JP4207224B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、静電潜像担持体表面に残留する未転写トナーを、現像方法の現像ロールを介して回収すること(現像器クリーニング)により、クリーニング工程を兼備させるような対策が採られている。
また、このような放電生成物の付着や静電潜像担持体表面の汚れを回避するためのクリーナーレス方式の画像形成方法として、例えば、特許文献1には現像器クリーニングにおいて現像器の現像ロールの周速を作像時とクリーニング時とで変化させることにより静電潜像担持体表面を磨耗させる手段が示されている。また、特許文献2には転写方法と帯電方法との間に静電潜像担持体表面を摺擦させる手段(静電潜像担持体表面に当接するブラシ、ローラーまたはウェブなど)を設け、静電潜像担持体表面を一定量だけ磨耗させる手段が示されている。しかし、この2つの手段は、そのいずれも静電潜像担持体を磨耗させるものであるため、静電潜像担持体の寿命を縮めてしまい、静電潜像担持体の長寿命化を図るうえで不利なものである。
前記接触帯電方法では、静電潜像担持体に導電性弾性ローラーを当接し、前記導電性弾性ローラーに電圧を印加しながら上記静電潜像担持体を一様に帯電させている。これら接触帯電方法では、帯電器が静電潜像担持体に接触する直前および直後に放電を生じやすい。そのため、従来のコロナ放電方式に比較し、硝酸化合物等の放電生成物が生成しやすく、特に高温高湿下での画像白抜け(画像流れ)が発生しやすい。
また、帯電器と静電潜像担持体が接触しているため、転写残や現像時でのカブリトナーなど、微少量でもトナーが残存すると、帯電器、転写部材あるいは静電潜像担持体にトナーが固着/蓄積され、長期にわたる使用において帯電/転写不良による画質欠陥を引き起こすこととなる。
すなわち、弾性ブレードを用いないあるいはクリーニング機構を用いない画像形成方法では、特に接触帯電器を用いている画像形成方法において、これら放電生成物や微少量のトナーを効率的に除去する機能を持たせることが必要になる。
静電荷像担持体上に静電潜像を形成する工程と、トナーを含む静電荷像現像剤により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程と、前記トナー画像を転写する転写工程と、転写されたトナー画像を定着する工程とを有するが、前記静電荷像担持体上に残存するトナーを除去するクリーニング工程を有しない画像形成方法であって、前記現像工程において静電潜像現像用キャリア及びトナーからなる静電潜像現像剤を使用し、前記キャリアの算術平均高さ(Ra)分布の中央値が0.45μm以上0.65μm以下であり、前記トナーは、結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも含有する着色粒子と外添剤とを有し、前記トナーの平均円形度が0.975以上であることを特徴とする画像形成方法。
本発明の画像形成方法は、静電荷像担持体上に静電潜像を形成する工程と、トナーを含む静電荷像現像剤により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程と、前記トナー画像を転写する転写工程と、転写されたトナー画像を定着する工程とを有するが、前記静電荷像担持体上に残存するトナーを除去するクリーニング工程を有しない画像形成方法である。各工程はそれ自体一般的な工程であり、例えば特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお、本発明の画像形成方法は、公知のクリーニング工程を有しないコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
尚、本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に残存するトナーを除去するクリーニング工程を有しない。
定着ベルトは、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を単独か又は2種以上を混合して用いる。また、ロールとベルトの被覆樹脂は、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロピレン等のオレフィン類、弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマー等の単独重合体、又は2種類以上のモノマーからなる共重合体、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等のシリコーン類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン、弗化ビニリデン、弗化エチレン等の含フッ素化合物の単独重合体及び/又はそれらの共重合体、エチレン、プロピレン等の不飽和炭化水素の単独重合体及び/又はそれらの共重合体を用いることができる。
(静電潜像現像剤)
本発明の静電潜像現像剤は、静電潜像現像用キャリア及びトナーからなる事を特徴とする。本発明の静電潜像用キャリア(以下、単に「キャリア」ともいう。)の算術平均高さ分布の中央値は0.45μm以上、0.65μm以下である。本発明の静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも含有する着色粒子と外添剤とを有し、平均円形度が0.975以上である。
以下、静電潜像用トナー及びキャリアについて説明する。
本発明に用いられる静電潜像現像用キャリア(以下、単に「キャリア」ともいう。)は、その表面の算術平均高さ(Ra)分布の中央値が0.45μm以上0.65μm以下(0.45〜0.65μmとも記載することとする。以下、同様。)である。
ここでキャリアの算術平均高さとは、表面粗さ指標であり、通常Raと表記される物理量である。
Raはキャリア表面の粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値である。値が小さいと表面が滑らかな状態、値が大きいと表面があれた状態を表す。
例えば、この解析のために、(株)キーエンス製、超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500を使用することができる。本装置では試料にレーザーを照射し3次元走査を行う。各位置毎のレーザー反射光をCCDカメラでモニターすることで、試料の3次元表面情報を得ることができる。得られた表面情報を統計的に処理し、表面粗さに関する特性値を求める。
本発明では、キャリア粒子240個にわたり繰り返し測定を行うことで算術平均高さ分布を求め、得られたデータの統計処理を行うことで前記キャリアの算術平均高さの平均値、中央値、標準偏差などの統計量を得ている。また、ここでいう算術平均高さの変動とは、算術平均高さの平均値に対する標準偏差を百分率で表したものである。
キャリア表面の算術平均高さ分布の累積頻度90%の値(累積頻度を単に累積ともいうこととする。)が0.8μm以上であることが好ましい。上記範囲内であると、固着したトナー粒子なども効率的に掻き取り除去することが出来るので好ましい。
コートキャリアは、キャリア芯材として磁性粒子を有し、コート材としてマトリックス樹脂を有する。すなわち、コートキャリアは、キャリア芯材表面を樹脂被覆層形成原料溶液で被覆することによって得られる。
前記コア材粒子の体積平均粒径は10〜55μmの範囲が好ましい。この範囲にあると、現像機内ストレスによる被覆層のはがれが生じることなく、キャリア抵抗が低下しないので好ましい。また、トナーインパクションが発生せず、キャリア抵抗が上昇することがないので好ましい。これらの現象は、キャリア1粒子当たりの重さに起因するものと推定される。
また、コア材として用いられる磁性粒子の磁力は、3000エルステッドにおける飽和磁価が50A・m2/kg(emu/g)以上であることが好ましく、より好ましくは60A・m2/kg(emu/g)以上である。飽和磁価が50A・m2/kg(emu/g)以上であると、キャリアがトナーと共に、感光体上に現像されないので好ましい。
熱可塑性樹脂の例としては具体的には、ポリオレフィン系樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテルおよびポリビニルケトン;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂またはその変性品;フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリカーボネート等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂;アミノ樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
一つは芯材粒子作製の段階にて表面性を制御する方法である。例えばフェライト粒子の芯材を作製するには、予め10μm以下に整粒した金属酸化物をヘンシェルミキサー等で混合した後、900℃で3時間の仮焼結を行う。仮焼結により、準スピネル化反応で生成した粉末を水と混合し、ボールミルで10時間粉砕する。この水溶液に、バインダー(ポリビニルアルコール)及び分散剤を数重量%添加して、スラリー状溶液とする。このスラリーをスプレードライヤー法や流動造粒法を用いて粒子を形成した後、乾燥し、さらに、この造粒ペレットを電気炉やロータリーキルン、回分式焼成炉で、好ましくは1,100〜1,500℃、より好ましくは1,200〜1,400℃の範囲の温度で焼成し、次いで、篩分分級して粒度分布を制御してキャリア用の芯材粒子とする方法を挙げることができる。焼成時の一次粒子の結晶成長により、一次粒子の接合面に凹部を生ずるが、原料の性状、添加物、仮焼成、焼成、粉砕等の諸条件を制御することにより、表面凹凸を調整した芯材粒子を得ることができる。特に、焼成温度を高くすると、形状は球形に近づき、表面性状は滑らかな(算術平均高さの平均が小さい)芯材を得ることができる。
(MO)100−x(Fe2O3)x (1)
(式中、MはLi、Mg、Ca、Zn、Cu及びMnからなる群から選ばれる1種以上の金属。xは45〜95モル%を表す。)
フェライト成分のうち、Li、Mg、Ca、Zn、Cu及びMnの群から選ばれる1種以上の酸化物とFe2O3との比率は、モル%で5:95〜55:45が好ましく、35:65〜55:45の範囲にあることがより好ましい。上記範囲内であると、フェライト未反応物質が析出して磁化率を不足させることがないので好ましい。
芯材用のフェライト粒子は、フェライト成分として上記条件を満たすとともに、粒子表面の結晶成長度や凹凸の制御又は粒子密度の制御のために他の金属酸化物を少量添加することが望ましい。他の金属酸化物とは、周期律表のIIIB族、Si、Sn及びVB族に属する元素1種以上の酸化物、例えば、Al2O3、SiO2、SnO2及びBi2O5などを挙げることができる。フェライト組成物以外の金属酸化物添加量は、フェライト成分100重量部に対し、総量で0.01〜10重量部であることが好ましく、0.05〜5重量部の範囲にあることがより好ましい。上記範囲内であると、結晶成長が良好で、芯材内部の空隙率が低く、被覆樹脂がしみ込みにくく、被覆しやすいため、高温焼成を必要としないので好ましい。また、組成の均一性が良好で、フェライト組成物以外の酸化物の生成や、酸化物とヘマタイトとの反応による非磁性体または弱磁性体の生成物が生じにくく、結果として感光体へのキャリア付着が発生しにくいので好ましい。
本発明において用いられる静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいうこととする。)は、少なくとも、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有する着色粒子と外添剤とからなる静電潜像現像用トナーであって、前記トナーの平均円形度が0.975以上である。
円形度=円相当径周囲長/周囲長
=[2×(Aπ)1/2]/PM
(上式において、Aは粒子の投影面積、PMは粒子の周囲長を表す。)
トナー表面の算術平均高さ分布の中央値及び変動は、キャリア表面の算術平均高さの中央値及び変動と同様の方法で測定したものである。
なお、個数平均粒子径を上記範囲とすることは、フルカラー画像形成において、カラー再現性に優れる点からも好ましい。
本発明における着色粒子は、公知である混練・粉砕製法や、乳化重合や懸濁重合等の化学製法等によって作製することが可能である。本発明における粒度分布や形状分布等に優れたトナーを作製できる点や、得率や環境負荷の観点から、乳化重合法でトナーを製造することが好ましい。ここでは、乳化重合法を用いた製造方法について詳しく説明する。
また、母体凝集粒子に離型剤微粒子を含有させたのち、第2段階で最表面にシェルを形成してワックスの露出を防止してもよい。ワックスの露出が防止されると、感光体等へのフィルミングが抑制されるだけでなく、トナーの粉体流動性を向上させることができる。
追加する微粒子分散液の量は、含まれる母体凝集粒子の体積分率に依存し、追加微粒子の量は、最終的に生成する凝集粒子の50%以内(体積換算)に調整することが望ましい。50%以内であると、母体凝集粒子に付着し、別個新たな凝集粒子を生成することがないので好ましい。また、組成の分布や粒径の分布を狭くすることが可能となり、所望の性能が得られるので好ましい。
本発明のトナーに結着樹脂として用いる熱可塑性結着樹脂は、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類;等の単量体などの重合体、またはこれらを2種以上組み合せた共重合体、またはこれらの混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、またはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における離型剤の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物を使用することができる。これらのワックス類は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散させ、融点以上に加熱するとともに強い剪断を付与できるホモジナイザーや圧力吐出型分散機で微粒子化し、1μm以下の粒子の分散液を作製することができる。
本発明における着色剤としては、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、または、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料を1種または2種以上混合して使用することができる。
前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらトナー粒子には、所望により公知の帯電制御剤、定着助剤等の添加剤を含有させてもよい。
次に、本発明に用いられる外添剤について述べる。
本発明における着色粒子は、メジアン径が0.1μm以上0.3μm未満の外添剤を少なくとも一つ用いることが好ましい。このような外添剤を用いることで、トナーにかかる応力を緩和し高転写効率を維持させることができる。
具体的には、テトラメトキシシランを水、アルコールの存在下、アンモニア水を触媒として温度をかけながら滴下、撹拌を行う。次に、反応により得られたシリカゾル懸濁液の遠心分離を行い、湿潤シリカゲルとアルコールとアンモニア水とに分離する。湿潤シリカゲルに溶剤を加え再度シリカゾルの状態にし、疎水化処理剤を加え、シリカ表面の疎水化を行う。疎水化処理剤としては、一般的なシラン化合物を用いることができる。次に、この疎水化処理シリカゾルから溶媒を除去、乾燥、シーブすることにより、目的の単分散球状シリカを得ることができる。また、このようにして得られたシリカを再度処理を行っても構わない。本発明における単分散球状シリカの製造方法は、上記製造方法に限定されるものではない。
本発明において、外添剤に求められる必要な硬度を得るためには、単分散球状有機樹脂微粒子のゲル分率は90質量%以上であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上である。ここでいうゲル分率とは、有機溶剤(テトラヒドロフラン)への未溶解分の質量割合であり、次式で求めることができる。
ゲル分率(質量%)=(有機溶剤への未溶解物の質量/試料の質量)×100
上記ゲル分率は、樹脂の架橋度や硬度と相関がある。上記ゲル分率が90質量%未満であると、それを添加したトナーとキャリアとをある所定比率で混合してそれを静電潜像現像剤(以下、単に「現像剤」という場合がある)とし、その現像剤を複写機の現像器にセットして繰り返し使用した場合、初期的には単分散球状有機樹脂微粒子によるスペーサー効果が発揮され、良好な現像・転写性であるが、経時で現像器内でトナーにかかるストレスにより、徐々に単分散球状樹脂微粒子の形態が球状から偏平な形に変形し、十分なスペーサー効果が失われ現像・転写性が劣化してしまう。
上記界面活性剤や乳化剤あるいは保護コロイド等は、本発明の課題達成を阻害しない限り、反応性であっても良いし、非反応性であっても良い。また、これらの界面活性剤や乳化剤あるいは保護コロイド等は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記多官能エチレン性不飽和基含有単量体は、架橋性単量体として機能し、得られる微粒子のゲル分率向上に寄与する。
上記重合開始剤としては、例えば、過酸化水素水や過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
撹拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えた、例えばセパラブルフラスコのような反応容器中に、水や水を主成分とする分散媒、芳香族エチレン性不飽和単量体及び多官能エチレン性不飽和基含有単量体の各所定量を仕込み、例えば、窒素ガスのような不活性ガス気流下、一定の撹拌状態のもとで約70℃に昇温した後、重合開始剤を添加し、ラジカル重合反応による乳化共重合を開始させる。その後、反応系の温度を約70℃に維持し、約24時間で乳化共重合を完了させることにより、所望のエマルジョンを得ることができる。
この重合完了後のエマルジョンに対し、pHを調整する目的で塩酸、酢酸その他の酸、或いは水酸化ナトリウム等のアルカリを投入しても良い。次いで、上記で得られたエマルジョンを例えば凍結乾燥法やスプレードライ法等の乾燥方法で乾燥させることにより、本発明に用いられる単分散球状有機微粒子を得ることができる。
特にその中でも、メタチタン酸TiO(OH)2は、透明性に影響を与えず、良好な帯電性、環境安定性、流動性、耐ケーキング性、安定した負帯電性、及び、安定した画質維持性に優れた現像剤を提供することができる。また、メタチタン酸の疎水化処理化合物は、1010Ω・cm以上の電気抵抗を有することが、着色粒子に処理されトナーとして用いられた場合に、転写電界を上げても逆極トナーが発生することなしに高転写性を得ることができるため好ましい。
本発明において、前記外添剤は、着色粒子に添加され、混合されるが、混合は、例えば、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等の公知の混合機によって行うことができる。
また、この際、必要に応じて種々の添加剤を添加してもよい。該添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等が挙げられる。
本発明の静電潜像現像用トナーは、以上のような製造方法によって好適に製造することができるが、これら製造方法に限定されるものではない。
各実施例、比較例で用いた静電潜像現像用キャリア、トナー及び静電潜像現像用現像剤の製造、及び各測定は以下の方法で行った。
キャリアおよびトナーの算術平均高さは、(株)キーエンス製、超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500にて測定を行った。本方法では試料にレーザーを照射し3次元走査を行う。各位置毎のレーザー反射光をCCDカメラでモニターし、試料の3次元表面情報を得る。得られた表面情報を統計的に処理して表面粗さに関する指数を求める。今回の測定では、レンズ倍率3000倍の視野で、高さ方向(Z軸方向)のレーザースキャンピッチ0.01μmのスキャン条件で、キャリアおよびトナー1個の表面を縦横(XY軸平面内)10μm四方(トナーの場合2μm四方)にわたって3次元測定し、キャリアおよびトナー1個あたりの算術平均高さを求める。また、測定の際にはγ補正としてγ=0.3にし、ノイズカット解析として、高さの平滑化処理を一度実施して表面粗さを求めた。この操作をキャリア240個、トナー1,000個にわたり繰り返し測定を行い、データの統計処理を行ってキャリアおよびトナーの算術平均高さ分布を求めた。
トナーの個数平均粒径、個数平均粒度変動、平均円形度、及び平均円形度変動の測定は、Sysmex社製FPIA−2100で測定した。本方法では、水などに分散させた粒子をフロー式画像解析法によって測定する方式が採用されており、吸引された粒子懸濁液はフラットシースフローセルに導かれ、シース液によって偏平な試料流に形成される。その試料流にストロボ光を照射することにより、通過中の粒子は対物レンズを通してCCDカメラで、静止画像として撮像される。
撮像された粒子像は、2次元画像処理され、投影面積と周囲長から円相当径および円形度を算出する。円相当径は、撮影された各々の粒子に対して、2次元画像の面積から同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。このように撮影した粒子を、少なくとも5,000個以上各々画像解析を行い、統計処理することによって、個数平均粒径と個数平均粒度変動を求めた。また、円形度に関しては、撮影された各々の粒子に対して、下式によって円形度を求めた。また、円形度についても、撮影した粒子を少なくとも5,000個以上各々画像解析を行い、統計処理することによって、平均円形度、平均円形度変動を求めた。
円形度=円相当径周囲長/周囲長
=[2×(Aπ)1/2]/PM
(上式において、Aは粒子の投影面積、PMは粒子の周囲長を表す。)
なお、測定はHPFモード(高分解能モード)、希釈倍率1.0倍で行った。また、データの解析に当たっては、測定ノイズ除去の目的で、個数粒径解析範囲を2.0〜30.1μmの範囲、円形度解析範囲を0.40〜1.00の範囲で実施した。
<芯材粒子1の作製>
フェライト成分:100部
(Fe2O3:MgO:MnO=48.2:23.7:28.1モル%)
上記組成に配合したフェライト原材料の酸化物をボールミルで湿式混合し、乾燥・粉砕した後、900℃で1時間仮焼成し、0.1〜1.5mm程度に粉砕した。さらに、ボールミルで湿式粉砕してスラリー化し、バインダーとしてポリビニルアルコールを0.8%加え、スプレードライヤー法で球状粒子に造粒し、1,280℃で焼成し、分級して平均粒径48μmの芯材粒子を得た。得られた芯材粒子1の算術平均高さ(Ra)分布の中央値は0.63μm、変動は53、累積90%値は1.3μmであった。
芯材粒子1の作製において、焼成温度を1,100℃に変更した以外は芯材粒子1と同様に作製した。得られた芯材粒子2は平均粒径45μm、算術平均高さ(Ra)分布の中央値は0.82μm、変動は62、累積90%値は1.5μmであった。
フェライト成分:100部
(Fe2O3:MgO:ZnO:MnO:CuO=50:25:20:1:4モル%)
上記組成に配合したフェライト原材料の酸化物をボールミルで湿式混合し、乾燥・粉砕した後、900℃で1時間仮焼成し、0.1〜1.5mm程度に粉砕した。さらに、ボールミルで湿式粉砕してスラリー化し、バインダーとしてポリビニルアルコールを0.8%加え、スプレードライヤー法で球状粒子に造粒し、1,400℃で焼成し、分級して平均粒径50μmの芯材粒子を得た。得られた芯材粒子3の算術平均高さ(Ra)分布の中央値は0.48、変動は45、累積90%値は0.9μmであった。
<キャリアAの作製>
トルエンとメチルエチルケトン(4:1)混合溶剤:1,000部
スチレン−メチルメタクリレート共重合体(2:8、Mw=8万):50部
メチルメタクリレート−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート共重合体(75:25、Mw=2万):50部
上記成分を混合して被覆層形成用原料溶液を調製した。次いで、芯材粒子1に対し、被覆樹脂固形分が1.5wt%となるように溶液の配合を調整し、減圧ニーダーで撹拌混合しながら減圧乾燥して溶剤を除去し、目開き105μmの篩で篩分してキャリアAを得た。得られたキャリアAの算術平均高さ(Ra)分布の中央値は0.48μm、変動は25、累積90%値は0.7μmであった。
トルエン:14部
スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10、Mw=2.5万):2部
カーボンブラック(Rega1330;キャボット社製):0.2部
樹脂微粒子(エポスターS(架橋メラミン樹脂粒子、平均粒径0.3μm、トルエン不溶);(株)日本触媒製):0.3部
上記成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。次にこの原料溶液と、100部の芯材粒子2を真空脱気型ニーターに入れ、60℃で30分撹拌した後、更に加温しながら、減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアBを作製した。得られたキャリアBの算術平均高さ(Ra)分布の中央値は0.65μm、変動は52、累積90%値は1.10μmであった。
トルエン:14部
スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10、Mw=3万):3.5部
カーボンブラック(Rega1330;キャボット社製):0.2部
樹脂微粒子(エポスターS(架橋メラミン樹脂粒子、平均粒径0.3μm、トルエン不溶);(株)日本触媒製):0.3部
上記成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。次にこの原料溶液と、100部の芯材粒子1を真空脱気型ニーターに入れ、60℃で30分撹拌した後、更に加温しながら、減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアCを作製した。得られたキャリアCの算術平均高さ(Ra)分布の中央値は0.51μm、変動は39、累積90%値は0.82μmであった。
トルエン:1,000部
スチレン−メチルメタクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(25:70:5、Mw=12万):100部
上記成分を混合して被覆層形成用原料溶液を調製した。次いで、芯材粒子3に対し、被覆樹脂固形分が0.4wt%となるように溶液の配合を調整し、減圧ニーダーで撹拌混合しながら減圧乾燥して溶剤を除去し、目開き105μmの篩で篩分してキャリアDを得た。得られたキャリアDの算術平均高さ(Ra)分布の中央値は0.46μm、変動は41、累積90%値は0.80μmであった。
トルエン:14部
スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10、Mw=3万):4部
カーボンブラック(Rega1330;キャボット社製):0.2部
樹脂微粒子(エポスターS(架橋メラミン樹脂粒子、平均粒径0.3μm、トルエン不溶);(株)日本触媒製):0.3部
上記成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。次にこの原料溶液と、100部の芯材粒子3を真空脱気型ニーターに入れ、60℃で30分撹拌した後、更に加温しながら、減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアEを作製した。得られたキャリアEの算術平均高さ(Ra)分布の中央値は0.39μm、変動は15、累積90%値は0.60μmであった。
トルエンとメチルエチルケトン(4:1)混合溶剤:1,000部
スチレン−メチルメタクリレート共重合体(2:8、Mw=8万):20部
メチルメタクリレート−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート共重合体(75:25、Mw=2万):30部
上記成分を混合して被覆層形成用原料溶液を調製した。次いで、芯材粒子2に対し、被覆樹脂固形分が0.4wt%となるように溶液の配合を調整し、減圧ニーダーで撹拌混合しながら減圧乾燥して溶剤を除去し、目開き105μmの篩で篩分してキャリアFを得た。得られたキャリアFの算術平均高さ(Ra)分布の中央値は0.67μm、変動は60、累積90%値は1.30μmであった。
[樹脂分散液の調製]
<樹脂分散液(1)の調製>
スチレン:370部
アクリル酸n−ブチル:30部
アクリル酸:8部
ドデカンチオール:24部
四臭化炭素:4部
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成工業(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、20分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら、内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、4時間そのまま乳化重合を継続した。
その結果、平均粒径が165nmであり、ガラス転移温度(Tg)が57℃、重量平均分子量Mwが13,000の樹脂粒子が分散された樹脂分散液(1)が得られた。
スチレン:340部
アクリル酸n−ブチル:60部
アクリル酸:6部
ドデカンチオール:6部
四臭化炭素:4部
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成工業(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)12部をイオン交換水550部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム3部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
その結果、平均粒径が215nmであり、Tgが64.8℃、重量平均分子量Mwが49,000の樹脂粒子が分散された樹脂分散液(2)が得られた。
スチレン:330部
アクリル酸n−ブチル:70部
アクリル酸:6部
ドデカンチオール:5部
四臭化炭素:4部
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成工業(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、20分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら、内容物が80℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
その結果、平均粒径が185nmであり、ガラス転移温度(Tg)が62.3℃、重量平均分子量Mwが47,200の樹脂粒子が分散された樹脂分散液(3)が得られた。
スチレン:315部
アクリル酸n−ブチル:85部
アクリル酸:6部
ドデカンチオール:6部
四臭化炭素:4部
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成工業(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、20分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら、内容物が80℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
その結果、平均粒径が171nmであり、ガラス転移温度(Tg)が54.0℃、重量平均分子量Mwが34,300の樹脂粒子が分散された樹脂分散液(4)が得られた。
スチレン:290部
アクリル酸n−ブチル:110部
アクリル酸:6部
ドデカンチオール:6部
四臭化炭素:4部
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成工業(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、20分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら、内容物が80℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
その結果、平均粒径が125nmであり、ガラス転移温度(Tg)が48.1℃、重量平均分子量Mwが32,500の樹脂粒子が分散された樹脂分散液(5)が得られた。
<着色分散液(1)の調製>
シアン顔料(C.I.Pigment Blue B15:3):70部
ノニオン性界面活性剤:5部
(ノニポール400:三洋化成工業(株)製)
イオン交換水:200部
以上の成分を混合して、溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が220nmである着色剤(シアン顔料)粒子が分散された着色分散剤(1)を調製した。
マゼンタ顔料(C.I.Pigment Red122):70部
ノニオン性界面活性剤:5部
(ノニポール400:三洋化成工業(株)製)
イオン交換水:200部
以上の成分を混合して、溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が210nmである着色剤(マゼンタ顔料)粒子が分散された着色分散剤(2)を調製した。
パラフィンワックス:50部
(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点:85℃)
カチオン性界面活性剤:5部
(サニゾールB−50:花王(株)製)
イオン交換水:200部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が160nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液(1)を調製した。
<トナーAの作製>
樹脂分散液(5):150部
着色剤分散液(1):200部
離型分散液(1):40部
カチオン性界面活性剤:1.5部
(サニゾールB−50:花王(株)製)
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら48℃まで150分間かけて昇温させ、更に100分間かけて52℃まで上昇させた。52℃において樹脂分散液(2)を50部と樹脂分散液(3)を50部と加え、15分放置した後にアニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬(株)製)3部を追加し、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら93℃まで加熱し、93℃で2時間保持した。冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、シアントナー粒子を得た。得られたシアントナー粒子にシリカ(商品名R972;日本アエロジル(株)製)を0.4重量部ヘンシェルミキサーで添加し、シアントナー粒子(トナーA)を得た。得られたトナー粒子Aの平均円形度は0.979、算術平均高さ(Ra)分布の中央値は0.102μm、変動は28.3であった。
樹脂分散液(1):180部
着色剤分散液(1):250部
離型分散液(1):50部
カチオン性界面活性剤:1.5部
(サニゾールB−50:花王(株)製)
以上の成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら、60℃まで300分間かけて昇温させた。60℃において樹脂分散液(5)を50部加え15分放置した後に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬(株)製)3部を追加し、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら93℃まで加熱し、93℃で5時間保持した。冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、Cyanトナー粒子を得た。得られたCyanトナー粒子にシリカ(商品名R972;日本アエロジル(株)製)を0.4質量%ヘンシェルミキサーで添加し、Cyanトナー粒子(トナーB)を得た。得られたトナー粒子Bの平均円形度は0.983、算術平均高さ(Ra)分布の中央値は0.096μm、変動は26.8であった。
樹脂分散液(1):150部
樹脂分散液(2):25部
着色剤分散液(2):200部
離型分散液(1):60部
カチオン性界面活性剤:1.5部
(サニゾールB−50:花王(株)製)
以上の成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら56℃まで30分かけて昇温を行った。56℃において樹脂分散液(4)を100部加え120分放置した後に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬(株)製)3部追加し、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら96℃まで加熱し、96℃で5時間保持した。冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、Magentaトナー粒子を得た。得られたMagentaトナー粒子にシリカ(商品名R972;日本アエロジル(株)製)を0.4質量%ヘンシェルミキサーで添加し、Magentaトナー粒子(トナーC)を得た。得られたトナー粒子Cの平均円形度は0.983、算術平均高さ(Ra)分布の中央値は0.085μm、変動は31.3であった。
樹脂分散液(5):150部
着色剤分散液(1):220部
離型分散液(1):50部
カチオン性界面活性剤:1.5部
(サニゾールB−50:花王(株)製)
以上の成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら、50℃まで150分間かけて昇温させた。50℃において樹脂分散液(2)を75部と樹脂分散液(3)を75部加え15分放置した後に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬(株)製)3部を追加し、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら93℃まで加熱し、93℃で12時間保持した。冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、Cyanトナー粒子を得た。得られたCyanトナー粒子にシリカ(商品名R972;日本アエロジル(株)製)を0.4質量%ヘンシェルミキサーで添加し、Cyanトナー粒子(トナーD)を得た。得られたトナー粒子Dの平均円形度は0.965、算術平均高さ(Ra)分布の中央値は0.135μm、変動は52.0であった。
樹脂分散液(1):150部
樹脂分散液(2):150部
着色剤分散液(2):190部
離型分散液(1):55部
カチオン性界面活性剤:1.5部
(サニゾールB−50:花王(株)製)
以上の成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら56℃まで130分かけて昇温を行った。56℃において樹脂分散液(5)を100部加え10分放置した後に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬(株)製)3部追加し、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら96℃まで加熱し、96℃で3時間保持した。冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、Magentaトナー粒子を得た。得られたMagentaトナー粒子にシリカ(商品名R972;日本アエロジル(株)製)を0.4質量%ヘンシェルミキサーで添加し、Magentaトナー粒子(トナーE)を得た。得られたトナー粒子Eの平均円形度は0.970、算術平均高さ(Ra)分布の中央値は0.119μm、変動は45.0であった。
キャリアA:93部
トナー粒子A:7部
上記成分を、V型ブレンダーを用い20rpmで20分間撹拌し、212μmの網目を有するシーブで篩うことにより、現像剤1を得た。
キャリアB:93部
トナー粒子A:7部
上記成分を実施例1と同様に撹拌混合し、現像剤2を得た。
キャリアC:93部
トナー粒子B:7部
上記成分を実施例1と同様に撹拌混合し、現像剤3を得た。
キャリアC:93部
トナー粒子C:7部
上記成分を実施例1と同様に撹拌混合し、現像剤4を得た。
キャリアD:93部
トナー粒子C:7部
上記成分を実施例1と同様に撹拌混合し、現像剤5を得た。
キャリアE:93部
トナー粒子A:7部
上記成分を実施例1と同様に撹拌混合し、現像剤6を得た。
キャリアF:93部
トナー粒子B:7部
上記成分を実施例1と同様に撹拌混合し、現像剤7を得た。
キャリアE:93部
トナー粒子D:7部
上記成分を実施例1と同様に撹拌混合し、現像剤8を得た。
キャリアC:93部
トナー粒子E:7部
上記成分を実施例1と同様に撹拌混合し、現像剤9を得た。
Fuji Xerox社製DocuCentreColor400の改造機を用いて、常温・常湿(22℃,55%RH)、高温・高湿(30℃,85%RH)、低温・低湿(10℃,20%RH)の各環境下で30,000枚のプリントを行い、100枚後および30,000枚後の感光体上のトナー固着観察および画質評価(放電生成物による像流れの発生有無)を行った。DocuCentreColor400は感光体上のブレードクリーナーを除去し、クリーナーレスでの評価を行えるよう改造を行っている。また、感光体の帯電方式は接触帯電方式を採用、転写は中間転写ベルトを採用している。
画質評価は高温高湿環境下でより顕著に発生することから、各環境下で所定枚数のプリントを行った後、1昼夜高温高湿環境下に評価機を放置した後に、ハーフトーン画像を連続プリントし、像流れ発生/回復の程度で画質評価を行っている。
<トナー固着>
トナー固着は目視により確認した。
○・・・全く確認できない
△・・・うっすらと固着が見られる/ウエスでのからぶきにて消失
×・・・はっきりと固着が見られる/ウエスでのからぶきでは取れない
<画質評価>
○・・・ハーフトーン画像の連続プリント像流れ未発生/画質欠損なし
△・・・像流れが発生するが、10枚以内の連続プリントで消失/軽微な画質欠損
×・・・10枚以上の連続プリントを行っても像流れが消失しない/重大な画質欠損
結果を表1に示す。
一方、比較例1で得られた現像剤6では、キャリアの算術平均高さが小さく、放電生成物や残トナーの掻き取り性に劣り、初期から増流れを生じている。3万枚のプリント後では、感光体へのトナー固着も発生しており、トナー固着が未発生の箇所では像流れ発生が顕著であり、画質面で満足できるものでは無かった。比較例2ではキャリアの算術平均高さが大きく、トナー除去には効果が見られるが、過度な掻き取り効果により、感光体表面にキズを生じており、画質欠損を引き起こしている。比較例3では比較例1と同様のキャリアであるが、トナーの円形度が小さく、転写効率が低下したために、3万枚プリント後ではトナー固着が顕著であり、帯電/露光障害を引き起こしている。比較例4ではトナーの変動が大きく、やはり転写効率の低下が見られ、結果としてトナー固着および画質欠損を招いている。
Claims (3)
- 静電荷像担持体上に静電潜像を形成する工程と、
トナーを含む静電荷像現像剤により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程と、
前記トナー画像を転写する転写工程と、
転写されたトナー画像を定着する工程とを有するが、
前記静電荷像担持体上に残存するトナーを除去するクリーニング工程を有しない画像形成方法であって、
前記現像工程において静電潜像現像用キャリア及びトナーからなる静電潜像現像剤を使用し、
前記キャリアの算術平均高さ(Ra)分布の中央値が0.45μm以上0.65μm以下であり、
前記トナーは、結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも含有する着色粒子と外添剤とを有し、
前記トナーの平均円形度が0.975以上であり、
前記トナーの算術平均高さ分布の中央値が0.05μm以上0.12μm以下であり、
前記トナーの算術平均高さ変動が25以上であることを特徴とする
画像形成方法。 - トナーの算術平均高さ変動が25以上35以下である請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記キャリアの算術平均高さ(Ra)分布の累積頻度90%の値が0.8μm以上である請求項1または2に記載の画像形成方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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