JP4433599B2 - フルカラー画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はフルカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フルカラー画像形成方法は一般に、静電潜像担持体(感光体)上に潜像を形成し、該潜像をトナーで現像する工程(現像工程)、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体を介してまたは介さずに被記録材上に転写する工程(転写工程)、および被記録材上のトナー像を定着する工程(定着工程)を含んでなる。詳しくは、マゼンタ色、イエロー色、シアン色およびブラック色の4色のトナーを用い、各色ごとに現像を行い、被記録材上にトナー層を重ね合わせた後、加圧および加熱によってトナー層を定着する。このような画像形成方法に使用されるトナーは、少なくともバインダー樹脂および着色剤等を溶融、混練し、冷却した後、粗粉砕および微粉砕し、所望により分級して得るのが一般的である。
【0003】
近年、上記のようなフルカラー画像形成方法の分野では画像の高画質化ならびに画像形成の高速化および低コスト化が要求されており、画像形成プロセスおよびトナーについて様々な試みがなされている。
【0004】
例えば、画像の高画質化を達成するためにトナーの平均粒径を小さくすることが有効であることが知られている。しかしながら、トナーの小径化によりトナーの比表面積が増大するため、単位重量あたりのトナー帯電量が高くなる傾向があった。帯電量が高くなりすぎると、現像量が制限されて所望の画像濃度が得られないという問題が生じた。そこで、画像濃度の低下を防止するために、特開平9-114127号公報では、トナーの体積平均粒径、色材含有量、複写紙上のソリッド部のトナー重量を規定する試みがなされている。この規定によれば、色材含有量を上げることにより、小粒径トナーにおいても所望の画像濃度を確保できる。しかしながら、色材含有量を上げると、色材が持つ荷電性能によりトナーの荷電性が大きく左右されるため、トナーごとに現像条件、特に、被記録材に対するトナーの最大付着量を比較的大きく変更する必要が生じた。トナーごとの被記録材に対するトナーの最大付着量の差が大きすぎると、現像時におけるトナーごとの条件設定が煩雑であり、フルカラー画像形成の高速化と低コスト化を達成できない。また、トナー製造時において、トナーごとに色材以外の材料で帯電量の調整を行う必要があった。
【0005】
また、粉砕型トナーの製造工程においては、微粉砕工程が比較的長時間を要していたが、トナーの小径化は微粉砕にさらに長時間を要し、生産性が低下し、結果として低コスト化を達成することは困難であった。そこで、特開平11-65161号公報では混練前のトナー組成物に特定の石油樹脂を含有させてトナー組成物の粉砕性を向上させる技術が報告されている。ここでは、バインダー樹脂としてトナーの保存安定性を確保するために、ガラス転移点が60℃以上の樹脂が使用される。しかしながら、当該技術によるトナーを用いると定着に比較的長時間を要し、フルカラー画像形成の高速化は達成されなかった。
【0006】
フルカラー画像形成の高速化を達成するために、トナーの色材含有量を増やして被記録材に対するトナーの付着量を低減すること、およびトナーバインダー樹脂の溶融開始温度を下げることが提案されている。しかしながら、トナーの付着量を低減すると、画素あたりの構成トナー数が減少するため、得られる画像の粒状性が悪化するという問題があった。すなわち、キメの粗い画像が得られた。また、溶融開始温度が比較的低いバインダー樹脂を用いると、トナー凝集が起こり易いという問題があった。すなわち、トナーを比較的高温下で保存した時に凝集が起こったり、現像器内において撹拌により凝集が起こった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、高画質なフルカラー画像を高速かつ安価で提供できるフルカラー画像形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明はまた、トナーごとに被記録材に対するトナーの最大付着量を変更しなくても、高画質なフルカラー画像を高速かつ安価で提供できるフルカラー画像形成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、静電潜像担持体上に潜像を形成し、該潜像を現像剤で現像する工程、および静電潜像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体を介してまたは介さずに被記録材上に転写する工程を、現像剤の色ごとに繰り返して行い、被記録材上に転写されたトナー像を定着することを含むフルカラー画像形成方法であって、
現像剤としてマゼンタトナーを含むマゼンタ現像剤、シアントナーを含むシアン現像剤、イエロートナーを含むイエロー現像剤、およびブラックトナーを含むブラック現像剤を用い、
各トナーが体積平均粒径3〜7.5μmを有しながら、少なくともバインダー樹脂100重量部、重量平均分子量1000〜3000および重量平均分子量/数平均分子量2.0以下の重合体(B)1〜20重量部および着色剤を含んでなり、
マゼンタトナー、シアントナーおよびイエロートナーの被記録材に対する最大付着量をそれぞれ5.0g/m2以下の値に制御することを特徴とするフルカラー画像形成方法に関する。
【0010】
本発明の発明者等は、特定の重合体(B)を用いると、トナーを小粒径にして該トナーに比較的多量の着色剤を充填しても、各色のトナー間における帯電レベルの差が低減されることを見い出し、さらにはそのようなトナーを特定の現像条件で用いることにより本発明の目的が容易に達成されることを見い出した。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の方法に使用される現像剤は、トナーとキャリアとを混合して得られる2成分現像剤であってもよいし、またはトナーを単独で用いる1成分現像剤であってもよい。また、本発明において現像剤としてはマゼンタトナーを含むマゼンタ現像剤、シアントナーを含むシアン現像剤、イエロートナーを含むイエロー現像剤、およびブラックトナーを含むブラック現像剤を組み合わせて用いるが、これに限定されるものではなく、フルカラー画像を形成できれば、他の色の現像剤を組み合わせて用いても良い。
【0012】
以下、まずトナーについて説明するが、特記しない限り、マゼンタトナー、シアントナー、イエロートナーおよびブラックトナーはそれぞれ独立して以下の説明を適用され得る。
【0013】
本発明において使用されるトナーは少なくともバインダー樹脂、特定の重合体(B)および着色剤を含んでなる。本発明においては後で詳述するような特定の重合体(B)を用いるため、トナーは粒子表面に重合体(B)が露出した構成を有する。トナーがそのような構成を有するため、比較的多量の着色剤が充填されても、トナーの粒子表面に着色剤が露出する確率が顕著に低減され、個々の着色剤の帯電性能の違いに基づく各色のトナー間における帯電レベルの差が低減されると考えられる。また、トナーが上記のような構成を有するために、トナー凝集が起こり難くなるという効果も得られる。さらには重合体(B)を用いることによって、トナーの生産性が向上するという効果も得られる。
【0014】
トナーの製造において重合体(B)を用いると、混練工程においてバインダー樹脂中に重合体(B)が粒子として分散され、粉砕工程で混練物は重合体(B)の分散粒子を結ぶように粉砕面が形成されながら粉砕されるため、粒子表面に重合体(B)が露出した構成を有するトナーが得られると考えられる。詳しくは、混練物中における重合体(B)粒子が存在するところでは、粉砕はバインダー樹脂と重合体(B)粒子との接触面(界面)ではなく、重合体(B)粒子の内部を通って起こるため、当該粉砕面は重合体(B)によって構成され、結果として重合体(B)は粒子表面に露出すると考えられる。
【0015】
本発明において使用される重合体(B)は重量平均分子量(Mw)が1000〜3000、好ましくは1000〜2800、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が2.0以下、好ましくは1.9以下である。そのような重合体(B)を用いないと、重合体(B)が粒子表面に露出した構成のトナーを得られず、各色のトナー間における帯電レベルの差が比較的大きくなり、トナーごとに最大付着量を比較的大きく変更する必要が生じ、現像時におけるトナーごとの条件設定が煩雑となる。さらに、重合体(B)のMwが1000未満であると、重合体(B)のガラス転移点が低くなるため、比較的高い温度でトナーを放置したときの保管性(耐熱保管性)が悪化し、実用上使用が困難となる。一方、Mwが3000を越えると、本材料自身の粉砕性が悪くなり、本材料を用いることによる粉砕性の向上効果が認められなくなる。
【0016】
本明細書中、重合体または樹脂のMwおよびMnはゲルパーミエーションクロマトグラフィ(807-IT型;日本分光工業社製)によって測定された値を用いている。詳しくは、カラムを40℃に保ち、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを10kg/cm3で流し、測定する試料30mgをテトラヒドロフラン20mlに溶解させ、この溶液0.5mgを上記キャリア溶媒とともに導入して、ポリスチレン換算により求めた。
【0017】
そのような重合体(B)は粉砕性指数0.1〜1.0、好ましくは0.2〜0.6を有することが望ましい。粉砕性指数とは粉砕され易さを表すひとつの指標であり、当該値が小さいほど粉砕され易いことを意味する。
【0018】
本明細書中、粉砕性指数は以下に従って測定された値を用いている。体積平均粒径2mm程度の試料を機械式粉砕機(KTM-0型:川崎重工業社製)で処理量F(5kg/h)、KTM回転数12000(rpm)にて粉砕する際に、試料通過無し時の負荷動力値W0と試料を通過させた時の負荷動力値W1を記録する。その後、KTM粉砕で得られた粉砕物の体積平均粒径D(μm)をコールタマルチサイザーII(コールターベックマン社製)にて測定する。得られた値から下記式に基づいて粉砕性指数を算出する。
粉砕性指数=(D×(W1-W0))/F
【0019】
また、重合体(B)のガラス転移点(Tg)は耐熱保管性と低温定着性の更なる向上の観点から50℃以上、好ましくは55〜85℃、より好ましくは60〜80℃であることが望ましい。
本明細書中、重合体または樹脂のガラス転移点は示差走査熱量計(DSC-200:セイコー電子社製)を用いて、リファレンスをアルミナとし、10mgの試料を昇温速度10℃/minの条件で20〜120℃の間で測定し、メイン吸熱ピークのショルダー値をガラス転移点としている。
【0020】
重合体(B)の種類としては、重合体(B)がバインダー樹脂と溶融混練されても相溶せず、かつバインダー樹脂と粉砕性が異なる限り、特に制限されず、例えば、公知の芳香族モノマーおよび/または脂肪族モノマーの単独重合体または共重合体が使用できる。ここで「バインダー樹脂と粉砕性が異なる」とは、重合体(B)の粉砕性指数がバインダー樹脂の粉砕性指数より0.5以上、好ましくは0.7以上小さいことを意味する。そのような粉砕性指数の関係を有する重合体(B)およびバインダー樹脂を用いることによって、重合体(B)が表面に露出したトナーを有効に得ることができる。
【0021】
芳香族モノマーとしては一般式(1);
【化1】
(式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基であり、好ましくは水素原子、塩素原子、臭素原子、またはメチル基である)で表されるスチレン系モノマーと、一般式(2);
【化2】
(式中、R5、R6およびR7はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜6のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基であり、好ましくは水素原子、塩素原子、臭素原子、またはメチル基である)で表されるインデン系モノマーが挙げられる。
【0022】
スチレン系モノマーの具体例としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン、β−メチルスチレン、1−プロペニルトルエン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、α−クロロスチレン、β−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、α−ブロモスチレン、β−ブロモスチレン等が挙げられ、好ましくはスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン、β−メチルスチレン、1−プロペニルトルエン、より好ましくはスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン、さらに好ましくはスチレン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエンである。
インデン系モノマーの具体例としては、例えば、インデン、メチルインデン、エチルインデン等が挙げられ、これらの中でもインデンが特に好ましい。この場合、純度の高いピュアモノマーを使用することが樹脂の着色、臭気、VOC量を低く抑える上で好ましい。
芳香族モノマーは単独でまたは組み合わせて用いてもよい。
【0023】
脂肪族モノマーの具体例としては、上記芳香族モノマーと重合可能であれば特に制限されず、例えば、イソプレン、ピペリレン、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、クロロプレン、2-ブロモ-1,3-ブタジエン等のジオレフィン系モノマー;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、2−メチル−ブテン−1、2−メチルブテン−2等のモノオレフィン系モノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸3−(メチル)ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステル系モノマー;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸3−(メチル)ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル系モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸系モノマー;アクリロニトリル、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルメチルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルおよびビニルイソブチルエーテル等が挙げられる。好ましくはモノオレフィン系モノマーおよびジオレフィン系モノマーであり、より好ましくはイソプレン、ピペリレン、2−メチル−ブテン−1、2−メチルブテン−2、さらに好ましくはイソプレンである。
肪族モノマーは単独でまたは組み合わせて用いてもよい。
【0024】
上記のようなモノマーからなる重合体(B)の中でも、芳香族モノマーがスチレン、α−メチルスチレンおよびイソプロペニルトルエンからなる群から選択される1またはそれ以上のモノマーであり、脂肪族モノマーがイソプレンである、芳香族モノマーおよび/または脂肪族モノマーの単独重合体または共重合体が好ましい。
【0025】
そのような好ましい重合体(B)として、石油類のスチームクラッキングによりエチレン、プロピレンなどを製造するプラントから副生された分解油留分に含まれるジオレフィンおよび/またはモノオレフィンを原料として合成されたものが好ましく使用され得る。
【0026】
また、上記のような好ましい重合体(B)の具体例として、例えば、ポリスチレン、ポリ-α-メチルスチレン、スチレン-α-メチルスチレン共重合体、α-メチルスチレン−イソプロペニルトルエン共重合体、スチレン−イソプロペニルトルエン共重合体、α-メチルスチレン−イソプロペニルトルエン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプロペニルトルエン−イソプレン共重合体等が挙げられ、各色のトナー間における帯電レベルの差をさらに低減する観点から、好ましくはポリスチレン、ポリ-α-メチルスチレンである。
【0027】
重合体(B)としてポリスチレンを用いる場合、その重量平均分子量は1000〜2000であることがさらに好ましい。
また重合体(B)としてポリ-α-メチルスチレンを用いる場合、その重量平均分子量は2000〜2800であることがさらに好ましい。
【0028】
重合体(B)の使用量はバインダー樹脂100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部である。使用量が少なすぎると、トナー組成物の粉砕性の向上効果が得られにくい。使用量が多すぎると、トナーが過粉砕され易くなり、現像器の中でトナー粒径が大きく変化する傾向がある。
【0029】
バインダー樹脂としては特に制限されず、静電荷像現像用トナーの分野で公知の合成樹脂または天然樹脂を用いることができる。例えば、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然変性マレイン酸樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂等が挙げられる。好ましくは、ポリエステル系樹脂、またはスチレン−アクリル樹脂をグラフト化させたポリエステル系樹脂が挙げられる。本発明においては、低温定着性のさらなる向上の観点から、ポリエステル系樹脂を使用することがより好ましい。
【0030】
従来からトナーの低温定着性を向上させる手段としてバインダー樹脂の軟化点を規定することがよく行われているが、本発明においてはバインダー樹脂の軟化点よりガラス転移点の方が低温定着性とよく相関することを見出した。したがって、本発明においてバインダー樹脂は耐熱保管性と低温定着性のさらなる向上の観点から、ガラス転移点が45〜65℃、好ましくは50〜60℃であることが望ましい。なお、バインダー樹脂の軟化点は、フルカラー画像の色再現性および光沢性の観点から120℃以下であることが望ましい。
【0031】
本発明においてポリエステル系樹脂としては、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させることにより得られたポリエステル樹脂が使用可能である。
多価アルコール成分のうち2価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0032】
また、多価カルボン酸成分のうち2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物あるいは低級アルキルエステルが挙げられる。
【0033】
3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸,1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
【0034】
上記のようなモノマー成分からなるポリエステル樹脂の中でも、多価アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を主成分とし、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸、フマル酸、ドデセニルコハク酸、ベンゼントリカルボン酸からなる群より選択される少なくとも1種を主成分として得られたポリエステル樹脂が好ましい。
【0035】
低温定着性のさらなる向上の観点からは、多価アルコール成分としてポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(「PO」という)およびポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(「EO」という)を用い、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸およびフマル酸を用いて得られたポリエステル樹脂が好ましい。このとき、POよりもEOを多く用い、テレフタル酸よりもフマル酸を多く用いることがさらに好ましい。所望の粉砕性指数を維持しつつ、ガラス転移点が高くなりすぎないようにするためである。
【0036】
バインダー樹脂として上記のようなポリエステル樹脂を用いる場合、その酸価は3〜30KOHmg/g、好ましくは3〜20KOHmg/gであることが望ましい。そのような酸価のポリエステル樹脂を用いることにより、カーボンブラックを含む顔料や帯電制御剤の分散性を向上させるとともに、より十分な帯電量を有するトナーを得ることができる。
【0037】
本発明においては特に、熱ローラ定着用トナーとしての定着性、耐オフセット性を向上させ、かつ透光性を必要とするフルカラートナーにおいて画像の光沢性を制御するために、ポリエステル樹脂として軟化点の異なる2種類のポリエステル樹脂を使用してもよい。このとき、それらの混合樹脂の酸価が上記範囲内であればよい。
【0038】
本発明で使用される着色剤としては、従来からフルカラートナー用の着色剤として使用されている公知の顔料及び染料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、活性炭、チタンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー109 C.I.ピグメント・イエロー110、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を挙げることができる。黒トナーにおいては、各種カーボンブラック、活性炭、チタンブラック等の着色剤の一部または全部を磁性体と置き換えてもよい。磁性体としては、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄等、公知の磁性体微粒子が使用可能である。磁性粒子の平均粒径は製造時における分散性を得る意味において好ましくは1μm以下、特に0.5μm以下が望ましい。トナーに非磁性トナーとしての特性を持たせつつ、飛散防止等の観点で磁性体を添加する場合、その添加量はバインダー樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部、より好ましくは1〜5重量部である。
【0039】
着色剤の含有量は、着色剤の隠ぺい力および画像形成時の最大付着量に応じて適宜、決定されればよいが、本発明においては比較的多量の着色剤を充填しても、各色のトナーの帯電性はほとんど変わらないため、比較的多く用いることがより効果的である。例えば、被記録材に対するトナーの最大付着量が4g/m2のとき、C.I.ピグメント・レッド57:1は4〜8重量部の範囲、C.I.ピグメント・イエロー180は6.5〜12重量部の範囲、C.I.ピグメント・ブルー15:3は5.5〜10重量部の範囲で使用される(基準はバインダー樹脂100重量部)。なお、マゼンタ、シアンおよびイエローのトナーに使用される着色剤は、使用されるバインダー樹脂と予め溶融混練した後、粉砕して得られるマスターバッチとして使用されることが好ましく、そのときの使用量は得られるトナー中の着色剤含有量が上記範囲内になればよい。
【0040】
トナーには所望により帯電制御剤および離型剤を含有させてもよい。
マゼンタトナー、シアントナーおよびイエロートナー用の帯電制御剤としては、カラートナーの色調、透光性に悪影響を及ぼさない無色、白色または淡色の帯電制御剤が使用可能であり、例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やクロムの金属錯体、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物等が好適に用いられる。上記サリチル酸金属錯体としては例えば特開昭53−127726号公報、特開昭62−145255号公報等に記載のものが、カリックスアレーン系化合物としては例えば特開平2−201378号公報等に記載のものが、有機ホウ素化合物としては例えば特開平2−221967号公報に記載のものが使用可能である。
【0041】
離型剤としてワックスを使用する。ワックスとしては静電荷像現像用トナーの分野で公知のワックスが使用可能であり、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、サゾールワックス、モンタン系エステルワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス等を挙げることができる。低温定着性のさらなる向上および定着ローラからの分離性の向上の観点から、低融点のワックスを用いることが好ましく、特に好ましいワックスの融点は50〜90℃である。離型剤の添加量はバインダー樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部が望ましい。
【0042】
トナーを得るに際しては、まず、上記のバインダー樹脂、重合体(B)、および着色剤ならびにその他の添加剤、例えば、離型剤、帯電制御剤等をヘンシェルミキサー等の公知の混合装置によって混合した後、公知の混練装置によって溶融混練し、冷却して、混練物を得る。次いで、混練物を、粉砕および分級し、所望により瞬間的加熱処理する。本発明においてトナー粒子の体積平均粒径は最終的に、3〜7.5μm、好ましくは4〜6.5μmである。粒径が小さすぎるとトナーの表面積の増大によりトナー間付着力が高すぎ、保管時および補給、現像時の凝集が課題となる。粒径が大きすぎると、フルカラー画像として必要な粒状性(キメの細かさ)のレベルが達成できない。瞬間的加熱処理を行うための装置としては、例えば、サフュージングシステム(日本ニューマチック工業社製)が使用可能である。
【0043】
トナーには、流動性やクリーニング性の付与を目的として、各種有機/無機の微粒子(後処理剤)を添加することが好ましい。無機微粒子としては、例えば、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブテン、炭化カルシウム、ダイヤモンドカーボンラクタム等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、二硫化モリブデン等の各種硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等の各種フッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト等の各種非磁性無機微粒子を単独あるいは組み合わせて用いることができる。
【0044】
有機微粒子としては、クリーニング助剤等の目的で乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法等の湿式重合法、気相法等により造粒した、スチレン系、(メタ)アクリル系、ベンゾグアナミン、メラミン、テフロン、シリコン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の微粒子を用いることができる。
【0045】
無機微粒子、特にシリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛等は、耐熱保管性および耐環境安定性の観点から、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス等の従来から使用されている疎水化処理剤、フッ素系シランカップリング剤、フッ素系シリコーンオイル、アミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤、変性シリコーンオイル等の処理剤を用いて公知の方法で表面処理されていることが好ましい。
【0046】
本発明においてはマゼンタトナー、シアントナーおよびイエロートナーに外添される微粒子(後処理剤)の構成を略同一、好ましくは同一とすることができる。ここで、構成が「略同一」または「同一」は、各トナーにおいてトナー100重量部に対して0.3重量部以上添加された全ての後処理剤を対象に判断され、それぞれ各トナーにおいて種類および量が「略同一」または「同一」の後処理剤が共通して添加されていることを意味するものとする。後処理剤の種類は粒子の原材料が表される化学式および平均1次粒径を包含して意味するものとし、特に後処理剤の種類が略同一とは、表面処理の有無にかかわらず粒子原材料が同一の化学式で表せ、かつ該同一の化学式で表される後処理剤の各トナーにおける平均一次粒径がそれぞれそれらの平均値の±20%の範囲内であることを意味する。また、後処理剤の量が略同一とは、上記同一の化学式で表される後処理剤の各トナーにおける添加量(トナー100重量部に対する添加量)がそれぞれそれらの平均値の±20%の範囲内であることを意味する。後処理剤の構成がトナーの色ごとに異なるとトナーの現像性および転写性がトナーの色ごとに変わるため、現像条件等をトナーの色ごとに設計する必要が生じる。本発明においてブラックトナーは低コスト化のために上記のマゼンタトナー、シアントナーおよびイエロートナーと別設計のトナーであってよいが、同様に設計されていることが好ましい。
【0047】
上記微粒子はトナー100重量部に対して0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部添加されることが望ましい。上記微粒子は2種以上組み合わせて使用されてよく、その場合にはそれらの合計量が上記範囲内であればよい。
【0048】
以上のようなトナーを2成分現像剤として用いるために使用されるキャリアとしては、従来より2成分現像剤用のキャリアとして公知のものを使用することができ、例えば鉄やフェライト等の磁性体粒子からなるキャリア、このような磁性体粒子を樹脂で被覆してなる樹脂コートキャリア、あるいは磁性体粒子の微粉末を結着樹脂中に分散してなるバインダー型キャリア等を使用することができる。これらのキャリアの中でも、被覆樹脂としてシリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)またはポリエステル系樹脂を用いた樹脂コートキャリアを使用することがトナースペント等の観点から好ましく、特にオルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂にイソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したキャリアが、耐久性、耐環境安定性及び耐スペント性の観点から好ましい。上記ビニル系単量体としてはイソシアネートと反応性を有する水酸基等の置換基を有する単量体が好ましく使用される。また、キャリアの体積平均粒径は20〜100μm、好ましくは20〜60μmのものを使用することが高画質の確保とキャリアかぶり防止の観点から好ましい。
【0049】
次いで、本発明のフルカラー画像形成方法について説明する。
本発明のフルカラー画像形成方法は、公知のフルカラー画像形成方法において、上述したような現像剤を使用すること、およびマゼンタトナー、シアントナーおよびイエロートナーの被記録材に対する最大付着量を比較的小さい値に制御することを特徴とする。
【0050】
詳しくは、静電潜像担持体(感光体)上に潜像を形成し、該潜像を上述した現像剤で現像する工程、および静電潜像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体を介してまたは介さずに被記録材上に転写する工程を、現像剤の色ごとに繰り返して行い、被記録材上に転写されたトナー像を定着することを含むフルカラー画像形成方法において、マゼンタトナー、シアントナーおよびイエロートナーの被記録材に対する最大付着量をそれぞれ5.0g/m2以下、好ましくは2〜5.0g/m2、より好ましくは3.0〜4.8g/m2の値に制御する。本発明においてはこのように特定の現像剤を特定の「被記録材に対するトナーの最大付着量」で用いることにより、高画質なフルカラー画像を高速かつ安価で提供することが可能になる。上記付着量が5.0g/m2を越えると、比較的低温での定着が困難になり、十分な定着を達成するには比較的高い定着温度および/または比較的長い時間を要するため、フルカラー画像形成の高速化と低コスト化を同時に達成することができない。
【0051】
本発明において前記現像剤を上記「被記録材に対するトナーの最大付着量」で用いるとき、マゼンタトナー、シアントナーおよびイエロートナーの「被記録材に対する最大付着量」をそれぞれそれらの平均値の±5%の範囲内とすることによって、現像時におけるトナーごとの条件設定の煩雑さを軽減することができる。すなわち、現像時におけるトナーごとの条件設定の煩雑さを軽減しながら、高画質なフルカラー画像を高速かつ安価で提供することが可能になる。
本発明においてはさらに、マゼンタトナー、シアントナーおよびイエロートナーの被記録材に対する最大付着量を上記範囲内の同一の値に制御することにより、トナーごとに被記録材に対するトナーの最大付着量を変更することなく、高画質なフルカラー画像を高速かつ安価で提供することが可能になる。
【0052】
本発明においてはブラックトナーの被記録材に対する最大付着量も、マゼンタトナー、シアントナーおよびイエロートナーの最大付着量と同様に制御することが好ましい。そのように制御することにより、さらに容易に高画質なフルカラー画像を高速かつ安価で提供することが可能になるためである。このためには着色材としてカーボンブラックを用いる時は十分にカーボンブラックを分散させることが望ましい。
【0053】
本発明において「トナーの被記録材に対する最大付着量」は、「最終的に被記録材上に載るトナーの最大量」であって、フルカラー画像形成装置において各トナーごとに予め設定される条件の一つである。
【0054】
「トナーの被記録材に対する最大付着量」は「現像によって静電潜像担持体に付着され得るトナーの最大量(以下、感光体最大付着量という)」ならびに「静電潜像担持体から被記録材への転写効率(中間転写体を用いない場合)」または「静電潜像担持体から中間転写体への転写効率および中間転写体から被記録材への転写効率(中間転写体を用いる場合)」に依存して決定される。感光体最大付着量は静電潜像担持体における画像部の電位および非画像部の電位、現像剤担持体の表面電位、静電潜像担持体と現像剤担持体との距離、キャリアの磁力、キャリアの抵抗、現像剤担持体上への現像剤の搬送量、現像剤担持体と静電潜像担持体との周速比等によって決定される。
【0055】
以下、上記画像形成方法を用いてフルカラー画像を形成する場合について簡単に説明する。先ず、感光体ドラムの感光体(静電潜像担持体)を一次帯電器によって均一に帯電し、原稿のマゼンタ画像信号にて変調されたレーザー光により画像露光を行い、感光ドラム上に静電潜像を形成する。次に、マゼンタトナーを含む現像剤を保有するマゼンタ現像器により該静電潜像の現像を行い、感光ドラム上にマゼンタトナー像を形成した後、該マゼンタトナー像を転写帯電器により、搬送されてきた被記録材に転写する。一方、マゼンタトナー像が転写された後の感光体ドラムは、除電用帯電器により除電され、クリーニング手段によってクリーニングされる。その後は、上記のマゼンタトナー像の形成方法と同様にして、再び感光体ドラムの一次帯電器による帯電、シアン画像信号を用いた画像露光による感光体ドラム上への静電潜像の形成、シアントナーを含む現像剤による該静電潜像の現像を行った後、上記のマゼンタトナー像が転写されている被記録材へのシアントナー像の転写を行う。更に、イエロートナー像の形成及びブラックトナー像の形成を順次、上記のマゼンタトナー像の形成方法と同様にして行い、4色のカラートナー画像を被記録材に転写し、転写されたフルカラー画像を定着ローラー等による加圧および加熱によって定着する。
【0056】
各カラー画像の形成順序は変更しても特に問題はない。また、上記説明においては、被記録材へ直接的に各カラートナー画像を順次転写する構成を示したが、中間転写ベルト等の中間転写体へ各カラートナー画像を重ね合わせて順次転写した後、重ね合わせ画像を一括して被記録材へ転写しても良い。
【0057】
本発明のフルカラー画像形成方法を実際に実施するに際しては、当該方法を採用した装置の使用環境(温度、湿度等)の変化に伴い、感光体の感度や現像剤の帯電特性が変動し、「感光体最大付着量(トナーの被記録材に対する最大付着量)」が変動することがあるため、定期的に複数の異なる色のトナーのそれぞれについて自動濃度制御(感光体最大付着量の自動制御)を行うことが好ましい。
【0058】
自動濃度制御とは、所定の現像条件により静電潜像担持体上に基準トナー像(ベタ画像)を形成し、該基準トナー像の付着量に基づいて静電潜像担持体における画像部の電位および非画像部の電位、現像剤担持体の表面電位等の可変な現像条件を適宜変更することにより、感光体最大付着量を規定の値に補正することである。
【0059】
好ましい態様においは、上記自動濃度制御を行う一方で、一定周期毎に、所定の条件で帯電された静電潜像担持体の表面電位を表面電位測定手段により測定し、その測定値を記憶手段に記憶させるとともに、該測定値と記憶手段に記憶されている前回の測定値とを比較し、その変動量が所定の値よりも大きい場合には前記自動濃度制御を実行し、所定の値よりも小さい場合には前記自動濃度制御を実行せずに前回の現像条件を維持するように制御する。自動濃度制御を実行するときは、1枚目の画像が出力するまでに数十秒の待ち時間が発生するが、上記のような静電潜像担持体の表面電位の変動量に応じた制御を行うと、比較的効果の小さい自動濃度制御は行われなくなり、結果として自動濃度制御の実行回数が有効に低減されるため、作業能率が向上する。
【0060】
別の好ましい態様においては、自動濃度制御を実行する際、前記静電潜像担持体の表面電位の変動量に応じて、複数の異なる色のトナーのそれぞれについて基準トナー像を形成して現像条件を設定する第1のモードと、複数の異なる色のトナーのうちの所定の色についてのみ基準トナー像を形成して現像条件を設定し、かかる所定の色の現像条件に基づいて、その他の色の現像条件を設定する第2のモードとを選択する。このような静電潜像担持体の表面電位の変動量に基づく選択を行うと、必ずしも全ての色のトナーについて自動濃度制御を行う必要ななくなり、結果として自動濃度制御の実行回数が有効に低減されるため、作業能率が向上する。
【0061】
本発明の方法においては、上記2つの好ましい態様を組み合わせて採用することにより、作業効率のさらなる向上を図りながら、長期にわたって高画質なフルカラー画像を高速かつ安価で提供できる。
【0062】
【実施例】
(バインダー樹脂(ポリエステル樹脂)の製造)
温度計、攪拌器、流下式コンデンサーおよび窒素導入管を取り付けたガラス製4つ口フラスコに、表1に示すモル比でアルコール成分および酸成分を重合開始剤(ジブチル錫オキサイド)とともに入れた。これをマントルヒーター中で窒素雰囲気下にて、220℃で撹拌しつつ反応させて、ポリエステル樹脂A1およびA2を得た。得られたポリエステル樹脂は表1に示す通りの物性を有していた。なお、表中、POはポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを、EOはポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを、TPAはテレフタル酸を、FAはフマル酸を表す。
【0063】
【表1】
【0064】
(重合体(B)の製造)
・樹脂B1
スチレン(純度99.9%)150gおよびトルエン150gをオートクレーブに仕込み攪拌下に温度を5℃に保ちながらBF3−フェノール錯体1.5gを少量ずつ約10分間で滴下した。その後、更に3時間攪拌を続行した。次に5%水酸化ナトリウム水溶液50mlを加えて30分間激しく攪拌して触媒を分解した後、水層を分離し、更に重合油を中性になるまで水洗した後、未反応油および溶媒トルエンを留去し、残渣としてポリスチレン120gを得た。当該ポリマーを樹脂B1とし、物性を表2に示した。
【0065】
・樹脂B2
α−メチルスチレン(純度99.8%)150gおよびトルエン150gをオートクレーブに仕込み攪拌下に温度を5℃に保ちながらBF3−フェノール錯体1.5gを少量ずつ約10分間で滴下した。その後、更に3時間攪拌を続行した。次に5%水酸化ナトリウム水溶液50mlを加えて30分間激しく攪拌して触媒を分解した後、水層を分離し、更に重合油を中性になるまで水洗した後、未反応油および溶媒トルエンを留去し、残渣としてポリ-α-メチルスチレン120gを得た。当該ポリマーを樹脂B2とし、物性を表2に示した。
【0066】
・樹脂B3
α−メチルスチレン(純度99.8%)250g、イソプロペニルトルエン250gおよびトルエン500gを三つ口フラスコに入れ、撹拌下に三弗素ホウ素フェノール錯体を少量づつ添加し、ドライアイス・アセトン浴で冷却しながら20℃で3時間反応させた。次いで、アルカリを添加して触媒を失活させて除去し、溶媒と未反応モノマーとを追い出すために濃縮し、残渣としてα−メチルスチレン−イソプロペニルトルエン共重合体を得た。当該ポリマーを樹脂B3とし、物性を表2に示した。
【0067】
・樹脂B4
イソプロペニルトルエン(純度98%)200g、α−メチルスチレン(純度98%)200g、石油ナフサの熱分解によって得られるC5系石油留分(イソプレン)120g、およびトルエン500gを三つ口フラスコに入れ、撹拌下に三弗素ホウ素フェノール錯体を少量づつ添加し、ドライアイス・アセトン浴で冷却しながら3時間反応させた。次にNaOH水溶液を添加し、激しく撹拌して触媒を分解した後、水相を分離して油状の重合物を得た。さらに油状の重合物を中性になるまで水洗した後、未反応油および溶媒を加熱減圧留去し、残渣として白色塊状のα−メチルスチレン−イソプロペニルトルエン−イソプレン共重合体を得た。当該ポリマーを樹脂B4とし、物性を表2に示した。
【0068】
・樹脂B5
反応時間を2時間とした以外は、樹脂B1と同じ製法でポリスチレンを得た。当該ポリマーを樹脂B5とし、物性を表2に示した。
・樹脂B6
反応時間を4.5時間とした以外は、樹脂B2と同じ製法でポリ-α−メチルスチレンを得た。当該ポリマーを樹脂B6とし、物性を表2に示した。
【0069】
【表2】
【0070】
(顔料マスターバッチの製造)
フルカラートナーの製造に使用する顔料は以下の方法によって得られる顔料マスターバッチとして用いた。各実施例、参考例または比較例で使用するバインダー樹脂と顔料を重量比(樹脂:顔料)7:3の割合で加圧ニーダーに仕込み、120℃で1時間混練した。冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、顔料含有率30重量%の顔料マスターバッチを得た。顔料としてはC.I.Pigment Yellow180(ヘキスト社製)、C.I.Pigment Blue15−3(大日本インキ社製)、C.I.Pigment Red57−1(大日本インキ社製)を用いた。
【0071】
トナーM1
ポリエステル樹脂A1および顔料マスターバッチを、ポリエステル樹脂A1;100重量部およびC.I.Pigment Red57-1;5重量部となるように用い、これに樹脂B1を10重量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、エクストルーダにより溶融混練した。得られた混練物を冷却した後、粗粉砕および微粉砕して、体積平均粒径5.5μmの粉砕物を得た。その後、粉砕物を分級して体積平均粒径6μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(H2000;ヘキスト社製)0.9重量部、疎水性酸化チタン(粒径50nm)0.9重量部、およびチタン酸ストロンチウム(粒径350nm、BET比表面積9m2/g)2.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合処理した後、マゼンタトナー(M1)を得た。
【0072】
トナーY1およびC1
顔料マスターバッチを変更し、ポリエステル樹脂A1および顔料マスターバッチを、ポリエステル樹脂A1;100重量部およびC.I.Pigment Yellow180;8.5重量部、またはポリエステル樹脂A1;100重量部およびC.I.Pigment Blue15-3;7重量部となるように用いたこと以外は、トナーM1と同様の製法により、トナーY1およびC1を得た。
【0073】
トナーK1
顔料マスターバッチをカーボンブラック(モーガルL;キャボット社製;pH2.5;平均1次粒径24nm)に変更し、ポリエステル樹脂A1およびカーボンブラックを、ポリエステル樹脂A1;100重量部およびカーボンブラック;8重量部となるように用いたこと以外は、トナーM1と同様の製法により、トナーK1を得た。
【0074】
トナーM2〜M12
表3〜表5に示したバインダー樹脂および重合体(B)ならびに顔料マスターバッチを、表記したトナー組成となるように用いたこと以外は、トナーM1と同様の製法により、トナーM2〜M12を得た。
トナーY2〜Y12
表3〜表5に示したバインダー樹脂および重合体(B)ならびに顔料マスターバッチを、表記したトナー組成となるように用いたこと以外は、トナーY1と同様の製法により、トナーY2〜Y12を得た。
【0075】
トナーC2〜C12
表3〜表5に示したバインダー樹脂および重合体(B)ならびに顔料マスターバッチを、表記したトナー組成となるように用いたこと以外は、トナーC1と同様の製法により、トナーC2〜C12を得た。
トナーK2〜K12
表3〜表5に示したバインダー樹脂および重合体(B)ならびにカーボンブラックを、表記したトナー組成となるように用いたこと以外は、トナーK1と同様の製法により、トナーK2〜K12を得た。
【0076】
実施例、参考例および比較例
各実施例、参考例または比較例では、表3〜表5に示したトナーを組み合わせて用い、以下の項目について評価した。
【0077】
(生産性)
試料(トナー組成物(混練冷却後、フェザーミルで2mmメッシュパスしたもの))を機械式粉砕機(KTM-0型:川崎重工業社製)で処理量F(5kg/h)、KTM回転数12000(rpm)にて粉砕する際に、試料通過無し時の負荷動力値W0と試料を通過させた時の負荷動力値W1を記録した。その後、KTM粉砕で得られた粉砕物の体積平均粒径D(μm)をマルチサイザーII(コールターベックマン社製)にて測定した。
下記式に基づいて粉砕性指数を算出し、以下のランク付けにしたがって評価した。なお、評価は各トナーについて行い、平均値について示した。
粉砕性指数(H)=(D×(W1-W0))/F
【0078】
◎;1.0≦H<1.5;
○;0.5≦H<1.0、または1.5≦H<2.0;
×;H<0.5(柔らかすぎる)、または2.0≦H(硬すぎる)。
【0079】
(耐熱保管性)
トナー10gを50℃の高温下で24時間放置した後、トナーの凝集状態を目視で観察した。なお、評価は各トナーについて行い、最も悪い結果を示した。
◎:凝集物は全く見られなかった;
○:凝集物が存在するが、弱い衝撃でほぐれた;
×:凝集物が存在し、容易にほぐれなかった。
【0080】
(帯電性)
各トナーの帯電量の測定を電界分離法により行った。マゼンタトナー、イエロートナー、シアントナーおよびブラックトナーの帯電量から平均値を求めた。各トナーの帯電量と当該平均値との差を求め、平均値に対する当該差の割合(X(%))を求めた。当該割合を以下のランク付けにしたがって評価した。なお、評価は各トナーについて行い、最も悪い結果を示した。キャリアはアクリル変性シリコーンコートフェライトキャリアを用いた。
◎;-5≦X<≦5(%);
○;-10≦X<-5(%)または5<X≦10(%);
×;X<-10(%)または10<X(%)。
【0081】
以下の評価では、トナーをアクリル変性シリコーンコートフェライトキャリアとトナー混合比が5重量%になるように調合して得られた2成分現像剤を用いた。
【0082】
(粒状性)
マゼンタ、イエロー、シアンおよびブラックの2成分現像剤を、トナー最大付着量が表3〜表5に示す値に設定されたデジタルフルカラー複写機(CF910;ミノルタ社製)に搭載し、電子写真学会チャート1995 No5-1を複写した。
○;現行の製品の粒状性より良好であった;
×;現行の製品の粒状性より劣っていた。
【0083】
(低温定着性)
マゼンタ、イエロー、シアンおよびブラックの2成分現像剤を、各トナーの最大付着量が表3〜表5に示す値に設定されたデジタルフルカラー複写機(CF910;ミノルタ社製)に搭載し、定着温度を120℃〜170℃の範囲において2℃刻みで変化させながら、1.5cm×1.5cmの3色重ね合わせ画像(マゼンタトナー、イエロートナーおよびシアントナー)を印字した。画像を真ん中から2つに折り曲げてその画像の剥離性を目視にて評価した。画像が折り曲げ部周辺まで剥離した時の定着温度と、画像が折り曲げ部のみ剥離した時の定着温度との間の温度を定着下限温度とした。
◎;定着下限温度が145℃未満であった;
○;定着下限温度が145℃以上155℃未満であった;
△;定着下限温度が155℃以上165℃未満であった(実用上問題なし);
×;定着下限温度が165℃以上であった(実用上問題あり)。
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
(アクリル変性シリコーンコートフェライトの製造)
撹拌器、コンデンサー、温度計、窒素導入管、滴下装置を備えた容量500mlのフラスコにメチルエチルケトンを100重量部仕込んだ。窒素雰囲気下80℃でメチルメタクリレート86.7重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5.1重量部、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン58.2重量部および1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)1重量部を、メチルエチルケトン100重量部に溶解させて得られた溶液を2時間にわたり反応器中に滴下し、5時間熟成させた。得られた樹脂に対して、架橋剤としてイソホロンジイソシアネート/トリメチロールプロパンアダクト(IPDI/TMP系:NCO%=6.1%)をOH/NCOモル比率が1/1となるように調整した後メチルエチルケトンで希釈して固定比8重量%であるコート樹脂溶液を調製した。
【0088】
コア材として焼成フェライト粉F-800(体積平均粒径:50μm、パウダーテック社製)を用い、上記コート樹脂溶液をコア材に対する被覆樹脂量が1.5重量%になるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布・乾燥した。
得られたキャリアを熱風循環式オーブン中にて160℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmと75μmのスクリーンメッシュを取り付けたフルイ振とう器を用いて解砕し、アクリル変性シリコーンコートフェライトキャリアを得た。
【0089】
(他の測定方法)
・樹脂の軟化点Tmの測定法
フローテスター(CFT-500:島津製作所社製)を用い、ダイスの細孔(径1mm、長さ1mm)、加圧30kg/cm2、昇温速度3℃/minの条件で1cm3の試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度を軟化点とした。
・酸価は、10mgの試料をトルエン50mlに溶解し、0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用いて、予め標定されたN/10水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定し、N/10水酸化カリウム/アルコール溶液の消費量から算出した値である。
【0090】
・トナーの粒径はコールターマルチサイザーIIを用いて測定した。
・無機微粒子の平均粒径は透過型電子顕微鏡(JEM-1010型;日本電子データム社製)で観察し、粒子100個の直径を測定し、平均粒径を求めた。
【0091】
【発明の効果】
本発明により、高画質なフルカラー画像を高速かつ安価で提供できる。
Claims (8)
- 静電潜像担持体上に潜像を形成し、該潜像を現像剤で現像する工程、および静電潜像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体を介してまたは介さずに被記録材上に転写する工程を、現像剤の色ごとに繰り返して行い、被記録材上に転写されたトナー像を定着することを含むフルカラー画像形成方法であって、
現像剤としてマゼンタトナーを含むマゼンタ現像剤、シアントナーを含むシアン現像剤、イエロートナーを含むイエロー現像剤、およびブラックトナーを含むブラック現像剤を用い、
各トナーが体積平均粒径3〜7.5μmを有しながら、少なくともポリエステル樹脂であるバインダー樹脂100重量部、重量平均分子量1000〜3000および重量平均分子量/数平均分子量2.0以下のポリスチレンまたはポリ−α−メチルスチレンである重合体(B)1〜20重量部および着色剤を含み、且つ、トナーの粒子表面に前記重合体(B)が露出した粉砕トナーであり、
マゼンタトナー、シアントナーおよびイエロートナーの被記録材に対する最大付着量をそれぞれ5.0g/m2以下の値に制御し、
マゼンタトナー、シアントナーおよびイエロートナーの着色剤含有量がバインダー樹脂100重量部に対して5〜11重量部であることを特徴とするフルカラー画像形成方法。 - マゼンタトナー、シアントナーおよびイエロートナーの被記録材に対する最大付着量を5.0g/m2以下の同一の値に制御することを特徴とする請求項1に記載のフルカラー画像形成方法。
- ポリエステル樹脂のガラス転移点が45〜65℃である請求項1または2に記載のフルカラー画像形成方法。
- マゼンタトナー、シアントナーおよびイエロートナーは、各トナーにおいてトナー100重量部に対して0.3重量部以上添加された全ての後処理剤について、表面処理の有無にかかわらず粒子原材料が同一の化学式で表せる後処理剤であって、該同一の化学式で表される後処理剤の各トナーにおける平均一次粒径がそれぞれそれらの平均値の±20%の範囲内であり、かつ該同一の化学式で表される後処理剤の各トナーにおけるトナー100重量部に対する添加量がそれぞれそれらの平均値の±20%の範囲内である後処理剤が共通して添加されている請求項1〜3いずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
- 重合体(B)が粉砕性指数0.1〜1.0を有する請求項1〜4いずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
- 重合体(B)が、バインダー樹脂の粉砕性指数より0.5以上小さい粉砕性指数を有する請求項1〜5いずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
- ポリエステル樹脂の酸価が3〜30KOHmg/gである請求項1〜6いずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
- ポリエステル樹脂の軟化点が120℃以下である請求項1〜7いずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
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