JP4270562B2 - トナー用結着樹脂 - Google Patents

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本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナー用結着樹脂及び該結着樹脂を含有した電子写真用トナーに関する。
低温定着性を改良するために、軟化点の異なるハイブリッド樹脂をブレンドするという技術がすでに報告されている(特許文献1、2参照)。
特開2004-85605号公報(請求項1) 特開平8-44108号公報(請求項1)
しかし、低温定着性を改良するために低軟化点樹脂をブレンドすると、低軟化点樹脂の粘度が低いためにトナー混練時に十分なシェアがかかりにくくなり、トナー中への離型剤の分散が困難となる問題が生じる。離型剤の分散が不十分であると、トナーの現像ローラーへのフィルミングが発生し、結果的に長期的に耐刷した場合、画像濃度の低下を引き起こす。この現象はさらに高温高湿環境等のトナーによりストレスのかかる使用環境下で顕著である。
本発明の目的は、低温定着性及び耐オフセット性のいずれにも優れ、耐刷時にも高い画像濃度を維持することができるトナーの結着樹脂として有用なトナー用結着樹脂及び該結着樹脂を含有した電子写真用トナーを提供することにある。
本発明は、
〔1〕 軟化点の異なる樹脂(A)及び樹脂(B)を含有してなるトナー用結着樹脂であって、前記樹脂(A)と樹脂(B)のいずれもが、縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、及び縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る両反応性化合物を混合し、離型剤の存在下で、縮重合反応と付加重合反応とを並行して行うことにより得られるハイブリッド樹脂である、トナー用結着樹脂、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の結着樹脂及び着色剤を含有してなる電子写真用トナー
に関する。
本発明の結着樹脂を含有したトナーは、低温定着性及び耐オフセット性のいずれにも優れ、耐刷時にも高い画像濃度を維持することができるという優れた効果を奏するものである。
そこで、本発明者らが検討した結果、離型剤が内添された高軟化点ハイブリッド樹脂と低軟化点ハイブリッド樹脂、即ち離型剤の存在下で製造された高軟化点ハイブリッド樹脂と低軟化点ハイブリッド樹脂を含有した結着樹脂を用いることにより、離型剤が良好に分散し、低温定着性と耐オフセット性が優れるのみならず、高温高湿環境のようなトナーによりストレスがかかる条件下でも長期的に安定した画像濃度が得られるトナー用結着樹脂が得られることを見出した。
本発明のトナー用結着樹脂は、軟化点の異なる樹脂(A)及び樹脂(B)を含有したものであり、樹脂(A)と樹脂(B)はいずれも、縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、及び縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る両反応性化合物を混合し、離型剤の存在下で、縮重合反応と付加重合反応とを並行して行うことにより得られるハイブリッド樹脂である。
縮重合系樹脂の代表例としては、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、ポリアミド等が挙げられ、これらの中ではポリエステルが好ましい。
ポリエステルの原料モノマーとしては、2価以上の多価アルコールと2価以上の多価カルボン酸化合物が挙げられる。
2価の多価アルコールとしては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、ソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
本発明において、これらの2価以上の多価アルコールは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
また、2価のカルボン酸化合物としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸等のジカルボン酸、n-ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、並びにこれらの酸の無水物及び低級アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。好ましくは、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸が用いられる。
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、例えば、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、並びにこれらの酸無水物及び低級アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。これらのうち、トリメリット酸及びその酸無水物が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。
本発明において、これらの2価以上の多価カルボン酸化合物は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
ポリエステルを形成する際には、酸化ジブチル錫、オクタン酸錫等の錫化合物やチタン化合物等のエステル化触媒を適宜使用することができる。
また、ポリエステル・ポリアミド又はポリアミド中のアミド成分を形成するために用いる原料モノマーとしては、公知の各種ポリアミン、アミノカルボン酸類、アミノアルコール等が挙げられ、好ましくはヘキサメチレンジアミン及びε−カプロラクタムである。
なお、以上の原料モノマーには、通常開環重合モノマーに分類されるものも含まれているが、これらは、他のモノマーの縮合反応で生成する水等の存在により加水分解して縮合に供されるため、広義には縮重合系樹脂の原料モノマーに含まれると考えられる。
付加重合系樹脂の代表例としては、ラジカル重合反応により得られるビニル系樹脂等が挙げられる。
ビニル系樹脂の原料モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン化合物;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等が挙げられ、スチレン及び/又は(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが、50重量%以上、好ましくは80〜100重量%含有されていることが望ましい。
なお、ビニル系樹脂の原料モノマーを重合させる際には、重合開始剤、架橋剤等を必要に応じて使用してもよい。
本発明においては、縮重合系樹脂の付加重合系樹脂に対する重量比、即ち縮重合系樹脂の原料モノマーの付加重合系樹脂の原料モノマーに対する重量比は、連続相が縮重合系樹脂であることが好ましいことから、50/50〜95/5が好ましく、60/40〜95/5がより好ましい。
縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る両反応性化合物としては、分子内に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、第1級アミノ基および第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基と、エチレン性不飽和結合とを有する化合物が好ましく、このような両反応性化合物を用いることにより、分散相となる樹脂の分散性をより一層向上させることができる。両反応性化合物の具体例としては、例えば、アクリル酸、フマル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられ、これらのなかではアクリル酸、メタクリル酸及びフマル酸が好ましい。
両反応性化合物の使用量は、樹脂(A)と樹脂(B)の相溶性と反応制御の観点から、縮重合系樹脂の原料モノマー100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、付加重合系樹脂の原料モノマー100重量部に対して0.3〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。なお、両反応性化合物は、単独の反応系ではそれ自体縮重合系樹脂又は付加重合系樹脂のいずれかの原料モノマーとして用いることができるものの、両反応性化合物は、本発明ではその性能の特異性から、縮重合系樹脂モノマー、付加重合系樹脂モノマーとは別のモノマーとして扱う。従って、縮重合系原料モノマーと付加重合系原料モノマーの重量比においても、両反応性化合物はいずれのモノマーにも含まれない。
樹脂(A)及び樹脂(B)に含有される離型剤としては、カルナウバワックス、ライスワックス等の天然エステル系ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、アルコール系ワックス等が挙げられ、これらの中では、ポリエチレンワックス及びフィッシャートロプシュワックスが好ましい。
離型剤の融点は、低温定着性向上と非オフセット域、特に高温側の拡大及び耐刷時の画像濃度向上の観点から、70〜120℃が好ましく、85〜115℃がより好ましく、90〜110℃がさらに好ましい。本発明では、融点の低い離型剤をハイブリッド樹脂と組み合わせることにより、樹脂に対する離型剤の相溶性が向上する。さらに、ハイブリッド樹脂の製造時に離型剤を原料モノマーとともに反応容器に添加し、原料モノマーを重合させているため、一般に困難と考えられている低融点ワックスの高分散も可能となる。さらに高軟化点樹脂(樹脂(A))と低軟化点樹脂(樹脂(B))の双方が離型剤の存在下で、縮重合反応と付加重合反応とを並行して行うことにより得られるハイブリッド樹脂であることにより、非オフセット域を広げることができ、かつ、低温定着性及び耐久性にも優れる。
ポリエチレンワックスとしては、酸価が3mgKOH/g以下のものが好ましい。
フィッシャートロプシュワックスは、石炭より合成石油を炭化水素合成法により製造する際の副生成物としてや、天然ガスを出発原料として得られる。かかるワックスは、低分子量成分の含有量が少なく、耐熱性に優れている。また、フィッシャートロプシュワックスの酸価は、3mgKOH/g以下が好ましい。市販品としては、サゾール社製のサゾールワックス等が挙げられる。
樹脂(A)及び樹脂(B)に含有される離型剤の含有量は、低温定着性向上と非オフセット域、特に高温側の拡大及び耐刷時の画像濃度向上の観点から、縮重合系樹脂の原料モノマー及び付加重合系樹脂の原料モノマーの総量100重量部に対して、1〜15重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましく、3〜9重量部がさらに好ましい。
本発明において、縮重合反応と付加重合反応の進行及び完結が時間的に同時である必要はなく、それぞれの反応機構に応じて反応温度及び時間を適当に選択し、反応を進行、完結させればよい。
例えば、本発明におけるハイブリッド樹脂の製造方法では、縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、両反応性化合物、離型剤等を混合し、まず、主として50〜180℃でラジカル重合反応により縮重合反応が可能な官能基を有する付加重合系樹脂成分を得、次いで反応温度を190〜270℃に上昇させた後、主として縮重合反応により縮重合系樹脂成分を形成させることが好ましい。
樹脂(A)の軟化点は、主に耐高温オフセット性向上の観点から、115〜145℃が好ましく、120〜145℃がより好ましく、125〜140℃がさらに好ましい。一方、樹脂(B)の軟化点は、主に低温定着性向上の観点から、85〜110℃が好ましく、85〜105℃がより好ましく、90〜100℃がさらに好ましい。
樹脂(A)と樹脂(B)の軟化点の差は、2種の樹脂の併用による効果を高める観点から、10℃以上が好ましく、15℃以上がより好ましく、30〜45℃がさらに好ましい。
樹脂(A)と樹脂(B)のガラス転移点は、保存安定性と低温定着性の両立の観点から、30〜70℃が好ましく、35〜65℃がより好ましく、45〜60℃がさらに好ましい。
樹脂(A)と樹脂(B)の重量比〔樹脂(A)/樹脂(B)〕は、低温定着性と耐高温オフセット性の両立の観点から、95/5〜20/80が好ましく、90/10〜40/60がより好ましく、80/20〜60/40がさらに好ましい。
本発明の電子写真用トナーは、樹脂(A)と樹脂(B)を含有した本発明の結着樹脂と着色剤を含有するものである。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、プリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
本発明のトナーには、さらに、樹脂(A)と樹脂(B)に内添されている離型剤とは別の離型剤が結着樹脂とともに含有されていてもよく、荷電制御剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
本発明のトナーは、混練粉砕法、乳化転送法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や着色剤の分散性の観点から、混練粉砕法による粉砕トナーが好ましい。混練粉砕法による粉砕トナーの場合、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することが出来る。トナーの体積中位粒径(D50)は、3〜15μmが好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明のトナーは、磁性体微粉末を含有するものであるときには、単独で現像剤として用いられ、また磁性体微粉末を含有しないものであるときは、非磁性一成分系現像用トナーとして、またはキャリアと混合して二成分系の現像剤として用いることができる。
〔樹脂の軟化点〕
高化式フローテスター(島津製作所製、CFT-500D)を用い、試料の半分が流出する温度を軟化点とする(試料:1g、昇温速度:6℃/分、荷重:1.96MPa、ノズル:1mmφ×1mm)。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて昇温速度10℃/分で測定する。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を融点とする。
樹脂製造例1
表1に示す、トリメリット酸以外の縮重合系樹脂の原料モノマー、両反応性化合物、離型剤及びエステル化触媒を窒素雰囲気下、230℃で6時間縮重合させた後、160℃まで冷却した。反応容器に、トリメリット酸175gを添加した後、表1に示す付加重合系樹脂の原料モノマー及び重合開始剤の混合物を、160℃で攪拌しながら2時間かけて滴下した。さらに1時間同温度を保持して付加重合反応を行った後、200℃に昇温し、縮重合反応を行った。ASTM D36-86により測定した軟化点が所望の温度に達するまで反応させて、樹脂A-1〜A-3、樹脂B-1〜B-3を得た。
樹脂製造例2
離型剤を使用しない以外は樹脂A-1と同様にして樹脂を製造し、得られた樹脂を「サゾール H105」(サゾール社製、融点:105℃)231gとヘンシェルミキサーを用いて混合し、樹脂A-4を得た。
樹脂製造例3
離型剤を使用しない以外は樹脂B-1と同様にして樹脂を製造し、得られた樹脂を「サゾール H105」(サゾール社製、融点:105℃)219gとヘンシェルミキサーを用いて混合し、樹脂B-4を得た。
Figure 0004270562
実施例1〜5及び比較例1
表2に示す結着樹脂、カーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)7重量部、及び荷電制御剤「ボントロン S-34」(オリエント化学社製)1重量部を予備混合した後、2軸押し出し機で溶融混練し、冷却後、通常の粉砕、分級工程を経て、体積中位粒径(D50)6μmの未処理トナーを製造した。
得られた未処理トナーの100重量部に対して、疎水性シリカ「H-2000」(ワッカー社製)2.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナーを得た。
以上のトナー各々39重量部と、スチレン・メチルメタクリレート樹脂被覆されたフェライト粉(平均粒径100μm)1261重量部とを混合して現像剤を得た。
試験例1〔低温定着性〕
この現像剤について市販の二成分乾式複写機(リコー製、FT-4080)を改良したもの(定着ローラーの回転速度は355mm/secに設定し、定着装置中のヒートローラー温度を可変にし、オイル塗布装置を除去したもの)を使用し、定着ローラーの温度を100℃から240℃まで上昇させながら、各温度での画像を得た。
底面が15mm×7.5mmの砂消しゴムに500gの荷重を載せ、定着機を通して定着された画像の上を5往復こすり、こする前後の画像濃度をマクベス社の反射濃度計にて光学反射密度として測定し、以下の定義による定着率が75%を越える際の定着ローラーの温度を最低定着温度とした。結果を表2に示す。
定着率(%)=〔(こすった後の画像濃度)/(こする前の画像濃度)〕×100
試験例2〔耐オフセット性〕
試験例1において、各温度で得られた画像を定着させた後、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で定着ローラーに送って、これにトナー汚れが生ずるか否かを目視にて観察した。トナー汚れが生じた最低の温度を高温ホットオフセット発生温度とした。結果を表2に示す。
試験例3〔画像濃度〕
市販の電子写真複写機(感光体はアモルファスセレン、定着ローラーの回転速度は255mm/secに設定し、定着装置中のヒートローラー温度を可変にし、オイル塗布装置を除去したもの)に、現像剤を実装し、通常(NN)環境下(23℃、相対湿度50%)と高温高湿(HH)環境下(40℃、相対湿度85%)で60万枚複写を行い、60万枚目の画像濃度を、マクベス社の反射濃度計を用い光学反射密度として測定した。画像濃度は1.10より高いことが好ましい。結果を表2に示す。
Figure 0004270562
以上の結果より、実施例のトナーは、比較例のトナーと対比して、低温定着性及び耐オフセット性のいずれにおいても良好な結果が得られ、また環境条件にかかわらず耐刷時にも高い画像濃度を維持することができることが分かる。なお、カーボンブラックの代わりにカラートナー用着色剤を使用する以外は、実施例1と同様にして得られるトナーを、試験例1〜3の方法により、低温定着性、耐オフセット性及び画像濃度を評価すると、実施例1と同様にいずれも結果は良好である。
本発明の結着樹脂を含有した電子写真用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (4)

  1. 軟化点が30〜45℃異なる、軟化点が115〜145℃の樹脂(A)及び軟化点が85〜110℃の樹脂(B)を含有してなり、樹脂(A)と樹脂(B)の重量比〔樹脂(A)/樹脂(B)〕が90/10〜40/60であるトナー用結着樹脂であって、前記樹脂(A)と樹脂(B)のいずれもが、縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、及び縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る両反応性化合物を混合し、離型剤の存在下で、縮重合反応と付加重合反応とを並行して行うことにより得られるハイブリッド樹脂であり、前記縮重合系樹脂の原料モノマーの前記付加重合系樹脂の原料モノマーに対する重量比が60/40〜95/5であり、前記離型剤がフィッシャートロプシュワックスである、トナー用結着樹脂。
  2. 樹脂(A)及び樹脂(B)に含有される離型剤の融点が70〜120℃である請求項1記載のトナー用結着樹脂。
  3. 樹脂(A)及び樹脂(B)に含有される離型剤の含有量が、縮重合系樹脂の原料モノマー及び付加重合系樹脂の原料モノマーの総量100重量部に対して、1〜15重量部である請求項1又は2記載のトナー用結着樹脂。
  4. 請求項1〜いずれか記載の結着樹脂及び着色剤を含有してなる電子写真用トナー。
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