JP6217147B2 - 粒子製造装置、及び粒子製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子製造装置、及び粒子製造方法に関する。
粒子径の均一性を要する粒子は、電子写真用のトナー、液晶パネルのスペーサー粒子、電子ペーパー用の着色微粒子、二次電池や燃料電池の電極材料用粒子、医薬品の薬剤担持体などとして様々な用途で利用されている。粒子径が均一な粒子を製造する方法としては、一般には、ソープフリー重合法などの、液中で反応を誘起して樹脂微粒子を得る方法が知られている。しかし、この方法では、水溶液中で微粒子を反応させるために、製品には含まれない不要な水溶液が発生する。前記水溶液は再利用が困難であるため、前記方法は環境負荷が高いという問題がある。
従来、電子写真記録方法に基づく複写機、プリンター、ファックス、及びそれらの複合機に使用される、樹脂微粒子の一例である静電荷像現像用トナーの製造方法としては、粉砕法が用いられていた。しかし、近年、重合法と呼ばれる、水系媒体中でトナー粒子を形成する工法が広く行われている。前記重合法は、トナー粒子形成時、又はその過程において、トナー原材料の重合反応を伴う工法であり、各種重合方法が実用化されている。前記重合法としては、例えば、懸濁重合法、乳化凝集法、ポリマー懸濁(ポリマー凝集)法、エステル伸長反応法などが挙げられる。前記重合法により製造されたトナーは、「重合トナー」又は「ケミカルトナー」と呼ばれている。
前記重合法で得られたトナーは、総じて、前記粉砕法で得られたトナーに比べ、小粒径が得やすく、粒径分布が狭く、形状が球形に近い。したがって、これを用いることで電子写真方式での画像は、高画質を得やすいという利点がある。
しかし、重合過程に長時間を必要とし、更に固化終了後溶媒とトナー粒子とを分離し、その後洗浄乾燥を繰り返す必要があり、多くの時間と、多量の水やエネルギーを必要とするため、製造効率が悪いという問題がある。
この問題に対し、トナー材料を有機溶媒に溶解又は分散した液体(以下、「トナー組成液」と称することがある)を、様々なアトマイザを用いて、ノズル径に対応した液滴を放出して微粒子化した後に乾燥させて粉体状のトナーを得る噴射造粒法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。この方法によれば、水を用いる必要がなく、洗浄や乾燥といった工程を大幅に削減することができるため、重合法の欠点を回避することができる。
しかし、この提案の方法では、トナー組成液を噴霧した後に、形成された液滴が乾燥する前に液滴同士が合着し、その状態のまま溶媒が除去されトナーが得られるため、結果として得られるトナーの粒度分布の広がりが避けられず、粒径分布としては満足のいくものでなかった。
これに対し、多量の洗浄液、及び溶媒と粒子との分離の繰り返しが不要で、非常に製造効率が高く、かつ省エネルギーで、粒径分布の狭いトナーを製造できる噴射造粒によるトナー製造方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
これらの提案の方法では、液滴の吐出量が経時で変化してしまう。これは、噴射するトナー組成液中の成分がノズル穴に詰まったり、噴射液滴がノズル面に舞い戻ってきてノズルを閉塞させることに由来する。そして、液滴の吐出量が経時で変化すると、トナー組成液の液滴を乾燥させる際に、均一な乾燥を行うことができなくなる。その結果、粒子の捕集を安定して行うことができず、乾燥後の粒子同士が付着し、粒径分布の狭いトナーが得られないという問題がある。
したがって、粒子の捕集を安定して行うことができ、粒子同士の合着を防止し、狭い粒径分布を有する粒子を製造できる粒子製造装置の提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、粒子の捕集を安定して行うことができ、粒子同士の合着を防止し、狭い粒径分布を有する粒子を製造できる粒子製造装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明の粒子製造装置は、
少なくとも1つの吐出孔を有し、該吐出孔から、樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成液を吐出させ、液滴を形成する液滴形成手段と、
前記液滴を気流中で乾燥させて固化し、粒子を形成する粒子形成手段と、
固化された前記粒子を気相中から捕集する粒子捕集手段と、
前記粒子捕集手段に流入する気流の温度を低下させる気流温度低下手段とを有することを特徴とする。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、粒子の捕集を安定して行うことができ、粒子同士の合着を防止し、狭い粒径分布を有する粒子を製造できる粒子製造装置を提供することができる。
図1は、本発明の粒子製造装置における液滴形成手段の一例を示す概略断面図である。 図2は、複数の液室からなる液滴形成ユニットの一例を示す概略断面図である。 図3は、搬送気流の方向の一例を示す図である。 図4は、本発明の粒子製造装置の一例を示す断面概略図である。 図5は、本発明の粒子製造装置の他の一例を示す断面概略図である。 図6は、本発明の粒子製造装置の他の一例を示す断面概略図である。 図7Aは、ラウンド形状の吐出孔の一例を示す概略断面図である。 図7Bは、テーパ形状の吐出孔の一例を示す概略断面図である。 図7Cは、ストレート形状の吐出孔の一例を示す概略断面図である。 図7Dは、ラウンド形状とテーパ形状とを組み合わせた形状の吐出孔の一例を示す概略断面図である。 図8Aは、液柱共鳴液室が片側固定端であり、N=1の場合の速度及び圧力変動の定在波を示す概略説明図である。 図8Bは、液柱共鳴液室が両側固定端であり、N=2の場合の速度及び圧力変動の定在波を示す概略説明図である。 図8Cは、液柱共鳴液室が両側開放端であり、N=2の場合の速度及び圧力変動の定在波を示す概略説明図である。 図8Dは、液柱共鳴液室が片側固定端であり、N=3の場合の速度及び圧力変動の定在波を示す概略説明図である。 図9Aは、液柱共鳴液室が両側固定端であり、N=4の場合の速度及び圧力変動の定在波を示す概略説明図である。 図9Bは、液柱共鳴液室が両側開放端であり、N=4の場合の速度及び圧力変動の定在波を示す概略説明図である。 図9Cは、液柱共鳴液室が片側固定端であり、N=5の場合の速度及び圧力変動の定在波を示す概略説明図である。 図10Aは、液滴形成手段の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子を示す概略説明図である。 図10Bは、液滴形成手段の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子を示す概略説明図である。 図10Cは、液滴形成手段の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子を示す概略説明図である。 図10Dは、液滴形成手段の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子を示す概略説明図である。 10Eは、液滴形成手段の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子を示す概略説明図である。 図11は、単一の粒子の様子を示す写真である。 図12は、2つの粒子が合着した様子を示す写真である。 図13は、3つの粒子が合着した様子を示す写真である。 図14は、粒度分布測定結果の一例を示すグラフである。 図15は、粒度分布測定結果の一例を示すグラフである。 図16は、実施例1のトナー製造における、吐出時間と、トナー組成液の吐出量、溶媒吐出手段からの溶媒の吐出量、及び搬送気流排出口における気流の温度との関係を示すグラフである。 図17は、実施例2のトナー製造における、吐出時間と、トナー組成液の吐出量、溶媒吐出手段からの溶媒の吐出量、及び搬送気流排出口における気流の温度との関係を示すグラフである。 図18は、比較例1のトナー製造における、吐出時間と、トナー組成液の吐出量、及び搬送気流排出口における気流の温度との関係を示すグラフである。
(粒子製造装置、及び粒子製造方法)
本発明の粒子製造装置は、液滴形成手段と、粒子形成手段と、粒子捕集手段と、気流温度低下手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
前記気流温度低下手段は、熱交換器であることが好ましい。
前記気流温度低下手段は、溶媒吐出手段であることが好ましい。
前記気流温度低下手段が、前記溶媒吐出手段である場合、前記粒子製造装置は、吐出量計測手段と、吐出量調整手段とを有することが好ましい。
本発明の粒子製造方法は、液滴形成工程と、粒子形成工程と、粒子捕集工程と、気流温度低下工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記気流温度低下工程は、熱交換器を用いて行われることが好ましい。
前記気流温度低下工程は、溶媒吐出工程であることが好ましい。
前記気流温度低下工程が、前記溶媒吐出工程である場合、前記粒子製造方法は、吐出量計測工程と、吐出量調整工程とを有することが好ましい。
前記粒子製造方法は、前記粒子製造装置により好適に実施でき、前記液滴形成工程は、前記液滴形成手段により好適に実施でき、前記粒子形成工程は、前記粒子形成手段により好適に実施でき、前記粒子捕集工程は、前記粒子捕集手段により好適に実施でき、前記気流温度低下工程は、前記気流温度低下手段により好適に実施でき、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施できる。
また、前記溶媒吐出工程は、前記溶媒吐出手段により好適に実施できる。前記吐出量計測工程は、前記吐出量計測手段により好適に実施でき、前記吐出量調整工程は、前記吐出量調整手段により好適に実施できる。
樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成液を吐出させて液滴を形成し、その液滴を気流中で乾燥して粒子を形成する粒子製造においては、気流中で樹脂組成液中の溶媒を揮発させて得られた粒子を捕集する。
吐出された液滴が気流中に放出されると、液滴周囲の蒸気圧と温度との関係により、液滴の温度は、一旦は湿球温度に達するが、液滴の溶媒量が少なくなると、液滴の温度は気流の温度まで上昇する。このため、液滴を乾燥して得られた粒子の温度は、気流の温度とほぼ同じである。
気流中で液滴から溶媒が蒸発する際には、気流から蒸発潜熱を奪うため、気流の温度は低下する。そして、樹脂組成液の吐出量が変動すると、粒子が形成される際の蒸発潜熱の量が変わるため、気流の温度は樹脂組成液の吐出量によって変動する。そのため、吐出孔に詰まりなどが生じて樹脂組成液の吐出量が減少すると、気流の温度の低下は小さくなる。そして、粒子形成工程において乾燥された粒子の温度は、気流の温度とほぼ同じになるため、樹脂組成液の吐出量が減少すると、乾燥された粒子の温度は高くなる。
そうすると、乾燥された粒子を捕集する際に粒子同士が付着して、狭い粒径分布を有する粒子が得られなくなる。製造される粒子によっては、低い軟化温度を有するものがあるが、軟化温度が低い粒子については、その傾向が顕著である。例えば、トナーは、電子写真システムの運転中の消費電力を抑えるために、低い軟化温度に設計される傾向にある。粒子の温度が粒子の軟化温度より高い状態で粒子を捕集すると、粒子同士が付着した状態で固化することとなり、捕集直前まで単分散に近い粒径分布の粒子が生成できていたとしても、捕集部で粒径分布が大幅に広くなることになる。
そこで、本発明者らは鋭意検討を行った。その結果、粒子製造装置において、少なくとも1つの吐出孔を有し、該吐出孔から、樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成液を吐出させ、液滴を形成する液滴形成手段と、前記液滴を気流中で乾燥させて固化し、粒子を形成する粒子形成手段と、固化された前記粒子を気相中から捕集する粒子捕集手段と、前記粒子捕集手段に流入する気流の温度を低下させる気流温度低下手段とを有することにより、粒子の捕集を安定して行うことができ、粒子同士の合着を防止し、狭い粒径分布を有する粒子を製造できることを見出した。
<液滴形成手段、及び液滴形成工程>
前記液滴形成手段としては、少なくとも1つの吐出孔を有し、該吐出孔から、樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成液を吐出させ、液滴を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1流体ノズル、2流体ノズル等のノズルスプレー型、膜振動型、レイリー分裂型、液振動型、液柱共鳴型などが挙げられる。
前記膜振動型としては、例えば、特開2008−292976号公報に記載されたものなどが挙げられる。前記レイリー分裂型としては、例えば、特許第4647506号公報に記載されたものなどが挙げられる。前記液振動型としては、例えば、特開2010−102195号公報に記載されたものなどが挙げられる。
これらの中でも、前記液滴形成手段は、前記液滴の粒径分布が狭く、粒子の生産性を確保できる点で、前記液柱共鳴型が好ましい。
前記液滴形成工程としては、少なくとも1つの吐出孔から、樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成液を吐出させ、液滴を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液滴形成手段により行うことが好ましい。
−液柱共鳴型−
前記液滴形成手段の一例の液柱共鳴型液滴形成手段について、説明する。
液柱共鳴型液滴形成手段は、少なくとも1つの吐出孔を有する液柱共鳴液室の内部の樹脂組成液に振動を付与することで液柱共鳴による圧力定在波を形成させ、前記圧力定在波の腹となる領域に配置された前記少なくとも1つの吐出孔から前記樹脂組成液を吐出して液滴を形成する手段である。
前記液柱共鳴型液滴形成手段は、前記少なくとも1つの吐出孔を有する液柱共鳴液室と、該液柱共鳴液室内の前記樹脂組成液に振動を付与する振動発生部とを有することが好ましい。
該振動発生部によって前記液柱共鳴液室内の前記樹脂組成液に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記樹脂組成液を液滴状に吐出することができる。
前記「圧力定在波の腹となる領域」とは、液柱共鳴定在波の圧力波において振幅が大きく、圧力変動が大きい領域であり、かつ液滴を吐出するのに十分な大きさの圧力変動を有する領域である。そのような圧力定在波の腹となる領域としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記圧力定在波の振幅が極大となる位置(速度定在波としての節)から極小となる位置に向かって±1/3波長が好ましく、±1/4波長がより好ましい。前記吐出孔が、前記圧力定在波の腹となる領域に形成されていると、複数の吐出孔が開口されていても、それぞれの吐出孔からほぼ均一な液滴を形成することができる点で好ましい。また、効率的に液滴の吐出を行うことができ、吐出孔の詰まりも生じ難くなる点で好ましい。
−−液柱共鳴液室−−
前記液柱共鳴液室とは、後述する液柱共鳴現象の原理に従い、前記振動発生部によって付与される振動により圧力定在波を形成することができる液室である。
前記液柱共鳴液室の形状、構造、大きさとしては、前記振動により圧力定在波を形成することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記形状としては、例えば、四角柱(長方体)、円柱、円すい台などが挙げられるが、四角柱(長方体)が好ましい。
前記構造としては、例えば、容器のみからなる単層構造、液室本体と表面層とからなる2重構造、積層構造などが挙げられる。
前記液柱共鳴液室を形成する材質としては、例えば、金属、セラミックス、プラスチック、シリコーンなどが挙げられる。これらの中でも、前記樹脂組成液に溶解せず、かつ樹脂組成液の変性を起こさないものが好ましい。
また、前記液柱共鳴液室としては、前記振動発生部による振動の駆動周波数において樹脂組成液の共鳴周波数に影響を与えない程度の高い剛性を持つ材質により形成されたフレームがそれぞれ接合されて形成されたことが好ましい。そのような材質としては、例えば、金属、セラミックス、シリコーンなどが挙げられる。
前記液柱共鳴液室において、前記吐出孔は、圧力定在波の腹となる領域に形成されている(以下、前記液柱共鳴液室において吐出孔が配置された面(壁)を「薄膜」と称することがある)。また、液柱共鳴液室は、長手方向の端部に樹脂組成液供給のための連通口を有してなり、必要に応じて、液柱共鳴液室の長手方向の片端乃至両端における、少なくとも一部に該長手方向の軸と垂直な反射壁面を有する。
ここで、「反射壁面」とは、液体の音波を反射させる程度に硬質な部材、例えば、アルミ、ステンレス等の金属部材、シリコーン等の部材などにより形成された壁面をいう。
図1に示すような、液柱共鳴液室18の長手方向の両端の壁面間の長さLとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述するような液柱共鳴原理に基づいて決定されることが好ましい。また、図2に示すように、液柱共鳴液室18の幅Wとしても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液柱共鳴に余分な周波数を与えないように、前記液柱共鳴液室の長さLの2分の1より小さいことが好ましい。
前記液滴形成手段における前記液柱共鳴液室の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液滴の生産性を飛躍的に向上させるために、1つの液滴形成手段に対して複数配置されることが好ましく、操作性と生産性が両立できる点において、100個〜2,000個がより好ましく、100個〜1,000個がより好ましく、100個〜400個が特に好ましい。
−−吐出孔−−
前記吐出孔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記圧力定在波の腹となる領域の少なくとも1つの領域に、少なくとも1つの吐出孔が配置されることが好ましく、また、1つの液柱共鳴液室に、複数配置されることが好ましい。
前記吐出孔の個数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記液滴形成手段が液柱共鳴型である場合、1つの液柱共鳴液室に形成された吐出孔の個数としては、1つでも構わないが、複数個配置することが生産性の観点から好ましく、2個〜100個が好ましく、4個〜60個がより好ましく、4個〜20個が特に好ましい。1つの液柱共鳴液室に形成された吐出孔の個数が、100個を超えると、吐出孔から所望の樹脂組成液の液滴を形成させる場合に、前記振動発生部に与える電圧を高く設定する必要が生じ、前記振動発生部の挙動が不安定となることがある。一方、4個〜20個の場合、圧力定在波が安定し、かつ生産性が保たれる。
更に、前記液滴形成手段が、液柱共鳴型である場合、前記圧力定在波の腹となる領域の少なくとも1つに対して形成された吐出孔の個数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1個〜20個が好ましく、4個〜15個がより好ましく、4個〜10個が特に好ましい。前記吐出孔の個数は多いほど生産性が高くなるが、20個を超えると、吐出孔が密集しすぎ、吐出した液滴が合着して粗大な粒子となって画質に悪影響を及ぼすことがある。
前記吐出孔の開口径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜40μmが好ましく、2μm〜15μmがより好ましく、6μm〜12μmが特に好ましい。前記開口径が、1μm未満であると、形成される液滴が非常に小さくなるため粒子(例えば、トナー)を得ることができない場合がある。また、前記開口径が、40μmを超えると、前記樹脂組成液の液滴の直径が大きく、これを乾燥固化させて所望の粒子径3μm〜6μmを得る場合、有機溶媒で樹脂組成液(例えば、トナー組成液)を非常に希薄な液に希釈する必要がある場合があり、一定量の粒子(例えば、トナー)を得るための乾燥エネルギーが大量に必要となってしまい、不都合となることがある。一方、前記開口径が、6μm〜12μmであると、吐出孔が開口する部材を製造する際に、多数の吐出孔の孔径ばらつきを小さく保つことができ、吐出孔を密集させて生産性を高く保つことができる点で有利である。
なお、前記吐出孔の開口径とは、吐出孔の液滴が吐出される側に位置する開口部の直径であり、真円であれば直径を意味し、楕円、若しくは四角形、六角形、八角形等の多角形乃至正多角形であれば平均径を意味する。
前記吐出孔の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
図7A〜Dに、前記吐出孔の断面形状の一例を示す。図7Aに示す吐出孔は、吐出孔19の接液面から吐出口に向かってラウンド形状を持ちながら開口径が狭くなるような形状を有している。そのため、液柱共鳴液室の吐出孔が形成された薄膜41が振動した際に吐出孔19の出口付近で液にかかる圧力が最大となるため、吐出の安定化に際しては最も好ましい形状である。
図7Bは、吐出孔19の接液面から吐出口に向かって一定の角度を持って開口径が狭くなるようなテーパ角Aを有するテーパ形状を有する。ここで、前記テーパ角とは、吐出孔の開口面(吐出孔の形成面の厚み方向に対して垂直な面)に対する垂線(開口軸)と、前記吐出孔の形成面の厚み方向の断面における、前記吐出孔の断面形状の側面とのなす角度をいう。前記テーパ角Aは、適宜変更することができる。前記図7Aと同様に、前記テーパ角Aによって薄膜41が振動したときの吐出孔19の出口付近で液にかかる圧力を高めることができるが、前記テーパ角の範囲としては、60°〜90°が好ましい。前記テーパ角Aが、60°未満であると、前記樹脂組成液に圧力がかかりにくく、更に薄膜41の加工が難しくなることがある。前記テーパ角Aが、90°である場合は、図7Cが相当する。この場合、吐出孔19の出口に圧力がかかりにくくなることがある。前記テーパ角が、90°を超えると、吐出孔19の出口に圧力がかからなくなり、液滴吐出が非常に不安定化することがある。
図7Dは、図7Aと図7Bとを組み合わせた形状である。このように段階的に形状を変更しても構わない。
また、複数の吐出孔が形成された場合、圧力定在波の腹となる領域の1つにおける前記吐出孔間のピッチ(隣接する吐出孔の中心部間の最短間隔)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以上かつ液柱共鳴液室の長さL以下が好ましく、20μm〜200μmがより好ましく、40μm〜135μmが更に好ましく、40μm〜80μmが特に好ましい。前記吐出孔間のピッチが20μm未満であると、隣り合う吐出孔より放出された液滴同士が衝突して大きな滴となってしまう確率が高くなり、粒子の粒径分布悪化につながることがある。
前記吐出孔間のピッチは、吐出孔間において、全て等間隔であってもよく、少なくとも1つのピッチが異なっていてもよいが、全て等間隔であることが、均一な粒径の粒子を得ることができる点で好ましい。
−−振動発生部−−
前記振動発生部としては、所定の周波数で駆動でき、前記液柱共鳴液室内の前記樹脂組成液に振動を付与できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧電体、超音波振動発生部などが挙げられる。
前記圧電体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックス、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子、水晶、LiNbO、LiTaO、KNbO等の単結晶などの材質から形成された圧電体などが挙げられる。
前記超音波振動発生部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁歪素子などが挙げられる。
これらの中でも、圧電体が好ましい。前記圧電体は、一般に変位量が小さいため積層して使用されることが多い。
前記振動発生部の配置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも1つの吐出孔が形成された前記液柱共鳴液室の一の壁面(長手方向の面)と対面する壁に形成されていることが好ましい。
また、前記振動発生部は、弾性板に貼りあわせた形態であることが好ましく、該弾性板は、振動発生部が接液しないように液柱共鳴液室の壁の一部を形成することが好ましい。
更に、前記振動発生部は、1つの液柱共鳴液室毎に個別に制御できるように配置されることが好ましい。また、液柱共鳴液室の配置にあわせて、弾性板を介してブロック状の圧電体等の振動発生部を配置することが、それぞれの液柱共鳴液室を個別制御できる観点から好ましい。
−−−液滴形成のメカニズム−−−
次に、液柱共鳴型液滴形成手段による液滴形成のメカニズムについて説明する。
前記液柱共鳴液室(例えば、図1の液滴形成手段11内の液柱共鳴液室18)において生じる液柱共鳴現象の原理について説明すると、前記液柱共鳴液室内の前記樹脂組成液の音速をcとし、前記振動発生部(例えば、図1の振動発生部20)から媒質である前記樹脂組成液に与えられた駆動周波数をfとした場合、前記樹脂組成液の共鳴が発生する波長λは、下記式(1)の関係にある。
λ=c/f ・・・式(1)
ここで、前記液柱共鳴液室が、両側固定端の場合、乃至両側固定端と等価である場合、前記液柱共鳴液室の長手方向の両端における反射壁面間の長さを、液柱共鳴液室の長手方向の長さLとする。この場合、長さLが波長λの4分の1の偶数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、下記式(2)で表される。
L=(N/4)λ ・・・式(2)
ただし、Nは、偶数である。
なお、「両側固定端と等価である場合」とは、ある端において圧力の逃げ部がないとみなすことができる場合である。例えば、ある端において反射壁面の高さが、樹脂組成液供給のための連通口の高さの2倍以上である場合、及びある端において反射壁面の面積が、樹脂組成液供給のための連通口の開口部の面積の2倍以上である場合などを指す。
図1において、液柱共鳴液室18の固定端側のフレームの端部から液共通供給路17側の端部までの長さが、長さLに相当する。また、液共通供給路17側のフレームの端部の高さh1(=約80μm)は連通口の高さh2(=約40μm)の約2倍あり当該端部が閉じている両側固定端と等価であるとみなすことができる。
更に、両端が完全に開いている両側開放端の場合にも上記式(2)が成り立つ。
同様にして、片方側が圧力の逃げ部がある開放端と等価で、他方側が閉じている(固定端である)場合、つまり片側固定端の場合、乃至片側開放端の場合には、長さLが波長λの4分の1の奇数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、上記式(2)のNが奇数で表される場合に相当する。なお、両側開放端の場合は、Lが波長の4分の1の偶数倍、片側固定端の場合は、Lが波長の4分の1の奇数倍に相当する。
最も効率の高い駆動周波数fは、上記式(1)及び上記式(2)より、下記式(3)が導かれる。
f=N×c/(4L) ・・・式(3)
ただし、Lは液柱共鳴液室の長手方向の長さを表し、cは樹脂組成液の音波の速度を表し、Nは整数を表す。
したがって、本発明の前記粒子製造装置及び粒子製造方法において、前記樹脂組成液に対して、上記式(3)が成立する周波数fの振動を付与することが好ましい。しかし、実際には、樹脂組成液は、共鳴を減衰させる粘性を持つために無限に振動が増幅されるわけではなく、Q値を持ち、後述する式(4)、式(5)に示すように、前記式(3)に示す最も効率の高い駆動周波数fの近傍の周波数でも共鳴は発生する。
図8A〜DにN=1、2、3の場合の速度及び圧力変動の定在波の形状(共鳴モード)を示し、かつ図9A〜CにN=4、5の場合の速度及び圧力変動の定在波の形状(共鳴モード)を示す。本来は疎密波(縦波)であるが、図8A〜D及び図9A〜Cのように表記することが一般的である。実線が速度定在波(速度分布)、点線が圧力定在波(圧力分布)である。
例えば、N=1の片側固定端の場合を示す図8Aからわかるように、速度定在波の場合、閉口端で速度定在波の振幅がゼロとなり、開口端で振幅が最大となる。
液柱共鳴液室の長手方向の両端の間の長さをLとしたとき、液体が液柱共鳴する波長をλとし、整数Nが1〜5の場合に定在波が最も効率よく発生する。また、両端の開閉状態によっても定在波パターンは異なるため、それらも併記した。後述するが、吐出孔の開口や供給側の開口の状態によって、端部の条件が決まる。
なお、音響学において、開口端とは長手方向の媒質(液)の移動速度がゼロとなる端であり、逆に圧力は極大となる。閉口端においては、逆に媒質の移動速度がゼロとなる端と定義される。閉口端は音響的に硬い壁として考え、波の反射が発生する。理想的に完全に閉口、若しくは開口している場合は、波の重ね合わせによって図8A〜D及び図9A〜Cのような形態の共鳴定在波を生じる。しかし、吐出孔数、吐出孔の開口位置によって定在波パターンは変動し、前記式(3)より求めた位置からずれた位置に共鳴周波数が現れる。その場合、適宜駆動周波数を調整することで安定吐出条件を作り出すことができる。
例えば、液体の音速cが1,200[m/s]、液柱共鳴液室の長さLが1.85[mm]を用い、両端に壁面が存在して、両側固定端と完全に等価のN=2の共鳴モードを用いた場合、前記式(3)より、最も効率の高い共鳴周波数は324kHzと導かれる。他の例では、液体の音速cが1,200[m/s]、液柱共鳴液室の長さLが1.85[mm]と、上記と同じ条件を用い、両端に壁面が存在して、両側固定端と等価のN=4の共鳴モードを用いた場合、前記式(3)より、最も効率の高い共鳴周波数は648kHzと導かれ、同じ構成の液柱共鳴液室においても、より高次の共鳴を利用することができる。
図1に示す液滴形成手段11における液柱共鳴液室18は、両端が閉口端状態と等価であるか、吐出孔の開口の影響で、音響的に軟らかい壁として説明できるような端部であることが周波数を高めるためには好ましいが、それに限らず開放端であってもよい。ここでの吐出孔の開口の影響とは、音響インピーダンスが小さくなり、特にコンプライアンス成分が大きくなることを意味する。よって、図8B及び図9Aのような液柱共鳴液室の長手方向の両端に壁面を形成する構成は、両側固定端の共鳴モード、そして吐出孔側が開口とみなす片側開放端の全ての共鳴モードが利用できるために、好ましい構成である。
また、吐出孔の開口数、開口配置位置、吐出孔の断面形状も駆動周波数を決定する因子となり、駆動周波数はこれに応じて適宜決定することができる。
例えば、吐出孔の数を多くすると、徐々に固定端であった液柱共鳴液室の先端の拘束が緩くなり、ほぼ開口端に近い共鳴定在波が発生し、駆動周波数は高くなる。更に、最も液供給路側に存在する吐出孔の開口配置位置を起点に緩い拘束条件となり、また吐出孔の断面形状がラウンド形状となったりフレームの厚さによる吐出孔の体積が変動したり、実際上の定在波は短波長となり、駆動周波数よりも高くなる。このように決定された駆動周波数で振動発生部に電圧を与えたとき、振動発生部が変形し、駆動周波数にて最も効率よく共鳴定在波を発生する。また、共鳴定在波が最も効率よく発生する駆動周波数の近傍の周波数でも液柱共鳴定在波は発生する。つまり、液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さをL、液供給側の端部に最も近い吐出孔までの距離をLeとしたとき、L及びLeの両方の長さを用いて下記式(4)及び下記式(5)で決定される範囲の駆動周波数fを主成分とした駆動波形を用いて振動発生部を振動させ、液柱共鳴を誘起して液滴を吐出孔から吐出することが可能である。
N×c/(4L)≦f≦N×c/(4Le) ・・・式(4)
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・式(5)
ただし、Lは液柱共鳴液室の長手方向の長さを表し、Leは液供給路側の端部に最も近い吐出孔までの距離を表し、cは樹脂組成液の音波の速度を表し、Nは整数を表す。
なお、液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さLと、液供給側の端部に最も近い吐出孔までの距離Leの比がLe/L>0.6であることが好ましい。
以上説明した液柱共鳴現象の原理を用いて、図1の液柱共鳴液室18において液柱共鳴圧力定在波が形成され、液柱共鳴液室18の一部に配置された吐出孔19において連続的に液滴21の吐出が発生する。なお、定在波の圧力が最も大きく変動する位置に吐出孔19を配置すると、吐出効率が高くなり、低い電圧で駆動することができる点で好ましい。
次に、液滴形成手段における液滴吐出ヘッド内の液柱共鳴液室で生じる液柱共鳴現象の様子について当該様子を示す図10A〜Eを用いて説明する。なお、図10A〜Eにおいて、液柱共鳴液室内に記した実線は、液柱共鳴液室内の固定端側から液共通供給路側の端部までの間の任意の各測定位置における速度をプロットした速度分布を示し、液共通供給路側から液柱共鳴液室への方向を「+」とし、その逆方向を「−」とする。また、液柱共鳴液室内に記した点線は、液柱共鳴液室内の固定端側から液共通供給路側の端部までの間の任意の各測定位置における圧力値をプロットした圧力分布を示し、大気圧に対して正圧を「+」とし、負圧は「−」とする。また、正圧であれば図中の下方向に圧力が加わることになり、負圧であれば図中の上方向に圧力が加わることになる。
更に、図10A〜Eにおいて、上述したように液共通供給路側が開放されているが液共通供給路17と液柱共鳴液室18とが連通する開口の高さ(図1に示す高さh2)に比して固定端となるフレームの高さ(図1に示す高さh1)が約2倍以上である。そのため、液柱共鳴液室18はほぼ両側固定端であるという近似的な条件のもとでの速度分布及び圧力分布の時間的なそれぞれの変化を示している。
図10Aは、液滴吐出時の液柱共鳴液室18内の圧力波形(圧力分布)と速度波形(速度分布)を示している。また、図10Bは、液滴吐出直後の液引き込みを行った後再びメニスカス圧が増加してくる様子を示している。これらの図10A及び図10Bに示すように、液柱共鳴液室18における吐出孔19が設けられている流路内での圧力は、極大となっている。その後、図10Cに示すように、吐出孔19付近の正の圧力は小さくなり、負圧の方向へ移行して液滴21が吐出される。そして、図10Dに示すように、吐出孔19付近の圧力は極小になる。このときから液柱共鳴液室18への樹脂組成液14の充填が始まる。その後、図10Eに示すように、吐出孔19付近の負の圧力は小さくなり、正圧の方向へ移行する。この時点で、樹脂組成液14の充填が終了する。そして、再び、図10Aに示すように、液柱共鳴液室18の液滴吐出領域の正の圧力が極大となって、吐出孔19から液滴21が吐出される。
このように、液柱共鳴液室内には振動発生部の高周波駆動によって液柱共鳴による定在波が発生し、また圧力が最も大きく変動する位置となる液柱共鳴による定在波の腹に相当する液滴吐出領域に吐出孔19が配置されていることから、当該腹の周期に応じて液滴21が吐出孔19から連続的に吐出される。
−樹脂組成液−
前記樹脂組成液は、樹脂と、溶媒とを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記樹脂組成液としては、例えば、少なくとも樹脂を溶媒に溶解又は分散させた樹脂組成液などが挙げられる。
本発明の前記粒子製造装置及び前記粒子製造方法は、トナーの製造装置及びトナーの製造方法としても好適に利用可能である。この場合の前記樹脂組成液は、トナー組成液である。前記樹脂組成液がトナー組成液である場合、該トナー組成液中の前記その他の成分としては、例えば、着色剤、離型剤、帯電調整剤、磁性体、添加剤などが挙げられる。
以下、トナーの製造に特に適した樹脂組成液(トナー組成液)の組成について詳細に説明するが、本発明における樹脂組成液は、トナーを製造するための樹脂組成液に限定されるものではなく、液晶パネルのスペーサー粒子を製造するための樹脂組成液、電子ペーパー用の着色微粒子を製造するための樹脂組成液、医薬品の薬剤担持体を製造するための樹脂組成液であってもよい。
−−樹脂−−
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記溶媒に分散乃至溶解するものであることが好ましく、例えば、結着樹脂などが挙げられる。
前記結着樹脂としては、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等からなるビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステル樹脂を構成するモノマーとしては、例えば、アルコール成分、酸成分などが挙げられる。
前記アルコール成分としては、例えば、2価のアルコール成分、3価以上のアルコール成分などが挙げられる。
前記2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオールなどが挙げられる。
前記3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンなどが挙げられる。
前記酸成分としては、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸などが挙げられる。
前記2価のカルボン酸としては、例えば、べンゼンジカルボン酸又はその無水物、アルキルジカルボン酸又はその無水物、不飽和二塩基酸又はその無水物などが挙げられる。前記べンゼンジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。前記アルキルジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などが挙げられる。前記不飽和二塩基酸としては、例えば、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸などが挙げられる。
前記3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、乃至これらの無水物、部分低級アルキルエステルなどが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂を架橋させるためには、前記3価以上のアルコールや前記3価以上のカルボン酸を併用することが好ましい。その際は、樹脂が溶媒に溶解することを妨げない範囲の少量の添加量とする必要がある。
前記結着樹脂が前記ポリエステル樹脂の場合は、その分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ分析)による分子量分布で、分子量3,000〜50,000の領域に少なくとも1つのピークが存在するのが、トナーの定着性、耐ホットオフセット性の点で好ましい。また、テトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量としては、100,000以下の成分が60%〜100%となるような結着樹脂が吐出性の面から好ましく、分子量5,000〜20,000の領域に少なくとも1つのピークが存在する結着樹脂がより好ましい。
前記結着樹脂が前記ポリエステル樹脂の場合、その酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1mgKOH/g〜100mgKOH/gが好ましく、0.1mgKOH/g〜70mgKOH/gがより好ましく、0.1mgKOH/g〜50mgKOH/gが特に好ましい。
なお、本発明において、前記樹脂の酸価は、JIS K−0070に準じて測定したものである。
−−溶媒−−
前記溶媒としては、前記樹脂を溶解乃至分散し得る限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液滴形成手段、又は前記液滴形成工程で形成された液滴(吐出孔から気相に吐出された液滴)は、前記粒子形成手段、又は前記粒子形成工程で乾燥されることから、容易に乾燥できる溶媒が好ましい。
このような溶媒としては、沸点が100℃以下のものが、乾燥速度が速い点で好ましい。
前記沸点が100℃以下の溶媒としては、例えば、エーテル類、ケトン類、エステル類、芳香族炭化水素類、アルコール類などが挙げられる。前記エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)などが挙げられる。前記ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。前記エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。前記芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレンなどが挙げられる。前記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、トルエン、キシレンが好ましい。
−−着色剤−−
前記着色剤としては、特に制限はなく、従来公知の顔料、染料などを使用することができる。
前記樹脂組成液における前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、得られるトナーに対して、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂(マスターバッチ用樹脂)と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。前記マスターバッチは、一般的に、顔料と前記マスターバッチ用樹脂と混合物に高せん断をかけることで、該マスターバッチ用樹脂中に該顔料を硬度に分散させたものである。したがって、前記顔料の充分な分散が得られていれば、前記マスターバッチを用いなくてもよい。
前記マスターバッチ用樹脂としては、特に制限はなく、従来公知のものを使用することができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
前記マスターバッチの使用量としては、前記結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましい。
前記マスターバッチ製造時に顔料の分散性を高めるために分散剤を用いてもよい。前記分散剤は、顔料分散性の点で、結着樹脂との相溶性が高いことが好ましく、従来公知のものを用いることができる。
前記分散剤の市販品の具体例としては、例えば、商品名で、アジスパーPB821、アジスパーPB822(以上、味の素ファインテクノ株式会社製)、Disperbyk−2001(ビックケミー株式会社製)、EFKA(登録商標)−4010(EFKA社製)などが挙げられる。
前記分散剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記着色剤に対して、0.1質量%〜10質量%が好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、顔料分散性が不十分となることがあり、10質量%を超えると、高湿下での帯電性が低下することがある。
−−離型剤−−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ワックスが好ましい。
前記ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族炭化水素系ワックス、脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、脂肪酸エステルを主成分とするものなどが挙げられる。また、前記脂肪酸エステルの一部又は全部を脱酸化したものを用いることもできる。前記脂肪族炭化水素系ワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどが挙げられる。前記脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物としては、例えば、酸化ポリエチレンワックスなどが挙げられる。前記植物系ワックスとしては、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうなどが挙げられる。前記動物系ワックスとしては、例えば、みつろう、ラノリン、鯨ろうなどが挙げられる。前記鉱物系ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セレシン、ペテロラタムなどが挙げられる。前記脂肪酸エステルを主成分とするものとしては、例えば、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性と耐ホットオフセット性のバランスを取る点で、70℃〜140℃が好ましく、70℃〜120℃がより好ましい。前記融点が、70℃未満であると、耐ブロッキング性が低下することがあり、140℃を超えると、耐ホットオフセット効果が発現しにくくなることがある。
なお、本明細書では、DSC(示差走査熱量測定)で測定される前記離型剤の吸熱ピークの最大ピークのピークトップの温度を前記離型剤の融点とする。
前記DSCは、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行う。DSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/分間で、昇温させた時に測定されるものを用いる。
前記樹脂組成液における前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対して、0.2質量部〜20質量部が好ましく、0.5質量部〜10質量部がより好ましい。
−−添加剤−−
前記添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記樹脂組成液(トナー組成液)には、例えば、静電潜像担持体やキャリアの保護、クリーニング性の向上、熱特性・電気特性・物理特性の調整、抵抗調整、軟化点調整、定着率向上等を目的として、各種金属石けん、フッ素系界面活性剤、フタル酸ジオクチル、導電性付与剤、無機微粒子などの添加剤を必要に応じて添加することができる。前記無機微粒子は、必要に応じて疎水化してもよい。また、研磨剤、ケーキング防止剤、更に、トナー粒子と逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子とを、添加剤の1種である現像性向上剤として少量用いることもできる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、無機微粒子が好ましい。
これらの添加剤は、帯電量コントロール等の目的で表面処理剤により表面処理が施されたものであってもよい。前記添加剤に表面処理が施されていると、疎水性を上げ、高湿度下においても添加剤自身の劣化を防止することができる点で有利である。
前記表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、官能基を有するシランカップリング剤、有機ケイ素化合物、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンワニス、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記添加剤の1次粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。
また、前記添加剤のBET法による比表面積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20m/g〜500m/gが好ましい。
前記添加剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記粒子がトナーとして用いられる場合、該トナーに対して、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.01質量%〜2.0質量%がより好ましい。
前記樹脂組成液中の固形分濃度としては、前記液滴が形成できる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、溶液粘度、液の音速、液の表面張力などの物性の変化が少ない方が、吐出条件を大きく変える必要がないため好ましく、30質量%以下がより好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。前記固形分濃度が、5質量%未満であると、前記粒子形成工程において、乾燥エネルギー等が増大して、生産面での効率が低下することがあり、20質量%を超えると、吐出条件を大きく変える必要があるため、安定して均一な液滴形成ができないことがある。
<粒子形成手段、及び粒子形成工程>
前記粒子形成手段としては、前記液滴を気流中で乾燥させて固化し、粒子を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記粒子形成工程としては、前記液滴を気流中で乾燥させて固化し、粒子を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記粒子形成手段を用いて行うことが好ましい。
前記液滴を気流(以下、「搬送気流」と称することがある。)中で乾燥させて固化する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記液滴形成手段により液滴を吐出孔の外に吐出後、該液滴を気流で搬送しながら乾燥させる、即ち、液滴を気流で搬送しながら液滴中の溶媒を気流中で揮発させる方法などが挙げられる。
前記気流の速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液滴及び液滴が乾燥した粒子の自由落下速度よりも速いことが好ましい。
前記気流に用いる気体の雰囲気(温度、蒸気圧、気体の種類等)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記気体の種類としては、例えば、空気、窒素等の不燃性気体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記気相には、前記液滴を搬送する搬送気流が流れている。
噴射された液滴同士が乾燥前に接触すると、液滴同士が合体し、1つの粒子になってしまう(以下この現象を「合着」と呼ぶことがある)。均一な粒径分布の固化粒子を得るためには、噴射された液滴同士の距離を保つ必要がある。しかし、噴射された液滴は、一定の初速度を持っているが、空気抵抗により、やがて失速する。失速した粒子には後から噴射された液滴が追いついてしまい、結果として合着する。この現象は、定常的に発生するため、この粒子を捕集すると粒径分布はひどく悪化することとなる。合着を防ぐためには液滴の速度低下をなくし、液滴同士を接触させないように搬送気流によって合着を防ぎながら、液滴を固化させつつ搬送することが好ましい。そこで、前記搬送気流によって、粒子捕集手段まで固化粒子を運ぶことが、製造効率がよい点で好ましい。
なお、前記液滴が乾燥して得られる粒子は、固体状態を維持し得る限り、完全に乾燥された状態でなくてもよい。生産性を高めるためには、捕集可能な最低限の乾燥状態で捕集し、溶媒蒸気量の多い搬送気流から分離した状態で更に乾燥させることで、粒子乾燥の時間を抑えることができる。この場合、前記粒子が捕集された後、更に後述する2次乾燥工程が行われることが好ましい。
<粒子捕集手段、及び粒子捕集工程>
前記粒子捕集手段としては、固化された前記粒子を気相中から捕集する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サイクロン捕集手段、バックフィルターなどが挙げられる。サイクロン捕集手段と、バックフィルターとは、併用してもよい。
固化された前記粒子は、軟化しやすい。そのため、サイクロン捕集手段と、バックフィルターとを併用する場合には、前段にサイクロン捕集手段、後段にバックフィルターを用いることで、バックフィルターで粒子が軟化した場合のフィルター詰りを抑制しやすく、且つサイクロン捕集手段で捕集しきれない極微量の極小粒子の通過を確実に抑制し、大気への放出を抑制できる。
前記粒子捕集工程としては、前記粒子形成工程の後に行われる工程であり、固化された前記粒子を気相中から捕集する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記粒子捕集手段により行うことが好ましい。
<気流温度低下手段、及び気流温度低下工程>
前記気流温度低下手段としては、前記粒子捕集手段に流入する気流の温度を低下させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱交換器、溶媒吐出手段が好ましい。
前記気流温度低下工程としては、前記粒子捕集手段に流入する気流の温度を低下させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱交換器を用いて行われることが好ましい。また、前記気流温度低下工程としては、溶媒吐出工程であることが好ましい。
前記粒子捕集手段に流入する気流の温度、即ち固化粒子の温度(固化粒子の温度は気流の温度とほぼ同じである)が、固化粒子の軟化温度よりも高いと、粒子同士が付着した状態で固化することとなり、捕集直前まで単分散に近い粒径分布の粒子が生成できていたとしても、捕集部で粒径分布が大幅に広くなることになる。また、前記粒子捕集手段に流入する固化粒子はわずかに溶媒を含んだ状態であることがある。このため、固化粒子の軟化温度は、粒子を構成する樹脂及びその他の原材料の軟化温度よりも低下していることが多い。特に、製造される粒子がトナーの場合、電子写真システムの運転中の消費電力を抑えるために、前記粒子は低い軟化温度に設計される傾向にあり、固化粒子の軟化温度が低下する傾向が顕著となる。
粒子の捕集を安定して行うことが困難なことは、粒子の生産性を高めることにも起因している。前記液滴形成工程により形成された液滴は、前記粒子形成工程での温度が高く、滞在時間が長いほど乾燥して固化が進行する。滞在時間は装置の大きさと風量の設定で決まってしまうため、温度、即ち搬送気流の温度は、高い生産性を確保するためには、なるべく高い温度に設定する必要がある。一方で、前記液滴形成工程は前述のように常に安定したものではなく、吐出孔に詰まりなどが生じて経時で樹脂組成液の吐出量が減少すると、気流中で液滴から溶媒が蒸発する際の、蒸発潜熱が低下する。このため、前記粒子捕集手段に流入する気流の温度は常に上がる傾向がある。前記粒子捕集手段に流入する気流の温度が上がると、前記粒子捕集手段内で粒子が固着しやすくなる。
したがって、粒子の生産性を高めるためには、液滴を高い温度で乾燥することが好ましいが、そうすると前記粒子捕集手段内での粒子の固着してしまう。そのため、2律背反な状況で生産工程を成立させるという厳しい条件が要求される。
これらを改善するためには、前記粒子捕集手段に流入する、粒子を含む気流の温度を下げることで対処できることを本発明者らは見出した。そのための手段が、前記気流温度低下手段である。そのための工程が、前記気流温度低下工程である。
−熱交換器−
前記熱交換器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィン式熱交換器、多管式熱交換器などが挙げられる。これらの中でも、熱交換器への固化粒子の付着が生じることを防ぎやすい点で、多管式熱交換器が好ましい。フィン式熱交換器では、固化粒子の付着が顕著に発生することがある。
前記多管式熱交換器の管数は多いほど熱交換の効果が大きいが、先に述べたように管内への固化粒子の付着が懸念される場合は、管数を減らすことが好ましい。更には単管式として粒子捕集手段に導かれる気流路の周囲に冷媒を通すものであってもよい。
前記熱交換器に用いる冷媒としては、液体あってもよいし気体であってもよい。ただし、冷媒の温度が気流の溶媒濃度の露点を下回ると、熱交換器表面に溶媒が結露し、結露した溶媒に固化粒子が付着し、固化粒子が付着又は溶融する恐れがある。このため、前記熱交換器へ供給される冷媒の温度は、前記粒子形成手段又は前記粒子形成工程で発生した溶媒蒸気の露点よりも高いことが好ましい。前記熱交換器へ供給される冷媒の温度は、気流温度の制御範囲が狭ければ露点に近いことがより好ましく、やや高いことが特に好ましい。実際には制御幅も考慮すると、前記熱交換器へ供給される冷媒の温度は、前記粒子形成手段又は前記粒子形成工程で発生した溶媒蒸気の露点よりも5℃以上高いことが好ましい。冷媒の温度は運転中に条件にあわせて変化させてもよいし、運転条件から計算できる露点以上の温度で固定してもよい。
前記熱交換器によって冷却された後の気流の温度は、前記粒子捕集手段又は前記粒子捕集工程で捕集される粒子の軟化温度よりも低いことが、前記粒子捕集手段での粒子同士の固着発生防止の点から好ましく、軟化温度よりも10℃以上低いとより一層の効果がある。
−溶媒吐出手段、及び溶媒吐出工程−
前記溶媒吐出手段としては、溶媒を吐出する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記溶媒吐出工程としては、溶媒を吐出する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記溶媒吐出手段により行うことが好ましい。
前記溶媒吐出手段は、溶媒を吐出する1流体ノズルを有することが好ましい。
前記溶媒吐出手段は、溶媒を吐出する回転部材を有することが好ましい。前記回転部材としては、例えば、回転型アトマイザなどが挙げられる。前記1流体ノズル及び前記回転部材は、気流を用いずに前記溶媒を吐出できる点で好ましい。
吐出された前記溶媒は、液滴を形成することが好ましい。
前記溶媒吐出手段を設置する位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液滴形成手段の近傍が好ましい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、沸点が100℃以下のものが、蒸発速度が速い点で好ましい。
前記沸点が100℃以下の溶媒としては、例えば、エーテル類、ケトン類、エステル類、芳香族炭化水素類、アルコール類などが挙げられる。前記エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)などが挙げられる。前記ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。前記エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。前記芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレンなどが挙げられる。前記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、トルエン、キシレンが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒は、前記樹脂組成液中の溶媒と同じ溶媒であることが好ましい。前記樹脂組成液が複数の溶媒を含有している場合には、前記溶媒は、前記複数の溶媒と同じ溶媒であることがより好ましい。前記樹脂組成液中の溶媒が複数種類である場合には、前記溶媒は、前記樹脂組成液中の溶媒と同じ種類、及び同じ組成比であることが特に好ましい。
<吐出量計測手段、及び吐出量計測工程>
前記吐出量計測手段としては、前記液滴形成手段から吐出する前記樹脂組成液の吐出量を計測する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流量計、液量計などが挙げられる。
前記流量計は、例えば、吐出孔へ供給される樹脂組成液の量を計測することで、吐出量を計測する。前記流量計は、例えば、前記液滴形成手段に樹脂組成液を供給する液供給管に設置される。前記流量計としては、市販品を用いることができ、例えば、コリオリ式流量計(株式会社キーエンス製、FD−SF1)などが挙げられる。
前記液量計は、例えば、吐出孔へ供給される樹脂組成液を収容している原料収容器内の樹脂組成液の液量を計測することで、吐出量を計測する。
前記吐出量計測工程としては、前記液滴形成工程において吐出する前記樹脂組成液の吐出量を計測する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記吐出量計測手段を用いて行うことが好ましい。
<吐出量調整手段、及び吐出量調整工程>
前記吐出量調整手段としては、前記吐出量計測手段の計測結果に基づいて、前記溶媒吐出手段から吐出する前記溶媒の吐出量を調整する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポンプなどが挙げられる。
前記吐出量調整工程としては、前記吐出量計測工程の計測結果に基づいて、前記溶媒吐出工程において吐出する前記溶媒の吐出量を調整する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記吐出量調整手段を用いて行うことが好ましい。
前記吐出量調整手段は、前記吐出量計測手段の計測結果に基づいて、前記液滴形成手段から吐出する前記樹脂組成液中の溶媒の量と、前記溶媒吐出手段から吐出する前記溶媒の量との合計量を一定にするように、前記溶媒吐出手段から吐出する前記溶媒の吐出量を調整する手段であることが好ましい。そうすることにより、前記吐出孔の詰まりなどにより前記樹脂組成液の吐出量が変動した場合でも、前記粒子形成手段内で前記液滴を乾燥する際の溶媒の量が一定となる。そうすると、前記溶媒の蒸発潜熱の量が一定となり、粒子の製造中の気流の温度変化も一定となり、前記粒子形成手段においてより安定して液滴を乾燥させることができる。
前記吐出量調整工程は、前記吐出量計測工程の計測結果に基づいて、前記液滴形成工程において吐出する前記樹脂組成液中の溶媒の量と、前記溶媒吐出工程において吐出する前記溶媒の量との合計量を一定にするように、前記溶媒吐出工程において吐出する前記溶媒の吐出量を調整する工程であることが好ましい。そうすることにより、前記吐出孔の詰まりなどにより前記樹脂組成液の吐出量が変動した場合でも、前記粒子形成工程において前記液滴を乾燥する際の溶媒の量が一定となる。そうすると、前記溶媒の蒸発潜熱の量が一定となり、粒子の製造中の気流の温度変化も一定となり、前記粒子形成工程においてより安定して液滴を乾燥させることができる。
前記合計量を一定にするとは、本発明の効果が得られる範囲であれば、経時で合計量に変動があってもよく、例えば、合計量が±10質量%の範囲で変動してもよい。
<その他の手段、及びその他の工程>
前記その他の手段としては、例えば、2次乾燥手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、2次乾燥工程などが挙げられる。
−2次乾燥手段、及び2次乾燥工程−
前記2次乾燥手段としては、前記粒子形成工程で形成された前記粒子を更に乾燥させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動床乾燥装置、真空乾燥装置などが挙げられる。
前記2次乾燥工程としては、前記粒子形成工程で形成された前記粒子を更に乾燥させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記2次乾燥手段により行うことが好ましい。
前記粒子がトナー粒子である場合には、前記粒子形成工程で形成された粒子中に含まれる(残存する)溶媒含有量が多いと、耐熱保存性、定着性、帯電特性等のトナー特性が経時で変動するだけでなく、加熱による定着時において溶媒が揮発するため、使用者及び周辺機器へ悪影響を及ぼす可能性が高まる。したがって、前記2次乾燥工程により、前記粒子中の溶媒を低減させることが好ましい。
製造される粒子が二次電池正極材料用粒子のように樹脂成分を含まない粒子の場合には、前記樹脂組成液から粒子を作製後(前記粒子形成工程後)、又は前記粒子形成工程の際に、樹脂成分を熱分解する加熱処理を行うことにより、樹脂成分を熱分解して、二次電池正極材料用粒子を得ることができる。
前記加熱処理における加熱温度としては、前記樹脂組成液に含まれる樹脂成分を熱分解できる温度であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<吐出量と気流の温度との関係>
一部の吐出孔が詰まるなどして経時的に不吐出となり、樹脂組成液の吐出量が低下してゆくと、前記粒子形成手段又は前記粒子形成工程において揮発する溶媒の量が減る。前記溶媒が揮発する際には蒸発潜熱を気流から奪うため、搬送気流排出口65(図4参照)の気流の温度は搬送気流導入口64(図4参照)の温度よりも低くなる。そして、乾燥させる溶媒の量が経時で減ると、搬送気流排出口の気流の温度は経時で高くなってくる。
そこで、樹脂組成液の吐出量が減少した場合の前記粒子形成手段又は前記粒子形成工程における気流の温度及び粒子の温度を計算した。
例えば、以下の捕集条件1とした場合を考える。
搬送気流導入口64(図4参照)の気流量:60m/時間
気流の気体の種類:窒素ガス
搬送気流導入口における気流の温度:75℃
樹脂組成液の固形分濃度:10質量%
樹脂組成液の溶媒種:酢酸エチル
溶媒の蒸発潜熱:368.6J/g
(参考文献:溶剤ハンドブック、浅原昭三他編、p.569)
製造される粒子の平均粒子径:6.0μm
粒子の比重:1.2g/cm
液滴形成手段:液柱共鳴型(図1、及び図2参照)
液滴形成ユニットの吐出孔の数:5,120個
吐出の際の周波数:330kHz
吐出量(吐出孔に詰まりがない場合):8,255g/時間
吐出量に占める溶媒量:7,430g/時間
気流に占める酢酸エチル(溶媒)蒸気量(計算値):3.9Vol%
気流中の酢酸エチル(溶媒)の露点(計算値):2.5℃
搬送気流導入口64から搬送気流排出口65までの距離:3,000mm
上記条件で、10質量%の溶媒を残して乾燥した粒子を得たとすると、溶媒の蒸発潜熱によって気流の温度は低下し、搬送気流排出口65における気流の温度は29℃になる(46℃低下)計算結果になる。
<<露点の計算>>
露点とは、蒸気を含む空気を冷却したとき、凝結が始まる温度をいう。前記粒子捕集手段に流入する気流には、前記粒子形成手段、及び前記粒子形成工程で液滴から揮発した溶媒蒸気が含まれているため、上記補集条件などにおいては、露点を計算し、又は予測することができる。
具体的な測定方法や計算方法は化学便覧や化学工学便覧等に記載があるが、例えば、下記の方法で計算が可能である。上記の事例を参考にしながら示す。
まず、上記の補集条件1において気流を構成する物質量を計算する(搬送気流(補集条件1では窒素ガス)の物質量の計算)。
理想気体と仮定して、気体の状態方程式 PV=nRTを適用する。
ここで、
P:大気圧として101,325[単位:Pa]
V:体積として60[単位:m
n:気体のモル数[単位:mol]
R:気体定数 8.314[単位:Pa・m・K−1・mol−1
T:温度[単位:K]
従って、n=(10,1325×60/8.314/(273.15+75))
≒2,100mol
揮発した溶媒蒸気の物質量の計算
7,430gの酢エチルのモル数:酢酸エチルの分子量を88.1とすれば、
n=(7,430/88.1)≒84.3mol
酢酸エチルの蒸気圧Psは溶媒容積/(N+溶媒容積)×760mmHgで計算できる。ここで容積はmol数と一致するため、下式のようになる。
Ps=84.3/(2,100+84.3)×760=29.3[mmHg]
次にアントワンの式(下記数式)を用いて飽和蒸気圧p[単位:mmHg]となる気流温度を計算する。この温度が露点に相当する。下記数式のTは気温[単位:K]であり、これが露点に相当する。
ここでA、B、Cは、物質と蒸気圧と温度の単位に依存する定数であり、アントワン定数という。例として酢酸エチル蒸気の場合では、アントワン係数がA=7.0146、B=1211.90、C=216.00となる。アントワン係数は、例えば、文献(化学工学便覧、六改訂版、P18−42)に記載がある。
従って露点Tは、2.5℃と計算できる。
一方、捕集条件1において、全吐出孔の30%が吐出停止した場合を捕集条件2として計算してみる。
搬送気流導入口64の条件はそのままであったとすると、同様に計算で見積もると搬送気流排出口65の気流の温度は41℃になる(34℃低下)計算結果になる。
このように、樹脂組成液の吐出量が経時で減少すると、それに合わせて気流の温度低下が小さくなる。そのため、経時での乾燥が安定しなくなる。
また、上述したように、固化した粒子の温度は、搬送気流排出口65の気流の温度とほぼ一致するため、捕集条件2の場合、固化した粒子は、捕集条件1よりも温度が高い状態で固化して粒子捕集手段62(図4参照)に到達する。仮に固化した粒子の軟化温度が約37℃であったとすると、捕集条件1では、捕集された固化した粒子の温度は軟化温度を下回るために、粒子は固い状態を維持できる。そのため、固化した粒子はそのまま捕集できる(図11参照)。しかし、捕集条件2では、固化した粒子の温度は軟化温度を上回るために、粒子は軟化状態で捕集される。補修された粒子は、粒子同士が接触する確率が格段に上がるために、固化した粒子同士が接着し、ぶどう状の粒子(図12、及び図13参照)が発生し、粒径分布が悪化してしまう不具合を生じる。一旦ぶどう状の粒子となると、これを解くのは非常に困難である。参考としてぶどう状の粒子を含む場合の粒径分布を図14に、含まない場合の粒径分布を図15に示す。図14と図15の粒径分布を比較すると、ぶどう状粒子が粒径分布を大きく悪化させていることがわかる。
前記粒子製造装置、及び前記粒子製造方法を用いると、樹脂組成液の吐出量が変動(減少)しても、気流温度低下手段及び気流温度低下工程により、粒子捕集手段及び粒子捕集工程において安定して粒子の捕集を行うことができる。その結果、粒子同士の合着を防止し、狭い粒径分布を有する粒子を製造できる。
例えば、前記熱交換器により、粒子捕集手段に流入する気流の温度を所望の温度にすることができる。そうすることで、粒子捕集手段及び粒子捕集工程において安定して粒子の捕集を行うことができる。
例えば、前記溶媒吐出手段及び前記溶媒吐出工程により、前記粒子形成手段及び前記粒子形成工程における溶媒の合計量を調整することができる。そのため、蒸発潜熱の量を制御でき、気流の温度変化を安定させ、安定した液滴の乾燥を行うことができる。そうすることで、粒子捕集手段及び粒子捕集工程において安定して粒子の捕集を行うことができる。
以下、液柱共鳴法を利用した本発明の粒子製造装置及び粒子製造方法の一例を説明する。
図4は、本発明の粒子製造装置の全体の一例を示す概略断面図であり、主に、液滴形成ユニット111、気流温度低下手段である溶媒吐出手段32、粒子形成手段60、及び粒子捕集手段62を有する。
液柱共鳴法において、液滴形成手段11は、図1に示す、吐出孔19によって外部と連通する液吐出領域を有する液柱共鳴液室を有する。前記液柱共鳴液室は、前記メカニズムにより液柱共鳴定在波が発生する液柱共鳴液室18内の樹脂組成液14を液滴21として吐出孔19から吐出する。液滴形成手段11は、液柱共鳴液室が複数配列された液滴形成ユニット111を構成する。
まず、図4を用いて、液滴形成手段11(液滴形成ユニット111)への樹脂組成液14の送液形態の一例について説明する。
粒子製造装置1は、原料収容器13に収容されている樹脂組成液14を、液供給管16を通して液循環ポンプ15により圧送し、液滴形成手段11に供給する。更に樹脂組成液14は、液滴形成手段11から液戻り管42を通って原料収容器13に戻る。
液滴形成手段11は、図1に示すように、液共通供給路17及び液柱共鳴液室18を有する液柱共鳴液滴形成手段である。液柱共鳴液室18は、長手方向の両端の壁面のうち一方の壁面に設けられた液共通供給路17と連通されている。また、液柱共鳴液室18は、両端の壁面と連結する壁面のうち一つの壁面にトナー液滴21を吐出する吐出孔19と、吐出孔19と対向する壁面に設けられ、かつ液柱共鳴定在波を形成するために高周波振動を発生する振動発生部20とを有している。なお、振動発生部20には、図示していない高周波電源が接続されている。
液柱共鳴液室18内には、吐出孔19が少なくとも1つ、好ましくは複数形成されている。吐出孔19は、液柱共鳴液室18内の幅方向に設けることが、吐出孔19の開口を多数設けることができ、よって生産効率が高くなるために好ましい。なお、吐出孔19の開口配置によって液柱共鳴周波数が変動するため、液柱共鳴周波数は液滴の吐出を確認して適宜決定することが望ましい。
また、液滴形成手段11における振動発生部20としては、所定の周波数で駆動できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、圧電体を、弾性板に貼りあわせた形態が好ましい。前記弾性板は、前記圧電体が接液しないように液柱共鳴液室の壁の一部を形成している。
なお、吐出孔19の断面形状は、吐出方向に向かって一定の角度をもって開口径が狭くなるような形状として記載されているが、適宜断面形状を変更することができる。
次に、液柱共鳴法による液滴形成について概説する。
図4に示す原料収容器13に収容されている樹脂組成液14は、当該樹脂組成液14を循環させるための液循環ポンプ15によって液供給管16を通って、図1に示す液共通供給路17内に流入し、液柱共鳴液室18に供給される。そして、樹脂組成液14が充填されている液柱共鳴液室18内には、振動発生部20によって発生する液柱共鳴定在波により圧力分布が形成される。そして、液柱共鳴定在波において振幅の大きな部分であって圧力変動が大きい、圧力定在波の腹となる領域に配置されている吐出孔19から液滴21が吐出される。
液滴形成手段11への送液圧力及び、粒子形成手段60内の圧力は、液圧力計P1及び粒子形成手段60内の圧力計P2によって管理される。このとき、P1>P2の関係であると、樹脂組成液14が吐出孔から染み出す恐れがあり、P1<P2の場合には液滴形成手段11に気体が入り、吐出が停止する恐れがあるため、P1≒P2があることが望ましい。
液共通供給路17を通過した樹脂組成液14は、図4に示す液戻り管42を流れて原料収容器13に戻される。液滴21の吐出によって液柱共鳴液室18内の樹脂組成液14の量が減少すると、液柱共鳴液室18内の液柱共鳴定在波の作用による吸引力が作用し、液共通供給路17から供給される樹脂組成液14の流量が増加し、液柱共鳴液室18内に樹脂組成液14が補充される。そして、液柱共鳴液室18内に樹脂組成液14が補充されると、液共通供給路17を通過する樹脂組成液14の流量が元に戻り、液供給管16及び液戻り管42には装置内を循環する樹脂組成液14の流れが再び形成された状態となる。
なお、図1、及び図3に示すように、前記液滴形成工程において液滴形成手段11から吐出した樹脂組成液14の液滴21は、気流通路12内に、図示していない搬送気流発生手段によって発生する搬送気流101が通ることにより、図4に示す粒子形成手段60側に流出される。
液滴形成ユニット111(液滴形成手段11)により形成された液滴21は、粒子形成手段60のチャンバー61内を落下する。その際、液滴21は、チャンバー61の上部の搬送気流導入口64から送られる搬送気流101に乗って落下し、搬送気流排出口65に到達するまでに搬送気流中で乾燥される。
粒子の製造開始時には、液滴形成ユニット111からは所望の吐出量の樹脂組成液14が吐出されているが、吐出孔の詰まりなどにより経時で樹脂組成液14の吐出量は減少する。その際には、溶媒収容器35に収容されている溶媒36が、吐出量調整手段である溶媒ポンプ34及び溶媒供給管33を介して液滴形成ユニット111に隣接した溶媒吐出手段32に送られる。そして、溶媒吐出手段32から溶媒36が吐出され溶媒36からなる溶媒液滴31が形成される。そうすることにより、樹脂組成液14の吐出量の減少に伴う液滴21中の溶媒の蒸発潜熱の減少を、溶媒36により形成された溶媒液滴31の蒸発潜熱が補完し、蒸発潜熱による気流の温度変化が安定する。その結果、搬送気流排出口65における粒子の温度が、粒子の製造全般にわたって安定する。
搬送気流排出口65における気流の温度は、樹脂組成液を乾燥して得られる粒子の軟化温度より低い温度であることが好ましく、前記粒子の軟化温度よりも5℃以上低い温度であることがより好ましい。そうすることにより、捕集時の粒子同士の合着を高いレベルで防止できる。
搬送気流排出口65に到達した粒子は、粒子捕集手段62によって捕集され、粒子貯留部63に貯留される。
溶媒吐出手段32からの溶媒36の吐出量は、樹脂組成液14の吐出量に応じて制御されることが好ましい。
図4の粒子製造装置では、樹脂組成液14の吐出量をモニターするために、吐出量計測手段を備えている。吐出量計測手段は、液供給管16に備えられた液量計4A及び液戻り管42に備えられた液量計4Bからなり、液供給管16から液滴形成ユニット111に送られた樹脂組成液14の量と、液滴形成ユニット111から液戻り管42に戻ってきた樹脂組成液14の量とから、液滴形成ユニット111における樹脂組成液14の吐出量を計測する。
吐出量計測手段により計測された樹脂組成液14の吐出量の情報は、図示しない制御手段に送られる。前記制御手段は、吐出量調整手段である溶媒ポンプ34を制御し、溶媒吐出手段32から吐出される溶媒36の吐出量が調整される。そうすることにより、気流の温度変化はより安定する。
好ましくは、液滴形成ユニット111から吐出する樹脂組成液14中の溶媒の量と、溶媒吐出手段32から吐出する溶媒36の量との合計量を一定にするように、溶媒吐出手段32から吐出する溶媒36の吐出量を調整する。
例えば、前記吐出量計測手段により計測される樹脂組成液14の吐出量が、本来吐出すべき吐出量に対して不足している場合、前記制御手段は、樹脂組成液14中の溶媒量を考慮して、液滴形成工程における不足溶媒量を算出する。算出の頻度は、一定時間ごとでもよいし、連続でもよいが、連続であることが好ましい。そして、前記制御手段は、算出された不足溶媒量の溶媒を吐出するよう溶媒ポンプ34を調整し、前記不足溶媒量に相当する溶媒36を、溶媒吐出手段32から吐出させる。
そうすることにより、気流の温度変化はより一層安定する。
なお、吐出量計測手段は、図5に示すように、原料収容器13に接続され、原料収容器13に収容された樹脂組成液14の液量を計測する液量計4Cであってもよい。
また、図6は、本発明の粒子製造装置の他の一例を示す断面概略図である。図6の粒子製造装置においては、気流温度低下手段として、図4及び5における溶媒吐出手段32に代えて、熱交換器70が用いられている。
前述のとおり、粒子の製造開始時には、液滴形成ユニット111からは所望の吐出量の樹脂組成液14が吐出されているが、吐出孔の詰まりなどにより経時で樹脂組成液14の吐出量は減少する。その際には、搬送気流排出口65の気流温度の上昇が生じるが、その後、熱交換器70を通過することによって、気流に含まれる溶媒蒸気が結露しない温度まで気流温度が低下する。熱交換器70には、冷凍機71により温調された冷媒72(予め計算された気流中の溶媒蒸気の露点より高い温度の冷媒)が通じており、熱交換器70で気流と冷媒とが熱交換することによって気流温度が安定する。その結果、粒子捕集手段62に流入する温度が溶媒の結露を発生することなく低下することで、粒子捕集手段62での粒子同士の付着を低減することができ、粒子の捕集を安定して行うことができる。
粒子捕集手段62に流入する気流の温度は、樹脂組成液14を乾燥して得られる粒子の軟化温度より低い温度であることが好ましく、前記粒子の軟化温度よりも5℃以上低い温度であることがより好ましい。そうすることにより、粒子捕集手段62での粒子同士の合着を高いレベルで防止できる。
粒子捕集手段62で捕集された固化粒子は、図示されていない粒子貯留部に貯留される。また、固化粒子は、必要に応じて図示されない2次乾燥手段によって追加乾燥される。
本発明の粒子製造装置、及び粒子製造方法は、電子写真用のトナー、液晶パネルのスペーサー粒子、電子ペーパー用の着色微粒子、二次電池や燃料電池の電極材料用粒子、医薬品の薬剤担持体など様々な粒子の製造に利用可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下実施例に何ら限定されるものではなお。「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。ただし、実施例3を参考例に読み替える。
<体積平均粒径、及び個数平均粒径>
フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用したトナーの体積平均粒径、及び個数平均粒径の測定方法に関して以下に説明する。
フロー式粒子像分析装置による測定は、シスメックス株式会社製のFPIA−3000を用いて測定した。
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10−3cmの水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10mLを用意した。そこへ、ノニオン系界面活性剤(和光純薬工業株式会社製、コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器(STM社製、UH−50)で20kHz,50W/10cmの条件で1分間分散処理を行った。更に、合計5分間の分散処理を行い、測定試料の粒子濃度が4,000個/10−3cm〜8,000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を得た。それを用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定した。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させた。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着されている。試料分散液が流れている間に、フローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔でストロボ光を照射した。その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影された。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出した。
約1分間で、1,200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06μm〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。
(製造例)
<樹脂組成液(トナー組成液)の製造>
−着色剤分散液の調製−
先ず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。
カーボンブラック(RegaL400、Cabot社製)17部、及び顔料分散剤3部を、酢酸エチル80部に添加し、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。該顔料分散剤としては、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ株式会社製)を使用した。得られた一次分散液を、ビーズミル(アシザワファインテック社製LMZ型、ジルコニアビーズ直径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、5μm以上の凝集体を完全に除去した二次分散液(着色剤分散液)を得た。
−ワックス分散液の調製−
次にワックス分散液を調製した。
カルナバワックス(東亜化成株式会社製:WA−03)18部、及びワックス分散剤2部を、酢酸エチル80質量部に添加し、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。この一次分散液を攪拌しながら80℃まで昇温しカルナバワックスを溶解した後、室温まで液温を下げ最大径が3μm以下となるようワックス粒子を析出させた。ワックス分散剤としては、ポリエチレンワックスにスチレン−アクリル酸ブチル共重合体をグラフト化したものを使用した。得られた分散液を、更にビーズミル(アシザワファインテック社製LMZ型、ジルコニアビーズ直径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、最大径が1μm以下なるよう調整し、ワックス分散液を得た。
−溶解乃至分散液の調製−
次に、結着樹脂としての樹脂、前記着色剤分散液及び前記ワックス分散液を添加した下記組成からなるトナー組成液を調製した。
結着樹脂としてのポリエステル樹脂100部(ガラス転移温度:60.5℃、重量平均分子量:Mw=35,000)、前記着色剤分散液30部、及び前記ワックス分散液30部を、酢酸エチル840部に添加し、攪拌羽を有するミキサーを使用して10分間攪拌を行い、均一に分散させた。溶媒希釈によるショックで顔料やワックス粒子が凝集することはなかった。
なお、前記トナー組成液を噴霧・乾燥し、捕集部で得られるトナーの軟化温度は、35℃であった。これはトナーの重量に対して約5%の溶媒を含んでいるためと考えられる。なお、40℃、72時間送風下における2次乾燥で完全に溶媒を除去した場合の軟化温度は約60℃であった。
(実施例1)
<気流温度低下手段としての溶媒吐出手段を用いた粒子製造装置>
図5に示す粒子製造装置を用いた。装置の詳細は以下の通りである。
・粒子形成手段60:内径400mm、高さ3,000mm、円筒形で垂直に固定され、上端部及び下端部が絞られているチャンバー61を有する。
・搬送気流導入口64:内径50mm
・搬送気流排出口65:内径50mm
・液滴形成手段11:チャンバー61内上端より下端側へ300mmのチャンバー61の中央に配置。液柱共鳴液室が100個集積した液滴形成ユニット。
・溶媒吐出手段32:液滴形成ユニット111の横、50mm上方に配置。1流体ノズル(スプレーイングシステムズ社製、HB−VV型)を使用。
・溶媒吐出手段から吐出する溶媒:酢酸エチル
・搬送気流101:窒素ガス、気流速度10.0m/s、気流温度75℃(搬送気流排出口65における条件)
<<液柱共鳴型液滴形成手段>>
液滴形成手段11内の液柱共鳴液室18の模式図を図10Aに示す。液柱共鳴液室18の長手方向の両端間の長さLが1.85mm、N=2の共鳴モードであって、第1から第4の吐出孔が、N=2の共鳴モードの圧力定在波の腹の位置に配置されたものを用いた。駆動信号発生源(図示しない)には、ファンクションジェネレーター(WF1973、株式会社エヌエフ回路設計ブロック製)を用い、ポリエチレンで被覆したリード線で振動発生部20に接続した。この時の駆動周波数は、液共鳴周波数に合わせて330kHzとなる。液滴形成ユニット111の吐出孔の数は5,120個で、開孔径14μmとした。
以下の捕集条件とした。
搬送気流導入口64(図5参照)の気流量:60m/時間
気流の気体の種類:窒素ガス
搬送気流導入口における気流の温度:75℃
トナー組成液の固形分濃度:10質量%
トナー組成液の溶媒種:酢酸エチル
溶媒の蒸発潜熱:368.6J/g
(参考文献:溶剤ハンドブック、浅原昭三他編、p.569)
製造されるトナーの平均粒子径:6.0μm
トナーの比重:1.2g/cm
液滴形成手段:液柱共鳴型(図1、及び図2参照)
液滴形成ユニットの吐出孔の数:5,120個
吐出の際の周波数:330kHz
吐出量(吐出孔に詰まりがない場合):8,255g/時間
吐出量に占める溶媒量:7,430g/時間
搬送気流導入口64から搬送気流排出口65までの距離:3,000mm
なお、上記条件で、10質量%の溶媒を残して乾燥した粒子を得たとすると、溶媒の蒸発潜熱によって気流の温度は低下し、搬送気流排出口65における気流の温度は29℃になる(46℃低下)計算結果になる。
<トナーの製造>
搬送気流導入口64から窒素ガスを所定の量、及び温度でチャンバー61内に供給した。
次に、液滴形成手段11からトナー組成液を吐出する前に、溶媒吐出手段32から、トナー組成液の溶媒である酢酸エチルを吐出させ、チャンバー内の温度を安定化させた。このときの酢酸エチルの吐出量は、予め、液滴形成手段11から吐出されるトナー組成液中の溶媒量に相当する量とした。このとき、粒子捕集手段であるサイクロン入り口(搬送気流排出口65)の温度は31℃であった。
その後、液滴吐出手段からトナー組成液を1時間吐出させ、チャンバー61内で、トナー組成液から形成される液滴を乾燥させた。そして、得られたトナー粒子を、サイクロン捕集機で捕集した。
液滴形成手段11からトナー組成液を吐出させている間は、溶媒吐出手段32からは液滴形成ユニット111へのトナー組成液の送液量の初期値に対する低下量(即ちトナー組成液の吐出量の減少量)における溶媒量に相当する溶媒を吐出させた。1時間の吐出後、液滴形成ユニット111から吐出されるトナー組成液の量は初期値の約31%まで減少していたが、サイクロン入り口(搬送気流排出口65)の温度は31℃でほぼ一定であった。
粒子貯留部63よりトナーを取り出し、実施例1のトナーを得た。
このトナーの粒径分布をフロー式粒子像解析装置(シスメックス株式会社製、FPIA−3000)で前述の測定条件にて測定した。これを3回繰り返したところ、体積平均粒径(Dv)の平均は6.3μm、個数平均粒径(Dn)の平均は6.0μmであり、Dv/Dnの平均は1.05であった。トナーの収率は95%であった。5%の未回収分はチャンバー61への付着と考えられる。
(実施例2)
<気流温度低下手段としての溶媒吐出手段を用いた粒子製造装置>
実施例1において、溶媒吐出手段32を、回転型アトマイザ(PR−015K、株式会社プリス製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーを製造した。
1時間の吐出後、液滴形成ユニット111から吐出されるトナー組成液の量は初期値の約33%まで減少していたが、粒子捕集手段であるサイクロン入り口(搬送気流排出口65)の温度は31℃でほぼ一定であった。
得られたトナーの体積平均粒径(Dv)の平均は6.3μm、個数平均粒径(Dn)の平均は6.0μmであり、Dv/Dnの平均は1.05であった。トナーの収率は95%であった。5%の未回収分は乾燥流路への付着と考えられる。
(比較例1)
溶媒吐出手段32を用いず、溶媒36の吐出を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、トナーを製造した。
1時間の吐出後、液滴形成ユニット111から吐出されるトナー組成液の量は初期値の約33%まで減少していた。サイクロン入り口(搬送気流排出口65)の温度は、吐出初期は65℃に達していたが、液滴形成ユニット111からのトナー組成液の吐出に伴って気流の温度は低下し、36℃まで低下した。しかし、その後、42℃まで上昇し、非常に不安定であった。
得られたトナーの体積平均粒径(Dv)の平均は7.3μm、個数平均粒径(Dn)の平均は6.0μmであり、Dv/Dnの平均は1.22であった。なお、サイクロンにはトナーが半溶融状態で固着しており、トナーの収率は22%であった。
ここで、実施例1のトナーの製造について、吐出時間を横軸にし、トナー組成液の吐出量、溶媒吐出手段からの溶媒の吐出量、及び搬送気流排出口65における気流の温度を縦軸にしたグラフを図16に示す。
実施例2のトナーの製造について、吐出時間を横軸にし、トナー組成液の吐出量、溶媒吐出手段からの溶媒の吐出量、及び搬送気流排出口65における気流の温度を縦軸にしたグラフを図17に示す。
比較例1のトナーの製造について、吐出時間を横軸にし、トナー組成液の吐出量、及び搬送気流排出口65における気流の温度を縦軸にしたグラフを図18に示す。
なお、図16〜図18のグラフの吐出量は、積算値である。
以上の結果から、本発明の実施例1、及び2は、比較例1よりも、気流の温度に変化がなく、液滴の乾燥を安定して行うことができ、そのため粒子の捕集を安定して行うことができ、粒子同士の合着を防止し、狭い粒径分布を有する粒子を製造できることが確認できた。
(実施例3)
<気流温度低下手段としての熱交換器を用いた粒子製造装置>
図6に示す粒子製造装置を用いた。装置の詳細は以下の通りである。
・粒子形成手段60:内径400mm、高さ3,000mm、円筒形で垂直に固定され、上端部及び下端部が絞られているチャンバー61を有する。
・搬送気流導入口64:内径50mm
・搬送気流排出口65:内径50mm
・液滴形成手段11:チャンバー61内上端より下端側へ300mmのチャンバー61の中央に配置。液柱共鳴液室が100個集積した液滴形成ユニット。
・搬送気流101:窒素ガス、気流速度10.0m/s、気流温度75℃(搬送気流排出口65における条件)
<<液柱共鳴型液滴形成手段>>
液滴形成手段11内の液柱共鳴液室18の模式図を図10Aに示す。液柱共鳴液室18の長手方向の両端間の長さLが1.85mm、N=2の共鳴モードであって、第1から第4の吐出孔が、N=2の共鳴モードの圧力定在波の腹の位置に配置されたものを用いた。駆動信号発生源(図示しない)には、ファンクションジェネレーター(WF1973、株式会社エヌエフ回路設計ブロック製)を用い、ポリエチレンで被覆したリード線で振動発生部20に接続した。この時の駆動周波数は、液共鳴周波数に合わせて330kHzとなる。液滴形成ユニット111の吐出孔の数は5,120個で、開孔径14μmとした。
以下の捕集条件とした。
搬送気流導入口64(図6参照)の気流量:60m/時間
気流の気体の種類:窒素ガス
搬送気流導入口における気流の温度:75℃
トナー組成液の固形分濃度:10質量%
トナー組成液の溶媒種:酢酸エチル
溶媒の蒸発潜熱:368.6J/g
(参考文献:溶剤ハンドブック、浅原昭三他編、p.569)
製造されるトナーの平均粒子径:6.0μm
トナーの比重:1.2g/cm
液滴形成手段:液柱共鳴型(図1、及び図2参照)
液滴形成ユニットの吐出孔の数:5,120個
吐出の際の周波数:330kHz
吐出量(吐出孔に詰まりがない場合):8,255g/時間
吐出量に占める溶媒量:7,430g/時間
気流に占める酢酸エチル(溶媒)蒸気量(計算値):3.9Vol%
気流中の酢酸エチル(溶媒)の露点(計算値):2.5℃
冷媒の種類・温度・流量:水、8℃、0.36m/hr
搬送気流導入口64から搬送気流排出口65までの距離:3,000mm
<<熱交換器>>
熱交換器の配管の形状:管内径16mm×1,000mm×4本(肉厚1.0mm)を内径70mmの管に通すもの。
熱交換器の配管の材質SUS304。
固化粒子を含む気流は、管内径16mmの配管4本に均等に分割されて流れ、その周囲を上記に示した8℃の水(冷媒)が通過することで熱交換される。
<<粒子捕集手段>>
固化粒子捕集部の形状:サイクロン、突入口20mm(水平方向)×50mm(鉛直方向)、円管内径70mm、絞り35mm、高さ350mm、出口口径30mm、ダストボックス形状80mm×110mmとした。
なお、上記条件で、10質量%の溶媒を残して乾燥した粒子を得たとすると、溶媒の蒸発潜熱によって気流の温度は低下し、搬送気流排出口65における気流の温度は29℃になる(46℃低下)計算結果になる。
<トナーの製造>
搬送気流導入口64から窒素ガスを所定の量、及び温度でチャンバー61内に供給した。
次に、液滴形成手段11からトナー組成液を吐出する前に、液滴形成手段11から、トナー組成液の溶媒である酢酸エチルを吐出させ、チャンバー内の温度を安定化させた。このときの酢酸エチルの吐出量は、予め、液滴形成手段11から吐出されるトナー組成液中の溶媒量に相当する量とした。このとき、粒子捕集手段であるサイクロン入り口(搬送気流排出口65)の温度は31℃であった。この気流は気流温度低下手段である熱交換器を通過し、粒子捕集手段での入り口温度は11℃であった。
その後、液滴吐出手段から吐出していた酢酸エチルをトナー組成液に切り替えて1時間吐出させ、チャンバー61内で、トナー組成液から形成される液滴を乾燥させた。そして、得られたトナー粒子を、粒子捕集手段であるサイクロンで捕集した。
液滴形成手段11から1時間の吐出後、液滴形成ユニット111から吐出されるトナー組成液の量は徐々に減少して初期値の約31%まで減少していた。この結果、トナー組成液の溶媒揮発による蒸発潜熱の減少によって、粒子捕集手段であるサイクロン手前の温度は初期の11℃から14℃まで上昇していた。一方、トナー組成液を噴霧・乾燥し、固化粒子捕集部で得られるトナーの軟化温度は、35℃であった。これはトナーの重量に対して約5質量%の溶媒を含んでいるためと考えられる。このため、粒子捕集手段での粒子温度は軟化温度に対して充分に低い温度を保っていたといえる。
なお、この捕集したトナーを2次乾燥(40℃、72時間送風下に放置)して実施例3のトナーを得た。2次乾燥によって完全に溶媒を除去した場合のトナーの軟化温度は60℃であった。
このトナーの粒径分布をフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製、FPIA−3000)で前述の測定条件にて測定した。これを3回繰り返したところ、体積平均粒径(Dv)の平均は6.3μm、個数平均粒径(Dn)の平均は6.0μmであり、Dv/Dnの平均は1.05であった。トナーの収率は95%であった。5%の未回収分はチャンバー61への付着と考えられる。
(比較例2)
熱交換器70を用いなかった以外は、実施例3と同様にして、トナーを製造した。
1時間の吐出後、液滴形成ユニット111から吐出されるトナー組成液の量は初期値の約33%まで減少していた。サイクロン入り口(搬送気流排出口65)の温度は、吐出初期は42℃に達しており、粒子捕集手段62の入り口温度も同様に42℃まで上昇していた。このようにして得た固化粒子の軟化温度は、35℃であった。これはトナーの重量に対して約5質量%の溶媒を含んでいるためと考えられる。このため、粒子捕集手段での粒子温度は軟化温度に対して高かったといえる。
得られたトナーの体積平均粒径(Dv)の平均は7.6μm、個数平均粒径(Dn)の平均は6.1μmであり、Dv/Dnの平均は1.25であった。なお、サイクロンにはトナーが半溶融状態で固着しており、トナーの収率は22%であった。
以上の結果から、本発明の実施例3は、比較例2よりも、粒子捕集手段に流入する気流の温度が低く、粒子の捕集を安定して行うことができ粒子同士の合着を防止し、狭い粒径分布を有する粒子を製造できることが確認できた。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 少なくとも1つの吐出孔を有し、該吐出孔から、樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成液を吐出させ、液滴を形成する液滴形成手段と、
前記液滴を気流中で乾燥させて固化し、粒子を形成する粒子形成手段と、
固化された前記粒子を気相中から捕集する粒子捕集手段と、
前記粒子捕集手段に流入する気流の温度を低下させる気流温度低下手段とを有することを特徴とする粒子製造装置である。
<2> 気流温度低下手段が、熱交換器である前記<1>に記載の粒子製造装置である。
<3> 熱交換器へ供給される冷媒の温度が、粒子形成手段で発生した溶媒蒸気の露点よりも高い前記<2>に記載の粒子製造装置である。
<4> 熱交換器によって冷却された後の気流の温度が、粒子捕集手段で捕集される粒子の軟化温度よりも低い前記<2>から<3>のいずれかに記載の粒子製造装置である。
<5> 熱交換器が、多管式熱交換器である前記<2>から<4>のいずれかに記載の粒子製造装置である。
<6> 気流温度低下手段が、溶媒を吐出する溶媒吐出手段である前記<1>に記載の粒子製造装置である。
<7> 液滴形成手段から吐出する樹脂組成液の吐出量を計測する吐出量計測手段と、
前記吐出量計測手段の計測結果に基づいて、溶媒吐出手段から吐出する溶媒の吐出量を調整する吐出量調整手段とを有する前記<6>に記載の粒子製造装置である。
<8> 吐出量調整手段が、吐出量計測手段の計測結果に基づいて、液滴形成手段から吐出する樹脂組成液中の溶媒の量と、溶媒吐出手段から吐出する溶媒の量との合計量を一定にするように、溶媒吐出手段から吐出する溶媒の吐出量を調整する前記<7>に記載の粒子製造装置である。
<9> 溶媒吐出手段が吐出する溶媒と、樹脂組成液中の溶媒とが、同じ溶媒である前記<6>から<8>のいずれかに記載の粒子製造装置である。
<10> 溶媒吐出手段が、溶媒を吐出する1流体ノズルを有する前記<6>から<9>のいずれかに記載の粒子製造装置である。
<11> 溶媒吐出手段が、溶媒を吐出する回転部材を有する前記<6>から<9>のいずれかに記載の粒子製造装置である。
<12> 少なくとも1つの吐出孔から、樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成液を吐出させ、液滴を形成する液滴形成工程と、
前記液滴を気流中で乾燥させて固化し、粒子を形成する粒子形成工程と、
固化された前記粒子を気相中から捕集する粒子捕集手段を用いて、固化された前記粒子を気相中から捕集する粒子捕集工程と、
前記粒子捕集手段に流入する気流の温度を低下させる気流温度低下工程とを含むことを特徴とする粒子製造方法である。
<13> 気流温度低下工程が、熱交換器を用いて行われる前記<12>に記載の粒子製造方法である。
<14> 熱交換器へ供給される冷媒の温度が、粒子形成工程で発生した溶媒蒸気の露点よりも高い前記<13>に記載の粒子製造方法である。
<15> 熱交換器によって冷却された後の気流の温度が、粒子捕集工程で捕集される粒子の軟化温度よりも低い前記<13>から<14>のいずれかに記載の粒子製造方法である。
<16> 熱交換器が、多管式熱交換器である前記<13>から<15>のいずれかに記載の粒子製造方法である。
<17> 気流温度低下工程が、溶媒を吐出する溶媒吐出工程である前記<12>に記載の粒子製造方法である。
<18> 液滴形成工程において吐出する樹脂組成液の吐出量を計測する吐出量計測工程と、
前記吐出量計測工程の計測結果に基づいて、溶媒吐出工程において吐出する溶媒の吐出量を調整する吐出量調整工程とを含む前記<17>に記載の粒子製造方法である。
<19> 吐出量調整工程が、吐出量計測工程の計測結果に基づいて、液滴形成工程において吐出する樹脂組成液中の溶媒の量と、溶媒吐出工程において吐出する溶媒の量との合計量を一定にするように、溶媒吐出工程において吐出する溶媒の吐出量を調整する前記<18>に記載の粒子製造方法である。
<20> 溶媒吐出工程において吐出する溶媒と、樹脂組成液中の溶媒とが、同じ溶媒である前記<17>から<19>のいずれかに記載の粒子製造方法である。
<21> 溶媒吐出工程において、溶媒が1流体ノズルから吐出される前記<17>から<20>のいずれかに記載の粒子製造方法である。
<22> 溶媒吐出工程において、溶媒が回転部材から吐出される前記<17>から<20>のいずれかに記載の粒子製造方法である。
1 粒子製造装置
11 液滴形成手段
14 樹脂組成液
19 吐出孔
21 液滴
32 溶媒吐出手段
36 溶媒
60 粒子形成手段
70 熱交換器
101 搬送気流
特許第3786034号公報 特許第3786035号公報 特開昭57−201248号公報 特開2006−293320号公報

Claims (8)

  1. 少なくとも1つの吐出孔を有し、該吐出孔から、樹脂及び第1の溶媒を含有する樹脂組成液を吐出させ、液滴を形成する液滴形成手段と、
    前記液滴を気流中で乾燥させて固化し、粒子を形成する粒子形成手段と、
    固化された前記粒子を気相中から捕集する粒子捕集手段と、
    前記粒子捕集手段に流入する気流の温度を低下させる気流温度低下手段とを有し、
    前記気流温度低下手段が、第2の溶媒を吐出する溶媒吐出手段であり、
    前記溶媒吐出手段が、1流体ノズルまたは回転部材を有し、前記液滴形成手段の近傍に第2の溶媒を吐出するものであることを特徴とする粒子製造装置。
  2. 液滴形成手段から吐出する樹脂組成液の吐出量を計測する吐出量計測手段と、
    前記吐出量計測手段の計測結果に基づいて、溶媒吐出手段から吐出する第2の溶媒の吐出量を調整する吐出量調整手段とを有する請求項1に記載の粒子製造装置。
  3. 吐出量調整手段が、吐出量計測手段の計測結果に基づいて、液滴形成手段から吐出する樹脂組成液中の第1の溶媒の量と、溶媒吐出手段から吐出する第2の溶媒の量との合計量を一定にするように、溶媒吐出手段から吐出する第2の溶媒の吐出量を調整する請求項2に記載の粒子製造装置。
  4. 溶媒吐出手段が吐出する第1の溶媒と、樹脂組成液中の第2の溶媒とが、同じ溶媒である請求項1から3のいずれかに記載の粒子製造装置。
  5. 液滴形成手段を用いて、少なくとも1つの吐出孔から、樹脂及び第1の溶媒を含有する樹脂組成液を吐出させ、液滴を形成する液滴形成工程と、
    前記液滴を気流中で乾燥させて固化し、粒子を形成する粒子形成工程と、
    固化された前記粒子を気相中から捕集する粒子捕集手段を用いて、固化された前記粒子を気相中から捕集する粒子捕集工程と、
    前記粒子捕集手段に流入する気流の温度を低下させる気流温度低下工程とを含み、
    前記気流温度低下工程において、第2の溶媒を吐出する溶媒吐出手段を用い
    前記溶媒吐出手段が、1流体ノズルまたは回転部材を有し、前記液滴形成手段の近傍に前記第2の溶媒を吐出するものであることを特徴とする粒子製造方法。
  6. 液滴形成工程において吐出する樹脂組成液の吐出量を計測する吐出量計測工程と、
    前記吐出量計測工程の計測結果に基づいて、溶媒吐出工程において吐出する第2の溶媒の吐出量を調整する吐出量調整工程とを含む請求項5に記載の粒子製造方法。
  7. 吐出量調整工程が、吐出量計測工程の計測結果に基づいて、液滴形成工程において吐出する樹脂組成液中の第1の溶媒の量と、溶媒吐出工程において吐出する第2の溶媒の量との合計量を一定にするように、溶媒吐出工程において吐出する第2の溶媒の吐出量を調整する請求項6に記載の粒子製造方法。
  8. 溶媒吐出工程において吐出する第2の溶媒と、樹脂組成液中の第1の溶媒とが、同じ溶媒である請求項5から7のいずれかに記載の粒子製造方法。
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