JPH09146303A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH09146303A
JPH09146303A JP32252295A JP32252295A JPH09146303A JP H09146303 A JPH09146303 A JP H09146303A JP 32252295 A JP32252295 A JP 32252295A JP 32252295 A JP32252295 A JP 32252295A JP H09146303 A JPH09146303 A JP H09146303A
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JP
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toner
developing
polyester resin
long
charge image
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JP32252295A
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English (en)
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Takaaki Kamitaki
隆晃 上滝
Makoto Unno
真 海野
Yuji Mikuriya
裕司 御厨
Tadashi Michigami
正 道上
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低速から高速まで適用できる定着温度領域の
広い、耐オフセット性に優れた静電荷像現像用トナーを
提供することにある。 【解決手段】 炭素数24乃至252の長鎖アルキル基
と、末端に水酸基或いはカルボキシル基とを有する化合
物で少なくとも一部が変性されたポリエステル樹脂を含
有し、150℃,1〜50%歪みでの下式で示される貯
蔵弾性率G’、及び損失弾性率G”の変化率γが50%
以下であることを特徴とする。 γG'=(1−G’50% /G’1%)×100 γG"=(1−G”50% /G”1%)×100 γG' :150℃ 1〜50%歪みでの貯蔵弾性率
G’の変化率 γG" :150℃ 1〜50%歪みでの損失弾性率
G”の変化率 G’50% :150℃ 50%歪みでの貯蔵弾性率 G’1% :150℃ 1%歪みでの貯蔵弾性率 G”50% :150℃ 50%歪みでの損失弾性率 G”1% :150℃ 1%歪みでの損失弾性率

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、静電印刷法の如き画像形成方法に用いられる静電荷
像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報に記載されて
いる如く多数の方法が知られている。一般には光導電性
物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像
を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要
に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加
熱、圧力、加熱加圧或いは溶剤蒸気により定着し、トナ
ー画像を得るものである。
【0003】上述の最終工程であるトナー像を紙の如き
シートに定着する工程に関して種々の方法や装置が開発
されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラーによ
る圧着加熱方式である。
【0004】加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナ
ーに対し離型性を有する熱ローラーの表面と被定着シー
トのトナー像面を加圧下で接触しながら被定着シートを
通過せしめることによりトナー像の定着を行なうもので
ある。この方法は熱ローラーの表面と被定着シート上の
トナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着
シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅
速に定着を行うことができる。
【0005】しかし、複写機やプリンターの機種によっ
てそれぞれ異ったトナーが用いられているのが現状であ
る。これは、主に定着速度及び定着温度の違いによるも
のである。加熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態,
加圧下で接触する為に、トナー像の一部が定着ローラー
表面に付着・転移し、次の被定着シートにこれが再転移
し、被定着シートを汚す、いわゆるオフセット現象が定
着速度・温度の影響を大きく受ける為である。一般に定
着速度が遅い場合は、加熱ローラー表面温度は低く、定
着速度が速い場合は、加熱ローラー表面温度は高く設定
されている。これは、トナーを定着させる為に加熱ロー
ラーがトナーに与える熱量を、定着速度によらずほぼ一
定にすることによるものである。
【0006】しかし、被定着シート上のトナーは、何層
かのトナー層を形成している為、特に定着速度が速く、
加熱ローラー温度の高い系においては、加熱ローラーに
接触するトナー層と、被定着シートに接触している最下
層のトナー層の温度差が、非常に大となる為に、加熱ロ
ーラー温度が高い場合には、最上層のトナーがオフセッ
ト現象を起こし、加熱ローラー温度が低い場合は、最下
層のトナーは十分に溶けない為に、被定着シートにトナ
ーが定着せず低温オフセットという現象が起きる。
【0007】この問題を解決する方法として、定着速度
が速い場合には、定着時の圧力を上げ、被定着シートへ
のトナーのアンカーリングをさせる方法が、通常行われ
ている。この方法だと、加熱ローラー温度をある程度下
げることができ、最上層トナーの高温オフセット現象を
防ぐことは可能となる。しかし、トナーにかかるせん断
力が非常に大となる為に、被定着シートが定着ローラー
に巻きつく、いわゆる巻きつきオフセットや、定着ロー
ラーから被定着シートを分離する部材の分離あとが画像
に出現したり、さらには、圧力が高いがゆえに、定着時
にライン画像が押しつぶされたり、トナーが飛びちった
りして、コピー画像の画質劣化を生じ易い。
【0008】従って、高速定着では、一般的には、低速
定着の場合より溶融粘度の低いトナーを用い、加熱ロー
ラー温度,定着圧力を下げることにより、高温オフセッ
トや巻きつきオフセットを防止しつつ、定着させてい
る。しかし、この様な溶融粘度の低いトナーを低速定着
に用いると、低粘度がゆえに、高温でオフセット現象が
発生する。
【0009】即ち、定着において、低速から高速まで適
用できる定着温度領域の広い、耐オフセット性にすぐれ
たトナーがないのが現状である。
【0010】さらに近年においては、複写機のデジタル
化及びトナーの微粒子化により、コピー画像の高画質化
が望まれている。
【0011】つまり、文字入りの写真画像においてその
コピー画像の文字は鮮明で、写真画像は、原稿に忠実な
濃度階調性が得られるということが要求されている。一
般に、文字入り写真画像のコピーにおいて、文字を鮮明
にする為にライン濃度を高くすると、写真画像の濃度階
調性が損なわれるばかりでなく、ハーフトーン部分では
非常にガサツイタ画像となる。
【0012】さらに、前述した様に定着時にライン画像
が押しつぶされたり、飛びちったりして、逆にコピー画
像の画質劣化を生じる。
【0013】さらに、ライン濃度を高くすると、トナー
の転写工程においてトナーののり量が多い為に、転写時
にトナーが感光体に押しつけられ感光体に付着して、か
えってライン上のトナーが抜けた、いわゆる中抜け現象
を起こし、低画質のコピー画像となる。また逆に写真画
像の濃度階調性を良くしようとすると、文字ラインの濃
度が低下し、鮮明さが悪くなる。
【0014】また、トナーの微粒子化により、画像の解
像力や鮮映度を上げることはできても種々の問題が生じ
てくる。
【0015】先ず第一に、トナーの微粒子化により、ハ
ーフトーン部の定着性が悪くなる。この現象は特に高速
定着において、顕著である。これは、ハーフトーン部分
のトナーののり量が少なく、被定着シートの凹部に転写
されたトナーは、加熱ローラーから与えられる熱量が極
めて少なく、さらに定着圧力も、被定着シートの凸部に
よって抑制される為に悪くなるからである。また、ハー
フトーン部分で被定着シートの凸部に転写されたトナー
は、トナー層厚が薄い為に、トナー粒子1個当りにかか
るせん断力はトナー層厚の厚いベタ黒部分に比べ非常に
大きいものとなり、オフセット現象が発生したり、低画
質のコピー画像となる。
【0016】さらに、カブリの問題である。トナー粒子
径を小さくすることにより、トナーの表面積が増え、従
って帯電量分布の幅が大きくなり、カブリを生じ易くな
る。また、トナー表面積が増えることにより、トナーの
帯電特性が、より環境の影響を受け易くなる。
【0017】また、トナー粒子径を小さくすると、磁性
体や着色剤の分散状態がトナーの帯電性に大きく影響を
及ぼすことは明白である。
【0018】この様な微粒子トナーを高速複写機に適用
すると、低湿下では特に帯電過剰となり、カブリや濃度
低下を生じることがある。
【0019】特開昭58−11953号公報において
は、結着樹脂が、5重量%以上のクロロホルム不溶分を
含有するポリエステル樹脂よりなり、無極性物質及び有
極性物質よりなるオフセット防止剤を含有することを特
徴とする静電荷像現像用トナーが提案されている。
【0020】特開昭62−78569号公報において
は、側鎖に炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の脂肪
族炭化水素基を有するポリエステルを用いるトナーが提
案されている。
【0021】しかしながら、これらのトナーにおいて
は、ポリエステル樹脂とポリオレフィンワックスとの相
溶性が悪いために、トナー製造時にポリオレフィンワッ
クスの分散不良が発生しやすくなり、粉砕時に遊離ポリ
オレフィンが発生することがある。このことは、今後の
高速複写機への展開を考慮すると、クリーニング不良の
発生や耐オフセット性の劣化に継がるという問題点を有
する。低温環境下での定着性や低湿環境下での現像性に
ついても、高速複写機では十分とは言い難い。
【0022】特開平2−129653号公報及び特開平
3−46668号公報では、ポリエステル樹脂を酸また
はアルコールで処理したポリエステルを結着樹脂として
用いるトナーが提案されている。
【0023】これらのトナーは、確かに定着性の向上や
摩擦帯電量の安定化には効果があるが、使用するモノア
ルコールのアルキル基の炭素数が10と少ないため、ポ
リオレフィンワックスの分散不良が発生しやすくなり、
今後の高速複写機への展開を考慮すると、クリーニング
不良の発生や耐オフセット性の劣化が問題化し、低温環
境下での定着性や低湿環境下での現像性についても十分
とは言い難い。
【0024】また、複写機の多機能化においては、例え
ば、画像の一部を露光等によって消しておき、次いでそ
の部分に別の画像を挿入するような多重多色コピーを行
なったり、複写紙の周辺を枠ぬきするような機能におい
ては、画像上の白く抜いておくべき部分にカブリが生じ
る。
【0025】すなわち、現像基準電位に対して、潜像電
位と反極性の電位をLEDやヒューズランプ等の強い光
で与え画像を消去すると、その部分にカブリが発生する
傾向が高まるという問題が生じる。
【0026】以上の種々の問題点を全て解決するトナー
は存在しないのが現状である。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決した静電荷像現像用トナーを提供す
るものである。
【0028】本発明の目的は、低速から高速複写機に至
るまで、定着性を損なうことなく、耐オフセット性にす
ぐれた静電荷像現像用トナーを提供するものである。
【0029】本発明の目的は、低速から高速複写機に至
るまで、微粒子化してもハーフトーン部分においてすぐ
れた定着性を示し、かつ、良画質のコピー画像を得るこ
とのできる静電荷像現像用トナーを提供するものであ
る。
【0030】本発明の目的は、低速から高速複写機に至
るまで、カブリがなく、高濃度のコピー画像が得られる
静電荷像現像用トナーを提供するものである。
【0031】本発明の目的は、環境変動に影響されるこ
ともなく、低湿下及び高湿下においても良好な画像を与
える静電荷像現像用トナーを提供するものである。
【0032】本発明の目的は、高速機においても安定し
て良好な画像を与え、適用機種の範囲の広い静電荷像現
像用トナーを提供するものである。
【0033】本発明の目的は、耐久性に優れ、長時間の
連続使用にあっても画像濃度が高く、白地カブリのな
い、コピー画像が得られる静電荷像現像用トナーを提供
するものである。
【0034】本発明の目的は、文字入り写真画像におい
ては、そのコピー画像の文字が鮮明で、かつ写真画像は
原稿に忠実な濃度階調性が得られる静電荷像現像用トナ
ーを提供するものである。
【0035】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の目的
は、炭素数24乃至252の長鎖アルキル基と、末端に
水酸基或いはカルボキシル基とを有する化合物で少なく
とも一部が変性されたポリエステル樹脂を含有し、15
0℃,1〜50%歪みでの下式(A),(B)で示され
る貯蔵弾性率G’、及び損失弾性率G”の変化率γ
G’,γG”が50%以下であるトナーにより達成でき
る。
【0036】 γG'=(1−G’50%/G’1%)×100 (A) γG"=(1−G”50%/G”1%)×100 (B)
【0037】貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”は、そ
れぞれトナーの耐オフセット性,定着性を表わす物性で
ある。従って、貯蔵弾性率G’が小さいものは耐オフセ
ット性が悪く、損失弾性率G”が大きいものは定着性に
劣ったものとなる。
【0038】また、高速定着においては、低速定着に比
べトナーが受けるせん断力は大きい。従って、貯蔵弾性
率G’及び損失弾性率G”の歪みによる変化率の少ない
トナーが低速から高速複写機に至るまで定着性を損なう
ことなく耐オフセット性にもすぐれたものとなる。
【0039】特開平3−219262号公報,特開平3
−64766号公報,特開平3−231757号公報等
で開示されている様にある温度範囲において、貯蔵弾性
率G’,損失弾性率G”がある範囲にあるトナーは、あ
る特定の定着条件下では、定着性及び耐オフセット性に
すぐれたものとなるが、前述した様に、定着速度,定着
圧力,せん断力が大きく異なる定着機全てに対して、定
着性及び耐オフセット性、さらには前述した画像特性を
すべて満足することはできない。
【0040】本発明者らは、詳細なる検討の結果、炭素
数24乃至252の長鎖アルキル基と、末端に水酸基或
いはカルボキシル基とを有する化合物で少なくとも一部
が変性されたポリエステル樹脂を含有し、貯蔵弾性率
G’及び損失弾性率G”の歪み分散において、その変化
率の低いトナーが、定着条件を変えても、定着性,耐オ
フセット性に有効であり、かつ、現像性に優れたもので
あることを見い出した。さらに、本発明のトナーは、ト
ナー製造時に生じる分級微粉を再利用してもその現像定
着性は低下することがない。これは、変性ポリエステ
ル樹脂が主結着樹脂(後述)と、相溶性が良好であるこ
とと、変性ポリエステル樹脂が、荷電制御剤,磁性体
等の着色剤の分散を均一にすること、微粉再利用は、
通常、トナー製造工程において溶融混練時に行うが、再
利用された微粉中では変性ポリエステル樹脂が均一に分
散されており、この様な状態では、混練時において、再
利用した微粉中のポリエステル樹脂の分子鎖切断は、殆
ど起こらないことによると考えられる。
【0041】150℃,1〜50%歪みにおける貯蔵弾
性率G’は、1×102〜5×104Pa、好ましくは3
×102〜7×103Paであり、損失弾性率G”は1×
102〜5×104Pa、好ましくは2×102〜6×1
3Paであることが望ましい。
【0042】貯蔵弾性率G’が5×104Paより大き
いと定着性に劣り、1×102Paより小さいと低温オ
フセット現象を生ずる。この低温オフセット現象とは、
弾性がトナーに付与されていないことにより起こる。特
に定着圧力の大きい系では、この傾向が顕著となる。ま
た、損失弾性率G”が5×104Paより大きいと、貯
蔵弾性率と同様に定着性に劣ったものとなる。損失弾性
率G”が1×102Paより小さいと、高温オフセット
現象を生ずる。
【0043】従来技術においては、貯蔵弾性率G’が3
×102Paより小さいトナーは高温オフセットに、貯
蔵弾性率G’が7×103Paより大きいトナーは低温
定着にやや難があった。また、本発明における変性ポリ
エステル樹脂を用いない場合は、貯蔵弾性率G’が前記
した範囲にあっても、微粉を再利用すると前述したよう
に分子鎖切断が著しくおこる為、貯蔵弾性率G’の1〜
50%での歪み変化率γG'が50%より大きくなる。従
って高温オフセットが低下する。
【0044】本発明は変性ポリエステル樹脂を結着樹脂
として用いることにより、150℃,1〜50%歪みで
のG’,G”の変化率γG',γG"を50%以下にコント
ロールし、微粉再利用しても定着性及び耐高温オフセッ
ト性を損なわないトナーを提供でき、かつ変性ポリエス
テル樹脂を用いることにより、G’,G”を従来のもの
より広げることを可能にした。
【0045】また、前記の式(A),(B)で示される
変化率γG',γG"は、好ましくは40%以下、より好ま
しくは30%以下であることが良い。
【0046】本発明において用いる樹脂は、炭素数24
乃至252の長鎖アルキル基と、末端に水酸基あるいは
カルボキシル基とを有する化合物(以下、変性用化合物
と称す。)でポリエステル樹脂の少なくとも一部が変性
されたものであり、この変性とは、ポリエステル樹脂の
主鎖中のカルボキシル基及び/又は水酸基や主鎖末端の
カルボキシル基及び/又は水酸基と、上記変性用化合物
の有する末端の水酸基又はカルボキシル基とが、エステ
ル結合あるいはウレタン結合することによって、ポリエ
ステル樹脂の構造中に上記変性用化合物の炭素数24乃
至252の長鎖アルキル基が導入された状態である。
【0047】従来米国特許第4,883,736号明細
書及び米国特許第5,080,995号明細書において
は、アルコール重合体ワックスを現像剤に混合して用い
る方法が開示されている。これらの方法では、多量のア
ルコール重合体ワックスを用いると定着温度を下げるこ
とは可能であるが、保存安定性、現像特性、流動性など
が悪くなる。
【0048】本発明において、ポリエステル樹脂を変性
する化合物としては、下記式(1) CH3(CH2XCH2OH・・・(1) (式中、xは22乃至250の数を示す。)で示すアル
キルアルコールを用いることができる。
【0049】上記式(1)で示すアルキルアルコール
は、融点が70〜140℃と低く、かつ上記式(1)で
示すアルキルアルコールが、ポリエステル主鎖中の未反
応のカルボキシル基、水酸基を介して分岐したり、ポリ
エステル主鎖末端に結合することにより、定着温度を下
げる効果を有している。
【0050】さらに、結着樹脂とポリオレフィンワック
スとの相溶性が向上し、ポリオレフィンワックスの結着
樹脂中での分散不良が生じにくくなる。さらには、長鎖
アルキル基であればポリオレフィンワックスを使用しな
くても定着ローラーに対する十分な離型性が得られ、耐
オフセット性が向上する。
【0051】さらに、従来のポリエステル樹脂では、ト
ナー粒径を小さくしたとき、特に低湿環境下で帯電過剰
となり易いものであったが、本発明においては、ポリエ
ステル樹脂を上記式(1)で示されるアルキルアルコー
ルにて変性することにより、その帯電過剰となる性質を
抑制することが可能であり、安定した帯電性が得られ
る。
【0052】上記式(1)中、xは22乃至250の数
であり、好ましくは24乃至200の数であることが良
い。xが22より小さいと、トナーにしたときの貯蔵弾
性率G’の1〜50%歪みでの変化率が50%より大き
くなりやすく、さらに短いが故にトナーにしたときにそ
の定着温度を下げる効果が小さく、定着温度を下げる効
果を得るために多量に用いると保存安定性が悪くなり、
さらに感光体に対してのすべり性の付与能が小さくな
り、転写時のおける中抜け現象、感光体融着、クリーニ
ング不良等の問題が発生し易い。xが250より大きい
とその融点が高くなる為に、同様に定着温度を下げる効
果が小さくなってくる。なお、特開平3−466681
号公報においては、ポリエステル樹脂をC1 〜C10のモ
ノアルコールによりマスキングする方法が開示されてい
る。この方法では、確かに環境特性及び定着性は改良さ
れるが、前述した転写中抜け現象、感光体融着、クリー
ニング不良等の問題点に対しては十分なものではない。
【0053】本発明に用いるアルコールは、例えば米国
特許第2892858号明細書、米国特許第27814
19号明細書、米国特許第2787626号明細書、米
国特許第2835689号明細書、及び英国特許第80
8055号明細書で開示されている方法で調製すること
ができる。
【0054】例えば、エチレンをチーグラー触媒を用い
て重合し重合終了後、酸化して、触媒金属とポリエチレ
ンとのアルコキシドを生成する。この後、加水分解する
ことにより、長鎖アルキルアルコールを得る。この様に
して得られた長鎖アルキルアルコールは、分岐が少なく
て小さく、さらに分子量分布がシャープであり、本発明
の目的にそったものである。
【0055】本発明に用いられる長鎖アルキルアルコー
ルの数平均分子量(Mn)は150〜4,000、好ま
しくは250〜2,500であり、重量平均分子量(M
w)は250〜10,000、好ましくは400〜8,
000であることが良い。
【0056】本発明に用いられる長鎖アルキルアルコー
ルのOH価は、5mgKOH/g〜150mgKOH/
g、好ましくは10〜120mgKOH/g、さらに好
ましくは20〜100mgKOH/gであることが好ま
しい。長鎖アルキルアルコールのOH価が5mgKOH
/g未満である場合は、結着樹脂中での分散が悪く、荷
電制御剤や着色剤の分散も悪くなる。このことによりト
ナーの帯電が不均一になり、コピー画像において濃度低
下をおこしたり、カブリを発生し、画質を著しく低下さ
せることになる。また、OH価が150mgKOH/g
より大きい場合は、長鎖アルキルアルコールの分子量の
低いものが多く含まれるため、トナーの感光体融着,保
存安定性の悪いものとなる。
【0057】さらに、本発明で用いるポリエステル樹脂
を変性するための化合物としては、ポリエステル樹脂が
後述する非線状ポリエステル樹脂の場合にも、炭素数2
4以上のアルキルアルコールが好ましい。
【0058】本発明において、非線状ポリエステル樹脂
のカルボキシル基、水酸基の一部を炭素数24以上の長
鎖アルキルアルコールで変性させ、結着樹脂中に長鎖ア
ルキル基を付与させることにより、下記(1)乃至
(3)の効果を有する。
【0059】(1)結着樹脂の溶融粘度のコントロール
がしやすくなり、紙への定着性を向上させることができ
る。
【0060】(2)結着樹脂とポリオレフィンワックス
との相溶性が向上し、ポリオレフィンワックスの結着樹
脂中への分散性を向上させることができ、高速複写機に
適用した場合にも耐オフセット性が充分であり、さら
に、耐久中にクリーニング不良が生じることもない。更
には、炭素数が30以上の長鎖のアルキル基を結着樹脂
に付与させれば、ポリオレフィンワックスを使用しなく
ても定着ローラーに対する十分な離型性が得られ、耐オ
フセット性を向上できる。
【0061】(3)トナーの帯電性に影響を及ぼす酸価
のコントロールができるため、低湿環境下でも帯電量の
過度の上昇がなく、より安定した帯電性が得られ、良好
な現像性が得られる。
【0062】さらに、本発明で用いるポリエステル樹脂
を変性するための化合物としては、下記式(2) CH3(CH2nOH ・・・(2) (式中、nは23乃至250の数を示す。)で示すアル
キルアルコールと、分子中にエポキシ基を1個有する下
記式(3)
【0063】
【化2】
【0064】(式中、R’は水素、炭素数1乃至20の
炭化水素基あるいはR1−CH2−で示される基(R1
エーテル基又はエステル基を示す)を示す。)で示す化
合物とを反応させた物質(以下、物質αと称する。)を
用いることもできる。
【0065】上記式(2)で示すアルキルアルコールと
上記式(3)で示す化合物とを反応させた物質αの構造
を下記式(4)に示す。
【0066】
【化3】
【0067】(式中、nは23乃至250の数を示し、
mは1乃至10の数を示し、R’は水素、炭素数1乃至
20の炭化水素基あるいはR1−CH2−で示される基
(R1はエーテル基又はエステル基を示す)を示す。)
【0068】本発明において、分子中にエポキシ基を1
個有する上記式(3)の化合物を上記式(2)のアルキ
ルアルコールに反応させた物質αは、式(2)のアルキ
ルアルコールのアルキル鎖長と分子中にエポキシ基を1
個有する式(3)の化合物の反応させる量によって、粘
度、可塑性のコントロールをすることができる。
【0069】上記式(2)において、nの数が23未満
の場合には、アルキルアルコールと上記式(3)で示さ
れる化合物とを反応させても粘度コントロールが不十分
となりやすい。
【0070】上記式(4)において、nの数が23未満
の場合には、トナーにしたときの貯蔵弾性率G’の1〜
50%歪みでの変化率が50%より大きくなりやすい。
【0071】本発明においては、例えばポリエステル樹
脂中の主鎖中又は末端のカルボキシル基の一部を物質α
により変性し、結着樹脂中に物質αを付与させることに
より、下記(4)乃至(6)の効果を有する。
【0072】(4)結着樹脂の溶融粘度のコントロール
がしやすく、紙への定着性を向上させることができる。
【0073】(5)結着樹脂とポリオレフィンワックス
との相溶性が向上し、ポリオレフィンワックスの結着樹
脂中での分散不良が生じにくくなる。更には、長鎖アル
キル基であればポリオレフィンワックスを使用しなくて
も定着ローラーに対する十分な離型性が得られ、耐オフ
セット性が向上する。
【0074】(6)トナーの帯電性に影響を及ぼす酸価
コントロールができるため、低湿環境下でのトナーのチ
ャージアップが防止でき、安定した帯電性が得られる。
【0075】特に、物質αは、上記一般式(1)で示さ
れるアルキルアルコール単独の場合よりも、ポリエステ
ル樹脂に対する反応性が高いことから、ポリエステル樹
脂に対して確実に反応することができる点で好ましい。
【0076】本発明においては、式(2)のアルキルア
ルコールに式(3)の化合物を反応させる方法は、特に
限定されるものではないが、一例としては水酸化ナトリ
ウム、ナトリウムエトオキシド、カリウムt−ブトキシ
ド、金属ナトリウム、金属カリウムなどの塩基触媒を用
いて、加圧下で、温度50〜300℃で反応させる方法
があげられる。
【0077】式(2)のアルキルアルコールとしては、
nの数が23乃至250のアルキルアルコールであれば
特に限定されるものではないが、好ましくはnは25乃
至200であることが良い。
【0078】式(3)の化合物としては、下記で説明す
るものが使用できる。
【0079】式(3)において、R’が水素である化合
物の具体例を以下に示す。
【0080】
【化4】
【0081】式(3)において、R’が炭素数1乃至2
0の炭化水素基である化合物の具体例を以下に示す。
【0082】
【化5】
【0083】式(3)において、R’がR1−CH2−で
示される基(R1は、エーテル基又はエステル基を示
す。)である化合物の具体例を以下に示す。
【0084】
【化6】
【0085】本発明において、ポリエステル樹脂を変性
する化合物としては、下記式(5) CH3(CH2YCH2COOH・・・(5) (式中、Yは22乃至249の数を示す。)で示すアル
キルモノカルボン酸を用いることができる。長鎖アルキ
ルカルボン酸は、(1)式で示される長鎖アルキルアル
コールを酸化することにより得られる。
【0086】上記式(5)で示すアルキルモノカルボン
酸は、融点が70〜140℃と低く、かつ上記式(5)
で示すアルキルモノカルボン酸が、ポリエステル主鎖中
の未反応の水酸基を介して分岐したり、ポリエステル主
鎖末端の水酸基に結合することにより定着温度を下げる
効果を有している。
【0087】さらに、上記式(5)で示すアルキルモノ
カルボン酸がすぐれた離型性を有しているため、耐高温
オフセット性が良好になる。
【0088】さらに、ポリエステル樹脂の末端あるいは
主鎖中の未反応の水酸基の一部と上記式(5)で示すア
ルキルモノカルボン酸が反応するため、ポリエステル樹
脂全体の水酸基数を減少することから、環境安定性が良
好となる。
【0089】特開昭56−87051号公報では高級脂
肪酸又は高級アルコールの存在下で重合反応を行う方法
が開示されている。この方法では、脂肪酸又はアルコー
ルが結着樹脂中にただ分散された状態になるだけであ
り、多量の脂肪酸又はアルコールを用いると定着性は改
良されるが、保存安定性、環境安定性が悪くなる。
【0090】上記式(5)中、Yは22乃至249の数
であり、好ましくは24乃至200の数であることが良
い。Yが22より小さいと、トナーにしたときの貯蔵弾
性率G’の1〜50%歪みでの変化率が50%より大き
くなりやすく、さらに短いがゆえにトナーにしたときに
その定着温度を下げる効果があ小さく、定着温度を下げ
る効果を得るために多量に用いると保存安定性が悪くな
る。さらに、感光体に対してのすべり性の付与能が小さ
くなり、転写時における中抜け現象、感光体融着、クリ
ーニング不良などの問題が発生しやすい。Yが249よ
り大きいと、融点が高くなるために定着温度を下げる効
果が小さくなる。
【0091】特開平2−173038号公報、特開平3
−46668号公報においては、ポリエステル樹脂をモ
ノカルボン酸と反応させる方法が開示されているが、こ
こで用いられているモノカルボン酸はYが20よりちい
さいものであり、上記の理由により転写時における中抜
け現象、感光体融着、クリーニング不良などの問題に対
しては十分なものではない。
【0092】本発明に用いられる長鎖アルキルカルボン
酸の数平均分子量(Mn)は150〜4,000、好ま
しくは250〜2,500であり、重量平均分子量(M
w)は250〜10,000、好ましくは400〜8,
000であることが良い。
【0093】本発明に用いられる長鎖アルキルカルボン
酸の酸価は、5mgKOH/g以上150mgKOH/
g以下、好ましくは10mgKOH/g〜120mgK
OH/gであることが好ましい。長鎖アルキルカルボン
酸の酸価が5mgKOH/g未満の場合は、結着樹脂中
での分散が悪くなり、長鎖アルキルアルコールの場合と
同様に、コピー画像の画質低下を招く。また、長鎖アル
キルカルボン酸の酸価が、150mgKOH/gより大
きい場合も、長鎖アルキルアルコールの場合と同様、低
分子量のものが多く含まれる為、トナーの感光体への融
着、保存安定性が悪くなる。
【0094】本発明に用いられるポリエステル樹脂の組
成は以下の通りである。
【0095】本発明に用いられるポリエステル樹脂は、
全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、
55〜45mol%が酸成分であることが好ましい。
【0096】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘ
キサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式
(I)
【0097】
【化7】
【0098】(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を
示し、x、yはそれぞれ1以上の整数を示し、かつx+
yの平均値は2〜10を示す。)で示されるビスフェノ
ール誘導体、又は下記式(II)
【0099】
【化8】 で示されるジオール類の如きジオール類が挙げられる。
【0100】全酸成分中50mol%以上を含む2価の
カルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、無水フタル酸、ジフェニル−P・P’−ジカルボ
ン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン
−2,6−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−P・P’
−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボ
ン酸、1,2−ジフェノキシエタン−P・P’−ジカル
ボン酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;
こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グ
リタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリエチレン
ジカルボン酸、マロン酸の如きアルキルジカルボン酸類
又はその無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキル
基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル
酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、などの不
飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
【0101】本発明の実施上特に好ましいポリエステル
樹脂のアルコール成分としては前記(I)式で示される
ビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、こは
く酸、n−ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマ
ル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸
類が挙げられる。
【0102】ここで得られたポリエステル樹脂のガラス
転移温度は、好ましくは40〜90℃、より好ましくは
45〜85℃であり、さらに数平均分子量(Mn)は、
好ましくは1,500〜50,000、より好ましくは
2,000〜20,000であり、重量平均分子量(M
w)は、好ましくは3,000〜100,000、より
好ましくは4,000〜90,000である。
【0103】さらに、本発明においてはポリエステル樹
脂に非線状ポリエステル樹脂を用いることもできる。
【0104】本発明において、非線状ポリエステルと
は、いわゆる架橋構造や分岐構造を有するポリエステル
のことである。
【0105】非線状ポリエステルは、3価以上のポリカ
ルボン酸や3価以上のポリオールを上記の2価のポリカ
ルボン酸及び2価のポリオールと共に用いて合成するこ
とにより得ることが可能である。
【0106】3価以上のポリカルボン酸類としては、例
えばトリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサン
トリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボ
ン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサン
トリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレ
ンカルボキシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2
−メチル−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メ
チレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタ
ンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が使用できる。
【0107】また3価以上のポリオールとしては、例え
ばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トリペンタエリスリトール、しょ糖、
1,2,4−メンタトリオール、グリセリン、2−メチ
ルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタ
ントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン
が使用できる。
【0108】非線状ポリエステル樹脂のガラス転移温度
は、好ましくは40〜90℃、より好ましくは45〜8
5℃であり、さらに数平均分子量(Mn)は、好ましく
は1,500〜100,000、より好ましくは2,0
00〜40,000であり、重量平均分子量(Mw)
は、好ましくは3,000〜200,000、より好ま
しくは4,000〜180,000である。
【0109】ポリエステル樹脂のカルボキシル基のみを
式(1)に示すアルキルアルコール又は式(4)に示す
物質αにて変性させる場合は、ポリエステル樹脂の酸価
は好ましくは2以上100以下、より好ましくは5以上
80以下であることが良く、OH価は好ましくは50以
下、より好ましくは30以下であることが良い。
【0110】酸価が2未満であると、変性率が低く、変
性による本発明における効果が小さいか殆どない為であ
り、酸価が100より大きい場合、或いはOH価が50
より大きい場合は、トナーにしたときの帯電特性におい
て、環境依存性が大きくなる為である。
【0111】同様の理由により、ポリエステル樹脂のカ
ルボキシル基及び水酸基の両方を共に式(1)に示すア
ルキルアルコール又は式(4)に示す物質αにて変性さ
せる場合は、酸価、OH価は共に好ましくは2以上10
0以下、より好ましくは5以上80以下であることが良
い。
【0112】さらに、同様の理由により、ポリエステル
樹脂の水酸基のみを式(1)に示すアルキルアルコー
ル、式(4)で示す物質α又は式(5)で示すアルキル
モノカルボン酸にて変性させる場合は、ポリエステル樹
脂のOH価は好ましくは2以上100以下、より好まし
くは5以上80以下であることが良く、酸価は好ましく
は50以下、より好ましくは30以下であることが良
い。
【0113】本発明において、ポリエステル樹脂を式
(1)で示すアルキルアルコール、式(4)で示す物質
α又はアルキルモノカルボン酸の如き炭素数24乃至2
52の長鎖アルキル基と、末端に水酸基或いはカルボキ
シル基とを有する化合物(変性用化合物)により変性さ
せる方法としては、次の様な方法が挙げられる。
【0114】(i) ポリエステル樹脂を合成する際
に、多価の酸及び多価のアルコールと共に、上記の変性
用化合物を仕込み、リン酸カルシウム、塩化第二鉄、塩
化亜鉛、スズやチタンの有機金属塩、酸化スズの如き触
媒を用い、160〜270℃の温度にて減圧下、或いは
溶媒を用いて共沸蒸留させながら生成した水を除去しつ
つ、変性ポリエステル樹脂を得る方法。
【0115】(ii) ポリエステル樹脂を合成した後
に、ポリエステル樹脂中の未反応カルボキシル基及び/
又は未反応水酸基と上記の変性用化合物とを反応させる
方法として、前記した同様の触媒を用いて160〜27
0℃の温度にて、減圧下、或いは溶剤を用いて共沸蒸留
させながら、生成した水を除去しつつ、ポリエステル樹
脂と、上記変性用化合物とを反応させ変性する方法。
【0116】(iii) ポリエステル樹脂中の未反応
水酸基と反応させる方法として、溶剤及びジイソシアネ
ートを用いて、60〜200℃にてポリエステル樹脂
と、上記の変性用化合物とを反応させ、変性する方法が
挙げられる。
【0117】ポリエステル樹脂を上記の変性用化合物で
変性させる方法として、ポリエステル樹脂中の未反応カ
ルボキシル基、或いは未反応水酸基と反応させる方法を
挙げたが、これらの方法の中では、ポリエステル樹脂を
合成する際に同時に変性させる方法が最も好ましい。こ
れは、ポリエステル樹脂を合成する際に、同時に変性さ
せることにより変性反応が、速やかに行われ、分子量の
調整が容易であり、変性率も高くすることが可能になる
ためである。この方法により得られた変性ポリエステル
樹脂に於いては、ポリエステル部分がマトリックス(或
いはドメイン)、変性用化合物のアルキル鎖部分がドメ
イン(或いはマトリックス)といったマトリックス−ド
メイン構造を有し、かつ、ドメインが、非常に小さく均
一に分散したものになるからである。ジイソシアネート
を用いる方法に於いては、アルコール同志で反応するこ
ともあり、好ましくは前者の方法で変性させることが良
い。
【0118】本発明において、前述の(i)乃至(ii
i)の方法によってポリエステル樹脂に上記変性用化合
物を変性させる際には、配合した変性用化合物の全てが
ポリエステル樹脂に対して変性されるものではないこと
から、上記の変性量でポリエステル樹脂を変性するため
には、変性用化合物を以下の配合量でポリエステル樹脂
を変性することが好ましい。
【0119】前述の(i)の多価の酸及び多価のアルコ
ールと共に上記変性用化合物を仕込み、ポリエステル樹
脂を合成する際に同時に変性させる方法の場合には、多
価の酸及び多価のアルコールの総量100重量部に対し
て変性用化合物は、好ましくは0.1乃至150重量
部、より好ましくは5乃至100重量部、さらに好まし
くは10乃至60重量部用いることが良い。
【0120】前述の(ii)又は(iii)のポリエス
テル樹脂を合成した後のポリエステル樹脂中の未反応カ
ルボキシル基又は未反応水酸基と上記変性用化合物を変
性させる方法の場合には、ポリエステル樹脂100重量
部に対して変性用化合物は、好ましくは0.1乃至15
0重量部、より好ましくは5乃至100重量部、さらに
好ましくは10乃至60重量部を用いることが良い。
【0121】また、本発明において、変性されたポリエ
ステル樹脂のTgは、好ましくは25〜75℃、より好
ましくは30〜70℃であることが良い。
【0122】さらに変性されたポリエステル樹脂は、数
平均分子量(Mn)が、好ましくは2,000〜50,
000、より好ましくは2,500〜50,000であ
り、重量平均分子量(Mw)が、好ましくは3,500
〜50,000、より好ましくは4,000〜20,0
00であることが良い。
【0123】さらに変性されたポリエステル樹脂は、酸
価が好ましくは1〜60、より好ましくは5〜45であ
り、OH価が1〜60、より好ましくは11〜40であ
ることが本発明に於ける効果をより発揮できることから
良い。
【0124】また、変性されたポリエステル樹脂中の長
鎖アルキル基を有するアルコール、長鎖アルキルカルボ
ン酸の含有率は、主結着樹脂中0.05〜30重量%、
好ましくは0.1〜25重量%であることが良い。
【0125】変性されたポリエステル樹脂中の長鎖アル
キル基を有するアルコール、長鎖アルキルカルボン酸の
含有率が、主結着樹脂中0.05重量%未満であると、
未反応長鎖アルキル基を有するアルコール、長鎖アルキ
ルカルボン酸、離型剤、荷電制御剤、着色剤の分散が悪
くなり、従って前述した様に、トナーの帯電が不均一に
なり画質低下を起こすと共に、貯蔵弾性率G’の1〜5
0%歪みでの変化率が50%より大きくなりやすい。こ
れは、ポリエステル樹脂を主結着樹脂として用いた場
合、ポリエステル樹脂中の低分子量分の極性が強い為
に、分散があまり良くないことによりおこるものであ
る。特にトナー製造時に分級微粉再利用をすると、分散
が悪いため前述したように分子鎖切断がおこり、さら
に、分散状態の悪化をまねき画質は低レベルのものとな
る。
【0126】また、変性されたポリエステル樹脂中の長
鎖アルキル基を有するアルコール、長鎖アルキルカルボ
ン酸の含有率が、主結着樹脂中30重量%を超えると、
前記した荷電制御剤等の分散性は良いが、ポリエステル
樹脂中の変性アルキル部の帯電が弱い為、逆にトナーの
帯電量を下げ、画質を低下させる。さらに、この場合、
トナー製造時に於ける粉砕性が悪く、トナーの微粒子化
が困難となる。
【0127】また、結着樹脂中の長鎖アルキルカルボン
酸の反応及び未反応分の含有率(離型剤も含む)は、全
結着樹脂中、好ましくは0.1〜30重量%、より好ま
しくは0.5〜20重量%であることが良い。
【0128】全結着樹脂中の反応・未反応長鎖アルキル
基を有するアルコール、長鎖アルキルカルボン酸の含有
率が0.1重量%未満であると、前述したように荷電制
御剤等の分散性向上効果がなく、トナーの帯電が不均一
になり画質劣化をおこしたり、十分な離型効果が得られ
ず、オフセット現象が発生し易くなる。
【0129】また、全結着樹脂中の反応・未反応長鎖ア
ルキル基を有するアルコール、長鎖アルキルカルボン酸
の含有率が30重量%を超えると、反応・未反応長鎖ア
ルキル基を有するアルコール、長鎖アルキルカルボン酸
のアルキル部分が多くなる為に、前記同様、トナーの帯
電性を低下させ、画質劣化を招くことになる。
【0130】ここで、全結着樹脂とは、主結着樹脂成分
であるポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂、未反
応の長鎖アルキル基を有するアルコール、長鎖アルキル
カルボン酸、離型剤等の現像剤中、熱キシレンに溶解す
る樹脂成分のことであり、主結着樹脂とは、THFに可
溶な樹脂であり、主にポリエステル樹脂及び変性ポリエ
ステル樹脂である。
【0131】本発明の目的である150℃,1〜50%
歪みでの貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”の変化率を
50%以下にする為には、トナーを構成する結着樹脂の
特性が重要である。この様な特性を有するトナー用結着
樹脂としての特徴は、数平均分子量が1,000〜5
0,000、好ましくは2,000〜20,000であ
る比較的低分子量の樹脂及び架橋点間距離の長いゲルを
有することである。結着樹脂として、上記の特徴を有す
る樹脂を用い、トナーをつくるときに、ゲルを切断し
て、分岐鎖長の長い高分子量分をつくり、かつ、変性ポ
リエステル樹脂を用いることにより、目的は達成され
る。
【0132】この様にゲルを切断して得られたトナーに
おいて、ポリエステル樹脂を主結着樹脂として用いた場
合、その数平均分子量Mn1,000〜50,000、
好ましくは1,500〜20,000であり、重量平均
分子量Mw20,000〜2,000,000、好まし
くは40,000〜1,500,000である。また、
ガラス転移点(Tg)は40〜80℃、好ましくは45
〜65℃である。
【0133】これは以下の理由によるものと考えられ
る。
【0134】分子量が同じで架橋点間距離の異なる2種
の樹脂を切断し、高分子量分をつくる場合を考えると、
架橋点間距離の長いものは分岐鎖長の長いものとなる。
従って、低分子量の樹脂との混合によってトナーをつく
る場合、この分岐鎖長が、低分子量樹脂との相互作用に
大きな影響を与えるものと考えられる。つまり、分岐鎖
長の長い樹脂が存在することにより、低分子量樹脂との
からみ合いが、分岐鎖長の短い樹脂の場合と比べてより
強いものとなる。よって、この様な構成にトナーをする
ことにより本発明の目的である150℃,1〜50%歪
みでの貯蔵弾性率G’、及び損失弾性率G”の変化率を
50%以下にすることが可能となる。また、前述した架
橋点間距離の短い高分子により、直鎖状高分子に近いも
の或いは直鎖状高分子及び低分子量分がトナーを構成す
る場合は、低分子量分と高分子量分とのからみ合いが弱
い為に、前記変化率を50%以下にすることは困難であ
る。
【0135】本発明における主結着樹脂成分であるポリ
エステル樹脂は、前記したアルコール類、酸類を用いて
合成される。
【0136】ポリエステル樹脂において、架橋点間距離
の長いゲルをつくる方法としては、 線状ポリエステル或いはゲル分の少ないポリエステル
を合成した後、3価以上のアルコール或いは酸を添加
し、縮重合させる方法、縮重合反応活性の違いを利用
して、3価以上のアルコール或いは酸を用いてゲル分の
少ないポリエステルを合成した後、これとは別に、合成
した線状ポリエステル或いは非線状ポリエステル及び/
又は3価以上のアルコール或いは酸を混合し、さらに縮
重合させる方法、線状或いはゲル分の少ない非線状ポ
リエステル及び法でポリエステルをそれぞれ合成し、
粉体ブレンド(粉体の粒度は、ふるいなどでそれぞれ同
程度に揃えたものを用いる。)或いは、溶融ブレンドす
る方法などが挙げられる。
【0137】また、本発明のトナーにおいて、その主結
着樹脂であるポリエステル樹脂の酸価は、2.5〜80
mgKOH/g、より好ましくは、5〜60mgKOH
/g、さらに好ましくは10〜50mgKOH/gが良
く、OH価は80以下、より好ましくは70以下、さら
に好ましくは60以下であることが良い。
【0138】本発明においてゲルを切断して分岐鎖長の
長い高分子量分をつくる方法としては、二軸混練機,エ
クストルーダー,加圧ニーダー等の装置で溶融混練する
方法が挙げられる。
【0139】本発明の静電荷像現像用トナーは、その帯
電性をさらに安定化させる為に必要に応じて荷電制御剤
を用いることができる。荷電制御剤は、結着樹脂100
重量部当り0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5
重量部使用するのが好ましい。
【0140】今日、当該技術分野で知られている荷電制
御剤としては、以下のものが挙げられる。
【0141】トナーを負荷電性に制御するものとして、
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効である。モ
ノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、金属錯
体、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体が挙げられる。他
には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及び
ポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、
ビスフェノールのフェノール誘導体類が挙げられる。
【0142】正帯電性のトナーをつくる場合には、正帯
電性を示す荷電制御剤として、ニグロシンやトリフェニ
ルメタン系化合物、ローダミン系染料、ポリビニルピリ
ジン等を用いてもかまわない。また、カラートナーをつ
くる場合に於ては、正帯電性を示すメタクリル酸ジメチ
ルアミノメチルなどの含アミノカルボン酸エステル類を
モノマーとして0.1〜40mol%好ましくは1〜3
0mol%含有させた結着樹脂を用いるか、あるいは、
トナーの色調に影響を与えない無色又は淡色の正荷電制
御剤を用いてもかまわない。正荷電制御剤としては、例
えば構造式(A)、(B)で示される四級アンモニウム
塩などが挙げられる。
【0143】
【化9】
【0144】
【化10】
【0145】構造式(A)及び(B)で示される四級ア
ンモニウム塩の中でも構造式(A)−1,−2,構造式
(B)−1で表わされる正荷電制御剤を使用すること
が、環境依存の少ない良好な帯電性を示すことから好ま
しい。
【0146】
【化11】
【0147】
【化12】
【0148】
【化13】
【0149】また正帯電性トナーにおいて結着樹脂の樹
脂成分として、正帯電特性を示す、メタクリル酸ジメチ
ルアミノメチルなどの含アミノカルボン酸エステル類を
用いる場合、正荷電制御剤又は負荷電制御剤を必要に応
じて使用する。
【0150】正帯電性トナーに於て樹脂成分として正帯
電特性を示すメタクリル酸ジメチルアミノメチルなどの
含アミノカルボン酸エステル類を用いない場合は、正荷
電制御剤を結着樹脂100重量部に対して0.1〜15
重量部、好ましくは、0.5〜10重量部使用すること
が望ましい。また含アミノカルボン酸エステル類を用い
る場合は、環境依存性の少ない良好な帯電性をもたせる
目的で必要に応じて、正荷電制御剤及び/又は負荷電制
御剤を結着樹脂100重量部に対して0〜10重量部好
ましくは0〜8重量部用いることが望ましい。
【0151】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネ
タイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄、及び他
の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのような
金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,P
b,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,C
d,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との
合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0152】磁性材料としては、従来、四三酸化鉄(F
34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜鉛
(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe
512)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄
ガドリニウム(Gd3Fe5−O12)、酸化鉄銅(CuF
24)、酸化鉄鉛(PbFe12−O19)、酸化鉄ニッ
ケル(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe
23)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マ
グネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnF
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(F
e)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が知
られているが、本発明によれば、上述した磁性材料を単
独で或いは2種以上の組合せで選択使用する。本発明の
目的に特に好適な磁性材料は四三酸化鉄又はγ−三二酸
化鉄の微粉末である。
【0153】これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2
μm程度で、10Kエルステッド印加での磁気特性が抗
磁力20〜150エルステッド飽和磁化50〜200e
mu/g(好ましくは50〜100emu/g)、残留
磁化2〜20emu/gのものが望ましい。
【0154】結着樹脂100重量部に対して、磁性体1
0〜200重量部、好ましくは20〜150重量部使用
するのが良い。
【0155】また、一成分,二成分を問わず着色剤とし
ては、カーボンブラック,チタンホワイト、あらゆる顔
料及び/又は染料を用いることができる。例えば本発明
のトナーを磁性カラートナーとして使用する場合には、
染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.
ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.
I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド3
0、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクト
ブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッ
ドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.
ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、
C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグ
リーン4、C.I.ベーシックグリーン6等がある。顔
料としては、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファ
ストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエロー
S、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、
タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、
パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベ
ンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネント
レッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシ
ンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、フ
ァストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺
青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリ
アブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストス
カイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリー
ン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグ
リーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等があ
る。
【0156】また、本発明のトナーを二成分フルカラー
用トナーとして使用する場合には、次の様なものが挙げ
られる。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメ
ントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,1
0,11,12,13,14,15,16,17,1
8,19,21,22,23,30,31,32,3
7,38,39,40,41,48,49,50,5
1,52,53,54,55,57,58,60,6
3,64,68,81,83,87,88,89,9
0,112,114,122,123,163,20
2,206,207,209、C.I.ピグメントバイ
オレット19、C.I.バットレッド1,2,10,1
3,15,23,29,35等が挙げられる。
【0157】かかる顔料を単独で使用しても構わない
が、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方が
フルカラー画像の画質の点からより好ましい。かかるマ
ゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,
3,8,23,24,25,27,30,49,81,
82,83,84,100,109,121、C.I.
ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレッ
ト8,13,14,21,27、C.I.ディスパース
バイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッ
ド1,2,9,12,13,14,15,17,18,
22,23,24,27,29,32,34,35,3
6,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイ
オレット1,3,7,10,14,15,21,25,
26,27,28等の塩基性染料が挙げられる。
【0158】その他の着色顔料として、シアン用着色顔
料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,
16,17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッ
ドブルー45又は化3式で示される構造を有するフタロ
シアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換し
た銅フタロシアニン顔料等である。
【0159】
【化14】
【0160】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
等が挙げられる。
【0161】尚、着色剤の使用量は結着樹脂100重量
部に対して、0.1〜60重量部好ましくは0.5〜5
0重量部である。
【0162】また、本発明に於て、必要に応じて一種又
は二種以上の離型剤を、トナー中に含有させてもかまわ
ない。
【0163】本発明に用いられる離型剤としては次のも
のが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリ
プロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィ
ンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また、酸
化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワック
スの酸化物、または、それらのブロック共重合物;カル
ナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステル
ワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス
類、及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類
を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸など
の、飽和直鎖脂肪酸類、ブランジン酸、エレオステアリ
ン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリル
アルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコー
ル、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリ
シルアルコールなどの飽和アルコール類、ソルビトール
などの多価アルコール類、リノール酸アミド、オレイン
酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類、メ
チレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン
酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチ
レンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミ
ド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレン
ビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン
酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなど
の、不飽和脂肪酸アミド類、m−キシレンビスステアリ
ン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミ
ドなどの芳香族系ビスアミド類、ステアリン酸カルシウ
ム、ラウリン酸カルシウム、ス脂肪族炭化水素系ワック
スとしては、例えばアルキレンを高圧下でラジカル重合
あるいは低圧下でチーグラー触媒で重合した低分子量の
アルキレンポリマー、高分子量のアルキレンポリマーを
熱分解して得られるアルキレンポリマー、一酸化炭素、
水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化
水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得
られる合成炭化水素などのワックスがよい。更に、プレ
ス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式によ
り炭化水素ワックスの分別を行ったものがより好ましく
用いられる。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触
媒(多くは2種以上の多元系)を使用した、一酸化炭素
と水素の反応によって合成されるもの、例えばジントー
ル法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)、あるいは
ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(固定触媒
床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭
化水素や、エチレンなどのアルキレンをチーグラー触媒
により重合した炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽
和の長い直鎖状炭化水素であるので好ましい。特にアル
キレンの重合によらない方法により合成されたワックス
がその分子量分布からも好ましいものである。
【0164】また分子量分布では、分子量400〜24
00の領域に、好ましくは450〜2000、特に好ま
しくは500〜1600の領域にピークが存在すること
が良い。このような分子量分布を持たせることによりト
ナーに好ましい熱特性を持たせることができる。
【0165】本発明に用いられる離型剤の量は、結着樹
脂100重量部あたり0.1〜20重量部、好ましくは
0.5〜10重量部が望ましい。
【0166】また、これらの離型剤は、通常、樹脂を溶
剤に溶解し、樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら添加混
合する方法や、混練時に混合する方法で結着樹脂に含有
させられる。
【0167】本発明に用いられる負帯電性流動化剤とし
ては、着色剤含有樹脂粒子に添加することにより、流動
性が添加前後を比較すると増加し得るものであれば、ど
のようなものでも使用可能である。例えば、フッ化ビニ
リデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末等の
フッ素系樹脂粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等
の微粉末シリカ、それらシリカをシランカップリング
剤、チタンカップリング剤、シリコンオイル等により表
面処理を施した処理シリカ等がある。
【0168】好ましい流動化剤としては、ケイ素ハロゲ
ン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、
いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称される
もので、従来公知の技術によって製造されるものであ
る。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱
分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次
の様なものである。
【0169】 SiCl2 +2H2 +O2 →SiO2 +4HCl
【0170】また、この製造工程において、例えば塩化
アルミニウム又は塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物
をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリ
カと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であ
り、それらも包含する。その粒径は、平均の一次粒径と
して、0.001〜2μmの範囲内であることが望まし
く、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範囲内
のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0171】本発明に用いられるケイ素ハロゲン化合物
の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体とし
ては、例えば以下の様な商品名で市販されているものが
ある。
【0172】 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社)
【0173】さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相
酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処
理シリカ微粉体を用いることがより好ましい。該処理シ
リカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定
された疎水化度が30〜80の範囲の値を示すようにシ
リカ微粉体を処理したものが特に好ましい。
【0174】疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応
あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処
理することによって付与される。好ましい方法として
は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成され
たシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0175】そのような有機ケイ素化合物の例は、ヘキ
サメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルク
ロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジク
ロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチル
クロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジ
ルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロル
シラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロ
ルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロ
ルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチ
ルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレー
ト、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエ
トキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジ
ビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニル
テトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12
個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞ
れ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポ
リシロキサン等がある。これらは1種あるいは2種以上
の混合物で用いられる。
【0176】本発明に用いられる正帯電性流動化剤とし
ては、前述した乾式法シリカを、次に挙げるアミノ基を
有するカップリング剤或いは、シリコーンオイルで処理
したものを用いる。
【0177】
【化15】
【0178】
【化16】
【0179】シリコーンオイルとしては一般に次式の側
鎖にアミノ基を有する部分構造を具備しているアミノ変
性シリコーンオイルなどが用いられる。
【0180】
【化17】
【0181】(ここでR1は水素、アルキル基、アリー
ル基、又はアルコキシ基を表わし、R2はアルキレン
基、フェニレン基を表わし、R3,R4は水素、アルキル
基或いはアリール基を表わす。但し、上記アルキル基、
アリール基、アルキレン基、フェニレン基はアミンを含
有していても良いし、また帯電性を損ねない範囲でハロ
ゲン等の置換基を有していても良い。m及びnは正の整
数を示す。)
【0182】そのようなアミノ基を有するシリコーンオ
イルとしては例えば以下のものがある。
【0183】 25℃における粘度 アミン当量 商品名 (cps) SF8417(トーレ・シリコーン社製) 1200 3500 KF393 (信越化学社製) 60 360 KF857 (信越化学社製) 70 830 KF860 (信越化学社製) 250 7600 KF861 (信越化学社製) 3500 2000 KF862 (信越化学社製) 750 1900 KF864 (信越化学社製) 1700 3800 KF865 (信越化学社製) 90 4400 KF369 (信越化学社製) 20 320 KF383 (信越化学社製) 20 320 X−22−3680(信越化学社製) 90 8800 X−22−380D (信越化学社製) 2300 3800 X−22−3801C(信越化学社製) 3500 3800 X−22−3810B(信越化学社製) 1300 1700
【0184】なお、アミン当量とは、アミン1個あたり
の当量(g/eqiv)で、分子量を1分子あたりのア
ミン数で割った値である。
【0185】本発明に用いられる流動化剤は、BET法
で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以
上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を
与える。トナー100重量部に対して流動化剤0.01
〜8重量部、好ましくは0.1〜4重量部使用するのが
良い。
【0186】本発明の静電荷像現像用トナーを作製する
には結着樹脂、着色剤及び/又は磁性体、荷電制御剤ま
たはその他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミ
ルの如き混合機により充分混合し、ニーダー、エクスト
ルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉し
て樹脂類を互いに相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化後
に固化物を粉砕し、粉砕物を分級して本発明のトナーを
得ることができる。
【0187】さらに、トナーと同極性に帯電する流動化
剤とトナーをヘンシェルミキサーの如き混合機により充
分混合し、トナー粒子表面に添加剤を有する本発明の静
電荷像現像用現像剤を得ることができる。
【0188】以下に本発明のトナーに係る物性値の測定
方法を示す。
【0189】(1)貯蔵弾性率G’,損失弾性率G”の
1〜50%歪みでの変化率の測定
【0190】現像剤を加圧成型器(圧力150kg/c
2,5分)にて、径25mmφ,厚さ2mm成型し、
測定サンプルをつくる。
【0191】G’,G”の測定は、ダイナミックアナラ
イザーRDA II(レオメトリックス社製)で、25
mmφパラレルプレートを用い、正弦波振動により行っ
た。測定温度は150℃,周波数は1Hzである。歪み
γ%を100%〜102%まで順次行い、そのときの
G’,G”を測定した。変化率γG',γG"は前述した式
より求めた。
【0192】(2)ガラス転移温度Tg
【0193】示差熱分析測定装置(DSC測定装置),
DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM
D3418−82に準じて測定する。
【0194】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0195】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。
【0196】主結着樹脂のTgは、トナーを試料として
測定する。トナーの場合、この昇温過程で、温度40〜
80℃の範囲に主結着樹脂成分であるポリエステル樹脂
に起因するピークと、70〜140℃の範囲に変性反応
・未反応の長鎖アルキルアルコール或いはカルボン酸
(離型剤を含む)に起因する吸熱ピークが得られる(図
2)。
【0197】このときの主結着樹脂に起因する吸熱ピー
クが出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差
熱曲線との交点を本発明に於るガラス転移温度Tgとす
る。
【0198】(3)融点mp(長鎖アルキルアルコー
ル,長鎖アルキルカルボン酸)
【0199】試料は原材料を用いるか、次に述べる方法
でトナーより得られた未反応長鎖アルキルアルコール或
いはカルボン酸を用いる。測定はガラス転移温度と同様
に行う。70〜140℃の範囲に吸熱ピークが得られ
る。その時の温度を融点mpとする。
【0200】(4)変性ポリエステル樹脂中の長鎖アル
キル基を有するアルコール,長鎖アルキルカルボン酸の
全結着樹脂中含有率、及び全結着樹脂中の未反応・反応
長鎖アルキル基を有するアルコール,長鎖アルキルカル
ボン酸含有量の測定試料の調製
【0201】(A)主結着樹脂(ポリエステル樹脂及び
変性ポリエステル樹脂)、未反応長鎖アルキルアルコー
ル、及びカルボン酸(離型剤も含む)の分別サンプルト
ナー約0.5gを秤量し、円筒ろ紙(例えばNo.86
Rサイズ28×100mm東洋ろ紙社製)に入れて、1
20℃以上に加熱したキシレンを500ml以上滴下す
る。滴下終了後、ろ液のキシレンをエバポレータでとば
し、真空乾燥する。
【0202】次に、乾燥したサンプルを秤量し、円筒ろ
紙に入れて、ソックスレー抽出器にかける(図1)。図
1において、容器15に入っているTHF14は、ヒー
タ22で加熱され気化し、気化したTHFは管21を通
って冷却器18に導かれる。冷却器18は、冷却水19
で常時、冷却されている。冷却器18で冷却されて液化
したTHFは円筒ろ紙16を有する貯留部にたまり、T
HFの液面が中管17よりも高くなると、貯留部からT
HFが容器15に排出される。円筒ろ紙に入っているト
ナー又は樹脂は、循環するTHFによって抽出処理され
る。
【0203】具体的には、溶媒としてテトラハイドロフ
ラン(THF)200mlを用いて、12時間抽出す
る。このとき、THFの抽出サイクルが約4分〜5分に
一回になるような還流速度で抽出を行う。抽出終了後、
円筒ろ紙を取り出し、乾燥し、未反応長鎖アルキルアル
コール或いはカルボン酸を得る。ろ液を乾燥し、主結着
樹脂成分及び変性ポリエステル樹脂の混合物を得る。
【0204】(B)変性ポリエステル樹脂中長鎖アルキ
ルアルコール,長鎖アルキルカルボン酸の主結着樹脂中
含有率
【0205】DSC(例えばパーキンエルマー社製のD
SC−7を用いる)にて、未反応長鎖アルキルアルコー
ル或いは長鎖アルキルカルボン酸成分と、主結着樹脂成
分及び変性ポリエステル樹脂の混合物の吸熱ピークを測
定する。
【0206】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/min、
温度0〜200℃の範囲で降温、昇温させ測定する。こ
の方法により、測定された変性成分の吸熱ピークの面積
を測定試料の重量で割った値△H(J/Kg)を求める
(図2)。
【0207】変性ポリエステル樹脂中長鎖アルキル基を
有するアルコール,長鎖アルキルカルボン酸の主結着樹
脂中の含有率CR(%)は下式によって求める。 CR=(△HR/△Ha)×100 △HR:主結着樹脂成分及び変性ポリエステル樹脂混合
物の△H △Ha:未反応長鎖アルキル基を有するアルコール或い
は長鎖アルキルカルボン酸成分の△H
【0208】(C)全結着樹脂中の反応・未反応長鎖ア
ルキル基を有するアルコール、長鎖アルキルカルボン酸
(離型剤も含む)含有率
【0209】全結着樹脂中の反応・未反応長鎖アルキル
基を有するアルコール,長鎖アルキルカルボン酸含有率
t (重量%)は下式によって求める。
【0210】 Ct ={(a+b×CR )/(a+b)}×100 a:未反応長鎖アルキル基を有するアルコール或いは長
鎖アルキルカルボン酸(含、離型剤)量(Kg) b:主結着樹脂(含、変性ポリエステル樹脂)量(K
g)
【0211】(5)酸価・OH価の測定法
【0212】主結着樹脂及び長鎖アルキル基を有するア
ルコール,長鎖アルキルカルボン酸の酸価・OH価は、
前記(4)の(A)で分別したものを用いる。
【0213】(A)酸価について
【0214】試料を秤量し、混合溶媒に溶かし水を加え
る。この液をガラス電極を用いてO.1N−NaOHで
電位差滴定を行い酸価を求める(JIS K1557−
1970に準ずる。)。長鎖アルキルカルボン酸の場合
は、加熱して溶解させた状態で行う。
【0215】(B)OH価について
【0216】試料を100mlのナスフラスコに精秤
し、キシレンを50ml加え、120℃のオイルバスで
溶解する。ブランクとしてキシレン50mlを別のナス
フラスコに取り、以下同様の操作を行う。
【0217】溶解後、無水酢酸/ピリジン(1/4)の
混合液を5ml添加する。3時間以上加熱した後、オイ
ルバス温度を80℃にし、少量の蒸留水を添加し、2時
間保つ。その後放冷し、少量の有機溶剤でフラスコ壁を
よく洗う。フェノールフタレイン(メタノール溶液)指
示薬を加え、1/2N KOH/メタノール滴定液で、
電位差滴定を行い、下式よりOH価を求める。 OH価=28.05×f×(Tb−TS)/S+A S:サンプル量(g) TS :サンプル滴定量(ml) Tb :ブランク滴定量(ml) f:滴定液ファクター A:試料の酸価
【0218】(6)分子量の測定(樹脂)
【0219】GPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィ)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測
定される。
【0220】すなわち、40℃のヒートチャンバー中で
カラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒
としてTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流
速で流す。試料が樹脂の場合は、樹脂をロールミルで素
通し(130℃,15分)したものを用いる(主結着樹
脂成分の場合で、変性ポリエステル樹脂の場合はロール
ミルを通さずにそのままTHFに溶解して用いる。)。
また、主結着樹脂の場合は、現像剤をTHFに溶解後
0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として
用いる。試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整
した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して
測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有す
る分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料に
より作製された検量線の対数値とカウント数との関係か
ら算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料とし
ては、例えば、Pressure Chemical
Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×
102,2.1×103,4×103,1.75×104
5.1×104,1.1×105,3.9×105,8.
6×105,2×106,4.48×106のものを用
い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用
いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)
検出器を用いる。
【0221】なお、カラムとしては、103〜2×106
の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチ
レンゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Wa
ters社製のμ−styragel 500,1
3,104,105の組合せや、昭和電工社製のsho
dex KA−801,802,803,804,80
5,806,807の組合せが好ましい。
【0222】(7)分子量分布の測定(長鎖アルキル基
を有するアルコール,長鎖アルキルカルボン酸)
【0223】(GPC測定条件) 装置 :GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度 :135℃ 溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール
添加) 流速 :0.1ml/min 試料((4)のAで分別したものを用いる):0.15
%の試料を0.4ml注入
【0224】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Hou
wink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン
換算することによって算出される。
【0225】
【実施例】以下製造例及び実施例によって本発明を説明
する。
【0226】(樹脂製造例1) テレフタル酸 18mol% n−ドデセニル無水コハク酸 15mol% アジピン酸 10mol% 無水トリメリット酸 5mol% 式(I)で表わされるビスフェノール誘導体 52mol% (R:プロピレン基でx+y=2.2) これらを縮合重合して、Mn=3000,Mw=160
00,Tg=56℃,酸価=35,OH価=20のポリ
エステルを得た。ここで得られたポリエステルを樹脂A
とする。
【0227】次に、 イソフタル酸 20mol% n−ドデセニル無水コハク酸 10mol% フマル酸 10mol% 無水トリメリット酸 6mol% 式(I)で表わされるビスフェノール誘導体 51mol% (R:プロピレン基でx+y=2.2) これらを縮合重合して、Mn=9000,Mw=680
00,Tg=62℃,酸価=25,OH価=10のポリ
エステルを得た。ここで得られたポリエステルを樹脂B
とする。
【0228】さらに 樹脂A 100重量部 樹脂B 100重量部 無水トリメリット酸 10重量部 これらを縮合重合して、Tg=58℃,酸価=30,O
H価=20のポリエステルを得た。ここで得られたポリ
エステルを樹脂Iとする。
【0229】この樹脂をロールミルで素通しし、分子量
を測定したところ、Mn=4500,MW=12000
00であった。
【0230】(樹脂製造例2) テレフタル酸 32mol% フマル酸 20mol% 式(I)で表わされるビスフェノール誘導体 (R:プロピレン基でx+y=2.2) 28mol% (R:エチレン基でx+y=2.2) 30mol% これらを縮合重合した後、無水トリメリット酸を全成分
中20mol%になるように添加し、さらに縮合重合
し、Tg=60℃,酸価=20,OH価=10のポリエ
ステルを得た。ここで得られたポリエステルを樹脂II
とする。樹脂Iと同様に分子量を測定したところ、Mn
=3500,Mw=1000000であった。
【0231】(樹脂製造例3) 樹脂A 樹脂II を、それぞれ粉砕した後ふるいにかけ、60mesh〜
200meshの粒径のものを100重量部づつ秤量
し、ヘンシェルミキサーで混合したものを樹脂IIIと
する。
【0232】以下、組成を変えた以外は同様の方法で、
表1に示したポリエステル樹脂を得た。
【0233】エチレンをチーグラー触媒を用いて重合し
重合終了後、酸化して、触媒金属っとポリエチレンとの
アルコキシドを生成する。この後、加水分解することに
より、長鎖アルキルアルコールα−1を得た。
【0234】また、重合条件を変えることにより、表2
に示した長鎖アルキルアルコールα−2〜9及び、長鎖
アルキルアルコールを酸化して長鎖アルキルカルボン酸
β−1〜3を得た。
【0235】 (変性ポリエステル樹脂(1)の製造) 下記(I)式で表されるビスフェノール誘導体 360重量部
【0236】
【化18】
【0237】 (Rがプロピレン基であるもの) テレフタル酸 115重量部 ドデセニルコハク酸 75重量部 下記式(1)で表されるアルキルアルコール(α−1) 135重量部 CH3(CH2XCH2OH ・・・(1) (x=48,Mw/Mn=1.2) これらを縮合重合反応と同時に変性反応を行い、Mn=
6000、Mw=12000、Tg=57℃、酸価=2
0、OH価=18の変性ポリエステル樹脂(1)を得
た。
【0238】 (変性ポリエステル樹脂(2)の製造) 上記で得られた変性ポリエステル樹脂(1) 100重量部 に 無水トリメリット酸 10重量部 を加え縮合重合させ、Mn=4500、Mw=1700
0、Tg=58℃、酸価=27、OH価=12の変性ポ
リエステル樹脂(2)を得た。
【0239】以下、表2に示した長鎖アルキルアルコー
ル,長鎖アルキルカルボン酸を用いて、ポリエステルの
組成及び分子量を変え、変性ポリエステル樹脂(1)或
いは(2)と同様の方法で変性反応を行い、表3に示し
た変性ポリエステル樹脂(1)〜(13)を得た。
【0240】
【表1】
【0241】
【表2】
【0242】
【表3】
【0243】実施例1 樹脂I 100重量部 変性ポリエステル樹脂(2) 20重量部 磁性酸化鉄 90重量部 (平均粒径0.15μm、Hc115エルステッド、 σs80emu/g、σr11emu/g) モノアゾ金属錯体(負荷電性制御剤) 2重量部
【0244】上記材料をヘンシェルミキサーで前混合し
た後、130℃で2軸混練押出機によって溶融混練を行
なった。混練物を放冷後、カッターミルで粗粉砕した
後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、更
に風力分級機を用いて分級し、重量平均粒径6.2μm
の磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対
し、疎水性乾式シリカ(BET300m2/g)1.0
重量部をヘンシェルミキサーにて外添添加して現像剤と
した。
【0245】この現像剤のγG',γG"はそれぞれ4.4
%,6.7%であった。この現像剤の他諸物性を、表4
に示した。
【0246】この現像剤を用いて、キヤノン製プリンタ
ーLBP−A404G改造機(速度25mm/sec)
キヤノン製複写機NP−8530の改造機(速度600
mm/sec)にて、画像性,定着性,オフセット性な
どを評価したところ、表6及び表7に示した様に良好な
結果が得られた。定着性においては従来のものより、低
速系,高速系共に定着領域の広いものであった。
【0247】実施例2〜21 結着樹脂,変性ポリエステル樹脂を表4に示した様に変
えた以外は実施例1と同様に行い、表6に示した様に、
良好な結果が得られた。また、2万枚複写後の粒度も初
期とほとんど変わりなく、良好な画像特性が得られた。
【0248】実施例22 実施例1で得た分級微粉 30重量部 樹脂I 100重量部 変性ポリエステル樹脂(2) 20重量部 磁性酸化鉄 90重量部 (平均粒径0.15μm、Hc115エルステッド、 σs80emu/g、σr11emu/g) モノアゾ金属錯体(負荷電性制御剤) 2重量部
【0249】上記材料を用いた以外は、実施例1と同様
に行い、表6,7に示した様に良好な結果を得た。
【0250】比較例1〜3,5 結着樹脂,変性ポリエステル樹脂を表5に示した様に変
えた以外は実施例1と同様に行い、表8,9に示した結
果を得た。
【0251】比較例4,6 比較例1,5で得られた分級微粉を用いた以外は、実施
例22と同様の方法で行い、表8,9に示した結果を得
た。
【0252】
【表4】
【0253】*1 γは低分子エチレン・プロピレン共
重合体(低圧下チーグラー触媒)分子量700を示す。 *2 実施例1で得られた分級微粉を30重量部混合
し、再度トナーにしたもの。
【0254】
【表5】
【0255】*1 γは低分子エチレン・プロピレ
ン共重合体(低圧下チーグラー触媒)分子量700を示
す。 *2,3 比較例1,5で得られた分級微粉を30重量
部混合し、再度トナーにしたもの。
【0256】
【表6】
【0257】 定着性は、1000枚通紙し100枚毎の画像を摺擦
し、そのときの濃度低下率で評価した。低温オフセット
は、低温,低湿環境下での定着性の評価を行った。高温
オフセットは、常温,常湿環境下で、100枚通紙し、
定着ローラークリーニングウェッブの汚れを観察し評価
した。定着開始温度は、定着器の温調を調節し、未定着
画像を通紙し、それを摺擦して濃度低下率を評価して求
めた。環境安定性は、高温(30℃)高湿(85%)下
で24時間放置後の画像で評価した。画像濃度はMac
beth RD918(マクベス社製)にて測定した。
【0258】
【表7】
【0259】 定着性は、1000枚通紙し100枚毎の画像を摺擦
し、そのときの濃度低下率で評価した。低温オフセット
は、低温,低湿環境下での定着性の評価を行った。高温
オフセットは、常温,常湿環境下で、100枚通紙し、
定着ローラークリーニングウェッブの汚れを観察し評価
した。定着開始温度は、定着器の温調を調節し、未定着
画像を通紙し、それを摺擦して濃度低下率を評価して求
めた。環境安定性は、高温(30℃)高湿(85%)下
で24時間放置後の画像で評価した。画像濃度はMac
beth RD918(マクベス社製)にて測定した。
【0260】
【表8】
【0261】 定着性は、1000枚通紙し100枚毎の画像を摺擦
し、そのときの濃度低下率で評価した。低温オフセット
は、低温,低湿環境下での定着性の評価を行った。高温
オフセットは、常温,常湿環境下で、100枚通紙し、
定着ローラークリーニングウェッブの汚れを観察し評価
した。定着開始温度は、定着器の温調を調節し、未定着
画像を通紙し、それを摺擦して濃度低下率を評価して求
めた。環境安定性は、高温(30℃)高湿(85%)下
で24時間放置後の画像で評価した。画像濃度はMac
beth RD918(マクベス社製)にて測定した。
【0262】
【表9】
【0263】 定着性は、1000枚通紙し100枚毎の画像を摺擦
し、そのときの濃度低下率で評価した。低温オフセット
は、低温,低湿環境下での定着性の評価を行った。高温
オフセットは、常温,常湿環境下で、100枚通紙し、
定着ローラークリーニングウェッブの汚れを観察し評価
した。定着開始温度は、定着器の温調を調節し、未定着
画像を通紙し、それを摺擦して濃度低下率を評価して求
めた。環境安定性は、高温(30℃)高湿(85%)下
で24時間放置後の画像で評価した。
【0264】画像濃度はMacbeth RD918
(マクベス社製)にて測定した。
【0265】
【発明の効果】本発明によれば、低速から高速複写機に
至るまで定着性を損なうことなく、耐オフセット性に優
れ、高濃度のコピー画像を得ることができる。また、微
粒子化してもハーフトーン部分において優れた定着性を
示し、良画質のコピー画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ソックスレー抽出に使用するソックスレー抽出
装置の一具体例を示す概略図である。
【図2】本発明におけるガラス転移温度Tgを説明する
ための図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 道上 正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有す
    る静電荷像現像用トナーにおいて、 該結着樹脂は、炭素数24乃至252の長鎖アルキル基
    と、末端に水酸基或いはカルボキシル基とを有する化合
    物で少なくとも一部が変性されたポリエステル樹脂を含
    有し、 150℃,1〜50%歪みでの下式で示される貯蔵弾性
    率G’、及び損失弾性率G”の変化率γが50%以下で
    あることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 γG'=(1−G’50%/G’1%)×100 γG"=(1−G”50%/G”1%)×100 γG' :150℃ 1〜50%歪みでの貯蔵弾性率
    G’の変化率 γG" :150℃ 1〜50%歪みでの損失弾性率
    G”の変化率 G’50%:150℃ 50%歪みでの貯蔵弾性率 G’1% :150℃ 1%歪みでの貯蔵弾性率 G”50%:150℃ 50%歪みでの損失弾性率 G”1% :150℃ 1%歪みでの損失弾性率
  2. 【請求項2】 該結着樹脂は、下記式(1) CH3(CH2XCH2OH ・・・(1) (式中、xは24乃至200の数を示す。)で表される
    アルキルアルコールで少なくとも一部が変性されたポリ
    エステル樹脂を有することを特徴とする請求項1記載の
    静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 該結着樹脂は、下記式(2) CH3(CH2nOH ・・・(2) (式中、nは25乃至200の数を示す。)で表される
    アルキルアルコールと、分子中にエポキシ基を1個有す
    る下記式(3) 【化1】 (式中、R’は水素原子、炭素数1乃至20の炭化水素
    基或いはR1−CH2−で示される基(R1はエーテル基
    又はエステル基を示す)を示す。)で表される化合物と
    を反応させた物質αで少なくとも一部が変性されたポリ
    エステル樹脂を有することを特徴とする請求項1記載の
    静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 該結着樹脂は、下記式(4) CH3(CH2YCH2COOH・・・(4) (式中、Yは24乃至200の数を示す。)で表される
    アルキルモノカルボン酸で少なくとも一部が変性された
    ポリエステル樹脂を有することを特徴とする請求項1記
    載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 該結着樹脂は、ポリエステル樹脂を合成
    する時に、(i)ポリオール、(ii)ポリカルボン酸
    及び(iii)炭素数24乃至250の長鎖アルキル基
    と、末端に水酸基或いはカルボキシル基とを有する化合
    物を用いて重縮合及びエステル反応させて調製された該
    化合物によって変性されたポリエステル樹脂を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  6. 【請求項6】 該結着樹脂は、ポリエステル樹脂を合成
    した後に、(i)ポリエステル樹脂中の未反応カルボキ
    シル基及び未反応水酸基の少なくともいずれか一方と、
    (ii)炭素数24乃至250の長鎖アルキル基と、末
    端に水酸基或いはカルボキシル基とを有する化合物とを
    エステル反応させて調製された該化合物によって変性さ
    れたポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求
    項1記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 【請求項7】 該結着樹脂は、ポリエステル樹脂を合成
    した後に、(i)ポリエステル樹脂中の未反応水酸基の
    みと、(ii)炭素数24乃至250の長鎖アルキル基
    と、末端に水酸基とを有する化合物とをジイソシアネー
    トを用いてウレタン反応させて調製された該化合物によ
    って変性されたポリエステル樹脂を含有することを特徴
    とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 150℃,1〜50%歪みでの貯蔵弾性
    率G’及び損失弾性率G”の変化率γが、40%以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  9. 【請求項9】 150℃,1〜50%歪みでの貯蔵弾性
    率G’及び損失弾性率G”の変化率γが、30%以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  10. 【請求項10】 150℃,1〜50%歪みでの貯蔵弾
    性率G’が1×102〜5×104Pa、損失弾性率G”
    が1×102〜5×104Paであることを特徴とする請
    求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 【請求項11】 150℃,1〜50%歪みでの貯蔵弾
    性率G’が3×102〜7×103Pa、損失弾性率G”
    が2×102〜6×103Paであることを特徴とする請
    求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 【請求項12】 該変性されたポリエステル樹脂中の長
    鎖アルキルアルコールの含有率が、全結着樹脂中、0.
    05〜30重量%であることを特徴とする請求項2又は
    3記載の静電荷像現像用トナー。
  13. 【請求項13】 該変性されたポリエステル樹脂中の長
    鎖アルキルアルコールの含有率が、全結着樹脂中、0.
    1〜25重量%であることを特徴とする請求項2又は3
    記載の静電荷像現像用トナー。
  14. 【請求項14】 該変性されたポリエステル樹脂中の長
    鎖アルキルカルボン酸の含有率が、全結着樹脂中、0.
    05〜30重量%であることを特徴とする請求項4記載
    の静電荷像現像用トナー。
  15. 【請求項15】 該変性されたポリエステル樹脂中の長
    鎖アルキルカルボン酸の含有率が、全結着樹脂中、0.
    1〜25重量%であることを特徴とする請求項4記載の
    静電荷像現像用トナー。
  16. 【請求項16】 該トナー用主結着樹脂が、ポリエステ
    ル樹脂と該変性ポリエステル樹脂との混合物からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  17. 【請求項17】 該トナーにおいて、その主結着樹脂の
    酸価が2.5〜800mgKOH/gであることを特徴
    とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  18. 【請求項18】 該トナーにおいて、その主結着樹脂の
    酸価が5〜60mgKOH/gであることを特徴とする
    請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  19. 【請求項19】 該トナーにおいて、その主結着樹脂の
    酸価が10〜50mgKOH/gであることを特徴とす
    る請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  20. 【請求項20】 該トナーにおいて、その主結着樹脂の
    OH価が80mgKOH/g以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  21. 【請求項21】 該トナーにおいて、その主結着樹脂の
    OH価が70mgKOH/g以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  22. 【請求項22】 該トナーにおいて、その主結着樹脂の
    OH価が60mgKOH/g以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  23. 【請求項23】 該主結着樹脂の数平均分子量(Mn)
    が1,000〜50,000、重量平均分子量(Mw)
    が20,000〜2,000,000であることを特徴
    とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  24. 【請求項24】 該主結着樹脂の数平均分子量(Mn)
    が1,500〜20,000、重量平均分子量(Mw)
    が40,000〜1,500,000であることを特徴
    とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  25. 【請求項25】 該主結着樹脂のガラス転移温度が40
    〜80℃であることを特徴とする請求項1記載の静電荷
    像現像用トナー。
  26. 【請求項26】 該主結着樹脂のガラス転移温度が45
    〜65℃であることを特徴とする請求項1記載の静電荷
    像現像用トナー。
  27. 【請求項27】 該長鎖アルキルアルコールの融点が7
    0〜140℃であることを特徴とする請求項2又は3記
    載の静電荷像現像用トナー。
  28. 【請求項28】 該長鎖アルキルカルボン酸の融点が7
    0〜140℃であることを特徴とする請求項4記載の静
    電荷像現像用トナー。
  29. 【請求項29】 該長鎖アルキルアルコールの数平均分
    子量(Mn)が150〜4,000、重量平均分子量
    (Mw)が250〜10,000であることを特徴とす
    る請求項2又は3記載の静電荷像現像用トナー。
  30. 【請求項30】 該長鎖アルキルアルコールの数平均分
    子量(Mn)が250〜2,500、重量平均分子量
    (Mw)が400〜8,000であることを特徴とする
    請求項2又は3記載の静電荷像現像用トナー。
  31. 【請求項31】 該長鎖アルキルカルボン酸の数平均分
    子量(Mn)が150〜4,000、重量平均分子量
    (Mw)が250〜10,000であることを特徴とす
    る請求項4記載の静電荷像現像用トナー。
  32. 【請求項32】 該長鎖アルキルカルボン酸の数平均分
    子量(Mn)が250〜2,500、重量平均分子量
    (Mw)が400〜8,000であることを特徴とする
    請求項4記載の静電荷像現像用トナー。
  33. 【請求項33】 該長鎖アルキルアルコールのOH価が
    5〜150mgKOH/gであることを特徴とする請求
    項2又は3記載の静電荷像現像用トナー。
  34. 【請求項34】 該長鎖アルキルアルコールのOH価が
    10〜120mgKOH/gであることを特徴とする請
    求項2又は3記載の静電荷像現像用トナー。
  35. 【請求項35】 該長鎖アルキルカルボン酸の酸価が5
    〜150mgKOH/gであることを特徴とする請求項
    4記載の静電荷像現像用トナー。
  36. 【請求項36】 該長鎖アルキルカルボン酸の酸価が1
    0〜120mgKOH/gであることを特徴とする請求
    項4記載の静電荷像現像用トナー。
  37. 【請求項37】 該変性されたポリエステル樹脂は、2
    5〜75℃のガラス転移温度(Tg)を有していること
    を特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  38. 【請求項38】 該変性されたポリエステル樹脂は、3
    0〜70℃のガラス転移温度(Tg)を有していること
    を特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  39. 【請求項39】 該変性されたポリエステル樹脂の数平
    均分子量(Mn)が2,000〜100,000、重量
    平均分子量(Mw)が3,500〜500,000であ
    ることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  40. 【請求項40】 該変性されたポリエステル樹脂の数平
    均分子量(Mn)が2,500〜50,000、重量平
    均分子量(Mw)が4,000〜200,000である
    ことを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  41. 【請求項41】 該変性されたポリエステル樹脂の酸価
    が1〜60mgKOH/g、OH価が1〜60mgKO
    H/gであることを特徴とする請求項1記載の静電荷像
    現像用トナー。
  42. 【請求項42】 該変性されたポリエステル樹脂の酸価
    が5〜45mgKOH/g、OH価が11〜40mgK
    OH/gであることを特徴とする請求項1記載の静電荷
    像現像用トナー。
  43. 【請求項43】 全結着樹脂中の反応及び未反応の長鎖
    アルキルアルコールの含有量が0.1〜30重量%であ
    ることを特徴とする請求項2又は3記載の静電荷像現像
    用トナー。
  44. 【請求項44】 全結着樹脂中の反応及び未反応の長鎖
    アルキルアルコールの含有量が0.5〜20重量%であ
    ることを特徴とする請求項2又は3記載の静電荷像現像
    用トナー。
  45. 【請求項45】 全結着樹脂中の反応及び未反応の長鎖
    アルキルカルボン酸の含有量が0.1〜30重量%であ
    ることを特徴とする請求項4記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  46. 【請求項46】 全結着樹脂中の反応及び未反応の長鎖
    アルキルカルボン酸の含有量が0.5〜20重量%であ
    ることを特徴とする請求項4記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
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