JP2005300996A - トナー用ポリエステル樹脂組成物およびトナー - Google Patents

トナー用ポリエステル樹脂組成物およびトナー Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、低温定着性、耐ホットオフセット性、光沢度に優れたトナーおよびトナー用ポリエステル樹脂組成物を提供することであり、200mm/秒以上の低中速プリンターに好適な、好ましくは300mm/秒以上の中速プリンターに好適な、特に好ましくは400mm/秒以上の高速プリンターに好適なトナーおよびトナー用ポリエステル樹脂組成物を提供するものである。
【解決手段】 融点が60〜100℃である離型剤成分を0.1〜5質量%含有し、軟化温度が130〜180℃、ガラス転移温度が40〜70℃であるポリエステル樹脂組成物(1)を45〜80質量%、軟化温度が100℃以下、ガラス転移温度が50℃以上、重量平均分子量が3000〜8000であり、テトラヒドロフラン不溶分が1質量%以下であるポリエステル樹脂(2)を20〜55質量%含有するトナー用ポリエステル樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、トナー用ポリエステル樹脂組成物及びこれを含有するトナーに関するものである。
電子写真印刷法及び静電荷現像法により画像を得る方法においては、感光体上に形成された静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナーによって現像したのち、定着を行う。定着方式については、現像によって得られたトナー像を加圧及び加熱されたローラーを用いて定着するヒートローラー方式と、電気オーブン或いはフラッシュビーム光を用いて定着する非接触定着方式とがある。これらのプロセスを問題なく通過するためには、トナーは、まず安定した帯電量を保持することが必要であり、次に紙への定着性が良好である必要がある。また、装置は加熱体である定着部を有し、装置内での温度が上昇するため、トナーがブロッキングしないことが必要である。最近では、マシンの高速化及び省エネ化が進み、トナーには、より短時間且つ低温での定着において、非オフセット性と定着強度が求められるようになってきた。さらに、最近では、フルカラー電子写真システムの普及に伴い、光沢のある画像を形成することができるトナーが求められている。
また、近年、省エネの要請から、特に低温定着性に優れたトナーが要求されるようなり、この観点から、本質的に定着性が良好なポリエステル樹脂を結着樹脂として用いたトナーが使用されるようになってきた。しかしながら、ポリエステル樹脂は低温定着性に優れるものの、耐ホットオフセット性が悪く、このため、非接触定着方式においては特に問題ないものの、ヒートロール定着方式においては、オフセット現象が発生し易いという問題があった。
このオフセット現象を防止するために、多価カルボン酸等を導入することにより、ポリエステル樹脂の軟化温度を高くする検討がなされてきた(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、ポリエステル樹脂の軟化温度を高くすると、耐オフセット性は向上するものの、同時に定着温度も高くなってしまい、定着温度幅が狭くなるという問題が生じる。また、ポリエステル樹脂の軟化温度を高くすると、画像の光沢が低下するという問題が生じる。
これらの問題を解決するために、トナー用結着樹脂として2種以上のポリエステル樹脂を併用することや、トナーにワックスを配合することが提案されてきた(例えば、特許文献4、5参照)。
特許文献4には、より広い定着温度幅を発現させるために、112〜123℃の高軟化点を有する第1のポリエステル樹脂と、89〜92℃の低軟化点を有する第2のポリエステル樹脂とを併用したトナーが記載されている。同文献には、線速度115mm/秒で印刷した場合において、190〜200℃の耐ホットオフセット性および150〜160℃の最低定着温度を発現することが記載されている。
特許文献5には、オフセット現象を防止しトナーの光沢を付与するため、トナーにワックスを配合するにあたって、ワックスをポリエステル樹脂中に均一かつ安定に分散させるために、特定ワックスの存在下で重合して得られたポリエステル樹脂組成物が記載されている。同文献には、線速度100mm/秒で印刷した場合に、画像の光沢度が高く、200℃以上の耐ホットオフセット性および160℃未満の最低定着温度を有するトナーが記載されている。
一方、近年、プリンターの高速化が要求されるようになってきており、200mm/秒以上の印刷速度においても、光沢度、耐ホットオフセット性、および低温定着性に優れたトナーが要求されるようになってきている。
しかしながら、特許文献4および特許文献5に記載されたトナーは、印刷速度が100mm/秒程度の低速プリンターにおいては、これらの性能を満足するものの、200mm/秒以上の低中速〜高速の印刷速度領域では、十分に性能を発揮することができなかった。
特開昭50−44836号公報 特開昭57−37353号公報 特開昭57−109875号公報 特開平4−313760号公報 WO03/001302号公報
本発明の目的は、低温定着性、耐ホットオフセット性、光沢度に優れたトナーおよびトナー用ポリエステル樹脂組成物を提供することであり、200mm/秒以上の低中速プリンターに好適な、好ましくは300mm/秒以上の中速プリンターに好適な、特に好ましくは400mm/秒以上の高速プリンターに好適なトナーおよびトナー用ポリエステル樹脂組成物を提供するものである。
本発明は、融点が60〜100℃である離型剤成分を0.1〜5質量%含有し、軟化温度が130〜180℃、ガラス転移温度が40〜70℃であるポリエステル樹脂組成物(1)を45〜80質量%、軟化温度が100℃以下、ガラス転移温度が50℃以上、重量平均分子量が3000〜8000であり、テトラヒドロフラン不溶分が1質量%以下であるポリエステル樹脂(2)を20〜55質量%含有するトナー用ポリエステル樹脂組成物およびこれを含有するトナーに関するものである。
本発明によれば、低温定着性、耐ホットオフセット性、光沢等に優れたトナーを得ることができ、200mm/秒以上の中低速プリンターに好適な、好ましくは300mm/秒以上の中速プリンターに好適な、特に好ましくは400mm/秒以上の高速プリンターに好適なトナーを得ることができる。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂組成物(1)とポリエステル樹脂(2)とを含有する。
ポリエステル樹脂組成物(1)は、融点が60〜100℃である離型剤成分を含有するものである。この離型剤成分の融点が60℃以上の場合に、トナーの耐ブロッキング性が良くなる傾向にあり、融点が100℃以下の場合に、トナーの低温定着性が良くなる傾向にある。離型剤成分の融点の下限値は65℃以上がより好ましく、また、離型剤成分の融点の上限値は95℃以下であることが好ましい。
融点が60〜100℃の離型剤成分としては、特に制限されないが、例えば、ライスワックス(融点79℃)、カルナバワックス(融点83℃)、パラフィンワックス(融点40〜90℃)、蜜蝋(融点64℃)等を挙げることができる。これらは、必要に応じて1種以上を適宜選択して使用することができるが、中でもカルナバワックスが特に好ましい。
離型剤成分の含有量は、ポリエステル樹脂組成物(1)全量中、0.1〜5質量%である。離型剤成分の含有量が0.1質量%以上である場合に、トナーの定着性が良好となる傾向にあり、5質量%以下の場合に、トナーの保存安定性が良好となる傾向にある。
ポリエステル樹脂組成物(1)の軟化温度は、130〜180℃である。ポリエステル樹脂組成物(1)の軟化温度が、130℃以上の場合にトナーの耐ホットオフセット性が良好となる傾向にあり、180℃以下の場合にトナーの定着性が良好となる傾向にある。ポリエステル樹脂組成物(1)の軟化温度の下限値は140℃以上が好ましく、また、この上限値は170℃以下が好ましい。
ポリエステル樹脂組成物(1)のガラス転移温度は、40〜70℃である。ポリエステル樹脂組成物(1)のガラス転移温度が、40℃以上の場合にトナーの耐ブロッキング性が良好となる傾向にあり、70℃以下の場合にトナーの定着性が良好となる傾向にある。ポリエステル樹脂組成物(1)のガラス転移温度の下限値は、45℃以上が好ましく、また、この上限値は68℃以下が好ましい。
ポリエステル樹脂組成物(1)の貯蔵弾性率G’は、特に制限されないが、180℃において500〜2000Paであることが好ましい。ポリエステル樹脂組成物(1)の貯蔵弾性率G’が、180℃において500Pa以上の場合に、トナーの定着性が良好となる傾向にあり、2000Pa以下の場合に、トナーの耐ホットオフセット性が良好となる傾向にある。ポリエステル樹脂組成物(1)の貯蔵弾性率G’の下限値は、180℃において700Pa以上であることが特に好ましく、またこの上限値は、180℃において1200Pa以下であることが特に好ましい。なお、180℃における貯蔵弾性率G’とは、80℃から40℃まで3℃/分の昇温速度で粘弾性を測定した場合の180℃における貯蔵弾性率G’である。
ポリエステル樹脂組成物(1)の重量平均分子量は、特に制限されないが、70000〜120000であることが好ましい。ポリエステル樹脂組成物(1)の重量平均分子量が70000以上の場合にトナーの耐ホットオフセットが良好となる傾向にあり、また、120000以下の場合に、トナーの定着性が良好となる傾向にある。ポリエステル樹脂組成物(1)の重量平均分子量の下限値は、75000以上であることがより好ましく、80000以上であることが特に好ましい。また、この重量平均分子量の上限値は、115000以下であることがより好ましく、110000以下であることが特に好ましい。
ポリエステル樹脂組成物(1)の含有量は、ポリエステル樹脂組成物全量中45〜80質量%の範囲である。この含有量が45質量%以上の場合に、トナーの耐ホットオフセット性が良好となる傾向にあり、また、この含有量が80質量%以下の場合に低温定着性が良好となる傾向にある。ポリエステル樹脂組成物(1)の含有量の下限値は55質量%以上が好ましく、65質量%以上が特に好ましい。また、ポリエステル樹脂組成物(1)の含有量の上限値は、75質量%以下であることが好ましい。
ポリエステル樹脂(2)は、軟化温度が100℃以下である。軟化温度が100℃以下の場合に、トナーの低温定着性が良好となる傾向にある。ポリエステル樹脂(2)の軟化温度の上限値は、98℃以下が好ましい。また、ポリエステル樹脂(2)の軟化温度の下限値は、特に制限されないが、85℃以上であることが好ましい。ポリエステル樹脂(2)の軟化温度が85℃以上である場合に、トナーの耐ブロッキング性が良好となる傾向にある。この軟化温度の下限値は、90℃以上であることがより好ましい。
ポリエステル樹脂(2)のガラス転移温度は、50℃以上である。ポリエステル樹脂(2)のガラス転移温度が50℃以上の場合に、トナーの耐ブロッキング性および低温定着性が良好となる傾向にある。ポリエステル樹脂(2)のガラス転移温度の下限値は、52℃以上が好ましい。また、ポリエステル樹脂(2)のガラス転移温度の上限値は、特に制限されないが、65℃以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂(2)の軟化温度が65℃以下である場合に、トナーの低温定着性が良好となる傾向にある。このガラス転移温度の上限値は、60℃以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂(2)の重量平均分子量は3000〜8000である。ポリエステル樹脂(2)の重量平均分子量が3000以上の場合にトナーの耐ホットオフセット性が良好となる傾向にあり、8000以下の場合に、トナーの低温定着性が良好となる傾向にある。ポリエステル樹脂(2)の重量平均分子量の下限値は4000以上が好ましく、また、上限値は6500以下が好ましい。
ポリエステル樹脂(2)のテトラヒドロフラン不溶分は、1質量%以下である。ポリエステル樹脂(2)のテトラヒドロフラン不溶分が1質量%以下である場合に、トナーの低温定着性が良好となる傾向にある。ポリエステル樹脂(2)のテトラヒドロフラン不溶分は、0.8質量%以下であることが好ましく、0.6質量%以下であることが特に好ましい。
ポリエステル樹脂(2)の含有量は、ポリエステル樹脂組成物全量中20〜55質量%の範囲である。この含有量が20質量%以上の場合に、トナーの低温定着性が良好となる傾向にあり、また、この含有量が55質量%以下の場合に耐ホットオフセット性が良好となる傾向にある。ポリエステル樹脂(2)の含有量の下限値は25質量%以上が好ましく、また、ポリエステル樹脂(2)の含有量の上限値は、45質量%以下が好ましく、35質量%以下が特に好ましい。
ポリエステル樹脂組成物(1)またはポリエステル樹脂(2)のポリエステル樹脂を構成成分としては、特に制限されないが、ジカルボン酸成分とジオール成分とを基本構成成分とするものである。
ジカルボン酸成分としては、特に制限されないが、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、フタル酸、セバシン酸、イソデシル琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、およびそれらの低級アルキルエステルまたは酸無水物等が挙げられる。これらジカルボン酸の低級アルキルエステルとしては、例えば、モノメチルエステル、モノエチルエステル、ジメチルエステル、ジエチルエステル等が挙げられる。
中でも、テレフタル酸および/またはイソフタル酸成分(a)は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度を上げ、樹脂強度を付与するとともに、トナーの耐ブロッキング性、ブレード融着性、フィルミング性の向上に寄与し、それの持つ疎水性のためトナーの耐湿性向上にも効果がある。従って、テレフタル酸および/またはイソフタル酸成分(a)は、ポリエステル樹脂組成物(1)またはポリエステル樹脂(2)のそれぞれの樹脂において、全酸成分100モル部に対して70〜100モル部であることが好ましい。中でも、テレフタル酸系のものは結着樹脂のガラス転移温度をアップさせるのに効果があり、またイソフタル酸系のものは反応性を高める効果があるので目的によってその使用バランスを変えて用いることが好ましい。テレフタル酸および/またはイソフタル酸成分(a)の含有量の下限値は75モル部以上がより好ましい。
なお、テレフタル酸および/またはイソフタル酸成分(a)とは、テレフタル酸、イソフタル酸およびそれらの低級アルキルエステルからなるものである。テレフタル酸およびイソフタル酸の低級アルキルエステルの例としては、例えばテレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチル等が挙げられるが、ポリエステル樹脂組成物(1)においては、弾性率が高くなる傾向にあることからイソフタル酸が特に好ましく、ポリエステル樹脂(2)においては、コストの点でテレフタル酸が特に好ましい。
また、ジオール成分としては、特に制限されず、脂肪族ジオール成分(c)、芳香族ジオール成分(d)等を使用することができる。
脂肪族ジオール成分(c)としては、特に制限されず、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどが挙げられ、単独または混合して使用することができる。これらの脂肪族ジオール成分(c)は、縮重合反応速度を向上せしめる作用を有する。これらの中でも低温定着性の点からエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオールが好ましい。
脂肪族ジオール成分(c)の含有量は、特に制限されないが、ポリエステル樹脂組成物(1)においては、ポリエステル樹脂組成物(1)の全酸成分100モル部に対して10〜70モル部が好ましく、特に好ましくは15〜65モル部である。また、脂肪族ジオール成分(c)の含有量は、ポリエステル樹脂(2)においては、ポリエステル樹脂(2)の全酸成分100モル部に対して10〜50モル部が好ましく、特に好ましくは15〜45モル部である。
芳香族ジオール成分(d)としては、特に制限されず、例えば、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどが挙げられ、単独または混合して使用することができる。これらの芳香族ジオール成分(d)は、ガラス転移温度を上げる効果があるため、耐ブロッキング性が良好となる傾向にある。特に、2.1≦n≦8であるポリオキシプロピレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび2.0≦n≦3.0であるポリオキシエチレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
芳香族ジオール成分(d)の含有量は、特に制限されないが、ポリエステル樹脂組成物(1)またはポリエステル樹脂(2)のそれぞれの樹脂において、全酸成分100モル部に対して50〜130モル部が好ましく、特に好ましくは60〜120モル部である。芳香族ジオール成分(d)の含有量が50モル部以上の場合にトナーの耐ブロッキング性が良好となる傾向にあり、130モル部以下の場合に、ポリエステル樹脂合成時の重合度が上がり、トナーの耐ブロッキング性が良好となる傾向にある。
また、本発明においては、ポリエステル樹脂組成物(1)を構成する成分として、必要に応じて3価以上の多価カルボン酸および/または3価以上の多価アルコール成分(b)を使用することができる。3価以上の多価カルボン酸および/または3価以上の多価アルコール成分(b)は、ポリエステル樹脂を架橋または分岐化するため用いるものである。
3価以上の多価カルボン酸成分および/または3価以上の多価アルコール成分(b)としては、特に制限されないが、例えば、3価以上の多価カルボン酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボンン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びこれらの酸無水物などを挙げることができることができ、3価以上の多価アルコール成分として、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサテトラロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどが挙げられる。これらの中でも、トリメリット酸及び又はその酸無水物、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンが特に好ましい。これらの3価以上の多価カルボン酸成分および/または3価以上の多価アルコール成分は、それぞれ単独で使用しても、複数併用してもよい。
3価以上の多価カルボン酸および/または3価以上の多価アルコール成分(b)の含有量は、特に制限されないが、ポリエステル樹脂組成物(1)の全酸成分100モル部に対して、1〜30モル部が好ましく、特に好ましくは4〜27モル部である。この(b)成分が1モル部以上の場合に、トナーの耐ホットオフセット性が良好となる傾向にあり、30モル部以下の場合にトナーの耐ブロッキング性が良好となる傾向にある。
次に、本発明のトナーについて説明する。ポリエステル樹脂組成物(1)とポリエステル樹脂(2)とを含有するポリエステル樹脂組成物の含有量は、特に制限されないが、トナー全量中、30〜99質量%が好ましく、40〜95質量%が特に好ましい。
本発明のトナーは、前述のポリエステル樹脂組成物(1)とポリエステル樹脂(2)とを含有するポリエステル樹脂組成物を含有してなるものであるが、必要に応じて、これに離型剤、着色剤、流動改質剤、荷電制御剤、磁性体等を配合することができる。
離型剤としては、特に制限されず、例えば、ポリオレフィン系ワックス、シリコン系ワックス、アミド系ワックス、高級脂肪酸、脂肪酸金属塩、高級アルコール、エステル系ワックス等が挙げられる。
離型剤の含有量は、特に制限されないが、トナー全量中0.3〜15質量%の範囲が好ましい。離型剤の含有量が、0.3質量%以上の場合に離型性が良好となる傾向にあり、15質量%以下の場合にトナーの保存性並びに定着性が良好となる傾向にある。この含有量の下限値は0.5質量%以上がより好ましく、また、上限値は10質量%以下がより好ましい。
着色剤としては、一般に使用されているカーボンブラック、有彩色の顔料および染料が使用でき、特に限定はない。カラートナーの場合には、例えば、C.I.ソルベントイエロー21、C.I.ソルベントイエロー77、C.I.ソルベントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド128、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド13、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド48・2、C.I.ディスパースレッド11、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー94、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー15・3等が挙げられる。
着色剤の含有量は、特に制限されないが、トナーの色調や画像濃度、熱特性の点から、トナー全量中2〜10質量%の範囲が好ましい。この含有量の下限値は3質量%以上であることがより好ましく、また、上限値は8質量%以下であることがより好ましい。
流動性向上剤としては、特に制限されないが、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウムチタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ藻土、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
流動性向上剤の含有量は、特に制限されないが、トナー100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲が好ましい。流動性向上剤の含有量が、0.1質量部以上の場合にフィルミングが抑制される傾向にあり、5質量部以下の場合に定着性が良好となる傾向にある。この含有量の下限値は0.2質量部以上であることがより好ましく、また、上限値は3質量部以下であることがより好ましい。
荷電制御剤としては、特に制限はなく、従来電子写真用に用いられている荷電制御剤を使用することが出来る。負帯電性の荷電制御剤としては、例えば、オリエント化学社製のボントロンS−31、ボントロンS−32、ボントロンS−34、ボントロンS−36等、保土ヶ谷化学社製のアイゼンスピロンブラックTVH等の含金属アゾ染料;ヘキスト社製のCopy Charge NX VP434等の四級アンモニウム塩;銅フタロシアニン染料等が挙げられる。また、正帯電性の荷電制御剤としては、例えば、四国化成社製のPLZ−2001、PLZ−8001等のイミダゾール誘導体;ヘキスト社製のCopy Charge BLUE PR等のトリフェニルメタン誘導体;オリエント化学社製のボントロンP−51、ヘキスト社製のCopy Charge PXVP435、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド等の四級アンモニウム塩;オリエント化学社製のAFP−B等のポリアミン樹脂等が挙げられる。本発明では、以上の荷電制御剤の1種または2種以上を使用することが出来る。また、主荷電制御剤と逆極性の荷電制御剤との併用も可能である。
これら荷電制御剤の含有量は特に制限されないが、トナー全量中0.1〜5質量%の範囲が好ましい。荷電制御剤の含有量が0.1質量%以上の場合にトナーの帯電量が充分なレベルとなる傾向にあり、5質量%以下の場合に凝集による帯電量の低下が抑制される傾向にある。
本発明のトナーは、磁性1成分現像剤、非磁性1成分現像剤、2成分現像剤の何れの現像剤としても使用できる。
本発明のトナーを磁性1成分現像剤として用いる場合には、トナー中に磁性体を含有する。磁性体としては、例えば、フェライト、マグネタイト等をはじめとする、鉄、コバルト、ニッケル等を含む強磁性の合金;マンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−スズ等のマンガンと銅とを含む所謂ホイスラー合金等のように、化合物や強磁性元素を含まないが適当に熱処理することによって強磁性を表すようになる合金;二酸化クロム等が挙げられる。
これらの磁性体の含有量は、特に制限されないが、トナー全量中30〜70質量%の範囲であることが好ましい。磁性体の含有量が30質量%以上の場合にトナーの帯電量が充分なレベルとなる傾向にあり、70質量%以下の場合にトナーの定着性が良好となる傾向にある。この磁性体の含有量の下限値は40質量%以上であることがより好ましく、上限値は60質量%以下であることがより好ましい。
また、本発明のトナーを2成分現像剤として用いる場合には、キャリアと併用して用いられる。キャリアとしては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉などの磁性物質、それらの表面に樹脂コーティングを施したもの、磁性キャリア等の公知のものを使用することができる。樹脂コーティングキャリアのための被覆樹脂としては、一般に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、それらの樹脂の混合物などを使用することができる。併用するキャリアの量としては、特に制限されないが、トナー100質量部に対して900質量部以上の場合にトナーの帯電量が充分なレベルとなる傾向にあり好ましい。
次に、ポリエステル樹脂組成物(1)またはポリエステル樹脂(2)の製造方法について説明する。
ポリエステル樹脂組成物(1)は、以下に示す方法により一旦ポリエステル樹脂を重合した後に、融点が60〜100℃である離型剤成分を混合して溶融混練して得てもよいし、ポリエステル重合時に該離型剤成分を添加して得てもよい。特に、離型剤成分の分散性の面からは、重合時に離型剤成分を添加して得ることが好ましい。
ポリエステル樹脂の製造方法は、特に制限されず、公知のポリエステル樹脂の製造方法を用いて製造することができる。例えば、前記のジカルボン酸成分およびジオール成分、さらに所望によりこれらに加えて3価以上の多価カルボン酸および/または3価以上の多価アルコール成分(b)を反応容器に投入し、加熱昇温して、エステル化反応またはエステル交換反応を行う。この際、ポリエステル樹脂組成物(1)を得る場合には、これらの成分に加えて、さらに融点が60〜100℃である離型剤成分を加えて、エステル化反応またはエステル交換反応を行う。エステル化反応またはエステル交換反応の温度は、特に制限されないが、150〜300℃であることが好ましい。エステル化反応またはエステル交換反応の温度が150℃以上である場合に、反応率を十分上げることができる傾向にあり、300℃以下である場合に分解反応を抑制することができる傾向にある。この反応温度の下限値は180℃以上がより好ましく、200℃以上がさらに好ましく、220℃以上が特に好ましく、240℃以上が最も好ましい。また、上限値は290℃以下がより好ましく、280℃以下が特に好ましい。
次いで、常法に従って該反応で生じた水またはアルコールを除去する。その後引き続き重合反応を実施するが、このとき150mmHg(20kPa)以下の真空下でジオール成分を留出除去させながら縮重合を行う。縮重合反応の温度は、特に制限されないが、150〜300℃であることが好ましい。縮重合反応の温度が150℃以上である場合に、反応率を十分上げることができる傾向にあり、300℃以下である場合に分解反応を抑制することができる傾向にある。この反応温度の下限値は180℃以上がより好ましく、200℃以上がさらに好ましく、220℃以上が特に好ましい。また、上限値は290℃以下がより好ましく、280℃以下がさらに好ましく、260℃以下が特に好ましい。
また、真空度は100mmHg(13.3kPa)以下がより好ましく、50mmHg(6.7kPa)以下が特に好ましい。
また、エステル化反応、エステル交換反応、縮重合時に用いる触媒としては、特に制限されず、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、ニ酸化ゲルマニウム等の公知の触媒を用いることができる。
重合温度、触媒量については特に限定されるものではないが、高温で副生物として発生する脂肪族ジオール成分を低減させるためには、比較的反応温度が低い領域でも反応する触媒を選択することが好ましい。例えば、三酸化アンチモン、チタンブトキサイド、そしてジブチルスズオキサイドが好適に使用される。
また、架橋構造を有するポリエステル樹脂を製造する場合には、高真空下で脂肪族ジオール成分を留出除去させながら縮重合を進めてゆく課程で、ゲル化反応が生じ反応系内の粘度が急激に上昇するので、この粘度上昇に対応しながら、反応系内の真空度を調整してゲル化反応を制御するのが好ましく、所望の粘度に到達した時に反応系内の圧力を常圧に戻し、窒素により加圧して反応容器より樹脂を取り出すのが好ましい。
本発明のトナーの製造方法は、特に制限されず、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、上述のポリエステル樹脂組成物(1)およびポリエステル樹脂(2)、並びに所望により、着色剤、流動改質剤、荷電制御剤、および磁性体等を混合した後、2軸押出機などで溶融混練し、粗粉砕、微粉砕、分級を行い、必要に応じて無機粒子をトナー表面に付着させて製造することができる。また、上記工程において、微粉砕〜分級後にトナー粒子を球形にするなどの処理を行ってもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例におよび比較例における性能評価は以下の方法を用いて行った。
・樹脂および樹脂組成物の評価方法
(1)軟化温度(℃)
島津製作所(株)製フローテスターCFT−500を用いて1mmφ×10mmのノズル、荷重196N(20kgf)、昇温速度6℃/minの等速昇温下で測定した時、サンプル1.0g中の1/2が流出した時の温度を軟化温度とした。
(2)ガラス転移温度(℃)
島津製作所(株)製、示差走差熱量計(DSC−60)を用いて、昇温速度5℃/minで測定した時のチャートのベースラインとガラス転移温度近傍にある吸熱カーブの接線の交点をガラス転移温度とした。
(3)重量平均分子量
質量平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製HCL−8200)を用いて以下の測定条件で行ったものである。
カラム条件 :TSKgel GMHXL×3
オーブン温度:40℃
溶離剤 :テトラヒドロフラン
流速 :1ml/分
試料濃度 :0.4質量%
注入量 :100μl
検出器 :RI
(4)貯蔵弾性率G’(Pa)
貯蔵弾性率G’の測定はREO LOGICA社製のレオメーター(DAR−100)を用いて、以下の測定条件で80℃から240℃まで3℃/分の昇温速度で粘弾性を測定した場合の180℃における貯蔵弾性率G’である。
円板径 :直径25mm
ギャップ :1mm
周波数 :1Hz
(5)テトラヒドロフラン(THF)不溶分
樹脂Agをテトラヒドロフラン(THF)に70℃で3時間加温溶解し、セライトを充填し乾燥したガラスフィルター(Bg)に通過させて濾過し、ガラスフィルターを再度乾燥して秤量し(Cg)、以下の式を用いて算出した。
THF不溶分(質量%)={(C−B)/A}×100%
・トナー評価方法
(6)耐ホットオフセット性の評価法
シリコーンオイルが塗布されていない定着ローラーを有し、ローラー速度400mm/秒に設定した温度変更可能であるプリンター(カシオ計算機(株)製 SPEEDIA N4−614)を用いて印刷を行い、耐ホットオフセット性の評価を行った。また、定着時に定着ローラーにトナーが移行するときの最高温度をオフセット発生温度と定め、以下の基準を用いて耐ホットオフセット性を判断した。
◎+(非常に良好) :オフセット発生温度が230℃以上
◎(良好) :オフセット発生温度が220℃以上230℃未満
○++(良好) :オフセット発生温度が215℃以上220℃未満
○+(やや良好) :オフセット発生温度が210℃以上215℃未満
○(使用可能) :オフセット発生温度が205℃以上210℃未満
△(やや劣る) :オフセット発生温度が200℃以上205℃未満
×(劣る) :オフセット発生温度が200℃未満
(7)低温定着性
耐ホットオフセット性の評価方法と同一条件でトナーを紙に定着させたときに、トナーが紙に定着し始めるときの最低温度を定着温度とし、以下の基準で判定した。
◎++(非常に良好):定着温度が150℃未満
◎+(良好) :定着温度が150℃以上160℃未満
◎(良好) :定着温度が160℃以上165℃未満
○+(やや良好) :定着温度が165℃以上170℃未満
○(使用可能) :定着温度が170℃以上175℃未満
△(やや劣る) :定着温度が175℃以上180℃未満
×(劣る) :定着温度が180℃以上
(8)耐ブロッキング性
トナーを約5g秤量してサンプル瓶に投入し、これを50℃に保温された乾燥機に約24時間放置し、トナーの凝集程度を評価して耐ブロッキング性の指標とした。評価基準を以下の通りとした。
◎+(非常に良好):サンプル瓶を逆さにするだけで分散する
◎(良好) :サンプル瓶を逆さにし、1〜2回叩くと分散する
○(使用可能) :サンプル瓶を逆さにし、2〜3回叩くと分散する
△(やや劣る) :サンプル瓶を逆さにし、4〜5回以上叩くと分散する
×(劣る) :サンプル瓶を逆さにし、5回以上叩くと分散する
製造例1
表1に示す仕込み組成のモノマー成分と、触媒として1500ppmの三酸化アンチモンを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。次いで、反応容器中の攪拌翼の回転数を120rpmに保ち、昇温を開始し、反応系内の温度を260℃になるように加熱し、この温度を保持した。反応系から水が留出し、エステル化反応が開始してから約7時間後、水の留出がなくなり、反応を終了した。次いで、反応系内の温度を235℃の縮重合反応温度に保ち、反応容器内を約40分かけて7.5mmHg(1kPa)まで減圧し、反応系からジオール成分を留出させながら縮合反応を行った。反応とともに反応系の粘度が上昇し、粘度上昇とともに真空度を上昇させ、攪拌翼のトルクが所望の軟化温度を示す値となるまで縮合反応を実施した。そして、所定のトルクを示した時点で反応系を常圧に戻し、加熱を停止し、窒素により加圧して約40分かけて反応物を取り出し、ポリエステル樹脂組成物(1)として樹脂組成物A〜Fを、また、ポリエステル樹脂組成物(1)から外れる例として樹脂組成物G〜Lを得た。
製造例2
表2に示す仕込み組成のモノマー成分と、触媒として2000ppmの三酸化アンチモンを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。次いで、反応容器中の攪拌翼の回転数を120rpmに保ち、昇温を開始し、反応系内の温度を265℃になるように加熱し、この温度を保持した。反応系から水が留出し、エステル化反応が開始してから約7時間後、水の留出がなくなり、反応を終了した。次いで、反応系内の温度を240℃の縮重合反応温度に保ち、反応容器内を約40分かけて7.5mmHgまで減圧し、反応系からジオール成分を留出させながら縮合反応を行った。反応とともに反応系の粘度が上昇し、粘度上昇とともに真空度を上昇させ、攪拌翼のトルクが所望の軟化温度を示す値となるまで縮合反応を実施した。そして、所定のトルクを示した時点で反応系を常圧に戻し、加熱を停止し、窒素により加圧して約40分かけて反応物を取り出し、ポリエステル樹脂(2)として樹脂a〜fを、また、ポリエステル樹脂(2)から外れる例として樹脂g〜kを得た。
実施例1〜13及び比較例1〜13
上記で得られたポリエステル樹脂組成物A〜Lとポリエステル樹脂a〜kを用いてトナー化を行った。トナーの配合には、表3に示す比率のポリエステル樹脂組成物(1)およびポリエステル樹脂(2)からなるポリエステル樹脂組成物を93質量部、キナクリドン顔料(クラリアント社製E02)3質量部、カルナバワックス(東洋ペトロライド社製)3質量部、負帯電性の荷電制御剤(オリエント化学社製E−84)1質量部を使用し、ヘンシェルミキサーで30分間混合した。次いで、得られた混合物を150℃〜200℃内の温度で2軸混練機で溶融混練した。混練後、冷却してトナー塊を得、ジェットミル微粉砕機で微粉砕し、分級機でトナーの粒径を整え、粒径を5μmとした。得られた微粉末100質量部に対して、0.25質量部のシリカ(日本アエロジル社製R−972)を加え、ヘンシェルミキサーで混合して付着させ、最終的にトナーを得た。得られたトナーについては、前述の評価方法を用いてトナー評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
Figure 2005300996
Figure 2005300996
Figure 2005300996

Claims (4)

  1. 融点が60〜100℃である離型剤成分を0.1〜5質量%含有し、軟化温度が130〜180℃、ガラス転移温度が40〜70℃であるポリエステル樹脂組成物(1)を45〜80質量%、軟化温度が100℃以下、ガラス転移温度が50℃以上、重量平均分子量が3000〜8000であり、テトラヒドロフラン不溶分が1質量%以下であるポリエステル樹脂(2)を20〜55質量%含有するトナー用ポリエステル樹脂組成物。
  2. ポリエステル樹脂組成物(1)の180℃における貯蔵弾性率G’が、500〜2000Paの範囲である請求項1記載のトナー用ポリエステル樹脂組成物。
  3. ポリエステル樹脂組成物(1)は、全酸成分100モル部に対して、70〜100モル部のテレフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分(a)、1〜30モル部の3価以上の多価カルボン酸成分および/または3価以上の多価アルコール成分(b)、10〜70モル部の脂肪族ジオール成分(c)、50〜130部の芳香族ジオール成分(d)を含有し、かつ、融点が60〜100℃である離型剤成分をポリエステル樹脂組成物(1)全量に対して0.1〜5質量%含有するものであり、ポリエステル樹脂(2)は、全酸成分100モル部に対して、70〜100モル部のテレフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分(a)、10〜50モル部の脂肪族ジオール成分(c)、50〜130部の芳香族ジオール成分(d)を含有するものである、請求項1のトナー用ポリエステル樹脂組成物。
  4. 請求項1記載のポリエステル樹脂組成物を含有するトナー。
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