JP4721443B2 - トナー、それを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
トナー、それを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDFInfo
- Publication number
- JP4721443B2 JP4721443B2 JP2006242231A JP2006242231A JP4721443B2 JP 4721443 B2 JP4721443 B2 JP 4721443B2 JP 2006242231 A JP2006242231 A JP 2006242231A JP 2006242231 A JP2006242231 A JP 2006242231A JP 4721443 B2 JP4721443 B2 JP 4721443B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- toner
- resin
- acid
- weight
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Description
従来、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられる乾式トナーとしては、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂などのトナーバインダーを着色剤などと共に溶融混練し、微粉砕したもの、いわゆる粉砕型トナーが広く用いられている。
しかしながら、上記の重合型トナーにおいては、水系媒体中で分散剤を使用することを前提としているために、トナーの帯電特性を損なう分散剤がトナー表面に残存して環境安定性が損なわれるなどの不具合が発生したり、これを除去するために非常に大量の洗浄水を必要とすることが知られており、必ずしも製法として満足のいくものではない。
熱硬化性樹脂やUV硬化樹脂を含有させたトナー原料を分散質として、分散媒中に微分散した分散液を、ノズルから液滴として間欠的に吐出した後、液滴を凝集させ、熱硬化樹脂もしくはUV硬化樹脂を硬化させて粒子形成の安定化を図る方法又は液滴を固体粒子化する方法も提案されている(特許文献5〜9参照)。しかしながら、これらの方法も特許文献1〜4と同様に、生産性が低く、単一分散性の点でも不十分であった。また、粒子形成後に樹脂を硬化しているが、上述したような定着特性に関する課題を解決するものではなかった。
上述の造粒方法の場合(特許文献5〜9)、流体に直接加振部が触れることを特徴としているが、この様な構成の場合、細孔と振動部の数が一致する場合はシャープな粒径分布を達成できるが、多数の細孔と1つの加振部の場合、細孔の位置と加振部の位置関係によるその距離に応じて、細孔から吐出する液滴の大きさが変化するので、トナー粒子が異なる複数のオリフィス間で異なった粒径を生産してしまうことが判明した。
本発明の製造方法は下記<21>に記載するとおりのものであり、この製造方法を用いて得られるトナーは下記<1>〜<15>に記載するとおりの構成を有する。
<2> 前記トナー組成液が有機溶剤を含有するものであり、トナーが前記液滴を脱溶剤することによって固体粒子化して得られたことを特徴とする<1>に記載のトナー。
<3> 前記トナーのTHF溶解分の分子量分布において、分子量が1.0×105以上である高分子の含有比率が3〜20面積%であることを特徴とする<1>、<2>に記載のトナー。
<4> 前記トナーのTHF溶解分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが8〜75であることを特徴とする<>〜<>請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
<5> 前記トナーが離型剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
<6> 前記トナーのTHF溶解分の数平均分子量Mnが5.0×102〜5.0×103であることを特徴とする<1>〜<5>に記載のトナー。
<7> 前記トナーに含まれる少なくとも一種類の結着樹脂の重量平均分子量(Mw)が1.0×105〜4.5×105であることを特徴とする<1>〜<6>に記載のトナー。
<8> 前記トナーに含まれる少なくとも一種類の結着樹脂がポリエステル樹脂からなることを特徴とする<1>〜<7>に記載のトナー。
<9> 前記トナーの高化式フローテスターによって求められる、1/2流出温度Tmが120〜140℃であることを特徴とする<1>〜<8>に記載のトナー。
<10> 前記貫通孔が、厚み5〜50μmの金属板に形成され、かつ、その開口径が1〜40μmであることを特徴とする<1>〜<9>に記載のトナー。
<11> 液滴吐出方向と同方向に乾燥気体を流すことにより気流を発生させ、該気流により、液滴を溶媒除去設備内で搬送させると共に、該搬送中に前記液滴中の溶媒を除去させることにより、トナー粒子が形成されたことを特徴とする<1>〜<10>に記載のトナー。
<12> 乾燥気体が、空気及び窒素ガスのいずれかであることを特徴とする<11>に記載のトナー。
<13> 乾燥気体の温度が、40〜200℃であることを特徴とする<11>、<12>に記載のトナー。
<14> 溶媒除去設備が、液滴の電荷とは逆極性に帯電された静電カーテンで周囲が覆われた搬送路を有してなり、該搬送路内に液滴を通過させることを特徴とする<11>〜<13>に記載のトナー。
<15> 質量平均粒径が1〜20μmであることを特徴とする<1>〜<14>に記載のトナー。
<16> 少なくとも<1>〜<15>に記載のトナーと磁性粒子からなるキャリアを含むことを特徴とする二成分系の現像剤。
<17> 静電荷像担持体上の静電荷像を<16>に記載の現像剤により現像してトナー像を形成し、静電荷像担持体表面に転写材を介し転写手段を当接させ前記トナー像を該転写材に静電転写することを特徴とする画像形成装置。
<18> 静電荷像担持体上の静電荷像を<1>〜<15>に記載のトナーにより現像してトナー像を形成し、静電荷像担持体表面に転写材を介し転写手段を当接させ前記トナー像を該転写材に静電転写することを特徴とする画像形成装置。
<19> 未定着画像が形成された記録媒体を、磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、前記加熱ローラと前記定着ローラとに張り渡され、前記加熱ローラにより加熱されると共にこれらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、前記トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着手段において、前記トナー加熱媒体と前記加圧ローラの間を通過させて前記未定着画像を加熱定着することを特徴とする<17>、<18>に記載の画像形成装置。
<20> 静電荷像担持体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、現像手段はトナーを保持し、前記トナーが、<1>〜<15>に記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
<21> 少なくとも樹脂と着色剤を含有するトナー組成物を含むトナー組成液を、貫通孔より放出し液滴化してトナー粒子を製造するトナー製造方法において、前記トナー組成液を貯留部へ供給し、少なくとも貯留部の一部に接する振動手段により、前記貯留部を介して前記トナー組成液を励振しながら、貯留部に設けた複数の貫通孔より前記トナー組成液を造粒空間に放出し、前記トナー組成液を柱状から括れ状態を経て液滴化し、該液滴を造粒空間において固体粒子に変化させて、THF溶解分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定される分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が2.5×104〜1.0×105であり、且つ、前記トナーのTHF不溶解分量(ゲル分量)が、10重量%以下であるトナーを得ることを特徴とするトナー製造方法。
本発明のトナーは、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成物を含むトナー組成液を貯留部へ供給し、少なくとも貯留部の一部に接する振動手段により、前記貯留部を介して前記トナー組成液を励振しながら、貯留部に設けた複数の貫通孔より前記トナー組成液を造粒空間に放出し、前記トナー組成液を柱状から括れ状態を経て液滴化し、該液滴を造粒空間において固体粒子に変化させることによって製造される。
本発明のトナーを製造方法するために使用される装置(以下、「トナー製造装置」ともいう。)としては、本発明のトナーを製造可能な装置であれば、特に制限はなく、適宜選択して使用することができるが、少なくとも樹脂と着色剤とを含有するトナー組成物を含むトナー組成液を貯留する貯留部と、前記貯留部に設けられた複数の貫通孔と、前記貯留部の一部に接し、振動することによって貯留部を介してトナー組成液を励振し、前記トナー組成液を貫通孔から造粒空間に連続的に放出し柱状状態からくびれ状態を経て液滴化させる振動手段と、該液滴を造粒空間において固体粒子に変化させるトナー粒子形成手段とを備えていることが好ましい。
液柱の液滴化現象について図3を用いて説明する。
液柱の均一液滴化現象は下記非特許文献1に説明されるように、液柱が最も不安定になる波長条件λは、液柱直径d(jet)を用いて下記の式(1)で表される。
λ = 4.5d(jet) (1)
ここで、発生する擾乱現象の周波数fは、液柱の速度をvとした場合下記の式(2)で表すことが出来る。
f = v/λ (2)
また、下記非特許文献2で説明されるように、実験的に安定に均一粒子を形成する条件を導いた結果、下記の式(3)の条件において安定的に均一粒子を形成することが可能であるとしている。
3.5 < λ/d(jet) < 7.0 (3)
更には、下記非特許文献3で説明されるように、エネルギー保存則を基に、貫通孔より排出される液が、液柱を形成する最小ジェット速度v(min)は下記の式(4)のように表現される。
v(min) = (8σ/ρd(jet))1/2 (4)
式(4)において、σは液の表面張力、ρは液密度、d(jet)は液柱の直径を表す。式(1)から式(4)の条件式はこのような現象を再現するための条件を推定するために有用であるが、我々は、これらの関係式は液物質の種類、混合物、分散物等によって変動し得ることを確認しているが、振動子を液室に取り付け、これを振動数fにおいて振動することにより液柱が、上記のような擾乱によって液滴化する現象は様々な液体において成立した。
[非特許文献2] Schneider J. M., C. D. Hendricks, Rev. Instrum. 35 (10), 1349−50 [1964]
[非特許文献3] Lindblad N. R. and J. M. Schneider, J. Sci. Instrum. 42, 635 [1965]
貯留部は、少なくとも、前記トナー組成物原料流体を加圧された状態において保持される必要があるため、SUS、アルミなどの金属等の部材からなり、10MPa程度の耐圧性があることが望ましいが、これに限るものではない。また、例えば、図2に示すように、貯留部へ液を供給する配管8で接続され、貫通孔を有する板を保持する機構9を設けた構造が望ましい。また、貯留部全体を振動する振動手段2が、前記貯留部には接している。振動手段には振動発生装置10と導電線11によって接続されており、制御される形態が望ましい。貯留部内の圧力調整を行ったり、内部の気泡を除去するための開放弁12を設けたりすることが、液柱の安定形成を行う上で好ましい。
前記振動手段2は、一つの振動手段により、該貫通孔を有する貯留部全体を励振させるのが好ましい。
振動手段が前記貯留部を構成する一部に接し、前記貯留部を介して原料流体に振動を与えることで、1貯留部に設けられた貫通孔より放出される原料流体に一括して同等に振動を加えて圧力粗密波を発生することが可能であるため、1振動手段によって100以上の液滴形成現象を同時に発生させることが可能となる。
前記貯留部1に振動を与える振動手段2としては、確実な振動を一定の周波数で与えることができるものであれば特に制限はなく、適宜選択して使用することができるが、上述の観点から、例えば、前記貫通孔が、圧電体の伸縮により一定の周波数で振動されるのが好ましい。
前記圧電体は、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する機能を有する。具体的には、電圧を印加することにより、伸縮し、この伸縮により、貫通孔を振動させることができる。
前記一定の周波数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100kHz乃至10MHzが好ましく、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させる観点から、200kHz乃至2MHzがより好ましい。
前記振動手段2は、貯留部と接しており、貯留部は貫通孔を有する板が保持されており、前記振動手段と貫通孔を有する板は、貫通孔から発生する液柱に振動を均一に与える観点から、平行に配置されていることが最も好ましく、振動の過程における変形が起こっても、その関係は傾きが10°以内に保たれることが望ましい。
前記貫通孔3は、1個のみ設けても粒子生産は可能であるが、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を効率よく発生させる観点から、複数個設け、各貫通孔から吐出される液滴を、一の溶媒除去設備、図示の例では、溶媒除去設備5で乾燥させるのが好ましい。
前記振動手段2の一部を、固定支持するための支持手段3は、装置に貯留部及び振動手段を固定するために設けられており、材質に限定は特に無いが、金属などの剛体であればよい。必要によっては余分な共振による貯留部の振動の乱れを発生させないために、振動緩和材としてのゴム材、樹脂材などが一部に設けられることもできる。
前記貫通孔4は、先にも述べたように、前記トナー組成物原料流体を、液柱として吐出させる部材である。前記貫通孔の材質及び形状としては、特に制限はなく、適宜選択した形状とすることができるが、例えば、吐出孔が、厚み5〜50μmの金属板で形成され、かつ、その開口径が1〜40μmであることが、前記トナー組成物原料流体中に含まれる1μm以下の微粒子分散物を閉塞させることなく、かつ100kHz以上の振動周波数で極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させることを両立させる観点から好ましい。これは、前記液滴化現象により安定的に液滴を得ることが可能な周波数領域は、実質上貫通孔の直径が大きくなるにつれて減少するため、生産性を考慮して、100kHz以上の振動周波数を想定している。なお、前記開口径は、真円であれば直径を意味し、楕円であれば短径を意味する。
前記共通液室へ液を供給する手段5としては、チューブポンプ、ギアポンプ、ロータリーポンプ、シリンジポンプなどの定量ポンプであることが望ましい。また、圧縮空気などによって加圧し送液するタイプのポンプであってもよい。これら液供給手段で前記共通液室は前記トナー組成物原料流体で満たされ、更に液滴化可能な圧力まで昇圧することが可能である。液圧力はポンプ付属の圧力ゲージまたは専用の圧力センサにて測定が可能である。
貫通孔から吐出される液滴11を帯電させて単分散粒子とするために電極を設けることが出来る。
前記電極は、貫通孔に対向して設置された一対の部材であり、その形状としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、リング状に形成するのが好ましい。
前記電極(以下、「リング状電極」とも称す)による帯電方法としては、特に制限はないが、貫通孔から吐出される液滴13に、常に一定の帯電量を液滴13に与えることができることから、例えば、前記液滴13に、誘導荷電により、正電荷又は負電荷を与えることが好ましい。より具体的には、前記誘電荷電が、前記液滴を、直流電圧が印加されたリング状電極の中を通過させることにより行われるのが好ましい。
更に、前記誘導荷電の方法としては、直接貫通孔に直流電圧を印加し、乾燥設備の底部に配置したアースとの間で電位差を設け、液滴を荷電させることも可能である。この場合は、トナー組成液貯留部1にある導電性のトナー組成液を介し電位をかけることができる。トナー組成液貯留部1への液供給を空気圧などを利用することで絶縁すれば、比較的簡易に誘導荷電が達成される。
気流中の液滴が高荷電状態となることは、エレクトロスプレー法や静電噴霧による微粒子製造などでもすでに実証されている。この場合、揮発成分の蒸発による液滴の表面積縮小作用から、固体への帯電よりも高い帯電量を維持させることが原理的には可能であり、さらに高荷電な固体粒子を得ることができる。
液滴13を、搬送路内に通過させることにより形成したトナー粒子15の電荷を、一時的に中和させた後、該トナー粒子15をトナー貯蔵容器に収容させるための部材として除電器を設けることが出来る。
前記除電器による除電の方法としては、特に制限はなく、通常知られている方法を適宜選択して使用することができるが、効率的に除電が可能であることから、例えば、軟X線照射、プラズマ照射、などにより行うのが好ましい。
前記溶媒除去設備6としては、液滴13の溶媒を除去することができれば特に制限はないが、液滴13吐出方向と同方向に乾燥気体を流すことにより気流を発生させ、該気流により、液滴13を溶媒除去設備6内で搬送させると共に、該搬送中に前記液滴13中の溶媒を除去させることにより、トナー粒子15を形成するのが好ましい。なお、ここで、「乾燥気体」とは、大気圧下の露点温度が−10℃以下の状態の気体を意味する。
前記乾燥気体としては、液滴13を乾燥可能な気体であれば特に制限はなく、例えば、空気、窒素ガス、などが好適に挙げられる。
前記乾燥気体を溶媒除去設備6に流す方法としては、特に制限はないが、例えば、乾燥気体供給チューブを溶媒除去設備に接続して溶媒除去設備内に乾燥気体を流す方法が挙げられる。
また、前記溶媒除去設備6の内壁面には、液滴13が、前記溶媒除去設備6の壁面に付着することを防止する観点から、液滴の電荷とは逆極性に帯電された電界カーテンを設け、前記電界カーテンで周囲が覆われた搬送路を形成し、該搬送路内に液滴を通過させるのが好ましい。
前記トナー捕集部7は、トナーを効率的に捕集し、搬送する観点から、トナー粒子製造装置の底部に設けられた部材である。
前記トナー捕集部7の構造としては、トナーを捕集できれば特に制限はなく、適宜選択することができるが、上述の観点から、図示の例のように、開口径が漸次縮小するテーパー面を有してなり、該開口径が入口部より縮小した出口部から、トナー粒子15を、乾燥気体14を用い、該乾燥気体の流れを形成し、該乾燥気体の流れにより、トナー粒子をトナー貯蔵容器に移送させるのが好ましい。
前記移送の方法としては、図示の例のように、乾燥気体14により、トナー粒子15をトナー貯蔵容器に圧送してもよいし、トナー貯蔵容器側からトナー粒子15を吸い込んでもよい。
前記乾燥気体の流れとしては、特に制限はないが、遠心力を発生させて確実にトナー粒子15を移送できる観点から、渦流であることが好ましい。
さらに、該トナー粒子15の搬送をより効率的に行う観点から、トナー捕集部7、及びトナー捕集容器が、導電性の材料で形成され、かつ、これらがアースに接続されているのがより好ましい。また、前記トナー製造装置は、防曝仕様であることが好ましい。
前記液滴13は、先に述べたように、特定の物質を含有するトナー組成液を、一定の周波数で振動させた貯留部1に設けた貫通孔4から吐出させることにより発生させる。なお、前記トナー用材料については、別途「トナー」の項を設けて、その中で述べる。
前記トナー組成液としては、トナー用材料を、溶解及び分散の少なくともいずれかを行ってさえいれば特に制限はなく、適宜選択して使用することができる。また、高い帯電量を維持させる観点から、電解伝導率が1.0×10−7S/m以上であることが好ましい。同様の観点から、前記溶解乃至分散液の、溶媒としての電解伝導率も、1.0×10−7S/m以上であるのが好ましい。
前記トナー用材料を、溶解乃至分散する方法としては、特に制限はなく、通常使用される方法を適宜選択することができる。
具体的には、スチレンアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂、エポキシ系樹脂等のトナーバインダーを、着色剤等と共に溶融混練し、微粉砕しても良いし、この製造途中で得られた混練物を、樹脂成分が可溶な有機溶媒に一度溶解させ、これを微小液滴として処理しても良い。
以上の詳細に説明した本発明のトナー製造方法によれば、貫通孔4から発生する液滴の粒子数は、1秒当たり数万乃至数百万個と、非常に多く、更に吐出孔を多くすることも容易である。また、非常に均一な液滴径が得られ、充分な生産性を有する観点からも、トナーを生産するのに最も好適な方法といえる。さらに、本製造方法では、最終的に得られるトナーの粒径を、下記計算式(1)により正確に決定することができ、使用する材料による粒径の変化が殆どない。
〔計算式〕
Dp=(6QC/πf)(1/3)・・・(1)
但し、Dp: 固体粒子径、Q:液流量(ポンプ流量と貫通孔径で決まる)、f:振動周波数、C:固形分の体積濃度である。
トナー粒子径は上記計算式(1)のみで正確に計算することが可能であるが、より簡単には下記計算式(2)で求められる。
〔計算式〕
固形分体積濃度(体積%)=(固体粒子径/液滴径)3・・・(2)
また、本発明により得られたトナーは極めて均一な粒子径を有することから、トナー母体における流動性が非常に高い。そのため、製造装置等への付着力低下を目的として外添剤を加える場合においても、極めて少量でその効果を発揮することができる。ストレスによる外添剤の劣化や微粒子の人体への安全性を考えると、このような外添剤を極力使用しないことが好ましいので、これも本発明の利点といえる。
本発明のトナーは、先に述べた、本発明のトナー製造方法により製造されたトナーである。該トナーは、前記トナー製造方法により、粒度分布が単分散なものが得られる。
具体的には、前記トナーの粒度分布(質量平均粒径/数平均粒径)としては、1.00〜1.05の範囲にあるのが好ましい。また、質量平均粒径としては、1〜20μmであるのが好ましい。
前記トナーのTHF溶解分の分子量分布において、分子量が1.0×105以上である高分子の含有比率が3〜20面積%であることが好ましい。3面積%未満であると、耐オフセット性や耐熱保存性が悪化し、20面積%を越えると低温定着性が悪化する。より好ましくは5〜15面積%、特に好ましくは10〜15面積%である。
また、本発明におけるトナーは、高化式フローテスターによって求められる1/2流出温度Tmが120〜140℃であることが好ましく、より好ましくは128〜135℃である。1/2流出温度は、トナーの熱可塑性を表す特性値の一つであり、定着特性等との密接に関連する。1/2流出温度が120℃を下回ると、低温定着性に優れるが、耐熱保存性が悪化し、トナーブロッキングを発生させる傾向にある。また、140℃を上回ると、耐オフセット性や耐熱保存性に有利だが、低温定着性が損なわれる。
前記トナー用材料としては、少なくとも樹脂と着色剤とを含有し、必要に応じて、キャリア、ワックス等のその他の成分を含有する。
(樹脂)
前記樹脂としては、少なくとも結着樹脂が挙げられる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等のビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂、などが挙げられる。特にこの中でも、ポリエステル系重合体は低温定着性に優れ、省エネの観点から結着樹脂として使用することが好ましく、また、フルカラートナーに用いる場合、透明性に優れ、発色性が向上する。
(1)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフイン類;(2)ブタジエン、イソプレン等のポリエン類;(3)塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;(4)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;(5)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;(6)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;(7)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;(8)、ビニルナフタリン類;(9)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等;(10)マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;(11)マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;(12)マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステルの如き不飽和二塩基酸のモノエステル;(13)ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;(14)クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;(15)クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物;(16)該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマー;(17)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;(18)4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマー。
その他、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物、ジメタクリレート化合物も挙げられる。ポリエステル型ジアクリレート類として、例えば、商品名MANDA(日本化薬社製)が挙げられる。
これらの架橋剤は、前記ビニル重合体、又は共重合体を形成する他のモノマー100質量部に対して、0.01〜10質量部用いることが好ましく、0.03〜5質量部用いることがより好ましい。これらの架橋性モノマーのうち、トナー用樹脂に定着性、耐オフセット性の点から、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1つ含む結合鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が好適に挙げられる。これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール、などが挙げられる。
ポリエステル樹脂を架橋させるためには、3価以上のアルコールを併用することが好ましい。
前記3価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、例えば、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、などが挙げられる。
(1) 試料は予め結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、結着樹脂及び架橋された結着樹脂以外の成分の酸価及び含有量を予め求めておく。試料の粉砕品0.5〜2.0gを精秤し、重合体成分の重さをWgとする。例えば、トナーから結着樹脂の酸価を測定する場合は、着色剤又は磁性体等の酸価及び含有量を別途測定しておき、計算により結着樹脂の酸価を求める。
(2) 300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(体積比4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
(3) 0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。
(4) この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とし、以下の計算式(3)で算出する。ただしfはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)=[(S−B)×f×5.61]/W (3)
前記着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物、などが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、トナーに対して1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
また、前記マスターバッチ用の樹脂は、酸価が30mgKOH/g以下、アミン価が1〜100で、着色剤を分散させて使用することが好ましく、酸価が20mgKOH/g以下、アミン価が10〜50で、着色剤を分散させて使用することがより好ましい。酸価が30mgKOH/gを超えると、高湿下での帯電性が低下し、顔料分散性も不十分となることがある。また、アミン価が1未満であるとき、及び、アミン価が100を超えるときにも、顔料分散性が不十分となることがある。なお、酸価はJIS K0070に記載の方法により測定することができ、アミン価はJIS K7237に記載の方法により測定することができる。
前記分散剤は、トナー中に、着色剤に対して0.1〜10質量%の割合で配合することが好ましい。配合割合が0.1質量%未満であると、顔料分散性が不十分となることがあり、10質量%より多いと、高湿下での帯電性が低下することがある。
前記分散剤の添加量は、着色剤100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。1質量部未満であると分散能が低くなることがあり、50質量部を超えると帯電性が低下することがある。
<離型剤(ワックス)>
本発明では、結着樹脂、着色剤とともにワックスを含有させることもできる。
特に本発明のトナーは、ワックスを併用することで、耐オフセット性、定着部材との離型性をより高めることができるので好ましい。
本発明のワックスとしては、特に制限はなく、通常使用されるものを適宜選択して使用することができるが、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう等の植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類。脱酸カルナバワックスの等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、などが挙げられる。
また、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は溶液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものや、低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好ましく用いられる。
また、2種以上の異なる種類のワックスを併用することにより、ワックスの作用である可塑化作用と離型作用を同時に発現させることができる。
可塑化作用を有するワックスの種類としては、例えば、融点の低いワックス、分子の構造上に分岐のあるものや極性基を有する構造のもの、などが挙げられる。
2種のワックスを選択する際には、同様構造のワックスの場合は、相対的に、融点の低いワックスが可塑化作用を発揮し、融点の高いワックスが離型作用を発揮する。この時、融点の差が10〜100℃の場合に、機能分離が効果的に発現する。10℃未満では機能分離効果が表れにくいことがあり、100℃を超える場合には相互作用による機能の強調が行われにくいことがある。このとき、機能分離効果を発揮しやすくなる傾向があることから、少なくとも一方のワックスの融点が70〜120℃であることが好ましく、70〜100℃であることがより好ましい。
いずれの場合においても、トナー保存性と定着性のバランスをとりやすくなることから、トナーのDSC測定において観測される吸熱ピークにおいて、70〜110℃の領域に最大ピークのピークトップ温度があることが好ましく、70〜110℃の領域に最大ピークを有しているのがより好ましい。
本発明では、DSCにおいて測定されるワックスの吸熱ピークの最大ピークのピークトップの温度をもってワックスの融点とする。
前記ワックス又はトナーのDSC測定機器としては、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるものを用いる。
本発明では、結着樹脂、着色剤とともに磁性体を含有させることもできる。
本発明で使用できる磁性体としては、例えば、(1)マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄、(2)鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金、(3)及びこれらの混合物、などが用いられる。
前記異種元素は、磁性体生成時にそれぞれの異種元素の塩を混在させ、pH調整により、粒子中に取り込むことができる。また、磁性体粒子生成後にpH調整、あるいは各々の元素の塩を添加しpH調整することにより、粒子表面に析出することができる。
また、磁性体の磁気特性としては、10Kエルステッド印加での磁気特性がそれぞれ、抗磁力20〜150エルステッド、飽和磁化50〜200emu/g、残留磁化2〜20emu/gのものが好ましい。
前記磁性体は、着色剤としても使用することができる。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩および、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージNEG VP2036、コピーチャージNX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明のトナーには、流動性向上剤を添加してもよい。該流動性向上剤は、トナー表面に添加することにより、トナーの流動性を改善(流動しやすくなる)するものである。
前記流動性向上剤としては、例えば、カーボンブラック、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤若しくはシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ、処理酸化チタン、処理アルミナ、などが挙げられる。これらの中でも、微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナが好ましく、また、これらをシランカップリング剤やシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカが更に好ましい。
前記微粉末シリカは、ケイ素ハロゲン化含物の気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。
ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば、AEROSIL(日本アエロジル社商品名、以下同じ)−130、−300、−380、−TT600、−MOX170、−MOX80、−COK84:Ca−O−SiL(CABOT社商品名)−M−5、−MS−7、−MS−75、−HS−5、−EH−5、Wacker HDK(WACKER−CHEMIEGMBH社商品名)−N20 V15、−N20E、−T30、−T40:D−CFineSi1ica(ダウコーニング社商品名):Franso1(Fransi1社商品名)、などが挙げられる。
BET法で測定した窒素吸着による比表面積としては、30m2/g以上が好ましく、60〜400m2/gがより好ましい。
表面処理された微粉体としては、20m2/g以上が好ましく、40〜300m2/gがより好ましい。
これらの微粉体の適用量としては、トナー粒子100質量部に対して0.03〜8質量部が好ましい。
これらの添加剤は、帯電量コントロール等の目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤、又は種々の処理剤で処理することも好ましい。
使用できる混合機の例としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、などが挙げられる。
前記外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。
前記無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、5mμ〜500mμであることがより好ましい。
前記BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
前記無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、0.01〜2.0質量%であることがより好ましい。
このような外添剤は、表面処理剤により、疎水性を上げ、高湿度下においても外添剤自身の劣化を防止することができる。
前記表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが好適に挙げられる。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5mμ〜2μmであることが好ましく、5mμ〜500mμであることがより好ましい。また、BET法による比表面積としては、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合としては、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、0.01〜2.0質量%であることがより好ましい。
本発明の現像方法は、従来の電子写真法に使用する静電潜像担持体が全て使用できるが、例えば、有機静電潜像担持体、非晶質シリカ静電潜像担持体、セレン静電潜像担持体、酸化亜鉛静電潜像担持体、などが好適に使用可能である。
本発明のトナーは、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。前記キャリアとしては、通常のフェライト、マグネタイト等のキャリアも樹脂コートキャリアも使用することができる。
前記樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子とキャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂である被覆材からなる。
該被覆材に使用する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル系樹脂、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が好適に挙げられる。この他にも、アイオモノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等のキャリアの被覆(コート)材として使用できる樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型のキャリアコアも用いることができる。
前記樹脂コートキャリアに対する樹脂被覆材の割合としては、適宜決定すればよいが、樹脂コートキャリアに対し0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
2種以上の混合物の被覆(コート)剤で磁性体を被覆する使用例としては、(1)酸化チタン微粉体100質量部に対してジメチルジクロロシランとジメチルシリコンオイル(質量比1:5)の混合物12質量部で処理したもの、(2)シリカ微粉体100質量部に対してジメチルジクロロシランとジメチルシリコンオイル(質量比1:5)の混合物20質量部で処理したものが挙げられる。
含フッ素樹脂とスチレン系共重合体との混合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンとスチレン−メタクリ酸メチル共重合体との混合物、ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メタクリル酸メチル共重合体との混合物、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合(共重合体質量比10:90〜90:10)とスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体(共重合質量比10:90〜90:10)とスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体質量比20〜60:5〜30:10:50)との混合物が挙げられる。
キャリアコアの磁性材料としては、例えば、フェライト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄等の酸化物や、鉄、コバルト、ニッケルのような金属、又はこれらの合金を用いることができる。
また、これらの磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムが挙げられる。これらの中でも特に、銅、亜鉛、及び鉄成分を主成分とする銅−亜鉛−鉄系フェライト、マンガン、マグネシウム及び鉄成分を主成分とするマンガン−マグネシウム−鉄系フェライトが好適に挙げられる。
前記キャリアの粒径としては、4〜200μmのものが使用できるが、10〜150μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。特に、樹脂コートキャリアは、50%粒径が20〜70μmであることが好ましい。
2成分系現像剤では、キャリア100質量部に対して、本発明のトナー1〜200質量部で使用することが好ましく、キャリア100質量部に対して、トナー2〜50質量部で使用するのがより好ましい。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー、または非磁性トナーとしても用いることができる。
以下、本発明の電子写真用トナー、または前記トナーとキャリアからなる二成分系現像剤を使用する画像形成装置について説明する。なお、本発明の画像形成装置は、以下で説明されるものに限定されるものではなく、請求項に示す条件を満たしていれば、どのような画像形成装置であっても用いることができる。
本発明で用いたタンデム型カラー画像形成装置の実施形態について説明する。タンデム型の電子写真装置には、図4に示すように、各感光体1上の画像を転写装置2により、シート搬送ベルト3で搬送するシートsに順次転写する直接転写方式のものと、図5に示すように、各感光体1上の画像を1次転写装置2によりいったん中間転写体4に順次転写して後、その中間転写体4上の画像を2次転写装置5によりシートsに一括転写する間接転写方式のものとがある。転写装置5は転写搬送ベルトであるが,ローラ形状も方式もある。
また、前者は、シート搬送方向に大型化しないためには、定着装置7をタンデム型画像形成装置Tに接近して配置することとなる。そのため、シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができず、シートsの先端が定着装置7に進入するときの衝撃(特に厚いシートで顕著となる)や、定着装置7を通過するときのシート搬送速度と,転写搬送ベルトによるシート搬送速度との速度差により、定着装置7が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい欠点がある。これに対し後者は、シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができるから、定着装置7がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
以上のようなことから、最近は、タンデム型電子写真装置の中の、特に間接転写方式のものが注目されてきている。
図6は、この発明の一実施の形態を示すもので、タンデム型間接転写方式の電子写真装置である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400は更にその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を設ける。
この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。
また、3つのなかで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロー,シアン,マゼンタ,ブラックの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。
そのタンデム画像形成装置20の上には、図6に示すように、更に露光装置21を設ける。一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。
上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光を更に反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14,15,16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
本発明における定着装置は、以下で説明されるものに限定されるものではなく、請求項の条件を満たしていればどのような定着装置であっても何ら問題はない。
以下では、加熱手段が、図8に示すように、交番磁界により磁性金属部材に発生した渦電流でジュール熱を生じさせ、金属部材を含む加熱体を電磁誘導発熱させる手段である、いわゆる電磁誘導加熱方式定着装置の実施形態について説明する。
本発明で用いられる定着装置はもちろん上記のような定着装置に限定されるものではないが、特に優れた色再現性と発色性を持った高品質画像が得られ、且つ、熱ローラ方式の定着装置よりも伝熱効率が高く、ウォームアップ時間の短縮が図れ、クイックスタート化や省エネルギー化が可能な定着装置を用いた画像形成装置が得られるので、本定着装置を用いることが好ましい。
図10に、本発明の実施例で用いた、プロセスカートリッジを有する画像形成装置の概略構成を示す。図において、aはプロセスカートリッジ全体を示し、bは感光体、cは帯電手段、dは現像手段、eはクリーニング手段を示す。
本発明においては、上述の感光体b、帯電装置手段c、現像手段dおよびクリーニング手段e等の構成要素のうち、少なくとも感光体bおよび現像手段dをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンター等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
本発明の電子写真用トナーを使用するプロセスカートリッジを有する画像形成装置は、感光体が所定の周速度で回転駆動される。感光体は回転過程において、帯電手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面に静電荷像が順次形成され、形成された静電荷像は、次いで現像手段によりトナー現像され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリーニング手段によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
−着色剤分散液の調製−
先ず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。
カーボンブラック (Regal400/Cabot社製) 15重量部
顔料分散剤 (アジスパーPB821/味の素ファインテクノ社製) 3重量部
酢酸エチル 82重量部
以上の処方を、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。得られた一次分散液を、ダイノーミルを用いて強力なせん断力により細かく分散し、凝集体を完全に除去した二次分散液を調製した。更に、0.45μmの細孔を有するフィルター(PTFE製)を通過させ、サブミクロン領域まで分散させた液であるカーボンブラック分散液を調製した。
次に、結着樹脂としての樹脂、及びワックスを添加した下記組成からなる分散液を調製した。
ポリエステル樹脂1
(Mw 28,000、Mn 3,700/三洋化成工業製) 70重量部
ポリエステル樹脂2
(Mw 150,000、Mn 8,000/三洋化成工業製) 30重量部
前記カーボンブラック分散液 30重量部
カルナバワックス 5重量部
酢酸エチル 1630重量部
以上の処方を、着色剤分散液調製時と同じく、攪拌羽を有するミキサーを使用して、15分間攪拌を行い、分散させた。溶媒希釈によるショックで顔料などが凝集することを完全に防止することができた。この段階の分散液を、着色剤分散液調製時と同様に、0.45μmのフィルター(PTFE製)で濾過したが、目詰まりの発生はなく、全て通過することを確認した。
得られた分散液を図2に示したトナー製造装置の、貯留部1に供給した。使用した貫通孔を有する板は、厚み20μmのニッケルプレートに、真円形状の出口直径8.0μmの貫通孔を、フェムト秒レーザによるマスク縮小投影法による除去加工(レーザアブレーション)により同心円上に500個作製した。貫通孔の存在する部分は、一辺0.5mmの正方形の範囲であった。
分散液調製後、以下のようなトナー作製条件で、液滴を形成させた後、該液滴を乾燥固化することにより、トナーを作製した。
〔トナー作製条件〕
分散液固形分 :6.25重量%
分散液比重 :1.185g/cm3
液流量 :400ml/hr
乾燥空気流量 :シース 2.0L/分、装置内エアー 20L/分
装置内温度 :27〜28℃
露点温度 :−20℃
共通液室振動周波数:601.0kHz
上記で得られたトナー母体100重量部と、外添剤として疎水性シリカ(クラリアントジャパン製)0.5重量部、および、疎水性酸化チタン(テイカ製)0.3重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、目開き38μmの篩を通過させることによって、トナーを得た。本トナーをトナー1とする。
二成分系現像剤に用いられるキャリアとして、シリコーン樹脂により0.5μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径35μmのフェライトキャリアを用い、かつ該キャリア100重量部に対し上記で作成したトナー7重量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、現像剤を作成した。
前記キャリアは、次のとおりにして調製した。芯材として、Mnフェライト粒子(重量平均径:35μm)5000部、並びに、被覆材として、トルエン450部、シリコーン樹脂SR2400(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50%)450部、アミノシランSH6020(東レ・ダウコーニング・シリコーン製)10部、およびカーボンブラック10部をスターラーで10分間分散して調製されたコート液を用いて、前記芯材とこのコート液と流動床内において回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、当該コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、2時間の条件で焼成し、上記キャリアを得た。
得られたトナーについて、粒度分布、分子量分布、ゲル分量、1/2流出温度を測定し、測定結果を表1に示した。また、トナーの耐熱保存性を測定し、測定結果を表2に示した。また、得られたトナーの生産性、トナー作成後の貫通孔汚れについても評価し、評価結果を表1に示した。以下に各測定法の詳細について述べる。
本発明のトナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。具体的にはガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とした。トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定後、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。粒度分布の指標としては、トナーの重量平均径(D4)を個数平均粒径(Dn)で除したD4/Dnを用いる。完全に単分散であれば1となり、数値が大きいほど分布が広いことを意味する。
トナーのTHF溶解分の分子量分布はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー) 測定装置GPC−150C(ウォーターズ社製)によって測定した。カラムにはKF801〜807(ショウデックス社製)を使用した。測定は以下の方法で行う。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流した。トナー0.05gをTHF5gに十分に溶かした後、前処理用フィルター(例えば、孔径0.45μm クロマトディスク(クラボウ製))で濾過し、最終的に試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。トナーのTHF溶解分の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnの測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressureChemical Co.、あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×102、4×102、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
また、特定の分子量範囲の高分子の含有比率は、得られた分子量分布より容易に算出できる。本発明における分子量1.0×105以上である高分子の含有比率(面積%)は、得られた分子量分布における分子量1.0×105以上の積分値を、分子量分布の総積分値で除することで求めた。
また、トナー以外の試料に関しても上記と同様の測定法で、分子量分布を測定した。
THF不溶解分とは重量平均分子量が107を越えるような高分子ゲル分のことである。本発明においては、ゲル分量を以下のように測定した。
トナー1gを秤量し、これにTHF 100gを加えて、10℃で撹拌子を用いて15分間撹拌した後、10℃で20〜30時間放置する。20〜30時間後、THF不溶解分であるゲル分が、溶媒であるTHFを吸収し、膨潤して沈降するので、これを濾紙にて分離する。濾紙にはFILTER PAPER No.7(アドバンテック社製)を用い、濾紙上に分離されたゲル分をTHFで良く洗浄しながら吸引濾過を行った。分離したゲル分を120℃で3時間加温し、吸収したTHFを揮発させた後、ゲル分の重量を秤量する。本発明におけるゲル分量(重量%)はゲル分の秤量値(g)×100で求められる。
本発明における1/2流出温度Tmは、高化式フローテスターCFT−500C (島津製作所製)を用いて測定した。本測定により得られるフローカーブは、図12に示すような曲線であり、1/2流出温度を読み取ることができる。図中、1/2法における溶融温度とあるのはT1/2流出温度のことである。測定条件は、荷重20kg、ダイ口径1mm、ダイ長さ10mm、昇温速度3℃/minで行った。
耐熱保存性は、針入度試験器(日科エンジニアリング)を用いて測定した。具体的には、トナーを10g計量し、温度20〜25℃、湿度40〜60%の環境下で30mlのガラス容器(スクリューバイアル)に入れ、蓋を閉める。トナーを入れたガラス容器を100回タッピングした後、温度50℃にセットした恒温槽に24時間放置した後、針入度計で針入度を測定した。表2に、良好なものから、30mm以上の場合は◎で、20mm〜29mmの場合は○で、15mm〜19mmの場合は△で、8mm〜14mmの場合は×で、および、7mm以下の場合は××で示した。
トナー組成液の貯留部に設けられている複数個の貫通孔の内、1個の貫通孔から、1時間当たりに生産されるトナー粒子量(mg/h)を測定し、これをトナー生産性として評価した。表2に、トナー生産性が良好なものから、200mg/h以上の場合は◎で、150〜199mg/hの場合は○で、100〜149mg/hの場合は△で、50〜99mg/hの場合は×で、49mg/h以下の場合は××で示した。
トナー製造装置を連続運転し、トナー粒子500gを生産した時点における、貫通孔の汚れを評価した。表2に、貫通孔に汚れ、または詰まり等が全く発生していないものは◎で、貫通孔に多少の汚れが付着しているが、生産上問題のないものは○で、貫通孔に多少の汚れが付着しており、一部の貫通孔に多少の詰まりが発生しているようなものは△で、一部の貫通孔は汚れが付着したり、詰まりが発生しており、生産されるトナー粒子の粒度分布も悪化しているものは×で、詰まりがひどく、生産されるトナー粒子の粒度分布が悪化、もしくは、全く生産できなくなる状態のものは××で示した。
上記で得られたトナーおよび二成分現像剤は、4色の現像部が現像剤を1つのベルト感光体に各色順次現像し、中間転写体に順次転写し、紙等に4色を一括転写する方式のフルカラーレーザープリンター Imagio Neo C285(リコー社製)(評価機A)と、評価機Aを、トナーを気流で直接現像部位にまで搬送し、パウダークラウドにより現像するように改造した評価機Bと、評価機Aの定着装置をオイルレスのIH定着装置に改造した評価機Cと、評価機Aを感光体、帯電装置、現像手段およびクリ−ニング装置をプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成されるように改造した評価機Dにより評価した。なお、本実施例・比較例では4色の現像部のうち1つの現像部に現像剤を入れ、単色モードで画質等の評価を行った。
<画像粒状性・鮮鋭性>
評価機Aを用い、単色モードで写真画像を10,000枚ランニング出力を行い、粒状性および鮮鋭性の度合を目視にて評価した。表2に、前記度合いが、オフセット印刷並の場合は◎で、オフセット印刷よりわずかに悪い程度の場合は○で、従来の電子写真画像程度よりわずかに良い場合は△で、従来の電子写真画像程度の場合は×で、および、従来の電子写真画像より悪い場合は××で表示した。
評価機Aを用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、600dpiの細線画像をリコー社製タイプ6000ペーパーに出力させ、細線のにじみ度合いを段階見本と比較した。ランク1〜5の5段階で評価し、ランク5が最も細線再現性に優れ、ランク1が最も劣る。表2に、ランク5である場合は◎で、ランク4である場合は○で、ランク3である場合は△で、ランク2である場合は×で、および、ランク1である場合は××で表示した。
評価機Aを用い、普通紙および厚紙の転写紙(リコー製 タイプ6200およびNBSリコー製複写印刷用紙<135>)にトナー付着量0.85±0.1mg/cm2のベタ画像を作成し、定着ベルトの温度を変化させて定着試験を行い、普通紙でホットオフセットの発生しない上限温度を定着上限温度とした。また、ベタ画像は普通紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。また厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像表面を描画試験器AD−401(上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。表2に、低温定着性について、定着下限温度が130℃以下の場合は◎、131〜140℃の場合は○、141〜155℃の場合は△、156〜160℃の場合は×、161℃以上の場合は××で表示した。また、耐ホットオフセット性について、定着上限温度が220℃以上の場合は◎、200〜219℃の場合は○、180〜199℃の場合は△、170〜179℃の場合は×、169℃以下の場合は××で表示した。
実施例1の樹脂及びワックスを添加した分散液の調製において、以下の処方に変更し、固形分量が6.26重量%、比重が1.187g/cm3である分散液を得て、これを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、質量平均粒径D4が6.01μm、D4/Dnが1.00である完全に単分散なトナー母体粒子が得られた。得られたトナー母体粒子は、実施例1と同様に外添剤で処理され、目的のトナー2を得た。また、得られたトナーについて、上述の評価を行った、結果を表1および表2に示す。
ポリエステル樹脂3
(Mw 416,000、Mn 6,500/花王製) 60重量部
ポリエステル樹脂4
(Mw 15,000、Mn 3,500/花王製) 40重量部
前記カーボンブラック分散液 30重量部
カルナバワックス 5重量部
酢酸エチル 1628重量部
実施例1の樹脂及びワックスを添加した分散液の調製において、以下の処方に変更し、固形分量が6.23重量%、比重が1.181g/cm3である分散液を得て、これを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、質量平均粒径D4が6.00μm、D4/Dnが1.00である完全に単分散なトナー母体粒子が得られた。得られたトナー母体粒子は、実施例1と同様に外添剤で処理され、目的のトナー3を得た。また、得られたトナーについて、上述の評価を行った、結果を表1および表2に示す。
ポリエステル樹脂65
(Mw 25,000、Mn 1,100/三洋化成工業製) 100重量部
前記カーボンブラック分散液 30重量部
カルナバワックス 5重量部
酢酸エチル 1637重量部
実施例1の樹脂及びワックスを添加した分散液の調製において、以下の処方に変更し、固形分量が6.27重量%、比重が1.189g/cm3である分散液を得て、これを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、質量平均粒径D4が6.00μm、D4/Dnが1.00である完全に単分散なトナー母体粒子が得られた。得られたトナー母体粒子は、実施例1と同様に外添剤で処理され、目的のトナー4を得た。また、得られたトナーについて、上述の評価を行った、結果を表1および表2に示す。
ポリエステル樹脂6 (Mw 87,000/花王製) 85重量部
ポリエステル樹脂7 (Mw 5,300/花王製) 15重量部
前記カーボンブラック分散液 30重量部
カルナバワックス 5重量部
酢酸エチル 1625重量部
実施例1の樹脂及びワックスを添加した分散液の調製において、以下の処方に変更し、固形分量が6.30重量%、比重が1.195g/cm3である分散液を得て、これを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、質量平均粒径D4が6.01μm、D4/Dnが1.00である完全に単分散なトナー母体粒子が得られた。得られたトナー母体粒子は、実施例1と同様に外添剤で処理され、目的のトナー5を得た。また、得られたトナーについて、上述の評価を行った、結果を表1および表2に示す。
ポリエステル樹脂8
(Mw 84,000、Mn 9,500/花王製) 100重量部
前記カーボンブラック分散液 30重量部
カルナバワックス 5重量部
酢酸エチル 1617重量部
実施例1の樹脂及びワックスを添加した分散液の調製において、以下の処方に変更し、固形分量が6.26重量%、比重が1.185g/cm3である分散液を得て、これを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、質量平均粒径D4が6.00μm、D4/Dnが1.02であるほぼ単分散なトナー母体粒子が得られた。得られたトナー母体粒子は、実施例1と同様に外添剤で処理され、目的のトナー6を得た。また、得られたトナーについて、上述の評価を行った、結果を表1および表2に示す。
ポリエステル樹脂3
(Mw 416,000、Mn 6,500/花王製) 45重量部
ポリエステル樹脂4
(Mw 15,000、Mn 3,500/花王製) 55重量部
前記カーボンブラック分散液 30重量部
カルナバワックス 5重量部
酢酸エチル 1630重量部
実施例1の樹脂及びワックスを添加した分散液の調製において、以下の処方に変更し、固形分量が6.25重量%、比重が1.187g/cm3である分散液を得て、これを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、質量平均粒径D4が6.02μm、D4/Dnが1.02であるほぼ単分散なトナー母体粒子が得られた。得られたトナー母体粒子は、実施例1と同様に外添剤で処理され、目的のトナー7を得た。また、得られたトナーについて、上述の評価を行った、結果を表1および表2に示す。
ポリエステル樹脂9
(Mw 59,000、Mn 2,200/三洋化成工業製) 100重量部
前記カーボンブラック分散液 30重量部
カルナバワックス 5重量部
酢酸エチル 1628重量部
−スチレン−アクリル樹脂の合成−
まず、結着樹脂としてのスチレン−アクリル樹脂を合成した。
スチレンモノマー 65重量部
アクリル酸n−ブチルモノマー 30重量部
アクリル酸モノマー 15重量部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 1.5重量部
テトラヒドロフラン 500重量部
以上の処方を、窒素雰囲気下の反応容器内で混合し、65℃で6時間還流を行うことで重合反応を行った。次に溶媒を除去し、スチレン−アクリル酸n−ブチル−アクリル酸共重合体を得た。これをスチレン−アクリル樹脂1とした。
得られたスチレン−アクリル樹脂1は、数平均分子量(Mn)が8,700、重量平均分子量(Mw)が56,000であった。
続いて、実施例1の樹脂及びワックスを添加した分散液の調製において、以下の処方に変更した、固形分量が6.28重量%、比重が1.190g/cm3である分散液を得て、これを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、質量平均粒径D4が6.02μm、D4/Dnが1.02であるほぼ単分散なトナー母体粒子が得られた。得られたトナー母体粒子は、実施例1と同様に外添剤で処理され、目的のトナー8を得た。また、得られたトナーについて、上述の評価を行った、結果を表1および表2に示す。
スチレン−アクリル共重合樹脂1
(Mw 56,000、Mn 8,700) 100重量部
前記カーボンブラック分散液 30重量部
カルナバワックス 5重量部
酢酸エチル 1622重量部
実施例1において、評価機Aに代えて評価機Bを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、上述の評価を行った、結果を表1および表2に示す。
[実施例10]
実施例1において、評価機Aに代えて評価機Cを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、上述の評価を行った、結果を表1および表2に示す。
[実施例11]
実施例1において、評価機Aに代えて評価機Dを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、上述の評価を行った、結果を表1および表2に示す。
実施例1の樹脂及びワックスを添加した分散液の調製において、以下の処方に変更し、固形分量が6.23重量%、比重が1.181g/cm3である分散液を得て、これを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、質量平均粒径D4は6.01μm、D4/Dnは1.01であるほぼ単分散なトナー母体粒子が得られた。得られたトナー母体粒子は、実施例1と同様に外添剤で処理され、目的のトナー9を得た。また、得られたトナーについて、上述の評価を行った、結果を表1および表2に示す。
ポリエステル樹脂10
(Mw 22,000、Mn 1,200/花王製) 100重量部
前記カーボンブラック分散液 30重量部
カルナバワックス 5重量部
酢酸エチル 1637重量部
実施例1の樹脂及びワックスを添加した分散液の調製において、以下の処方に変更し、固形分量が6.27重量%、比重が1.189g/cm3である分散液を得て、これを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、質量平均粒径D4は6.00μm、D4/Dnは1.12であるトナー母体粒子が得られた。得られたトナー母体粒子は、実施例1と同様に外添剤で処理され、目的のトナー10を得た。また、得られたトナーについて、上述の評価を行った、結果を表1および表2に示す。
ポリエステル樹脂11(Mw 70,000/花王製) 30重量部
ポリエステル樹脂9
(Mw 59,000、Mn 2,200/三洋化成工業製) 70重量部
前記カーボンブラック分散液 30重量部
カルナバワックス 5重量部
酢酸エチル 1625重量部
実施例1の樹脂及びワックスを添加した分散液の調製において、以下の処方に変更し、固形分量が6.27重量%、比重が1.189g/cm3である分散液を得て、これを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、質量平均粒径D4が5.72μm、D4/Dnが1.34であるトナー母体粒子が得られた。得られたトナー母体粒子は、実施例1と同様に外添剤で処理され、目的のトナー11を得た。また、得られたトナーについて、上述の評価を行った、結果を表1および表2に示す。また、トナー製造後、貫通孔を確認したところ、貫通孔内部に目詰まりが発生していた。
ポリエステル樹脂11(Mw 70,000/花王製) 45重量部
ポリエステル樹脂9
(Mw 59,000、Mn 2,200/三洋化成工業製) 55重量部
前記カーボンブラック分散液 30重量部
カルナバワックス 5重量部
酢酸エチル 1625重量部
実施例1の樹脂及びワックスを添加した分散液の調製において、以下の処方に変更し、固形分量が6.25重量%、比重が1.186g/cm3である分散液を得て、これを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、質量平均粒径D4が6.00μm、D4/Dnが1.03であるほぼ単分散なトナー母体粒子が得られた。得られたトナー母体粒子は、実施例1と同様に外添剤で処理され、目的のトナー12を得た。また、得られたトナーについて、上述の評価を行った、結果を表1および表2に示す。
ポリエステル樹脂1
(Mw 28,000、Mn 3,700/三洋化成工業製) 20重量部
ポリエステル樹脂2
(Mw 150,000、Mn 8,000/三洋化成工業製) 80重量部
前記カーボンブラック分散液 30重量部
カルナバワックス 5重量部
酢酸エチル 1630重量部
実施例1で用いたトナー製造装置の代わりに、分散液を貯留する貯留部と、この貯留部に圧電体の伸縮により圧力パルスを与え、これにより液物質を液滴として貫通孔から吐出することが可能なヘッド部を設けたトナー製造装置を用いた。比較例6の装置は、貫通孔部に直接圧電素子が接し、この圧電体の伸縮による圧力パルスが貫通孔部そのものを加振する点が実施例1の構造と大きく異なる。この液滴化部が異なる以外は、実施例1と同じトナー作製条件で、液滴を吐出させ、該液滴を乾燥固化することにより、質量平均粒径D4は5.30μm、D4/Dnは1.35である粒度分布の広いトナー母体粒子が得られた。トナー母体の光学顕微鏡写真を図14に示した。また、本比較例で用いた液滴吐出部の貫通孔を有する板は、実施例1と同様のものを用いた。得られたトナー母体粒子は、実施例1と同様に外添剤で処理され、目的のトナー13を得た。
1 貯留部
2 振動手段
3 支持手段
4 貫通孔
5 液供給手段
6 溶媒除去設備
7 トナー捕集部
8 配管
9 貫通孔保持機構
10 振動発生装置
11 導電線
12 開放弁
13 液滴
14 乾燥手段
15 トナー粒子
(図4〜7)
1 感光体
2 転写装置、1次転写装置
3 シート搬送ベルト
s シート
4 中間転写体
5 2次転写装置
6 給紙装置
7 定着装置
8 感光体クリーニング装置
9 中間転写体クリーニング装置
10 無端ベルト状の中間転写体
14,15,16 支持ローラ
10 中間転写体
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成装置
21 露光装置
22 2次転写装置
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
61 現像装置
62 1次転写装置
63 感光体クリーニング装置
64 除電装置
65 現像スリーブ上現像剤
68 撹拌パドル
69 仕切り板
71 トナー濃度センサー
72 現像スリーブ
73 ドクター
75 クリーニングブレード
76 クリーニングブラシ
77 クリーニングローラー
78 クリーニングブレード
79 トナー排出オーガー
80 駆動装置
100 複写装置本体
140 感光体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
(図8、図9について)
1 加熱ローラ
2 定着ローラ
2a 芯金
2b 弾性部材
3 耐熱性ベルト(トナー加熱媒体)
4 加圧ローラ
6 誘導加熱手段
W1 接触部位
4a 芯金
4b 弾性部材
11 記録材
7 励磁コイル
8 コイルガイド板
9 励磁コイルコア
10 励磁コイルコア支持部材
Claims (1)
- 少なくとも樹脂と着色剤を含有するトナー組成物を含むトナー組成液を、貫通孔より放出し液滴化してトナー粒子を製造するトナー製造方法において、前記トナー組成液を貯留部へ供給し、少なくとも貯留部の一部に接する振動手段により、前記貯留部を介して前記トナー組成液を励振しながら、貯留部に設けた複数の貫通孔より前記トナー組成液を造粒空間に放出し、前記トナー組成液を柱状から括れ状態を経て液滴化し、該液滴を造粒空間において固体粒子に変化させて、THF溶解分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定される分子量分布において、重量平均分子量(M w )が2.5×10 4 〜1.0×10 5 であり、且つ、前記トナーのTHF不溶解分量(ゲル分量)が、10重量%以下であるトナーを得ることを特徴とするトナー製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006242231A JP4721443B2 (ja) | 2006-09-07 | 2006-09-07 | トナー、それを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006242231A JP4721443B2 (ja) | 2006-09-07 | 2006-09-07 | トナー、それを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008065006A JP2008065006A (ja) | 2008-03-21 |
JP4721443B2 true JP4721443B2 (ja) | 2011-07-13 |
Family
ID=39287784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006242231A Expired - Fee Related JP4721443B2 (ja) | 2006-09-07 | 2006-09-07 | トナー、それを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4721443B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5458836B2 (ja) * | 2009-11-30 | 2014-04-02 | 株式会社リコー | トナーの製造方法 |
JP2012098423A (ja) * | 2010-10-29 | 2012-05-24 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置及び画像形成方法 |
JP5709065B2 (ja) * | 2011-10-17 | 2015-04-30 | 株式会社リコー | トナー、該トナーを用いた現像剤、画像形成装置 |
JP5655964B2 (ja) * | 2013-04-26 | 2015-01-21 | 株式会社リコー | トナー、現像剤 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001222171A (ja) * | 2000-02-09 | 2001-08-17 | Ricoh Co Ltd | 画像形成方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004109485A (ja) * | 2002-09-18 | 2004-04-08 | Ricoh Co Ltd | 静電荷像現像用トナー |
JP2005292485A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Seiko Epson Corp | トナーの製造方法およびトナー |
JP4512995B2 (ja) * | 2004-08-30 | 2010-07-28 | 株式会社リコー | 画像形成方法 |
JP2006145654A (ja) * | 2004-11-17 | 2006-06-08 | Seiko Epson Corp | トナーの製造方法およびトナー製造装置 |
JP4371228B2 (ja) * | 2004-11-25 | 2009-11-25 | セイコーエプソン株式会社 | トナーの製造方法、トナー製造装置およびトナー |
-
2006
- 2006-09-07 JP JP2006242231A patent/JP4721443B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001222171A (ja) * | 2000-02-09 | 2001-08-17 | Ricoh Co Ltd | 画像形成方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008065006A (ja) | 2008-03-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4966166B2 (ja) | トナーの製造方法及びトナー、現像剤、画像形成方法 | |
JP4647506B2 (ja) | 粒子特にトナー粒子の製造方法、トナー粒子の製造装置及びトナー | |
JP4607029B2 (ja) | トナー製造方法、トナー、及びトナー製造装置 | |
US8034526B2 (en) | Method for manufacturing toner and toner | |
JP4594789B2 (ja) | 粒子製造装置及び粒子群の製造方法 | |
JP5500492B2 (ja) | トナーの製造方法 | |
JP4896000B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、製造方法、及び製造装置、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び画像形成装置 | |
JP5754219B2 (ja) | トナーの製造方法 | |
JP4587400B2 (ja) | トナー製造方法及びトナー | |
JP4562707B2 (ja) | トナー製造方法及びトナー | |
JP2009258628A (ja) | トナーの製造方法並びにトナー | |
JP2010039469A (ja) | トナー及びトナーの製造方法 | |
JP2007108731A (ja) | 静電荷像現像用トナー、製造方法、及び製造装置、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び画像形成装置 | |
JP4979539B2 (ja) | トナー | |
JP4629009B2 (ja) | トナー製造方法、トナー、それを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ | |
JP5033590B2 (ja) | トナーの製造方法並びにトナー | |
JP4721443B2 (ja) | トナー、それを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ | |
JP5257676B2 (ja) | トナー及び現像剤、画像形成装置 | |
JP5239233B2 (ja) | トナーの製造方法 | |
JP5879857B2 (ja) | トナーの製造法 | |
JP5218880B2 (ja) | トナーの製造方法 | |
JP4803811B2 (ja) | トナー製造方法、トナー、及びトナー製造装置 | |
JP2008229462A (ja) | 粒子の製造方法及びトナーの製造方法、並びにトナー、現像剤、及び画像形成方法 | |
JP2009286902A (ja) | ワックス分散体の製造方法及びその製造装置、並びにワックス分散体及びトナー | |
JP5057730B2 (ja) | 現像装置及び現像方法、画像形成装置及び画像形成方法、並びにプロセスカートリッジ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090603 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100805 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100810 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101008 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20101213 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110221 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20110224 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110331 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110404 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |