JP3824296B2 - 電子写真用トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐オフセット性と低温定着性の両立を図るべく、2種類のワックスを用いたトナーが提案されている(特開昭60−252361号公報、特開平6−266156号公報等)。しかしながら、融点の異なるワックスを結着樹脂に添加すると、特に低融点ワックスの分散性が低く、耐久性に欠ける。
【0003】
そこで、特開平9−304966号公報には、結着樹脂の重合時に第1のワックスを添加し、得られたワックス内添樹脂と第1のワックスよりも高い粘度を有する第2のワックスとを溶融混練するトナーの製造方法が、特開平10−312080号公報には、重合時にポリエチレンワックスを含有させた樹脂組成物とポリプロピレンワックスを含有したトナーが、それぞれ開示されている。しかしながら、いずれも、ワックスの分散性が向上し、ある程度の耐久性の改善がみられるものの、さらなる耐オフセット性の改善が望まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐久性及び耐オフセット性に優れた電子写真用トナー及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1) 融点が75〜140℃の高融点ワックスの存在下に単量体を重合させて得られたワックス含有樹脂と、前記高融点ワックスの融点よりも低い融点を有する、融点が50〜90℃の低融点ワックスとを含有してなる電子写真用トナーであって、前記高融点ワックスと低融点ワックスの融点の差が3〜50℃であり、前記高融点ワックスがポリエチレンワックスであり、前記低融点ワックスがカルナバワックスである電子写真用トナー、並びに
(2) 少なくとも、融点が75〜140℃の高融点ワックスの存在下に単量体を重合させて得られたワックス含有樹脂と、前記高融点ワックスの融点よりも低い融点を有する、融点が50〜90℃の低融点ワックスとを溶融混練する工程を有する電子写真用トナーの製造方法であって、前記高融点ワックスと低融点ワックスの融点の差が3〜50℃であり、前記高融点ワックスがポリエチレンワックスであり、前記低融点ワックスがカルナバワックスである電子写真用トナーの製造方法
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、融点の異なる2種類のワックスを用い、高融点ワックスを樹脂の合成時に、低融点ワックスを前記高融点ワックス含有樹脂を含む原料の溶融混練時に、それぞれ添加することを特徴とする。本発明では、樹脂原料の単量体の重合時に添加された高融点ワックスの存在により、原料の溶融混練時に添加される低融点ワックスの分散性が向上して、耐久性が向上するとともに、低融点ワックスを溶融混練時に添加しているために、低融点ワックスのしみ出しが促進され、耐オフセット性も向上するものと推定される。
【0007】
高融点ワックスの融点は、耐久性及び耐オフセット性の観点から、75〜140℃が好ましく、75〜110℃がより好ましく、低融点ワックスの融点は、50〜90℃が好ましく、60〜85℃がより好ましい。また、双方のワックスの融点の差は、好ましくは3〜50℃、より好ましくは5〜30℃である。
【0008】
ワックスとしては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス等のポリオレフィンワックス、カルナウバワックス、はぜろう、密ろう、鯨ろう、モンタンワックス、ライスワックス等のエステルワックス、脂肪酸アミドワックス等のアミド系ワックス等が挙げられ、本発明では、これらの融点を考慮し、適宜組み合わせて用いることができるが、耐オフセット性及び耐久性の観点から、高融点ワックスとしてポリエチレンワックスを、低融点ワックスとしてエステルワックスを使用することが好ましい。
【0009】
高融点ワックスの使用量は、ワックス含有樹脂を構成する樹脂の原料モノマー100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、5〜25重量部がより好ましい。
【0010】
低融点ワックスの使用量は、ワックス含有樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、5〜25重量部がより好ましい。
【0011】
さらに、高融点ワックス/低融点ワックス(重量比)は、1/5〜5/1が好ましく、1/3〜3/1がより好ましい。
【0012】
ワックス含有樹脂は、高融点ワックスの存在下に単量体を重合させて得られる。
【0013】
ワックス含有樹脂における樹脂としては、ハイブリッド樹脂、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられ、これらが単独で用いられていても、2種以上が併用されていてもよいが、本発明では、ポリエステル及び/又は縮重合系樹脂と付加重合系樹脂が化学的に結合したハイブリッド樹脂が好ましく、ハイブリッド樹脂がより好ましい。
【0014】
ハイブリッド樹脂としては、各々独立した反応経路を有する二つの重合系樹脂の原料モノマーの混合物、即ち縮重合系樹脂の原料モノマー及び付加重合系樹脂の原料モノマーの混合物と、要すれば該二つの重合系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物(両反応性化合物)とを混合し、同一反応容器内で該二つの重合反応を並行して行わせることにより得られる樹脂が好ましい。
【0015】
縮重合系樹脂の代表例としては、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、ポリアミド等が挙げられ、前記付加重合系樹脂の代表例としては、ラジカル重合反応により得られるビニル系樹脂等が挙げられる。
【0016】
ポリエステルの原料モノマーとしては、2価以上の多価アルコールと2価以上の多価カルボン酸化合物が挙げられる。
【0017】
2価の多価アルコールとしては、例えばポリオキシプロピレン(2.2) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.0) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、1,2 −プロピレングリコール、1,4 −ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
【0018】
3価以上の多価アルコールとしては、例えばソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0019】
本発明において、これらの2価以上の多価アルコールは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0020】
また、2価のカルボン酸化合物としては、例えばマレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸等のジカルボン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、及びこれらの酸の無水物、もしくは低級アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。好ましくは、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸が用いられる。
【0021】
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、例えば1,2,4 −ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7 −ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。これらのうち、トリメリット酸及びその酸無水物が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。
【0022】
本発明において、これらの2価以上の多価カルボン酸化合物は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0023】
ポリエステルを形成する際には、ジブチル錫オキシド等のエステル化触媒を適宜使用することができる。
【0024】
また、ポリエステル・ポリアミド又はポリアミド中のアミド成分を形成するために用いる原料モノマーとしては、公知の各種ポリアミン、アミノカルボン酸類、アミノアルコール等が挙げられ、好ましくはヘキサメチレンジアミン及びε−カプロラクタムである。
【0025】
なお、以上の原料モノマーには、通常開環重合モノマーに分類されるものも含まれているが、これらは、他のモノマーの縮合反応で生成する水等の存在により加水分解して縮合に供されるため、広義には縮重合系樹脂の原料モノマーに含まれると考えられる。
【0026】
ビニル系樹脂の原料モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン化合物;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等が挙げられ、スチレン及び/又は(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが、50重量%以上、好ましくは80〜100重量%含有されていることが望ましい。
【0027】
なお、ビニル系樹脂の原料モノマーを重合させる際には、重合開始剤、架橋剤等を必要に応じて使用してもよい。
【0028】
本発明においては、縮重合系樹脂の付加重合系樹脂に対する重量比、即ち縮重合系樹脂の原料モノマーの付加重合系樹脂の原料モノマーに対する重量比は、連続相が縮重合系樹脂であることが好ましいことから、通常50/50〜95/5、好ましくは60/40〜95/5であることが望ましい。
【0029】
両反応性化合物は、分子内に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、第1級アミノ基および第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基と、エチレン性不飽和結合とを有する化合物であることが好ましく、このような両反応性化合物を用いることにより、分散相となる樹脂の分散性を向上させることができる。両反応性化合物の具体例としては、例えば、アクリル酸、フマル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、マレイン酸等が挙げられ、これらのなかではアクリル酸、メタクリル酸及びフマル酸が好ましい。
【0030】
両反応性化合物の使用量は、縮重合系樹脂の原料モノマー100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、付加重合系樹脂の原料モノマー100重量部に対して0.3〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。なお、両反応性化合物は、単独の反応系ではそれ自体縮重合系樹脂又は付加重合系樹脂のいずれかの原料モノマーとして用いることができるものの、両反応性化合物は、本発明ではその性能の特異性から、縮重合系樹脂モノマー、付加重合系樹脂モノマーとは別のモノマーとして扱う。従って、縮重合系原料モノマーと付加重合系原料モノマーの重量比においても、両反応性化合物はいずれのモノマーにも含まれない。
【0031】
本発明において、ハイブリッド樹脂は、以上の原料モノマー混合物及び両反応性化合物を用いて、該二つの重合反応を行わせることにより得ることができるものであるが、重合反応の進行及び完結が時間的に同時である必要はなく、それぞれの反応機構に応じて反応温度及び時間を適当に選択し、反応を進行、完結させればよい。
【0032】
例えば、本発明におけるハイブリッド樹脂の製造方法では、縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、両反応性化合物、重合開始剤及び高融点ワックスを混合し、まず、主として50〜180℃でラジカル重合反応により縮重合反応が可能な官能基を有する付加重合系樹脂成分を得、次いで反応温度を190〜270℃に上昇させた後、主として縮重合反応により縮重合系樹脂成分の形成を行わせることが好ましい。
【0033】
ポリエステルは、2価以上の多価アルコールと2価以上の多価カルボン酸化合物とを縮重合させて得られ、かかる多価アルコール及び多価カルボン酸化合物としては、ハイブリッド樹脂において、ポリエステルの原料モノマーとして例示したものと同様の化合物を用いることができる。
【0034】
ポリエステルは、例えば、多価アルコール、多価カルボン酸化合物及び高融点ワックスを、不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、重合禁止剤等を用い、150〜250℃の温度で反応させて得られる。
【0035】
なお、結着樹脂としては、ワックス含有樹脂だけでなく、ポリエステル、ハイブリッド樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の他の樹脂を併用していてもよい。この場合、ワックス含有樹脂の含有量は、結着樹脂中、1〜80重量%が好ましく、2〜50重量%がより好ましい。
【0036】
さらに、本発明のトナーには、着色剤、荷電制御剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
【0037】
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、プリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB 、ローダミン−B ベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは黒トナー、カラートナー、フルカラー用トナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
【0038】
本発明のトナーは、少なくともワックス含有樹脂と低融点ワックスとを溶融混練する工程を経て得られる。具体的には、ワックス含有樹脂、低融点ワックス、着色剤等をボールミル等の混合機で均一に予備混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒子径は、3〜15μmが好ましい。さらに、トナーの表面には、疎水性シリカ等の流動性向上剤等が外添剤として添加されていてもよい。
【0039】
本発明の電子写真用トナーは、磁性体微粉末を含有するものであるときには、単独で現像剤として用いられ、また磁性体微粉末を含有しないものであるときは、非磁性一成分系現像剤として、またはキャリアと混合して二成分系の現像剤として用いることができる。
【0040】
【実施例】
〔軟化点〕
ASTM D86−36の方法により測定する。
【0041】
〔融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度で3分間放置した後、降温速度10℃/min.で室温まで冷却したサンプルを、昇温速度10℃/min.で測定した際のピーク頂点の温度を融点とする。
【0042】
樹脂製造例1(ハイブリッド樹脂の製造)
スチレン580g、アクリル酸2−エチルヘキシル230g、アクリル酸(両反応性化合物)29g及びジブチルパーオキサイド(重合開始剤)29gの混合物を、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2.2モル付加物1150g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2.0モル付加物1304g、テレフタル酸812g、無水トリメリット酸134g、酸化ジブチル錫(エステル化触媒)8g及びポリエチレンワックス「SP−105」(サゾール社製、融点:105℃)621g(原料モノマー100重量部に対して15重量部)に、窒素雰囲気下、160℃で1時間かけて滴下した。160℃に保持したまま、さらに2時間反応後、230℃に昇温し、さらに減圧下で反応して、ワックス含有樹脂として樹脂Aを得た。樹脂Aの軟化点は、108℃であった。
【0043】
樹脂製造例2(ポリエステル樹脂の製造)
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2.2モル付加物2450g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2.0モル付加物975g、テレフタル酸812g、無水トリメリット酸469g、アルケニル(炭素数9〜15)コハク酸655g、酸化ジブチル錫(エステル化触媒)13g及びポリエチレンワックス「C−80」(サゾール社製、融点:83℃)806g(原料モノマー100重量部に対して15重量部)の混合物を、窒素雰囲気下、230℃で反応させて、重合させてワックス含有樹脂として樹脂Bを得た。樹脂Bの軟化点は、110℃であった。
【0044】
樹脂製造例3(ポリエステル樹脂の製造)
ポリエチレンワックスを使用しない以外は、樹脂製造例2と同様にして、樹脂Cを得た。
【0045】
樹脂製造例4(ポリエステル樹脂の製造)
ポリエチレンワックス「C−80」の代わりにエステルワックス「RX−100」(野田ワックス社製、融点:65℃)806gを使用した以外は、樹脂製造例2と同様にして、ワックス含有樹脂として樹脂Dを得た。樹脂Dの軟化点は、112℃であった。
【0046】
実施例1〜3及び比較例1〜4(実施例2、3は参考例である)
表1に示す結着樹脂、ワックス、着色剤(ピグメント・ブルー 15:3)3重量部、荷電制御剤「ボントロン E−84」(オリエント化学工業社製)1重量部を、予めヘンシェルミキサーを用いて混合した後、二軸押出機により170℃で溶融混練し、得られた溶融混練物を粗粉砕した後、風力式粉砕、分級を行なって、体積平均粒子径が9μmの粉体を得た。得られた粉体100重量部に疎水性シリカ「アエロジルR972」1重量部を添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナーを得た。
【0047】
試験例1
「COLOR PAGEPRESTO N4」(カシオ電子工業社製)にトナーを実装し、印字率5%で連続印刷を行ない、ブレードへのトナーの融着に起因する画像上のスジが発生するか否かを目視にて判断し、耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0048】
試験例2
試験例1と同じ装置にトナーを実装し、3cm四方のベタ画像を印字し、未定着のまま取り出した画像を、外部定着器で温度を変化させながら定着させ、オフセットを生じるか否かを目視にて判断し、耐オフセット性を評価した。結果を表1に示す。
【0049】
〔耐オフセット性の評価基準〕
◎:非オフセット域が40℃以上である。
○:非オフセット域が30℃以上、40℃未満である。
×:非オフセット域が30℃未満である。
【0050】
【表1】
【0051】
以上の結果より、実施例1〜3のトナーは、耐久性及び耐オフセット性のいずれにも優れている。これに対し、比較例1〜3のトナーは、結着樹脂の単量体の重合時に添加したワックスよりも融点が高いワックスをワックス含有樹脂と混合しているために、いずれも耐オフセット性に欠けている。また比較例4では、高融点ワックスを樹脂の合成時ではなく、低融点ワックスともに原料混合時に添加しているため、低融点ワックスの分散性が低く、耐久性に欠けるだけでなく、耐オフセット性も不十分である。
【0052】
【発明の効果】
本発明により、耐久性及び耐オフセット性に優れた電子写真用トナー及びその製造方法を提供することができる。
Claims (3)
- 融点が75〜140℃の高融点ワックスの存在下に単量体を重合させて得られたワックス含有樹脂と、前記高融点ワックスの融点よりも低い融点を有する、融点が50〜90℃の低融点ワックスとを含有してなる電子写真用トナーであって、前記高融点ワックスと低融点ワックスの融点の差が3〜50℃であり、前記高融点ワックスがポリエチレンワックスであり、前記低融点ワックスがカルナバワックスである電子写真用トナー。
- ワックス含有樹脂における樹脂がハイブリッド樹脂又はポリエステルである請求項1記載の電子写真用トナー。
- 少なくとも、融点が75〜140℃の高融点ワックスの存在下に単量体を重合させて得られたワックス含有樹脂と、前記高融点ワックスの融点よりも低い融点を有する、融点が50〜90℃の低融点ワックスとを溶融混練する工程を有する電子写真用トナーの製造方法であって、前記高融点ワックスと低融点ワックスの融点の差が3〜50℃であり、前記高融点ワックスがポリエチレンワックスであり、前記低融点ワックスがカルナバワックスである電子写真用トナーの製造方法。
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