JP5974727B2 - 粒子製造方法、及び粒子製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子製造方法、及び粒子製造装置に関する。
粒子径の均一性を要する粒子は、電子写真用のトナー、液晶パネルのスペーサー粒子、電子ペーパー用の着色微粒子、二次電池や燃料電池の電極材料用粒子、医薬品の薬剤担持体などとして様々な用途で利用されている。粒子径が均一な粒子を製造する方法としては、一般には、ソープフリー重合法などの、液中で反応を誘起して樹脂微粒子を得る方法が知られている。しかし、この方法では、水溶液中で微粒子を反応させるために、製品には含まれない不要な水溶液が発生する。前記水溶液は再利用が困難であるため、前記方法は環境負荷の高いという問題がある。
樹脂微粒子の一例である電子写真用トナーの製造には、従来、粉砕法が用いられていた。しかし、近年、重合法と呼ばれる、水系媒体中でトナー粒子を形成する工法が広く行われている。前記重合法は、トナー粒子形成時、あるいはその過程において、トナー原材料の重合反応を伴う工法であり、各種重合方法が実用化されており、懸濁重合法、乳化凝集法、ポリマー懸濁(ポリマー凝集)法、エステル伸長反応法などがある。前記重合法により製造されたトナーは、「重合トナー」又は「ケミカルトナー」と呼ばれている。
前記重合法で得られたトナーは、総じて、前記粉砕法で得られたトナーに比べ、小粒径が得やすく、粒径分布が狭く、形状が球形に近い。したがって、これを用いることで電子写真方式での画像は、高画質を得やすいという利点がある。
しかしその反面、重合過程に長時間を必要とし、更に固化終了後溶媒とトナー粒子を分離し、その後洗浄乾燥を繰り返す必要があり、多くの時間と、多量の水やエネルギーを必要とするため、製造効率が悪いという問題がある。
この問題に対し、トナー材料を有機溶媒に溶解又は分散した液体を様々なアトマイザを用いノズル径に対応した液滴として放出して微粒子化した後に乾燥させて粉体状のトナーを得る噴射造粒法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。この方法によれば、水を用いる必要がなく、洗浄や乾燥といった工程を大幅に削減することができるため、重合法の欠点を回避することができる。
しかし、前記提案の方法では、トナー組成液を噴霧した後に、形成された液滴が乾燥する前に液滴同士が合着し、その状態のまま溶媒が乾燥してトナーが得られるため、結果として得られるトナーの粒径分布の広がりが避けられず、粒径分布としては満足のいくものでない。
また、少なくとも樹脂と着色剤とを含有するトナー組成物を含むトナー組成物流体を、一定の周波数で振動させたノズルから吐出させて液滴とし、該液滴を固化させ粒子化するトナーの製造方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかし、この提案の方法も、液滴が乾燥塔内において合着しやすく、一部の液滴粒子径が大きくなってしまい、狭い粒径分布のトナーが得られにくいという問題がある。
上記に述べた液滴を吐出させるトナーの製造方法は、トナー以外の粒子、例えば、液晶パネルのスペーサー粒子、電子ペーパー用の着色微粒子、二次電池や燃料電池の電極材料用粒子、医薬品の薬剤担持体などの他の粒子の製造にも応用可能であるが、狭い粒径分布が得られないという問題点に関しては、前記他の粒子でも同様である。
したがって、液滴を吐出した後の前記液滴同士の合着を防止し、狭い粒径分布の粒子を製造できる粒子製造方法の提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、液滴を吐出した後の前記液滴同士の合着を防止し、狭い粒径分布の粒子を製造できる粒子製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明の粒子製造方法は、少なくとも1つの吐出孔から、少なくとも樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成液を吐出して液滴を形成する液滴形成工程と、
前記液滴を乾燥させて固化し、粒子を形成する粒子形成工程とを含み、
前記液滴形成工程が、前記吐出孔からの前記樹脂組成液の吐出方向に略直交する方向から、前記吐出孔から吐出された前記液滴に第1の気流を付与する第1の気流付与処理と、前記第1の気流が流れる第1の気流流路内において、前記第1の気流の下流方向よりも前記吐出方向寄りの方向に第2の気流を供給する第2の気流供給処理とを含むことを特徴とする。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、液滴を吐出した後の前記液滴同士の合着を防止し、狭い粒径分布の粒子を製造できる粒子製造方法を提供することができる。
図1は、従来の液滴形成手段の一例を示す概略断面図である。 図2は、従来の液滴形成手段の他の一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の液滴形成手段の一例を示す概略断面図である。 図4は、本発明の液滴形成手段の他の一例を示す概略断面図である。 図5は、本発明の液滴形成手段の他の一例を示す概略断面図である。 図6は、本発明の液滴形成手段の他の一例を示す概略断面図である。 図7は、本発明の液滴形成手段の他の一例を示す概略断面図である。 図8は、本発明の液滴形成手段の他の一例を示す概略断面図である。 図9は、本発明の粒子製造装置の一例を示す断面概略図である。 図10Aは、ラウンド形状の吐出孔の一例を示す概略断面図である。 図10Bは、テーパ形状の吐出孔の一例を示す概略断面図である。 図10Cは、ストレート形状の吐出孔の一例を示す概略断面図である。 図10Dは、ラウンド形状とテーパ形状とを組み合わせた形状の吐出孔の一例を示す概略断面図である。 図11Aは、液柱共鳴液室が片側固定端であり、N=1の場合の速度及び圧力変動の定在波を示す概略説明図である。 図11Bは、液柱共鳴液室が両側固定端であり、N=2の場合の速度及び圧力変動の定在波を示す概略説明図である。 図11Cは、液柱共鳴液室が両側開放端であり、N=2の場合の速度及び圧力変動の定在波を示す概略説明図である。 図11Dは、液柱共鳴液室が片側固定端であり、N=3の場合の速度及び圧力変動の定在波を示す概略説明図である。 図12Aは、液柱共鳴液室が両側固定端であり、N=4の場合の速度及び圧力変動の定在波を示す概略説明図である。 図12Bは、液柱共鳴液室が両側開放端であり、N=4の場合の速度及び圧力変動の定在波を示す概略説明図である。 図12Cは、液柱共鳴液室が片側固定端であり、N=5の場合の速度及び圧力変動の定在波を示す概略説明図である。 図13Aは、液滴形成手段の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子を示す概略説明図である。 図13Bは、液滴形成手段の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子を示す概略説明図である。 図13Cは、液滴形成手段の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子を示す概略説明図である。 図13Dは、液滴形成手段の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子を示す概略説明図である。 図13Eは、液滴形成手段の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子を示す概略説明図である。 図14は、実施例1〜9で用いた液滴形成手段の概略断面図である。 図15は、非合一粒子確率を求める際の粒度分布測定結果の一例を示すグラフである。 図16は、実施例10で用いた液滴形成手段の概略断面図である。 図17は、実施例11で用いた液滴形成手段の概略断面図である。
(粒子製造方法、及び粒子製造装置)
本発明の粒子製造方法は、液滴形成工程と、粒子形成工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
本発明の粒子製造装置は、液滴形成手段と、粒子形成手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
前記粒子製造方法は、前記粒子製造装置によって好適に実施でき、前記液滴形成工程は、前記液滴形成手段により好適に実施でき、前記粒子形成工程は、前記粒子形成手段により好適に実施できる。
前記液滴形成工程は、第1の気流付与処理と、第2の気流供給処理とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の処理を含む。
前記第1の気流付与処理は、前記吐出孔からの前記樹脂組成液の吐出方向に略直交する方向から、前記吐出孔から吐出された前記液滴に第1の気流を付与する処理である。
前記第2の気流供給処理は、前記第1の気流が流れる第1の気流流路内において、前記第1の気流の下流方向よりも前記吐出方向(下流)寄りの方向に第2の気流を供給する処理である。
前記液滴形成手段は、第1の気流付与部材と、第2の気流供給部材とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記第1の気流付与部材は、前記吐出孔からの前記樹脂組成液の吐出方向に略直交する方向から、前記吐出孔から吐出された前記液滴に第1の気流を付与する部材である。
前記第2の気流供給部材は、前記第1の気流が流れる第1の気流流路内において、前記第1の気流の下流方向よりも前記吐出方向寄りの方向に第2の気流を供給する部材である。
前記第1の気流付与部材及び前記第2の気流供給部材は、一体となって前記液滴形成工程を行うような構造であってもよい。
従来、粒子製造方法の液滴形成工程、及び粒子製造装置の液滴形成手段においては、吐出後の液滴を気流に乗せて移動させることで、空気抵抗などによる液滴の速度低下を防ぎ、液滴の合着を防ぐことが行われている。
例えば、図1に示すように、気流流路12から吐出方向と平行方向に気流を流し、この気流によって液滴21を搬送することで、液滴21同士の合着を防ぐことが行われている。しかし、気流を吐出方向と平行方向に流す場合、装置構成上、吐出孔19から吐出された直後の液滴21には気流が当たりにくく、液滴21の合着を防ぐ効果が十分でないという問題がある。気流を吐出方向と平行方向に流す場合、特に同じ吐出孔から吐出された液滴同士の合着が起りやすい。
なお、図1は、液柱共鳴型の液滴形成手段の一例である。図1における液柱共鳴型の液滴形成手段11は、液柱共鳴液室18を有する。液柱共鳴液室18は、長手方向の両端の壁面のうち一方の壁面に設けられた液共通供給路17と連通されている。また、液柱共鳴液室18は、両端の壁面と連結する壁面のうち一つの壁面に液滴21を吐出する吐出孔19と、吐出孔19と対向する壁面に設けられかつ液柱共鳴定在波を形成するために高周波振動を発生する振動手段20とを有している。なお、振動手段20には、図示していない高周波電源が接続されている。
そこで、液滴21の吐出方向に対して略直交する方向へ気流を流す液滴形成工程、及び液滴形成手段が行われる場合がある(図2)。液滴21の吐出方向に対して略直交する方向へ気流を流す場合、気流を吐出方向と平行方向に流す場合に比べて、吐出孔19から吐出された直後の液滴21にも気流が当たり、気流による搬送を吐出直後の液滴に対して行うことができるという長所がある。なお、図2においては、吐出孔が図中下方向(重力方向)を向いており、気流の方向が水平方向であるが、液滴の吐出方向に対して略直交する方向へ気流を流す液滴形成工程及び液滴形成手段は、吐出方向が水平方向を向き、気流の方向が重力方向を向いている態様であってもよい。
しかし、液滴21の吐出方向に対して略直交する方向へ気流を流す場合、気流の方向の上流側の吐出孔から吐出された液滴が気流の方向の下流側の吐出孔から吐出された液滴と接触して合着しやすくなるという問題がある。
そこで、本発明の発明者らは、鋭意検討した結果、吐出孔からの樹脂組成液の吐出方向に略直交する方向から、前記吐出孔から吐出された液滴に第1の気流を付与するとともに、前記第1の気流が流れる第1の気流流路内において、前記第1の気流の下流方向よりも前記吐出方向寄りの方向に第2の気流を供給することにより、液滴同士の合着を防ぐことができ、粒径分布の狭い粒子が得られることを知見し、本発明の完成に至った。
吐出孔からの樹脂組成液の吐出方向に略直交する方向から、前記吐出孔から吐出された液滴に第1の気流を付与するとともに、前記第1の気流が流れる第1の気流流路内において、前記第1の気流の下流方向よりも前記吐出方向寄りの方向に第2の気流を供給することにより、液滴同士の合着を防ぐことができるのは、液滴を搬送する気流の方向が広がり、その流れる方向が広がった気流によって吐出孔から吐出された液滴が搬送されるためと考えられる。
<液滴形成工程、及び液滴形成手段>
前記液滴形成工程は、第1の気流付与処理と、第2の気流供給処理とを少なくとも含み、少なくとも1つの吐出孔から、少なくとも樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成液を吐出して液滴を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液滴形成手段を用いることが好ましい。
前記液滴形成手段は、第1の気流付与部材と、第2の気流供給部材とを少なくとも有し、少なくとも1つの吐出孔を有し、該吐出孔から、少なくとも樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成液を吐出させ、液滴を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1流体ノズル、2流体ノズル等のノズルスプレー型、膜振動型、レイリー分裂型、液振動型、液柱共鳴型などを用いることができる。
前記膜振動型としては、例えば、特開2008−292976号公報に記載されたものなどが挙げられる。前記レイリー分裂型としては、例えば、特許第4647506号公報に記載されたものなどが挙げられる。前記液振動型としては、例えば、特開2010−102195号公報に記載されたものなどが挙げられる。
これらの中でも、前記液滴形成手段は、該液滴の粒径分布が狭く、粒子の生産性を確保できる点で、前記液柱共鳴型を用いることが好ましい。
−第1の気流付与処理、及び第1の気流付与部材−
前記第1の気流付与処理としては、前記吐出孔からの前記樹脂組成液の吐出方向に略直交する方向から、前記吐出孔から吐出された前記液滴に第1の気流を付与する処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記第1の気流付与部材により行うことが好ましい。
前記第1の気流付与部材としては、前記吐出孔からの前記樹脂組成液の吐出方向に略直交する方向から、前記吐出孔から吐出された前記液滴に第1の気流を付与する部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第1の気流流路と、第1の気流発生部とを有する部材などが挙げられる。
ここで、前記略直交とは、略直角に交わることをいう。前記略直角としては、90°±10°が好ましい。
前記第1の気流の速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5m/s〜30m/sが好ましく、10m/s〜20m/sがより好ましい。
また、前記第1の気流の速度としては、前記液滴の初速度の1倍〜2倍が好ましい。
ここで、第1の気流の流速は、吐出孔の直下における速度である。
前記第1の気流に用いる気体の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、空気、窒素などが挙げられるが、樹脂組成液が有機溶剤を含有する場合には、防爆の観点から窒素を用いることが好ましい。
前記第1の気流が流れる第1の気流流路の幅としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mm〜50mmが好ましく、5mm〜20mmがより好ましい。ここで、前記第1の気流流路の幅とは、吐出孔を有する壁(又は薄膜)と該壁(又は薄膜)に対向し、前記第1の気流流路を形成する流路壁との距離である。
−第2の気流供給処理、及び第2の気流供給部材−
前記第2の気流供給処理としては、前記第1の気流が流れる第1の気流流路内において、前記第1の気流の下流方向よりも前記吐出方向寄りの方向に第2の気流を供給する処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記第2の気流供給部材により行うことが好ましい。
前記第2の気流供給部材としては、前記第1の気流が流れる第1の気流流路内において、前記第1の気流の下流方向よりも前記吐出方向寄りの方向に第2の気流を供給する部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第2の気流発生手段を有する部材などが挙げられる。
前記第1の気流の下流方向よりも前記吐出方向(下流)寄りの方向は、前記第1の気流の下流方向と前記吐出方向(の下流方向)との間の方向、及び前記吐出方向(の下流方向)を含む。
前記第2の気流の速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5m/s〜150m/sが好ましく、10m/s〜100m/sがより好ましい。
前記第1の気流の流速(A)と前記第2の気流の流速(B)との比(B/A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜25が好ましく、2〜10がより好ましい。前記比(B/A)が、1未満又は25を超えると、合着を防ぐ効果が低下することがある。前記比(B/A)が、前記より好ましい範囲内であると、合着を防ぐ効果が顕著となる点で、有利である。
ここで、第2の気流の速度は、第1の気流流路に供給された直後(図3における開口55)における速度である。
前記第2の気流に用いる気体の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、空気、窒素などが挙げられる。
前記第1の気流流路の流路壁は、前記吐出孔に対向した湾曲面を有することが好ましい。
前記第2の気流の少なくとも一部は、前記湾曲面を沿って流れることが好ましい。
そうすることにより、コアンダ効果を利用して、簡便な部材の構成により、前記第1の気流の下流方向よりも前記吐出方向寄りの方向に第2の気流を供給することができる。
前記湾曲面における湾曲形状としては、前記第2の気流にコアンダ効果を与える形状であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、曲率半径として、5mm〜30mmが好ましい。
ここで、液滴形成工程、及び液滴形成手段について、図を用いて説明する。図3は、液柱共鳴型の液滴形成手段11の一例の概略断面図である。液柱共鳴については後述するため、ここでは、液滴を吐出した後について詳細に説明する。
図3に示す液滴形成手段は、液柱共鳴液室18を有する。液柱共鳴液室18には吐出孔19が設けられている。液柱共鳴液室18の吐出孔19から吐出された液滴21は、液滴21の吐出方向と略直交する方向に流れる第1の気流51により、第1の気流流路22内を搬送される。図3における第1の気流流路22は、第1の気流51の方向における上流側から下流側に向かって、第1の気流51の方向に直交する方向における断面積が広がっている。図3における第1の気流流路22の前記断面積は、第1の気流51の方向における最も上流側の吐出孔19が存在する位置近傍から下流側に向かって広がっている。なお、前記断面積の広がりは、第1の気流51の方向における最も上流側の吐出孔19よりも更に上流側から生じていてもよいし、第1の気流の51の方向における上流側から2番目の吐出孔19が存在する位置近傍や更に下流側で生じていてもよい。
また、吐出孔19に対向する第1の気流流路22の流路壁54の内部には、第2の気流52を第1の気流流路22に供給する第2の気流流路23が設けられている。第2の気流流路23は、流路壁54に設けられた開口55につながっている。開口55は、流路壁54の一部であって第1の気流流路22を広げるように形成された部分に設けられている。開口55よりも第1の気流51の方向の下流側の流路壁54の壁面54aは、第1の気流51の方向と液滴21の吐出方向がなす面と平行な断面において湾曲形状をしている。
図3の液滴形成手段を用いた液滴形成工程について説明する。まず、液柱共鳴現象を用いて吐出孔19から液滴21を吐出する。その際、第1の気流発生手段(不図示)により発生した第1の気流51を第1の気流流路22に流し、液滴21に付与する。第1の気流51は、液滴21の吐出方向に略直交する方向から液滴21に付与される。
第1の気流51が付与された液滴21は、第1の気流51の影響により、吐出方向(の下流方向)と第1の気流51の下流方向との間の方向に向かって流される。
更に、流路壁54内の第2の気流流路23に、第2の気流発生手段(不図示)により発生した加圧気流53を流す。加圧気流53は、第2の気流流路23内に設けられた空間により速度が均一化され、第2の気流52となって開口55から吹き出す。第2の気流52は、流路壁54に設けられた開口55から出て第1の気流51と合流する。この際、開口55よりも第1の気流51の方向の下流側の流路壁54の壁面54aが、第1の気流51の方向と液滴21の吐出方向がなす面と平行な断面において湾曲形状をしていることで、第2の気流52の少なくとも一部は、コアンダ効果により、湾曲形状をした壁面54aに沿って流れる。すると、第1の気流51が第2の気流52に引き寄せられ、液滴21を搬送する気流の方向が広がる。そうすることで、液滴21同士の間隔(特に、隣り合った吐出孔19から出た液滴21同士の間隔)が広がり、液滴21の合着が防止される。
図4及び5は、液柱共鳴型の液滴形成手段の他の一例の概略断面図である。
図4においては、壁面54aの第2の気流52の方向の下流側の端部が、第1の気流51の方向において最も上流側に形成された吐出孔19よりも、第1の気流51の方向において上流側に配置されている。ここで、壁面54aの第2の気流52の方向の下流側の端部とは、図4における壁面54aによる湾曲形状の第2の気流52の方向の下流側の端部である。また、壁面54aの第2の気流52の方向の下流側の端部とは、流路壁54の第2の気流52の方向の下流側の端部ということもできる。
図5においては、壁面54aの第2の気流52の方向の上流側の端部が、第1の気流51の方向において最も下流側に形成された吐出孔19よりも、第1の気流51の方向において下流側に配置されている。ここで、壁面54aの第2の気流52の方向の上流側の端部とは、図5における壁面54aによる湾曲形状の第2の気流52の方向の上流側の端部である。また、壁面54aの第2の気流52の方向の上流側の端部とは、壁面54aにおける開口55を形成している端部ということもできる。
図6及び7は、液柱共鳴型の液滴形成手段の他の一例の概略断面図である。図6においては、第1の気流51の下流方向と吐出方向との間の方向に第2の気流52が吹き出すように開口55が形成されている。図7においては、第2の気流52が吐出方向に吹き出すように開口55が形成されている。図6及び7の液滴形成手段においては、第2の気流はコアンダ効果を用いずに、流路壁54及び開口54の形状を利用して、第1の気流51の下流方向よりも吐出方向寄りの方向に第2の気流が流れるようになっている。
また、液滴形成手段11は、図8に示すように、吐出方向が水平方向であり、第1の気流51が重力方向に向いて流れているような態様であってもよい。
−液柱共鳴型−
前記液滴形成手段の一例の液柱共鳴型液滴形成手段について、説明する。
液柱共鳴型液滴形成手段は、少なくとも1つの吐出孔を有する液柱共鳴液室の内部の樹脂組成液に振動を付与することで液柱共鳴による圧力定在波を形成させ、前記圧力定在波の腹となる領域に配置された前記少なくとも1つの吐出孔から前記樹脂組成液を吐出して液滴を形成する手段である。
前記液柱共鳴型液滴形成手段は、前記少なくとも1つの吐出孔を有する液柱共鳴液室と、該液柱共鳴液室内の前記樹脂組成液に振動を付与する振動発生部とを有することが好ましい。
該振動発生部によって前記液柱共鳴液室内の前記樹脂組成液に振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記樹脂組成液を液滴状に吐出することができる。
前記「圧力定在波の腹となる領域」とは、液柱共鳴定在波の圧力波において振幅が大きく、圧力変動が大きい領域であり、かつ液滴を吐出するのに十分な大きさの圧力変動を有する領域である。そのような圧力定在波の腹となる領域としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記圧力定在波の振幅が極大となる位置(速度定在波としての節)から極小となる位置に向かって±1/3波長が好ましく、±1/4波長がより好ましい。前記吐出孔が、前記圧力定在波の腹となる領域に形成されていると、複数の吐出孔が開口されていても、それぞれの吐出孔からほぼ均一な液滴を形成することができ、更には効率的に液滴の吐出を行うことができ、吐出孔の詰まりも生じ難くなる点で好ましい。
−−液柱共鳴液室−−
前記液柱共鳴液室とは、後述する液柱共鳴現象の原理に従い、前記振動発生部によって付与される振動により圧力定常波を形成することができる液室である。
前記液柱共鳴液室の形状、構造、大きさとしては、前記振動により圧力定常波を形成することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記形状としては、例えば、四角柱(長方体)、円柱、円すい台などが挙げられるが、四角柱(長方体)が好ましい。
前記構造としては、例えば、容器のみからなる単層構造、液室本体と表面層とからなる2重構造、積層構造などが挙げられる。
前記液柱共鳴液室を形成する材質としては、例えば、金属、セラミックス、プラスチック、シリコーンなどが挙げられる。これらの中でも、前記樹脂組成液に溶解せず、かつ樹脂組成液の変性を起こさないものが好ましい。
また、前記液柱共鳴液室としては、前記振動発生部による振動の駆動周波数において樹脂組成液の共鳴周波数に影響を与えない程度の高い剛性を持つ材質により形成されたフレームがそれぞれ接合されて形成されたことが好ましく、そのような材質としては、金属、セラミックス、シリコーンなどが挙げられる。
前記液柱共鳴液室において、前記吐出孔は、圧力定在波の腹となる領域に形成されている(以下、前記液柱共鳴液室において吐出孔が配置された面(壁)を「薄膜」と称することがある)。また、液柱共鳴液室は、長手方向の端部に樹脂組成液供給のための連通口を有してなり、必要に応じて、液柱共鳴液室の長手方向の片端乃至両端における、少なくとも一部に該長手方向の軸と垂直な反射壁面を有する。
ここで、「反射壁面」とは、液体の音波を反射させる程度に硬質な部材、例えば、アルミ、ステンレス等の金属部材、シリコーン等の部材などにより形成された壁面をいう。
図3に示すような、液柱共鳴液室18の長手方向の両端の壁面間の長さLとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述するような液柱共鳴原理に基づいて決定されることが好ましい。また、液柱共鳴液室18の幅としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液柱共鳴に余分な周波数を与えないように、前記液柱共鳴液室の長さLの2分の1より小さいことが好ましい。
前記液滴形成手段における前記液柱共鳴液室の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液滴の生産性を飛躍的に向上させるために、1つの液滴形成手段に対して複数配置されることが好ましく、操作性と生産性が両立できる点において、100個〜2,000個がより好ましく、100個〜1,000個がより好ましく、100個〜400個が特に好ましい。
−−吐出孔−−
前記吐出孔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記圧力定在波の腹となる領域の少なくとも1つの領域に、少なくとも1つの吐出孔が配置されることが好ましく、また、1つの液柱共鳴液室に、複数配置されることが好ましい。
前記吐出孔の個数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記液滴形成手段が液柱共鳴型である場合、1つの液柱共鳴液室に形成された吐出孔の個数としては、1つでも構わないが、複数個配置することが生産性の観点から好ましく、2個〜100個が好ましく、4個〜60個がより好ましく、4個〜20個が特に好ましい。1つの液柱共鳴液室に形成された吐出孔の個数が、100個を超えると、吐出孔から所望の樹脂組成液の液滴を形成させる場合に、前記振動発生部に与える電圧を高く設定する必要が生じ、前記振動発生部の挙動が不安定となることがある。一方、4個〜20個の場合、圧力定在波が安定し、かつ生産性が保たれる。
更に、前記液滴形成手段が、液柱共鳴型である場合、前記圧力定在波の腹となる領域の少なくとも1つに対して形成された吐出孔の個数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1個〜20個が好ましく、4個〜15個がより好ましく、4個〜10個が特に好ましい。前記吐出孔の個数は多いほど生産性が高くなるが、20個を超えると、吐出孔が密集しすぎ、吐出した液滴が合着して粗大な粒子となって画質に悪影響を及ぼすことがある。
前記吐出孔の開口径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜40μmが好ましく、2μm〜15μmがより好ましく、6μm〜12μmが特に好ましい。前記開口径が、1μm未満であると、形成される液滴が非常に小さくなるため粒子(例えば、トナー)を得ることができない場合がある。また、前記開口径が、40μmを超えると、前記樹脂組成液の液滴の直径が大きく、これを乾燥固化させて所望の粒子径3μm〜6μmを得る場合、有機溶媒で樹脂組成液(例えば、トナー組成液)を非常に希薄な液に希釈する必要がある場合があり、一定量の粒子(例えば、トナー)を得るために乾燥エネルギーが大量に必要となってしまい、不都合となることがある。一方、前記開口径が、6μm〜12μmであると、吐出孔が開口する部材を製造する際に、多数の吐出孔の孔径ばらつきを小さく保つことができ、吐出孔を密集させて生産性を高く保つことができるため有利である。
なお、前記吐出孔の開口径とは、吐出孔の液滴が吐出される側に位置する開口部の直径であり、真円であれば直径を意味し、楕円、若しくは四角形、六角形、八角形等の多角形乃至正多角形であれば平均径を意味する。
前記吐出孔の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
図10A〜Dに、前記吐出孔の断面形状の一例を示す。図10Aは、吐出孔19の接液面から吐出口に向かってラウンド形状を持ちながら開口径が狭くなるような形状を有しており、液柱共鳴液室の吐出孔が形成された薄膜41が振動した際に吐出孔19の出口付近で液にかかる圧力が最大となるため、吐出の安定化に際しては最も好ましい形状である。
図10Bは、吐出孔19の接液面から吐出口に向かって一定の角度を持って開口径が狭くなるようなテーパ角Aを有するテーパ形状を有する。ここで、前記テーパ角とは、吐出孔の開口面(吐出孔の形成面の厚み方向に対して垂直な面)に対する垂線(開口軸)と、前記吐出孔の形成面の厚み方向の断面における、前記吐出孔の断面形状の側面とのなす角度をいう。前記テーパ角Aは、適宜変更することができる。前記図10Aと同様に、前記テーパ角Aによって薄膜41が振動したときの吐出孔19の出口付近で液にかかる圧力を高めることができるが、前記テーパ角の範囲としては、60°〜90°が好ましい。前記テーパ角Aが、60°未満であると、前記樹脂組成液に圧力がかかりにくく、更に薄膜41の加工が難しくなることがある。前記テーパ角Aが、90°である場合は、図10Cが相当する。この場合、吐出孔19の出口に圧力がかかりにくくなることがある。前記テーパ角が、90°を超えると、吐出孔19の出口に圧力がかからなくなり、液滴吐出が非常に不安定化することがある。
図10Dは、前記図10Aと図10Bとを組み合わせた形状である。このように段階的に形状を変更しても構わない。
また、複数の吐出孔が形成された場合、圧力定在波の腹となる領域の1つにおける前記吐出孔間のピッチ(隣接する吐出孔の中心部間の最短間隔)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以上かつ液柱共鳴液室の長さL以下が好ましく、20μm〜200μmがより好ましく、40μm〜135μmが更に好ましく、40μm〜80μmが特に好ましい。前記吐出孔間のピッチが20μm未満であると、隣り合う吐出孔より放出された液滴同士が衝突して大きな滴となってしまう確率が高くなり、粒子の粒径分布悪化につながることがある。
前記吐出孔間のピッチは、吐出孔間において、全て等間隔であってもよく、少なくとも1つのピッチが異なっていてもよいが、全て等間隔であることが、均一な粒径の粒子を得ることができる点で好ましい。
−−振動発生部−−
前記振動発生部としては、所定の周波数で駆動でき、前記液柱共鳴液室内の前記樹脂組成液に振動を付与できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧電体、超音波振動発生部などが挙げられる。
前記圧電体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックス、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子、水晶、LiNbO、LiTaO、KNbO等の単結晶などの材質から形成された圧電体などが挙げられる。
前記超音波振動発生部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁歪素子などが挙げられる。
これらの中でも、圧電体が好ましい。前記圧電体は、一般に変位量が小さいため積層して使用されることが多い。
前記振動発生部の配置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも1つの吐出孔が形成された前記液柱共鳴液室の一の壁面(長手方向の面)と対面する壁に形成されていることが好ましい。
また、前記振動発生部は、弾性板に貼りあわせた形態であることが好ましく、該弾性板は、振動発生部が接液しないように液柱共鳴液室の壁の一部を形成することが好ましい。
更に、前記振動発生部は、1つの液柱共鳴液室毎に個別に制御できるように配置されることが好ましい。また、液柱共鳴液室の配置にあわせて、弾性板を介してブロック状の圧電体等の振動発生部を配置することが、それぞれの液柱共鳴液室を個別制御できる観点から好ましい。
−−−液滴形成のメカニズム−−−
次に、液柱共鳴型液滴形成手段による液滴形成のメカニズムについて説明する。
前記液柱共鳴液室(例えば、図3の液滴形成手段11内の液柱共鳴液室18)において生じる液柱共鳴現象の原理について説明すると、前記液柱共鳴液室内の前記樹脂組成液の音速をcとし、前記振動発生部(例えば、図3の振動発生部20)から媒質である前記樹脂組成液に与えられた駆動周波数をfとした場合、前記樹脂組成液の共鳴が発生する波長λは、下記式(1)の関係にある。
λ=c/f ・・・式(1)
ここで、前記液柱共鳴液室が、両側固定端の場合、乃至両側固定端と等価である場合、前記液柱共鳴液室の長手方向の両端における反射壁面間の長さを、液柱共鳴液室の長手方向の長さLとする。この場合、長さLが波長λの4分の1の偶数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、下記式(2)で表される。
L=(N/4)λ ・・・式(2)
ただし、Nは、偶数である。
なお、「両側固定端と等価である場合」とは、ある端において圧力の逃げ部がないとみなすことができる場合であり、例えば、ある端において反射壁面の高さが、樹脂組成液供給のための連通口の高さの2倍以上である場合、及びある端において反射壁面の面積が、樹脂組成液供給のための連通口の開口部の面積の2倍以上である場合などを指す。
図3において、液柱共鳴液室18の固定端側のフレームの端部から液共通供給路17側の端部までの長さが、長さLに相当する。また、液共通供給路17側のフレームの端部の高さh1(=約80μm)は連通口の高さh2(=約40μm)の約2倍あり当該端部が閉じている両側固定端と等価であるとみなすことができる。
更に、両端が完全に開いている両側開放端の場合にも上記式(2)が成り立つ。
同様にして、片方側が圧力の逃げ部がある開放端と等価で、他方側が閉じている(固定端である)場合、つまり片側固定端の場合、乃至片側開放端の場合には、長さLが波長λの4分の1の奇数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、上記式(2)のNが奇数で表される場合に相当する。なお、両側開放端の場合は、Lが波長の4分の1の偶数倍、片側固定端の場合は、Lが波長の4分の1の奇数倍に相当する。
最も効率の高い駆動周波数fは、上記式(1)及び上記式(2)より、下記式(3)が導かれる。
f=N×c/(4L) ・・・式(3)
ただし、Lは液柱共鳴液室の長手方向の長さを表し、cは樹脂組成液の音波の速度を表し、Nは整数を表す。
したがって、本発明の前記粒子製造方法及び粒子製造装置において、前記樹脂組成液に対して、上記式(3)が成立する周波数fの振動を付与することが好ましい。しかし、実際には、樹脂組成液は、共鳴を減衰させる粘性を持つために無限に振動が増幅されるわけではなく、Q値を持ち、後述する式(4)、式(5)に示すように、前記式(3)に示す最も効率の高い駆動周波数fの近傍の周波数でも共鳴は発生する。
図11A〜DにN=1、2、3の場合の速度及び圧力変動の定在波の形状(共鳴モード)を示し、かつ図12A〜CにN=4、5の場合の速度及び圧力変動の定在波の形状(共鳴モード)を示す。本来は疎密波(縦波)であるが、図11A〜D及び図12A〜Cのように表記することが一般的である。実線が速度定在波(速度分布)、点線が圧力定在波(圧力分布)である。
例えば、N=1の片側固定端の場合を示す図11Aからわかるように、速度定在波の場合、閉口端で速度定在波の振幅がゼロとなり、開口端で振幅が最大となる。
液柱共鳴液室の長手方向の両端の間の長さをLとしたとき、液体が液柱共鳴する波長をλとし、整数Nが1〜5の場合に定在波が最も効率よく発生する。また、両端の開閉状態によっても定在波パターンは異なるため、それらも併記した。後述するが、吐出孔の開口や供給側の開口の状態によって、端部の条件が決まる。
なお、音響学において、開口端とは長手方向の媒質(液)の移動速度がゼロとなる端であり、逆に圧力は極大となる。閉口端においては、逆に媒質の移動速度がゼロとなる端と定義される。閉口端は音響的に硬い壁として考え、波の反射が発生する。理想的に完全に閉口、若しくは開口している場合は、波の重ね合わせによって図11A〜D及び図12A〜Cのような形態の共鳴定在波を生じるが、吐出孔数、吐出孔の開口位置によっても定在波パターンは変動し、前記式(3)より求めた位置からずれた位置に共鳴周波数が現れるが、適宜駆動周波数を調整することで安定吐出条件を作り出すことができる。
例えば、液体の音速cが1,200[m/s]、液柱共鳴液室の長さLが1.85[mm]を用い、両端に壁面が存在して、両側固定端と完全に等価のN=2の共鳴モードを用いた場合、前記式(3)より、最も効率の高い共鳴周波数は324kHzと導かれる。他の例では、液体の音速cが1,200[m/s]、液柱共鳴液室の長さLが1.85[mm]と、上記と同じ条件を用い、両端に壁面が存在して、両側固定端と等価のN=4の共鳴モードを用いた場合、前記式(3)より、最も効率の高い共鳴周波数は648kHzと導かれ、同じ構成の液柱共鳴液室においても、より高次の共鳴を利用することができる。
図3に示す液滴形成手段11における液柱共鳴液室18は、両端が閉口端状態と等価であるか、吐出孔の開口の影響で、音響的に軟らかい壁として説明できるような端部であることが周波数を高めるためには好ましいが、それに限らず開放端であってもよい。ここでの吐出孔の開口の影響とは、音響インピーダンスが小さくなり、特にコンプライアンス成分が大きくなることを意味する。よって、図11B及び図12Aのような液柱共鳴液室の長手方向の両端に壁面を形成する構成は、両側固定端の共鳴モード、そして吐出孔側が開口とみなす片側開放端の全ての共鳴モードが利用できるために、好ましい構成である。
また、吐出孔の開口数、開口配置位置、吐出孔の断面形状も駆動周波数を決定する因子となり、駆動周波数はこれに応じて適宜決定することができる。
例えば、吐出孔の数を多くすると、徐々に固定端であった液柱共鳴液室の先端の拘束が緩くなり、ほぼ開口端に近い共鳴定在波が発生し、駆動周波数は高くなる。更に、最も液供給路側に存在する吐出孔の開口配置位置を起点に緩い拘束条件となり、また吐出孔の断面形状がラウンド形状となったりフレームの厚さによる吐出孔の体積が変動したり、実際上の定在波は短波長となり、駆動周波数よりも高くなる。このように決定された駆動周波数で振動発生手段に電圧を与えたとき、振動発生手段が変形し、駆動周波数にて最も効率よく共鳴定在波を発生する。また、共鳴定在波が最も効率よく発生する駆動周波数の近傍の周波数でも液柱共鳴定在波は発生する。つまり、液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さをL、液供給側の端部に最も近い吐出孔までの距離をLeとしたとき、L及びLeの両方の長さを用いて下記式(4)及び下記式(5)で決定される範囲の駆動周波数fを主成分とした駆動波形を用いて振動発生手段を振動させ、液柱共鳴を誘起して液滴を吐出孔から吐出することが可能である。
N×c/(4L)≦f≦N×c/(4Le) ・・・式(4)
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・式(5)
ただし、Lは液柱共鳴液室の長手方向の長さを表し、Leは液供給路側の端部に最も近い吐出孔までの距離を表し、cは樹脂組成液の音波の速度を表し、Nは整数を表す。
なお、液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さLと、液供給側の端部に最も近い吐出孔までの距離Leの比がLe/L>0.6であることが好ましい。
以上説明した液柱共鳴現象の原理を用いて、図3の液柱共鳴液室18において液柱共鳴圧力定在波が形成され、液柱共鳴液室18の一部に配置された吐出孔19において連続的に液滴21の吐出が発生する。なお、定在波の圧力が最も大きく変動する位置に吐出孔19を配置すると、吐出効率が高くなり、低い電圧で駆動することができる点で好ましい。
次に、液滴形成手段における液滴吐出ヘッド内の液柱共鳴液室で生じる液柱共鳴現象の様子について当該様子を示す図13A〜Eを用いて説明する。なお、図13A〜Eにおいて、液柱共鳴液室内に記した実線は、液柱共鳴液室内の固定端側から液共通供給路側の端部までの間の任意の各測定位置における速度をプロットした速度分布を示し、液共通供給路側から液柱共鳴液室への方向を「+」とし、その逆方向を「−」とする。また、液柱共鳴液室内に記した点線は、液柱共鳴液室内の固定端側から液共通供給路側の端部までの間の任意の各測定位置における圧力値をプロットした圧力分布を示し、大気圧に対して正圧を「+」とし、負圧は「−」とする。また、正圧であれば図中の下方向に圧力が加わることになり、負圧であれば図中の上方向に圧力が加わることになる。
更に、図13A〜Eにおいて、上述したように液共通供給路側が開放されているが液共通供給路17と液柱共鳴液室18とが連通する開口の高さ(図3に示す高さh2)に比して固定端となるフレームの高さ(図3に示す高さh1)が約2倍以上であるため、液柱共鳴液室18はほぼ両側固定端であるという近似的な条件のもとでの速度分布及び圧力分布の時間的なそれぞれの変化を示している。
図13Aは、液滴吐出時の液柱共鳴液室18内の圧力波形(圧力分布)と速度波形(速度分布)を示している。また、図13Bは、液滴吐出直後の液引き込みを行った後再びメニスカス圧が増加してくる様子を示している。これらの図13A及び図13Bに示すように、液柱共鳴液室18における吐出孔19が設けられている流路内での圧力は、極大となっている。その後、図13Cに示すように、吐出孔19付近の正の圧力は小さくなり、負圧の方向へ移行して液滴21が吐出される。そして、図13Dに示すように、吐出孔19付近の圧力は極小になる。このときから液柱共鳴液室18への樹脂組成液14の充填が始まる。その後、図13Eに示すように、吐出孔19付近の負の圧力は小さくなり、正圧の方向へ移行する。この時点で、樹脂組成液14の充填が終了する。そして、再び、図13Aに示すように、液柱共鳴液室18の液滴吐出領域の正の圧力が極大となって、吐出孔19から液滴21が吐出される。
このように、液柱共鳴液室内には振動発生手段の高周波駆動によって液柱共鳴による定在波が発生し、また圧力が最も大きく変動する位置となる液柱共鳴による定在波の腹に相当する液滴吐出領域に吐出孔19が配置されていることから、当該腹の周期に応じて液滴21が吐出孔19から連続的に吐出される。
−樹脂組成液−
前記樹脂組成液は、樹脂と、溶媒とを少なくとも含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
前記樹脂組成液としては、例えば、少なくとも樹脂を溶媒に溶解又は分散させた樹脂組成液などが挙げられる。
本発明の前記粒子製造方法及び粒子製造装置は、トナーの製造方法及びトナーの製造装置としても好適に利用可能である。この場合の前記樹脂組成液は、トナー組成液である。前記樹脂組成液がトナー組成液である場合、該トナー組成液中の前記その他の成分としては、着色剤、離型剤、帯電調整剤、磁性体、添加剤などが挙げられる。
以下、トナーの製造に特に適した樹脂組成液(トナー組成液)の組成について詳細に説明するが、本発明における樹脂組成液は、トナーを製造するための樹脂組成液に限定されるものではなく、液晶パネルのスペーサー粒子を製造するための樹脂組成液、電子ペーパー用の着色微粒子を製造するための樹脂組成液、医薬品の薬剤担持体を製造するための樹脂組成液であってもよい。
−−樹脂−−
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記溶媒に分散乃至溶解するものであることが好ましく、例えば、結着樹脂などが挙げられる。
前記結着樹脂としては、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等のビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステル樹脂を構成するモノマーとしては、例えば、アルコール成分、酸成分などが挙げられる。
前記アルコール成分としては、2価のアルコール成分、3価以上のアルコール成分などが挙げられる。
前記2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、前記ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオールなどが挙げられる。
前記3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンなどが挙げられる。
前記酸成分としては、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸などが挙げられる。
前記2価のカルボン酸としてしては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のべンゼンジカルボン酸類又はその無水物、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物などが挙げられる。
前記3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、乃至これらの無水物、部分低級アルキルエステルなどが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂を架橋させるためには、前記3価以上のアルコールや前記3価以上のカルボン酸を併用することが好ましい。その際は、樹脂が有機溶剤に溶解することを妨げない範囲の少量の添加量とする必要がある。
前記結着樹脂がポリエステル樹脂の場合は、その分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ分析)による分子量分布で、分子量3,000〜50,000の領域に少なくとも1つのピークが存在するのが、トナーの定着性、耐ホットオフセット性の点で好ましい。また、テトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量としては、100,000以下の成分が60%〜100%となるような結着樹脂が吐出性の面から好ましく、分子量5,000〜20,000の領域に少なくとも1つのピークが存在する結着樹脂がより好ましい。
前記結着樹脂が前記ポリエステル樹脂の場合、その酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1mgKOH/g〜100mgKOH/gが好ましく、0.1mgKOH/g〜70mgKOH/gがより好ましく、0.1mgKOH/g〜50mgKOH/gが特に好ましい。
なお、本発明において、前記樹脂の酸価は、JIS K−0070に準じて測定したものである。
−−溶媒−−
前記溶媒としては、前記樹脂を溶解乃至分散し得る限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液滴形成工程で形成された液滴(吐出孔から気相に吐出された液滴)は、前記粒子形成工程で乾燥されることから、容易に乾燥できる溶媒が好ましい。
このような溶媒としては、沸点が100℃以下のものが、乾燥速度が速い点で好ましい。
前記沸点が100℃以下の溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、トルエン、キシレンが好ましい。
−−着色剤−−
前記着色剤としては、特に制限はなく、従来公知の顔料、染料などを使用することができる。
前記樹脂組成液中の前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーに対して、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂(マスターバッチ用樹脂)と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。前記マスターバッチは、一般的に、顔料と前記マスターバッチ用樹脂とを高せん断をかけることで、該マスターバッチ用樹脂中に該顔料を硬度に分散させたものである。したがって、前記顔料の充分な分散が得られていれば、前記マスターバッチを用いなくてもよい。
前記マスターバッチ用樹脂としては、特に制限はなく、従来公知のものを使用することができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
前記マスターバッチの使用量としては、前記結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましい。
前記マスターバッチ製造時に顔料の分散性を高めるために分散剤を用いてもよい。前記分散剤は、顔料分散性の点で、結着樹脂との相溶性が高いことが好ましく、従来公知のものを用いることができる。
前記分散剤の市販品の具体例としては、商品名で、アジスパーPB821、アジスパーPB822(以上、味の素ファインテクノ株式会社製)、Disperbyk−2001(ビックケミー株式会社製)、EFKA(登録商標)−4010(EFKA社製)、などが挙げられる。
前記分散剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記着色剤に対して、0.1質量%〜10質量%が好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、顔料分散性が不十分となることがあり、10質量%を超えると、高湿下での帯電性が低下することがある。
−−離型剤−−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ワックスが好ましい。
前記ワックスとしては、特に制限はなく、通常使用されるものを適宜選択して使用することができ、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの等の脂肪酸エステルを主成分とするものなどが挙げられる。また、前記脂肪酸エステルの一部又は全部を脱酸化したものを用いることもできる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性と耐ホットオフセット性のバランスを取る点で、70℃〜140℃が好ましく、70℃〜120℃がより好ましい。前記融点が、70℃未満であると、耐ブロッキング性が低下することがあり、140℃を超えると、耐ホットオフセット効果が発現しにくくなることがある。
なお、本発明では、DSC(示差走査熱量測定)で測定される前記離型剤の吸熱ピークの最大ピークのピークトップの温度を前記離型剤の融点とする。
前記DSCは、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/分間で、昇温させた時に測定されるものを用いる。
前記樹脂組成液中の前記離型剤の総含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対し、0.2質量部〜20質量部が好ましく、0.5質量部〜10質量部がより好ましい。
−−添加剤−−
前記添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記樹脂組成物(トナー組成液)には、例えば、静電潜像担持体(「感光体」とも称する)やキャリアの保護、クリーニング性の向上、熱特性・電気特性・物理特性の調整、抵抗調整、軟化点調整、定着率向上等を目的として、各種金属石けん、フッ素系界面活性剤、フタル酸ジオクチル、導電性付与剤(酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化アンチモン、シリカ、アルミナ等)、無機微粉体(酸化チタン、酸化アルミニウム、アルミナ等)などの添加剤を必要に応じて添加することができる。前記無機微粉体は、必要に応じて疎水化してもよい。また、研磨剤(ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデン等の滑剤、酸化セシウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等)、ケーキング防止剤、更に、トナー粒子と逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子とを、添加剤の1種である現像性向上剤として少量用いることもできる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、無機微粒子を含むことが好ましい。
これらの添加剤は、帯電量コントロール等の目的で表面処理剤により表面処理が施されたものであってもよい。前記添加剤に表面処理が施されていると、疎水性を上げ、高湿度下においても添加剤自身の劣化を防止することができる点で有利である。
前記表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、官能基を有するシランカップリング剤、有機ケイ素化合物、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンワニス、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記添加剤の1次粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。
また、前記添加剤のBET法による比表面積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20m/g〜500m/gが好ましい。
前記添加剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記粒子がトナーとして用いられる場合、該トナーに対して、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.01質量%〜2.0質量%がより好ましい。
前記樹脂組成液中の固形分濃度としては、前記液滴が形成できる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、溶液粘度、液の音速、液の表面張力などの物性の変化が少ない方が、吐出条件を大きく変える必要がないため好ましく、30質量%以下がより好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。前記固形分濃度が、5質量%未満であると、前記粒子形成工程において、乾燥エネルギー等が増大して、生産面での効率が低下することがあり、20質量%を超えると、吐出条件を大きく変える必要があるため、安定して均一な液滴形成ができないことがある。
以下、本発明の粒子製造方法において液柱共鳴法を利用した液滴形成工程の一実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明の粒子製造方法における液滴形成工程は、これに限られるものではない。
図9は、本発明の粒子製造方法を実施するための粒子製造装置の全体の一例を示す概略断面図であり、主に、液滴形成ユニット111及び粒子形成手段60を有する。
液柱共鳴法において、液滴形成手段は、図3に示す、吐出孔19によって外部と連通する液吐出領域を有する液柱共鳴液室であって、前記メカニズムにより液柱共鳴定在波が発生する液柱共鳴液室18内の樹脂組成液14を液滴21として吐出孔19から吐出する液滴形成手段11であり、好ましくは、液柱共鳴液室が複数配列された液滴形成ユニット111である。
まず、図9を用いて、液滴形成手段11(液滴形成ユニット111)への樹脂組成液14の送液形態の一例について説明する。
粒子製造装置1は、原料収容器13に収容されている樹脂組成液14を、液供給管16を通して液循環ポンプ15により圧送し、液滴形成手段11に供給する。更に樹脂組成液14は、液滴形成手段11から液戻り管42を通って原料収容器13に戻る。
液滴形成手段11は、図3に示すように、液共通供給路17及び液柱共鳴液室18を有する液柱共鳴液滴形成手段である。液柱共鳴液室18は、長手方向の両端の壁面のうち一方の壁面に設けられた液共通供給路17と連通されている。また、液柱共鳴液室18は、両端の壁面と連結する壁面のうち一つの壁面にトナー液滴21を吐出する吐出孔19と、吐出孔19と対向する壁面に設けられ、かつ液柱共鳴定在波を形成するために高周波振動を発生する振動手段20とを有している。なお、振動手段20には、図示していない高周波電源が接続されている。
液柱共鳴液室18内には、吐出孔19が少なくとも1つ、好ましくは複数形成されている。吐出孔19は、液柱共鳴液室18内の幅方向に設けることが、吐出孔19の開口を多数設けることができ、よって生産効率が高くなるために好ましい。なお、吐出孔19の開口配置によって液柱共鳴周波数が変動するため、液柱共鳴周波数は液滴の吐出を確認して適宜決定することが望ましい。
また、液滴形成手段11における振動手段20としては、所定の周波数で駆動できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、圧電体を、弾性板に貼りあわせた形態が好ましい。前記弾性板は、前記圧電体が接液しないように液柱共鳴液室の壁の一部を形成している。
なお、吐出孔19の断面形状は、図3においては吐出方向に向かって一定の角度をもって開口径が狭くなるような形状として記載されているが、適宜断面形状を変更することができる。
次に、液柱共鳴法による液滴形成について概説する。
図9に示す原料収容器13に収容されている樹脂組成液14は、当該樹脂組成液14を循環させるための液循環ポンプ15によって液供給管16を通って、図3に示す液共通供給路17内に流入し、液柱共鳴液室18に供給される。そして、樹脂組成液14が充填されている液柱共鳴液室18内には、振動手段20によって発生する液柱共鳴定在波により圧力分布が形成される。そして、液柱共鳴定在波において振幅の大きな部分であって圧力変動が大きい、圧力定在波の腹となる領域に配置されている吐出孔19から液滴21が吐出される。
液滴形成手段11への送液圧力及び、粒子形成手段60内の圧力は、液圧力計P1及び粒子形成手段60内の圧力計P2によって管理される。このとき、P1>P2の関係であると、樹脂組成液14が吐出孔から染み出す恐れがあり、P1<P2の場合には液滴形成手段11に気体が入り、吐出が停止する恐れがあるため、P1≒P2があることが望ましい。
液共通供給路17を通過した樹脂組成液14は、図9に示す液戻り管22を流れて原料収容器13に戻される。液滴21の吐出によって液柱共鳴液室18内の樹脂組成液14の量が減少すると、液柱共鳴液室18内の液柱共鳴定在波の作用による吸引力が作用し、液共通供給路17から供給される樹脂組成液14の流量が増加し、液柱共鳴液室18内に樹脂組成液14が補充される。そして、液柱共鳴液室18内に樹脂組成液14が補充されると、液共通供給路17を通過する樹脂組成液14の流量が元に戻り、液供給管16及び液戻り管22には装置内を循環する樹脂組成液14の流れが再び形成された状態となる。
液滴形成工程において、液滴形成手段11の吐出孔19から吐出した樹脂組成液14の液滴21は、図3に示すように、第1の気流51及び第2の気流52によって搬送され、図9に示す粒子形成手段60側に流出される。
<粒子形成工程、及び粒子形成手段>
前記粒子形成工程としては、前記液滴を乾燥させて固化し、粒子を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記粒子形成手段を用いて行うことが好ましい。
前記粒子形成手段としては、前記液滴を乾燥させて固化し、粒子を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記液滴を乾燥させて固化する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記液滴形成手段により液滴を吐出孔の外(気相)に吐出後、該気相中で該液滴を乾燥させる、即ち、液滴中の溶媒を揮発させる方法などが挙げられる。
前記気相中の雰囲気(温度、蒸気圧、気体の種類等)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記気体の温度は、粒子形成時において変動のないことが望ましい。
前記気体の種類としては、例えば、空気、窒素等の不燃性気体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記液滴が乾燥固化されることにより得られる粒子は、固体状態を維持し得る限り、完全に乾燥された状態でなくてもよい。この場合、前記粒子が捕集された後、更に後述する2次乾燥工程が行われることが好ましい。
以下、本発明の粒子製造方法の粒子形成工程の一実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明の粒子製造方法における粒子形成工程は、これに限られるものではない。
図9に示すように、粒子製造装置1において、粒子形成手段60内で搬送気流導入口64から作られる下降気流101が形成されていると、液滴形成手段11から吐出された液滴21は、重力によってのみではなく、搬送気流101によっても下方に向けて搬送され、搬送気流排出口65を介して効率よく微粒子捕集手段62によって捕集され、製造効率が向上する点で好ましい。
前記搬送気流101の気流の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、層流、旋回流、乱流などが挙げられる。
また粒子形成手段60内に搬送気流101の気流状態を変えるような手段をとっても構わない。搬送気流101は、液滴21同士の合着を防止するだけでなく、液滴21が粒子形成手段60の内部に付着することを防止することに用いてもよい。
<その他の工程、及びその他の手段>
前記その他の工程としては、例えば、粒子捕集工程、2次乾燥工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、粒子捕集手段、2次乾燥手段などが挙げられる。
−粒子捕集工程、及び粒子捕集手段−
前記粒子捕集工程としては、前記粒子形成工程の後に行われる工程であり、前記乾燥固化した粒子を気相中から捕集する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記粒子捕集手段により好適に行われる。
前記粒子捕集手段としては、前記乾燥固化した粒子を気相中から捕集する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サイクロン捕集手段、バックフィルターなどが挙げられる。
−2次乾燥工程、及び2次乾燥手段−
前記2次乾燥工程としては、前記粒子形成工程で形成された粒子を更に乾燥させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記2次乾燥手段により行うことができる。
前記2次乾燥手段としては、前記粒子形成工程で形成された粒子を更に乾燥させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動床乾燥装置、真空乾燥装置などが挙げられる。
前記粒子がトナー粒子である場合には、前記粒子形成工程で形成された粒子中に含まれる(残存する)溶媒含有量が多いと、耐熱保存性、定着性、帯電特性等のトナー特性が経時で変動するだけでなく、加熱による定着時において溶媒が揮発するため、使用者及び周辺機器へ悪影響を及ぼす可能性が高まる。したがって、前記2次乾燥工程により、前記粒子中の溶媒を低減させることが好ましい。
製造される粒子が二次電池正極材料用粒子のように樹脂成分を含まない粒子の場合には、前記樹脂組成液から粒子を作製後(前記粒子形成工程後)、又は前記粒子形成工程の際に、樹脂成分を熱分解する加熱処理を行うことにより、樹脂成分を熱分解して、二次電池正極材料用粒子を得ることができる。
前記加熱処理における加熱温度としては、前記樹脂組成液に含まれる樹脂成分を熱分解できる温度であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の粒子製造方法、及び粒子製造装置を用いることにより、液滴を吐出した後の前記液滴同士の合着を防止し、狭い粒径分布の粒子を製造できる。そのため、本発明の粒子製造方法、及び粒子製造装置は、電子写真用のトナー、液晶パネルのスペーサー粒子、電子ペーパー用の着色微粒子、二次電池や燃料電池の電極材料用粒子、医薬品の薬剤担持体など様々な粒子の製造に利用可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1:トナー組成液の製造)
<着色剤分散液の調製>
カーボンブラック(Regal 400、Cabot社製)17質量部と、顔料分散剤(アジスパーPB821、味の素ファインテクノ株式会社製)3質量部と、酢酸エチル80質量部とを混合し、得られた混合物を、攪拌羽根を有するミキサーで1次分散させ、1次分散液を得た。得られた1次分散液を、ビーズミル(アシザワファインテック株式会社製、LMZ型、ジルコニアビーズ直径:0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、5μm以上の凝集体を完全に除去した1次分散液(着色剤分散液)を得た。
(調製例B:カルナバワックス分散液の調製)
カルナバワックス(東亜化成株式会社製)18質量部と、ワックス分散剤2質量部と、酢酸エチル80質量部とを混合し、得られた混合物を攪拌羽を有するミキサーで1次分散させ、1次分散液を得た。得られた1次分散液を攪拌しながら80℃まで昇温しカルナバワックスを溶解した後、室温まで液温を下げ最大径が3μm以下となるようワックス粒子を析出させた。ワックス分散剤としては、ポリエチレンワックスにスチレン−アクリル酸ブチル共重合体をグラフト化したものを使用した。得られた分散液を、更にビーズミル(アシザワファインテック株式会社製、LMZ型、ジルコニアビーズ直径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、最大径が1μm以下なるよう調整し、カルナバワックス分散液を得た。
<トナー組成液の調製>
結着樹脂としてのポリエステル樹脂100質量部と、着色剤分散液30質量部と、カルナバワックス分散液30質量部と、酢酸エチル840質量部とを混合し、得られた混合物を、攪拌羽を有するミキサーを使用して10分間攪拌し、均一に分散してトナー組成液を得た。この際、溶媒希釈によるショックで顔料やワックス粒子が凝集することはなかった。
(実施例1)
<粒子製造装置>
図9に示す構成の粒子製造装置1を用いた。詳細を以下に示す。
液滴形成手段としては図14及び以下に示す液柱共鳴型液滴形成手段を用いた。
−液柱共鳴型液滴形成手段−
液柱共鳴液室18の長手方向の両端間の長さLが1.85[mm]、N=2の共鳴モードであって、第一から第四の吐出孔がN=2モード圧力定在波の腹の位置に吐出孔を配置したものを用いた。駆動信号発生源はNF社ファンクションジェネレーターWF1973を用い、ポリエチレン被覆のリード線で振動発生手段に接続した。この時の駆動周波数は液共鳴周波数に合わせて340[kHz]とした。
吐出孔19は、図10Aに示すようなラウンド形状をしている。このラウンド形状は、吐出孔19の接液面から吐出口に向かって、中心角が90°の円弧形状をしている。吐出孔19を形成した薄膜の厚みは30μmであった。吐出孔19の開口径は、8.0μmであり、吐出孔19の間隔は、200μmであった。また、液柱共鳴液室18における吐出孔19を有する薄膜と該薄膜に対向する流路壁54との距離L1(第1の気流流路22の幅)は、10mmとした。
流路壁54の壁面は、第1の気流流路22において第1の気流51の方向の上流側では、吐出孔19を有する薄膜41と平行であるが、第1の気流51の方向に対して最も上流側の吐出孔19と2番目に上流側の吐出孔19との間に対向する位置から下流側に行くにしたがって第1の気流流路22が広がるように薄膜41との距離が長くなるような傾斜面54bを有している。そして、その傾斜面54bの下流側には、第2の気流52が吹き出す開口55が設けられている。更に、開口55の下流側には、開口55から吹き出した第2の気流52がコアンダ効果によりその進行方向が湾曲するような、湾曲した壁面54aを有している。湾曲した壁面54aの曲率半径は、8mmである。
−粒子形成手段−
・粒子形成手段60:内径400mm、高さ2,000mm、円筒形で垂直に固定され、上端部と下端部が絞られている。
・搬送気流導入口64:内径50mm
・搬送気流排出口65:内径50mm
・搬送気流101:窒素ガス、気流速度10.0m/s、気流温度30℃
なお、液滴形成手段11は、粒子形成手段60内上端より下端側へ300mmの高さで粒子形成手段60の中央に配置した。液柱共鳴液室が300個集積した液滴形成ユニットを用いた。
<トナーの製造>
上記粒子製造装置を用いて、トナーの製造を行った。
−液滴形成工程−
原料収容器13に収容されたトナー組成液14を、液供給管16を介して液滴形成手段11に輸送し、液滴形成手段11の吐出孔19から30分間吐出した。
吐出したトナー組成液14からなる液滴は、図14に示す液滴形成手段における第1の気流51により搬送されながら第2の気流52による影響により搬送方向が広げられ、ほとんど合着せずに搬送された。
この際、第1の気流の速度を10m/s、第2の気流の速度を50m/sとして、液滴の形成を行った。
ここで、第1の気流の速度は、PIV(Particle image velocimetry)法を用いて、吐出孔19の直下近傍の速度ベクトルを算出し、平均速度として測定した。第2の気流の速度は、同様にPIV法を用いて、開口55で測定した。
ここで、PIV法とは、気流の速度ベクトル分布を計測する方法である。具体的には、観測したい気流中に線香の煙などの微粒子を浮遊させ、微粒子にレーザー光を照射し、粒子散乱光のパターン像をカメラで捕捉する方法である。PIV法は、一定時間後に再度粒子散乱光のパターン像その画像を取り込み、2枚の画像を比較して速度場をベクトル表示する手法として広く利用されている。
本実施例では、PIV法による測定において、LaVision社製のPIVシステム(DaVis)を用いた。また、速度絶対値の構成として、カノマックス社製の熱線式風速計を用いた。
−粒子形成工程−
第1の気流51により搬送された液滴は、更に搬送気流101により搬送されながら、粒子形成手段60内で乾燥固化され、これによりトナー粒子が形成された。このトナー粒子を、搬送気流排出口65(ここでは、サイクロン方式)を介して、微粒子捕集手段62に捕集した後、微粒子貯留部63で貯蔵した。微粒子貯留部63よりトナーを取り出し、実施例1のトナーを得た。
<評価>
得られたトナーについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
−体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)の測定−
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製、FPIA−3000)を用い、下記に示す測定条件で体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)を測定した。
フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10−3cmの水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10mL中に、ノニオン系界面活性剤(和光純薬株式会社製、コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器STM社製UH−50で20kHz、50W/10cmの条件で1分間分散処理を行い、更に、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4,000個/10−3cm〜8,000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒径を測定した。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させた。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラを、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着した。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子を、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影した。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出した。
約1分間で、1,200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定した。結果(頻度%及び累積%)は、0.06μm〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得た。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行った。
以上の測定から、体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)を求めた。
−非合一粒子確率−
非合一粒子確率は、捕集した微粒子(トナー)の個数基準粒度分布を粒度分布測定装置(マルチサイザー、ベックマンコールター社製)で測定し、図15に例示するような粒度分布から、最頻粒径の分布に存在する基本粒子の、全体粒子の数のなかの割合を計算することにより求めた。
−細線再現性−
製造したトナーを含有する現像剤を用いて、細線再現性を評価した。以下にその方法を示す。
−−キャリアの作製−−
被覆層材料としてのシリコーン樹脂をトルエンに分散させて、被覆層分散液を調製した後、加温状態にて、芯材(平均粒径50μmの球形フェライト粒子)にスプレーコートし、焼成した。そして、冷却後、平均厚み0.2μmの被覆層を有するキャリアを作製した。
−−現像剤の作製−−
得られたトナー4質量部に対し、前記キャリア96質量部を混合して二成分現像剤を作製した。
−−細線再現性試験−−
作製した現像剤を、市販の複写機(イマジオネオ271、株式会社リコー製)の現像器部分を改良した改造機に入れ、画像占有率7%の印字率で株式会社リコー製6000ペーパーを用いてランニングを実施した。その時の初期10枚目の画像と3万枚目の画像の細線部を原稿と比較し、光学顕微鏡を用いて100倍で拡大観察し、ラインの抜けの状態を段階見本と比較しながら、下記評価基準(◎、○、△、×の4段階)で評価した。なお、◎>○>△>×の順に画像品質が高いことを表し、特に×の評価は製品として採用できないレベルである。
〔評価基準〕
◎:コントラストが明瞭であって、チリ(飛び散り)がない。
○:ややぼやける。
△:線がヌケたり、チリが発生している。
×:チリ、ヌケが多い。
(実施例2〜9)
実施例1において、第1の気流の速度及び第2の気流の速度を、表1に記載の速度にした以外は、実施例1と同様にして、トナーを製造した。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1において、液滴形成手段として図16に示す液柱共鳴型液滴形成手段を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを製造した。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
なお、下記に説明する装置構成以外のその他の装置構成は、実施例1と同様である。
図16においては、壁面54aの第2の気流52の方向の下流側の端部が、第1の気流51の方向において最も上流側に形成された吐出孔19よりも、第1の気流51の方向において上流側に配置されている。ここで、壁面54aの第2の気流52の方向の下流側の端部とは、図16における壁面54aによる湾曲形状の第2の気流52の方向の下流側の端部である。
(実施例11)
実施例1において、液滴形成手段として図17に示す液柱共鳴型液滴形成手段を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを製造した。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
なお、下記に説明する装置構成以外のその他の装置構成は、実施例1と同様である。
図17においては、壁面54aの第2の気流52の方向の上流側の端部が、第1の気流51の方向において最も下流側に形成された吐出孔19よりも、第1の気流51の方向において下流側に配置されている。ここで、壁面54aの第2の気流52の方向の上流側の端部とは、図17における壁面54aによる湾曲形状の第2の気流52の方向の上流側の端部である。
(比較例1)
実施例1において、図2に示す液滴形成手段を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを製造した。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、第2の気流を流さなかった以外は、実施例1と同様にして、トナーを製造した。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1〜11で製造したトナーは、非合一粒子確率が高く、粒径分布の狭いトナーであった。特に第1の気流の流速(A)と第2の気流の流速(B)との比(B/A)が、2〜10である実施例1〜6、10、及び11のトナーは、非合一粒子確率が非常に高く、細線再現性のよいトナーであった。
(実施例12)
<二次電池正極材料用粒子の作製>
−樹脂組成液の作製−
電極材料であるカーボンブラック(Regal 400、Cabot社製)27質量部と、分散剤(アジスパーPB821、味の素ファインテクノ株式会社製)3質量部と、酢酸エチル70質量部とを混合し、電極材料分散液を得た。
得られた電極材料分散液100質量部に、ポリエチレングリコール10質量部を溶解させ、樹脂組成液を得た。
−二次電池正極材料用粒子の作製−
実施例1において、トナー組成液を上記で得た樹脂組成液に代え、更に粒子形成工程において、チャンバ61内の雰囲気を800℃とし、粒子形成と共にポリエチレングリコールを熱分解させた以外は、実施例1と同様にして、二次電池正極材料用粒子を作製した。
<評価>
得られた二次電池正極材料用粒子について体積平均粒径、粒径分布(体積平均粒径/個数平均粒径)、及び非合一粒子確率を測定した。結果を表2に示す。
なお、体積平均粒径、粒径分布及び非合一粒子確率は、実施例1の方法と同様の方法で測定した。
(実施例13)
<液晶パネルのスペーサー粒子の作製>
−樹脂組成液の作製−
トルエン90質量部にポリスチレン樹脂(ディーアイシー社製)10質量部を溶解させ、樹脂組成物を得た。
−液晶パネルのスペーサー粒子の作製−
実施例1において、トナー組成液を上記で得た樹脂組成液に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶パネルのスペーサー粒子を作製した。
<評価>
得られた液晶パネルのスペーサー粒子について体積平均粒径、粒径分布(体積平均粒径/個数平均粒径)、及び非合一粒子確率を測定した。結果を表3に示す。
なお、体積平均粒径、粒径分布及び非合一粒子確率は、実施例1の方法と同様の方法で測定した。
実施例12、及び13より、本発明の粒子製造方法及び粒子製造装置は、トナー以外の粒子についても液滴の合着を防ぎ、粒径分布が狭い粒子を製造可能なことが確認できた。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 少なくとも1つの吐出孔から、少なくとも樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成液を吐出して液滴を形成する液滴形成工程と、
前記液滴を乾燥させて固化し、粒子を形成する粒子形成工程とを含み、
前記液滴形成工程が、前記吐出孔からの前記樹脂組成液の吐出方向に略直交する方向から、前記吐出孔から吐出された前記液滴に第1の気流を付与する第1の気流付与処理と、前記第1の気流が流れる第1の気流流路内において、前記第1の気流の下流方向よりも前記吐出方向寄りの方向に第2の気流を供給する第2の気流供給処理とを含むことを特徴とする粒子製造方法である。
<2> 第1の気流流路の流路壁が、吐出孔に対向した湾曲面を有し、
第2の気流の少なくとも一部が、前記湾曲面を沿って流れる前記<1>に記載の粒子製造方法である。
<3> 第1の気流の流速(A)と第2の気流の流速(B)との比(B/A)が、2〜10である前記<1>から<2>のいずれかに記載の粒子製造方法である。
<4> 液滴形成工程が、少なくとも1つの吐出孔を有する液柱共鳴液室の内部の樹脂組成液に振動を付与することで液柱共鳴による圧力定在波を形成させ、前記圧力定在波の腹となる領域に配置された前記少なくとも1つの吐出孔から前記樹脂組成液を吐出して液滴を形成する処理を含む前記<1>から<3>のいずれかに記載の粒子製造方法である。
<5> 液柱共鳴における駆動周波数fが、下記式(5)を満たす前記<4>に記載の粒子製造方法である。
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・式(5)
(ただし、Lは液柱共鳴液室の長手方向の長さを表し、Leは液供給路側の端部に最も近い吐出孔までの距離を表し、cは樹脂組成液の音波の速度を表し、Nは整数を表す。)
<6> 少なくとも1つの吐出孔を有し、該吐出孔から、少なくとも樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成液を吐出させ、液滴を形成する液滴形成手段と、
前記液滴を乾燥させて固化し、粒子を形成する粒子形成手段とを有し、
前記液滴形成手段が、前記吐出孔からの前記樹脂組成液の吐出方向に略直交する方向から、前記吐出孔から吐出された前記液滴に第1の気流を付与する第1の気流付与部材と、前記第1の気流が流れる第1の気流流路内において、前記第1の気流の下流方向よりも前記吐出方向寄りの方向に第2の気流を供給する第2の気流供給部材とを有することを特徴とする粒子製造装置である。
<7> 第1の気流流路の流路壁が、吐出孔に対向した湾曲面を有する前記<6>に記載の粒子製造装置である。
1 粒子製造装置
11 液滴形成手段
14 樹脂組成液
18 液柱共鳴液室
19 吐出孔
21 液滴
22 第1の気流流路
51 第1の気流
52 第2の気流
54 流路壁
60 粒子形成手段
特許第3786034号公報 特許第3786035号公報 特開昭57−201248号公報 特開2006−293320号公報

Claims (5)

  1. 少なくとも1つの吐出孔から、少なくとも樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成液を吐出して液滴を形成する液滴形成工程と、
    前記液滴を乾燥させて固化し、粒子を形成する粒子形成工程とを含み、
    前記液滴形成工程が、前記吐出孔からの前記樹脂組成液の吐出方向に略直交する方向から、前記吐出孔から吐出された前記液滴に第1の気流を付与する第1の気流付与処理と、前記第1の気流が流れる第1の気流流路内において、前記第1の気流の下流方向よりも前記吐出方向寄りの方向に第2の気流を供給する第2の気流供給処理とを含み、
    前記第1の気流流路の流路壁が、前記吐出孔に対向した湾曲面を有し、
    前記第2の気流の少なくとも一部が、前記湾曲面を沿って流れることを特徴とする粒子製造方法。
  2. 第1の気流の流速(A)と第2の気流の流速(B)との比(B/A)が、2〜10である請求項1に記載の粒子製造方法。
  3. 液滴形成工程が、少なくとも1つの吐出孔を有する液柱共鳴液室の内部の樹脂組成液に振動を付与することで液柱共鳴による圧力定在波を形成させ、前記圧力定在波の腹となる領域に配置された前記少なくとも1つの吐出孔から前記樹脂組成液を吐出して液滴を形成する処理を含む請求項1から2のいずれかに記載の粒子製造方法。
  4. 液柱共鳴における駆動周波数fが、下記式(5)を満たす請求項3に記載の粒子製造方法。
    N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・式(5)
    ただし、Lは液柱共鳴液室の長手方向の長さを表し、Leは液供給路側の端部に最も近い吐出孔までの距離を表し、cは樹脂組成液の音波の速度を表し、Nは整数を表す。)
  5. 少なくとも1つの吐出孔を有し、該吐出孔から、少なくとも樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成液を吐出させ、液滴を形成する液滴形成手段と、
    前記液滴を乾燥させて固化し、粒子を形成する粒子形成手段とを有し、
    前記液滴形成手段が、前記吐出孔からの前記樹脂組成液の吐出方向に略直交する方向から、前記吐出孔から吐出された前記液滴に第1の気流を付与する第1の気流付与部材と、前記第1の気流が流れる第1の気流流路内において、前記第1の気流の下流方向よりも前記吐出方向寄りの方向に第2の気流を供給する第2の気流供給部材とを有し、
    前記第1の気流流路の流路壁が、前記吐出孔に対向した湾曲面を有することを特徴とする粒子製造装置。
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