JP6016078B2 - 微粒子製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するために使用される静電荷像現像用トナー等の微粒子製造方法に関するものである。
電子写真記録方法に基づく複写機、プリンタ、ファクシミリおよびそれらの複合機などの画像形成装置に使用される静電荷像現像用トナーの製造方法としては、従来は粉砕法が主流であったが、近年では重合法を採用することが多くなってきている。重合法とは、水系媒体中でトナー粒子を形成する工法であり、トナー粒子形成時あるいはその過程においてトナー原材料の重合反応を伴うことから、このように称される。重合法は、各種重合方法が実用化されており、懸濁重合、乳化凝集、ポリマー懸濁(ポリマー凝集)、エステル伸長反応等を利用したものが知られている。重合法により製造されたトナーは、重合トナーあるいはケミカルトナーなどと呼ばれる。
重合法で得られたトナーは、総じて、粉砕法で得られたトナーに比べ、小粒径が得やすく、粒径分布が狭く、形状が球形に近いといった特徴を有する。これらの特徴は、電子写真方式で形成される画像として高画質を得やすいという効果をもたらす。しかしながら、重合過程に長時間を必要とし、さらに固化終了後に溶媒とトナー粒子とを分離し、その後洗浄乾燥を繰り返すという作業が必要となり、多くの時間、多量の水、多くのエネルギーを必要とするといった欠点がある。
また、トナーの原材料成分を有機溶媒に溶解または分散した液体(トナー成分液)を、噴霧器(アトマイザ)などを用いて微小な液滴となるように放出し、これを乾燥させて微粒子状のトナーを得る、噴射造粒法と呼ばれるトナー製造方法が知られている(特許文献1〜4等)。このトナー製造方法によれば、水を用いる必要がないため、洗浄や乾燥に要する時間とエネルギーを大幅に削減でき、重合法の欠点を回避することができる。
トナー等の微粒子を噴射造粒法で製造する場合、液滴吐出装置の吐出孔からトナー成分液等の微粒子成分含有液の液滴を吐出する吐出動作を行って、吐出した液滴を固化させることにより微粒子を製造するのが好適である。この場合、既存のインクジェット記録方式の技術を利用することで、液滴吐出装置の吐出孔から吐出される液滴の大きさを高精度に制御することができるので、微粒子の粒径を高精度に制御することが可能となる。
ところが、このように液滴吐出装置の吐出孔から液滴を吐出する吐出動作を行って微粒子を製造する場合、その吐出動作の開始時に吐出孔から液滴が適切に吐出されないことがある。これは、吐出動作開始時までに吐出孔の出口を覆う微粒子成分含有液が乾燥によって増粘したり、乾燥によって当該微粒子成分含有液が固化して吐出孔を閉塞したりすることが主な原因である。吐出動作の開始時に液滴が適切に吐出できない吐出孔は、吐出動作のための駆動を継続しても回復しない。そのため、このように液滴が適切に吐出できない吐出孔が存在すると、その分だけ微粒子の生産性を落とす結果を招くといった不具合を引き起こす。
また、吐出動作開始時には吐出孔から液滴が適切に吐出されていても、吐出動作開始時に吐出孔を覆っていた微粒子成分含有液が乾燥によって増粘していたり、当該微粒子成分含有液の一部が吐出孔に固着していたりすると、その後の吐出動作において吐出孔から液滴が適切に吐出されない事態が発生しやすい。この場合も、微粒子の生産性を落とすという不具合を引き起こす。
このような不具合を抑制する方法としては、吐出動作の合間に、吐出動作を中断して吐出孔を洗浄するなどのメンテナンスを介在させて、液滴が適切に吐出できない吐出孔の吐出性能を回復させるという方法が考えられる。しかしながら、この方法では、メンテナンス中は微粒子の生産がストップするので、その分だけ微粒子の生産性が落ちてしまう。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液滴吐出装置の吐出孔から微粒子成分含有液の液滴を吐出して微粒子を製造する場合の生産性向上を図ることが可能な微粒子製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、液滴が固化すると微粒子となる微粒子成分含有液の液滴を液滴吐出装置の吐出孔から吐出する吐出動作を行い、吐出した液滴を固化させることにより微粒子を製造する微粒子製造方法において、上記吐出動作の開始時に上記微粒子成分含有液よりも微粒子成分含有濃度の低い又は微粒子成分含有濃度がゼロである初期液を含む液滴が上記液滴吐出装置の吐出孔から吐出されるように、該初期液を該吐出孔に導入する初期液導入工程を有し、上記初期液導入工程では、事前に微粒子成分含有液が充填された吐出孔を上記初期液に浸漬させた状態で、該初期液又は該吐出孔内の微粒子成分含有液に振動を加えて、該初期液により該吐出孔の出口を覆う微粒子成分含有液の微粒子成分含有濃度が低下するように、液滴吐出装置の吐出孔の出口側から該吐出孔に該初期液を導入することを特徴とする。
本発明においては、液滴吐出装置の吐出孔の出口を覆う液体が、微粒子成分含有液ではなく、初期液を含む液体であるので、吐出動作開始までの間に乾燥するのは、この初期液を含む液体である。初期液は、微粒子成分含有液よりも微粒子含有濃度の低い又は微粒子含有濃度がゼロであるため、この初期液を含む液体が乾燥によって増粘したとしても、吐出動作開始時における吐出孔出口を覆う液体の粘度は、微粒子成分含有液が吐出孔の出口を塞いでいた従来の場合よりも低く抑えられる。その結果、吐出孔の出口を覆う液体の増粘によって吐出動作開始時に吐出孔から液滴を適切に吐出できない状態になる事態が抑制され、吐出動作開始時から安定した液滴の吐出が実現できる。また、吐出動作開始時における吐出孔出口の液体の粘度を低く抑えられる結果、その後の吐出動作において吐出孔から液滴が適切に吐出されない事態が発生する事態も抑制できる。
以上より、本発明によれば、液滴吐出装置の吐出孔から微粒子成分含有液の液滴を吐出して微粒子を製造する場合の生産性向上を図ることができるという優れた効果が得られる。
実施形態で用いる液柱共鳴タイプの液滴吐出装置の液滴吐出部の一部を拡大して示した模式図である。 同液滴吐出装置である液柱共鳴液滴形成ユニットの一部を模式的に示した断面図である。 (a)〜(d)は、同液柱共鳴液滴形成ユニットの吐出孔の断面形状として採用できる各種断面形状を例示した断面図である。 (a)〜(d)は、N=1、2、3の場合において、同液柱共鳴液滴形成ユニットの液柱共鳴液室内の液体に生じる速度分布と圧力分布の定在波の様子を説明するための説明図である。 (a)〜(c)は、N=4、5の場合において、同液柱共鳴液室内の液体に生じる速度分布と圧力分布の定在波の様子を説明するための説明図である。 (a)〜(d)は、同液柱共鳴液室で生じる液柱共鳴現象の様子を模式的に表した説明図である。 実施形態における吐出動作開始までの手順を含むトナー製造方法の流れを示すフローチャートである。 トナー成分液の補充を受ける液滴吐出部の補充箇所から初期液を入れて液柱共鳴液室の吐出孔に初期液を導入する方法に利用可能な3方向ストップコックを示す説明図である。 実施形態に係るトナー製造方法を実施するトナー製造装置の一例を示す模式図である。 吐出された液滴を搬送する搬送気流として、液滴吐出方向に対して横方向に向かう気流を採用した例を示す説明図である。 (a)は、実施例1における吐出動作開始直後の吐出状態を撮像した撮像画像であり、(b)は、同実施例1における60分後の吐出状態を撮像した撮像画像である。
以下、本発明に係る微粒子製造方法をトナーの製造に適用した一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態のトナー製造方法は、液滴が固化するとトナー粒子(微粒子)となるトナー成分液(微粒子成分含有液)を液滴吐出装置へ補充しながら、液滴吐出装置の吐出孔からトナー成分液の液滴を吐出する吐出動作を継続して行い、吐出した液滴を固化させることによりトナー粒子を得るものである。
本実施形態のトナー製造方法に使用可能な液滴吐出装置は、吐出する液滴の粒径分布が狭いものが好ましいが、特に制限は無く、公知のものを用いることができる。液滴吐出装置としては、1流体ノズル、2流体ノズル、膜振動タイプの吐出手段、レイリー分裂タイプの吐出手段、液振動タイプの吐出手段、液柱共鳴タイプの吐出手段等が挙げられる。膜振動タイプの吐出手段は、例えば特開2008−292976号公報に開示されたものがある。また、レイリー分裂タイプの吐出手段としては、特許第4647506号公報に開示されたものがある。また、液振動タイプの吐出手段としては、特開2010−102195号公報に開示されたものがある。
液滴の粒径分布が狭く、トナーの生産性を確保するためには、複数の吐出孔が形成された液柱共鳴液室内の液体に振動を付与して液柱共鳴による定在波を形成し、該定在波の腹となる領域に形成された吐出孔から液体を吐出する液柱共鳴タイプの液滴吐出装置が好適である。本実施形態では、液柱共鳴タイプの液滴吐出装置を用いてトナーを製造する例について説明する。
図1は、本実施形態で用いる液柱共鳴タイプの液滴吐出装置の液滴吐出部11の一部を拡大して示した模式図である。
本実施形態の液滴吐出部11は液柱共鳴液室18を備えており、この液柱共鳴液室18は、長手方向(図中左右方向)両端の側壁部のうち一方の側壁部(開口側壁部)に設けられた連通路を介して液共通供給路17へと連通している。また、液柱共鳴液室18は、長手方向両端の側壁部間を連結する壁部のうち1つの壁部(図中下側の底壁部)に液滴21を吐出する複数の吐出孔19を備えている。また、液柱共鳴液室18における吐出孔19と対向する上壁部側には、液柱共鳴定在波を形成するために高周波振動を発生させる振動発生手段20が設けられている。この振動発生手段20は、図示しない高周波電源に接続されている。
図2は、本実施形態の液滴吐出装置である液柱共鳴液滴形成ユニット10の一部を模式的に示した断面図である。なお、図2は、図1中上方又は下方から見たものである。
本実施形態において、液滴吐出部11から吐出される液体は、製造対象である微粒子の成分が溶解又は分散された状態の微粒子成分含有液である。本実施形態は、トナーを製造する例であるため、この微粒子成分含有液をトナー成分液と記して説明する。トナー成分液14は、図示しない液循環ポンプにより液供給管を通って、液柱共鳴液滴形成ユニット10の液共通供給路17内に流入し、各液滴吐出部11の液柱共鳴液室18へと補充される。
液柱共鳴液室18内に充填されたトナー成分液14には、振動発生手段20によって発生する液柱共鳴定在波により圧力分布が形成される。そして、液柱共鳴定在波の腹となる領域(振幅が大きくて圧力変動が大きい領域)に配置されている吐出孔19から液滴21が吐出される。液柱共鳴による定在波の腹となる領域とは、定在波の節以外の領域を意味するものである。好ましくは、定在波の圧力変動が液を吐出するのに十分な大きさの振幅を有する領域であり、より好ましくは定在波の振幅が極大となる位置から極小となる位置に向かって±1/4波長の範囲である。定在波の腹となる領域であれば、本実施形態のように1つの液柱共鳴液室18内に複数の吐出孔19が形成されている構成であっても、それぞれからほぼ均一な大きさの液滴が吐出できる。液滴21の吐出によって液柱共鳴液室18内の液量が減少すると、液柱共鳴液室18内の液柱共鳴定在波の作用による吸引力が作用して、液共通供給路17から供給される液の流量が増加し、液柱共鳴液室18内に液が補充される。
液滴吐出部11の液柱共鳴液室18は、駆動周波数において液体の共鳴周波数に影響を与えない程度の高い剛性を持つ金属、セラミックス、シリコンなどの材料によって形成されたフレームをそれぞれ接合して形成されている。また、図1に示すように、液柱共鳴液室18の長手方向両端の側壁部間の長さLは、後述するような液柱共鳴原理に基づいて決定される。また、図2に示すように、液柱共鳴液室18の短手方向両端の側壁間の長さ(幅)Wは、液柱共鳴に余分な周波数を与えないように、液柱共鳴液室18の長さLの2分の1より小さいことが望ましい。
液柱共鳴液室18は、生産性を向上させるために、1つの液柱共鳴液滴形成ユニット10に対して複数配置されている方が好ましいので、本実施形態では1つの液柱共鳴液滴形成ユニット10に対して複数の液柱共鳴液室18が配置された構成を採用している。1つの液柱共鳴液滴形成ユニット10に対して設ける液柱共鳴液室18の数には特に限定はないが、100〜2000個の液柱共鳴液室18が備えられた1つの液柱共鳴液滴形成ユニット10であれば、操作性と生産性の両立が実現でき、好適である。本実施形態では、1つの液共通供給路17に対して複数の液柱共鳴液室18が連通した構成となっている。
また、液滴吐出部11における振動発生手段20は、所定の周波数で駆動できるものであれば特に制限はないが、本実施形態のように圧電体20Aに弾性板20Bを貼り付けた構造のものが好ましい。弾性板20Bは、圧電体20Aが接液しないように液柱共鳴液室18から圧電体20Aを隔離するように設けられる。圧電体20Aは、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスが挙げられるが、一般に変位量が小さいため積層して使用されることが多い。この他にも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子や、水晶、LiNbO、LiTaO、KNbO等の単結晶などが挙げられる。更に、振動発生手段20は、液柱共鳴液室18ごとに個別に制御できるように配置されていることが望ましい。例えば、液柱共鳴液室の配置にあわせて1つの圧電体材料を複数の圧電体に分断し、各圧電体でそれぞれの液柱共鳴液室を個別制御できるような構成が好ましい。
吐出孔19の出口側直径は、1[μm]以上40[μm]以下の範囲であることが望ましい。
1[μm]より小さいと、形成される液滴が非常に小さくなるため、トナーを得ることができない場合がある。特に、トナーの構成成分として顔料などの固形微粒子が含有されている場合には、この固形微粒子が吐出孔19を閉塞させるおそれがあり、トナーの生産性を低下させるおそれがある。一方、40[μm]より大きい場合、液滴の直径が大きいため、これを乾燥固化させて、3[μm]以上6[μm]以下のトナー粒子径を得ようとすると、有機溶媒でトナー組成を非常に希薄な液に希釈する必要がある。この場合、一定量のトナーを得るために乾燥エネルギーが大量に必要となってしまい、不都合となる。
また、本実施形態では、複数の吐出孔19が配列された吐出孔の列(図1参照)が、図2に示すように、液柱共鳴液室18内の幅方向(図2中左右方向)に複数並列配置されている。このような構成により、一度の吐出動作によって、より多くの液滴を吐出することができるので、生産効率が高まる。吐出孔19の配置によって液柱共鳴周波数が変動するため、液柱共鳴周波数は液滴の吐出を確認しながら適宜決定するのが望ましい。
図3(a)〜(d)は、吐出孔19の断面形状として採用できる各種断面形状を例示した断面図である。
本実施形態においては、吐出孔19の断面形状が、図1に示すように、出口側に向けて径が小さくなるようなテーパー形状である場合を例示しているが、この断面形状は適宜選択することができる。
図3(a)に示す吐出孔19の断面形状は、吐出孔19の入口側から出口側に向かってラウンド形状(湾曲形状)を持ちながら径が狭くなる断面形状である。この断面形状は、吐出孔19が形成される液柱共鳴液室18の底壁部を構成する吐出孔用薄膜41が振動した際、吐出孔19の出口付近で液にかかる圧力が最大となるため、吐出の安定化に際して好ましい形状である。
図3(b)に示す吐出孔19の断面形状は、吐出孔19の入口側から出口側に向かって一定の角度を持って径が狭くなるようなテーパー形状をもった断面形状であり、本実施形態が採用しているものである。この断面形状においては、テーパー形状となっていることで、図3(a)に示した断面形状のものと同様、吐出孔用薄膜41が振動したときの吐出孔19の出口付近で液にかかる圧力を高めることができる。テーパー角24は適宜変更することができるが60°よりも大きく90°以下の範囲であるのが好ましい。ノズル角度24が60°以下の場合、液に圧力がかかりにくく、さらに薄膜41の加工も困難となるからである。一方、ノズル角度24が90°である場合、図3(c)に示したような断面形状となるが、吐出孔19の出口付近に圧力がかかりにくくなるので、テーパー角24の好適な角度範囲としては90°が最大値となる。テーパー角24が90°よりも大きいと、吐出孔19の出口付近に圧力がかからなくなるため、液滴吐出が非常に不安定化する。
図3(d)に示す吐出孔19の断面形状は、図3(a)に示した断面形状と図3(c)に示した断面形状とを組み合わせた形状である。このように段階的に断面形状を変更しても構わない。
次に、液柱共鳴液滴形成ユニット10による液滴形成のメカニズムについて説明する。
まず、図1に示した液滴吐出部11内の液柱共鳴液室18において生じる液柱共鳴現象の原理について説明する。
液柱共鳴液室内のトナー成分液の音速を「c」とし、振動発生手段20から媒質であるトナー成分液に与えられた駆動周波数を「f」とすると、液体の共鳴が発生する波長λは、下記の式(1)より算出することができる。
λ = c/f ・・・(1)
本実施形態では、液共通供給路17と連通するための連通路が形成された液柱共鳴液室18の側壁部(開口側壁部)が、連通路が形成されていない反対側の側壁部(閉口側壁部)と等価であると考えることができる。この場合、液柱共鳴液室18の長手方向長さLが、波長λの4分の1の偶数倍に一致するときに、振動発生手段20の振動によって液柱共鳴液室18内の液体に共鳴振動が最も効率的に発生する。このような液柱共鳴が最も効率的に発生する液柱共鳴最適条件は、下記の式(2)によって表すことができる。なお、上記の式(2)に示す液柱共鳴最適条件は、液柱共鳴液室18の長手方向両側壁部が完全に開放された状態でも、同様に成り立つものである。
L = (N/4)×λ ・・・(2)
一方、液柱共鳴液室18の長手方向両側壁部のうちの一方が開放された状態で、他方が閉じた状態である場合には、液柱共鳴液室18の長手方向長さLが波長λの4分の1の奇数倍に一致するときに液柱共鳴が最も効率的に形成される。つまり、この場合の液柱共鳴最適条件は、上記式(2)中の「N」を奇数で表現したものとなる。
最も液柱共鳴効率の高い駆動周波数fは、上記式(1)と上記式(2)より、下記の式(3)のようになる。しかしながら、実際には、液体が共鳴を減衰させる粘性を有するので無限に振動が増幅されるわけではなく、Q値を持ち、後述する式(4)及び式(5)に示すように、上記式(3)に示した最も効率の高い駆動周波数fの近傍の周波数でも共鳴は発生する。
f = N×c/(4L) ・・・(3)
図4(a)〜(d)は、N=1、2、3の場合において、液柱共鳴液室18内の液体に生じる速度分布と圧力分布の定在波の様子を説明するための説明図である。
ただし、図4(a)は、N=1の場合であって、液柱共鳴液室18の長手方向両端部の一方が開放された状態で、他方が閉じた状態である場合の例であり、図4(b)は、N=2の場合であって、液柱共鳴液室18の長手方向両端部がいずれも閉じた状態である場合の例であり、図4(c)は、N=2の場合であって、液柱共鳴液室18の長手方向両端部がいずれも開放された状態である場合の例であり、図4(d)は、N=3の場合であって、液柱共鳴液室18の長手方向両端部の一方が開放された状態で、他方が閉じた状態である場合の例である。
また、図5(a)〜(c)は、N=4、5の場合において、液柱共鳴液室18内の液体に生じる速度分布と圧力分布の定在波の様子を説明するための説明図である。
ただし、図5(a)は、N=4の場合であって、液柱共鳴液室18の長手方向両端部がいずれも閉じた状態である場合の例であり、図5(b)は、N=4の場合であって、液柱共鳴液室18の長手方向両端部がいずれも開放された状態である場合の例であり、図5(c)は、N=5の場合であって、液柱共鳴液室18の長手方向両端部の一方が開放された状態で、他方が閉じた状態である場合の例である。
図4及び図5において、実線が速度の定在波、点線が圧力の定在波である。また、液柱共鳴液室18内の液体に生じる波は実際には疎密波(縦波)であるが、図4及び図5では、これを正弦波(余弦波)の形で表記している。例えば、図4(a)の速度分布を見ると、閉じている閉口側壁部で速度分布の振幅がゼロとなり、開口している開口側壁部で振幅が最大となることが直感的に理解でき、わかりやすいので、ここでは正弦波表記とした。なお、長手方向両側壁部の開閉状態(開放端と固定端との組み合わせパターン)によって定在波パターンは異なるため、図4及び図5では、説明のため、本実施形態の液柱共鳴液室18とは整合しない開放端と固定端との組み合わせパターンも併記した。
詳しくは後述するが、吐出孔19の開口や、液柱共鳴液室18と液共通供給路17とを連通させる連通路の開口の状態によって、端部条件が決まる。音響学においては、開放端(開口端)では、長手方向の媒質(液)の移動速度が極大となり、圧力はゼロとなる。一方、固定端(閉口端)においては、逆に媒質の移動速度がゼロとなり、圧力が極大となる。固定端(閉口端)は音響的に硬い壁として考え、波が完全に反射することを前提に、端部が理想的に完全に閉口もしくは開口している場合は、波の重ね合わせによって図4及び図5に示したような定在波が発生するものと考える。本実施形態の液柱共鳴液室18のように吐出孔19や連通路などの開口が存在していると、その吐出孔19の数や吐出孔19の位置、連通路の大きさや位置などによっても、定在波パターンが変動する。そのため、上記式(3)から求められる理想の共鳴周波数からズレた位置に実際の共鳴周波数が現れる。ただし、このようなズレがあっても、実際の吐出状況を確認しながら駆動周波数を適宜調整すればよいので、問題ない。
液体の音速cとして1200[m/s]を用い、液柱共鳴液室18の長手方向長さLが1.85[mm]であって、長手方向両端に壁部が存在し、両端が固定端であるモデルと等価のN=2の共鳴モードの場合、上記式(2)より、液柱共鳴液室18内の液体に最も効率に液柱共鳴を生じさせる理想の共鳴周波数は324[kHz]と導かれる。一方、液体の音速cとして1200[m/s]を用い、液柱共鳴液室18の長手方向長さLが1.85[mm]であって、両端に壁部が存在し、両端が固定端であるモデルと等価のN=4の共鳴モードの場合、上記式(2)より、液柱共鳴液室18内の液体に最も効率に液柱共鳴を生じさせる理想の共鳴周波数は648[kHz]と導かれる。このように、同じ構成の液柱共鳴液室18においても、より高次の共鳴を利用することが可能である。
本実施形態の液柱共鳴液室18では、長手方向両端が閉口端と等価になるような構成であるか、吐出孔19の開口の影響で音響的に軟らかい壁として説明できる構成であることが、共鳴周波数を高めるためには好ましいが、それに限らず、例えば長手方向両端が開放端と等価になるような構成を採用してもよい。ここでの吐出孔19の開口の影響とは、音響インピーダンスが小さくなり、特にコンプライアンス成分が大きくなることを意味する。本実施形態の液柱共鳴液室18に設けられる吐出孔19は、図1に示すように、その全体が長手方向一端側(液共通供給路17とは逆側)に寄せて配置されているので、当該一端側は、吐出孔19の開口の影響により開放端(開口端)とみなすこともできる。その結果、図4(b)や図5(a)のような液柱共鳴液室18の長手方向両端壁部を閉口端と等価な構成とする場合、両端が固定端である共鳴モードだけでなく、一端が開放端で他端が固定端である共鳴モードも利用することが可能である。
また、吐出孔19の数、吐出孔19の配置、吐出孔19の断面形状も、駆動周波数を決定する因子となり、駆動周波数はこれに応じて適宜決定することができる。例えば、吐出孔19の配置を長手方向一端側へ寄せるほど、当該長手方向端部において液柱共鳴液室18の壁部による拘束が緩くなる。よって、吐出孔19の配置を長手方向一端側へ寄せるほど、当該長手方向端部がほぼ開口端に近い状態になり、駆動周波数が高くなるように変更される。また、例えば、吐出孔19の数を多くすると、吐出孔19の配置が寄せられた長手方向一端において液柱共鳴液室18の壁部による拘束が緩くなり、当該長手方向端部がほぼ開口端に近い状態になって駆動周波数が高くなるように変更される。そのほかにも、例えば、吐出孔19の断面形状を変更したり、吐出孔19の寸法を変更したりする場合にも、駆動周波数を変更する必要がある。
このように決定される駆動周波数で振動発生手段20に交流電圧を与えたとき、その電圧変動に応じて振動発生手段20の圧電体20Aが変形し、これにより弾性板20Bが変位する。その結果、駆動周波数に対応した振動が液柱共鳴液室18内の液体に加えられ、液柱共鳴液室18内の液体には液柱共鳴定在波が発生する。ただし、液柱共鳴定在波が最も効率よく発生する駆動周波数の近い周波数であれば、液柱共鳴定在波は発生する。具体的には、液共通供給路17側の長手方向壁部と液共通供給路17に最も近くに配置された吐出孔との距離をLeとしたとき、このLeと液柱共鳴液室の長手方向両壁部間の長さLとを用いて、液柱共鳴定在波を発生させる駆動周波数fの範囲は、例えば、下記の式(4)及び(5)によって定義することができる。これらの式(4)及び(5)によって決定される範囲内の駆動周波数fを主成分とした駆動波形を用いて振動発生手段20を振動させることで、液柱共鳴を誘起して液滴を吐出孔19から適切に吐出することが可能である。ただし、LとLeとの比がLe/L>0.6であることが好ましい。
N×c/(4L) ≦ f ≦ N×c/(4Le) ・・・(4)
N×c/(4L) ≦ f ≦ (N+1)×c/(4Le) ・・・(5)
以上説明した液柱共鳴現象の原理を用いて、本実施形態では、図1に示す液柱共鳴液室18において液柱共鳴圧力定在波を形成し、液柱共鳴液室18に配置された吐出孔19から連続的な液滴吐出を生じさせるのである。そのため、圧力の定在波が最も大きく変動する位置に吐出孔19を配置すると、吐出効率が高くなり、駆動電圧をより低く抑えることができる点で好ましい。
また、吐出孔19は1つの液柱共鳴液室18に1つでも構わないが、上述したように1つの液柱共鳴液室18に対して複数個配置することが生産性の観点から好ましい。具体的には、2〜100個の間であることが好ましい。100個を超えると、それぞれの吐出孔19から液滴を適切に吐出させようとすると、振動発生手段20に与える駆動電圧を高く設定する必要が生じ、振動発生手段20の圧電体20Aの挙動が不安定となりやすい。
また、1つの液柱共鳴液室18に対して複数の吐出孔19を形成する場合、吐出孔間のピッチは、20[μm]以上であるのが好ましい。吐出孔間のピッチが20[μm]より小さい場合、隣り合う吐出孔からそれぞれ吐出された液滴同士が接触して大きな液滴となってしまう確率が高くなり、トナーの粒径分布が悪化する可能性が高まるからである。
次に、液柱共鳴液滴形成ユニット10における液滴吐出部11内の液柱共鳴液室18で生じる液柱共鳴現象の様子について説明する。
図6(a)〜(d)は、液柱共鳴液室18で生じる液柱共鳴現象の様子を模式的に表した説明図である。
図6における液柱共鳴液室18内に記した実線は、液柱共鳴液室18の長手方向の任意の測定位置における速度をプロットして得た速度分布を示すものであり、図中左側の閉口側壁部側から図中右側の開口側壁部へ向かう方向をプラスとし、その逆方向をマイナスとしている。また、図6における液柱共鳴液室18内に記した点線は、液柱共鳴液室18の長手方向の任意の測定位置における圧力値をプロットして得た圧力分布を示すものであり、大気圧に対して正圧をプラスとし、負圧をマイナスとしている。
本実施形態において、図1に示したように、液滴吐出部11内の液柱共鳴液室18の底面から、液共通供給路17と連通する連通路の下端までの高さh1(=約80[μm])は、連通口の高さh2(=約40[μm])の約2倍に設定されている。そのため、本実施形態の液柱共鳴液室18は、長手方向両端がほぼ固定端であるのと近似的に考えることができる。図6(a)〜(d)は、このような考えの下で、速度分布及び圧力分布の時間的な変化を示している。
図6(a)は、液滴吐出時における液柱共鳴液室18内の圧力波形と速度波形を示している。このとき、液柱共鳴液室18内における閉口側壁部側の液体部分、すなわち、吐出孔19が設けられている液室領域内の液体部分(吐出孔付近の液体)は、圧力が極大となる。これにより、メニスカス圧が増大して各吐出孔19から液体が迫り出す。その後、図6(b)に示すように、吐出孔19付近の液体の圧力は小さくなり、負圧の方向へと移行することで、吐出孔19から液滴21が吐出される。
その後、図6(c)に示すように、吐出孔19付近の液体の圧力は極小になる。このときから、液共通供給路17から液柱共鳴液室18へのトナー成分液14の補充が始まる。そして、図6(d)に示すように、吐出孔19付近の液体の圧力は、今度は徐々に大きくなり、正圧の方向へと移行する。この時点で、トナー成分液14の補充が終了し、再び、液柱共鳴液室18の吐出孔19付近の液体の圧力は、図6(a)に示すように、その圧力が極大となる。
このように、液柱共鳴液室18内における吐出孔19付近の液体には、振動発生手段20の高周波駆動によって液柱共鳴による定在波が発生し、また圧力が最も大きく変動する位置となる液柱共鳴による定在波の腹に相当する箇所に吐出孔19が配置されていることから、当該腹の周期に応じて液滴21が吐出孔19から連続的に吐出される。
次に、本発明の特徴部分である、液柱共鳴液滴形成ユニット10における液滴吐出部11の吐出孔19へ液体を初期導入してから吐出動作を開始する手順について説明する。
従来の吐出動作開始までの手順では、まず、液滴吐出部11内の液柱共鳴液室18をトナー成分液14で満たして吐出孔19にトナー成分液14を初期充填した後、吐出開始信号を入れて吐出動作を開始させる。しかしながら、この従来の手順では、特に本実施形態のように多くの吐出孔19から一度に液滴を吐出させる場合には、吐出動作開始直後からすべての吐出孔19で液滴を適切に吐出させることが非常に困難な状況となる。その主な原因は、次のような理由によるものと考えられる。
一般に、後に説明する液滴固化工程で液滴を乾燥固化させやすいように、トナー成分液14の溶媒としては蒸発しやすい溶媒が使われる。しかしながら、トナー成分液14の溶媒が蒸発しやすいと、吐出孔19にトナー成分液14を初期充填したときに、吐出孔19にできるメニスカス部分で溶媒が蒸発し、吐出孔19内のトナー成分液14が増粘する。特に吐出孔19にトナー成分液14を初期充填してから吐出動作が開始されるまでの時間が長い場合には、吐出孔19内のトナー成分液14が乾燥固化して、吐出孔19を閉塞してしまう事態も起こり得る。吐出孔19が閉塞してしまうと、吐出開始信号を入れても、その吐出孔19から液滴を吐出できない。
また、吐出孔19内のトナー成分液14が増粘すると、吐出孔19のメニスカス部分の粘度が高いために吐出が不安定となり、その吐出孔19からトナー成分液14が染み出る事態が起きやすい。このように染み出したトナー成分液14は、周囲の吐出孔19へと広がり、適切に液滴を吐出している吐出孔19の吐出状態までも悪化させる。
また、1つの液柱共鳴液室18に複数の吐出孔19が形成されている場合、その一部の吐出孔19が閉塞状態になると、その液柱共鳴液室18内の周波数特性が変化する。その結果、同じ液柱共鳴液室18に形成され、液滴を吐出可能な他の吐出孔の吐出状態までも不安定になりやすい。
このように、従来の吐出動作開始までの手順では、吐出動作開始時点における吐出孔19内の液体の粘度が高くなってしまうので、吐出動作開始時から液滴を適切に吐出できなかったり、吐出動作開始時には液滴を吐出できていた吐出孔であってもその後に吐出状態が不安定となって液滴を適切に吐出できなくなったりする事態が起こる。したがって、従来の手順では、液滴吐出部11において長期的に安定した吐出動作を継続することが困難であり、これは後述の比較例の結果にも示されている。
図7は、本実施形態における吐出動作開始までの手順を含むトナー製造方法の流れを示すフローチャートである。
本実施形態においては、液滴吐出部11の吐出孔19に初期充填する液体として、トナー成分液14ではなく、これよりもトナー成分含有濃度の低い又はトナー成分含有濃度がゼロである初期液を用いる(S1)。例えば、この初期液として、トナー成分含有濃度がゼロである液体、すなわち、トナー成分液14からトナー成分を除去した溶媒のみからなる液体を用いる場合、吐出孔19内の液体(初期液)は、蒸発(乾燥)が起きても粘度が変わらないか、又は、増粘したとしてもトナー成分液14の場合よりも増粘速度が遅い。よって、トナー成分液14を吐出孔19に初期充填する場合よりも、吐出動作開始時点における吐出孔19の出口を覆う液体の粘度が低く抑えられ、また、吐出孔19が乾燥固化により閉塞される事態も起きにくい。これは、初期液として、トナー成分液14よりもトナー成分含有濃度の低い低濃度トナー成分液を用いる場合でも同様である。
また、このような初期液を初期充填することで(S1)、吐出動作開始時における吐出孔19の出口を覆う液体の粘度が低くなる結果、吐出孔19の出口を覆う液体が駆動周波数に応じた振動に対して適切な挙動を示しやすくなる。よって、吐出動作開始時から(S2)、各吐出孔19から液滴が適切に吐出でき、これにより、その後の各吐出孔19からの液滴吐出状態も安定する。その結果、吐出動作開始後、初期液に続いて(S3)、トナー成分含有濃度が高いトナー成分液14を吐出させても(S4)、トナー成分液14の液滴の吐出を安定して継続させることができるようになる。
本実施形態で使用するトナー成分液14の粘度は、室温において約2[mPa・s]なのに対して、その溶媒として使用された液体の粘度は、室温において約0.4[mPa・s]である。本実施形態において、初期液として、この溶媒のみからなる液体を用いた場合には、再現性良く、全吐出孔19から安定した吐出を一時間以上という長時間にわたって継続できることが確認された。また、初期液として、トナー成分液14よりもトナー成分含有濃度の低い低濃度トナー成分液を用いた場合でも、再現性良く、長期間の安定した吐出を継続できる。
吐出動作開始時に初期液の液滴が吐出孔19から吐出されるように、初期液を吐出孔19へ導入する方法としては、様々な方法が考えられ、その方法に特に制限はないが、例えば、以下のような方法を採用できる。
第1の方法は、トナー成分液14の補充を受ける液滴吐出部11の補充箇所から初期液を入れて液滴吐出部11内の液柱共鳴液室18を初期液で満たし、液柱共鳴液室18の吐出孔19に初期液を導入する方法である。この方法は、図8に示すような3方向ストップコック23を利用することで簡単に実現できる。具体的には、3方向ストップコック23を液柱共鳴液滴形成ユニット10の液共通供給路17に設置する。そして、初期導入時には、3方向ストップコック23の入口を、初期液が貯留された初期液タンクに連通している初期液供給流路に接続して、初期液を液共通供給路17から液柱共鳴液室18へと導入する。その後、3方向ストップコック23の入口の接続を、トナー成分液14が貯留されたトナー成分液タンクに連通しているトナー成分液供給流路へ切り替えて、吐出動作を開始する。これにより、導入された初期液が順次吐出されることに伴い、トナー成分液が液共通供給路17から液柱共鳴液室18へと徐々に補充され、初期液に続いてトナー成分液14が吐出されるようになる。なお、この方法においては、3方向ストップコック23の入口を切り替える際に気体が入り込まないようにすることに注意を要する。
第2の方法は、液滴吐出部11の吐出孔19の出口側から初期液を初期導入する方法である。この方法は、例えば、液滴吐出部11内の液柱共鳴液室18をトナー成分液14で満たしておき、その後、液滴吐出部11の吐出孔19を初期液に浸漬した状態で、液柱共鳴液室18内の圧力を下げて、吐出孔19の出口側から初期液を吸引することで実現することができる。この方法においては、吸引の際に吐出孔19から気体が入り込まないように注意する必要がある。そのため、吸引開始直前に一瞬だけ液柱共鳴液室18内の圧力を高めることが好ましい。
第3の方法は、液滴吐出部11内の液柱共鳴液室18をトナー成分液14で満たしておき、その後、液滴吐出部11の吐出孔19を初期液に浸し、吐出孔19の出口を覆うトナー成分液14のトナー成分含有濃度を下げる方法である。ここでは、この方法をディッピング(dipping)と呼ぶ。このディッピングを行うことで、液滴吐出部11の吐出孔19内のトナー成分液14は、初期液と接触することで、拡散現象により、そのトナー成分含有濃度が下がる。
ただし、拡散現象のみに頼ったディッピングでは、吐出孔19の出口を覆うトナー成分液14の濃度を十分に下げるまでに時間がかかる。この時間を短縮する方法としては、例えば、初期液に吐出孔19を浸漬している間に、初期液又は吐出孔内のトナー成分液14に振動を与え、両液体の混合を早める方法が挙げられる。
上述したすべての方法において、気泡、その他の不純物が入り込まないように注意を払う必要がある。気泡などの不純物が入ると、それが吐出に悪影響を与えて吐出安定性を悪化させる。
本実施形態において、吐出孔19に初期導入される初期液は、トナー成分含有濃度がゼロであるのが理想的であるが、初期導入の方法によっては、上述したディッピングを用いた方法のように、吐出孔19の出口を覆う液体にトナー成分が含まれるのを避けられない場合がある。後述する実験結果によれば、初期液のトナー成分含有濃度が低ければ低いほど、吐出安定性が向上することが確認されている。具体的には、トナー成分含有濃度が50%以下であれば、初期液として許容され、30%以下であるのが好ましい。
また、初期導入時から吐出動作開始までの時間は、できるだけ短いほうが良い。それは、拡散現象や溶媒の蒸発によって、吐出孔19に初期導入された初期液のトナー成分含有濃度が、吐出動作開始までに増加する傾向にあるからである。
本実施形態におけるトナー製造方法では、上述したように、吐出孔19から気体中に吐出されたトナー成分液14の液滴を固化させた後に捕集する(S5)。
吐出された液滴を固化させる方法は、トナー成分液14の性状次第で適用できる方法が変わってくるが、基本的にはトナー成分液14の液滴を固体状態にできる方法であれば、どのような方法でもよい。例えば、トナー成分液14が、揮発可能な溶媒中にトナー成分を溶解または分散させたものであれば、吐出されたトナー成分液14の液滴を搬送気流中で乾燥させ、溶媒成分を揮発させればよい。溶媒の乾燥にあたっては、液滴が放出される気体の温度や蒸気圧、気体の種類などを適宜選定して、乾燥状態を調整することができる。また、気体中で完全に乾燥しなくても、捕集された粒子が固体状態を維持できていれば、捕集後に別工程で追加乾燥させても構わない。そのほか、温度変化や化学的反応等によって液滴を固化させる方法を採用してもよい。
このようにして固化した粒子は、公知の粉体捕集手段、例えばサイクロン捕集、バックフィルター等によって気中から回収する。ただし、本実施形態においては、吐出動作開始時から一定期間は、トナー成分液14よりもトナー成分含有濃度の低い又はトナー成分含有濃度がゼロである初期液が吐出されるので、この期間は粒子の捕集を避けたほうが良い。この期間の粒子は、狙いの粒径よりも小さい粒径であり、これを捕集すると粒子の粒径分布が広がってしまい、製造されるトナーの品質を下げるおそれがあるからである。
図9は、本実施形態に係るトナー製造方法を実施するトナー製造装置の一例を示す模式図である。
このトナー製造装置は、主に、上述した液柱共鳴液滴形成ユニット10と、乾燥捕集ユニット60と、トナー成分液補充ユニット30とから構成されている。
トナー成分液補充ユニット30は、トナー成分液14を貯留したトナー成分液タンク31を備えている。トナー成分液タンク31は、トナー成分液供給流路32を介して液柱共鳴液滴形成ユニット10に接続されている。トナー成分液供給流路32には、トナー成分液供給流路32内のトナー成分液14を圧送する液循環ポンプ33が接続されており、液循環ポンプ33の駆動により、トナー成分液タンク31内のトナー成分液14はトナー成分液供給流路32を通じて液柱共鳴液滴形成ユニット10へと供給される。
また、トナー成分液タンク31は、液戻り管34を介して液柱共鳴液滴形成ユニット10に接続されている。トナー成分液供給流路32から液柱共鳴液滴形成ユニット10へ供給されたトナー成分液14のうち、液柱共鳴液滴形成ユニット10の液柱共鳴液室18へ補充されなかったものは、液循環ポンプ33の駆動により、液戻り管34を通じてトナー成分液タンク31へ戻される。
本実施形態において、トナー成分液供給流路32には圧力測定器P1が設けられており、乾燥捕集ユニット60には圧力測定器P2が設けられている。液柱共鳴液滴形成ユニット10への送液圧力および乾燥捕集ユニット60内の圧力はこれらの圧力測定器P1,P2の測定結果に基づいて管理される。このとき、圧力測定器P1の圧力が圧力測定器P2の圧力よりも大きい関係であると、トナー成分液14が吐出孔19から染み出すおそれがある。逆に、圧力測定器P1の圧力が圧力測定器P2の圧力よりも小さい関係であると、液柱共鳴液滴形成ユニット10内に気体が入り込んで吐出が停止してしまうおそれがある。したがって、圧力測定器P1の圧力と圧力測定器P2の圧力とはほぼ等しい関係であるのが望ましい。
乾燥捕集ユニット60には、チャンバ61が設けられており、このチャンバ61内に液柱共鳴液滴形成ユニット10が設置される。チャンバ61内には、搬送気流導入口64から下降気流(搬送気流)101が送り込まれ、液柱共鳴液滴形成ユニット10から吐出された液滴21は、重力だけでなく、この下降気流101によっても、下方に向けて搬送される。チャンバ61内を下方へ搬送された液滴は、その搬送中に乾燥固化し、捕集用出口65から排出されて、固化粒子捕集手段62へと送り込まれ、捕集される。固化粒子捕集手段62で捕集された粒子は、その後、必要に応じて二次乾燥処理を行う乾燥手段63に送られる。
吐出された液滴同士が乾燥前に接触すると、液滴同士が合体して一つの大きな粒子になってしまう。以下、この現象を「合着」と呼ぶ。均一な粒径分布のトナー粒子を得るためには、吐出された液滴どうしの距離を確保する必要がある。しかしながら、吐出された液滴は、一定の初速度を持っているが、空気抵抗によって徐々に失速する。そのため、失速した液滴に対して後から吐出された液滴が追いついてしまうことがあり、合着が発生するおそれがある。このような合着現象は定常的に発生するため、この粒子を捕集すると、粒径分布はひどく悪化することとなる。このような合着現象を防ぐため、本実施形態では、下降気流101によって液滴の速度低下を防ぎ、液滴同士が接触しないようにしている。
本実施形態における搬送気流(下降気流101)の向きは下方に向いているが、図10に示すように、液滴吐出方向に対して横方向に向かう搬送気流101を採用することもできる。ただし、この場合には、吐出孔19から搬送気流101によって搬送される液滴の軌跡が重ならないように搬送気流101を形成することが望まれる。搬送気流の向きは、液滴吐出方向に対して横方向でなくても、液滴吐出方向に対して斜め方向であってもよいが、吐出された液滴が離れるような角度を持っていることが望まれる。
また、本実施形態では、下降気流101によって合着の防止と固化粒子捕集手段62への搬送の両方を実現しているが、合着の防止を行うための第1気流と、固化粒子捕集手段62へと搬送するための第2気流とを別々に形成してもよい。この場合、第1気流の流速は吐出時における液滴の移動速度と同じかそれ以上であることが望ましい。吐出時の液滴移動速度より第1気流の流速が遅いと、第1気流本来の目的である液滴同士の接触を防止する機能を十分に果たせない可能性がある。第1気流のその他の特性については、液滴同士が接触しないような条件を適宜追加してもよく、第2気流の特性と必ずしも同じである必要はない。例えば、第1気流に液滴の固化を促進させるような化学物質を混入させたり、液滴の固化を促進させるように物理的な作用を施したりしてもよい。
本実施形態の下降気流101は、例えば、層流、旋回流、乱流などであっても構わない。下降気流101を構成する気体の種類は特に限定は無く、空気であっても窒素等の不燃性気体を用いたものでもよい。また、下降気流101の温度は適宜調整可能であり、生産時において変動の無いことが望ましい。また、チャンバ61内に下降気流101の気流状態を変えるような手段を設けても構わない。また、下降気流101は、液滴同士の接触を防止すだけでなく、チャンバ61の内壁に付着することを防止することに用いても良い。
図9で示すように、本実施形態では、固化粒子捕集手段62によって捕集されたトナー粒子に含まれる残留溶剤量が多い場合には、これを低減するために必要に応じて、乾燥手段63によって二次乾燥が行われる。二次乾燥としては、流動床乾燥や真空乾燥のような一般的な公知の乾燥手段を用いることができる。有機溶剤がトナー中に残留すると、耐熱保存性や定着性、帯電特性等のトナー特性が経時で変動するだけでなく、画像形成動作時の加熱定着の際に有機溶剤が揮発するため、画像形成装置内の各種機器へ悪影響を及ぼす可能性が高まり、充分な乾燥を実施すること事が望まれる。
以下、本実施形態で製造するトナーについて説明する。
本実施形態で製造するトナーは、少なくとも樹脂、着色剤およびワックスを含有し、必要に応じて、帯電調整剤、添加剤およびその他の成分を含有する。
まず、本実施形態で用いるトナー成分液について説明する。
トナー成分液は上述したトナー成分が溶媒に溶解又は分散させた液体状態であるか、または吐出させる条件下で液体であれば溶媒を含まなくてもよく、トナー成分の一部またはすべてが溶融した状態で混合され液体状態を呈しているものである。トナー材料としては、上記のトナー成分液を調整することができれば、公知の電子写真用トナーと同じ物が使用できる。このようなトナー成分液を液柱共鳴液滴形成ユニット10から微小液滴となるように吐出し、その微小液滴を乾燥固化したものを固化粒子捕集手段62で捕集することで、目的とするトナー粒子を作製する。
上記樹脂としては、少なくとも結着樹脂が挙げられる。
上記結着樹脂としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等のビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂、などが挙げられる。
結着樹脂の性状としては溶媒に溶解することが望ましく、この特徴を除けば従来公知の性能を持っていることが望ましい。
結着樹脂のGPC(ゲルパーメンテーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、分子量3千〜5万の領域に少なくとも1つのピークが存在するのが、トナーの定着性、耐オフセット性の点で好ましく、また、THF可溶分としては、分子量10万以下の成分が60〜100[%]となるような結着樹脂も好ましく、分子量5千〜2万の領域に少なくとも1つのピークが存在する結着樹脂がより好ましい。結着樹脂の酸価が0.1〜50[mgKOH/g]を有する樹脂を60[質量%]以上有するものが好ましい。
本実施形態において、トナー組成物の結着樹脂成分の酸価は、JIS K−0070に準じて測定したものである。
本実施形態で使用できる磁性体としては、電子写真トナーに用いられる公知のものを使用することができる。例えば、(1)マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄、(2)鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金、及び(3)これらの混合物、などが用いられる。上記磁性体は、着色剤としても使用することができる。上記磁性体の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、磁性体10〜200質量部が好ましく、20〜150質量部がより好ましい。これらの磁性体の個数平均粒径としては、0.1〜2[μm]が好ましく、0.1〜0.5[μm]がより好ましい。上記個数平均径は、透過電子顕微鏡により拡大撮影した写真をデジタイザー等で測定することにより求めることができる。
上記着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができる。
上記着色剤の含有量としては、トナーに対して1〜15[質量%]が好ましく、3〜10[質量%]がより好ましい。本実施形態に係るトナーで用いる着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチは顔料を予め分散させるためのものであり、顔料の充分な分散が得られていれば用いなくても良い。マスターバッチは一般的に顔料と樹脂とを高せん断をかけることで樹脂中に顔料を硬度に分散させたものである。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、従来公知のものを使用することができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
上記マスターバッチの使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。マスターバッチ製造時に顔料の分散性を高めるために分散剤を用いてもよい。顔料分散性の点で、結着樹脂との相溶性が高いことが好ましく、公知のものを用いることができ、具体的な市販品としては、「アジスパーPB821」、「アジスパーPB822」(味の素ファインテクノ社製)、「Disperbyk−2001」(ビックケミー社製)、「EFKA−4010」(EFKA社製)、などが挙げられる。
上記分散剤は、トナー中に、着色剤に対して0.1〜10[質量%]の割合で配合することが好ましい。配合割合が0.1[質量%]未満であると、顔料分散性が不十分となることがあり、10[質量%]より多いと、高湿下での帯電性が低下することがある。上記分散剤の添加量は、着色剤100質量部に対して1〜200質量部であることが好ましく、5〜80質量部であることがより好ましい。1質量部未満であると分散能が低くなることがあり、200質量部を超えると帯電性が低下することがある。
本実施形態で用いるトナー成分液は、結着樹脂、着色剤とともにワックスを含有する。
ワックスとしては、特に制限はなく、通常使用されるものを適宜選択して使用することができ、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう等の植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスの等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、などが挙げられる。
上記ワックスの融点としては、定着性と耐オフセット性のバランスを取るために、70〜140[℃]であることが好ましく、70〜120[℃]であることがより好ましい。70[℃]未満では耐ブロッキング性が低下することがあり、140[℃]を超えると耐オフセット効果が発現しにくくなることがある。上記ワックスの総含有量としては、結着樹脂100質量部に対し、0.2〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。本実施形態では、DSC(ディファレンシャルスキャニングカロリメトリー)において測定されるワックスの吸熱ピークの最大ピークのピークトップの温度をもってワックスの融点とする。上記ワックス又はトナーのDSC測定機器としては、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行う。本実施形態に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10[℃/min]で、昇温させた時に測定されるものを用いる。
本実施形態に係るトナーには、他の添加剤として、潜像担持体やキャリアの保護、クリーニング性の向上、熱特性・電気特性・物理特性の調整、抵抗調整、軟化点調整、定着率向上等を目的として、各種金属石けん、フッ素系界面活性剤、フタル酸ジオクチルや、導電性付与剤として酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化アンチモン等や、酸化チタン、酸化アルミニウム、アルミナ等の無機微粉体などを必要に応じて添加することができる。これらの無機微粉体は、必要に応じて疎水化してもよい。また、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデン等の滑剤、酸化セシウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、ケーキング防止剤、更に、トナー粒子と逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子とを、現像性向上剤として少量用いることもできる。
これらの添加剤は、帯電量コントロール等の目的で、その表面をシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤、又は種々の処理剤で処理することも好ましい。上記添加剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。上記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、等公知のものを使用できる。
この他、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような外添剤は、表面処理剤により、疎水性を上げ、高湿度下においても外添剤自身の劣化を防止することができる。上記表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが好適に挙げられる。
上記外添剤の一次粒子径としては、5[nm]〜2[μm]であることが好ましく、5[nm]〜500[nm]であることがより好ましい。また、BET法による比表面積としては、20〜500[m/g]であることが好ましい。この無機微粒子の使用割合としては、トナーの0.01〜5[重量%]であることが好ましく、0.01〜2.0[重量%]であることがより好ましい。
静電潜像担持体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合によって製造されたポリマー微粒子、などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1[μm]のものが好ましい。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例について説明する。
本実施例で使用したトナー成分液の処方を以下に示す。なお、液滴吐出条件は、上述した実施形態で説明した通りである。
まず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。カーボンブラック(RegaL400:Cabot社製)17質量部、顔料分散剤3質量部を、酢酸エチル80質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用して一次分散させた。この顔料分散剤としては、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製)を使用した。得られた一次分散液を、ビーズミル(アシザワファインテック社製LMZ型、ジルコニアビーズ径0.3[mm])を用いて強力なせん断力により細かく分散し、5[μm]以上の凝集体を完全に除去した二次分散液を調製した。
次にワックス分散液を調整した。カルナバワックス18質量部、ワックス分散剤2質量部を、酢酸エチル80質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用して一次分散させた。この一次分散液を攪拌しながら80[℃]まで昇温し、カルナバワックスを溶解した後、室温まで液温を下げ、最大径が3[μm]以下となるようワックス粒子を析出させた。ワックス分散剤としては、ポリエチレンワックスにスチレン−アクリル酸ブチル共重合体をグラフト化したものを使用した。得られた分散液を、更にビーズミル(アシザワファインテック社製LMZ型、ジルコニアビーズ径0.3[mm])を用いて強力なせん断力により細かく分散し、最大径が1[μm]以下なるよう調整した。
次に、結着樹脂としての樹脂、上記着色剤分散液及び上記ワックス分散液を添加した下記組成からなるトナー成分液を調製した。結着樹脂としてのポリエステル樹脂100質量部、上記着色剤分散液30質量部、ワックス分散液30質量部を、酢酸エチル840質量部を、攪拌羽を有するミキサーを使用して10分間攪拌を行い、均一に分散させた。溶媒希釈によるショックで顔料やワックス粒子が凝集することはなかった。
次に、本実施例で使用したトナー製造装置の条件について説明する。なお、このトナー製造装置の構成は、実施形態で説明した通りである。
本実施例の液柱共鳴液滴形成ユニット10において、液柱共鳴液室18の長手方向両端間の長さLは1.85[mm]、N=2の共鳴モードであって、当該長手方向に沿って並んだ第1〜第4の吐出孔19がN=2モードでの圧力定在波の腹の位置に配置されている。駆動信号発生源は、NF社ファンクションジェネレーターWF1973を用い、ポリエチレン被覆のリード線で振動発生手段20に接続した。駆動周波数は液共鳴周波数に合わせて340[kHz]とした。また、振動発生手段20の圧電体20Aとしては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用いた。
本実施例の乾燥捕集ユニット60において、チャンバ61の内径はφ400[mm]、高さは2000[mm]の円筒形で垂直に固定されており、上端部と下端部が絞られた形状であって、上端の搬送気流導入口の径はφ50[mm]、下端の搬送気流出口の径はφ50[mm]である。液柱共鳴液滴形成ユニット10はチャンバ61内の上端より300[mm]の高さでチャンバ61の水平方向中央に配置されている。搬送気流(下降気流101)は10.0[m/s]、40[℃]の窒素とした。固化粒子捕集手段62としては、サイクロン捕集機を用いた。
上述のトナー製造装置を用いて、作成したトナー成分液を吐出させ、チャンバ61内で乾燥固化したトナー粒子をサイクロン捕集機で捕集した。吐出に使用した吐出孔19の数は192[個]だった。各4個ずつの吐出孔19を持つ48個の液柱共鳴液室18に吐出開始信号を与え、吐出を行った。振動発生手段20に与えられる駆動信号は、340[kHz]の正弦波信号で、振動発生手段20の圧電体20Aにかかるピークツーピーク電圧が10[V]となるように設定した。トナー成分液14は、濃度が10%(10%質量部)の液を用いた。初期液としては、トナー成分を含まない純粋な酢酸エチルを用いた。
本実施例では、トナー製造方法の評価を行った。
この評価では、液滴吐出時の画像をCCDカメラで撮像し、吐出しているチャンネル数(1チャンネル=1液柱共鳴液室18)を撮像画像に基づいて数えた。撮像画像を取得頻度は、吐出動作開始直後の1秒以内、5分後、10分後、20分後、30分後、60分後とした。60分以上の吐出状態は、目標の安定吐出時間をはるかに超えているのと、評価に要する時間が長くなるため、確認していない。したがって、ここでは、安定して60分まで吐出した条件の長期吐出安定性を60分以上と判断している。
本実施例では、上述したディッピングを行って初期液を各吐出孔19に初期導入した。このディッピングの際、各吐出孔19を初期液(浸漬液)に浸している間に340[kHz]の駆動信号を入れて振動発生手段20を駆動し、液柱共鳴液室18内の液体に振動を与えた。この方法で初期液を初期導入する方法を初期導入方法A−1とする。本実施例では、この他にも、以下に示すような初期導入方法を採用したものについて実施した。
(A−1)340[kHz]10[V]の正弦波駆動信号を入れて液柱共鳴液室18内の液体に振動を与えながらディッピングする。ディッピング時間は3秒で、振動印加時間はディッピング中の2秒だった。
(A−2)28[kHz]20[V]の正弦波で初期液(浸漬液)に振動を与えながらディッピングする。ディッピング時間は3秒で、振動印加時間はディッピング中の2秒だった。
(B)液柱共鳴液室18内を加圧した後に減圧して初期液(浸漬液)を各吐出孔から吸引する。各吐出孔19を初期液(浸漬液)に浸している浸漬時間は3秒で、加圧時間は浸漬時間中の0.5秒で減圧時間は浸漬時間中の2秒だった。
(C)振動を与えず、拡散現象のみに頼ったディッピングする。ディッピング時間は120秒だった。
(D)吐出孔19に初期液を初期導入せず、吐出孔19にトナー成分液を初期導入した(比較例)。
(E)トナー成分液14の補充を受ける液滴吐出部11の補充箇所から初期液を入れて液滴吐出部11内の液柱共鳴液室18を初期液で満たした。図8に示すような、3方向ストップコック23を液柱共鳴液滴形成ユニット10の液共通供給路17に設置し、初期導入時には、3方向ストップコック23の入口を、初期液が貯留された初期液タンクに連通している初期液供給流路に接続して、初期液を液共通供給路17から液柱共鳴液室18へと導入した。その後、3方向ストップコック23の入口の接続を、トナー成分液14が貯留されたトナー成分液タンクに連通しているトナー成分液供給流路へ切り替えて、吐出動作を開始した。これにより、導入された初期液が順次吐出されることに伴い、トナー成分液が液共通供給路17から液柱共鳴液室18へと徐々に補充され、初期液に続いてトナー成分液14が吐出される。
下記の表1に、実施例と比較例の結果を表示する。
表中の固形分濃度は初期液のトナー成分含有濃度を意味し、実際の濃度(質量部%)を表示し、括弧にトナー成分液の濃度に対して初期液の濃度は何%なのかを表示している。また、吐出チャンネル数は、駆動信号を与えたチャンネル数のうち、正常吐出をしていたチャンネルの数を意味する。
また、上記表1中の実施例1における吐出動作開始直後と60分後の撮像画像を、それぞれ、図11(a)及び(b)に示す。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
液滴が固化すると微粒子となるトナー成分液14等の微粒子成分含有液の液滴21を液柱共鳴液滴形成ユニット10等の液滴吐出装置の吐出孔19から吐出する吐出動作を行い、吐出した液滴21を固化させることによりトナー粒子等の微粒子を製造する微粒子製造方法において、上記吐出動作の開始時に上記微粒子成分含有液よりも微粒子含有濃度の低い又は微粒子含有濃度がゼロである初期液を含む液滴が上記液滴吐出装置の吐出孔19から吐出されるように、該初期液を該吐出孔19に導入する初期液導入工程を有することを特徴とする。
これによれば、液滴吐出装置の吐出孔19の出口を覆う液体が、微粒子成分含有液ではなく初期液を含む液体であるので、吐出動作開始までの間に乾燥するのは、この初期液を含むk液体である。初期液は、微粒子成分含有液よりも微粒子含有濃度の低い又は微粒子含有濃度がゼロであるため、この初期液を含むk液体が乾燥によって増粘したとしても、吐出動作開始時における吐出孔出口を覆う液体の粘度は、微粒子成分含有液が吐出孔の出口を塞いでいる場合よりも低く抑えられる。その結果、吐出孔19の出口を覆う液体の増粘によって吐出動作開始時に吐出孔から液滴21を適切に吐出できない状態になる事態が抑制され、吐出動作開始時から安定した液滴21の吐出が実現できる。また、吐出動作開始時における吐出孔出口の液体の粘度を低く抑えられる結果、その後の吐出動作において吐出孔19から液滴21が適切に吐出されない事態が発生する事態も抑制できる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、上記初期液充填工程では、液滴吐出装置の吐出孔19の出口側から上記初期液を導入することを特徴とする。
これによれば、後述する態様Fと比較して、吐出孔の出口を初期液で覆うように初期導入できる確実性が高く、また、初期液の初期導入量を少なく抑えることができる。
(態様C)
上記態様Bにおいて、上記初期液導入工程では、事前に微粒子成分含有液が充填された吐出孔19を上記初期液に浸漬させて、該初期液により該吐出孔19の出口を覆う微粒子成分含有液の微粒子含有濃度が低下するように、該吐出孔19に初期液を導入することを特徴とする。
これによれば、ディッピングによる拡散現象を利用して吐出孔へ初期液を初期導入でき、初期液の初期導入量を少なく抑えることができる。
(態様D)
上記態様Cにおいて、上記初期液導入工程では、事前に微粒子成分含有液が充填された吐出孔19を上記初期液に浸漬させた状態で、該初期液又は該吐出孔19内の微粒子成分含有液に振動を加えることを特徴とする。
これによれば、ディッピングによる吐出孔への初期液導入時間を短縮化することができる。
(態様E)
上記態様Bにおいて、上記初期液導入工程では、上記吐出孔19を上記初期液に浸漬させて該初期液を該吐出孔19内に吸引することにより、該初期液を該吐出孔19に導入することを特徴とする。
これによれば、吐出孔への初期液導入時間が短くできる。
(態様F)
上記態様Aにおいて、上記初期液導入工程では、微粒子成分含有液の補充を受ける液滴吐出装置の3方向ストップコック23等の補充箇所から上記初期液を入れることを特徴とする。
これによれば、液滴吐出装置の補充箇所から微粒子成分含有液を吐出孔に初期導入する従来と同様の方法で、初期液を吐出孔に初期導入することができる。
(態様G)
上記態様A〜Fのいずれかの態様において、上記液滴吐出装置として、該液滴吐出装置内の液柱共鳴液室18内に振動を付与して液柱共鳴による定在波を形成し、該定在波の腹となる領域に形成された該液柱共鳴液室の吐出孔19から該液柱共鳴液室内の微粒子成分含有液又は初期液の液滴を吐出する液滴吐出装置を用いることを特徴とする。
これによれば、高い周波数での液体の連続的な液滴吐出が実現でき、極めて高い生産性が期待できる。
10 液柱共鳴液滴形成ユニット
11 液滴吐出部
14 トナー成分液
17 液共通供給路
18 液柱共鳴液室
19 吐出孔
20 振動発生手段
20A 圧電体
20B 弾性板
21 液滴
23 3方向ストップコック
30 トナー成分液補充ユニット
31 トナー成分液タンク
32 トナー成分液供給流路
33 液循環ポンプ
34 液戻り管
41 吐出孔用薄膜
60 乾燥捕集ユニット
61 チャンバ
62 固化粒子捕集手段
63 乾燥手段
64 搬送気流導入口
65 捕集用出口
101 下降気流
特許第3786034号公報 特許第3786035号公報 特開昭57−201248号公報 特開2006−293320号

Claims (2)

  1. 液滴が固化すると微粒子となる微粒子成分含有液の液滴を液滴吐出装置の吐出孔から吐出する吐出動作を行い、吐出した液滴を固化させることにより微粒子を製造する微粒子製造方法において、
    上記吐出動作の開始時に上記微粒子成分含有液よりも微粒子成分含有濃度の低い又は微粒子成分含有濃度がゼロである初期液を含む液滴が上記液滴吐出装置の吐出孔から吐出されるように、該初期液を該吐出孔に導入する初期液導入工程を有し、
    上記初期液導入工程では、事前に微粒子成分含有液が充填された吐出孔を上記初期液に浸漬させた状態で、該初期液又は該吐出孔内の微粒子成分含有液に振動を加えて、該初期液により該吐出孔の出口を覆う微粒子成分含有液の微粒子成分含有濃度が低下するように、液滴吐出装置の吐出孔の出口側から該吐出孔に該初期液を導入することを特徴とする微粒子製造方法。
  2. 請求項1に記載の微粒子製造方法において、
    上記液滴吐出装置として、該液滴吐出装置内の液柱共鳴液室内に振動を付与して液柱共鳴による定在波を形成し、該定在波の腹となる領域に形成された該液柱共鳴液室の吐出孔から該液柱共鳴液室内の微粒子成分含有液又は初期液の液滴を吐出する液滴吐出装置を用いることを特徴とする微粒子製造方法。
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