JP4424614B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナー及びその製造方法に関する。
電子写真技術の発達に伴い、マシンの小型化が進んでおり、トナーの帯電にキャリアを必要としてない一成分現像方式が主流となっている。この方式では、現像ロールと帯電ブレードの摩擦によりトナーを帯電させるため、耐久性不足による帯電性能の劣化やワックス等のフィルミングが問題となり易い。
そこで、内添剤の分散性を高めて上記問題点を解決する方法として、原料を溶融混練する前に混合する工程を2段階に分けて行う方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。
特開2004−138931号公報 特開2003−43740号公報 特開平7−36215号公報
しかしながら、従来の方法では高速連続印字に対応するには耐久性が不足しており、連続印字に伴うカブリやフィルミングの発生が問題となる。また、離型剤を使用する場合、予備混合工程で分散を高めても溶融混練工程において、結着樹脂との粘度の差や相溶性の悪さから分散が不均一となり、カブリやフィルミングの発生が問題となる。これは、特に、低温定着性に効果のある融点が100℃以下の低融点の離型剤を使用する場合に顕著である。
本発明の課題は、内添剤の分散性に優れ、高速連続印刷においてもカブリやフィルミングの発生が低減されるトナー及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、ガラス転移点が40〜70℃のポリエステルを60重量%以上含有した結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有してなるトナー原料組成物を混合する混合工程、得られた混合物を溶融混練する溶融混練工程、得られた溶融混練物を粉砕する粉砕工程及び得られた粉砕物を分級する分級工程を有するトナーの製造方法であって、前記混合工程におけるトナー原料組成物の混合を、混合機内の温度制御が可能な攪拌式混合機を用いて行い、前記攪拌式混合機内のトナー原料組成物の温度(T1)が、前記ポリエステルのガラス転移点をTg(℃)とするとき、式(1):
Tg≦T1≦Tg+10℃ (1)
を満足し、混合時間が5〜30分であるトナーの製造方法に関する。
本発明の方法により、内添剤の分散性に優れ、高速連続印刷においてもカブリやフィルミングの発生が低減されるトナーを製造することができる。
本発明は、ポリエステルを結着樹脂として含有するトナーを、少なくとも混合工程、溶融混練工程、粉砕工程及び分級工程を経て製造するにあたり、混合工程をポリエステルのガラス転移点以上の特定の温度条件下で特定時間行うことに大きな特徴を有する。即ち、樹脂のガラス転移点は、樹脂の分子が動き出す温度であり、従来は、混合シェアを高めるために結着樹脂のガラス転移点未満の温度で混合を行っている(例えば、特許文献1参照)。そのため、連続での攪拌は困難であり、混合を数回に分けて、一度の混合時間を短縮する方法が採用されている。しかしながら、本発明では、従来検討されていない結着樹脂のガラス転移点以上での混合条件を検討した結果、特定のポリエステルのガラス転移点と同じ温度又は若干高い温度で特定時間連続して混合することにより、その詳細な理由は不明なるも、離型剤等の内添剤の分散性に優れたトナーが得られることを見出した。これは、一般には、離型剤等の内添剤をトナー原料組成物中にいかに均一に分散させるかに主眼が置かれているため、結着樹脂のガラス転移点以上の温度で混合を行うと、結着樹脂の凝集により分散の均一性が阻害されると考えられているが、本発明では、ポリエステルのガラス転移点以上の特定の温度条件下で混合を行うことにより、結着樹脂が凝集を起こさずにポリエステル表面に内添剤が埋め込まれ、溶融混練時のポリエステルと内添剤の溶融状態が均一化し、内添剤の分散性が向上しているのではないかと推定される。
混合工程は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有したトナー原料組成物を混合する工程である。
結着樹脂は、定着性と保存安定性の観点から、ガラス転移点が、40〜70℃、好ましくは50〜65℃のポリエステルを含有するものである。かかるポリエステルの含有量は、結着樹脂中、60重量%以上であり、80重量%以上が好ましく、実質的に100重量%がさらに好ましい。ポリエステル以外の結着樹脂としては、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。ポリエステルのガラス転移点は、モノマーの構造や組成比の調整により調整することができる。
ポリエステルは、特に限定されないが、公知のアルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分とを縮重合させて得られる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等の式(I):
Figure 0004424614
(式中、ROはアルキレンオキサイドであり、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す正の数であり、xとyの和は1〜16、好ましくは1.5〜5である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で行うことができる。
ポリエステルの軟化点は、内添剤の分散性の観点から、80〜165℃が好ましく、100〜150℃がより、酸価は0.5〜60mgKOH/gが好ましく、3〜40mgKOH/gがより好ましい。軟化点や酸価は縮重合の温度、反応時間を調節することにより所望のものを得ることができる。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等を使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明により製造するトナーは、黒トナー、カラートナー、フルカラートナーのいずれであってもよい。着色剤の配合量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
離型剤としては、カルナウバワックス、ライスワックス等のエステルワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、パラフィンワックス等の石油ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、アルコール系ワックス等のワックスが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して含有していてもよく、エステルワックスは遊離脂肪酸を除去した精製エステルワックスでもよい。本発明においては、ポリエステルとの相溶性の観点から、エステルワックス及び石油ワックスが好ましく、石油ワックスがより好ましい。
ワックスの融点は、定着性及び耐久性の観点から、70〜100℃が好ましく、70〜90℃がより好ましい。
離型剤の配合量は、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部が好ましく、1〜8重量部がより好ましい。
本発明においては、結着樹脂、着色剤及び離型剤に加えて、さらに、荷電制御剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を原料として適宜使用してもよい。
荷電制御剤としては、負帯電性及び正帯電性のいずれのものも使用することができる。負帯電性荷電制御剤としては、例えば、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正帯電性荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。また、樹脂等の高分子タイプのものを使用することもできる。荷電制御剤の配合量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜8重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。
トナー原料組成物の混合は、混合機内の温度制御が可能な攪拌式混合機を用いて行い、攪拌式混合機内のトナー原料組成物の温度(T1)が、前記ポリエステルのガラス転移点をTg(℃)とするとき、式(1):
Tg≦T1≦Tg+10℃ (1)
を満足する条件下で行う。式(1)は、好ましくはTg≦T1≦Tg+9℃であり、より好ましくはTg≦T1≦Tg+8℃である。ここで、攪拌式混合機内のトナー原料組成物の温度(T1)は、混合機内に設置し、トナー原料組成物と接触した熱電対の温度から確認することができる。
攪拌式混合機による混合時間は、内添剤の分散性と結着樹脂の凝集防止の観点から、5〜30分であり、好ましくは7〜25分、より好ましくは10〜20分である。本発明では、上記温度条件下で混合を行うため、従来に比べて混合を長時間行うことができ、混合工程で結着樹脂と内添剤を均一に分散できるため、次工程の混練工程でより均一分散ができるという利点を有する。ここで、混合時間とは、式(1)で表される所定の温度の範囲に制御されてからの温度である。
本発明に用いられる攪拌式混合機は、混合機内の温度制御が可能な構造を有するものであれば特に限定されないが、具体的には、混合機内の温度制御が可能なジャケット部を有する攪拌式混合機が好ましい。かかる混合機は、例えば、混合に供された原料と接触するように混合機内に設置された熱電対により、混合機内の温度が管理され、熱電対が所定の温度に達すると、その温度が維持されるようにジャケット部によって温度調整される機構を有する。
ジャケット部を有する攪拌式混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、ハイスピードミキサー(深江工業社製)、レーディゲミキサー(マツボー社製)等の各種混合機を特に限定することなく使用することができるが、なかでも、離型剤のポリエステルへの分散性を向上する観点から、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)が好ましい。
攪拌式混合機は、攪拌羽根を有するものが好ましい。攪拌羽根を有する攪拌式混合機による混合は、混合に供されるトナー原料組成物が攪拌羽根の回転により発生した空気の流れにより浮遊懸架されて流動化状態となり、この回転により形成された循環流により対流混合が行われるとともに、さらに攪拌による剪断混合を受けて、より高度に分散される。
攪拌式混合機は複数の攪拌羽根を有していることが好ましく、混合機のスケール等によっても異なるが、攪拌羽根の枚数は、2〜5枚が好ましい。ヘンシェルミキサーを使用する場合は、混合槽の底面中心から突出した軸を中心軸とする、上下一組の攪拌羽根(計2枚)を有することが好ましい。さらに、循環流を促進するために、混合槽の上層部にディフレクタ(層流板)を具備していることが好ましい。
攪拌羽根の周速は、10〜30m/secが好ましく、15〜25m/secがより好ましい。
溶融混練工程は、得られた混合物を溶融混練する工程である。
原料の溶融混練は、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機又はオープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて行うことができる。溶融混練の温度は、各原料が十分に混ざり合える程度の温度であれば特に限定されない。
粉砕工程は、得られた溶融混練物を粉砕する工程であり、溶融混練物は、粉砕が可能な程度まで適宜冷却された後、粉砕工程に供する。
粉砕工程で用いられる粉砕機としては、衝突板式ジェットミル、流動層式ジェットミル、回転型機械ミル等が挙げられ、これらの中ではジェットミルが好ましい。
分級工程は、得られた粉砕物を分級する工程である。分級に用いられる分級装置としては、サイクロン型風力分級機、ロータ型分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられ、これらの中では、サイクロン型風力分級機及びロータ型分級機が好ましい。
本発明により得られるトナーの体積中位粒径(D50)は、3〜15μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
さらに、分級工程の後、疎水性シリカ等の流動性向上剤等の外添剤をトナー表面に外添してもよい。
本発明により得られたトナーは、現像方法に限定されず使用することができ、一成分現像用トナー及び二成分現像用トナーのいずれにも用いることができるが、本発明のトナーは、高い耐久性が要求される非磁性一成分現像方式においても好適に使用することができる。
〔軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。
〔ワックスの融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
測定粒径範囲:2〜60μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
樹脂製造例
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)1890g、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン760g、テレフタル酸700g、トリメリット酸220g、ドデセニルコハク酸240g及び酸化ジブチル錫10gを、窒素雰囲気下、230℃で攪拌し、軟化点が140℃に達するまで反応させて、樹脂Aを得た。樹脂Aのガラス転移点は60℃、酸価は6.5mgKOH/gであった。
実施例1〜6及び比較例1〜4
樹脂A 100重量部、荷電制御剤「T-77」(保土ヶ谷化学工業社製)1重量部、パラフィンワックス「HNP-9」(日本精鑞社製、融点:79℃)2重量部及びカーボンブラック「MOGUL L」(キャボット社製)5重量部からなるトナー原料組成物を、混合槽の外壁に装備されたジャケットにより混合機内の温度が制御されるヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて、トナー原料組成物の温度が表1に示す温度の範囲になるようにジャケットの温度を制御しながら、該温度御範囲で表1に示す条件(攪拌羽根の周速及び時間)で混合を行った。ヘンシェルミキサーでは、混合槽の底面中心から突出した軸を中心軸とする上下一組の攪拌羽根により、トナー原料組成物の対流混合と剪断混合が同時に行われ、さらに混合槽の蓋に固定されたディフレクタ(層流板)により循環流が促進される。
混合の際、ヘンシェルミキサーの内壁及び攪拌羽根への原料組成物の融着状態を目視にて観察し、以下の評価基準に従って、原料組成物の融着状態を評価した。結果を表1に示す。ただし、比較例4では、原料組成物の大半が融着したため混合の続行が不可能であった。
〔融着の評価基準〕
○:壁面及び攪拌羽根のいずれにも融着物は認められない。
△:壁面への融着は認められないが、攪拌羽根に僅かに融着物が認められる。
×:壁面及び攪拌羽根に大量の融着物が認められる。
さらに、混合終了直後、混合槽下部に設けられた排出弁から混合物を排出する際の混合物の粉煙の状態を目視にて観察し、以下の評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。混合前のトナー原料組成物は、着色剤、荷電制御剤等の内添剤による粉煙が発生しやすい状態である。
〔粉煙の評価基準〕
○:内添剤が結着樹脂中に埋め込まれ、粉煙は殆ど認めらない。
△:粉煙は若干認められるが、混合前より明らかに減少している。
×:混合前と変わらず粉煙が発生している。
さらに、混合物100gを目開き3mmの篩いにかけて、篩い上に残存した凝集物の割合(重量%)を測定し、以下の評価基準に従って凝集の程度を評価した。結果を表1に示す。
〔凝集の評価基準〕
○:凝集物は3重量%未満である。
△:凝集物が3重量%以上、5重量%未満である。
×:凝集物が5重量%以上である。
得られた混合物を二軸押出機「PCM30」(池貝製、バレル温度:100℃、スクリュー回転数200r/min)により溶融混練し、衝突板式粉砕機及びディスパージョンセパレーターを用いて、粉砕・分級を行い、体積中位粒径8μmの粉体(未処理トナー)を得た。
この未処理トナー100重量部に、疎水性シリカ「NAX-50」(日本アエロジル社製、粒径:約30nm)1重量部及び疎水性シリカ「RX-300」(日本アエロジル社製、粒径:約8nm)0.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、トナーを得た。
得られたトナー中に分散したワックスは、トナーをミクロトームでカットし、得られた薄片を透過型走査電子顕微鏡(TEM)にて100個観察してその最大径を測定し、数平均により個数平均粒径を算出して、以下の評価基準によりワックスの分散状態を評価した。結果を表1に示す。
〔ワックスの分散状態の評価基準〕
○:個数平均粒径が1μm未満である。
△:個数平均粒径が1μm以上、1.5μm未満である。
×:個数平均粒径が1.5μm以上である。
試験例
トナーをプリンター「MICROLINE 3010cW」(沖データ社製、印刷速度:A4紙縦換算で14ppm(paper per minite))に実装し、印字率5%の画像を5000枚連続印刷した。印刷終了後、5000枚目の画像の非印字部のカブリを色彩色度計「CR-321」(ミノルタ社製)で測定し、以下の評価基準に従ってカブリを評価した。結果を表1に示す。
〔カブリの評価基準〕
○:カブリが0.3未満である。
△:カブリが0.3以上1.0未満である。
×:カブリが1.0以上である。
さらに、印刷終了後の感光体表面の状態及び画像上の抜けを目視にて観察し、以下の評価基準に従ってフィルミングを評価した。結果を表1に示す。
〔フィルミングの評価基準〕
○:フィルミングの発生は認められず、画像上の抜けも認められない。
△:僅かにフィルミングが発生しているが、画像上の抜けは認められない。
×:フィルミングが発生し、画像上にも抜けが認められる。
Figure 0004424614
以上の結果より、実施例1〜6では、原料組成物の混合時間が短すぎる比較例1や、混合温度が所定の温度よりも低い比較例2、3と対比して、ワックスの分散性がよく、高速での連続印刷においても、カブリやフィルミングが低減されていることが分かる。
本発明により得られるトナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (3)

  1. ガラス転移点が50〜65℃のポリエステルを80重量%以上含有した結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有してなるトナー原料組成物を混合する混合工程、得られた混合物を溶融混練する溶融混練工程、得られた溶融混練物を粉砕する粉砕工程及び得られた粉砕物を分級する分級工程を有するトナーの製造方法であって、前記混合工程におけるトナー原料組成物の混合を、混合機内の温度制御が可能な攪拌式混合機を用いて行い、前記攪拌式混合機内のトナー原料組成物の温度(T1)が、前記ポリエステルのガラス転移点をTg(℃)とするとき、式(1):
    Tg≦T1≦Tg+10℃ (1)
    を満足し、混合時間が5〜30分であり、前記離型剤が、結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部の、融点70〜90℃の石油ワックスであるトナーの製造方法。
  2. 攪拌式混合機が攪拌羽根を有するものであって、周速10〜30m/secで混合を行う請求項1記載のトナーの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法により得られるトナー。
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