JP5510029B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法及び樹脂粒子の製造装置 - Google Patents
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Description
重合法はトナー粒子形成時、あるいはその過程においてトナー原材料の重合反応を伴うことから、このように称される。各種重合方法が実用化されており、懸濁重合、乳化凝集、ポリマー懸濁(ポリマー凝集)、エステル伸長反応等がある。
特許文献1〜3に示されたトナーの製造方法においては、ノズルからノズル径に対応した液滴を放出するものである。この方法ではトナー組成液を噴霧した後において、形成された液滴が乾燥する前に液滴同士が合着し、その状態のまま溶媒が乾燥してトナーが得られるため、結果として得られるトナーの粒度分布の広がりが避けられず、粒径分布としては満足のいくものでなかった。
しかし、製造条件によっては製造したトナーの粒径分布がブロードになるという不具合が生じることがあった。この方法においても、特にトナー組成液を多量に噴射した場合において、形成された液滴が乾燥する前に液滴同士が合着する場合があり、安定して狭い粒度分布のトナーを得るには不充分であった。
粒径分布が広いトナーを電子写真システムに用いると、高精細な画像を得る事ができないため、粒度分布の狭いトナーを得ることは大きな課題となっている。
<1>溶媒に、少なくとも結着樹脂、顔料からなるトナー材料を溶解又は分散させた溶解乃至分散液を、該溶解乃至分散液を供給する流路の一部に設けた複数の孔を有する液滴吐出手段から液滴を吐出し、該吐出された液滴を乾燥固化させてトナーを製造する静電荷像現像用トナーの製造方法において、該吐出された液滴と同方向に流れる1次搬送気流に対して、該液滴の自由落下速度より早く、かつ、該1次搬送気流に対して120°未満の角度を持ち、上方から下方に流れている2次搬送気流によりさらに搬送することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<2>前記<1>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記吐出された液滴と同方向に流れる1次搬送気流に対して、2次搬送気流が60〜90°の角度を持つことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<3>前記<1>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記吐出された液滴と同方向に流れる1次搬送気流に対して、2次搬送気流が45〜100°の角度を持つことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<4>前記<1>〜<3>のいずれかに記載の前記静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記1次搬送気流速度のHと、前記2次搬送気流の速度Vとの比V/Hが0.5〜3.0の範囲であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<5>少なくとも樹脂を含む樹脂含有液を吐出して液滴化するための吐出液滴化手段と、前記吐出液滴化手段により吐出された液滴を吐出方向と同方向に搬送する1次搬送気流を発生させるための第1の気流発生手段と、前記1次搬送気流と異なる方向へ前記液滴を搬送する2次搬送気流を発生させるための第2の気流発生手段と、を有し、前記第1の気流発生手段および前記第2の気流発生手段は、前記1次搬送気流と前記2次搬送気流の気流方向のなす角が120°未満となるように配置されていることを特徴とする、樹脂粒子の製造装置である。
<6>前記吐出液滴化手段は、水平方向に液滴を吐出するように配置されていることを特徴とする前記<5>に記載の樹脂粒子の製造装置である。
<7>前記吐出手段及び前記第1の気流発生手段が複数配置されていることを特徴とする前記<5>又は<6>に記載の樹脂粒子の製造装置である。
<8>前記第2の気流発生手段は、前記2次搬送気流が上から下に流れるように配置されていることを特徴とする前記<7>に記載の樹脂粒子の製造装置である。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法によって、液滴同士の合着を防止し、もって従来工法では得られなかった極めて狭い粒径分布を有する静電荷像現像用トナーを得られる。
また、本発明の樹脂粒子の製造装置によって、液滴同士の合着を防止し、極めて狭い粒径分布を有する樹脂粒子を製造する製造装置を提供することができる。
図1は、本発明のトナーの製造方法を実施するために液滴を吐出する液滴吐出ユニットの構造を示す概略図である。
揮発可能な溶媒に、少なくとも結着樹脂、顔料からなるトナー材料を溶剤に溶解又は分散させた分散乃至トナー組成液(以下、単に「トナー組成液」と記す。)1は、収容する液容器2に溜められている。トナー組成液1は液容器2から配管3によって液滴吐出手段10に搬送される。液滴吐出手段10にはヘッド11に設けられた孔12があり、この孔12から液滴13が吐出される。液滴13の吐出方向100と同方向に流れる1次搬送気流101に沿って液滴13は搬送され、その後、1次搬送気流101に対して120°未満の角度を持って流れる2次搬送気流102によって液滴13が搬送されることで、その気流に乗せられた液滴13は2次搬送気流の流れる方向に曲げられ、図1に示すように同じ孔12から吐出する粒子同士の合着確率は極端に低下する。
吐出ユニット201では1次搬送気流101に対して、2次搬送気流102は90°の角度を持っているように図示されているが、特に90°に限定されるわけではなく、120°未満であれば良い。好ましくは45°以上、100°未満であり、より好ましくは60°以上、90°以下である。120°以上であると、吐出された液滴13が2次搬送気流102によって吐出ユニット側に戻ることになるため、ヘッド11に液滴13が付着しやすくなり、付着した液滴が孔12を閉塞するため、吐出が停止することがある。また、45°未満であると液滴13の吐出方向が強制的に曲げられることによって生じる合着確立を低減する効果が小さい。
吐出ユニット201は液滴13の自由落下速度より速く、かつ、液滴13の吐出方向に対して角度をもった2次搬送気流102を設けている。噴射された液滴を含む1次搬送気流101の気流速度Hと2次搬送気流102の気流速度Vにおいて、V/Hが0.5〜3.0の範囲において設定することが、液滴13の合着を防止することにおいて好ましく、より好ましくは0.75〜2.0、更に好ましくは1.0〜1.5である。L/Hが0.5より小さいと2次搬送気流102による吐出方向を強制的に曲げる効果が弱く合着を防ぐ効果が小さい。またL/H比が3.0を超えると水平方向に吐出された液滴13の吐出軌跡が2次搬送気流の流れる方向に過剰に曲げられるため、合着の防止効率が低下する。
さらに、2次搬送気流102はトナー組成液1の溶媒蒸気を実質的に含まないものを与えられ、液滴13の粒径も小さいために、噴射された液滴13の乾燥が著しく早く進む。乾燥が進んだ液滴は飛散している状態で粒子が接触したとしても既に表面の固化が進行しているため、合着を抑制できる。このようにして、噴射された液滴13は合着する確立を低く保ったまま、乾燥され乾燥粒子14となる。生成した乾燥粒子14は図示されない捕集機によって捕集され、図示されないトナー貯留部に送られる。
シュラウドカバー21の形状は図1に示されるように液滴吐出手段10のヘッド11付近で開口部を絞ることによって流速を制御しても良いが、絞りを持たせなくても良く、気流の方向が液滴吐出方向と同一となれるのであれば特に制限は無く、適宜選択できる。
1次搬送気流101を構成する気体の種類は特に限定は無く、空気であっても窒素等の不燃性気体を用いても良い。また、液滴吐出手段10に配置された孔12およびその周辺でトナー組成液1が乾くことによって、孔12が閉塞することによる液滴吐出停止を防止するために、トナー組成液1に用いられる溶剤と同じまたは類似物質の蒸気を含ませても良い。また1次搬送気流101の温度は適宜調整可能であり、生産時において変動の無いことが望ましい。1次搬送気流の速度Hは液滴吐出速度と同一か、あるいは速いことが望ましいが、大幅に速い必要は無い。好ましくは液滴吐出速度に対して1.0〜1.5倍の範囲である。
このようにして捕集したトナーの粒径分布は図2のようになる。
図2は、本発明のトナーの製造方法で製造されたトナー粒子の粒径分布を示すグラフである。これは捕集したトナーの一例であるが、ほとんど単一粒径のトナー粒子しか存在しないことがわかる。これは前述のように吐出された液滴13が合着することなく、乾燥して得られた場合に得られる。
図3は、従来のトナーの製造装置であって、搬送気流がない場合の液滴の落下状況を示す図である。図3は1次搬送気流101および2次搬送気流102を用いていないだけで図1と同じ構成である。液滴吐出手段10から吐出した液滴13は空気抵抗を受けて吐出速度が急速に低下し、且つ自然落下を始める。吐出速度が低下すると液滴間距離が短くなり、やがては液滴間の合着を生じるようになる。また、合着した粒子は空気抵抗が増し、乾燥も遅れるために更に別の液滴と合着を引き起こすようになり、数個の液滴が合着する場合もあり、これが乾燥すると合着した後に乾燥した粒子15を生じ、結果として得られるトナーの粒径分布は広くなる。
このようにして捕集したトナーの粒径分布は図4のようになる。
図4は、従来技術のトナーの製造方法で製造されたトナー粒子の粒径分布を示すグラフである。
これは捕集したトナーの一例であるが、図中の基本粒径と示したピークを構成する乾燥粒子は合着しなかった液滴13がそのまま乾燥固化したものである。2倍と記載されたピークを形成する乾燥粒子は液滴13が吐出後に合着した後に乾燥固化してえられたものである。同様に3倍、4倍、それ以上の合着が進行していることが粒径分布測定結果から推測することができる。
ここで粒径分布測定はフロー式粒子像解析装置(シスメックス社 FPIA−2000)を用い解析を行うことができる。粒度分布としては体積平均粒子径(Dv)と個数平均粒子径(Dn)の比で比較することができ、Dv/Dnで示すことができる。Dv/Dn値は最も小さいもので1.0であり、これはすべての粒径が同一であることを示している。Dv/Dnが大きいほど粒径分布が広いことを示す。一般的な粉砕トナーはDv/Dn=1.15〜1.25程度である。また重合トナーはDv/Dn=1.10〜1.15程度である。本発明のトナーはDv/Dn=1.15以下とすることで印刷品質に効果が確認されており、より好ましくはDv/Dn=1.10以下である。
電子写真システムにおいては粒径分布が狭いことが現像工程・転写工程・定着工程に求められるため、このような粒径分布の広がりは望ましくなく、安定的に高精細な画質を得るためにはDv/Dn=1.15以下がのぞましく、より高精細な画像を得るためにはDv/Dn=1.10以下である。
トナー製造装置200は、図1に示した吐出ユニット201を実際にトナーを製造する際に吐出する空間であるチャンバー19の側壁に組み込んだ形態を示している。噴射ユニット201の詳細は図1に示したとおりであるため詳細な図示は割愛しているが、液滴吐出手段と1次搬送気流101を発生させるシュラウドを装備している。
チャンバー19は上方の2次搬送気流導入口22から下方の誘導管23に2次搬送気流102が流れる構成になっている。チャンバー19の側壁には2次搬送気流102に対して1次搬送気流101が垂直に流れるような角度を持って吐出ユニット201が取り付けられている。吐出ユニットの取り付けはチャンバー19内に複数個あっても構わない。図5では吐出ユニットが2つ配置された構成を示している。なお、図5は2次搬送気流が上方から下方に流れる構成で記載されているが、1次搬送気流の方向に対し120℃未満の角度をもっていれは、2次搬送気流の流れ方向に特に制限はなく、適宜設定することができるが、チャンバー内で液滴が乾燥してできた、乾燥粒子がチャンバー壁に付着しにくくなるため、上方から下方に流れることが、望ましい。
図5では吐出ユニット201に供給されたトナー組成液1は循環されて液容器2に戻る構成になっているが、必ずしも循環させる必要は無く、吐出ユニット201が吐出するトナー組成液が供給されるだけの構成であっても良い。トナー組成液1を循環する場合は、配管3の途中に設けたバルブ5によって液量を制御することができる。バルブの種類は特に制限は無く一般的なものを用いることができる。また、図5に記載のチャンバー19の左側に書かれた吐出ユニット201にはトナー組成液1の送液経路が記載されているが、右側に記載の吐出ユニットでは全く同じ送液経路を有しているが記載を省略している。
吐出ユニットへの送液圧力および、チャンバー19内の圧力は圧力計P1、P2によって管理される。このときに、P1>P2の関係であると、トナー組成液1が孔12から染み出す恐れがあり、P1<P2の場合には吐出手段に気体が入り、吐出が停止する恐れがあるため、P1≒P2があることが望ましい。
図6ではチャンバー19に取り付けられた吐出ユニット201の配置を上から見た図で示したものである。ここで吐出ユニットへのトナー組成液供給装置は実際には付帯しているが、説明の簡略化のため図示していない。チャンバー内に配置する吐出ユニットの数は、ここでは4つの例を示しているが特に制限は無く、生産量に合わせて増やすことができる。また縦方向に複数配列しても構わない。チャンバー19(a)では、吐出ユニット201がチャンバー内に4つ配置され、すべてチャンバー中心に向かって吐出し、吐出した液滴の軌跡16がすべてチャンバー19の中心部に向かっていることが示され、中心に向かう間に図示されない2次搬送気流によって、液滴が下方に搬送される。
チャンバー19(b)では吐出ユニット201がチャンバー19内に4つ配置されているが、中心に対して角度を持って配置されている。角度をつけることによって、対抗する吐出ユニットから吐出した液滴との合着を考慮しなくて済み、チャンバーの容積を効率よく用いることができるため、複数の吐出ユニットを配置する場合に好適である。このような吐出ユニット201の中心に対する角度は任意に調整することができる。
必要に応じて、さらに流動床乾燥や真空乾燥といった二次乾燥が行われる。有機溶剤がトナー中に残留すると耐熱保存性や定着性、帯電特性等のトナー特性が経時で変動するだけでなく。加熱による定着時において有機溶剤が揮発するため、使用者および周辺機器へ悪影響を及ぼす可能性が高まるため、充分な乾燥を実施する。
本発明で用いる液滴吐出手段は吐出する液滴の粒径分布が狭ければ、特に制限は無く、公知のものを用いることができ、複数の吐出孔が形成された薄膜を振動させる液滴吐出手段が好ましい。このような膜振動タイプの液滴吐出手段として、以下では、間接振動型吐出手段と直接振動型吐出手段について解説する。
図7は、本発明のトナーの製造方法を実施するための膜振動タイプ(間接振動型)の吐出手段の構造を示す概略図であり、間接振動型吐出手段51の概略断面図である。図8は、本発明のトナーの製造方法を実施するための膜振動タイプ(間接振動型)の吐出手段を下から見た構造を示す概略図であり、間接振動吐出方手段51の底部下面を示す図である。この間接振動型吐出手段51は、複数の孔12が形成された薄膜41と、この薄膜41を振動させる機械的振動手段(以下「振動手段という)33と、薄膜41と振動手段33との間にトナー組成液1を供給する液流路7を形成するフレーム40とを備えている。トナー組成液1はトナー組成液供給口6から供給され、流路7を通り、トナー組成液排出口8から排出される。
前記複数の孔12を有する薄膜41は、前記振動手段33の振動面43に対して平行に設置されており、薄膜41の一部がフレーム40に接合固定されており、振動手段33の振動方向とは実質的に垂直な位置関係となる。前記振動手段33の振動発生手段32の上下面に電圧信号が付与されるように、回路35が設けられており、駆動信号発生源34からの信号を機械的振動に変換することができる。電気信号を与える回路としては、表面を絶縁被覆されたリード線が適している。また、振動手段33は後述する各種ホーン型振動子、ボルト締めランジュバン型振動子など、振動振幅の大きな素子を用いることが、効率的かつ安定なトナー生産には好適である。
この振動手段33としては、薄膜41に対して確実な縦振動を一定の周波数で与えることができるものであれば特に制限はなく、適宜選択して使用することができるが、薄膜41を振動させることから、振動発生手段32にはバイモルフ型のたわみ振動の励起される圧電体30が好ましい。圧電体30は、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する機能を有する。具体的には、電圧を印加することにより、たわみ振動が励起され、薄膜41を振動させることが可能となる。
図9は、本発明のトナーの製造方法を実施するための膜振動タイプ(直接振動型)の吐出手段の液滴吐出原理を示すグラフである。
撓み振動は、図9のように、薄膜の中心で変位ΔLが最大(ΔLmax)となる断面形状となり、振動方向に周期的に上下振動する。膜が周期的に上下振動することで孔12から液滴13が周期的に吐出することとなる。液滴13が吐出できる薄膜41の速度範囲は図9のような関係があり、吐出可能な面積範囲は限られるため、この面積範囲に孔12を形成することが望ましい。孔12は図8に示されるように薄膜41の中心部に配置されている。
振動手段33は、孔12を有する薄膜41に対して垂直方向の振動を与えるものであれば、どのような配置でもよいが、振動面43と薄膜41とは平行に配置される。
図示した例では振動発生手段32と振動増幅手段42で構成される振動手段33としてホーン型振動子を用いており、このホーン型振動子は、圧電素子などの振動発生手段32の振幅を振動増幅手段42で増幅することができるため、機械的振動を発生する振動発生手段32自体は小さな振動でよく、機械的負荷が軽減するために生産装置としての長寿命化につながる。ホーン型振動子としては、公知の代表的なホーン形状でよく。目的に合わせて適宜形状を選択することができる。また、振動発生手段32としては、特に高強度なボルト締めランジュバン型振動子を用いることもできる。このボルト締めランジュバン型振動子は圧電セラミックスが機械的に結合されており、高振幅励振時に破損することがない。
機械的振動を発生する振動手段33の大きさは、発振振動数の減少に伴い大きくなることが一般的であり、必要な周波数に応じて、適宜振動手段に直接穴あけ加工を施し貯留部を設けることができる。また、貯留部全体を効率的に振動させることも可能である。
図10は、本発明のトナーの製造方法を実施するための膜振動タイプ(直接振動型)の吐出手段の構造を示す概略図であり、直接振動型吐出手段53の概略断面図である。図11は、本発明のトナーの製造方法を実施するための膜振動タイプ(直接振動型)の吐出手段を下から見た構造を示す概略図であり、直接振動型吐出手段53の底部下面を示す図である。
直接振動型吐出手段53は、少なくとも液滴13を吐出させる孔12を備えた薄膜41と、薄膜41を振動させるための円環状振動発生手段37と、トナー組成液1を供給する流路7を設けたフレーム40を備えている。トナー組成液1はトナー組成液供給口6から供給され、流路7を通り、トナー組成液排出口8から排出される。
薄膜41は、外周部をフレーム40に接合固定している。円環状振動発生手段37は、この薄膜41の孔12を設けた領域の周囲に配されている。この円環状振動発生手段37は、円環状圧電体36と電極31によって構成され、電極31に回路35を通じて駆動信号発生源34から所要周波数の駆動電圧(駆動信号)が印加されることで、例えば撓み振動を発生する。円環状圧電体37の種類や電極31は間接振動型吐出手段51で用いるものと同じものを用いることができる。
撓み振動は間接振動型吐出手段51と同様に図9のように薄膜の中心で変位ΔLが最大(ΔLmax)となる断面形状となり、振動方向に周期的に上下振動する。膜が周期的に上下振動することで孔12から液滴13が周期的に吐出することとなる。液滴13が吐出できる薄膜41の速度範囲は図9のような関係があり、吐出可能な面積範囲は限られるため、この面積範囲に孔12を形成することが望ましい。孔12は図11に示されるように薄膜41および円環状振動手段37の中心部に配置されている。
次に、間接振動型液滴吐出手段51および直接振動型液滴吐出手段53による液滴形成のメカニズムについて説明する。
上述したように、これらの液滴吐出手段は流路7に臨む複数の孔12を有する薄膜41に、振動発生手段によって発生した振動を伝播させて、薄膜41を周期的に振動させ、比較的大面積の領域に複数の孔12を配置し、それら複数の孔12より液滴を周期的に、安定に形成して放出することができるようになる。
円形薄膜の振動により、円形膜各所に設けられたノズル近傍の液体には、膜の振動速度Vmに比例した音圧Pacが発生する。音圧は、媒質(トナー組成液)の放射インピーダンスZrの反作用として生じることが知られており、音圧は、放射インピーダンスと膜振動速度Vmの積で下記式(1)の方程式を用いて表される。
Pac(r,t)=Zr・Vm(r,t)……式(1)
膜の振動速度Vmは時間とともに周期的に変動しているため時間(t)の関数であり、例えばサイン波形、矩形波形など、様々な周期変動を形成することが可能である。また、前述のとおり、膜の各所で振動方向の振動変位は異なっており、Vmは、膜上の位置座標の関数でもある。本発明で用いられる膜の振動形態は、上述のとおり軸対象である。したがって、実質的には半径(r)座標の関数となる。
気相へ周期的に排出されたトナー組成液は、液相と気相との表面張力差によって球体を形成するため、液滴化が周期的に発生する。
液滴化を可能とする膜の振動周波数としては20kHz〜2.0MHzの領域が用いられ、50kHz〜500kHzの範囲がより好適に用いられる。20kHz以上の振動周期であれば、液体の励振によって、トナー組成液中の顔料やワックスなどの微粒子の分散が促進される。
更には、前記音圧の変位量が、10kPa以上となることによって、上述の微粒子分散促進作用がより好適に発生する。
孔12を有する薄膜41は、先にも述べたように、トナー組成物の溶解乃至分散液を、吐出させて液滴とする部材である。
この薄膜41の材質、孔12の形状としては、特に制限はなく、適宜選択した形状とすることができるが、例えば、薄膜41は厚み5〜500μmの金属板で形成され、かつ、孔12の開口径が3〜30μmであることが、孔12からトナー組成液1の液滴を噴射させるときに、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させる観点から好ましい。なお、前記孔12の開口径は、真円であれば直径を意味し、楕円であれば短径を意味する。また、複数の孔12の個数は、2ないし3000個が好ましい。
本発明に係るトナーは上述した本実施の形態に係るトナー製造装置のように、本発明を適用したトナーの製造方法により製造されたトナーであり、これによ、粒度分布が単分散なものが得られる。
具体的には、前記トナーの粒度分布(重量平均粒径/数平均粒径)としては、1.00〜1.15の範囲内にあるのが好ましい。より好ましくは1.00〜1.05である。また、重量平均粒径としては、1〜20[μm]の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは3〜10[μm]である。
先ず、前述したようにトナー組成物を溶媒に分散、溶解させたトナー組成液について説明する。
トナー材料としては、従来の電子写真用トナーと全く同じ物が使用できる。すなわち、スチレンアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂、エポキシ系樹脂、等のトナーバインダーを各種有機溶媒に溶解し、着色剤を分散、かつ、離型剤を分散又は溶解し、これを前記トナー製造方法により微小液滴とし乾燥固化させることで、目的とするトナー粒子を作製することが可能である。
前記トナー用材料としては、少なくとも樹脂、着色剤およびワックスを含有し、必要に応じて、帯電調整剤、添加剤およびその他の成分を含有する。
前記樹脂としては、少なくとも結着樹脂が挙げられる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等のビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂、などが挙げられる。
メタクリル系単量体としては、例えば、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸又はそのエステル類、などが挙げられる。
ン類;(7)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;(8)、ビニルナフタリン類;(9)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等;(10)マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;(11)マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;(12)マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチ
ルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステルの如き不飽和二塩基酸のモノエステル;(13)ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;(14)クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;(15)クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物;(16)該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アル
ケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマー;(17)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;(18)4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマー。
らの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの、などが挙げられる。エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの、などが挙げられる。
その他、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物、ジメタクリレート化合物も挙げられる。ポリエステル型ジアクリレート類として、例えば、商品名MANDA(日本化薬社製)が挙げられる。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、0.01〜10質量部用いることが好ましく、0.03〜5質量部用いることがより好ましい。これらの架橋性モノマーのうち、トナー用樹脂に定着性、耐オフセット性の点から、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1つ含む結合鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が好適に挙げられる。これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
結着樹脂がスチレン−アクリル系樹脂等のビニル重合体のときの酸価としては、0.1[mgKOH/g]〜100[mgKOH/g]であることが好ましく、0.1[mgKOH/g]〜70[mgKOH/g]であることがより好ましく、0.1[mgKOH/g]〜50[mgKOH/g]であることが最も好ましい。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオールなどが挙げられる。
前記3価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、例えば、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、などが挙げられる。
結着樹脂がポリエステル樹脂の場合、その酸価としては、0.1[mgKOH/g]〜100[mgKOH/g]であることが好ましく、0.1[mgKOH/g]〜70[mgKOH/g]であることがより好ましく、0.1[mgKOH/g]〜50[mgKOH/g]であることが最も好ましい。
また、ポリエステル系重合体、ビニル重合体とその他の結着樹脂を併用する場合、全体の結着樹脂の酸価が0.1〜50[mgKOH/g]を有する樹脂を60[質量%]以上有するものが好ましい。
(1)試料は予め結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、結着樹脂及び架橋された結着樹脂以外の成分の酸価及び含有量を予め求めておく。試料の粉砕品0.5〜2.0[g]を精秤し、重合体成分の重さをW[g]とする。例えば、トナーから結着樹脂の酸価を測定する場合は、着色剤又は磁性体等の酸価及び含有量を別途測定しておき、計算により結着樹脂の酸価を求める。
(2)300[ml]のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(体積比4/1)の混合液150[ml]を加え溶解する。
(3)0.1[mol/l]のKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。
(4)この時のKOH溶液の使用量をS[ml]とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB[ml]とし、以下の式で算出する。ただしfはKOHのファクターである。
酸価[mgKOH/g]=[(S−B)×f×5.61]/W
磁性体として具体的に例示すると、Fe3O4、γ−Fe2O3、ZnFe2O4、Y3Fe5O12、CdFe2O4、Gd3Fe5O12、CuFe2O4、PbFe12O、NiFe2O4、NdFe2O、BaFe12O19、MgFe2O4、MnFe2O4、LaFeO3、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも特に、四三酸化鉄、γ−三二酸化鉄の微粉末が好適に挙げられる。
れていてもよいし、又は表面に酸化物あるいは水酸化物として存在していてもよいが、酸化物として含有されているのが好ましい。
前記異種元素は、磁性体生成時にそれぞれの異種元素の塩を混在させ、pH調整により、粒子中に取り込むことができる。また、磁性体粒子生成後にpH調整、あるいは各々の元素の塩を添加しpH調整することにより、粒子表面に析出することができる。
また、磁性体の磁気特性としては、10Kエルステッド印加での磁気特性がそれぞれ、抗磁力20〜150エルステッド、飽和磁化50〜200[emu/g]、残留磁化2〜20[emu/g]のものが好ましい。
前記磁性体は、着色剤としても使用することができる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物、などが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、トナーに対して1〜15[質量%]が好ましく、3〜10[質量%]がより好ましい。
ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
前記マスターバッチの使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。
法により測定することができる。
また、分散剤は、顔料分散性の点で、結着樹脂との相溶性が高いことが好ましく、具体的な市販品としては、「アジスパーPB821」、「アジスパーPB822」(味の素ファインテクノ社製)、「Disperbyk−2001」(ビックケミー社製)、「EFKA−4010」(EFKA社製)、などが挙げられる。
前記分散剤は、トナー中に、着色剤に対して0.1〜10[質量%]の割合で配合することが好ましい。配合割合が0.1[質量%]未満であると、顔料分散性が不十分となることがあり、10[質量%]より多いと、高湿下での帯電性が低下することがある。
前記分散剤の添加量は、着色剤100質量部に対して1〜200質量部であることが好ましく、5〜80質量部であることがより好ましい。1質量部未満であると分散能が低くなることがあり、200質量部を超えると帯電性が低下することがある。
本発明で用いるトナー組成液は、結着樹脂、着色剤とともにワックスを含有する。
ワックスとしては、特に制限はなく、通常使用されるものを適宜選択して使用することができるが、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう等の植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類。脱酸カルナバワックスの等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、などが挙げられる。
キサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N'−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N'−ジオレイルセパシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類、m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス、ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化合物、植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
ス、水酸基又はカルボキシル基の如き官能基を有する炭化水素系ワックス、炭化水素系ワックスと官能基を有する炭化水素系ワックスとの混合物、これらのワックスを母体としてスチレン、マレイン酸エステル、アクリレート、メタクリレート、無水マレイン酸の如きビニルモノマーでグラフト変性したワックスが挙げられる。
前記ワックスの融点としては、定着性と耐オフセット性のバランスを取るために、70〜140[℃]であることが好ましく、70〜120[℃]であることがより好ましい。70[℃]未満では耐ブロッキング性が低下することがあり、140[℃]を超えると耐オフセット効果が発現しにくくなることがある。
2種のワックスを選択する際には、同様構造のワックスの場合は、相対的に、融点の低いワックスが可塑化作用を発揮し、融点の高いワックスが離型作用を発揮する。この時、融点の差が10〜100[℃]の場合に、機能分離が効果的に発現する。10[℃]未満では機能分離効果が表れにくいことがあり、100[℃]を超える場合には相互作用による機能の強調が行われにくいことがある。このとき、機能分離効果を発揮しやすくなる傾向があることから、少なくとも一方のワックスの融点が70〜120[℃]であることが好ましく、70〜100[℃]であることがより好ましい。
イシャートロプシュワックス又はポリオレフィンワックスとパラフィンワックス又はマイクロクリスタルワックスの組み合わせ、フィッシャトロプシュワックスとポルリオレフィンワックスの組み合わせ、パラフィンワックスとマイクロクリスタルワックスの組み合わせ、カルナバワックズ、キャンデリラワックス、ライスワックス又はモンタンワックスと炭化水素系ワックスの組み合わせが挙げられる。
前記ワックスの総含有量としては、結着樹脂100質量部に対し、0.2〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
本発明では、DSCにおいて測定されるワックスの吸熱ピークの最大ピークのピークトップの温度をもってワックスの融点とする。
前記ワックス又はトナーのDSC測定機器としては、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10[℃/min]で、昇温させた時に測定されるものを用いる。
本発明に係るトナーには、流動性向上剤を添加してもよい。該流動性向上剤は、トナー表面に添加することにより、トナーの流動性を改善(流動しやすくなる)するものである。
前記流動性向上剤としては、例えば、カーボンブラック、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤若しくはシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ,処理酸化チタン,処理アルミナ、などが挙げられる。これらの中でも、微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナが好ましく、また、これらをシランカップリング剤やシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカが更に好ましい。
前記流動性向上剤の粒径としては、平均一次粒径として、0.001〜2[μm]であることが好ましく、0.002〜0.2[μm]であることがより好ましい。
ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば、AEROSIL(日本アエロジル社商品名、以下同じ)−130、−300、−380、−TT600、−MOX170、−MOX80、−COK84:Ca−O−SiL(CABOT社商品名)−M−5、−MS−7、−MS−75、−HS−5、−EH−5、Wacker HDK(WACKER−CHEMIE社商品名)−N20 V15、−N20E、−T30、−T40:D−CFineSi1ica(ダウコーニング社商品名):Franso1(Fransi1社商品名)、などが挙げられる。
有機ケイ素化合物としては、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルビニルクロロシラン、ジビニルクロロシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、へキサメチルジシラン、トリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルフェニルジクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ブロモメチルジメチルクロロシラン、α−クロルエチルトリクロロシラン、β−クロロエチルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフエニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し、未端に位置する単位にそれぞれSiに結合した水酸基を0〜1個含有するジメチルポリシロキサン等がある。更に、ジメチルシリコーンオイルの如きシリコーンオイルが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
BET法で測定した窒素吸着による比表面積としては、30[m2/g]以上が好ましく、60〜400[m2/g]がより好ましい。表面処理された微粉体としては、20[m2/g]以上が好ましく、40〜300[m2/g]がより好ましい。
これらの微粉体の適用量としては、トナー粒子100質量部に対して0.03〜8質量部が好ましい。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、などを挙げることができる。前記無機微粒子の一次粒子径は、0.5[μm]〜2[μm]であることが好ましく、5[μm]〜500[μm]であることがより好ましい。前記無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5[質量%]であることが好ましく、0.01〜2.0[質量%]であることがより好ましい。
この他、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような外添剤は、表面処理剤により、疎水性を上げ、高湿度下においても外添剤自身の劣化を防止することができる。前記表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが好適に挙げられる。
その他に、酸化セシウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、ケーキング防止剤、更に、トナー粒子と逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子とを、現像性向上剤として少量用いることもできる。
これらの添加剤は、帯電量コントロール等の目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤、又は種々の処理剤で処理することも好ましい。
なお、噴射条件は前述の通りである。
(着色剤分散液の調製)
先ず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。
カーボンブラック(RegaL400;Cabot社製)17質量部、顔料分散剤3質量部を、酢酸エチル80質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。該顔料分散剤としては、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製)を使用した。得られた一次分散液を、ダイノーミルを用いて強力なせん断力により細かく分散し、5μm以上の凝集体を完全に除去した二次分散液を調製した。
次にワックス分散液を調整した。
カルナバワックス18質量部、ワックス分散剤2質量部を、酢酸エチル80質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。この一次分散液を攪拌しながら80℃まで昇温しカルナバワックスを溶解した後、室温まで液温を下げ最大径が3μm以下となるようワックス粒子を析出させた。ワックス分散剤としては、ポリエチレンワックスにスチレン−アクリル酸ブチル共重合体をグラフト化したものを使用した。得られた分散液を、更にダイノーミルを用いて強力なせん断力により細かく分散し、最大径が1μm以下なるよう調整した。
次に、結着樹脂としての樹脂、上記着色剤分散液及び上記ワックス分散液を添加した下記組成からなるトナー組成液を調製した。
結着樹脂としてのポリエステル樹脂100質量部、前記着色剤分散液30質量部、ワックス分散液30質量部を、酢酸エチル840質量部を、攪拌羽を有するミキサーを使用して10分間攪拌を行い、均一に分散させた。溶媒希釈によるショックで顔料やワックス粒子が凝集することはなかった。
図5に示される構成のトナー製造装置200を用い、吐出手段としては図10の構成の膜振動吐出手段でトナーの製造を行った。
各構成物のサイズを記載する。液滴吐出手段53を備えた液滴吐出ユニット201のフレーム外径は26mm、薄膜41はφ20mm、厚40μmのニッケル板である。複数の孔12の出口径は10μmで、薄膜41の中心部φ1mmのエリアに100個空けられている。圧電体30の外径はφ15.0mm、内径はφ4.0mmで厚は0.5mmであり、電極31は銀ペーストで作成されている。駆動信号発生源34はNF社ファンクションジェネレーターWF1973を用い、回路35はポリエチレン被覆のリード線で振動発生手段に接続されている。
シュラウドカバー21の径は50mm、開口部の径はφ10mmである。チャンバー19の内径はφ300mm、高さは2000mmの円筒形で垂直に固定されており、上端部と下端部が絞られており、2次搬送気流導入口の径はφ50mm、誘導管の径はφ50mmである。吐出ユニット201はチャンバー19内上端より300mmの高さの側壁に、2次搬送気流201に対して90°の角度で、チャンバー中心部に向け液滴が吐出するように、それぞれのユニットが対向し、等間隔で8個固定されている。
前述のトナー製造装置を用いて、作成したトナー組成液を吐出させた。このときの液滴吐出条件としては、入力信号はSin波で52kHz、18.6Vp−pとした。このときの吐出直後の液滴速度はレーザーシャドウクラフィを用いて測定され、平均速度は6.7m/sであった。1次搬送気流は7.0m/s、2次搬送気流は10.0m/sとし、チャンバー内で乾燥固化したトナー粒子を捕集した。トナー貯蔵容器よりトナーを取り出し、実施例1のトナーを得た。このトナーの粒径分布をフロー式粒子像解析装置(シスメックス社 FPIA−2000)で下記に示す測定条件にて測定した。これを3回繰り返したところ、体積平均粒径(Dv)の平均は5.5μm、個数平均粒径(Dn)の平均は5.2μmであり、Dv/Dnの平均は1.05であった。
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10−3cm3の水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10ml中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器STM社製UH−50で20kHz,50W/10cm3の条件で1分間分散処理を行い、さらに、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/−3cm3(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。
約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、表1に示す通り、0.06−400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
2次搬送気流の流速が3.5m/sであること以外は実施例1と同様の操作でトナーを製造した。得られたトナーを実施例1と同様の操作で粒径分布を測定したところ、体積平均粒径(Dv)の平均は6.0μm、個数平均粒径(Dn)の平均は5.3μmであり、Dv/Dnの平均は1.13であった。
2次搬送気流の流速が20.5m/sであること以外は実施例1と同様の操作でトナーを製造した。得られたトナーを実施例1と同様の操作で粒径分布を測定したところ、体積平均粒径(Dv)の平均は6.1μm、個数平均粒径(Dn)の平均は5.3μmであり、Dv/Dnの平均は1.15であった。
トナー製造装置において、垂直に上方から下方に流れる2次搬送気流の方向は固定したまま、1次搬送気流の方向が2次搬送気流に対して60°となるように液滴吐出ユニットの取り付け角度を変更したこと以外は実施例1と同様の操作でトナーを製造した。得られたトナーを実施例1と同様の操作で粒径分布を測定したところ、体積平均粒径(Dv)の平均は5.8μm、個数平均粒径(Dn)の平均は5.2μmであり、Dv/Dnの平均は1.11であった。
トナー製造装置において、垂直に上方から下方に流れる2次搬送気流の方向は固定したまま、1次搬送気流の方向が2次搬送気流に対して45°となるように液滴吐出ユニットの取り付け角度を変更したこと以外は実施例1と同様の操作でトナーを製造した。得られたトナーを実施例1と同様の操作で粒径分布を測定したところ、体積平均粒径(Dv)の平均は6.2μm、個数平均粒径(Dn)の平均は5.4μmであり、Dv/Dnの平均は1.15であった。
トナー製造装置において、垂直に上方から下方に流れる2次搬送気流の方向は固定したまま、1次搬送気流の方向が2次搬送気流に対して40°となるように液滴吐出ユニットの取り付け角度を変更したこと以外は実施例1と同様の操作でトナーを製造した。得られたトナーを実施例1と同様の操作で粒径分布を測定したところ、体積平均粒径(Dv)の平均は6.4μm、個数平均粒径(Dn)の平均は5.4μmであり、Dv/Dnの平均は1.19であった。
比較例として、状来技術として、前術のトナー製造装置で、1次搬送気流および2次搬送気流を使用しないこと以外は全く同じ条件で比較トナーを製造した。得られたトナーを実施例1と同様の操作で粒径分布を測定したところ、体積平均粒径(Dv)の平均は7.2μm、個数平均粒径(Dn)の平均は5.7μmであり、Dv/Dnの平均は1.25であった。
比較例として2次搬送気流の流速が0m/s、すなわち2次搬送気流を用いずに1次搬送気流のみとしたこと以外は実施例1と同様の操作でトナーを製造した。得られたトナーを実施例1と同様の操作で粒径分布を測定したところ、体積平均粒径(Dv)の平均は6.5μm、個数平均粒径(Dn)の平均は5.4μmであり、Dv/Dnの平均は1.20であった。
(比較例3)
2 液容器
3 配管
4 送液手段
5 バルブ
6 トナー組成液供給口
7 トナー組成液流路
8 トナー組成液排出口
10 液滴吐出手段
11 ヘッド
12 孔
13 液滴
14 合着せずに乾燥した粒子
15 合着した後に乾燥した粒子
16 液滴の移動する軌跡
17 トナー捕集手段
18 トナー貯蔵容器
19 チャンバー
19(a) チャンバー上図吐出ユニット中心向き
19(b) チャンバー上図吐出ユニット角度付き
20 シュラウド気流出口
21 シュラウドカバー
22 2次搬送気流導入口
23 誘導管
30 圧電体
31 電極
32 振動発生手段
33 機械的振動手段
34 駆動信号発生源
35 回路
36 円環状圧電体
37 円環状振動発生手段
38 円環状機械的振動手段
40 フレーム
41 薄膜
42 振動増幅手段
43 振動面
51 間接振動型吐出手段
53 直接振動型吐出手段
100 液滴吐出方向
101 1次搬送気流
102 2次搬送気流
103 シュラウド気流
104 トナー組成液流れ
200 トナー製造装置
201 吐出ユニット
P1 液圧力計
P2 チャンバー内圧力計
Claims (8)
- 溶媒に、少なくとも結着樹脂、顔料からなるトナー材料を溶解又は分散させた溶解乃至分散液を、該溶解乃至分散液を供給する流路の一部に設けた複数の孔を有する液滴吐出手段から液滴を吐出し、該液滴と同方向に流れる1次搬送気流により搬送しつつ、該液滴を乾燥固化させてトナーを製造する静電荷像現像用トナーの製造方法において、
該液滴の自由落下速度より早く、かつ、該1次搬送気流に対して120°未満の角度を持ち、上方から下方に流れている2次搬送気流によりさらに搬送する
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法において、
前記吐出された液滴と同方向に流れる1次搬送気流に対して、2次搬送気流が45〜100°の角度を持つ
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法において、
前記吐出された液滴と同方向に流れる1次搬送気流に対して、2次搬送気流が60〜90°の角度を持つ
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 請求項1〜3に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法において、
前記1次搬送気流速度のHと、前記2次搬送気流の速度Vとの比V/Hが0.5〜3.0の範囲である
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 少なくとも樹脂を含む樹脂含有液を吐出して液滴化するための吐出液滴化手段と、
前記吐出液滴化手段により吐出された液滴を吐出方向と同方向に搬送する1次搬送気流を発生させるための第1の気流発生手段と、
前記1次搬送気流と異なる方向へ前記液滴を搬送する2次搬送気流を発生させるための第2の気流発生手段と、を有し、
前記第1の気流発生手段および前記第2の気流発生手段は、前記1次搬送気流と前記2次搬送気流の気流方向のなす角が120°未満となり、
前記第2の気流発生手段は、前記液滴の自由落下速度より早く、かつ、上方から下方に流れている2次搬送気流となるように配置されている
ことを特徴とする樹脂粒子の製造装置。 - 請求項5に記載の樹脂粒子の製造装置において、
前記吐出液滴化手段は、水平方向に液滴を吐出するように配置されている
ことを特徴とする樹脂粒子の製造装置。 - 請求項5又は6に記載の樹脂粒子の製造装置において、
前記吐出液滴化手段及び前記第1の気流発生手段が複数配置されている
ことを特徴とする樹脂粒子の製造装置。 - 請求項7に記載の樹脂粒子の製造装置において、
前記第2の気流発生手段は、前記2次搬送気流が上から下に流れるように、前記吐出液滴化手段よりも上方に配置されている
ことを特徴とする樹脂粒子の製造装置。
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