JP6016078B2 - 微粒子製造方法 - Google Patents
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Description
本実施形態のトナー製造方法は、液滴が固化するとトナー粒子(微粒子)となるトナー成分液(微粒子成分含有液)を液滴吐出装置へ補充しながら、液滴吐出装置の吐出孔からトナー成分液の液滴を吐出する吐出動作を継続して行い、吐出した液滴を固化させることによりトナー粒子を得るものである。
本実施形態の液滴吐出部11は液柱共鳴液室18を備えており、この液柱共鳴液室18は、長手方向(図中左右方向)両端の側壁部のうち一方の側壁部(開口側壁部)に設けられた連通路を介して液共通供給路17へと連通している。また、液柱共鳴液室18は、長手方向両端の側壁部間を連結する壁部のうち1つの壁部(図中下側の底壁部)に液滴21を吐出する複数の吐出孔19を備えている。また、液柱共鳴液室18における吐出孔19と対向する上壁部側には、液柱共鳴定在波を形成するために高周波振動を発生させる振動発生手段20が設けられている。この振動発生手段20は、図示しない高周波電源に接続されている。
本実施形態において、液滴吐出部11から吐出される液体は、製造対象である微粒子の成分が溶解又は分散された状態の微粒子成分含有液である。本実施形態は、トナーを製造する例であるため、この微粒子成分含有液をトナー成分液と記して説明する。トナー成分液14は、図示しない液循環ポンプにより液供給管を通って、液柱共鳴液滴形成ユニット10の液共通供給路17内に流入し、各液滴吐出部11の液柱共鳴液室18へと補充される。
1[μm]より小さいと、形成される液滴が非常に小さくなるため、トナーを得ることができない場合がある。特に、トナーの構成成分として顔料などの固形微粒子が含有されている場合には、この固形微粒子が吐出孔19を閉塞させるおそれがあり、トナーの生産性を低下させるおそれがある。一方、40[μm]より大きい場合、液滴の直径が大きいため、これを乾燥固化させて、3[μm]以上6[μm]以下のトナー粒子径を得ようとすると、有機溶媒でトナー組成を非常に希薄な液に希釈する必要がある。この場合、一定量のトナーを得るために乾燥エネルギーが大量に必要となってしまい、不都合となる。
本実施形態においては、吐出孔19の断面形状が、図1に示すように、出口側に向けて径が小さくなるようなテーパー形状である場合を例示しているが、この断面形状は適宜選択することができる。
図3(a)に示す吐出孔19の断面形状は、吐出孔19の入口側から出口側に向かってラウンド形状(湾曲形状)を持ちながら径が狭くなる断面形状である。この断面形状は、吐出孔19が形成される液柱共鳴液室18の底壁部を構成する吐出孔用薄膜41が振動した際、吐出孔19の出口付近で液にかかる圧力が最大となるため、吐出の安定化に際して好ましい形状である。
図3(b)に示す吐出孔19の断面形状は、吐出孔19の入口側から出口側に向かって一定の角度を持って径が狭くなるようなテーパー形状をもった断面形状であり、本実施形態が採用しているものである。この断面形状においては、テーパー形状となっていることで、図3(a)に示した断面形状のものと同様、吐出孔用薄膜41が振動したときの吐出孔19の出口付近で液にかかる圧力を高めることができる。テーパー角24は適宜変更することができるが60°よりも大きく90°以下の範囲であるのが好ましい。ノズル角度24が60°以下の場合、液に圧力がかかりにくく、さらに薄膜41の加工も困難となるからである。一方、ノズル角度24が90°である場合、図3(c)に示したような断面形状となるが、吐出孔19の出口付近に圧力がかかりにくくなるので、テーパー角24の好適な角度範囲としては90°が最大値となる。テーパー角24が90°よりも大きいと、吐出孔19の出口付近に圧力がかからなくなるため、液滴吐出が非常に不安定化する。
図3(d)に示す吐出孔19の断面形状は、図3(a)に示した断面形状と図3(c)に示した断面形状とを組み合わせた形状である。このように段階的に断面形状を変更しても構わない。
まず、図1に示した液滴吐出部11内の液柱共鳴液室18において生じる液柱共鳴現象の原理について説明する。
液柱共鳴液室内のトナー成分液の音速を「c」とし、振動発生手段20から媒質であるトナー成分液に与えられた駆動周波数を「f」とすると、液体の共鳴が発生する波長λは、下記の式(1)より算出することができる。
λ = c/f ・・・(1)
L = (N/4)×λ ・・・(2)
f = N×c/(4L) ・・・(3)
ただし、図4(a)は、N=1の場合であって、液柱共鳴液室18の長手方向両端部の一方が開放された状態で、他方が閉じた状態である場合の例であり、図4(b)は、N=2の場合であって、液柱共鳴液室18の長手方向両端部がいずれも閉じた状態である場合の例であり、図4(c)は、N=2の場合であって、液柱共鳴液室18の長手方向両端部がいずれも開放された状態である場合の例であり、図4(d)は、N=3の場合であって、液柱共鳴液室18の長手方向両端部の一方が開放された状態で、他方が閉じた状態である場合の例である。
ただし、図5(a)は、N=4の場合であって、液柱共鳴液室18の長手方向両端部がいずれも閉じた状態である場合の例であり、図5(b)は、N=4の場合であって、液柱共鳴液室18の長手方向両端部がいずれも開放された状態である場合の例であり、図5(c)は、N=5の場合であって、液柱共鳴液室18の長手方向両端部の一方が開放された状態で、他方が閉じた状態である場合の例である。
N×c/(4L) ≦ f ≦ N×c/(4Le) ・・・(4)
N×c/(4L) ≦ f ≦ (N+1)×c/(4Le) ・・・(5)
図6(a)〜(d)は、液柱共鳴液室18で生じる液柱共鳴現象の様子を模式的に表した説明図である。
図6における液柱共鳴液室18内に記した実線は、液柱共鳴液室18の長手方向の任意の測定位置における速度をプロットして得た速度分布を示すものであり、図中左側の閉口側壁部側から図中右側の開口側壁部へ向かう方向をプラスとし、その逆方向をマイナスとしている。また、図6における液柱共鳴液室18内に記した点線は、液柱共鳴液室18の長手方向の任意の測定位置における圧力値をプロットして得た圧力分布を示すものであり、大気圧に対して正圧をプラスとし、負圧をマイナスとしている。
本実施形態においては、液滴吐出部11の吐出孔19に初期充填する液体として、トナー成分液14ではなく、これよりもトナー成分含有濃度の低い又はトナー成分含有濃度がゼロである初期液を用いる(S1)。例えば、この初期液として、トナー成分含有濃度がゼロである液体、すなわち、トナー成分液14からトナー成分を除去した溶媒のみからなる液体を用いる場合、吐出孔19内の液体(初期液)は、蒸発(乾燥)が起きても粘度が変わらないか、又は、増粘したとしてもトナー成分液14の場合よりも増粘速度が遅い。よって、トナー成分液14を吐出孔19に初期充填する場合よりも、吐出動作開始時点における吐出孔19の出口を覆う液体の粘度が低く抑えられ、また、吐出孔19が乾燥固化により閉塞される事態も起きにくい。これは、初期液として、トナー成分液14よりもトナー成分含有濃度の低い低濃度トナー成分液を用いる場合でも同様である。
第1の方法は、トナー成分液14の補充を受ける液滴吐出部11の補充箇所から初期液を入れて液滴吐出部11内の液柱共鳴液室18を初期液で満たし、液柱共鳴液室18の吐出孔19に初期液を導入する方法である。この方法は、図8に示すような3方向ストップコック23を利用することで簡単に実現できる。具体的には、3方向ストップコック23を液柱共鳴液滴形成ユニット10の液共通供給路17に設置する。そして、初期導入時には、3方向ストップコック23の入口を、初期液が貯留された初期液タンクに連通している初期液供給流路に接続して、初期液を液共通供給路17から液柱共鳴液室18へと導入する。その後、3方向ストップコック23の入口の接続を、トナー成分液14が貯留されたトナー成分液タンクに連通しているトナー成分液供給流路へ切り替えて、吐出動作を開始する。これにより、導入された初期液が順次吐出されることに伴い、トナー成分液が液共通供給路17から液柱共鳴液室18へと徐々に補充され、初期液に続いてトナー成分液14が吐出されるようになる。なお、この方法においては、3方向ストップコック23の入口を切り替える際に気体が入り込まないようにすることに注意を要する。
吐出された液滴を固化させる方法は、トナー成分液14の性状次第で適用できる方法が変わってくるが、基本的にはトナー成分液14の液滴を固体状態にできる方法であれば、どのような方法でもよい。例えば、トナー成分液14が、揮発可能な溶媒中にトナー成分を溶解または分散させたものであれば、吐出されたトナー成分液14の液滴を搬送気流中で乾燥させ、溶媒成分を揮発させればよい。溶媒の乾燥にあたっては、液滴が放出される気体の温度や蒸気圧、気体の種類などを適宜選定して、乾燥状態を調整することができる。また、気体中で完全に乾燥しなくても、捕集された粒子が固体状態を維持できていれば、捕集後に別工程で追加乾燥させても構わない。そのほか、温度変化や化学的反応等によって液滴を固化させる方法を採用してもよい。
このトナー製造装置は、主に、上述した液柱共鳴液滴形成ユニット10と、乾燥捕集ユニット60と、トナー成分液補充ユニット30とから構成されている。
本実施形態で製造するトナーは、少なくとも樹脂、着色剤およびワックスを含有し、必要に応じて、帯電調整剤、添加剤およびその他の成分を含有する。
トナー成分液は上述したトナー成分が溶媒に溶解又は分散させた液体状態であるか、または吐出させる条件下で液体であれば溶媒を含まなくてもよく、トナー成分の一部またはすべてが溶融した状態で混合され液体状態を呈しているものである。トナー材料としては、上記のトナー成分液を調整することができれば、公知の電子写真用トナーと同じ物が使用できる。このようなトナー成分液を液柱共鳴液滴形成ユニット10から微小液滴となるように吐出し、その微小液滴を乾燥固化したものを固化粒子捕集手段62で捕集することで、目的とするトナー粒子を作製する。
上記結着樹脂としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等のビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂、などが挙げられる。
結着樹脂のGPC(ゲルパーメンテーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、分子量3千〜5万の領域に少なくとも1つのピークが存在するのが、トナーの定着性、耐オフセット性の点で好ましく、また、THF可溶分としては、分子量10万以下の成分が60〜100[%]となるような結着樹脂も好ましく、分子量5千〜2万の領域に少なくとも1つのピークが存在する結着樹脂がより好ましい。結着樹脂の酸価が0.1〜50[mgKOH/g]を有する樹脂を60[質量%]以上有するものが好ましい。
本実施形態において、トナー組成物の結着樹脂成分の酸価は、JIS K−0070に準じて測定したものである。
上記着色剤の含有量としては、トナーに対して1〜15[質量%]が好ましく、3〜10[質量%]がより好ましい。本実施形態に係るトナーで用いる着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチは顔料を予め分散させるためのものであり、顔料の充分な分散が得られていれば用いなくても良い。マスターバッチは一般的に顔料と樹脂とを高せん断をかけることで樹脂中に顔料を硬度に分散させたものである。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、従来公知のものを使用することができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
ワックスとしては、特に制限はなく、通常使用されるものを適宜選択して使用することができ、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう等の植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスの等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、などが挙げられる。
以下、本発明の一実施例について説明する。
本実施例で使用したトナー成分液の処方を以下に示す。なお、液滴吐出条件は、上述した実施形態で説明した通りである。
まず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。カーボンブラック(RegaL400:Cabot社製)17質量部、顔料分散剤3質量部を、酢酸エチル80質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用して一次分散させた。この顔料分散剤としては、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製)を使用した。得られた一次分散液を、ビーズミル(アシザワファインテック社製LMZ型、ジルコニアビーズ径0.3[mm])を用いて強力なせん断力により細かく分散し、5[μm]以上の凝集体を完全に除去した二次分散液を調製した。
本実施例の液柱共鳴液滴形成ユニット10において、液柱共鳴液室18の長手方向両端間の長さLは1.85[mm]、N=2の共鳴モードであって、当該長手方向に沿って並んだ第1〜第4の吐出孔19がN=2モードでの圧力定在波の腹の位置に配置されている。駆動信号発生源は、NF社ファンクションジェネレーターWF1973を用い、ポリエチレン被覆のリード線で振動発生手段20に接続した。駆動周波数は液共鳴周波数に合わせて340[kHz]とした。また、振動発生手段20の圧電体20Aとしては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用いた。
この評価では、液滴吐出時の画像をCCDカメラで撮像し、吐出しているチャンネル数(1チャンネル=1液柱共鳴液室18)を撮像画像に基づいて数えた。撮像画像を取得頻度は、吐出動作開始直後の1秒以内、5分後、10分後、20分後、30分後、60分後とした。60分以上の吐出状態は、目標の安定吐出時間をはるかに超えているのと、評価に要する時間が長くなるため、確認していない。したがって、ここでは、安定して60分まで吐出した条件の長期吐出安定性を60分以上と判断している。
(A−2)28[kHz]20[V]の正弦波で初期液(浸漬液)に振動を与えながらディッピングする。ディッピング時間は3秒で、振動印加時間はディッピング中の2秒だった。
(B)液柱共鳴液室18内を加圧した後に減圧して初期液(浸漬液)を各吐出孔から吸引する。各吐出孔19を初期液(浸漬液)に浸している浸漬時間は3秒で、加圧時間は浸漬時間中の0.5秒で減圧時間は浸漬時間中の2秒だった。
(C)振動を与えず、拡散現象のみに頼ったディッピングする。ディッピング時間は120秒だった。
(D)吐出孔19に初期液を初期導入せず、吐出孔19にトナー成分液を初期導入した(比較例)。
(E)トナー成分液14の補充を受ける液滴吐出部11の補充箇所から初期液を入れて液滴吐出部11内の液柱共鳴液室18を初期液で満たした。図8に示すような、3方向ストップコック23を液柱共鳴液滴形成ユニット10の液共通供給路17に設置し、初期導入時には、3方向ストップコック23の入口を、初期液が貯留された初期液タンクに連通している初期液供給流路に接続して、初期液を液共通供給路17から液柱共鳴液室18へと導入した。その後、3方向ストップコック23の入口の接続を、トナー成分液14が貯留されたトナー成分液タンクに連通しているトナー成分液供給流路へ切り替えて、吐出動作を開始した。これにより、導入された初期液が順次吐出されることに伴い、トナー成分液が液共通供給路17から液柱共鳴液室18へと徐々に補充され、初期液に続いてトナー成分液14が吐出される。
表中の固形分濃度は初期液のトナー成分含有濃度を意味し、実際の濃度(質量部%)を表示し、括弧にトナー成分液の濃度に対して初期液の濃度は何%なのかを表示している。また、吐出チャンネル数は、駆動信号を与えたチャンネル数のうち、正常吐出をしていたチャンネルの数を意味する。
また、上記表1中の実施例1における吐出動作開始直後と60分後の撮像画像を、それぞれ、図11(a)及び(b)に示す。
(態様A)
液滴が固化すると微粒子となるトナー成分液14等の微粒子成分含有液の液滴21を液柱共鳴液滴形成ユニット10等の液滴吐出装置の吐出孔19から吐出する吐出動作を行い、吐出した液滴21を固化させることによりトナー粒子等の微粒子を製造する微粒子製造方法において、上記吐出動作の開始時に上記微粒子成分含有液よりも微粒子含有濃度の低い又は微粒子含有濃度がゼロである初期液を含む液滴が上記液滴吐出装置の吐出孔19から吐出されるように、該初期液を該吐出孔19に導入する初期液導入工程を有することを特徴とする。
これによれば、液滴吐出装置の吐出孔19の出口を覆う液体が、微粒子成分含有液ではなく初期液を含む液体であるので、吐出動作開始までの間に乾燥するのは、この初期液を含むk液体である。初期液は、微粒子成分含有液よりも微粒子含有濃度の低い又は微粒子含有濃度がゼロであるため、この初期液を含むk液体が乾燥によって増粘したとしても、吐出動作開始時における吐出孔出口を覆う液体の粘度は、微粒子成分含有液が吐出孔の出口を塞いでいる場合よりも低く抑えられる。その結果、吐出孔19の出口を覆う液体の増粘によって吐出動作開始時に吐出孔から液滴21を適切に吐出できない状態になる事態が抑制され、吐出動作開始時から安定した液滴21の吐出が実現できる。また、吐出動作開始時における吐出孔出口の液体の粘度を低く抑えられる結果、その後の吐出動作において吐出孔19から液滴21が適切に吐出されない事態が発生する事態も抑制できる。
上記態様Aにおいて、上記初期液充填工程では、液滴吐出装置の吐出孔19の出口側から上記初期液を導入することを特徴とする。
これによれば、後述する態様Fと比較して、吐出孔の出口を初期液で覆うように初期導入できる確実性が高く、また、初期液の初期導入量を少なく抑えることができる。
上記態様Bにおいて、上記初期液導入工程では、事前に微粒子成分含有液が充填された吐出孔19を上記初期液に浸漬させて、該初期液により該吐出孔19の出口を覆う微粒子成分含有液の微粒子含有濃度が低下するように、該吐出孔19に初期液を導入することを特徴とする。
これによれば、ディッピングによる拡散現象を利用して吐出孔へ初期液を初期導入でき、初期液の初期導入量を少なく抑えることができる。
上記態様Cにおいて、上記初期液導入工程では、事前に微粒子成分含有液が充填された吐出孔19を上記初期液に浸漬させた状態で、該初期液又は該吐出孔19内の微粒子成分含有液に振動を加えることを特徴とする。
これによれば、ディッピングによる吐出孔への初期液導入時間を短縮化することができる。
上記態様Bにおいて、上記初期液導入工程では、上記吐出孔19を上記初期液に浸漬させて該初期液を該吐出孔19内に吸引することにより、該初期液を該吐出孔19に導入することを特徴とする。
これによれば、吐出孔への初期液導入時間が短くできる。
上記態様Aにおいて、上記初期液導入工程では、微粒子成分含有液の補充を受ける液滴吐出装置の3方向ストップコック23等の補充箇所から上記初期液を入れることを特徴とする。
これによれば、液滴吐出装置の補充箇所から微粒子成分含有液を吐出孔に初期導入する従来と同様の方法で、初期液を吐出孔に初期導入することができる。
上記態様A〜Fのいずれかの態様において、上記液滴吐出装置として、該液滴吐出装置内の液柱共鳴液室18内に振動を付与して液柱共鳴による定在波を形成し、該定在波の腹となる領域に形成された該液柱共鳴液室の吐出孔19から該液柱共鳴液室内の微粒子成分含有液又は初期液の液滴を吐出する液滴吐出装置を用いることを特徴とする。
これによれば、高い周波数での液体の連続的な液滴吐出が実現でき、極めて高い生産性が期待できる。
11 液滴吐出部
14 トナー成分液
17 液共通供給路
18 液柱共鳴液室
19 吐出孔
20 振動発生手段
20A 圧電体
20B 弾性板
21 液滴
23 3方向ストップコック
30 トナー成分液補充ユニット
31 トナー成分液タンク
32 トナー成分液供給流路
33 液循環ポンプ
34 液戻り管
41 吐出孔用薄膜
60 乾燥捕集ユニット
61 チャンバ
62 固化粒子捕集手段
63 乾燥手段
64 搬送気流導入口
65 捕集用出口
101 下降気流
Claims (2)
- 液滴が固化すると微粒子となる微粒子成分含有液の液滴を液滴吐出装置の吐出孔から吐出する吐出動作を行い、吐出した液滴を固化させることにより微粒子を製造する微粒子製造方法において、
上記吐出動作の開始時に上記微粒子成分含有液よりも微粒子成分含有濃度の低い又は微粒子成分含有濃度がゼロである初期液を含む液滴が上記液滴吐出装置の吐出孔から吐出されるように、該初期液を該吐出孔に導入する初期液導入工程を有し、
上記初期液導入工程では、事前に微粒子成分含有液が充填された吐出孔を上記初期液に浸漬させた状態で、該初期液又は該吐出孔内の微粒子成分含有液に振動を加えて、該初期液により該吐出孔の出口を覆う微粒子成分含有液の微粒子成分含有濃度が低下するように、液滴吐出装置の吐出孔の出口側から該吐出孔に該初期液を導入することを特徴とする微粒子製造方法。 - 請求項1に記載の微粒子製造方法において、
上記液滴吐出装置として、該液滴吐出装置内の液柱共鳴液室内に振動を付与して液柱共鳴による定在波を形成し、該定在波の腹となる領域に形成された該液柱共鳴液室の吐出孔から該液柱共鳴液室内の微粒子成分含有液又は初期液の液滴を吐出する液滴吐出装置を用いることを特徴とする微粒子製造方法。
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