JP3937876B2 - トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法又はトナージェット方式記録法を利用した記録方法に用いられるトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧あるいは溶剤蒸気によりトナー画像を転写材に定着してトナー画像を得るものである。
【0003】
上述の最終工程であるトナー像を紙のごときシートに定着する方法として、現在最も一般的な定着方法は、加熱ローラによる圧着加熱方式である。この方式は、トナーに対して離型性を有する材料で表面を形成した加熱ローラの表面に被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら、被定着シートを加熱ローラに通過させることにより定着を行うものである。
【0004】
この方法によれば加熱ローラ表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができる。
【0005】
しかしながらこの方法においては、加熱ローラ表面とトナー像とが溶融状態、加圧下で接触するためにトナー像の一部が定着ローラ表面に付着・転移し、これが次の被定着シートに再転移するいわゆるオフセット現象が生じ、被定着シートを汚すという問題がある。従って、トナーは、優れた低温定着性と耐高温オフセット性を両立させることが必要である。
【0006】
これまでに、低温時の定着性と高温時の耐オフセット性を両立すべく、種々のトナーが提案されている。例えば、特開昭63−225244号公報〜63−225246号公報では、低温定着性、高温耐オフセット性、耐ブロッキング性を向上させる目的で2種の非線状ポリエステルを含有してなるトナーが開示されている。
【0007】
またトナー中に離型剤を添加することにより、上記のオフセット現象を回避する方法も提案されている。特開平5−88405号公報では離型剤を内添している樹脂と内添していない樹脂とを混合して使用する方法が開示されている。特開平10−274859号公報では2種の離型剤を内添する粘度の異なる2種の樹脂を使用したトナーが開示されている。特開平11−174730号公報では分散径が0.3μm以下で離型剤を内添する樹脂を使用したトナーが開示されている。
【0008】
しかしながら、プロセススピードが低速から高速まで適用できる定着温度領域の広い、耐オフセット性に優れたトナーとしては、後述の画像特性と併せて未だ改良すべき課題を残している。
【0009】
近年においては、複写機のデジタル化、トナーの微粒子化によりコピー画像の高画質化が望まれている。しかし、トナーの微粒子化により画像の解像力や鮮映度を上げることはできても、また種々の問題が生じてくる。トナー表面積が増えることにより、トナーの帯電特性がより環境の影響を受けやすくなる。さらにトナー粒子径を小さくすると、磁性体や着色剤、離型剤の分散状態がトナーの帯電性に大さく影響を及ぼすことは明白である。
【0010】
また、最近のデジタル複写機に至っては、文字入りの写真画像のコピー画像において、文字は鮮明で、写真画像は原稿に忠実な濃度階調性が得られるということが要求されている。一般に、文字入り画像のコピーにおいて文字を鮮明にするためにライン濃度を高くすると、写真画像の濃度階調性が損なわれるばかりでなく、ハーフトーン部分では非常にガサついた画像になる。さらに、ライン濃度を高くするとトナーののり量が多くなるために、転写時にトナーが感光体に押しつけられ感光体に付着して、かえってライン上のトナーが抜けたいわゆる中抜け現象を起こし、低画質のコピー画像となる。また逆に写真画像の濃度階調性を良くしようとすると、文字ラインの濃度が低下し鮮明さが悪くなる。近年においては、画像濃度を読み取り、デジタル変換することによって濃度階調性はある程度改良されてきてはいる。しかし未だ十分とはいえないのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、低温定着性および耐高温オフセット性に優れたトナーを提供することを課題とする。
【0012】
また、本発明は定着部材へのトナー汚染を軽減できるトナーを提供することを課題とする。
【0013】
さらに、本発明は耐久現像性に優れたトナーを提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、トナーを構成する結着樹脂およびこの結着樹脂中における離型剤の分散性に着目し、特定の構成を有する結着樹脂を用いると共に離型剤の結着樹脂中における分散性を制御することにより、幅広い定着温度領域においてトナー低温定着性と高温耐オフセット性とを同時に満足できることを見出し、本発明を完成させた。
【0015】
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0016】
(1)結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するトナーであって、
前記結着樹脂は軟化点の異なる2種の樹脂を少なくとも含有し且つ離型剤が内添され、
前記2種の樹脂において、軟化点の高い樹脂中での前記離型剤の平均分散径(DH)が軟化点の低い樹脂中での前記離型剤の平均分散径(DL)よりも小さいことを特徴とするトナー。
【0017】
(2)前記離型剤の平均分散径DLおよびDHが下記式(1)を満足することを特徴とする(1)のトナー。
【0018】
【数2】
DL−DH ≧ 1(μm) ・・・(1)
(3)前記2種の樹脂の軟化点の差が20〜60℃であることを特徴とする(1)または(2)のトナー。
【0019】
(4)前記2種の樹脂において、軟化点の低い樹脂の軟化点が80〜120℃であり、軟化点の高い樹脂の軟化点が100〜160℃であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかのトナー。
【0020】
(5)前記離型剤の平均分散径DLが0.5〜10μmであり且つ平均分散径DHが0.1〜6μmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかのトナー。
【0021】
(6)前記結着樹脂が縮重合系重合体を含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかのトナー。
【0022】
(7)前記結着樹脂が付加重合系重合体を含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかのトナー。
【0023】
(8)前記結着樹脂が縮重合系重合体と付加重合系重合体とを含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかのトナー。
【0024】
(9)前記結着樹脂に含有される軟化点の高い樹脂と軟化点の低い樹脂の質量比が80/20〜20/80であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかのトナー。
【0025】
(10)前記離型剤が脂肪族炭化水素系ワックスであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかのトナー。
【0026】
(11)前記離型剤が長鎖アルキルアルコールまたは長鎖アルキルカルボン酸であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかのトナー。
【0027】
(12)前記離型剤が植物系ワックスであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかのトナー。
【0028】
(13)前記離型剤の示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が70〜140℃であることを特徴とする(1)〜(12)のいずれかのトナー。
【0029】
(14)前記結着樹脂100質量部に対して前記離型剤を2〜15質量部含有することを特徴とする(1)〜(13)のいずれかのトナー。
【0030】
(15)結着樹脂100質量部に対して、着色剤として磁性酸化鉄を20〜150質量部含有することを特徴とする(1)〜(14)のいずれかのトナー。
【0031】
(16)疎水化処理されたシリカ微粉体が外添されていることを特徴とする(1)〜(15)のいずれかのトナー。
【0032】
(17)前記シリカ微粉体がシリコーンオイルで処理されていることを特徴とする(16)のトナー。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明のトナーは結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有し、結着樹脂は軟化点の異なる2種の樹脂を少なくとも含有し且つ離型剤が内添されていることを特徴とする。また、本発明のトナーは結着樹脂に含有される2種の樹脂において、軟化点の高い樹脂中(以下「高軟化点樹脂」と表記することがある)での前記離型剤の平均分散径(DH)が軟化点の低い樹脂(以下「低軟化点樹脂」と表記することがある)中での前記離型剤の平均分散径(DL)よりも小さいことを特徴とする。
【0034】
本発明は、少なくとも軟化点の異なる2種類の樹脂からなる結着樹脂を用い、且つそれぞれの樹脂中に含有される離型剤の分散径を制御することにより、トナー中での離型剤の分散状態を最適化するものである。これにより、定着領域が広く、離型性、耐久現像性に優れたトナーを提供することができる。
【0035】
トナー中における離型剤には2つの効果が期待される。1つは定着ローラへのオフセットを抑制する離型効果であり、もう1つは結着樹脂中に取り込まれることによってトナー全体の粘度を下げる可塑効果である。離型効果はトナーに温度がかかった時のトナーからの離型剤が染み出す早さが早いほど発現しやすく、このためトナー中での分散粒径は比較的大きいほうが好ましい。一方、離型効果は離型剤が結着樹脂中に均一に取り込まれている方が発現しやすいため、離型剤は結着樹脂中である程度小さな粒径で存在していたほうが好ましい。
【0036】
本発明では、トナー中で低軟化点成分を形成する低分子量の結着樹脂中に比較的大きな粒径で離型剤を存在させることにより、離型剤の持つ離型性を最大限に発現させることで耐高温オフセットの発生を効果的に抑制することができる。また定着ローラとの離型性にも優れるため、定着ローラへのトナー汚染を有効に防ぐことが可能となる。またトナー中で高軟化点成分を形成する高分子量の結着樹脂中に離型剤が比較的小さな粒径で存在することとなり、離型剤の持つ可塑効果を有効に及ぼすことで良好な低温定着性を示すものとなる。
【0037】
本発明のトナーに含有される離型剤において、離型剤の持つ離型効果と可塑効果の発現を更に効果的にするために上記DHとDLが下記式(1)を満たすことが好ましい。
【0038】
【数3】
DL−DH ≧ 1(μm) ・・・(1)
【0039】
さらに、本発明で用いられる離型剤において、軟化点の異なる樹脂中における各平均分散径DH、DLそれぞれの好ましい値は以下の通りである。本発明で用いられる離型剤の、軟化点の高い樹脂中における平均分散径DHは0.1〜6μmであり、軟化点の低い樹脂中における平均分散径DLは0.5〜10μmであることが好ましい。より好ましくはそれぞれ、DHが0.5〜4μm、DLが1〜8μmである。上記DHが0.1μm以下になると、トナーの離型性が低下し、定着ローラ汚染などが起こりやすくなる。一方、DHが6μm以上になると可塑効果が発現しづらくなり、低温定着性を阻害するようになる。また、上記DLが0.5μm以下になると離型剤がトナーへ及ぼす離型効果が低くなり高温オフセットが発生しやすくなる。DLが10μm以上になるとトナー中での離型剤の分散性が不充分になりやすくなり、トナー中に遊離した離型剤成分や、分散性の悪い成分を多く含み、帯電特性の低下を招きやすくなる。
【0040】
本発明において、樹脂中の離型剤の平均分散径は、透過型電子顕微鏡(TEM)の写真画像について公知の方法で画像解析を行うことにより算出することができる。
【0041】
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂成分とスチレン−アクリル系樹脂成分を含むハイブリッド樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられるが、特に限定されず従来公知の樹脂を用いることができる。このうち特に、ポリエステル樹脂及びハイブリッド樹脂などが定着性などの点で好ましい。
【0042】
本発明のトナーに使用される結着樹脂は少なくとも軟化点の異なる2種の樹脂からなる。この時2種の樹脂の組み合わせとしては特に制限されないが、分散性の点から主成分が同じ2種類の樹脂であることが好ましい。また2種類の樹脂において、軟化点の差は20〜60℃以下であることが好ましい。上記2種の樹脂の軟化点の差は25〜55℃であることがより好ましい。軟化点の差が20℃以下であると低温定着性と高温オフセット性のバランスがとりづらくなる。また60℃以上になると2種類の樹脂の相溶性が低下するため分散不良を発生しやすくなり、帯電特性などに悪影響を及ぼすようになる。
【0043】
上記結着樹脂において、定着性の点から軟化点の低い樹脂の軟化点は好ましくは80〜120℃、より好ましくは85〜115℃である。また、軟化点の高い樹脂の軟化点は好ましくは100〜160℃、より好ましくは110〜150℃以下である。
【0044】
また、本発明で用いられる結着樹脂中に含有される、軟化点の高い樹脂と軟化点の低い樹脂の質量比は80/20〜20/80であることが低温定着性及び耐高温オフセット性の点で好ましく、75/25〜25/75であることがより好ましい。
【0045】
本発明で用いられる結着樹脂において、縮重合系重合体の代表的なものとして挙げられるポリエステル樹脂またはポリエステル樹脂成分の原料モノマーとしては、アルコール成分とカルボン酸、もしくはカルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の酸成分とが使用できる。
【0046】
具体的にアルコール成分としては、2価以上のアルコールであれば特に限定はないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また(ア)式で表されるビスフェノール誘導体及び下記(イ)式で示されるジオール類が挙げられる。
【0047】
【化1】
Figure 0003937876
【0048】
【化2】
Figure 0003937876
【0049】
また、酸成分である2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸等のベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基で置換されたコハク酸またはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはその無水物などが挙げられる。
【0050】
またグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、さらには、例えばノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物などの多価カルボン酸類等が挙げられる。
【0051】
付加重合系重合体の結着樹脂の代表的なものとして挙げられるスチレン−アクリル系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂成分を生成するためのビニル系モノマーとしては次のようなものが挙げられる。
【0052】
スチレン:o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等の不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0053】
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステル等の不飽和塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸等のα、β−不飽和酸無水物;該α、β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステル等のカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0054】
さらに、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシルプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレン等のヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0055】
また、本発明で用いられるスチレン−アクリル系樹脂は、必要に応じて以下に例示するような架橋性モノマーで架橋された重合体であってもよい。
【0056】
芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレー卜類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)が挙げられる。
【0057】
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート;が挙げられる。
【0058】
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量%に対して、0.01〜10質量%(より好ましくは0.03〜5質量%)用いることができる。
【0059】
これらの架橋性モノマーのうち、トナー用結着樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0060】
本発明で用いられるスチレン−アクリル系樹脂を製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(−2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−カーバモイルアゾ−イソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
【0061】
ポリエステル樹脂成分及びスチレン−アクリル系樹脂成分を含むハイブリッド樹脂を合成する場合、上述のポリエステル樹脂成分とスチレン−アクリル系樹脂成分の両方と反応し得るモノマー成分を含むことが必要である。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちスチレン−アクリル系樹脂成分と反応し得るものとしては、例えばフマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。スチレン−アクリル系樹脂成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシル基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
【0062】
ハイブリッド樹脂を得る方法としては、先に挙げたビニル系樹脂成分及びポリエステル樹脂成分のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
【0063】
本発明において樹脂に内添される離型剤としては次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N'ジオレイルアジピン酸アミド、N,N'ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N'ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物;炭素数12以上の長鎖アルキルアルコールまたは長鎖アルキルカルボン酸;木蝋、ライスワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス等の植物系ワックスなどが挙げられる。
【0064】
本発明において特に好ましく用いられるワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。例えば、アルキレンを高圧でラジカル重合あるいは低圧でチーグラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックスがよい。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものがより好ましく用いられる。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの[例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物];ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレンなどのアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ましい。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。
【0065】
本発明において使用されるワックスは、ワックスを含有するトナーの示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、70〜140℃の領域に吸熱メインピークを有することが、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性の点で好ましい。上記DSC曲線における吸熱メインピークのより好ましい位置は75〜130℃の領域である。
【0066】
離型剤は結着樹脂100質量部あたり2〜15質量部内添するのが定着性、帯電特性の点で好ましい。より好ましくは3〜12質量部である。
【0067】
本発明では離型剤は結着樹脂中に混合、すなわち内添される。離型剤は通常、樹脂を溶剤に溶解し樹脂溶液温度を上げ、攪拌しながら添加混合する方法や、樹脂合成前にモノマーと同時に添加する方法で結着樹脂に内添される。このような場合、結着樹脂中の離型剤の平均分散径を制御する方法としては、樹脂製造時における攪拌条件や、樹脂取り出し時の冷却条件などを制御することがあげられる。また水素引き抜き反応を起こす重合開始剤を添加することで、離型剤を樹脂と一部反応させる方法も挙げられる。また樹脂と離型剤とを混練機などで混合して、所望の分散径に制御することも可能である。
【0068】
なお、本発明のトナーに用いられる結着樹脂において、軟化点の高い樹脂中での離型剤の平均分散径は、軟化点の低い樹脂中での平均分散径よりも小さい。このように軟化点の異なる2種の樹脂中での離型剤の平均分散径をそれぞれ異なる大きさとするには、例えば以下の方法が挙げられる。まず上記したように軟化点の異なる2種の樹脂に離型剤をそれぞれ添加混合して各樹脂中における平均分散径を所望の値となるように調整する。そして、それぞれ離型剤が内添された2種の樹脂を混合することにより、本発明で用いられる少なくとも軟化点の異なる2種の樹脂からなる結着樹脂を得ることができる。
【0069】
本発明では、必要に応じて一種または二種以上の離型剤をさらにトナー粒子中に含有させてもかまわない。
【0070】
本発明のトナーを磁性トナーとして用いる場合、磁性材料がトナーに含有される。磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、あるいはこれらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0071】
磁性材料としては、従来四三酸化鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe512)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe24)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe23)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が知られているが、本発明では上述した磁性材料を単独であるいは2種以上の組み合わせで選択使用する。磁性トナーに特に好適に用いられる磁性材料は四三酸化鉄またはγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0072】
これらの磁性材料は平均粒径が0.1〜2μm程度で、795.8kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性が抗磁力1.5kA/m〜12kA/m、飽和磁化50〜200Am2/kg(好ましくは50〜100Am2/kg)、残留磁化2〜20Am2/kgのものが望ましい。
【0073】
上記磁性材料は磁性トナーの着色剤としての機能をも有する。使用量としては結着樹脂100質量部に対して磁性材料20〜150質量部使用するのが良い。
【0074】
また、一成分、二成分を問わず着色剤としては、カーボンブラック、チタンホワイトやその他あらゆる顔料及び/又は染料を用いることができる。例えば本発明のトナーを磁性カラートナーとして使用する場合には、染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等がある。顔料としては、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロ−、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
【0075】
また、本発明のトナーを二成分フルカラー用トナーとして使用する場合には、次の様なものが挙げられる。マゼンタ用着色顔科としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207,209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35等が挙げられる。
【0076】
上記顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121、C.I.ディスバースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料が挙げられる。
【0077】
その他の着色顔料として、シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45または下記式で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等である。
【0078】
【化3】
Figure 0003937876
【0079】
イエロー用着色顔科としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20等が挙げられる。
尚、着色剤の使用量は結着樹脂100質量部に対して0.1〜60質量部、好ましくは0.5〜50質量部である。
【0080】
本発明のトナーは、その帯電性を安定化させる為に必要に応じて荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤は、樹脂成分100質量部当たり0.1〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部使用するのが好ましい。荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
【0081】
トナーを負帯電性に制御するものとして例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効で、その例としてはモノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体:芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩が挙げられる。他には、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類やビスフェノールなどのフェノール誘導体が挙げられる。
【0082】
トナーを正荷電性に制御するものとして、ニグロシン及び脂肪酸金属塩などによる変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩などのオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレートが挙げられる。これらを単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でもニグロシン系化合物、四級アンモニウム塩などの荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
【0083】
本発明のトナーに用いられる流動性向上剤としては、トナー粒子に外添することにより、トナーの流動性を向上し得るものが挙げられる。例えばフッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末等のフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等の微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ、処理酸化チタン、処理アルミナ等が挙げられる。
【0084】
好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸素、水素中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
【0085】
【化4】
SiCl4+2H2+O2 → SiO2+4HCl
この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含する。その粒径は、平均の一次粒径として0.001〜2μmの範囲内であることが好ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0086】
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の様な商品名で市販されているものがある。
【0087】
Figure 0003937876
さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体を用いることがより好ましい。該処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。
【0088】
疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機珪素化合物及び/又はシリコーンオイルで化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0089】
有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当たり2〜12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
【0090】
窒素原子を有するアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン等のシランカップリング剤も有機ケイ素化合物として単独あるいは併用して使用される。好ましいシランカップリング剤としては、へキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。
【0091】
本発明で用いる好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が0.5〜10000センチストークス、好ましくは1〜1000センチストークス、さらに好ましくは10〜200センチストークスのものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが特に好ましい。シリコーンオイル処理の方法としては、例えばシランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合する方法;ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法;あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散させた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法;を用いることが可能である。
【0092】
シリコーンオイル処理シリカは、シリコーンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコートを安定化させることがより好ましい。
【0093】
本発明においては、シリカをあらかじめカップリング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方法、またはシリカをカップリング剤とシリコーンオイルで同時に処理する方法によって処理されたものが好ましい。
【0094】
流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー100質量部に対して流動性向上剤0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜4質量部使用するのが良い。
【0095】
また、本発明のトナーはキャリアと混合して二成分トナーとして用いることができる。キャリアの電流値はキャリア表面の凹凸度合い、被覆する樹脂の量を調整して20〜200μAにするのが良い。
【0096】
キャリア表面を被覆する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、シリコン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂など、或いはこれらの混合物を用いることができる。
【0097】
キャリアコアの磁性材料としては、フェライト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄等の酸化物や、鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの合金を用いることができる。また、これらの磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等が挙げられる。
【0098】
本発明のトナーを作製するには結着樹脂、着色剤及び/又は磁性体、荷電制御剤またはその他の添加剤をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合し、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶させ、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕し、粉砕物を分級して本発明のトナーを得ることができる。
【0099】
本発明において、トナーを粉砕する方法としては機械的衝撃力を加える方法が好ましい。機械的衝撃力を与える処理としては、例えば川崎重工業(株)製粉砕機KTM、ターボ工業(株)製ターボミル等の機械式粉砕機を用いる方法、あるいはホソカワミクロン社製のメカノフュージョンシステムや、奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステムなどの装置により処理する方法が挙げられる。これらの装置をそのまま、あるいは適宜改良して使用することが好ましい。
【0100】
さらに、流動性向上剤とトナーとをヘンシェルミキサー等の混合機により充分混合し、トナー粒子表面に流動性向上剤を有するトナーを得ることができる。
【0101】
以下にトナー製造用装置として一般的に使用されるものを示すが、これらに限定されるものではない。
【0102】
【表1】
Figure 0003937876
【0103】
【表2】
Figure 0003937876
【0104】
【表3】
Figure 0003937876
【0105】
【表4】
Figure 0003937876
【0106】
【表5】
Figure 0003937876
【0107】
本発明のトナーに係る物性の測定方法は以下に示す通りである。後述の実施例もこの方法に基づいている。
【0108】
(i)樹脂の軟化点の測定方法
樹脂の軟化点はJIS K 7210に示される測定方法に則り、降下式フローテスタにより測定される。具体的な測定方法を以下に示す。
【0109】
降下式フローテスタ(島津製作社製)を用いて1cm3の試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1960N/m2(20kg/cm2)の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これによりプランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするとき、h/2に対する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
【0110】
(ii)離型剤の融点の測定方法
示差走査熱量計(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定する。
【0111】
測定試料は2〜10mg、好ましくは5mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで、常温常湿下で測定を行う。この昇温過程で30〜200℃の範囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱ピークが得られる。この吸熱メインピークの温度をもってワックスの融点とする。
【0112】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0113】
〈結着樹脂の製造例〉
(高軟化点樹脂の製造例1)
表6に示すポリエステルモノマー及びワックスをエステル化触媒とともに4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて230℃に昇温して反応を行った。このとき攪拌条件を比較的強めにして反応を行った。反応終了後、生成物を容器から取り出す際に急冷条件で取り出すことにより樹脂中の離型剤の分散径を制御した。その後粉砕し、軟化点145℃の樹脂(H−1)を得た。この樹脂中のTEM写真により画像解析を行った結果、平均分散径は2.1μmであった。
【0114】
(高軟化点樹脂の製造例2〜5)
高軟化点樹脂の製造例1において、モノマー及び離型剤の種類及び量を表6に示すように変更し、反応条件(攪拌条件、冷却条件)を変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、表6に示す樹脂(H−2)〜(H−5)を得た。各樹脂の軟化点および樹脂中での離型剤の平均分散径を表6に示す。
【0115】
(高軟化点樹脂の製造例6)
表6に示すポリエステルモノマー及びワックスをエステル化触媒とともに4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて130℃の温度で攪拌しつつ、ビニル系共重合体モノマーを混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。これを130℃に保持したまま3時間熟成し、230℃に昇温して反応を行った。このとき攪拌条件を比較的強めにして反応を行った。反応終了後、生成物を容器から取り出す際に急冷条件で取り出すことにより樹脂中の離型剤の分散径を制御した。その後粉砕し、ポリエステル樹脂成分、ビニル系重合体成分及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分からなり、軟化点138℃の樹脂(H−6)を得た。この樹脂中のTEM写真により画像解析を行った結果、平均分散径は0.3μmであった。
【0116】
(高軟化点樹脂の製造例7〜9)
高軟化点樹脂の製造例1において、モノマー及び離型剤の種類及び量を表6に示すように変更し、反応条件(攪拌条件、冷却条件)を変更した以外は上記製造例6と同様の方法を用いて、表6に示す樹脂(H−7)〜(H−9)を得た。各樹脂の軟化点および樹脂中での離型剤の平均分散径を表6に示す。
【0117】
【表6】
Figure 0003937876
【0118】
(低軟化点樹脂の製造例1)
表7に示すポリエステルモノマー及びワックスをエステル化触媒とともに4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて230℃に昇温して反応を行った。このとき攪拌条件を比較的弱めにして反応を行った。その後、生成物を冷却、粉砕し、軟化点95℃の樹脂(L−1)を得た。この樹脂中のTEM写真により画像解析を行った結果、平均分散径は3.0μmであった。
【0119】
(低軟化点樹脂の製造例2〜5)
低軟化点樹脂の製造例1において、モノマー及び離型剤の種類及び量を表7に示すように変更し、反応条件(攪拌条件、冷却条件)を変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、表7に示す樹脂(L−2)〜(L−5)を得た。各樹脂の軟化点および樹脂中での離型剤の平均分散径を表7に示す。
【0120】
(低軟化点樹脂の製造例6)
表7に示すポリエステルモノマー及びワックスをエステル化触媒とともに4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて130℃の温度で攪拌しつつ、ビニル系共重合体モノマーを混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。これを130℃に保持したまま3時間熟成し、230℃に昇温して反応を行った。反応終了後、生成物を容器から取り出し、冷却、粉砕して、ポリエステル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分からなり、軟化点92℃の樹脂(L−6)を得た。軟化点の測定はASTM E28−67に準拠して行った。この樹脂中でのワックスの分散粒径は1.5μmであった。
【0121】
(低軟化点樹脂の製造例7〜9)
低軟化点樹脂の製造例1において、モノマー及び離型剤の種類及び量を表7に示すように変更し、反応条件(攪拌条件、冷却条件)を変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、表7に示す結着樹脂(L−7)〜(L−9)を得た。各樹脂の軟化点および樹脂中での離型剤の平均分散径を表7に示す。
【0122】
【表7】
Figure 0003937876
【0123】
〈実施例1〉
(トナーの製造例)
・高軟化点樹脂(H−1) 73.5質量部
・低軟化点樹脂(L−1) 31.5質量部
・磁性酸化鉄 90質量部
(平均粒径:0.18μm、Hc(保磁力):9.6kA/m、σs(飽和磁化):81Am2/kg、σr(残留磁化):13Am2/kg)
・サリチル酸アルミ錯体 2質量部
上記混合物を、120℃に加熱された二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して質量平均径7.2μmの磁性トナーを得た。
【0124】
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET150m2/g)1.0質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加しトナー1を得た。
【0125】
(トナーの評価)
市販のキヤノン製デジタル複写機IR6000を使用し、本発明のトナー1を用いて、常温低湿環境(温度23℃、湿度5%)及び高温高湿環境(30℃、80%)においてそれぞれ100万枚の通紙耐久試験を行った。原稿は画像比率5%のチャートを使用した。このとき定着器に具備されている定着ローラのクリーニング用ウェッブを取り外して通紙耐久試験を行った。画像評価及び加圧ローラ汚れ評価は以下のようにして行った。
【0126】
1.画像濃度
画像濃度はマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、チャートの1.1濃度の5mm丸の反射濃度を耐久試験前後で測定した。
【0127】
2.デジタル画像の鮮鋭さ
ライン及び文字を含む原稿を使用し、耐久試験初期及び耐久試験後の画像を、目視または拡大顕微鏡を使用して、以下の基準で評価した。
【0128】
◎:文字画像及びライン画像ともに、細部まで忠実に再現している
○:細部に多少の乱れまたは飛び散りが生じているが、目視では問題ないレベルである
△:目視でも乱れや飛び散りがわかるレベルである
×:乱れ、飛び散りが多数発生し、原稿を再現していない
3.定着ローラ汚れ評価
耐久試験後、定着ローラ及び加圧ローラを取り外し、以下の基準で評価した。
【0129】
◎:トナー付着などの汚れが全く見られない
○:定着ローラまたは加圧ローラの一部に汚れが見られるが問題ないレベル△:定着ローラ及び加圧ローラに汚れが見られ、通紙画像の一部でこの汚れによる画像欠陥が見られる
×:定着ローラ及び加圧ローラの全体に汚れが見られ、通紙中にこの汚れによる紙詰まりが発生する
4.定着温度領域の測定
キヤノン製デジタル複写機IR6000の定着器を取り外し、外部駆動装置及び定着器の温度制御装置を取り付けた定着試験装置を設置し、定着器の温度を変えてハーフトーン画像(画像濃度:0.6)を通紙して、定着試験を行った。定着画像に4900N/m2(50g/cm2)の荷重をかけ、柔和な薄紙により定着画像を往復5回摺擦し、摺擦前後の画像濃度をマクベス濃度計(マクベス社製)で測定した。摺擦前後の画像濃度の低下率(%)が20%以下であり且つ、定着ローラへのオフセットが発生しない温度領域を以てトナーの定着温度領域とした。
各評価の結果を表8に示す。表8に示すように良好な結果が得られた。
【0130】
〈実施例2〜9〉
実施例1において樹脂(H−1)および(L−1)の代わりに表8に示す樹脂を用いた以外は、上記実施例1と同様の方法を用いてトナー2〜9を得た。
【0131】
得られた各トナー2〜9について、上記実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表8に示す。
【0132】
〈比較例1〜4〉
実施例1において樹脂(H−1)および(L−1)の代わりに表8に示す樹脂を用いた以外は、上記実施例1と同様の方法を用いてトナー10〜13を得た。
【0133】
得られた各トナー10〜13について、上記実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表8に示す。
【0134】
【表8】
Figure 0003937876
【0135】
【発明の効果】
本発明によれば、低温定着性および耐高温オフセット性に優れたトナーを提供することができる。
【0136】
また、本発明によれば定着部材へのトナー汚染を軽減でき、長期にわたって良好な画像を形成することができるトナーを提供することができる。

Claims (16)

  1. 結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するトナーであって、
    該トナーは、軟化点の異なる2種の樹脂を少なくとも結着樹脂として含有しており、
    該トナーは、少なくとも軟化点の高い樹脂に離型剤を分散させた樹脂組成物と軟化点の低い樹脂に離型剤を分散させた樹脂組成物と着色剤とを溶融混錬して製造されたものであり、
    記軟化点の高い樹脂に離型剤を分散させた樹脂組成物中での前記離型剤の平均分散径(DH)が軟化点の低い樹脂に離型剤を分散させた樹脂組成物中での前記離型剤の平均分散径(DL)よりも小さく、
    前記軟化点の高い樹脂に離型剤を分散させた樹脂組成物中における前記離型剤の含有量が、軟化点の高い樹脂100質量部当たり2乃至8質量部であり、前記軟化点の低い樹脂に離型剤を分散させた樹脂組成物中における前記離型剤の含有量が、軟化点の低い樹脂100質量部当たり2乃至8質量部であることを特徴とするトナー。
  2. 前記離型剤の平均分散径DLおよびDHが下記式(1)を満足することを特徴とする請求項1記載のトナー。
    Figure 0003937876
  3. 前記2種の樹脂の軟化点の差が20〜60℃であることを特徴とする請求項1または2記載のトナー。
  4. 前記2種の樹脂において、軟化点の低い樹脂の軟化点が80〜120℃であり、軟化点の高い樹脂の軟化点が100〜160℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記離型剤の平均分散径DLが0.5〜10μmであり且つ平均分散径DHが0.1〜6μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記結着樹脂が縮重合系重合体を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 前記結着樹脂が付加重合系重合体を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 前記結着樹脂が縮重合系重合体と付加重合系重合体とを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
  9. 前記結着樹脂に含有される軟化点の高い樹脂と軟化点の低い樹脂の質量比が80/20〜20/80であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のトナー。
  10. 前記離型剤が脂肪族炭化水素系ワックスであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のトナー。
  11. 前記離型剤が植物系ワックスであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のトナー。
  12. 前記離型剤の示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が70〜140℃であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のトナー。
  13. 前記結着樹脂100質量部に対して前記離型剤を2〜15質量部含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のトナー。
  14. 結着樹脂100質量部に対して、着色剤として磁性酸化鉄を20〜150質量部含有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のトナー。
  15. 疎水化処理されたシリカ微粉体が外添されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のトナー。
  16. 前記シリカ微粉体がシリコーンオイルで処理されていることを特徴とする請求項15記載のトナー。
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