JP4345656B2 - 現像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、像担持体上に形成される静電潜像をトナー像に顕像化する現像装置に関し、詳しくは、現像ローラや撹拌搬送スクリュなどの回転部材の軸受け部でトナーの凝集や融着の発生をなくした現像装置に関する。
電子写真方式による画像形成装置は、先ず、像担持体表面を帯電手段により一様に帯電し、原稿、または、画像データに基づいて露光手段を作動させて像担持体上に潜像を形成する。次いで、トナーとキャリアを含む二成分現像剤を現像領域に導いて、接触現像、または、非接触現像により像担持体上の潜像をトナー像に現像する。さらに、転写手段により形成したトナー像を用紙などの転写材上に転写し、定着手段により転写材上にトナー画像を熱定着させて画像形成を行う。
像担持体上の潜像をトナー画像に現像する現像装置は、例えば、可回転の円筒状部材からなる現像スリーブと、現像スリーブに内蔵した位置固定の磁石、及び、二成分現像剤を撹拌して現像に必要な帯電量を付与する撹拌部材より構成される。現像装置は、磁石の作用により吸着した帯電済みの二成分現像剤を現像スリーブの周面に担持させ、現像スリーブの回転により現像剤を順次現像領域に搬送して像担持体上の潜像を現像する。そして、現像後に現像スリーブ上に残存した現像剤は、内蔵磁石の磁極配置により形成される反発磁界の作用で自動的に現像スリーブ上から除去されるようになっている。
この様な現像装置内には、現像スリーブをはじめとする各種の回転部材を回転させて現像剤の搬送や現像スリーブ上への現像剤の供給が行われている。そして、これらの回転部材は、現像装置内に設けられた軸受部に回転可能な状態で保持されている。
図9は、従来の現像装置に用いられる軸受部の構造例を示す部分断面図である。
図9において、46は現像剤を収容すると共に現像スリーブをはじめとする各種の回転部材を保持する現像容器であり、461は現像容器46の側面に固定された軸受部である。432は回転部材であり、回転部材432の先端には軸部433が嵌合され、一体的に結合されている。軸部433は大径部Fと小径部Eとにより形成されており、小径部Eが、現像容器46の側面に固定された軸受部461の穴Hに回転自在に嵌合し、保持されている。回転部材の軸方向の動きは、軸受部461の現像容器46から離間した側の端面と、軸部433に形成された大径部Fの小径部E側の端面とにより規制される。つまり、回転部材の軸方向の動きを規制するための摺動面は軸受部461の端面全体となる。
ところで、現像装置では回転部材を保持する軸受部の中に現像剤が入ると、軸受内部で発生する摺動により現像剤が破壊されてしまう。図9に示す例では摺動面は軸受部461の端面全体であるため、摺動面により現像剤は破壊され易いことになる。
この問題を解決すべく、摺動面に対し現像剤の侵入を防ぐ工夫が採られている。具体的には、軸受け部のすき間から現像剤が入らない様にシール部材や充填剤を用いたり(例えば、特許文献1参照)、シール部材の使用とともに軸受けの構造を現像剤が入りにくい構造にするもの(例えば、特許文献2参照)、あるいは、現像スリーブの磁束密度分布に着目して軸受けへの現像剤の侵入を防止した技術(例えば、特許文献3参照)などが挙げられる。この様に、従来技術では現像剤が軸受け部の中に入り込まない様にする思想に基づく現像装置が多く検討されてきた。
ところが、ミクロンオーダーの微細なトナー粒子の侵入を完全に防ぐことはとても難しいもので、画像形成への使用期間が長くなるにしたがって、軸受け部内に少しずつトナーが蓄積していた。また、最近では、電子写真技術におけるデジタル化の進展に伴い、トナー画像の高画質化が求められる様になってきた。そして、この要請に対し、重合トナーに代表されるケミカルトナーの製造技術が台頭し、数ミクロンレベルの小径トナーの作製が可能になった。さらに、環境の視点から画像形成装置の省エネ化が求められ、とりわけ低い温度での定着が可能な画像形成技術が求められ、これを解消する技術の1つとして従来よりも大幅に軟化点が低いトナーも登場してきた(例えば、特許文献4参照)。
そして、現像装置を構成する回転部材の軸受け部にトナーの侵入を完全に解消させる技術は問題はまだ確立していない状態にあり、さらに、前述の様なトナーの登場は軸受け部へのトナー侵入の問題を顕在化させつつある。とりわけ、低温定着対応した小径トナーでは軸受け部に侵入し易い構造に加え、軸受け部での少々の摩擦熱により凝集、融着し易かった。
特開平10−198163号公報 特開2000−88108号公報 特開平5−297721号公報 特開2000−214629号公報
上記の問題は、トナーが回転部材の軸部と軸受部との摺動面に入り込み、逃げ場が無いため該摺動面で擦られてしまうことにより生じる。本発明者らは、軸受け部の中に入ったトナーが軸受け部の中にすき間なく入り込むために、凝集や融着を促進させるものと考えた。そして、軸受け内で侵入したトナーに自由度を与えられる様にすれば、たとえ、低温定着対応のトナーでも軸受け内で凝集や融着を起こさないものと推測し、検討を重ねた末、本発明を見出したのである。すなわち、本発明はトナーの軸受け内への侵入を防止するという従来の技術思想とは異なり、微細なトナーは軸受け部のすき間から入り込むもので侵入したトナーには軸受け部の中で自由度を与えることで、凝集や融着の発生を防ぐことが可能なことを見出した発明である。
本発明は、前述の課題を鑑みてなされたものであり、現像装置の回転部材を保持する軸受部内に侵入したトナーが、破壊されたり、凝集や融着を起こさないようにした現像装置を提供することを目的とする。とりわけ、本発明は、近年のデジタル化技術に求められる細線再現性にすぐれた小径トナーや画像形成装置の省エネ化に対応した、低い定着温度で定着可能なトナーでも、そのトナー品質を損ねることのない現像装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記の構成により達成することが出来る。
(請求項1)
現像剤を収納する現像剤収納容器と、
該現像剤を撹拌、搬送する回転部材と、
該回転部材を該現像剤収納容器内部に保持する回転部材保持手段と、を有し、
該回転部材保持手段は、該回転部材の軸部を保持すると共に、該軸部との間に隙間を有し、
前記軸部は、小径部と大径部とを有しており、
前記小径部は前記回転部材保持手段により保持され、
前記大径部には、該回転部材保持手段と該軸部との間に隙間を形成し、前記回転部材の軸方向に該回転部材保持手段と摺動する第1の隙間形成部が設けられ
前記第1の隙間形成部は前記大径部の軸方向端面に設けられた複数の突起であることを特徴とする現像装置。
(請求項2)
前記軸部は第2の隙間形成部を有しており、
前記小径部の先端には、前記回転部材保持手段と摺動する前記第2の隙間形成部が設けられており、前記第2の隙間形成部はその先端が円錐状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
(請求項3)
前記第1の隙間形成部がピン状の突起であることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
(請求項4)
前記隙間は、前記現像装置に使用される現像剤を構成するトナーの個数メディアン径の5倍乃至100倍であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の現像装置。
(請求項5)
前記現像装置に使用される現像剤を構成するトナーは、ガラス転移温度が30℃以上60℃以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の現像装置。
(請求項6)
前記現像装置に使用される現像剤を構成するトナーは、個数メディアン径が3μm以上8μm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の現像装置。
請求項1から4のいずれか1項に記載の発明では、表面に現像剤を搭載する現像スリーブや現像剤を撹拌または搬送する撹拌搬送スクリューといった現像装置を構成する回転部材を保持する軸受部の中で、回転部材の軸部との間に隙間を設けることにより、軸受部の中に入り込んだトナーを移動し易くして、回転部材の摺動の影響をトナーに及ぼさないようにした。その結果、回転部材の摺動時にトナーが擦られて凝集することがなくなった。また、隙間を設けることで軸受部で発生する摩擦力を大幅に低減することができ、摩擦熱によるトナーの融着を防止できるようになった。
請求項に記載の発明により、ガラス転移温度が60℃以下である低温定着性を有するトナーであっても、摩擦熱による融着を防止することができる。
請求項に記載の発明により、個数メディアン径が8μm以下の小粒径トナーであっても、トナーが回転部材の軸部と軸受部との摺動面によりこすられて凝集することを防止できる。
(本発明の技術思想)
本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に使用される現像装置に関する発明である。
本発明者らは、現像装置を構成する現像スリーブや撹拌搬送スクリューといった回転部材を保持する軸受部の中に入り込んだトナーの挙動に着目し、軸受部の中ではトナーが行き場のない状態で滞留し、滞留したトナーが回転部材の軸部と軸受部の壁との間で形成される摺動面に巻き込まれ、摺動面で擦られて破壊されたり、或いは凝集、融着することを確認した。そこで、本発明者らは、軸受部に形成される摺動面でトナーが移動できる構成を軸受部に形成することでこれらの問題が解決できると考え、本発明を見出したのである。
本発明は、回転部材の軸部と軸受け部との間に形成される摺動面にすき間を設けた現像装置に関する発明であり、本発明者らは、当該摺動面にすき間を設けることにより、軸受け部内に侵入したトナーの軸受部内における凝集、融着の発生がなくなることを見出した。
(画像形成装置の実施形態)
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図1は、本発明に係る現像装置(2成分現像剤を用いたもの)を備えた画像形成装置を示す断面構成図である。
1は円筒状に形成された像担持体(感光体ドラムともいう)であって、マイナス帯電する有機半導体層としてフタロシアニン顔料をポリカーボネイトに分散したものを接地された金属製のシリンダ状の基板上に塗布し、電荷輸送層を含めた感光体層として形成したもので、矢示方向に駆動回転される。
2は回転する感光体ドラム1を所定の極性・電位に帯電処理するスコロトロン帯電手段で、感光体ドラム1の表面を一様に帯電する。
3はレーザ走査方式をとった像露光手段で、発光素子に半導体レーザ(LD)を用いており、像露光手段3はレーザビームを出射して感光体ドラム1の一様に帯電した表面を走査露光し、静電潜像を形成する。
現像装置4は、感光体ドラム1に対向して回転する現像スリーブ41により感光体ドラム1上の静電潜像をトナー像として現像する。接触或いは非接触による現像が、イメージ露光と反転現像との組み合わせで2成分現像剤を用いての現像が行われる。現像スリーブ41はマグネットロールの周囲にステンレス溶射表面加工を施したアルミ製のスリーブを被せた構成とし、現像スリーブ41には直流成分の現像バイアスを印加して反転現像が行われる。
非磁性トナーと磁性キャリアを含有する2成分現像剤のトナーとしては、個数メディアン径が3〜8μmの重合トナーが好ましく、特に3〜7μmの重合トナーが好ましい。重合トナーを用いることにより、高解像力であり、濃度が安定しかぶりの発生が極めて少ない画像形成装置が可能となる。
キャリアとしては、個数メディアン径が30〜65μmの磁性粒子からなるフェライトコアのキャリアが好ましい。
5はトナー像の転写性を高めるために照射する転写前露光光源であるLEDで、感光体ドラム1の表面を照射する。
6はコロトロンの転写極で、ワイヤ及びバックプレートが主な構成であり、定電流制御された転写電流によって感光体ドラム1上のトナー像の転写紙上への転写を行う。
7はコロトロンの分離極で、ワイヤ及びバックプレートが主な構成であり、AC成分とDC成分との分離電流によって転写紙の感光体ドラム1からの分離を促している。
給紙部より給紙された転写紙Pは、レジストローラ21によって感光体ドラム1上に形成されたトナー像と同期して給紙がなされ、転写ニップ部において転写極6によってトナー像の転写を受ける。転写ニップ部を通過した転写紙Pは、感光体ドラム1の面から分離極7によって分離され、搬送ベルト22によって定着装置23へ搬送される。
定着装置23は内部にヒータを配置した加熱ローラ23aと加圧ローラ23bとより成り、トナー像を保持した転写紙Pは、加熱ローラ23aと加圧ローラ23bとの間で加熱・加圧がなされて定着され、排紙ローラ24によって機外の図示しない排紙トレイ上に排出される。
一方、転写紙Pへのトナー像の転写後の感光体ドラム1の表面はクリーニング装置8により転写残トナーの清掃が行われる。本実施例においてはクリーニング手段としてウレタンゴム製のブレードが用いられ、クリーニングブレードはカウンタタイプに感光体ドラム1周面に摺接して清掃を行っている。クリーニング装置8を通過して表面が清掃された感光体ドラム1周面は、帯電前露光(PCL)手段9によって照射がなされ、残留電位を低下した状態で次の画像形成サイクルへと移行する。
クリーニング装置8によって回収されたトナーは、搬送スクリュー等を用いた循環搬送部471によって現像装置4に回収される。現像装置4への回収動作は感光体ドラム1の回転動作と同時に併行して行われる。
(現像装置の実施形態)
次に、本発明に係る現像装置(2成分現像剤を用いたもの)の実施形態について詳細に説明する。
図2は本発明に係る現像装置の主要断面構成図である。
図2において、現像装置4は、現像剤ユニット或いは現像剤カートリッジと呼ばれる画像形成装置に着脱可能なユニットの形態で使用されるものが好ましい。即ち、現像剤ユニットとして使用される現像装置4には現像スリーブ41や後述する回転パドル44等の構成部材が密閉性の現像容器46内に配置され、現像容器46内には所定量の現像剤が予め充填されている。ここで、現像容器46は、本発明における現像剤収納容器として機能するものであり、現像スリーブ41や回転パドル44等の構成部材は、本発明における回転部材に該当するものである。
現像装置4は、感光体ドラム1と共にドラムカートリッジ枠体1Aに取り付けられてドラムカートリッジを構成している。ドラムカートリッジは、画像形成装置本体に取り付けられた状態で画像形成が行われ、画像形成装置本体に対して引き出し、或いは取り外すことが可能となっている。また、現像剤交換を行うときは現像装置4をドラムカートリッジ枠体1Aから取り外した状態で行われる。46Aは現像容器46と一体に形成された上カバーである。
現像装置4には、内部に現像用固定磁石42を備えた、本発明における回転部材に該当する現像スリーブ41が、矢印方向に回転するように配設されている。現像スリーブ41の表面では、相互摩擦によって帯電しキャリアの周りにトナーが付着した状態になっている現像剤が現像用固定磁石42の磁力によって付着し、層厚規制部材45によって現像剤の層厚が規制され、感光体ドラム1と対向した現像領域に搬送されて現像が行われる。
また、現像容器46内には本発明に係る回転部材に該当する1対の撹拌搬送スクリュー43A、43B、回転パドル44が配置され、容器内の現像剤を撹拌しながら現像スリーブ41の方へ搬送する。撹拌搬送スクリュー43A、43Bは共に棒状のスクリュー部材であって、一方は紙面の手前方向から後方向に他方は紙面の後方向から手前方向に現像剤を撹拌、搬送する。現像装置4には、画像形成が行われる度にトナー補給カートリッジ48より新しいトナーが供給される。供給されるトナーは撹拌搬送スクリュー43A、43Bによって巡回する現像剤上に落下し、混合・撹拌されて回転パドル44方向へと排出される。排出されたトナーと混合・撹拌状態にある現像剤は、水車状の回転パドル44によって更に撹拌されて現像スリーブ41へ供給される。
図3は、図2のAA断面図である。
現像容器46内に現像スリーブ41と、1対の撹拌搬送スクリュー43A、43Bと、回転パドル44とが配設されている。1対の撹拌搬送スクリュー43A、43Bは、羽根部431とスクリュー軸432とで形成され、それぞれ撹拌搬送スクリュー43A、43Bの軸部433と一体的に結合されている。現像容器46内の側面には本発明における回転部材保持手段に該当する軸受部461が配設されており、軸部433を回転自在に保持している。同様に、回転パドル44にはパドル軸442が形成されており、パドル軸442は軸部443と一体的に結合されている。現像容器46の内部側面には本発明における回転部材保持手段に該当する軸受部462が配設されており、軸部443を回転自在に保持している。
図4〜図は、本発明に係る現像装置における軸受部の構造例を示す部分断面図であり、軸部と軸受部の構造と動作を説明するものである。
図4において、1対の撹拌搬送スクリュー43A、43Bのそれぞれのスクリュー軸432は軸部433と嵌合され、一体的に結合されている。軸部433は大径部Fと小径部Eとにより形成されており、小径部Eが、現像容器46の側面に固定された軸受部461の穴Hに回転自在に嵌合し、保持されている。大径部Fには4本の同一高さのピン状突起Pが形成されている。即ち、ピン状突起は、本発明における隙間を形成する手段(第1の隙間形成部)に該当する。1対の撹拌搬送スクリュー43A、43Bの軸方向の動きは、軸受部461の現像容器46から離間した側の端面と、軸部433に形成されたピン状突起Pの先端部とにより規制される。つまり、軸方向の動きを規制するための摺動面は、4本のピン状突起Pの先端部のみが軸受部461の前記端面との間で接触する範囲であり、それ以外の範囲S(図4にハッチングで示した範囲)が軸方向規制の摺動面に対して形成された隙間Sとなる。
この隙間Sを設けたことにより、軸部433と軸受部461との間に入り込んでくるトナーが軸部433と軸受部461との間を自由に出入りすることができ、トナーが摺動面ですりつぶされることを防止できる。
図5において、1対の撹拌搬送スクリュー43A、43Bのそれぞれのスクリュー軸432は軸部433と嵌合され、一体的に結合されている。軸部433は大径部Fと小径部Eとにより形成されており、小径部Eが、現像容器46の側面に固定された軸受部461の穴Hに回転自在に嵌合し、保持されている。小径部Eの先端は円錐状に形成されており、円錐の先端には微小Rが形成されているが、現像容器46の内壁面に点接触状態で当接し、1対の撹拌搬送スクリュー43A、43Bの軸方向の動きを規制している。つまり、軸方向の動きを規制するための摺動面は、円錐状に形成された小径部E先端の微小R部が現像容器46の内壁面との間で接触する点接触状態の範囲であり、それ以外の範囲S(図5にハッチングで示した範囲)が軸方向規制の摺動面に対して形成された隙間となる。この隙間Sを設けることにより、軸部433と軸受部461との間に入り込んだトナーが軸部433と現像容器46の内壁面とで形成される摺動面ですりつぶされるという問題が改善される。
図6は参考例を示すものである。図6において、1対の撹拌搬送スクリュー43A、43Bのそれぞれのスクリュー軸432は軸部433と嵌合され、一体的に結合されている。軸部433は大径部Fと小径部Eとにより形成されており、小径部Eが、現像容器46の側面に固定された軸受部461の穴Hに回転自在に嵌合し、保持されている。小径部Eの先端は円錐状に形成されており、円錐の先端には微小Rが形成されているが、現像容器46の内壁面に点接触状態で当接し、1対の撹拌搬送スクリュー43A、43Bの軸方向の動きを規制している。つまり、軸方向の動きを規制するための摺動面は、円錐状に形成された小径部E先端の微小R部が現像容器46の内壁面との間で接触する点接触状態の範囲であり、それ以外の範囲S1(図6(a)にハッチングで示した範囲)が軸方向規制の摺動面に対して形成された隙間となる。更に、小径部Eの外径と、軸受部461の内径部(直径d)から張り出した4個のリブRの先端で形成された穴Hの内径との間に形成される摺動面以外の範囲S2(図6(b)にハッチングで示した範囲)が小径部Eの円周方向の摺動面に対して形成された隙間となる。この隙間S1及びS2を設けることにより、軸部433と軸受部461との間に入り込んだトナーが軸部433の小径部Eと現像容器46の内壁面とで形成される摺動面ですりつぶされるという問題、及び小径部Eの外径と軸受部461の内径部とで形成される円周方向の摺動面でのトナーのすりつぶしの問題が改善される。
以上、本発明に係る回転部材の第1の実施の形態から第3の実施の形態までについて、実施の形態として回転部材が1対の撹拌搬送スクリュー43A、43Bである場合の軸部と軸受部とに基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、回転部材が回転パドル44であっても良く、その他の回転部材であっても、軸部と軸受部とにより形成される摺動面にトナーが出入り可能な隙間を形成した構成を有するものであれば良く、隙間の形状及び大きさについても任意に設定することが可能である。
また、これまでは、2成分現像剤を用いた場合の画像形成装置を基に説明したが、本発明は1成分現像剤を用いた場合の画像形成装置にも適用可能である。
(画像形成装置の他の実施形態)
以下、本発明に係る他の現像装置(1成分現像剤を用いたもの)、及びこれを備えた画像形成装置の実施形態について図7及び図8に基づいて説明する。
図7は、本発明に係る他の現像装置を備えた画像形成装置を示す断面構成図であり、図8は、本発明に係る他の現像装置の主要断面構成図である。
図7に示す画像形成装置はフルカラーの画像形成装置であり、回転駆動される感光体ドラム10の周囲に、この感光体ドラム10の表面を所定の電位に均一に帯電させる帯電ブラシ11や、この感光体ドラム10上に残留したトナーを掻き落すクリーナ12が設けられている。
また、帯電ブラシ11によって帯電された感光体ドラム10をレーザビームによって走査露光するレーザ走査光学系20が設けられており、このレーザ走査光学系20はレーザダイオード、ポリゴンミラー、fθ光学素子を内蔵した周知のものであり、その制御部にはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック毎の印字データがホストコンピュータから転送されるようになっている。そして、このレーザ走査光学系20は、上記の各色毎の印字データに基づいて、順次レーザビームとして出力し、感光体ドラム10上を走査露光し、これにより感光体ドラム10上に各色毎の静電潜像を順次形成するようになっている。
また、このように静電潜像が形成された感光体ドラム10に各色のトナーを供給してフルカラーの現像を行なうフルカラー現像装置30は、支軸33の周囲にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各非磁性1成分トナーを収容させた4つの色別の現像器30C、30M、30Y、30Bkが設けられており、支軸33を中心として回転し、各現像器30C、30M、30Y、30Bkが感光体ドラム10と対向する位置に導かれるようになっている。
(現像装置の他の実施形態)
図8はシアンの非磁性1成分トナーを収容する現像器30Cを示すが、マゼンタ、イエロー、ブラックの各非磁性1成分トナーを収容する残り3つの色別の現像器30M、30Y、30Bkについても同一の構成であり、説明は現像器30Cのみについて行い、残り3つの現像器30M、30Y、30Bkについては省略する。
10は潜像保持体であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段により成される。32は現像スリーブであり、アルミニウムあるいはステンレス等からなる非磁性スリーブからなる。
現像スリーブ32はアルミニウム、ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面をガラスビーズ等を吹きつけて均一に荒らしたものや、鏡面処理したもの、あるいは樹脂等でコートしたものがよく、磁性一成分現像方法に使用されるものに準ずる。
トナーTはホッパー38に貯蔵されており、供給ローラ34によって現像スリーブ32上へ供給される。供給ローラ34はポリウレタンフォーム等の発泡材より成っており、現像スリーブ32に対して、順または逆方向に相対速度をもって回転し、トナー供給とともに、現像スリーブ32上の現像後のトナー(未現像トナー)のはぎ取りも行っている。現像スリーブ32上に供給されたトナーはトナー薄層化規制部材の一種であるトナー塗布ブレード35によって均一かつ薄層に塗布される。
トナー薄層化規制部材は、弾性ブレード、弾性ローラ等で、所望の極性にトナーを帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましい。
本発明においては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどが好適である。図8に示すバイアス電源37により、現像スリーブ32と潜像保持体10との間に交番電場または交番電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像スリーブ上から潜像保持体上へのトナー移動を容易にし、良質の画像を得ることができる。
次に、本発明に係る現像装置に使用されるトナーについて説明する。
本発明で使用されるトナー粒子は、個数メディアン径が3.0〜9.0μmのものが使用され、好ましくは4.5〜7.5μmである。ここで個数メディアン径とは、個数基準の粒径分布で50%累積のときの平均粒径(50%径)を現わすものである。トナー粒子の個数メディアン径は、製造工程における凝集剤(塩折剤)濃度や投入のタイミング、あるいは温度により制御可能である。
本発明に係る現像装置では、回転部材を保持する軸受け部内に前述のすき間を設けることにより、この様な小径のトナーが軸受け部内での滞留による凝集や融着の発生を防ぐことが可能である。さらに、本発明に係る現像装置は、この様な小径トナーが有する本来の性能を損なうことがないので、小径トナーが本来有する性能をいかんなく発揮することが可能である。すなわち、トナーの個数メディアン径を3.0.〜9.0μm、好ましくは4.5〜7.5μmとすることにより、細線再現性や微細なドット画像を忠実に再現することが可能で、デジタルの画像形成に好ましく使用可能である。
トナーの個数メディアン径はコールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター製)に、データ処理用のコンピュータシステム(ベックマン・コールター製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
測定手順としては、トナー0.02gを界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)でなじませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作成する。このトナー分散液をサンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター製)の入ったビーカーに測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを30000個に設定して測定する。なお、コールターマルチサイザーのアパチャー径は1000μmのものを使用する。
本発明で使用されるトナーはガラス転移温度が30℃以上60℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が30℃未満であるとトナーにストレスがかかっていない部分でもトナーの固着が起きやすく、画質や画像形成装置の信頼性確保に不利となる。また、ガラス転移温度が60℃を超えると、少ない熱エネルギーで定着性を確保することが難しくなる。
本発明のトナーのガラス転移温度は、DSC−7示差走査カロリメータ(パーキンエルマー製)、TAC/DX熱分析装置コントローラ(パーキンエルマー製)を用いて行う。
測定手順としては、トナー4.5〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤してアルミニウム製パン(KITNO.0219−0041)に封入し、DSC−7サンプルホルダにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0〜200℃、昇温温度10℃/分で、Heat−Cool−Heatの温度制御で、2nd.Heatにおけるピークにより、ガラス転移温度を求めた。
(乳化会合型トナーの製造方法)
本発明で使用されるトナー粒子は、個数メディアン径が3.0〜9.0μmのものが使用され、好ましくは4.5〜7.5μmである。ここで個数メディアン径とは、個数基準の粒径分布で50%累積のときの粒径(50%径)を現わすものである。トナー粒子の個数メディアン径は、製造工程における凝集剤(塩折剤)濃度や投入のタイミング、あるいは温度により制御可能である。
本発明に係る現像装置では、回転部材を保持する軸受け部内に前述のすき間を設けることにより、この様な小径のトナーが軸受け部内での滞留による凝集や融着の発生を防ぐことが可能である。さらに、本発明に係る現像装置は、この様な小径トナーが有する本来の性能を損なうことがないので、小径トナーが本来有する性能をいかんなく発揮することが可能である。すなわち、トナーの個数メディアン径を3.0.〜9.0μm、好ましくは4.5〜7.5μmとすることにより、細線再現性や微細なドット画像を忠実に再現することが可能で、デジタルの画像形成に好ましく使用可能である。
(乳化会合型トナーの製造方法)
次に、本発明に使用可能なトナーの製造方法について説明する。
本発明に使用されるトナーは、重合性単量体を水系媒体中で重合して形成した樹脂を含有するものが好ましい。この製造方法は、重合性単量体を懸濁重合法により重合して樹脂粒子を調製し、あるいは、必要な添加剤の乳化液を加えた液中(水系媒体中)にて単量体を乳化重合、あるいはミニエマルジョン重合を行って微粒の樹脂粒子を調製し、必要に応じて荷電制御性樹脂粒子を添加した後、有機溶媒、塩類などの凝集剤等を添加して樹脂粒子を凝集、融着する方法で製造するものが挙げられる。
〈懸濁重合法〉
本発明に使用されるトナーの製造方法の一例として、重合性単量体中に荷電制御性樹脂を溶解させ、着色剤や必要に応じて離型剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置(攪拌装置)へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明のトナーを調製する。なお、本発明でいう「水系媒体」とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。
〈乳化重合法〉
本発明に使用されるトナーの他の製造方法として、樹脂粒子を水系媒体中で塩析/融着させてトナー粒子を調製する方法もある。この方法は、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に開示された内容を参考にするとよい。
すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂及び着色剤等より構成される微粒子を塩析、凝集、融着する工程を経るもので、特に、水中に乳化剤を用いてこれらを分散させた後、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加えて塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着を行う。加熱融着では、粒子の形成を行いつつ徐々に粒径も成長させて、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止させる。
さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で乾燥することにより、本発明に使用されるトナーを形成する。なお、ここで凝集剤と同時にアルコールなど水に対して無限溶解する溶媒を加えてもよい。
本発明に使用されるトナーの製造方法では、重合性単量体に特定構造のエステル化合物を溶かした後、重合性単量体を重合させる工程を経て形成した複合樹脂微粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させる方法が好ましく用いられる。重合性単量体に特定構造のエステル化合物を溶かすとき、特定構造のエステル化合物を溶解させて溶かしても、溶融して溶かしてもよい。
また、本発明に使用されるトナーの製造方法として、多段重合法によって得られる複合樹脂微粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させる工程が好ましく用いられる。
次に、好ましいトナーの製造方法(乳化重合会合法)の一例について詳細に説明する。
この製造方法には、
(1)特定構造のエステル化合物をラジカル重合性単量体に溶解する溶解工程
(2)樹脂微粒子の分散液を調製するための重合工程
(3)水系媒体中で樹脂微粒子を融着させてトナー粒子(会合粒子)を得る融着工程
(4)トナー粒子の分散液を冷却する冷却工程
(5)冷却されたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(6)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程
必要に応じ
(7)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程が含まれていてもよい。
以下、各工程について説明する。
〔溶解工程〕
この工程は、ラジカル重合性単量体に特定構造のエステル化合物を溶解させて、当該特定構造のエステル化合物のラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。
〔重合工程〕
重合工程の好適な一例においては、水系媒体(界面活性剤及びラジカル重合開始剤の水溶液)中に、前述した特定構造のエステル化合物を溶解させたラジカル重合性単量体溶液の液滴を形成し、ラジカル重合開始剤より放出されるラジカルにより液滴中で重合反応を進行させる。なお、前記液滴中に油溶性重合開始剤を含有させてもよい。この重合工程では、機械的エネルギーを付与して強制的に乳化(液滴の形成)処理を行う必要がある。機械的エネルギーの付与手段として、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの攪拌手段や超音波振動エネルギー付与手段が挙げられる。
この重合反応により、特定構造のエステル化合物と結着樹脂とを含有する樹脂微粒子が得られる。樹脂微粒子には、着色剤を含有させて着色した微粒子や着色していない微粒子がある。着色した樹脂微粒子は、単量体組成物中に着色剤を含有させて重合処理することにより得られる。また、着色していない樹脂微粒子を使用する場合は、融着工程で樹脂微粒子の分散液に着色剤微粒子の分散液を添加し、樹脂微粒子と着色剤微粒子とを融着させてトナー粒子を作製する。
〔融着工程〕
融着の方法としては、重合工程で形成された樹脂微粒子を用いた塩析/融着法が好ましい。また、融着工程では、樹脂微粒子や着色剤微粒子の融着の他に離型剤微粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子を融着させる。
融着工程で使用される水系媒体は、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。ここで、水以外の成分は水溶性の有機溶媒を挙げられ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。この中でも、樹脂を溶解しないメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系有機溶媒が特に好ましい。
着色剤微粒子は、着色剤を水系媒体中に分散させて調製する。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
また、界面活性剤としては、前述した界面活性剤が挙げられる。なお、着色剤(微粒子)は表面改質したものも使用可能である。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散させ、分散液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温させて反応を進行させる。反応終了後、着色剤を濾別し、同一の溶媒で洗浄ろ過を繰り返した後、乾燥を行って、表面改質剤で処理された着色剤(顔料)が得られる。
融着方法の好ましい形態である塩析/融着法は、樹脂微粒子と着色剤微粒子とが存在する液中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上添加する。次いで、樹脂微粒子のガラス転移点以上で、かつ、樹脂粒子中に含有される特定構造のエステル化合物の融解ピーク温度以上の温度に加熱して塩析を進行させ、同時に、融着を行う。この工程では、水に無限溶解する有機溶媒を添加し、樹脂微粒子のガラス転移温度を実質的に下げて融着を効果的に行う方法を採用することも可能である。
塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム等が、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。好ましく使用されるものとしては、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。また、使用される塩として、塩素塩、臭素塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
さらに、水に無限溶解する有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、アセトン等があげられるが、炭素数が3以下のメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールのアルコールが好ましく、特に、2−プロパノールが好ましい。
塩析/融着法では、塩析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好ましい。その理由は、塩析後の放置時間により粒子の凝集状態が変動して、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動するためである。また、塩析剤の添加温度は、樹脂微粒子のガラス転移温度以下である。その理由は、塩析剤の添加温度が樹脂微粒子のガラス転移温度以上の場合、樹脂微粒子の塩析/融着が速やかに進行するが粒径の制御が困難になり、大粒径の粒子が発生する可能性が高くなる。添加温度は樹脂のガラス転移温度以下に設定されるが、具体的には、5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。また、塩析剤添加後の昇温時間は、1時間未満が好ましい。また、昇温速度は、0.25℃/分以上が好ましい。融着工程により、樹脂微粒子及び任意の微粒子が塩析/融着されてなる会合粒子(トナー粒子)の分散液が得られる。
〔冷却工程〕
この工程は、トナー粒子分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法は、特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入する方法や、冷水を直接反応系に投入する方法が挙げられる。
〔固液分離・洗浄工程〕
固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー粒子分散液からトナー粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離して形成された含水状態のトナーケーキ(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を洗浄、除去する洗浄処理とからなる。固液分離処理方法には、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用する濾過法などが挙げられる。
〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理し、乾燥させたトナー粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機には、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置式棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などが挙げられる。乾燥されたトナー粒子の含水量は、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下がより好ましい。
なお、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力により凝集することもあり、その場合、凝集体を解砕処理する。解砕処理装置として、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置が挙げられる。
〔外添処理工程〕
この工程は、乾燥したトナー粒子に必要に応じ外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置が挙げられる。
本発明に使用されるトナーは、黒トナーや、カラートナーとして用いることができる。
次に、本発明に使用されるトナーを構成する化合物(結着樹脂、着色剤、離型剤、荷電制御剤、外添剤、滑剤)について説明する。
(結着樹脂)
トナーを構成する結着樹脂は、具体的には、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の共重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン、ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。
なお、スチレン系共重合体のスチレンモノマーに組み合わされるモノマーは、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類などが挙げられる。共重合体を形成するモノマーとしてはこれらのビニル系モノマーが単独もしくは2種類以上が用いられる。
また、トナー用結着樹脂には、これらの樹脂を2つ以上混合したり、あるいは、架橋させて使用するものも含まれる。結着樹脂の架橋剤は、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1、3−ブタジオールジメタクリレートのような二重結合を2個以上有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらを単独もしくは2種類以上が用いて架橋構造を形成する。
(着色剤)
着色剤の具体例としては以下のものが挙げられる。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックや、マグネタイト、フェライト等の磁性粉が挙げられる。
マゼンタ、もしくは、レッド用の着色剤には、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジ、もしくは、イエロー用の着色剤には、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンもしくはシアン用の着色剤には、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
これらの着色剤は、必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
(離型剤)
本発明に使用されるトナーは、離型剤として特定構造のエステル化合物や、固形のパラフィンワックス、マイクロワックス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスなどが使用される。また、低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども離型剤として使用可能であり、環球法による軟化点が70〜150℃、好ましくは、軟化点が120〜150℃のポリオレフィンが使用可能である。なお、離型剤の含有量はトナー全体に対して0.1〜20.0質量%である。
以下に、本発明に好ましく使用される特定構造のエステル化合物の例を示す。
Figure 0004345656
Figure 0004345656
(荷電制御剤)
本発明に使用されるトナーは、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤の具体例として、ニグロシン系染料、ナフテン酸や高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩、あるいは、その金属錯体等が挙げられる。含有される金属には、Al、B、Ti、Fe、Co、Niなどが挙げられる。特に好ましく使用される荷電制御剤はベンジル酸誘導体の金属錯体化合物である。なお、荷電制御剤の含有量はトナー全体に対して0.1〜20.0質量%である。
(外添剤)
本発明に使用されるトナーは、流動性、帯電性の改良及びクリーニング性の向上などのためにいわゆる外添剤を混合して使用することも可能である。外添剤としては、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤が挙げられる。
無機微粒子の具体例としては、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が挙げられる。これらの無機微粒子は疎水化処理したものを使用することも可能である。具体的なシリカ微粒子としては、日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタニア微粒子の具体例としては、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子の具体例としては、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
有機微粒子は、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子が使用可能である。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体が挙げられる。
外添剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。外添剤の添加方法は、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の混合装置を使用する方法が挙げられる。
(滑剤)
本発明に使用されるトナーは、クリーニング性や転写性の向上を目的に滑剤を添加することも可能である。滑剤の具体例としては、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等、高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
滑剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。滑剤の添加方法は、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの混合装置を使用する方法が挙げられる。
本発明に使用されるトナーは、一成分現像剤、二成分現像剤として用いることができる。一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいは、トナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられる。
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いる場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の鉄含有磁性粒子を用いることが可能で、特に、フェライト粒子もしくはマグネタイト粒子が好ましい。
キャリアの体積メディアン径は、15〜100μm、より好ましくは20〜80μmのものが良い。キャリアの体積メディアン径は、レーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定される。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているコーティングキャリア、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エステル系樹脂、あるいは、フッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
二成分現像剤中のキャリアとトナーの混合比は、質量比でキャリア:トナー=1:1〜50:1の範囲とするのが良い。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」は質量部を意味する。
〈トナーの作製〉
(トナー粒子の作製)
1.2成分系現像剤の作製
(1)ラテックス−1の合成
攪拌装置、冷却管及び温度センサーを装着した容量1リットルの四頭コルベンに、スチレン509.83gと、n−ブチルアクリレート88.67gと、メタクリル酸34.83gと、tert−ドデシルメルカプタン21.83gと、エステル化合物(20)66.7gとを入れ、内温を80℃に昇温し、エステル化合物(20)が溶解するまで攪拌し、そのまま温度を保持した。一方、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0gを純水2700ミリリットルに溶解させた界面活性剤水溶液を同様に内温80℃になるよう加熱し、そのまま保持した。80℃に保温した前記界面活性剤水溶液を攪拌しながら、エステル化合物(20)を溶解したモノマー溶液を添加し、超音波乳化装置を用いて乳化を行って乳化液を得た。次いで、攪拌装置、冷却管、窒素導入管及び温度センサーを装着した容量5リットルの四頭コルベンに、前記乳化液を投入し、攪拌を行いながら、窒素気流下、内温を70℃に保持し、過硫酸アンモニウム7.52gを純水500ミリリットルに溶解した重合開始剤水溶液を添加し、4時間重合を行った後、室温まで冷却し、濾過を行いラテックスを得た。反応後において重合残渣は認められず、安定したラテックスが得られた。これを「ラテックス−1」とする。
得られた「ラテックス−1」について、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子(株)製)を用いて数平均一次粒径を測定したところ125nmであった。また、DSCによりガラス転移温度を測定したところ50℃であった。
(2)ラテックス−2の合成
攪拌装置、冷却管及び温度センサーを装着した容量1リットルの四頭コルベンに、スチレン92.47gと、n−ブチルアクリレート30.4gと、メタクリル酸3.80gと、tert−ドデシルメルカプタン0.12gと、エステル化合物(20)13.34gとを入れ、内温を80℃に昇温し、前記エステル化合物(20)が溶解するまで攪拌し、そのまま温度を保持した。
一方、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.27gを純水540ミリリットルに溶解させた界面活性剤水溶液を同様に内温80℃になるよう加熱し、そのまま保持した。
80℃に保温した前記界面活性剤水溶液を攪拌しながら、エステル化合物(20)を溶解したモノマー溶液を添加し、超音波乳化装置を用いて乳化を行って乳化液を得た。次いで、攪拌装置、冷却管、窒素導入管及び温度センサーを装着した容量5リットルの四頭コルベンに、前記乳化液を投入し、攪拌を行いながら、窒素気流下、内温を70℃に保持し、過硫酸アンモニウム0.27gを純水100ミリリットルに溶解した重合開始剤水溶液を添加し、4時間重合を行った後、室温まで冷却し、濾過を行いラテックスを得た。反応後において重合残渣は認められず、安定したラテックスが得られた。これを「ラテックス−2」とする。
得られた「ラテックス−2」について、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子(株)製)を用いて数平均一次粒径を測定したところ108nmであった。また、DSCによりガラス転移温度を測定したところ77℃であった。
(3)ラテックス−3の合成
撹拌装置、冷却管及び温度センサー、窒素導入装置を付けた1リットルの四頭コルベンに予めアニオン系活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)0.71gをイオン交換水540ミリリットルに溶解させた活性剤溶液を添加する。窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しつつ、内温を80℃に昇温させた。
一方、スチレン62.5g、アクリル酸−2−エチルヘキシル37.5g、マレイン酸25.0gと、エステル化合物(20)13.34gを混合し、80℃に加温して溶解させ、単量体溶液を作製した。ここで循環経路を有する機械式分散機により上記2つの加熱溶液を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子を作製した。ついで、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加し80℃にて3時間加熱、撹拌することでラテックスを得た。このラテックスを「ラテックス−3」とする。
得られた「ラテックス−3」について、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子(株)製)を用いて数平均一次粒径を測定したところ115nmであった。また、DSCによりガラス転移温度を測定したところ27℃であった。又、静置乾燥による質量法で測定した上記ラテックスの固形分濃度は20質量%であった。
(4)トナー粒子の作製
攪拌装置、冷却管及び温度センサーを装着した容量5リットルの四頭コルベンに、ラテックス−2 750g(60質量%)と、ラテックス−1 500g(40質量%)と、純水900ミリリットルと、界面活性剤水溶液(ドデシル硫酸ナトリウム9.2gを純水160ミリリットルに溶解した水溶液)にカーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)20gを分散してなるカーボンブラック分散液とを仕込み、攪拌しながら5Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。
さらに、塩化マグネシウム・6水和物28.5gを純水1000ミリリットルに溶解した水溶液を攪拌しながら室温下に添加した後、内温が95℃になるまで昇温した。そのまま内温を95℃に維持しながら、「コールターカウンターII」(コールター社製)を用いて分散粒子の粒径を測定し、その粒径が3.0μmになったところで、塩化ナトリウム80.6gを純水700ミリリットルに溶解した水溶液を添加し、内温を95℃に維持しながら6時間反応を継続させた。反応終了後、得られた会合粒子の分散液(95℃)を、45℃になるまで10分間冷却した(冷却速度=5℃/min)。このようにして生成した会合粒子(トナー粒子)を濾過し、純水への再懸濁及び濾過を繰り返して洗浄を行った後、乾燥することによってトナー粒子を得た。これを「トナー1」とする。得られたトナー1の個数メディアン径とガラス転移温度を表1に示す。
同様に、表1に示すラテックスの比率に基づき、トナー2〜トナー10を作製した。各々の個数メディアン径とガラス転移温度を表1に示す。なお、これらの物性値はトナー1の製造時と同様の手順で測定したものである。
Figure 0004345656
(トナー粒子の外添剤処理)
次いで、上記で作製した「トナー1〜10」の各々に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1質量%添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)を用いて混合した。その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去し「トナー1〜10」を調製した。
〈現像剤の調製〉
上記で作製した「トナー1〜10」の各々に、シリコン樹脂を被覆した個数メディアン径60μmのフェライトキャリアを、前記トナーの濃度が6質量%になるよう混合し、2成分系現像剤である「実施例1〜6」及び「比較例1〜4」を調製した。
2.1成分系現像剤の作製
(1)重合工程
カーボンブラック(リーガル330R:キャボット社製)をアルミニウムカップリング剤で処理したものを533.5gを246gのドデシル硫酸ナトリウムを溶解した6リットルの純水に添加し撹拌を加えつつ超音波を照射し、カーボンブラックの水分散液を調製した。又低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3200)を熱を加えつつ界面活性剤水溶液中に添加し撹拌を行う事で乳化させた低分子量ポリプロピレン水分散液(固形分濃度=20質量%)を調製した。
上記カーボンブラック水分散液に低分子量ポリプロピレン水分散液2150gを加え撹拌し、更にスチレンモノマー4905g,n−ブチルアクリレート820g,メタクリル酸245g、tert−ドデシルメルカプタン165g、脱気済み純水42.5リットルを100リットルのグラスライニング反応器(撹拌翼:三枚後退翼、バッフル、冷却管、温度センサー等を装着)添加した後に、窒素気流下撹拌を行いながら70℃に昇温した後、過硫酸カリウム205gを純水10リットルに溶解した重合開始剤水溶液を添加し、70℃で6時間重合を行った後室温まで冷却した。このカーボンブラック含有着色分散液を『分散液1』とした。なお、この際のpHは4.7であった。
(2)会合工程
上記分散液1の45リットルを水酸化ナトリウム水溶液を用いpH=9に調整した後、ステンレス製反応器(撹拌翼:アンカー翼、バッフル、冷却管、温度センサー装着)に添加し、撹拌しつつ2.7モル/リットルの塩化カリウム水溶液8リットル、イソプロピルアルコール7リットル及びポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(エチレンオキサイド平均重合度は10である)810gを純水3リットルに溶解した水溶液を添加した。これにより会合粒子を作製後に内温を85℃まで昇温し6時間撹拌した後、室温まで冷却して1成分系現像剤であるトナー11を得た。なお、トナー11の個数メディアン径は4.5μmであった。
〈評価装置〉
評価装置は、2成分系現像剤を用いた実施例1〜6と比較例1〜3については、図1に示す画像形成装置を用いた。また、1成分系現像剤であるトナー11については、図7に示す画像形成装置を用いた。なお、図7の画像形成装置でモノクロの画像形成を行った。
上記画像形成装置に装填される現像装置(プロセスカートリッジ)は、2成分系現像剤を用いたものは図2の現像装置を用い、1成分系現像剤を用いたものは図8の現像装置を用いた。また、1成分系現像剤であるトナー11を用いた評価では、図4の軸受部を有する現像装置を用いたものを実施例11、図9の軸受部を用いたものを比較例4とした。
評価は、A4上質紙を連続3000枚プリントして評価を行った。なお、定着速度、熱ロール表面温度は下記のように設定した。
定着速度:175mm/秒(A4;約50枚/分)
転写材の表面温度:120℃に設定
〈評価〉
上記評価装置を用い、各現像剤を収納したプロセスカートリッジを順番に装填し、A4サイズの上質紙(65g/m2)を連続で3000枚プリントした後、下記項目について評価を行った。
〈トナー粒子の凝集〉
3000枚目のプリントを行った直後の現像装置内に残存するトナーを20g取り出し、目開き45μmのフルイで篩い、フルイ上に残存した凝集物の量(個数)で評価した。評価は以下のとおり
◎:フルイ上の凝集物の量が、0乃至5個未満
○:フルイ上の凝集物の量が、6個以上10個未満
×:フルイ上の凝集物の量が、30個以上。
〈細線再現性〉
1枚目と3000枚目のプリント上に、2ドットラインの画像信号に対応する細線画像を形成し、作成されたトナー画像のライン幅を、印字評価システム「RT2000」(ヤーマン社製)によって測定した。100μm幅の細線を作成するように設定しておき、1枚目と3000枚目のプリントで形成されたライン幅の変動を評価した。評価は、10倍のルーペを用いて目視観察を用いて行い、1枚目のプリントはいずれのサンプルも100μmの細線を形成していた。評価は以下のとおり
◎:線幅の変動が7μm未満
○:線幅の変動が7μm以上15μm未満
×:線幅の変動が15μm以上
〈かぶり〉
カブリ濃度は、未使用の転写材の白地部分を反射濃度0.000として、1枚目と3000枚目のプリントの白地部分のかぶり濃度を相対濃度として測定した。測定は、マクベス反射濃度計「RD−918」(マクベス株式会社製)を用いて行った。評価は以下のようにした
◎:1枚目、3000枚目共に相対濃度が、0.002未満でかぶりの問題なし
○:1枚目の相対濃度が0.002以下で、3000枚目の相対濃度が、0.002以上0.006未満で若干かぶりが認められるが実用上問題なし
×:3000枚目の相対濃度が、0.005よりも大きくかぶりがひどく実用上問題。
評価結果を表2に示す。
Figure 0004345656
表2から明らかなように、「実施例1〜5,7,9〜11」ではトナー粒子の凝集が抑えられ、良好な細線再現性とカブリ性能が得られた。一方、すき間のない現像装置を用いた「比較例1〜4」では、実施例1〜5,7,9〜11で得られたような効果を見出すことができなかった。
本発明に係る現像装置を備えた画像形成装置を示す断面構成図である。 本発明に係る現像装置の主要断面構成図である。 図2のAA断面図である。 本発明に係る現像装置における軸受部の構造例を示す部分断面図である。 本発明に係る現像装置における軸受部の構造例を示す部分断面図である。 参考例における軸受部の構造例を示す部分断面図である。 本発明に係る他の現像装置を備えた画像形成装置を示す断面構成図である。 本発明に係る他の現像装置の主要断面構成図である。 従来の現像装置に用いられる軸受部の構造例を示す部分断面図である。
符号の説明
4、30 現像装置
30C、30M、30Y、30Bk 現像器
32、41 現像スリーブ
43A、43B 撹拌搬送スクリュー
431 羽根部4
432 スクリュー軸
433、443 軸部
44 回転パドル
442 パドル軸
46 現像容器
461、462 軸受部
E 小径部
F 大径部
H 穴
R リブ
S、S1、S2 隙間

Claims (6)

  1. 現像剤を収納する現像剤収納容器と、
    該現像剤を撹拌、搬送する回転部材と、
    該回転部材を該現像剤収納容器内部に保持する回転部材保持手段と、を有し、
    該回転部材保持手段は、該回転部材の軸部を保持すると共に、該軸部との間に隙間を有し、
    前記軸部は、小径部と大径部とを有しており、
    前記小径部は前記回転部材保持手段により保持され、
    前記大径部には、該回転部材保持手段と該軸部との間に隙間を形成し、前記回転部材の軸方向に該回転部材保持手段と摺動する第1の隙間形成部が設けられ
    前記第1の隙間形成部は前記大径部の軸方向端面に設けられた複数の突起であることを特徴とする現像装置。
  2. 前記軸部は第2の隙間形成部を有しており、
    前記小径部の先端には、前記回転部材保持手段と摺動する前記第2の隙間形成部が設けられており、前記第2の隙間形成部はその先端が円錐状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記第1の隙間形成部がピン状の突起であることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 前記隙間は、前記現像装置に使用される現像剤を構成するトナーの個数メディアン径の5倍乃至100倍であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の現像装置。
  5. 前記現像装置に使用される現像剤を構成するトナーは、ガラス転移温度が30℃以上60℃以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の現像装置。
  6. 前記現像装置に使用される現像剤を構成するトナーは、個数メディアン径が3μm以上8μm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の現像装置。
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