JP3789044B2 - トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法及びトナージェット法の如き画像形成方法に用いられるトナー、特にオイルレス熱ロール定着に適したトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載されている如く、多数の方法で知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱,圧力或は溶剤蒸気などにより定着し複写物を得るものである。
【0003】
上述の最終工程であるトナー像を紙などのシートに定着する工程に関しては種々の方法や装置が開発されている。現在最も一般的な方法は加熱ローラーによる圧着加熱方式である。
【0004】
加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した加熱ローラーの表面に、被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着を行なうものである。この方法は加熱ローラー表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行なうことができ、高速度電子写真複写機において非常に有効である。しかしながら、上記方法では、加熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー像の一部が定着ローラー表面に付着・転移し、次の被定着シートにこれが再転移していわゆるオフセット現象が生じ、定着シートを汚すことがある。加熱定着ローラーの表面に対してトナーが付着しないようにすることが加熱ローラー定着方式の必須の条件である。
【0005】
そこで、従来定着ローラー表面にトナーを付着させない目的で、例えばローラー表面をトナーに対して離型性の優れた材料、シリコーンゴムや弗素系樹脂などで形成し、さらにその表面にオフセット防止及びローラー表面の疲労を防止するためにシリコーンオイル、フッ素オイルの如き離型性の高い液体の薄膜でローラー表面を被覆することが行なわれている。しかしながら、この方法はトナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、オフセット防止用液体を供給するための装置が必要なため、定着装置が複雑になること等の問題点を有していることはもちろんのこと、このオイル塗布が定着ローラーを構成している層間のはく離を起こし結果的に定着ローラーの短寿命化を促進するという弊害がつきまとう。これら定着器を用いトナー像を定着せしめる転写材としは、一般に各種紙類、コーティング紙、プラスチックフィルム等が用いられる。中でもプレゼンテーション用としてオーバーヘッドプロジェクターを利用するトランスペアレンシーフィルム(OHP)の必要性が近年注目されている。特にOHPにおいては紙と異なり、オイル吸収能力が低いため現状得られる複写OHPはオイル塗布によるベタベタ感が避けられず、得られた画像の品質に大きな問題が残されている。また、シリコーンオイルなどが熱により蒸発し、機内を汚染したり、回収オイルの処理等の問題も発生する可能性が大きい。そこでシリコーンオイルの供給装置などを用いないで、かわりにトナー中から加熱時にオフセット防止液体を供給しようという考えから、トナー中に低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなどの離型性を添加する方法が提案されている。ところが、充分な効果を出すために多量にこのような添加剤を加えると、感光体へのフィルミングや、キャリアやスリーブなどのトナー担持体の表面を汚染し、画像が劣化し事実上問題となる。そこで画像を劣化させない程度に少量の離型剤をトナー中に添加し、若干の離型性オイルの供給もしくはオフセットしたトナーを巻き取り式の例えばウェブの如き部材を用いた装置又はクリーニングパットを用いクリーニングする装置を併用することが行なわれている。
【0006】
しかし最近の小型化,軽量化,高信頼性の要求を考慮するとこれらの補助的な装置すら除去することが必要であり好ましい。従ってトナーの定着、オフセットなどのさらなる性能向上がなければ対応しきれず、それはトナーのバインダー樹脂、離型剤等のさらなる改良がなければ実現することが困難である。
【0007】
さらに、特にフルカラー分野においては、離型剤を含有させることにより、転写材にOHPを用いた際、離型剤の高結晶化や樹脂との屈折率差等の原因のため定着後の画像の透明性やヘイズが若干落ちてしまう問題が生じてしまう。
【0008】
トナー中に離型剤としてワックスを含有させることは知られている。例えば特公昭52−3304号公報、特公昭52−3305号公報、特開昭57−52574号公報等に技術が開示されている。
【0009】
また、特開平3−50559号公報、特開平2−79860号公報、特開平1−109359号公報、特開昭62−14166号公報、特開昭61−273554号公報、特開昭61−94062号公報、特開昭61−138259号公報、特開昭60−252361号公報、特開昭60−252360号公報、特開昭60−217366号公報などにワックス類を含有させる技術が開示されている。
【0010】
ワックス類は、トナーの低温時や高温時の耐オフセット性の向上や、低温時の定着性の向上のために用いられているが反面、耐ブロッキング性を悪化させたり、複写機等の昇温などによって熱にさらされると現像性が悪化したり、また長期トナーを放置した際にワックスがトナー表面にマイブレーションして現像性が悪化したりする。
【0011】
従来のトナーでは、これらの面をすべてを満足するものは無く、何らかの問題点が生じていた。例えば、耐高温オフセットや現像性は優れているが低温定着性が今一歩であったり、耐低温オフセットや低温定着性には優れているが、耐ブロッキング性にやや劣り、機内昇温で現像性が低下するなどの弊害があったり、低温時と高温時の耐オフセット性が両立できなかったり、OHP透明性が極度に悪かったりしていた。
【0012】
特にOHPの透明性に関しては、ワックス自身の結晶化を落とすために、結晶化核剤等をワックスに添加する提案(特開平4−149559号公報、特開平4−107467号公報)や、ワックス自身の結晶化度の小さいものを使用する提案(特開平3−091108号公報、特開平3−242397号公報)やバインダーとの相溶性が良好で、バインダーより溶融粘度が低い物質をバインダー中に添加することにより、定着後のトナー層の表面平滑性を良好にする提案が特願平3−212652号公報などでされているが、これも溶融粘度の低い物質のマイグレーションが問題となる。
【0013】
また、特開平1−267561号公報ではエポキシ樹脂に1価カルボン酸類を反応させる方法も提案されているが、用いられている1価のカルボン酸自身の離型効果が小さいため、オイル塗布の定着ローラー以外ではオフセットが発生する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は多量のオイルを塗布することなく、またはオイルを全く塗布することなく定着し得るトナーを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、着色剤及び結着樹脂を含有するトナーにおいて、結着樹脂として、ポリオール樹脂をHOOC(CH2)xCOOH(x=35〜250)でエステル化変性した樹脂を用いることを特徴とするトナーである。
【0016】
本発明者はこれまでに離型効果が高く定着ローラーにシリコーンオイルの塗布の必要のないトナーに関して検討したが、結着樹脂に離型効果の高い離型剤を添加しても離型剤と結着樹脂との相溶性,分散性,透明性やワックスのマイグレーション等で問題があり、離型剤を樹脂に変性させることを考え、特に離型効果の高いHOOC(CH2)xCOOH(x=35〜250)で示される(I)化合物を反応活性点の多いポリオール樹脂に注目して鋭意検討の結果、本発明に至った。本来(I)化合物は結晶性が高くトナーの透明性を悪化させるが、(I)化合物との反応性の高いポリオール樹脂にリング状に変性させることで(I)化合物の分子集合体の問題(結晶性)をなくし、(I)化合物1分子の以上の離型効果を樹脂に与えうることを本発明者らは見い出した。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明では(I)化合物をポリオール樹脂に対して2〜30重量%で変性させることが好ましい。2重量%未満ではオイルレス定着に対するトナーの離型効果が不十分で、40重量%を超える場合では未反応の(I)化合物が樹脂中に残存し、トナーの保存性,定着画像の透明性等を悪化させる。
【0018】
本発明に用いられる(I)化合物は次の様に合成される。
【0019】
エチレンをチーグラー触媒を用いて重合後、酸化して触媒金属とポリエチレンとのジアルコキシドを生成する。この後加水分解することにより長鎖アルキルジアルコールを合成し、この長鎖ジアルキルアルコールをさらに酸化し、(I)化合物である長鎖アルキルカルボン酸を得る。
【0020】
(I)化合物のアルキル鎖の長さを示すxは35〜250、好ましくは35〜200である。xが34以下の場合は、十分な離型効果が得られず、オイルレス熱ロール定着ではオフセットが生じやすい。またトナーの保存性が低下しやすい。xが251を超える場合はカラートナーにおけるOHP透明性が低下し、また、ポリオール樹脂に均一に変性させることが難しい。
【0021】
本発明に用いられるポリオール樹脂としてはビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの重縮合物が望ましく、このようなポリオール樹脂としてエポキシ樹脂があげられ、市販のものの代表として旭エポキシレジン330R,331R,331B,331C,331D,331L,331K,337,354,X2298,X2302(以上旭化成工業(株)製)、アデカレジンEP−4100,EP−4900,EP−4340,EP−4100TX,EP−4200,EP−4300,EP−4400,EP−4500A,EP−4520,EP−5100−75X,EP−5100−75T,EP−4340−90X,EP−4340−90T,EP−6027,EP−6030,EP−4004,EP−5100,EP−5400,EP−5700,EP−5900,EP−4080(以上旭電化工業(株)製)、スミエポキシELA−115,ELA−117,ELA−118,ELA−127,ELA−128,ELA−134,ESA−011,ESA−012,ESA−014,ESA017,ESA019(以上住友化学工業(株)製)、D.E.R.−317,D.E.R.−330,D.E.R.−331,D.E.R.−332,D.E.R.−337,D.E.R.−383,D.E.R.−324,D.E.R.−361,D.E.R.−343(以上ダウケミカル日本(株)製)等がある。
【0022】
またこれらのエポキシ樹脂と(2)式で表わされるビスフェノール誘導体
【0023】
【化1】
との重付加反応で得られるポリオール樹脂等が挙げられる。
【0024】
本発明のトナーは、その帯電性をさらに安定化させる為に必要に応じて荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤は、結着樹脂100重量部当り0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部使用するのが好ましい。
【0025】
今日、当該技術分野で知られている荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
【0026】
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効である。モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、金属錯体、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体が挙げられる。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールのフェノール誘導体類が挙げられる。
【0027】
本発明のトナーを磁性トナーとして用いる場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,Cd,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0028】
磁性材料としては、従来、四三酸化鉄(Fe3O4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe2O4)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5O12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2O4)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe5−O12)、酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(PbFe12−O19)、酸化鉄ニッケル(NiFe2O4)、酸化鉄ネオジム(NdFe2O3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マンガン(MnFe2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が知られているが、本発明によれば、上述した磁性材料を単独で或いは2種以上の組合せで選択使用する。本発明の目的に特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0029】
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度で、10kエルステッド印加での磁気特性が抗磁力20〜150エルステッド飽和磁化50〜200emu/g(好ましくは50〜100emu/g)、残留磁化2〜20emu/gのものが望ましい。
【0030】
結着樹脂100重量部に対して、磁性体10〜200重量部、好ましくは20〜150重量部使用するのが良い。
【0031】
また、一成分,二成分を問わず着色剤としては、カーボンブラック,チタンホワイトやその他あらゆる顔料及び/又は染料を用いることができる。例えば本発明のトナーを磁性カラートナーとして使用する場合には、染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等がある。顔料としては、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
【0032】
また、本発明のトナーを二成分フルカラー用トナーとして使用する場合には、次の様なものが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207,209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35等が挙げられる。
【0033】
かかる顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。かかるマゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料が挙げられる。
【0034】
その他の着色顔料として、シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45又は化3式で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等である。
【0035】
【化2】
【0036】
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20等が挙げられる。
【0037】
尚、着色剤の使用量は結着樹脂100重量部に対して、0.1〜60重量部好ましくは0.5〜50重量部である。
【0038】
また、本発明において、必要に応じて一種又は二種以上の離型剤を、トナー中に含有させてもかまわない。
【0039】
本発明に用いられる負帯電性流動化剤としては、着色剤含有樹脂粒子に添加することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであれば、どのようなものでも使用可能である。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末等のフッ素系樹脂粉末、酸化チタン微粉末、アルミナ微粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等の微粉末シリカ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ等がある。
【0040】
例えば乾式製法シリカとしては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるもので、従来公知の技術によって製造されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
【0041】
SiCl2+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0042】
また、この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又は塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含する。その粒径は、平均の一次粒径として、0.001〜2μmの範囲内であることが望ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0043】
本発明に用いられるケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の様な商品名で市販されているものがある。
【0044】
【0045】
さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体を用いることがより好ましい。該処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。
【0046】
疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0047】
そのような有機ケイ素化合物の例は、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
【0048】
本発明に用いられる流動化剤として、前述した乾式法シリカを、次に挙げるアミノ基を有するカップリング剤或いは、シリコーンオイルで処理したものを本発明の目的を達成するために必要に応じて用いてもかまわない。
【0049】
【化3】
【0050】
【化4】
【0051】
シリコーンオイルとしては一般に次式の側鎖にアミノ基を有する部分構造を具備しているアミノ変性シリコーンオイルなどが用いられる。
【0052】
【化5】
【0053】
(ここでR1は水素、アルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を表わし、R2はアルキレン基、フェニレン基を表わし、R3,R4は水素、アルキル基或いはアリール基を表わす。但し、上記アルキル基、アリール基、アルキレン基、フェニレン基はアミンを含有していても良いし、また帯電性を損ねない範囲でハロゲン等の置換基を有していても良い。m及びnは正の整数を示す。)
【0054】
そのようなアミノ基を有するシリコーンオイルとしては例えば以下のものがある。
【0055】
【0056】
なお、アミン当量とは、アミン1個あたりの当量(g/eqiv)で、分子量を1分子あたりのアミン数で割った値である。
【0057】
本発明に用いられる流動化剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー100重量部に対して流動化剤0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜4重量部使用するのが良い。
【0058】
本発明のトナーを作製するには結着樹脂、着色剤及び/又は磁性体、荷電制御剤またはその他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により充分混合し、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕し、粉砕物を分級して本発明のトナーを得ることができる。
【0059】
さらに、流動化剤とトナーをヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー粒子表面に添加剤を有する本発明のトナーを得ることができる。
【0060】
本発明における透明性とグロス(光沢度)の測定法について以下に説明する。
【0061】
1)透明性について
得られた定着画像の単位面積あたりの各トナー量に対する透過率及び曇価(ヘイズ)を測定し、画像濃度1.5における数値を用い、透明性を評価した。以下に透過率とヘイズの測定方法を述べる。
【0062】
透過率の測定は、島津自記分光光度計UV2200(島津製作所社製)を使用し、OHPフィルム単独の透過率を100%とし、
マゼンタトナーの場合:650nm
シアントナーの場合:500nm
イエロートナーの場合:600nm
での最大吸収波長に於ける透過率を測定する。
【0063】
また、ヘイズ測定は、ヘイズメーターNDA−300A(日本発色工業社製)を用いて測定した。
【0064】
2)グロス(光沢度)測定法
VG−10型光沢度計(日本電色製)を用い、色度測定に用いた各ベタ画像を試料として、測定を行う。
【0065】
測定としては、まず定電圧装置により6Vにセットする。次いで投光角度,受光角度をそれぞれ60°に合わせる。
【0066】
0点調整及び標準板を用い、標準設定の後に試料台の上に前記試料画像を置き、さらに白色紙を3枚上に重ね測定を行い、標示部に示される数値を%単位で読みとる。この時S,S/10切替SWはSに合わせ、角度,感度切替SWは45−60に合わせる。
【0067】
尚、画像濃度1.5±0.1の試料を使用する。
【0068】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明する。なお部は全て重量部である。
【0069】
(樹脂製造例1)
ポリオール樹脂(旭エポキシレジン330R,旭化成工業社製)100部
式(2)で示されるビスフェノール誘導体 50部
(R=プロピレン基,x+y=2.1)
トルエン 50部
をN2雰囲気下80℃まで昇温し、0.1Nの水酸化カリウム水溶液を添加し、190℃まで昇温し、減圧下でトルエンを留去する。これにHOOC(CH2)70COOHを15部添加し10時間反応させ、Tg=58℃,Tm=101℃の樹脂(A)を得た。
【0070】
(樹脂製造例2)
樹脂製造例1においてHOOC(CH2)70COOHをHOOC(CH2)38COOHに代える以外はすべて樹脂製造例1と同様に合成して、Tg=60℃,Tm=110℃の樹脂(B)を得た。
【0071】
(樹脂製造例3)
樹脂製造例1においてHOOC(CH2)70COOHをHOOC(CH2)235COOHに代える以外はすべて樹脂製造例1と同様に合成し、Tg=65℃,Tm=120℃の樹脂(C)を得た。
【0072】
(樹脂製造例4)
ポリオール樹脂(EP−4340,旭電化工業社製) 100部
式(2)で示されるビスフェノール誘導体 30部
(R=エチレン基,x+y=2.2)
トルエン 50部
をN2雰囲気下90℃まで昇温し、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加し、185℃まで昇温し、減圧下でトルエンを留去した後、これにHOOC(CH2)153COOHを5部添加し10時間反応させ、Tg=61℃,Tm=107℃の樹脂(D)を得た。
【0073】
(樹脂製造例5)
樹脂製造例4においてHOOC(CH2)153COOHをHOOC(CH2)195COOHに代える以外はすべて樹脂製造例4と同様に合成し、Tg=65℃,Tm=119℃の樹脂(E)を得た。
【0074】
(樹脂製造例6)
樹脂製造例4においてHOOC(CH2)153COOHをHOOC(CH2)40COOHに代える以外はすべて樹脂製造例4と同様に合成し、Tg=55℃,Tm=97℃の樹脂(F)を得た。
【0075】
(樹脂製造例7)
樹脂製造例4においてHOOC(CH2)153COOHをHOOC(CH2)25COOHに代える以外はすべて樹脂製造例4と同様に合成し、Tg=54℃,Tm=98℃の樹脂(G)を得た。
【0076】
(樹脂製造例8)
樹脂製造例4においてHOOC(CH2)153COOHをHOOC(CH2)15COOHに代える以外はすべて樹脂製造例4と同様に合成し、Tg=63℃,Tm=117℃の樹脂(H)を得た。
【0077】
実施例1
樹脂製造例1における樹脂(A)を用いて下記の処方でヘンシェルミキサーで前混合した後、100℃〜130℃で二軸混練押出機にて溶融混練を行なった混練物を冷却後カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いて微粉砕、更に風力分級機で分級し、重量平均径D4=8.0μmの着色微粒子を得、該着色微粒子100部に対し、シランカップリング剤で表面処理した酸化チタン微粒子(BET100m2/g)1.0部をヘンシェルミキサーで外添添加してトナーとした。
【0078】
該トナーを、シリコーン樹脂で表面を被覆されたCu−Zn−フェライトキャリア(平均径50μm)とトナー/キャリア重量比5%で混合し現像剤化した。
【0079】
<マゼンタトナー>
樹脂A 100部
C.I.ピグメントレッド122 4部
ジ−tert−ブチル−サリチル酸クロム錯体 4部
<イエロートナー>
樹脂A 100部
C.I.ピグメントイエロー17 5部
ジ−tert−ブチル−サリチル酸クロム錯体 4部
<シアントナー>
樹脂A 100部
銅フタロシアニン顔料 4部
ジ−tert−ブチル−サリチル酸クロム錯体 4部
<ブラックトナー>
樹脂A 100部
カーボンブラック(トーカブラック4400) 5部
ジ−tert−ブチル−サリチル酸クロム錯体 4部
【0080】
これら4色のトナーおよび現像剤をオイル塗布システムおよび定着ローラーウエッブを除去したキヤノン製カラー複写機CLC1000で画出し試験を行なった。画出し試験はフルカラー両面画像で50枚連続複写を2000回繰り返した後、耐オフセット性を調べるために定着ロールの汚れおよび10000枚目の両面画像の光沢度(グロス)、さらに透明性について調べ、その結果を表1に示す。
【0081】
両面10000枚目でも初期画像と同等な非常に良好な画像が得られた。
【0082】
また該トナーを50℃,7日間放置したときのトナーの外観(トナーの耐ブロッキング性)の評価も表1に併記した。
【0083】
実施例2〜6
表1に示す様に樹脂B〜Fで実施例1と同様に評価した。実施例1と同様、良好な結果が得られた。
【0084】
比較例1及び2
表1に示す様に樹脂G及びHで実施例1と同様に評価した。比較例1及び2はオイルレス定着システムに対しては耐オフセット性が十分ではなく、耐ブロッキング性も十分ではない。
【0085】
【表1】
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、定着ローラーとの離型性を著しく向上させ、定着オイルを塗布しない定着システムにも適用可能なトナーを見い出すことができた。しかも透明性に優れ、耐ブロッキング性も良く、コンパクトなフルカラー画像形成システムに非常に好適なものである。
Claims (1)
- 着色剤及び結着樹脂を含有するトナーにおいて、結着樹脂として、ポリオール樹脂をHOOC(CH2)xCOOH(x=35〜250)でエステル化変性させた樹脂を用いることを特徴とするトナー。
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