JP2007293327A - トナーバインダーおよびトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
軟化点とDSCによる融解温度との比が0.9以上1.1未満であり、多価アルコール及び多価カルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種がアルコール成分100モルに対して0.1〜20モル含有してなる非線状結晶性ポリエステル(A)と、特定の式で表されるジオールがアルコール成分100モルに対して少なくとも40モル%含有してなる樹脂であって、ポリエステル、ポリエステルポリアミド及びポリエステルを含むハイブリッド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の非晶質樹脂(B)と、
ポリオレフィン樹脂C1、ビニル樹脂C2及びグラフト重合体C3からなる樹脂分散剤(C)とからなることを特徴とするトナーバインダーを用いる。
【選択図】なし
Description
本発明の目的は、画像劣化が発生しがたいトナーバインダーを提供することである。
式(I):
軟化点100〜170℃のポリオレフィン樹脂(C1)、SP値が10.6〜12.6のビニル樹脂(C2)及び(C1)に(C2)を構成するビニルモノマーがグラフトした構造を有するグラフト重合体(C3)からなる樹脂分散剤(C)とからなる点を要旨とする。
また、本発明のトナーの特徴は、上記トナーバインダーと着色剤を含有することを要旨とする。
て、本発明のトナーバインダーを用いると、画像劣化が発生しがたいトナーを容易に得ることができる。
「結晶性」とは、1/2降下温度とDSCによる融解温度との比{(1/2降下温度)/(融解温度)}が0.9以上1.1未満、好ましくは0.98〜1.05を有することを意味する。
「非晶質」とは、1/2降下温度と融解温度との比{(1/2降下温度)/(融解温度)}が1.1〜4.0、好ましくは1.5〜3.0を有することを意味する。
なお、融解温度は、後述の方法により測定され、最大吸熱ピーク温度以下のベースラインの延長線と、ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間の最大傾斜を示す接線との交点に対応する温度である。
非線状結晶性ポリエステル(A)の1/2降下温度(℃)は、85〜140が好ましく、さらに好ましくは100〜140、特に好ましくは100〜130である。
なお、1/2降下温度は、次のように測定される値である。
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を1/2降下温度とする。
なお、融解温度は、次のように測定される値である。
示差走査熱量計{たとえば、セイコー電子工業社製、DSC210}を用いて、測定試料を200℃まで昇温してから、降温速度10℃/分で0℃まで冷却した後、昇温速度10℃/分で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、最大ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線と、最大ピーク温度以下でのベースラインの延長線との交点に対応する温度を融解温度とする。
なお、ガラス転移点も同様に測定される(融解温度をガラス転移点と読み替える)。
そして、非線状結晶性ポリエステル(A)には、2〜4価の多価アルコールからなるアルコール成分及び2〜4価の多価カルボン酸からなるカルボン酸成分のうち、3〜4価の多価アルコール及び3〜4価の多価カルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種が必須構成単量体{3〜4価単量体と略す場合がある}として含まれる。
3〜4価単量体単位の含有量(モル)は、アルコール成分100モルに対して0.1〜20、好ましくは0.5〜15、さらに好ましくは1〜13である。
2価アルコール単位の含有量(モル)は、アルコール成分100モルに対して、50〜100が好ましく、さらに好ましくは70〜100である。
4価アルコールとしては、ジグリセリン、1,2,3,6−ヘキサンテトラアルコール、1,4−ソルビタン及びペンタエリスリトール等が挙げられる。
3価アルコール及び4価アルコールのうち、軟化点及び結晶性の観点等から、グリセリンが好ましい。
これらのうち、軟化点及び結晶性の観点等から、脂肪族カルボン酸が好ましく、さらに好ましくはフマル酸である。
2価カルボン酸単位の含有量(モル)は、カルボン酸成分100モルに対して、70〜100が好ましく、さらに好ましくは80〜100である。
4価カルボン酸としては、テトラ (メチレンカルボキシル) メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
3価カルボン酸及び4価カルボン酸のうち、軟化点及び結晶性の観点等から、トリメリット酸及びその酸無水物が好ましい。
非線状結晶性ポリエステル(A)は、アルコール成分とカルボン酸成分とを、公知の方法{たとえば、特開2000−75549号公報、特開2004−61875号公報、特開2004−226847号公報等}等により縮重合させることにより得られる。
500〜1000である。
なお、数平均分子量(Mn)は、分子量既知のポリスチレンを標準物質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される{JIS K0124:2002(高速液体クロマトグラフィー通則)、対応ISO;ISO 11843−1:1997(Capability of detection-Part1:Terms and definitions.)に準拠}(たとえば、測定条件は以下の通りである)。測定試料40mgをテトラヒドロフラン10mlにて溶解させ、メンブランフィルター(東洋濾紙(株)製、0.2μm穴径)で濾過して濾液を用いる。
カラム:GMHLX及びG3000HXL{共に東ソー(株)製}の各々1本を直列接続したカラム
注入量:100μL
溶離液:テトラヒドロフラン
溶離液の流量:1mL/分
検出器:示差屈折率検出器(RID)
基準物質:東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
非晶質樹脂(B)は、2〜4価の多価アルコールからなるアルコール成分と、2〜4価の多価カルボン酸からなるカルボン酸成分とを必須構成単量体{2〜4価単量体と略す場合がある}としてなる樹脂であって、ポリエステル、ポリエステルポリアミド及びポリエステルを含むハイブリッド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の非晶質樹脂である。
そして、非晶質樹脂(B)には、式(I)で表されるジオールが必須構成単量体として含まれる。
ジオールの含有量(モル)は、アルコール成分100モルに対して、少なくとも40、好ましくは60〜100、さら好ましくは80〜100である。
また、x及びyは、0〜10の整数、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3である。
また、xとyとの和は、1〜16、好ましくは1〜10、さらに好ましくは2〜5である。
フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシポリオキシエチレンフェニル)プロパン及びビス(4−ヒドロキシポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンフェニル)プロパン等が挙げられる。
また、カルボン酸成分としては、上述の2〜4価の多価カルボン酸等が含まれる。
アミンとしては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びキシリレンジアミン等が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、ε−カプロラクタム等が挙げられる。
アミノアルコールとしては、プロパノールアミン等が挙げられる。
これらのうち、アミン及びアミノカルボン酸が好ましく、さらに好ましくはヘキサメチレンジアミン及びε−カプロラクタムである。
また、ポリエステルポリアミドは、アルコール成分とカルボン酸成分とアミン成分とを、公知の方法{たとえば、特開2000−75549号公報、特開2004−61875号公報、特開2004−226847号公報等}等により縮重合させることにより得られる。
また、ポリエステルを含むハイブリッド樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分と必要によりアミン成分と、ビニルモノマーとを公知の方法{たとえば、特開平8−171231号公報、特開平8−44108号公報、特開平8−320593号公報、特開2004−275908号公報、特開2002−72557号公報等}等により、縮重合及びラジカル重合させることにより得られる。
なお、ビニルモノマーとしては、公知文献{たとえば、特開平8−171231号公報、特開平8−44108号公報、特開平8−320593号公報、特開2004−275908号公報、特開2002−72557号公報等}等に記載されたもの等が含まれる。これらのうち、(メタ)アクリレート及びスチレンモノマーが好ましく、さらに好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、αーメチルスチレン及びスチレン、特に好ましくはメチル(メタ)アクリレート及びスチレンである。
非晶質樹脂(B)のガラス転移点(℃)は、50〜85が好ましく、さらに好ましくは50〜70である。
なお、非晶質樹脂(B)は2種以上の樹脂の混合樹脂であることが好ましい。混合樹脂の場合、定着性及び耐ブロッキング性の両立の観点等から、70〜110℃の1/2降下温度をもつ樹脂(樹脂a)と、110〜180℃の1/2降下温度をもつ樹脂(樹脂b)の混合物が好ましい{配合重量比(a/b):30/70〜80/20が好ましい。}。
ポリオレフィン樹脂(C1)としては、オレフィンの重合体(C11)、オレフィンの重合体(C11)を酸化した酸化体(C12)、オレフィンの重合体(C11)を変性した変性体(C13)及びオレフィンと共重合単量体との共重合体(C14)等が含まれる。
オレフィンの重合体(C11)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体及びプロピレン/1−ヘキセン共重合体等が挙げられる。なお、オレフィンの重合体(C11)は、ポリマー構造としてポリオレフィンの構造を有していればよく、モノマーが必ずしもオレフィンである必要はない{たとえば、ポリメチレン(サゾールワックス等)等も使用できる}。
公報)、重合体(C11)を空気、酸素及び/又はオゾン等で酸化した酸化体等が含まれる。
変性体(C13)としては、公知の方法で(たとえば特開2001−278985号公報)、重合体(C11)を不飽和カルボン酸{無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル及びマレイン酸ジメチル等}で変性した変性体等が含まれる。
共重合体(C14)としては、ポリエチレン/アクリル酸共重合体、ポリプロピレン/無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/メチルアクリレート共重合体、エチレン/メチルアクリレート共重合体、及びプロピレン/メチルアクリレート共重合体等が挙げられる。
なお、軟化点は、JIS K2207−1996に準拠して測定される。
なお、溶融粘度は、JIS K6862−1984(180℃を160℃に変更)に準拠して測定される。なお、ポリオレフィン樹脂(C1)の軟化点が160℃を越えている場合、軟化点以上の温度で溶融させてから、160℃まで冷却して測定する{ポリオレフィン樹脂(C1)は結晶性が高いため、一度溶融すると軟化点以下に冷却しても固化しにくい。}。
ポリオレフィン樹脂(C1)の重量平均分子量は、キャリアー等へのフィルミング及び離型性の観点等から、800〜100000が好ましく、さらに好ましくは1500〜60000、特に好ましくは2000〜30000である。
数平均分子量及び重量平均分子量は、上述同様にして測定される(以下同様)。
なお、針入度は、JIS K2207−1996に準拠して測定される。
なお、SP値は、次式で表せる。
SP値(δ)=(ΔH/V)1/2
ただし、式中、ΔHはモル蒸発熱(cal)を、Vはモル体積(cm3)を表す。
また、ΔH及びVは、「POLYMER ENGINEERING AND FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(151〜153頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱(△ei)の合計(ΔH)とモル体積(△
vi)の合計(V)を用いることができる。
すなわち、ホモポリマーのSP値が11.0〜18.0{好ましくは11.0〜16.0}となるビニルモノマー(c221)と、ホモポリマーのSP値が8.0以上11.0未満{好ましくは9.0〜10.8}となるビニルモノマー(c222)との共重合体(C22)である。
不飽和ニトリルとしては、(メタ)アクリロニトリル及びシアノスチレン等が挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びこれらの無水物、並びにマレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル及びイタコン酸モノメチル等が挙げられる。
これのうち、スチレンモノマー及び不飽和カルボン酸アルキルエステル、さらに好ましくはスチレン及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル、特に好ましくはスチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの併用である。
ビニル樹脂(C2)の含有量(重量%)は、樹脂分散剤(C)の重量に基づいて、29〜98.5が好ましく、さらに好ましくは34〜79、特に好ましくは50〜59である。
グラフト重合体(C3)の含有量(重量%)は、樹脂分散剤(C)の重量に基づいて、1〜70が好ましく、さらに好ましくは20〜65、特に好ましくは40〜60である。
樹脂分散剤(C)を(C)対し重量で5倍量のトルエンに20℃で溶解し、不溶分(C1)を濾別乾燥し、重量を測定する。トルエン可溶分を20℃でトルエンに対し重量で10倍量のアセトン中に滴下し、得られた沈殿(C3)を乾燥し、重量を測定する。さらに残りのアセトン可溶分(C2)を、脱溶媒、乾燥して、重量を測定し、それぞれの重量比率(%)を求める。
は2500〜50000、特に好ましくは2800〜20000である。
樹脂分散剤(C)の重量平均分子量は、5000〜200000が好ましく、さらに好ましくは6000〜100000、特に好ましくは7000〜50000である。
重合には、開始剤を用いてもよい。開始剤としては、パーオキサイド{ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド及びターシャリブチルパーオキシドベンゾエート等}等が含まれる。また、重合後に、溶剤を留去することが好ましい。
ビニルモノマーの使用量(重量%)は、(C1)及びビニルモノマーの重量に基づいて、10〜99が好ましく、さらに好ましくは20〜95、特に好ましくは60〜90である。
非晶質樹脂(B)の含有量(重量%)は、非線状結晶性ポリエステル(A)、非晶質樹脂(B)及び樹脂分散剤(C)の重量に基づいて、50〜98が好ましく、さらに好ましくは60〜93.5、特に好ましくは70〜80である。
樹脂分散剤(C)の含有量(重量%)は、非線状結晶性ポリエステル(A)、非晶質樹脂(B)及び樹脂分散剤(C)の重量に基づいて、1〜14が好ましく、さらに好ましくは1.5〜12、特に好ましくは2〜8である。
ワックスとしては、エステルワックス{カルナウバワックス、モンタンワックス及びライスワックス等}、炭素数30〜50の長鎖脂肪族アルコール及び炭素数30〜50の長鎖脂肪酸等が含まれる。
ワックスを含有する場合、ワックスの含有量(重量%)は、非線状結晶性ポリエステル(A)、非晶質樹脂(B)及び樹脂分散剤(C)の重量に基づいて、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.5〜8、特に好ましくは0.5〜3である。
{(A)、(B)のいずれかを重合する場合、残りの(A)又は(B)は重合後に粉体混合又は溶融混合する}<3>等により得られる。
着色剤としては公知の染料、顔料および磁性粉を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、スーダンブラックSM、ファーストイエロ−G、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、バラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、プリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB、オイルピンクOP、マグネタイト、鉄黒などが挙げられる。
トナー中の着色剤の含有量は、染料または顔料を使用する場合は、好ましくは2〜15重量%であり、磁性粉を使用する場合は、好ましくは20〜70重量%である。
荷電制御剤としては、公知のものすなわち、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩化合物、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸金属塩、スルホン酸基含有ポリマー、含フッソ系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマーなどが挙げられる。トナー中の荷電制御剤の含有量は通常0.1〜5重量%である。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末など公知のものを用いることができる。
そして、電気的潜像は、公知の熱ロール定着方法等によって、支持体(紙及びポリエステルフィルム等)に定着される。
<実施例1>
1,4−ブタンジオール1350部(100モル部)、フマル酸1566部(90モル部)、無水トリメリット酸345.6部(12モル部)、酸化ジブチル錫1.5部及びハイドロキノン1.5部を、160℃で5時間加熱撹拌した後、200℃に昇温して1時間撹拌し、さらに200℃、8.3kPaにして1時間撹拌して、非線状結晶性ポリエステル(a1)を得た。
1,4−ブタンジオール1350部(100モル部)、フマル酸1566部(90モル部)及び無水トリメリット酸345.6部(12モル部)を、エチレングリコール930部(100モル部)、コハク酸1734.6部(98モル部)及びトリメリット酸129.6部(4.5モル部)に変更した以外、実施例1と同様にして非線状結晶性ポリエス
テル(a2)を得た。
1,4−ブタンジオール1350部(100モル部)、フマル酸1566部(90モル部)及び無水トリメリット酸345.6部(12モル部)を、1,4−ブタンジオール1134部(84モル部)、水添ビスフェノールA324部(9モル部)、グリセリン96.6部(7モル部)、シュウ酸176部(13モル部)及びコハク酸1487部(84モル部)に変更した以外、実施例1と同様にして非線状結晶性ポリエステル(a3)を得た。
ックスLEL−400:軟化点 128℃}50部を、オートクレーブ反応槽に入れ、均
一溶解し、窒素置換後、175℃に昇温し、この温度で、混合溶液{スチレン839部、アクリロニトリル44部、アクリル酸ブチル110部、アクリル酸7部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート32.5部及びキシレン148部}を3時間かけて滴下し、さらにこの温度で30分間撹拌した。次いで溶剤を留去して、樹脂分散剤(c3){含有するスチレン−アクリロニトリル−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体(ビニル樹脂C2)のSP値:10.7}を得た。
1,4−ブタンジオール1350部(100モル部)、フマル酸1566部(90モル部)及び無水トリメリット酸345.6部(12モル部)を、1,4−ブタンジオール1350部(100モル部)、フマル酸1444.2部(83モル部)及び無水トリメリット酸518.4部(18モル部)に変更した以外、実施例1と同様にして非線状結晶性ポリエステル(a4)を得た。
キサヒドロテレフタレート32.5部及びキシレン148部}を3時間かけて滴下し、さらにこの温度で30分間撹拌した。次いで溶剤を留去して、樹脂分散剤(c4){含有するスチレン−アクリロニトリル−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体(ビニル樹脂C2)のSP値:11.5}を得た。
1,4−ブタンジオール1350部(100モル部)、フマル酸1566部(90モル部)及び無水トリメリット酸345.6部(12モル部)を、1,4−ブタンジオール742.5部(55モル部)、水添ビスフェノールA1620部(45モル部)、フマル酸1444.2部(83モル部)及び無水トリメリット酸158.4部(5.5モル部)に変更した以外、実施例1と同様にして非線状結晶性ポリエステル(a5)を得た。
1,4−ブタンジオール1350部(100モル部)、フマル酸1566部(90モル部)及び無水トリメリット酸345.6部(12モル部)を、
1,6−ヘキサンジオール1594.4部(90モル部)、1,8−オクタンジオール219部(10モル部)及びコハク酸1681.5部(95モル部)に変更した以外、実施例1と同様にして非線状結晶性ポリエステル(a6)を得た。
インダー(6)を得た。
ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)1400部(80モル部)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)325部(20モル部)、イソフタル酸166部(20モル部)、フマル酸406部(70モル部)及び無水トリメリット酸96部(10モル部)を、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)1400部(80モル部)、ネオペンチルグリコール78部(15モル部)、ジエチレングリコール26.5部(5モル部)、イソフタル酸581部(70モル部)、ドデセニル無水コハク酸134部(10モル部)及び無水トリメリット酸192部(20モル部)に変更した以外、実施例1と同様にして非晶質樹脂(b2)を得た。
非線状結晶性ポリエステル(a1)10部、非晶質樹脂(b1)980部及び樹脂分散剤(c1)10部を、非線状結晶性ポリエステル(a1)250部、非晶質樹脂(b2)730部及び樹脂分散剤(c1)20部に変更した以外、実施例1と同様にして本発明のトナーバインダー(7)を得た。
ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)1400部(80モル部)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)325部(20モル部)、イソフタル酸166部(20モル部)、フマル酸406部(70モル部)及び無水トリメリット酸96部(10モル部)を、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)875部(50モル部)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)325部(20モル部)、ネオペンチルグリコール156部(30モル部)、イソフタル酸664部(80モル部)、ドデセニル無水コハク酸67部(5モル部)及び無水トリメリット酸144部(15モル部)に変更した以外、実施例1と同様にして非晶質樹脂(b3)を得た。
非線状結晶性ポリエステル(a1)10部、非晶質樹脂(b1)980部及び樹脂分散剤(c1)10部を、非線状結晶性ポリエステル(a2)250部、非晶質樹脂(b3)690部及び樹脂分散剤(c1)60部に変更した以外、実施例1と同様にして本発明のトナーバインダー(8)を得た。
ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)1400部(80モル部)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)325部(20モル部)、イソフタル酸166部(20モル部)、フマル酸406部(70モル部)及び無水トリメリット酸96部(10モル部)を、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)875部(50モル部)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)813部(50モル部)、イソフタル酸456.5部(55モル部)、ドデセニル無水コハク酸536部(40モル部)及び無水トリメリット酸144部(15モル部)に変更した以外、実施例1と同様にして非晶質樹脂(b4)を得た。
非線状結晶性ポリエステル(a1)10部、非晶質樹脂(b1)980部及び樹脂分散剤(c1)10部を、非線状結晶性ポリエステル(a3)260部、非晶質樹脂(b4)600部及び樹脂分散剤(c1)140部に変更した以外、実施例1と同様にして本発明のトナーバインダー(9)を得た。
ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)1400部(80モル部)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)3
25部(20モル部)、イソフタル酸166部(20モル部)、フマル酸406部(70モル部)及び無水トリメリット酸96部(10モル部)を、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)175部(10モル部)、エチレングリコール155部(50モル部)、ネオペンチルグリコール156部(30モル部)、ジエチレングリコール53部(10モル部)、イソフタル酸581部(70モル部)、ドデセニル無水コハク酸268部(20モル部)及び無水トリメリット酸96部(10モル部)に変更した以外、実施例1と同様にして非晶質樹脂(b5)を得た。
非線状結晶性ポリエステル(a1)10部、非晶質樹脂(b1)980部及び樹脂分散剤(c1)10部を、非線状結晶性ポリエステル(a4)385部、非晶質樹脂(b5)555部及び樹脂分散剤(c1)60部に変更した以外、実施例1と同様にして本発明のトナーバインダー(10)を得た。
ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)875部(50モル部)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)813部(50モル部)、イソフタル酸456.5部(55モル部)、ドデセニル無水コハク酸536部(40モル部)、無水トリメリット酸144部(15モル部)、アクリル酸11部、酸化ジブチル錫1.5部を、窒素雰囲気下にて135℃の温度で均一攪拌しつつ、スチレン270部、2−エチルヘキシルアクリレート30部、アゾビスイソブチロニトリル20部の混合液を135℃にて4時間かけて滴下し、135℃に保持したまま5時間熟成した。引き続き、さらに230℃に昇温して撹拌を続け、1/2降下温度が所定の値(表2)に達したときに反応を終了し、反応生成物を容器から抜き出し、冷却後、粉砕して、非晶質樹脂(b6)を得た。
非線状結晶性ポリエステル(a1)10部、非晶質樹脂(b1)980部及び樹脂分散剤(c1)10部を、非線状結晶性ポリエステル(a5)100部、非晶質樹脂(b6)800部及び樹脂分散剤(c1)100部に変更した以外、実施例1と同様にして本発明のトナーバインダー(11)を得た。
ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)875部(50モル部)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)813部(50モル部)、イソフタル酸456.5部(55モル部)、ドデセニル無水コハク酸536部(40モル部)、無水トリメリット酸144部(15モル部)、アクリル酸11部、スチレン270部及び2−エチルヘキシルアクリレート30部、アゾビスイソブチロニトリル20部を、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2)1400部(80モル部)、ネオペンチルグリコール78部(15モル部)、ジエチレングリコール26.5部(5モル部)、イソフタル酸581部(70モル部)、ドデセニル無水コハク酸134部(10モル部)、無水トリメリット酸192部(20モル部)、アクリル酸10部、スチレン300部及び2−エチルヘキシルアクリレート40部、アゾビスイソブチロニトリル18部に変更した以外、実施例11と同様にして非晶質樹脂(b7)を得た。
次いで、非線状結晶性ポリエステル(a1)10部、非晶質樹脂(b1)980部及び樹脂分散剤(c1)10部を、非線状結晶性ポリエステル(a6)280部、非晶質樹脂(b7)660部及び樹脂分散剤(c1)60部に変更した以外、実施例1と同様にして本発明のトナーバインダー(12)を得た。
非線状結晶性ポリエステル(a1)10部、非晶質樹脂(b1)980部及び樹脂分散剤(c1)10部を、非線状結晶性ポリエステル(a1)240部、非晶質樹脂(b2)700部及び樹脂分散剤(c2)60部に変更した以外、実施例1と同様にして本発明のトナーバ
インダー(13)を得た。
非線状結晶性ポリエステル(a1)10部、非晶質樹脂(b1)980部及び樹脂分散剤(c1)10部を、非線状結晶性ポリエステル(a2)240部、非晶質樹脂(b3)700部及び樹脂分散剤(c3)60部に変更した以外、実施例1と同様にして本発明のトナーバインダー(14)を得た。
評価用トナーバインダー{実施例1〜14のいずれかのトナーバインダー}100部、カーボンブラック{三菱化学(株)製MA100}8部、荷電制御剤{保土ヶ谷化学(株)製スピロンブラックTRH}1部を、ヘンシェルミキサ{三井三池化工機(株)製 FM
10B}で予備混合した後、130℃に温度設定した二軸混練機{(株)池貝製 PCM−
30}で溶融混練して溶融混合物を得た。
この溶融混練物を約25℃に冷却した後、粗粉砕し、さらに超音速ジェット粉砕機ラボジェット{日本ニューマチック工業(株)製}を用いて微粉砕した後、気流分級機{日本ニューマチック工業(株)製MDS−I}で分級して、トナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部とコロイダルシリカ{日本アエロジル製アエロジルR972}0.3部とを均一混合して、本発明のトナーを得た。
評価用トナーバインダー{実施例1〜14のいずれかのトナーバインダー}100部を、非線状結晶性ポリエステル及び非晶質樹脂(b1)〜(b7){実施例1〜14に対応する比率で合計100部となるように、非線状結晶性ポリエステル(a1)〜(a6)及び非晶質樹脂(b1)〜(b7)をそれぞれ用いた。樹脂分散剤(c1)〜(c6)は使用しなかった}の合計100部に変更した以外、実施例15〜28と同様にして、比較用のトナーを得た{それぞれ実施例1〜14に対応して、比較例1〜14とした}。
得られたトナーについて、ワックス分散粒径、ワックス分散状態、流動性、最低定着温度、ホットオフセット発生温度及び画像劣化性を評価し、これらの結果を表4に示した。
透過型電子顕微鏡(日立製作所製H−7100型、10000倍)で撮影した画像を、市販の画像処理ソフト(三谷商事株式会社製WinROOF)にて解析し、ワックスの平均分散粒径を算出した。
透過型電子顕微鏡(日立製作所製H−7100型、5000倍)で観察し、次の基準で判定した。
○:ワックスが全体に均一に分散し、ワックスの粒子径が揃っている
(粒子径の大きなワックスが存在しない)
△:粒子径の大きなワックスが少し存在する
×:粒子径の大きなワックスが沢山存在する
ホソカワミクロン社製パウダーテスターを用いて流動性指数を測定し評価した。数値が大きいほど流動性がよいことを示す。
評価用トナー30部とフェライトキャリア(F−150;パウダーテック社製)800部とを均一混合し、評価用の二成分現像剤とし、この現像剤を用いて現像機{複写機(AR5030;シャープ製)の定着ユニットを除外したもの}で現像した未定着画像を、定着機{複写機(SF8400A;シャープ製)の定着ユニットを改造し熱ローラー温度を可変にしたもの}でプロセススピード145mm/secで定着して、定着画像を得た{熱ローラー温度は110℃から230℃まで10℃ごとに変更した}。引き続き、定着画像を300gの荷重を加えたPPC用パット紙で5往復擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる熱ローラー温度の最低温度を最低定着温度とした。
最低定着温度(MFT)と同様にして定着画像を得ながら、ホットオフセット(目視)が発生したときの熱ローラー温度の最低温度をホットオフセット発生温度とした。
最低定着温度(MFT)と同様の方法で連続的に現像して未定着画像を得て、1000枚目の未定着画像を以下の基準で判定した。
○:画像劣化(濃度ムラ等)が目視で確認できない
△:目視で画像劣化(濃度ムラ)が確認できる
×:現像されていない箇所がある
比較して、画像劣化が著しく良好であった。また、定着特性(最低定着温度、オフセット発生温度)も向上し、更には流動性が大幅に向上させることができた。
Claims (8)
- 1/2降下温度とDSCによる融解温度との比{(1/2降下温度)/(融解温度)}が0.9以上1.1未満であり、3〜4価の多価アルコール及び3〜4価の多価カルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を必須構成単量体として含み、この必須構成単量体がアルコール成分100モルに対して0.1〜20モル含有してなる非線状結晶性ポリエステル(A)と、
式(I):
軟化点100〜170℃のポリオレフィン樹脂(C1)、SP値が10.6〜12.6のビニル樹脂(C2)及び(C1)に(C2)を構成するビニルモノマーがグラフトした構造を有するグラフト重合体(C3)からなる樹脂分散剤(C)とからなることを特徴とするトナーバインダー。 - 非線状結晶性ポリエステル(A)、非晶質樹脂(B)及び樹脂分散剤(C)の重量に基づいて、非線状結晶性ポリエステル(A)の含有量が1〜40、非晶質樹脂(B)の含有量が45〜90、樹脂分散剤(C)の含有量が0.5〜15である請求項1に記載のトナーバインダー。
- 非線状結晶性ポリエステル(A)が炭素数2〜6のジオールを少なくとも50モル%含有するアルコール成分と、脂肪族カルボン酸を少なくとも70モル%含有するカルボン酸成分とを縮重合して得られる樹脂である請求項1又は2に記載のトナーバインダー。
- 非線状結晶性ポリエステル(A)の1/2降下温度が85〜140℃である請求項1〜3のいずれかに記載のトナーバインダー。
- 非晶質樹脂(B)が1/2降下温度70〜180℃、ガラス転移点50〜85℃をもつ請求項1〜4のいずれかに記載のトナーバインダー。
- ビニル樹脂(C2)が少なくとも11.0のSP値を持つモノマーであって、(メタ)アクリロニトリルモノマー及びα,β−不飽和カルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を必須構成単量体としてなる請求項1〜5のいずれかに記載のトナーバインダー。
- ビニル樹脂(C2)が、少なくとも11.0のSP値を持つモノマーであって、(メタ)アクリロニトリルモノマー及びα,β−不飽和カルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種と、スチレンモノマーとを必須構成単量体としてなる請求項1〜6のいずれかに記載のトナーバインダー。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のトナーバインダーと着色剤とを含有してなるトナー。
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