JP4371228B2 - トナーの製造方法、トナー製造装置およびトナー - Google Patents

トナーの製造方法、トナー製造装置およびトナー Download PDF

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Description

本発明は、電子写真、静電印刷等に用いるトナーの製造方法トナー製造装置およびトナーに関する。
電子写真法では、光導電性物質を設けた感光体に形成した静電潜像を着色剤を含有したトナー粒子を用いて現像を行った後に、熱、圧力等により紙等の転写材にトナー画像を定着して複写物、印刷物を形成している。
このようなトナー粒子としては、粉砕トナーや重合トナーが知られているが、近年、電子写真法では高画質化が要求されるにつれて、トナーの粒径分布のシャープさや小粒径化が求められている。しかしながら、粉砕トナーにおいては、生産性等において限界があり、また、重合トナーはトナーの小粒径化に対応でき、また、生産性に優れるものではあるが、トナーの粒径分布をシャープにすることが困難である。
また、重合性単量体組成物を多孔質ガラスを通過させて、分散安定剤を含有する重合性単量体と非相溶性液状分散媒体中に分散懸濁し、次いで懸濁重合させてトナー粒子を造粒する方法が知られ(特許文献1)、また、重合性単量体組成物と着色剤とを親水性有機溶媒中に溶解分散させて、次いで、多孔質ガラスを通過させて、分散安定剤を含有する水性媒質中で懸濁重合させてトナー粒子を造粒する方法(特許文献2)が知られているが、これらの方法においては、残存モノマーの除去が困難であり、また、使用する有機溶剤の除去や分散剤の洗浄や分離・洗浄等の後工程で必要以上に多大な時間とエネルギーを消費するものであり、更にはバッチ式の製法であるため連続造粒は不可能であった。
また、有機溶剤中に樹脂や着色剤を溶解または分散させたトナー組成物を多孔質ガラスを通過させて、水溶液からなる連続相中でエマルジョンを形成し、次いでエマルジョンから有機溶剤を除去してトナー粒子を造粒する方法が知られている(特許文献3)が、特許文献1と同様に使用する有機溶剤の除去や分散剤の洗浄や分離・洗浄等の後工程で必要以上に多大な時間とエネルギーを消費するといった問題があり、また、エマルジョン粒子を形成する圧入過程で流動する水性媒体中に圧入すると、トナー平均粒径として例えば6μmのものを得る場合には3μm以下の粒径の微粒子量が多く生成するという問題があり、粒度分布としてシャープなものが得られないという問題がある。
また、ノズルからトナー組成物を吐出して噴霧乾燥するスプレードライ方式でトナー粒子を造粒する方法が知られている(特許文献4)が、造粒された粒子は粒度分布が広く、造粒粒子を分級する必要があり、また、分級後においてもシャープな粒度分布とすることは困難である。
また、少なくとも樹脂と着色剤とを有機溶剤中に溶解または分散させたトナー組成物を圧電体による圧力パルスを使用して吐出ヘッドより気相中に吐出して固化するか、または、熱エネルギーでヘッド部内に気泡を発生させて吐出ヘッドより気相中に吐出して固化してトナー粒子を造粒するトナー製造装置が知られている(特許文献5)が、吐出時の原料の粘度に関しては25℃において1〜1000cps(0.001Pa.s〜1Pa.s)、好ましくは1〜300cps(0.001Pa.s〜0.3Pa.s)と記載されるように、吐出時での粘度が低く、より高粘度の吐出液を気泡や圧電パルスで吐出しようとすると、液滴を形成できないという問題がある。
特開平3−95564号公報 特開平9−274338号公報 特開平5−134455号公報 特開昭48−90977号公報 特開2003−262976
本発明は、トナー母粒子を製造した後に溶媒や分散媒を除去したり、乾燥したりする必要がなく、短時間、低コストで球形トナーを連続生産可能とすると共に高温高湿条件での耐久性に優れ、また、粒度分布が均一な微小トナーの製造方法トナー製造装置およびトナーの提供を課題とする。
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を含む溶液を多孔質ガラスの細孔を通して気相中に滴下し、固化させるトナーの製造方法であって、前記溶液を滴下するに際して前記多孔質ガラスを前記溶液の滴下方向に直交する方向に振動させることを特徴とする。
前記多孔質ガラスにおける細孔直径が3〜20μmであり、前記多孔質ガラスの振動は0.005mm〜0.03mmの振幅、毎秒100〜50000回の振動であることを特徴とする
本発明のトナーの製造装置は、少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を含む溶液を気相中に滴下する多孔質ガラスからなる溶液滴下部と、前記溶液滴下部からの滴下物を気相中で固化させてトナー母粒子とする筒状造粒塔とを有し前記筒状造粒塔内上部に前記溶液滴下部を配置すると共に前記溶液滴下部における多孔質ガラスを前記溶液滴下方向に直交する方向に振動させることを特徴とする。
上記装置における多孔質ガラスの細孔直径が3〜20μmであり、前記多孔質ガラスの振動は0.005mm〜0.03mmの振幅、毎秒100〜50000回の振動であることを特徴とする
上記装置における前記溶液滴下部が配置された前記筒状造粒塔上部には熱風送風口が設けられ、筒状造粒塔の内壁に沿って熱空気流を送風させると共に、筒状造粒塔の下部の外壁には冷却手段が設けられ、前記冷却手段が設けられた筒状造粒塔の下部を滴下物における熱可塑性樹脂のガラス転移温度以下とする固化部としたことを特徴とする。
上記装置における前記筒状造粒塔内上部の温度を80℃〜160℃とし、前記筒状造粒塔内上部と滴下物の固化部における温度差を50℃以上とすることを特徴とする。
上記装置における前記筒状造粒塔の最下部に、固化されたトナー母粒子を捕捉するサイクロンが接続されたことを特徴とする。
本発明のトナーは、少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を含む溶液を多孔質ガラスの細孔を通して気相中に滴下し、固化させるトナーの製造方法であって、前記溶液を滴下するに際して前記多孔質ガラスを前記溶液の滴下方向に直交する方向に振動させて製造されたことを特徴とする
本発明のトナーの製造方法およびトナー製造装置は、気相中でトナー母粒子を造粒するために、トナー母粒子を製造した後に溶媒や分散媒を除去したり、乾燥したりする必要がなく、短時間、低コストで球形トナーを連続生産でき、また、非水系で造粒するためにトナー内部や表面に分散剤等の親水性化合物を保持しないので、高温高湿下においても帯電量の低下がなく、しかも、粒度分布が均一な微小トナーを製造することができる。
本発明のトナーの製造方法で使用する装置の概要を図1に示す。図2(a)は、図1の滴下部下面における多孔質ガラス膜の配列状態の一例を例示する正面模式図であり、(b)は滴下部下面の側面断面模式図、(c)は多孔質ガラス板の拡大正面模式図であり、図3(a)は、多孔質ガラス管を滴下部とする滴下部の他の態様を示す図であり、(b)は(a)におけるA部の拡大正面模式図である。
図中、1は筒状造粒塔、2は底面に多孔質ガラス板が配置された滴下部、3は熱電対、4は熱風送風口、5はジャケット、10は第1貯留部、11は保温ヒータ、12は定量ポンプ、20は第2貯留部、21は攪拌装置、22は保温ヒータ、23は定量ポンプ、24は温風送風口、25は圧力計、26はベント、27はヒータ、28はブロワー、30はサイクロン、31はバグフィルター、32は取り出し口、40は多孔質ガラス板または多孔質ガラス管、41は封止部、42は格子状枠部、43は細孔を示す。
本発明のトナー製造装置について説明する。図1に示す装置において、少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を有機溶剤に溶解・分散したトナー組成物(以下、溶解・分散液)をスペースヒータ等の保温ヒーター11が設けられた第1貯留部10に貯蔵した後、第2貯蔵部20における溶解・分散液の消費に応じて、溶解・分散液を適時、適量、定量ポンプ12によりスペースヒータ等の保温ヒーター22を有する第2貯蔵部に送液する。第1貯留部10と第2貯留部20は、保温ヒータにより溶解・分散液の温度低下により結露しない程度に温度維持制御をする。保温ヒータは配管部や滴下部の冬場における保温に用いられる。第2貯留部20には溶解・分散液における沈降や不均一な組成となることを防止するために攪拌手段21が設けられる。また、この第2貯留部20には、ブロワー28、ヒータ27、圧力計25、排気部(ベント)26が温風送風口24が接続され、清掃時に使用するための温風が送りこまれる送風と、圧力を調整するための機構が接続されている。
バッチ処理の際には、第1貯留部10を省略し、トナー組成物を直接、第2貯留部20に投入してもよいが、連続稼働させるには、上述のごとく、スペースヒータ等の保温ヒーター11が設けられた第1貯留部10に溶解・分散液を投入しておくとよく、また、冬場の使用時には配管部もリボンヒータ、バンドヒータ等を用いて保温しておくとよい。
筒状造粒塔1は、下方に向かって径を小とした縦型の円筒形状とし、天井部には第2貯留部20からの送液管が間挿され、送液管の先端には滴下部2が配置される。また、筒状造粒塔1の最下端部は固化されたトナー母粒子のサイクロン30への導入部である。
第2貯蔵部20における溶解・分散液は、定量ポンプ23により送液量が制御されて、筒状造粒塔1内の滴下部2に送液される。滴下部2は、ステンレス製の箱型または円筒形状の容器であり、熱電対3により溶解・分散液の温度がモニターされ、図示しないがリボンヒータで一定温度に温度維持される。底面には図2(a)〜(c)に示す如くステンレス製の格子状支持枠42により支持された複数枚の多孔質ガラス板40が配置される。
多孔質ガラスは、特開昭61−40841号公報に準じて作製されるものであり、耐熱性、耐久性に優れるものである。多孔質ガラス板は、厚み0.8mm〜1mmで20mm×20mmの板状物であり、また、多孔質ガラス板に代えて、図4に示すようにφ10mm〜φ25mm、厚み0.8mm〜1mmの多孔質ガラス管としてもよく、この場合、多孔質ガラス管の端部は封止部41とされ、溶解・分散液は側壁の細孔から横方向外向きに滴下される。多孔質ガラスにおける細孔直径としては80nm〜20μmのものがSPGテクノ(株)より入手可能である。多孔質ガラスにおける細孔の形状は必ずしも直線的な円筒形状ではないが、細孔の断面直径は平均してほぼ一定であり、目詰まりを起こしにくい構造を有している。本発明においては、得られるトナー母粒子径の関係から細孔直径としては、3μm〜20μmである。この範囲を外れるとトナー母粒子の粒径を制御できず、また、粒度分布の均一なものが得られない。
定量ポンプ23は、細孔からの滴下量を調整可能とするものであり、滴下量が10mm/s〜300mm/s、好ましくは15mm/s〜280mm/sとなるように送液量を制御するとよい。滴下量が少ないと液滴が形成されるのに時間がかかり、また、多いと得られるトナー母粒子の粒径を制御できず、また、粒度分布の均一なものが得られない。
また、滴下部2の多孔質ガラスは、溶解・分散液の滴下方向に直交する方向(図1矢印方向)に、また、図4においては多孔質ガラスを縦方向(図4矢印方向)に微小振動させるとよい。振動に際しては超音波振動により振動させるとよく、図1の滴下部においては、底面となる多孔質ガラス面に横方向の超音波をあて滴下物を横方向に振動させつつ滴下させるとよい。また、図4における滴下部の場合には、筒状造粒塔内における滴下部上方に超音波振動発振子を配置し、多孔質ガラス面に縦方向の超音波をあて滴下物を縦方向に振動させつつ溶解・分散液を滴下させるとよい。また、その振動手段としては、機械的に振動させてもよく、図1に示す滴下部においては、滴下部側面に振動発振子に接続した振動子を取り付けることにより、底面となる多孔質ガラス面に横方向の振動を与えるとよい。また、図4における滴下部の場合には、滴下部上部に振動発振子に接続した振動子を取り付け、側面となる多孔質ガラス面に縦方向の振動を与えるとよい。
このように、多孔質ガラスにその溶解・分散液の滴下方向に直交する方向に振動を与えることにより、液滴の大きさを制御するとともに、溶解・分散液が多孔質ガラスの細孔を通過して液滴を形成する際に発生する尾引き等による微小粒径の液滴の生成を防止できる。振動としては、振幅0.005mm〜0.03mm、振動数100〜50000回/sの範囲内で適宜調整するとよい。振幅、振動数がこの範囲を超えると、トナー母粒子の粒径を制御できず、また、粒度分布の均一なものが得られない。
筒状造粒塔1における滴下部2近傍の壁面には、温風送風口4が設けられるとよい。温風送風口4からは筒状造粒塔内壁に沿って円周方向に旋回する熱空気流(熱搬送風)を送風するものであり、液滴を固化させ、また、固化したトナー母粒子が内壁に付着することを防止することができる。熱風送風口4からは、80℃〜160℃の温風を1m/s〜6m/sで送風するとよい。また、トナー母粒子はその特性として極性を有するが、固化過程で内壁にトナー母粒子が静電的に付着することを防止するために、図示しないが、同極性の電圧を印加しておくとよい。トナー母粒子が負帯電性であれば、−300V〜−700V程度印加しておくとよい。
また、筒状造粒塔1下方の外壁には、水を通したジャケット等の冷却手段が設けられ、筒状造粒塔下方における塔内を固化部とするとよく、固化部における温度としては、固化したトナー母粒子の相互の融着を防ぐために、溶解・分散液における熱可塑性樹脂のガラス転移温度以下に冷却されるとよい。また、溶解・分散液滴下部が配置される筒状造粒塔上方と冷却手段が配置された固化部における温度差としては、50℃以上の温度差、好ましくは60℃〜140℃の温度差とするとよい。50℃未満であると形成された母粒子の凝集等の問題がある。
造粒されたトナー母粒子は、筒状造粒塔の最下部より配管を通してサイクロン30に補集され、超微粉はバグフィルタ31で捕捉され、溶解・分散液における有機溶媒を含む熱搬送風は図示しない溶媒回収装置により回収し、再利用される。
本発明によると、トナー組成物におけるフロー軟化温度(Tf1/2)が100℃〜150℃で、25℃における粘度が0.02〜0.95Pa・s、また、35℃での粘度が0.015〜0.95Pa・sのトナー組成物を滴下させることができるが、筒状造粒塔上方と、固化部との温度差としては少なくとも50℃以上の温度差を確保するとよい。なお、熱可塑性樹脂がガラス転移温度の相違する2種類以上の熱可塑性樹脂の混合樹脂である場合には、高い方のガラス転移温度を目安とするとよい。熱可塑性樹脂におけるガラス転移温度が55℃〜75℃である場合を例とすると、熱風送風口4からは、150℃の熱風を送風するので、溶解・分散液滴下部が配置される筒状造粒塔上方と、固化部との温度差としては少なくとも95℃以上の温度差が必要である。図1の製造装置における筒状造粒塔の高さ(液滴の滴下距離)、熱風送風口4からの送風量およびその温度、さらにジャケットへの通水量等を適宜調整することにより、その温度差を確保するとよい。また、多孔質ガラス板からの滴下性を考慮すると、粘度が高すぎると細孔からの溶解・分散液の滴下がしずらくなり、また、低すぎるとトナー母粒子の粒径が小さくなりすぎて耐久性のないトナーとなる。
上記の温度条件を有する熱可塑性樹脂としては、トナー用樹脂として使用されている有機溶剤可溶の熱可塑性樹脂が例示され、例えばポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、シリコーン変成エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂等が単独又は複合して使用できる。特に、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル樹脂が好ましく、非架橋型の樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂におけるフロー軟化点は100〜150℃、ガラス転移温度が55〜75℃であり、また、溶解・分散液における25℃での粘度として0.02〜0.95Pa・s、また、35℃での粘度が0.015〜0.95Pa・sを付与できるものが好ましい。溶解・分散液における粘度は、回転型粘度計を使用し、測定するものである。
また、溶解・分散液には、他のトナー構成材料である着色剤、離型剤等を含有させ、溶解・分散液とされる。着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の染料および顔料を単独あるいは複合したトナー用着色剤が使用可能であり、少なくとも4色のトナーとされる。例えばブラック(K)用着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック等が例示される。イエロー(Y)用着色剤としては、クロムイエロー、ハンザイエローG、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、ベンジジンイエロー等が例示される。また、マゼンタ(M)用着色剤としては、キナクリドン、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、ローダミン6G等が例示される。また、シアン(C)用着色剤としては、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルコオイルブルー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が例示される。
また、必要に応じて荷電調整剤を添加してもよい。荷電調整剤としては、トナー用荷電調整剤が使用可能である。例えば、オイルブラック、オイルブラックBY、ボントロンS−22およびS−34(オリエント化学工業製)、サリチル酸金属錯体E−81、E−84(オリエント化学工業製)、チオインジゴ系顔料、銅フタロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学工業製)、カリックスアレン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシルカルボン酸系金属錯体、芳香族ジカルボン酸系金属錯体、多糖類等が挙げられる。なかでもカラートナー用には無色ないしは白色のものが好ましい。
着色剤や荷電制御剤は、熱可塑性樹脂と相溶するものとしてもよいが、顔料等の相溶性を有しなく、溶解・分散液中に粒子状で分散させてもよい。粒子状で分散させる場合には、多孔質ガラス板の細孔での目詰まりを防止する観点から、ボールミル等で適宜解砕し、大粒径のものを除去して用いるとよい。
離型剤としては、トナー用離型剤が使用可能である。例えばパラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、エステルワックス、ライスワックス等を使用することが好ましい。
成分比としては、熱可塑性樹脂100質量部に対して、着色剤は0.5〜15質量部、好ましくは1〜10質量部であり、また、離型剤は1〜10質量部、好ましくは2.5〜8質量部であり、また、荷電制御剤は0.1〜7質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
溶解・分散液を調製するには、トナー母粒子の構成材料をニーダー、ローダミル或いは2軸押出機を用いて均一混練した後、粗粉砕し、次いで粗粉砕物を有機溶媒中に溶解・分散させ、均一分散した油性液とするとよい。或いは、上記の混練機でマスターバッチを作製した後、必要な熱可塑性樹脂を追加して均一混練した後、粗粉砕し、次いで粗粉砕物を極性有機溶媒中に溶解・分散させてもよい。また、均一混練工程を省略し、有機溶媒中に前述のトナー母粒子の構成材料を混合した後、高速攪拌機で微粒子状に溶解・分散させる方法、また、ポールミルを用いてトナー母粒子の構成材料を微分散させてもよい。
有機溶剤としては、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ベンジルアルコールエチルエーテル、ベンジルアルコールイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類が挙げられ、単独でも二種以上混合して用いることができる。上記のトナー構成材料を有機溶剤に溶解・分散させ、上述の溶解・分散液の粘度範囲とされる。
トナー母粒子における粒子径や粒度分布は、上述した多孔質ガラス板における細孔直径、滴下部からの滴下量、滴下部の振幅や振動数等の諸条件を適宜設定することにより、個数基準での平均粒子径が3〜9μm、円形度が0.97〜0.99、標準偏差/平均粒子径(CV値)が7〜20の粒度分布の均一な球形状トナー母粒子とできる。
次に、外添処理について説明する。得られたトナー母粒子には、疎水性シリカ粒子等の外添剤が添加されてトナーとされる。疎水性シリカ粒子としては、負帯電性、流動性付与を目的として添加されるもので、ケイ素のハロゲン化物等から乾式で作製した粒子、およびケイ素化合物から液中で析出した湿式法によるもののいずれをも用いることができる。シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径は、5nm〜50nmとすることが好ましく、10nm〜40nmとすることがより好ましい。また、シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径が5nmより小さいと、トナーの母粒子に埋没しやすくなり、また、負に帯電しやすくなる。また、50nmを超えるとトナー母粒子の流動性付与効果が悪化し、トナーを均一に負に帯電させることが困難になる結果、逆帯電である正に帯電したトナー量が増加する傾向となる。なお、本発明における外添剤の粒径は、電子顕微鏡像によって観察して測定したもので、個数平均粒子径である。
疎水性シリカ粒子は平均粒径分布が異なるシリカ粒子を混合して用いることが好ましく、平均一次粒子径が5nm〜20nm、好ましくは7〜16nmの小粒径のシリカ粒子と平均一次粒子径が30nm〜50nm、好ましく30〜40nmの大粒径のシリカ粒子を併用することが好ましい。粒径が小さいシリカ粒子により、好ましい流動性、負帯電性を得ることができ、粒径が大きなシリカ粒子によりトナー母粒子中に外添剤粒子の埋め込みを防止できる。
疎水性シリカ粒子の添加量としては、トナー母粒子100質量部に対して0.05〜2質量部である。0.05質量部よりも少ない場合には流動性の付与に効果がなく、逆に2質量部を超えると定着性の悪化をもたらすので好ましくない。また、小粒径粒子と大粒径粒子との割合(重量比)は5:1〜1:5である。小粒径粒子が多過ぎると定着性の悪化をもたらし、少な過ぎると流動性の低下につながる。
また、外添粒子として、高流動性、帯電安定性を目的として疎水性酸化チタン粒子が添加されてもよい。疎水性酸化チタン粒子の結晶形態としてはルチル型、アナターゼ型、ルチル/アナターゼ混晶型のいずれの酸化チタン粒子でもよい。好ましくは、ルチル/アナターゼ混晶型酸化チタン粒子であり、例えば特開2000−128534号公報に記載される含水酸化チタン及び/又はアナターゼ型酸化チタンを含有するルチル型酸化チタン粒子てあり、粒子の長軸径が0.02〜0.10μmであり、軸比(長軸径/短軸径)が2〜8の紡錘状乃至板状の粒子形状を有し、トナー母粒子に外添されると、その形状によりトナー母粒子内に埋没し難いものとできる。疎水性酸化チタン粒子の添加量としては、トナー母粒子100質量部に対して0.05〜2質量部、好ましくは0.1〜1.5質量部とするとよく、0.05質量部よりも少ない場合には帯電安定性の付与に効果がなく、逆に2質量部を超えるとトナーの負帯電量が小さくなりすぎるので好ましくない。また、疎水性酸化チタン粒子の添加量は、疎水性シリカ粒子100質量部に対して10〜150質量部の添加割合とするとよい。10質量部よりも少ない場合には過帯電防止に効果がなく、逆に150質量部を超えるとトナーの負帯電量が小さくなりすぎ、好ましくない。
その他に、例えば、シリカの表面をチタン、スズ、ジルコニウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物、水酸化物によって修飾した表面修飾シリカ粒子を含み、シリカ粒子に対して表面修飾シリカ粒子が重量比で1.5倍以下の比で含有されたもの、正帯電性シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、マグネタイト、二硫化モリブデン、チタン酸ストロンチウム等のチタン酸金属塩、ケイ素金属塩、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂微粒子が例示される。
また、金属石けん粒子は、トナー粒子とした際の外添粒子の個数遊離率を低下させ、カブリの発生を防止すると共に感光体表面の傷発生防止や転写効率の向上等を目的として添加されてもよい。金属石けん粒子としては、高級脂肪酸の亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミウムから選ばれる金属塩であり、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸モノアルミニウム、ステアリン酸トリアルミニウム等が例示される。金属石けん粒子の平均粒子径は0.5〜20μm、好ましくは0.8〜10μmとするとよい。
金属石けん粒子の添加量は、トナー母粒子100質量部に対して0.05〜0.5質量部、好ましくは0.1〜0.3質量部である。0.05質量部より少ないと滑剤としての機能およびバインダーとしての機能が不十分であり、また、0.5質量部より多いと逆にカブリが増大する傾向にある。また、金属石けん粒子の添加量は、上述した疎水性シリカ粒子や疎水性酸化チタン粒子等の外添粒子100質量部に対して2〜10質量部の添加割合とするとよい。2質量部よりも少ない場合には滑剤やバインダーとしての効果がなく、逆に10質量部を超えると流動性の低下やカブリの増大につながるので好ましくない。
外添粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して使用することが好ましい。疎水化率としては40%以上、好ましくは50%以上である。疎水化剤としては、例えばジメチルジクロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−iso −プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t −ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジペンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、(4−t −ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−iso −プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン等が例示される。
これらの外添粒子の全体としての添加量は、トナー母粒子100質量部に対して0.1ないし5質量部、より好ましくは0.5ないし4.0質量部である。0.1部より少ないと流動性付与や電荷調整が不十分となり、また、5質量部より多いと定着性の悪化だけでなく、帯電のバランスがくずれてしまう。
本発明のトナーは、トナー母粒子、または外添処理されトナー粒子とされた段階で、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定での数平均分子量(Mn)が1,500〜20,000、好ましくは2,000〜15,000、より好ましくは3,000〜12,000のものである。数平均分子量(Mn)が1,500より小さいと、低温定着性に優れるものの、着色剤の保持性や耐フィルミング性、耐オフセット性、定着像強度、保存性に劣るものであり、また、20,000より大きいと低温定着性に劣るものとなる。また、重量平均分子量(Mw)は3,000〜300,000、好ましくは5,000〜50,000であり、Mw/Mnが1.5〜20、好ましくは1.8〜8である。
また、フロー軟化温度(Tf1/2)は100℃〜150℃の範囲にある。フロー軟化温度が100℃より低いと高温オフセット性に劣るものとなり、また、150℃より高いと低温での定着強度に劣るものとなる。また、ガラス転移温度(Tg)は55℃〜75℃の範囲にある。ガラス転移温度(Tg)が55℃より低いと保存性に劣るものとなり、また、75℃より高いとそれにともなってTf1/2が上昇し、低温定着性に劣るものとなる。
また、トナー母粒子、またトナーの個数平均粒径は、9μm以下とするとよく、8μm〜3μmであることがより好ましい。9μmよりも大きなトナー粒子では、1200dpi以上の高解像度で潜像を形成しても、その解像度の再現性が小粒子径のトナーに比べて低下し、また3μm以下になると、トナーによる隠蔽性が低下するとともに、流動性を高めるために外添剤の使用量が増大し、その結果、定着性能が低下する傾向があるので好ましくない。
また、トナー母粒子、また、トナーの形状としては、真球に近い形状のトナー粒子が得られる。具体的には、トナー母粒子は下記式(I)
R=L0/L1・・・(I)
{但し、式中、L1(μm)は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0(μm)は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。}
で表される平均円形度Rが0.97〜0.99とできるものであり、円形度に優れ、連続印字しても転写効率の変動が少なく、また、トナー表面の凹凸により外添剤の遊離が少ないものとでき、帯電量の安定したトナーを製造することができる。なお、トナー母粒子やトナー粒子の平均粒径、また、円形度は、粒子像分析装置(シスメックス製 FPIA2100)で測定した値であり、平均粒径は個数平均粒径である。
下記の実施例で使用したポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂Bの製法を記載しておく。
ポリエステル樹脂Aの作製
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却管、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従って設置し、
・ネオペンチルグリコール ・・・ 36モル部
・エチレングリコール ・・・ 36モル部
・1,4−シクロヘキサンジオール ・・・ 48モル部
・テレフタル酸ジメチル ・・・ 90モル部
・無水フタル酸 ・・・ 10モル部
の混合物1000gと、エステル化縮合触媒(チタンテトラブトキシド(PPB))1gとを2リットル4つ口フラスコに入れ、材料温度180℃で生成する水、メタノールを蒸留塔より留去させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが留出しなくなった時点で、蒸留塔を取り外し、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を200℃とし、攪拌回転数:150rpmで攪拌しつつ縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、得られた反応物をポリエステル樹脂A(PES−A)とした。
得られたポリエステル樹脂Aは、示差走査熱量分析装置により分析したところ、融点による吸熱ピークであると判断されるシャープなピークは示さず、非晶質ポリエステル樹脂であると判断された。ポリエステル樹脂Aの軟化点(T1/2)は111℃、ガラス転移温度60℃、重量平均分子量(Mw)=1.3×104 であった。
ポリエステル樹脂Bの作製
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却管、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従って設置し、
・上記で得たポリエステル樹脂A ・・・ 70モル部
・1,4−ブタンジオール ・・・ 15モル部
・テレフタル酸ジメチル ・・・ 15モル部
の混合物1000gと、エステル化縮合触媒(チタンテトラブトキシド(PPB))1gとを2リットル4つ口フラスコに入れ、材料温度200℃で生成する水、メタノールを蒸留塔より留去させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが留出しなくなった時点で、蒸留塔を取り外し、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を220℃とし、攪拌回転数:150rpmで攪拌しつつ縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、得られた反応物をポリエステル樹脂B(PES−B)とした。
得られたポリエステル樹脂Bは、示差走査熱量分析装置により分析したところ、融点の吸熱ピークの中心値(Tmp)は218℃、ショルダーピーク値(Tms)は205℃であった。また、測定で得られた示差走査熱量分析曲線から、ポリエステル樹脂Bの融解熱Efは18mJ/mgであった。また、ポリエステル樹脂Bの軟化点(T1/2)は149℃、ガラス転移温度64℃、重量平均分子量(Mw)=2.8×104 であった。
・上記で得たポリエステル樹脂A ・・・ 80質量部
・上記で得たポリエステル樹脂B ・・・ 20質量部
・キナクリドン系顔料(粒径1.1μm) ・・・ 6質量部
・カルナウバワックス ・・・ 3質量部
・サリチル酸亜鉛(粒径7μm) ・・・ 2質量部
とを、2軸混練押出機で混練し、2mm角に粉砕し後、メチルエチルケトン200質量部と共に、ジルコニアボールを内蔵したポールミルで2時間ミリングし、溶解・分散液を調製した。得られた溶解・分散液の25℃における粘度は0.072Pa・sであり、また、35℃における粘度は0.068Pa・sであった。
得られた溶解・分散液を、図1に示すトナー製造装置における第2貯留部20に投入し、スペースヒータにより溶解・分散液を25℃に保温維持した。
次いで、溶解・分散液を、高さが3.3mの筒状造粒塔における滴下部2に送液した。滴下部2における多孔質ガラス板は、細孔は直径5μmのものを使用し、また、滴下部2はリボンヒータで35℃に加熱し、熱電対により溶解・分散液が30℃以下とならないように維持した。定量ポンプ23により滴下部2への送液量を、滴下部における細孔からの滴下量が55cm/sとなるように調整すると共に、底面における多孔質ガラス板に対して横方向(滴下方向に直交する方向)に筒状造粒塔内壁に取り付けた図示しない超音波振動子により振幅10μm(0.01mm)、振動数40000回/sの振動を与えた。
熱風送風口4からは150℃の熱空気流が内壁面に沿って円周方向に旋回するように送風させた。また、筒状造粒塔の下部に設けたジャケットには25℃の水を通水し、通水量と熱風口4からの送風量を調整して、固化部における温度を47℃とした。
サイクロンで補集したマゼンタトナー母粒子は、相互に融着はなく、また、筒状造粒塔の内壁にも付着は見られなかった。得られたトナー母粒子について、Sysmex社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」を用い測定したところ、個数基準で平均円形度は0.991、平均粒子径5.3μm、CV値は16であった。
・上記で得たポリエステル樹脂A ・・・ 50質量部
・上記で得たポリエステル樹脂B ・・・ 50質量部
・フタロシアニン系顔料(粒径1.2μm)・・・ 6質量部
・カルナウバワックス ・・・ 3質量部
・サリチル酸亜鉛(粒径7μm) ・・・ 2質量部
とを、2軸混練押出機で混練し、2mm角に粉砕し後、メチルエチルケトン200質量部と共に、ジルコニアボールを内蔵したポールミルで2時間ミリングし、溶解・分散液を調製した。得られた溶解・分散液の25℃における粘度は0.31Pa・sであり、また、35℃における粘度は0.29Pa・sであった。
得られた溶解・分散液を使用して、実施例1と同様にして造粒し、シアントナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子について、Sysmex社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」を用い測定したところ、個数基準で平均円形度は0.992、平均粒子径5.2μm、CV値は16であった。
図1は、本発明のトナーの製造方法で使用する装置の概略図である。 図2(a)は、図1における滴下部下面における多孔質ガラス膜の配列状態の一例を例示する正面模式図であり、(b)は滴下部下面の側面断面模式図、(c)は多孔質ガラス板の拡大正面模式図である。 図3(a)は滴下部における他の態様を示す図であり、(b)は多孔質ガラス管の拡大正面模式図である。
符号の説明
1は筒状造粒塔、2は底面に多孔質ガラス板が配置された滴下部、3は熱電対、4は熱風送風口、5はジャケット、10は第1貯留部、11は保温ヒータ、12は定量ポンプ、20は第2貯留部、21は攪拌装置、22は保温ヒータ、23は定量ポンプ、24は熱風送風口、25は圧力計、26はベント、27はヒータ、28はブロワー、30はサイクロン、31はバグフィルター、32は取り出し口、40は多孔質ガラス板、41は封止部、42は格子状枠部、43は細孔

Claims (8)

  1. 少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を含む溶液を多孔質ガラスの細孔を通して気相中に滴下し、固化させるトナーの製造方法であって、前記溶液を滴下するに際して前記多孔質ガラスを前記溶液の滴下方向に直交する方向に振動させることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記多孔質ガラスにおける細孔直径が3〜20μmであり、前記多孔質ガラスの振動は0.005mm〜0.03mmの振幅、毎秒100〜50000回の振動であることを特徴とする請求項1記載のトナーの製造方法。
  3. 少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を含む溶液を気相中に滴下する多孔質ガラスからなる溶液滴下部と、前記溶液滴下部からの滴下物を気相中で固化させてトナー母粒子とする筒状造粒塔とを有し前記筒状造粒塔内上部に前記溶液滴下部を配置すると共に前記溶液滴下部における多孔質ガラスを前記溶液滴下方向に直交する方向に振動させることを特徴とするトナー製造装置。
  4. 多孔質ガラスにおける細孔直径が3〜20μmであり、前記多孔質ガラスの振動は0.005mm〜0.03mmの振幅、毎秒100〜50000回の振動であることを特徴とする請求項3記載のトナー製造装置。
  5. 前記溶液滴下部が配置された前記筒状造粒塔上部には熱風送風口が設けられ、筒状造粒塔の内壁に沿って熱空気流を送風させると共に、筒状造粒塔の下部の外壁には冷却手段が設けられ、前記冷却手段が設けられた筒状造粒塔の下部を滴下物における熱可塑性樹脂のガラス転移温度以下とする固化部としたことを特徴とする請求項3記載のトナー製造装置。
  6. 前記筒状造粒塔内上部の温度を80℃〜160℃とし、前記筒状造粒塔内上部と滴下物の固化部における温度差を50℃以上とすることを特徴とする請求項5記載のトナー製造装置。
  7. 前記筒状造粒塔の最下部に、固化されたトナー母粒子を捕捉するサイクロンが接続されたことを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれか1つ記載のトナー製造装置。
  8. 少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を含む溶液を多孔質ガラスの細孔を通して気相中に滴下し、固化させるトナーの製造方法であって、前記溶液を滴下するに際して前記多孔質ガラスを前記溶液の滴下方向に直交する方向に振動させて製造されたことを特徴とするトナー。
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