JP4356212B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式や静電印刷方式等を採用したプリンターや複写機に用いられる静電潜像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
静電潜像現像用トナーは、製造容易性の観点から、粉砕法により製造されるのが一般的である。粉砕法とは、少なくともバインダー樹脂および着色剤を溶融、混練し、冷却した後、粗粉砕および微粉砕し、所望により分級して所望粒径のトナー粒子を得る方法である。しかしながら、近年のフルカラー化および高画質化の要求に応えるべく上記粉砕法を採用して小粒径のトナー粒子を効率良く生産することは困難であった。混練前のトナー組成物にいわゆる粉砕助剤(バインダー樹脂より脆い樹脂)を添加すると、トナー組成物の粉砕性が向上することが知られているが、トナーの基本性能、例えば、帯電性、耐熱性、定着性に悪影響が及んで問題となっていた。
【0003】
そこで、例えば、特開平4-257868号公報ではスチレン-ブタジエン系樹脂等の結着樹脂にC7〜C10の芳香族石油樹脂を含有させる技術が、特開平8-278658号公報ではバインダー樹脂に水素添加率が50%以上の水添石油樹脂を含有させる技術が、特開平11-65161号公報では結着樹脂にスチレン系モノマーとインデン系モノマーとを含む共重合体を含有させる技術が、特開平11-72956号公報では結着樹脂に脂肪族炭化水素と炭素数9以上の芳香族炭化水素とを含む共重合体を含有させる技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の技術では上記トナーの基本性能の低下を十分に防止することはできなかった。特に、上記技術によるトナーを用いると、耐刷時にトナー粒子の破壊が起こり、粒子片が各種部材に固着したり、キャリアにスペントしたりして、帯電安定性の低下が顕著であった。また、上記技術におけるトナー組成物は粉砕され易いものの、微小粒子や大径粒子が発生し易いために所望粒径のトナー粒子が効率よく得られ難く、トナー生産性(収率)に問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、帯電立ち上がり性、帯電安定性、耐熱保管性、定着性、画質性および生産性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
【0006】
本発明はまた、フルカラー画像形成、クリーナレスシステムおよびトナーリサイクルシステムに適用可能であって、比較的高い円形度を有し、形状が比較的揃った静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくともバインダー樹脂(A)、重量平均分子量1000〜3000および重量平均分子量/数平均分子量2.0以下の重合体(B)、および着色剤を含むトナー粒子からなる静電荷像現像用トナーであって、重合体(B)がトナー粒子の中心部と比較してトナー粒子の表層部に密に分散していることを特徴とする静電荷像現像用トナーに関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のトナーを構成するトナー粒子はバインダー樹脂(A)中に少なくとも着色剤および重合体(B)が分散されてなり、特に重合体(B)がトナー粒子の中心部と比較してトナー粒子の表層部に密に分散した構成を有する。好ましくは、重合体(B)はトナー粒子表面に露出している。
【0009】
本発明においては、上記トナー粒子構成を実現することによって、帯電立ち上がり性、帯電安定性、耐熱保管性、定着性および画質性等のトナーの基本性能を低下させることなく、トナーの生産性を向上させることができる。
【0010】
トナー粒子中において重合体(B)が中心部と比較して表層部に密に分散されていないと、すなわち重合体(B)がトナー粒子中、均一に分散されていたり、またはトナー粒子中心部に密に分散されていたりすると、本発明の効果を得ることができない。すなわち、トナー粒子が破壊され易く、粒子片が各種ブレードやキャリアにスペント(付着)するため、初期から所望の帯電量が得られ難く、耐刷時にはかぶりの発生が顕著になる。また、そのようなトナー粒子はその製造過程で粉砕性が悪く、所望の粒径に粉砕するためには大きなエネルギーを必要とし、またその際一部が過粉砕となって所望の粒径より小さな微小粒子の発生が増加し、また逆に大径粒子が混入しやすくなり、その結果粉砕粒径の分布がブロードとなりトナー収率が低下する。
【0011】
本発明のトナーを構成するトナー粒子が、重合体(B)がトナー粒子の中心部と比較してトナー粒子の表層部に密に分散した構成を有することは、以下の知見に基づいて容易に理解され得る。
▲1▼得られたトナー粒子をスライスしたものをTEM(透過型電子顕微鏡;10000倍)観察したところ重合体(B)は粒子の中心部と比較して粒子の表層部に密に分散していた。
▲2▼たとえ使用されたバインダー樹脂(A)のガラス転移点(Tg)が比較的低くても、重合体(B)としてTgが比較的高い材料を用いると、耐熱保管性の低下は有効に抑制された。
【0012】
上記のような構成を有する本発明のトナーは、バインダー樹脂(A)より粉砕性の高い重合体(B)を適切な添加量でかつ適切な粒径でバインダー樹脂(A)中に分散させることによって製造され得る。詳しくは、本発明のトナーは、粉砕法を採用し、かつバインダー樹脂(A)と重合体(B)との粉砕性および溶融混練後冷却して得られる混練物中の重合体(B)の分散状態を制御することによって得ることができる。
【0013】
本発明において使用される重合体(B)は重量平均分子量(Mw)が1000〜3000、好ましくは1000〜2800、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が2.0以下、好ましくは1.9以下である。重合体(B)のMwが1000未満であると、重合体(B)が表層部に密に分散されたトナー粒子が得られないだけでなく、重合体(B)のガラス転移点が低くなるため、比較的高い温度でトナーを放置したときの保管性(耐熱保管性)が悪化し、実用上使用が困難となる。また、当該重合体中に揮発成分、例えば、アセトン、ベンゼン、モノマー等が残留し易いため、トナー製造時や画像形成時に当該成分が揮発して安全性や臭気が問題となる。すなわち、重合体(B)樹脂のトータルVOCが1000ppmを超え、実用的に使用することが困難となる。一方、Mwが3000を越えると、本材料自身の粉砕性が悪くなり、本材料を用いることによる粉砕性の向上効果が認められなくなる。また、トナー粒子中における重合体(B)の分散粒径が比較的大きくなるため、カラートナーとして用いたときのOHP透光性が悪化する。また、所望とする粉砕性が確保できなくなると共に粉砕面が重合体(B)が密とならず不均一面で形成される。このため、帯電性が悪化し、また耐ストレス性が低下し一成分評価で固着が発生する。
【0014】
本明細書中、重合体または樹脂のMwおよびMnはゲルパーミエーションクロマトグラフィ(807-IT型;日本分光工業社製)によって測定された値を用いている。
【0015】
そのような重合体(B)は粉砕性指数0.1〜1.0、好ましくは0.2〜0.6を有することが望ましい。粉砕性指数とは粉砕され易さを表すひとつの指標であり、当該値が小さいほど粉砕され易いことを意味する。
【0016】
本明細書中、粉砕性指数は以下に従って測定された値を用いている。体積平均粒径2mm程度の試料を機械式粉砕機(KTM-0型:川崎重工業社製)で処理量F(5kg/h)、KTM回転数12000(rpm)にて粉砕する際に、試料通過無し時の負荷動力値W0と試料を通過させた時の負荷動力値W1を記録する。その後、KTM粉砕で得られた粉砕物の体積平均粒径D(μm)をコールタマルチサイザーII(コールターベックマン社製)にて測定する。得られた値から下記式に基づいて粉砕性指数を算出する。
粉砕性指数=(D×(W1-W0))/F
【0017】
また、重合体(B)のガラス転移点(Tg)は50℃以上、好ましくは55〜85℃、より好ましくは60〜80℃であることが望ましい。Tgが低すぎると、耐熱保管性が悪化する。本発明においては重合体(B)がトナー粒子表層部に局在する構成を達成するため、たとえバインダー樹脂(A)のTgが比較的低くてトナーの耐熱保管性が問題となる場合であっても、重合体(B)のTgを上記範囲内に制御することによって一定のトナー耐熱保管性を確保できる。重合体(B)の軟化点は110〜150℃、好ましくは120〜145℃であることが望ましい。
【0018】
本明細書中、重合体または樹脂のガラス転移点は示差走査熱量計(DSC−200:セイコー電子社製)を用いて、リファレンスをアルミナとし、10mgの試料を昇温速度10℃/minの条件で20〜120℃の間で測定し、メイン吸熱ピークのショルダー値をガラス転移点としている。
また、軟化点はフローテスター(CFT-500:島津製作所社製)を用い、ダイスの細孔(径1mm、長さ1mm)、加圧20kg/cm2、昇温速度6℃/minの条件下で1cm3の試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度を軟化点としている。
【0019】
重合体(B)の種類としては、重合体(B)がバインダー樹脂(A)と溶融混練されても相溶せず、かつバインダー樹脂(A)と粉砕性が異なる限り、特に制限されず、例えば、公知の芳香族モノマーおよび/または脂肪族モノマーの単独重合体または共重合体が使用できる。ここで「バインダー樹脂(A)と粉砕性が異なる」とは、重合体(B)の粉砕性指数がバインダー樹脂(A)の粉砕性指数より0.5以上、好ましくは0.7以上小さいことを意味する。そのような粉砕性指数の関係を有する重合体(B)およびバインダー樹脂(A)を用いないと、粉砕工程においてランダムに粉砕面が生じることになり、重合体(B)の分散粒子の繋がりで粉砕が起こらず、重合体(B)の分散粒子がトナー粒子中央部と比較してトナー粒子表層部に密に分散してなるトナー粒子を得ることができない。
【0020】
芳香族モノマーとしては一般式(1);
【化1】
(式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基であり、好ましくは水素原子、塩素原子、臭素原子、またはメチル基である)で表されるスチレン系モノマーと、一般式(2);
【化2】
(式中、R5、R6およびR7はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜6のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基であり、好ましくは水素原子、塩素原子、臭素原子、またはメチル基である)で表されるインデン系モノマーが挙げられる。
【0021】
スチレン系モノマーの具体例としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン、β−メチルスチレン、1−プロペニルトルエン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、α−クロロスチレン、β−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、α−ブロモスチレン、β−ブロモスチレン等が挙げられ、好ましくはスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン、β−メチルスチレン、1−プロペニルトルエン、より好ましくはスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン、さらに好ましくはスチレン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエンである。
インデン系モノマーの具体例としては、例えば、インデン、メチルインデン、エチルインデン等が挙げられ、これらの中でもインデンが特に好ましい。この場合、純度の高いピュアモノマーを使用することが樹脂の着色、臭気、VOC量を低く抑える上で好ましい。
芳香族モノマーは単独でまたは組み合わせて用いてもよい。
【0022】
脂肪族モノマーの具体例としては、上記芳香族モノマーと重合可能であれば特に制限されず、例えば、イソプレン、ピペリレン、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、クロロプレン、2-ブロモ-1,3-ブタジエン等のジオレフィン系モノマー;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、2−メチル−ブテン−1、2−メチルブテン−2等のモノオレフィン系モノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸3−(メチル)ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステル系モノマー;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸3−(メチル)ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル系モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸系モノマー;アクリロニトリル、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルメチルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルおよびビニルイソブチルエーテル等が挙げられる。好ましくはモノオレフィン系モノマーおよびジオレフィン系モノマーであり、より好ましくはイソプレン、ピペリレン、2−メチル−ブテン−1、2−メチルブテン−2、さらに好ましくはイソプレンである。
脂肪族モノマーは単独でまたは組み合わせて用いてもよい。
【0023】
上記のようなモノマーからなる重合体(B)の中でも、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエンおよびインデン、好ましくはスチレン、α−メチルスチレンおよびイソプロペニルトルエンからなる芳香族モノマー、および/またはイソプレン、ピペリレン、2−メチル−ブテン−1および2−メチルブテン−2、好ましくはイソプレンからなる脂肪族モノマーの単独重合体または共重合体を用いることが好ましい。
【0024】
そのような好ましい重合体(B)として、石油類のスチームクラッキングによりエチレン、プロピレンなどを製造するプラントから副生された分解油留分に含まれるジオレフィンおよびモノオレフィンを原料として合成されたものが好ましく使用され得る。
【0025】
本発明においてより好ましくは、少なくともスチレンおよび/またはα−メチルスチレンを構成単位として含む重合体(B)を用いる。そのような重合体(B)の具体例として、例えば、ポリスチレン、ポリ-α-メチルスチレン、スチレン-α-メチルスチレン共重合体、α-メチルスチレン−イソプロペニルトルエン−イソプレン共重合体、スチレン−p−イソプロペニルトルエン−イソプレン共重合体等が挙げられ、好ましくはポリスチレン、ポリ-α-メチルスチレンである。重合体(B)における重合重量比は特に制限されないが、スチレンおよび/またはα−メチルスチレンの全モノマーに対する割合は50〜100重量%、好ましくは60〜100重量%であることが望ましい。
【0026】
重合体(B)としてポリスチレンを用いる場合、その重量平均分子量は1000〜2000であることがさらに好ましい。
また重合体(B)としてポリ-α-メチルスチレンを用いる場合、その重量平均分子量は2000〜2800であることがさらに好ましい。
【0027】
バインダー樹脂(A)の種類としては、上記したような重合体(B)との不相溶性および粉砕性の関係を有する限り特に制限されず、静電潜像現像用トナーの分野で公知のバインダー樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、COC(環状オレフィン樹脂(例えば、TOPAS-COC(Ticona社製)))等が挙げられる。高性能な透光性を必要とするフルカラートナーにおいては、ポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。また、オイル塗布タイプの定着装置を用いる場合においてはポリエステル系樹脂が、定着時のオイル塗布を必要としないあるいは微量のオイル塗布で定着するシステムにおいてはポリエステル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、COC(環状オレフィン樹脂(Ticona社製:TOPAS-COC))が好ましく使用される。
【0028】
本発明においてポリエステル系樹脂としては、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させることにより得られたポリエステル樹脂が使用可能である。
多価アルコール成分のうち2価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0029】
また、多価カルボン酸成分のうち2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物あるいは低級アルキルエステルが挙げられる。
【0030】
3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸,1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
【0031】
また、本発明においてはポリエステル系樹脂として、ポリエステル樹脂の原料モノマーと、ビニル系樹脂の原料モノマーと、両方の樹脂の原料モノマーと反応するモノマーとの混合物を用い、同一容器中でポリエステル樹脂を得る縮重合反応およびビニル系樹脂を得るラジカル重合反応を並行して行わせて得られた樹脂も好適に使用可能である。なお、両方の樹脂の原料モノマーと反応するモノマーとは、換言すれば縮重合反応およびラジカル重合反応の両反応に使用し得るモノマーである。即ち縮重合反応し得るカルボキシ基とラジカル重合反応し得るビニル基を有するモノマーであり、例えばフマル酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
【0032】
ポリエステル樹脂の原料モノマーとしては上述した多価アルコール成分および多価カルボン酸成分が挙げられる。
またビニル系樹脂の原料モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレンまたはスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン系不飽和モノオレフィン類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸3−(メチル)ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸3−(メチル)ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸;アクリロニトリル、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルメチルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルおよびビニルイソブチルエーテル等が挙げられる。ビニル系樹脂の原料モノマーを重合させる際の重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネート、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。
【0033】
バインダー樹脂(A)は酸価が2〜50KOHmg/g、好ましくは5〜40KOHmg/gであることが望ましい。特に、ポリエステル系樹脂を用いる場合このような酸価を有する樹脂を用いることによって、カーボンブラックや各種着色剤等の分散性を向上させるとともに、十分な帯電量を有するトナーとすることができる。
【0034】
酸価は、10mgの試料をトルエン50mlに溶解し、0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用いて、予め標定されたN/10水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定し、N/10水酸化カリウム/アルコール溶液の消費量から算出した値である。
【0035】
耐熱保管性、ドット再現性、色再現性、OHP透光性、着色剤やワックス等のトナー成分の分散性、ならびに帯電特性における環境安定性、特に高温高湿環境下での帯電安定性のさらなる向上の観点から、オイル塗布タイプの定着装置を用いる場合においては酸価が5〜50KOHmg/gであり、かつMnが2000〜5000、Mw/Mnが1.6〜6、Tgが50〜70℃、Tmが80〜120℃であるバインダー樹脂を用いることが好ましく、また定着時のオイル塗布を必要としないあるいは微量のオイル塗布で定着するシステムにおいては酸価が5〜50KOHmg/gであり、かつMnが1000〜10000、Mw/Mnが5〜30、Tgが50〜75℃、Tmが80〜160℃であるバインダー樹脂を用いることが好ましい。
【0036】
本発明においては、特にオイルレス定着用トナーとしての定着性および耐オフセット性をより向上させるため、あるいは、透光性を必要とするフルカラートナーにおいて画像の光沢性をより有効に制御するために、ポリエステル系樹脂として軟化点の異なる2種類のポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。定着性をより向上させるために軟化点が95〜120℃の第1ポリエステル系樹脂を使用し、耐オフセット性をより向上させるために軟化点が130〜160℃の第2ポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。この場合に第1ポリエステル系樹脂の軟化点が95℃より低くなると耐オフセット性が低下したりドットの再現性が低下し、120℃より高いと定着性向上の効果が不十分となる。また第2ポリエステル系樹脂の軟化点が130℃より低いと耐オフセット性向上の効果が不十分となり、160℃より高くなると定着性が低下する。このような観点からより好ましい第1ポリエステル系樹脂の軟化点は100〜115℃で、第2ポリエステル系樹脂の軟化点は135〜155℃である。また第1および第2ポリエステル系樹脂のガラス転移点は50〜75℃、好ましくは55〜70℃とすることが望ましい。ガラス転移点が低いとトナーの耐熱性が不十分となる。また、高すぎると定着強度が不十分となる。
【0037】
第1ポリエステル系樹脂としては、上述した多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させて得られたポリエステル樹脂、特に多価アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を主成分とし、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸、フマル酸、ドデセニルコハク酸、ベンゼントリカルボン酸のみからなる群より選択される少なくとも1種を主成分として用いて得られたポリエステル樹脂が好ましい。
【0038】
また、第2ポリエステル系樹脂としては、上記第1ポリエステル系樹脂で示してなる組成に加えて、ポリエステル樹脂の原料モノマーと、ビニル系樹脂の原料モノマーと、両方の樹脂の原料モノマーと反応する両反応性モノマーとの混合物を用い、同一容器中でポリエステル樹脂を得る縮重合反応およびビニル系樹脂を得るラジカル重合反応を並行して行わせて得られたポリエステル系樹脂も好適に使用できる。このような樹脂は、ワックスの分散性、トナーの強靭性、定着性、耐オフセット性を向上させる観点から好ましい。第2ポリエステル系樹脂中のビニル系樹脂の含有量は5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%とする。これはビニル系樹脂の含有量が5重量%より低いとトナーの定着強度が低下し、40重量%を超えると耐オフセット性やトナーの強靭性の低下、負の帯電レベルの低下等が生じ易くなる。また、オイルレスあるいは微量オイル塗布定着性を向上させる目的でトナーにワックスを高充填させる場合、ワックスの分散粒径を適度に制御する必要がある。このワックスの分散粒径を好適に制御する為の補助的手段としてビニル系樹脂を含有させることも好ましく、添加量として5〜40重量%が望ましい。5重量%より低いとビニル系樹脂を添加した効果が小さくなり、ワックスの分散粒径が低下する。また、40重量%を超えるとポリエステル樹脂の特性が引き出せない。
【0039】
第1ポリエステル系樹脂と第2ポリエステル系樹脂との重量比は7:3〜2:8、好ましくは6:4〜3:7とすることが好ましい。第1ポリエステル系樹脂と第2ポリエステル系樹脂とをこのような範囲で使用することにより、トナーとして定着時のつぶれによる広がりが小さくドット再現性に優れており、さらに低温定着性に優れ低速および高速の画像形成装置においても優れた定着性を確保することができる。また、両面画像形成時(定着機を2度通過時)にも優れたドット再現性を維持することができる。第1ポリエステル系樹脂の割合が上記範囲より少ない場合は、低温定着性が不十分となり幅広い定着性を確保できなくなる。また、第2ポリエステル系樹脂の割合が上記範囲より少ない場合は、耐オフセット性が低下するとともに定着時のトナーのつぶれが大きくなりドット再現性が低下する傾向がある。
【0040】
その他、本発明においては、バインダー樹脂(A)の一部あるいは全部としてエポキシ系樹脂を使用することもできる。本発明で使用されるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの重縮合物などが好適に使用できる。例えば、エポミックR362、R364、R365、R367、R369(以上 三井石油化学工業社製)、エポトートYD−011、YD−012、YD−014、YD−904、YD−017(以上東都化成社製)、エピコート1002、1004、1007(以上 シェル化学社製)等、市販のものも使用できる。
【0041】
本発明のトナーを得るに際しては、まず、バインダー樹脂(A)、重合体(B)および着色剤ならびにその他の添加剤、例えば、帯電制御剤および離型材等をヘンシェルミキサー等の公知の混合装置によって混合した後、公知の混練装置によって溶融混練し、冷却して、混練物を得る。混練装置としては、1または2以上の回転軸(スクリュー、ロータ、ロール等)を有するものが使用されるが、連続生産性、長期耐久性等の点からスクリュー押出機が主に使用できる。
【0042】
本発明においては混練物中、重合体(B)がバインダー樹脂(A)中に均一に分散されており、その平均分散粒径は0.05〜2.5μm、好ましくは0.08〜2μm、より好ましくは0.1〜1.5μmに制御さている。好ましくは分散粒子の95%以上が粒径2μm以下で分散している。混練物中における重合体(B)の分散状態を上記のように制御すると、その後の粉砕工程において上記混練物は重合体(B)の分散粒子を結ぶように粉砕面が形成されながら粉砕され、結果として表層部に重合体(B)が局在したトナー粒子が生産性よく得られる。特に、混練物中における重合体(B)粒子が存在するところでは、粉砕はバインダー樹脂(A)と重合体(B)粒子との接触面(界面)ではなく、重合体(B)粒子の内部を通って起こるため、当該粉砕面は重合体(B)によって構成され、結果として得られるトナー粒子は表層部に重合体(B)が局在する構成を有し、好ましくはトナー粒子の表面に重合体(B)が露出すると考えられる。また、このように混練物中の重合体(B)の分散状態を制御することによって、トナー粒子からの重合体(B)粒子の剥離(脱離)が現像装置内で起こるのを抑制でき、キャリア(2成分現像剤)や現像スリーブおよび規制ブレード(1成分現像剤)等へのスペントや固着を防止でき、安定した帯電能が確保できる。
【0043】
上記混練物中における重合体(B)の分散粒径が大きすぎると、表層部に重合体(B)が密に分散してなるトナー粒子を得ることができない。混練物中における重合体(B)の分散粒子の連なりが確保され難いため、混練物を粉砕に供したとき、重合体(B)の粒子を結ぶような粉砕が起こらず、重合体(B)の粒子を中心起点とした粉砕が起こり、粉砕面を制御することが不可能となるためと考えられる。そこで、混練物中における重合体(B)の分散粒子の連なりを確保するために重合体(B)の使用量を多くすることも考えられるが、当該使用量を増加させると、粉砕工程において過粉砕が起こり、所望とする粒径分布が得られず、生産時の直行収率が低下するのみならず、トナー粒子表面を構成する成分、特に重合体(B)粒子が不均一となり、帯電量等の均一性が確保できなくなる。また、混練物中における重合体(B)の分散粒径が大きすぎるトナー粒子は、本発明におけるトナー粒子と比較して、トナー粒子表面のバインダー樹脂(A)の存在量がリッチとなるため、低ガラス転移温度のバインダー樹脂(A)を使用すると、耐熱保管性が顕著に低下し、バインダー樹脂(A)の選択範囲が制限される。このことは低温定着トナーやフルカラートナーの設計において不利な状態となる。一方、重合体(B)の分散粒径があまりに小さ過ぎても、表層部に重合体(B)が密に分散してなるトナー粒子を得ることができない。分散粒径が小さ過ぎると混練物中における重合体(B)の分散粒子の繋がりが特定化(制御)できない状態に陥り、さらには粉砕時において重合体(B)粒子の内部での粉砕が達成できなくなって、粉砕面の制御ができなくなるためと考えられる。
【0044】
本発明においては、混練物中の重合体(B)の分散粒径は測定し難いことから、後述の粉砕工程において体積平均粒径約2mmに粉砕されたトナー粗粉砕物の粒子中における重合体(B)の分散粒径が上記範囲内であればよい。なお、混練物中の重合体(B)の分散粒径と体積平均粒径約2mmに粉砕されたトナー粗粉砕物の粒子中における重合体(B)の分散粒径は変わらない。
【0045】
本発明のトナーにおいて重合体(B)はトナー粒子表層部に局在するため、重合体(B)の使用量は得ようとするトナー粒子の粒径に依存して決定される。例えば、体積平均粒径8〜5μm、特に7〜6μmのトナー粒子の場合、重合体(B)は通常、バインダー樹脂(A)100重量部に対して1.5〜25重量部、好ましくは2〜15重量部、より好ましくは2.5〜10重量部使用される。重合体(B)は2種以上組み合わせて使用されてよく、その場合はそれらの合計量が上記範囲内になればよい。使用量が多すぎると、本発明のトナーを得ることができず、前述したように粉砕工程において過粉砕が起こり、生産時の直行収率が低下するのみならず、帯電量等の均一性が確保できなくなる。使用量が少なすぎると、粉砕効率向上の効果が小さくなる。このように必要以上に重合体(B)を添加することなく所望とする粉砕性能が確保できることは、重合体(B)の副作用としての定着強度、耐オフセット性、スミア性能、OHP透光性の低下を有効に抑制できる一因と考えられる。
【0046】
溶融混練後、冷却して得られる混練物中の重合体(B)の分散状態は、使用される重合体(B)の体積平均粒径、混練前の混合条件、および混練条件等を適宜変更することによって制御され得る。すなわち、使用される重合体(B)の粒径を小さくすると、混練物中における重合体(B)の分散粒径は小さくなる。また、混合条件および混練条件を強めると、混練物中における重合体(B)の平均分散粒径は小さくなる。具体的には、例えば、体積平均粒径1〜5mmの重合体(B)を他のトナー材料とともにヘンシェルミキサーで混合し、2軸押し出し混練機(PCM-30:池貝鉄工社製)で溶融混練する場合、通常、ヘンシェルミキサーの混合速度を周速20〜50m/sに、混合時間を2〜10分間に、混練機の混練温度を120〜200℃に、混練機における被処理物の通過時間を1〜5分間に設定することによって、重合体(B)が上記分散粒径で均一に分散された混練物が得られる。
【0047】
本発明で使用される着色剤としては、従来からフルカラートナー用の着色剤として使用されている公知の顔料及び染料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メタレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を挙げることができる。
【0048】
マゼンタ、シアンおよびイエローのトナー中の着色剤の含有量としてはバインダー樹脂(A)100重量部に対し、2〜15重量部の範囲が好ましい。なお、マゼンタ、シアンおよびイエローのトナーに使用される着色剤は、使用されるバインダー樹脂(A)と予め溶融混練した後、粉砕して得られるマスターバッチとして使用されることが好ましく、そのときの使用量は得られるトナー中の着色剤含有量が上記範囲内になればよい。
【0049】
また、黒トナーにおいては、各種カーボンブラック、活性炭、チタンブラック等の着色剤の一部または全部を磁性体と置き換えることができる。本発明において非磁性黒トナー中の着色剤の含有量としてはバインダー樹脂(A)100重量部に対し、2〜15重量部の範囲が好ましい。また磁性体としては、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄等、公知の磁性体微粒子が使用可能である。磁性粒子の平均粒径は製造時における分散性を得る意味において、好ましくは1μm以下特に0.5μm以下が好ましい。非磁性トナーとしての特性を持たせつつ、飛散防止等の観点で磁性体を添加する場合は、その添加量はバインダ樹脂(A)100重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部、より好ましくは1〜5重量部である。添加量が10重量部を超えるとトナーに対する現像剤担持体(マグネットローラ内蔵)の磁気的拘束力が強くなって現像性が低下する。磁性トナー中の磁性体の添加量は20重量部から60重量部が好ましい。添加量が20重量部未満では、トナー飛散が増加する傾向にあり、60重量部を超えるとトナー帯電量が安定的に確保できず、画像品質の低下を引き起こす。
【0050】
本発明のトナーに必要に応じて添加される帯電制御剤としては、従来から静電荷像現像用トナーの分野で帯電性を制御するために添加されている公知の帯電制御剤が使用可能である。例えば、フッ素系界面活性剤、サリチル酸金属錯体、ホウ素系金属錯体、アゾ系金属化合物のような含金属染料、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体の如き高分子酸等を使用することができる。これらの中でもサリチル酸金属錯体およびホウ素系金属錯体が好ましく、特に、ホウ素元素を含有したサリチル酸金属錯体が本発明に好適に使用できる。添加する量については、他の材料構成ならびに使用するプロセスにより異なるが、バインダー樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは、0.5〜3重量部の範囲で使用する。
【0051】
好適に使用され得るサリチル酸金属錯体の具体例として、一般式(I)〜(III)で表されるが化合物が挙げられる。
【0052】
【化3】
【0053】
また、好適に使用され得るホウ素系金属錯体の具体例として、一般式(IV)で表される化合物が挙げられる。
【0054】
【化4】
【0055】
また、負帯電性に効果のあるスルホン酸基、フッ素含有基、ケイ素含有基等の極性官能基を有する各種樹脂(荷電制御樹脂)をトナーに添加しても良い。この荷電制御樹脂(CCR)は、極性官能基を有するモノマーを単独であるいはこれら同士を組み合わせて重合させたものであっても、また、このような極性官能基を有するモノマー成分と、例えばスチレン系モノマー、(メタ)アクリル系モノマー等の単官能性モノマーおよび/または多官能性モノマーとの共重合により得られたものであっても、あるいはまた単官能性モノマーおよび/または多官能性モノマーを重合させてなる重合体と極性官能基を有するモノマーを含む重合体とのポリマーブレンドであっても良い。荷電制御樹脂を添加する場合、その添加量はバインダー樹脂(A)100重量部に対して0.1〜5重量部であることが望ましい。
【0056】
本発明のトナーにはさらに離型剤としてワックスを添加してもよい。ワックスを含有させることによりオイルレスあるいは微量オイル塗布定着方式においての耐オフセット性および定着時の分離性をより向上させ、さらに広い温度範囲で光沢ムラを発生させることなく適度の光沢範囲に制御することが可能となる。このようなワックスとしては静電荷像現像用トナーの分野で公知のワックスが使用可能であり、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、モンタン系エステルワックス、ライスワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス等を挙げることができる。
【0057】
本発明においてワックスは、融点の異なる2種以上のワックスを併用して使用することが好ましい。2種のワックスの融点は、少なくとも20℃以上、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上異なることが好ましい。融点の異なる2種以上のワックスを併用することにより、広い温度範囲において定着装置とメディアとの分離性を確保しやすくする。ワックスの1種は、耐オフセット性等のさらなる向上の観点からはポリプロピレンワックスを含有させることが好ましい。特に高融点ワックスとしてポリプロピレンワックスを用いることが好ましい。またスミア性(自動原稿送り時あるいは両面複写時に片面に既に画像が形成された用紙の紙送りの際にローラで画像が擦られて画像ににじみや汚れ等の画質低下を起こす現象)を向上させる観点から低融点ワックスとしてポリエチレンワックスを含有させることが好ましい。ポリプロピレンワックスとしては160℃における溶融粘度が50〜300cps、軟化点が130〜160℃および酸価が1〜20KOHmg/gであるポリプロピレンワックスが挙げられ、また、低融点ワックスとしては、上記挙げたポリエチレンワックス以外に、各種天然ワックス、フィッシャートロプシュワックス、モンタン酸ワックス、エステル系ワックス、パラフィン系ワックスが好適に使用できる。特にその中でもモンタン酸、エステル系ワックスを使用することが好ましい。上記溶融粘度、軟化点および酸価を有するポリプロピレンワックスは上記バインダ樹脂(A)に対する分散性が優れており、遊離ワックスによる問題を生じることなく耐オフセット性の向上を達成することができる。特にポリエステル樹脂をバインダ樹脂として使用する場合には、酸化型ワックスを使用することが好ましい。
【0058】
酸化型ポリエチレンワックス
酸化型ポリエチレンとして市販されているものが使用でき、例えば、三洋化成工業社製のサンワックスE300(軟化点103.5℃,酸価22),サンワックスE250P(軟化点103.5℃,酸価19.5),サンワックスE310(酸価15),三井石油化学工業社製のハイワックス4053E(軟化点145℃,酸価25),405MP(軟化点128℃,酸価1.0),310MP(軟化点122℃,酸価1.0),320MP(軟化点114℃,酸価1.0),210MP(軟化点118℃,酸価1.0),220MP(軟化点113℃,酸価1.0),220MP(軟化点113℃,酸価1.0),4051E(軟化点120℃,酸価12),4052E(軟化点115℃,酸価20),4202E(軟化点107℃,酸価17),2203A(軟化点111℃,酸価30)等が使用できる。
【0059】
酸化型ポリプロピレンワックス
低分子量のポリプロピレンは硬度が小さい為、トナーの流動性を低下させる欠点を持っており、この欠点を改良する為に、カルボン酸または酸無水物で変性したものが好ましい。特に、低分子量ポリプロピレン系樹脂を(メタ)アクリル酸、マレイン酸および無水マレイン酸からなる群から選ばれる1種以上の酸モノマーで変性した変性ポリプロピレン樹脂が好適に使用できる。該変性ポリプロピレンは、例えばポリプロピレン系樹脂に(メタ)アクリル酸、マレイン酸および無水マレイン酸からなる群より選ばれる1種以上の酸モノマーを過酸化物触媒存在下もしくは無触媒下でグラフトあるいは付加反応することにより得られる。変性ポリプロピレンを使用する場合には、酸価が0.5〜30KOHmg/g好ましくは1〜20KOHmg/gであることが望ましい。上記酸化型ポリプロピレンワックスとしては、市販されているものでは、三洋化成工業社製のビスコール200TS(軟化点140℃,酸化3.5),ビスコール100TS(軟化点140℃,酸価3.5),ビスコール110TS(軟化点140℃,酸価3.5)等が使用できる。
【0060】
カルナバワックス
カルナバワックスを使用する場合は、微結晶のものが良く、酸価が0.5〜10KOHmg/g、好ましくは1〜6KOHmg/gであることが望ましい。
モンタン系ワックス
モンタンワツクスは、一般的に鉱物より精製されたモンタン系エステルワックスを指しカルナバワックス同様微結晶であり、酸価が1〜20KOHmg/g、好ましくは3〜15KOHmg/gであることが望ましい。
ライスワックス
ライスワックスは米ぬかワックスを空気酸化したものであり、酸価が5〜30KOHmg/gであることが好ましい。
【0061】
フィッシャー・トロプシュワックス
フィッシャー・トロプシュワックスは、石炭より合成石油を炭化水素合成法により製造する際、副生するワックスであり、例えばサゾール社製の商品名「サゾールワックス」として市販されているものである。またこれとは別に天然ガスを出発原料とするフィッシャー・トロプシュワックスも低分子量成分が少なくトナーに用いた場合の耐熱性に優れる為、好適に使用できる。
フィッシャー・トロプシュワックスの酸価としては、0.5〜30KOHmg/gの物が使用でき、サゾールワックスの中では、特に酸価が3〜30KOHmg/gを有する酸化タイプのもの(商品名、サゾールワックスA1,A2等)が好適に使用できる。また、上記溶融粘度および軟化点を有するポリエチレンワックスも上記バインダ樹脂に対する分散性が優れており、遊離ワックスによる問題を生じることなく定着画像表面の摩擦係数を低減させてスミア性の向上を達成することができる。なお、ワックスの溶融粘度はブルックフィールド型粘度計により測定した値である。
【0062】
離型剤を添加する場合は、その添加量の総量としてバインダ樹脂(A)100重量部に対して2〜20重量部、好ましくは3〜15重量部、より好ましくは4〜12重量部添加することが望ましい。
【0063】
本発明においては、上記のようにして得られる、重合体(B)が特定粒径で均一に分散された混練物を、次いで粉砕、分級し、所望により表面改質処理する。粉砕工程においては、通常、混練物をフェザーミル等により粗粉砕した後、クリプトロンシステム(KTM:川崎重工業社製)、イノマイザーシステム(ホソカワミクロン社製)、ファインミル(日本ニューマチック工業社製)およびターボミル(ターボ工業社製)等の高速気流中衝撃法を応用した機械式粉砕装置ならびに/または衝突板やトナー粒子同士をジェット気流に乗せて粉砕するI型ジェットミル、PJM(共に日本ニューマチック工業社製)およびAFG(ホソカワミクロン社製)等のジェットミルにより微粉砕する。好ましくは、混練物を体積平均粒径約2mmまでフェザーミルにより粗粉砕した後、一旦、体積平均粒径10μm程度までクリプトロンシステム(KTM:川崎重工業社製)等の機械式粉砕装置により微粉砕し、さらにAFG(ホソカワミクロン社製)等のジェットミルにより微粉砕する。本発明においては、最終的に粒子の体積平均粒径が4〜8μm、好ましくは5〜7μmになるように粉砕されることが望ましい。
【0064】
粉砕工程においては、当該工程に供される混練物中の重合体(B)は特定粒径で均一に分散されているため、上述のように混練物は重合体(B)の分散粒子を結ぶように粉砕面が形成されながら効率よく粉砕され、特に、混練物中における重合体(B)粒子が存在するところで粉砕は重合体(B)粒子の内部を通って起こる。
【0065】
本発明においては体積平均粒径約2mmに粉砕されたトナー粗粉砕物の粒子中における重合体(B)の分散粒径は、前記した混練物中の重合体(B)の分散粒径と同様である。トナー粗粉砕物の粒子中における重合体(B)の分散粒径は、粒子をミクロトームでスライスした後、TEM(透過型電子顕微鏡)にて10000倍の写真を撮影することにより測定することができる。
【0066】
分級工程で使用される分級装置としては、粉砕物を所望粒径に分級できれば公知の分級装置が使用可能であり、例えば、エルボージェット(日鉄鉱業社製)、DS分級機(日本ニューマチック工業社製)、ティープレックス型分級機(ホソカワミクロン社製)等を用いることができる。被処理粒子を球形化できる分級装置であるティープレックス型分級機(ホソカワミクロン社製)等を用いることが好ましい。
【0067】
必要に応じて行われる表面改質処理で使用される装置としては、トナー粒子の形状を制御できれば、公知の装置が使用可能であり、例えば、瞬間加熱処理を行ってもよいし、または、機械的衝撃力等による処理を行ってもよい。そのような表面改質装置の具体例としては、例えば、瞬間加熱処理法を応用した装置、例えば、サーフュージングシステム(日本ニューマチック工業)等;高速気流中衝撃法を応用した装置、例えば、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンコスモスシリーズ(川崎重工業社製)、イノマイザーシステム(ホソカワミクロン社製)、ターボミル(ターボ工業社製)等;乾式メカノケミカル法を応用した装置、例えば、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)等;湿式コーティング法を応用した装置、例えば、ディスパーコート(日清エンジニアリング社製)、コートマイザー(フロント産業社製)等が挙げられ、これらを適宜、組み合わせて使用してもよい。
【0068】
本発明のトナーには、トナー粒子を調整した後の流動性調整剤として、各種有機/無機の微粒子を添加することが好ましい。無機の微粒子としては、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト等の各種非磁性無機微粒子を単独あるいは組み合わせて用いることができる。特にシリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛等の無機微粒子は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス等の従来から使用されている疎水化処理剤、さらにはフッ素系シランカップリング剤、またはフッ素系シリコーンオイル、さらにアミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤、変性シリコーンオイル等の処理剤を用いて公知の方法で表面処理されていることが好ましい。さらにはクリーニング助剤等の目的で乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法等の湿式重合法、気相法等により造粒した、スチレン系、(メタ)アクリル系、ベンゾグアナミン、メラミン、テフロン、シリコン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種有機微粒子を用いることもできる。チタン酸金属塩等の比較的大径の無機微粒子ならびに各種有機微粒子は、疎水化処理してもしなくても良い。これら微粒子は、トナー粒子100重量部に対して、0.1〜6重量部、好ましくは、0.5〜3重量部添加される。上記微粒子は2種以上組み合わせて使用されてよく、この場合にはそれらの合計量が上記範囲内であればよい。
【0069】
以上のようにして得られる本発明のトナーは比較的高い円形度を有し、形状が比較的揃っており、また微小粒子や大径粒子をほとんど含まない。
【0070】
また、本発明のトナーを構成するトナー粒子中における重合体(B)の平均分散粒径は1.5μm以下、好ましくは0.05〜1.0μm、より好ましくは0.08〜0.8μm、さらに好ましくは0.1〜0.5μmであることが望ましい。当該分散粒径は上記トナー粗粉砕物の粒子中における重合体(B)の分散粒径の測定方法と同様の方法で測定され得る。
【0071】
さらに、本発明のトナーは、円形度が高く、粒径分布がシャープである。また、トナー表面層に重合体(B)がリッチに存在するため、色の違いによる帯電量の差が比較的小さく、さらにバインダー樹脂(A)のガラス転移温度が比較的低くても重合体(B)のガラス転移温度を高めに設定することにより耐熱保管性が確保できる。そのため、本発明のトナーはフルカラー画像形成に適している。また、本発明のトナーは現像性および転写性に優れているため、静電荷像担持体(感光体)や中間転写体上の残留トナーをクリーニングする機構を有さないシステム(クリーナレスシステム)やクリーナー部で回収したトナーを再利用するシステム(トナーリサイクルシステム)に有効に適用できる。
【0072】
本発明のトナーはトナー粒子表層部に重合体(B)が密に分散しており、さらに重合体(B)は負に帯電する傾向があるため、負帯電性トナーとして用いる場合、帯電制御剤無しでも効果的に負帯電性を発揮することができ、逆帯電性トナーの発生を防ぐ効果がある。
【0073】
【実施例】
(バインダー樹脂(ポリエステル樹脂)の製造)
温度計、攪拌器、流下式コンデンサーおよび窒素導入管を取り付けたガラス製4つ口フラスコに、表1に示すモル比でアルコール成分および酸成分を重合開始剤(ジブチル錫オキサイド)とともに入れた。これをマントルヒーター中で窒素雰囲気下にて、加熱、攪拌しながら反応させた。そして、この反応の進行は、酸価を測定することにより追跡した。所定の酸価に達した時点でそれぞれ反応を終了させて室温まで冷却し、ポリエステル樹脂H1、L1およびL2を得た。得られたポリエステル樹脂を2mm以下に粗砕したものを単独でまたは組み合わせて、ポリエステル樹脂A-1〜A-5としてトナーの製造に用いた。ここで得られたポリエステル樹脂は、表1に示す通りの物性を有していた。なお、表中、POはポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを、EOは、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを、TPAはテレフタル酸を、TMAはトリメリット酸を、FAはフマル酸を表す。
【0074】
(重合体(B)の製造)
・樹脂B-1
スチレン(純度99.9%)150gおよびトルエン150gをオートクレーブに仕込み攪拌下に温度を5℃に保ちながらBF3−フェノール錯体1.5gを少量ずつ約10分間で添加した。その後、更に3時間攪拌を続行した。次に5%水酸化ナトリウム水溶液50mlを加えて30分間激しく攪拌して触媒を分解した後、水層を分離し、更に重合油を中性になるまで水洗した後、未反応成分および溶媒であるトルエンを留去し、残渣としてポリスチレンを得た。当該ポリマーを樹脂B-1とし、物性を表2に示した。
【0075】
・樹脂B-2
α−メチルスチレン(純度99.9%)150gおよびトルエン150gをオートクレーブに仕込み攪拌下に温度を5℃に保ちながらBF3−フェノール錯体1.5gを少量ずつ約10分間で添加した。その後、更に3時間攪拌を続行した。次に5%水酸化ナトリウム水溶液50mlを加えて30分間激しく攪拌して触媒を分解した後、水層を分離し、更に重合油を中性になるまで水洗した後、未反応成分および溶媒であるトルエンを留去し、残渣としてポリ-α-メチルスチレンを得た。当該ポリマーを樹脂B-2とし、物性を表2に示した。
【0076】
・樹脂B-3
α−メチルスチレン(純度99.9%)150gおよびトルエン150gをオートクレーブに仕込み攪拌下に温度を5℃に保ちながらBF3−フェノール錯体1.5gを少量ずつ約10分間で添加した。その後、更に3時間攪拌を続行した。次に5%水酸化ナトリウム水溶液50mlを加えて30分間激しく攪拌して触媒を分解した後、水層を分離し、更に重合油を中性になるまで水洗した後、未反応成分および溶媒であるトルエンを繰り返し留去し、残渣としてポリ-α-メチルスチレン共重合体を得た。当該ポリマーを樹脂B-3とし、物性を表2に示した。特に、共重合体の製造では、未反応成分が残りやすくなり、共重合体の臭気並びに残存のVOC(揮発成分)が問題となり易い為、原料として純度の高いものを使用するのと合せて、重合後、繰り返し念入りに残存物を除去し、共重合物を充分精製した。
【0077】
・樹脂B-4
イソプロペニルトルエン(純度98%)200g、α−メチルスチレン(純度98%)200g、石油ナフサの熱分解によって得られるC5系石油留分(イソプレン)120gおよびトルエン500gを三つ口フラスコに入れ攪拌下ドライアイス浴で冷却しながらBF3−フェノール錯体を少量ずつ添加し3時間反応させた。次に5%水酸化ナトリウム水溶液を加えて30分間激しく攪拌して触媒を分解した後、水層を分離し、更に重合油を中性になるまで水洗した後、未反応成分および溶媒であるトルエンを加熱減圧下で留去し、残渣としてイソプロペニルトルエン-α-メチルスチレン-イソプレン共重合体を得た。当該ポリマーを樹脂B-4とし、物性を表2に示した。樹脂B−3と同様に残存物の除去を念入りに行い、共重合物の純度を上げた。
【0078】
・樹脂B-5
反応時間を2時間とした以外は、樹脂B-1と同じ製法でポリスチレンを得た。当該ポリマーを樹脂B-5とし、物性を表2に示した。
・樹脂B-6(芳香族系単独重合体)
反応時間を4.5時間とした以外は、樹脂B-2と同じ製法でポリ-α−メチルスチレンを得た。当該ポリマーを樹脂B-6とし、物性を表2に示した。
【0079】
(顔料マスターバッチの製造)
フルカラートナーの製造に使用する顔料は以下の方法によって得られる顔料マスターバッチとして用いた。各実施例または比較例で使用するバインダー樹脂と顔料を重量比(樹脂:顔料)7:3の割合で加圧ニーダーに仕込み、120℃で1時間混練した。冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色の顔料含有率30重量%顔料マスターバッチを得た。顔料としてはC.I.Pigment Yellow180(ヘキスト社製)、C.I.Pigment Blue15-3(大日本インキ社製)、C.I.Pigment Red184(大日本インキ社製)を用いた。
【0080】
トナーの製造
実施例1:トナーY-1
ポリエステル樹脂A-1および顔料マスターバッチを、ポリエステル樹脂A-1;100重量部およびC.I.Pigment Yellow180;7.0重量部となるように用い、これに樹脂B-1を5重量部添加し、ヘンシェルミキサーで周速40m/sにて材料温度が45℃以上にならないように制御しながら5分間混合した後、2軸押し出し混練機(PCM-30:池貝鉄工社製)の排出部を取り外したものを使用して溶融混練した。混練温度は170℃であり、被処理物の通過時間は約1分間であった。得られた混練物を冷却プレスローラーで2mm厚に圧延し、冷却ベルトで冷却した後、フェザーミル(目開き2mmパス)で粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(KTM-0型:川崎重工業社製)で平均粒径約10μmまで粉砕し、さらに、ジェット粉砕機(AFG:ホソカワミクロン社製)で平均粒径5.8μmまで微粉砕した後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス型分級機タイプ:100ATP:ホソカワミクロン社製)を使用して行い、体積平均粒径6.1μm、体積平均粒径(D)の2倍(2D)以上の粒径を有する粒子の含有割合が0重量%、かつ2.5μm以下の粒径を有する粒子の含有割合が0体積%のイエロートナー粒子を得た。また、本トナー粒子の平均円形度は0.960、円形度の標準偏差が0.036であった。このトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(TS-500:キャボジル社製)0.5重量部と、酸化チタン(STT30A:チタン工業社製)1.0重量部、チタン酸ストロンチウム(平均粒径0.2μm)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで(周速40m/sec, 60秒間)混合処理した後、目開き90μmの篩でふるいイエロートナー(Y-1)を得た。
【0081】
実施例2, 3:トナーC-1, M-1
顔料マスターバッチを変更し、ポリエステル樹脂A-1および顔料マスターバッチを、ポリエステル樹脂A-1;100重量部およびC.I.Pigment Blue15-3;5.0重量部、またはポリエステル樹脂A-1;100重量部およびC.I.Pigment Red184が4.5重量部となるように用いたこと以外は、実施例1においてと同様の方法により、トナーC-1, M-1を得た。
実施例4:Bk-1
顔料マスターバッチを酸性カーボンブラック(モーガルL;キャボット社製;pH2.5;平均1次粒径24nm)に変更し、ポリエステル樹脂A-1および酸性カーボンブラックを、ポリエステル樹脂A-1;100重量部および酸性カーボンブラック;8.0重量部となるように用いたこと以外は、実施例1においてと同様の方法により、トナーBk-1を得た。
【0082】
実施例5〜7,比較例1〜2:トナーC-2〜C-6
樹脂B-1をそれぞれB-2〜B-6に代えて用いる以外は、実施例2においてと同様の方法により、トナーC2〜C-6を得た。
実施例8, 比較例3〜5:トナーC-7〜C-10
樹脂B-1の添加量をそれぞれ0(添加無し), 1, 10, 20重量部に変更する以外は実施例2においてと同様の方法により、C-7〜C-10を得た。
比較例6:トナーC-11
ポリエステル樹脂A-2を用い、顔料マスターバッチ用の樹脂についても同様の樹脂を用いる以外は、実施例2においてと同様の方法により、トナーC-11を得た。
【0083】
実施例9:トナーBk-2
サリチル酸金属錯体(上記一般式(III)の化合物)1重量部をさらに添加する以外は、実施例4においてと同様の方法により、トナーBk-2を得た。
実施例10:トナーC-12
ポリエステル樹脂A-3を用いたこと、酸化型低分子量ポリプロピレン(100TS:三洋化成工業社製;軟化点140℃,酸価3.5)5重量部および酸化型低分子量ポリエチレンワックス(4202E:三井化学社製;軟化点107℃,酸価17)5重量部をさらに添加したこと、混練前の混合時間を2倍としたこと、および混練温度を210℃にしたこと以外、実施例2においてと同様の方法により、トナーC-12を得た。
実施例11,比較例7;トナーC-13, C-14
ポリエステル樹脂A-2をそれぞれポリエステル樹脂A-4、A-5とする以外は、比較例6においてと同様の方法により、トナーC-13, C-14を得た。
【0084】
バインダー樹脂および重合体(B)の物性ならびに得られたトナーの製造条件および物性を以下の表に示す。
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
(測定方法)
・樹脂のガラス転移点Tgの測定法
示差走査熱量計(DSC-200:セイコー電子社製)を用いて、リファレンスをアルミナとし、10mgの試料を昇温速度10℃/minの条件で20〜120℃の間で測定し、メイン吸熱ピークのショルダー値をガラス転移点とした。
・樹脂の軟化点Tmの測定法
フローテスター(CFT-500:島津製作所社製)を用い、ダイスの細孔(径1mm、長さ1mm)、加圧20kg/cm2、昇温速度6℃/minの条件で1cm3の試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度を軟化点とした。
・分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(807-IT型;日本分光工業社製)を使用し、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを使用して、ポリスチレン換算により分子量を求めた。
・酸価は、10mgの試料をトルエン50mlに溶解し、0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用いて、予め標定されたN/10水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定し、N/10水酸化カリウム/アルコール溶液の消費量から算出した値である。
・水酸価は、秤量された試料を無水酢酸で処理し、得られたアセチル化合物を加水分解し、遊離する酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmgで表した。
・テトラヒドロフラン(THF)不溶分は、25℃、100gのテトラヒドロフランに樹脂5g(X)を添加し、24時間撹拌して得られる溶液を加圧ろ過したとき、ろ紙上に残留する成分を乾燥し、その重量を測定することによって算出する。
THF不溶分=(残留成分の重量)/X×100
【0088】
・粉砕性指数
試料(体積平均粒径を約2mmに調製されたバインダー樹脂、重合体(B)、またはトナー組成物(混練冷却後フェザーミル(目開き2mmメッシュ)で粗粉砕したもの)を機械式粉砕機(KTM-0型:川崎重工業社製)で処理量F(5kg/h)、KTM回転数12000(rpm)にて粉砕する際に、試料通過無し時の負荷動力値W0と試料を通過させた時の負荷動力値W1を記録する。その後、KTM粉砕で得られた粉砕物の体積平均粒径D(μm)をコールタマルチサイザーII(コールターベックマン社製)にて測定する。
本発明で用いた粉砕性指数は、下記式により算出される。
粉砕性指数=(D×(W1-W0))/F
【0089】
・重合体(B)の分散粒径ならびに分散状態
各実施例および比較例において、混練冷却後、フェザーミル(目開き2mmメッシュ)で粗粉砕して得られた体積平均粒径約2mmのトナー粗粉砕物の粒子をミクロトームにより、スライスした後、オスニウム染色し、TEM(透過型電子顕微鏡)にて10000倍の写真を撮影し、この写真画像をイメージアナライザー(ルーゼックス5000:日本レギュレータ社製)に取り込んで、粒子中における重合体(B)の分散状態を観察して粒径分布を測定した。なお、分散形状が完全球形で無い場合は、その分散粒子の断面積の円相当粒径で算出した。
また、分級後に得られたトナー粒子中における重合体(B)の分散状態についても、上記と同様の方法で観察した。このときの分散状態について「重合体(B)が粒子中心部と比較して粒子表層部に密に分散している」場合を「表面に密」と表記し、「重合体(B)が粒子中、均一に分散している」場合を「全体に分布」と表記した。
【0090】
・トナーの体積平均粒径、体積平均粒径(D)の2倍(2D)以上の粒径を有する粒子の含有割合および2.5μm以下の粒径を有する粒子の含有割合はコールターマルチサイザーII(コールタカウンタ社製)を用いて、アパチャーチューブ50μmを用いて測定した。
・円形度は「相当円の周囲長/粒子投映像の周囲長」で表される。平均円形度はフロー式粒子像解析装置(FPIA-2000:シスメックス社製)を用いて水分散系で測定した。併せて、円形度の標準偏差(円形度SD)についても解析を行った。
・トナー収率は、使用されたトナー材料の全重量および得られたトナーの重量を測定し、以下の式に従って算出した。
収率=(得られたトナーの重量)/(トナー材料の全重量)×100
【0091】
・使用された量の重合体(B)におけるVOC(揮発成分)量の測定は、ヘッドスペースガスクロマトグラフィ法により測定した。揮発成分としてはアセトン、ベンゼン、トルエン、残存モノマー成分が検出された。評価は以下の項目について行い、最も悪かった評価結果を示した。
トータルVOC量について
400ppm以下:◎、400〜700ppm:○、700〜1000ppm:△、1000ppm以上:×
アセトン量について
1ppm以下:◎、1〜3ppm:○、3〜5ppm:△、5ppm以上:×
ベンゼン量について
検出しない:◎、検出される:×
【0092】
得られたトナーを各種項目について評価し、その評価結果を表4に示す。
【表4】
【0093】
(耐熱保管性)
100ccのガラス製のスクリュウ管にトナー10gを秤量し、60℃にて5時間放置保管した後、トナーの凝集状態をランク付け評価した。
○:凝集トナーがなく、全く問題無なかった;
△:軽い軟凝集が存在するが、軽い力で直ぐ解れ、実使用上問題無かった;
×:強い凝集塊が存在し、容易に解れず、実使用上問題有あった。
【0094】
・1成分現像剤としての評価
(帯電量および固着状態)
プリンタ(Intercolor LP 3000C;セイコーエプソン社製)のトナーカートリツジに各トナーを入れ、BW比6%の画像を1000枚印字した。初期と1000枚印字後におけるトナー帯電量を吸引法で測定した。合せて1000枚印字後の規制ブレード表面の固着状態を観察した。
【0095】
・2成分現像剤としての評価
上記実施例ならびに比較例で得られたトナーを2成分系現像剤として評価に供するため、バインダ型キャリアを製造した。
(バインダ型キャリアの製造)
ポリエステル系樹脂(花王社製:NE-1110)100重量部、磁性粒子(マグネタイト;EPT-1000:戸田工業社製)700重量部およびカーボンブラック(モーガルL;キャボット社製)2重量部をヘンシェルミキサーで十分混合し、二軸押出混練機でシリンダ部180℃、シリンダヘッド部170℃に設定し、溶融混練した。この混練物を冷却し、その後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェット粉砕機で微粉砕、分級して、体積平均粒径40μmのバインダ型キャリアを得た。キャリアの粒径はコールターマルチサイザーII(コールタカウンタ社製)を用いアパチャーチューブ150μmを用いて測定した。
【0096】
2成分現像剤としてトナーの評価を行う場合において、各トナーは、後処理で用いる疎水性シリカTS-500(キャボット社製)0.5重量部をH-2000(クラリアント社製)0.5重量部に変更して用いた。なお、その他の後処理剤は1成分現像剤としてのトナーにおいてと同様であった。
【0097】
(帯電立ち上がり特性および帯電安定性)
2成分現像剤の帯電立ち上がり特性を評価するため、トナーとキャリアをトナー混合比7重量%で調合し、1分, 5分, 30分の帯電量を電解分離法により測定した。
またこれとは別に耐久時の帯電安定性を評価するため、トナーとキャリアをトナー混合比14重量%で調合し12時間架台にて混合した後、キャリア表面からトナーを電界分離した。この後、分離後のキャリアを用いて再度トナーとキャリアをトナー混合比7重量%で調合し、1分, 5分, 30分の帯電量を電解分離法により測定した。
その結果をもとに帯電の立ち上がり性能ならびに耐久性能(帯電安定性)が実使用可能なレベルかどうかの基準に照らし合わせて◎:良好,○:実用上問題無し,△:特定の使用条件により問題が生じる,×:実用上問題有りにランク分けした。
【0098】
以下、デジタル複写機(DiALTA Di350;ミノルタ社製)を用いた。
(かぶり)
また、各トナーと上記バインダ型キャリアをそれぞれトナー混合比7重量%になるように混合してスターターを作成し、各スターターを、デジタル複写機(DiALTA Di350;ミノルタ社製)に搭載し、25℃、55%RHの環境下でB/W7%の画像を印字し、3000枚の耐久テストを行った。
○:かぶりが全く発生せず、画像品質の劣化がなかった;
△:かぶりがほとんど発生せず、画像品質の劣化がほとんど認められなかった(実用上問題なし);
×:かぶりが発生し、画像品質の劣化が認められた。
【0099】
(画質性(ドット再現性、細線再現性、OHP透光性))
また、各トナーを上記バインダ型キャリアと組み合わせてそれぞれトナー混合比が7重量%になるように調合し、架台にて30分間混合してスターターを作成し、デジタル複写機(DiALTA Di350;ミノルタ社製)を用いて画出しを行い、ドット再現性および細線再現性についての評価を行った。合せてOHPを用いて単色での透光性についても評価を行った。
○:画像品質が優れていた;
△:実用上問題ないレベルであった;
×:画像品質に劣り、実用上問題があった。
【0100】
(定着強度)
定着ローラ温度を2℃刻みで変化させ得るように定着装置を改造して画像をとり、それぞれの画像を真中から2つ折りしてその画像の剥離性を目視にて評価した。折り曲げ部周辺まで画像を剥離した場合は許容できず、折り曲げ部のみの剥離になった場合は許容できるものとする。このときの許容できる状態の定着下限温度に基づいてランク付けした。
○;150℃未満;
△;150℃以上165℃未満;
×;165℃以上。
なお、評価に使用した画像は1.5cm×1.5cmのベタ階調パターンで最大のトナー付着量が1.5mg/cm2となるように調整した。
【0101】
(スミア性)
各サンプルについて用紙上に定着させた後、別の未使用の用紙とこすり合わせてその未使用用紙の汚れ具合を観察し、以下のようにランク付けを行った。
○;ほとんど汚れが目立たなかった;
△;若干汚れが観察されたが、実用上問題なかった;
×;全面に汚れが見とめられ、実用上問題があった。
【0102】
【発明の効果】
本発明のトナーは、帯電立ち上がり性、帯電安定性、耐熱保管性、定着性、画質性および生産性に優れている。本発明のトナーはまた、フルカラー画像形成、クリーナレスシステムおよびトナーリサイクルシステムに適用可能であり、比較的高い円形度を有し、形状が比較的揃っている。
Claims (9)
- 少なくともポリエステル樹脂であるバインダー樹脂(A)、重量平均分子量1000〜3000および重量平均分子量/数平均分子量2.0以下の芳香族モノマーの単独重合体、脂肪族モノマーの単独重合体または芳香族モノマーと脂肪族モノマーとの共重合体のいずれかである重合体(B)、および着色剤を含むトナー粒子からなる静電荷像現像用トナーであって、重合体(B)がトナー粒子の中心部と比較してトナー粒子の表層部に密に分散していることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 重合体(B)が、芳香族モノマーの単独重合体または芳香族モノマーと脂肪族モノマーとの共重合体であって、前記芳香族モノマーがスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエンおよびインデンからなる群から選択される1またはそれ以上のモノマーであり、前記脂肪族モノマーがイソプレン、ピペリレン、2−メチル−ブテン−1および2−メチルブテン−2からなる群から選択される1またはそれ以上のモノマーである請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 重合体(B)が少なくともスチレンおよび/またはα-メチルスチレンを含む請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 重合体(B)が重量平均分子量1000〜2000のポリスチレンである請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 重合体(B)が重量平均分子量2000〜2800のポリ-α-メチルスチレンである請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- トナーが、粉砕トナーである、請求項1〜5いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 重合体(B)が、粉砕性指数0.1〜1.0を有する、請求項1〜6いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 重合体(B)が、バインダー樹脂(A)の粉砕性指数より0.5以上小さい粉砕性指数を有する、請求項1〜7いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- ポリエステルが、酸価2〜50KOHmg/gを有する、請求項1〜8いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
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