JP2006145654A - トナーの製造方法およびトナー製造装置 - Google Patents

トナーの製造方法およびトナー製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、溶媒や分散媒を除去したり、乾燥したりする必要がなく、短時間、低コストで球形トナーを連続生産可能とすると共に高温高湿条件での耐久性に優れ、また、粒度分布が均一な微小トナーの製造方法および製造装置の提供を課題とする。
【解決手段】 本発明のトナーの製造方法およびトナー製造装置は、少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤からなる溶融物を多孔質ガラスの細孔を通して気相中に滴下した後、固化させるトナーの製造方法であって、溶融物を多孔質ガラスの細孔を通して気相中に滴下するに際して、多孔質ガラスを溶融物の滴下方向に直交する方向に振動させるものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真、静電印刷等に用いるトナーの製造方法およびトナー製造装置に関する。
電子写真法では、光導電性物質を設けた感光体に形成した静電潜像を着色剤を含有したトナー粒子を用いて現像を行った後に、熱、圧力等により紙等の転写材にトナー画像を定着して複写物、印刷物を形成している。
このようなトナー粒子としては、粉砕トナーや重合トナーが知られているが、近年、電子写真法では高画質化が要求されるにつれて、トナーの粒径分布のシャープさや小粒径化が求められている。しかしながら、粉砕トナーにおいては、生産性等において限界があり、また、重合トナーはトナーの小粒径化に対応でき、また、生産性に優れるものではあるが、トナーの粒径分布をシャープにすることが困難である。
また、重合性単量体組成物を多孔質ガラスを通過させて、分散安定剤を含有する重合性単量体と非相溶性液状分散媒体中に分散懸濁し、次いで懸濁重合させてトナー粒子を造粒する方法が知られ(特許文献1)、また、重合性単量体組成物と着色剤とを親水性有機溶媒中に溶解分散させて、次いで、多孔質ガラスを通過させて、分散安定剤を含有する水性媒質中で懸濁重合させてトナー粒子を造粒する方法(特許文献2)が知られているが、これらの方法においては、残存モノマーの除去が困難であり、また、使用する有機溶剤の除去や分散剤の洗浄や分離・洗浄等の後工程で必要以上に多大な時間とエネルギーを消費するものであり、更にはバッチ式の製法であるため連続造粒は不可能であった。
また、有機溶剤中に樹脂や着色剤を溶解または分散させたトナー組成物を多孔質ガラスを通過させて、水溶液からなる連続相中でエマルジョンを形成し、次いでエマルジョンから有機溶剤を除去してトナー粒子を造粒する方法が知られている(特許文献3)が、特許文献1と同様に使用する有機溶剤の除去や分散剤の洗浄や分離・洗浄等の後工程で必要以上に多大な時間とエネルギーを消費するといった問題があり、また、エマルジョン粒子を形成する圧入過程で流動する水性媒体中に圧入すると、トナー平均粒径として例えば6μmのものを得る場合には3μm以下の粒径の微粒子量が多く生成するという問題があり、粒度分布としてシャープなものが得られないという問題がある。
また、ノズルからトナー組成物を吐出して噴霧乾燥するスプレードライ方式でトナー粒子を造粒する方法が知られている(特許文献4)が、造粒された粒子は粒度分布が広く、造粒粒子を分級する必要があり、また、分級後においてもシャープな粒度分布とすることは困難である。
また、少なくとも樹脂と着色剤とを有機溶剤中に溶解または分散させたトナー組成物、また、樹脂と着色剤との溶融分散物からなるトナー組成物を圧電体による圧力パルスを使用して吐出ヘッドより気相中に吐出して固化するか、または、熱エネルギーでヘッド部内に気泡を発生させて吐出ヘッドより気相中に吐出して固化してトナー粒子を造粒するトナー製造装置が知られている(特許文献5)が、有機溶剤に溶解させるものにあっては上記の如く有機溶剤を除去する必要があるといった問題や吐出時の原料の粘度が1000cps(1Pa・s)以上の高粘度のものは液滴を形成できないという問題がある〔0079〕。また、120℃での溶融粘度が210cpsの溶融物を120℃で吐出することが記載〔0121〕されているが、例えばフロー軟化点が120℃以上のトナー組成物を気泡や圧電パルスで吐出しようとすると液滴を形成できないという問題がある。
特開平3−95564号公報 特開平9−274338号公報 特開平5−134455号公報 特開昭48−90977号公報 特開2003−262976
本発明は、溶媒や分散媒を除去したり、乾燥したりする必要がなく、短時間、低コストで球形トナーを連続生産可能とすると共に高温高湿条件での耐久性に優れ、また、粒度分布が均一な微小トナーの製造方法およびトナー製造装置の提供を課題とする。
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤からなる溶融物を多孔質ガラスの細孔を通して気相中に滴下した後、固化させるトナーの製造方法であって、前記溶融物を滴下するに際して、多孔質ガラスを溶融物の滴下方向に直交する方向に振動させることを特徴とする。
多孔質ガラスにおける細孔直径が5〜20μmであって、0.05mm〜2mmの振幅、毎秒100〜20000回で振動させることを特徴とする。
本発明のトナー製造装置は、少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤からなる溶融物を気相中に滴下する多孔質ガラスからなる溶融物滴下部と、該溶融物滴下部からの滴下物を気相中で固化させてトナー母粒子とする筒状造粒塔とからなり、該筒状造粒塔内の上部に前記溶融物滴下部を配置すると共に該溶融物滴下部における多孔質ガラスを溶融物滴下方向に直交する方向に振動させることを特徴とする。
前記装置における多孔質ガラスの細孔直径が5〜20μmであって、0.05mm〜2mmの振幅、毎秒100〜20000回で振動させることを特徴とする。
前記装置における溶融物滴下部には加熱手段が配置されると共に筒状造粒塔下方の外壁に冷却手段が設けられ、該冷却手段が設けられた筒状造粒塔下方部を固化部としたことを特徴とする。
前記装置における溶融物滴下部と固化部における温度差を50℃以上とすることを特徴とする。
前記装置における筒状造粒塔内壁に沿って円周方向に熱空気流を旋回させ、トナー母粒子の管壁への付着を防止したことを特徴とする。
前記装置における筒状造粒塔の最下部に、固化されたトナー母粒子を捕捉するサイクロンが接続されたことを特徴とする。
本発明のトナーの製造方法およびトナー製造装置は、溶媒や分散媒を除去したり、乾燥したりする必要がなく、短時間、低コストで球形トナーを連続生産でき、また、非水系で造粒するためにトナー内部や表面に分散剤等の親水性化合物を保持しないので、高温高湿下においても帯電量の低下がなく、しかも、粒度分布が均一な微小トナーを製造することができる。
本発明のトナーの製造方法で使用する装置の概要を図1に示す。図2(a)は、図1の滴下部下面における多孔質ガラス膜の配列状態の一例を例示する正面模式図であり、(b)は滴下部下面の側面断面模式図、(c)は多孔質ガラス板の拡大正面模式図である。
図中、1は筒状造粒塔、2は底面に多孔質ガラス板が配置された滴下部、3は熱電対、4は熱風送風口、5はジャケット、10は第1貯留部、11は加熱ヒータ、12は定量ポンプ、20は第2貯留部、21は攪拌装置、22は保温ヒータ、23は定量ポンプ、24は熱風送風口、25は圧力計、26はベント、27はヒータ、28はブロワー、30はサイクロン、31はバグフィルター、32は取り出し口、40は多孔質ガラス板、42は格子状枠部、43は細孔を示す。
本発明のトナー製造装置について説明する。図1に示す装置において、まず、トナー組成物を加熱ヒーター11が設けられた第1貯留部10に投入して溶融分散液(溶融物)とした後、第2貯蔵部20における溶融物の消費に応じて、溶融物を適時、適量、耐熱性定量ポンプ12により保温ヒーター22を有する第2貯蔵部に送液する。第1貯留部10と第2貯留部20における加熱・保温手段としては、スペースヒータ、リボンヒータ、バンドヒータ、フランジヒータ、プレートヒータから適宜選択されるとよい。加熱・保温手段は、トナー組成物をその熱可塑性樹脂や離型剤(ワックス)の融点以上に加熱または保温するものである。なお、配管部においても加熱・保温手段が適宜設けられるとよい。第2貯留部20には溶融物における沈降やトナー組成物が不均一な組成となることを防止するために攪拌手段21が設けられる。また、この第2貯留部20には、内蔵された溶融物表面が常に溶融している状態を維持するために、熱風送風口24から熱風が溶融物表面に吹き付けられるとよい。熱風はブロワー28、ヒータ27、圧力計25、排気部(ベント)26を備えた送風手段により送風される。バッチ処理の際には、第1貯留部10を省略し、トナー組成物を直接、第2貯留部20に投入してもよいが、連続稼働させるには、上述のごとく、第1貯留部10中のトナー組成物も溶融状態としておくとよい。
筒状造粒塔1は、下方に向かって径を小とした縦型の円筒形状とし、天井部には第2貯留部20からの送液管が間挿され、送液管の先端には滴下部2が配置される。また、筒状造粒塔1の最下端部は固化されたトナー母粒子のサイクロン30への導入部である。
第2貯蔵部20における溶融物は、耐熱定量ポンプ23により送液量が制御されて、筒状造粒塔1内の滴下部2に送液される。滴下部2は、ステンレス製の箱型または円筒形状の容器であり、熱電対3により溶融物の温度がモニターされ、図示しないが上述した適宜の加熱・保温手段により加熱・保温される。底面には、図2(a)〜(c)に示す如くステンレス製の格子状支持枠42により支持された複数枚の多孔質ガラス板40が配置される。
多孔質ガラス板40は、特開昭61−40841号公報に準じて作製されるものであり、耐熱性、耐久性に優れるものである。多孔質ガラス板40は、厚み0.8mm〜1mmで20mm×20mmの板状物である。多孔質ガラスにおける細孔直径としては80nm〜20μmのものがSPGテクノ(株)より入手可能である。多孔質ガラス板40における細孔の形状は必ずしも直線的な円筒形状ではないが、細孔の断面直径は平均してほぼ一定であり、目詰まりを起こしにくい構造を有している。本発明においては、得られるトナー母粒子径の関係から細孔直径としては、5μm〜20μm、好ましくは6μm〜18μmである。この範囲を外れるとトナー母粒子の粒径を制御できず、また、粒度分布の均一なものが得られない。
定量ポンプ23は、細孔からの滴下量を調整可能とするものであり、滴下量が0.5mm/s〜14mm/s、好ましくは0.8mm/s〜10mm/sとなるように送液量を制御するとよい。滴下量が少ないと液滴が形成されるのに時間がかかり、また、多いと得られるトナー母粒子の粒径を制御できず、また、粒度分布の均一なものが得られない。
また、滴下部2の下面の多孔質ガラス板は、溶融物の滴下方向に直交する方向(図1、矢印方向)に微小振動されるとよい。これにより、液滴の大きさを制御するとともに、溶融物が多孔質ガラス板の細孔を通過して液滴を形成する際に発生する尾引き等による微小粒径の液滴の生成を防止できる。底面を横振動させるには、図示しないが、滴下部2の側面に振動発生器からの振動子を取り付け、溶融物滴下方向に直交する方向に振動させるとよく、振幅0.05mm〜2mm、好ましくは0.06mm〜1.4mm、振動数100〜20000回/s、好ましくは300〜18000回/sとするとよい。振幅、振動数がこの範囲を外れると、トナー母粒子の粒径を制御できず、また、粒度分布の均一なものが得られない。
筒状造粒塔1における滴下部2近傍の壁面には、熱風口4が設けられるとよい。熱風口4からは筒状造粒塔内壁に沿って円周方向に旋回する熱空気流(熱搬送風)を送風するものであり、固化過程で液滴や固化したトナー母粒子が内壁に付着することを防止することができる。また、トナー母粒子はその特性として極性を有するが、固化過程で内壁にトナー母粒子が静電的に付着することを防止するために、図示しないが、同極性の電圧を印加しておくとよい。トナー母粒子が負帯電性であれば、−300V〜−700V程度印加しておくとよい。
また、筒状造粒塔1下方の外壁には、水を通したジャケット等の冷却手段が設けられ、筒状造粒塔下方における塔内を固化部とするとよく、固化部における温度としては、固化したトナー母粒子の相互の融着を防ぐために、溶融物における熱可塑性樹脂のガラス転移温度以下に冷却されるとよい。また、溶融物滴下部と固化部における温度差としては、50℃以上の温度差、好ましくは60℃〜230℃の温度差とするとよい。50℃未満であると、形成された母粒子の凝集の問題がある。
固化部において造粒されたトナー母粒子は、筒状造粒塔の最下部より配管を通してサイクロン30に補集され、超微粉はバグフィルタ31で捕捉され、熱搬送風のみが大気中に放出される。
本発明によると、トナー組成物におけるフロー軟化温度(Tf1/2)が100℃〜150℃で、250℃における溶融粘度が5〜100Pa・s、また、280℃での溶融粘度が3〜85Pa・sのトナー組成物を滴下させることができるが、筒状造粒塔上方と、固化部との温度差としては少なくとも50℃以上の温度差を確保するとよい。熱可塑性樹脂におけるガラス転移温度が55℃〜75℃である場合には、溶融物の滴下時の温度を280℃とすると、溶融物滴下部と固化部との温度差としては少なくとも210℃以上の温度差が必要である。図1の製造装置における筒状造粒塔の高さ(液滴の滴下距離)、熱風口4からの送風量およびその温度、さらにジャケットへの通水量等を適宜調整することにより、その温度差を確保することができる。また、多孔質ガラス板からの滴下性を考慮すると、滴下時での溶融粘度が高すぎると多孔質ガラス板の細孔から滴下しずらくなり、また、低すぎるとトナー化した際のブロッキング性が劣り、耐久性のないトナーとなる。
上記の溶融条件を有する熱可塑性樹脂としては、例えばスチレン系共重合体が例示される。スチレン系共重合体としては(1)スチレン系単量体、(2)酸基または水酸基を含有するビニル系単量体、(3)(メタ)アクリル酸エステル系単量体の三成分からなる共重合体が例示される。
ビニル系単量体(2)として酸基を含有するビニル系単量体とする場合の共重合体について説明する。
スチレン系単量体(1)としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン等が挙げられ、好ましくはスチレンである。共重合体におけるスチレン系単量体の含有量は、少なくなるとトナーの粉砕性が低下することがあり、多くなるとトナーの定着性が低下することがあるため、共重合体中70〜90質量%が好ましい。
酸基を有するビニル系単量体(2)における酸基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、ホウ酸基、好ましくはカルボン酸基であり、例えば(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸及び該不飽和カルボン酸の、α又はβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸並びに下記一般式で表される半エステル化合物などが挙げられ、好ましくは、半エステル化合物である。
CH2 =CRCOOLCOOH
式中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Lは、分子鎖中にエステル結合を有する炭素数3以上の2価の基を表す。
半エステル化合物としては、例えば、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシプロピルエステル、グルタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、フタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、フタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシプロピルエステル等が挙げられる。半エステル化合物は、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体と、コハク酸、マロン酸、グルタル酸等の脂肪族ジカルボン酸又はフタル酸等の芳香族ジカルボン酸とのエステル化反応により得られる。なお、上記脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸は、分子中の水素原子が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等により置換されていてもよく、酸無水物であってもよい。酸基を含有するビニル系単量体の含有量は、少なくなるとトナーの耐オフセット性が低下することがあり、多くなるとトナーの粉砕性が低下することがあるため、共重合体中5〜25質量%が好ましい。
また、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(3)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、α−クロロアクリル酸メチル等が挙げられ、好ましくはメタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル及びアクリル酸−2−エチルヘキシルである。(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有量は、少なくなるとトナーの定着性が低下することがあり、多くなるとトナーの粉砕性が低下することがあるため、共重合体中5〜25質量%が好ましい。
次に、ビニル系単量体(2)として水酸基を含有するビニル系単量体とする場合の共重合体について説明する。この共重合体におけるスチレン系単量体(1)としては、上述した酸基を含有するビニル系単量体と同様のものが使用されるが、共重合体におけるスチレン系単量体の含有量は、少なくなるとトナーの粉砕性が低下することがあり、多くなるとトナーの定着性が低下することがあるため、共重合体中72〜90質量%が好ましい。
また、水酸基を有するビニル系単量体(2)としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシエチル、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである。水酸基を有するビニル系単量体の含有量は、少なくなるとトナーの耐オフセット性が低下することがあり、多くなるとトナーの粉砕性が低下することがあるため、共重合体中5〜23質量%が好ましい。
また、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(3)としては、上述した酸基を含有するビニル系単量体と同様のものが使用されるが、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有量は、少なくなるとトナーの定着性が低下することがあり、多くなるとトナーの粉砕性が低下することがあるため、共重合体中5〜23質量%が好ましい。
上記の各共重合体を製造する方法としては、例えば攪拌装置及び還流冷却管付フラスコに、スチレン系単量体、酸基または水酸基を有するビニル系単量体及び有機溶媒を供給し、重合開始剤の存在下、還流しながら攪拌して共重合反応させることにより得られる。
上記の共重合体におけるフロー軟化点は100〜150℃、ガラス転移温度が55〜75℃であり、また、280℃において3〜85Pa・s、好ましくは3.5Pa・s〜65Pa・sの溶融粘度を有するものが好ましい。熔融粘度は、フローテスターの定温法により280℃での熔融粘度を測定することにより得られる。フローテスターの定温法による測定は、予備加熱時間300秒、荷重10kg、ダイ1mmφ×10mmの条件で実施する。
また、熱可塑性樹脂としては上記の溶融粘度特性を有するものであれば、スチレン系共重合体に限定されるものではなく、例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、シリコーン変成エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂等を単独又は複合して使用できる。
また、溶融物には、他のトナー構成材料である着色剤、離型剤等を含有させ、溶融分散液とされる。着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の染料および顔料を単独あるいは複合したトナー用着色剤が使用可能であり、少なくとも4色のトナーとされる。例えばブラック(K)用着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック等が例示される。イエロー(Y)用着色剤としては、クロムイエロー、ハンザイエローG、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、ベンジジンイエロー等が例示される。また、マゼンタ(M)用着色剤としては、キナクリドン、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、ローダミン6G等が例示される。また、シアン(C)用着色剤としては、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルコオイルブルー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が例示される。
また、必要に応じて荷電調整剤を添加してもよい。荷電調整剤としては、トナー用荷電調整剤が使用可能である。例えば、オイルブラック、オイルブラックBY、ボントロンS−22およびS−34(オリエント化学工業製)、サリチル酸金属錯体E−81、E−84(オリエント化学工業製)、チオインジゴ系顔料、銅フタロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学工業製)、カリックスアレン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシルカルボン酸系金属錯体、芳香族ジカルボン酸系金属錯体、多糖類等が挙げられる。なかでもカラートナー用には無色ないしは白色のものが好ましい。
着色剤や荷電制御剤は、熱可塑性樹脂と相溶するものとしてもよいが、顔料等の相溶性を有しなく、溶融物中に粒子状で分散させてもよい。粒子状で分散させる場合には、多孔質ガラス板の細孔での目詰まりを防止する観点から、ボールミル等で適宜解砕し、大粒径のものを除去して用いるとよい。
離型剤としては、トナー用離型剤が使用可能である。例えばパラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、エステルワックス、ライスワックス等を使用することが好ましい。
成分比としては、熱可塑性樹脂100質量部に対して、着色剤は0.5〜15質量部、好ましくは1〜10質量部であり、また、離型剤は1〜10質量部、好ましくは2.5〜8質量部であり、また、荷電制御剤は0.1〜7質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
トナー母粒子の構成材料はニーダー、ローダミル或いは2軸押出機を用いて均一混練した後、粗粉砕して第1貯留部への投入形態とするとよい。
トナー母粒子における粒子径や粒度分布は、上述した多孔質ガラス板における細孔直径、滴下部からの滴下量、滴下部の振幅や振動数等の諸条件を適宜設定することにより、個数基準での平均粒子径が3〜9μm、円形度が0.97〜0.99、標準偏差/平均粒子径(CV値)が7〜20の粒度分布を有する均一な球形状トナー母粒子とできる。
次に、外添処理について説明する。得られたトナー母粒子には、疎水性シリカ粒子等の外添剤が添加されてトナーとされる。疎水性シリカ粒子としては、負帯電性、流動性付与を目的として添加されるもので、ケイ素のハロゲン化物等から乾式で作製した粒子、およびケイ素化合物から液中で析出した湿式法によるもののいずれをも用いることができる。シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径は、5nm〜50nmとすることが好ましく、10nm〜40nmとすることがより好ましい。また、シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径が5nmより小さいと、トナーの母粒子に埋没しやすくなり、また、負に帯電しやすくなる。また、50nmを超えるとトナー母粒子の流動性付与効果が悪化し、トナーを均一に負に帯電させることが困難になる結果、逆帯電である正に帯電したトナー量が増加する傾向となる。なお、本発明における外添剤の粒径は、電子顕微鏡像によって観察して測定したもので、個数平均粒子径である。
疎水性シリカ粒子は平均粒径分布が異なるシリカ粒子を混合して用いることが好ましく、平均一次粒子径が5nm〜20nm、好ましくは7〜16nmの小粒径のシリカ粒子と平均一次粒子径が30nm〜50nm、好ましく30〜40nmの大粒径のシリカ粒子を併用することが好ましい。粒径が小さいシリカ粒子により、好ましい流動性、負帯電性を得ることができ、粒径が大きなシリカ粒子によりトナー母粒子中に外添剤粒子の埋め込みを防止できる。
疎水性シリカ粒子の添加量としては、トナー母粒子100質量部に対して0.05〜2質量部である。0.05質量部よりも少ない場合には流動性の付与に効果がなく、逆に2質量部を超えると定着性の悪化をもたらすので好ましくない。また、小粒径粒子と大粒径粒子との割合(重量比)は5:1〜1:5である。小粒径粒子が多過ぎると定着性の悪化をもたらし、少な過ぎると流動性の低下につながる。
また、外添粒子として、高流動性、帯電安定性を目的として疎水性酸化チタン粒子が添加されてもよい。疎水性酸化チタン粒子の結晶形態としてはルチル型、アナターゼ型、ルチル/アナターゼ混晶型のいずれの酸化チタン粒子でもよい。好ましくは、ルチル/アナターゼ混晶型酸化チタン粒子であり、例えば特開2000−128534号公報に記載される含水酸化チタン及び/又はアナターゼ型酸化チタンを含有するルチル型酸化チタン粒子てあり、粒子の長軸径が0.02〜0.10μmであり、軸比(長軸径/短軸径)が2〜8の紡錘状乃至板状の粒子形状を有し、トナー母粒子に外添されると、その形状によりトナー母粒子内に埋没し難いものとできる。疎水性酸化チタン粒子の添加量としては、トナー母粒子100質量部に対して0.05〜2質量部、好ましくは0.1〜1.5質量部とするとよく、0.05質量部よりも少ない場合には帯電安定性の付与に効果がなく、逆に2質量部を超えるとトナーの負帯電量が小さくなりすぎるので好ましくない。また、疎水性酸化チタン粒子の添加量は、疎水性シリカ粒子100質量部に対して10〜150質量部の添加割合とするとよい。10質量部よりも少ない場合には過帯電防止に効果がなく、逆に150質量部を超えるとトナーの負帯電量が小さくなりすぎ、好ましくない。
その他に、例えば、シリカの表面をチタン、スズ、ジルコニウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物、水酸化物によって修飾した表面修飾シリカ粒子を含み、シリカ粒子に対して表面修飾シリカ粒子が重量比で1.5倍以下の比で含有されたもの、正帯電性シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、マグネタイト、二硫化モリブデン、チタン酸ストロンチウム等のチタン酸金属塩、ケイ素金属塩、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂微粒子が例示される。
また、金属石けん粒子は、トナー粒子とした際の外添粒子の個数遊離率を低下させ、カブリの発生を防止すると共に感光体表面の傷発生防止や転写効率の向上等を目的として添加されてもよい。金属石けん粒子としては、高級脂肪酸の亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミウムから選ばれる金属塩であり、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸モノアルミニウム、ステアリン酸トリアルミニウム等が例示される。金属石けん粒子の平均粒子径は0.5〜20μm、好ましくは0.8〜10μmとするとよい。
金属石けん粒子の添加量は、トナー母粒子100質量部に対して0.05〜0.5質量部、好ましくは0.1〜0.3質量部である。0.05質量部より少ないと滑剤としての機能およびバインダーとしての機能が不十分であり、また、0.5質量部より多いと逆にカブリが増大する傾向にある。また、金属石けん粒子の添加量は、上述した疎水性シリカ粒子や疎水性酸化チタン粒子等の外添粒子100質量部に対して2〜10質量部の添加割合とするとよい。2質量部よりも少ない場合には滑剤やバインダーとしての効果がなく、逆に10質量部を超えると流動性の低下やカブリの増大につながるので好ましくない。
外添粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して使用することが好ましい。疎水化率としては40%以上、好ましくは50%以上である。疎水化剤としては、例えばジメチルジクロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−iso −プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t −ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジペンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、(4−t −ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−iso −プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン等が例示される。
これらの外添粒子の全体としての添加量は、トナー母粒子100質量部に対して0.1ないし5質量部、より好ましくは0.5ないし4.0質量部である。0.1部より少ないと流動性付与や電荷調整が不十分となり、また、5質量部より多いと定着性の悪化だけでなく、帯電のバランスがくずれてしまう。
本発明のトナーは、トナー母粒子、または外添処理されトナー粒子とされた段階で、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定での数平均分子量(Mn)が1,500〜20,000、好ましくは2,000〜15,000、より好ましくは3,000〜12,000のものである。数平均分子量(Mn)が1,500より小さいと、低温定着性に優れるものの、着色剤の保持性や耐フィルミング性、耐オフセット性、定着像強度、保存性に劣るものであり、また、20,000より大きいと低温定着性に劣るものとなる。また、重量平均分子量(Mw)は3,000〜300,000、好ましくは5,000〜50,000であり、Mw/Mnが1.5〜20、好ましくは1.8〜8である。
また、フロー軟化温度(Tf1/2)は100℃〜150℃の範囲にある。フロー軟化温度が100℃より低いと高温オフセット性に劣るものとなり、また、150℃より高いと低温での定着強度に劣るものとなる。また、ガラス転移温度(Tg)は55℃〜75℃の範囲にある。ガラス転移温度(Tg)が55℃より低いと保存性に劣るものとなり、また、75℃より高いとそれにともなってTf1/2が上昇し、低温定着性に劣るものとなる。
トナーの個数平均粒径は、9μm以下とするとよく、8μm〜3μmであることがより好ましい。9μmよりも大きなトナー粒子では、1200dpi以上の高解像度で潜像を形成しても、その解像度の再現性が小粒子径のトナーに比べて低下し、また3μm以下になると、トナーによる隠蔽性が低下するとともに、流動性を高めるために外添剤の使用量が増大し、その結果、定着性能が低下する傾向があるので好ましくない。
また、トナー母粒子、また、トナーの形状としては、真球に近い形状のトナー粒子が得られる。具体的には、トナー母粒子は下記式(I)
R=L0/L1・・・(I)
{但し、式中、L1(μm)は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0(μm)は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。}
で表される平均円形度Rが0.97〜0.99とできるものであり、円形度に優れ、連続印字しても転写効率の変動が少なく、また、トナー表面の凹凸により外添剤の遊離が少ないものとでき、帯電量の安定したトナーを製造することができる。
なお、トナー母粒子やトナー粒子の平均粒径、また、円形度は粒子像分析装置(シスメックス製 FPIA2100)で測定した値である。平均粒径は個数平均粒径である。
下記の実施例で使用した樹脂組成物(1)(2)の製法を記載しておく。
樹脂組成物(1)の作製
攪拌装置及び還流冷却管付フラスコに、
・スチレン ・・・ 78質量部
・コハク酸モノメタクリロイルオキシエチル ・・・ 6質量部
・アクリル酸−n−ブチル ・・・ 11質量部
・メタクリル酸メチル ・・・ 5質量部
・トルエン ・・・ 50質量部
を供給し、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを5質量部添加し、還流しながら2時間攪拌して共重合させた。反応終了後、トルエンを減圧除去して樹脂組成物(1)を得た。樹脂組成物のフロー軟化点は126℃、ガラス転移温度は62.3℃である。また、280℃における溶融粘度は7Pa・sであった。
樹脂組成物(2)の作製
攪拌装置及び還流冷却管付フラスコに、
・スチレン ・・・ 70質量部
・アクリル酸−2−ヒドロキシルエチル ・・・ 6質量部
・メタクリル酸メチル ・・・ 14質量部
・アクリル酸−n−ブチル ・・・ 10質量部
・トルエン ・・・ 50質量部
を供給し、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを5質量部添加し、還流しながら2時間攪拌して共重合させた。反応終了後、トルエンを減圧除去して樹脂組成物(2)を得た。樹脂組成物のフロー軟化点は120℃、ガラス転移温度は61.1℃である。また、280℃における溶融粘度は6Pa・sであった。
・上記で得た樹脂組成物(1) ・・・ 100質量部
・キナクリドン系顔料(粒径1.1μm) ・・・ 6質量部
・ポリプロピレン(融点152℃) ・・・ 3質量部
・サリチル酸亜鉛(粒径7μm) ・・・ 2質量部
とを、2軸混練押出機で混練し、溶融分散物を得、冷却し、粗粉砕した。分散物の280℃における溶融粘度は8.2Pa・sであった。
得られた分散物を、図1に示すトナー製造装置における第2貯留部20に投入し、スペースヒータにより加熱し、溶融物が280℃となるように維持し、また、熱風送風口24から溶融物表面に285℃の熱風を2m/sで送風した。
次いで、溶融物を、高さが3.3mの筒状造粒塔における滴下部2に送液した。滴下部2における多孔質ガラス板は、細孔は直径15μmのものを使用し、また、滴下部2はリボンヒータで290℃に加熱し、熱電対により溶融物が280℃以下とならないように維持した。耐熱性定量ポンプ23により滴下部2への送液量を、滴下部における細孔からの滴下量が2.8mm/sとなるように調整すると共に、滴下部の側面に取り付けた振動子により、底面における多孔質ガラス板を横方向に振幅60μm、2400回で機械的振動させ、溶融物を滴下部2より滴下させた。
熱風口4からは150℃の熱空気流が内壁面に沿って円周方向に旋回するように送風させた。また、筒状造粒塔の下部に設けたジャケットには25℃の水を通水し、通水量と熱風口4からの送風量を調整して、固化部における温度を50℃とした。
サイクロンで補集したマゼンタトナー母粒子は、相互に融着はなく、また、筒状造粒塔の内壁にも付着は見られなかった。得られたトナー母粒子について、Sysmex社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」を用い測定したところ、個数基準で平均円形度は0.993、平均粒子径7.9μm、CV値は18であった。
・上記で得た樹脂組成物(2) ・・・ 100質量部
・フタロシアニン系顔料(粒径1.2μm)・・・ 6質量部
・ポリプロピレン(融点152℃) ・・・ 3質量部
・サリチル酸亜鉛(粒径7μm) ・・・ 2質量部
を、2軸混練押出機で混練し、溶融分散物を得、粗粉砕した。溶融分散物の280℃における溶融粘度は7.3Pa・sであった。
得られた粗粉砕物を使用して、実施例1と同様にして造粒し、シアントナー母粒子を得た。得られたトナー母粒子について、Sysmex社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」を用い測定したところ、個数基準で平均円形度は0.992、平均粒子径8.0μm、CV値は19であった。
図1は、本発明のトナーの製造方法で使用する装置の概略図である。 図2(a)は、図1における滴下部下面における多孔質ガラス膜の配列状態の一例を例示する正面模式図であり、(b)は滴下部下面の側面断面模式図、(c)は多孔質ガラス板の拡大正面模式図である。
符号の説明
1は筒状造粒塔、2は底面に多孔質ガラス板が配置された滴下部、3は熱電対、4は熱風送風口、5はジャケット、10は第1貯留部、11は加熱ヒータ、12は定量ポンプ、20は第2貯留部、21は攪拌装置、22は保温ヒータ、23は定量ポンプ、24は熱風送風口、25は圧力計、26はベント、27はヒータ、28はブロワー、30はサイクロン、31はバグフィルター、32は取り出し口、40は多孔質ガラス板、42は格子状枠部、43は細孔

Claims (8)

  1. 少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤からなる溶融物を多孔質ガラスの細孔を通して気相中に滴下した後、固化させるトナーの製造方法であって、前記溶融物を滴下するに際して、多孔質ガラスを溶融物の滴下方向に直交する方向に振動させることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 多孔質ガラスにおける細孔直径が5〜20μmであって、0.05mm〜2mmの振幅、毎秒100〜20000回で振動させることを特徴とする請求項1記載のトナーの製造方法。
  3. 少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤からなる溶融物を気相中に滴下する多孔質ガラスからなる溶融物滴下部と、該溶融物滴下部からの滴下物を気相中で固化させてトナー母粒子とする筒状造粒塔とからなり、該筒状造粒塔内の上部に前記溶融物滴下部を配置すると共に該溶融物滴下部における多孔質ガラスを溶融物滴下方向に直交する方向に振動させることを特徴とするトナー製造装置。
  4. 多孔質ガラスにおける細孔直径が5〜20μmであって、0.05mm〜2mmの振幅、毎秒100〜20000回で振動させることを特徴とする請求項3記載のトナー製造装置。
  5. 溶融物滴下部には加熱手段が配置されると共に筒状造粒塔下方の外壁に冷却手段が設けられ、該冷却手段が設けられた筒状造粒塔下方部を固化部としたことを特徴とする請求項3記載のトナー製造装置。
  6. 溶融物滴下部と固化部における温度差を50℃以上とすることを特徴とする請求項5記載のトナー製造装置。
  7. 筒状造粒塔内壁に沿って円周方向に熱空気流を旋回させ、トナー母粒子の管壁への付着を防止したことを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1つ記載のトナー製造装置。
  8. 筒状造粒塔の最下部に、固化されたトナー母粒子を捕捉するサイクロンが接続されたことを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれか1つ記載のトナー製造装置。
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JP2008209621A (ja) * 2007-02-26 2008-09-11 Ricoh Co Ltd 樹脂粒子の製造方法

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