JP5239233B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
従来、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられる乾式トナーとしては、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂などのトナーバインダーを着色剤などと共に溶融混練し、微粉砕したもの、いわゆる粉砕型トナーが広く用いられている。
しかしながら、上記の重合型トナーにおいては、水系媒体中で分散剤を使用することを前提としているために、トナーの帯電特性を損なう分散剤がトナー表面に残存して環境安定性が損なわれるなどの不具合が発生したり、これを除去するために非常に大量の洗浄水を必要とすることが知られており、必ずしも製法として満足のいくものではない。
上述の造粒方法の場合(特許文献5、特許文献6)、流体に直接加振部が触れることを特徴としているが、この様な構成の場合、細孔と振動部の数が一致する場合はシャープな粒径分布を達成できるが、多数の細孔と1つの加振部の場合、細孔の位置と加振部の位置関係によるその距離に応じて、細孔から吐出する液滴の大きさが変化するので、トナー粒子が異なる複数のオリフィス間で異なった粒径を生産してしまうことが判明した。
また、粉砕法におけるもう一つの問題として、ワックスが破断面になりやすいために、表面に露出するワックスが多くなってしまうということがある。
高品位、高画質の画像を得るためには、トナーの粒子径を小さくしたり、その粒度分布を狭くしたりすることにより改良が図られているが、通常の混練粉砕法による製造方法では、その粒子形状が不定形であり、機械内部では現像部内でのキャリアとの攪拌や、一成分系現像剤として用いる場合は現像ローラとトナー供給ローラ、層厚規制ブレードや摩擦帯電ブレードなどとによる接触ストレスによりさらにトナーが粉砕され、極微粒子が発生したり、流動化剤がトナー表面に埋め込まれるために画像品質が低下するという現象が発生している。また、その形状ゆえに粉体としての流動性が悪く、多量の流動化を必要としたり、トナーボトル内への充填率が低く、コンパクト化への阻害要因となっている。
さらに、フルカラー画像を作成するために多色トナーより形成された画像の感光体から転写媒体や紙への転写プロセスも複雑になってきており、粉砕トナーのような不定形の形状による転写性の悪さから、転写された画像のぬけやそれを補うためトナー消費量が多いなどの問題が発生している。
特許文献22では、ポリエステル樹脂と、それぞれ酸価を有し軟化点の異なる2種類のオフセット防止剤を含有したトナーが提案されている。しかし、このトナーでは現像性に未だ問題がある。また、特許文献23、24では、トナー内部におけるワックスの分散径を規定しているが、トナー内部での存在状態、存在位置が不定の為、定着での十分な離型性が得られない場合がある。
一方、微小ノズルからトナー組成物を吐出させてトナー粒子を形成する方法では球形化や小粒径化は容易であるが、ノズルのつまりという課題がある。特に離型剤を含有したトナーの場合、トナー組成物中に存在する粗大な離型剤や凝集した離型剤に起因するノズルのつまりを生じやすい。
(1)少なくとも樹脂、着色剤、離型剤、及び少なくともポリオレフィン樹脂とビニル系樹脂とからなるグラフト重合体を含有するトナー組成物を、溶媒に溶解乃至は分散させたトナー組成液を、ノズルから放出して液滴化してトナー粒子を製造するトナー製造方法において、前記離型剤がカルナバワックス、パラフィンワックス及びエステルワックスよりなる群から選ばれる少なくとも一種であり、トナー組成液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜を機械的振動手段によって振動させることによって該薄膜のノズルから前記トナー組成液を周期的に放出し、液滴化する周期的液滴化工程と、前記液滴化された前記トナー組成液を固化させる粒子形成工程とを有し、前記機械的振動手段は、前記薄膜のノズルを設けた領域の周囲に円環状に形成された振動発生手段であることを特徴とするトナーの製造方法。
(2)少なくとも樹脂、着色剤、離型剤、及び少なくともポリオレフィン樹脂とビニル系樹脂とからなるグラフト重合体を含有するトナー組成物を、溶媒に溶解乃至は分散させたトナー組成液を、ノズルから放出して液滴化してトナー粒子を製造するトナー製造方法において、トナー組成液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜を機械的振動手段によって振動させることによって該薄膜のノズルから前記トナー組成液を周期的に放出し、液滴化する周期的液滴化工程と、前記液滴化された前記トナー組成液を固化させる粒子形成工程とを有し、前記機械的振動手段は、前記薄膜に対して平行な振動面を有し、該振動面が垂直方向に縦振動する振動手段であることを特徴とするトナーの製造方法。
(3)前記機械的振動手段の振動周波数が20kHz以上2.0MHz未満であることを特徴とする(1)または(2)に記載のトナーの製造方法。
(4)前記機械的振動手段がホーン型振動子であることを特徴とする(2)又は(3)に記載のトナーの製造方法。
(5)ノズルの開口径が1〜40μmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(6)前記トナー組成液が有機溶剤を含有するものであり、トナーが前記液滴から溶剤を除去することによって固体粒子化することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(7)前記ポリオレフィン樹脂の軟化点が70〜150℃であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(8)該ビニル系樹脂のSP値が10.0〜11.5(cal/cm3)1/2であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(9)該グラフト重合体の添加量が離型剤100重量部に対して、10〜150重量部であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(10)該ビニル系樹脂はスチレンおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリロニトリルから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(11)該離型剤が少なくとも溶剤及び前記グラフト重合体の存在下に加熱溶解した後、冷却し、析出した離型剤粒子をさらに微粉砕して得られたものであることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
本発明の製造方法によって得られたトナーは、これまでの粉砕型トナーやケミカルトナーにおける製造方法にみられた粒度のバラツキによる変動幅が全くないか、あっても殆ど無視できる程度に極端に変動が少ないものであるといった大きな特徴を有するため現像を繰り返しても画像が安定している。
また、本発明のトナーの製造方法により得られたトナーは離型剤を含有しているため耐ホットオフセット性に優れ、ポリオレフィン樹脂とビニル系樹脂とからなるグラフト重合体の存在下で離型剤が安定に微分散されているため、トナー表面へ離型剤が移行することが無く、感光体等への離型剤に起因するフィルミングを生じることが無く、小粒径で粒度分布が非常に狭いため、高品位な画質を安定して得ることができる。
さらに前記機械的振動手段の振動周波数が20kHz以上2.0MHz未満とし、前記ポリオレフィン樹脂の軟化点を70〜150℃とし、前記ビニル系樹脂のSP値を10.0〜11.5とし、前記グラフト重合体の添加量を離型剤100重量部に対して、10〜150重量部含有させることにより、この効果をより確実なものとすることができる。
既に述べたように、トナー組成液を気相中で液滴化する方法は、液体を加圧してノズルから噴霧する一流体ノズル(加圧ノズル)や液体と圧縮気体を混合して噴霧する多流体スプレーノズル、回転する円盤を用いて液体を遠心力により液滴化する回転円盤型噴霧機が知られているが、小粒径のトナーを得るためには、多流体スプレーノズル及び回転円盤型噴霧機が好ましい。多流体スプレーノズルとしては、外部混合二流体ノズルが一般的であるが、更なる微粒化や粒度の均一性を得るため、内部混合二流体ノズルや四流体ノズルといったさまざまな改良が検討されている。回転円盤型噴霧機も同様の狙いから、円盤形状を皿型や椀型、多翼型といった改良が検討されている。
しかし、これらの製造方法で得られるトナーは粒度分布が広く分級を必要とする場合がある。
本発明者等はこの欠点を改良した、均一な粒度のトナーを得る製造方法として、複数の均一径ノズルを有する薄膜からトナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出し、液滴化する周期的液滴化方法を見出した。
すなわち、本発明のトナー製造方法に使用される装置(以下、「トナー製造装置」ともいう。)としては、少なくとも樹脂と着色剤とを含有するトナー用材料の溶解乃至分散液であるトナー組成液を、前記複数のノズルを有する薄膜の周囲に機械的振動手段を円環状に形成してなる液滴化手段又は複数のノズルを有する薄膜に対して平行な振動面を垂直方向に縦振動する機械的振動手段を設けてなる液滴化手段を用いて各ノズルから放出することにより均一粒径の液滴を生成させることができる。
一つは、複数のノズルを有する薄膜に対して平行な振動面を有し、垂直方向に縦振動する機械的手段(機械的縦振動手段)を用いる方式(以下単に「ホーン型」ともいう)であり、他の一つは、複数のノズルを有する薄膜の周囲に円環状に形成された機械的振動手段(円環状機械的振動手段)を設ける方式(以下、単に「リング型」ともいう)である。
以下、各方式について説明する。
まず、機械的縦振動手段を設けたトナー製造装置の一例について図1の模式的構成図を参照して説明する。
トナーの製造装置1は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液を液滴化して放出する液滴化手段としての液滴噴射ユニット2と、この液滴噴射ユニット2が上方に配置され、液滴噴射ユニット2から放出される液滴化されたトナー組成液の液滴を固化してトナー粒子Tを形成する粒子化手段としての粒子形成部3と、粒子形成部3で形成されたトナー粒子Tを捕集するトナー捕集部4と、トナー捕集部4で捕集されたトナー粒子Tがチューブ5を介して移送され、移送されたトナー粒子Tを貯留するトナー貯留手段としてのトナー貯留部6と、トナー組成液10を収容する原料収容部7と、この原料収容部7内から液滴噴射ユニット2に対してトナー組成液10を送液する配管(送液管)8と、稼動時などにトナー組成液10を圧送供給するためのポンプ9とを備えている。
図2は同液滴噴射ユニット2の概略断面説明図、図3は図2を下側から見た要部底面説明図である。
この液滴噴射ユニット2は、複数のノズル(吐出口)11が形成された薄膜12と、この薄膜12を振動させる機械的振動手段(以下「振動手段という)13と、薄膜12と振動手段13との間に少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液10を供給する貯留部(液流路)14を形成する流路部材15とを備えている。
振動手段13は、ノズル11を有する薄膜12に対して垂直方向の振動を与えるものであれば、どのような配置でもよいが、振動面13aと薄膜12とは平行に配置される。
図示した例では振動発生手段21と振動増幅手段22で構成される振動手段13としてホーン型振動子を用いており、このホーン型振動子は、圧電素子などの振動発生手段21の振幅を振動増幅手段22としてのホーン22Aで増幅することができるため、機械的振動を発生する振動発生手段21自体は小さな振動でよく、機械的負荷が軽減するために生産装置としての長寿命化につながる。
また、振動手段13としては、特に高強度なボルト締めランジュバン型振動子を用いることもできる。このボルト締めランジュバン型振動子は圧電セラミックスが機械的に結合されており、高振幅励振時に破損することがない。
この場合、振動面とは、前記複数のノズルを有する薄膜が貼り合わされた面と定義される。
この液滴噴射ユニット2は、前述した例と同様に、ホーン型振動子を振動手段13を用いて、この振動発生手段13の周囲を囲んでトナー組成液10を供給する流路部材15を配置し、振動発生手段13のホーン22に薄膜12と対向する部分に貯留部14を形成している。さらに、流路部材15の周囲に所要の間隔を置いて気流35を流す気流路37を形成する気流路形成部材36を配置している。なお、図示を簡略化するため、薄膜12のノズル11は1個で示しているが、前述したように複数個設けられている。
また、図10に示すように、複数、例えば制御性の観点からは100〜1,000個の液滴噴射ユニット2を、粒子形成部3を構成する乾燥塔の上部に並べて配置する。これにより、より生産性の向上を図ることができる。
図11は図1に示す装置において液滴噴射ユニットをリング型のものに代えたものである。
リング式の液滴噴射ユニット2について図12〜図14を参照して説明する。なお、図12は同液滴噴射ユニット2の断面説明図、図13は図12を下側から見た要部底面説明図、図14は液滴化手段の概略断面説明図である。
この液滴噴射ユニット2は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液10を液滴化して放出させる液滴化手段11と、この液滴化手段11にトナー組成液10を供給する貯留部(液流路)14を形成した流路部材15とを備えている。
次に、この液滴化手段としての液滴噴射ユニット2による液滴形成のメカニズムについて説明する。
上述したように液滴噴射ユニット2は、貯留部14に臨む複数のノズル11を有する薄膜12に、機械的振動手段である振動手段13によって発生した振動を伝播させて、薄膜12を周期的に振動させ、比較的大面積(φ1mm以上)の領域に複数のノズル11を配置し、それら複数のノズル11より液滴を安定的に形成して放出することができるようになる。
また、図19、図20に示すような、より高次のモードが存在することが知られている。これらのモードは、円形膜内に、同心円状に節を1乃至複数持ち、実質的に軸対称な変形形状である。また、図21に示すように、中心部が凸形状12cとすることで液滴の進行方向を制御し、かつ振動振幅量を調整することが可能である。
Pac(r,t)=Zr・Vm(r,t) (1)
膜の振動速度Vmは時間とともに周期的に変動しているため時間の関数であり、例えばサイン波形、矩形波形など、様々な周期変動を形成することが可能である。また、前述のとおり、膜の各所で振動方向の振動変位は異なっており、Vmは、膜上の位置座標の関数でもある。本発明で用いられる膜の振動形態は、上述のとおり軸対象である。したがって、実質的には半径座標の関数となる。
気相へ周期的に排出されたトナー組成液は、液相と気相との表面張力差によって球体を形成するため、液滴化が周期的に発生する。
更には、前記音圧の変位量が、10kPa以上となることによって、上述の微粒子分散促進作用がより好適に発生する。
トナー組成液の条件を変更し、粘度20mPa・s以下、表面張力20乃至75mN/mの領域においてサテライトの発生開始領域が同様であったことから、前記音圧の変位量が、500kPa以下であることが必要となる更に好適には、100kPa以下である。
ノズルを有する薄膜は、先にも述べたように、トナー用材料の溶解乃至分散液を、吐出させて液滴とする部材である。
この薄膜12の材質、ノズル11の形状としては、特に制限はなく、適宜選択した形状とすることができるが、例えば、薄膜12は厚み5〜500μmの金属板で形成され、かつ、ノズル11の開口径が3〜35μmであることが、ノズル11からトナー組成液10の液滴を噴射させるときに、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させる観点から好ましい。なお、前記ノズル11の開口径は、真円であれば直径を意味し、楕円であれば短径を意味する。また、複数のノズル11の個数は、2ないし3000個が好ましい。(乾燥)
液滴から溶剤を除去する乾燥工程は、加熱した乾燥窒素などの気体中に液滴を放出し行われる。必要であれば、さらに流動床乾燥や真空乾燥といった二次乾燥が行われる。
本発明のトナーは、先に述べた、本発明のトナー製造方法により製造されたトナーである。
該トナーは、前記トナー製造方法により、粒度分布が単分散なものが得られる。
具体的には、前記トナーの粒度分布(重量平均粒径/個数平均粒径)としては、1.00〜1.15の範囲にあるのが好ましい。また、重量平均粒径としては、1〜20μmであるのが好ましい。
前記トナー用材料としては、少なくとも樹脂及び着色剤、離型剤、前記グラフト重合体とを含有し、必要に応じて、帯電制御剤、磁性体、流動性向上剤、滑剤、クリーニング助剤、抵抗調整剤等のその他の成分を含有する。
前記樹脂としては、少なくとも結着樹脂が挙げられる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等からなるビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂、などが挙げられる。
(1)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフイン類;(2)ブタジエン、イソプレン等のポリエン類;(3)塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;(4)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;(5)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;(6)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;(7)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;(8)、ビニルナフタリン類;(9)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等;(10)マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;(11)マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;(12)マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステルの如き不飽和二塩基酸のモノエステル;(13)ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;(14)クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;(15)クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物;(16)該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマー;(17)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;(18)4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマー。
その他、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物、ジメタクリレート化合物も挙げられる。ポリエステル型ジアクリレート類として、例えば、商品名MANDA(日本化薬社製)が挙げられる。
これらの架橋剤は、前記ビニル重合体、又は共重合体を形成する他のモノマー100質量部に対して、0.01〜10質量部用いることが好ましく、0.03〜5質量部用いることがより好ましい。これらの架橋性モノマーのうち、トナー用樹脂に定着性、耐オフセット性の点から、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1つ含む結合鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が好適に挙げられる。これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
結着樹脂がスチレン−アクリル系樹脂等のビニル重合体のときの酸価としては、0.1mgKOH/g〜100mgKOH/gであることが好ましく、0.1mgKOH/g〜70mgKOH/gであることがより好ましく、0.1mgKOH/g〜50mgKOH/gであることが最も好ましい。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール、などが挙げられる。
前記3価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、例えば、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、などが挙げられる。
本発明において、結着樹脂の分子量分布は、THFを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。
また、ポリエステル系重合体、ビニル重合体とその他の結着樹脂を併用する場合、全体の結着樹脂の酸価が0.1〜50mgKOH/gを有する樹脂を60質量%以上有するものが好ましい。
(1)試料は予め結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、結着樹脂及び架橋された結着樹脂以外の成分の酸価及び含有量を予め求めておく。試料の粉砕品0.5〜2.0gを精秤し、重合体成分の重さをWgとする。例えば、トナーから結着樹脂の酸価を測定する場合は、着色剤又は磁性体等の酸価及び含有量を別途測定しておき、計算により結着樹脂の酸価を求める。
(2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(体積比4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
(3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。
(4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とし、以下の計算式(2)で算出する。ただしfはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)=[(S−B)×f×5.61]/W (2)
前記着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物、などが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、トナーに対して1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
また、前記マスターバッチ用の樹脂は、酸価が30mgKOH/g以下、アミン価が1〜100で、着色剤を分散させて使用することが好ましく、酸価が20mgKOH/g以下、アミン価が10〜50で、着色剤を分散させて使用することがより好ましい。酸価が30mgKOH/gを超えると、高湿下での帯電性が低下し、顔料分散性も不十分となることがある。また、アミン価が1未満であるとき、及び、アミン価が100を超えるときにも、顔料分散性が不十分となることがある。なお、酸価はJIS K0070に記載の方法により測定することができ、アミン価はJIS K7237に記載の方法により測定することができる。
前記分散剤は、トナー中に、着色剤に対して0.1〜10質量%の割合で配合することが好ましい。配合割合が0.1質量%未満であると、顔料分散性が不十分となることがあり、10質量%より多いと、高湿下での帯電性が低下することがある。
前記分散剤の添加量は、着色剤100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。1質量部未満であると分散能が低くなることがあり、50質量部を超えると帯電性が低下することがある。
本発明では、定着時のオフセット防止を目的として離型剤としてワックス類を含有させている。
ワックス類としては、特に制限はなく、通常トナー用離型剤として使用されるものを適宜選択して使用することができるが、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう等の植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類。脱酸カルナバワックスの等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、などが挙げられる。
また、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は溶液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものや、低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好ましく用いられる。
また、2種以上の異なる種類のワックスを併用することにより、ワックスの作用である可塑化作用と離型作用を同時に発現させることができる。
離型作用を有するワックスとしては、融点の高いワックスが挙げられ、その分子の構造としては、直鎖構造のものや、官能基を有さない無極性のものが挙げられる。使用例としては、2種以上の異なるワックスの融点の差が10℃〜100℃のものの組み合わせや、ポリオレフィンとグラフト変性ポリオレフィンの組み合わせ、などが挙げられる。
前記ワックスの総含有量としては、結着樹脂100質量部に対し、0.2〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
前記ワックス又はトナーのDSC測定機器としては、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるものを用いる。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂とビニル系樹脂とからなるグラフト重合体は、ポリオレフィン樹脂の少なくとも一部がビニル系樹脂による変性部でグラフトされた構造を有する。前記ビニル系樹脂としては、従来公知のビニルモノマーの単独重合体、もしくは、共重合体が使用できる。
本発明のトナーにおいて、その離型剤は、その少なくとも一部がグラフト重合体中に内包されているか付着している。
離型剤及びグラフト重合体を含有するトナー組成物を溶解または分散し液状としたトナー組成液中で、グラフト重合体は微細化した離型剤の移動や再凝集を抑制する。これは、グラフト重合体のポリオレフィン樹脂部分が離型剤と親和性が高く、ビニル系樹脂部分がバインダー樹脂と親和性が高いため、分散剤的な効果を生じるためと推測される。
トナー組成液中でのグラフト重合体及び離型剤の分散径は、詰まりの点からノズル開口径の1/2以下であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィン類の重合体、オレフィン類の重合体の酸化物、オレフィン類の重合体の変性物、オレフィン類と共重合可能な他の単量体との共重合物などが挙げられる。
オレフィン類の重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ヘキセン共重合体などが挙げられる。
オレフィン類の重合体の酸化物としては、上記オレフィン類の重合体の酸化物等が挙げられる。
オレフィン類の重合体の変性物としては、例えば、前記例示したオレフィン類の重合体のマレイン酸誘導体付加物などが挙げられる。マレイン酸誘導体としては、例えば無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。
これらポリオレフィン系樹脂のうち、好ましいものは、オレフィン類の重合体、熱減成型ポリオレフィン、オレフィン類の重合体の酸化物、オレフィン類の重合体の変性物であり、さらに好ましくは、ポリエチレン、ポリメチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体及びその熱減成品、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、マレイン化ポリプロピレン等であり、特に好ましいものは、ポリエチレンおよびポリプロピレンである。
前記ポリオレフィン樹脂の分子量は、キャリア等へのフィルミング及び離型性の観点から、ポリオレフィン樹脂の数平均分子量は通常数平均分子量が500〜20000、重量平均分子量は800〜100000であり、好ましくは数平均分子量は1000〜15000、重量平均分子量は1500〜60000、さらに好ましくは、数平均分子量は1500〜10000、重量平均分子量は2000〜30000である。
具体的には、スチレン系モノマー[スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、フェニルスチレン、ベンジルスチレンなど]、不飽和カルボン酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど]、ビニルエステル系モノマー[酢酸ビニルなど]、ビニルエーテル系モノマー[ビニルメチルエーテルなど]、ハロゲン元素含有ビニル系モノマー[塩化ビニルなど]、ジエン系モノマー(ブタジエン、イソブチレン等)、(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレンなど不飽和ニトリル系モノマーおよびこれらの併用が挙げられる。
これらのうち好ましいものはスチレン系モノマー、不飽和カルボン酸アルキルエステル、(メタ)アクリロニトリルおよびその併用であり、特に好ましいのは、スチレンおよびスチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリロニトリルの併用である。
ビニル系樹脂の分子量は、数平均分子量で1500〜100000、重量平均分子量で、5000〜200000であり、好ましいのは数平均分子量で2500〜50000、重量平均分子量で6000〜100000、特に好ましいのは数平均分子量で2800〜20000、重量平均分子量で7000〜50000である。
ビニル系樹脂のTg(ガラス転移点)は通常40〜90℃であり、好ましいのは45〜80℃、特に好ましいのは50〜70℃である。Tgが40℃以上で保存性が良好となり、90℃以下の場合低温定着性が良好になる。
この混合樹脂において、そのポリオレフィン樹脂の含有量は、5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。また、そのビニル樹脂の含有量は10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。本発明の場合、この混合樹脂中のグラフト重合体の割合は、85重量%以上、好ましくは90重量%以上に規定するのがよい。
前記混合樹脂中のグラフト重合体樹脂の割合や、その分子量及びビニルポリマーの分子量等は、反応原料の仕込み比や重合反応温度、反応時間等の条件によって適宜調節することができる。
(A):酸化型ポリプロピレン、(B):スチレン/アクリロニトリル共重合体
(A):ポリエチレン/ポリプロピレン混合物、(B):スチレン/アクリロニトリル共重合体
(A):エチレン/プロピレン共重合体、(B):スチレン/アクリル酸/アクリル酸ブチル共重合体
(A):ポリプロピレン、(B):スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸ブチル/マレイン酸モノブチル共重合体
(A):マレイン酸変性ポリプロピレン、(B):スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸/アクリル酸ブチル共重合体
(A):マレイン酸変性ポリプロピレン、(B):スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体
(A):ポリエチレン/マレイン酸変性ポリプロピレン混合物、(B):アクリロニトリル/アクリル酸ブチル/スチレン/マレイン酸モノブチル共重合体
前記パーオキサイド系開始剤の量は、反応原料の質量に基づき適宜調整することができ、通常0.2〜10質量%であり、0.5〜5質量%が好ましい。
前記グラフト重合体を構成する各成分の量は、生成したグラフト重合体の重量に基づき適宜調整することができ、通常、ポリオレフィン系樹脂は1〜90質量%であり、5〜80質量%が好ましい。また、ビニル系樹脂は、通常10〜99質量%であり、20〜95質量%が好ましい。
また、未反応のポリオレフィン系樹脂及びビニル系樹脂を含めたグラフト重合体の添加量は、離型剤の分散安定性の面から、離型剤100質量部に対し、通常5〜300重量部であり、10〜150質量部が好ましい。
本発明で使用できる磁性体としては、例えば、(1)マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄、(2)鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金、(3)及びこれらの混合物、などが用いられる。
前記異種元素は、磁性体生成時にそれぞれの異種元素の塩を混在させ、pH調整により、粒子中に取り込むことができる。また、磁性体粒子生成後にpH調整、あるいは各々の元素の塩を添加しpH調整することにより、粒子表面に析出することができる。
また、磁性体の磁気特性としては、10Kエルステッド印加での磁気特性がそれぞれ、抗磁力20〜150エルステッド、飽和磁化50〜200emu/g、残留磁化2〜20emu/gのものが好ましい。
前記磁性体は、着色剤としても使用することができる。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のEー82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カ一リット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明のトナーには、流動性向上剤を添加してもよい。該流動性向上剤は、トナー表面に添加することにより、トナーの流動性を改善(流動しやすくなる)するものである。
前記流動性向上剤としては、例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤若しくはシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ、処理酸化チタン、処理アルミナ、などが挙げられる。これらの中でも、微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナが好ましく、また、これらをシランカップリング剤やシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカが更に好ましい。
前記流動性向上剤の粒径としては、平均一次粒径として、0.001〜2μmであることが好ましく、0.002〜0.2μmであることがより好ましい。
ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば、AEROSIL(日本アエロジル社商品名、以下同じ)−130、−300、−380、−TT600、−MOX170、−MOX80、−COK84:Ca−O−SiL(CABOT社商品名)−M−5、−MS−7、−MS−75、−HS−5、−EH−5、Wacker HDK(WACKER−CHEMIEGMBH社商品名)−N20 V15、−N20E、−T30、−T40:D−CFineSi1ica(ダウコーニング社商品名):Franso1(Fransi1社商品名)、などが挙げられる。
BET法で測定した窒素吸着による比表面積としては、30m2/g以上が好ましく、60〜400m2/gがより好ましい。
表面処理された微粉体としては、20m2/g以上が好ましく、40〜300m2/gがより好ましい。
これらの微粉体の適用量としては、トナー粒子100質量部に対して0.03〜8質量部が好ましい。
記録紙等にトナーを転写した後、静電潜像担持体や一次転写媒体に残存するトナの除去性を向上させるためのクリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合によって製造されたポリマー微粒子、などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
これらの流動性向上剤やクリーニング性向上剤等はトナーの表面に付着乃至は固定化させて用いられるため、外添剤とも呼ばれており、トナーに外添する方法としては各種の粉体混合機等が用いられる。例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、などが挙げられ、固定化も行う場合はハイブリタイザー、メカノフュージョン、Qミキサー等が挙げられる。
本発明のトナーは、キャリアと混合して2成分現像剤として使用してもよい。前記キャリアとしては、通常のフェライト、マグネタイト等のキャリアも樹脂コートキャリアも使用することができる。
前記樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子とキャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂である被覆材からなる。
樹脂コートキャリアにおいて、キャリアコアの表面を少なくとも樹脂被覆剤で被覆する方法としては、樹脂を溶剤中に溶解若しくは懸濁せしめて塗布したキャリアコアに付着せしめる方法、あるいは単に粉体状態で混合する方法が適用できる。
前記樹脂コートキャリアに対する樹脂被覆材の割合としては、適宜決定すればよいが、樹脂コートキャリアに対し0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
前記樹脂中、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、含フッ素樹脂とスチレン系共重合体との混合物、シリコーン樹脂が好適に使用され、特にシリコーン樹脂が好ましい。
シリコーン樹脂としては、含窒素シリコーン樹脂及び含窒素シランカップリング剤と、シリコーン樹脂とが反応することにより生成された、変性シリコーン樹脂が挙げられる。
また、これらの磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムが挙げられる。これらの中でも特に、銅、亜鉛、及び鉄成分を主成分とする銅−亜鉛−鉄系フェライト、マンガン、マグネシウム及び鉄成分を主成分とするマンガン−マグネシウム−鉄系フェライトが好適に挙げられる。
前記キャリアの粒径としては、4〜200μmのものが使用できるが、10〜150μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。特に、樹脂コートキャリアは、50%粒径が20〜70μmであることが好ましい。
2成分系現像剤では、キャリア100質量部に対して、本発明のトナー1〜200質量部で使用することが好ましく、キャリア100質量部に対して、トナー2〜50質量部で使用するのがより好ましい。
本発明のトナーを用いた現像方法は、従来の電子写真法に使用する静電潜像担持体が全て使用できるが、例えば、有機静電潜像担持体、非晶質シリカ静電潜像担持体、セレン静電潜像担持体、酸化亜鉛静電潜像担持体、などが好適に使用可能である。
(グラフト重合体製造例−1)
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン480部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業(株)製 サンワックスLEL−400:軟化点128℃)100部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン755部、アクリロニトリル100部、アクリル酸ブチル45部、アクリル酸21部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート36部およびキシレン100部の混合溶液を170℃で3時間で滴下し重合し、さらにこの温度で0.5時間保持した。次いで脱溶剤を行い、数平均分子量:3300、重量平均分子量:18000、ガラス転移点:65.0℃、ビニル系樹脂のSP値11.0(cal/cm3)1/2のグラフト重合体(W−1)を得た。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン450部、低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール440P:軟化点153℃)200部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン280部、メタクリル酸メチル520部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート32.3部およびキシレン120部の混合溶液を150℃で2時間で滴下し重合し、さらにこの温度で1時間保持した。次いで脱溶剤を行い、数平均分子量:3300、重量平均分子量:16000、ガラス転移点:58.8℃、ビニル系樹脂のSP値10.2(cal/cm3)1/2のグラフト重合体(W−2)を得た。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン450部、低分子量ポリプロピレン及び低分子量ポリエチレン混合物(クラリアント社製Licocene1302:軟化点78.9℃)150部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン200部、メタクリル酸メチル460部、アクリロニトリル140部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート35部およびキシレン120部の混合溶液を150℃で2時間で滴下し重合し、さらにこの温度で1時間保持した。次いで脱溶剤を行い、数平均分子量:2400、重量平均分子量:14000、ガラス転移点:88.5℃、ビニル系樹脂のSP値11.5(cal/cm3)1/2のグラフト重合体(W−3)を得た。
−着色剤分散液の調製−
先ず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。
カーボンブラック(Regal400;Cabot社製)20質量部、顔料分散剤2質量部を、酢酸エチル78質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。該顔料分散剤としては、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製)を使用した。得られた一次分散液を、ダイノーミルを用いて強力なせん断力により細かく分散し、凝集体を完全に除去した二次分散液を調製した。更に、0.45μmの細孔を有するフィルター(PTFE製)を通過させ、サブミクロン領域まで分散させた液を調製した。
撹拌羽と温度計をセットした容器に、結着樹脂としてのポリエステル樹脂(重量平均分子量2万)186質量部、カルナバワックス10質量部、グラフト重合体(W−1)4質量部、酢酸エチル2,000質量部を仕込み、85℃に加温し20分間撹拌しポリエステル樹脂及びカルナバワックスを溶解させた後、急冷しカルナバワックスの微粒子を析出させた。この分散液をダイノーミルを用いて強力なせん断力によりさらに細かく分散した。
前記カーボンブラック分散液30質量部、樹脂及びワックスを添加した分散液1100質量部を攪拌羽を有するミキサーを使用し混合した。
得られたトナー組成液に更に酢酸エチルを用いて固形分が6.0%になるよう希釈し、トナー組成液を調製した。
得られたトナー組成液を、図11に示したトナー製造装置のリング型振動子のヘッドに供給した。
なお、使用した薄膜は、外径8.0mmで厚み20μmのニッケル板に、真円形状の直径8μmの吐出孔(ノズル)を、電鋳法による加工で作製した。吐出孔は各吐出孔間の距離が100μmとなるように千鳥格子状に、薄膜の中心の約5mmφの範囲にのみ設けた。
圧電体としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を積層して使用し、振動周波数は100KHzとした。
分散液調製後、以下のようなトナー作製条件で、液滴を吐出させた後、該液滴を乾燥固化することにより、トナー母体粒子を作製した。
乾燥空気流量 :分散用窒素ガス 2.0L/分、装置内乾燥窒素ガス 30.0L/分
装置内温度 :27〜28℃
露点温度 :−20℃
ノズル振動数 :98kHz
乾燥固化した粒子は、1μmの細孔を有するフィルターで吸引捕集した。さらに、この粒子に対して、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0重量%をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて外添処理を行い、ブラックトナーaを得た。
このトナーの粒度を測定した結果を表1に示したが、重量平均粒径(D4)は5.3μm、でありDv/Dnは1.02であり非常にシャープな粒度分布であった。
なお、トナーの作成は連続して5時間行ったがノズルが詰まることは無かった。
シリコ−ン樹脂(オルガノストレ−トシリコ−ン) 100重量部
トルエン 100重量部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5重量部
カ−ボンブラック 10重量部
上記混合物をホモミキサ−で20分間分散し、コ−ト層形成液を調整した。このコ−ト層形成液を流動床型コ−ティング装置を用いて、粒径50μmの球状マグネタイト1000部の表面にコ−ティングして磁性キャリアAを得た。
トナーa4部に対して、上記磁性キャリアA96部とをボールミルで混合し、二成分現像剤1を作成し,ホットオフセット性及びフィルミング性の評価を行った。
評価結果を表−1に示したが、ホットオフセット性及びフィルミング性ともに良好であった。
<粒度分布>
本発明のトナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。具体的にはガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とした。トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定後、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。粒度分布の指標としては、トナーの重量平均粒径(D4)を個数平均粒径(Dn)で除したD4/Dnを用いる。完全に単分散であれば1となり、数値が大きいほど分布が広いことを意味する。
現像剤を、市販の複写機(イマジオネオ455;リコー社製)に入れ、リコー社製タイプ6000ペーパーを用いて定着温度を低温から高温に変化させながら画像を出力し、画像の光沢度が低下した温度もしくは画像にオフセット画像が見られた場合をオフセット発生温度とした。オフセット発生温度が200℃以上であれば○、200℃未満であれば×とし、結果を表1に示した。
現像剤を、市販の複写機(イマジオネオ455;リコー社製)に入れ、画像占有率7%の印字率でリコー社製タイプ6000ペーパーを用いてランニングを実施した。2万枚、5万枚及び10万枚後の感光体上フィルミング、及びフィルミングに伴う異常画像(ハーフトーン濃度ムラ)の有無を評価した。フィルミングの発生はランニング枚数が多いほど不利であり、以下の評価基準とし結果を表1に示した。
良 ○:10万枚でも発生せず、△:5万枚で発生、×:2万枚で発生 悪
実施例1で得られたトナー組成液を、図1に示したホーン型振動子のヘッドに供給した。
使用したノズルプレートは、外径8.0mmで厚み20μmのニッケル板に、真円形状の直径10μmの吐出孔を、電鋳法による加工で作製した。吐出孔は各吐出孔間の距離が100μmとなるように千鳥格子状に、ノズルプレート中心の約5mmφの範囲にのみ設けた。この場合の有効吐出孔数は約1000個となる。
分散液調製後、以下のようなトナー作製条件で、液滴を吐出させた後、該液滴を乾燥固化することにより、トナー母体粒子を作製した。
〔トナー作製条件〕
乾燥空気流量 :分散用窒素ガス 2.0L/分、装置内乾燥窒素ガス 30.0L/分
乾燥入口温度 :60℃
乾燥出口温度 :45℃
露点温度 :−20℃
駆動振動数 :180kHz
乾燥固化した粒子は、1μmの細孔を有するフィルターで吸引捕集した。さらに、この粒子に対して、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0重量%をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて外添処理を行い、ブラックトナーbを得た。
このトナーの粒度を測定した結果を表1に示したが、重量平均粒径(D4)は5.3μm、でありDv/Dnは1.02であり非常にシャープな粒度分布であった。
なお、トナーの作成は連続して5時間行ったがノズルが詰まることは無かった。
実施例1と同様のキャリアを用いて現像剤を作成し、実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示したが、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
実施例2において、ワックスを合成エステルワックス(WEP−5 日本油脂社製)に変えた以外は、全て実施例2と同様にしてトナー及び現像剤を得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示したが、ノズルの詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
実施例2において、ワックスをパラフィンワックス(HNP−9 日本精蝋社製)に変えた以外は、全て実施例2と同様にしてトナー及び現像剤を得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示したが、ノズルの詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
実施例2においてグラフト重合体(W−1)をグラフト重合体(W−2)に変えた以外は、全て実施例2と同様にしてトナー及び現像剤を得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示したが、ノズルの詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
実施例2においてグラフト重合体(W−1)をグラフト重合体(W−3)に変えた以外は、全て実施例2と同様にしてトナー及び現像剤を得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示したが、ノズルの詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
実施例2においてグラフト重合体(W−1)の量を1質量部に変えた以外は、全て実施例2と同様にしてトナー及び現像剤を得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示したが、ノズルの詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、ホットオフセット性は良好であったが5万枚複写僅かなフィルミングが認められた。
実施例2においてグラフト重合体(W−1)の量を15質量部に変えた以外は、全て実施例2と同様にしてトナー及び現像剤を得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示したが、ノズルの詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、ホットオフセット性及びフィルミング性は良好であった。
実施例1においてカルナバワックス及びグラフト重合体(W−1)を添加せず、ポリエステル樹脂の量を200質量部に変えた以外は、全て実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示したが、ノズルの詰まりは発生せず、非常にシャープな粒度分布であり、フィルミング性は良好であったがホットオフセット性は不良であった。
実施例1においてグラフト重合体(W−1)を添加せず、ポリエステル樹脂の量を196質量部に変えた以外は、全て実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示したが、ノズルの詰まりが発生し、トナーの粒度分布が広くなり、ホットオフセット性は良好であったがフィルミング性は良くなかった。
実施例2においてグラフト重合体(W−1)を添加せず、ポリエステル樹脂の量を196質量部に変えた以外は、全て実施例2と同様にしてトナー及び現像剤を得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示したが、ノズルの詰まりが発生し、トナーの粒度分布が広くなり、ホットオフセット性は良好であったがフィルミング性は良くなかった。
実施例3においてグラフト重合体(W−1)を添加せず、ポリエステル樹脂の量を196質量部に変えた以外は、全て実施例3と同様にしてトナー及び現像剤を得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示したが、ノズルの詰まりが発生し、トナーの粒度分布が広くなり、ホットオフセット性は良好であったがフィルミング性は良くなかった。
実施例4においてグラフト重合体(W−1)を添加せず、ポリエステル樹脂の量を196質量部に変えた以外は、全て実施例4と同様にしてトナー及び現像剤を得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示したが、ノズルの詰まりが発生し、トナーの粒度分布が広くなり、ホットオフセット性は良好であったがフィルミング性は良くなかった。
2 液滴噴射ユニット
3 粒子形成部(溶媒除去部)
4 トナー捕集部
5 チューブ
6 トナー捕集部
7 原料収容部
8 配管
9 ポンプ
10 トナー組成液
11 ノズル
12 薄膜
13 振動手段
13a振動面
14 貯留部
15 流路部材
16 液滴化手段
17 振動発生手段(電気機械変換手段)
18 液供給チューブ
19 気泡排出チューブ
20 支持部材
21 振動発生手段
21A 圧電体
22 振動増幅手段
22A ホーン
23 駆動回路(駆動信号発生源)
24 通信手段
31 液滴
35 気流
36 気流路形成部材
37 気流路
80 ホーン型振動子
81 圧電体
82 ホーン
83 固定部
90 ランジュバン型振動子
91 圧電体
92 ホーン
T トナー粒子
Claims (11)
- 少なくとも樹脂、着色剤、離型剤、及び少なくともポリオレフィン樹脂とビニル系樹脂とからなるグラフト重合体を含有するトナー組成物を溶媒に溶解乃至は分散させたトナー組成液を、ノズルから放出して液滴化してトナー粒子を製造するトナー製造方法において、前記離型剤がカルナバワックス、パラフィンワックス及びエステルワックスよりなる群から選ばれる少なくとも一種であり、トナー組成液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜を機械的振動手段によって振動させることによって該薄膜のノズルから前記トナー組成液を周期的に放出し、液滴化する周期的液滴化工程と、前記液滴化された前記トナー組成液を固化させる粒子形成工程とを有し、前記機械的振動手段は、前記薄膜のノズルを設けた領域の周囲に円環状に形成された振動発生手段であることを特徴とするトナーの製造方法。
- 少なくとも樹脂、着色剤、離型剤、及び少なくともポリオレフィン樹脂とビニル系樹脂とからなるグラフト重合体を含有するトナー組成物を、溶媒に溶解乃至は分散させたトナー組成液を、ノズルから放出して液滴化してトナー粒子を製造するトナー製造方法において、トナー組成液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜を機械的振動手段によって振動させることによって該薄膜のノズルから前記トナー組成液を周期的に放出し、液滴化する周期的液滴化工程と、前記液滴化された前記トナー組成液を固化させる粒子形成工程とを有し、前記機械的振動手段は、前記薄膜に対して平行な振動面を有し、該振動面が垂直方向に縦振動する振動手段であることを特徴とするトナーの製造方法。
- 前記機械的振動手段の振動周波数が20kHz以上2.0MHz未満であることを特徴とする請求項1または2記載のトナーの製造方法。
- 前記機械的振動手段がホーン型振動子であることを特徴とする請求項2又は3記載のトナーの製造方法。
- ノズルの開口径が1〜40μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記トナー組成液が有機溶剤を含有するものであり、トナーが前記液滴から溶剤を除去することによって固体粒子化することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記ポリオレフィン樹脂の軟化点が70〜150℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該ビニル系樹脂のSP値が10.0〜11.5(cal/cm3)1/2であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該グラフト重合体の添加量が離型剤100重量部に対して、10〜150重量部であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該ビニル系樹脂はスチレンおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリロニトリルから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該離型剤が少なくとも溶剤及び前記グラフト重合体の存在下に加熱溶解した後、冷却し、析出した離型剤粒子をさらに微粉砕して得られたものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のトナーの製造方法。
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