gに溶解した水溶液を撹拌下、30℃にて10分間で添加した。その後、3分間放置した後に、昇温を開始し、液温度90℃まで6分で昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で平均粒径を「コールターカウンターTA−III 」(コールターベックマン社製)にて測定し、体積基準のメディアン径が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム115gをイオン交換水700gに溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させ、さらに継続して液温度90℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、融着させた。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加し、pHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成したトナー粒子を固液分離し、イオン交換水15Lによる洗浄を4回繰り返し、その後、40℃の温風で乾燥し、トナー粒子1を得た。
<トナー粒子の調製例2〜8>
着色微粒子(D−1)の代わりに着色微粒子(D−2)〜(D−8)を用いたことの他はトナー粒子の調製例1と同様にして、トナー粒子2〜8を得た。
<トナー粒子の調製例9>
ビニル系樹脂微粒子分散液(A1)910g、イオン交換水2000gおよび着色微粒子(D−9)595gを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を付けた5Lの四つ口フラスコに入れて撹拌し、30℃に調整した後、この溶液に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72gに溶解した水溶液を撹拌下、30℃にて10分間で添加した。その後、3分間放置した後に、昇温を開始し、液温度90℃まで6分で昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で平均粒径を「コールターカウンターTA−III 」(コールターベックマン社製)にて測定し、体積基準のメディアン径が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム115gをイオン交換水700gに溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させ、さらに継続して液温度90℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、融着させた。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加し、pHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成したトナー粒子を固液分離し、イオン交換水15Lによる洗浄を4回繰り返し、その後、40℃の温風で乾燥し、トナー粒子9を得た。
<トナー粒子の調製例10>
ビニル系樹脂微粒子分散液(A1)1185g、イオン交換水2000gおよび着色微粒子(D−10)105gを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を付けた5Lの四つ口フラスコに入れ撹拌し、30℃に調整した後、この溶液に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72gに溶解した水溶液を撹拌下、30℃にて10分間で添加した。その後、3分間放置した後に、昇温を開始し、液温度90℃まで6分で昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で平均粒径を「コールターカウンターTA−III 」(コールターベックマン社製)にて測定し、体積基準のメディアン径が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム115gをイオン交換水700gに溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させ、さらに継続して液温度90℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、融着させた。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加し、pHを2.0
に調整し、撹拌を停止した。生成したトナー粒子を固液分離し、イオン交換水15Lによる洗浄を4回繰り返し、その後、40℃の温風で乾燥し、トナー粒子10を得た。
<比較用トナー粒子の調製例1〜4>
着色微粒子(D−1)の代わりに着色微粒子(D−11)〜(D−14)を用いたことの他はトナー粒子の調製例1と同様にして、比較用トナー粒子11〜14を得た。
<実施例1〜10、比較例1〜4>
得られたトナー粒子1〜10および比較用トナー粒子11〜14の各々について、下記(1)〜(2)の評価を行った。結果を表1に示す。
また、トナー粒子1〜10および比較用トナー粒子11〜14の各々に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%および疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)1質量%添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合し、その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去することにより、トナー1〜10、比較用トナー11〜14を調製し、このトナー1〜10、比較用トナー11〜14の各々に、シリコーン樹脂で被覆した体積平均粒径が60μmであるフェライトキャリアを、トナー濃度が6質量%となるよう混合して二成分現像剤である現像剤1〜10、比較用現像剤11〜14を調製した。
この14種の現像剤を用いて「Sitios7165」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)で下記(3)〜(4)の実機評価を行った。結果を表1に示す。
(1)染料逸脱
遠心分離器「H−900」(国産遠心器株式会社製)を用い、回転数2000rpmにて2分間分離操作を実施した後、上澄み液の着色の有無を目視で観察した。
(2)染料分解
着色微粒子を形成前の着色剤のトルエン溶解液(着色剤が顔料である場合には着色剤の2−ピロリジノン溶解液)の各々、およびこれらを用いて調製されたトナーのトルエン溶解液(着色剤が顔料である場合には着色剤の2−ピロリジノン溶解液)の各々について着色剤についての分光吸収スペクトルを「330型自記分光光度計」(日立製作所製)を用いて測定し、着色剤のトルエン溶解液の分光吸収スペクトルにおけるλmaxとトナーのトルエン溶解液の分光吸収スペクトルにおけるλmaxとの差が5nm未満である場合を「○」、5以上15nm未満である場合を「△」、15nm以上である場合を「×」として評価した。
(3)透明性
OHPシート上にトナー付着量が0.7±0.05(mg/cm2 )の範囲であるフルカラー画像を形成した印画物を得、日立製作所製の「330型自記分光光度計」を用いて、トナーが担持されていない未使用のOHPシートをリファレンスとしてカラー画像の可視分光透過率を測定し、イエロートナーでは650nmと450nmでの分光透過率の差、マゼンタトナーでは650nmと550nmでの分光透過率の差、シアントナーでは500nmと600nmでの分光透過率の差を求め、この分光透過率の差が90%以上である場合を「○」、70%以上90%未満である場合を「△」、70%未満である場合を「×」として評価した。この値が70%以上である場合、良好な透明性を有すると判断することができる。
(4)耐光性
転写紙に定着させた画像について、画像濃度Ciを測定し、ウェザーメーター「アトラスC.165」(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、当該画像に8万5千ルクスのキセノン光を7日間にわたって照射した後、再び画像濃度Cfを測定し、キセノン光の照射前後の画像濃度の差から、色素残存率({(Ci−Cf)/Ci}×100%)を算出し、色素残存率が90%以上である場合を「○」、色素残存率が80%以上90%未満である場合を「△」、色素残存率が80%未満である場合を「×」として評価した。なお、画像濃度は、反射濃度計「X−Rite310TR」(X−rite社製)を用いて測定した。
Figure 2007148200
以上のように、実施例1〜10に係る本発明のトナーによれば、優れた透明性が確認され、画質の高いOHP画像を確実に形成することができ、また、高い耐光性が示されて長期間にわたって画質の高い画像を維持することができることが確認された。
一方、着色微粒子を構成する樹脂がビニル系樹脂微粒子を構成するビニル系重合体と非相溶性ではないスチレン−アクリル系樹脂である構成の比較例1〜3に係るトナーについては、耐光性が低く、また、着色剤として染料ではなく顔料を有する比較例4に係るトナーについては、透明性が低いことが確認された。

Claims (7)

  1. 少なくともビニル系重合体を含有するビニル系樹脂微粒子と着色微粒子とを凝集、融着させてなる静電荷像現像用トナーにおいて、
    当該着色微粒子が、少なくとも染料と着色微粒子形成用樹脂とからなり、
    当該着色微粒子形成用樹脂が、前記ビニル系樹脂微粒子を構成するビニル系重合体と非相溶性の非相溶性重合体よりなることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 着色微粒子が、染料およびコア粒子形成用樹脂を含有するコア粒子と、このコア粒子を被覆するシェル層形成用樹脂よりなるシェル層とからなり、
    当該シェル層形成用樹脂が、前記ビニル系樹脂微粒子を構成するビニル系重合体と非相溶性の非相溶性重合体よりなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 着色微粒子を構成する非相溶性重合体が、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 着色微粒子を構成する染料が油溶性染料であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 着色微粒子を構成する染料が金属キレート染料であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 着色微粒子を構成する染料の含有割合が、着色微粒子における10〜70質量%であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 着色微粒子の平均粒径が、体積基準のメディアン径で10〜300nmであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
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