JP2004061682A - 電子写真用トナー、このトナーを用いた現像剤、トナーカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents

電子写真用トナー、このトナーを用いた現像剤、トナーカートリッジ及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温定着性とオイルレス定着性(ホットオフセット性)を向上したトナーを提供すること。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤からなる電子写真用トナーにおいて、該離型剤として下記一般式で表わされるアクリルまたはメタアクリル酸誘導体からなる重合体を用いる。
CH=CR−COOCHRCHR−OCOR
(式中R、R、RはHまたはCH、Rは炭素数11〜21以上のアルキル基である。)
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真用モノクロトナーおよびカラートナーに関するものであり、特に低温定着性及び離型性(オフセット性)に優れた電子写真用モノクロトナーおよびカラートナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真技術、特に乾式の電子写真技術を用いた複写機、FAX、プリンターでは広く粉砕トナーが用いられてきたが、近年では重合トナーが実用化されその使用が広がりつつある。
【0003】
粉砕トナー、重合トナーに拘わらず、総じて近年トナーに課せられている大きな課題のひとつは、世の中の環境に対する厳しい見方も反映し、出来るだけ低温で定着できること、所謂低温定着性である。また、従来電子写真方法では定着部で何も対策を施さないとトナーが定着ロラーに付着する所謂ホットオフセットと言う現象が起こるため、定着ローラーからの離型性を出すために、何枚かのコピー毎にまたは連続的に定着ローラーにオイルを塗布することを行なってきた。しかしながらこの方法は面倒であり、高耐久コピー機やコピー機のメンテナンスフリー化の妨げになってきた。また使用するオイルによるべたつきの問題もあった。
【0004】
そこで、近年省エネ、省資源の社会的な要求の広がりもあり、電子写真方法の大きな課題であるオイルを使用することのない、即ちオイルレスの定着装置が嘱望されるようになってきた。現在いくつかの商品にオイルレス定着装置が搭載され始めたがその性能は未だ満足の行くレベルではない。オイルレス定着はオイルを塗布しないでいかにオフセットを防止するかであり、ここでは両者を同義として用いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は低温定着性の向上と十分なオイルレス定着性(ホットオフセット性向上)を実現することである。
【0006】
本発明者が鋭意検討を重ねた結果、トナー中に優れた離型性を有するアクリルまたはメタアクリル酸誘導体を離型剤として含有させることによって、従来の電子写真方法において成し得なかった低温定着性とオイルレス性を達成することができるという知見を得て、本発明を完成させたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は次の構成を有する。
(1)少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤からなる電子写真用トナーにおいて、該離型剤が下記一般式(I)で表わされるアクリルまたはメタアクリル酸誘導体からなる重合体であることを特徴とする電子写真用トナー。
CH=CR−COOCHRCHR−OCOR ・・・ 一般式(I)
(式中R、R、RはHまたはCH、Rは炭素数11〜21のアルキル基である。)
【0008】
(2)外部に有機または無機微粒子を有することを特徴とする上記(1)記載の電子写真用トナー。
(3)上記(1)又は(2)記載の電子写真用トナーと電子写真用キャリアとからなることを特徴とする電子写真用現像剤。
(4)上記(1)又は(2)記載の電子写真用トナーを充填したことを特徴とする電子写真用トナーカートリッジ。
(5)上記(1)、(2)記載の電子写真用トナーまたは上記(3)記載の電子写真用現像剤を用いたことを特徴とする電子写真方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明において用いるアクリルまたはメタアクリル酸誘導体は特開平5−229991号公報に開示されている新物質であり、本物質を使った電子写真用トナーは市販の製品にはなく、また刊行物にも記載されていない。
【0010】
本発明において用いるアクリルまたはメタアクリル酸誘導体は溶融時に優れた離型性を示す。またトナーの結着樹脂の軟化点に比較してかなり融点が低く低温定着性にも効果を有する。
【0011】
本発明において用いるアクリルまたはメタアクリル酸誘導体の具体例としては、例えば、2−ドデカノイロキシエチルアクリレート、2−ドデカノイロキシエチルメタクリレート、2−ドデカノイロキシ−1−メチルエチルアクリレート、2−ドデカノキシ−1−メチルエチルメタクリレート、2−ドデカノイロキシプrッピルアクリレート、2−ドデカノイロキシプロピルメタクリレート、2−オクタデカノイロキシエチルアクリレート、2−オクタデカノイロキシエチルメタクリレート、2−オクタデカノイロキシ−1−メチルエチルアクリレート、2−オクタデカノイロキシ−1−メチルメタクリレート、2−オクタデカノイロキシプロピルアクリレート、2−オクタデカノイロキシプロピルメタクリレート、2−ドコサノイロキシエチルアクリレート、2−ドコサノイロキシエチルメタクリレート2−ドコサノイロキシ−1−メチルエチルアクリレート、2−ドコサノイロキシ−1−メチルエチルメタクリレート、2−ドコサノイロキシプロピルアクリレート、2−ドコサノイロキシプロピルメタクリレート等をあげることができる。
【0012】
本発明において用いるアクリルまたはメタアクリル酸誘導体は種々の方法で製造することができるが、例えば、(メタ)アクリルアルカノールエステルと長鎖アルキルカルボン酸との縮合反応で、好ましくは溶剤に可溶な酸存在下で合成することができる。(メタ)アクリルアルカノールエステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルアクリレート、2―ヒドロキシ―1−メチルエチルメタクリレート等を使用することができる。
長鎖アルキルカルボン酸としては、例えば、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸等を使用することができる。
【0013】
上記のアクリルまたはメタアクリル酸誘導体を一定の条件で重合させ目的の重合体を得、これを他のトナー組成物と一緒に溶融粉砕するかまたは重合させて最終トナーを得る。通常はこのトナーに有機あるいは無機微粒子を付着または埋め込んで使用に供する。
【0014】
上記微粒子を付着させたトナーとキャリアとを混合して二成分現像剤とし、これを用いて感光体上の静電潜像を現像することにより電子写真画像を得る。キャリアを用いず、トナーのみで現像する一成分現像剤として用いても良い。白黒用トナーとして用いてもカラートナーとして用いても良い。
また、本発明のトナーは該トナーを充填したトナーカートリッジの形態として実機上で用いられても良い。
【0015】
本発明のアクリルまたはメタアクリル酸誘導体の融点は40〜100℃であり、トナーの結着樹脂の軟化点に比してかなり低く、低温定着性に効果を有する。以上本発明の要諦をまとめると、低温定着が可能で、且つ高いオイルレス性を示すトナーである。
【0016】
本発明の付随する効果は従来使用されてきたワックス類は結着樹脂との相溶性が悪いものが多いのに対し、本発明において用いるアクリルまたはメタアクリル酸誘導体はスチレンーアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、エポキシ樹脂等の結着樹脂との相溶性が良いことを特徴としている。
【0017】
さらに本発明において用いるアクリルまたはメタアクリル酸誘導体は重合性が良く、しかも他の共重合可能な単量体との共重合による変性も可能であり、このことにより、結着樹脂との相溶性も加減できる。更にこうした共重合により極性を制御することができ、離型剤としての性質と帯電制御剤の性質とを兼ね備えることができる。あるいは、カルボン酸の炭素数を変えることにより融点も加減できる。これがもうひとつの付随する効果である。
【0018】
次に、本発明に用いられるその他の材料について説明する。まず、結着樹脂としては、以下のものが使用できる。ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリオール樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂等である。
【0019】
次に、着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック色のトナーを得ることが可能な染顔料が使用できる。例えば、カーボンブラック、ランプブラック、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料等の染顔料を用いることができ、従来公知の染顔料を単独或いは混合して使用することができる。これらの着色剤の使用量は結着樹脂に対して、通常1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。
【0020】
また、トナーに安定した帯電を付与する目的で帯電制御剤を用いることが好ましい。この場合の帯電制御剤としては、カラートナーの色調を損なうことのない透明色から白色の物質を添加することが好ましい。具体的には、正極性のものとして、4級アンモニウム塩類、イミダゾール金属錯体や塩類、等が用いられ、負極性のものとして、サリチル酸金属錯体や塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物等が用いられる。
【0021】
また、本発明のトナーの粒径は体積平均粒径で3〜10μm程度が好ましく、これよりも小粒径の場合には現像時に地汚れの原因となったり、流動性を悪化させ、トナーの補給やクリーニング性を阻害する場合がある。また、これよりも大粒径の場合には画像中のチリや、解像性の低下が問題となる。
【0022】
また、外添剤としてトナーの流動性を向上させる目的で、疎水性のシリカや酸化チタン、アルミナ等を添加することが可能である。なお、必要に応じて脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等)や、ポリフッ化ビニリデン等を添加してもよい。
【0023】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。
各実施例について概説すると、実施例1は通常の粉砕トナーの例、実施例2は別の粉砕トナーの例、実施例3は懸濁重合法によるトナーの例、実施例4は伸長反応の製造方法によるトナーの例である。しかしながら、本発明は、これらに限定されるものではない。また、以下では部は重量部を示す。
【0024】
<特性測定>
まず、得られたトナーの特性を評価する方法について述べる。
低温定着性と離型性は下記に記載した複写機の定着部を取り出した定着評価装置にて評価した。
【0025】
紙に、付着量が0.8〜1.0mg/cmとなるように四角いパターンのトナー付着像を形成し、片側約20kg、両側で約40kgで加圧された長さ300mmのシリコンローラーに線速180mm/sで通紙する。
この時のローラーの表面温度を定着温度とする。
低温定着性は上記装置で定着が開始される温度(定着下限温度とか定着開始温度とかいう)で評価する。また、離型性はこれを何枚か繰り返した時のオフセットの有無から評価する。なお、オイルは塗布しない。
【0026】
[低温定着性]
定着下限温度(℃)で評価。
[離型性の評価]
○ : 良
△ : やや良
× : 不良
【0027】
[保存性の評価]
容器に適当量のトナーを取り、40℃で24hrs保存した後、針が侵入するかどうかで評価した。
○ : 良
△ : やや良
× : 不良
【0028】
<アクリルまたはメタアクリル酸誘導体の製造例>
攪拌機、還流冷却器、温度計、ディーンスターク脱水管および乾燥空気導入管を備えた1000mlの四つ口セパラブルフラスコに、2−ヒドロキシエチルアクリレート139g(1.2モル)、オクタデカン酸284g(1.0モル)、パラトルエンスルホン酸2g、ハイドロキノン0.7gおよびトルエン300gを加えて50℃にて溶解させた。その後、減圧下(400mmHg)、乾燥空気をバブリングしながら、攪拌機により攪拌を行ない(回転数300rpm)、60℃で5時間脱水反応を行なった。得られた溶液をイオン交換水500mlで1回、0.2規定水酸化ナトリウム水溶液500mlで2回、0.2規定塩酸水溶液500mlで1回、イオン交換水500mlで1回順次洗浄し、続いて無水硫酸マグネシウム100gを加え乾燥を行ない、その後トルエンの留去を行なった。得られた溶液にメタノールを加え40℃に加熱後4℃に冷却し、析出した白色沈殿を濾別乾燥し、本発明の下記アクリル酸誘導体(1)230gを得た。
CH=CH−COOCHCH−OCO(CH16CH ・・・(1)
【0029】
攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた500mlの四つ口セパラブルフラスコに上記アクリル酸誘導体(1)175g、アゾビスイソブチロニトリル0.35gおよびトルエン175gを加え溶解させた。その後攪拌機により攪拌を行ない(回転数:300rpm)、70℃で20時間加熱した。得られた溶液を2−プロパノールに滴下し、十分に2−プロパノールで洗浄した後、真空乾燥機を用いて、0.05mmHg、100℃で20時間乾燥し、白色固体状の重合体(2)160gを得た。この重合体(2)の重量平均分子量は78,000であり、融点は61℃、95℃における溶融粘度は1300cPであった。
【0030】
【実施例1】
Figure 2004061682
【0031】
上記の材料をブレンダーで十分混合した後、100〜110℃に加熱した2本ロールによって溶融混練した。混練物を自然放冷後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級装置を用いてマゼンタトナーを得た。なお、トナーの体積平均粒径は、以下のとおりであった。(体積平均粒径は、コールターエレクトロニクス社製のコールアカウンターモデルTA−IIにより計測した。)
マゼンタトナー:7.4μm
【0032】
さらに、上記トナー100重量部に対して、疎水性シリカ0.5重量部を添加してヘンシェルミキサーにて混合を行い、マゼンタの最終トナーを得た。本トナーを、平均粒径50μmのフェライト粒子にシリコーン樹脂を表面コートしたキャリア100重量部に対し、5重量部の割合で加えてタンブラーミキサーにて混合して、マゼンタ現像剤を得た。
この現像剤の評価結果を表1に示す。
【0033】
【比較例1】
実施例1でワックス重合体(2)の4重量部に代えてカルナバワックス(融点83℃)を4重量部を用いた以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。評価結果を表1に示す。
【0034】
【実施例2】(イエロートナーの作成)
Figure 2004061682
【0035】
上記の材料をブレンダーで十分混合した後、100〜110℃に加熱した2本ロールによって溶融混練した。混練物を自然放冷後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級装置を用いてイエロートナーを得た。なお、トナーの体積平均粒径は、以下の通りであった。(体積平均粒径は、コールターエレクトロニクス社製のコールアカウンターモデルTA−IIにより計測した。)
イエロートナー:7.6μm
【0036】
さらに、イエロートナー100重量部に対して、疎水性シリカ0.5重量部をヘンシェルミキサーにて混合を行い、イエローの最終トナーを得た。本トナーを、平均粒径50μmのフェライト粒子にシリコーン樹脂を表面コートしたキャリア100重量部に対し、5重量部の割合で加えて、タンブラーミキサーにて混合して、イエロー現像剤を得た。
この現像剤の評価結果を表1に示す。
【0037】
【比較例2】
上記実施例2でワックスの重合体(2)の4重量部に代えてマイクロワックス(融点81℃)を4重量部用いた以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。評価結果を表1に示す。
【0038】
【実施例3】
スチレンモノマー80gとメチルメタクリレートモノマー20gの合計100gに、5gの重合体(2)、4gのカーボンブラック、および2gのサリチル酸亜鉛とを混合し、超音波分散機を利用して均一な溶解・分散液を得た。この溶液に過酸化ベンゾイル3gを溶かし、これを1.5gの過硫酸カリウムを溶かした1.2%ポリビニールアルコール水溶液、1L(リットル)中に加え、ホモジェナイザーを用いて2500rpmで攪拌して平均粒径13μmの着色分散液を得た。これを40〜50rpmで攪拌しながら、60℃に昇温しこの温度で、5時間懸濁重合させた。
【0039】
次にこの溶液を5Lの冷水中にあけてから遠心分離機でポリマーと溶液を分離させた。溶液をデカントした後、新たに水3Lを加え、同様の操作を3回繰り返してから、反応生成物を乾燥させトナーを得た。得られたトナー粒子は平均粒径13μm、標準偏差4.5μmであった。さらにこのトナー100重量部と疎水性コロイド状シリカ1.0重量部とを混合し、これを平均粒径50μmのシリコンコートキャリアと混合し黒用現像剤とした。評価結果を表1に示す。
【0040】
【比較例3】
上記実施例3でワックスの重合体(2)の2gに代えてパラフィンワックス(融点71℃)を2g用いた以外は実施例3と同様にしてトナーを得た。評価結果を表1に示す。
【0041】
【実施例4】
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、テレフタル酸と無水フタル酸から得られた変性されていないポリエステル(a)と、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸とイソホロンジイソシアネートから得られたイソシアネート基含有プレポリマー(b)(Mw:35000)を得た。一方、イソホロンジアミンとメチルエチルケトンからケチミン化合物(c)を得た。
【0042】
ビーカー中に前記のプレポリマー(b)14.3部、ポリエステル(a)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌し溶解した。次いで、離型剤である重合体(2)(融点61℃)10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を入れ、40℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで5分攪拌した後、ビーズミルで30分間20℃において粉砕処理した。これをトナー材料油性分散液(d)とする。
【0043】
ビーカー中にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、この水分散液(e)に上記トナー材料油性分散液(d)及びケチミン化合物(c)2.7部を加え、攪拌を続けながらウレアー反応させた。
反応後の分散液(粘度:3500mP・s)を減圧下、50℃以下の温度で1.0時間以内で有機溶剤を除去した後、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー(f)を得た。
【0044】
次に、得られたトナー(f)100部、帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理し最終シアントナー(g)を得た。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行った。
この最終シアントナーを平均粒径50μmのシリコンコートキャリアと混合しシアン用現像剤とした。評価結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 2004061682
【0046】
表1の結果に示されているように、本発明のトナーは、離型性に優れる重合体を用いることにより、低温定着性、オイルレス性に優れたものとなることが分かる。また、保存性については、実施例、比較例とも満足のいくレベルであった。
【0047】
【発明の効果】
本発明のトナーに含まれる、一般式(I)で表わされるアクリルまたはメタアクリル酸誘導体からなる重合体は優れた離型性を有すると共に、結着樹脂の軟化点に比較してかなり低い融点を有するため、本発明のトナーは優れた低温定着性及び離型性(オフセット性)を示すという効果を奏する。

Claims (5)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤からなる電子写真用トナーにおいて、該離型剤が下記一般式(I)で表わされるアクリルまたはメタアクリル酸誘導体からなる重合体であることを特徴とする電子写真用トナー。
    CH=CR−COOCHRCHR−OCOR ・・・ 一般式(I)
    (式中R、R、RはHまたはCH、Rは炭素数11〜21のアルキル基である。)
  2. 外部に有機または無機微粒子を有することを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. 請求項1又は2記載の電子写真用トナーと電子写真用キャリアとからなることを特徴とする電子写真用現像剤。
  4. 請求項1又は2記載の電子写真用トナーを充填したことを特徴とする電子写真用トナーカートリッジ。
  5. 請求項1若しくは2記載の電子写真用トナーまたは請求項3記載の電子写真用現像剤を用いたことを特徴とする電子写真方法。
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