JP2004109485A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、離型剤を2〜10重量%含有し、トナー表面から0.25μm以内のトナー表面近傍の離型剤存在率が、トナー全体の離型剤存在率の1.1倍以上、1.5倍未満であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電印刷法、静電記録法などに用いられる静電荷像現像用トナー、及び該トナーを装填した定着装置、該トナーを用いる定着方法、該トナーが充填されたトナー容器、該トナー容器が装着された画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法における定着方式として、加熱ヒートローラ方式が広く一般に用いられている。
この加熱ヒートローラを用いる場合に、近年の環境への配慮による省エネ気運の高まりを受けて、低温定着タイプのトナーの開発が盛んに行なわれている。特に現在、高温での定着を必要とする中〜高速複写方式に低温定着化の要求が強い。
【0003】
これに対応して、従来多用されてきたスチレン−アクリル系樹脂にかえて、低温定着性にすぐれ耐熱保存性も比較的良いポリエステル樹脂の使用が試みられている。しかし、さらなる低温定着化のためには、樹脂そのものの熱特性をコントロールするすることが必要となり、ガラス転移温度を下げすぎると耐熱保存性を悪化させたり、分子量を小さくして樹脂を軟らかくしすぎるとホットオフセット発生温度を低下させるなど、トナーだけでの省エネルギー化は問題が多い。
そのため、トナーを低温定着化可能なものとする試みに併せて、定着方式から省エネルギー化を試みる動きもある。
【0004】
定着方式の省エネルギー化には、画像形成装置をスイッチオンしてから画像形成が可能となるまでの待機時間(装置のウオーム アップ タイム)に要する電力量を可能な限り小さくするために、待機時間の短縮が要求される。この要求を達成するための方法の一つとして、加熱ヒートローラ等の定着部材を低熱容量化させて、トナーの温度応答性を向上させる方法が考えられる。これには、定着部材のこれまで以上の薄肉化、熱伝導率の良い材料の使用が必要となる。その結果、材質によっては、加圧による歪みが考えられ、これまでのような面圧を加えられない場合がある。
【0005】
フルカラートナーにおいては、各色トナーが溶融混色して発色するために、また、適度な画像光沢を得るために、トナーを十分に溶融する必要がある。そのため従来は、熱容量の大きい弾性ローラを使用した熱ローラ方式が多用されてきた。この方式では熱ローラが所定の温度に達するまでの待機時間が長く、この方式でも低熱容量化が要求される。これに対してローラではなくシートを介して画像と接触するベルト加熱定着方式がある。この方式では、定着部材の低熱容量化に加え、構成によってはニップ幅の拡大、ベルトによる余熱効果が得られ、低温定着化が可能となる。さらにベルトではローラのような大きい曲率はないため、オフセットや排紙時の巻き付きが低減されるという利点もある。しかし、熱容量が小さいことを生かすためにベルトは薄く、ベルトの寄りや撓みの問題があり、この場合も従来のような高面圧を加えられない。
【0006】
定着時には溶融したトナーの一部が定着部材に付着し、次の記録材上を汚染するオフセット発生の問題がある。従来のトナーでは樹脂の弾性が高く、耐オフセット性の高いものであったが、トナーの低温定着化をはかると、これに起因してより耐オフセット性の確保が難しくなることが想定される。オフセットの防止にはトナー中にワックスのような離型剤を含有させ、定着時にそれを染み出させることが一般的になっているが、離型剤は染み出しやすいように、トナー中にドメインとして存在する必要がある。しかし、このドメインの存在状態によっては、トナー粒子表面のワックスを多くすることになり、これに起因して保存性や現像性などにさまざまな問題を生じるようになる。
特に粉砕法によりトナー粒子を得る場合には、粉砕時に樹脂とワックスの界面に応力が集中し、ワックスが粒子表面に存在しやすくなるため、ワックスに起因する問題を生じやすい。
【0007】
特開平5−341578号公報、特開平6−308759号公報、特開平6−348055号公報(特許第3069936)には、トナー中にワックス成分を多く含有し、トナー表面にワックスが存在しないもの、あるいは存在してもトナー全体の存在割合よりも少ないもの等が提案されている。しかし重合法では表面のワックス存在割合を小さくすることが容易であるが、この例の重合法では、低温定着性に有利なポリエステル樹脂を多く含有することができない。また、粒子表面のワックスが少なすぎると、最近の高速化や省エネ化に対応した中〜高速機や低面圧の定着装置では、ワックスが染み出しにくく、耐オフセット性が満足できない場合がある。
【0008】
特開平8−082952号公報(特許第3135024)(特許文献1)、特開平9−319158号公報(特許文献2)には、トナー最表面のワックス存在量を少なすぎないように規定したものが提案されている。しかしトナー最表面のワックスが少ないとワックスが染み出しにくいが、トナー最表面のワックス量を適度に調整しても、耐オフセット性を満足できない場合がある。
【0009】
このように、面圧が低い定着システムの場合には離型剤が染み出しにくくなるので、これを考慮した離型剤ドメインの存在状態達成には課題が大きい。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−082952号公報
【特許文献2】
特開平9−319158号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、中〜高速機で低温定着性と耐オフセット性を両立し、熱保存性がよく、長期的に現像性が良好で高画質な画像を形成しうる静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
また本発明は、省エネルギー化を達成できる定着装置に適した静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
さらに本発明は、省エネルギー化を達成できる定着装置及び定着方法を提供することを目的とする。
さらにまた本発明は、上記トナーを充填したトナー容器、及び該トナー容器を装着した画像形成装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、面圧の低い定着装置でも耐オフセット性が満足できるトナーとして、ワックスの存在状態の検討を行なった結果、トナー表面近傍のワックス量を調整することにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち本発明は、
(1)少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、離型剤を2〜10重量%含有し、トナー表面から0.25μm以内のトナー表面近傍の離型剤存在率が、トナー全体の離型剤存在率の1.1倍以上、1.5倍未満であることを特徴とする静電荷像現像用トナー、
(2)前記結着樹脂が、実質的にTHF不溶分がなく、THF可溶分のGPCによる重量平均分子量が10000〜90000であることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷像現像用トナー、
(3)互いに非相溶の2種類以上の結着樹脂を含有し、これらが海島状の相分離構造をとり、連続相である海状結着樹脂中にこれと非相溶の島状結着樹脂が分散し、かつ、島状結着樹脂中に実質的に離型剤が存在することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の静電荷像現像用トナー、
(4)2種類の結着樹脂と離型剤のSP値の関係が、海状結着樹脂のSP値>島状結着樹脂のSP値>離型剤のSP値、であることを特徴とする前記(3)に記載の静電荷像現像用トナー、
(5)海状結着樹脂のSP値と島状結着樹脂のSP値との差が0.5以内であることを特徴とする前記(4)に記載の静電荷像現像用トナー、
(6)島状結着樹脂が下記(A)、(B)、および(A)に(B)の構成モノマーがグラフトしたグラフト重合体から構成されるものであることを特徴とする前記(3)〜(5)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー、
(A)ワックス
(B)ビニルモノマーからなるポリマー
(7)島状結着樹脂の平均エステル基濃度が8〜30重量%であることを特徴とする前記(6)に記載の静電荷像現像用トナー、
(8)島状結着樹脂のガラス転移点が海状結着樹脂のガラス転移温度よりも高いことを特徴とする前記(3)〜(7)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー、
(9)トナーの体積平均粒径が4〜7μmであることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー、
(10)記録材上の未定着トナー像を、2本のローラの間を通過させることによってトナー像の加熱定着を行う定着装置において、トナー像と接触する側の定着ローラの厚みが1.0mm以下、2本のローラ間に加える面圧(ローラ荷重/接触面積)が1×105Pa以下であり、かつ前記(1)〜(9)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを装填したことを特徴とする定着装置、
(11)少なくとも2つのローラに張架された定着ベルトと、該定着ベルトの外周面に接触して定着ベルトとの間でニップを形成する加圧ローラを有し、ベルト自体あるいは加熱手段を介して昇温する定着ベルトと接触させながら、記録材上の未定着トナー像の加熱定着を行なう定着装置において、前記(1)〜(9)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを装填したことを特徴とする定着装置、
(12)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを使用して形成された記録材上の未定着トナー像を、トナー像と接触する側の定着ローラの厚みが1.0mm以下、2本のローラ間に加える面圧(ローラ荷重/接触面積)が1×105Pa以下の定着装置で定着することを特徴とする定着方法、
(13)少なくとも2つのローラに張架された定着ベルトと、該定着ベルトの外周面に接触して定着ベルトとの間でニップを形成する加圧ローラを有し、該定着ベルトがベルト自体あるいは加熱手段を介して昇温するベルト定着装置で、前記(1)〜(9)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを使用して形成された記録材上の未定着トナー像を、ベルトと接触させながら定着することを特徴とする定着方法、
(14)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーが充填されたことを特徴とするトナー容器、
(15)前記(14)に記載のトナー容器が装着されたことを特徴とする画像形成装置、
が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、2〜10重量%の離型剤を含有し、トナー表面から0.25μm以内のトナー表面近傍の離型剤存在率が、トナー全体の離型剤存在率の1.1倍以上、1.5倍未満であることを特徴とする。
粉砕法では、樹脂とワックスの界面が粉砕面となり、ワックスは粒子の表面近傍に多く存在するようになる。表面近傍のワックス量はワックスの分散径に影響し、ワックスの分散径が大きいほど表面近傍のワックス存在率は高くなり、ワックスの分散径が小さければその率は低くなる。
【0015】
ワックスの分散径はワックス含有量により変わるが、ワックスの離型効果の発現と副作用を考慮すると、2〜10重量%が好ましい。ワックス含有量が2重量%より少ないとワックスとしての効果を発現しない場合がある。逆に10重量%より多いと、ワックスの存在状態の調整だけでは、保存性や耐久性の悪化等の副作用を抑制できない場合がある。なお、ここでのワックス含有量は、樹脂とワックスの合計量に対する値である。そこで、この範囲のワックス含有量で、トナー表面近傍部分のワックス存在率が、トナー全体の存在率の1.1倍〜1.5倍になるように調整する。この調整手段としては、溶融混練時の混練温度を変えて、ワックスの分散径を調整することが一般的で、混練温度が高い場合は混練物の溶融粘度が低く、ワックスの分散径が大きくなりやすい。逆に低い場合にはワックスの分散径が小さくなりやすい。
【0016】
このようにして、トナー表面近傍部分のワックスの存在率を、トナー全体のワックス存在率の1.1倍以上、1.5倍未満にすることにより、低温定着性のトナーでも耐オフセット性を確保でき、かつ、保存性や耐久性などが良好なトナーとすることができる。1.1倍より小さい場合にはワックスの染み出しが不十分で、低面圧の定着装置での耐オフセット性を確保できない場合があり、1.5倍以上ではワックス含有量が多い場合と同様に、ワックス含有による副作用を抑制できない場合がある。
【0017】
トナーの表面近傍部分のワックス存在率がトナー全体のワックス存在率の何倍であるかは、FT−IRを使用し、KBr錠剤法(透過法)での透過スペクトルとATR法でのATRスペクトルからわかるワックスピーク強度比について、ATR法での値が透過法での値の何倍となるかを計算することにより求めた。ATR法では平滑な面が必要となるため、トナーを加圧成型し平滑面を作った。この時の加圧成型は、トナー0.6gに1tを30sec間荷重し、直径20mmのペレットとした。
【0018】
なお、ATRスペクトルのピーク強度には波長依存性があり、短波長ほど検出深さが小さくピーク強度は小さくなる。したがって偏在がない均一な物質でも、透過法とATR法のピーク強度比は変わるものである。そこで、ワックス固有のピークに近く、かつトナー中に偏在しない物質の特徴的なピークについて、波長間のピーク強度比の透過法とATR法の違いを変換係数とし、この値を使用して、ATRスペクトルを測定深さの波長依存を見掛け上なくした状態とし、ワックスのピーク強度比を比較した。
【0019】
本発明では、トナー中で偏在しないものを樹脂とし、ワックスの特徴的なスペクトルWを2918cm−1のピーク、これに近い樹脂の特徴的なスペクトルR2を2873cm−1のピーク、これ以外の樹脂の特徴的なスペクトルR1を1608cm−1のピークとして、ピーク強度比を計算し、この値から以下のようにして、トナー表面近傍部分のワックス存在率が、トナー全体のワックス存在率の何倍であるかを求めた。本発明におけるピーク強度比は、スペクトルを吸光度に直し、そのピーク高さを使用したものである。
a…透過スペクトルのR2とR1のピーク強度比
b…透過スペクトルのWとR1のピーク強度比
c…ATRスペクトルのR2とR1のピーク強度比
d…ATRスペクトルのWとR1のピーク強度比
変換係数=a/c
d’=d×a/c…ATRスペクトルのWとR1のピーク強度比(変換値)
d’/b…トナー全体のワックス存在率に対するトナー表面近傍部分のワックス存在率の倍数
【0020】
本発明のワックスドメイン存在状態は、従来よりも弾性成分が少なくオフセットが発生しやすい低温定着トナーに有効であるが、特により弾性成分が少ないフルカラートナーに有効である。フルカラートナーは適度が画像光沢が必要となるが、そのためには結着樹脂に実質的にTHF不溶分がなく、THF可溶分のGPCによる重量平均分子量が10000〜90000であることが重要である。THF不溶分がある場合や、重量平均分子量が90000より大きい場合には、色再現性や光沢が不十分な場合がある。重量平均分子量が10000より小さい場合には、耐オフセット性や保存性が不十分な場合がある。
【0021】
本発明における樹脂のTHF不溶分の測定は次のように行なった。
樹脂1.0gを秤量し、これにTHF50gを加えて20℃で24時間静置する。これをJIS規格(P3801)5種Cの定量ろ紙を用いて常温でろ過する。乾燥後ろ紙残渣を秤量し、用いたトナーとろ紙残渣の比(重量%)で現わす。トナー中の結着樹脂のTHF不溶分の測定は、上記の樹脂をトナーに代えて測定する。なお、ろ紙残渣の中には、顔料などの固形物や、ワックスがTHFに不溶でればワックスなどが存在するので、熱分析により別途求める。
【0022】
トナー中の結着樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、次のように測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定に当っては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressureChemicalCo.あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0023】
前述した以外にトナー表面近傍部分のワックス存在比を調整するために、本発明では、結着樹脂として互いに非相溶の2種類以上の結着樹脂を含有し、これらが海島状の相分離構造をとり、連続相である海状結着樹脂中にこれと非相溶の島状結着樹脂が分散し、かつ、島状結着樹脂中に実質的に離型剤が存在する構成とすることにより可能である。
【0024】
本発明の構成にすることにより、樹脂と樹脂の界面、樹脂とワックスの界面という2種類の界面ができるため、粉砕界面となってトナー最表面へ露出するワックスは、本発明の構成以外の場合よりも少なくなる。しかし、ワックスを内包した樹脂がトナー表面に存在するようになるので、ワックスはトナー粒子の表面近傍に存在し、染み出しにくくなることはない。
【0025】
この構成ではすべての離型剤が必ずしも島状樹脂中に内包される必要はない。離型剤はある程度の分散径の範囲で分布を持つものが一般的であり、粉砕界面になりにくい分散径の小さい離型剤も存在する。したがって、長軸径0.5μm以上の分散径を持つ離型剤の95個数%以上が、島状樹脂中に内包されていることが好ましい。また、島状樹脂に内包されていても、離径剤分散径は大きすぎないほうがよい。より好ましくは、0.5μm以上の分散径を持つ離型剤のうち99個数%以上が2μmを超えないことである。
粉砕界面が増えるこのような構成は、粉砕性向上にもつながる。
【0026】
本発明のトナー構成の確認は、トナー粒子を約100nmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)による倍率1万倍で観察から行なった。
【0027】
本発明のトナー構成をより確実にするためには、2種類の結着樹脂と離型剤のSP値の関係が、海状結着樹脂のSP値>島状結着樹脂のSP値>離型剤のSP値であることが好ましい。この関係以外では、海島構造の島だけでなく海部分にワックスが存在する場合があり、このような場合には粉砕界面が増えても表面に露出するワックスを減らす効果はワックスを内包する場合に比べて小さい。また、ワックスが微分散されない場合もある。
【0028】
本発明におけるSP値(溶解性パラメーター:δ)はHildebrand−Scatchardの溶液理論において次式で定義される。
δ=(ΔEv/V)1/2
ここでΔEvは蒸発エネルギー、Vは分子容、ΔEv/Vは凝集エネルギー密度を示す。
SP値(溶解性パラメーター)の求め方は各種あるが本発明では、主にモノマー組成からFedorらの方法を用いて計算により求めた値を用いた。
SP値=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2
ここでΔeiは原子または原子団の蒸発エネルギー、Δviは原子または原子団のモル体積。
【0029】
さらに、海状結着樹脂のSP値と島状結着樹脂のSP値との差が0.5以内であることがより好ましい。SP値差が小さいことにより、海状樹脂中への島状樹脂の分散性が良くなり、島状樹脂に内包されているワックスの分散性をあげることになる。またこの方法では、混練温度を下げて溶融粘度の低い状態で混練しなくてもワックス分散状態を調整できるため、混練装置への負荷を小さく抑えることができる。
【0030】
本発明において離型剤としてのワックスは、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィンワックスやフィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックスや密ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス、等の天然ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、等の高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミド等及びこれらの各種変性ワックスが挙げられる。
【0031】
これらは1種または2種以上を併用して用いることができるが、融点が70〜125℃の範囲のものを使用することが好ましい。融点を70℃以上とすることにより転写性、耐久性に優れたトナーとすることができ、融点を125℃以下とすることにより定着時にすみやかに溶融し、離型効果を発揮しやすい。
【0032】
本発明において、結着樹脂は従来公知のものがすべて使用できるが、低温定着性と耐オフセット性の両立を考慮すると、結着樹脂は主としてポリエステル系樹脂が好ましい。また、上記のような構成をとるために非相溶の2種類以上の樹脂を使用する場合には、連続相となる樹脂が主としてポリエステル系樹脂であることが好ましい。
【0033】
結着樹脂としては、ポリエステル系樹脂の他にポリオール系樹脂が好ましい。ポリエステル系樹脂としては、一般公知のアルコールとカルボン酸との重縮合反応によって得られるもの全てが用いられる。例えばアルコールとしては、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1、3−プロピレングリコール、1、4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1、4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価のアルコール単位体、その他の二価のアルコール単位体、ソルビトール、1、2、3、6−ヘキサンテトロール、1、4−サルビタン、ペンタエスリトールジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1、2、4−ブタントリオール、1、2、5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1、2、4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1、3、5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体などが挙げられる。
【0034】
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸としては、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の二量体、1、2、4−ベンゼントリカルボン酸、1、2、5−ベンゼントリカルボン酸、2、5、7−ナフタレントリカルボン酸、1、2、4−ナフタレントリカルボン酸、1、2、4−ブタントリカルボン酸、1、2、5−ヘキサントリカルボン酸、1、3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1、2、7、8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これらの酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体などが挙げられる。
【0035】
ポリオール系樹脂としては、各種のタイプのものが使用できるが、特に、エポキシ樹脂と2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物、もしくはそのグリシジルエーテルと、エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ基と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるポリオールを用いることが好ましい。
【0036】
海島構造の島を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂やポリオール系樹脂に分散し、ワックスを内包可能なものであれば公知のものがすべて可能である。例えば、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ロジン、水添石油樹脂、シリコーン樹脂などが単独あるいは混合して使用できる。好ましくはポリエステル系樹脂やポリオール系樹脂よりもワックスの分散性がよく、汎用性の高いビニル樹脂である。
より好ましい島状結着樹脂は下記(A)、(B)、および(A)に(B)の構成モノマーがグラフトしたグラフト重合体から構成されるものである。
(A)ワックス
(B)ビニルモノマーからなるポリマー
このような樹脂は、ワックスを内包しやすく、また少ない量でワックスの分散性をあげることができるため、海を構成する結着樹脂のポリエステル系樹脂の割合を多くでき、ポリエステル系樹脂の低温定着性と保存性の良さを阻害しにくい。
本発明においては(B)の平均エステル基濃度を8〜30重量%とすることにより、島構成樹脂の海構成樹脂への分散性をあげ、なおかつワックスを小さすぎない分散径で存在させることができる。
【0037】
本発明において(B)の平均エステル基濃度は、下記式で定義される。
平均エステル基濃度=Σ(44/Mwi X Wi)
Mwi:エステル基を含有するモノマーの分子量
Wi :エステル基を含有するモノマーの仕込み比率(wt%)
【0038】
このような樹脂は従来公知の方法により製造することができる。即ち、ワックスを有機溶媒に溶解させ、この溶液にビニルモノマーを添加し、これらのワックスとビニルモノマーを、有機溶媒中で有機過酸化物等の重合開始剤の存在下でグラフト重合反応させる。
得たれたものには、未反応のワックス及びビニルモノマー同志の重合により生成したビニルポリマーが混入するが、本発明の場合、これらのワックス及びビニルポリマーを除去する必要はなく、これらを含む混合構成物であることが好ましい。
【0039】
この混合構成物において、そのワックスの含有量は、0.1〜5重量%、そのビニルポリマーの含有量は0.1〜10重量%であることが好ましい。またこの混合構成物中のグラフト重合体の含有量は、85重量%以上であることが好ましい。
【0040】
本発明の前記混合構成物におけるワックス(A)は、グラフト重合可能なものであれば良く、公知のワックスを用いることができるが、ポリオレフィン系樹脂、より好ましくは、熱減成型ポリオレフィン系樹脂が良い。
【0041】
前記ポリオレフィン系樹脂を構成するオレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンなどが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィン類の重合体、オレフィン類の重合体の酸化物、オレフィン類の重合体の変性物、オレフィン類と共重合可能な他の単量体との共重合物などが挙げられる。
【0042】
また、オレフィン類の重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ヘキセン共重合体などが挙げられる。
【0043】
オレフィン類の重合体の酸化物としては、上記オレフィン類の重合体の酸化物等が挙げられる。
【0044】
オレフィン類の重合体の変性物としては、上記オレフィン類の重合体のマレイン酸誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル等)付加物などが挙げられる。
【0045】
オレフィン類と共重合可能な他の単量体との共重合物としては、不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等]、不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(C1〜C18)エステル、マレイン酸アルキル(C1〜C18)エステル等]等の単量体とオレフィン類との共重合体等が挙げられる。
【0046】
本発明においては、ポリマー構造がポリオレフィンの構造を有していれば良く、モノマーが必ずしもオレフィン構造を有している必要はない。例えば、ポリメチレン(サゾールワックス等)等も使用することができる。
【0047】
本発明の前記混合構成物における(B)を構成するビニルモノマーとしては、不飽和カルボン酸のアルキル(炭素数1〜5)エステル[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど]、ビニルエステル系モノマー[酢酸ビニルなど]が挙げられる。これらのうち好ましいものは、(メタ)アクリル酸アルキルであり、さらに好ましくは、そのアルキル鎖の炭素数が1〜5である(メタ)アクリル酸アルキルである。
【0048】
上記ビニルモノマーと共に併用することが可能なコモノマーとしては、前記以外の各種のものが用いられる。このコモノマーには、芳香族ビニルモノマーが包含されるが、その例としては、スチレン系モノマー[スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、フェニルスチレン、ベンジルスチレンなど]が挙げられる。これのうち好ましいものはスチレンである。
【0049】
ポリエステス系樹脂の良さを発現するためには、島状樹脂の含有量は少ないほうが良く、本発明では海状樹脂含有量よりも少ないほうが好ましい。一方、ワックスを内包し、確実に2種類の界面を存在させるためには、ワックス含有量以上であることが好ましい。
【0050】
これら樹脂のTgは、保存性や低温定着性を考慮すると、50〜80℃が好ましく、特に55〜75℃が好ましい。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂の海島構造をもつトナーの場合には、島状樹脂のTgを海状樹脂のTgよりも高くすることが好ましい。島状樹脂は低温定着性を阻害しない程度に含有量が少なくても、トナー表面への存在確率が高いので、さらに低温定着化しやすいように海状樹脂のTgを下げても、保存性が悪化しにくい。この場合の島状樹脂のTgは50〜90℃が好ましく、特に55〜85℃が好ましい。
【0051】
樹脂のTgは島津製作所製DSC−60により昇温速度10℃/minで測定した値である。なおワックスの融点についても同じ装置で測定したものであり、吸熱ピーク温度を融点とした。
【0052】
本発明のトナーの粒径については特に限定的でないが、細線再現性等に優れた高画質を得るためには、体積平均粒径が5〜10μmであることが好ましい。
また、低圧定着に対しては、トナー粒径を小さくすると定着温度を低下させることができるので、体積平均粒径を4〜7μmにすることがより好ましい。これは、粒径を小さくすることにより定着部材と接触するトナーの個数が多くなり、トナーの熱応答性が高まるからと考えられる。
トナー体積平均粒径は、種々の方法によって測定可能であるが、本発明では米国コールター・エレクトロニクス社製のコールターカウンターTAIIが用いられる。
【0053】
本発明のトナーの製造法は限定的でなく、通常の粉砕法でも、例えば重合法のような粉砕法以外の製造法、あるいはそれらの併用であっても良い。
【0054】
本発明のトナーに用いられる材料は、先に記述した結着樹脂とワックス以外に、すべて従来より公知のものが使用できる。
着色剤としては、例えばカーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料等の染顔料などを、単独あるいは混合して使用でき、ブラックトナーとしてもフルカラートナーとしても使用できる。
これらの着色剤の使用量はトナー樹脂成分に対して、通常1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。
【0055】
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤、流動性改良剤などを配合することも可能である。
【0056】
帯電制御剤としては、ニグロシン染料、金属錯塩型染料、第四級アンモニウム塩等の従来公知のいかなる極性制御剤も、単独あるいは混合して使用できる。
これらの帯電制御剤の使用量は、トナー樹脂成分100重量部に対し、通常0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
【0057】
流動性改良剤としては、酸化ケイ素、酸化チタン、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム等、従来公知のいかなる流動性改良剤をも単独あるいは混合して使用できる。
これらの流動性改良剤の使用量は、トナー100重量部に対し、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。
【0058】
更に本発明のトナーは磁性体を含有した磁性トナーとして用いることができ、トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。特にマグネタイトが磁気特性の点で好ましい。
【0059】
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約15〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し20〜100重量部である。
【0060】
本発明のトナーは、一成分現像剤としても、キャリアと組み合わせてなる二成分現像剤としても用いることができる。
本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合のキャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで処理した物などが挙げられる。
【0061】
本発明におけるキャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合スチレン分が30重量%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなるからである。
また、本発明におけるキャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電材、荷電制御剤等を含有してもよい。
【0062】
本発明のトナーは、省エネルギー化を達成しやすい低面圧の定着装置での使用が特に効果的である。
省エネルギー化を達成しやすい定着装置としては、記録材上の未定着トナー像を、2本のローラの間を通過させることによってトナー像の加熱定着を行う定着装置において、トナー像と接触する側の定着ローラの厚み(芯金の金属シリンダーの厚み、即ち肉厚)が1.0mm以下、2本のローラ間に加える面圧(ローラ荷重/接触面積)が1×105Pa以下の定着装置がある。金属シリンダーの厚みが1.0mm以下であることにより、定着ローラの温度立ち上がり特性が改善され、極めて短時間で所望の温度まで立ち上げることができる。より好ましい金属シリンダーの厚みは、用いる材料の強度、熱伝導率により異なるが0.2〜0.7mmである。ローラ面圧は高い方がトナー像の定着には有利であるが、前記定着ローラの金属シリンダーの厚みを1.0mm以下としたこの定着装置では、ローラの歪みを、招くため大荷重は加えられず、その荷重は1.5×105Pa以下であり、1×105Pa以下が好ましく、より好ましくは0.5〜1.0×105Paである。面圧はローラ両端に加えられる荷重をローラ接触面積で割った値である。ローラ接触面積は、定着可能温度まで加熱したローラ間にOHP用紙のような、加熱により表面性の大きく変化するシートを通過させ、途中で停止し数10秒間保持した後排出し、表面性の変化した箇所の面積を求める。
【0063】
本発明に用いられる熱ローラ定着装置の例は図1に示されるものである。
図1において、1は定着ローラ、2は加圧ローラをそれぞれ表している。定着ローラ1はアルミニウム、鉄、ステンレス又は真鍮のような、高熱伝導体から構成された中空筒上芯金3の表面にRTV、シリコンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなオフセット防止層4が被覆されている。定着ローラ1の内部には、加熱ランプ5が配置されている。加圧ローラ2の金属シリンダー6は定着ローラ1と同じ材質が用いられる場合が多く、その表面にはPFA、PTFAなどのオフセット防止層7が被覆されている。また、必ずしも必要ではないが、加圧ローラ2の内部には加熱ランプ8が配置されている。定着ローラと加圧ローラは、両端のバネにより圧接され回転する。この定着ローラ1と加圧ローラ2の間に未定着トナー像Tの画像受像体Sを通過させ定着を行う。
【0064】
別の省エネルギー化を達成しやすい定着装置としては、少なくとも2つのローラに張架された定着ベルトと、該定着ベルトの外周面に接触して定着ベルトとの間でニップを形成する加圧ローラを有し、ベルト自体あるいは加熱手段を介して昇温する定着ベルトと接触させながら、記録材上の未定着トナー像の加熱定着を行なう定着装置がある。
【0065】
本発明に用いられるベルト加熱定着装置の例は図2に示されるものである。
図2において、9は金属製(アルミニウム、鉄等)芯金10に弾性体11(シリコンゴムなど)を被覆した定着ローラであり、12は金属性中空筒状芯金13(アルミニウム、鉄、銅、ステンレス等からなるパイプ)からなり内部等に加熱ランプ14を有する加熱ローラである。定着ローラ9と加熱ローラ12との間に定着ベルト15が張設されている。定着ベルト15は熱容量の小さい構成であり、基体(ニッケルやポリイミドなどの30から150μm程度の厚さ)上に、オフセット防止層(シリコンゴムで50から300μmの厚さや、フッ素系樹脂で10から50μm程度の厚さなど)が設けられたものである。また、16は金属製芯金17に弾性体18を被覆した加圧ローラであり、定着ベルト15を介して定着ローラ9を下方から押圧することにより、定着ベルト15と加圧ローラ16との間にニップ部を形成している。そして19は、未定着トナー画像Tの画像受像体Sを支持するガイドである。
【0066】
なお、これらは一例であり、例えば定着ローラ9や、加圧ローラ16の内部に加熱ランプ20や21を設けることも可能である。
本発明ではこれら例以外の構成で、定着ローラや定着ベルトを使用した定着装置も適用される。また、それぞれの部材の寸法は、必要とされる各種の条件により設定される。
【0067】
本発明のトナーを、一成分現像剤あるいは二成分現像剤いずれで用いる場合においても、トナーは容器に充填され、トナーが充填された容器は、画像形成装置とは別途に流通され、ユーザーが画像形成装置に装着して画像形成するのが、一般的である。
【0068】
前記容器として用いられるものは限定的でなく、従来のボトル型あるいはカートリッジ型に限らず用いられる。
また、画像形成装置とは電子写真法によって画像を形成するための装置であれば限定されず、例えば複写機とかプリンターが包含される。
【0069】
【実施例】
以下、本発明を下記の実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例における本発明のトナーの評価は以下のように行なった。
【0070】
耐熱保存性
トナー約20gを20mlのガラス瓶に入れ、50回タッピングを行ないトナーを密に固めた後、50℃の恒温槽に24時間放置し、その後針入度を測定し、トナー自体の耐熱保存性について5段階評価を行なった。ランク3以上であれば、耐熱保存性に優れたトナーである。
5:貫通、4:25mm以上、3:20mm〜25mm未満、2:15mm〜20mm未満、1:15mm未満
【0071】
モノクロトナーの低温定着性および耐ホットオフセット性
リコー製複写機IMAGIOMF−2200を改造し、本来の定着装置を取り外して別の定着装置を取り付けられるようにし、また温度を変えることができるようにした。これに実施例及び比較例で得られたトナー、現像剤、リコー製タイプ6200紙をセットし、付着量0.8mg/cm2のべた画像が得られるように調整した。定着部には下記の定着装置▲1▼を取り付け、定着温度を125℃から5℃毎上げていき、コールドオフセット発生温度およびホットオフセット発生温度を調べた。コールドオフセット発生温度が150℃未満であれば低温定着性であり、コールドオフセットが発生せず、ホットオフセットも発生しない温度範囲(定着温度範囲)が60℃以上であれば耐オフセット性があるといえる。
【0072】
定着装置
▲1▼ 図1示す熱ローラ定着装置で、以下の構成のもの
定着ローラの金属シリンダーがアルミで厚さ0.5mm
定着ローラのオフセット防止層がPTFEで厚さ16μm
加圧ローラの金属シリンダーがアルミで厚さ1mm
加圧ローラのオフセット防止層が厚さ3μmのシリコンゴムの上に厚さ30μmのPFA
面圧 9×104Pa
線速 180mm/sec
【0073】
フルカラートナーの光沢度、低温定着性、および耐ホットオフセット性
リコー製プリンターIPSIO8000を改造し、本来の定着装置を取り外して別の定着装置を取り付けられるようにし、また温度を変えることができるようにした。これに実施例及び比較例で得られたトナー、現像剤、リコー製タイプ6000 70W紙(タイプ6000の70W紙)をセットし、付着量1.0mg/cm2のべた画像が得られるように調整した。定着部には下記の定着装置▲2▼を取り付け、定着温度を110℃から2.5℃毎上げていき、各温度での画像光沢(光沢度)およびホットオフセット発生温度を調べた。画像光沢が0.8%以上となる温度が125℃未満であれば低温定着性であり、画像光沢が0.8%以上でありホットオフセットが発生しない温度範囲(定着温度範囲)が60℃以上であれば、耐オフセット性があるといえる。また150℃での画像光沢が5%以上であれば、フルカラートナーとして適度な光沢があり、色再現性に優れた画像が得られる。べた画像の光沢度は、日本電色工業株式会社製のグロスメーターを用いて、入射角度60°の条件で計測した。
【0074】
定着装置
▲2▼ 図2に示すベルト加熱定着装置で、以下の構成のもの
定着ローラがシリコン発泡体
加圧ローラの金属シリンダーがSUSで厚さ1mm
加圧ローラのオフセット防止層がPFAチューブ+シリコンゴムで厚さ1mm
加熱ローラが厚さ2mmのアルミ
ベルトの基体が50μmのポリイミド
ベルトのオフセット防止層が15μmのシリコンゴム
面圧1×105Pa
線速200mm/sec
【0075】
低温定着性
定着装置▲1▼でのコールドオフセット発生温度で評価した(ランク3以上であれば低温定着性)
5:130℃未満、4:130℃〜140℃未満、3:140℃〜150℃未満、2:150℃〜160℃未満、1:160℃以上
定着装置▲2▼での画像光沢が0.8以上となる温度で評価した(ランク3以上であれば低温定着性)
5:110℃未満、4:110℃〜117.5℃未満、3:117.5℃〜125℃未満、2:125℃〜132.5℃未満、1:132.5℃以上
【0076】
耐オフセット性
定着温度範囲で評価した(ランク3以上であれば耐オフセット性)
5:80℃以上、4:70℃〜80℃未満、3:60℃〜70℃未満、2:50℃〜60℃未満、1:50℃未満
【0077】
画像光沢
ランク2以上であれば、フルカラートナーとして適している。
4:15%以上、3:10〜15%、2:5〜10%、1:5%未満
【0078】
細線再現性
モノクロトナーの場合はリコー製複写機IMAGIOMF−2200を使用し、リコー製タイプ6200紙に出力した画像について、またフルカラートナーの場合は、リコー製プリンターIPSIO8000を使用し、リコー製タイプ600070W紙に出力した画像について、5段階評価を行なった。
5が細線再現性が非常に優れ、逆に1は細線再現性が非常に悪い。3以上ならば細線再現性に問題ないレベルである。
【0079】
転写性
複写機あるいはプリンターの画像出力過程における、転写紙への転写中に装置を停止させ、中間転写ベルト上、あるいは感光体上に残存しているトナー量を目視で確認し、以下のランク付けを行った。ランク2以上ならば、転写性に問題ないレベルである。なお、使用する装置と記録紙は、細線再現性評価の場合と同じである。
3:非常に少ない、2:少ない、1:多い
【0080】
耐久性
画像面積10%の画像を5万枚出力し、現像剤の帯電量と画像について調べた。ランク2以上ならば耐久性のよいものである。
4:帯電量の低下がほとんどなく、画質良好
3:帯電量の低下があるが、画質良好
2:帯電量の低下があり、画質も変化するが問題ないレベル
1:画質悪化
【0081】
実施例1
トナー構成材料
ポリエステル樹脂 60重量部
(Tg:62℃、SP値:10.6、THF不溶分:18重量%)
ポリエステル樹脂 36重量部
(Tg:62℃、SP値:10.6、THF不溶分:18重量%)
低分子量ポリエチレンワックス 4重量部
(mp:100℃、SP値:8.0)
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 10重量部
含金属アゾ化合物 1重量部
上記のトナー構成材料をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混合した後、120〜130℃に加熱した2軸押しだし機で溶融混練し、室温まで冷却後した、得られた混練物をカッターミルで粗粉砕し、ジェットミル又は機械式粉砕機,風力分級機を用いて、体積平均粒径が8±0.5μmになるようにし、トナー母体を得た。得られたトナー母体100重量部に疎水性シリカ0.8重量部および酸化チタン0.6重量部を添加混合し、最終的なトナーとした。このトナーのTHF不溶分は5重量%、THF可溶分の重量平均分子量は248000であった。TEM観察では樹脂とワックスの海島構造が確認できた。このトナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して1.37倍であった。
このトナーの評価結果を表1に示す。なお、トナー評価において現像剤が必要なものについては、このトナー3重量部と平均粒径50μmのキャリア97重量部とをターブラーミキサーで混合攪拌し、適正帯電の現像剤として用いた。
【0082】
実施例2
トナー構成材料
ポリオール樹脂 100重量部
(Tg:63℃、SP値:11.2、THF不溶分:なし)
低分子量ポリエチレンワックス 4重量部
(mp:100℃、SP値:8.0)
キナクリドン系マゼンタ顔料 4重量部
(C.I.PigmentRed122)
サリチル酸金属化合物 2重量部
上記のトナー構成材料をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混合した後、90〜100℃に加熱した2軸押しだし機で溶融混練し、室温まで冷却後した、得られた混練物をカッターミルで粗粉砕し、ジェットミル又は機械式粉砕機,風力分級機を用いて、体積平均粒径が8±0.5μmになるようにし、トナー母体を得た。得られたトナー母体100重量部に疎水性シリカ0.6重量部および酸化チタン0.6重量部を添加混合し、最終的なトナーとした。このトナーにTHF不溶分はなく、THF可溶分の重量平均分子量は32000であった。TEM観察では樹脂とワックスの海島構造が確認できた。このトナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して1.49倍であった。
このトナーの評価結果を表1に示す。なお、トナー評価において現像剤が必要なものについては、このトナー5重量部と平均粒径50μmのキャリア95重量部とをターブラーミキサーで混合攪拌し、適正帯電の現像剤として用いた。
モノクロトナーよりも弾性成分が少なく、耐オフセット性へのワックスの影響が大きいフルカラートナーであっても、低面圧の定着装置でオフセット発生温度の高いトナーが得られた。
【0083】
実施例3
トナー構成材料
ポリエステル樹脂 76重量部
(Tg:63℃、SP値:11.0、THF不溶分:1重量%)
スチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル共重合樹脂20重量部
(Tg:62℃、SP値:9.1、THF不溶分:なし)
低分子量ポリエチレンワックス 4重量部
(mp:100℃、SP値:8.0)
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 10重量部
含金属アゾ化合物 1重量部
上記トナー構成材料を、混練時の加熱温度を135〜145℃に変える以外は実施例1と同様の方法でトナー化した。現像剤も実施例1と同様に作成した。
このトナーのTHF不溶分は0.5重量%、THF可溶分の重量平均分子量は274000であった。TEM観察では樹脂の海島構造と島の内部へのワックスの存在が確認できた。また、ワックスの分散径は実施例1のトナーとほぼ同等であった。このトナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して1.17倍であった。ポリエステル樹脂と非相溶でポリエステル樹脂よりもワックスに近いSP値をもつ第2の樹脂をいれて、本実施例のようなトナー構造とすることにより、実施例1の場合よりも混練負荷をかけずに、実施例1の場合と同等のワックスの分散性が得られ、トナー表面近傍部分のトナー存在比を高くしすぎないように調整できた。
このトナーの評価結果を表1に示す。
【0084】
実施例4
実施例3のポリエステル樹脂をTg:60℃、SP値:10.9、THF不溶分:1重量%のものに変える以外は、実施例3と同じトナー構成材料を使用し、実施例3と同様の方法でトナー化と現像剤の作成を行なった。TEM観察から実施例3と同様のトナー構造であることが確認できた。このトナーのTHF不溶分は0.5重量%、THF可溶分の重量平均分子量は27800であった。またトナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して1.12倍であった。
このトナーの評価結果を表1に示す。
実施例3よりもTgの低いポリエステル樹脂を使用したことにより、実施例3のトナーよりも低温定着性のトナーとなった。しかし、保存性が実施例3のトナーよりも劣ることはなかった。
【0085】
実施例5
トナー構成材料
ポリエステル樹脂 45重量部
(Tg:59℃、SP値:10.7、THF不溶分:28重量%)
ポリエステル樹脂 45重量部
(Tg:62℃、SP値:11.3、THF不溶分:0重量%)
下記(A)、(B)、および(A)に(B)の構成モノマーが
グラフトしたグラフト重合体が重量比1.5/5.5/93
で構成されたもの 5重量部
(A)はポリエチレン
(B)はスチレン−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル共重合樹脂
(平均エステル基濃度:6%、Tg:65℃、SP値:10.2、THF不溶分:なし)
カルナバワックス 5重量部
(mp:82℃、SP値:8.3)
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 10重量部
サリチル酸金属化合物 1重量部
上記トナー構成材料を用いて、実施例3と同様の方法でトナー化と現像剤の作成を行なった。TEM観察から樹脂の海島構造と島の内部へのワックスの存在が確認できた。また島構成樹脂の含有量が少ないが、ほとんどのワックスが島内部に存在し、2μmを超えるような大きな分散径のワックスもなかった。このトナーのTHF不溶分は12重量%、THF可溶分の重量平均分子量は20000であった。またトナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して1.22倍であった。
このトナーの評価結果を表1に示す。
ポリエステル樹脂の含有量が多くなったことにより、より低温で定着するようになった。また微粉化しやすいスチレン−アクリル系樹脂の含有量が減ったことにより、耐久性が向上した。
【0086】
実施例6
実施例5のトナー構成材料を用いて、体積平均粒径が6.5±0.5μmになうようにする以外は同様の処理を行ない、母体着色粒子を得た。得られたトナー母体100重量部に疎水性シリカ1.0重量部および酸化チタン0.5重量部を添加混合し、最終的なトナーとした。このトナーのTHF不溶分、およびTHF可溶分の重量平均分子量は実施例5のトナーとほぼ同等であった。また、トナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して1.26倍であった。
このトナーの評価結果を表1に示す。なお、現像剤は実施例1と同様の方法で作成した。
実施例5のトナーよりもさらに低温で定着するようになった。また細線再現性も向上した。
【0087】
実施例7
トナー構成材料
ポリオール樹脂 75重量部
(Tg:63℃、SP値:11.0、THF不溶分:なし)
スチレン−アクリル酸メチル共重合樹脂 20重量部
(Tg:63℃、SP値:11.0、THF不溶分:なし)
カルナバワックス 5重量部
(mp:82℃、SP値:8.3)
キナクリドン系マゼンタ顔料 4重量部
(C.I.PigmentRed122)
サリチル酸金属化合物 2重量部
上記トナー構成材料を、混練時の加熱温度を105〜115℃に変える以外は実施例2と同様の方法でトナー化した。現像剤も実施例2と同様に作成した。
このトナーにTHF不溶分はなく、THF可溶分の重量平均分子量は45000であった。TEM観察では樹脂の海島構造と島の内部へのワックスの存在が確認できた。また、トナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して1.22倍であった。
ポリエステル樹脂と非相溶でポリエステル樹脂よりもワックスに近いSP値をもつ第2の樹脂をいれて、本実施例のようなトナー構造とすることにより、実施例1の場合よりも混練負荷をかけずに、実施例2の場合と同等のワックスの分散性が得られ、トナー表面近傍部分のトナー存在比を高くしすぎないように調整できた。
このトナーの評価結果を表1に示す。
【0088】
実施例8
トナー構成材料
ポリエステル樹脂 84重量部
(Tg:63℃、SP値:10.8、THF不溶分:なし)
下記(A)、(B)、および(A)に(B)の構成モノマーが
グラフトしたグラフト重合体が重量比2.7/5.0/92.3
で構成されたもの 10重量部
(A)はポリエチレン
(B)はスチレン−アクリル酸ブチル共重合樹脂
(平均エステル基濃度:7%、Tg:62℃、SP値:10.1、THF不溶分:なし)
エステルワックス 6重量部
(mp:85℃、SP値:8.3)
キナクリドン系マゼンタ顔料 4重量部
(C.I.PigmentRed122)
サリチル酸金属化合物 2重量部
上記トナー構成材料を用いて、体積平均粒径が6.5±0.5μmになうようにする以外は実施例7と同様の処理を行ない、母体着色粒子を得た。このトナーにTHF不溶分はなく、THF可溶分の重量平均分子量は40000であった。TEM観察では樹脂の海島構造と島の内部へのワックスの存在が確認できた。2μmを超えるような大きな分散径のワックスはなかった。また、トナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して1.29倍であった。
このトナー母体100重量部に疎水性シリカ1.2重量部および酸化チタン0.8重量部を添加混合し、最終的なトナーとした。また、このトナーの現像剤を実施例2と同様の方法で作成した。
このトナーの評価結果を表1に示す。
実施例7のトナーよりワックス含有量が多く、かつ島構成樹脂の含有量が少ないが、実施例7のトナーとほぼ同等の耐久性が得られた。また、海構成樹脂に対して非相溶な島構成樹脂を少なくしたことにより、光沢度がやや高くなり、下限温度も低下した。
【0089】
実施例9
実施例8の(A)、(B)、および(A)に(B)がグラフトしたグラフト重合体から構成されるものを下記のものに変更し、ポリエステル樹脂を86重量部にする以外は、実施例8と同様のトナー構成材料を使用し、同様の処理を行ない、トナーおよび現像剤を得た。
(A)、(B)、および(A)に(B)の構成モノマーがグラフト
したグラフト重合体が重量比2.6/4.7/92.7で
構成されたもの 8重量部
(A)カルナバワックス
(B)スチレン−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合樹脂
(平均エステル基濃度:32%、Tg:63℃、SP値:10.7、THF不溶分:なし)
海構成樹脂と島構成樹脂のSP値が近いが、ほとんどのワックスが島内部に存在し、島構成樹脂がワックスを取り込みやすいものであることが確認された。またワックスの分散径は実施例8の場合とほぼ同等であることが確認された。SP値が近いことから海構成樹脂への島構成樹脂の分散性が良く、少ない島構成樹脂含有量でも、実施例8の場合とほぼ同等のワックス分散径となったと考えられる。
このトナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して1.30倍であり、このトナーにTHF不溶分はなく、THF可溶分の重量平均分子量は44000であった。
このトナーの評価結果を表1に示す。
実施例8の場合よりもさらに光沢の高い画像が得られた。
【0090】
実施例10
トナー構成材料
ポリエステル樹脂 82重量部
(Tg:59℃、SP値:10.4、THF不溶分:なし)
下記(A)、(B)、および(A)に(B)の構成モノマーが
グラフトしたグラフト重合体が重量比4.3/5.3/90.4
で構成されたもの 12重量部
(A)カルナバワックス
(B)スチレン−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合樹脂
(平均エステル基濃度:31、Tg:63℃、SP値:10.7、THF不溶分:なし)
エステルワックス 6重量部
(mp:85℃、SP値:8.3)
キナクリドン系マゼンタ顔料 4重量部
(C.I.PigmentRed122)
サリチル酸金属化合物 2重量部
上記トナー構成材料を用いて実施例7と同様に処理を行ない、トナーと現像剤を作成した。
ポリエステル樹脂以外は実施例9と同じトナー構成材料を使用しているが、ポリエステル樹脂のSP値が低いため、島構成樹脂のSP値のほうが高くなった。TEM観察の結果、ほとんどのワックスが島内部に存在するが、ワックスが内部に存在しない島構成樹脂のみの分散体の存在が確認された。また、ワックス分散径は実施例8や9のトナーよりも大きいものが多かった。
このトナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して1.36倍であり、このトナーにTHF不溶分がなく、THF可溶分の重量平均分子量は実施例9のトナーとほぼ同じ43000であった。
このトナーの評価結果を表1に示す。
含有量の多いポリエステル樹脂のTgが低いため、実施例9の場合より低温定着性のトナーとなったが、これ以外は実施例9の場合ほど優れた評価を得られなかった。この結果より、海構成樹脂のSP値が島構成樹脂のSP値より高いほうが、好ましいことが確認された。
【0091】
実施例11
トナー構成材料
ポリエステル樹脂(実施例10で使用したもの) 85重量部
下記(A)、(B)、および(A)に(B)の構成モノマーが
グラフトしたグラフト重合体が重量比1.3/2.7/96
で構成されるもの
(A)ポリエチレン
(B)スチレン−アクリル酸ブチル共重合樹脂 10重量部
(平均エステル基濃度:23%、Tg:65℃、SP値:10.2、THF不溶分:なし)
エステルワックス 5重量部
(mp:85℃、SP値:8.3)
キナクリドン系マゼンタ顔料 4重量部
(C.I.PigmentRed122)
サリチル酸金属化合物 2重量部
上記トナー構成材料を用いて実施例7と同様に処理を行ない、トナーと現像剤を作成した。このトナーにTHF不溶分はなく、THF可溶分の重量平均分子量は48000であった。また、トナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して1.26倍であった。このトナーのTEM観察から、樹脂の海島構造と島内部へのワックスの存在が確認された。島内部に存在するワックスは1.5μmを超える分散径のワックスはなかったが、0.2μmより小さい分散径のワックスも少なかった。このトナーに使用した島構成樹脂の平均エステル基濃度が、島の分散性とワックスの分散性にとって非常に適した値であることが確認された。
このトナーの評価結果を表1に示す。
実施例10の場合と同様に優れた低温定着性のトナーが得られた。しかも、保存性や転写性、耐久性においても優れたものであった。
【0092】
比較例1
実施例1におけるトナーと現像剤の作成において、混練負荷が小さくなるように混練温度だけを135〜145℃に変えた。このトナーのTHF不溶分は7重量%、THF可溶分の重量平均分子量は217000であった。このトナーのTEM観察から、樹脂とワックスの海島構造が確認された。ワックスの分散状態は実施例1のトナーよりも悪く、分散径が2μmをこえるものがあった。このトナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して1.54倍であった。
このトナーの評価結果を表1に示す。
耐オフセット性がやや向上するが、転写性や耐久性が不十分なトナーとなった。
【0093】
比較例2
実施例2におけるトナーと現像剤の作成において、混練負荷が小さくなるように混練温度だけを105〜115℃に変えた。このトナーにTHF不溶分はなく、THF可溶分の重量平均分子量は32400であった。このトナーのTEM観察から、樹脂とワックスの海島構造が確認された。ワックスの分散状態は実施例2のトナーよりも悪く、分散径が2μmをこえるものが目立った。このトナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して1.82倍であった。
このトナーの評価結果を表1に示す。
耐オフセット性がやや向上するが、転写性が不十分なものとなり、耐久性は大幅に悪化した。
【0094】
比較例3
実施例7のポリエステル樹脂を50重量部、スチレン−アクリル酸メチル共重合樹脂を45部に変える以外は、実施例7と同様に処理を行ないトナーと現像剤を得た。TEM観察から、樹脂の海島構造と島内部のワックスの存在が確認されたが、実施例7のトナーよりも島の分散径が大きく、ワックスの分散径は小さかった。このトナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して1.03倍であった。なお、このトナーにTHF不溶分はなく、THF可溶分の重量平均分子量は41600であった。
このトナーの評価結果を表1に示す。
ポリステル樹脂の含有量が少なくなったためか、実施例7のトナーよりも低温定着性に劣るものとなった。また、画像光沢も低下し、色再現性がよく鮮明なフルカラー画像を得るには不十分なトナーであった。
【0095】
比較例4
実施例11のポリエステル樹脂を70重量部、(A)、(B)、および(A)に(B)の構成モノマーがクラフトしたグラフト重合体から構成されるものを15重量部、エステルワックスを15重量部に変える以外は、実施例11と同様に処理を行ないトナーと現像剤を得た。TEM観察から、樹脂の海島構造と島内部のワックスの存在が確認されたが、海樹脂に分散しているワックスも存在した。ワックスの分散状態は悪く、分散径が2μmを超えるワックスがめだった。このトナーの表面近傍部分のワックス存在比は、全体の存在比に対して2.07倍であった。なお、このトナーにTHF不溶分はなく、THF可溶分の重量平均分子量は49000であった。
このトナーの評価結果を表1に示す。
低温定着性と耐オフセット性は満足できるトナーであるが、画像光沢が低く、鮮明で広い色再現範囲が必要なフルカラートナーでとしては不十分なものであった。また、このトナーにはワックス含有による副作用がはっきりと現われた。
【0096】
【表1】
【0097】
【発明の効果】
本発明により、中〜高速機において低温定着性と耐オフセット性を満足し、熱保存性がよく、長期的に現像性が良好で高画質な画像を形成しうる静電荷像現像用トナーを提供することができる。
また、省エネルギー化を達成しやすい低面圧の定着装置においても、低温定着性と耐ホットオフセット性を満足し、ワックス含有による保存性や耐久性、転写性等の問題を生じにくい静電荷像現像用トナーを提供することができる。
さらに、省エネルギー化を達成しうる、上記静電荷像現像用トナーを用いた定着方法、定着装置、及び該トナーが充填されたトナー容器、該トナー容器を装着した画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱定着ローラ定着装置の一例の概略図。
【図2】本発明のベルト加熱定着装置の一例の概略図。
【符号の説明】
1:定着ローラ
2:加圧ローラ
3:芯金
4:オフセット防止層
5:加熱ランプ
6:金属シリンダー
7:オフセット防止層
8:加熱ランプ
9:定着ローラ
10:芯金
11:弾性体
12:加熱ローラ
13:芯金
14:加熱ランプ
15:定着ベルト
16:加圧ローラ
17:芯金
18:弾性体
19:ガイド
20:加熱ランプ
21:加熱ランプ
S:画像受像体
T:未定着トナー像
Claims (15)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、離型剤を2〜10重量%含有し、トナー表面から0.25μm以内のトナー表面近傍の離型剤存在率が、トナー全体の離型剤存在率の1.1倍以上、1.5倍未満であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 前記結着樹脂が、実質的にTHF不溶分がなく、THF可溶分のGPCによる重量平均分子量が10000〜90000であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 互いに非相溶の2種類以上の結着樹脂を含有し、これらが海島状の相分離構造をとり、連続相である海状結着樹脂中にこれと非相溶の島状結着樹脂が分散し、かつ、島状結着樹脂中に実質的に離型剤が存在することを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 2種類の結着樹脂と離型剤のSP値の関係が、海状結着樹脂のSP値>島状結着樹脂のSP値>離型剤のSP値、であることを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
- 海状結着樹脂のSP値と島状結着樹脂のSP値との差が0.5以内であることを特徴とする請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。
- 島状結着樹脂が下記(A)、(B)、および(A)に(B)の構成モノマーがグラフトしたグラフト重合体から構成されるものであることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(A)ワックス
(B)ビニルモノマーからなるポリマー - 島状結着樹脂の平均エステル基濃度が8〜30重量%であることを特徴とする請求項6に記載の静電荷像現像用トナー。
- 島状結着樹脂のガラス転移点が海状結着樹脂のガラス転移温度よりも高いことを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- トナーの体積平均粒径が4〜7μmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 記録材上の未定着トナー像を、2本のローラの間を通過させることによってトナー像の加熱定着を行う定着装置において、トナー像と接触する側の定着ローラの厚みが1.0mm以下、2本のローラ間に加える面圧(ローラ荷重/接触面積)が1×105Pa以下であり、かつ請求項1〜9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを装填したことを特徴とする定着装置。
- 少なくとも2つのローラに張架された定着ベルトと、該定着ベルトの外周面に接触して定着ベルトとの間でニップを形成する加圧ローラを有し、ベルト自体あるいは加熱手段を介して昇温する定着ベルトと接触させながら、記録材上の未定着トナー像の加熱定着を行なう定着装置において、請求項1〜9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを装填したことを特徴とする定着装置。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを使用して形成された記録材上の未定着トナー像を、トナー像と接触する側の定着ローラの厚みが1.0mm以下、2本のローラ間に加える面圧(ローラ荷重/接触面積)が1×105Pa以下の定着装置で定着することを特徴とする定着方法。
- 少なくとも2つのローラに張架された定着ベルトと、該定着ベルトの外周面に接触して定着ベルトとの間でニップを形成する加圧ローラを有し、該定着ベルトがベルト自体あるいは加熱手段を介して昇温するベルト定着装置で、請求項1〜9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを使用して形成された記録材上の未定着トナー像を、ベルトと接触させながら定着することを特徴とする定着方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーが充填されたことを特徴とするトナー容器。
- 請求項14に記載のトナー容器が装着されたことを特徴とする画像形成装置。
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