JP3305998B2 - 熱圧力定着用カプセルトナーとその製造方法 - Google Patents

熱圧力定着用カプセルトナーとその製造方法

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JP3305998B2
JP3305998B2 JP36175397A JP36175397A JP3305998B2 JP 3305998 B2 JP3305998 B2 JP 3305998B2 JP 36175397 A JP36175397 A JP 36175397A JP 36175397 A JP36175397 A JP 36175397A JP 3305998 B2 JP3305998 B2 JP 3305998B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
印刷法、静電記録法等において形成される静電潜像の現
像に用いられる熱圧力定着用カプセルトナーとその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真法は、光導電性絶縁層を
一様に帯電させ、次いでその層を露光させ、その露光さ
れた部分上の電荷を消滅させることにより静電潜像を形
成し、更に該潜像に着色剤である電荷をもった微粉末
(以下トナーと呼ぶ)を付着させることによって可視化
させる現像工程、得られた可視像を転写紙等の転写材に
転写させる転写工程、加熱、圧力あるいはその他適当な
定着法により定着させる定着工程からなる。
【0003】一般にトナーは現像器内で装置の動作中に
現像ローラ、トナー供給ローラ等の回転等により様々な
機械的ストレスを受け、長時間の使用のうちに機械的に
劣化しやすい。このようなトナーの劣化を防ぐには一般
に分子量の大きな樹脂を用いることが有効であることが
知られているが、これらの樹脂を充分に定着させるため
にはヒートローラの温度を高くする必要性が生じ、定着
装置の大型化、用紙カール、消費エネルギーの増大等の
弊害を招き、更には定着器の劣化を早める等の問題点も
生じる。
【0004】上述のような問題点を解決するための一手
段として、コアとこのコアの表面を被覆するよう設けら
れたシェルとにより構成されたカプセルトナーを用いる
ことが提案されている。コアに定着の容易な熱的に柔ら
かい材料を配置し、その外側のシェルには耐ブロッキン
グ性に優れた比較的硬い材料を配置することで定着性と
耐ブロッキング性の両立を狙っている。なお、ブロッキ
ングというのは、トナーが互いにくっつき合って塊状に
なることをいう。
【0005】コア材料としては低融点ワックスを用い
る、液状のものを使用する、或いは室温状態でゴム様の
ものを使用する等様々な技術が提案されている。シェル
材料には一般に硬い材料が選択される。シェル材が柔ら
かく強度が小さいと、定着性は良いが現像器内でのスト
レスでシェル材がコア材からはがれたり、トナー自身が
変形したりして意図した性能を発揮することが困難にな
る。
【0006】また、シェル材が硬く強度が大きいとシェ
ルをつぶすのに大きな圧力や高い温度が必要になり定着
性そのものが悪くなってしまう。そこで、熱圧力定着用
として、コア材料として単独使用では高温時にブロッキ
ングを起こしてしまうが、定着強度の向上をもたらすガ
ラス転移温度の低い樹脂を用い、シェル材料として耐ブ
ロッキング性を付与する目的でガラス転移温度の高い樹
脂層、即ちシェルを形成させた熱ローラ定着用カプセル
トナー等が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の技術には、次のような解決すべき課題があっ
た。これまで種々の材料および製造方法を用いたシェル
とコアを有するカプセルトナーが提案されているが、十
分な低温定着性と耐オフセット性および耐ブロッキング
性、耐久性を有するまでには至っておらず、現状では理
想的なシェル−コア構造を有するトナー製造技術が確立
されているとはいい難い。なお、オフセットとは、定着
工程でトナーが溶融し定着ローラ側に付着することをい
う。
【0008】上述した満足すべき性能のうちでも低温定
着性能と耐ブロッキング性を両立することは特に困難で
ある。また、印刷装置側から低温定着性能と耐ブロッキ
ング性を考えた場合、特に接触現像方式において高度に
バランスすることが要求される。理由は次のとおりであ
る。
【0009】接触現像は現像ローラと感光体ドラム間に
大きな力を加圧して現像を行う方式であるため、現像ロ
ーラ上に形成されているトナー薄層に大きなストレスが
加わる。この状態で高温下に放置されるとトナーは容易
に変形してしまい、例えば感光体ドラム表面に固着する
等して印刷に不具合を生じやすくなる。これを防ぐため
にシェル樹脂のガラス転移温度を高く設計したり、シェ
ル添加量を多めに製造したりするとコアの性能を引き出
すことができなくなり低温定着性が失われることにな
る。つまり、カプセルトナーに要求される二律背反は接
触現像方式において特に困難となるわけであり、この意
味で接触現像方式において実用に耐え得るカプセルトナ
ーを供することの意義は極めて大きいと言える。
【0010】従来の提案によるカプセルトナーで満足す
る低温定着性能と耐ブロッキング性、特に接触現像での
高加圧下での使用に耐え得るものが実現されていなかっ
たのはコア樹脂の熱特性、特にガラス転移温度を低く抑
えた樹脂設計として定着性能を優先させる樹脂設計とな
っていたからであった。即ち、ヒートローラ等の熱圧力
定着方式において、耐オフセット性に優れていて、低温
で定着でき、また耐ブロッキング性に優れ、更に長時間
の使用にも耐え得る耐久性に優れた圧力定着用トナー、
特に接触現像方式において実用に耐え得るカプセルトナ
ーの開発が望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は以上の点を解
決するため次の構成を採用する。 〈構成1〉予めシェルを形成するための重合性単量体を重合反応さ
せて熱可塑性樹脂を製造し、その後、このシェルを構成
する熱可塑性樹脂と、中間粒子を形成するための重合性
単量体と重合開始剤と着色剤とを混合して、これらを分
散媒中に分散させた状態で、中間粒子を構成するコア材
を重合反応させるとともに、シェル材をさらに重合反応
させて、コアと、その周りを囲みコア材よりガラス転移
温度が高いシェル材による、少なくとも1層のシェルと
を形成し、さらに、そのシェルの周りを囲む熱可塑性樹
脂から成る シェルを形成することを特徴とする熱圧力定
着用トナーの製造方法。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】〈構成2〉 少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤から構成されるコア材
から成る中間粒子と、この中間粒子の周りに形成され、
上記コア材よりガラス転移温度が高い熱可塑性樹脂から
構成されたシェル材から成る2層以上のシェルとを備
え、最外殻のシェルと中間粒子との間に設けられたシェ
ルのシェル材は、上記コア材を重合反応させる前に、重
合性単量体をあらかじめ重合した後、コア材とともに更
に重合反応させた熱可塑性樹脂から成ることを特徴とす
るカプセルトナー。
【0021】
【0022】〈構成3〉 重合性単量体を重合反応させて、少なくとも熱可塑性樹
脂と着色剤から構成されるコア材によって中間粒子を製
造し、このコア材の重合性単量体が重合反応を開始した
後その重合反応終了前に、上記中間粒子の周りに中間層
のシェルを形成するための、重合性単量体の重合反応を
開始させて、さらに、この中間層シェル材の重合性単量
体が重合反応を開始した後その重合反応終了前に、この
中間層のシェルの周りに最外殻のシェルを形成するため
の、重合性単量体の重合反応を開始させて、上記コア材
とガラス転移温度が互いに5℃以上異なる熱可塑性樹脂
から構成された2層のシェル材により、シェルを形成す
ることを特徴とする熱圧力定着用トナーの製造方法。
【0023】
【0024】〈構成4〉 予め中間層のシェルを形成するための重合性単量体を重
合反応させて熱可塑性樹脂を製造し、その後、この中間
層のシェルを構成する熱可塑性樹脂と、中間粒子を形成
するための重合性単量体と重合開始剤と着色剤とを混合
して、これらを分散媒中に分散させた状態で、中間粒子
を構成するコア材を重合反応させるとともに、中間層の
シェル材をさらに重合反応させて、コアと、その周りを
囲みコア材よりガラス転移温度が高いシェル材による、
中間層のシェルとを形成し、さらに、上記中間層のシェ
ル材の重合反応終了前に、この中間層のシェルの周りに
最外殻のシェルを形成するための、重合性単量体の重合
反応を開始させて、コアと、その周りを囲みコア材より
ガラス転移温度が高いシェル材による、中間層のシェル
と、その周りを囲み中間層のシェル材よりガラス転移温
度が低いシェル材による、最外殻のシェルとを形成する
ことを特徴とする熱圧力定着用トナーの製造方法。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を具
体例を用いて説明する。 〈具体例1〉この具体例では、少なくとも熱可塑性樹脂
と着色剤を構成材料とする熱圧力定着用トナーにおい
て、各重合体に由来するガラス転移温度が異なる重合性
単量体を2種類用いseed重合を行い、かつコア樹脂
のガラス転移温度が50〜70℃である熱圧力定着用ト
ナーとすることで上記問題点を解決し、十分な低温定着
性を有し、かつ耐ブロッキング性に優れ、更に現像機内
での機械的ストレスにも変形しない充分な耐久性を有
し、バックグラウンドかぶりのない鮮明な画像を長期に
わたって安定に形成することができる熱圧力定着用カプ
セルトナーを提供する。
【0026】この具体例のトナーは、コア材と、その表
面を被覆するよう設けたシェル材とにより構成される。
また、この熱圧力定着用トナーは、次のような特徴を持
つ。 1.コア材は、少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤から構
成され、重合により熱可塑性樹脂となる重合性単量体を
用いて製造される。 2.シェル材は、コア材とガラス転移温度が異なる。シ
ェルは少なくとも1層設けられ、2層以上設けてもよ
い。
【0027】3.シェル材は、コア材の重合性単量体が
重合反応を開始した後重合反応終了前に、また、あるい
は、その重合反応が完了後に重合反応を開始する。 4.コア材の重合反応が90%以上完了した後にシェル
材の重合反応を開始させることが好ましい。
【0028】この具体例におけるカプセルトナーのコア
材及びシェル材に用いられる樹脂としては、ビニル樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹
脂が拳げられる。上記の熱可塑性樹脂のうち、ビニル樹
脂を構成する単量体としては、例えば、スチレン、2,
4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチ
ルスチレン、O−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−クロルスチレン、ビニル
ナフタレン等のスチレンもしくはスチレン誘導体、又は
アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、
アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−プロピル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロ
ヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオ
クチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸ステアリル、アクリル酸メトキシエチル、アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、ア
クリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタ
クリル酸、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロ
ピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオク
チル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル
酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタ
クリル酸ジエチルアミノエチル等のエチレン性モノカル
ボン酸及びそのエステル、又はエチレン、プロピレン、
ブチレン、イソブチレン等の如きエチレン系不飽和モノ
オレフィン類、又は塩化ビニル、臭酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、ギ酸ビニル、カプロン酸ビニル等のビニ
ルエステル類、又はアクリロニトリル、メタクリロニト
リル、アクリルアミド等のエチレン性モノカルボン酸置
換体、又はマレイン酸エステル等のエチレン性ジカルボ
ン酸及びその置換体、例えばビニルメチルケトン等のビ
ニルケトン類、又はビニルメチルエーテル等のビニルエ
ーテル類が挙げられる。
【0029】これらの樹脂を単独或いは混合で用いて、
コア材及びシェル材の樹脂とすることができるがこの具
体例の主旨のように、コア樹脂となる重合性単量体の選
定は重合反応完了後のガラス転移温度が50〜70℃に
なるようにすることが望ましい。コア樹脂のガラス転移
温度が50℃以下であると理想的なシェルが形成され高
温下での通常の放置における耐ブロッキング性が確保で
きたとしても高温かつ高圧力下ではトナーが変形してし
まい、耐ブロッキング性に劣るからである。即ち、コア
樹脂のガラス転移温度が50℃以下であると従来技術の
問題点で述べたように特に接触現像方式の電子写真装置
に使用することが難しくなる。また、コア樹脂のガラス
転移温度が70℃以上であると定着性に問題が生じてく
る。
【0030】この具体例に用いるコア材の樹脂を構成す
る単量体組成物中には必要に応じて架橋剤を添加するこ
とができる。一例として、ジビニルベンゼン、ジビニル
ナフタレン、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、2,2′―ビス(4−メタクリロキシジエトキジフ
ェニル)プロパン、2,2′−ビス(4―アクリロキシ
ジエトキジフェニル)プロパン、ジエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1、6−へキシレングリコールジメタクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレング
リコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、等一般の
架橋剤を用いることができる。また、必要に応じてこれ
らの架橋剤を2種以上組み合わせて用いることもでき
る。
【0031】また、コア材用の熱可塑性樹脂を製造する
際使用される重合開始剤としては、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾ
ビスイソブチロニトリル、1、1′−アゾビス(シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス
−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、そ
の他のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、即ちベンゾイル
パーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、
イソプロピルパーオキシカーボネイト、クメンヒドロパ
ーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イドのような過酸化物系重合開始剤が拳げられる。
【0032】この具体例では、カプセルトナーのコア材
中に着色剤が含有されるが、従来のトナー用着色剤に用
いられている染料、顔料等のすべてを使用することがで
きる。この具体例に用いられる着色剤としては、アセチ
レンブラック法、サーマルブラック法、チャンネルブラ
ック法、ランプブラック法等により製造される各種のカ
ーボンブラック、カーボンブラックの表面を樹脂で被覆
しているグラフト化カーボンブラック、ブリリアントフ
ァーストスカーレット、フタロシアニンブルー、ニグロ
シン染料、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベー
ス、パーマネントブラウンFG、ソルベントレッド49
等及びそれらの混合物等を挙げることができる。
【0033】この具体例において、更にコア材に帯電制
御剤を添加することもできる。添加する負帯電性荷電制
御剤としては、以下に述べる帯電制御剤に限定されるも
のでは勿論ないが、例として「アイゼンスピロンブラッ
クTRH」(以上、保土ケ谷化学社製)合金属アゾ染料
である「ボントロンS−31」、「ボントロンS−3
2」、「ボントロンS−34」「バリファーストブラッ
ク3804」(以上、オリエント化学社製)等、4級ア
ンモニウム塩、例えばC0PY CHARGENX V
P434」(ヘキスト社製)、ニトロイミダゾール誘導
体銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体
の金属錯体、例えば「ボントロンE−81」、「ボント
ロンE−82」、「ボントロンE―85」(以上、オリ
工ント化学社製)等を拳げることができる。
【0034】正帯電性荷電制御剤としては、これも負帯
電性荷電制御剤と同様に以下に述べる帯電制御剤に限定
されるものではないが、一例としてニグロシン染料であ
る「オイルブラックBS」、「ボントロンN−01」、
「ボントロンN−07」、「ボントロンN−11」、
「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックSO」
(以上、オリエント化学社製)等、3級アミンを側鎖と
して含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニ
ウム塩化合物、例えば「ボントロンP−51」(オリエ
ント化学社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロマ
イド、「C0PYCHARGE PX VP435」
(ヘキスト社製)等、ポリアミン樹脂、例えば「AFP
−B」(オリエント化学社製)、イミダゾール誘導体等
を挙げることができる。
【0035】コア材中には必要に応じて、耐オフセット
性を改善する目的で、例えばポリオレフィン、脂肪酸金
属塩、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、部分ケン化脂肪酸
エステル、高級アルコール、パラフィンワックス、シリ
コンオイル、アミド系ワックス、シリコンワニス、多価
アルコールエステル、脂肪族フロロカーボン等のオフセ
ット防止剤を任意の一種以上含有せしめても良い。
【0036】上記ポリオレフィンとしては、例えばポリ
プロピレン、ポリエチレン、ボリブテン等の樹脂が挙げ
られる。上記脂肪酸金属塩としては、例えばマレイン酸
と亜鉛、マグネシウム、カルシウム等との金属塩;ステ
アリン酸と亜鉛、カドミウム、バリウム、鉛、鉄、ニッ
ケル、コバルト、銅、アルミニウム、マグネシウム等と
の金属塩:二塩基性ステアリン酸鉛:才レイン酸と亜
鉛、マグネシウム、鉄、コバルト、銅、鉛、カルシウム
等との金属塩:パルミチン酸とアルミニウム、カルシウ
ム等との金属塩:カプリル酸塩;カプロン酸鉛三・リノ
ール酸と亜鉛、コバルト等との金属塩:リシノール酸カ
ルシウム:リシノレイン酸と亜鉛、カドミウム等との金
属塩及びこれらの混合物等が拳げられる。上記脂肪酸エ
ステルとしては、例えばマレイン酸エチルエステル、マ
レイン酸ブチルエステル、ステアリン酸メチルエステ
ル、ステアリン酸ブチルエステル、パルミチン酸セチル
エステル、モンタン酸エチレングリコールエステル等が
挙げられる。上記部分ケン化脂肪酸エステルとしては、
例えばモンタン酸エステルのカルシウム部分ケン化物等
が拳げられる。上記高級脂肪酸としては、例えばドデカ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、才レイン酸、リノール酸、リシノール酸、ア
ラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セラコレイン酸
等及びこれらの混合物を挙げることができる。上記高級
アルコールとしては、例えばドデシルアルコール、ラウ
リルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルア
ルコール、ステアリルアルコール等を挙げることができ
る。上記パラフィンワックスとしては、例えば天然パラ
フィン、マイクロワックス、合成パラフィン、塩素化炭
化水素等が拳げられる。上記アミド系ワックスとして
は、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、パ
ルミチン酸アミド、ラウリル酸アミド、ベヘニン酸アミ
ド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステア
ロアミド、N,N′−m―キシリレンビスステアリン酸
アミド、N,N′−m−キシリレンビス−12−ヒドロ
キジステアリン酸アミド、N,N′−イソフタル酸ビス
ステアリルアミド、N,N′一イソフタル酸ビス−12
−ヒドロキシステアリルアミド等が挙げられる。上記多
価アルコールエステルとしては、例えばグリセリンステ
アレート、グリセリンリシノレート、グリセリンモノベ
ヘネート、ソルビタンモノステアレート、プロピレング
リコールモノステアレート、ソルビタントリオレート等
が挙げられる。上記シリコンワニスとしては、例えばメ
チルシリコンワニス、フェニルシリコンワニス等が拳げ
られる。上記脂肪族フロロカーボンとしては、例えば四
フッ化エチレン、六フッ化プロピレンの低重合化合物等
が拳げられる。
【0037】上述した物質のうち少なくともコア樹脂と
なる重合性単量体と重合開始剤と着色剤を混合し必要に
応じて架橋剤、ワックス、帯電制御剤等を添加混合す
る。この混合物を分散媒に分散させて重合を行うことで
コアとなる粒子を形成する。
【0038】分散媒としては、水、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコー
ル、グリセリン、アセトニトリル、アセトン、イソプロ
ピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙
げられる。これらは単独あるいは混合して用いることが
できる。また、分散質の分散性を安定させる目的で分散
安定剤を用いることもできる。分散安定剤としては公知
のものを全て用いることができる。一例として、ポリビ
ニルアルコール、ポリスチレンスルホン酸、ヒドロキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリ
ウム、ペンダデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナト
リウム、アリル−アルキル−ポリエーテルスルボン酸ナ
トリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウ
ム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カ
プロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン
酸カルシウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−
4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−β−ナワトール−6−
スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−
アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチ
ル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−
ナフトール−ジスルホン酸ナトリウム、リン酸三カルシ
ウム、水酸化第二鉄、水酸化チタン、水酸化アルミニウ
ム、等が挙げられる。これらの分散安定剤は単独でまた
は二種以上を併用して用いることができる。
【0039】以上のようにして調整された懸濁液を攪袢
しながら50℃〜100℃に保つことで重合反応を進行
或いは完了させる。かかる重合反応の進行中或いは完了
後に該懸濁液に第2番目の重合性単量体を添加しsee
d重合を行う。即ち、第一番目の重合によって得られた
重合中或いは重合完了後の着色剤を含む熱可塑性樹脂粒
子(以下中間粒子と表現する)の水系懸濁液に少なくと
もビニル重合性単量体とビニル重合開始剤を添加して中
間粒子に吸収させた後、中間粒子中の単量体成分を重合
させるものである。中間粒子中に吸収させるビニル重合
性単量体等は、単独で添加してもよく、また予め水乳濁
液として添加しても良い。添加する水乳濁液は、水にビ
ニル重合性単量体とビニル重合開始剤を分散安定剤と共
に乳化分散させたものであり、必要に応じて架橋剤、オ
フセット防止剤、荷電制御剤等を含有させることもでき
る。
【0040】seed重合に用いるビニル重合開始剤、
架橋剤、分散安定剤は、中間粒子の製造時に用いられる
ものと同様のものを用いても良いし、必要であれば例え
ば水溶性の重合開始剤を用いてシェルの重合条件を最適
化することも可能である。
【0041】ビニル重合性単量体或いは水乳濁液の添加
により、該ビニル重合性単量体は中間粒子表面を覆い中
間粒子は若干膨潤する。そして、この状態でシェル樹脂
となる重合性単量体成分の重合が進行、即ち中間粒子を
コア粒子とするseed重合が行われカプセルトナーが
完成する。
【0042】以上のような製造方法によれば低いエネル
ギーで十分に定着するコアと高温かつ高圧力下において
さえも優れた耐ブロッキング性を有することになるの
で、低温定着性と耐オフセット性が極めて高度にバラン
スしたカプセルトナーを得ることができる。
【0043】この具体例におけるカプセルトナーの粒径
は別段制約を受けるものではないが、平均粒径は通常3
〜30μmが望ましい。この具体例におけるカプセルト
ナーには、必要に応じて、流動性向上剤、クリーニング
性向上剤等を用いることができる。流動性向上剤として
は、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バ
リウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、
チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、
雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウ
ム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、
酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸
カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることが
できる。
【0044】なお、シリカの微粉末は、Si−O−Si
結合を有する微粉末であり、乾式法及び湿式法で製造さ
れたもののいずれであってもよい。また、無水二酸化ケ
イ素のほか、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、
ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛等い
ずれであってもよい。また、シラン系カップリング剤、
チタン系カップリング剤、シリコンオイル、側鎖にアミ
ンを有するシリコンオイル等により表面処理されたシリ
カの微粉末等を用いることができる。
【0045】クリーニング性向上剤としては、ステアリ
ン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高
分子量体の微粒子粉末等がある。更に現像性を調整する
ための添加剤、例えばメタクリル酸メチルエステル、メ
タクリル酸ブチルエステル等の重合物の微粒子粉末等を
用いてもよい。
【0046】この具体例の熱圧力定着用カプセルトナー
は、磁性体微粉末を含有するものであるときには単独で
現像剤として用いられ、また磁性体微粉末を含有しない
ものであるときは、非磁性一成分系現像剤、またはキャ
リアと混合して二成分系の現像剤を調製して用いること
ができる。キャリアとしては、特に限定されないが、鉄
粉、フェライト、ガラスビーズ等、又はそれらの樹脂被
覆したもの、更にはマグネタイト微粉、フェライト微粉
を樹脂中に練り込んだ樹脂キャリア等が用いられ、トナ
ーのキャリアに対する混合比は0.5〜20重量部であ
る。またキャリアの粒径としては、15〜500μmの
ものが用いられる。
【0047】以上のように、コア材の重合性単量体が重
合反応を開始した後重合反応終了前にシェル材が重合を
開始すると、コア材とシェル材との境界が密着して一体
化し、薄く機械的に脆弱なシェル材の強度が高まるとい
う効果がある。また、コア材の重合を開始してからシェ
ル材の重合完了までの時間が短縮される。コア材の重合
反応が完了後にシェル材の重合反応を開始する場合に
は、コア材表面にシェル材の重合性単量体をよく膨潤さ
せた後にシェル材の重合反応を開始すればよい。コア材
の重合反応が十分に進む前にシェル材の重合反応を開始
すると、コア材とシェル材との境界が不明確になり、シ
ェル材に要求される耐ブロッキング性が不十分になるこ
とがある。この場合には、コア材表面の重合反応が90
%以上完了した後にシェル材の重合反応を開始させるよ
うにするとよい。なお、重合反応の割合は、完全に重合
反応を終了した樹脂の重量に対する、測定時点で重合反
応の終了した樹脂の重量により計算する。また、この発
明は、コア材の周りに2層以上のシェルを重ねて形成す
る場合に、隣り合う層間の重合反応の制御にも適用でき
る。この場合、最外層のシェルに囲まれた部分をコア材
から成る中間粒子とみなせば、上記の例と全く同様の方
法が実施できる。
【0048】〈具体例2〉この具体例では、少なくとも
熱可塑性樹脂と着色剤を構成材料とする熱圧力定着用ト
ナーにおいて、各重合体に由来するガラス転移温度が異
なる重合性単量体を2種類以上用い、かつ最外殻の樹脂
層のガラス転移温度を70℃以上とすることで上記問題
点を解決し、十分な低温定着性を有し、かつ耐ブロッキ
ング性に優れ、更に現像機内での機械的ストレスにも変
形しない充分な耐久性を有し、バックグラウンドかぶり
のない鮮明な画像を長期にわたって安定に形成すること
ができる熱圧力定着用カプセルトナーを提供する。
【0049】この具体例のトナーは、少なくとも熱可塑
性樹脂と着色剤を含有するコア材と、そのコア材の表面
を被覆するよう設けたシェル材とにより構成される。ま
た、この熱圧力定着用トナーは、次のような特徴を持
つ。 1.少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤から構成され、重
合により熱可塑性樹脂となる重合性単量体を2種類以上
用いる。 2.最外殻の樹脂層のガラス転移温度が70〜100℃
である。 3.この場合に、コア材のガラス転移温度は50〜70
℃であることが好ましい。
【0050】以下にこの具体例のカプセルトナーの製造
方法の一例を説明する。この具体例におけるカプセルト
ナーのコア材及びシェル材に用いられる樹脂は、具体例
1と同様である。まず、少なくともコア樹脂となる重合
性単量体と重合開始剤と着色剤を混合し必要に応じて架
橋剤、ワックス、帯電制御剤等を添加混合する。この混
合物を分散媒に分散させて重合を行うことでコアとなる
粒子を形成する。分散媒は具体例1と同様のものを使用
する。以上のようにして調整された懸濁液を攪袢しなが
ら50℃〜100℃に保つことで重合反応を進行或いは
完了させる。
【0051】かかる重合反応の進行中或いは完了後に該
懸濁液に第2番目の重合性単量体を添加しseed重合
を行う。即ち、第一番目の重合によって得られた重合中
或いは重合完了後の着色剤を含む熱可塑性樹脂粒子(以
下中間粒子と表現する)の水系懸濁液に少なくともビニ
ル重合性単量体とビニル重合開始剤を添加して中間粒子
に吸収させた後、中間粒子中の単量体成分を重合させる
ものである。中間粒子中に吸収させるビニル重合性単量
体等は、単独で添加してもよく、また予め水乳濁液とし
て添加しても良い。添加する水乳濁液は、水にビニル重
合性単量体とビニル重合開始剤を分散安定剤と共に乳化
分散させたものであり、必要に応じて架橋剤、オフセッ
ト防止剤、荷電制御剤等を含有させることもできる。
【0052】ここで用いる重合性単量体は重合後の樹脂
のガラス転移温度が70℃以上となるように選択するこ
とが望ましい。即ち、最外殻のシェル材のガラス転移温
度が70℃以上になるようにすることが望ましい。コア
材のガラス転移温度は、低温定着性を考慮すると、50
〜70℃程度が好ましい。そのコア材により形成された
中間粒子の周りに形成されるシェルのうちの、最外殻の
シェル材のガラス転移温度を70℃以上とすることは、
トナーに十分な耐ブロッキング特性を与えるうえで極め
て有効である。
【0053】seed重合に用いるビニル重合開始剤、
架橋剤、分散安定剤は、中間粒子の製造時に用いられる
ものと同様のものを用いても良いし、必要であれば例え
ば水溶性の重合開始剤を用いてシェルの重合条件を最適
化することも可能である。ビニル重合性単量体或いは水
乳濁液の添加により、該ビニル重合性単量体は中間粒子
表面を覆いコア粒子は若干膨潤する。そして、この状態
でシェル樹脂となる重合性単量体成分の重合が進行、即
ち中間粒子をコア粒子とするseed重合が行われカプ
セルトナーが完成する。
【0054】以上のような製造方法によれば低いエネル
ギーで十分に定着するコアと高温かつ高圧力下において
さえも優れた耐ブロッキング性を有することになるの
で、低温定着性と耐オフセット性が極めて高度にバラン
スしたカプセルトナーを得ることができる。この具体例
におけるカプセルトナーの粒径、流動性向上剤、クリー
ニング性向上剤の使用、含有する磁性体微粉末等は任意
であり、その例は具体例1と同様である。
【0055】〈具体例3〉この具体例では、少なくとも
熱可塑性樹脂と着色剤を構成材料とする熱圧力定着用ト
ナーにおいて、各重合体に由来するガラス転移温度が異
なる重合性単量体を2種類以上用い、最外層を構成する
樹脂の含有量を0.1〜4重量部とする。これにより、
十分な低温定着性を有し、かつ耐ブロッキング性に優
れ、更に現像機内での機械的ストレスにも変形しない充
分な耐久性を有し、バックグラウンドかぶりのない鮮明
な画像を長期にわたって安定に形成することができる熱
圧力定着用カプセルトナーを提供する。
【0056】この具体例のトナーは、少なくとも熱可塑
性樹脂と着色剤を含有するコア材と、そのコア材の表面
を被覆するよう設けたシェル材とにより構成される。ま
た、この熱圧力定着用トナーは、次のような特徴を持
つ。 1.少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤から構成され、重
合により熱可塑性樹脂となる重合性単量体を2種類以上
用いる。 2。最外殻のシェルを構成するシェル材の総重量が、前
記コア材の総重量とシェル材の総重量の和を基準にした
とき、0。1重量部以上4重量部以下である。
【0057】以下にこの具体例のカプセルトナーの製造
方法の一例を説明する。この具体例におけるカプセルト
ナーのコア材及びシェル材に用いられる樹脂は、具体例
1と同様である。まず、少なくともコア樹脂となる重合
性単量体と重合開始剤と着色剤を混合し必要に応じて架
橋剤、ワックス、帯電制御剤等を添加混合する。この混
合物を分散媒に分散させて重合を行うことでコアとなる
粒子を形成する。分散媒は具体例1と同様のものを使用
する。以上のようにして調整された懸濁液を攪袢しなが
ら50℃〜100℃に保つことで重合反応を進行或いは
完了させる。
【0058】かかる重合反応の進行中或いは完了後に該
懸濁液に第2番目の重合性単量体を添加しseed重合
を行う。即ち、第一番目の重合によって得られた重合中
或いは重合完了後の着色剤を含む熱可塑性樹脂粒子(以
下中間粒子と表現する)の水系懸濁液に少なくともビニ
ル重合性単量体とビニル重合開始剤を添加して中間粒子
に吸収させた後、中間粒子中の単量体成分を重合させる
ものである。中間粒子中に吸収させるビニル重合性単量
体等は、単独で添加してもよく、また予め水乳濁液とし
て添加しても良い。添加する水乳濁液は、水にビニル重
合性単量体とビニル重合開始剤を分散安定剤と共に乳化
分散させたものであり、必要に応じて架橋剤、オフセッ
ト防止剤、荷電制御剤等を含有させることもできる。
【0059】seed重合に用いるビニル重合開始剤、
架橋剤、分散安定剤は、中間粒子の製造時に用いられる
ものと同様のものを用いても良いし、必要であれば例え
ば水溶性の重合開始剤を用いてシェルの重合条件を最適
化することも可能である。ビニル重合性単量体或いは水
乳濁液の添加により、該ビニル重合性単量体は中間粒子
表面を覆いコア粒子は若干膨潤する。そして、この状態
でシェル樹脂となる重合性単量体成分の重合が進行、即
ち中間粒子をコア粒子とするseed重合が行われカプ
セルトナーが完成する。
【0060】ここで、シェル樹脂となる重合性単量体成
分の添加量はこの具体例で述べるようにコア樹脂を形成
する重合性単量体成分に対して0.1〜4重量部である
ことが望ましい。0.1重量部以下では定着性を優先さ
せガラス転移温度の比較的低い樹脂をコア成分に用いた
場合、コア粒子の表面を十分に覆うことが難しく、耐ブ
ロッキング性に難が生じるからである。
【0061】また、該添加量が4重量部を越えると定着
性が劣ってくる。更にはその厚いシェル層の存在によ
り、帯電制御剤を含有するコア粒子表面との間に距離を
生じるため、摩擦帯電による電荷の授受が行われにくく
なり、帯電不良を生じることになる。そしてその結果と
してバックグラウンドかぶりが生じやすくなり、印刷品
質の低下を招くことになるからである。この具体例にお
けるカプセルトナーの粒径は別段制約を受けるものでは
ないが、平均粒径は通常3〜30μmが望ましい。この
具体例におけるカプセルトナーの粒径、流動性向上剤、
クリーニング性向上剤の使用、含有する磁性体微粉抹等
は任意であり、その例は具体例1と同様である。
【0062】以上のような製造方法によれば低いエネル
ギーで十分に定着するコアと高温かつ高圧力下において
さえも優れた耐ブロッキング性を有することになるの
で、低温定着性と耐オフセット性が極めて高度にバラン
スしたカプセルトナーを得ることができる。また、カプ
セルトナーのシェル形成反応において、重合開始剤を通
常より多量に用いることでシェル形成反応を素早く行う
ので、コア材とシェル材とが相溶を生じない。このた
め、コアとシェルの機能分離を理想的に行い、優れた低
温定着性と耐ブロッキング性を高度に両立させるトナー
を得ることができる。
【0063】〈具体例4〉上記の具体例による方法で
は、コア材となる重合性単量体の重合反応が進行中また
は完了した段階でコア材を分散媒中に懸濁状態のまま放
置し、この状態で直ちにシェル形成のための重合性単量
体と重合開始剤を添加する。また、或いは重合開始剤を
含んだ重合性単量体をコア表面に吸着膨潤させてシェル
形成を行う。この具体例では、以上のような方法を用い
たカプセルトナーに、さらに十分な低温定着性と耐ブロ
ッキング性、耐久性を付与する。
【0064】また、seed重合においてはシェル形成
のための重合反応に比較的長い時間を有するためコア樹
脂とシェル樹脂の界面があいまいになり両者が相溶しや
すい。このため耐ブロッキング特性を向上させる目的で
形成したシェルの特性がコアに近いものになってしまい
結果として耐ブロッキング性の向上を図ることが難しい
こともある。同時にコアの特性に熱溶融しにくいシェル
の特性が混合し、定着率も悪化しやすくなることもあ
る。
【0065】この具体例では、少なくとも熱可塑性樹脂
と着色剤を構成材料とする熱圧力定着用トナーにおい
て、各重合体に由来するガラス転移温度が異なる重合性
単量体を2種類以上用い、且つ最外殻の樹脂層形成の重
合反応に用いる重合開始剤の量を、該最外殻形成のため
に用いられる重合性単量体の全重量に対し、4〜15重
量部とする。これにより、十分な低温定着性を有し、か
つ耐ブロッキング性に優れ、更に現像機内での機械的ス
トレスにも変形しない充分な耐久性を有し、バックグラ
ウンドかぶりのない鮮明な画像を長期にわたって安定に
形成することができる熱圧力定着用カプセルトナーを提
供できることを見出しこの具体例を完成した。
【0066】この具体例のトナーは、少なくとも熱可塑
性樹脂と着色剤を含有するコア材と、そのコア材の表面
を被覆するよう設けたシェル材とにより構成される。ま
た、この熱圧力定着用トナーは、次のような特徴を持
つ。 1.少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤から構成され、重
合により熱可塑性樹脂となる重合性単量体を2種類以上
用いる。 2.最外殻の樹脂層形成の重合反応に用いる重合開始剤
の量が該最外殻形成のために用いられる重合性単量体の
全重量に対し、4〜15重量部である。
【0067】以下にこの具体例のカプセルトナーの製造
方法の一例を説明する。この具体例におけるカプセルト
ナーのコア材及びシェル材に用いられる樹脂は、具体例
1と同様である。まず、少なくともコア樹脂となる重合
性単量体と重合開始剤と着色剤を混合し必要に応じて架
橋剤、ワックス、帯電制御剤等を添加混合する。この混
合物を分散媒に分散させて重合を行うことでコアとなる
粒子を形成する。分散媒は具体例1と同様のものを使用
する。以上のようにして調整された懸濁液を攪袢しなが
ら50℃〜100℃に保つことで重合反応を行う。
【0068】かかる重合反応の進行中或いは完了後に該
懸濁液に第2番目の重合性単量体を添加しseed重合
を行う。即ち、第一番目の重合によって得られた重合中
或いは重合完了後の着色剤を含む熱可塑性樹脂粒子(以
下中間粒子と表現する)の水系懸濁液に少なくともビニ
ル重合性単量体とビニル重合開始剤を添加して中間粒子
に吸収させた後、中間粒子中の単量体成分を重合させる
ものである。中間粒子中に吸収させるビニル重合性単量
体等は、単独で添加してもよく、また予め水乳濁液とし
て添加しても良い。添加する水乳濁液は、水にビニル重
合性単量体とビニル重合開始剤を分散安定剤と共に乳化
分散させたものであり、必要に応じて架橋剤、オフセッ
ト防止剤、荷電制御剤等を含有させることもできる。
【0069】seed重合に用いるビニル重合開始剤、
架橋剤、分散安定剤は、中間粒子の製造時に用いられる
ものと同様のものを用いても良いし、必要であれば例え
ば水溶性の重合開始剤を用いてシェルの重合条件を最適
化することも可能である。seed重合に用いる重合開
始剤の使用量としては、本実施例で述べるようにビニル
重合性単量体を基準にして4〜15重量部で使用するの
が良い。これらの重合開始剤の使用量が15重量部より
多いと得られるトナーの表面に重合開始剤の分解物が大
量に残留し、高温多湿下での帯電特性が低下する原因と
なる。
【0070】また使用量が4重量部より少ないと、シェ
ル形成のための重合反応が緩慢に進行する結果、シェル
樹脂とコア樹脂が両者の境界面で相溶しやすくなり、カ
プセルトナーとしての機能分離が十分に行われにくくな
る。ビニル重合性単量体或いは水乳濁液の添加により、
該ビニル重合性単量体は中間粒子表面を覆うわけである
がこの時コア粒子は若干膨潤する。従って、シェル形成
のための重合反応が緩慢であると、シェル樹脂とコア樹
脂の境界面があいまいになり機能分離が不充分となり、
カプセルトナーの効果が小さくなってしまうわけであ
る。
【0071】水乳濁液の添加量は、コア樹脂のガラス転
移温度に応じて決定することが望ましい。即ち、コア樹
脂のガラス転移温度が高いときには一般に少量の添加で
必要な耐ブロッキング性を確保しやすくなる。反対にコ
ア樹脂のガラス転移温度が低いときには多めの添加量が
必要になる。
【0072】このようにしてseed重合に用いる重合
開始剤の使用量を本実施例で述べるようにビニル重合性
単量体を基準にして4〜15重量部使用することによっ
て従来提案されていたカプセルトナーよりも、低温定着
性と保存安定性の点で従来のものより優れたカプセルト
ナーを得ることができる。この具体例におけるカプセル
トナーの粒径は別段制約を受けるものではないが、平均
粒径は通常3〜30μmが望ましい。この具体例におけ
るカプセルトナーの粒径、流動性向上剤、クリーニング
性向上剤の使用、含有する磁性体微粉末等は任意であ
り、その例は具体例1と同様である。
【0073】〈具体例5〉重合中にコアとなる樹脂とシ
ェルとなる樹脂が若干相溶し、両者の境界面が不明瞭に
なると、コアの持つ耐ブロッキング性における不利な要
素とシェルにおける低温定着性の不利な要素が発現して
しまいそれぞれの樹脂の持つ機能が生かしきれない。こ
の具体例によれば、接触現像での高加圧下での使用に耐
え得るものが実現する。更に、ヒートローラ等の熱圧力
定着方式において、耐オフセット性に優れていて、低温
で定着でき、また耐ブロッキング性に優れ、更に長時間
の使用にも耐え得る耐久性に優れた圧力定着用トナーを
提供する。
【0074】即ち、この具体例では、少なくとも熱可塑
性樹脂と着色剤を構成材料とする熱圧力定着用トナーに
おいて、少なくとも1種類の重合性単量体をあらかじめ
重合した後に該重合物を少なくとも着色剤を含むもう一
方の重合性単量体と混合し、該混合物を分散媒中に分散
させて重合する。これにより、十分な低温定着性を有
し、かつ耐ブロッキング性に優れ、更に現像機内での機
械的ストレスにも変形しない充分な耐久性を有し、バッ
クグラウンドかぶりのない鮮明な画像を長期にわたって
安定に形成することができる熱圧力定着用カプセルトナ
ーを提供する。
【0075】この具体例のトナーは、少なくとも1種類
のあらかじめ重合した重合性単量体と少なくとも着色剤
を含むもう1種類の重合性単量体とを混合しこれを分散
媒中に分散、重合することで得られる。また、この熱圧
力定着用トナーは、次のような特徴を持つ。 1.少なくとも1種類の重合性単量体が単独であらかじ
め重合されている。 2.上記重合した重合性単量体(熱可塑性樹脂)と少な
くとも着色剤を含む別の重合性単量体都を混合し、これ
を分散媒中に分散し、重合する。
【0076】以下にこの具体例のカプセルトナーの製造
方法の一例を説明する。この具体例におけるカプセルト
ナーのコア材及びシェル材に用いられる樹脂は、具体例
1と同様である。まず、少なくともコア樹脂となる重合
性単量体と重合開始剤と着色剤を混合し必要に応じて架
橋剤、ワックス、帯電制御剤等を添加混合する。この混
合物とあらかじめ重合されたシェル材となる樹脂を更に
混合し、これを分散媒に分散させて重合を行うことで目
的とするカプセルトナーを得ることができる。
【0077】分散媒中にこれらの材料を分散させると、
コア材となる樹脂は球形に重合反応を進め、シェル材と
なる樹脂はコア材の表面に凝集して殻状に固まる。分散
媒が水の場合に、シェル材を構成する樹脂が親水基を持
つものであれば、油性のコア材は粒状になり、その外表
面をシェル材となる樹脂が取り囲んで重合反応が進む。
このようにして製造されたトナーは、シェル材が予め重
合しているので、コア材との相溶を抑制して、シェル材
本来の性質を保持できる。なお、シェルが2層以上設け
られたトナーの場合には、コアの周りを直接取り囲むシ
ェルについて、このような予備重合処理を行えばよい。
【0078】分散媒は具体例1と同様のものを使用す
る。また、具体例1で紹介した樹脂を単独或いは混合で
用いて、コア材及びシェル材の樹脂とすることができ
る。また、シェル材はガラス転移温度をコア材のそれよ
りも高くなるように樹脂設計を行うことが望ましい。一
例として、シェル材を構成する樹脂成分のスチレンもし
くはスチレン誘導体の混合比率をコア材のそれよりも大
きく、換言すればエチレン性モノカルボン酸もしくはそ
のエステルの比率を小さくすることが有効である。また
別の方法としてエチレン性モノカルボン酸もしくはその
エステルを単独或いは2種類以上組み合わせて用いるこ
ともまた有効である。以上のようにして調整された懸濁
液を攪袢しながら50℃〜100℃に保つことで重合反
応を行い重合反応を進行或いは完了させる。
【0079】この具体例におけるカプセルトナーの粒径
は別段制約を受けるものではないが、平均粒径は通常3
〜30μmが望ましい。この具体例におけるカプセルト
ナーの粒径、流動性向上剤、クリーニング性向上剤の使
用、含有する磁性体微粉末等は任意であり、その例は具
体例1と同様である。
【0080】〈具体例6〉この具体例では、少なくとも
熱可塑性樹脂と着色剤を構成材料とする熱圧力定着用ト
ナーにおいて、各重合体に由来するガラス転移温度が異
なる重合性単量体を3種類以上用い、かつ最内殻の樹脂
層と最外殻の樹脂層を除く中間層の少なくとも1層に用
いられている樹脂が重合性単量体をあらかじめ重合した
樹脂を用いて更に重合させたる後に得られた樹脂である
トナーとする。これにより、十分な低温定着性を有し、
かつ耐ブロッキング性に優れ、更に現像機内での機械的
ストレスにも変形しない充分な耐久性を有し、バックグ
ラウンドかぶりのない鮮明な画像を長期にわたって安定
に形成することができる熱圧力定着用カプセルトナーを
提供する。
【0081】この具体例のトナーは、少なくとも熱可塑
性樹脂と着色剤を含有するコア材と、そのコア材の表面
を被覆するよう設けた第一のシェル材と更にそのシェル
材の表面を被覆する第2のシェル材とにより構成され
る。また、この熱圧力定着用トナーは、次のような特徴
を持つ。 1.少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤から構成され、重
合により熱可塑性樹脂となる重合性単量体を3種類以上
用いる。 2.最内殻の樹脂層と最外殻の樹脂層を除く中間層の少
なくとも1層に用いられている樹脂が重合性単量体をあ
らかじめ重合した樹脂を用いて更に重合させたる後に得
られた樹脂である。
【0082】以下にこの具体例のカプセルトナーの製造
方法の一例を説明する。この具体例におけるカプセルト
ナーのコア材及びシェル材に用いられる樹脂は、具体例
1と同様である。まず、少なくともコア樹脂となる重合
性単量体と重合開始剤と着色剤を混合し必要に応じて架
橋剤、ワックス、帯電制御剤等を添加混合する。この混
合物を分散媒に分散させて重合を行うことでコアとなる
粒子を形成する。分散媒は具体例1と同様のものを使用
する。以上のようにして調整された懸濁液を攪袢しなが
ら50℃〜100℃に保つことで重合反応を進行或いは
完了させる。
【0083】かかる重合反応の進行中或いは完了後に該
懸濁液に第2番目の重合性単量体を添加しseed重合
を行う。即ち、第一番目の重合によって得られた重合中
或いは重合完了後の着色剤を含む熱可塑性樹脂粒子(以
下中間粒子と表現する)の水系懸濁液に少なくともビニ
ル重合性単量体とビニル重合開始剤を添加して中間粒子
に吸収させた後、中間粒子中の単量体成分を重合させる
ものである。中間粒子中に吸収させるビニル重合性単量
体等は、単独で添加してもよく、また予め水乳濁液とし
て添加しても良い。添加する水乳濁液は、水にビニル重
合性単量体とビニル重合開始剤を分散安定剤と共に乳化
分散させたものであり、必要に応じて架橋剤、オフセッ
ト防止剤、荷電制御剤等を含有させることもできる。
【0084】seed重合に用いるビニル重合開始剤、
架橋剤、分散安定剤は、中間粒子の製造時に用いられる
ものと同様のものを用いても良いし、必要であれば例え
ば水溶性の重合開始剤を用いてシェルの重合条件を最適
化することも可能である。ビニル重合性単量体或いは水
乳濁液の添加により、該ビニル重合性単量体は中間粒子
表面を覆いコア粒子は若干膨潤する。そして、この状態
でシェル樹脂となる重合性単量体成分の重合が進行、即
ち中間粒子をコア粒子とするseed重合が行われカプ
セルトナーが完成する。
【0085】このようにして一例としてin situ
重合とseed重合を組み合わせ、シェルを2層設ける
カプセルトナーにおいてこの具体例の主旨のようにコア
と最外殻のシェル層の間の少なくともひとつの層に用い
られている樹脂が重合性単量体をあらかじめ重合した樹
脂を用いて更に重合させたる後に得られた樹脂であるト
ナーとすることによってコアと最外殻シェルの間に両者
と相溶性の低い層を設けることになるので、従来のよう
なシェルが1層のカプセルトナーよりも、低温定着性と
保存安定性の点で従来のものより優れたカプセルトナー
を得ることができる。
【0086】即ち、この具体例による製造方法によれば
実質的に2層以上のシェルを有することになり、かつ中
間の層がコアと最外殻シェルの間の隔壁となり、コアと
シェルの機能分離を極めて効率的に行えるので、低温定
着性と耐オフセット性をより良好にすることができる。
【0087】また、実施例で述べるように、このin
situ重合の段階でコア樹脂の表面を覆う樹脂となる
あらかじめ重合した樹脂を少なくともコア樹脂となる重
合性単量体と重合開始剤と着色剤とともに混合し重合を
行うこともできる。即ち、添加混合する物質の例として
は上述したコア材及びシェル材に用いる全てのモノマー
またはそれらの重合体を用いることができる。この混合
物を分散媒に分散させて重合を行うことでコアとなる粒
子を形成する。
【0088】このように、最外殻のシェルと中間粒子と
の間に設けられたシェルのシェル材が、コア材を重合反
応させる前に、重合性単量体をあらかじめ重合した後、
コア材とともに更に重合反応させた熱可塑性樹脂から構
成すると、薄い中間層によって、最外殻のシェルと中間
粒子とが隔てられるから、相溶を抑制して、最外殻のシ
ェルの特性を高めることができる。
【0089】この具体例におけるカプセルトナーの粒径
は別段制約を受けるものではないが、平均粒径は通常3
〜30μmが望ましい。この具体例におけるカプセルト
ナーの粒径、流動性向上剤、クリーニング性向上剤の使
用、含有する磁性体微粉末等は任意であり、その例は具
体例1と同様である。
【0090】〈具体例7〉既に説明したin situ
重合法による製造方法では、コア材構成材料とシェル構
成材料の混合液を分散媒中に分散させると、シェル構成
材料が液滴の表面に偏在するという性質を利用してい
る。即ち、溶解度パラメータの差によって混合液の液滴
中でコア材構成材料とシェル材構成材料の分離が起こ
り、その状態で重合が進行してカプセル構造が形成され
る。
【0091】しかしながら、この方法は溶解度パラメー
タの僅かな差を利用して重合を行うためシェルを厚くす
ることは難しい。即ちシェル形成樹脂を大量にコア材重
合性単量体に混合すると完全に相分離を生じてしまうた
め、カプセルトナーのシェルを厚くすることには限界が
ある。従って、低温定着特性を有する溶融し易いコアに
適用する厚みの大きなシェルを得ることは難しい。
【0092】一方、別の具体例で説明したseed重合
によるカプセルトナーの製造方法では、重合が完了した
コア樹脂を分散媒中に懸濁状態のまま放置し、その後シ
ェル形成のための重合性単量体と重合開始剤を添加す
る。また、或いは重合開始剤を含んだ重合性単量体をコ
ア表面に吸着させてシェル形成を行う。しかしながら、
この方法は十分な厚みを持つシェル形成のための重合反
応に比較的長い時間を有する。
【0093】この具体例では、少なくとも熱可塑性樹脂
と着色剤を構成材料とする熱圧力定着用トナーにおい
て、各重合体に由来するガラス転移温度が異なる重合性
単量体を3種類以上用い、かつそのうち最も高いガラス
転移温度を有する重合体のガラス転移温度と2番目に高
いガラス転移温度を有する重合体のガラス転移温度との
差が5℃以上である熱圧力定着用トナーとする。これに
より、十分な低温定着性を有し、かつ耐ブロッキング性
に優れ、更に現像機内での機械的ストレスにも変形しな
い充分な耐久性を有し、バックグラウンドかぶりのない
鮮明な画像を長期にわたって安定に形成することができ
る熱圧力定着用カプセルトナーを提供する。
【0094】この具体例のトナーは、少なくとも熱可塑
性樹脂と着色剤を含有するコア材と、そのコア材の表面
を被覆するよう設けた第一のシェル材と更にそのシェル
材の表面を被覆する第2のシェル材とにより構成され
る。また、この熱圧力定着用トナーは、次のような特徴
を持つ。
【0095】1.少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤から
構成され、重合により熱可塑性樹脂となる重合性単量体
を3種類以上用いる。 2.最も高いガラス転移温度を有する重合体のガラス転
移温度と2番目に高いガラス転移温度を有する重合体の
ガラス転移温度との差が5℃以上である。 3.上記重合性単量体のうち少なくとも1種類の重合性
単量体は、他の重合性単量体の重合反応が既に開始し、
重合を行っている途中に重合を開始するか、又は他の重
合性単量体の重合完了後に重合を開始する。
【0096】以下にこの具体例のカプセルトナーの製造
方法の一例を説明する。この具体例におけるカプセルト
ナーのコア材及びシェル材に用いられる樹脂は、具体例
1と同様である。まず、少なくともコア樹脂となる重合
性単量体と重合開始剤と着色剤を混合し必要に応じて架
橋剤、ワックス、帯電制御剤等を添加混合する。この混
合物を分散媒に分散させて重合を行うことでコアとなる
粒子を形成する。分散媒は具体例1と同様のものを使用
する。以上のようにして調整された懸濁液を攪袢しなが
ら50℃〜100℃に保つことで重合反応を行いin
situな重合反応を進行或いは完了させる。
【0097】なお、シェル材はガラス転移温度をコア材
のそれよりも高くなるように樹脂設計を行うことが望ま
しい。一例として、シェル材を構成する樹脂成分のスチ
レンもしくはスチレン誘導体の混合比率をコア材のそれ
よりも大きく、換言すればエチレン性モノカルボン酸も
しくはそのエステルの比率を小さくすることが有効であ
る。また別の方法としてエチレン性モノカルボン酸もし
くはそのエステルを単独或いは2種類以上組み合わせて
用いることもまた有効である。
【0098】この混合物に更にin situな重合法
の重合途中あるいは完了段階においてコア樹脂粒子の表
面を覆うように被覆する樹脂を添加混合する。添加混合
する物質の例としては上述したコア材及びシェル材に用
いる全てのモノマーまたはそれらの重合体を用いること
ができるが、in situ重合において粒子表面に分
配される樹脂の単独でのガラス転移温度がコア材重合性
単量体の重合後に得られる樹脂のガラス転移温度よりも
高くなるように樹脂を選定することが望ましく、またそ
の差は5℃以上であることが望ましい。粒子表面に分配
される樹脂の単独でのガラス転移温度をコア材重合性単
量体の重合後に得られる樹脂のガラス転移温度よりも高
くすることはトナーの耐ブロッキング性を向上させるか
らである。また、その差を5℃以上とすることで必要十
分な非相溶性を確保し確実にカプセル構造を有すること
ができるからである。この差が5℃以下であるとコア材
とシェル材が相溶してしまい、シェル樹脂を混合する意
味が薄れる。
【0099】また、ここでいう単独でのガラス転移温度
とはそれぞれに対応する重合性単量体を各々単独で充分
に重合させた時、即ちガラス転移温度が重合度に依存し
ない程度の重合度を有するまでに重合した時に得られる
樹脂のガラス転移温度である。この混合物を分散媒に分
散させて重合を行うことでコアとなる粒子を形成する。
【0100】かかるin situ重合の進行中或いは
完了後に該懸濁液に第3番目の重合性単量体を添加しs
eed重合を行う。即ち、in situな重合によっ
て得られた重合中或いは重合完了後の着色剤を含む熱可
塑性樹脂粒子(以下中間粒子と表現する)の水系懸濁液
に少なくともビニル重合性単量体とビニル重合開始剤を
添加して中間粒子に吸収させた後、中間粒子中の単量体
成分を重合させるものである。中間粒子中に吸収させる
ビニル重合性単量体等は、単独で添加してもよく、また
予め水乳濁液として添加しても良い。添加する水乳濁液
は、水にビニル重合性単量体とビニル重合開始剤を分散
安定剤と共に乳化分散させたものであり、必要に応じて
架橋剤、オフセット防止剤、荷電制御剤等を含有させる
こともできる。
【0101】seed重合に用いるビニル重合性単量体
のガラス転移温度は、前記の中間粒子の製造時に用いら
れた中間粒子のシェル材のガラス転移温度と5℃以上異
なる重合性単量体を用いるのが望ましい。この場合、s
eed重合に用いるビニル重合性単量体のほうが高いガ
ラス転移温度を有しても良いし、その逆であってもよ
い。
【0102】重合後のガラス転移温度の差は5℃以上が
望ましい理由としては安定的なシェル形成を行い易いか
らである。この差が5℃以下であるような樹脂では相溶
性が大きいためseed重合による理想的なシェル形成
が困難になるからである。即ちシェルとなる重合性単量
体を含む水乳濁液を中間粒子に吸着、膨潤させた後該重
合性単量体が重合を進行中に中間粒子表面と相溶しシェ
ル中に中間粒子成分が混ざってしまい耐ブロッキング性
に劣るカプセルトナーとなりやすいからである。see
d重合に用いるビニル重合開始剤、架橋剤、分散安定剤
は、中間粒子の製造時に用いられるものと同様のものを
用いても良いし、必要であれば例えば水溶性の重合開始
剤を用いてシェルの重合条件を最適化することも可能で
ある。
【0103】水乳濁液の添加により、該ビニル重合性単
量体は中間粒子中に吸収されて中間粒子の膨潤が起こ
る。そして、この状態で中間粒子の単量体成分が重合す
る。即ち、中間粒子をコア粒子とするseed重合であ
る。このようにしてin situ重合に引き続きにs
eed重合させると、insitu重合法単独で製造さ
れたカプセルトナーに比較して、低温定着性と保存安定
性の点で従来のものより優れたカプセルトナーを得るこ
とができる。
【0104】即ち、この具体例による製造方法によれば
実質的に2層以上のシェルを有することになるので、低
温定着性と耐オフセット性をより良好にすることができ
る。更に、最も重要なことはこの具体例で述べるように
in situ重合において得られるシェルのガラス転
移温度とその外側にseed重合によって形成されるシ
ェルのガラス転移温度が5℃以上の差を有することであ
る。これによって、2層以上のシェルは相溶性を有する
ことがなく、換言すれば界面の明確な安定してシェルを
2層以上有することになる。
【0105】比較例に詳細に述べるようにガラス転移温
度差が5℃以下であると2層以上のシェルを有する優位
性が認められずただ1層のみのシェルを有するカプセル
トナーを製造するのとなんら変わりがないことになる。
従って、2層以上のシェルを有し各々のガラス転移温度
差が5℃以上あるようなカプセルトナー構造とすること
は極めて有効である。
【0106】こうして、コア材とガラス転移温度が互い
に5℃以上異なる熱可塑性樹脂から構成された、中間層
と最外殻の2層のシェル材により、シェルを形成する。
なお、中間層のシェル材とガラス転移温度と最外殻のシ
ェル材のガラス転移温度はどちらが高くてもよい。ガラ
ス転移温度が高いシェルを厚くし過ぎると定着性が悪
い。一方、シェルを薄くし過ぎると容易に破壊される。
そこで、定着性改善のためにややガラス転移温度の低い
シェル材を使用する。これがコア材のガラス転移温度に
近づくと相溶し易くなる。そこで、両者の間にガラス転
移温度の高い薄い中間層を設けてこれを改善した。
【0107】なお、この具体例におけるカプセルトナー
の粒径は別段制約を受けるものではないが、平均粒径は
通常3〜30μmが望ましい。この具体例におけるカプ
セルトナーの粒径、流動性向上剤、クリーニング性向上
剤の使用、含有する磁性体微粉末等は任意であり、その
例は具体例1と同様である。
【0108】〈具体例8〉この具体例では、少なくとも
熱可塑性樹脂と着色剤を構成材料とする熱圧力定着用ト
ナーにおいて、各重合体に由来するガラス転移温度が異
なる重合性単量体を3種類以上用い、かつ少なくとも1
種類の重合性単量体において、該重合性単量体の重合反
応が既に重合を開始した他の重合性単量体の重合途中又
は他の重合性単量体の重合完了後に行なうことを特徴と
し、最内殻であるコア樹脂と最外殻のシェル樹脂との間
に最も高いガラス転移温度を有する樹脂層を有するよう
に構成された熱圧力定着用トナーとする。
【0109】これにより、十分な低温定着性を有し、か
つ耐ブロッキング性に優れ、更に現像機内での機械的ス
トレスにも変形しない充分な耐久性を有し、バックグラ
ウンドかぶりのない鮮明な画像を長期にわたって安定に
形成することができる熱圧力定着用カプセルトナーを提
供する。
【0110】この具体例のトナーは、少なくとも熱可塑
性樹脂と着色剤を含有するコア材と、そのコア材の表面
を被覆するよう設けた第一のシェル材と更にそのシェル
材の表面を被覆する第2のシェル材とにより構成され
る。また、この熱圧力定着用トナーは、次のような特徴
を持つ。
【0111】1.少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤から
構成され、重合により熱可塑性樹脂となる重合性単量体
を3種類以上用いる。 2.上記重合性単量体のうち少なくとも1種類の重合性
単量体は、他の重合性単量体の重合反応が既に開始し、
重合を行っている途中に重合を開始するか、又は他の重
合性単量体の重合完了後に重合を開始する。 3.最内殻であるコア樹脂と最外殻のシェル樹脂との間
に最も高いガラス転移温度を有する樹脂層を有する。
【0112】以下に、この具体例のカプセルトナーの製
造方法の一例を説明する。この具体例におけるカプセル
トナーのコア材及びシェル材に用いられる樹脂は、具体
例1と同様である。まず、少なくともコア樹脂となる重
合性単量体と重合開始剤と着色剤を混合し必要に応じて
架橋剤、ワックス、帯電制御剤等を添加混合する。この
混合物を分散媒に分散させて重合を行うことでコアとな
る粒子を形成する。分散媒は具体例1と同様のものを使
用する。
【0113】またシェル材はガラス転移温度をコア材の
それよりも高くなるように樹脂設計を行うことが望まし
い。一例として、シェル材を構成する樹脂成分のスチレ
ンもしくはスチレン誘導体の混合比率をコア材のそれよ
りも大きく、換言すればエチレン性モノカルボン酸もし
くはそのエステルの比率を小さくすることが有効であ
る。また別の方法としてエチレン性モノカルボン酸もし
くはそのエステルを単独或いは2種類以上組み合わせて
用いることもまた有効である。
【0114】以上のようにして調整された懸濁液を攪袢
しながら50℃〜100℃に保つことで重合反応を行い
in situな重合反応を進行或いは完了させる。
【0115】また、この具体例で述べるように、このi
n situ重合の段階でコア樹脂の表面を覆う樹脂と
なる重合性単量体あるいはあらかじめ重合した樹脂を少
なくともコア樹脂となる重合性単量体と重合開始剤と着
色剤とともに混合し重合を行うこともできる。この混合
物に更にin situな重合法の重合途中あるいは完
了段階においてコア樹脂粒子の表面を覆うように被覆す
る樹脂を添加混合する。添加混合する物質の例としては
上述したコア材及びシェル材に用いる全てのモノマーま
たはそれらの重合体を用いることができる。
【0116】このとき用いるモノマーのガラス転移温度
は本発明での主旨であるように、コア樹脂のそれよりも
高く、in situ重合で表面を被覆している樹脂の
ガラス転移温度よりも低いことが望ましい。なぜなら
ば、トナーの保存性を高めるためにはseed重合にお
いて形成されるシェル層のガラス転移温度が高いことは
勿論望ましいが、定着性を良好に保つためには高く設定
することは望ましくない。
【0117】この具体例で述べるようにseed重合に
おいて形成されるシェル層のガラス転移温度はin s
itu重合において表面を被覆して得られる樹脂のガラ
ス転移温度よりも低く設計することが望ましい。なぜな
らば、in situ重合において表面を被覆して得ら
れる樹脂により耐ブロッキング性は相当程度確保されて
おり、seed重合によって得られるシェルはその補完
的な役割を担うからである。
【0118】in situあるいはseed重合にお
いて表面を被覆して得られる樹脂だけで耐ブロッキング
性を満足しようとすれば高いガラス転移温度で厚いシェ
ル層とならざるをえないため定着性を満足するのが困難
になる。一方、これを低いガラス転移温度の樹脂で行お
うとすればシェル層を厚くしても耐ブロッキング性に難
が残る。
【0119】従って、この具体例のようにコア樹脂を覆
うシェル層をガラス転移温度の異なる2種類以上の樹脂
を用いて2層以上とすれば耐ブロッキング性と良好な定
着性の双方を容易に満足することができる。更に本発明
のように最もガラス転移温度の高い樹脂をコアと最外層
のシェルの間におくことは最も相溶性の小さい2種類の
樹脂を隣接させることになるため、コア樹脂と最外層の
シェル樹脂との界面での相溶を防ぎコアとシェルの機能
分離を理想的に行うことができる。
【0120】また、ここでいう単独でのガラス転移温度
とはそれぞれに対応する重合性単量体を各々単独で充分
に重合させた時、即ちガラス転移温度が重合度に依存し
ない程度の重合度を有するまでに重合した時に得られる
樹脂のガラス転移温度である。
【0121】かかるin situ重合の進行中或いは
完了後に該懸濁液に第3番目の重合性単量体を添加しs
eed重合を行う。即ち、in situな重合によっ
て得られた重合中或いは重合完了後の着色剤を含む熱可
塑性樹脂粒子(以下中間粒子と表現する)の水系懸濁液
に少なくともビニル重合性単量体とビニル重合開始剤を
添加して中間粒子に吸収させた後、中間粒子中の単量体
成分を重合させるものである。中間粒子中に吸収させる
ビニル重合性単量体等は、単独で添加してもよく、また
予め水乳濁液として添加しても良い。添加する水乳濁液
は、水にビニル重合性単量体とビニル重合開始剤を分散
安定剤と共に乳化分散させたものであり、必要に応じて
架橋剤、オフセット防止剤、荷電制御剤等を含有させる
こともできる。
【0122】seed重合に用いるビニル重合性単量体
のガラス転移温度は上述したようにin situ重合
で得られるシェルのガラス転移温度よりも低くすること
が望ましい。in situ重合において表面を被覆し
て得られる樹脂により耐ブロッキング性は相当程度確保
されており、seed重合によって得られるシェルはそ
の補完的な役割を担うようにすればよいからである。こ
れによって、定着性を犠牲にすることなく十分な耐ブロ
ッキング性を確保することができる。
【0123】しかも本実施例のように、最もガラス転移
温度の高い樹脂をコアと最外層のシェルの間におくこと
は最も相溶性の小さい2種類の樹脂を隣接させることに
なるため、コア樹脂と最外層のシェル樹脂との界面での
相溶を防ぎコアとシェルの機能分離を理想的に行うこと
ができる。従って、耐ブロッキング性確保のために必要
なシェル層厚さは従来の方法に比較して最小限に留める
ことができる。seed重合に用いるビニル重合開始
剤、架橋剤、分散安定剤は、中間粒子の製造時に用いら
れるものと同様のものを用いても良いし、必要であれば
例えば水溶性の重合開始剤を用いてシェルの重合条件を
最適化することも可能である。
【0124】水乳濁液の添加により、該ビニル重合性単
量体は中間粒子中に吸収されて中間粒子の膨潤が起こ
る。そして、この状態で中間粒子の単量体成分が重合す
る。即ち、中間粒子をコア粒子とするseed重合であ
る。このようにしてin situ重合に引き続きにs
eed重合させると、insitu重合法単独で製造さ
れたカプセルトナーに比較して、低温定着性と保存安定
性の点で従来のものより優れたカプセルトナーを得るこ
とができる。
【0125】即ち、この具体例による製造方法によれば
実質的に2層以上のシェルを有することになるので、低
温定着性と耐オフセット性をより良好にすることができ
る。更に、最も重要なことは本実施例に繰り返し述べる
ように最もガラス転移温度の高い樹脂をコアと最外層の
シェルの間におくことは最も相溶性の小さい2種類の樹
脂を隣接させることになるため、コア樹脂と最外層のシ
ェル樹脂との界面での相溶を防ぎコアとシェルの機能分
離を理想的に行うことができる。従って、耐ブロッキン
グ性確保のために必要なシェル層厚さは従来の方法に比
較して最小限に留めることができる。
【0126】比較例に述べるようにシェルを2種類の構
成にしてもコア側から順にガラス転移温度の高い樹脂に
すると十分な低温定着性を確保しようとすると耐ブロッ
キング性を確保することができなくなる。なお、この具
体例におけるカプセルトナーの粒径は別段制約を受ける
ものではないが、平均粒径は通常3〜30μmが望まし
い。この具体例におけるカプセルトナーの粒径、流動性
向上剤、クリーニング性向上剤の使用、含有する磁性体
微粉末等は任意であり、その例は具体例1と同様であ
る。
【0127】
【実施例】以下、実施例、比較例および試験例により本
発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施
例等により何ら限定されるものではない。本発明を次の
例で説明する。 〈実施例1−1〉スチレン75重量部、アクリル酸−n
−ブチル25重量部にオフセット防止剤として低分子量
ポリエチレン1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピ
ロンブラックTRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、
カーボンブラック(Printex Lデグサ社製)7重
量部及び2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量
部を加え、アトライター(「MA―01SC」、三井三
池化工機社製)に投入し15℃にて10時間分散し、重
合性組成物を得た。
【0128】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0129】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、超
音波発振機(US−150、(株)日本精機製作所)に
てメタクリル酸メチル9.5重量部、アクリル酸−n−
ブチル0.5部、重合開始剤として2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム0.1重量部、水80重量部からなる水乳濁液Aを
調製した。この水乳濁液Aを9重量部を滴下し、該中間
粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察
を行ったところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて
短時間のうちに完了していることが確かめられた。
【0130】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。
【0131】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は50℃であった。即
ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガ
ラス転移温度は50℃であると考えることができる。ま
た、水乳濁液Aのみを単独で重合した時に得られる熱可
塑性樹脂のガラス転移温度は95℃であった。即ち、シ
ェル由来の樹脂のガラス転移温度は95℃であると考え
ることができる。
【0132】このカプセルトナー50重量部に、疎水性
シリカ微粉末「アエロジルR−972」(日本アエロジ
ル社製)0.35重量部を加えて混合し、この発明のカ
プセルトナーを得た。
【0133】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。なお、定着器ヒートローラの設
定温度は130℃とした。結果を表1に示す。このトナ
をプリンタに入れて印刷を行い、定着率を測定した。
定着器ヒートローラの設定温度は130℃とした。
【0134】定着率は次式で定義した。 定着率(%)=(剥離後濃度/剥離前濃度)×100 剥離前濃度とは印刷物のべた黒部をマクベス濃度測定器
で測定した値である。また、剥離後濃度とは印刷物のべ
た黒部に3M製スコッチテープを貼りその上に50g/
cm2 の荷重をかけ1往復させた後3cm/sec.の
速度で該スコッチテープをはがした時に印刷物上に残っ
ている画像の濃度のことである。以上のようにして得ら
れた定着率を以下のように分類し、図1にまとめた。こ
の図1は、具体例1の概要を示す説明図で、1はコア
材、2はシェル材を示す。 本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示した。
【0135】また、このトナーの耐ブロッキング特性は
以下の方法で測定した。まずトナーサンプル20gを底
面積20cm2 の円筒型の容器に入れふたをし500g
/cm2 の加圧となるように重りをのせた。この状態で
50℃の雰囲気下に1ヶ月放置した。次にサンプルトナ
ーは20g全てを45μmメッシュのふるいに乗せ、1
KHz、30秒間の振動を与えた後、ふるい上に残った
トナー残量を測定した。ブロッキング特性は次式で定義
した。 ブロッキング率(%)=ふるい上に残ったトナー残量
(g)/サンプルトナー重量(g)×100 本実施例のカプセルトナーは全くブロッキングを生じず
極めて良好な保存性を示した。
【0136】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0137】〈実施例1−2〉スチレン82.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル17.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0138】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。次いで実施例1−1と同
様に水乳濁液Aを9重量部を滴下し、seed重合を行
い平均粒径7μmのカプセルトナーを得た。
【0139】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は65℃であった。即
ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガ
ラス転移温度は65℃であると考えることができる。こ
のカプセルトナーに、実施例1−1と同様の外添処理を
行いこの発明のカプセルトナーを得た。
【0140】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例1−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例1
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーも実施
例1−1の場合と同様に全くブロッキングを生じず極め
て良好な耐ブロッキング特性を示した。
【0141】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0142】〈実施例1−3〉スチレン75重量部、ア
クリル酸−n−ブチル25重量部にオフセット防止剤と
して低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯電制御剤
「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ谷化学社
製)1重量部、カーボンブラック(Printex Lデ
グサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル1重量部を加え、アトライター(「MA―01
SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃にて10
時間分散し、重合性組成物を得た。
【0143】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0144】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、超
音波発振機(US−150、(株)日本精機製作所)に
てメタクリル酸メチル7重量部、アクリル酸−n−ブチ
ル3部、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.
1重量部、水80重量部からなる水乳濁液Bを調製し
た。この水乳濁液Bを9重量部を滴下し、該中間粒子を
膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察を行っ
たところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて短時間
のうちに完了していることが確かめられた。
【0145】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。
【0146】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は50℃であった。即
ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガ
ラス転移温度は50℃であると考えることができる。ま
た、水乳濁液Bのみを単独で重合した時に得られる熱可
塑性樹脂のガラス転移温度は70℃であった。即ち、シ
ェル由来の樹脂のガラス転移点は70℃であると考える
ことができる。このカプセルトナーに実施例1−1と同
様の外添処理を行い本実施例のカプセルトナーを得た。
【0147】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例1−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例1
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーも実施
例1−1の場合と同様に全くブロッキングを生じず極め
て良好な耐ブロッキング特性を示した。
【0148】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0149】〈実施例1−4〉スチレン82.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル17.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0150】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。次いで実施例3と同様に
水乳濁液Bを9重量部を滴下し、seed重合を行い平
均粒径7μmのカプセルトナーを得た。
【0151】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は65℃であった。即
ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガ
ラス転移温度は65℃であると考えることができる。こ
のカプセルトナーに実施例1−1と同様の外添処理を行
い本実施例のカプセルトナーを得た。
【0152】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例1−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例1
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーも実施
例1の場合と同様に全くブロッキングを生じず極めて良
好な耐ブロッキング特性を示した。
【0153】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0154】〈比較例1−1〉スチレン82.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル17.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0155】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。上述の重合反
応が完了した段階で得られる熱可塑性樹脂のガラス転移
温度は65℃であった。このカプセルトナーに実施例1
−1と同様の外添処理を行い本実施例のカプセルトナー
を得た。このトナーに実施例1−1と同様の外添処理を
行い本比較例のカプセルトナーを得た。
【0156】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定したところ実施例1−1〜1−4と同
様に十分な定着性を示した。また、このトナーの耐ブロ
ッキング特性を実施例1−1と同様の方法で測定した。
本例のトナーは耐ブロッキング特性は劣悪であった。本
比較例のカプセルトナーはブロッキングが著しいく実用
には適さないことが確認された。
【0157】〈比較例1−2〉スチレン85重量部、ア
クリル酸−n−ブチル15重量部にオフセット防止剤と
して低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯電制御剤
「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ谷化学社
製)1重量部、カーボンブラック(Printex Lデ
グサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル1重量部を加え、アトライター(「MA―01
SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃にて10
時間分散し、重合性組成物を得た。
【0158】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0159】上述の重合反応が完了した段階で得られる
熱可塑性樹脂のガラス転移温度は70℃であった。この
カプセルトナーに実施例1−1と同様の外添処理を行い
本実施例のカプセルトナーを得た。
【0160】このトナーは耐ブロッキング性は満足する
ものであったが、プリンタに入れて印刷を行い、定着率
を測定したところ満足な定着性能を示さなかった。
【0161】〈比較例1−3〉スチレン72.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル27.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0162】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0163】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、超
音波発振機(US−150、(株)日本精機製作所)に
てメタクリル酸メチル10重量部、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム0.1重量部、水80重量部からなる水乳濁液Cを
調製した。この水乳濁液Cを9重量部を滴下し、該中間
粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察
を行ったところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて
短時間のうちに完了していることが確かめられた。
【0164】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。
【0165】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は45℃であった。即
ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガ
ラス転移温度は45℃であると考えることができる。ま
た、水乳濁液Cのみを単独で重合した時に得られる熱可
塑性樹脂のガラス転移温度は100℃であった。即ち、
シェル由来の樹脂のガラス転移点は100℃であると考
えることができる。このカプセルトナーに実施例1−1
と同様の外添処理を行い本実施例のカプセルトナーを得
た。
【0166】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定したところ実施例1−1〜1−4と同
様に十分な定着性を示したものの、実施例1−1と同様
の方法で測定した耐ブロッキング特性は劣悪であった。
本比較例のカプセルトナーはブロッキングが著しいく実
用には適さないことが確認された。
【0167】〈実施例2−1〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0168】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0169】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、超
音波発振機(US−150、(株)日本精機製作所)に
てメタクリル酸メチル8.5重量部、アクリル酸−n−
ブチル1.5部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリ
ル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1重量
部、水80重量部からなる水乳濁液Aを調製した。この
水乳濁液Aを9重量部を滴下し、該中間粒子を膨潤させ
た。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察を行ったとこ
ろ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて短時間のうち
に完了していることが確かめられた。
【0170】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。
【0171】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は55℃であった。即
ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガ
ラス転移温度は55℃であると考えることができる。ま
た、水乳濁液Aのみを単独で重合した時に得られる熱可
塑性樹脂のガラス転移温度は70℃であった。即ち、シ
ェル由来の樹脂のガラス転移温度は70℃であると考え
ることができる。このカプセルトナー50重量部に、疎
水性シリカ微粉末「アエロジルR−972」(日本アエ
ロジル社製)0.35重量部を加えて混合し、この発明
のカプセルトナーを得た。
【0172】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。なお、定着器ヒートローラの設
定温度は130℃とした。結果を表1に示す。このトナ
をプリンタに入れて印刷を行い、定着率を測定した。
定着器ヒートローラの設定温度は130℃とした。 定着率は次式で定義した。 定着率(%)=(剥離後濃度/剥離前濃度)×100 剥離前濃度とは印刷物のべた黒部をマクベス濃度測定器
で測定した値である。また、剥離後濃度とは印刷物のべ
た黒部に3M製スコッチテープを貼りその上に50g/
cmの荷重をかけ1往復させた後3cm/sec.の
速度で該スコッチテープをはがした時に印刷物上に残っ
ている画像の濃度のことである。
【0173】以上のようにして得られた定着率を以下の
ように分類し、図1にまとめた。この図1は、具体例1
の概要を示す説明図で、1はコア材、2はシェル材を示
す。 本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示した。
【0174】また、このトナーの耐ブロッキング特性は
以下の方法で測定した。まずトナーサンプル20gを底
面積20cm2 の円筒型の容器に入れふたをし500g
/cm2 の加圧となるように重りをのせた。この状態で
50℃の雰囲気下に1ヶ月放置した。次にサンプルトナ
ーは20g全てを45μmメッシュのふるいに乗せ、1
KHz、30秒間の振動を与えた後、ふるい上に残った
トナー残量を測定した。ブロッキング特性は次式で定義
した。 ブロッキング率(%)=ふるい上に残ったトナー残量
(g)/サンプルトナー重量(g)×100 本実施例のカプセルトナーは全くブロッキングを生じず
極めて良好な保存性を示した。
【0175】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0176】〈実施例2−2〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0177】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0178】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、超
音波発振機(US−150、(株)日本精機製作所)に
てメタクリル酸メチル10重量部、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム0.1重量部、水80重量部からなる水乳濁液Bを
調製した。この水乳濁液Bを9重量部を滴下し、該中間
粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察
を行ったところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて
短時間のうちに完了していることが確かめられた。
【0179】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。このカプセルトナーに、実施例
2−1と同様の外添処理を行いこの発明のカプセルトナ
ーを得た。
【0180】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は実施例2−1と同様の
55℃であった。即ち、本実施例で得られるカプセルト
ナーのコア由来のガラス転移温度は55℃であると考え
ることができる。また、水乳濁液Bのみを単独で重合し
た時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温度は100
℃であった。即ち、シェル由来の樹脂のガラス転移温度
は100℃であると考えることができる。
【0181】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例2−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例2
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーも実施
例2−1の場合と同様に全くブロッキングを生じず極め
て良好な耐ブロッキング特性を示した。
【0182】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0183】〈実施例2−3〉メタクリル酸メチル85
重量部、アクリル酸−n−ブチル15重量部、2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル3重量部をガラス製2リ
ットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪
袢棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付け
マントルヒーター中で窒素気流下にて100℃にて反応
せしめた。また、重合生成物を反応中に随時サンプリン
グし、そのガラス転移点を測定した。そして重合生成物
のガラス転移点が60℃に達した時反応を停止した。ガ
ラス転移点は示差走査熱量計(「DSC220型」、セ
イコー電子工業社製)で測定した。これを樹脂Cとす
る。なお、本重合の反応時間を充分に延長したときに得
られる重合生成物のガラス転移点は70℃であることを
確認した。
【0184】スチレン77.5重量部、アクリル酸−n
−ブチル22.5重量部、上述の樹脂C0.25重量部
にオフセット防止剤として低分子量ポリエチレン1.5
重量部、帯電制御剤「アイゼンスピロンブラックTR
H」(保土ケ谷化学社製)1重量部、カーボンブラック
(Printex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を加え、アトラ
イター(「MA―01SC」、三井三池化工機社製)に
投入し15℃にて10時間分散し、重合性組成物を得
た。
【0185】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0186】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、超
音波発振機(US−150、(株)日本精機製作所)に
てメタクリル酸メチル10重量部、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム0.1重量部、水80重量部からなる水乳濁液Bを
調製した。この水乳濁液Bを9重量部を滴下し、該中間
粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察
を行ったところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて
短時間のうちに完了していることが確かめられた。
【0187】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。このカプセルトナーに、実施例
2−1と同様の外添処理を行いこの発明のカプセルトナ
ーを得た。
【0188】なお、樹脂Cを用いないで重合した時に得
られる樹脂粒子のガラス転移温度は実施例2−1と同様
の55℃であった。即ち、本実施例で得られるカプセル
トナーのコア由来のガラス転移温度は55℃であると考
えることができる。
【0189】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例2−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例2
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーも実施
例2−1の場合と同様に全くブロッキングを生じず極め
て良好な耐ブロッキング特性を示した。
【0190】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0191】〈実施例2−4〉メタクリル酸メチル10
0重量部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル3重
量部をガラス製2リットルの4口フラスコに入れ、温度
計、ステンレス製攪袢棒、流下式コンデンサー、及び窒
素導入管を取り付けマントルヒーター中で窒素気流下に
て100℃にて反応せしめた。また、重合生成物を反応
中に随時サンプリングし、そのガラス転移点を測定し
た。そして重合生成物のガラス転移点が60℃に達した
時反応を停止した。ガラス転移点は示差走査熱量計
(「DSC220型」、セイコー電子工業社製)で測定
した。これを樹脂Dとする。なお、本重合の反応時間を
充分に延長したときに得られる重合生成物のガラス転移
点は100℃であることを確認した。
【0192】次に、スチレン77.5重量部、アクリル
酸−n−ブチル22.5重量部、上述の樹脂D0.25
重量部にオフセット防止剤として低分子量ポリエチレン
1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピロンブラック
TRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、カーボンブラ
ック(Printex Lデグサ社製)7重量部及び2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を加え、ア
トライター(「MA―01SC」、三井三池化工機社
製)に投入し15℃にて10時間分散し、重合性組成物
を得た。
【0193】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。冷却後、0.
5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水洗を経て
風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで減圧乾燥
し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmのカプセル
トナーを得た。
【0194】このカプセルトナーに、実施例2−1と同
様の外添処理を行いこの発明のカプセルトナーを得た。
なお、樹脂Dを用いないで重合した時に得られる樹脂粒
子のガラス転移温度は実施例2−1と同様の55℃であ
った。即ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア
由来のガラス転移温度は55℃であると考えることがで
きる。
【0195】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例2−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例2
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーも実施
例2−1の場合と同様に全くブロッキングを生じず極め
て良好な耐ブロッキング特性を示した。
【0196】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0197】〈比較例2−1〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0198】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0199】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、超
音波発振機(US−150、(株)日本精機製作所)に
てメタクリル酸メチル8.25重量部、アクリル酸−n
−ブチル1.75部、2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1重
量部、水80重量部からなる水乳濁液Eを調製した。こ
の水乳濁液Eを9重量部を滴下し、該中間粒子を膨潤さ
せた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察を行ったとこ
ろ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて短時間のうち
に完了していることが確かめられた。そこで、窒素下に
て攪拝を続けながら2段目の重合として85℃で10時
間反応せしめた。
【0200】冷却後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を
溶かし、濾過、水洗を経て風乾後、40℃にて10時
間、10mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級
し、平均粒径7μmのカプセルトナーを得た。このカプ
セルトナーに、実施例2−1と同様の外添処理を行いこ
の発明のカプセルトナーを得た。
【0201】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は55℃であった。即
ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガ
ラス転移温度は55℃であると考えることができる。ま
た、水乳濁液Eのみを単独で重合した時に得られる熱可
塑性樹脂のガラス転移温度は65℃であった。即ち、シ
ェル由来の樹脂のガラス転移温度は65℃であると考え
ることができる。
【0202】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例2−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。次に、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例2
−1と同様の方法で測定したところ、本例のカプセルト
ナーは完全にブロッキングしてしまい実用には適さない
ことがわかった。
【0203】〈比較例2−2〉メタクリル酸メチル8
2.5重量部、アクリル酸−n−ブチル17.5重量
部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル3重量部を
ガラス製2リットルの4口フラスコに入れ、温度計、ス
テンレス製攪袢棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入
管を取り付けマントルヒーター中で窒素気流下にて10
0℃にて反応せしめた。また、重合生成物を反応中に随
時サンプリングし、そのガラス転移点を測定した。そし
て重合生成物のガラス転移点が60℃に達した時反応を
停止した。ガラス転移点は示差走査熱量計(「DSC2
20型」、セイコー電子工業社製)で測定した。これを
樹脂Fとする。なお、本重合の反応時間を充分に延長し
たときに得られる重合生成物のガラス転移点は65℃で
あることを確認した。
【0204】次に、スチレン77.5重量部、アクリル
酸−n−ブチル22.5重量部、上述の樹脂F0.25
重量部にオフセット防止剤として低分子量ポリエチレン
1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピロンブラック
TRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、カーボンブラ
ック(Printex Lデグサ社製)7重量部及び2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を加え、ア
トライター(「MA―01SC」、三井三池化工機社
製)に投入し15℃にて10時間分散し、重合性組成物
を得た。
【0205】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0206】冷却後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を
溶かし、濾過、水洗を経て風乾後、40℃にて10時
間、10mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級
し、平均粒径7μmのカプセルトナーを得た。このカプ
セルトナーに、実施例2−1と同様の外添処理を行いこ
の発明のカプセルトナーを得た。
【0207】なお、樹脂Fを用いないで重合した時に得
られる樹脂粒子のガラス転移温度は実施例2−1と同様
の55℃であった。即ち、本実施例で得られるカプセル
トナーのコア由来のガラス転移温度は55℃であると考
えることができる。
【0208】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例2−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。次に、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例2
−1と同様の方法で測定したところ、本例のカプセルト
ナーは完全にブロッキングしてしまい実用には適さない
ことがわかった。
【0209】〈実施例3−1〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0210】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0211】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、超
音波発振機(US−150、(株)日本精機製作所)に
てメタクリル酸メチル8.5重量部、アクリル酸−n−
ブチル1.5部、重合開始剤として2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム0.1重量部、水80重量部からなる水乳濁液Aを
調製した。この水乳濁液Aを4重量部滴下し、該中間粒
子を膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察を
行ったところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて短
時間のうちに完了していることが確かめられた。
【0212】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。
【0213】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は55℃であった。即
ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガ
ラス転移温度は55℃であると考えることができる。ま
た、水乳濁液Aのみを単独で重合した時に得られる熱可
塑性樹脂のガラス転移温度は70℃であった。即ち、シ
ェル由来の樹脂のガラス転移温度は70℃であると考え
ることができる。
【0214】このカプセルトナー50重量部に、疎水性
シリカ微粉末「アエロジルR−972」(日本アエロジ
ル社製)0.35重量部を加えて混合し、本発明のカプ
セルトナーを得た。このトナーをプリンタに入れて印刷
を行い、定着率を測定した。なお、定着器ヒートローラ
の設定温度は130℃とした。結果を表1に示す。この
トナーをプリンタに入れて印刷を行い、定着率を測定し
た。定着器ヒートローラの設定温度は130℃とした。
【0215】定着率は次式で定義した。 定着率(%)=(剥離後濃度/剥離前濃度)×100 剥離前濃度とは印刷物のべた黒部をマクベス濃度測定器
で測定した値である。また、剥離後濃度とは印刷物のべ
た黒部に3M製スコッチテープを貼りその上に50g/
cm2 の荷重をかけ1往復させた後3cm/sec.の
速度で該スコッチテープをはがした時に印刷物上に残っ
ている画像の濃度のことである。
【0216】以上のようにして得られた定着率を以下の
ように分類し、図1にまとめた。この図1は、具体例1
の概要を示す説明図で、1はコア材、2はシェル材を示
す。 本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示した。
【0217】また、このトナーの耐ブロッキング特性は
以下の方法で測定した。まずトナーサンプル20gを底
面積20cm2 の円筒型の容器に入れふたをし500g
/cm2 の加圧となるように重りをのせた。この状態で
50℃の雰囲気下に1ヶ月放置した。次にサンプルトナ
ーは20g全てを45μmメッシュのふるいに乗せ、1
KHz、30秒間の振動を与えた後、ふるい上に残った
トナー残量を測定した。ブロッキング特性は次式で定義
した。 ブロッキング率(%)=ふるい上に残ったトナー残量
(g)/サンプルトナー重量(g)×100 本実施例のカプセルトナーは全くブロッキングを生じず
極めて良好な保存性を示した。
【0218】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0219】〈実施例3−2〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部(コアTg
55℃)にオフセット防止剤として低分子量ポリエチレ
ン1.5重量部、帯電制御剤TRH(保土ヶ谷化学社
製)1重量部、カーボンブラック(PrintexLデ
グサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル(開始剤)1重量部を加え、アトライター
(「MA―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し
10℃にて6時間分散し、重合性組成物を得た。
【0220】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン(架橋剤)0.35重量部を溶解したエタノー
ル180重量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加
え重合のための分散媒を用意した。この分散媒に重合性
組成物を添加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機
化工業社製)10℃、10000回転にて10分間分散
させた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラ
ブルフラスコ中に移し、窒素気流下150r.p.m.で撹
拝しながら80℃にて10時間反応させた。
【0221】メタクリル酸メチル8.5重量部、アクリ
ル酸−n−ブチル1.5部、2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリウム
0.1重量部、水80重量部からなる水乳濁液Aを調製
した。この水乳濁液Aを4重量部を滴下し、該中間粒子
を膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察を行
ったところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて短時
間のうちに完了していることが確かめられた。
【0222】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃まで昇温し10時間反応せしめ
た。冷却後、lN塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾
過、水洗を経て風乾後、40℃にて12時間、20mm
Hgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7
μmのカプセルトナーを得た。
【0223】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は55℃であった。即
ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガ
ラス転移温度は55℃であると考えることができる。ま
た、水乳濁液Aのみを単独で重合した時に得られる熱可
塑性樹脂のTgは70℃であった。即ち、シェル由来の
樹脂のガラス転移点は70℃であると考えることができ
る。
【0224】このカプセルトナー50重量部に、疎水性
シリカ微粉末「アエロジルR−972」(日本アエロジ
ル社製)0.35重量部を加えて混合し、本発明のカプ
セルトナーを得た。このトナーをプリンタに入れて印刷
を行い、定着率を測定したなお、定着器ヒートローラの
設定温度は130℃とした。結果を表1に示す。本実施
例のカプセルトナーは100%の定着性を示した。
【0225】また、このトナーを50℃の雰囲気中、5
00g/cm2 の加圧下に1ヶ月放置した後のブロッキ
ング特性を表1に示す。本実施例のカプセルトナーは全
くブロッキングを生じず極めて良好な保存性を示した。
【0226】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0227】〈実施例3−3〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0228】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0229】次いで実施例3−1で作製した水乳濁液A
を0.1重量部滴下し該中間粒子を膨潤させた。滴下
後、直ちに光学顕微鏡にて観察を行ったところ、乳濁液
滴は全く見られず膨潤が極めて短時間のうちに完了して
いることが確かめられた。そこで、窒素下にて攪拝を続
けながら2段目の重合として85℃まで昇温し10時間
反応せしめた。冷却後、lN塩酸水溶液にて分散媒を溶
かし、濾過、水洗を経て風乾後、40℃にて12時間、
20mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平
均粒径7μmのカプセルトナーを得た。このカプセルト
ナーに、実施例3−1と同様の外添処理を行い本発明の
カプセルトナーを得た。
【0230】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は実施例3−1と同様の
55℃であった。即ち、本実施例で得られるカプセルト
ナーのコア由来のガラス転移温度は55℃であると考え
ることができる。このトナーをプリンタに入れて印刷を
行い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温
度は実施例3−1と同様の130℃とした。結果を表1
に示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示
した。
【0231】また、このトナーの耐ブロッキング特性を
実施例3−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナ
ーも実施例3−1の場合と同様に全くブロッキングを生
じず極めて良好な耐ブロッキング特性を示した。以上の
結果から本実施例で得られるカプセルトナーは良好な定
着性能と極めて良好な保存性を有し、トナーに機械的圧
力が比較的加わりにくい非接触現像は勿論のこと、トナ
ーに強い圧力が加わりやすい接触現像方式にも十分適用
できるトナーであることが確認された。
【0232】〈比較例3−1〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0233】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0234】次いで実施例3−1で作製した水乳濁液A
を0.05重量部滴下し該中間粒子を膨潤させた。滴下
後、直ちに光学顕微鏡にて観察を行ったところ、乳濁液
滴は全く見られず膨潤が極めて短時間のうちに完了して
いることが確かめられた。そこで、窒素下にて攪拝を続
けながら2段目の重合として85℃まで昇温し10時間
反応せしめた。冷却後、lN塩酸水溶液にて分散媒を溶
かし、濾過、水洗を経て風乾後、40℃にて12時間、
20mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平
均粒径7μmのカプセルトナーを得た。
【0235】このカプセルトナーに、実施例3−1と同
様の外添処理を行い本発明のカプセルトナーを得た。な
お、seed重合を行う前の段階で得られた樹脂粒子の
ガラス転移温度は実施例3−1と同様の55℃であっ
た。即ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由
来のガラス転移温度は55℃であると考えることができ
る。
【0236】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例3−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例3
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーはブロ
ッキングを生じてしまい実用には適さないことがわかっ
た。
【0237】〈比較例3−2〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0238】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0239】次いで実施例3−1で作製した水乳濁液A
を5重量部滴下し該中間粒子を膨潤させた。滴下後、直
ちに光学顕微鏡にて観察を行ったところ、乳濁液滴は全
く見られず膨潤が極めて短時間のうちに完了しているこ
とが確かめられた。そこで、窒素下にて攪拝を続けなが
ら2段目の重合として85℃まで昇温し10時間反応せ
しめた。冷却後、lN塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、
濾過、水洗を経て風乾後、40℃にて12時間、20m
mHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径
7μmのカプセルトナーを得た。
【0240】このカプセルトナーに、実施例3−1と同
様の外添処理を行い本発明のカプセルトナーを得た。な
お、seed重合を行う前の段階で得られた樹脂粒子の
ガラス転移温度は実施例3−1と同様の55℃であっ
た。即ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由
来のガラス転移温度は55℃であると考えることができ
る。
【0241】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例3−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例3
−1と同様の方法で測定したところ、実施例3−1の場
合と同様にブロッキングを生じず良好な耐ブロッキング
特性を示したが、印刷品質は悪くバックグラウンドかぶ
りを生じた。
【0242】〈実施例4−1〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0243】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0244】次いでメタクリル酸メチル8.5重量部、
アクリル酸−n−ブチル1.5部、重合開始剤として
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、
ラウリル硫酸ナトリウム0.1重量部、水80重量部か
らなる水乳濁液Aを調製した。この水乳濁液Aを9重量
部を滴下し、該中間粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに
光学顕微鏡にて観察を行ったところ、乳濁液滴は全く見
られず膨潤が極めて短時間のうちに完了していることが
確かめられた。
【0245】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。
【0246】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は55℃であった。即
ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガ
ラス転移温度は55℃であると考えることができる。ま
た、水乳濁液Aのみを単独で重合した時に得られる熱可
塑性樹脂のガラス転移温度は70℃であった。即ち、シ
ェル由来の樹脂のガラス転移点は70℃であると考える
ことができる。
【0247】このカプセルトナー50重量部に、疎水性
シリカ微粉末「アエロジルR−972」(日本アエロジ
ル社製)0.35重量部を加えて混合し、本発明のカプ
セルトナーを得た。このトナーをプリンタに入れて印刷
を行い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定
温度は130℃とした。
【0248】定着率は次式で定義した。 定着率(%)=(剥離後濃度/剥離前濃度)×100 剥離前濃度とは印刷物のべた黒部をマクベス濃度測定器
で測定した値である。また、剥離後濃度とは印刷物のべ
た黒部に3M製スコッチテープを貼りその上に50g/
cm2 の荷重をかけ1往復させた後3cm/sec.の
速度で該スコッチテープをはがした時に印刷物上に残っ
ている画像の濃度のことである。
【0249】以上のようにして得られた定着率を以下の
ように分類し、図1にまとめた。この図1は、具体例1
の概要を示す説明図で、1はコア材、2はシェル材を示
す。 本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示した。
【0250】また、このトナーの耐ブロッキング特性を
以下の方法で測定した。まずトナーサンプル20gを底
面積20cm2 の円筒型の容器に入れふたをし500g
/cm2 の加圧となるように重りをのせた。この状態で
50℃の雰囲気下に1ヶ月放置した。次にサンプルトナ
ーは20g全てを45μmメッシュのふるいに乗せ、1
KHz、30秒間の振動を与えた後、ふるい上に残った
トナー残量を測定した。ブロッキング特性は次式で定義
した。 ブロッキング率(%)=ふるい上に残ったトナー残量
(g)/サンプルトナー重量(g)×100 本実施例のカプセルトナーは全くブロッキングを生じず
極めて良好な保存性を示した。
【0251】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0252】〈実施例4−2〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0253】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0254】次いでメタクリル酸メチル8.5重量部、
アクリル酸−n−ブチル1.5部、重合開始剤として
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1.5重量部、
ラウリル硫酸ナトリウム0.1重量部、水80重量部か
らなる水乳濁液Bを調製した。この水乳濁液Bを9重量
部を滴下し、該中間粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに
光学顕微鏡にて観察を行ったところ、乳濁液滴は全く見
られず膨潤が極めて短時間のうちに完了していることが
確かめられた。そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2
段目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。
【0255】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は55℃であった。即
ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガ
ラス転移温度は55℃であると考えることができる。ま
た、水乳濁液Bのみを単独で重合した時に得られる熱可
塑性樹脂のガラス転移温度は70℃であった。即ち、シ
ェル由来の樹脂のガラス転移点は70℃であると考える
ことができる。
【0256】このカプセルトナーに、実施例4−1と同
様の外添処理を行い本発明のカプセルトナーを得た。こ
のトナーをプリンタに入れて印刷を行い、定着率を測定
した。定着器ヒートローラの設定温度は実施例4−1と
同様の130℃とした。結果を表1に示す。本実施例の
カプセルトナーは良好な定着性を示した。
【0257】また、このトナーの耐ブロッキング特性を
実施例4−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナ
ーも実施例4−1の場合と同様に全くブロッキングを生
じず極めて良好な耐ブロッキング特性を示した。
【0258】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0259】〈比較例4−1〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0260】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0261】次いでメタクリル酸メチル8.5重量部、
アクリル酸−n−ブチル1.5部、重合開始剤として
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.3重量部、
ラウリル硫酸ナトリウム0.1重量部、水80重量部か
らなる水乳濁液Cを調製した。この水乳濁液Cを9重量
部を滴下し、該中間粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに
光学顕微鏡にて観察を行ったところ、乳濁液滴は全く見
られず膨潤が極めて短時間のうちに完了していることが
確かめられた。
【0262】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。
【0263】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は55℃であった。即
ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガ
ラス転移温度は55℃であると考えることができる。ま
た、水乳濁液Cのみを単独で重合した時に得られる熱可
塑性樹脂のガラス転移温度は70℃であった。即ち、シ
ェル由来の樹脂のガラス転移点は70℃であると考える
ことができる。
【0264】このカプセルトナーに、実施例4−1と同
様の外添処理を行い本発明のカプセルトナーを得た。こ
のトナーをプリンタに入れて印刷を行い、定着率を測定
した。定着器ヒートローラの設定温度は実施例4−1と
同様の130℃とした。結果を表1に示す。本実施例の
カプセルトナー良好な定着性を示した。
【0265】次にこのトナーの耐ブロッキング特性を実
施例4−1と同様の方法で測定したところ本例のカプセ
ルトナーは80%と高いブロッキング率を示した。即
ち、本比較例のトナーは耐ブロッキング特性に劣り、実
用には適さないことがわかった。
【0266】〈比較例4−2〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0267】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0268】次いでメタクリル酸メチル8.5重量部、
アクリル酸−n−ブチル1.5部、重合開始剤として
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル2重量部、ラウ
リル硫酸ナトリウム0.1重量部、水80重量部からな
る水乳濁液Dを調製した。この水乳濁液Dを9重量部を
滴下し、該中間粒子を膨潤させた後、窒素下にて攪拝を
続けながら2段目の重合として85℃で10時間反応せ
しめた。冷却後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶か
し、濾過、水洗を経て風乾後、40℃にて10時間、1
0mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均
粒径7μmのカプセルトナーを得た。
【0269】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は55℃であった。即
ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガ
ラス転移温度は55℃であると考えることができる。ま
た、水乳濁液Dのみを単独で重合した時に得られる熱可
塑性樹脂のガラス転移温度は70℃であった。即ち、シ
ェル由来の樹脂のガラス転移点は70℃であると考える
ことができる。このカプセルトナーに、実施例4−1と
同様の外添処理を行い本発明のカプセルトナーを得た。
【0270】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例4−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例4
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーも実施
例4−1の場合と同様に全くブロッキングを生じず極め
て良好な耐ブロッキング特性を示した。しかしながら、
印刷物にはバックグラウンドが発生しており、この点に
おいては良好な印刷特性を得られなかった。
【0271】〈実施例5−1〉メタクリル酸メチル90
g、アクリル酸−n−ブチル10g、2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル3gをガラス製2リットルの4口
フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪袢棒、流下式
コンデンサー、及び窒素導入管を取り付けマントルヒー
ター中で窒素気流下にて100℃にて反応せしめた。ま
た、重合生成物を反応中に随時サンプリングし、そのガ
ラス転移点を測定した。そして重合生成物のガラス転移
点が60℃に達した時反応を停止した。ガラス転移点は
示差走査熱量計(「DSC220型」、セイコー電子工
業社製)で測定した。これを樹脂Aとする。なお、本重
合の反応時間を充分に延長したときに得られる重合生成
物のガラス転移点は90℃であることを確認した。
【0272】次に、スチレン72.5重量部、アクリル
酸−n−ブチル22.5重量部、上述の樹脂A0.25
重量部にオフセット防止剤として低分子量ポリエチレン
1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピロンブラック
TRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、カーボンブラ
ック(Printex Lデグサ社製)7重量部及び2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を加え、ア
トライター(「MA―01SC」、三井三池化工機社
製)に投入し15℃にて10時間分散し、重合性組成物
を得た。
【0273】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0274】冷却後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を
溶かし、濾過、水洗を経て風乾後、40℃にて10時
間、10mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級
し、平均粒径7μmのカプセルトナーを得た。このカプ
セルトナー50重量部に、疎水性シリカ微粉末「アエロ
ジルR−972」(日本アエロジル社製)0.35重量
部を加えて混合し、本発明のカプセルトナーを得た。
【0275】なお、上述の重合反応とは別に樹脂Aを用
いない他は実施例5−1と同様の条件で重合して得られ
たトナーのガラス転移温度は55℃であった。即ち、本
実施例で得られるカプセルトナーのコアの熱可塑性樹脂
由来のガラス転移温度は55℃であるといえる。このト
ナーをプリンタに入れて印刷を行い、定着率を測定し
た。定着器ヒートローラの設定温度は130℃とした。
【0276】定着率は次式で定義した。 定着率(%)=(剥離後濃度/剥離前濃度)×100 剥離前濃度とは印刷物のべた黒部をマクベス濃度測定器
で測定した値である。また、剥離後濃度とは印刷物のべ
た黒部に3M製スコッチテープを貼りその上に50g/
cm2 の荷重をかけ1往復させた後3cm/sec.の
速度で該スコッチテープをはがした時に印刷物上に残っ
ている画像の濃度のことである。
【0277】以上のようにして得られた定着率を以下の
ように分類し、図1にまとめた。この図1は、具体例1
の概要を示す説明図で、1はコア材、2はシェル材を示
す。 本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示した。
【0278】また、このトナーの耐ブロッキング特性を
以下の方法で測定した。まずトナーサンプル20gを底
面積20cm2 の円筒型の容器に入れふたをし500g
/cm2 の加圧となるように重りをのせた。この状態で
50℃の雰囲気下に1ヶ月放置した。次にサンプルトナ
ーは20g全てを45μmメッシュのふるいに乗せ、1
KHz、30秒間の振動を与えた後、ふるい上に残った
トナー残量を測定した。ブロッキング特性は次式で定義
した。 ブロッキング率(%)=ふるい上に残ったトナー残量
(g)/サンプルトナー重量(g)×100 本実施例のカプセルトナーは全くブロッキングを生じず
極めて良好な保存性を示した。
【0279】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0280】〈実施例5−2〉メタクリル酸メチル10
0g、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル3gをガ
ラス製2リットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステ
ンレス製攪袢棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管
を取り付けマントルヒーター中で窒素気流下にて100
℃にて反応せしめた。また、重合生成物を反応中に随時
サンプリングし、そのガラス転移点を測定した。そして
重合生成物のガラス転移点が60℃に達した時反応を停
止した。ガラス転移点は示差走査熱量計(「DSC22
0型」、セイコー電子工業社製)で測定した。これを樹
脂Bとする。なお、本重合の反応時間を充分に延長した
ときに得られる重合生成物のガラス転移点は100℃で
あった。
【0281】次に、スチレン72.5重量部、アクリル
酸−n−ブチル22.5重量部、上述の樹脂B0.25
重量部にオフセット防止剤として低分子量ポリエチレン
1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピロンブラック
TRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、カーボンブラ
ック(Printex Lデグサ社製)7重量部及び2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を加え、ア
トライター(「MA―01SC」、三井三池化工機社
製)に投入し15℃にて10時間分散し、重合性組成物
を得た。
【0282】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0283】冷却後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を
溶かし、濾過、水洗を経て風乾後、40℃にて10時
間、10mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級
し、平均粒径7μmのカプセルトナーを得た。このカプ
セルトナーに実施例5−1と同様の外添処理を行い本実
施例のカプセルトナーを得た。
【0284】なお、上述の重合反応とは別に樹脂Bを用
いない他は実施例5−1と同様の条件で重合して得られ
たトナーのガラス転移温度は55℃であった。即ち、本
実施例で得られるカプセルトナーのコアの熱可塑性樹脂
由来のガラス転移温度は55℃であるといえる。
【0285】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例5−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例5
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーも実施
例5−1の場合と同様に全くブロッキングを生じず極め
て良好な耐ブロッキング特性を示した。
【0286】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0287】〈実施例5−3〉スチレン67.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル32.5重量部、実施例5
−1で用いた樹脂A0.25重量部にオフセット防止剤
として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯電制御剤
「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ谷化学社
製)1重量部、カーボンブラック(Printex Lデ
グサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル1重量部を加え、アトライター(「MA―01
SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃にて10
時間分散し、重合性組成物を得た。
【0288】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0289】冷却後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を
溶かし、濾過、水洗を経て風乾後、40℃にて10時
間、10mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級
し、平均粒径7μmのカプセルトナーを得た。このカプ
セルトナーに実施例5−1と同様の外添処理を行い本実
施例のカプセルトナーを得た。
【0290】なお、上述の重合反応とは別に樹脂Aを用
いない他は実施例5−1と同様の条件で重合して得られ
たトナーのガラス転移温度は35℃であった。即ち、本
実施例で得られるカプセルトナーのコアの熱可塑性樹脂
由来のガラス転移温度は35℃であるといえる。
【0291】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例5−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例5
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーも実施
例5−1の場合と同様に全くブロッキングを生じず極め
て良好な耐ブロッキング特性を示した。
【0292】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0293】〈実施例5−4〉スチレン67.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル32.5重量部、実施例5
−2で用いた樹脂B0.25重量部にオフセット防止剤
として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯電制御剤
「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ谷化学社
製)1重量部、カーボンブラック(Printex Lデ
グサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル1重量部を加え、アトライター(「MA―01
SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃にて10
時間分散し、重合性組成物を得た。
【0294】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0295】冷却後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を
溶かし、濾過、水洗を経て風乾後、40℃にて10時
間、10mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級
し、平均粒径7μmのカプセルトナーを得た。このカプ
セルトナーに実施例5−1と同様の外添処理を行い本実
施例のカプセルトナーを得た。
【0296】なお、上述の重合反応とは別に樹脂Bを用
いない他は実施例5−1と同様の条件で重合して得られ
たトナーのガラス転移温度は35℃であった。即ち、本
実施例で得られるカプセルトナーのコアの熱可塑性樹脂
由来のガラス転移温度は35℃であるといえる。
【0297】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例5−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例5
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーも実施
例5−1の場合と同様に全くブロッキングを生じず極め
て良好な耐ブロッキング特性を示した。
【0298】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0299】〈比較例5−1〉スチレン72.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0300】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0301】冷却後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を
溶かし、濾過、水洗を経て風乾後、40℃にて10時
間、10mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級
し、平均粒径7μmのカプセルトナーを得た。このカプ
セルトナーに実施例5−1と同様の外添処理を行い本実
施例のカプセルトナーを得た。このトナーのガラス転移
温度は55℃であった。
【0302】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定したところ実施例5−1〜5−4と同
様に十分な定着性を示した。次に実施例5−1〜5−4
と同様の条件で耐ブロッキング特性を測定した。このト
ナーのブロッキング特性は劣悪であった。本比較例のカ
プセルトナーはブロッキングが著しいく実用には適さな
いことが確認された。
【0303】〈比較例5−2〉スチレン67.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル32.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0304】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0305】冷却後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を
溶かし、濾過、水洗を経て風乾後、20℃にて10時
間、10mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級
し、平均粒径7μmのカプセルトナーを得た。このカプ
セルトナーに実施例5−1と同様の外添処理を行い本実
施例のカプセルトナーを得た。このトナーのガラス転移
温度は35℃であった。
【0306】このトナーをプリンタに入れて印刷を行っ
たところ、現像器内でトナーが現像ローラに融着し正常
な印刷物を得ることができなかった。また、耐ブロッキ
ング性は全くなく完全にブロッキングしていた。
【0307】〈実施例6−1〉メタクリル酸メチル10
0重量部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル3重
量部をガラス製2リットルの4口フラスコに入れ、温度
計、ステンレス製攪袢棒、流下式コンデンサー、及び窒
素導入管を取り付けマントルヒーター中で窒素気流下に
て100℃にて反応せしめた。また、重合生成物を反応
中に随時サンプリングし、そのガラス転移温度を測定し
た。そして重合生成物のガラス転移点が60℃に達した
時反応を停止した。ガラス転移点は示差走査熱量計
(「DSC220型」、セイコー電子工業社製)で測定
した。これを樹脂Aとする。なお、本重合の反応時間を
充分に延長したときに得られる重合生成物のガラス転移
温度は100℃であることを確認した。
【0308】次に、スチレン67.5重量部、アクリル
酸−n−ブチル32.5重量部、上述の樹脂A0.25
重量部にオフセット防止剤として低分子量ポリエチレン
1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピロンブラック
TRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、カーボンブラ
ック(Printex Lデグサ社製)7重量部及び2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を加え、ア
トライター(「MA―01SC」、三井三池化工機社
製)に投入し15℃にて10時間分散し、重合性組成物
を得た。
【0309】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0310】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、超
音波発振機(US−150、(株)日本精機製作所)に
てメタクリル酸メチル10重量部、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム0.1重量部、水80重量部からなる水乳濁液Bを
調製した。この水乳濁液Bを9重量部を滴下し、該中間
粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察
を行ったところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて
短時間のうちに完了していることが確かめられた。
【0311】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。
【0312】なお、上述の一連の重合反応とは別に樹脂
Aを用いない他は本実施例と同様のin situ重合
のみを行った時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温
度は35℃であった。即ち、本実施例で得られるカプセ
ルトナーのコア由来のガラス転移温度は35℃であると
考えることができる。また、水乳濁液Bのみを単独で重
合した時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温度は1
00℃であった。即ち、シェル由来の樹脂のガラス転移
温度は100℃であると考えることができる。
【0313】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。なお、定着器ヒートローラの設
定温度は130℃とした。結果を表1に示す。このトナ
をプリンタに入れて印刷を行い、定着率を測定した。
定着器ヒートローラの設定温度は130℃とした。
【0314】定着率は次式で定義した。 定着率(%)=(剥離後濃度/剥離前濃度)×100 剥離前濃度とは印刷物のべた黒部をマクベス濃度測定器
で測定した値である。また、剥離後濃度とは印刷物のべ
た黒部に3M製スコッチテープを貼りその上に50g/
cm2 の荷重をかけ1往復させた後3cm/sec.の
速度で該スコッチテープをはがした時に印刷物上に残っ
ている画像の濃度のことである。
【0315】以上のようにして得られた定着率を以下の
ように分類し、図1にまとめた。この図1は、具体例1
の概要を示す説明図で、1はコア材、2はシェル材(最
外殻)、3はシェル材(中間層)を示す。 本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示した。
【0316】また、このトナーの耐ブロッキング特性は
以下の方法で測定した。まずトナーサンプル20gを底
面積20cm2 の円筒型の容器に入れふたをし500g
/cm2 の加圧となるように重りをのせた。この状態で
50℃の雰囲気下に1ヶ月放置した。次にサンプルトナ
ーは20g全てを45μmメッシュのふるいに乗せ、1
KHz、30秒間の振動を与えた後、ふるい上に残った
トナー残量を測定した。ブロッキング特性は次式で定義
した。 ブロッキング率(%)=ふるい上に残ったトナー残量
(g)/サンプルトナー重量(g)×100 本実施例のカプセルトナーは全くブロッキングを生じず
極めて良好な保存性を示した。
【0317】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0318】〈実施例6−2〉メタクリル酸メチル10
0重量部、アクリル酸−n−ブチル10重量部、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル3重量部をガラス製
2リットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス
製攪袢棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り
付けマントルヒーター中で窒素気流下にて100℃にて
反応せしめた。また、重合生成物を反応中に随時サンプ
リングし、そのガラス転移点を測定した。そして重合生
成物のガラス転移温度が60℃に達した時反応を停止し
た。ガラス転移点は示差走査熱量計(「DSC220
型」、セイコー電子工業社製)で測定した。これを樹脂
Cとする。なお、本重合の反応時間を充分に延長したと
きに得られる重合生成物のガラス転移温度は90℃であ
ることを確認した。
【0319】次に、スチレン72.5重量部、アクリル
酸−n−ブチル27.5重量部、上述の樹脂Cにオフセ
ット防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、
帯電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土
ケ谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Prin
tex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター
(「MA―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し
15℃にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0320】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を実施例6−1と同様に中間粒子と呼ぶことにする。
【0321】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、超
音波発振機(US−150、(株)日本精機製作所)に
てメタクリル酸メチル9重量部、アクリル酸−n−ブチ
ル1部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.5
重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1重量部、水80
重量部からなる水乳濁液Dを調製した。この水乳濁液D
を9重量部を滴下し、該中間粒子を膨潤させた。滴下
後、直ちに光学顕微鏡にて観察を行ったところ、乳濁液
滴は全く見られず膨潤が極めて短時間のうちに完了して
いることが確かめられた。
【0322】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。このカプセルトナーに、実施例
6−1と同様の外添処理を行い本発明のカプセルトナー
を得た。
【0323】なお、上述の一連の重合反応とは別に樹脂
Cを用いない他は本実施例と同様のin situ重合
のみを行った時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温
度は45℃であった。即ち、本実施例で得られるカプセ
ルトナーのコア由来のガラス転移温度は45℃であると
考えることができる。また、水乳濁液Dのみを単独で重
合した時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温度は9
0℃であった。即ち、シェル由来の樹脂のガラス転移温
度は90℃であると考えることができる。
【0324】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例6−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例6
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーも実施
例6−1の場合と同様に全くブロッキングを生じず極め
て良好な耐ブロッキング特性を示した。
【0325】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0326】〈実施例6−3〉メタクリル酸メチル85
重量部、アクリル酸−n−ブチル15重量部、2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル3重量部をガラス製2リ
ットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪
袢棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付け
マントルヒーター中で窒素気流下にて100℃にて反応
せしめた。また、重合生成物を反応中に随時サンプリン
グし、そのガラス転移点を測定した。そして重合生成物
のガラス転移点が60℃に達した時反応を停止した。ガ
ラス転移点は示差走査熱量計(「DSC220型」、セ
イコー電子工業社製)で測定した。これを樹脂Eとす
る。なお、本重合の反応時間を充分に延長したときに得
られる重合生成物のガラス転移点は70℃であることを
確認した。
【0327】次に、スチレン77.5重量部、アクリル
酸−n−ブチル22.5重量部、上述の樹脂Eにオフセ
ット防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、
帯電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土
ケ谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Prin
tex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター
(「MA―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し
15℃にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0328】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を実施例6−1と同様に中間粒子と呼ぶことにする。
【0329】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、超
音波発振機(US−150、(株)日本精機製作所)に
てメタクリル酸メチル8.5重量部、アクリル酸−n−
ブチル1.5重量部、2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1重
量部、水80重量部からなる水乳濁液Fを調製した。こ
の水乳濁液Fを9重量部を滴下し、該中間粒子を膨潤さ
せた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察を行ったとこ
ろ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて短時間のうち
に完了していることが確かめられた。
【0330】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。このカプセルトナーに、実施例
6−1と同様の外添処理を行い本実施例のカプセルトナ
ーを得た。
【0331】なお、上述の一連の重合反応とは別に樹脂
Eを用いない他は本実施例と同様のin situ重合
のみを行った時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温
度は55℃であった。即ち、本実施例で得られるカプセ
ルトナーのコア由来のガラス転移温度は55℃であると
考えることができる。また、水乳濁液Fのみを単独で重
合した時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温度は7
0℃であった。即ち、シェル由来の樹脂のガラス転移温
度は70℃であると考えることができる。
【0332】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例6−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例6
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーも実施
例6−1の場合と同様に全くブロッキングを生じず極め
て良好な耐ブロッキング特性を示した。
【0333】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0334】〈比較例6−1〉スチレン67.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル32.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0335】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を実施例6−1の場合と同様に中間粒子と呼ぶことにす
る。
【0336】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、実
施例6−1で用いた水乳濁液Bを18重量部を滴下し、
該中間粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡に
て観察を行ったところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が
極めて短時間のうちに完了していることが確かめられ
た。
【0337】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。このカプセルトナーに、実施例
6−1と同様の外添処理を行い本発明のカプセルトナー
を得た。なお、カプセルトナーのコア由来のガラス転移
温度は35℃であった。
【0338】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例6−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例6
−1と同様の方法で測定した。本例のカプセルトナーは
完全にブロッキングしてしまい実用には適さないことが
わかった。
【0339】〈比較例6−2〉スチレン72.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル27.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0340】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を実施例6−1の場合と同様に中間粒子と呼ぶことにす
る。
【0341】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、実
施例6−2で用いた水乳濁液Dを18重量部を滴下し、
該中間粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡に
て観察を行ったところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が
極めて短時間のうちに完了していることが確かめられ
た。
【0342】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。このカプセルトナーに、実施例
6−1と同様の外添処理を行い本発明のカプセルトナー
を得た。なお、カプセルトナーのコア由来のガラス転移
温度は45℃であった。
【0343】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例6−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例6
−1と同様の方法で測定した。本例のカプセルトナーは
完全にブロッキングしてしまい実用には適さないことが
わかった。
【0344】〈比較例6−3〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0345】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を実施例6−1の場合と同様に中間粒子と呼ぶことにす
る。
【0346】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、実
施例6−3で用いた水乳濁液Fを18重量部を滴下し、
該中間粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡に
て観察を行ったところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が
極めて短時間のうちに完了していることが確かめられ
た。
【0347】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。このカプセルトナーに、実施例
6−1と同様の外添処理を行い本発明のカプセルトナー
を得た。なお、カプセルトナーのコア由来のガラス転移
温度は55℃であった。
【0348】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例6−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例6
−1と同様の方法で測定した。本例のカプセルトナーは
完全にブロッキングしてしまい実用には適さないことが
わかった。
【0349】〈実施例7−1〉メタクリル酸メチル90
g、アクリル酸−n−ブチル10g、2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル3gをガラス製2リットルの4口
フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪袢棒、流下式
コンデンサー、及び窒素導入管を取り付けマントルヒー
ター中で窒素気流下にて100℃にて反応せしめた。ま
た、重合生成物を反応中に随時サンプリングし、そのガ
ラス転移点を測定した。そして重合生成物のガラス転移
点が60℃に達した時反応を停止した。ガラス転移点は
示差走査熱量計(「DSC220型」、セイコー電子工
業社製)で測定した。これを樹脂Aとする。なお、本重
合の反応時間を充分に延長したときに得られる重合生成
物のガラス転移点は90℃であることを確認した。
【0350】次にスチレン77.5重量部、アクリル酸
−n−ブチル22.5重量部、上述の樹脂A0.25重
量部にオフセット防止剤として低分子量ポリエチレン
1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピロンブラック
TRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、カーボンブラ
ック(Printex Lデグサ社製)7重量部及び2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を加え、ア
トライター(「MA―01SC」、三井三池化工機社
製)に投入し15℃にて10時間分散し、重合性組成物
を得た。
【0351】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0352】次いでメタクリル酸メチル9.5重量部、
アクリル酸−n−ブチル0.5部、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム0.1重量部、水80重量部からなる水乳濁液Bを
調製した。この水乳濁液Bを9重量部を滴下し、該中間
粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察
を行ったところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて
短時間のうちに完了していることが確かめられた。
【0353】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。
【0354】なお、seed重合を行う前の段階で得ら
れた樹脂粒子のガラス転移温度は55℃であった。即
ち、本実施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガ
ラス転移温度は55℃であると考えることができる。ま
た、水乳濁液Bのみを単独で重合した時に得られる熱可
塑性樹脂のガラス転移温度は95℃であった。即ち、シ
ェル由来の樹脂のガラス転移点は95℃であると考える
ことができる。
【0355】このカプセルトナー50重量部に、疎水性
シリカ微粉末「アエロジルR−972」(日本アエロジ
ル社製)0.35重量部を加えて混合し、本発明のカプ
セルトナーを得た。このトナーをプリンタに入れて印刷
を行い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定
温度は130℃とした。
【0356】定着率は次式で定義した。 定着率(%)=(剥離後濃度/剥離前濃度)×100 剥離前濃度とは印刷物のべた黒部をマクベス濃度測定器
で測定した値である。また、剥離後濃度とは印刷物のべ
た黒部に3M製スコッチテープを貼りその上に50g/
cm2 の荷重をかけ1往復させた後3cm/sec.の
速度で該スコッチテープをはがした時に印刷物上に残っ
ている画像の濃度のことである。
【0357】以上のようにして得られた定着率を以下の
ように分類し、図1にまとめた。この図1は、具体例1
の概要を示す説明図で、1はコア材、2はシェル材(最
外殻)、3はシェル材(中間層)を示す。 本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示した。
【0358】また、このトナーの耐ブロッキング特性を
以下の方法で測定した。まずトナーサンプル20gを底
面積20cm2 の円筒型の容器に入れふたをし500g
/cm2 の加圧となるように重りをのせた。この状態で
50℃の雰囲気下に1ヶ月放置した。次にサンプルトナ
ーは20g全てを45μmメッシュのふるいに乗せ、1
KHz、30秒間の振動を与えた後、ふるい上に残った
トナー残量を測定した。ブロッキング特性は次式で定義
した。 ブロッキング率(%)=ふるい上に残ったトナー残量
(g)/サンプルトナー重量(g)×100 本実施例のカプセルトナーは全くブロッキングを生じず
極めて良好な保存性を示した。
【0359】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0360】〈実施例7−2〉実施例7−1と同様の条
件でin situ重合を行い中間粒子を得た。次いで
メタクリル酸メチル10重量部、2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリウ
ム0.1重量部、水80重量部からなる水乳濁液Cを調
製した。この水乳濁液Cを9重量部を滴下し、該中間粒
子を膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察を
行ったところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて短
時間のうちに完了していることが確かめられた。
【0361】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。また、水乳濁液Cから単独で重
合される樹脂のガラス転移点は100℃であった。
【0362】このトナーに実施例7−1と同様の外添処
理を行い、カプセルトナーを得た。このトナーをプリン
タに入れて印刷を行い、定着率を測定した。定着器ヒー
トローラの設定温度は実施例7−1と同様の130℃と
した。結果を表1に示す。本実施例のカプセルトナーは
良好な定着性を示した。また、このトナーの耐ブロッキ
ング特性を実施例7−1と同様の方法で測定した。本実
施例のトナーも実施例1の場合と同様に全くブロッキン
グを生じず極めて良好な耐ブロッキング特性を示した。
【0363】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0364】〈実施例7−3〉スチレン67.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル32.5重量部、上述の樹
脂A0.25重量部にオフセット防止剤として低分子量
ポリエチレン1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピ
ロンブラックTRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、
カーボンブラック(Printex Lデグサ社製)7重
量部及び2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量
部を加え、アトライター(「MA―01SC」、三井三
池化工機社製)に投入し15℃にて10時間分散し、重
合性組成物を得た。
【0365】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。このようにし
て得られた中間粒子に対して、実施例7−1と同様の条
件でseed重合を行い、実施例7−1と同様の外添処
理を行い本実施例のカプセルトナーを得た。
【0366】なお、上述の一連の重合反応とは別に樹脂
Aを用いない他は本実施例と同様のin situ重合
のみを行った時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温
度は35℃であった。即ち、本実施例で得られるカプセ
ルトナーのコア由来のガラス転移温度は35℃であると
考えることができる。
【0367】このトナーに実施例7−1と同様の外添処
理を行い、カプセルトナーを得た。このトナーをプリン
タに入れて印刷を行い、定着率を測定した。定着器ヒー
トローラの設定温度は実施例7−1と同様の130℃と
した。結果を表1に示す。本実施例のカプセルトナーは
良好な定着性を示した。また、このトナーの耐ブロッキ
ング特性を実施例7−1と同様の方法で測定した。本実
施例のトナーも実施例7−1の場合と同様に全くブロッ
キングを生じず極めて良好な耐ブロッキング特性を示し
た。
【0368】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0369】〈実施例7−4〉スチレン67.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル32.5重量部、上述の樹
脂A0.25重量部にオフセット防止剤として低分子量
ポリエチレン1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピ
ロンブラックTRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、
カーボンブラック(Printex Lデグサ社製)7重
量部及び2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量
部を加え、アトライター(「MA―01SC」、三井三
池化工機社製)に投入し15℃にて10時間分散し、重
合性組成物を得た。
【0370】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0371】このようにして得られた中間粒子に対し
て、実施例7−2と同様の条件でseed重合を行い、
実施例7−1と同様の外添処理を行い本実施例のカプセ
ルトナーを得た。なお、上述の一連の重合反応とは別に
樹脂Aを用いない他は本実施例と同様のin situ
重合のみを行った時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転
移温度は35℃であった。即ち、本実施例で得られるカ
プセルトナーのコア由来のガラス転移温度は35℃であ
ると考えることができる。
【0372】このトナーに実施例7−1と同様の外添処
理を行い、カプセルトナーを得た。このトナーをプリン
タに入れて印刷を行い、定着率を測定した。定着器ヒー
トローラの設定温度は実施例7−1と同様の130℃と
した。結果を表1に示す。本実施例のカプセルトナーは
良好な定着性を示した。また、このトナーの耐ブロッキ
ング特性を実施例7−1と同様の方法で測定した。本実
施例のトナーも実施例7−1の場合と同様に全くブロッ
キングを生じず極めて良好な耐ブロッキング特性を示し
た。
【0373】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0374】〈比較例7−1〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0375】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0376】次いでメタクリル酸メチル9重量部、アク
リル酸−n−ブチル1部、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.
1重量部、水80重量部からなる水乳濁液Dを調製し
た。この水乳濁液Dを18重量部を滴下し、seed重
合を行った後、冷却、lN塩酸水溶液にて分散媒を溶か
し、濾過、水洗を経て風乾後、40℃にて12時間、2
0mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均
粒径7μmのカプセルトナーを得た。
【0377】このカプセルトナーに実施例7−1と同様
の外添処理を行い比較例1のカプセルトナーとした。な
お、in situ重合で得られるコア熱可塑性樹脂の
ガラス転移温度は実施例7−1と同一の55℃であり、
seed重合で得られるシェル熱可塑性樹脂のガラス転
移温度は95℃であった。
【0378】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定したところ実施例7−1〜7−4と同
様に十分な定着性を示した。次に実施例7−1〜7−4
と同様の条件で耐ブロッキング特性を測定した。このト
ナーのブロッキング特性は劣悪であった。本比較例のカ
プセルトナーはブロッキングが著しいく実用には適さな
いことが確認された。
【0379】〈比較例7−2〉スチレン67.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル32.5重量部にオフセッ
ト防止剤として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯
電制御剤「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ
谷化学社製)1重量部、カーボンブラック(Print
ex Lデグサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1重量部を加え、アトライター(「M
A―01SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃
にて10時間分散し、重合性組成物を得た。
【0380】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0381】このようにして得られた中間粒子に対し
て、実施例7−2で用いた水乳濁液Cを18重量部を滴
下し、seed重合を行った後、冷却、lN塩酸水溶液
にて分散媒を溶かし、濾過、水洗を経て風乾後、40℃
にて12時間、20mmHgで減圧乾燥し、風力分級機
にて分級し、平均粒径7μmのカプセルトナーを得た。
【0382】このトナーに実施例7−1と同様の外添処
理を行い、カプセルトナーを得た。なお、in sit
u重合で得られるコア熱可塑性樹脂のガラス転移温度は
実施例7−3と同一の35℃であり、seed重合で得
られるシェル熱可塑性樹脂のガラス転移温度は100℃
であった。
【0383】このトナーは耐ブロッキング性は満足する
ものであったが、プリンタに入れて印刷を行い、定着率
を測定したところ満足な定着性能を示さなかった。
【0384】〈比較例7−3〉スチレン77.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル22.5重量部、上述の樹
脂A0.25重量部にオフセット防止剤として低分子量
ポリエチレン1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピ
ロンブラックTRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、
カーボンブラック(Printex Lデグサ社製)7重
量部及び2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量
部を加え、アトライター(「MA―01SC」、三井三
池化工機社製)に投入し15℃にて10時間分散し、重
合性組成物を得た。
【0385】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0386】次いで、該中間粒子の水系懸濁液中に、メ
タクリル酸メチル9.25重量部、アクリル酸−n−ブ
チル0.75部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリ
ル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1重量
部、水80重量部からなる水乳濁液Eを調製し、この水
乳濁液Eを9重量部滴下、該中間粒子を膨潤させた後、
窒素下にて攪拝を続けながら2段目の重合として85℃
まで昇温し10時間反応せしめた。冷却後、lN塩酸水
溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水洗を経て風乾後、4
0℃にて12時間、20mmHgで減圧乾燥し、風力分
級機にて分級し、平均粒径7μmのカプセルトナーを得
た。このカプセルトナーに実施例7−1と同様の外添処
理を行い比較例3のカプセルトナーを得た。
【0387】なお、上述の一連の重合反応とは別に樹脂
Aを用いない他は本実施例と同様のin situ重合
のみを行った時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温
度は実施例7−1と同一の55℃であった。また、水乳
濁液Eのみを単独で重合した時に得られる熱可塑性樹脂
のガラス転移温度は92.5℃であった。
【0388】このトナーをプリンタに入れて印刷テスト
を行い、実施例7−1と同様に定着率を測定したところ
十分な定着性を示したものの、耐ブロッキング性は満足
できる性能が得られず実用には適さないことが確認され
た。
【0389】〈比較例7−4〉メタクリル酸メチル9
7.5重量部、アクリル酸−n−ブチル2.5重量部、
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル3重量部をガラ
ス製2リットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステン
レス製攪袢棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を
取り付けマントルヒーター中で窒素気流下にて100℃
にて反応せしめた。また、重合生成物を反応中に随時サ
ンプリングし、そのガラス転移点を測定した。そして重
合生成物のガラス転移点が60℃に達した時反応を停止
した。ガラス転移点は示差走査熱量計(「DSC220
型」、セイコー電子工業社製)で測定した。これを樹脂
Fとする。なお、本重合の反応時間を充分に延長したと
きに得られる重合生成物のガラス転移点は97.5℃で
あった。
【0390】次にスチレン77.5重量部、アクリル酸
−n−ブチル22.5重量部、上述の樹脂F0.25重
量部にオフセット防止剤として低分子量ポリエチレン
1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピロンブラック
TRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、カーボンブラ
ック(Printex Lデグサ社製)7重量部及び2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を加え、ア
トライター(「MA―01SC」、三井三池化工機社
製)に投入し15℃にて10時間分散し、重合性組成物
を得た。
【0391】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0392】このようにして得られた中間粒子に対し
て、実施例7−2で用いた水乳濁液Cを9重量部を滴下
し、seed重合を行った後、冷却、lN塩酸水溶液に
て分散媒を溶かし、濾過、水洗を経て風乾後、40℃に
て12時間、20mmHgで減圧乾燥し、風力分級機に
て分級し、平均粒径7μmのカプセルトナーを得た。こ
のカプセルトナーに実施例7−1と同様の外添処理を行
い比較例4のカプセルトナーを得た。
【0393】なお、上述の一連の重合反応とは別に樹脂
Fを用いない他は本実施例と同様のin situ重合
のみを行った時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温
度は55℃であった。また、水乳濁液Cのみを単独で重
合した時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温度は1
00℃であった。
【0394】このトナーの耐ブロッキング性は満足する
ものであったが、プリンタに入れて印刷テストをしたと
ころ、満足な定着性能を示さなかった。
【0395】〈実施例8−1〉メタクリル酸メチル10
0重量部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル3重
量部をガラス製2リットルの4口フラスコに入れ、温度
計、ステンレス製攪袢棒、流下式コンデンサー、及び窒
素導入管を取り付けマントルヒーター中で窒素気流下に
て100℃にて反応せしめた。また、重合生成物を反応
中に随時サンプリングし、そのガラス転移点を測定し
た。そして重合生成物のガラス転移点が60℃に達した
時反応を停止した。ガラス転移点は示差走査熱量計
(「DSC220型」、セイコー電子工業社製)で測定
した。これを樹脂Aとする。なお、本重合の反応時間を
充分に延長したときに得られる重合生成物のガラス転移
点は100℃であることを確認した。
【0396】次にスチレン67.5重量部、アクリル酸
−n−ブチル32.5重量部、上述の樹脂A0.25重
量部にオフセット防止剤として低分子量ポリエチレン
1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピロンブラック
TRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、カーボンブラ
ック(Printex Lデグサ社製)7重量部及び2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を加え、ア
トライター(「MA―01SC」、三井三池化工機社
製)に投入し15℃にて10時間分散し、重合性組成物
を得た。
【0397】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0398】次いでメタクリル酸メチル9.5重量部、
アクリル酸−n−ブチル0.5部、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム0.1重量部、水80重量部からなる水乳濁液Bを
調製した。この水乳濁液Bを9重量部を滴下し、該中間
粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察
を行ったところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて
短時間のうちに完了していることが確かめられた。そこ
で、窒素下にて攪拝を続けながら2段目の重合として8
5℃で10時間反応せしめた。冷却後、0.5N塩酸水
溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水洗を経て風乾後、4
0℃にて10時間、10mmHgで減圧乾燥し、風力分
級機にて分級し、平均粒径7μmのカプセルトナーを得
た。
【0399】このカプセルトナー50重量部に、疎水性
シリカ微粉末「アエロジルR−972」(日本アエロジ
ル社製)0.35重量部を加えて混合し、本発明のカプ
セルトナーを得た。なお、上述の一連の重合反応とは別
に樹脂Aを用いない他は本実施例と同様のin sit
u重合のみを行った時に得られる熱可塑性樹脂のガラス
転移温度は35℃であった。即ち、本実施例で得られる
カプセルトナーのコア由来のガラス転移温度は35℃で
あると考えることができる。
【0400】また、水乳濁液Bのみを単独で重合した時
に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温度は95℃であ
った。即ち、シェル由来の樹脂のガラス転移温度は95
℃であると考えることができる。このトナーをプリンタ
入れて印刷を行い、定着率を測定した。定着器ヒート
ローラの設定温度は130℃とした。
【0401】定着率は次式で定義した。 定着率(%)=(剥離後濃度/剥離前濃度)×100 剥離前濃度とは印刷物のべた黒部をマクベス濃度測定器
で測定した値である。また、剥離後濃度とは印刷物のべ
た黒部に3M製スコッチテープを貼りその上に50g/
cm2 の荷重をかけ1往復させた後3cm/sec.の
速度で該スコッチテープをはがした時に印刷物上に残っ
ている画像の濃度のことである。
【0402】以上のようにして得られた定着率を以下の
ように分類し、図1にまとめた。1はコア材、2はシェ
ル材(最外殻)、3はシェル材(中間層)を示す。 本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示した。
【0403】また、このトナーの耐ブロッキング特性を
以下の方法で測定した。まずトナーサンプル20gを底
面積20cm2 の円筒型の容器に入れふたをし500g
/cm2 の加圧となるように重りをのせた。この状態で
50℃の雰囲気下に1ヶ月放置した。次にサンプルトナ
ーは20g全てを45μmメッシュのふるいに乗せ、1
KHz、30秒間の振動を与えた後、ふるい上に残った
トナー残量を測定した。ブロッキング特性は次式で定義
した。 ブロッキング率(%)=ふるい上に残ったトナー残量
(g)/サンプルトナー重量(g)×100 本実施例のカプセルトナーは全くブロッキングを生じず
極めて良好な保存性を示した。
【0404】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0405】〈実施例8−2〉メタクリル酸メチル90
重量部、アクリル酸−n−ブチル10重量部、2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル3重量部をガラス製2リ
ットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪
袢棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付け
マントルヒーター中で窒素気流下にて100℃にて反応
せしめた。また、重合生成物を反応中に随時サンプリン
グし、そのガラス転移点を測定した。そして重合生成物
のガラス転移点が60℃に達した時反応を停止した。ガ
ラス転移点は示差走査熱量計(「DSC220型」、セ
イコー電子工業社製)で測定した。これを樹脂Cとす
る。なお、本重合の反応時間を充分に延長したときに得
られる重合生成物のガラス転移温度は90℃であること
を確認した。
【0406】次にスチレン72.5重量部、アクリル酸
−n−ブチル27.5重量部、上述の樹脂B0.25重
量部にオフセット防止剤として低分子量ポリエチレン
1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピロンブラック
TRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、カーボンブラ
ック(Printex Lデグサ社製)7重量部及び2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を加え、ア
トライター(「MA―01SC」、三井三池化工機社
製)に投入し15℃にて10時間分散し、重合性組成物
を得た。
【0407】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0408】次いでメタクリル酸メチル9重量部、アク
リル酸−n−ブチル1部、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.
1重量部、水80重量部からなる水乳濁液Dを調製し
た。この水乳濁液Dを9重量部を滴下し、該中間粒子を
膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察を行っ
たところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて短時間
のうちに完了していることが確かめられた。
【0409】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。このトナーに実施例8−1と同
様の外添処理を行い、カプセルトナーを得た。
【0410】なお、上述の一連の重合反応とは別に樹脂
Cを用いない他は本実施例と同様のin situ重合
のみを行った時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温
度は45℃であった。即ち、本実施例で得られるカプセ
ルトナーのコア由来のガラス転移温度は45℃であると
考えることができる。また、水乳濁液Dのみを単独で重
合した時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温度は8
0℃であった。即ち、シェル由来の樹脂のガラス転移温
度は80℃であると考えることができる。
【0411】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例8−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例8
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーも実施
例8−1の場合と同様に全くブロッキングを生じず極め
て良好な耐ブロッキング特性を示した。
【0412】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0413】〈実施例8−3〉メタクリル酸メチル80
重量部、アクリル酸−n−ブチル20重量部、2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル3重量部をガラス製2リ
ットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪
袢棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付け
マントルヒーター中で窒素気流下にて100℃にて反応
せしめた。また、重合生成物を反応中に随時サンプリン
グし、そのガラス転移点を測定した。そして重合生成物
のガラス転移点が60℃に達した時反応を停止した。ガ
ラス転移点は示差走査熱量計(「DSC220型」、セ
イコー電子工業社製)で測定した。これを樹脂Eとす
る。なお、本重合の反応時間を充分に延長したときに得
られる重合生成物のガラス転移点は80℃であることを
確認した。
【0414】次にスチレン77.5重量部、アクリル酸
−n−ブチル22.5重量部、上述の樹脂E0.25重
量部にオフセット防止剤として低分子量ポリエチレン
1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピロンブラック
TRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、カーボンブラ
ック(Printex Lデグサ社製)7重量部及び2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を加え、ア
トライター(「MA―01SC」、三井三池化工機社
製)に投入し15℃にて10時間分散し、重合性組成物
を得た。
【0415】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0416】次いでメタクリル酸メチル8.5重量部、
アクリル酸−n−ブチル1.5部、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.5重量部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム0.1重量部、水80重量部からなる水乳濁液Fを
調製した。この水乳濁液Fを9重量部を滴下し、該中間
粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに光学顕微鏡にて観察
を行ったところ、乳濁液滴は全く見られず膨潤が極めて
短時間のうちに完了していることが確かめられた。
【0417】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。このトナーに実施例8−1と同
様の外添処理を行い、カプセルトナーを得た。
【0418】なお、上述の一連の重合反応とは別に樹脂
Eを用いない他は本実施例と同様のin situ重合
のみを行った時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温
度は55℃であった。即ち、本実施例で得られるカプセ
ルトナーのコア由来のガラス転移温度は55℃であると
考えることができる。また、水乳濁液Fのみを単独で重
合した時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温度は7
0℃であった。即ち、シェル由来の樹脂のガラス転移温
度は70℃であると考えることができる。
【0419】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例8−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。また、このトナーの耐ブロッキング特性を実施例8
−1と同様の方法で測定した。本実施例のトナーも実施
例8−1の場合と同様に全くブロッキングを生じず極め
て良好な耐ブロッキング特性を示した。
【0420】以上の結果から本実施例で得られるカプセ
ルトナーは良好な定着性能と極めて良好な保存性を有
し、トナーに機械的圧力が比較的加わりにくい非接触現
像は勿論のこと、トナーに強い圧力が加わりやすい接触
現像方式にも十分適用できるトナーであることが確認さ
れた。
【0421】〈比較例8−1〉スチレン67.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル32.5重量部、実施例8
−2で用いた樹脂C0.25重量部にオフセット防止剤
として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯電制御剤
「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ谷化学社
製)1重量部、カーボンブラック(Printex Lデ
グサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル1重量部を加え、アトライター(「MA―01
SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃にて10
時間分散し、重合性組成物を得た。
【0422】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。ここまでの段
階で該重合性組成物の重合反応によって得られた分散質
を中間粒子と呼ぶことにする。
【0423】次いでメタクリル酸メチル10重量部、
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部、
ラウリル硫酸ナトリウム0.1重量部、水80重量部か
らなる水乳濁液Gを調製した。この水乳濁液Gを9重量
部を滴下し、該中間粒子を膨潤させた。滴下後、直ちに
光学顕微鏡にて観察を行ったところ、乳濁液滴は全く見
られず膨潤が極めて短時間のうちに完了していることが
確かめられた。
【0424】そこで、窒素下にて攪拝を続けながら2段
目の重合として85℃で10時間反応せしめた。冷却
後、0.5N塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水
洗を経て風乾後、40℃にて10時間、10mmHgで
減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径7μmの
カプセルトナーを得た。このトナーに実施例8−1と同
様の外添処理を行い、カプセルトナーを得た。
【0425】なお、上述の一連の重合反応とは別に樹脂
Cを用いない他は本実施例と同様のin situ重合
のみを行った時に得られる熱可塑性樹脂のガラス転移温
度は実施例8−1と同様の55℃であった。即ち、本実
施例で得られるカプセルトナーのコア由来のガラス転移
温度は55℃であると考えることができる。また、水乳
濁液Gのみを単独で重合した時に得られる熱可塑性樹脂
のガラス転移温度は100℃であった。即ち、シェル由
来の樹脂のガラス転移温度は100℃であると考えるこ
とができる。
【0426】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例8−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。次にこのトナーの耐ブロッキング特性を実施例8−
1と同様の方法で測定した。本例のカプセルトナーは完
全にブロッキングしてしまい実用には適さないことがわ
かった。
【0427】〈比較例8−2〉スチレン72.5重量
部、アクリル酸−n−ブチル27.5重量部、実施例8
−3で用いた樹脂E0.25重量部にオフセット防止剤
として低分子量ポリエチレン1.5重量部、帯電制御剤
「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土ケ谷化学社
製)1重量部、カーボンブラック(Printex Lデ
グサ社製)7重量部及び2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル1重量部を加え、アトライター(「MA―01
SC」、三井三池化工機社製)に投入し15℃にて10
時間分散し、重合性組成物を得た。
【0428】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0429】次いで、実施例8−1で用いた水乳濁液B
を用い実施例8−1と同様の条件でseed重合を行い
カプセルトナーを得た。このカプセルトナーを実施例8
−1と同様の外添処理を行い、本発明のカプセルトナー
を得た。
【0430】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例8−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。次にこのトナーの耐ブロッキング特性を実施例8−
1と同様の方法で測定した。本例のカプセルトナーは完
全にブロッキングしてしまい実用には適さないことがわ
かった。
【0431】〈比較例8−3〉メタクリル酸メチル85
重量部、アクリル酸−n−ブチル15重量部、2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル3重量部をガラス製2リ
ットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪
袢棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付け
マントルヒーター中で窒素気流下にて100℃にて反応
せしめた。また、重合生成物を反応中に随時サンプリン
グし、そのガラス転移点を測定した。そして重合生成物
のガラス転移点が60℃に達した時反応を停止した。ガ
ラス転移温度は示差走査熱量計(「DSC220型」、
セイコー電子工業社製)で測定した。これを樹脂Hとす
る。なお、本重合の反応時間を充分に延長したときに得
られる重合生成物のガラス転移点は70℃であることを
確認した。
【0432】次にスチレン77.5重量部、アクリル酸
−n−ブチル22.5重量部、上述の樹脂H0.25重
量部にオフセット防止剤として低分子量ポリエチレン
1.5重量部、帯電制御剤「アイゼンスピロンブラック
TRH」(保土ケ谷化学社製)1重量部、カーボンブラ
ック(Printex Lデグサ社製)7重量部及び2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を加え、ア
トライター(「MA―01SC」、三井三池化工機社
製)に投入し15℃にて10時間分散し、重合性組成物
を得た。
【0433】また、ポリアクリル酸8重量部、ジビニル
ベンゼン0.35重量部を溶解したエタノール180重
量部を用意しこれに蒸留水600重量部を加え重合のた
めの分散媒を用意した。この分散媒に重合性組成物を添
加し、TKホモミキサー(「M型」、特殊機化工業社
製)にて15℃、8000回転の条件下10分間分散さ
せた。次に、得られた分散溶液を1リットルのセパラブ
ルフラスコ中に移し、窒素気流下100r.p.m.で攪拝
しながら85℃にて12時間反応させた。
【0434】次いで、実施例8−2で用いた水乳濁液D
を用い実施例と同様の条件でseed重合を行いカプセ
ルトナーを得た。このカプセルトナーを実施例8−1と
同様の外添処理を行い、本発明のカプセルトナーを得
た。
【0435】このトナーをプリンタに入れて印刷を行
い、定着率を測定した。定着器ヒートローラの設定温度
は実施例8−1と同様の130℃とした。結果を表1に
示す。本実施例のカプセルトナーは良好な定着性を示し
た。次にこのトナーの耐ブロッキング特性を実施例8−
1と同様の方法で測定した。本例のカプセルトナーは完
全にブロッキングしてしまい実用には適さないことがわ
かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】具体例1の説明図である。
【図2】具体例2の説明図である。
【図3】具体例3の説明図である。
【図4】具体例4の説明図である。
【図5】具体例5の説明図である。
【図6】具体例6の説明図である。
【図7】具体例7の説明図である。
【図8】具体例8の説明図である。
【符号の説明】
1 コア(中間粒子) 2 シェル(最外殻) 3 シェル(中間層)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−34165(JP,A) 特開 平6−59493(JP,A) 特開 平10−221886(JP,A) 特開 平11−160909(JP,A) 特開 平10−177278(JP,A) 特開 平8−314186(JP,A) 国際公開97/1131(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予めシェルを形成するための重合性単量
    体を重合反応させて熱可塑性樹脂を製造し、 その後、このシェルを構成する熱可塑性樹脂と、中間粒
    子を形成するための重合性単量体と重合開始剤と着色剤
    とを混合して、これらを分散媒中に分散させた状態で、
    中間粒子を構成するコア材を重合反応させるとともに、
    シェル材をさらに重合反応させて、 コアと、その周りを囲みコア材よりガラス転移温度が高
    いシェル材による、少なくとも1層のシェルとを形成
    し、 さらに、そのシェルの周りを囲む熱可塑性樹脂から成る
    シェルを形成することを特徴とする熱圧力定着用トナー
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤から構
    成されるコア材から成る中間粒子と、 この中間粒子の周りに形成され、前記コア材よりガラス
    転移温度が高い熱可塑性樹脂から構成されたシェル材か
    ら成る2層以上のシェルとを備え、 最外殻のシェルと中間粒子との間に設けられたシェルの
    シェル材は、前記コア材を重合反応させる前に、重合性
    単量体をあらかじめ重合した後、コア材とともに更に重
    合反応させた熱可塑性樹脂から成ることを特徴とするカ
    プセルトナー。
  3. 【請求項3】 重合性単量体を重合反応させて、少なく
    とも熱可塑性樹脂と着色剤から構成されるコア材によっ
    て中間粒子を製造し、 このコア材の重合性単量体が重合反応を開始した後その
    重合反応終了前に、前記中間粒子の周りに中間層のシェ
    ルを形成するための、重合性単量体の重合反応を開始さ
    せて、 さらに、この中間層シェル材の重合性単量体が重合反応
    を開始した後その重合反応終了前に、この中間層のシェ
    ルの周りに最外殻のシェルを形成するための、重合性単
    量体の重合反応を開始させて、 前記コア材とガラス転移温度が互いに5℃以上異なる熱
    可塑性樹脂から構成された2層のシェル材により、シェ
    ルを形成することを特徴とする熱圧力定着用トナーの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 予め中間層のシェルを形成するための重
    合性単量体を重合反応させて熱可塑性樹脂を製造し、 その後、この中間層のシェルを構成する熱可塑性樹脂
    と、中間粒子を形成するための重合性単量体と重合開始
    剤と着色剤とを混合して、これらを分散媒中に分散させ
    た状態で、中間粒子を構成するコア材を重合反応させる
    とともに、中間層のシェル材をさらに重合反応させて、 コアと、その周りを囲みコア材よりガラス転移温度が高
    いシェル材による、中間層のシェルとを形成し、 さらに、前記中間層のシェル材の重合反応終了前に、こ
    の中間層のシェルの周りに最外殻のシェルを形成するた
    めの、重合性単量体の重合反応を開始させて、コアと、
    その周りを囲みコア材よりガラス転移温度が高いシェル
    材による、中間層のシェルと、その周りを囲み中間層の
    シェル材よりガラス転移温度が低いシェル材による、最
    外殻のシェルとを形成することを特徴とする熱圧力定着
    用トナーの製造方法。
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