JP2007093669A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー飛散や感光体へのフィルミングの発生等の少ない、現像性、帯電性、定着性に優れ、高画質で信頼性の高い黒色又はフルカラー画像を形成することができる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する。
【解決手段】静電荷像現像用トナー製造工程の、少なくとも樹脂粒子及び着色剤粒子を凝集、融合した後の洗浄工程において、超音波を印加してトナー表面に付着している微粉、特に粒径1μm以下の微粉を遊離させて、当該微粉を分離、除去することにより、トナー飛散や感光体へのフィルミング発生等の少ない、現像性、帯電性、定着性に優れ、高画質で信頼性の高い黒色又はフルカラー画像を形成可能な静電荷像現像用トナーを製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法又は静電記録法等により形成される静電潜像を現像剤により現像する際に用いられる静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーと呼ぶこともある。)の製造方法に関する。
電子写真法等、静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により感光体上に静電荷像を形成し、トナーを含む現像剤を用いて静電潜像を現像し、転写、定着工程を経て可視化される。ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる二成分現像剤と、磁性トナー又は非磁性トナーを単独で用いる一成分現像剤とがあるが、そのトナーは、通常、熱可塑性樹脂を顔料、帯電制御剤、ワックス等の離型剤とともに溶融混練し、冷却後、微粉砕し、更に分級する混練粉砕製法によって製造されている。これらトナーには、必要に応じて、流動性またはクリーニング性を改善するために無機または有機の微粒子を添加して、トナー粒子表面に付着させる場合もある。
通常実施されている混練粉砕製法では、トナー粒子の形状及び表面構造は不定形であり、使用する材料の粉砕性、粉砕工程の条件により微妙に変化するものであって、トナー粒子の形状及び表面構造を意図的に制御することは困難である。また、特に粉砕性の高い材料をトナーとして使用する場合、現像機中における機械力等により、更に微粉の発生を招いたり、トナー粒子の形状の変化を引き起こしたりすることがしばしばである。これらの影響により二成分現像剤においては、発生した微粉がキャリア表面に固着することにより現像剤の帯電劣化が加速されたり、一成分現像剤においては、粒度分布の拡大によりトナー飛散が生じたり、トナー粒子の形状の変化による現像性の低下により画質の劣化が生じやすくなる。
また、トナー粒子の形状が不定形であることにより、流動性助剤の添加によっても流動性が十分でなく、使用中の機械力によって生じた微粒子がトナー粒子表面の凹部分に移動することにより、経時的に流動性が低下したり、流動性助剤がトナー粒子内部に埋没する現象が起きることにより、現像性、転写性、クリーニング性が悪化する。また、クリーニングにより回収されたトナーを再び現像機に戻して使用すると、更に画質の低下を生じやすい。これらの現象を防ぐために更に流動性助剤を増加すると、感光体上への黒点の発生や助剤粒子の飛散が生じるという状態に陥る。
近年、トナー粒子の形状及び表面構造を意図的に制御可能にする手段として、特開昭63−25664号公報に記載の溶解懸濁法によるトナーの製造方法、特開昭63−282752号公報および特開平6−250439号公報に記載の乳化重合凝集法によるトナーの製造方法等が提案されている。溶解懸濁法は、トナー成分を揮発性溶剤に溶解させ、分散安定剤を含む水と混合し懸濁させ、トナーを得るものであり、乳化重合凝集法は、乳化重合等によるイオン性界面活性剤で分散された樹脂分散液と反対極性のイオン性界面活性剤で分散された着色剤(顔料等)とを混合し、ヘテロ凝集を生じさせることにより、トナー径に相当する大きさの凝集粒子を形成し、その後樹脂のガラス転移点以上に加熱することにより凝集体を融合合一し、洗浄、乾燥してトナーを得るものである。一般に乳化重合凝集法は、有機溶剤を使用しない、粒度分布が狭い、材料の選択範囲が広い、形状制御が容易である等の利点を有している。
これらの方法では、特に樹脂粒子、着色剤、離型剤のような相溶性の少ない材料を使用しているため、着色剤等の遊離や、着色剤等の含有量の著しく少ない粒子、あるいは着色剤等を全く含有しない粒子が発生し、結果としてトナー粒子間の組成偏在が大きくなり、粉体性、定着性、帯電性等、トナーに必要とされる特性の点で好ましくない。すなわち、溶解懸濁法では、トナー成分の結着樹脂と着色剤等は相溶性が少ないために、分散安定剤を用いて強制的に分散させているが、そのため、トナー粒子間の組成に著しい偏りが生じ、結果として、トナー粒子中に着色剤等が入り込めなかった不完全な微小粒子(微粉)が発生しトナー表面に付着してしまう。また、乳化凝集法では、樹脂分散液に着色剤等は分散しないものの、凝集時あるいは融合合一時にトナー粒子中に着色剤等が入り込めなかった不完全な微小粒子が発生しトナー表面に付着してしまう。
すなわち、この不完全な微小粒子は通常1μm以下の粒子サイズで凝集工程から次の合一段階に入るため、pHを上げるためにアルカリ液を滴下した時点でトナー表面から外れて合一工程が終了、次の水洗工程でのろ過でろ過材であるフィルタに目詰まりを起こすため均一な水洗が出来なくなることで帯電性が悪化する問題が発生する。また、トナー表面から外れなかったものはトナー表面に付着した状態のまま残るため微小粒子が現像時の機械的な力を受けトナー表面から脱離して現像剤中に拡散して現像機からクラウド状になり飛散し、機械内に汚れを生じさせたり、遊離物が現像機内における機械的ストレスにより破壊、又は合着し、現像スリーブへのフィルミングや感光体表面に転写残留物となって堆積しフィルミングする等の問題が生じる。
以上のように、水中でモノマ或いは樹脂を分散させ、着色剤等を相溶させるような重合トナーの製造方法においては、モノマ或いは樹脂と着色剤等とは相溶せず、着色剤等が遊離するのを避け得ないのが一般的である。
一方、近年、特開平8−115007号公報、特開平5−323757号公報、特開2000−10375号公報、および特開2000−263843号公報に見られるような、オンデマンド印刷を目的とした、超高速のプリンタ技術の非接触現像法を駆使した電子写真プロセスが普及しつつあるが、ここでも様々な機械的ストレス下でトナーが安定した性能を維持するには、トナー中から遊離した着色剤等を十分に除去することが必要となる。
そこで、例えば、ろ過洗浄時に高速撹拌した後、フィルタの目開きによって遊離した着色剤等の除去(例えば、特許文献1参照)、湿式で微粉を分離する湿式サイクロンによる除去(例えば、特許文献2参照)や比重差異による自然放置での除去(例えば、特許文献3参照)、湿式分級による除去(例えば、特許文献4参照)等がなされている。
また、トナーを乾燥した後で従来の乾式分級手段(例えば、マイクロカット(安川商事)、ティープレックスATP(ホソカワミクロン)、エルボージェット(日鉄鉱業)、スペディッククラシファイアー(セイシン企業)などが挙げられる。)などにより取り除くことも行われている。
さらに、副生成物の1μm以下の微小粒子を減量させるための凝集工程の改善も検討されてきており、例えば、特許文献5のように、撹拌羽根の形や取り付け位置の工夫がされている。
特開平10−207120号公報 特開2005−4021号公報 特開2004−184842号公報 特開平11−194532号公報 特開平10−301323号公報
しかし、特許文献1〜4のような方法では、トナー表面に比較的強く付着している微粉を分離することが出来ず、現像時の強烈なストレスによりこの微粉が外れてクリーニング性の悪化や微粉によるキャリア汚染で現像剤の帯電劣化が激しくなりクラウド発生を引き起こしてしまう。
また、上記乾式分級手段などにより取り除く方法でも、高画質プリント画像を得ることを目的とした小粒子径トナー(例えば体積平均粒径が2〜4μm)のような場合、副生成物の1μm以下の微小粒子は効率よく取り除くことは極めて困難なものであった。特に、トナー表面に付着している副生成物の1μm以下の微小粒子の除去はほとんど出来なかった。
さらに、特許文献5の方法によれば、ある程度の効果は見られるものの、トナーの微小粒子含有率の指標である数平均粒度分布指標(GSDp)は1.27レベルであり、超高速機を使用して高画質プリント画像を得る上でメンテナンスを極力抑え、超寿命を獲得させようとするためにはまだまだ不具合なものである。我々の検討によれば高画質プリント画像を得るには少なくともトナー体積平均粒径は4μm以下が望ましいし、100Kpv以上の超寿命(特に感光体へのトナーフィルミングや帯電性の維持、安定性に対して)を達成しようとするにはGSDpは1.22以下(例えば1μm以下の微小粒子の個数割合が2%以下)であることが求められるが、従来の技術では達成できていないのが実情である。
本発明は、トナー飛散や感光体へのフィルミングの発生等の少ない、現像性、帯電性、定着性に優れ、高画質で信頼性の高い黒色又はフルカラー画像を形成することができる静電荷像現像用トナーの製造方法である。
本発明は、結着樹脂、着色剤を含有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、樹脂粒子及び着色剤粒子を分散させた分散液中で、前記樹脂粒子のガラス転移点以下の温度に加熱して凝集粒子を形成し、凝集粒子分散液を調製する凝集工程と、前記凝集粒子を加熱融合して融合粒子を形成する融合工程と、前記融合粒子を所定の固形分濃度の分散液とした後、前記分散液に超音波を印加して微粉を遊離させる超音波印加工程と、前記融合粒子と前記微粉とを分離する分離工程と、を含む。
また、前記静電荷像現像用トナーの製造方法の分離工程において、遠心分離により前記融合粒子と前記微粉とを分離することが好ましい。
また、前記静電荷像現像用トナーの製造方法の前記凝集工程において、前記凝集粒子を形成する時の液の粘度が1000P.S以下であり、前記凝集粒子を形成する時に使用する撹拌羽根の回転円の面積をA、前記撹拌羽根が有する撹拌翼の撹拌面の面積をBとしたときにB/Aが0.005〜0.01の範囲であり、凝集時の液密度を0.85〜0.98g/cmの範囲に保持しながら撹拌することが好ましい。
本発明では、静電荷像現像用トナー製造工程の、少なくとも樹脂粒子及び着色剤粒子を凝集、融合した後の洗浄工程において、超音波を印加してトナー表面に付着している微粉、特に粒径1μm以下の微粉を遊離させて、当該微粉を分離、除去することにより、トナー飛散や感光体へのフィルミング発生等の少ない、現像性、帯電性、定着性に優れ、高画質で信頼性の高い黒色又はフルカラー画像を形成可能な静電荷像現像用トナーを製造することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、着色剤を含有し、湿式製法により得られるものであって、樹脂粒子及び着色剤粒子を分散させた分散液中で、樹脂粒子のガラス転移点以下の温度に加熱して凝集粒子を形成し、凝集粒子分散液を調製する凝集工程と、凝集粒子を加熱融合して融合粒子を形成する融合工程と、融合粒子を所定の固形分濃度の分散液とした後、分散液に超音波を印加して微粉を遊離させる超音波印加工程と、融合粒子と微粉とを分離する分離工程と、を含む静電荷像現像用トナーの製造方法により製造される。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、着色剤を含有し、湿式製法により得られるものであって、樹脂粒子及び着色剤粒子を分散させた分散液中で、樹脂粒子のガラス転移点以下の温度に加熱して凝集粒子を形成し、凝集粒子分散液を調製する凝集工程と、凝集粒子分散液中に、微粒子を分散させた微粒子分散液を添加混合して凝集粒子に微粒子を付着させて付着粒子を形成する付着工程と、付着粒子を加熱融合して融合粒子を形成する融合工程と、融合粒子を所定の固形分濃度の分散液とした後、分散液に超音波を印加して微粉を遊離させる超音波印加工程と、融合粒子と微粉とを分離する分離工程と、を含む静電荷像現像用トナーの製造方法により製造されてもよい。
なお、本実施形態において、「湿式製法」とは、溶媒または分散媒を使用して、トナー成分を造粒することによりトナーを製造する方法であって、具体的には、(1)樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液と、着色剤を分散した着色剤分散液と、必要に応じて離型剤を分散した離型剤分散液と、界面活性剤、無機塩、2価以上の金属塩等の凝集剤とを混合し、樹脂粒子および着色剤等を凝集させて凝集体を形成した後、必要に応じて樹脂粒子、着色剤粒子等の微粒子を分散した微粒子分散液を添加混合して凝集粒子に微粒子を付着させて付着粒子を形成し、さらに樹脂のガラス転移点または融点以上の温度に加熱して凝集体を融合合一し、洗浄、乾燥してトナーを得る方法、(2)トナー成分を揮発性溶剤に溶解させ、分散安定剤を含む水と混合して懸濁させて加熱し、冷却後、洗浄、乾燥してトナーを得る方法等が挙げられる。なお、ここでは着色剤分散液を別に調整しているが、樹脂粒子に予め着色剤が配合されている場合には、着色剤分散液は必要ない。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法により得られるトナーの体積平均粒径は2〜4μmであって、上記超音波印加工程において、固形分濃度は5〜30重量%であること、超音波の印加が周波数10〜50KHz、パワー密度0.01〜0.5W/cmとして行われることが好ましい。また、上記分離工程において、遠心分離により融合粒子と微粉とを分離することが好ましく、遠心効果を1500G〜2000Gとすることが好ましい。
更に、本実施形態に係る静電荷像現像トナーは前記製造方法で製造されたトナーであって、体積平均粒径が2〜4μm、数平均粒度分布指標GSDpが1.22以下で、1μm以下の遊離微粉が2%以下であることが好ましい。
従来、湿式の静電荷像現像用トナー製造方法においては、トナーの製造過程でトナー粒子中に着色剤等が入り込めなかった不完全な微小粒子(微粉)が発生しトナー表面に付着してしまう。
通常のトナー洗浄工程や乾燥工程などではこの不完全な微小粒子は外れないためトナーとして現像機に送り込まれるが、現像機でのストレスにより例えば2成分現像剤として用いた場合にはキャリアとの摩擦によりトナー表面から外れてキャリア表面に固着したり、現像されて感光体表面に運ばれ転写されないで堆積していくためフィルミングや局所的なクリーニング不良を発生してしまうという問題が起こってしまう。さらには、現像機から直接遊離して飛び出しクラウドとして機内に飛び散り環境を悪化させてしまうなどの問題が発生していた。
本実施形態においては、これらの問題を解決するために、トナーの製造過程で発生するトナー粒子中に着色剤等が入り込めなかった不完全な微小粒子を減少させることを目的とするものであって、トナーの洗浄工程において、該トナーを液体中に分散して所定の分散液濃度として該粒子に超音波を印加する工程と、トナー粒子表面に付着している微粉を分離する工程と、により該微粉を除去する静電荷像現像用トナーの製造方法によって得られるものである。
このトナーの製造方法によって、トナーの体積平均粒径が2〜4μmと小径トナーでありながら、トナー表面に比較的強く付着し、現像時などのストレスで遊離して出てくる1μm以下の微粉を2%以下、好ましくは1%以下であるトナーを得ることができる。
一般にストークスの法則によれば、粒子の沈降速度は、粒子の体積と比重に比例することが知られている。通常、トナー粒子と遊離した不完全な粒子を沈降させた場合、トナー粒子が先に沈降し、比較的比重の小さい遊離した不完全な粒子が浮いている。トナー粒子とこれらの遊離した不完全な粒子を分離するためには、これらの遊離物が液中に遊離、浮遊している間にトナー粒子を沈降させることが好ましい。そのためには、固形分濃度は5〜30%の範囲であることが好ましく、5〜15%の範囲であることがより好ましい。固形分濃度が5%未満であると処理効率が低下し、30%を超えると長時間の超音波処理が必要となる場合がある。
また、分離工程において、融合粒子と微粉との分離は、遠心分離、自然沈降、膜分離、セラミックフィルタのクロスフロー等により行うことができるが、分離時間を短縮するためには遠心分離により融合粒子と微粉とを分離することが好ましい。このとき、遠心分離における遠心効果は1500G〜2000Gとすることが好ましい。遠心効果が1500G未満であると得率の減少が発生して経済的に不利となる場合があり、2000Gを超えると分離してきた微粉をトナ−中に含有してしまう場合がある。
また、不完全な微小粒子を効率よく分離するためには、超音波印加工程において、超音波の周波数は10〜50KHzの範囲であることが好ましく、30〜50KHzの範囲であることがより好ましい。周波数が10KHz未満であるとトナーへの超音波振動が効率よく伝達できない場合があり、50KHzを超えるトナーにうまく超音波振動が伝わらずかえって時間がかかる場合がある。また、印加する超音波のパワー密度は、0.01〜0.5W/cmの範囲とすることが好ましく、0.1〜0.3W/cmの範囲とすることがより好ましい。パワー密度が0.01W/cm未満であると微粉の分離不良を発生する場合があり、0.5W/cmを超えると液温度が急激に上がって処理が不安定になる場合がある。また、超音波印加時の分散液の温度は通常は室温付近で行うことが望ましく、例えば10℃〜35℃の範囲で行われ、超音波処理の時間は通常5min〜20min程度である。
この洗浄工程(超音波印加工程、分離工程)後、任意の乾燥工程を経て所望のトナー粒子を得ることができる。乾燥工程は特に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
本実施形態に係る製造方法により、トナー表面に比較的強く付着している微粉を取り除くことが出来るので、従来長時間の現像により微粉が外れてキャリア表面に付着することで急激に帯電性が悪化してクラウドが激しくなっていたがこのような問題がほとんど起こらなくなった。
また、融合工程までの製造で多少製造条件が変動して微粉量が多くなっても、本実施形態に係る製造方法では最終的に超音波印加工程及び分離工程で微粉を取り除くことが出来るので製造工程管理が簡便となりコスト低減が可能となる。
本実施形態に係るトナーの体積平均粒径は、コールタカウンタ[TA−II]型(コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャ径で測定することができる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。また、1μm以下の微粉量は公知のFPIA測定装置(フロー式粒子像分析装置 FPIA2100、シスメックス社製)を用いて、フロー式粒子像分析の方法により検出することができる。また、本実施形態における円形度とは、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて測定を行い、式「円形度=円相当周囲長/周囲長」により得られる値を円形度と定義する。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水40mL中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.01mL加え、更に測定試料を0.04g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μLとする。前記装置に3000個のトナーを送り、1個ずつのトナーの円形度を計算し、平均化して平均円形度を求める。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒度分布指標GSDvは、1.24以下であり、好ましくは1.22以下である。GSDvが1.24を超えると粒度分布がシャープとならず、解像性が低下し、トナー飛散やかぶり等の画像欠陥の原因となる場合がある。また、数平均粒度分布指標GSDpは、1.24以下であり、好ましくは1.23以下であり、より好ましくは1.22以下である。数平均粒度分布指標GSDpが1.24を超えると、クリーニング不良発生の場合がある。
なお、体積平均粒径D50v、体積平均粒度分布指標GSDv、数平均粒度分布指標GSDpは、以下のようにして求めることができる。コールタカウンタTAII(ベックマン−コールター社製)で測定されるトナーの粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。この際、D50vは体積平均粒径を表し、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2として求められる。また、数平均粒度分布指標(GSDp)は、(D84p/D16p)1/2として求められる。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの、下記式で表される形状係数SF1は110〜140の範囲、好ましくは115〜130の範囲である。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100
〔ただし、上記式において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm)を表す。〕
トナーの形状係数SF1が110より小さい、または140を越えると、長期に渡って、優れた帯電性、クリーニング性、転写性を得ることができない場合がある。
なお、形状係数SF1はルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いて次のように測定することができる。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーについて最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、個々のトナーについて、(ML/A)×(π/4)×100を算出し、これを平均した値を形状係数SF1として求める。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法において、少なくとも前記凝集工程及び付着工程において、凝集粒子及び付着粒子を形成する時の液の粘度が1000P.S以下であり、少なくとも前記凝集工程において、凝集粒子を形成する時に使用する撹拌羽根の回転円の面積をA、撹拌羽根が有する撹拌翼の撹拌面の面積をBとしたときにB/Aが0.005〜0.01の範囲であり、凝集時の液密度を0.85〜0.98g/cmの範囲に保持しながら撹拌することが好ましい。
本実施形態では、凝集粒子及び付着粒子を形成する時の液の粘度が1000P.S以下であることが好ましく、300P.S〜800P.Sの範囲であることがより好ましい。凝集粒子及び付着粒子を形成時の液の粘度が1000P.S以下となるように固形分濃度を抑えることで、比較的低い撹拌力で液撹拌を容易とする環境とすることができる。
また、回転する撹拌羽根の回転円の面積Aに対する、撹拌羽根が有する撹拌翼の撹拌面の面積B(撹拌翼が2枚の場合は2枚の合計、図4のような多段の場合、あるいは図3のような櫛型の場合のBは、合計の撹拌翼の面積を示す。)の比B/Aが0.005〜0.01の範囲であることが好ましく、0.007〜0.008の範囲であることがより好ましい。このような撹拌羽根形状とすることで該液中への泡の巻き込みが少なくかつ分散しているトナー粒子に効率よく強いせん断力を与えることができるようにしたものである。
また、これにより、凝集時の液密度を0.85〜0.98g/cmの範囲に保持しながら撹拌することができるため、凝集中での微小粒子の発生が少なくなる。なお、凝集時の液密度は、0.94〜0.98g/cmの範囲であることがより好ましい。また従来、小粒子径での凝集は比較的低い温度で所定の凝集工程操作が終了していたが、この温度を比較的高めに設定できることで現像剤構成粒子(樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子など)の脱離、所謂バラケがほとんどなく、結果として小粒子径トナーでかつ微粉(微小粒子)をほとんど含まないトナーが得られるものである。
本実施形態において、乳化凝集法でトナーが製造されるが、凝集工程で仕込まれる樹脂分散液、着色剤分散液、離型剤などの添加剤分散液、無機微粒子分散液とを水中でウルトラタラックスなどの高速撹拌機にて分散した時の凝集組成物の粘度は、本実施形態における撹拌方法では1000P.S以下とすることが好ましいが、これは添加する水の量などを調整することで容易に合わせこむことが可能である。すなわち、1000P.Sを超えるような場合には加水してやればよい。しかし、あまり多くの水を入れてトナー固形分濃度を下げすぎると容器容量に対するトナー重量が減るため効率的な生産が出来ないので望ましくはない。
粘度の測定は一般的に利用されているB型粘度計(東機産業社製TVB−10型)が用いられる。液の性質で多少粘度の値が回転数によって変わることもあるが本実施形態では回転数が100回転における値を用いている。
また、少なくとも凝集工程において使用する該撹拌羽根の径dと該造粒容器の内径Dが0.1≦d/D≦0.5の関係を有することが好ましく、0.2≦d/D≦0.3の関係を有することがより好ましい。これにより、羽根と局所的な容器内壁面とのせん断力の極端な増加を避けることで、比較的緩やかな条件設定が液全体で可能となり粒度分布を狭くすることを可能とする。
また、該撹拌羽根の深さ方向の取り付け位置hが容器底面位置から液面の位置Hまでに対して0.4〜0.7の範囲に設けることが好ましく、0.5〜0.6の範囲に設けることがより好ましい。これにより粒度分布を狭くすることを可能とする。
また、回転する該撹拌羽根の最大周速は2〜5m/secの範囲であることが好ましく、2.5〜3.5m/secの範囲であることがより好ましい。これにより粒度分布を狭くすることを可能とする。
さらに、該樹脂粒子のTgが50〜60℃の範囲であることが好ましく、52〜55℃の範囲であることがより好ましい。また、該第2工程終了時の温度T2との関係T2/Tgが0.72〜0.92の範囲であることが好ましく、0.75〜0.87の範囲であることがより好ましい。これにより粒度分布を狭くすることを可能とする。
本実施形態は、乳化凝集法で小粒子トナーを小粒子径でありながら粒度分布が狭く均一に製造する際の凝集工程での撹拌方法の改良に関するものである。
すなわち、比較的低い撹拌力で液撹拌を容易とし、回転する撹拌羽根が描く回転円の面積Aに対する、撹拌翼の撹拌面の面積Bの比B/Aが0.005〜0.1である撹拌翼を有した撹拌羽根形状とすることで該液中への泡の巻き込みが少なくかつ分散しているトナー粒子に効率よく強いせん断力を与えることができるようにしたもので、凝集粒子に高いせん断力を与えつつトナー粒子を凝集することでつづく合一工程に際してのpHの上昇時にバラケがなく良好な粒度分布を有するトナーを製造することができる。
本撹拌方法の採用によって、トナーの体積平均粒径が2〜4μmと小径トナーでありながら現像時などのストレスで遊離して出てくる1μm以下の微粉を2%以下、GSDp=1.22以下のトナーを得ることができる。
図1は、本実施形態に係る撹拌方法が採用された静電荷像現像用トナーの製造装置(造粒容器:凝集、合一釜)の一例の概略図である。トナー製造装置1は、反応釜10と、撹拌羽根12と、撹拌シャフト14と、モータ16とを備える。反応釜10の内部には中心位置に本実施形態に係る撹拌方法を具現化した撹拌羽根12が装着されている。この撹拌羽根12は撹拌シャフト14により支えられており、モータ16の回転で回転力が伝えられる。
図2は本実施形態に係る撹拌方法を具現化した撹拌羽根12の概略図である。図2(a)は横から、図2(b)は上から見た図である。図2からわかるように撹拌羽根12は回転する撹拌羽根12のベース板18の両端部に円柱の突起状の撹拌翼20を備えた形状を有しており、ベース板18の中央部位置に取り付けられている撹拌シャフト14により回転駆動力が伝えられる。
具体的には撹拌羽根12が凝集粒子および付着粒子を形成する過程で、液を回転する撹拌羽根の回転円の面積Aに対する、撹拌翼20の撹拌面の面積Bの比B/Aが0.005〜0.01である撹拌翼を有した撹拌羽根である。また、図1の反応釜10の内径Dに対する、撹拌羽根12のベース板18の長径dの比d/Dが0.1以上0.5以下を取るように設計している。さらに、撹拌羽根12の位置は深さ方向の取り付け位置h(反応釜10の内底面から撹拌翼20の上部までの距離)が反応釜10の内底面位置から液面の位置Hまでに対して0.4〜0.7の範囲としている。撹拌羽根12はモータ16の回転を撹拌シャフト14により伝達されて2m/sec〜5m/secで回転される。
また、撹拌羽根12は、図2または図3に示すように櫛型の構造を有することが好ましい。これにより、効率よく液全体を撹拌できることで、より粒度分布を狭くすることを可能とする。図2の撹拌羽根12は撹拌翼20を2個、図3の撹拌羽根12は撹拌翼20を4個有するが、撹拌翼20の数は2個から4個であることが好ましい。
また、撹拌羽根12は、図4に示すように多段構造を有することが好ましい。これにより、効率よく液全体を撹拌できることで、より粒度分布を狭くすることを可能とする。図4の撹拌羽根12は2段であるが、段数は2段〜4段であることが好ましい。
撹拌翼20の形状は図2のような円柱状でもよいし、四角柱状等の多角柱状であってもよいが、泡の巻き込みや清掃が簡単に出来る点から円柱状であることが好ましい。また、撹拌羽根は図5に示すようなスクリュ状であってもよい(図5(a)は横から、図5(b)は上から見た図である。)。
反応釜10には釜内壁近傍に一般的に取り付けられている邪魔板は必要に応じて取り付けることが可能であるが、粘度が高い場合にはこの近傍に淀みができるため、取り付けなくてもよい。
本実施形態に係るトナーに用いられる結着樹脂としては、熱可塑性の重合体、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエン等のポリオレフィン類等の単量体等の重合体又はこれらを2種以上組み合わせて得られる共重合体又はこれらの混合物、更にはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、或いはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物及びこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等を挙げることができる。
ビニル系単量体の場合は、イオン性界面活性剤等を用いて乳化重合やシード重合を実施して樹脂粒子の水分散液を作製することができ、その他の樹脂の場合は、樹脂を水に対する溶解度の比較的低い油性の溶剤に溶解し、水中に投入して、イオン性の界面活性剤や高分子電解質とともにホモジナイザ等の分散機により水中に微粒子分散させ、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂分散液を作製することができる。
トナーに添加する着色剤としては、例えばカーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエローパーメネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウォッチャングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の顔料、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジゴ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系等の染料等を用いることができる。これらの着色剤は1種又は複数種類を併せて使用することができる。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーにおける、前記着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1〜30質量部の範囲であることが好ましいが、また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ることができる。
本実施形態において、離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用できる。
これらの離型剤は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基等の高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに強いせん断をかけられるホモジナイザや圧力吐出型分散機により微粒子化し、1μm以下の粒子の分散液を作製することができる。離型剤の添加量は、トナーに対して50重量%以下の範囲で添加することができる。
また、本実施形態において内添剤を添加することができる。例えばフェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物等の磁性体を使用したり、電荷制御剤として4級アンモニウム塩化合物等、通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができるが、凝集や合一時の安定性に影響するイオン強度の制御と排水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適である。
上記の乳化重合、シード重合、顔料分散、樹脂粒子、離型剤分散、凝集、又はその安定化等に用いる界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、石鹸系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的である。分散のため手段としては、回転せん断型ホモジナイザやメディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノーミル等の一般的なものが使用可能である。
トナー成分を揮発性溶剤に溶解させる場合、揮発性溶剤としては、水と混和しないか、或いは混和しにくい溶剤が好ましく、例えば、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶剤、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル系溶剤等を単独もしくは2種類以上組み合わせて使用できる。溶解の手段としては、回転せん断型ホモジナイザまたはメディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノーミル等の一般的なものが使用可能である。
本実施形態に用いる樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子等の体積平均粒径の測定には、レーザ回析式粒度分布測定装置LA−700(堀場製作所製)、トナー粒径の測定には、コールタカウンタTA−2(コールター社製)を用いることができる。樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子等の体積平均粒径は、1μm以下であることが望ましく、より望ましくは0.01〜1μmの範囲である。樹脂、トナー等のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計DSC−50(島津製作所製)を用いた示差走査熱量測定(DSC)により求める。また、樹脂、トナー等のMw(重量平均分子量)の測定は、THF可溶物を、東ソー製GPC・HLC−8120、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して分子量を算出したものである。
湿式添加する無機微粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム等、通常、外添剤として使用されるものが使用でき、それらは、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散することにより湿式添加することができる。
又、通常のトナーと同様に乾燥後、流動性助剤やクリーニング助剤として、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機微粒子、ビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーン等の樹脂微粒子を乾燥状態でせん断をかけて表面へ添加することもできる。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂、マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10μm〜500μmの範囲であり、好ましくは30μm〜100μmの範囲である。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
前記二成分現像剤における本実施形態に係るトナーと上記キャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
<画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含む画像形成方法において、現像剤として、本実施形態の静電荷像現像用トナーを含有する静電荷像現像剤を用いる。
前記現像剤は、一成分系、二成分系のいずれの態様であってもよい。上記の各工程は、いずれも画像形成方法において公知の工程が利用できる。また、本実施形態に係る画像形成方法は、上記した工程以外の工程を含むものであってもよい。
前記潜像保持体としては、例えば、電子写真感光体および誘電記録体等が使用できる。電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する(現像工程)。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着機により熱定着等され(定着工程)、最終的なトナー像が形成される。
尚、定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、定着機における定着部材に離型剤が供給される。
離型剤は、定着後の被転写体および画像へのオイルの付着をなくす観点からは使用しない方が好ましいが、離型剤の供給量を0mg/cmにすると、定着時に定着部材と紙等の被転写体とが接触した際に、定着部材の磨耗量が増大し、定着部材の耐久性が低下してしまう場合があるので、必要ならば、離型剤の使用量が8.0×10−3mg/cm以下の範囲で、定着部材に微量に供給されていることが好ましい。
離型剤の供給量が、8.0×10−3mg/cmを越えると、定着後に画像表面に付着した離型剤のために画質が低下し、特にOHPのような透過光を利用する場合には、かかる現象が顕著に現れることがある。また、被転写体への離型剤の付着が顕著になり、ベタ付きが発生することもある。さらに、離型剤の供給量は、多くなるほど離型剤を貯蔵しておくタンク容量も大きくしなければならず、定着装置自体の大型化を招く要因ともなる。
離型剤としては、特に制限はないが、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フッ素オイル、フロロシリコーンオイルやアミノ変性シリコーンオイル等の変性オイル等の液体離型剤が挙げられる。中でも、定着部材の表面に吸着し、均質な離型剤層を形成しうる観点より、アミノ変性シリコーンオイル等の変性オイルが、定着部材に対する塗れ性に優れ、好ましい。また、均質な離型剤層を形成しうる観点より、フッ素オイル、フロロシリコーンオイルが好ましい。
離型剤として、フッ素オイル、フロロシリコーンオイルを使用するのは、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを用いない従来の画像形成方法においては、離型剤自体の供給量を低減し得ないためコストの面で実用的ではないが、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを使用する場合においては、離型剤の供給量を激減できるのでコスト面でも実用上問題がない。
前記加熱定着に用いる定着部材であるローラあるいはベルトの表面に、離型剤を供給する方法としては、特に制限はなく、例えば、液体離型剤を含浸したパッドを用いるパッド方式、ウエブ方式、ローラ方式、非接触型のシャワー方式(スプレー方式)等が挙げられ、なかでも、ウエブ方式、ローラ方式が好ましい。これらの方式の場合、離型剤を均一に供給でき、しかも供給量をコントロールすることが容易な点で有利である。尚、シャワー方式により定着部材の全体に均一に前記離型剤を供給するには、別途ブレード等を用いる必要がある。
離型剤の供給量は、以下のようにして測定することができる。すなわち、その表面に離型剤を供給した定着部材に、一般の複写機で使用される普通紙(代表的には、富士ゼロックス(株)製の複写用紙、商品名J紙)を通過させると、該普通紙上に離型剤が付着する。そして、ソックスレ抽出器を用いてこの付着した離型剤を抽出する。ここで、溶媒にはヘキサンを用いる。
このヘキサン中に含まれる離型剤の量を、原子吸光分析装置にて定量することで、普通紙に付着した離型剤の量を定量することができる。この量を離型剤の定着部材への供給量と定義する。
トナー像を転写する被転写体(記録材)としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(樹脂分散液1の作製)
スチレン 370重量部
n−ブチルアクリレート 30重量部
アクリル酸 6重量部
ドデカンチオール 24重量部
四臭化炭素 4重量部
以上の成分を混合溶解した溶液を、非イオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成社製)6重量部、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬社製)10重量部をイオン交換水550重量部に溶解した溶液に加え、フラスコ中で10分間分散処理して、乳化させ、ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム4重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入し、窒素置換を行った。その後フラスコを撹拌しながらオイルバスで内容物が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより中心径(体積平均粒径)155nm、ガラス転移点59℃、重量平均分子量Mw12000のアニオン性樹脂分散液を得た。
(樹脂分散液2の作製)
スチレン 280重量部
n−ブチルアクリレート 120重量部
アクリル酸 8重量部
以上の成分を混合溶解した溶液を、非イオン性界面活性剤(ノニポール400)6重量部、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC)12重量部をイオン交換水550重量部に溶解した溶液に加え、フラスコ中で10分間分散処理して乳化させ、ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム3重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入し、窒素置換を行った。その後フラスコを撹拌しながらオイルバスで内容物が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより中心径(体積平均粒径)105nm、ガラス転移点53℃、Mw550000のアニオン性樹脂分散液を得た。
(着色剤分散液1の作製)
カーボンブラック(モーガルL、キャボット社製) 50重量部
非イオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成社製) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上の成分を混合溶解し、ホモジナイザ(ウルトラタラックス、IKA社製)により10分間分散処理して、体積平均粒径0.3μmのカーボンブラック分散液を得た。
(離型剤分散液1の作製)
パラフィンワックス(HNP0190、融点85℃、比重0.95、日本精蝋社製) 50重量部
カチオン性界面活性剤(サニゾールB50、花王社製) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上の成分を95℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50にて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、中心径(体積平均粒径)550nmのワックス分散液を得た。
(凝集工程)
樹脂分散液1 120重量部
樹脂分散液2 80重量部
着色剤分散液1 90重量部
離型剤分散液1 100重量部
以上の成分に加えてポリ塩化アルミニウム0.4重量部および1N硝酸を加え分散液のpHを2.5に調整した。次いで15℃に冷却しながら丸型ステンレス鋼製フラスコ中でウルトラタラックスT50にて8000rpmで体積平均粒径が1.6μm程度になるまで混合分散した後、加熱用オイルバスで混合物を330rpmで撹拌しながら2時間かけて40℃まで加熱した。40℃で60分保持した後、光学顕微鏡にて観察すると約3μmの凝集粒子が生成していることが確認された。更に加熱用オイルバスの温度を上げて42℃で約1時間保持した。
(融合工程)
光学顕微鏡にて観察したところ、粒径約3.5μmの凝集粒子が生成していることが確認された。その後、ここに1M−NaOH溶液を滴下してpHを6.0とした後、撹拌を下げて200rpmとして96℃まで加熱し、3時間保持した。冷却後、コールタカウンタで体積平均粒径を測定したところ、3.6μmであることが確認された。粒度分布の指標であるGSDvは1.24、GSDpは1.22であった。走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒径1μm以下の着色剤が充分に取り込まれていない粒子がトナーの表面や周りに確認された。また、FPIAにより形状および1μm以下の粒子の個数割合を調べたところ平均円形度が0.975(形状係数SF1=125)の比較的丸い粒子であり1μm以下の粒子の個数割合が10%程度含まれているものが得られていた。
(超音波印加工程、分離工程)
その後、得られたトナー分散液を450mLのポリエチレン製の容器に入れて、純水を加えて固形分濃度を10重量%に希釈し、超音波洗浄機(40KHz、パワー密度0.2W/cm、シャープ社製)にて10分間分散処理した後、遠心機(H−2000B、コクサン社製)により5分間、2000rpmで遠心力を加えることにより、トナー粒子とトナー粒子中から遊離した微小未着色粒子を遠心分離して上澄み液を除去した。得られたトナー粒子沈殿物にイオン交換水を加えて再び超音波洗浄機(40KHz、パワー密度0.2W/cm、シャープ社製)にて10分間分散処理した後、遠心機(H−2000B、コクサン社製)により5分間、2000rpmで遠心力を加えることにより、トナー粒子とトナー粒子表面から遊離した1μm以下の粒子の微小未着色粒子を遠心分離して上澄み液を除去した。トナーのFPIA測定による1μm以下の粒子数は2%であった。その後、トナー量に対して6倍量の純水を使用してトナーをろ過洗浄して冷凍乾燥機にて乾燥させてトナー粉末を得た。
(外添剤混合)
トナー粉末100重量部に対して酸化チタン0.9重量部とシリカ粉3.15重量部およびステアリン酸Zn0.6重量部とをヘンシェルミキサにて高速撹拌して外添してトナーを作製した。
(現像剤の作製、評価)
次いで、このトナーを8重量%の割合で体積平均粒径35μmのフェライトコア粒子(EF−35B、パウダーテック社製)に2重量%のポリメチルメタクリレートをコートした体積平均粒径約35μmのフェライトキャリアとを混合し、複写機(Vivace500改造機、富士ゼロックス社製)で連続走行試験を行ったところ、10万枚後も機械内のトナークラウドによる汚れの発生もなく、安定した画像を持続し、感光体へのフィルミング発生も見られなかった。結果を表1に示す。
<比較例1>
(凝集工程)
樹脂分散液1 120重量部
樹脂分散液2 80重量部
着色剤分散液1 90重量部
離型剤分散液1 100重量部
実施例1と同様にして、以上の成分に加えてポリ塩化アルミニウム0.4重量部および1N硝酸を加え分散液のpHを2.5に調整した。次いで15℃に冷却しながら丸型ステンレス鋼製フラスコ中でウルトラタラックスT50にて8000rpmで体積平均粒径が1.6μm程度になるまで混合分散した後、加熱用オイルバスで混合物を330rpmで撹拌しながら2時間かけて40℃まで加熱した。40℃で60分保持した後、光学顕微鏡にて観察すると約3μmの凝集粒子が生成していることが確認された。更に加熱用オイルバスの温度を上げて42℃で約1時間保持した。光学顕微鏡にて観察したところ、粒径約3.5μmの凝集粒子が生成していることが確認された。
(融合工程)
その後、ここに1M−NaOH溶液を滴下してpHを6.0とした後、撹拌を下げて200rpmとして96℃まで加熱し、3時間保持した。冷却後、コールタカウンタで体積平均粒径を測定したところ、3.6μmであることが確認された。粒度分布の指標であるGSDpは1.28であった。走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒径1μm以下の着色剤が充分に取り込まれていない粒子がトナーの表面や周りに確認された。また、FPIAにより形状および1μm以下の粒子の個数割合を調べたところ平均円形度が0.975(形状係数SF1=125)の比較的丸い粒子であった。トナーのFPIA測定による1μm以下の粒子数は10%であった。
(洗浄、乾燥)
その後、得られたトナー分散液に純水を加えて固形分濃度を10重量%に希釈しトナーをろ過しながら純水をトナーに対して6倍量加えて洗浄し冷凍乾燥機にて乾燥させてトナー粉末を得た。
(外添剤混合)
トナー粉末100重量部に対して酸化チタン0.9重量部とシリカ粉3.15重量部およびステアリン酸Zn0.6重量部とをヘンシェルミキサにて高速撹拌して外添して比較例1のトナーを作製した。
(現像剤の作製、評価)
次いで、このトナーを8重量%の割合で体積平均粒径35μmのフェライトコア粒子(EF−35B、パウダーテック社製)に2重量%のポリメチルメタクリレートをコートした体積平均粒径約35μmのフェライトキャリアとを混合し、複写機(Vivace500改造機、富士ゼロックス社製)で連続走行試験を行ったところ、5000枚程度のプリントで現像機からのトナークラウドによる機内汚れが発生し始めた。クラウドしている粒子を光学顕微鏡にて観察したところ1μm以下の粒子が主なものであった。また、継続してプリントしたところ3000枚辺りから、感光体へのトナー汚れ(フィルミング)が発生し局所的にトナーの凝集物が感光体表面に付着し、白い点状の画像欠陥がソリッド画像に現れるようになった。感光体表面に付着したトナーの凝集物をSEM観察したところ原因物質が1μm以下の粒子の痕跡が見られ、これがトリガーとなってトナーの凝集物10〜50μm程度の大きさに成長したものであることが確認された。結果を表1に示す。
<実施例2>
着色剤の色を変えてY,M,C色の超小径トナーを下記の着色剤を用いて作製した。
(樹脂分散液3の作製)
スチレン(和光純薬社製) 325重量部
n−ブチルアクリレート(和光純薬社製) 75重量部
β−カルボキシエチルアクリレート(ローディア日華社製) 9重量部
1,10デカンジオールジアクリレート(新中村化学社製) 1.5重量部
ドデカンチオール(和光純薬社製) 2.7重量部
以上の成分を混合溶解して原料溶液413.2重量部を用意し、アニオン性界面活性剤(ダウファックス、ダウケミカル社製)4重量部をイオン交換水550重量部に溶解したものに、前記原料溶液を加えてフラスコ中で分散・乳化し、10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。次いで、系内を窒素で十分に置換した後、フラスコを撹拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続して、アニオン性の樹脂微粒子分散液を得た。得られた樹脂微粒子の中心径(体積平均粒径)は196nm、固形分量は42重量%、ガラス転移点は51.5℃、重量平均分子量Mw32400であった。
(離型剤分散液2の作製)
ポリエチレン系ワックス(PolyWax850、東洋ペトロライト社製) 200重量部
イオン界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬社製) 10重量部
イオン交換水 630重量部
以上の成分を130℃に加熱した後、ゴーリンホモジナイザ(ゴーリン社製)を用いて560kg/cmの圧力の下で30分間分散処理を行った。その後、50℃まで冷却して離型剤分散液を得た。得られた離型剤分散液中の離型剤の中心径(体積平均粒径)は200nmであり、固形分濃度は25重量%であった。
(カラーの着色剤分散液2の作製)
前記に示した各種の着色剤からY色としてはC.Iピグメント・イエロー74(Fast Yellow 7410、山陽色素社製)、M色としてはC.Iピグメント・レッド112(Red F-218、大日精化社製)、さらにC色としてはC.Iピグメント・ブルー15:3(Fastogen Blue CT-BX130、大日本インキ社製)などの着色剤を用いた。
着色剤 50重量部
非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製、ノニポール400) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を混合し、溶解し、ホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散し、体積平均粒径が250nmである着色剤(カーボンブラック)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。上記作製した各分散液を以下の処方で丸型ステンレス製フラスコ中に計量してウルトラタラックス(T50、IKA社製)を用いて十分に混合・分散した。
(凝集工程)
樹脂分散液3 80重量部
離型剤分散液2 50重量部
着色剤分散液2 50重量部
次いで、この分散液にポリ塩化アルミニウム0.4重量部および1N硝酸を加え分散液のpHを2.5に調整した。次いで、ウルトラタラックスで分散操作を分散粒子が2μmを超えるものがなくなるまで継続し、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら40℃まで2時間かけて加熱昇温した。40℃で60分保持した後、フラスコ中の体積平均粒径を測定したところ2.7μmであった。
(付着工程)
その後、さらに樹脂微粒子分散液を緩やかに50重量部を追加し180分保持した。このときフラスコ中の体積平均粒径を測定したところ3.5μmであった。
(融合工程)
その後、0.5規定の水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.5に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、200rpmにて撹拌を継続しながら96℃まで一気に加熱し、3時間保持した。冷却後、コールタカウンタで体積平均粒径を測定したところ、3.6μmであることが確認された。粒度分布の指標であるGSDvは1.24、GSDpは1.22であった。走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒径1μm以下の着色剤が充分に取り込まれていない粒子がトナーの表面や周りに確認された。また、FPIAにより形状および1μm以下の粒子の個数割合を調べたところ平均円形度が0.975(形状係数SF1=125)の比較的丸い粒子であり1μm以下の粒子の個数割合が10%程度含まれているものが得られていた。
(超音波印加工程、分離工程)
その後、得られたトナー分散液を450mLのポリエチレン製の容器に入れて、純水を加えて固形分濃度を10wt%に希釈し、超音波洗浄機(40KHz、パワー密度0.2W/cm、シャープ社製)にて10分間分散処理した後、遠心機(H−2000B、コクサン社製)により5分間、2000rpmで遠心力を加えることにより、トナー粒子とトナー粒子中から遊離した微小未着色粒子を遠心分離して上澄み液を除去した。
さらに、得られたトナー粒子沈殿物にイオン交換水を加えて再び超音波洗浄機(40KHz、パワー密度0.2W/cm、シャープ社製)にて10分間分散処理した後、遠心機(H−2000B、コクサン社製)により5分間、2000rpmで遠心力を加えることにより、トナー粒子とトナー粒子表面から遊離した1μm以下の粒子の微小未着色粒子を遠心分離して上澄み液を除去した。トナーのFPIA測定による1μm以下の粒子数は1.8%であった。その後、トナー量に対して6倍量の純水を使用してトナーをろ過洗浄して冷凍乾燥機にて乾燥させてY,M,C色の各トナー粉末を得た。
(外添剤混合)
Y,M,C色の各トナー粉末100重量部に対して酸化チタン(JMT−200)0.9重量部とシリカ粉(RY−50(日本アエロシル社製)1.4重量部、X24(信越化学社製)1.8重量部)3.2重量部およびステアリン酸Zn(和光純薬社製)0.6重量部とをヘンシェルミキサにて高速撹拌して外添してカラートナーを作製した。
(現像剤の作製、評価)
次いで、このトナーを8重量%の割合で体積平均粒径35μmのフェライトコア粒子(EF−35B、パウダーテック社製)に2重量%のポリメチルメタクリレートをコートした体積平均粒径約35μmのフェライトキャリアとを混合し、所定の現像機に各色のカラー現像剤を現像機に仕込み、複写機(Vivace500改造機、富士ゼロックス社製)でフルカラープリントの連続走行試験を行ったところ、10万枚後も機械内のトナークラウドによる汚れの発生もなく、安定した画像を持続し、感光体へのフィルミング発生も見られなかった。結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1での超音波分散までは同様にしたトナースラリ液を作製し、遠心機(H−2000B、コクサン社製)の条件をそれぞれ1000,1500,2000,2500,3000rpmの遠心力(各1000G,1500G,2000G,2500G,3000Gである)として同様に作製した各トナーサンプルを作製した。収率はそれぞれ1000rpmが60%でそれ以外は95%以上であった。各サンプルのFPIA測定による1μm以下の粒子数は0.7%、0.9%、1.0%、5.0%、9.0%であった。5つのサンプルに実施例1と同様に水洗、乾燥、外添処理してトナーとしキャリアと混合して現像剤を作製して現像機に仕込み、複写機(Vivace500改造機、富士ゼロックス社製)で黒プリントの連続走行試験を行ったところ、1000,1500,2000rpmの遠心力でのサンプルでは10万枚後も機械内のトナークラウドによる汚れの発生もなく、安定した画像を持続し、感光体へのフィルミング発生も見られなかった。しかし、2500,3000rpmの遠心力でのサンプルは1万枚を過ぎた辺りからトナークラウドによる汚れと感光体へのフィルミングが発生した。以上の結果から、遠心機の条件を1500G〜2000Gとすることで1μm以下の粒子数を1%以下とすることができ、長期の使用に耐えるトナーが得られることがわかった。表2にこのテスト結果一覧を示した。
<実施例4>
実施例3と同様にして超音波分散の条件を固形分濃度1〜35wt%、周波数を5〜60KHz、パワー密度を0.001〜1W/cmの範囲で変えたトナーサンプルを作製し、実施例1と同様に水洗、乾燥、外添処理してトナーとしキャリアと混合して現像剤を作製した。現像剤を現像機に仕込み、複写機(Vivace500改造機、富士ゼロックス社製)で黒プリントの連続走行試験を行ったところ、固形分濃度5〜20wt%、周波数を10〜50KHz、パワー密度を0.01〜0.5W/cmの範囲が良好なテスト結果が得られる範囲であることがわかった。結果をそれぞれ表3、表4、表5に示す。
<実施例5>
実施例1での凝集工程のプレ分散後1.6μm程度になったトナースラリを加熱する条件として、330rpmで撹拌しながら1時間で40℃まで加熱し昇温時間を短くしたサンプルを作製した。更に加熱用オイルバスの温度を上げて42℃で約30分保持した。光学顕微鏡にて観察したところ、粒径約3.4μmの凝集粒子が生成していることが確認された。その後、ここに1M−NaOH溶液を滴下してpHを6.0とした後、撹拌を下げて200rpmとして96℃まで加熱し、3時間保持した。冷却後、コールタカウンタで体積平均粒径を測定したところ、3.5μmであることが確認された。粒度分布の指標であるGSDvは1.24、GSDpは1.22であった。走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒径1μm以下の着色剤が充分に取り込まれていない粒子がトナーの表面や周りに確認された。また、FPIAにより形状および1μm以下の粒子の個数割合を調べたところ平均円形度が0.977(形状係数SF1=124)の比較的丸い粒子であり1μm以下の粒子の個数割合が15%程度含まれているものが得られていた。
その後、得られたトナー分散液を実施例1と同様に450mLのポリエチレン製の容器に入れて、純水を加えて固形分濃度を10wt%に希釈し、超音波洗浄機(40KHz、パワー密度0.2W/cm、シャープ社製)にて10分間分散処理した後、遠心機(H−2000B、コクサン社製)により5分間、2000rpmで遠心力を加えることにより、トナー粒子とトナー粒子中から遊離した微小未着色粒子を遠心分離して上澄み液を除去した。
得られたトナー粒子沈殿物にイオン交換水を加えて再び超音波洗浄機(40KHz、パワー密度0.2W/cm、シャープ社製)にて10分間分散処理した後、遠心機(H−2000B、コクサン社製)により5分間、2000rpmで遠心力を加えることにより、トナー粒子とトナー粒子表面から遊離した1μm以下の粒子の微小未着色粒子を遠心分離して上澄み液を除去した。
FPIAでの測定では1μm以下の粒子の個数割合が1%に減量していることがわかった。その後、トナー量に対して6倍量の純水を使用してトナーをろ過洗浄して冷凍乾燥機にて乾燥させてトナー粉末を得た。トナー粉末100重量部に対して酸化チタン0.9重量部とシリカ粉3.15重量部およびステアリン酸Zn0.6重量部とをヘンシェルミキサにて高速撹拌して外添してトナーを作製した。
次いで、このトナーを8重量%の割合で体積平均粒径35μmのフェライトコア粒子(EF−35B、パウダーテック社製)に2重量%のポリメチルメタクリレートをコートした体積平均粒径約35μmのフェライトキャリアとを混合し、複写機(Vivace500改造機、富士ゼロックス社製)で連続走行試験を行ったところ、10万枚後も機械内のトナークラウドによる汚れの発生もなく、安定した画像を持続し、感光体へのフィルミング発生も見られなかった。
このように、多少凝集工程で微粒子が多めに作製されていても本発明のトナー製造方法によれば1μm以下の粒子の個数割合を1%程度にまで下げることが出来、結果として機械内のトナークラウドによる汚れの発生のない、安定した画像を持続し、感光体へのフィルミング発生も見られないトナーが得られた。
<実施例6>
(凝集工程)
樹脂分散液1 160重量部
樹脂分散液2 80重量部
着色剤分散液1 30重量部
離型剤分散液1 40重量部
以上の成分に加えてポリ塩化アルミニウム0.4重量部および1N硝酸を加え分散液のpHを2.5に調整した。次いで15℃に冷却しながら丸型ステンレス鋼製フラスコ中でウルトラタラックスT50にて8000rpmで体積平均粒径が1.6μm程度になるまで混合分散した凝集工程に入る前のスラリを作製した。このときの粘度をB型粘度計にて100rpmでコーンを回しながらこのスラリの粘度測定をしたところ約500P.Sであった。次いで、このスラリを直径160mm×高さ180mmの丸型ステンレス釜の容器に移して撹拌羽根の形状を図2として回転数480rpmで撹拌(撹拌羽根の周速は2.51m/sec)しながら昇温速度を0.2℃/minとして少しずつ温度をあげながら凝集を開始した。この凝集工程で使用した撹拌羽根12は横100mm×縦5mm×厚み2mmのSUS製板(ベース板18)の中央に太さ7mm丸い撹拌シャフト14があり、撹拌シャフト14はモータ16(スリーワンモータ)に接続されて時計周りに回転できるようになっている(撹拌面の面積(A)=50mm×50mm×π=7850mm)。また、この撹拌羽根12には羽根の最先端2箇所に垂直方向に立ったSUS製の直径2mm丸棒(撹拌翼20)が15mmの長さで溶接されている(撹拌面の面積(B)=2mm×15mm×2=60mm、B/A=0.0076)。スリーワンモータの回転により500rpmで撹拌(周速=2.6m/sec)しながら2時間かけて40℃まで加熱した。40℃で60分保持した後、光学顕微鏡にて観察すると約3μmの凝集粒子が生成していることが確認された。
なお、この時のスラリの液密度を、20mLメスシリンダにスラリを20mL目盛りまで投入し上皿天秤にて重量測定することで得られる値により調べたところ0.95g/cmであった。
(付着工程)
樹脂分散液1 80重量部を凝集粒子を形成した釜に投入した後、更に加熱用オイルバスの温度を徐々に上げていき、付着粒子の体積平均粒径が約3.4μmとなったところで約1時間保持した。なお、このときの温度は42℃前後であった。次に、釜に1M−NaOH溶液を徐々に滴下してpHを6.0とし、付着粒子の成長を停止した。
(融合工程)
撹拌羽根12の回転数を下げて200rpmにて撹拌しながら、突沸をさせないため、昇温速度2℃/分で90℃まで加熱し、昇温速度0.5℃/分で96℃まで加熱した。その後、96℃のまま3時間保持した。冷却後、50μmアパーチャを装着したコールタカウンタで体積平均粒径を測定したところ、3.6μmであることが確認された。粒度分布の指標であるGSDpは1.21であった。走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒径1μm以下の着色剤が充分に取り込まれていない粒子がトナーの表面や周りに確認された。また、FPIAにより形状および1μm以下の粒子の個数割合を調べたところ平均円形度が0.975(形状係数SF1=125)の表面が滑らかで比較的丸い粒子であった。また、トナーのFPIA測定による1μm以下の粒子数は2.5%であった。
(超音波印加工程、分離工程)
その後、得られたトナー分散液を450mLのポリエチレン製の容器に入れて、純水を加えて固形分濃度を10重量%に希釈し、超音波洗浄機(40KHz、パワー密度0.2W/cm、シャープ社製)にて10分間分散処理した後、遠心機(H−2000B、コクサン社製)により5分間、2000rpmで遠心力を加えることにより、トナー粒子とトナー粒子中から遊離した微小未着色粒子を遠心分離して上澄み液を除去した。得られたトナー粒子沈殿物にイオン交換水を加えて再び超音波洗浄機(40KHz、パワー密度0.2W/cm、シャープ社製)にて10分間分散処理した後、遠心機(H−2000B、コクサン社製)により5分間、2000rpmで遠心力を加えることにより、トナー粒子とトナー粒子表面から遊離した1μm以下の粒子の微小未着色粒子を遠心分離して上澄み液を除去した。トナーのFPIA測定による1μm以下の粒子数は1.4%であった。その後、トナー量に対して6倍量の純水を使用してトナーをろ過洗浄して冷凍乾燥機にて乾燥させてトナー粉末を得た。
(外添剤混合)
トナー粉末100重量部に対して酸化チタン0.9重量部とシリカ粉3.15重量部およびステアリン酸Zn0.6重量部とをヘンシェルミキサにて高速撹拌して外添してトナーを作製した。
(現像剤の作製、評価)
次いで、このトナーを8重量%の割合で体積平均粒径35μmのフェライトコア粒子(EF−35B、パウダーテック社製)に2重量%のポリメチルメタクリレートをコートした体積平均粒径約35μmのフェライトキャリアとを混合し、複写機(Vivace500改造機、富士ゼロックス社製)で連続走行試験を行ったところ、10万枚後も機械内のトナークラウドによる汚れの発生もなく、安定した画像を持続し、感光体へのフィルミング発生も見られなかった。結果を表1に示す。
Figure 2007093669
Figure 2007093669
Figure 2007093669
Figure 2007093669
Figure 2007093669
このように、凝集工程及び付着工程において、凝集粒子及び付着粒子を形成する時の液の粘度を1000P.S以下とし、凝集工程において、凝集粒子を形成する時に使用する撹拌羽根の回転円の面積をA、撹拌羽根が有する撹拌翼の撹拌面の面積をBとしたときにB/Aを0.005〜0.01の範囲とし、凝集時の液密度を0.85〜0.98g/cmの範囲に保持しながら撹拌し、さらに超音波印加による洗浄を行うことにより、1μm以下の粒子数がさらに少なく、トナークラウドによる汚れの発生もなく、感光体へのフィルミング発生もないトナーを得ることができた。
<参考例1>
(樹脂分散液4の作製)
スチレン 280重量部
n−ブチルアクリレート 120重量部
アクリル酸 8重量部
以上の成分を混合溶解した溶液を、非イオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成社製)6重量部、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬社製)10重量部をイオン交換水550重量部に溶解した溶液に加え、フラスコ中で10分間分散処理して、乳化させ、ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム3重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入し、窒素置換を行った。その後フラスコを撹拌しながらオイルバスで内容物が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより中心径(体積平均粒径)155nm、ガラス転移点50℃、Mw10000のアニオン性樹脂分散液を得た。
(樹脂分散液5の作製)
スチレン 280重量部
n−ブチルアクリレート 120重量部
アクリル酸 8重量部
以上の成分を混合溶解した溶液を、非イオン性界面活性剤(ノニポール400)6重量部、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC)12重量部をイオン交換水550重量部に溶解した溶液に加え、フラスコ中で10分間分散処理して乳化させ、ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム4重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入し、窒素置換を行った。その後フラスコを撹拌しながらオイルバスで内容物が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより中心径(体積平均粒径)105nm、ガラス転移点55℃、Mw500000のアニオン性樹脂分散液を得た。
(凝集工程)
樹脂分散液4 120重量部
着色剤分散液1 90重量部
離型剤分散液1 100重量部
純水 500重量部
以上の成分に加えてポリ塩化アルミニウム0.4重量部および1N硝酸と少量の蒸留水を加え分散液のpHを2.5に調整した。次いで15℃に冷却しながら容量3Lの丸型ステンレス鋼製フラスコ中でウルトラタラックスT50にて8000rpmで撹拌して、トナー凝集粒子の体積平均粒径が1.6μm程度になるまで混合分散した凝集工程に入る前のスラリを作製した。このときの粘度をB型粘度計にて100rpmでコーンを回しながらこのスラリの粘度測定をしたところ約500P.Sであった。次いで、このスラリを直径160mm×高さ180mmの丸型ステンレス釜の容器に移して撹拌羽根の形状を図2として回転数480rpmで撹拌(撹拌羽根12の周速は2.51m/sec)しながら昇温速度を0.2℃/minとして少しずつ温度をあげながら凝集を開始した。この凝集工程で使用した撹拌羽根12は横100mm×縦5mm×厚み2mmのSUS製板(ベース板18)の中央に太さ7mm丸い撹拌シャフト14があり、撹拌シャフト14はモータ16(スリーワンモータ)に接続されて時計周りに回転できるようになっている(撹拌面の面積(A)=50mm×50mm×π=7850mm)。また、この撹拌羽根12には羽根の最先端2箇所に垂直方向に立ったSUS製の直径2mm丸棒(撹拌翼20)が15mmの長さで溶接されている(撹拌面の面積(B)=2mm×15mm×2=60mm、B/A=0.0076)。スリーワンモータの回転により500rpmで撹拌(周速=2.6m/sec)しながら2時間かけて40℃まで加熱した。40℃で60分保持した後、光学顕微鏡にて観察すると約3μmの凝集粒子が生成していることが確認された。
なお、この時のスラリの液密度を、20mLメスシリンダにスラリを20mL目盛りまで投入し上皿天秤にて重量測定することで得られる値により調べたところ0.95g/cmであった。
(付着工程)
樹脂分散液5 80重量部を凝集粒子を形成した釜に投入した後、更に加熱用オイルバスの温度を徐々に上げて行き付着粒子の体積平均粒径が約3.4μmとなったところで約1時間保持した。なお、このときの温度は42℃前後であった。次に、釜に1M−NaOH溶液を徐々に滴下してpHを6.0とし、付着粒子の成長を停止した。
(合一工程)
撹拌羽根の回転数を下げて200rpmにて撹拌しながら、突沸をさせないため、昇温速度2℃/分で90℃まで加熱し、昇温速度0.5℃/分で96℃まで加熱した。その後、96℃のまま3時間保持した。冷却後、50μmアパーチャを装着したコールタカウンタで体積平均粒径を測定したところ、3.6μmであることが確認された。粒度分布の指標であるGSDpは1.21であった。走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒径1μm以下の着色剤が充分に取り込まれていない粒子がトナーの表面や周りに確認された。また、FPIAにより形状および1μm以下の粒子の個数割合を調べたところ平均円形度が0.975(形状係数SF1=125)の表面が滑らかで比較的丸い粒子であった。トナーのFPIA測定による1μm以下の粒子数は1.8%であった。
(水洗工程)
その後、トナー量に対して6倍量の純水を使用して、ヌッチェにて該トナーをろ過しながら上から水を滴下して洗浄した。
(乾燥工程)
マイナス50℃に設定した冷凍乾燥機にて真空乾燥させてトナー粉末を得た。
(外添剤混合)
トナー粉末100重量部に対して酸化チタン0.9重量部とシリカ粉3.15重量部およびステアリン酸Zn0.6重量部とを加え、ヘンシェルミキサにより高速撹拌を行って外添して、上記撹拌方法を採用した乳化凝集法により得られたトナー粉末にてトナーを作製した。
(現像剤作製、評価)
次いで、このトナーを8重量%の割合で体積平均粒径35μmのフェライトコア粒子(EF−35B、パウダーテック社製)に2重量%のポリメチルメタクリレートをコートした体積平均粒径約35μmのフェライトキャリアとを混合し、複写機(Vivace500改造機、富士ゼロックス社製)で連続走行試験を行ったところ、10万枚後も機械内のトナークラウドによる汚れの発生もなく、安定した画像を持続し、感光体へのフィルミング発生も見られなかった。結果を表6に示す。
<参考例2>
(凝集工程)
樹脂分散液4 120重量部
着色剤分散液1 90重量部
離型剤分散液1 100重量部
純水 500重量部
参考例1と同様にして、以上の成分に加えてポリ塩化アルミニウム0.4重量部および1N硝酸と少量の蒸留水を加え分散液のpHを2.5に調整した。次いで15℃に冷却しながら容量3Lの丸型ステンレス鋼製フラスコ中でウルトラタラックスT50にて8000rpmで撹拌して、トナー凝集粒子の体積平均粒径が1.6μm程度になるまで混合分散した凝集工程に入る前のスラリを作製した。このときの粘度をB型粘度計にて100rpmでコーンを回しながらこのスラリの粘度測定をしたところ約500P.Sであった。次いで、このスラリを直径160mm×高さ180mmの丸型ステンレス釜の容器に移した。撹拌羽根の形状を図5(スクリュ型の撹拌羽根12の羽根の長さ50mm×幅10mm×4枚、角度45度)として回転数480rpmで撹拌(撹拌羽根12の周速は2.51m/sec)しながら昇温速度を0.2℃/minとして少しずつ温度を上げて凝集を開始した(撹拌面の面積(A)=50mm×50mm×π=7850mm、撹拌羽根12の撹拌面の面積(B)=50mm×10mm×4=2000mm、B/A=0.25)。またこの時の液密度は0.72g/cmであった。スリーワンモータの回転により480rpmで撹拌(周速=2.6m/sec)しながら2時間かけて40℃まで加熱した。40℃で60分保持した後、光学顕微鏡にて観察すると約2.7μmの凝集粒子が生成していることが確認された。引き続き40℃で120分凝集工程を続けたが2.8μm程度に凝集粒子が成長していた。但し1μm以下の微粉が多い状態であることがわかった。これは凝集工程で泡を多く含んでいるため泡の界面での異常なせん断力が働いて凝集が進行せず2.8μm以上の成長が出来ないものと判断した。
しかし、温度を2℃上昇させて42℃で60分間保持したところ、3.0μmの凝集粒子が得られた。樹脂分散液5 80重量部を凝集粒子を形成した釜に投入した後、更に加熱用オイルバスの温度を徐々に上げて行き付着粒子の体積平均粒径が約3.4μmとなったところで約1時間保持した。なお、このときの温度は43℃前後であった。
(融合工程)
続いて、釜に1M−NaOH溶液を徐々に滴下してpHを6.0とした後、羽根の回転数を下げて200rpmにて撹拌しながら、突沸をさせないため、昇温速度2℃/分で90℃まで加熱し、昇温速度0.5℃/分で96℃まで加熱した。その後、96℃のまま3時間保持した。冷却後、50μmアパーチャを装着したコールタカウンタで体積平均粒径を測定したところ、3.6μmであることが確認された。粒度分布の指標であるGSDpは1.26であった。走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒径1μm以下の着色剤が充分に取り込まれていない粒子がトナーの表面や周りに確認された。また、FPIAにより形状および1μm以下の粒子の個数割合を調べたところ平均円形度が0.975(形状係数SF1=125)の表面が滑らかで比較的丸い粒子であった。また、1μm以下の粒子の個数割合が7%で若干の微粉粒子を含んだ小粒子トナーであった。
(洗浄、乾燥、外添剤混合)
その後、トナーをヌッチェにてろ過しながら純水をトナーに対して6倍量加えて洗浄し冷凍乾燥機にて乾燥させて、本撹拌方法による乳化凝集法で作製したトナー粉末を得た。トナー粉末100重量部に対して酸化チタン0.9重量部とシリカ粉3.15重量部およびステアリン酸Zn0.6重量部とをヘンシェルミキサにて高速撹拌して外添して比較例2のトナーを作製した。
(現像剤作製、評価)
次いで、このトナーを8重量%の割合で体積平均粒径35μmのフェライトコア粒子(EF−35B、パウダーテック社製)に2重量%のポリメチルメタクリレートをコートした体積平均粒径約35μmのフェライトキャリアとを混合し、複写機(Vivace500改造機、富士ゼロックス社製)で連続走行試験を行ったところ、5000枚程度のプリントで現像機からのトナークラウドによる機内汚れが発生し始めた。クラウドしている粒子を光学顕微鏡にて観察したところ1μm以下の粒子が主なものであった。また、継続してプリントしたところ3000枚辺りから、感光体へのトナー汚れ(フィルミング)が発生し局所的にトナーの凝集物が感光体表面に付着し、白い点状の画像欠陥がソリッド画像に現れるようになった。感光体表面に付着したトナーの凝集物をSEM観察したところ原因物質が1μm以下の粒子の痕跡が見られ、これがトリガーとなってトナーの凝集物10〜50μm程度の大きさに成長したものであることが確認された。結果を表6に示す。
<参考例3>
参考例1のトナー作製条件として体積平均粒径が1.6μm程度のスラリ作製までは同様な作製方法で操作を行った。参考例1の撹拌羽根12の先端丸棒(撹拌翼20)の直径を1.3mm(B/A値=0.005)、2.3mm(B/A値=0.0087)及び2.5mm(B/A値=0.0096)とした以外はまったく同様にしてテストしたところ3者ともに参考例1とほぼ同じような粒度、形状、粒度分布を有するトナー粉末が得られた。トナー化して実機テストしたところ、10万枚後も機械内のトナークラウドによる汚れの発生もなく、安定した画像を持続し、感光体へのフィルミング発生も見られなかった。結果を表6に示す。
<参考例4>
参考例1のトナー作製条件として体積平均粒径が1.6μm程度のスラリ作製までは同様な作製方法で操作を行った。参考例1の撹拌羽根12の先端丸棒(撹拌翼20)の直径を1.0mm(B/A値=0.0038)とした以外はまったく同様にしてトナー粉末を作製してみたところ、付着粒子作製時に粒度分布が2山になるような挙動を示し、シャープな粒度をもつトナー粉末は得られなかった。これは撹拌力が極端に低くなったため釜の底部位に凝集粒子の一部が堆積していたことが原因と考えられる。しかし、ある程度の撹拌力が与えられるよう撹拌羽根の形状を選ぶ必要性があることを示唆しているものである。結果を表6に示す。
<参考例5>
参考例1のトナー作製条件として体積平均粒径が1.6μm程度のスラリ作製までは同様な作製方法で操作を行った。参考例1の撹拌羽根12の先端丸棒(撹拌翼20)の直径を3.5mm(B/A値=0.013)とした以外はまったく同様にしてトナー粉末を作製したところ、泡の巻き込みがやや大きくなり液密度が0.82g/cmを示し、40℃では体積平均粒径2.9μmで若干ではあるが微粉が多いことが顕微鏡観察で明らかとなった。その後1℃昇温して体積平均粒径を3.0μmとして樹脂分散液2を投入し41℃のまま1時間保持して体積平均粒径が3.5μmとなっていることを確認して参考例1と同様にフリージング工程(凝集の停止のためpHを5.5以上に上げた。)を実施したところ、僅かではあるがバラケが起こり微粒子が増加しているように見られた。しかし、合一工程後に粒度、粒度分布、形状などを観察したところ粒度分布の指標であるGSDpは1.25であった。走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒径1μm以下の着色剤が充分に取り込まれていない粒子がトナーの表面や周りに確認された。また、FPIAにより形状および1μm以下の粒子の個数割合を調べたところ、平均円形度が0.975(形状係数SF1=125)の表面が滑らかで比較的丸い粒子であった。また、1μm以下の粒子の個数割合が5%で若干の微粉粒子を含んだ小粒子トナーであった。参考例1と同様にしてトナー粉末を作製し、トナー化してテストしたところ、5000枚程度のプリントで現像機からのトナークラウドによる機内汚れが発生し始めた。クラウドしている粒子を光学顕微鏡にて観察したところ1μm以下の粒子が主なものであった。また、継続してプリントしたところ3000枚辺りから、感光体へのトナー汚れ(フィルミング)が発生し局所的にトナーの凝集物が感光体表面に付着し、白い点状の画像欠陥がソリッド画像に現れるようになった。結果を表6に示す。
以上のことから、凝集粒子および付着粒子を形成する過程で該液を回転する撹拌羽根において、回転円の面積Aに対する垂直の方向に立った撹拌翼の撹拌面の面積Bの比B/Aが0.005〜0.01であり、その撹拌羽根にて液密度を0.85〜0.98g/cmを保持しながら撹拌することが好ましいことがわかった。
<参考例6>
参考例1のトナー作製条件において、純水添加量を100重量部から1000重量部として、凝集粒子および付着粒子形成時のスラリの粘度を変えた他は参考例1と同様にトナー粉末を作製した。各種のトナーサンプルの粘度、液密度、粒度、粒度分布、形状、1μm以下の微粒子の含有量、マシンテスト結果を表7に示した。この結果、凝集粒子および付着粒子の形成時のスラリの粘度は1000P.S以下が適当であることがわかった。すなわち、1000P.S以上としてしまうと液密度が高くなり泡の巻き込みが増加してせん断力が大きくなることでフリージング工程時のバラケが発生しやすくなり粒度分布が微粉側に広がってトナー中に残り実機プリント時に障害が出やすくなることが明らかである。また、極端な低粘度時では釜の容量に対する固形分量(トナー量)が少なくなるため得策ではなく、若干ではあるが表面形状が悪化した。凝集粒子および付着粒子の形成時のスラリの粘度は1000P.S以下が好ましいが極端な低粘度は避ける方がよいことがわかった。
<参考例7>
参考例1のトナー作製条件として体積平均粒径が1.6μm程度のスラリ作製までは同様な作製方法で操作を行った。撹拌羽根の径をd、容器の内径をD(160mm)としたときのd/D値を0.05から0.8まで変えた撹拌羽根を作製して、他は参考例1と同様にトナー粉末を作製した。各種のトナーサンプルの粘度、液密度、粒度、粒度分布、形状、1μm以下の微粒子の含有量、マシンテスト結果を表8に示した。その結果、d/D値は0.1から0.5の範囲に設定することが好ましいことがわかった。
<参考例8>
参考例1のトナー作製条件として体積平均粒径が1.6μm程度のスラリ作製までは同様な作製方法で操作を行った。参考例1の撹拌羽根の構造を図3に示したような櫛型あるいは図4に示したような多段構造とした。なお、B/A値は0.0076となるように櫛型の場合は直径1mmの丸棒を15mmの長さで等間隔に4本を図のように溶接した(各丸棒の間隔は丸棒の中心位置がそれぞれ33.3mmとしている。)。また、多段構造としたものではB/A値は0.0076となるように直径0.5mmの丸棒を15mmの長さで等間隔に4本をそれぞれ図のように溶接した(上下の間隔は10mm間隔である。)。この撹拌羽根を採用して撹拌しながら凝集させたトナー粉末は50μmアパーチャを装着したコールタカウンタで体積平均粒径を測定したところ、3.6μmであることが確認された。粒度分布の指標であるGSDpは1.21であった。走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒径1μm以下の着色剤が充分に取り込まれていない粒子がトナーの表面や周りに確認された。また、FPIAにより形状および1μm以下の粒子の個数割合を調べたところ平均円形度が0.975(形状係数SF1=125)の表面が滑らかで比較的丸い粒子であった。また、1μm以下の粒子の個数割合が1%で非常にシャープな粒度を有した小粒子トナーが得られておりトナー化して実施例5と同様に実機テストしたところ非常に良好なもので100Kpv以上のプリント操作によってもフィルミングなどの問題は発生しなかった。結果を表6に示す。
<参考例9>
参考例1のトナー作製条件として体積平均粒径が1.6μm程度のスラリ作製までは同様な作製方法で操作を行った。参考例1の撹拌羽根の取り付け位置hを液面位置Hに対して0.3〜0.8まで変えてテストを参考例1の条件下で行ったところ、表9に示したようになった。この結果から、撹拌羽根の取り付け位置hを液面位置Hに対して0.4〜0.7が適当であることが確かめられた。撹拌羽根の取り付け位置h/Hも重要なパラメータであり、あまり低くしすぎると底面とのせん断が強くなり好ましくなく、高すぎるとスラリが釜の底部位に堆積しやすくなり好ましくない。したがって撹拌羽根の取り付け位置hを液面位置Hに対して0.4〜0.7が適当であることがわかった。
<参考例10>
参考例1のトナー作製条件として体積平均粒径が1.6μm程度のスラリ作製までは同様な作製方法で操作を行った。参考例1の撹拌羽根の撹拌条件を変えてT2温度を変えたトナー粉末を作製した。その結果、第2工程の付着粒子終了時温度T2が使用している付着工程に使用している樹脂Tgに対して0.80〜0.92の範囲がバラケが少なく良好であることがわかった。表10にこの結果を示した。
<参考例11>
(トナーの作製)
樹脂分散液3 80重量部
離型剤分散液2 50重量部
着色剤分散液2 50重量部
この分散液にポリ塩化アルミニウム0.4重量部および1N硝酸を加え分散液のpHを2.5に調整した。次いで、ウルトラタラックスで分散操作を分散粒子が体積平均粒径2μmを超えるものがなくなるまで継続し、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら40℃まで2時間かけて加熱昇温した。40℃で60分保持した後、フラスコ中の体積平均粒径を測定したところ2.7μmであった。その後、さらに樹脂微粒子分散液を緩やかに50重量部を追加し180分保持した。このときフラスコ中の体積平均粒径を測定したところ3.5μmであった。その後、0.5規定の水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.5に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、200rpmにて撹拌を継続しながら96℃まで一気に加熱し、3時間保持した。冷却後、コールタカウンタで体積平均粒径を測定したところ、3.6μmであることが確認された。粒度分布の指標であるGSDpは1.28であった。走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒径1μm以下の着色剤が充分に取り込まれていない粒子がトナーの表面や周りに確認された。また、FPIAにより形状および1μm以下の粒子の個数割合を調べたところ平均円形度が0.975(形状係数SF1=125)の比較的丸い粒子であり1μm以下の粒子の個数割合が1%含まれているものが得られていた。その後、トナー量に対して6倍量の純水を使用してトナーをろ過洗浄して冷凍乾燥機にて乾燥させてY,M,C色の各トナー粉末を得た。
Y,M,C色の各トナー粉末100重量部に対して酸化チタン(JMT−200)0.9重量部とシリカ粉(RY−50(日本アエロシル社製)1.4重量部、X24(信越化学社製)1.8重量部)3.2重量部およびステアリン酸Zn(和光純薬社製試薬)0.6重量部とをヘンシェルミキサにて高速撹拌して外添してカラートナーを作製した。
次いで、このトナーを8重量%の割合で体積平均粒径35μmのフェライトコア粒子(EF−35B、パウダーテック社製)に2重量%のポリメチルメタクリレートをコートした体積平均粒径約35μmのフェライトキャリアとを混合し、所定の現像機に各色のカラー現像剤を現像機に仕込み、複写機(Vivace500改造機、富士ゼロックス社製)でフルカラープリントの連続走行試験を行ったところ、10万枚後も機械内のトナークラウドによる汚れの発生もなく、安定した画像を持続し、感光体へのフィルミング発生も見られなかった。結果を表6に示す。
Figure 2007093669
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Figure 2007093669
本発明の実施形態に係るトナー製造装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る撹拌羽根の一例を示す概略図であり、(a)は断面図、(b)は上面図である。 本発明の実施形態に係る撹拌羽根の他の例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る撹拌羽根の他の例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る撹拌羽根の他の例を示す概略図であり、(a)は断面図、(b)は上面図である。
符号の説明
1 トナー製造装置、10 反応釜、12 撹拌羽根、14 撹拌シャフト、16 モータ、18 ベース板、20 撹拌翼。

Claims (3)

  1. 結着樹脂、着色剤を含有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    樹脂粒子及び着色剤粒子を分散させた分散液中で、前記樹脂粒子のガラス転移点以下の温度に加熱して凝集粒子を形成し、凝集粒子分散液を調製する凝集工程と、
    前記凝集粒子を加熱融合して融合粒子を形成する融合工程と、
    前記融合粒子を所定の固形分濃度の分散液とした後、前記分散液に超音波を印加して微粉を遊離させる超音波印加工程と、
    前記融合粒子と前記微粉とを分離する分離工程と、
    を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    前記分離工程において、遠心分離により前記融合粒子と前記微粉とを分離することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    前記凝集工程において、
    前記凝集粒子を形成する時の液の粘度が1000P.S以下であり、
    前記凝集粒子を形成する時に使用する撹拌羽根の回転円の面積をA、前記撹拌羽根が有する撹拌翼の撹拌面の面積をBとしたときにB/Aが0.005〜0.01の範囲であり、
    凝集時の液密度を0.85〜0.98g/cmの範囲に保持しながら撹拌することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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