JP2009037216A - トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも2種の結着樹脂、及び着色剤を有機溶剤に溶解乃至分散したトナー組成液を気相中で液滴化し、該液滴を固化して製造されるトナーにおいて、前記少なくとも2種の結着樹脂が、互いに相溶しない樹脂Aと、樹脂Bとを少なくとも含有し、前記トナーの平均円形度が0.93〜0.98であるトナーとする。
【選択図】なし
Description
しかし、近年高画質な画像を得るためトナーが小粒径化する傾向に有り、上記の粉砕法では6μm以下の小粒径にすると粉砕効率が低下するとともに分級によるロスが大きくなり生産性が低くコストアップとなってしまう。
しかし、これらの方法では、一つのノズルから単位時間あたりに吐出できる液滴数が少なく、生産性が悪いという問題があると同時に、液滴同士の合一による粒度分布の広がりが避けられず、単一分散性という点においても満足のいくものではなく、また、この工法で得られるトナーもトナー組成液の表面張力により球形のものとなってしまうという課題がある。
本発明は、更に、これまでにない粒度の単一分散性を有した粒子であるためブレードクリーニング性を低下させる微粉分が極めて少なく、非球形のトナー形状であることにより、安定して良好なブレードクリーニング性が得られるトナー及びトナー製造方法を提供することを目的とする。
前記少なくとも2種の結着樹脂が、互いに相溶しない樹脂Aと、樹脂Bとを少なくとも含有し、前記トナーの平均円形度が0.93〜0.98であることを特徴とするトナーである。
<2> トナー組成液の固形分量が、5質量%〜40質量%である前記<1>に記載のトナーである。
<3> 樹脂Aが、ポリエステル樹脂及びポリオール樹脂のいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 樹脂A及び樹脂Bが、いずれもポリエステル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル系樹脂、並びにポリオール系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル系樹脂のいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> トナー組成液が、離型剤を含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> 体積平均粒径が1μm〜10μmであり、かつ粒度分布(体積平均粒径/個数平均粒径)が、1.00〜1.10である前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーを製造する方法であって、
互いに相溶しない樹脂Aと樹脂Bとを含有する結着樹脂、及び着色剤を有機溶剤に溶解乃至分散したトナー組成液を気相中で液滴化する液滴化工程と、
得られた液滴を固化する固化工程と、を少なくとも含むことを特徴とするトナーの製造方法である。
<8> 液滴化工程が、多流体スプレーノズルを用いて行われる前記<7>に記載のトナーの製造方法である。
<9> 液滴化工程が、回転円盤型噴霧機を用いて行われる前記<7>に記載のトナーの製造方法である。
<10> 液滴化工程が、トナー組成物を分散乃至溶解させたトナー組成液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜から前記トナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出して液滴化する周期的液滴化工程であり、前記機械的振動手段が、前記薄膜のノズルを設けた領域の周囲に円環状に形成された振動発生手段である前記<7>に記載のトナーの製造方法である。
<11> 液滴化工程が、トナー組成物を分散乃至溶解させたトナー組成液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜から前記トナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出して液滴化する周期的液滴化工程であり、前記機械的振動手段が、前記薄膜に対して平行振動面を有し、該振動面が垂直方向に縦振動する振動手段である前記<7>に記載のトナーの製造方法である。
<12> 前記<7>から<11>のいずれかに記載のトナーの製造方法により製造されたことを特徴とするトナーである。
本発明のトナーは、少なくとも2種の結着樹脂、及び着色剤、更に必要に応じてその他の成分を有機溶剤に溶解乃至分散したトナー組成液を気相中で液滴化し、該液滴を固化して製造される。
前記少なくとも2種の結着樹脂が、互いに相溶しない樹脂Aと、樹脂Bとを少なくとも含有する。
ここで、互いに相溶しないとは、樹脂Aと樹脂Bとを溶剤に溶解乃至分散させた後乾燥させて得られた樹脂のミクロ構造が相分離した状態にあるような場合を意味する。
これは、樹脂Aと樹脂Bを溶剤に溶解した混合液を乾燥させて、得られた乾燥物が不透明である場合には相分離しており、両者は相溶しないと判定でき、乾燥物が透明であった場合には、ミクロトームで超薄切片を作成し、RuO4等で染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して相分離していれば両者は相溶しないと判定することができる。
通常は気相中で液滴化し固化したものは球形化し、異形化しないと考えられているが、前記のように非相溶の関係にある樹脂Aと樹脂Bを結着樹脂の成分とすることにより、液滴化した段階では球形であっても固形化した段階では異形化し、平均円形度が0.93〜0.98のトナーを得ることができる。
乾燥時に異形化するのは、必ずしも定かになっているわけではないが、非相溶の関係にある樹脂Aと樹脂Bの溶剤に対する親和性が異なり、乾燥過程における相分離状態での各樹脂溶液の溶剤の濃度や乾燥速度の違いにより、それぞれの樹脂溶液の乾燥に伴う体積収縮速度が異なるためと推測している。更に、トナー粒子の内側に溶剤を多く含有して乾燥速度が遅い樹脂を配置する構成とすることにより異形化が促進されるものと考えられる。
前記結着樹脂としては、例えばスチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等のビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂、などが挙げられる。
これらの中でも、樹脂Aとしてはポリエステル系樹脂及びポリオール系樹脂が好ましく、樹脂A及び樹脂Bが、いずれもポリエステル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル系樹脂、並びにポリオール系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル系樹脂のいずれかであることが特に好ましい。
なお、結着樹脂は少なくとも2種類が非相溶であればよく、3種類以上混合したときに樹脂A及び樹脂Bに相溶しても非相溶であっても構わないが、樹脂A及び樹脂Bを相溶化させてしまうような樹脂は用いることができない。
前記スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−アミルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−へキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、又はその誘導体、などが挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂を構成するモノマーとしては、例えば2価のアルコール成分、酸成分、などが挙げられる。
前記2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化スフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール、などが挙げられる。
前記ポリオール系樹脂としては、エポキシ骨格を有するポリエーテルポリオール樹脂をいい、例えば(1)エポキシ樹脂と、(2)2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテルと、(3)エポキシ基と反応する活性水素を有する化合物と、を反応させて得られるポリオール系樹脂が好適に用いられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、又はこれらの混合物、などが挙げられる。
前記着色剤のトナーにおける含有量としては、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。
前記マスターバッチの使用量としては、結着樹脂100量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましい。
前記分散剤は、トナー中に、着色剤に対して0.1質量%〜10質量%の割合で配合することが好ましい。配合割合が0.1質量%未満であると、顔料分散性が不十分となることがあり、10質量%より多いと、高湿下での帯電性が低下することがある。
前記質量平均分子量が、500未満であると、極性が高くなり、着色剤の分散性が低下することがあり、分子量が100,000を超えると、溶剤との親和性が高くなり、着色剤の分散性が低下することがある。
前記分散剤の添加量は、着色剤100質量部に対して1質量部〜50質量部であることが好ましく、5質量部〜30質量部であることがより好ましい。前記添加量が、1質量部未満であると分散能が低くなることがあり、50質量部を超えると、帯電性が低下することがある。
本発明では、定着時のオフセット防止を目的として離型剤としてワックス類を含有させることができる。
前記ワックス類としては、特に制限はなく、通常トナー用離型剤として使用されるものを適宜選択して使用することができるが、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう等の植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスの等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、などが挙げられる。
前記ワックスの融点としては、耐ブロッキング性と耐オフセット性のバランスを取るために、60℃〜140℃であることが好ましく、70℃〜120℃であることがより好ましい。前記融点が、60℃未満であると、耐ブロッキング性が低下することがあり、140℃を超えると、耐オフセット効果が発現しにくくなることがある。
本発明では、DSCにおいて測定されるワックスの吸熱ピークの最大ピークのピークトップの温度をもってワックスの融点とする。
前記ワックス又はトナーのDSC測定機器としては、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるものを用いる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性体、金属石鹸、等が挙げられる。
本発明で使用できる磁性体としては、例えば、(1)マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄、(2)鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金、(3)及びこれらの混合物、などが用いられる。
磁性体として具体的に例示すると、Fe3O4、γ−Fe2O3、ZnFe2O4、Y3Fe5O12、CdFe2O4、Gd3Fe5O12、CuFe2O4、PbFe12O、NiFe2O4、NdFe2O、BaFe12O19、MgFe2O4、MnFe2O4、LaFeO3、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも特に、四三酸化鉄、γ−三二酸化鉄の微粉末が好適に挙げられる。
前記異種元素は、磁性体生成時にそれぞれの異種元素の塩を混在させ、pH調整により、粒子中に取り込むことができる。また、磁性体粒子生成後にpH調整、あるいは各々の元素の塩を添加しpH調整することにより、粒子表面に析出することができる。
また、磁性体の磁気特性としては、10kエルステッド印加での磁気特性がそれぞれ、抗磁力20〜150エルステッド、飽和磁化50〜200emu/g、残留磁化2〜20emu/gのものが好ましい。
前記磁性体は、着色剤としても使用することができる。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。該帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のEー82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製);第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製);第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カ一リット社製);銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、などが挙げられる。
本発明のトナーには、流動性向上剤を添加してもよい。該流動性向上剤は、トナー表面に添加することにより、トナーの流動性を改善(流動しやすくなる)するものである。
前記流動性向上剤としては、例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤若しくはシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ、処理酸化チタン、処理アルミナ、などが挙げられる。これらの中でも、微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナが好ましく、また、これらをシランカップリング剤やシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカが更に好ましい。
前記流動性向上剤の粒径としては、平均一次粒径として、0.001μm〜2μmであることが好ましく、0.002μm〜0.2μmであることがより好ましい。
前記ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば、AEROSIL(日本アエロジル社製商品名、以下同じ)−130、−300、−380、−TT600、−MOX170、−MOX80、−COK84:Ca−O−SiL(CABOT社製商品名)−M−5、−MS−7、−MS−75、−HS−5、−EH−5;Wacker HDK(WACKER−CHEMIE GMBH社製商品名)−N20、−V15、−N20E、−T30、−T40:D−CFineSi1ica(ダウコーニング社製商品名):Franso1(Fransi1社製商品名)、などが挙げられる。
BET法で測定した窒素吸着による比表面積としては、30m2/g以上が好ましく、60m2/g〜400m2/gがより好ましい。
表面処理された微粉体としては、20m2/g以上が好ましく、40m2/g〜300m2/gがより好ましい。
これらの微粉体の適用量としては、トナー粒子100質量部に対して0.03質量部〜8質量部が好ましい。
記録紙等にトナーを転写した後、静電潜像担持体や一次転写媒体に残存するトナーの除去性を向上させるためのクリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合によって製造されたポリマー微粒子、などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好ましい。
これらの流動性向上剤やクリーニング性向上剤等はトナーの表面に付着乃至は固定化させて用いられるため、外添剤とも呼ばれており、トナーに外添する方法としては各種の粉体混合機等が用いられる。例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、などが挙げられ、固定化も行う場合はハイブリタイザー、メカノフュージョン、Qミキサー等が挙げられる。
また、粒度分布(体積平均粒径/個数平均粒径)は、1.00〜1.10であることが好ましい。前記粒度分布が1.10を超えると、体積平均粒径が10μm以下のトナーではブレードクリーニングが困難である微粉が増加するため、ブレードクリーニング性が不良となることがある。
ここで、前記トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、例えば粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定することができる。
−キャリア−
前記キャリアとしては、通常のフェライト、マグネタイト等のキャリアも樹脂コートキャリアも使用することができる。
前記樹脂コートキャリアは、コア粒子と、該コア粒子表面を被覆(コート)する樹脂である被覆剤からなる。
樹脂コートキャリアにおいて、キャリアコアの表面を少なくとも樹脂被覆剤で被覆する方法としては、樹脂を溶剤中に溶解若しくは懸濁せしめて塗布したキャリアコアに付着せしめる方法、あるいは単に粉体状態で混合する方法が適用できる。
前記樹脂コートキャリアに対する被覆剤の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、樹脂コートキャリアに対し0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.1質量%〜1質量%がより好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、含窒素シリコーン樹脂及び含窒素シランカップリング剤と、シリコーン樹脂とが反応することにより生成された、変性シリコーン樹脂が挙げられる。
また、これらの磁性材料に含まれる元素としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムが挙げられる。これらの中でも特に、銅、亜鉛、及び鉄成分を主成分とする銅−亜鉛−鉄系フェライト、マンガン、マグネシウム及び鉄成分を主成分とするマンガン−マグネシウム−鉄系フェライトが好適に挙げられる。
前記キャリアの粒径としては、4μm〜200μmが好ましく、10μm〜150μmがより好ましく、20μm〜100μmが更に好ましい。特に、樹脂コートキャリアは、50%粒径が20μm〜70μmであることが好ましい。
2成分系現像剤では、キャリア100質量部に対して、本発明のトナー1質量部〜50質量部で使用することが好ましく、キャリア100質量部に対して、トナー2質量部〜20質量部で使用するのがより好ましい。
トナー組成液を気相中で液滴化する方法は、液体を加圧してノズルから噴霧する一流体ノズル(加圧ノズル)や液体と圧縮気体を混合して噴霧する多流体スプレーノズル、回転する円盤を用いて液体を遠心力により液滴化する回転円盤型噴霧機が知られているが、小粒径のトナーを得るためには、多流体スプレーノズル及び回転円盤型噴霧機が好ましい。
前記多流体スプレーノズルとしては、外部混合二流体ノズルが一般的であるが、更なる微粒化や粒度の均一性を得るため、内部混合二流体ノズルや四流体ノズルといったさまざまな改良が検討されている。回転円盤型噴霧機も同様の狙いから、円盤形状を皿型や椀型、多翼型といった改良が検討されている。
本発明においては、上記の多流体スプレーノズルや回転円盤型噴霧機を用いることにより液滴化手段として用いることができる。
しかし、これらの製造方法で得られるトナーは粒度分布が広く分級を必要とする場合がある。
本発明者らは、この欠点を改良した、均一な粒度のトナーを得る製造方法として、複数の均一径ノズルを有する薄膜からトナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出し、液滴化する周期的液滴化方法を知見した。
本発明のトナーの製造に際しては、上記のトナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出し、液滴化する周期的液滴化方法を採用することが好ましい。
前記機械的振動手段を用いることにより、多流体スプレーノズルや回転円盤型噴霧機を用いる場合に比べて、トナーの異形化の度合いを大きくすることができるという効果が得られる。
一つは、複数のノズルを有する薄膜に対して平行振動面を有し、垂直方向に縦振動する機械的手段(機械的縦振動手段)を用いる方式であり、他の一つは、複数のノズルを有する薄膜の周囲に円環状に形成された機械的振動手段(円環状機械的振動手段)を設ける方式である。
以下、各方式について説明する。
まず、ホーン式の振動手段を設けたトナー製造装置の一例について図1の模式的構成図を参照して説明する。
トナーの製造装置1は、少なくとも2種の結着樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液を液滴化して放出する液滴化手段としての液滴噴射ユニット2と、この液滴噴射ユニット2が上方に配置され、液滴噴射ユニット2から放出される液滴化されたトナー組成液の液滴を固化してトナー粒子Tを形成する粒子化手段としての粒子形成部3と、粒子形成部3で形成されたトナー粒子Tを捕集するトナー捕集部4と、トナー捕集部4で捕集されたトナー粒子Tがチューブ5を介して移送され、移送されたトナー粒子Tを貯留するトナー貯留手段としてのトナー貯留部6と、トナー組成液10を収容する原料収容部7と、この原料収容部7内から液滴噴射ユニット2に対してトナー組成液10を送液する配管(送液管)8と、稼動時などにトナー組成液10を圧送供給するためのポンプ9とを備えている。
図2は同液滴噴射ユニット2の概略断面説明図、図3は図2を下側から見た要部底面説明図である。
この液滴噴射ユニット2は、複数のノズル(吐出口)11が形成された薄膜12と、この薄膜12を振動させる機械的振動手段(以下「振動手段という)13と、薄膜12と振動手段13との間に少なくとも2種の結着樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液10を供給する貯留部(液流路)14を形成する流路部材15とを備えている。
振動手段13は、ノズル11を有する薄膜12に対して垂直方向の振動を与えるものであれば、どのような配置でもよいが、振動面13aと薄膜12とは平行に配置される。
図示した例では振動発生手段21と振動増幅手段22で構成される振動手段13としてホーン型振動子を用いており、このホーン型振動子は、圧電素子などの振動発生手段21の振幅を振動増幅手段22としてのホーン22Aで増幅することができるため、機械的振動を発生する振動発生手段21自体は小さな振動でよく、機械的負荷が軽減するために生産装置としての長寿命化につながる。
また、振動手段13としては、特に高強度なボルト締めランジュバン型振動子を用いることもできる。このボルト締めランジュバン型振動子は圧電セラミックスが機械的に結合されており、高振幅励振時に破損することがない。
この場合、振動面とは、前記複数のノズルを有する薄膜が貼り合わされた面と定義される。
図7に示す例は、振動手段80(13)として、振動発生部としての圧電体81及び振動増幅部としてのホーン82で構成されるホーン型振動子80を用いて、ホーン82の一部に貯留部(流路)14を形成したものである。この液滴噴射ユニット2は、ホーン型振動子80のホーン82に一体形成した固定部(フランジ部)83によって粒子形成部3(乾燥手段)の壁面に固定されていることが好ましい、振動の損失を防ぐ観点から、図示しない弾性体を用いて固定してもよい。
この液滴噴射ユニット2は、前述した例と同様に、ホーン型振動子として振動手段13を用いて、この振動発生手段13の周囲を囲んでトナー組成液10を供給する流路部材15を配置し、振動発生手段13のホーン22に薄膜12と対向する部分に貯留部14を形成している。更に、流路部材15の周囲に所要の間隔を置いて気流35を流す気流路37を形成する気流路形成部材36を配置している。なお、図示を簡略化するため、薄膜12のノズル11は1個で示しているが、前述したように複数個設けられている。また、図10に示すように、複数、例えば制御性の観点からは100〜1,000個の液滴噴射ユニット2を、粒子形成部3を構成する乾燥塔の上部に並べて配置する。これにより、より生産性の向上を図ることができる。
図11は図1に示す装置において液滴噴射ユニットをリング式のものに代えたものである。
リング式の液滴噴射ユニット2について図12〜図14を参照して説明する。なお、図12は同液滴噴射ユニット2の断面説明図、図13は図12を下側から見た要部底面説明図、図14は液滴化手段の概略断面説明図である。
この液滴噴射ユニット2は、少なくとも2種の樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液10を液滴化して放出させる液滴化手段16と、この液滴化手段16にトナー組成液10を供給する貯留部(液流路)14を形成した流路部材15とを備えている。
次に、この液滴化手段としての液滴噴射ユニット2による液滴形成のメカニズムについて説明する。
上述したように液滴噴射ユニット2は、貯留部14に臨む複数のノズル11を有する薄膜12に、機械的振動手段である振動手段13によって発生した振動を伝播させて、薄膜12を周期的に振動させ、比較的大面積(直径1mm以上)の領域に複数のノズル11を配置し、それら複数のノズル11より液滴を安定的に形成して放出することができるようになる。
また、図19、図20に示すような、より高次のモードが存在することが知られている。これらのモードは、円形膜内に、同心円状に節を1乃至複数持ち、実質的に軸対称な変形形状である。また、図21に示すように、中心部が凸形状12cとすることで液滴の進行方向を制御し、かつ振動振幅量を調整することが可能である。
Pac(r,t)=Zr・Vm(r,t) ・・・(1)
膜の振動速度Vmは時間とともに周期的に変動しているため時間の関数であり、例えばサイン波形、矩形波形など、様々な周期変動を形成することが可能である。また、前述のとおり、膜の各所で振動方向の振動変位は異なっており、Vmは、膜上の位置座標の関数でもある。本発明で用いられる膜の振動形態は、上述のとおり軸対象である。したがって、実質的には半径座標の関数となる。
気相へ周期的に排出されたトナー組成液は、液相と気相との表面張力差によって球体を形成するため、液滴化が周期的に発生する。
更には、前記音圧の変位量が、10kPa以上となることによって、上述の微粒子分散促進作用がより好適に発生する。
トナー組成液の条件を変更し、粘度20mPa・s以下、表面張力20mN/m乃至75mN/mの領域においてサテライトの発生開始領域が同様であったことから、前記音圧の変位量が、500kPa以下であることが必要となる。更に好適には、100kPa以下である。ここで、狙いの液滴径(主滴)が得られる振動変異に対して、変異が大きい場合は主滴に付随して小さな液滴が発生する場合があり、その小さな液滴をサテライトと呼んでいる。なお、振動変異が小さい場合も狙いより小さな液滴を生じるため、それも含めてサテライトと呼んでおり、本来得られる液滴径より明らかに小さい液滴のことを意味する。
ノズルを有する薄膜は、先にも述べたように、トナー用材料の溶解乃至分散液を、吐出させて液滴とする部材である。
この薄膜12の材質、ノズル11の形状としては、特に制限はなく、適宜選択した形状とすることができるが、例えば、薄膜12は厚み5μm〜500μmの金属板で形成され、かつ、ノズル11の開口径が3μm〜35μmであることが、ノズル11からトナー組成液10の液滴を噴射させるときに、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させる観点から好ましい。なお、前記ノズル11の開口径は、真円であれば直径を意味し、楕円であれば短径を意味する。また、複数のノズル11の個数は、2〜3000個が好ましい。
液滴から溶剤を除去する乾燥工程は、加熱した乾燥窒素などの気体中に液滴を放出し行われる。必要であれば、更に流動床乾燥や真空乾燥といった二次乾燥が行われる。
−着色剤分散液の調製−
まず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。
カーボンブラック(Regal400、Cabot社製)17質量部、顔料分散剤3質量部を、酢酸エチル80質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。
該顔料分散剤としては、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ株式会社製)を使用した。得られた一次分散液を、ダイノーミルを用いて強力なせん断力により細かく分散し、5μm以上の凝集体を完全に除去した二次分散液を調製した。
次に、ワックス分散液を調製した。
カルナバワックス18質量部、及びワックス分散剤2質量部を、酢酸エチル80質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。この一次分散液を攪拌しながら80℃まで昇温しカルナバワックスを溶解した後、室温まで液温を下げ最大径が3μm以下となるようワックス粒子を析出させた。ワックス分散剤としては、ポリエチレンワックスにスチレン−アクリル酸ブチル共重合体をグラフト化したものを使用した。得られた分散液を、更にダイノーミルを用いて強力なせん断力により細かく分散し、最大径が2μm以下なるように調整した。
次に、下記に示した結着樹脂としての樹脂、上記着色剤分散液及び上記ワックス分散液を添加し、攪拌羽を有するミキサーを使用して10分間攪拌を行い、均一に分散させて固形分15質量%のトナー組成分散液を調製した。
・ポリエステル樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液・・・325質量部
・スチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液・・・108質量部
・着色剤分散液・・・42質量部
・ワックス分散液・・・25質量部
・酢酸エチル・・・167質量部
ただし、ポリエステル樹脂の質量平均分子量は6.1万、ガラス転移温度は60℃、スチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂の質量平均分子量は5.5万、ガラス転移温度は61℃であった。
なお、ポリエステル樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液325質量部、及びスチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液108質量部を混合し、透明なPETフィルムにワイヤーバーを用いて塗布し、乾燥させると、塗膜は白濁しており、互いに非相溶であることが確認された。
得られたトナー組成分散液をノズル径250μmの二流体ノズルを用いて空気圧0.1MPaにて45℃の窒素中に噴霧し、サイクロンで捕集した後、40℃で3日間送風乾燥を行い、黒色微粒子を得た。
更にこの黒色微粒子を風力分級機にて微粉分級を行った後、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0質量%をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて外添処理を行い、ブラックトナーaを作製した。
得られたブラックトナーaの平均円形度、体積平均粒径Dv、及び個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnを以下のようにして測定したところ、平均円形度は0.98、体積平均粒径Dvは5.9μm、個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnが、1.28であった。結果を表1に示す。
フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製)により、各トナーの平均円形度を測定した。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩)を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加えた。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定して、平均円形度を求めた。
各トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。
具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A;第一工業製薬株式会社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いで、イオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。得られた粒度分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。粒度分布の指標としては、トナーの体積平均径(Dv)を個数平均粒径(Dn)で除したDv/Dnを用いる。完全に単分散であれば1となり、数値が大きいほど分布が広いことを意味する。
・シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)・・・100質量部
・トルエン・・・100質量部
・γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン・・・5質量部
・カーボンブラック・・・10質量部
上記混合物をホモミキサーで20分間分散し、コート層形成液を調整した。このコート層形成液を流動床型コーティング装置を用いて、粒径50μmの球状マグネタイト1000質量部の表面にコーティングして磁性キャリアAを得た。
トナーa 4質量部に対して、上記磁性キャリアA 96質量部をボールミルで混合し、二成分現像剤を作製した。
実施例1において、二流体ノズルを回転円盤型ノズルに変えた以外は、実施例1と同様にして、ブラックトナーb及び現像剤を作製した。
得られたブラックトナーbの実施例1と同様にして測定した平均円形度は0.97であり、体積平均粒径Dvは5.8μm、個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnが、1.23であった。結果を表1に示す。
実施例1において、二流体ノズルを図11に示したトナー製造装置(複数の均一径ノズルを有する薄膜の周囲に機械的振動手段を円環状に形成)に変えた以外は、実施例1と同様にして、ブラックトナーc及び現像剤を作製した。
得られたブラックトナーcの実施例1と同様にして測定した平均円形度は0.96であり、体積平均粒径Dvは5.1μm、個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnが、1.09であった。この異形化の度合いは実施例1,2に比べて大きなものである。結果を表1に示す。
なお、使用した薄膜は、外径8.0mmで厚み20μmのニッケル板に、真円形状の直径8μmの吐出孔(ノズル)を、電鋳法による加工で作製した。吐出孔は各吐出孔間の距離が100μmとなるように千鳥格子状に、薄膜の中心の直径5mmの範囲にのみ設けた。
圧電体としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を積層して使用し、振動周波数は100kHzとした。
実施例1において、二流体ノズルを図1に示したトナー製造装置(複数の均一径ノズルを有する薄膜に対して平行振動面を垂直方向に縦振動させる方式)に変えた以外は、実施例1と同様にして、ブラックトナーd及び現像剤を作製した。
得られたブラックトナーdの実施例1と同様にして測定した平均円形度は0.96であり、体積平均粒径Dvは4.8μm、個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnが、1.05であった。この異形化の度合いは実施例1,2に比べて大きなものである。結果を表1に示す。
なお、使用した薄膜は、外径8.0mmで厚み20μmのニッケル板に、真円形状の直径8μmの吐出孔(ノズル)を、電鋳法による加工で作製した。吐出孔は各吐出孔間の距離が100μmとなるように千鳥格子状に、薄膜の中心の直径5mmの範囲にのみ設けた。
圧電体としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を積層して使用し、振動周波数は180kHzとした。
実施例4において、トナー組成分散液の処方量を下記の値に変え、固形分を5質量%に変えた以外は、実施例4と同様にして、ブラックトナーe及び現像剤を作製した。
得られたブラックトナーeの実施例1と同様にして測定した平均円形度は0.95であり、体積平均粒径Dvは3.9μm、個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnが、1.04であった。結果を表1に示す。
・ポリエステル樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液・・・325質量部
・スチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液・・・108質量部
・着色剤分散液・・・42質量部
・ワックス分散液・・・25質量部
・酢酸エチル・・・1500質量部
実施例4において、トナー組成分散液の処方量を下記の値に変え、固形分を40質量%に変えた以外は、実施例4と同様にして、ブラックトナーf及び現像剤を作製した。
得られたブラックトナーfの実施例1と同様にして測定した平均円形度は0.97であり、体積平均粒径Dvは6.8μm、個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnが、1.07であった。結果を表1に示す。
・ポリエステル樹脂の固形分50質量%酢酸エチル溶液・・・130質量部
・スチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂の固形分50質量%酢酸エチル溶液・・・43質量部
・着色剤分散液・・・42質量部
・ワックス分散液・・・25質量部
・酢酸エチル・・・10質量部
なお、ポリエステル樹脂の固形分50質量%酢酸エチル溶液130質量部、及びスチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂の固形分50質量%酢酸エチル溶液43質量部を混合し、透明なPETフィルムにワイヤーバーを用いて塗布し、乾燥させると、塗膜は白濁しており、互いに非相溶であることが確認された。
実施例4において、トナー組成分散液の処方量を下記の値に変え、ポリエステル樹脂とスチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂との質量比率を50/50に変えた以外は、実施例4と同様にして、ブラックトナーg及び現像剤を作製した。
得られたブラックトナーgの実施例1と同様にして測定した平均円形度は0.96であり、体積平均粒径Dvは4.6μm、個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnが、1.05であった。結果を表1に示す。
・ポリエステル樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液・・・217質量部
・スチレン-アクリル酸nブチル共重合樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液・・・217質量部
・着色剤分散液・・・42質量部
・ワックス分散液・・・25質量部
・酢酸エチル・・・167質量部
なお、ポリエステル樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液217質量部、及びスチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液217質量部を混合し、透明なPETフィルムにワイヤーバーを用いて塗布し、乾燥させると、塗膜は白濁しており、互いに非相溶であることが確認された。
実施例4において、トナー組成分散液の処方量を下記の値に変え、ポリエステル樹脂とスチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂との質量比率を25/75に変えた以外は、実施例4と同様にして、ブラックトナーh及び現像剤を作製した。
得られたブラックトナーhの実施例1と同様にして測定した平均円形度は0.97であり、体積平均粒径Dvは4.5μm、個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnが、1.05であった。結果を表1に示す。
・ポリエステル樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液・・・108質量部
・スチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液・・・325質量部
・着色剤分散液・・・42質量部
・ワックス分散液・・・25質量部
・酢酸エチル・・・167質量部
なお、ポリエステル樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液108質量部、及びスチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液325質量部を混合し、透明なPETフィルムにワイヤーバーを用いて塗布し、乾燥させると、塗膜は白濁しており、互いに非相溶であることが確認された。
実施例4のトナー組成分散液の処方におけるポリエステル樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液をポリオール樹脂の固形分20%酢酸エチル溶液に変えた以外は、実施例4と同様にして、ブラックトナーi及び現像剤を作製した。
得られたブラックトナーiの実施例1と同様にして測定した平均円形度は0.96であり、体積平均粒径Dvは4.7μm、個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnが、1.05であった。結果を表1に示す。
ポリオール樹脂とは、エポキシ骨格を有するポリエーテルポリオール樹脂をいい、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エチレンオキサイド付加体のグリシジル化物、ビスフェノールF、p−クミルフェノールを用い窒素雰囲気下で175℃の反応温度で10時間重合し得られ、GPCによる質量平均分子量が21000、質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は4.2であった。
なお、ポリオール樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液325質量部、及びスチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液108質量部を混合し、透明なPETフィルムにワイヤーバーを用いて塗布し、乾燥させると、塗膜は白濁しており、互いに非相溶であることが確認された。
実施例4のトナー組成分散液の処方のスチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液をスチレン−ブタジエン共重合樹脂の固形分20%酢酸エチル溶液に変えた以外は、実施例4と同様にして、ブラックトナーj及び現像剤を作製した。
得られたブラックトナーjの実施例1と同様にして測定した平均円形度は0.97であり、体積平均粒径Dvは5.0μm、個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnが、1.06であった。結果を表1に示す。
攪拌機、及びジャケットを備えた10Lの耐圧重合槽内に、酢酸エチル4800質量部、及びスチレンモノマー1131質量部を添加し、攪拌しながら約−8℃まで冷却した。更に冷却した液化ブタジエンモノマー169質量部を添加し十分に攪拌した。
更に塩化第一鉄の粉末0.15質量部とt−ヘキシルペルオキシベンゾネート23.4質量部を加え、攪拌し、圧力を保持したまま65℃まで昇温し12時間保った。その後、一旦10℃まで冷却し、常圧にパージした。更に昇温し酢酸エチル還流下の元3時間熟成し、冷却してスチレン−ブタジエン樹脂の酢酸エチル溶液を得た。得られたスチレン−ブタジエン樹脂は、熱分解ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、スチレン分88%、ブタジエン分12%で、固形分20.5質量%であった。GPCによる分子量は、質量平均分子量が34,000で、ガラス転移温度は57℃であった。
なお、ポリエステル樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液325質量部、及びスチレン−ブタジエン共重合樹脂の固形分20%酢酸エチル溶液108質量部を混合し、透明なPETフィルムにワイヤーバーを用いて塗布し、乾燥させると、塗膜は白濁しており、互いに非相溶であることが確認された。
実施例4において、トナー組成分散液の処方量を下記の値に変え、結着樹脂をポリエステル樹脂のみに変えた以外は、実施例4と同様にして、ブラックトナーk及び現像剤を作製した。
得られたブラックトナーkの実施例1と同様にして測定した平均円形度は1.00であり、体積平均粒径Dvは4.6μm、個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnが、1.04であった。結果を表1に示す。
・ポリエステル樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液・・・434質量部
・着色剤分散液・・・42質量部
・ワックス分散液・・・25質量部
・酢酸エチル・・・167質量部
実施例4において、トナー組成分散液の処方量を下記の値に変え、結着樹脂をスチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂のみに変えた以外は、実施例4と同様にして、ブラックトナーl及び現像剤を作製した。
得られたブラックトナーlの実施例1と同様にして測定した平均円形度は0.99であり、体積平均粒径Dvは5.0μm、個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnが、1.06であった。結果を表1に示す。
・スチレン−アクリル酸nブチル共重合樹脂の固形分20質量%酢酸エチル溶液・・・434質量部
・着色剤分散液・・・42質量部
・ワックス分散液・・・25質量部
・酢酸エチル・・・167質量部
各現像剤を、市販の複写機(イマジオネオC325、株式会社リコー製)に入れ、画像面積率30%の画像を現像し、転写紙に転写後、感光体に残存する転写残のトナーをクリーニングブレードでクリーニングしている最中に複写機を停止させ、クリーニング工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で10箇所測定し、その平均値と単にテープを白紙に貼った時の測定結果との差を求め、下記基準により評価した。なお、クリーニングブレードは2万枚クリーニング後のものを用いた。
〔評価基準〕
◎(極めて良好):差が0.01以下
○(良好):差が0.015以下
×(不良):差が0.015を超える
2 液滴噴射ユニット
3 粒子形成部(溶媒除去部)
4 トナー捕集部
5 チューブ
6 トナー捕集部
7 原料収容部
8 配管
9 ポンプ
10 トナー組成液
11 ノズル
12 薄膜
13 振動手段
13a 振動面
14 貯留部
15 流路部材
16 液滴化手段
17 振動発生手段(電気機械変換手段)
18 液供給チューブ
19 気泡排出チューブ
20 支持部材
21 振動発生手段
21A 圧電体
22 振動増幅手段
22A ホーン
23 駆動回路(駆動信号発生源)
24 通信手段
31 液滴
35 気流
36 気流路形成部材
37 気流路
80 ホーン型振動子
81 圧電体
82 ホーン
83 固定部
90 ランジュバン型振動子
91 圧電体
92 ホーン
T トナー粒子
Claims (12)
- 少なくとも2種の結着樹脂、及び着色剤を有機溶剤に溶解乃至分散したトナー組成液を気相中で液滴化し、該液滴を固化して製造されるトナーにおいて、
前記少なくとも2種の結着樹脂が、互いに相溶しない樹脂Aと、樹脂Bとを少なくとも含有し、前記トナーの平均円形度が0.93〜0.98であることを特徴とするトナー。 - トナー組成液の固形分量が、5質量%〜40質量%である請求項1に記載のトナー。
- 樹脂Aが、ポリエステル系樹脂及びポリオール系樹脂のいずれかである請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
- 樹脂A及び樹脂Bが、いずれもポリエステル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル系樹脂、並びにポリオール系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル系樹脂のいずれかである請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
- トナー組成液が、離型剤を含有する請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
- 体積平均粒径が1μm〜10μmであり、かつ粒度分布(体積平均粒径/個数平均粒径)が、1.00〜1.10である請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1から6のいずれかに記載のトナーを製造する方法であって、
互いに相溶しない樹脂Aと樹脂Bとを含有する結着樹脂、及び着色剤を有機溶剤に溶解乃至分散したトナー組成液を気相中で液滴化する液滴化工程と、
得られた液滴を固化する固化工程と、を少なくとも含むことを特徴とするトナーの製造方法。 - 液滴化工程が、多流体スプレーノズルを用いて行われる請求項7に記載のトナーの製造方法。
- 液滴化工程が、回転円盤型噴霧機を用いて行われる請求項7に記載のトナーの製造方法。
- 液滴化工程が、トナー組成物を分散乃至溶解させたトナー組成液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜から前記トナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出して液滴化する周期的液滴化工程であり、前記機械的振動手段が、前記薄膜のノズルを設けた領域の周囲に円環状に形成された振動発生手段である請求項7に記載のトナーの製造方法。
- 液滴化工程が、トナー組成物を分散乃至溶解させたトナー組成液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜から前記トナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出して液滴化する周期的液滴化工程であり、前記機械的振動手段が、前記薄膜に対して平行振動面を有し、該振動面が垂直方向に縦振動する振動手段である請求項7に記載のトナーの製造方法。
- 請求項7から11のいずれかに記載のトナーの製造方法により製造されたことを特徴とするトナー。
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